表示装置及び表示装置アレイ
【課題】風雪や太陽光などの影響を受けづらいとともに清掃が容易な表示装置及び表示装置アレイを提供することを目的とする。
【解決手段】本体と、本体に設けられ、情報を表示する表示部と、押圧力が印加されていないときには表示部の表示側に少なくとも一部が突出し、押圧力が印加されると表示部の表示側から退避するように、前記本体に対し回動可能に設けられたフードと、フードに押圧力が印加されると、押圧力に対向する第1の反力を生成する第1の反力生成部と、を有し、押圧力の印加が終了すると、第1の反力により、フードは表示部の表示側に少なくとも一部が突出する位置に戻ることを特徴とする表示装置により、上記課題の解決を図る。
【解決手段】本体と、本体に設けられ、情報を表示する表示部と、押圧力が印加されていないときには表示部の表示側に少なくとも一部が突出し、押圧力が印加されると表示部の表示側から退避するように、前記本体に対し回動可能に設けられたフードと、フードに押圧力が印加されると、押圧力に対向する第1の反力を生成する第1の反力生成部と、を有し、押圧力の印加が終了すると、第1の反力により、フードは表示部の表示側に少なくとも一部が突出する位置に戻ることを特徴とする表示装置により、上記課題の解決を図る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び表示装置アレイに関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置される例えばLED(Light Emitting Diode)等の発光素子を用いた表示装置においては、天候などの影響を低減するため、表示部を覆うフード等を設置している場合がある。例えば、着雪を防止するため、表示部の上部に着雪部を介して前傾した庇部を設け、着雪部と庇部との境界に表示部と平行に乾燥した空気を噴出するノズルを設けた例がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記のような庇部では、例えば太陽光が低い位置から照射された場合には、表示が識別しにくいという問題がある。そこで、表示パネルを庇付きカバー内に設けている例がある(例えば、特許文献2参照)。また、表示部に入る外光の遮光を行う使用状態と、折り畳んで表示部を覆う未使用状態に任意に設定可能なフードを設けた例もある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−323423号公報
【特許文献2】特開2005−157234号公報
【特許文献3】特開平8−044301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、屋外に設置される表示装置の表示部に付着した汚れを清掃するためには、表示部をブラシまたは雑巾等で洗う必要がある。しかし、外光の遮光に配慮した上記のような表示装置では、清掃をする事を考慮してフード形状を作っていないため、表示部近傍にフードが突出しており、清掃時の作業性が悪い。特に、フードの根元に近い表示素子を清掃する際は、ブラシや雑巾を押し込んで洗う状況であり、例えば数百〜数千個のLED等を清掃するには、効率化を考慮しなければならない。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明では、ブラシや雑巾で清掃する際に、表示部に設けられたフードが邪魔にならない構造または形状の表示装置及び表示装置アレイを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置は、本体と、前記本体に設けられ、情報を表示する表示部と、前記本体に対し回動可能に設けられ、少なくとも一部が前記表示部の表示側に突出する位置と、前記表示部の表示側から退避する位置との間で回動するフードと、前記フードに前記押圧力が印加されると、前記押圧力に対向する第1の反力を生成する第1の反力生成部と、を有し、前記フードは、押圧力が印加されていないときには前記表示部の表示側に少なくとも一部が突出し、押圧力が印加されると前記表示部の表示側から退避するように、前記本体に対し回動し、前記押圧力の印加が終了すると、前記第1の反力により、前記表示部の表示側に少なくとも一部が突出する位置に戻ることを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る表示装置アレイは、前記表示装置を複数備え、前記表示装置の前記フードと前記回動軸との交点と、前記表示装置に隣接する表示装置との距離は、前記フードが回動する際の回動半径よりも大きいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、風雪や太陽光などの影響を受けづらいとともに清掃が容易な表示装置及び表示装置アレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態による表示装置の斜視図であり、(a)は、押圧力を印加されていない状態、(b)は、押圧力を印加された状態を示す。
【図2A】第1の実施の形態による表示装置に対して下方からブラシが回転しながら上方に向かって移動する状況を説明する図であり、(a)は、ブラシが表示装置よりも下方にある状態、(b)は、ブラシがフードに対し押圧力を加えながら表示部を清掃している状態を示す。
【図2B】第1の実施の形態による表示装置に対して下方からブラシが回転しながら上方に向かって移動する状況を説明する図であり、(a)は、ブラシがフードに対し押圧力を加えながら本体よりも上方に移動した状態、(b)は、ブラシがフードの上方に移動し、押圧力の印加をしていない状態を示す。
【図3】第2の実施の形態による表示装置を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが上方に回動した状態を示す。
【図4】第3の実施の形態による表示装置アレイを示す概観図である。
【図5】第4の実施の形態による表示装置アレイの一部を示す側面図である。
【図6】第4の実施の形態の応用例によるスコアボードを示す概観図である。
【図7】第5の実施の形態による表示部の表示例を示す図である。
【図8】第5の実施の形態による表示装置を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが側方に回動した状態を示す。
【図9】第6の実施の形態による表示装置アレイを示す概観図である。
【図10】第7の実施の形態による表示装置アレイを示す概観図である。
【図11】第8の実施の形態による表示装置アレイを示す概観図である。
【図12】第9の実施の形態による表示装置50を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが上方に回動した状態を示す。
【図13】第9の実施の形態による表示装置50の側面から見た説明図であり、(a)は通常の状態、(b)は、フードが上方に回動する経過、(c)は、上下方向に立ち上がった状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態による表示装置及び表示装置アレイについて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図1、図2を参照しながら、第1の実施の形態による表示装置について説明する。図1は、第1の実施の形態による表示装置1の斜視図であり、(a)は、押圧力を印加されていない状態(以下、通常の状態という)を示し、(b)は、押圧力を印加された状態を示す。図1に示すように、表示装置1は、本体3と、本体3に備えられた表示部5と、フード9とを有している。なお、本明細書において、表示装置の表示部が備えられた側を前、逆側を後、フードが備えられた側を上、逆側を下、前後方向及び上下方向に直交する方向を横方向ということにする。横方向の左右については、特に断らない限り、表示部5側から後方に向かって見た方向とする。なお、表示部の上下方向とは、表示部に表示される情報の上下方向とする。
【0012】
本体3は、例えば金属、プラスティックなどで形成された略直方体形状をなしている。本体3の前面には、表示部5が備えられている。表示部5は、複数の表示素子7を備えており、不図示の制御部によりオンオフを制御されることにより、情報を表示する。表示素子7は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emittig Diode)などの発光素子である。
【0013】
