表示装置の製造方法
【課題】有機EL表示装置の画素の有機EL層をレーザビームを用いた転写方式によって形成する。
【解決手段】レーザ光源40から出射したレーザビーム41はダイクロイックミラー42を通過して、ガルバノミラー43によって反射し、放物線ミラー50に入射する。ガルバノミラー43は放物線ミラー50の焦点に設置されているので、放物線ミラー50を反射したレーザビーム41は真空チャンバ60のガラス窓61を通過して、真空チャンバ60内に設置された、有機EL材料が設置された材料板30に直角に入射する。材料板30に設置された有機EL材料はレーザビーム41によって加熱され、蒸発して、素子基板10に転写される。レーザビーム41は材料板30に常に直角に入射するので、有機EL材料の精度の良い転写が可能になる。
【解決手段】レーザ光源40から出射したレーザビーム41はダイクロイックミラー42を通過して、ガルバノミラー43によって反射し、放物線ミラー50に入射する。ガルバノミラー43は放物線ミラー50の焦点に設置されているので、放物線ミラー50を反射したレーザビーム41は真空チャンバ60のガラス窓61を通過して、真空チャンバ60内に設置された、有機EL材料が設置された材料板30に直角に入射する。材料板30に設置された有機EL材料はレーザビーム41によって加熱され、蒸発して、素子基板10に転写される。レーザビーム41は材料板30に常に直角に入射するので、有機EL材料の精度の良い転写が可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機EL表示装置に係り、特に有機EL層を効率よく、かつ、正確に形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、有機EL表示装置等は、画面がフラットで薄型であるということで、モニタ、TV等でのフラットディスプレイとして需要が拡大している。有機EL表示装置は自発光であることから、視野角特性が優れているとともに、バックライトが不用であるという特徴からディスプレイとして種々の応用分野が見込まれている。
【0003】
有機EL表示装置は発光をする複数の層からなる有機EL層と有機EL層を駆動するTFTとから画素が構成され、この画素がマトリクス上に配置されることによって表示領域が形成されている。従来技術においては、有機EL層は、画素部において、薄膜トランジスタ(TFT)等が形成された層の上の平坦化膜の上、あるいは、TFTが形成されていない層の上の平坦化膜の上に蒸着によって形成される。
【0004】
この蒸着は各色毎に蒸着マスクを用いて蒸着される。各色毎に有機層を蒸着しなければならないことに加え、各色毎に蒸着マスクを交換しなければならない。有機EL表示装置では画素の精細度が高いために、蒸着マスクのホールは非常に小さなものとなり、蒸着するにしたがって、ホールの径が変化するので蒸着マスクは定期的に交換あるいはメンテナンスをする必要があり、量産上問題がある。また、蒸着によって、形成される画素の大きさ及びピッチは非常に小さいために、各色毎の蒸着マスクの合わせを高精度に行わなければならないとういう問題点もある。このように、蒸着によって有機EL層を形成することは量産上問題がある。
【0005】
蒸着をせずに有機EL層を画素部分に形成する技術として、TFT等が形成された素子基板に近接して、ベース基板に有機EL材料が形成された材料板を設置し、この材料板にレーザビームを照射することによって、有機EL材料を昇華、あるいは蒸発させて素子基板の画素部に有機EL層を転写する技術がある。
【0006】
「特許文献1」には、レーザビームのエネルギープロファイルをガウス分布でなく、矩形状に形成することによって、転写される有機EL層の精度を上げる技術が記載されている。また、「特許文献2」には、ガラス板に貼り付けられた金属シートの凸部に有機EL材料を形成し、この凸部に形成された有機EL材料を素子基板に転写する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−257641号公報
【特許文献2】特開2000−12216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
「特許文献1」および「特許文献2」には、有機EL材料を精度よく転写する技術が記載されているが、レーザビームを効率よく、高速に照射する技術、レーザビームのエネルギー効率等については記載が無い。
【0009】
図12はレーザビーム41によって有機EL材料を素子基板10に転写するシステムの概略図である。なお、本明細書では、TFT、有機EL層22、走査線、映像信号線等が形成された基板を素子基板10と呼ぶ。図12において、レーザ光源40から出たレーザビーム41はガルバノミラー43に入射する。なお、レーザはYAGレーザが使用される。ガルバノミラー43は、ミラーの角度を変えることによってレーザビーム41を偏向することが出来る。したがって、レーザビーム41を高速に走査することが出来るという特徴を有する。
【0010】
真空チャンバ60中には、素子基板10と、素子基板10に近接して有機材料が形成された材料基板が設置されている。ガルバノミラー43から反射したレーザビーム41は真空チャンバ60に形成されたガラス窓61を通して材料基板に入射する。材料基板に形成された有機EL材料はレーザビーム41によって加熱され、蒸発して素子基板10に転写される。レーザビーム41の走査は間欠的に行い、画素部分において、レーザビーム41をONすることによって素子基板10の画素部分に対応する部分のみに有機EL材料を形成する。
【0011】
この技術はガルバノミラー43を使用することによってレーザビーム41を高速に走査することが出来るが、材料基板の中央以外にレーザビーム41が照射された場合、次のような問題点が生ずる。問題点の一つは、素子基板10の中央以外においては、材料基板に投射されるレーザビーム41のプロファイル、すなわち、スポット形状が歪むという点である。例えば、レーザビーム41の断面が円であった場合、材料基板上のレーザビーム41の平面図は楕円になる。すなわち、楕円になった分、転写される有機EL材料の形状が変化する。しかもこの変化分はレーザが入射する角度によって異なる。また、投射されるレーザビーム41のエネルギー密度も場所によって異なることになる。
【0012】
図12の技術の他の問題点は、レーザビーム41がガラス窓61によって屈折するということである。すなわち、レーザビーム41はガラスによる屈折によって方向が変化するので、レーザビーム41が照射される場所を特定するには精密な計算と制御が必要である。精密な制御が必要ということはそれだけ、量産性を損ねるということである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明の特徴は、レーザ光源からのレーザビームをガルバノミラーによって偏向し、放物線ミラーによって反射し、かつ、ガルバノミラーを放物線ミラーの焦点に配置することによって、加工する表示装置に対して、全領域において、レーザビームを垂直に入射することである。具体的な手段は次のとおりである。
【0014】
(1)レーザビームを用いる表示装置の製造方法であって、
前記レーザビームは、レーザ光源から出射し、ガルバノミラーから反射され、さらに放物線ミラーによって反射し、前記ガルバノミラーは前記放物線ミラーの焦点に存在しており、前記レーザビームは前記ガルバノミラーによって走査され、前記レーザビームは、照射される前記表示装置の全域において垂直に入射することを特徴とする表示装置の製造方法。
【0015】
