説明

表示装置及びその製造方法とカラーフィルタ

【課題】 透過表示の場合の色純度を維持しつつ反射表示の場合の明度を改善したハイブリッド型の表示装置を提供する。
【解決手段】 ハイブリッド型の表示装置は、互いに対向配置された前後一対の基板1、2と、一方の基板1の内面に設けられた一方の電極10と、他方の基板2の内面に設けられた他方の電極11と、一方の電極10と他方の電極11とが互いに対向する画素PXLに整合して前側基板1に設けたカラーフィルタCFと、一対の基板1、2の間に配された液晶層3と、後側基板2に設けられた反射層8とを備えている。反射層8は画素PXL毎に開口Hを有しており、各画素PXLを開口内の透過部Tと開口外の反射部Rとに平面分割している。カラーフィルタCFは着色層50と透明層51の積層からなる。着色層50は透過部Tより反射部Rの方が薄く形成されており、透明層51は透過部Tと反射部Rの間で生じた着色層50の段差を埋めるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一部開口を形成した反射層(以下、半透過反射層と云う場合がある)を背面に備えた、所謂ハイブリッド型の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイブリッド型の表示装置は、例えば特開平11−52366号公報や特開平11−183892号公報に開示されている。ハイブリッド型液晶表示装置は、充分な明るさの外光(自然光や室内照明光等)が得られるときは前面側から入射する外光を背面側の半透過反射層で反射させて外光を利用する反射型表示を行ない、充分な明るさの外光が得られないときは、液晶表示装置の背面側に配置されたバックライトの光を利用する透過型表示を行なう。このハイブリッド型液晶表示装置は、対向配置された前後一対の基板と、その一方の基板の内面に設けられた電極と、他方の基板の内面に設けられた電極と、前記一対の基板間に設けられた液晶層と、背面側に設けられた半透過反射層とからなっている。
【0003】液晶表示装置には、アクティブマトリクス方式や単純マトリクス方式など種々の方式のものがある。例えばアクティブマトリクス方式の液晶表示装置は、その一方の基板の内面に、マトリクス状に配列する複数の画素電極と、これらの画素電極にそれぞれ接続された複数の能動素子と、前記能動素子に信号を供給する信号ラインとを設け、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極に対向する対向電極を設けて、前記複数の画素電極と前記対向電極とが互いに対向する領域をそれぞれ画素とした構成となっている。
【0004】さらに、液晶表示装置には、白黒画像を表示するものと、カラー画像を表示するものとがある。フルカラー画像等の多色カラー画像を表示する液晶表示装置では、その前側基板の内面に、画素電極と対向電極とが互いに対向する複数の画素にそれぞれ対応させて、透過波長帯域が異なる複数の色の着色膜を設けている。この着色膜は一般に、赤、緑、青のカラーフィルタであり、各色のカラーフィルタはそれぞれ、画素を透過する光の全てを色純度の良い着色光として出射するために、画素とほぼ同じ面積に形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のカラーフィルタを備えたハイブリッド型液晶表示装置は、外光を利用して反射型表示を行なうときの表示が非常に暗いという問題をもっている。これは主に、カラーフィルタでの光の吸収によるものである。カラーフィルタは、可視光帯域のうちのカラーフィルタの色に対応する波長帯域の光を透過させ、他の波長帯域の光を吸収するため、カラーフィルタを透過した着色光の強度が、入射光の強度に比べてかなり低くなる。
【0006】そして、ハイブリッド型の液晶表示装置の場合、バックライトの光を利用して透過型表示を行なうときの表示の明るさの低下は、バックライトの輝度を高くすることによって補償することができるが、外光を利用して反射型表示を行なうときは、カラーフィルタでの光の吸収を補うほどの高輝度の入射光は得られない。また、液晶表示装置にその前方から入射した光が、背面側の半透過反射層で反射されて前方に出射するまでの間にカラーフィルタを二度通るため、光の吸収がさらに大きくなって、表示がかなり暗くなってしまう。