フード9は、例えば金属、プラスティックなどで形成された部材であり、表示部5の横幅よりも広い幅を有する例えば矩形の板状部材9aと、板状部材9aの横方向の両側に、例えば板状部材9aに対し垂直に接続された側部9bとを有している。板状部材9aと側部9bとは一体に形成されることが好ましい。フード9は、本体3の側面の上部に、側部9bを介して固定部11により、固定部11の点C1を通る軸14を回動軸として回動可能に設置される。ここで、軸14とは、図1に示した点C1と、点C1とは反対側の側面で側部9bを本体3に回動可能に固定する不図示の固定部の一点とを通る軸である。また、軸14の固定部11近傍にはスプリング13が巻回されており、一端13Aはフード9に固定され、他端13Bは本体3に固定されている。なお、スプリング13は、両側面の固定部近傍に設けられてもよいし、いずれか一方でもよい。スプリング13は、一端13Aを除き本体3内部に備えられることが好ましい。フード9は、押圧力が加わっていない場合には、図1(a)に示すように、表示部5から前面側に一部が突出する位置に配置される。この位置を通常の位置という。図1(b)に示すように、下方から例えば矢印17のように押圧力が加わると、フード9は、軸14を回動軸として上部に向かって回動し、例えば上下方向に立ち上がった状態となる。
【0014】
以上のように構成された表示装置1において、図2A、図2Bを参照しながら、清掃時のフード9の動きについて説明する。図2Aは、表示装置1に対して下方からブラシ20が回転しながら上方に向かって移動する状況を説明する図であり、(a)は、ブラシ20が表示装置1よりも下方にある状態を示し、(b)は、ブラシ20がフード9に対し押圧力を加えながら表示部5を清掃している状態を示す。図2Bは、表示装置1に対して下方からブラシ20が回転しながら上方に向かって移動する状況を説明する図であり、(a)は、ブラシ20がフード9に対し押圧力を加えながら本体3よりも上方に移動した状態を示し、(b)は、ブラシ20がフード9の上方に移動し、押圧力の印加をしていない状態を示している。
【0015】
図2A、図2Bに示すように、ブラシ20は、回転部21と柄23とを有しており、例えば柄23は、上下に移動可能な図示せぬ可動部に固定するようにしてもよい。このとき、ブラシ20は、図示せぬ制御部により制御されて、回転部21が矢印25の方向に回転した状態で、図示せぬ可動部により矢印26の方向に移動する。図2A(a)に示すように、ブラシ20が表示装置1の下方にあり、フード9に押圧力が印加されていないときには、フード9は、表示部5の前方に突出した通常の状態になっている。
【0016】
図2A(b)に示すように、ブラシ20は上方に移動するに従い、フード9に下方から上方へ向かう押圧力27を印加する。このとき、フード9は、押圧力27により生ずるスプリング13の反力に対抗して、軸14を回動軸として上方に回動した状態となる。また、回転部21は矢印25の方向に巻き上げるように回転しながら、表示部5を洗浄する。図2B(a)に示すように、表示部5の清掃が終わっても、ブラシ20がフード9に押圧力を印加しながら上方に移動する間、フード9は上方に回動した状態である。図2B(b)に示すように、ブラシ20がさらに上方に移動し、フード9に押圧力を印加する範囲を超えると、フード9はスプリング13の反力により、表示部5の前面に突出した通常の状態に戻る。
【0017】
以上説明したように、第1の実施の形態による表示装置1は、フード9を有しており、フード9は、通常の状態では表示部5の前面に突出した状態に配置される。フード9は、例えば、表示部5を清掃するブラシ20などにより上方に向かう押圧力を印加されると押し上げられ、軸14を回動軸として上方に向かって回動する。このとき、スプリング13には、フード9の回動を戻そうとする反力が生成される。押圧力が働かなくなると、フード9が回動することにより生じたスプリング13の反力により、フード9は通常の状態に戻る。
【0018】
以上のように、表示装置1に備えられたフード9は、上方へ可倒する回動機構を有し、押圧力が印加されていないときには、スプリング13の反力によって元の場所に戻る構造となっている。よって、押圧力を印加された場合には、表示部5が露出するように回動し、押圧力が印加されなくなると、新たに動力、人力を介することなくスプリング13の反力によりフード9を表示部の前方に突出した通常の状態にすることができる。
【0019】
例えば、ブラシ20等を下方から上方へ向かって移動させながら清掃する際には、ブラシ20の力によってフード9を押し上げ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃することができるとともに、フードを元に戻す手間も不要である。よって、フード9の存在を気にせずに作業を進めることができるため、機械作業等による連続作業が可能であり、人件費および作業工数の削減による多大なコストダウン効果がある。
【0020】
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態による表示装置について説明する。図3は、第2の実施の形態による表示装置30を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが上方に回動した状態を示す。第2の実施の形態による表示装置30において、第1の実施の形態による表示装置1と同様の構成については同一の番号を付し、詳細説明を省略する。
【0021】
図3(a)(b)に示すように、表示装置30は、本体33と、本体33の前面側に備えられた表示部5と、本体33の上部に回動可能に設けられたフード35とを有している。本体33には、例えば直方体の後面の下部に後ろ側に突出した凸部36が設けられた形状である。凸部36は、表示装置30の後面をパネルなどに固定する場合に、フード35の回動が妨げられないようにするために設けられている。本体33の上部には、開口部38が設けられ、開口部38にはスプリング37が配置されている。
【0022】
フード35は、表示部5の横幅よりも広い幅を有する例えば矩形の板状部材35aと、板状部材35aの横方向両側に、例えば板状部材35aに対し垂直に接続された側部35bとを有している。板状部材35aと側部35bとは一体に形成されることが好ましい。フード35は、本体33の上面32に例えば不図示の蝶番等により軸34を軸として回動可能に接続されている。軸34は、フード35と本体33とが接続された部分である。また、スプリング37の一端37aはフード35に固定され、他端37bは本体33に固定されている。
【0023】
ここで、第1の実施の形態による表示装置1と第2の実施の形態による表示装置30との相違は、押圧力に対する反力を生成するスプリング37の位置、本体33に凸部36を設けたこと、及びフード35の形状である。
【0024】
第1の実施の形態による表示装置1と同様に、フード35に矢印49のように下方から上方に向かう押圧力が働いて上方に向かって回動すると、スプリング37には押圧力に対抗する反力が生成される。フード35に押圧力が働かなくなると、フード35はスプリング39の反力により通常の位置に戻る。
【0025】
以上説明したように、第2の実施の形態による表示装置30は、フード35を有しており、フード35は、通常の状態では表示部5の前面に突出した状態に配置される。フード35は、例えば、表示部5を清掃するブラシなどにより上方に向かう押圧力を印加されると押し上げられ、上方に向かって回動する。このとき、スプリング37には、フード35の回動を戻そうとする反力が生成される。押圧力が働かなくなると、フード35が回動することにより生じたスプリング37の反力により、フード35は通常の状態に戻る。
【0026】
以上のように、フード35は上方へ可倒する回動機構を有し、押圧力が印加されていないときには、スプリング37の反力によって元の場所に戻る構造となっている。よって、押圧力を印加された場合には、表示部5が露出するように回動し、押圧力が印加されなくなると、新たに動力、人力を介することなくスプリング37の反力によりフード35を表示部の前方に突出した通常の状態にすることができる。
【0027】
また、ブラシ等を下方から上方へ向かって移動させながら清掃する際には、ブラシの力によってフード35を押し上げ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃することができるとともに、フードを元に戻す手間も不要である。よって、フード35の存在を気にせずに作業を進めることができるため、機械作業等による連続作業が可能であり、人件費および作業工数の削減による多大なコストダウン効果がある。また、このときスプリング37は1箇所でよく、部品点数の削減ができる。
【0028】
(第3の実施の形態)