(2)レーザビームを用いる表示装置の製造方法であって、前記レーザビームは、レーザ光源から出射し、ダイクロイックミラーを通過し、ガルバノミラーによって反射され、放物線ミラーによって反射し、前記ガルバノミラーは前記放物線ミラーの焦点に存在しており、前記レーザビームは前記ガルバノミラーによって走査され、前記レーザビームは、照射される前記表示装置の全域において垂直に入射することを特徴とする表示装置の製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、表示装置全体にレーザビームを垂直に照射できる構成とすることによって、表示装置全体においてレーザビームによる高精度な加工を可能とするものである。また、本発明によって、レーザビームによる加工のスループットを向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】トップエミッション型有機EL表示装置の断面図である。
【図2】有機EL層の転写の原理である。
【図3】実施例1の転写システムの構成図である。
【図4】従来の転写システムの例である。
【図5】本発明の転写システムの原理図である。
【図6】材料板上のレーザビームの形状の比較図である。
【図7】有機EL表示装置の画素配置の例である。
【図8】レーザビームの収束系の例である。
【図9】レーザビームの収束系の他の例である。
【図10】有機EL表示装置の有機EL層配置の例である。
【図11】実施例2の転写システムの構成図である。
【図12】転写システムの従来例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
具体的な実施例を説明する前に有機EL表示装置の構成と転写の原理を説明する。有機EL表示装置は有機EL層からの発光が素子基板側に向かうボトムエミッション型と、素子基板の反対側に向かうトップエミッション型とがある。トップエミッション型はTFT等が形成された領域の上にも発光をする有機EL層を形成することが出来るので、輝度の点からは有利である。以下では、トップエミッション型を例にとって説明するが、ボトムエミッション型の場合も本質的には同じである。
【0019】
図1はトップエミッション型の有機EL表示装置の断面図である。トップエミッション型は有機EL層22の上にアノードが形成されるトップアノード型と有機EL層22の上にカソードが形成されるトップカソード型とがある。図1はトップアノード型の場合であるが、トップカソード型の場合も同様にして本発明を適用することが出来る。
【0020】
図1において、素子基板10の上にはSiNからなる第1下地膜11と、SiO2からなる第2下地膜12が形成されている。ガラス基板からの不純物が半導体層13を汚染することを防止するためである。第2下地膜12の上には半導体層13が形成される。半導体層13はCVDによってa−Si膜が形成された後、レーザー照射によってpoly−Si膜に変換される。
【0021】
半導体層13を覆って、SiO2からなるゲート絶縁膜14が形成される。ゲート絶縁膜14を挟んで、半導体層13と対向する部分にゲート電極15が形成される。ゲート電極15をマスクにして、半導体層13にリンあるいはボロン等の不純物をイオンインプランテーションによって打ち込み、導電性を付与して、半導体層13にソース部あるいはドレイン部を形成する。
【0022】
ゲート電極15を覆って層間絶縁膜16がSiO2によって形成される。ゲート電極15と同層で形成されるゲート配線と、ドレイン配線17を絶縁するためである。層間絶縁膜16の上にはドレイン配線17が形成される。ドレイン配線17は層間絶縁膜16およびゲート絶縁膜14にスルーホールを介して半導体層13のドレインと接続する。
【0023】
その後、TFTを保護するために、SiNからなる無機パッシベーション膜18が被着される。無機パッシベーション膜18の上には、有機パッシベーション膜19が形成される。有機パッシベーション膜19は無機パッシベーション膜18とともに、TFTをより完全に保護する役割を有するとともに、有機EL層22が形成される面を平坦にする役割を有する。したがって、有機パッシベーション膜19は1〜4μmと、厚く形成される。
【0024】
有機パッシベーション膜19の上には反射電極24がAlまたはAl合金によって形成される。AlまたはAl合金は反射率が高いので、反射電極24として好適である。反射電極24は有機パッシベーション膜19および無機パッシベーション膜18に形成されたスルーホールを介してドレイン配線17と接続する。
【0025】
本実施例はトップアノード型の有機EL表示装置なので、有機EL層22の下部電極21はカソードとなる。したがって、反射電極24として使用されるAlあるいはAl合金が有機EL層22の下部電極21を兼用することが出来る。AlあるいはAl合金は仕事関数が比較的小さいので、カソードとして機能することが出来るからである。
【0026】
下部電極21の上には有機EL層22が形成される。有機EL層22は高分子材料で形成する場合は1層で形成される場合が多いが、低分子材料で形成される場合は多層膜となる。低分子材料の場合は、下層から、例えば、電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層。ホール注入層となる。本発明は有機EL層22が高分子あるいは低分子で形成される場合のいずれにも適用することが出来る。
【0027】
本発明は転写によって有機EL層22を形成する。有機EL層22を低分子材料で形成する場合は、5層程度の有機EL層22の転写が必要となる。すなわち、転写は5回必要で、かつ、層毎に材料基板を変える必要がある。しかし、この場合も、素子基板10とレーザビーム41を制御する光学系は変える必要はなく、材料基板のみを変えればよい。すなわち、材料基板と素子基板10の位置合わせ、あるいは、材料基板と光学系との位置合わせは必要は無い。したがって、材料基板を変える工程は存在するが、量産性が大きく損なわれることは無い。
【0028】
一方、有機EL層22を高分子材料で形成する場合は、有機EL層22は1層でよいので、転写によって有機EL層22を形成する技術は非常に適している。
【0029】
有機EL層22の上にはカソードとなる上部電極23が形成される。上部電極23としては透明電極であるIZO(Indium Zinc Oxide)を用いる。IZOはマスクを用いず、表示領域全体に蒸着される。IZOの厚さは光の透過率を維持するために、30nm程度に形成される。上部電極としては、IZOと同様、金属酸化物導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)を用いることが出来る。
【0030】
なお、有機EL層22が端部において段切れによって破壊することを防止するために、画素と画素の間にバンク20が形成される。バンクはアクリル樹脂あるいはポリイミド樹脂をフォトリソグラフィによって形成する。有機EL層22からの光は図1のLで示すように、素子基板10とは反対側に出射して画像を形成する。
【0031】
図2はレーザビーム41によって有機EL材料が素子基板10に転写される様子を示す模式図である。図2において、材料板30は、石英ガラスで形成されるベース基板31、吸熱層32、および、転写材料層33とから形成される。転写材料層33が素子基板10に転写される有機EL材料である。なお、ベース基板31はポリエチレン等で形成される透明な樹脂基板を用いても良い。材料板30に近接して素子基板10を設置する。素子基板10には、上記で説明したように、有機樹脂からなる平坦化膜とバンクが形成されている。そして、バンクによって囲まれた画素部に有機材料を転写する。
【0032】
図2において、レーザビーム41はベース基板31を通過して吸熱層32で吸収されて熱に変換される。吸熱層32は例えば、Moで形成され、厚さは150μm程度である。吸熱部で発生した熱によって有機EL材料が熱せられ、蒸発する。蒸発した、有機EL材料が素子基板10に付着して、素子基板10の必要な部分に有機EL層22が形成される。
