表示装置及びそれを備えた情報カード
【課題】反りやうねり等に起因するクラックの発生を抑制して、歩留まりを向上することができる表示装置及びそれを備えた情報カードを提供することを目的とする。
【解決手段】有機EL表示装置1は、基体層2と、基体層2上に形成された有機EL表示素子11とを備えている。そして、基体層2における有機EL表示素子11側とは反対側の表面2b上に、有機EL表示装置1の剛性を向上するための補強部材30設けられている。
【解決手段】有機EL表示装置1は、基体層2と、基体層2上に形成された有機EL表示素子11とを備えている。そして、基体層2における有機EL表示素子11側とは反対側の表面2b上に、有機EL表示装置1の剛性を向上するための補強部材30設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL表示装置等の表示装置及びそれを備えた情報カードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイ分野では、フレキシブル性、耐衝撃性や軽量性の点でガラス基板に比べて大きなメリットのあるプラスチック基板等を用いた薄型の表示装置が非常に注目を浴びており、ガラス基板のディスプレイでは不可能であった新たなディスプレイが創出される可能性を秘めている。
【0003】
また、近年、免許証,キャッシュカード、IDカード等の、カードの表面に画像データを表示する薄型の表示装置を備えた情報カードが提案されている。より具体的には、例えば、液晶表示装置等により構成され、ID番号や氏名、顔写真等のカードの所有者に関する情報を表示する表示部を備えた情報カードが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−296678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、一般に、表示装置を備える情報カードは、プラスチック基板により形成されたプラスチックカードであり、屈曲性を有するため、機械的なストレス等の外力により情報カードが屈曲すると、情報カードに搭載された表示装置に反りやうねり等の変形が発生する。そうすると、表示装置において、反りやうねり等の変形に起因するクラックが発生するという問題があった。また、特に、製造工程において、このようなクラックが発生すると、表示装置の歩留まりが低下するという問題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、反りやうねり等に起因するクラックの発生を抑制して、歩留まりを向上することができる表示装置及びそれを備えた情報カードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板と、基板上に形成された表示素子とを備える表示装置であって、基板における表示素子側とは反対側の表面上に、表示装置の剛性を向上するための補強部材が設けられていることを特徴とする。
【0008】
同構成によれば、表示装置の剛性を向上させることができるため、表示装置を備えるとともに、屈曲性を有する情報カードが屈曲した場合であっても、表示装置に反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に抑制することが可能になる。従って、表示装置において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生を効果的に抑制することが可能になるとともに、製造工程において、表示装置の歩留まりを向上することが可能になる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置であって、補強部材は、基板と同等の熱膨張係数を有することを特徴とする。
【0010】
同構成によれば、熱膨張差による応力の発生を効果的に抑制することができるため、表示装置に反りやうねり等の変形が発生するのをより一層効果的に抑制することが可能になる。従って、表示装置において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生をより一層効果的に抑制することが可能になる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の表示装置であって、補強部材が、ポリイミド系樹脂により形成された樹脂フィルムであることを特徴とする。
【0012】
同構成によれば、安価かつ汎用性のある樹脂フィルムにより、補強部材を形成することが可能になる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の表示装置であって、補強部材が、金属フィルムであることを特徴とする。
【0014】
同構成によれば、表示装置の帯電を防止することができるとともに、基板側から表示装置の内部への水蒸気の透過を防止することができる。
【0015】
また、本発明の請求項1〜請求項4に記載の表示装置は、クラックの発生を効果的に抑制することができるとともに、製造工程において、表示装置の歩留まりを向上することができるという優れた特性を備えている。従って、請求項5に記載の発明のように、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の表示装置であって、表示素子に、有機EL表示素子を使用した表示装置に好適に使用できる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の表示装置を備えることを特徴とする情報カードである。同構成によれば、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の表示装置を備える構成としているため、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の表示装置と同じ効果を有する情報カードを得ることが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生を効果的に抑制することが可能になるとともに、製造工程において、歩留まりに優れた表示装置及びそれを備えた情報カードを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置を備える情報カードの平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置を備える情報カードの断面図である。
【図3】は、本発明の実施形態に係る情報カードにおけるRFICシートを示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の変形例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る表示装置を備えた情報カードを、図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態においては、表示装置として、有機EL表示装置を例に挙げて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置を備える情報カードの平面図であり、図2は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置を備える情報カードの断面図である。また、図3は、本発明の実施形態に係る情報カードにおけるRFICシートを示す平面図であり、図4は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の平面図である。また、図5は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
【0021】
図1に示すように、この情報カード3は、有機EL表示素子を備える有機EL表示装置1と、有機EL表示装置1を駆動するためのIC部21と、IC部21と電気的に接続された電源である太陽電池22と、情報内容を記録した磁気記録部29と、有機EL表示装置1、IC部21、太陽電池22、及び磁気記録部29が表面に配置されたプリント基板23とを備えている。