以下、第3の実施の形態による表示装置アレイについて説明する。表示装置アレイとは、例えば、表示装置が2次元的に複数並べて配置された装置である。図4は、表示装置アレイ100を示す概観図である。図4に示すように、表示装置アレイ100は、第2の実施の形態による表示装置30をボード102の表面に縦横にマトリクス状に複数配置した構成である。図4の例では、表示装置30−1〜表示装置30−12を3行4列のマトリクス状に配置している。ここで、互いに上下方向または横方向に並んだ2つの表示装置30は、フード35が上方に回動しても互いに接触することがないように配置する。なお、各表示装置30は、後面の凸部36をボード102に固定することにより配置される。
【0029】
図3(b)に示すように、フード35が上下方向に立ち上がった際の、フード35の一端側の境界線34からフード35の他端までの距離をR2とする。このとき、図4に示すように、表示装置30−1の本体33の上面104と、表示装置30−5の本体33の下面106との間隔L2とすると、間隔L2>距離R2となるように表示装置30を配置する。このように配置すれば、フード35が上方に回動しても、上方に配置された表示装置30に接触することはない。他の上下に並びあう表示装置30についても同様である。
【0030】
以上のように構成された表示装置アレイ100においては、不図示のブラシを用いて、以下のように自動的に表示装置30の清掃を行う。例えば、図2を参照しながら説明したように、ブラシを回転させながら下方から上方に向けて移動させながら清掃する際には、ブラシの押圧力によってフード35を押し上げ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃する。清掃が終了したとき、フード35は、スプリング37の反力により通常の位置に戻る。
【0031】
また清掃時には、表示装置30−1、30−2の2列または3列以上を同時に清掃する不図示のブラシを用いて清掃を行なうこともできる。例えば、2列の表示装置を同時に清掃する場合、ブラシを表示装置30−1、30−2の下方から回転させながら上方に移動させる。例えば図4に示すように、表示装置30−1、30−2、30−5、30−6の全てのフード35が同時に上方に回動している状態を経て清掃が行われるような、サイズが大きく清掃範囲が大きいブラシにしてもよい。
【0032】
以上説明したように、第3の実施の形態による表示装置アレイ100によれば、フード35が押圧力に応じて上方に回動し、押圧力がなくなると自動的に通常の状態に戻るので、自動回転式ブラシなどを用いて各表示装置30の表示部5の上部までフード35に妨げられることなく清掃が可能である。フード35を元に戻す手間も不要であり、フード35の存在を気にせずに作業を進めることができる。しかも、例えば表示装置30を2列ずつ清掃するなど、複数の表示装置30を同時に自動的に清掃することもできるので、多数の表示装置30を有する表示装置アレイであっても清掃時のコストを大幅に削減することが可能となる。また、横方向に関しては、表示装置アレイ100の例では、本体33の横幅以上の間隔があるように描かれているが、フード35の回動により互いに接触しない近接位置まで近づけた配置も可能である。
【0033】
なお、第1の実施の形態による表示装置1を用いて表示装置アレイを構成するようにしてもよい。このとき、図1に示したように、回動軸14からフード9の上端の距離を距離R1とすると、回動軸14から上方向に隣接する表示装置1の下面までの距離が距離R1より大きくなるように表示装置1を配置すればよい。
【0034】
(第4の実施の形態)
次に、図5を参照しながら、第4の実施の形態による表示装置アレイについて説明する。図5は、第4の実施の形態による表示装置アレイ110の一部を示す側面図である。第4の実施の形態による表示装置アレイ110において、第1〜第3の実施の形態による表示装置または表示装置アレイと同様の構成については同一の番号を付し、詳細説明を省略する。
【0035】
図5に示すように、表示アレイ110は、ボード102に固定された複数の表示装置90を有している。表示装置90は、本体93と、本体93の前面側に備えられた表示部5と、本体93の上部に回動可能に設けられたフード99とを有している。本体93は、例えば直方体の後面の下部に後側に突出した凸部96が設けられた形状である。表示装置90は、凸部96の後面によりパネル102に固定されており、フード99の回動が妨げられないように構成されている。
【0036】
フード99は、表示部5の横幅(図示せず)よりも広い幅を有する例えば矩形の板状部材99aと、板状部材99aの横方向後両側に、例えば板状部材99aに対し垂直に接続された側部99bとを有している。板状部材99aと側部99bとは一体に形成されることが好ましい。フード99は、本体93の側面に固定部95により点C4を通る不図示の軸を回動軸として回動可能に接続され、矢印49の方向に押圧力が印加されると上方に回動する。また、不図示のスプリングが固定部95近傍に設けられ、一端がフード99に固定され他端が本体93に固定されることにより、矢印49方向の押圧力が印加されなくなると、反力によりフード93を元の位置に戻す。
【0037】
ここで、第4の実施の形態による表示装置90は、矢印49の方向の押圧力が印加された際に、第1の実施の形態による表示装置1及び第2の実施の形態による表示装置30のように、上下方向に沿う方向までフード99が回動しないものとする。(フードが通常の状態より90°まで上方向に回動しない)例えば、フード99は、表示装置90の表示部5の前面位置97付近にフード99の端部が位置する位置を、最大の回動位置とする。このときの、本体93の上面93aから、フード99の端部までの距離を距離R3とする。フード99の回動を制限するために、例えば、固定部95近傍に設けられた不図示のスプリングの弾性力を強くする方法、凸部96の上部、固定部95の少なくともいずれかにストッパ(図示せず)を設ける方法などを用いるようにしてもよい。
【0038】
以上説明したように、第4の実施の形態による表示装置アレイ110は、第3の実施の形態による表示装置アレイ100による効果に加え、表示装置90の下面93bと、その下に隣接する表示装置90の上面93aとの間隔L3を狭くすることができる。このとき間隔L3>R3であればよい。このように、上下に隣接する表示装置90の間隔を狭めることができるので、表示装置アレイとしてより広く応用することが可能となる。
【0039】
(第4の実施の形態の応用例)
以下、図6、図7を参照しながら、第4の実施の形態による表示装置アレイ110の変形例である表示装置210を利用した応用例としてスコアボード200について説明する。図6は、スコアボード200を示す概観図である。図6に示すように、スコアボード200は例えば野球場に備えられた得点表示盤であり、ボード202とボード202を支持する複数の脚部201を有し、地面203に固定されている。ボード202は、例えば金属で形成された板状部材であり、図6において向かって左から、時計204、攻撃表示灯206、チーム名表示部208、209、得点表示部210、合計得点表示部212、214、判定表示部216などを有している。チーム名表示部208、209、得点表示部210、合計得点表示部212、214は、表示装置アレイ220をなしている。
【0040】
図7は、表示部205の表示例を示す図である。表示部205は、得点表示部210の表示部の一例である。図7に示すように、表示部205においては、複数の表示素子207が16行16列のマトリクス状に配置されており、複数の表示素子207の中から所定の表示素子を発光させることにより数字など所望の情報を表示する。図7の例では「2」が表示されている。
【0041】
図6に戻って、チーム名表示部208、209、得点表示部210、合計得点表示部212、214は、それぞれの表示部の横幅に応じた幅を有し、押圧力を印加されることにより上下方向に回動する図示せぬフードを備えるようにする。フードは、押圧力が印加されなくなると図示せぬスプリングの反力により、表示装置本体上目に接した通常の位置に戻る。なお、表示装置アレイ220を構成する各表示装置のフードは、図6においては、煩雑さを避けるため省略している。
【0042】
また、表示装置アレイ220の各表示装置のフードは、第4の実施の形態による表示装置90のように、図示せぬスプリングの弾性力や、ストッパなどにより回動範囲を制限した構成にすることが好ましい。これにより、2行に配列されている各表示装置の列間の間隔L4は、例えば各表示装置の上下方向の長さR4より短く設定することができる。
【0043】
以上説明したように、表示アレイ220によれば、押圧力が印加されなくなるとスプリングの反力により元の位置に戻るフードを設けることにより、回転ブラシなどによりフードを気にせずに表示部の上端まで清掃することができる。また、フードの回動範囲を小さくすることにより、回動範囲を制限していない場合に比べて上下に隣接して配置する表示装置の間隔を狭めることが可能になるので、違和感のないスコアボードとすることができるなど、応用範囲が広がる。
【0044】
(第5の実施の形態)