【0033】
材料板30において、吸熱層32の上に形成された転写材料層33は、転写する有機EL層22によって異なるが、例えば、100μm程度の厚さに形成されている。そして、レーザビーム41によって蒸発した有機EL材料の1部が素子基板10の付着する。図2に示すように、レーザビーム41は転写が必要な部分のみに入射することによって必要な画素部分のみに、必要な有機EL材料を転写することが出来る。
【0034】
以下、実施例にしたがって、本発明の詳細な内容を開示する。
【実施例1】
【0035】
図3は本発明による有機EL表示装置を形成する概略システム図である。本発明の特徴は、放物線ミラー50を用いることによって、レーザ光源40からのレーザビーム41をガルバノミラー43によって偏向すると同時に、ガルバノミラー43を放物線ミラー50の焦点Fに設置することによって材料板30にレーザビーム41を常に直角に入射することである。
【0036】
図3において、レーザ光源40から出たレーザビーム41はダイクロイックミラー42を通過してガルバノミラー43に入射する。ダイクロイックミラー42は後で述べるように、真空チャンバ60のガラス窓61等から反射して戻ってきたレーザビーム41が、レーザ光源40に入射してレーザ光源40を破壊することを防止する役割を有する。ガルバノミラー43は放物線ミラー50の焦点Fに設置されている。
【0037】
ガルバノミラー43に入射した光は反射して放物線ミラー50に入射する。ガルバノミラー43は放物線ミラー50の焦点Fに設置されているので、放物線ミラー50から反射したレーザビーム41は、放物線ミラー50に入射する場所に関わらず平行光線となる。したがって、レーザビーム41を材料板30に対して常に垂直に入射させることが出来る。すなわち、図3に示すように、ガルバノミラー43から反射して放物線ミラー50に入射するレーザビーム41の偏向角度θが異なっても材料板30に向かうレーザビーム41は平行である。
【0038】
図3において、材料板30と製品基板は真空チャンバ60内に設置されている。レーザビーム41は真空チャンバ60に形成されたガラス窓61を通過して、材料板30に入射して有機EL材料を加熱、蒸発させて、素子基板10に有機EL材料を転写する。図3において、レーザビーム41を偏向するにはガルバノミラー43のレーザビーム41に対する角度を変化させることによって行うことが出来る。したがって、レーザビーム41の偏向は高速に行うことが出来る。
【0039】
図4は本発明を用いない場合のレーザビーム41によって有機EL材料が転写される状況を示す。図4では真空チャンバの外側に設置されたレーザ光源からレーザビーム41が、真空チャンバのガラス窓を通して材料板のベース基板31に斜めに入射する。レーザビーム41が入射された部分で、転写材料層33が熱せられ、蒸発して、白矢印で示すように素子基板10に転写される。
【0040】
図4はレーザ光源40からのレーザビーム41は真空チャンバ60のガラス窓61に斜めに入射する。そうすると、まず、ガラス窓61の大気との界面でレーザビーム41が反射される。次にガラス窓61の真空との界面で再びレーザビーム41が反射れる。さらに、レーザビーム41は材料板30の表面で反射される。このように従来例ではレーザビーム41の使用効率が低くなる。
【0041】
もう一つの問題点は、レーザビーム41が材料板30に斜めに入射するために、材料板30におけるレーザビーム41のスポット形状が場所によって変化することである、この様子を図6(a)に示す。図6(a)のレーザビーム41の断面は円である。図6(a)に示すように、従来例ではレーザビーム41のスポット形状が、材料板30の上では楕円に変化し、しかも、楕円率は場所によって変化する。そうすると素子基板10の画面全体において、均一な画素の大きさとすることが困難になる。
【0042】
さらに、素子基板10の画面周辺において、スポット径が大きくなれば、レーザビーム41のエネルギー密度が小さくなり、有機EL材料の蒸発の仕方も異なってくるので、転写する有機EL材料の量の制御が困難になる。すなわち、有機EL材料の蒸発条件を同じにしようと思えば、素子基板10の画面周辺に対応する材料板30において、レーザビーム41のエネルギー密度を上げる必要がある。
【0043】
さらに、従来の問題点は、レーザビーム41が真空チャンバ60のガラス窓61によって屈折するために、レーザビーム41の進路が変わるということである。すなわち、ガラス窓61の屈折によって、図4の下部に示す矢印Dだけレーザビーム41の入射位置がずれることになる。そして、ずれ量Dは場所によって異なる。レーザビーム41による転写によって特定画素に特定の有機EL材料を形成しようとすると、場所毎にガラスの屈折を考慮してガルバノミラー43の回転角度を制御する必要があり、これは、非常に複雑な動作を必要とする。これは、転写の精度と製造コストの増大をもたらす。
【0044】
これに対して、図5は本発明を用いた場合のレーザビーム41による有機EL材料の転写の様子を示す。図5では真空チャンバの外側に設置されたレーザ光源から真空チャンバのガラス窓を通して材料板のベース基板31に直角に入射する。レーザビーム41が入射された部分で、転写材料層33が熱せられ、蒸発して、白矢印で示すように素子基板10に転写される。
【0045】
図5において、レーザ光源40からのレーザビーム41は直進し、ガラス窓61に直角に入射する。レーザビーム41がガラス窓61に直角に入射するのでレーザビーム41の進路が変化することは無い。また、レーザビーム41が材料板30に常に直角に入射するので、材料板30でのレーザビーム41のスポットの変化も無い。したがって、材料板30でのレーザビーム41のエネルギー密度も一定である。この様子を図6(b)に示す。図6(b)において、レーザビーム41の断面は円であるが、材料板30でのレーザビーム41のスポット形状も円である。このように本発明によれば、材料板30のどの位置においてもレーザビーム41のスポット形状は一定であるから、制御が容易である。
【0046】
一方、ガラス窓61等でのレーザビーム41の反射はレーザビーム41が直角に入射しても生ずる。例えば、図5に示すように、ガラス窓61から反射したレーザビーム41は反対方向に反射してレーザ光源40に入射してしまう。レーザビーム41がレーザ光源40に入射するとレーザ光源40を破壊する恐れがある。これを防止するために、本発明では、図3に示すように、ガルバノミラー43とレーザ光源40との間にダイクロイックミラー42を配置している。ダイクロイックミラー42は特定方向からの光を透過し、他の方向からの光を反射する性質を持っている。ダイクロイックミラー42を、レーザ光源40からのレーザビーム41を透過し、ガラス窓61等から反射してくるレーザビーム41を反射するように設計することによって、ガラス窓61等から反射してくる光を反射して、再びレーザビームを材料板30に向かわせ、転写のエネルギーとして利用することが出来る。
【0047】
図7は有機EL表示装置の画素の配置の例である。図7において、矩形のR、G、Bは各々有機EL層22が形成された画素であり、Rは赤画素101、Gは緑画素102、Bは青画素103を示す。図において、CXは画素の横径で例えば、30μm、CYは画素の縦径で、例えば90μmである。一方、画素の横ピッチは例えば、40μm、画素の縦ピッチは例えば120μmである。転写によってこのような小さな画素領域に有機EL材料を形成するためには、レーザビーム41は小さく絞られている必要がある。
【0048】