【0022】
そして、太陽電池22により供給された電力が、有機EL表示装置1の駆動回路であるIC部21に供給されると、有機EL表示装置1に設けられた有機EL表示素子にIC部21から表示に必要な信号が与えられ、磁気記録部29に記憶されている文字、図形等の情報が有機EL表示装置1に表示される構成となっている。
【0023】
また、図2に示すように、情報カード3は、プリント基板23における有機EL表示装置1側と反対側の表面に設けられた情報の送受信を行うためのRF(Radio Frequency)ICシート24とを備えている。このRFICシート24は、図3に示すように、様々な情報を電子的に記憶・処理するRFICチップ27と、RFICチップ27と電気的に接続されるとともに、電磁誘導によってRFアンテナと情報の送受信を行うアンテナコイル28とを備えている。
【0024】
そして、例えば、情報カード3を、イメージスキャナ等の情報読取装置に挿入すると、情報読取装置に設けられたRFアンテナとアンテナコイル28との間で電磁誘導により情報の送受信が行われる構成となっている。
【0025】
また、図2に示すように、情報カード3は、有機EL表示装置1が配置されたプリント基板23とRFICシート24とを貼り合わせた貼合体を被覆するカバーレイフィルム25,26を備えている。より具体的には、このカバーレイフィルム25,26は、有機EL表示装置1が配置されたプリント配線板23の表面上に設けられるとともに、RFICシート24の表面上に設けられている。なお、このカバーレイフィルム25,26を構成する樹脂フィルムとしては、アクリル系樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等の透明樹脂が使用できる。
【0026】
また、プリント基板23は、プラスチックにより形成されたプラスチック基板であるとともに、情報カード3は、JIS規格に準拠している一般的なカードであり、例えば、幅85mm,高さ54mm,厚み0.76mmのサイズを有するプラスチックカードである。また、この情報カード3は、その種類は特に限定されず、例えば、免許証,保険証、キャッシュカード、クレジットカード、パスポート、電子マネー、IDカード等として使用できる。また、情報カード3は、プラスチック基板であるため、十分な屈曲性を有している。
【0027】
また、図4に示すように、有機EL表示装置1は、例えば、複数の画素等で構成される表示領域32と表示領域32の周辺に設けられた周辺回路領域31とを備えている。また、周辺回路領域31には、ドライバ部33が設けられた駆動回路領域34と、表示領域32から引き出された配線端子35が設けられた端子領域36が規定されている。
【0028】
ドライバ部33にあたるゲートドライバやソースドライバは、TFT素子としてポリシリコンを用いたTFTを採用することによりモノリシック化が可能であり、また、有機EL表示装置1は、後述するように、有機EL表示装置1の基板である基体層がポリパラキシレン系樹脂等でフィルム状に形成されているため、例えば、図1の点線枠37に示すような広範囲な領域が良好なフレキシブル性を有している。また、フレキシブルな領域は、図1の点線枠37で示す領域に限らず、フィルム基板の構成等を調節することにより、所望の範囲に形成することができる。
【0029】
また、端子領域36には、配線端子35に接続されたフレキシブルプリント配線板(不図示)が設けられており、当該フレキシブルプリント配線板が、上述の有機EL表示装置1を駆動するためのIC部21と接続される構成となっている。
【0030】
また、図5に示すように、有機EL表示装置1は、室温で蒸着された無色透明の樹脂膜で構成されたフィルム状の基板である基体層2を備える。基体層2を構成する無色透明の樹脂膜としては、例えば、ポリパラキシレン系樹脂、あるいは、アクリル系樹脂等の有機材料を用いることができる。この基体層2の厚みは、例えば、3〜10μmとすることができる。
【0031】
基体層2上には、TFT素子4等を備えた表示素子層が形成されている。この表示素子層は、基体層2上に形成されたTFT素子4と、TFT素子4を覆うように設けられたSiO2膜やSiN膜等の層間絶縁膜5と、層間絶縁膜5を貫通してTFT素子4に電気的に接続されたメタル配線6により構成されている。メタル配線6は、さらに層間絶縁膜5上に延長されて、有機EL表示素子11の第1電極7を構成している。また、層間絶縁膜5上には、各画素(領域)20を区画する絶縁膜(または、バンク)9が形成されている。この絶縁膜9を形成する材料としては、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂、メタリル系樹脂、またはノボラック系樹脂等の絶縁性の樹脂材料が挙げられる。なお、層間絶縁膜5の厚みは、例えば、0.5〜1μmとすることができる。また、絶縁膜9の厚みは、例えば、2〜4μmとすることができる。
【0032】
有機EL表示装置1は、第1電極7側から発光を取り出すボトムエミッション型であるため、発光の取り出し効率を向上する観点から、第1電極7は、例えば、ITOや、SnO2等の高い仕事関数を有し、かつ、光透過率の高い材料の薄膜により構成することが好ましい。
【0033】
第1電極7上には、有機EL層8が形成されている。有機EL層8は、ホール輸送層と発光層とからなる。ホール輸送層は、ホール注入効率がよいものであれば、何ら限定されるものではない。ホール輸送層の材料としては、例えば、トリフェニルアミン誘動体、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)誘動体、ポリフルオレン誘導体などの有機材料等を用いることができる。
【0034】
発光層は、特に限定されるものではなく、例えば、8−ヒドロキシキノリロール誘動体、チアゾール誘動体、ベンズオキサゾール誘動体等を用いることができる。また、これらの材料のうち2種以上を組み合わせたり、ドーパント材料などの添加剤を組み合わせてもよい。
【0035】
なお、有機EL層8をホール輸送層と発光層との2層構造としているが、何らこの構成に限定されるものではない。即ち、有機EL層8は、発光層のみからなる単層構造であっても構わない。また、有機EL層8を、ホール輸送層、ホール注入層、電子注入層、及び、電子輸送層のうちの1層または2層以上と、発光層とにより構成してもよい。
【0036】
また、有機EL層8及び絶縁膜9上には、第2電極10が形成されている。第2電極10は、有機EL層8に電子を注入する機能を有する。第2電極10は、例えば、Mg、Li、Ca、Ag、Al、In、Ce又はCu等の薄膜により構成することができるが、何らこれに限定されるものではない。
【0037】
そして、第1電極7と、第1電極7上に形成されるとともに、発光層を有する有機EL層8と、有機EL層8上に形成された第2電極10とにより有機EL表示素子11が構成されている。
【0038】
また、有機EL表示装置1では、第1電極7は有機EL層8にホールを注入する機能を有し、また、第2電極10は有機EL層8に電子を注入する機能を有する。第1電極7と、第2電極10とからそれぞれ注入されたホールと電子とが有機EL層8で再結合することにより、有機EL層8が発光する仕組みとなっている。また、基体層2及び第1電極7は光透過性に、第2電極10は光反射性に構成されており、発光は第1電極7及び基体層2を透過して有機EL層8から取り出される仕組みとなっている(ボトムエミッション方式)。
【0039】
また、第2電極10上には、アクリル樹脂やポリパラキシレン樹脂等からなる平坦化膜12が形成されている。なお、平坦化膜12の厚みは、例えば、3〜8μmとすることができる。
【0040】
平坦化膜12上には、樹脂膜13,15,17、無機膜14及び金属酸化膜16の積層体により構成された封止膜18が形成されている。樹脂膜13,15,17は、平坦化膜12と同様の樹脂材料を用いて形成しても良く、その他の樹脂材料を用いて形成しても良い。無機膜14及び金属酸化膜16は、例えば、SiNx、SiO2又はAl2O3等を用いて形成されている。
【0041】