以下、図8を参照しながら、第5の実施の形態による表示装置70について説明する。図8は、第5の実施の形態による表示装置70を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが側方に回動した状態を示す。第5の実施の形態による表示装置70において、第1、第2の実施の形態による表示装置1と同様の構成については同一の番号を付し、詳細説明を省略する。
【0045】
図8(a)(b)に示すように、表示装置70は、本体73と、本体73の前面側に備えられた表示部5と、本体73の上部に回動可能に設けられたフード79とを有している。フード79は、例えば、表示部5の少なくとも表示素子7が配置されている範囲の横幅L5よりも広い幅を有し、少なくとも一部が表示部5の前面側に突出する板状部材である。フード79は、本体73の上面の表示部5側から見て向かって左後方に、固定部75により点C3を通る不図示の軸を回動軸として回動可能に設けられている。また、不図示の軸にはスプリング77が巻回されており、スプリング77の一端77aはフード79に固定され、他端77bは本体73に固定されている。フード79は、横方向の押圧力により矢印81の方向に回動し、押圧力が印加されなくなると、スプリング77の反力により、少なくとも一部が表示部5の前面側に突出する元の位置に戻る。このようにフード79が一平面(例えば、上面に平行な平面)上を掃くように回動することを、上面に平行な面の面内で回動する、ということにする。
【0046】
なお、第1の実施の形態による表示装置1または第2の実施の形態による表示装置30と第5の実施の形態による表示装置70との相違は、以下の点である。すなわち、フード79は1箇所の固定部75で本体73に接続されており、上下方向を法線とした面内(以下、横方向面内という)で回動すること、押圧力に対する反力を生成するスプリング77の位置、フード79の形状である。
【0047】
なお、フード79を回動可能に固定する固定部75は、表示部5側から見て向かって右側の後部など、他の位置でもよい。固定部の位置が変わった場合には、例えば清掃を行なう際のブラシの移動方向などを変えることが好ましい。また、フード79の形状は、図示の例に限定されず、例えば前面が曲線になっている形状など、通常の位置で風雪や太陽光による影響を軽減でき、横方向の押圧力によって回動するものであれば他の形状でもよい。
【0048】
以上説明したように、第5の実施の形態による表示装置70は、フード79を有しており、フード79は、通常の状態では本体73の上部に少なくとも一部が表示部5の前面に突出した状態に配置される。フード79は、表示部5側から見て向かって右側からの押圧力が印加されると、表示装置70の横方向面内で回動し、押圧力が印加されなくなると通常の位置に戻る。例えば、表示部5を清掃するブラシなどにより右側から左側に向かう押圧力を印加されると回動する。このとき、スプリング77には、フード79の回動を戻そうとする反力が生成される。押圧力が働かなくなると、フード79が回動することにより生じたスプリング77の反力により、フード79は通常の状態に戻る。
【0049】
以上のように、フード79は横方向へ回動する回動機構を有し、押圧力が印加されていないときには、スプリング77の反力によって元の場所に戻る構造となっている。よって、押圧力を印加された場合には、表示部5が露出するように回動し、押圧力が印加されなくなると、新たに動力、人力を介することなくスプリング77の反力によりフード79を表示部の前方に突出した通常の状態にすることができる。
【0050】
よって、例えば、ブラシ等を横方向に移動させながら清掃する際には、ブラシの力によってフード79を回動させ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃することができるとともに、フード79を元に戻す手間も不要である。よって、フード79の存在を気にせずに作業を進めることができるため、機械作業等による連続作業が可能であり、人件費および作業工数の削減による多大なコストダウン効果がある。
【0051】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態による表示装置アレイについて説明する。図9は、表示装置アレイ120を示す概観図である。図9に示すように、表示装置アレイ120は、第6の実施の形態による表示装置70をボード122の表面に複数配置した構成である。図9の例では、表示装置70−1〜表示装置70−16を4行4列のマトリクス状に配置している。ここで、互いに上下方向または横方向に並んだ2つの表示装置70は、フード79が横方向に回動しても互いに接触することがないように配置する。各表示装置70は、本体73の後面をボード122に固定することにより配置される。
【0052】
図8(b)に示すように、フード79が横方向に回動する際の最大半径を距離R5とする。このとき、図9に示すように、表示装置70−16の本体73の点C3と隣接する表示装置70−15の左側側面124との距離を間隔L6とすると、間隔L6>距離R5となるように表示装置70を配置する。このようにすれば、フード79が横方向に回動しても、横方向に隣接して配置された表示装置70に接触することはない。他の横方向に並びあう表示装置70についても同様である。
【0053】
以上のように構成された表示装置アレイ120においては、不図示のブラシを用いて、自動的に表示装置70の清掃を行うことができる。例えば、図8を参照しながら説明したように、ブラシを回転させながら右方向から左方向に向けて移動させながら清掃する際には、ブラシの押圧力によってフード79を押しのけ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃する。各表示装置70の清掃が終了したとき、すなわちブラシがフード79の回動する範囲を外れると反力によってフード79は通常の状態に戻るので、フードを元に戻す手間も不要である。よって、フード79の存在を気にせずに作業を進めることができる。
【0054】
また清掃時には、例えば表示装置70−16、70−12の2段、または3段以上を同時に清掃する不図示のブラシを用いて清掃を行なうこともできる。例えば、2段の表示装置70を同時に清掃する場合、ブラシを表示装置70−16、70−12の右方から回転させながら左方に移動させる。例えば図9に示すように、表示装置70−16、70−12、70−15、70−11の全てのフード79が同時に横方向に回動している状態を経て清掃が行われるような、サイズが大きく清掃範囲が大きいブラシにしてもよい。
【0055】
以上説明したように、第6の実施の形態による表示装置アレイ120によれば、フード79が押圧力に応じて横方向に回動し、押圧力がなくなると自動的に通常の状態に戻る。よって、自動回転式ブラシなどを用いて各表示装置70の表示部5の上部までフード79に妨げられることなく清掃が可能である。しかも、例えば表示装置70を2段ずつ清掃するなど、複数の表示装置70を同時に自動的に清掃することもできるので、多数の表示装置70を有する表示装置アレイ120であっても清掃時のコストを大幅に削減することが可能となる。なお、上記例では間隔L6>距離R5となるように表示装置70を配置しているが、回動する際に隣接する表示装置に接触するような撓みを生じないフード79の構成とすることで、表示装置70の間隔を隣接する表示装置の回動を妨げない程度に近接位置まで近づけた配置とすることも可能である。また、上下方向に関しては、表示装置アレイ120の例では、本体73の高さ程度間隔があるように描かれているが、フード79の回動により互いに接触しない近接位置まで近づけた配置も可能である。
【0056】
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態による表示装置アレイ130について説明する。図10は、表示装置アレイ130を示す概観図である。図10に示すように、表示装置アレイ130は、第5の実施の形態による表示装置70を不図示のボードの表面に縦横に複数配置した構成である。図10の例では、表示装置70を6個配置している。ここで、表示装置70の上下方向を軸72で示し、左右方向を軸78で示す。また、軸74、軸82の方向は、表示装置アレイ130における上下方向及び横方向となる。軸72と軸74、軸78と軸82とは、鋭角θ1をなしている。
【0057】
すなわち、表示装置アレイ130においては、全ての表示装置70は、上下方向が表示装置アレイ130の上下方向である軸74に対し鋭角θ1の角度傾くように配置される。また、表示装置アレイ130の上下方向に複数の表示装置70を並べて配置するときは、それぞれの表示部5の中心C6が軸74と平行な1本の直線上にのるように配置する。表示装置アレイ130の横方向に複数の表示装置70を配置するときは、それぞれの表示部5の中心C6が軸82と平行な1本の直線上にのるように配置する。