レーザビーム41は光源から出射する時点では、100μm〜300μmにビーム径に絞ることは可能である。しかし、転写に必要なレーザビーム41はさらに絞られている必要がある。このために、図3に示すレーザ光源40には、レーザビーム41を絞るための光学系が配置されている。
【0049】
図8はレーザビーム41を絞るための光学系の1例である。図8において、右方向からレーザビーム41が入射する。レーザビーム41は凸レンズ71によって絞られ、凹レンズ72によって平行光線に変換される。凸レンズ71に入射するレーザビーム41径は100μm程度であるが、このレーザビーム41径を30μm程度に絞ることが可能である。
【0050】
図9はさらに平行度の良いビームが必要な場合の光学系である。図9において、光源からのレーザビーム41は第1凸レンズ73に入射する。第1凸レンズ73はレンズ作用の強いレンズであり、第1凸レンズ74に入射する前に焦点を結ぶ。その後レーザビーム41は第1凸レンズ74に入射して平行光線に変換される。この平行光線はさらにキャピラリプレート75に入射する。キャピラリプレート75には小さな筒状の孔が形成されている。したがって、キャピラリを出た光は平行度の非常に良い光となる。したがって、レーザ光源40を出射して有機EL材料を転写するための材料板30にレーザビーム41が入射するまでの光路がある程度存在しても、レーザビーム41の広がりを防止することが出来る。以上の説明においては、レーザビーム41を絞る光学系は図3のレーザ光源40内に存在するとして説明したが、この光学系は、図3におけるダイクロイックミラー42とガルバノミラー43の間に設置してもよい。
【0051】
以上のように、本発明によって形成された有機EL表示装置の各画素の有機EL層22は、外形も幅も画面中央から画面周辺にかけて均一に出来るという点である。本発明によれば、画面中央に形成される有機EL層22のサイズと画面周辺に形成される有機EL層22のサイズを±15%以内に形成することが出来る。また、有機EL層22の膜厚についても、画面中央と画面周辺とで±10%以内に抑えることが出来る。なお、この場合の有機EL層22のサイズおよび厚さは同じ色の画素を比較した場合である。
【0052】
以上説明したように、本発明を用いることによって、転写方式によって有機EL表示装置を製造することが出来る。そして、画像特性が画面全体について均一な有機EL表示装置を製造することが出来る。
【実施例2】
【0053】
TVのように、比較的画面が大きい場合は、図10に示すように、縦方向に同一の色を発光する画素がストライプ状に配置される場合がある。図10において、R、G、Bは各々ストライプ状赤発光有機EL層104、ストライプ状緑発光有機EL層105、ストライプ状青発光有機EL層106を示す。各色のストライプの幅CXは例えば、30μmで、各画素のピッチPXは例えば40μmである。このような画素配置であれば、有機EL層22を形成する際、縦方向への目合わせは必要ない。このような配置であれば、実施例1とは異なった転写のシステムが可能である。
【0054】
図11本実施例における有機EL表示装置の製造方法を示す模式図である。図11において、有機EL層22は転写によって形成されることは実施例1と同様である。また、転写のためのレーザビーム41の光学系は実施例1と同様である。実施例1と異なるところは、転写のためのレーザビーム41はレーザ光源40から光学系を通して材料板30に直接入射するのではなく、真空チャンバ60のガラス窓61の外側に設置されたレーザマスク80を通して材料板30に入射することである。
【0055】
図11において、レーザマスク80の孔は有機EL層22が転写される素子基板10の画素に対応している。レーザマスク80を通ったレーザビーム41は材料板30に入射して、有機EL材料を蒸発させ、この有機EL材料が素子基板10に転写されることは実施例1と同様である。実施例1においては、ガルバノミラー43によってレーザビーム41を間欠的に走査しながら、レーザビーム41のパルスの時間を制御することによって、所望の画素を形成している。
【0056】
本実施例では、レーザマスク80を用いることによって、レーザビーム41を連続的に走査することによって有機EL材料を素子基板10に転写することが出来る。したがって、転写工程の時間は実施例1に比較して短縮することが出来る。また、実施例1では、間欠走査と同期しながら、レーザビーム41のパルスを出射するので、時間的に精密な制御が必要になる。これに比べて本実施例では、レーザビーム41を連続的に走査すればよいので、このような複雑なシステムは必要としない。その分、製造コストを低減することが出来る。
【0057】
本実施例で使用するレーザマスク80は、従来の蒸着によって有機EL層22を形成する場合のシャドーマスクと似ているが、工程のメンテナンスは本実施例のほうが容易である。すなわち、レーザマスク80は蒸着の場合のシャドーマスクと異なり、真空チャンバ60の外側に設置することが出来る。これは、マスクによる真空の汚染等を防止することが出来るという利点がある。さらに、蒸着の場合は、蒸着される有機EL材料がシャドーマスクに付着するので、シャドーマスクの孔径等が変化し、シャドーマスクの定期的な交換が必要である。これに対して、本実施例でのレーザマスク80は蒸着物が付着することがないので、マスクの寿命は本実施例の場合のほうがはるかに長い。
一方、本実施例の問題点は、レーザマスク80から材料板30あるいは素子基板10までの距離が長いために、マスクと素子基板10の合わせ精度である。しかし、本実施例では、レーザビーム41がレーザマスク80に対して直角に入射するので、中央以外では蒸着物が斜め方向からシャドーマスクに入射する、蒸着方式に比べて制御が容易である。つまり、素子基板10とレーザマスク80が離れている不利点は、レーザビーム41がレーザマスク80、材料板30、素子基板10等に垂直に入射することによって相殺することが出来る。したがって、本実施例は有機EL材料を素子基板10に転写する有力な方法である。
【0058】
以上、本実施例は図10に示す画素がストライプ状に形成された画面を例にとって説明したが、図7に示すようなドット状の画素の場合も、本質的には同様である。
【符号の説明】
【0059】
10…素子基板、 11…第1下地膜、 12…第2下地膜、 13…半導体層、 14…ゲート絶縁膜、 15…ゲート電極、 16…層間絶縁膜、 17…SD配線、 18…無機パッシベーション膜、 19…有機パッシベーション膜、 20…バンク、 21…下部電極、 22…有機EL層、 23…上部電極、 30…材料板、 31…ベース基板、 32…吸熱層、 33…転写材料層、 40…レーザ光源、 41…レーザビーム、 42…ダイクロイックミラー、 43…ガルバノミラー、 50…放物線ミラー、 60…真空チャンバ、 61…ガラス窓 、71…凸レンズ、 72…凹レンズ、 73…第1凸レンズ、 74…第2凸レンズ、 75…キャピラリプレート、 80…レーザマスク、 101…赤画素、 102…緑画素、 103…青画素
【技術分野】
【0001】
本発明は有機EL表示装置に係り、特に有機EL層を効率よく、かつ、正確に形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、有機EL表示装置等は、画面がフラットで薄型であるということで、モニタ、TV等でのフラットディスプレイとして需要が拡大している。有機EL表示装置は自発光であることから、視野角特性が優れているとともに、バックライトが不用であるという特徴からディスプレイとして種々の応用分野が見込まれている。
【0003】
有機EL表示装置は発光をする複数の層からなる有機EL層と有機EL層を駆動するTFTとから画素が構成され、この画素がマトリクス上に配置されることによって表示領域が形成されている。従来技術においては、有機EL層は、画素部において、薄膜トランジスタ(TFT)等が形成された層の上の平坦化膜の上、あるいは、TFTが形成されていない層の上の平坦化膜の上に蒸着によって形成される。