なお、封止膜18は、樹脂膜と無機膜とが上記のように何重にも積層されていなくても良く、それぞれ1層ずつ形成されていても良い。さらに、封止膜18は、金属薄膜を用いて構成しても良い。また、封止膜18の厚みは、例えば、1〜5μmとすることができる。
【0042】
また、TFT素子4は、アモルファスシリコンを用いたTFTであり、アモルファスシリコンをチャネルとするものである。このTFT素子4は、非晶質であるために、ポリシリコンを用いたTFT素子に比し、電子等のキャリア移動度が低いが、大画面(即ち、大きな表示領域)を有する表示装置を提供することが可能になる。
【0043】
このように、有機EL表示装置1は、フィルム状の基板である基体層2上に、画素20のスイッチング素子であるTFT素子4と、有機EL表示素子11とが形成された構成となっている。
【0044】
ここで、本実施形態の有機EL表示装置1においては、図3、図5に示すように、基体層2における有機EL表示素子11側とは反対側の表面2b上に補強部材30を備える点に特徴がある。より具体的には、基体層2の、有機EL表示素子11が設けられた表面2aと反対側の表面2b上に、有機EL表示装置1の剛性を向上するための補強部材30を設けている点に特徴がある。
【0045】
このような構成により、有機EL表示装置1の剛性を向上させることができるため、有機EL表示装置1を備えるとともに、屈曲性を有する情報カード3が屈曲した場合であっても、有機EL表示装置1に反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に抑制することが可能になる。従って、有機EL表示装置1において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生を効果的に抑制することが可能になる。
【0046】
この補強部材30は、図5に示すように、基体層2の表面2bにおいて、接着剤層31を介して、積層される構成となっている。
【0047】
また、補強部材30を形成する材料としては、有機EL表示装置1の剛性を向上することができるものでれば、特に限定されず、本実施形態においては、ポリイミド系樹脂により形成された樹脂フィルムや、ステンレス、鉄、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、モリブテン、タンタルまたはこれらの合金により形成された金属フィルムを使用することができる。
【0048】
また、このうち、上述の金属フィルムを補強部材30として使用することにより、有機EL表示装置1の帯電を防止することができるとともに、基体層2側から有機EL表示装置1の内部への水蒸気の透過を防止することができる。
【0049】
また、補強部材30の厚みとしては、10〜50μmが好ましい。これは、厚みが10μm未満の場合は、有機EL表示装置1の剛性を十分に向上できない場合があるからであり、また、50μmよりも大きい場合は、有機EL表示装置1全体の厚みが大きくなる場合があるからである。
【0050】
また、本実施形態においては、有機EL表示装置1の基板である基体層2と同等の熱膨張係数を有する補強部材30を使用することが好ましい。このような構成により、熱膨張差による応力の発生を効果的に抑制することができるため、有機EL表示装置1における反りやうねり等の変形の発生をより一層効果的に抑制することが可能になる。従って、有機EL表示装置1において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生をより一層効果的に抑制することが可能になる。
【0051】
なお、ここで言う「熱膨張係数」とは、200℃〜400℃の温度範囲において測定したものを言う。
【0052】
また、「熱膨張係数が同等」とは、基体層2の熱膨張係数をA、補強部材の熱膨張係数をBとして場合に、A≦B≦2Aの関係が成立することを言う。例えば、基体層2の熱膨張係数が3〜10/Kの場合、補強部材30の熱膨張係数が3〜20/Kの範囲となるように、補強部材30を形成するポリイミド系樹脂や金属を適宜選択する。
【0053】
また、接着剤層31を構成する接着剤としては、特に限定されず、かかる接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系、ブチラール樹脂系、アクリル樹脂系などの、各種の樹脂系の接着剤が挙げられる。
【0054】
次に、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置を備える情報カードの製造方法について説明する。図6〜図13は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。なお、以下に示す製造方法は単なる例示であり、本発明に係る有機EL表示装置は以下に示す方法により製造されたものに限定されるものではない。
【0055】
まず、図6に示すように、支持基板として、例えば、厚みが0.7mm程度のガラス基板50を準備する。
【0056】
次に、図6に示すように、ガラス基板50上に、例えば、耐熱温度(又は、ガラス転移温度)が400℃以上で、熱膨張係数が10ppm/℃以下の樹脂材料で形成された犠牲膜51を、例えば、0.1〜1μm程度の厚みで形成する。このような条件を満たす犠牲膜51の樹脂材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂を用いることができる。なお、この犠牲膜51は、ガラス基板50の剥離を良好に行うためのものである。
【0057】
次いで、透過型の表示素子の場合は、犠牲膜51上に、透明の樹脂膜で構成されたフィルム状の基体層2を、例えば、5μm程度の厚みで形成する。基体層2を形成する樹脂材料としては、ポリイミド系樹脂、フルオレン系エポキシ樹脂及びフッ素系樹脂を用いることができる。また、基体層2は、犠牲膜51の表面上に樹脂を塗布することにより形成する。なお、反射型の表示素子の場合やトップエミッション自発光型の表示素子の場合は、犠牲膜51を形成する樹脂材料と同じ樹脂材料を用いて基体層2を形成することにより、犠牲膜を省く構成としても良い。
【0058】
続いて、図7に示すように、基体層2上に、金属膜や半導体膜等の形成、及びパターニング等を行い、画素20のスイッチング素子であるTFT素子4を形成する。
【0059】
次に、TFT素子4を形成した基体層2上に、例えば、SiO2膜やSiN膜等を用いて、層間絶縁膜5を、厚みが1〜2μm程度となるように形成する。
【0060】
続いて、層間絶縁膜5の表面からTFT素子4までコンタクトホールを設け、ITO等の透明導電材料によってTFT素子4と電気的に接続するメタル配線6を形成し、さらにパターニング等によって、例えば、150nm程度の厚みを有する第1電極7を形成する。
【0061】
次に、層間絶縁膜5上に、例えば、3μm程度の厚みを有する絶縁膜9を形成後、第1電極7に対応する部分をエッチングにより除去する。
【0062】
次いで、第1電極7上にホール輸送層と発光層とを形成することにより、有機EL層8を設ける。ホール輸送層としては、まず、溶剤にホール輸送材料である有機高分子材料を溶解、または分散させたホール輸送材料塗料を、例えば、インクジェット法等により露出している第1電極7上に供給する。その後、焼成処理を施すことによりホール輸送層を形成する。次に、発光層としては、溶剤に発光材料である有機高分子材料を溶解、または分散させた有機発光材料塗料を、例えば、インクジェット法等によりホール輸送層を覆うように供給する。その後、焼成処理を施すことにより発光層を形成する。
【0063】
続いて、絶縁膜9及び有機EL層8上に、スパッタ法等によりMg、Li、Ca、Ag、Al、In、Ce、またはCu等を用いて第2電極10を形成する。第2電極10の厚みは、例えば150nm程度とする。これにより、第1電極7と、第1電極7上に形成されるとともに、発光層を有する有機EL層8と、有機EL層8上に形成された第2電極10とにより構成される有機EL素子11が形成される。
【0064】
次に、第2電極10上に、TEOS膜やSiN膜等を成膜し、化学機械研磨(CMP)等により表面を研磨することにより平坦化膜12を形成する。
【0065】