【0058】
以上のように配置することにより、表示装置70のフード79は左方向に隣接する表示装置70の上面73aに対し、段差D1だけずれることになる。このとき、固定部75またはフード79の高さよりも段差D1が高くなるように鋭角θ1及び隣接する表示装置70同士の距離を設定すれば、フード79が回動しても隣接する表示装置70とは接触しない。よって、第4の実施の形態による表示装置アレイ120よりも表示装置70同士の間隔を狭めることが可能になる。また、第4の実施の形態の応用例のように遠距離から見るような場合には、表示装置70の上下方向と表示装置アレイ130の上下方向との傾きである鋭角θ1は、ほとんど問題とならない角度とすることができる。
【0059】
以上のように構成された表示装置アレイ130においては、不図示のブラシを用いて、自動的に表示装置70の清掃を行うことができる。例えば、図8を参照しながら説明したように、ブラシを回転させながら右方向から左方向に向けて移動させながら清掃する際には、ブラシの押圧力によってフード79を押しのけ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃する。各表示装置70の清掃が終了したとき、すなわちブラシがフード79の回動する範囲を外れると反力によってフード79は通常の状態に戻るので、フードを元に戻す手間も不要である。よって、フード79の存在を気にせずに作業を進めることができる。
【0060】
以上説明したように、第7の実施の形態による表示装置アレイ130によれば、清掃時のコストを大幅に削減することが可能となるとともに、左右方向について表示装置70をさらに近接させて配置することが可能になる。
なお、表示装置70を並べるときに一直線上にのせる点については、表示部5の中心C6以外の特定の点としてもよい。
【0061】
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態による表示装置アレイ140について説明する。第8の実施の形態による表示装置150及び表示アレイ140において、第1から第7の実施の形態における表示装置と同様の構成については同一の番号を付し、重複説明を省略する。
【0062】
図11は、表示装置アレイ140を示す概観図である。図11に示すように、表示装置アレイ140は、第5の実施の形態による表示装置70の変形例である表示装置150を不図示のボードの表面に縦横に複数配置した構成である。図11の例では、表示装置150を6個配置している。
【0063】
表示装置150は、本体153、表示面155、およびフード79を有している。本体153は、上面153aが、下面153cに対して所定の角度傾いて形成された、断面が台形の四角柱形状である。フード79は、上面153aの下面153aと距離が離れた側に、固定部75を介して固定される。フード79は、固定部75により軸76を回動軸として回動可能に設けられている。本体153は、前面に表示面155を有している。表示面155は、図11の例では5行5列に配列された複数の表示素子7を有している。表示素子7は、下面153cに対し平行な方向及び垂直な方向に配列されている。本実施の形態において、表示面155の上下方向は、図11において軸174で表している。
【0064】
表示装置150において、フード79は、軸174と鋭角θ2をなす軸172と平行な軸76を法線とした面内で回動する。すなわちフード79は、軸76に垂直な平面と平行に回動する。よって、フード79が回動したとき、隣接する表示装置150の上面153aに対しフード79は、段差D2だけずれることになる。このとき、固定部75またはフード79の高さよりも段差D2が高くなるように鋭角θ2及び隣接する表示装置150同士の距離を設定すれば、フード79が回動しても隣接する表示装置150とは接触しない。よって、第4の実施の形態による表示装置アレイ120よりも表示装置同士の間隔を狭めることが可能になる。また、第7の実施の形態による表示装置アレイ130のように、表示素子7の配列の傾きもないので、より違和感のない表示装置アレイとすることができる。なお、軸174、軸178は、本発明の第1の方向および第2の方向の一例である。
【0065】
以上のように構成された表示装置アレイ140においては、不図示のブラシを用いて、自動的に表示装置150の清掃を行うことができる。例えば、図8を参照しながら説明したように、ブラシを回転させながら右方向から左方向に向けて移動させながら清掃する際には、ブラシの押圧力によってフード79を押しのけ、その状態のまま表示部155を上部側の端部まで清掃する。各表示装置150の清掃が終了したとき、すなわちブラシがフード79の回動する範囲を外れると反力によってフード79は通常の状態に戻るので、フードを元に戻す手間も不要である。よって、フード79の存在を気にせずに作業を進めることができる。
【0066】
以上説明したように、第8の実施の形態による表示装置アレイ140によれば、清掃時のコストを大幅に削減することが可能となるとともに、表示素子7の配列の傾きもなく、左右方向について表示装置150をさらに近接させて配置することが可能になる。
【0067】
(第9の実施の形態)
第9の実施の形態による表示装置50について、図12、図13を参照しながら説明する。図12は、第9の実施の形態による表示装置50を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが上方に回動した状態を示す。図13は、表示装置50の側面から見た説明図であり、(a)は通常の状態、(b)は、フードが上方に回動する経過、(c)は、上下方向に立ち上がった状態を示す。第9の実施の形態による表示装置50において、第1から第6の実施の形態による表示装置と同様の構成については同一の番号を付し、詳細説明を省略する。
【0068】
図12、図13に示すように、表示装置50は、本体53と、本体53の内部に前後に移動可能に備えられた表示体55と、本体53の上部に回動可能に設けられたフード57とを有している。本体53は、例えば、金属またはプラスティックなどで形成されており、内部に、表示体55を移動可能に収納する収納部66を有するとともに、後面の下部に後ろ側に突出した凸部56が設けられている。凸部56は、表示装置50の後面をパネルなどに固定する場合に、フード57の回動が妨げられないようにするために設けられている。本体53の後面の凸部56よりも上部の一部には不図示の開口部が設けられており、フード57が回動した際に、少なくとも後述する押圧部59が本体53の内部に入り込み、表示体55を押し出すことができるように構成されている。また、収納部66には、表示体55を囲むように、防水パッキン65が例えば2箇所設けられ、本体53内部に雨水などが侵入するのを防止している。
【0069】
表示体55は、例えば金属またはプラスティックなどで形成された直方体形状をなし、前面が表示部5となっている。表示部5には、複数の表示素子7が備えられている。表示体55は、本体53内部に、前後方向に移動可能に備えられている。図13に示すように、本体53の収納部66の後ろ側の部分には、スプリング54の一端が固定されており、スプリング54の他端は、表示体55の背面に固定されている。
【0070】
フード57は、表示部5の横幅よりも広い幅を有する板状部材57aと、板状部材57aの横方向両側に、例えば板状部材57aに対し垂直に接続された側部57bと、後ろ側から下方に向けて突出した押圧部59とを有している。板状部材57a、側部57b、および押圧部59は一体に形成されることが好ましい。フード57は、本体53の側面の上部に、側部57bを介して固定部11により、固定部11の点C1を通る軸14を回動軸として回動可能に設置される。ここで、軸14とは、図1に示した点C1と、点C1とは反対側の側面で側部57bを本体53に回動可能に固定する不図示の固定部の一点とを通る軸である。また、軸14にはスプリング13が巻回されており、一端13aはフード57に固定され、他端13bは本体53に固定されている。
【0071】
フード57は、押圧力が加わっていない場合には、図12(a)に示すように、表示部55から前面側に一部が突出する位置に配置される。この位置を通常の位置という。図12(b)に示すように、下方から例えば矢印17のように押圧力が加わると、フード57は、軸14を回動軸として上部に向かって回動し、上下方向に立ち上がった状態となる。このとき、図13(b)(c)に示すように、押圧部59は矢印15のように回動することにより本体53内部に入り込み、表示体55の後面を前側に向かって矢印61のように押圧する。この結果、表示体55は表示部5側に押し出されることになる。よって、清掃を行う際には、表示部5が本体53より前面側に突出していることになる。下方からの押圧力がなくなると、フード57は、スプリング13の反力により通常の位置に戻る。同時に、押圧部59は表示体55の後面を押さなくなるので、スプリング54の反力により、表示体55は収納部66内に戻る。