【0004】
この蒸着は各色毎に蒸着マスクを用いて蒸着される。各色毎に有機層を蒸着しなければならないことに加え、各色毎に蒸着マスクを交換しなければならない。有機EL表示装置では画素の精細度が高いために、蒸着マスクのホールは非常に小さなものとなり、蒸着するにしたがって、ホールの径が変化するので蒸着マスクは定期的に交換あるいはメンテナンスをする必要があり、量産上問題がある。また、蒸着によって、形成される画素の大きさ及びピッチは非常に小さいために、各色毎の蒸着マスクの合わせを高精度に行わなければならないとういう問題点もある。このように、蒸着によって有機EL層を形成することは量産上問題がある。
【0005】
蒸着をせずに有機EL層を画素部分に形成する技術として、TFT等が形成された素子基板に近接して、ベース基板に有機EL材料が形成された材料板を設置し、この材料板にレーザビームを照射することによって、有機EL材料を昇華、あるいは蒸発させて素子基板の画素部に有機EL層を転写する技術がある。
【0006】
「特許文献1」には、レーザビームのエネルギープロファイルをガウス分布でなく、矩形状に形成することによって、転写される有機EL層の精度を上げる技術が記載されている。また、「特許文献2」には、ガラス板に貼り付けられた金属シートの凸部に有機EL材料を形成し、この凸部に形成された有機EL材料を素子基板に転写する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−257641号公報
【特許文献2】特開2000−12216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
「特許文献1」および「特許文献2」には、有機EL材料を精度よく転写する技術が記載されているが、レーザビームを効率よく、高速に照射する技術、レーザビームのエネルギー効率等については記載が無い。
【0009】
図12はレーザビーム41によって有機EL材料を素子基板10に転写するシステムの概略図である。なお、本明細書では、TFT、有機EL層22、走査線、映像信号線等が形成された基板を素子基板10と呼ぶ。図12において、レーザ光源40から出たレーザビーム41はガルバノミラー43に入射する。なお、レーザはYAGレーザが使用される。ガルバノミラー43は、ミラーの角度を変えることによってレーザビーム41を偏向することが出来る。したがって、レーザビーム41を高速に走査することが出来るという特徴を有する。
【0010】
真空チャンバ60中には、素子基板10と、素子基板10に近接して有機材料が形成された材料基板が設置されている。ガルバノミラー43から反射したレーザビーム41は真空チャンバ60に形成されたガラス窓61を通して材料基板に入射する。材料基板に形成された有機EL材料はレーザビーム41によって加熱され、蒸発して素子基板10に転写される。レーザビーム41の走査は間欠的に行い、画素部分において、レーザビーム41をONすることによって素子基板10の画素部分に対応する部分のみに有機EL材料を形成する。
【0011】
この技術はガルバノミラー43を使用することによってレーザビーム41を高速に走査することが出来るが、材料基板の中央以外にレーザビーム41が照射された場合、次のような問題点が生ずる。問題点の一つは、素子基板10の中央以外においては、材料基板に投射されるレーザビーム41のプロファイル、すなわち、スポット形状が歪むという点である。例えば、レーザビーム41の断面が円であった場合、材料基板上のレーザビーム41の平面図は楕円になる。すなわち、楕円になった分、転写される有機EL材料の形状が変化する。しかもこの変化分はレーザが入射する角度によって異なる。また、投射されるレーザビーム41のエネルギー密度も場所によって異なることになる。
【0012】
図12の技術の他の問題点は、レーザビーム41がガラス窓61によって屈折するということである。すなわち、レーザビーム41はガラスによる屈折によって方向が変化するので、レーザビーム41が照射される場所を特定するには精密な計算と制御が必要である。精密な制御が必要ということはそれだけ、量産性を損ねるということである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明の特徴は、レーザ光源からのレーザビームをガルバノミラーによって偏向し、放物線ミラーによって反射し、かつ、ガルバノミラーを放物線ミラーの焦点に配置することによって、加工する表示装置に対して、全領域において、レーザビームを垂直に入射することである。具体的な手段は次のとおりである。
【0014】
(1)レーザビームを用いる表示装置の製造方法であって、
前記レーザビームは、レーザ光源から出射し、ガルバノミラーから反射され、さらに放物線ミラーによって反射し、前記ガルバノミラーは前記放物線ミラーの焦点に存在しており、前記レーザビームは前記ガルバノミラーによって走査され、前記レーザビームは、照射される前記表示装置の全域において垂直に入射することを特徴とする表示装置の製造方法。
【0015】
(2)レーザビームを用いる表示装置の製造方法であって、前記レーザビームは、レーザ光源から出射し、ダイクロイックミラーを通過し、ガルバノミラーによって反射され、放物線ミラーによって反射し、前記ガルバノミラーは前記放物線ミラーの焦点に存在しており、前記レーザビームは前記ガルバノミラーによって走査され、前記レーザビームは、照射される前記表示装置の全域において垂直に入射することを特徴とする表示装置の製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、表示装置全体にレーザビームを垂直に照射できる構成とすることによって、表示装置全体においてレーザビームによる高精度な加工を可能とするものである。また、本発明によって、レーザビームによる加工のスループットを向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】トップエミッション型有機EL表示装置の断面図である。
【図2】有機EL層の転写の原理である。
【図3】実施例1の転写システムの構成図である。
【図4】従来の転写システムの例である。
【図5】本発明の転写システムの原理図である。
【図6】材料板上のレーザビームの形状の比較図である。
【図7】有機EL表示装置の画素配置の例である。
【図8】レーザビームの収束系の例である。
【図9】レーザビームの収束系の他の例である。
【図10】有機EL表示装置の有機EL層配置の例である。
【図11】実施例2の転写システムの構成図である。
【図12】転写システムの従来例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
具体的な実施例を説明する前に有機EL表示装置の構成と転写の原理を説明する。有機EL表示装置は有機EL層からの発光が素子基板側に向かうボトムエミッション型と、素子基板の反対側に向かうトップエミッション型とがある。トップエミッション型はTFT等が形成された領域の上にも発光をする有機EL層を形成することが出来るので、輝度の点からは有利である。以下では、トップエミッション型を例にとって説明するが、ボトムエミッション型の場合も本質的には同じである。
【0019】
図1はトップエミッション型の有機EL表示装置の断面図である。トップエミッション型は有機EL層22の上にアノードが形成されるトップアノード型と有機EL層22の上にカソードが形成されるトップカソード型とがある。図1はトップアノード型の場合であるが、トップカソード型の場合も同様にして本発明を適用することが出来る。