次いで、図8に示すように、平坦化膜12上に、樹脂膜13、無機膜14、樹脂膜15、金属酸化膜16及び樹脂膜17をこの順で成膜することにより封止膜18を形成して、積層体38を作製する。樹脂膜13,15,17は、例えば、ポリパラキシレン系樹脂等を用いて、厚みがそれぞれ5μm程度となるように形成する。また、無機膜14及び金属酸化膜16は、例えば、SiNx、SiO2、Al2O3等を用いて、厚みがそれぞれ500nm程度となるように形成する。
【0066】
次いで、図9に示すように、作製した積層体38を転写フィルム39に転写する。なお、転写フィルム39を構成する材料としては、例えば、UVや熱処理により密着性が低下する離形フィルム等が挙げられる。
【0067】
次いで、図10に示すように、ガラス基板50側からレーザ光(図10における矢印)を照射することにより、ガラス基板50を剥離させる。
【0068】
ここで、ガラス基板50の除去は、レーザ光照射による剥離でなくてもよい。例えば、研磨及びエッチング装置を用いてガラス基板50を除去してもよい。
【0069】
次に、図11に示すように、ガラス基板50を除去したことにより剥き出しとなった犠牲膜51をプラズマエッチングにより除去する。ここで、犠牲膜51の除去は、プラズマエッチングに限らず、例えば、マイクロ波プラズマエッチングにより行ってもよい。なお、反射型の表示素子の場合やトップエミッション自発光型の表示素子の場合は、犠牲膜51をエッチングする必要はない。
【0070】
次に、図12に示すように、基体層2の、有機EL表示素子11が設けられた表面2aと反対側の表面2b上に、接着剤層31を介して、ポリイミド系樹脂により形成された樹脂フィルムや、ステンレス等により形成された金属フィルムを貼り付けて、例えば、25μmの厚みを有する補強部材30を形成する。
【0071】
次いで、図13に示すように、封止膜18の表面から転写フィルム39を剥離することにより、図5に示す有機EL表示装置1を製造することができる。
【0072】
そして、作製した有機EL表示装置1をプリント基板23に取り付けるとともに、プリント基板23の有機EL表示装置1が設けられた表面と反対側の表面にRFICシート24を貼り付け、有機EL表示装置1が配置されたプリント配線板23とRFICシート24とを貼り合わせた貼合体をカバーレイフィルム25,26により被覆してラミネートすることにより、図2に示す情報カード3が製造される。
【0073】
以上に説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0074】
(1)本実施形態においては、基体層2における有機EL表示素子11側とは反対側の表面2b上に補強部材30を備える構成としている。従って、有機EL表示装置1の剛性を向上させることができるため、有機EL表示装置1を備えるとともに、屈曲性を有する情報カード3が屈曲した場合であっても、有機EL表示装置1に反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に抑制することが可能になる。従って、有機EL表示装置1において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生を効果的に抑制することが可能になるとともに、製造工程において、有機EL表示装置1の歩留まりを向上することが可能になる。
【0075】
(2)本実施形態においては、補強部材30が、基体層2と同等の熱膨張係数を有する構成としている。従って、熱膨張差による応力の発生を効果的に抑制することができるため、有機EL表示装置1に反りやうねり等の変形が発生するのをより一層効果的に抑制することが可能になる。従って、有機EL表示装置1において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生をより一層効果的に抑制することが可能になる。
【0076】
(3)本実施形態においては、補強部材30を、ポリイミド系樹脂により形成された樹脂フィルムにより構成している。従って、安価かつ汎用性のある樹脂フィルムにより、補強部材30を形成することが可能になる。
【0077】
(4)本実施形態においては、補強部材30を、金属フィルムにより構成している。従って、有機EL表示装置1の帯電を防止することができるとともに、基体層2側から有機EL表示装置1の内部への水蒸気の透過を防止することができる。
【0078】
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
【0079】
図14に示すように、図5に示す有機EL表示装置1をラミネート層45で被覆する構成としても良い。このような構成により、ごみや埃等により有機EL表示装置1が破損することを効果的に防止することが可能になる。ラミネート層45を形成する材料としては、例えば、ポリパラキシレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等を使用することができるが、有機EL表示装置1を絶縁保護するとの観点から、ポリパラキシレン系樹脂を使用することが好ましい。ラミネート層45を形成する方法としては、例えば、封止膜18及び補強部材30の表面において、ポリパラキシレン系樹脂をCVD法によりコートする方法や、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂を塗布によりコートする方法が採用できる。また、ラミネート層45の厚みとしては、例えば、20μmとすることができる。
【0080】
また、上記実施形態においては、TFT素子4として、アモルファスシリコンを用いたTFTを使用したが、TFT素子4として、有機半導体をチャネルとするTFTやカーボンナノチューブをチャネルとするTFTを使用する構成としても良い。この様な構成により、TFT素子4として、アモルファスシリコンを用いたTFTを使用する場合と同様に、汎用性のある材料により、大画面化が可能なTFT素子4を形成することが可能になる。
【0081】
上記本実施形態、表示装置として有機EL(organic electro luminescence)に係るものについて示したが、表示装置は、LCD(liquid crystal display;液晶表示ディスプレイ)、電気泳動(electrophoretic)、PD(plasma display;プラズマディスプレイ)、PALC(plasma addressed liquid crystal display;プラズマアドレス液晶ディスプレイ)、無機EL(inorganic electro luminescence)、FED(field emission display;電界放出ディスプレイ)、又は、SED(surface-conduction electron-emitter display;表面電界ディスプレイ)等に係る表示装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上説明したように、本発明は、表示装置及びそれを備えた情報カードについて有用である。
【符号の説明】
【0083】
1 有機EL表示装置
2 基体層(基板)
2b 基体層の表面
3 情報カード
11 有機EL表示素子
23 プリント配線板
24 RFICシート
25 カバーレイフィルム
26 カバーレイフィルム
30 補強部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL表示装置等の表示装置及びそれを備えた情報カードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイ分野では、フレキシブル性、耐衝撃性や軽量性の点でガラス基板に比べて大きなメリットのあるプラスチック基板等を用いた薄型の表示装置が非常に注目を浴びており、ガラス基板のディスプレイでは不可能であった新たなディスプレイが創出される可能性を秘めている。
【0003】