【0072】
以上説明したように、第9の実施の形態による表示装置50は、本体53、表示体55、およびフード57を有している。表示体55は、本体53内部に移動可能に設けられており、前面に表示部5を備えている。フード57は、通常の状態では表示部5の前面に突出した状態に配置され、後面には押圧部59を備えている。フード57は、例えば、表示部5を清掃するブラシなどにより上方に向かう押圧力を印加されると押し上げられ、上方に向かって回動する。このとき、スプリング13には、フード57の回動を戻そうとする反力が生成される。同時に、押圧部59は、表示体55の後面を前側に押す。表示体55は、前側に表示部5が突出した位置に移動する。押圧力が働かなくなると、フード57が回動することにより生じたスプリング13の反力により、フード57は通常の状態に戻る。同時に、押圧部59が表示体55を押圧したことにより生じたスプリング54の反力により、表示体55は元の位置に戻る。
【0073】
以上のように、フード57は上方へ可倒する回動機構を有し、押圧力が印加されていないときには、スプリング13の反力によって元の場所に戻る構造となっている。また、表示体55は、押圧部59により前側に押し出される移動機構を有し、押圧力が印加されていないときにはスプリング54の反力によって元の場所に戻る構造となっている。よって、押圧力を印加された場合には、表示部5が露出するとともに前側に移動し、押圧力が印加されなくなると、新たに動力、人力を介することなくスプリング13、54の反力によりフード57、表示体55を通常の状態にすることができる。
【0074】
また、ブラシ等を下方から上方へ向かって移動させながら表示装置50を清掃する際には、ブラシの力によってフード57を押し上げ、表示部5を前側に移動させ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃することができるとともに、フードを元に戻す手間も不要である。また、表示部が本体53よりも前側に突出するので、より清掃を簡易かつ確実に行なうことができる。
【0075】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を採ることができる。例えば、上記各実施の形態によるフードは、少なくとも一部が表示部の前側に突出しており、回動可能であればよく、上記例には限定されない。表示部5に備えられた表示素子7の数、配置は上記に限定されない。フードを回動させる機構についても、押圧力により回動し、押圧力が印加されない場合には反力により元の位置に戻る機構であれば、上記に限定されない。また、スプリング13、54、37、77等は、板バネのような別の弾性部材でもよい。
【0076】
表示装置1、表示装置1、70、150については、後面に凸部を設けない例について説明したが、凸部を設けてもよい。また、表示装置90のフード99に代えて表示装置1のフード9のような側部9bを備えた構成を用いることにより、後面の凸部を省略した構成でもよい。
【0077】
第9の実施の形態による表示装置50を用いて表示装置アレイを構成するようにしてもよい。このとき、回動軸14からフード57の上端の距離よりも、回動軸14から上方向に隣接する表示装置50の下面までの距離が大きくなるように表示装置50を配置すればよい。その他、上記各実施の形態による各部の構成を可能な範囲で組み合わせることも本発明の範囲である。
【符号の説明】
【0078】
1 表示装置
3 本体
5 表示面
7 表示素子
9 フード
9a 板状部材
9b 側部
11 固定部
13 スプリング
15、17、25、26、27 矢印
20 ブラシ
21 回転部
23 柄
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び表示装置アレイに関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置される例えばLED(Light Emitting Diode)等の発光素子を用いた表示装置においては、天候などの影響を低減するため、表示部を覆うフード等を設置している場合がある。例えば、着雪を防止するため、表示部の上部に着雪部を介して前傾した庇部を設け、着雪部と庇部との境界に表示部と平行に乾燥した空気を噴出するノズルを設けた例がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記のような庇部では、例えば太陽光が低い位置から照射された場合には、表示が識別しにくいという問題がある。そこで、表示パネルを庇付きカバー内に設けている例がある(例えば、特許文献2参照)。また、表示部に入る外光の遮光を行う使用状態と、折り畳んで表示部を覆う未使用状態に任意に設定可能なフードを設けた例もある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−323423号公報
【特許文献2】特開2005−157234号公報
【特許文献3】特開平8−044301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、屋外に設置される表示装置の表示部に付着した汚れを清掃するためには、表示部をブラシまたは雑巾等で洗う必要がある。しかし、外光の遮光に配慮した上記のような表示装置では、清掃をする事を考慮してフード形状を作っていないため、表示部近傍にフードが突出しており、清掃時の作業性が悪い。特に、フードの根元に近い表示素子を清掃する際は、ブラシや雑巾を押し込んで洗う状況であり、例えば数百〜数千個のLED等を清掃するには、効率化を考慮しなければならない。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明では、ブラシや雑巾で清掃する際に、表示部に設けられたフードが邪魔にならない構造または形状の表示装置及び表示装置アレイを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置は、本体と、前記本体に設けられ、情報を表示する表示部と、前記本体に対し回動可能に設けられ、少なくとも一部が前記表示部の表示側に突出する位置と、前記表示部の表示側から退避する位置との間で回動するフードと、前記フードに前記押圧力が印加されると、前記押圧力に対向する第1の反力を生成する第1の反力生成部と、を有し、前記フードは、押圧力が印加されていないときには前記表示部の表示側に少なくとも一部が突出し、押圧力が印加されると前記表示部の表示側から退避するように、前記本体に対し回動し、前記押圧力の印加が終了すると、前記第1の反力により、前記表示部の表示側に少なくとも一部が突出する位置に戻ることを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る表示装置アレイは、前記表示装置を複数備え、前記表示装置の前記フードと前記回動軸との交点と、前記表示装置に隣接する表示装置との距離は、前記フードが回動する際の回動半径よりも大きいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、風雪や太陽光などの影響を受けづらいとともに清掃が容易な表示装置及び表示装置アレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態による表示装置の斜視図であり、(a)は、押圧力を印加されていない状態、(b)は、押圧力を印加された状態を示す。
【図2A】第1の実施の形態による表示装置に対して下方からブラシが回転しながら上方に向かって移動する状況を説明する図であり、(a)は、ブラシが表示装置よりも下方にある状態、(b)は、ブラシがフードに対し押圧力を加えながら表示部を清掃している状態を示す。
【図2B】第1の実施の形態による表示装置に対して下方からブラシが回転しながら上方に向かって移動する状況を説明する図であり、(a)は、ブラシがフードに対し押圧力を加えながら本体よりも上方に移動した状態、(b)は、ブラシがフードの上方に移動し、押圧力の印加をしていない状態を示す。
【図3】第2の実施の形態による表示装置を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが上方に回動した状態を示す。
【図4】第3の実施の形態による表示装置アレイを示す概観図である。
【図5】第4の実施の形態による表示装置アレイの一部を示す側面図である。
【図6】第4の実施の形態の応用例によるスコアボードを示す概観図である。
【図7】第5の実施の形態による表示部の表示例を示す図である。