【0020】
図1において、素子基板10の上にはSiNからなる第1下地膜11と、SiO2からなる第2下地膜12が形成されている。ガラス基板からの不純物が半導体層13を汚染することを防止するためである。第2下地膜12の上には半導体層13が形成される。半導体層13はCVDによってa−Si膜が形成された後、レーザー照射によってpoly−Si膜に変換される。
【0021】
半導体層13を覆って、SiO2からなるゲート絶縁膜14が形成される。ゲート絶縁膜14を挟んで、半導体層13と対向する部分にゲート電極15が形成される。ゲート電極15をマスクにして、半導体層13にリンあるいはボロン等の不純物をイオンインプランテーションによって打ち込み、導電性を付与して、半導体層13にソース部あるいはドレイン部を形成する。
【0022】
ゲート電極15を覆って層間絶縁膜16がSiO2によって形成される。ゲート電極15と同層で形成されるゲート配線と、ドレイン配線17を絶縁するためである。層間絶縁膜16の上にはドレイン配線17が形成される。ドレイン配線17は層間絶縁膜16およびゲート絶縁膜14にスルーホールを介して半導体層13のドレインと接続する。
【0023】
その後、TFTを保護するために、SiNからなる無機パッシベーション膜18が被着される。無機パッシベーション膜18の上には、有機パッシベーション膜19が形成される。有機パッシベーション膜19は無機パッシベーション膜18とともに、TFTをより完全に保護する役割を有するとともに、有機EL層22が形成される面を平坦にする役割を有する。したがって、有機パッシベーション膜19は1〜4μmと、厚く形成される。
【0024】
有機パッシベーション膜19の上には反射電極24がAlまたはAl合金によって形成される。AlまたはAl合金は反射率が高いので、反射電極24として好適である。反射電極24は有機パッシベーション膜19および無機パッシベーション膜18に形成されたスルーホールを介してドレイン配線17と接続する。
【0025】
本実施例はトップアノード型の有機EL表示装置なので、有機EL層22の下部電極21はカソードとなる。したがって、反射電極24として使用されるAlあるいはAl合金が有機EL層22の下部電極21を兼用することが出来る。AlあるいはAl合金は仕事関数が比較的小さいので、カソードとして機能することが出来るからである。
【0026】
下部電極21の上には有機EL層22が形成される。有機EL層22は高分子材料で形成する場合は1層で形成される場合が多いが、低分子材料で形成される場合は多層膜となる。低分子材料の場合は、下層から、例えば、電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層。ホール注入層となる。本発明は有機EL層22が高分子あるいは低分子で形成される場合のいずれにも適用することが出来る。
【0027】
本発明は転写によって有機EL層22を形成する。有機EL層22を低分子材料で形成する場合は、5層程度の有機EL層22の転写が必要となる。すなわち、転写は5回必要で、かつ、層毎に材料基板を変える必要がある。しかし、この場合も、素子基板10とレーザビーム41を制御する光学系は変える必要はなく、材料基板のみを変えればよい。すなわち、材料基板と素子基板10の位置合わせ、あるいは、材料基板と光学系との位置合わせは必要は無い。したがって、材料基板を変える工程は存在するが、量産性が大きく損なわれることは無い。
【0028】
一方、有機EL層22を高分子材料で形成する場合は、有機EL層22は1層でよいので、転写によって有機EL層22を形成する技術は非常に適している。
【0029】
有機EL層22の上にはカソードとなる上部電極23が形成される。上部電極23としては透明電極であるIZO(Indium Zinc Oxide)を用いる。IZOはマスクを用いず、表示領域全体に蒸着される。IZOの厚さは光の透過率を維持するために、30nm程度に形成される。上部電極としては、IZOと同様、金属酸化物導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)を用いることが出来る。
【0030】
なお、有機EL層22が端部において段切れによって破壊することを防止するために、画素と画素の間にバンク20が形成される。バンクはアクリル樹脂あるいはポリイミド樹脂をフォトリソグラフィによって形成する。有機EL層22からの光は図1のLで示すように、素子基板10とは反対側に出射して画像を形成する。
【0031】
図2はレーザビーム41によって有機EL材料が素子基板10に転写される様子を示す模式図である。図2において、材料板30は、石英ガラスで形成されるベース基板31、吸熱層32、および、転写材料層33とから形成される。転写材料層33が素子基板10に転写される有機EL材料である。なお、ベース基板31はポリエチレン等で形成される透明な樹脂基板を用いても良い。材料板30に近接して素子基板10を設置する。素子基板10には、上記で説明したように、有機樹脂からなる平坦化膜とバンクが形成されている。そして、バンクによって囲まれた画素部に有機材料を転写する。
【0032】
図2において、レーザビーム41はベース基板31を通過して吸熱層32で吸収されて熱に変換される。吸熱層32は例えば、Moで形成され、厚さは150μm程度である。吸熱部で発生した熱によって有機EL材料が熱せられ、蒸発する。蒸発した、有機EL材料が素子基板10に付着して、素子基板10の必要な部分に有機EL層22が形成される。
【0033】
材料板30において、吸熱層32の上に形成された転写材料層33は、転写する有機EL層22によって異なるが、例えば、100μm程度の厚さに形成されている。そして、レーザビーム41によって蒸発した有機EL材料の1部が素子基板10の付着する。図2に示すように、レーザビーム41は転写が必要な部分のみに入射することによって必要な画素部分のみに、必要な有機EL材料を転写することが出来る。
【0034】
以下、実施例にしたがって、本発明の詳細な内容を開示する。
【実施例1】
【0035】
図3は本発明による有機EL表示装置を形成する概略システム図である。本発明の特徴は、放物線ミラー50を用いることによって、レーザ光源40からのレーザビーム41をガルバノミラー43によって偏向すると同時に、ガルバノミラー43を放物線ミラー50の焦点Fに設置することによって材料板30にレーザビーム41を常に直角に入射することである。
【0036】
図3において、レーザ光源40から出たレーザビーム41はダイクロイックミラー42を通過してガルバノミラー43に入射する。ダイクロイックミラー42は後で述べるように、真空チャンバ60のガラス窓61等から反射して戻ってきたレーザビーム41が、レーザ光源40に入射してレーザ光源40を破壊することを防止する役割を有する。ガルバノミラー43は放物線ミラー50の焦点Fに設置されている。
【0037】
ガルバノミラー43に入射した光は反射して放物線ミラー50に入射する。ガルバノミラー43は放物線ミラー50の焦点Fに設置されているので、放物線ミラー50から反射したレーザビーム41は、放物線ミラー50に入射する場所に関わらず平行光線となる。したがって、レーザビーム41を材料板30に対して常に垂直に入射させることが出来る。すなわち、図3に示すように、ガルバノミラー43から反射して放物線ミラー50に入射するレーザビーム41の偏向角度θが異なっても材料板30に向かうレーザビーム41は平行である。
【0038】