また、近年、免許証,キャッシュカード、IDカード等の、カードの表面に画像データを表示する薄型の表示装置を備えた情報カードが提案されている。より具体的には、例えば、液晶表示装置等により構成され、ID番号や氏名、顔写真等のカードの所有者に関する情報を表示する表示部を備えた情報カードが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−296678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、一般に、表示装置を備える情報カードは、プラスチック基板により形成されたプラスチックカードであり、屈曲性を有するため、機械的なストレス等の外力により情報カードが屈曲すると、情報カードに搭載された表示装置に反りやうねり等の変形が発生する。そうすると、表示装置において、反りやうねり等の変形に起因するクラックが発生するという問題があった。また、特に、製造工程において、このようなクラックが発生すると、表示装置の歩留まりが低下するという問題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、反りやうねり等に起因するクラックの発生を抑制して、歩留まりを向上することができる表示装置及びそれを備えた情報カードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板と、基板上に形成された表示素子とを備える表示装置であって、基板における表示素子側とは反対側の表面上に、表示装置の剛性を向上するための補強部材が設けられていることを特徴とする。
【0008】
同構成によれば、表示装置の剛性を向上させることができるため、表示装置を備えるとともに、屈曲性を有する情報カードが屈曲した場合であっても、表示装置に反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に抑制することが可能になる。従って、表示装置において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生を効果的に抑制することが可能になるとともに、製造工程において、表示装置の歩留まりを向上することが可能になる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置であって、補強部材は、基板と同等の熱膨張係数を有することを特徴とする。
【0010】
同構成によれば、熱膨張差による応力の発生を効果的に抑制することができるため、表示装置に反りやうねり等の変形が発生するのをより一層効果的に抑制することが可能になる。従って、表示装置において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生をより一層効果的に抑制することが可能になる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の表示装置であって、補強部材が、ポリイミド系樹脂により形成された樹脂フィルムであることを特徴とする。
【0012】
同構成によれば、安価かつ汎用性のある樹脂フィルムにより、補強部材を形成することが可能になる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の表示装置であって、補強部材が、金属フィルムであることを特徴とする。
【0014】
同構成によれば、表示装置の帯電を防止することができるとともに、基板側から表示装置の内部への水蒸気の透過を防止することができる。
【0015】
また、本発明の請求項1〜請求項4に記載の表示装置は、クラックの発生を効果的に抑制することができるとともに、製造工程において、表示装置の歩留まりを向上することができるという優れた特性を備えている。従って、請求項5に記載の発明のように、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の表示装置であって、表示素子に、有機EL表示素子を使用した表示装置に好適に使用できる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の表示装置を備えることを特徴とする情報カードである。同構成によれば、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の表示装置を備える構成としているため、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の表示装置と同じ効果を有する情報カードを得ることが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生を効果的に抑制することが可能になるとともに、製造工程において、歩留まりに優れた表示装置及びそれを備えた情報カードを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置を備える情報カードの平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置を備える情報カードの断面図である。
【図3】は、本発明の実施形態に係る情報カードにおけるRFICシートを示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の変形例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る表示装置を備えた情報カードを、図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態においては、表示装置として、有機EL表示装置を例に挙げて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置を備える情報カードの平面図であり、図2は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置を備える情報カードの断面図である。また、図3は、本発明の実施形態に係る情報カードにおけるRFICシートを示す平面図であり、図4は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の平面図である。また、図5は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
【0021】
図1に示すように、この情報カード3は、有機EL表示素子を備える有機EL表示装置1と、有機EL表示装置1を駆動するためのIC部21と、IC部21と電気的に接続された電源である太陽電池22と、情報内容を記録した磁気記録部29と、有機EL表示装置1、IC部21、太陽電池22、及び磁気記録部29が表面に配置されたプリント基板23とを備えている。
【0022】
そして、太陽電池22により供給された電力が、有機EL表示装置1の駆動回路であるIC部21に供給されると、有機EL表示装置1に設けられた有機EL表示素子にIC部21から表示に必要な信号が与えられ、磁気記録部29に記憶されている文字、図形等の情報が有機EL表示装置1に表示される構成となっている。
【0023】
また、図2に示すように、情報カード3は、プリント基板23における有機EL表示装置1側と反対側の表面に設けられた情報の送受信を行うためのRF(Radio Frequency)ICシート24とを備えている。このRFICシート24は、図3に示すように、様々な情報を電子的に記憶・処理するRFICチップ27と、RFICチップ27と電気的に接続されるとともに、電磁誘導によってRFアンテナと情報の送受信を行うアンテナコイル28とを備えている。
【0024】
そして、例えば、情報カード3を、イメージスキャナ等の情報読取装置に挿入すると、情報読取装置に設けられたRFアンテナとアンテナコイル28との間で電磁誘導により情報の送受信が行われる構成となっている。
【0025】
また、図2に示すように、情報カード3は、有機EL表示装置1が配置されたプリント基板23とRFICシート24とを貼り合わせた貼合体を被覆するカバーレイフィルム25,26を備えている。より具体的には、このカバーレイフィルム25,26は、有機EL表示装置1が配置されたプリント配線板23の表面上に設けられるとともに、RFICシート24の表面上に設けられている。なお、このカバーレイフィルム25,26を構成する樹脂フィルムとしては、アクリル系樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等の透明樹脂が使用できる。