【0007】このため、従来から、カラーフィルタの膜厚を薄くすることにより、カラーフィルタでの光の吸収を少なくして表示を明るくすることが考えられているが、このようにカラーフィルタの膜厚を薄くしたのでは、その吸収波長帯域の光の透過率も上るため、色純度の良い着色光が得られなくなって、表示されるカラー画像の色範囲が狭くなる。
【0008】透過表示の場合の色純度を維持しつつ反射表示の場合の明度(反射率)を改善したハイブリッド型の表示装置が提案されており、図5にその概略を示す。(A)は一画素分の平面形状を表わしている。図示する様に、画素PXLは半透過反射層の開口に対応する透過部Tと、開口以外の反射部Rとに平面分割されている。カラーフィルタCFは透過部Tを全面的にカバーしているが、反射部Rについては部分的にしかカバーしていない。即ち、矩形を有する画素PXLに対して、カラーフィルタCFは図示の様に六角形にパタニングされており、反射部Rの各角部にはカラーフィルタCFがかかっていない。これにより、透過部Tは十分な色純度が得られる一方、反射部RはカラーフィルタCFで着色された光と無着色の光が混合されたものとなり、明度が高くなる。
【0009】(B)は、(A)に示したX−X線の断面図である。前側基板1の内面には六角形状にパタニングされたカラーフィルタCFが形成されている。後側基板2の内面には開口Hを有する半透過型の反射層8が形成されている。両基板1,2の間には電気光学層として液晶層3が保持されている。半透過反射層8の開口Hに対応する部分が画素の透過部Tとなり、それ以外の部分が反射部Rとなる。透過部Tについては、後側基板2から入射したバックライトの光がカラーフィルタCFを一回通過して、前側基板1の正面に位置する観察者に到達する。反射部Rについては、観察者側から入射した光が反射層8で反射して、再び観察者側に戻る。この時、入射光の一部はカラーフィルタCFが切り欠かれた部分を通過し、反射層8で反射された後、カラーフィルタCFが存在する部分を通過する。この時には、バックライトと同じく外光もカラーフィルタCFを一回のみ通過するので、吸収はそれ程強くなく、明度が高くなり所望の反射率が得られる。
【0010】しかし、カラーフィルタCFを図示の様に六角形状にパタニングすると、画素PXLの矩形境界とは異なる為、カラーフィルタCFの切り欠かれた部分が場合によっては画素欠陥として認識されてしまうことがある。又、カラーフィルタCFを六角形の様な異形にパタニングすると、形状不良の割合が増加するという課題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課題を解決する為に以下の手段を講じた。即ち、本発明にかかる表示装置は、基本的な構成として、互いに対向配置された前後一対の基板と、一方の基板の内面に設けられた一方の電極と、他方の基板の内面に設けられた他方の電極と、前記一方の電極と前記他方の電極とが互いに対向する画素に整合して前側基板に設けたカラーフィルタと、前記一対の基板の間に配された電気光学層と、後側基板に設けられた反射層とを備えている。ここで、前記反射層は画素毎に開口を有しており、各画素を開口内の透過部と開口外の反射部とに平面分割している。前記カラーフィルタは着色層と透明層の積層からなる。特徴事項として、前記着色層は該透過部より該反射部の方が薄く形成されており、前記透明層は透過部と反射部の間で生じた該着色層の段差を埋めるように形成されている。
【0012】好ましくは、前記透明層はその厚みを最適に設定して該着色層の光学濃度を透過部と反射部との間で調整する。一態様では、前記透明層は該前側基板の内面に形成された透明樹脂膜からなり、前記着色層は該透明樹脂膜に重ねて形成された着色膜からなる。他の態様では、前記透明層は該前側基板の透明な内面を選択的にエッチングして形成されたものであり、前記着色層は該エッチングされた内面に形成された着色膜である。好ましくは、前記電気光学層は複屈折性を有する液晶層からなり、その厚みは透過部が反射部の二倍に設定されている。好ましくは、前記一方の電極は画素間で共通に形成された共通電極であり、前記他方の電極は画素毎に分離した画素電極であり、前記他方の基板には画素電極を駆動する能動素子が形成されている。