図3において、材料板30と製品基板は真空チャンバ60内に設置されている。レーザビーム41は真空チャンバ60に形成されたガラス窓61を通過して、材料板30に入射して有機EL材料を加熱、蒸発させて、素子基板10に有機EL材料を転写する。図3において、レーザビーム41を偏向するにはガルバノミラー43のレーザビーム41に対する角度を変化させることによって行うことが出来る。したがって、レーザビーム41の偏向は高速に行うことが出来る。
【0039】
図4は本発明を用いない場合のレーザビーム41によって有機EL材料が転写される状況を示す。図4では真空チャンバの外側に設置されたレーザ光源からレーザビーム41が、真空チャンバのガラス窓を通して材料板のベース基板31に斜めに入射する。レーザビーム41が入射された部分で、転写材料層33が熱せられ、蒸発して、白矢印で示すように素子基板10に転写される。
【0040】
図4はレーザ光源40からのレーザビーム41は真空チャンバ60のガラス窓61に斜めに入射する。そうすると、まず、ガラス窓61の大気との界面でレーザビーム41が反射される。次にガラス窓61の真空との界面で再びレーザビーム41が反射れる。さらに、レーザビーム41は材料板30の表面で反射される。このように従来例ではレーザビーム41の使用効率が低くなる。
【0041】
もう一つの問題点は、レーザビーム41が材料板30に斜めに入射するために、材料板30におけるレーザビーム41のスポット形状が場所によって変化することである、この様子を図6(a)に示す。図6(a)のレーザビーム41の断面は円である。図6(a)に示すように、従来例ではレーザビーム41のスポット形状が、材料板30の上では楕円に変化し、しかも、楕円率は場所によって変化する。そうすると素子基板10の画面全体において、均一な画素の大きさとすることが困難になる。
【0042】
さらに、素子基板10の画面周辺において、スポット径が大きくなれば、レーザビーム41のエネルギー密度が小さくなり、有機EL材料の蒸発の仕方も異なってくるので、転写する有機EL材料の量の制御が困難になる。すなわち、有機EL材料の蒸発条件を同じにしようと思えば、素子基板10の画面周辺に対応する材料板30において、レーザビーム41のエネルギー密度を上げる必要がある。
【0043】
さらに、従来の問題点は、レーザビーム41が真空チャンバ60のガラス窓61によって屈折するために、レーザビーム41の進路が変わるということである。すなわち、ガラス窓61の屈折によって、図4の下部に示す矢印Dだけレーザビーム41の入射位置がずれることになる。そして、ずれ量Dは場所によって異なる。レーザビーム41による転写によって特定画素に特定の有機EL材料を形成しようとすると、場所毎にガラスの屈折を考慮してガルバノミラー43の回転角度を制御する必要があり、これは、非常に複雑な動作を必要とする。これは、転写の精度と製造コストの増大をもたらす。
【0044】
これに対して、図5は本発明を用いた場合のレーザビーム41による有機EL材料の転写の様子を示す。図5では真空チャンバの外側に設置されたレーザ光源から真空チャンバのガラス窓を通して材料板のベース基板31に直角に入射する。レーザビーム41が入射された部分で、転写材料層33が熱せられ、蒸発して、白矢印で示すように素子基板10に転写される。
【0045】
図5において、レーザ光源40からのレーザビーム41は直進し、ガラス窓61に直角に入射する。レーザビーム41がガラス窓61に直角に入射するのでレーザビーム41の進路が変化することは無い。また、レーザビーム41が材料板30に常に直角に入射するので、材料板30でのレーザビーム41のスポットの変化も無い。したがって、材料板30でのレーザビーム41のエネルギー密度も一定である。この様子を図6(b)に示す。図6(b)において、レーザビーム41の断面は円であるが、材料板30でのレーザビーム41のスポット形状も円である。このように本発明によれば、材料板30のどの位置においてもレーザビーム41のスポット形状は一定であるから、制御が容易である。
【0046】
一方、ガラス窓61等でのレーザビーム41の反射はレーザビーム41が直角に入射しても生ずる。例えば、図5に示すように、ガラス窓61から反射したレーザビーム41は反対方向に反射してレーザ光源40に入射してしまう。レーザビーム41がレーザ光源40に入射するとレーザ光源40を破壊する恐れがある。これを防止するために、本発明では、図3に示すように、ガルバノミラー43とレーザ光源40との間にダイクロイックミラー42を配置している。ダイクロイックミラー42は特定方向からの光を透過し、他の方向からの光を反射する性質を持っている。ダイクロイックミラー42を、レーザ光源40からのレーザビーム41を透過し、ガラス窓61等から反射してくるレーザビーム41を反射するように設計することによって、ガラス窓61等から反射してくる光を反射して、再びレーザビームを材料板30に向かわせ、転写のエネルギーとして利用することが出来る。
【0047】
図7は有機EL表示装置の画素の配置の例である。図7において、矩形のR、G、Bは各々有機EL層22が形成された画素であり、Rは赤画素101、Gは緑画素102、Bは青画素103を示す。図において、CXは画素の横径で例えば、30μm、CYは画素の縦径で、例えば90μmである。一方、画素の横ピッチは例えば、40μm、画素の縦ピッチは例えば120μmである。転写によってこのような小さな画素領域に有機EL材料を形成するためには、レーザビーム41は小さく絞られている必要がある。
【0048】
レーザビーム41は光源から出射する時点では、100μm〜300μmにビーム径に絞ることは可能である。しかし、転写に必要なレーザビーム41はさらに絞られている必要がある。このために、図3に示すレーザ光源40には、レーザビーム41を絞るための光学系が配置されている。
【0049】
図8はレーザビーム41を絞るための光学系の1例である。図8において、右方向からレーザビーム41が入射する。レーザビーム41は凸レンズ71によって絞られ、凹レンズ72によって平行光線に変換される。凸レンズ71に入射するレーザビーム41径は100μm程度であるが、このレーザビーム41径を30μm程度に絞ることが可能である。
【0050】
図9はさらに平行度の良いビームが必要な場合の光学系である。図9において、光源からのレーザビーム41は第1凸レンズ73に入射する。第1凸レンズ73はレンズ作用の強いレンズであり、第1凸レンズ74に入射する前に焦点を結ぶ。その後レーザビーム41は第1凸レンズ74に入射して平行光線に変換される。この平行光線はさらにキャピラリプレート75に入射する。キャピラリプレート75には小さな筒状の孔が形成されている。したがって、キャピラリを出た光は平行度の非常に良い光となる。したがって、レーザ光源40を出射して有機EL材料を転写するための材料板30にレーザビーム41が入射するまでの光路がある程度存在しても、レーザビーム41の広がりを防止することが出来る。以上の説明においては、レーザビーム41を絞る光学系は図3のレーザ光源40内に存在するとして説明したが、この光学系は、図3におけるダイクロイックミラー42とガルバノミラー43の間に設置してもよい。
【0051】
以上のように、本発明によって形成された有機EL表示装置の各画素の有機EL層22は、外形も幅も画面中央から画面周辺にかけて均一に出来るという点である。本発明によれば、画面中央に形成される有機EL層22のサイズと画面周辺に形成される有機EL層22のサイズを±15%以内に形成することが出来る。また、有機EL層22の膜厚についても、画面中央と画面周辺とで±10%以内に抑えることが出来る。なお、この場合の有機EL層22のサイズおよび厚さは同じ色の画素を比較した場合である。
【0052】
以上説明したように、本発明を用いることによって、転写方式によって有機EL表示装置を製造することが出来る。そして、画像特性が画面全体について均一な有機EL表示装置を製造することが出来る。