【0026】
また、プリント基板23は、プラスチックにより形成されたプラスチック基板であるとともに、情報カード3は、JIS規格に準拠している一般的なカードであり、例えば、幅85mm,高さ54mm,厚み0.76mmのサイズを有するプラスチックカードである。また、この情報カード3は、その種類は特に限定されず、例えば、免許証,保険証、キャッシュカード、クレジットカード、パスポート、電子マネー、IDカード等として使用できる。また、情報カード3は、プラスチック基板であるため、十分な屈曲性を有している。
【0027】
また、図4に示すように、有機EL表示装置1は、例えば、複数の画素等で構成される表示領域32と表示領域32の周辺に設けられた周辺回路領域31とを備えている。また、周辺回路領域31には、ドライバ部33が設けられた駆動回路領域34と、表示領域32から引き出された配線端子35が設けられた端子領域36が規定されている。
【0028】
ドライバ部33にあたるゲートドライバやソースドライバは、TFT素子としてポリシリコンを用いたTFTを採用することによりモノリシック化が可能であり、また、有機EL表示装置1は、後述するように、有機EL表示装置1の基板である基体層がポリパラキシレン系樹脂等でフィルム状に形成されているため、例えば、図1の点線枠37に示すような広範囲な領域が良好なフレキシブル性を有している。また、フレキシブルな領域は、図1の点線枠37で示す領域に限らず、フィルム基板の構成等を調節することにより、所望の範囲に形成することができる。
【0029】
また、端子領域36には、配線端子35に接続されたフレキシブルプリント配線板(不図示)が設けられており、当該フレキシブルプリント配線板が、上述の有機EL表示装置1を駆動するためのIC部21と接続される構成となっている。
【0030】
また、図5に示すように、有機EL表示装置1は、室温で蒸着された無色透明の樹脂膜で構成されたフィルム状の基板である基体層2を備える。基体層2を構成する無色透明の樹脂膜としては、例えば、ポリパラキシレン系樹脂、あるいは、アクリル系樹脂等の有機材料を用いることができる。この基体層2の厚みは、例えば、3〜10μmとすることができる。
【0031】
基体層2上には、TFT素子4等を備えた表示素子層が形成されている。この表示素子層は、基体層2上に形成されたTFT素子4と、TFT素子4を覆うように設けられたSiO2膜やSiN膜等の層間絶縁膜5と、層間絶縁膜5を貫通してTFT素子4に電気的に接続されたメタル配線6により構成されている。メタル配線6は、さらに層間絶縁膜5上に延長されて、有機EL表示素子11の第1電極7を構成している。また、層間絶縁膜5上には、各画素(領域)20を区画する絶縁膜(または、バンク)9が形成されている。この絶縁膜9を形成する材料としては、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂、メタリル系樹脂、またはノボラック系樹脂等の絶縁性の樹脂材料が挙げられる。なお、層間絶縁膜5の厚みは、例えば、0.5〜1μmとすることができる。また、絶縁膜9の厚みは、例えば、2〜4μmとすることができる。
【0032】
有機EL表示装置1は、第1電極7側から発光を取り出すボトムエミッション型であるため、発光の取り出し効率を向上する観点から、第1電極7は、例えば、ITOや、SnO2等の高い仕事関数を有し、かつ、光透過率の高い材料の薄膜により構成することが好ましい。
【0033】
第1電極7上には、有機EL層8が形成されている。有機EL層8は、ホール輸送層と発光層とからなる。ホール輸送層は、ホール注入効率がよいものであれば、何ら限定されるものではない。ホール輸送層の材料としては、例えば、トリフェニルアミン誘動体、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)誘動体、ポリフルオレン誘導体などの有機材料等を用いることができる。
【0034】
発光層は、特に限定されるものではなく、例えば、8−ヒドロキシキノリロール誘動体、チアゾール誘動体、ベンズオキサゾール誘動体等を用いることができる。また、これらの材料のうち2種以上を組み合わせたり、ドーパント材料などの添加剤を組み合わせてもよい。
【0035】
なお、有機EL層8をホール輸送層と発光層との2層構造としているが、何らこの構成に限定されるものではない。即ち、有機EL層8は、発光層のみからなる単層構造であっても構わない。また、有機EL層8を、ホール輸送層、ホール注入層、電子注入層、及び、電子輸送層のうちの1層または2層以上と、発光層とにより構成してもよい。
【0036】
また、有機EL層8及び絶縁膜9上には、第2電極10が形成されている。第2電極10は、有機EL層8に電子を注入する機能を有する。第2電極10は、例えば、Mg、Li、Ca、Ag、Al、In、Ce又はCu等の薄膜により構成することができるが、何らこれに限定されるものではない。
【0037】
そして、第1電極7と、第1電極7上に形成されるとともに、発光層を有する有機EL層8と、有機EL層8上に形成された第2電極10とにより有機EL表示素子11が構成されている。
【0038】
また、有機EL表示装置1では、第1電極7は有機EL層8にホールを注入する機能を有し、また、第2電極10は有機EL層8に電子を注入する機能を有する。第1電極7と、第2電極10とからそれぞれ注入されたホールと電子とが有機EL層8で再結合することにより、有機EL層8が発光する仕組みとなっている。また、基体層2及び第1電極7は光透過性に、第2電極10は光反射性に構成されており、発光は第1電極7及び基体層2を透過して有機EL層8から取り出される仕組みとなっている(ボトムエミッション方式)。
【0039】
また、第2電極10上には、アクリル樹脂やポリパラキシレン樹脂等からなる平坦化膜12が形成されている。なお、平坦化膜12の厚みは、例えば、3〜8μmとすることができる。
【0040】
平坦化膜12上には、樹脂膜13,15,17、無機膜14及び金属酸化膜16の積層体により構成された封止膜18が形成されている。樹脂膜13,15,17は、平坦化膜12と同様の樹脂材料を用いて形成しても良く、その他の樹脂材料を用いて形成しても良い。無機膜14及び金属酸化膜16は、例えば、SiNx、SiO2又はAl2O3等を用いて形成されている。
【0041】
なお、封止膜18は、樹脂膜と無機膜とが上記のように何重にも積層されていなくても良く、それぞれ1層ずつ形成されていても良い。さらに、封止膜18は、金属薄膜を用いて構成しても良い。また、封止膜18の厚みは、例えば、1〜5μmとすることができる。
【0042】
また、TFT素子4は、アモルファスシリコンを用いたTFTであり、アモルファスシリコンをチャネルとするものである。このTFT素子4は、非晶質であるために、ポリシリコンを用いたTFT素子に比し、電子等のキャリア移動度が低いが、大画面(即ち、大きな表示領域)を有する表示装置を提供することが可能になる。
【0043】
このように、有機EL表示装置1は、フィルム状の基板である基体層2上に、画素20のスイッチング素子であるTFT素子4と、有機EL表示素子11とが形成された構成となっている。
【0044】
ここで、本実施形態の有機EL表示装置1においては、図3、図5に示すように、基体層2における有機EL表示素子11側とは反対側の表面2b上に補強部材30を備える点に特徴がある。より具体的には、基体層2の、有機EL表示素子11が設けられた表面2aと反対側の表面2b上に、有機EL表示装置1の剛性を向上するための補強部材30を設けている点に特徴がある。
【0045】
このような構成により、有機EL表示装置1の剛性を向上させることができるため、有機EL表示装置1を備えるとともに、屈曲性を有する情報カード3が屈曲した場合であっても、有機EL表示装置1に反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に抑制することが可能になる。従って、有機EL表示装置1において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生を効果的に抑制することが可能になる。