【図8】第5の実施の形態による表示装置を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが側方に回動した状態を示す。
【図9】第6の実施の形態による表示装置アレイを示す概観図である。
【図10】第7の実施の形態による表示装置アレイを示す概観図である。
【図11】第8の実施の形態による表示装置アレイを示す概観図である。
【図12】第9の実施の形態による表示装置50を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが上方に回動した状態を示す。
【図13】第9の実施の形態による表示装置50の側面から見た説明図であり、(a)は通常の状態、(b)は、フードが上方に回動する経過、(c)は、上下方向に立ち上がった状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態による表示装置及び表示装置アレイについて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図1、図2を参照しながら、第1の実施の形態による表示装置について説明する。図1は、第1の実施の形態による表示装置1の斜視図であり、(a)は、押圧力を印加されていない状態(以下、通常の状態という)を示し、(b)は、押圧力を印加された状態を示す。図1に示すように、表示装置1は、本体3と、本体3に備えられた表示部5と、フード9とを有している。なお、本明細書において、表示装置の表示部が備えられた側を前、逆側を後、フードが備えられた側を上、逆側を下、前後方向及び上下方向に直交する方向を横方向ということにする。横方向の左右については、特に断らない限り、表示部5側から後方に向かって見た方向とする。なお、表示部の上下方向とは、表示部に表示される情報の上下方向とする。
【0012】
本体3は、例えば金属、プラスティックなどで形成された略直方体形状をなしている。本体3の前面には、表示部5が備えられている。表示部5は、複数の表示素子7を備えており、不図示の制御部によりオンオフを制御されることにより、情報を表示する。表示素子7は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emittig Diode)などの発光素子である。
【0013】
フード9は、例えば金属、プラスティックなどで形成された部材であり、表示部5の横幅よりも広い幅を有する例えば矩形の板状部材9aと、板状部材9aの横方向の両側に、例えば板状部材9aに対し垂直に接続された側部9bとを有している。板状部材9aと側部9bとは一体に形成されることが好ましい。フード9は、本体3の側面の上部に、側部9bを介して固定部11により、固定部11の点C1を通る軸14を回動軸として回動可能に設置される。ここで、軸14とは、図1に示した点C1と、点C1とは反対側の側面で側部9bを本体3に回動可能に固定する不図示の固定部の一点とを通る軸である。また、軸14の固定部11近傍にはスプリング13が巻回されており、一端13Aはフード9に固定され、他端13Bは本体3に固定されている。なお、スプリング13は、両側面の固定部近傍に設けられてもよいし、いずれか一方でもよい。スプリング13は、一端13Aを除き本体3内部に備えられることが好ましい。フード9は、押圧力が加わっていない場合には、図1(a)に示すように、表示部5から前面側に一部が突出する位置に配置される。この位置を通常の位置という。図1(b)に示すように、下方から例えば矢印17のように押圧力が加わると、フード9は、軸14を回動軸として上部に向かって回動し、例えば上下方向に立ち上がった状態となる。
【0014】
以上のように構成された表示装置1において、図2A、図2Bを参照しながら、清掃時のフード9の動きについて説明する。図2Aは、表示装置1に対して下方からブラシ20が回転しながら上方に向かって移動する状況を説明する図であり、(a)は、ブラシ20が表示装置1よりも下方にある状態を示し、(b)は、ブラシ20がフード9に対し押圧力を加えながら表示部5を清掃している状態を示す。図2Bは、表示装置1に対して下方からブラシ20が回転しながら上方に向かって移動する状況を説明する図であり、(a)は、ブラシ20がフード9に対し押圧力を加えながら本体3よりも上方に移動した状態を示し、(b)は、ブラシ20がフード9の上方に移動し、押圧力の印加をしていない状態を示している。
【0015】
図2A、図2Bに示すように、ブラシ20は、回転部21と柄23とを有しており、例えば柄23は、上下に移動可能な図示せぬ可動部に固定するようにしてもよい。このとき、ブラシ20は、図示せぬ制御部により制御されて、回転部21が矢印25の方向に回転した状態で、図示せぬ可動部により矢印26の方向に移動する。図2A(a)に示すように、ブラシ20が表示装置1の下方にあり、フード9に押圧力が印加されていないときには、フード9は、表示部5の前方に突出した通常の状態になっている。
【0016】
図2A(b)に示すように、ブラシ20は上方に移動するに従い、フード9に下方から上方へ向かう押圧力27を印加する。このとき、フード9は、押圧力27により生ずるスプリング13の反力に対抗して、軸14を回動軸として上方に回動した状態となる。また、回転部21は矢印25の方向に巻き上げるように回転しながら、表示部5を洗浄する。図2B(a)に示すように、表示部5の清掃が終わっても、ブラシ20がフード9に押圧力を印加しながら上方に移動する間、フード9は上方に回動した状態である。図2B(b)に示すように、ブラシ20がさらに上方に移動し、フード9に押圧力を印加する範囲を超えると、フード9はスプリング13の反力により、表示部5の前面に突出した通常の状態に戻る。
【0017】
以上説明したように、第1の実施の形態による表示装置1は、フード9を有しており、フード9は、通常の状態では表示部5の前面に突出した状態に配置される。フード9は、例えば、表示部5を清掃するブラシ20などにより上方に向かう押圧力を印加されると押し上げられ、軸14を回動軸として上方に向かって回動する。このとき、スプリング13には、フード9の回動を戻そうとする反力が生成される。押圧力が働かなくなると、フード9が回動することにより生じたスプリング13の反力により、フード9は通常の状態に戻る。
【0018】
以上のように、表示装置1に備えられたフード9は、上方へ可倒する回動機構を有し、押圧力が印加されていないときには、スプリング13の反力によって元の場所に戻る構造となっている。よって、押圧力を印加された場合には、表示部5が露出するように回動し、押圧力が印加されなくなると、新たに動力、人力を介することなくスプリング13の反力によりフード9を表示部の前方に突出した通常の状態にすることができる。
【0019】
例えば、ブラシ20等を下方から上方へ向かって移動させながら清掃する際には、ブラシ20の力によってフード9を押し上げ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃することができるとともに、フードを元に戻す手間も不要である。よって、フード9の存在を気にせずに作業を進めることができるため、機械作業等による連続作業が可能であり、人件費および作業工数の削減による多大なコストダウン効果がある。
【0020】
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態による表示装置について説明する。図3は、第2の実施の形態による表示装置30を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが上方に回動した状態を示す。第2の実施の形態による表示装置30において、第1の実施の形態による表示装置1と同様の構成については同一の番号を付し、詳細説明を省略する。
【0021】
図3(a)(b)に示すように、表示装置30は、本体33と、本体33の前面側に備えられた表示部5と、本体33の上部に回動可能に設けられたフード35とを有している。本体33には、例えば直方体の後面の下部に後ろ側に突出した凸部36が設けられた形状である。凸部36は、表示装置30の後面をパネルなどに固定する場合に、フード35の回動が妨げられないようにするために設けられている。本体33の上部には、開口部38が設けられ、開口部38にはスプリング37が配置されている。
【0022】
フード35は、表示部5の横幅よりも広い幅を有する例えば矩形の板状部材35aと、板状部材35aの横方向両側に、例えば板状部材35aに対し垂直に接続された側部35bとを有している。板状部材35aと側部35bとは一体に形成されることが好ましい。フード35は、本体33の上面32に例えば不図示の蝶番等により軸34を軸として回動可能に接続されている。軸34は、フード35と本体33とが接続された部分である。また、スプリング37の一端37aはフード35に固定され、他端37bは本体33に固定されている。