【実施例2】
【0053】
TVのように、比較的画面が大きい場合は、図10に示すように、縦方向に同一の色を発光する画素がストライプ状に配置される場合がある。図10において、R、G、Bは各々ストライプ状赤発光有機EL層104、ストライプ状緑発光有機EL層105、ストライプ状青発光有機EL層106を示す。各色のストライプの幅CXは例えば、30μmで、各画素のピッチPXは例えば40μmである。このような画素配置であれば、有機EL層22を形成する際、縦方向への目合わせは必要ない。このような配置であれば、実施例1とは異なった転写のシステムが可能である。
【0054】
図11本実施例における有機EL表示装置の製造方法を示す模式図である。図11において、有機EL層22は転写によって形成されることは実施例1と同様である。また、転写のためのレーザビーム41の光学系は実施例1と同様である。実施例1と異なるところは、転写のためのレーザビーム41はレーザ光源40から光学系を通して材料板30に直接入射するのではなく、真空チャンバ60のガラス窓61の外側に設置されたレーザマスク80を通して材料板30に入射することである。
【0055】
図11において、レーザマスク80の孔は有機EL層22が転写される素子基板10の画素に対応している。レーザマスク80を通ったレーザビーム41は材料板30に入射して、有機EL材料を蒸発させ、この有機EL材料が素子基板10に転写されることは実施例1と同様である。実施例1においては、ガルバノミラー43によってレーザビーム41を間欠的に走査しながら、レーザビーム41のパルスの時間を制御することによって、所望の画素を形成している。
【0056】
本実施例では、レーザマスク80を用いることによって、レーザビーム41を連続的に走査することによって有機EL材料を素子基板10に転写することが出来る。したがって、転写工程の時間は実施例1に比較して短縮することが出来る。また、実施例1では、間欠走査と同期しながら、レーザビーム41のパルスを出射するので、時間的に精密な制御が必要になる。これに比べて本実施例では、レーザビーム41を連続的に走査すればよいので、このような複雑なシステムは必要としない。その分、製造コストを低減することが出来る。
【0057】
本実施例で使用するレーザマスク80は、従来の蒸着によって有機EL層22を形成する場合のシャドーマスクと似ているが、工程のメンテナンスは本実施例のほうが容易である。すなわち、レーザマスク80は蒸着の場合のシャドーマスクと異なり、真空チャンバ60の外側に設置することが出来る。これは、マスクによる真空の汚染等を防止することが出来るという利点がある。さらに、蒸着の場合は、蒸着される有機EL材料がシャドーマスクに付着するので、シャドーマスクの孔径等が変化し、シャドーマスクの定期的な交換が必要である。これに対して、本実施例でのレーザマスク80は蒸着物が付着することがないので、マスクの寿命は本実施例の場合のほうがはるかに長い。
一方、本実施例の問題点は、レーザマスク80から材料板30あるいは素子基板10までの距離が長いために、マスクと素子基板10の合わせ精度である。しかし、本実施例では、レーザビーム41がレーザマスク80に対して直角に入射するので、中央以外では蒸着物が斜め方向からシャドーマスクに入射する、蒸着方式に比べて制御が容易である。つまり、素子基板10とレーザマスク80が離れている不利点は、レーザビーム41がレーザマスク80、材料板30、素子基板10等に垂直に入射することによって相殺することが出来る。したがって、本実施例は有機EL材料を素子基板10に転写する有力な方法である。
【0058】
以上、本実施例は図10に示す画素がストライプ状に形成された画面を例にとって説明したが、図7に示すようなドット状の画素の場合も、本質的には同様である。
【符号の説明】
【0059】
10…素子基板、 11…第1下地膜、 12…第2下地膜、 13…半導体層、 14…ゲート絶縁膜、 15…ゲート電極、 16…層間絶縁膜、 17…SD配線、 18…無機パッシベーション膜、 19…有機パッシベーション膜、 20…バンク、 21…下部電極、 22…有機EL層、 23…上部電極、 30…材料板、 31…ベース基板、 32…吸熱層、 33…転写材料層、 40…レーザ光源、 41…レーザビーム、 42…ダイクロイックミラー、 43…ガルバノミラー、 50…放物線ミラー、 60…真空チャンバ、 61…ガラス窓 、71…凸レンズ、 72…凹レンズ、 73…第1凸レンズ、 74…第2凸レンズ、 75…キャピラリプレート、 80…レーザマスク、 101…赤画素、 102…緑画素、 103…青画素
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザビームを用いる表示装置の製造方法であって、
前記レーザビームは、レーザ光源から出射し、ガルバノミラーから反射され、さらに放物線ミラーによって反射し、
前記ガルバノミラーは前記放物線ミラーの焦点に存在しており、前記レーザビームは前記ガルバノミラーによって走査され、
前記レーザビームは、照射される前記表示装置の全域において垂直に入射することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項2】
レーザビームを用いる表示装置の製造方法であって、
前記レーザビームは、レーザ光源から出射し、ダイクロイックミラーを通過し、ガルバノミラーによって反射され、放物線ミラーによって反射し、
前記ガルバノミラーは前記放物線ミラーの焦点に存在しており、前記レーザビームは前記ガルバノミラーによって走査され、
前記レーザビームは、照射される前記表示装置の全域において垂直に入射することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項1】
レーザビームを用いる表示装置の製造方法であって、
前記レーザビームは、レーザ光源から出射し、ガルバノミラーから反射され、さらに放物線ミラーによって反射し、
前記ガルバノミラーは前記放物線ミラーの焦点に存在しており、前記レーザビームは前記ガルバノミラーによって走査され、
前記レーザビームは、照射される前記表示装置の全域において垂直に入射することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項2】
レーザビームを用いる表示装置の製造方法であって、
前記レーザビームは、レーザ光源から出射し、ダイクロイックミラーを通過し、ガルバノミラーによって反射され、放物線ミラーによって反射し、
前記ガルバノミラーは前記放物線ミラーの焦点に存在しており、前記レーザビームは前記ガルバノミラーによって走査され、
前記レーザビームは、照射される前記表示装置の全域において垂直に入射することを特徴とする表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−3558(P2011−3558A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227163(P2010−227163)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【分割の表示】特願2007−265346(P2007−265346)の分割
【原出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【分割の表示】特願2007−265346(P2007−265346)の分割
【原出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
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