【0046】
この補強部材30は、図5に示すように、基体層2の表面2bにおいて、接着剤層31を介して、積層される構成となっている。
【0047】
また、補強部材30を形成する材料としては、有機EL表示装置1の剛性を向上することができるものでれば、特に限定されず、本実施形態においては、ポリイミド系樹脂により形成された樹脂フィルムや、ステンレス、鉄、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、モリブテン、タンタルまたはこれらの合金により形成された金属フィルムを使用することができる。
【0048】
また、このうち、上述の金属フィルムを補強部材30として使用することにより、有機EL表示装置1の帯電を防止することができるとともに、基体層2側から有機EL表示装置1の内部への水蒸気の透過を防止することができる。
【0049】
また、補強部材30の厚みとしては、10〜50μmが好ましい。これは、厚みが10μm未満の場合は、有機EL表示装置1の剛性を十分に向上できない場合があるからであり、また、50μmよりも大きい場合は、有機EL表示装置1全体の厚みが大きくなる場合があるからである。
【0050】
また、本実施形態においては、有機EL表示装置1の基板である基体層2と同等の熱膨張係数を有する補強部材30を使用することが好ましい。このような構成により、熱膨張差による応力の発生を効果的に抑制することができるため、有機EL表示装置1における反りやうねり等の変形の発生をより一層効果的に抑制することが可能になる。従って、有機EL表示装置1において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生をより一層効果的に抑制することが可能になる。
【0051】
なお、ここで言う「熱膨張係数」とは、200℃〜400℃の温度範囲において測定したものを言う。
【0052】
また、「熱膨張係数が同等」とは、基体層2の熱膨張係数をA、補強部材の熱膨張係数をBとして場合に、A≦B≦2Aの関係が成立することを言う。例えば、基体層2の熱膨張係数が3〜10/Kの場合、補強部材30の熱膨張係数が3〜20/Kの範囲となるように、補強部材30を形成するポリイミド系樹脂や金属を適宜選択する。
【0053】
また、接着剤層31を構成する接着剤としては、特に限定されず、かかる接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系、ブチラール樹脂系、アクリル樹脂系などの、各種の樹脂系の接着剤が挙げられる。
【0054】
次に、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置を備える情報カードの製造方法について説明する。図6〜図13は、本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を説明するための断面図である。なお、以下に示す製造方法は単なる例示であり、本発明に係る有機EL表示装置は以下に示す方法により製造されたものに限定されるものではない。
【0055】
まず、図6に示すように、支持基板として、例えば、厚みが0.7mm程度のガラス基板50を準備する。
【0056】
次に、図6に示すように、ガラス基板50上に、例えば、耐熱温度(又は、ガラス転移温度)が400℃以上で、熱膨張係数が10ppm/℃以下の樹脂材料で形成された犠牲膜51を、例えば、0.1〜1μm程度の厚みで形成する。このような条件を満たす犠牲膜51の樹脂材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂を用いることができる。なお、この犠牲膜51は、ガラス基板50の剥離を良好に行うためのものである。
【0057】
次いで、透過型の表示素子の場合は、犠牲膜51上に、透明の樹脂膜で構成されたフィルム状の基体層2を、例えば、5μm程度の厚みで形成する。基体層2を形成する樹脂材料としては、ポリイミド系樹脂、フルオレン系エポキシ樹脂及びフッ素系樹脂を用いることができる。また、基体層2は、犠牲膜51の表面上に樹脂を塗布することにより形成する。なお、反射型の表示素子の場合やトップエミッション自発光型の表示素子の場合は、犠牲膜51を形成する樹脂材料と同じ樹脂材料を用いて基体層2を形成することにより、犠牲膜を省く構成としても良い。
【0058】
続いて、図7に示すように、基体層2上に、金属膜や半導体膜等の形成、及びパターニング等を行い、画素20のスイッチング素子であるTFT素子4を形成する。
【0059】
次に、TFT素子4を形成した基体層2上に、例えば、SiO2膜やSiN膜等を用いて、層間絶縁膜5を、厚みが1〜2μm程度となるように形成する。
【0060】
続いて、層間絶縁膜5の表面からTFT素子4までコンタクトホールを設け、ITO等の透明導電材料によってTFT素子4と電気的に接続するメタル配線6を形成し、さらにパターニング等によって、例えば、150nm程度の厚みを有する第1電極7を形成する。
【0061】
次に、層間絶縁膜5上に、例えば、3μm程度の厚みを有する絶縁膜9を形成後、第1電極7に対応する部分をエッチングにより除去する。
【0062】
次いで、第1電極7上にホール輸送層と発光層とを形成することにより、有機EL層8を設ける。ホール輸送層としては、まず、溶剤にホール輸送材料である有機高分子材料を溶解、または分散させたホール輸送材料塗料を、例えば、インクジェット法等により露出している第1電極7上に供給する。その後、焼成処理を施すことによりホール輸送層を形成する。次に、発光層としては、溶剤に発光材料である有機高分子材料を溶解、または分散させた有機発光材料塗料を、例えば、インクジェット法等によりホール輸送層を覆うように供給する。その後、焼成処理を施すことにより発光層を形成する。
【0063】
続いて、絶縁膜9及び有機EL層8上に、スパッタ法等によりMg、Li、Ca、Ag、Al、In、Ce、またはCu等を用いて第2電極10を形成する。第2電極10の厚みは、例えば150nm程度とする。これにより、第1電極7と、第1電極7上に形成されるとともに、発光層を有する有機EL層8と、有機EL層8上に形成された第2電極10とにより構成される有機EL素子11が形成される。
【0064】
次に、第2電極10上に、TEOS膜やSiN膜等を成膜し、化学機械研磨(CMP)等により表面を研磨することにより平坦化膜12を形成する。
【0065】
次いで、図8に示すように、平坦化膜12上に、樹脂膜13、無機膜14、樹脂膜15、金属酸化膜16及び樹脂膜17をこの順で成膜することにより封止膜18を形成して、積層体38を作製する。樹脂膜13,15,17は、例えば、ポリパラキシレン系樹脂等を用いて、厚みがそれぞれ5μm程度となるように形成する。また、無機膜14及び金属酸化膜16は、例えば、SiNx、SiO2、Al2O3等を用いて、厚みがそれぞれ500nm程度となるように形成する。
【0066】
次いで、図9に示すように、作製した積層体38を転写フィルム39に転写する。なお、転写フィルム39を構成する材料としては、例えば、UVや熱処理により密着性が低下する離形フィルム等が挙げられる。
【0067】
次いで、図10に示すように、ガラス基板50側からレーザ光(図10における矢印)を照射することにより、ガラス基板50を剥離させる。
【0068】
ここで、ガラス基板50の除去は、レーザ光照射による剥離でなくてもよい。例えば、研磨及びエッチング装置を用いてガラス基板50を除去してもよい。
【0069】
次に、図11に示すように、ガラス基板50を除去したことにより剥き出しとなった犠牲膜51をプラズマエッチングにより除去する。ここで、犠牲膜51の除去は、プラズマエッチングに限らず、例えば、マイクロ波プラズマエッチングにより行ってもよい。なお、反射型の表示素子の場合やトップエミッション自発光型の表示素子の場合は、犠牲膜51をエッチングする必要はない。
【0070】
次に、図12に示すように、基体層2の、有機EL表示素子11が設けられた表面2aと反対側の表面2b上に、接着剤層31を介して、ポリイミド系樹脂により形成された樹脂フィルムや、ステンレス等により形成された金属フィルムを貼り付けて、例えば、25μmの厚みを有する補強部材30を形成する。