【0013】本発明によれば、ハイブリッド型の表示装置において、カラーフィルタを形成する場合、反射部のみに透明層を形成し、その上に着色層を設けている。これにより、透明層が介在する分だけ反射部における着色層の厚みが透過部における厚みより小さくなる。この為、反射部におけるカラーフィルタの吸収が少なくなり、明度が改善され反射率が高くなる。一方、透過部については着色層が十分な厚みを有する為、所望の色純度(光学濃度)を得ることが可能である。透明層の膜厚を最適化することにより、透過型としての色純度を損なうことなく、反射型としての反射率や色純度を所望の値に設計することが可能である。カラーフィルタの着色層自体は画素に合わせてパタニングすればよく、形状不良や画素欠陥などは発生しない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係るハイブリッド型の表示装置の基本的な構成を示す模式図の一例である。(A)は一画素分の断面構造を表わしている。図示する様に、本表示装置は、互いに対向配置された前後一対の基板1,2で構成されている。一方の基板1の内面には一方の電極10が形成されており、他方の基板2の内面にも他方の電極11が形成されている。一方の電極10と他方の電極11とが互いに対向する部分に画素が形成される。この画素に整合して前側基板1にカラーフィルタCFが設けられている。前後一対の基板1,2の間には電気光学層として例えば液晶層3が保持されている。この液晶層3は例えばゲストホスト液晶からなり、電極10,11間に印加される電圧に応答して、入射光を画素毎に遮断/通過させる。尚、本発明は液晶に限られるものではなく他の電気光学物質を用いることができる。又、ゲストホスト液晶に限られるものではなく他のモードの液晶を用いることも可能である。後側基板2には反射層8が設けられている。この反射層8は画素毎に開口を有しており、各画素を開口内の透過部Tと開口外の反射部Rとに平面分割している。本例では、反射層8は基板2の凹凸面の上に形成された金属膜からなり、前述した電極11を兼ねている。又、透過部TにはITOなどの透明導電膜が形成されており、前述した開口を構成するとともに電極11を兼ねている。以上の説明から明らかな様に、本例では、基板2に形成された電極11は反射部Rに設けた金属膜と透過部Tに設けた透明導電膜のハイブリッド構成となっている。
【0015】本発明の特徴事項として、カラーフィルタCFは着色層50と透明層51の積層からなる。着色層50は透過部Tより反射部Rの方が薄く形成されている。透明層51は透過部Tと反射部Rの間で生じた着色層50の段差を埋める様に形成されている。具体的には、透明層51は前側基板1の内面に形成された透明樹脂膜からなり、着色層50は透明樹脂膜に重ねて形成された着色膜からなる。透明層51はその厚みを最適に設定して着色層50の光学濃度を透過部Tと反射部Rとの間で調整する。以上の様に、本発明では、ハイブリッド型の表示装置において、反射部Rのみアクリル樹脂などの透明樹脂膜をフォトリソグラフィなどの手法により選択的に形成し、その上に着色層50を積層している。透過部Tについては、通常の様に十分な厚みを有するカラーフィルタCFを入射光(バックライト)が一回通過することにより、所望の色再現性が得られる。反射部Rについては、透明樹脂膜の介在により光学濃度の下がったカラーフィルタCFを入射光(外光)が往復で二回通過することにより、所望の色再現性が得られる。この際、反射部Rにおける着色層50の厚みが薄くなっている為、外光はカラーフィルタCFを二回通過しても過度の吸収を受けることはなく、高い反射率を維持でき、画面の明るさを実用レベルに維持可能である。透明層51の膜厚調整により、透過型表示としての色純度を損なうことなく、自在に反射型表示としての反射率、色純度、明度の調整が可能となる為、透過部Tと反射部Rで各々最適な光学濃度を設計することができる。
【0016】(B)は、本表示装置の平面形状を示す模式図である。図示する様に、各画素PXLはブラックマトリクスBMにより格子状に分かれている。各画素PXLは中央の透過部Tと周辺の反射部Rに平面分割されており、所謂ハイブリッド構成となっている。カラーフィルタはブラックマトリクスBMによって区画された画素PXLとほぼ対応する様にパタニングされている。従来の様にカラーフィルタを異形にパタニングする必要がない為、色抜け欠陥として観察者に認識されることがない。又、カラーフィルタをフォトリソグラフィ及びエッチングでパタニングする際にも形状不良が生じにくい。
【0017】図2は、図1に示したカラーフィルタの変形例を示す模式的な断面図である。カラーフィルタCFは画素毎に別々に着色されて基板1に形成される。カラーフィルタCFは各画素内で光が一回のみ通過する透過光用領域tと一回通過した光が反射して戻り往復で二回通過する反射光用領域rとに平面分割されている。カラーフィルタCFは着色層50と透明層51を重ねた積層構造を有する。本例では、透明層51は基板1の透明な一面を選択的にエッチングして形成されたものであり、着色層50はエッチングされた基板1の一面に形成された着色膜となっている。例えば、基板1はガラスからなり、フッ酸を用いて透過光用領域tを選択的にエッチングすることで、反射光用領域rに透明層51を形成することができる。
【0018】図3は、本発明に係る表示装置の実施例を示す模式的な部分断面図であり、一画素分のみを表わしている。本実施例はアクティブマトリクス型であり、且つECB(Electrically Controlled Birefrigence)モードの液晶パネルを用いている。即ち、液晶の複屈折性を利用して入射光の通過/遮断を制御する方式である。尚、アクティブマトリクス型の画素を駆動する能動素子として薄膜トランジスタを用いている。
【0019】図示する様に、前側基板1の外表面には偏光板40と四分の一波長板9が貼り付けられている。基板1の内表面には本発明に従って着色層50及び透明層51を重ねたカラーフィルタCFが形成されている。カラーフィルタCFを画素毎に区切る様にブラックマトリクスBMが同じく基板1の内面に形成されている。カラーフィルタCF及びブラックマトリクスBMの表面には各画素に亘って共通に形成された共通電極10が配されている。その上には配向膜107が成膜されている。更に、複屈折性を有する液晶層3が介在しており、その下に後側の基板2が配されている。基板2の表面は配向膜115によって覆われており、前側基板1の配向膜107と協働して液晶層3を例えば水平配向している。図示の様に、液晶層3の厚みは透過部の寸法Tdが反射部の寸法Rdの二倍に設定されている。具体的には、Tdは入射光の波長の二分の一に相当し、Rdは同じく入射光の波長の四分の一に相当する。配向膜115の下には画素電極11が形成されている。この画素電極11はITOなどの透明導電膜からなり、透過部の開口を形成している。この透明電極11と一部重なる様に絶縁膜114を介して反射層8が形成されている。反射層8は絶縁膜114の凹凸面に形成された金属膜からなり前述した画素電極11と同電位に接続されている。従って、反射層8も画素電極の一部を構成する。画素電極11の下には薄膜トランジスタ108が形成されている。この薄膜トランジスタ108はボトムゲート構造を有しており、下から順にゲート電極116、ゲート絶縁膜117、半導体薄膜118を重ねた積層構造を有している。半導体薄膜118は例えば多結晶シリコンからなり、ゲート電極116と整合するチャネル領域は上側からストッパ119により保護されている。係る構成を有するボトムゲート構造の薄膜トランジスタ108は層間絶縁膜120により被覆されている。層間絶縁膜120には一対のコンタクトホールが開口しており、これらを介しソース電極121及びドレイン電極122が薄膜トランジスタ108に電気接続している。これらの電極121及び122は例えばアルミニウムをパタニングしたものである。ドレイン電極122には前述した画素電極11が接続している。又、絶縁膜114に形成したコンタクトホール112を介して反射層8もドレイン電極122に電気接続している。一方、ソース電極121には信号電圧が供給される。最後に、後側基板2の裏面には四分の一波長板19と偏光板41が貼り付けられている。