【0071】
次いで、図13に示すように、封止膜18の表面から転写フィルム39を剥離することにより、図5に示す有機EL表示装置1を製造することができる。
【0072】
そして、作製した有機EL表示装置1をプリント基板23に取り付けるとともに、プリント基板23の有機EL表示装置1が設けられた表面と反対側の表面にRFICシート24を貼り付け、有機EL表示装置1が配置されたプリント配線板23とRFICシート24とを貼り合わせた貼合体をカバーレイフィルム25,26により被覆してラミネートすることにより、図2に示す情報カード3が製造される。
【0073】
以上に説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0074】
(1)本実施形態においては、基体層2における有機EL表示素子11側とは反対側の表面2b上に補強部材30を備える構成としている。従って、有機EL表示装置1の剛性を向上させることができるため、有機EL表示装置1を備えるとともに、屈曲性を有する情報カード3が屈曲した場合であっても、有機EL表示装置1に反りやうねり等の変形が発生するのを効果的に抑制することが可能になる。従って、有機EL表示装置1において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生を効果的に抑制することが可能になるとともに、製造工程において、有機EL表示装置1の歩留まりを向上することが可能になる。
【0075】
(2)本実施形態においては、補強部材30が、基体層2と同等の熱膨張係数を有する構成としている。従って、熱膨張差による応力の発生を効果的に抑制することができるため、有機EL表示装置1に反りやうねり等の変形が発生するのをより一層効果的に抑制することが可能になる。従って、有機EL表示装置1において、反りやうねり等の変形に起因するクラックの発生をより一層効果的に抑制することが可能になる。
【0076】
(3)本実施形態においては、補強部材30を、ポリイミド系樹脂により形成された樹脂フィルムにより構成している。従って、安価かつ汎用性のある樹脂フィルムにより、補強部材30を形成することが可能になる。
【0077】
(4)本実施形態においては、補強部材30を、金属フィルムにより構成している。従って、有機EL表示装置1の帯電を防止することができるとともに、基体層2側から有機EL表示装置1の内部への水蒸気の透過を防止することができる。
【0078】
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
【0079】
図14に示すように、図5に示す有機EL表示装置1をラミネート層45で被覆する構成としても良い。このような構成により、ごみや埃等により有機EL表示装置1が破損することを効果的に防止することが可能になる。ラミネート層45を形成する材料としては、例えば、ポリパラキシレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等を使用することができるが、有機EL表示装置1を絶縁保護するとの観点から、ポリパラキシレン系樹脂を使用することが好ましい。ラミネート層45を形成する方法としては、例えば、封止膜18及び補強部材30の表面において、ポリパラキシレン系樹脂をCVD法によりコートする方法や、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂を塗布によりコートする方法が採用できる。また、ラミネート層45の厚みとしては、例えば、20μmとすることができる。
【0080】
また、上記実施形態においては、TFT素子4として、アモルファスシリコンを用いたTFTを使用したが、TFT素子4として、有機半導体をチャネルとするTFTやカーボンナノチューブをチャネルとするTFTを使用する構成としても良い。この様な構成により、TFT素子4として、アモルファスシリコンを用いたTFTを使用する場合と同様に、汎用性のある材料により、大画面化が可能なTFT素子4を形成することが可能になる。
【0081】
上記本実施形態、表示装置として有機EL(organic electro luminescence)に係るものについて示したが、表示装置は、LCD(liquid crystal display;液晶表示ディスプレイ)、電気泳動(electrophoretic)、PD(plasma display;プラズマディスプレイ)、PALC(plasma addressed liquid crystal display;プラズマアドレス液晶ディスプレイ)、無機EL(inorganic electro luminescence)、FED(field emission display;電界放出ディスプレイ)、又は、SED(surface-conduction electron-emitter display;表面電界ディスプレイ)等に係る表示装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上説明したように、本発明は、表示装置及びそれを備えた情報カードについて有用である。
【符号の説明】
【0083】
1 有機EL表示装置
2 基体層(基板)
2b 基体層の表面
3 情報カード
11 有機EL表示素子
23 プリント配線板
24 RFICシート
25 カバーレイフィルム
26 カバーレイフィルム
30 補強部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に形成された表示素子とを備える表示装置であって、
前記基板における前記表示素子側とは反対側の表面上に、前記表示装置の剛性を向上するための補強部材が設けられていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記補強部材は、前記基板と同等の熱膨張係数を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記補強部材が、ポリイミド系樹脂により形成された樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記補強部材が、金属フィルムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示素子が、有機EL表示素子であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の表示装置を備える情報カード。
【請求項1】
基板と、前記基板上に形成された表示素子とを備える表示装置であって、
前記基板における前記表示素子側とは反対側の表面上に、前記表示装置の剛性を向上するための補強部材が設けられていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記補強部材は、前記基板と同等の熱膨張係数を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記補強部材が、ポリイミド系樹脂により形成された樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記補強部材が、金属フィルムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示素子が、有機EL表示素子であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の表示装置を備える情報カード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−262057(P2010−262057A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111131(P2009−111131)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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