【0020】図4は、図3に示した表示装置の動作を模式的に表わした説明図であり、特に反射部の構造を表わしている。右側が印加電圧のオフ状態を表わし光は通過する一方、左側が印加電圧のオン状態を表わし光は遮断される。この反射型表示装置は上から順に、偏光板40、四分の一波長板9、前側基板1、カラーフィルタCF、共通電極10、複屈折性を有する液晶層3、画素電極を兼ねた反射層8、後側基板2が重ねられている。オフ状態では液晶分子4は水平配向しており液晶層3は四分の一波長板として機能する。オン状態では液晶分子4は垂直配向に移行し液晶層3は四分の一波長板としての機能はなくなる。換言すると、オフ状態では四分の一波長板として機能する液晶層3と四分の一波長板9が重なっており、全体として二分の一波長板として機能する。反射型の場合入射光はパネルを往復して出射するので結局パネルは一波長板として機能する。一波長板は結局入射光をそのまま出射光として透過することになり、偏光板40を透過した入射直線偏光はそのまま出射直線偏光となって観察者に至り、光の通過状態が得られる。一方、オン状態では液晶層3が四分の一波長板としての機能を失なう為、四分の一波長板9のみが残ることになる。反射型では入射光が四分の一波長板9を往復するので、パネルは結局二分の一波長板として機能する。二分の一波長板は入射直線偏光を90°回転して出射直線偏光とする。従って、偏光板40を透過した入射直線偏光は90°回転して出射直線偏光となり、偏光板40によって吸収される。従って光の遮断状態が得られる。尚、透過部の動作も上述した反射部と同様である。透過部は丁度反射層8を境にしてその上の部分と鏡面の関係になる部分を反射層8の下に設けた構造となっている。即ち、液晶層3の厚みが二倍となり、後側基板2の裏面に四分の一波長板19及び偏光板41(図3を参照)が追加された構造となる。そして、カラーフィルタCFの厚みも透過部に比べ二倍となる(図3参照)。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ハイブリッド型の表示装置において、色純度の高い透過部と反射率の高い反射部を両立可能である。又、画素内でカラーフィルタを異形にパタニングする必要がない為、色抜け欠陥として観察者に認識されることがない。合わせて、カラーフィルタをフォトリソグラフィでパタニングする場合に形状不良を生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の基本的な構成を示す模式的な断面図及び平面図である。
【図2】本発明に係るカラーフィルタの一例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る表示装置の実施例を示す部分断面図である。
【図4】図3に示した表示装置の動作説明に供する模式図である。
【図5】従来の表示装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・前側基板、2・・・後側基板、3・・・液晶層、8・・・反射層、10・・・電極、11・・・電極、50・・・着色層、51・・・透明層、CF・・・カラーフィルタ、R・・・反射部、T・・・透過部、H・・・開口、PXL・・・画素、BM・・・ブラックマトリクス

【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに対向配置された前後一対の基板と、一方の基板の内面に設けられた一方の電極と、他方の基板の内面に設けられた他方の電極と、前記一方の電極と前記他方の電極とが互いに対向する画素に整合して前側基板に設けたカラーフィルタと、前記一対の基板の間に配された電気光学層と、後側基板に設けられた反射層とを備えた表示装置おいて、前記反射層は画素毎に開口を有しており、各画素を開口内の透過部と開口外の反射部とに平面分割し、前記カラーフィルタは着色層と透明層の積層からなり、前記着色層は該透過部より該反射部の方が薄く形成されており、前記透明層は透過部と反射部の間で生じた該着色層の段差を埋めるように形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】 前記透明層はその厚みを最適に設定して該着色層の光学濃度を透過部と反射部との間で調整することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】 前記透明層は該前側基板の内面に形成された透明樹脂膜からなり、前記着色層は該透明樹脂膜に重ねて形成された着色膜からなることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項4】 前記透明層は該前側基板の透明な内面を選択的にエッチングして形成されたものであり、前記着色層は該エッチングされた内面に形成された着色膜であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項5】 前記電気光学層は複屈折性を有する液晶層からなり、その厚みは透過部が反射部の二倍に設定されていることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項6】 前記一方の電極は画素間で共通に形成された共通電極であり、前記他方の電極は画素毎に分離した画素電極であり、前記他方の基板には画素電極を駆動する能動素子が形成されていることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項7】 互いに対向配置された前後一対の基板と、一方の基板の内面に設けられた一方の電極と、他方の基板の内面に設けられた他方の電極と、前記一方の電極と前記他方の電極とが互いに対向する画素に整合させて前側基板に設けられたカラーフィルタと、前記一対の基板の間に配された電気光学層と、後側基板に設けられた反射層とを備え、前記反射層は画素毎に開口を有しており各画素を開口内の透過部と開口外の反射部とに平面分割し、前記カラーフィルタは着色層と透明層の積層からなる表示装置の製造方法において、前記着色層は該透過部より反射部の方を薄く形成し、前記透明層は透過部と反射部の間で生じた着色層の段差を埋めるように形成することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項8】 前記透明層はその厚みを最適に設定して該着色層の光学濃度を透過部と反射部との間で調整することを特徴とする請求項7記載の表示装置の製造方法。
【請求項9】 前記透明層は該前側基板の内面に形成された透明樹脂膜を用い、前記着色層は該透明樹脂膜に重ねて形成された着色膜を用いることを特徴とする請求項7記載の表示装置の製造方法。
【請求項10】 前記透明層は該前側基板の透明な内面を選択的にエッチングして形成し、前記着色層は該エッチングされた内面に着色膜を成膜して形成することを特徴とする請求項7記載の表示装置の製造方法。
【請求項11】 前記電気光学層は複屈折性を有する液晶層を用い、その厚みは透過部が反射部の二倍に設定することを特徴とする請求項7記載の表示装置の製造方法。
【請求項12】 前記一方の電極は画素間で共通に形成された共通電極であり、前記他方の電極は画素毎に分離した画素電極であり、前記他方の基板には画素電極を駆動する能動素子を形成することを特徴とする請求項7記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】 画素毎に別々に着色して基板に形成され、各画素内で光が一回のみ通過する透過光用領域と、一回通過した光が反射して戻り往復で二回通過する反射光用領域とに平面分割されており、着色層と透明層を重ねた積層構造を有するカラーフィルタであって、前記着色層は該透過光用領域より反射光用領域の方が薄く形成されており、前記透明層は透過光用領域と反射光用領域との間で生じた着色層の段差を埋めるように形成されていることを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項14】 前記透明層はその厚みを最適に設定して該着色層の光学濃度を透過光用領域と反射光用領域との間で調整することを特徴とする請求項13記載のカラーフィルタ。
【請求項15】 前記透明層は基板の一面に形成された透明樹脂膜からなり、前記着色層は該透明樹脂膜に重ねて形成された着色膜からなることを特徴とする請求項13記載のカラーフィルタ。
【請求項16】 前記透明層は基板の透明な一面を選択的にエッチングして形成されたものであり、前記着色層は該エッチングされた一面に形成された着色膜であることを特徴とする請求項13記載のカラーフィルタ。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【公開番号】特開2001−166289(P2001−166289A)
【公開日】平成13年6月22日(2001.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−353217
【出願日】平成11年12月13日(1999.12.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】