【0023】
ここで、第1の実施の形態による表示装置1と第2の実施の形態による表示装置30との相違は、押圧力に対する反力を生成するスプリング37の位置、本体33に凸部36を設けたこと、及びフード35の形状である。
【0024】
第1の実施の形態による表示装置1と同様に、フード35に矢印49のように下方から上方に向かう押圧力が働いて上方に向かって回動すると、スプリング37には押圧力に対抗する反力が生成される。フード35に押圧力が働かなくなると、フード35はスプリング39の反力により通常の位置に戻る。
【0025】
以上説明したように、第2の実施の形態による表示装置30は、フード35を有しており、フード35は、通常の状態では表示部5の前面に突出した状態に配置される。フード35は、例えば、表示部5を清掃するブラシなどにより上方に向かう押圧力を印加されると押し上げられ、上方に向かって回動する。このとき、スプリング37には、フード35の回動を戻そうとする反力が生成される。押圧力が働かなくなると、フード35が回動することにより生じたスプリング37の反力により、フード35は通常の状態に戻る。
【0026】
以上のように、フード35は上方へ可倒する回動機構を有し、押圧力が印加されていないときには、スプリング37の反力によって元の場所に戻る構造となっている。よって、押圧力を印加された場合には、表示部5が露出するように回動し、押圧力が印加されなくなると、新たに動力、人力を介することなくスプリング37の反力によりフード35を表示部の前方に突出した通常の状態にすることができる。
【0027】
また、ブラシ等を下方から上方へ向かって移動させながら清掃する際には、ブラシの力によってフード35を押し上げ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃することができるとともに、フードを元に戻す手間も不要である。よって、フード35の存在を気にせずに作業を進めることができるため、機械作業等による連続作業が可能であり、人件費および作業工数の削減による多大なコストダウン効果がある。また、このときスプリング37は1箇所でよく、部品点数の削減ができる。
【0028】
(第3の実施の形態)
以下、第3の実施の形態による表示装置アレイについて説明する。表示装置アレイとは、例えば、表示装置が2次元的に複数並べて配置された装置である。図4は、表示装置アレイ100を示す概観図である。図4に示すように、表示装置アレイ100は、第2の実施の形態による表示装置30をボード102の表面に縦横にマトリクス状に複数配置した構成である。図4の例では、表示装置30−1〜表示装置30−12を3行4列のマトリクス状に配置している。ここで、互いに上下方向または横方向に並んだ2つの表示装置30は、フード35が上方に回動しても互いに接触することがないように配置する。なお、各表示装置30は、後面の凸部36をボード102に固定することにより配置される。
【0029】
図3(b)に示すように、フード35が上下方向に立ち上がった際の、フード35の一端側の境界線34からフード35の他端までの距離をR2とする。このとき、図4に示すように、表示装置30−1の本体33の上面104と、表示装置30−5の本体33の下面106との間隔L2とすると、間隔L2>距離R2となるように表示装置30を配置する。このように配置すれば、フード35が上方に回動しても、上方に配置された表示装置30に接触することはない。他の上下に並びあう表示装置30についても同様である。
【0030】
以上のように構成された表示装置アレイ100においては、不図示のブラシを用いて、以下のように自動的に表示装置30の清掃を行う。例えば、図2を参照しながら説明したように、ブラシを回転させながら下方から上方に向けて移動させながら清掃する際には、ブラシの押圧力によってフード35を押し上げ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃する。清掃が終了したとき、フード35は、スプリング37の反力により通常の位置に戻る。
【0031】
また清掃時には、表示装置30−1、30−2の2列または3列以上を同時に清掃する不図示のブラシを用いて清掃を行なうこともできる。例えば、2列の表示装置を同時に清掃する場合、ブラシを表示装置30−1、30−2の下方から回転させながら上方に移動させる。例えば図4に示すように、表示装置30−1、30−2、30−5、30−6の全てのフード35が同時に上方に回動している状態を経て清掃が行われるような、サイズが大きく清掃範囲が大きいブラシにしてもよい。
【0032】
以上説明したように、第3の実施の形態による表示装置アレイ100によれば、フード35が押圧力に応じて上方に回動し、押圧力がなくなると自動的に通常の状態に戻るので、自動回転式ブラシなどを用いて各表示装置30の表示部5の上部までフード35に妨げられることなく清掃が可能である。フード35を元に戻す手間も不要であり、フード35の存在を気にせずに作業を進めることができる。しかも、例えば表示装置30を2列ずつ清掃するなど、複数の表示装置30を同時に自動的に清掃することもできるので、多数の表示装置30を有する表示装置アレイであっても清掃時のコストを大幅に削減することが可能となる。また、横方向に関しては、表示装置アレイ100の例では、本体33の横幅以上の間隔があるように描かれているが、フード35の回動により互いに接触しない近接位置まで近づけた配置も可能である。
【0033】
なお、第1の実施の形態による表示装置1を用いて表示装置アレイを構成するようにしてもよい。このとき、図1に示したように、回動軸14からフード9の上端の距離を距離R1とすると、回動軸14から上方向に隣接する表示装置1の下面までの距離が距離R1より大きくなるように表示装置1を配置すればよい。
【0034】
(第4の実施の形態)
次に、図5を参照しながら、第4の実施の形態による表示装置アレイについて説明する。図5は、第4の実施の形態による表示装置アレイ110の一部を示す側面図である。第4の実施の形態による表示装置アレイ110において、第1〜第3の実施の形態による表示装置または表示装置アレイと同様の構成については同一の番号を付し、詳細説明を省略する。
【0035】
図5に示すように、表示アレイ110は、ボード102に固定された複数の表示装置90を有している。表示装置90は、本体93と、本体93の前面側に備えられた表示部5と、本体93の上部に回動可能に設けられたフード99とを有している。本体93は、例えば直方体の後面の下部に後側に突出した凸部96が設けられた形状である。表示装置90は、凸部96の後面によりパネル102に固定されており、フード99の回動が妨げられないように構成されている。
【0036】
フード99は、表示部5の横幅(図示せず)よりも広い幅を有する例えば矩形の板状部材99aと、板状部材99aの横方向後両側に、例えば板状部材99aに対し垂直に接続された側部99bとを有している。板状部材99aと側部99bとは一体に形成されることが好ましい。フード99は、本体93の側面に固定部95により点C4を通る不図示の軸を回動軸として回動可能に接続され、矢印49の方向に押圧力が印加されると上方に回動する。また、不図示のスプリングが固定部95近傍に設けられ、一端がフード99に固定され他端が本体93に固定されることにより、矢印49方向の押圧力が印加されなくなると、反力によりフード93を元の位置に戻す。
【0037】
ここで、第4の実施の形態による表示装置90は、矢印49の方向の押圧力が印加された際に、第1の実施の形態による表示装置1及び第2の実施の形態による表示装置30のように、上下方向に沿う方向までフード99が回動しないものとする。(フードが通常の状態より90°まで上方向に回動しない)例えば、フード99は、表示装置90の表示部5の前面位置97付近にフード99の端部が位置する位置を、最大の回動位置とする。このときの、本体93の上面93aから、フード99の端部までの距離を距離R3とする。フード99の回動を制限するために、例えば、固定部95近傍に設けられた不図示のスプリングの弾性力を強くする方法、凸部96の上部、固定部95の少なくともいずれかにストッパ(図示せず)を設ける方法などを用いるようにしてもよい。
【0038】
以上説明したように、第4の実施の形態による表示装置アレイ110は、第3の実施の形態による表示装置アレイ100による効果に加え、表示装置90の下面93bと、その下に隣接する表示装置90の上面93aとの間隔L3を狭くすることができる。このとき間隔L3>R3であればよい。このように、上下に隣接する表示装置90の間隔を狭めることができるので、表示装置アレイとしてより広く応用することが可能となる。
【0039】
(第4の実施の形態の応用例)
以下、図6、図7を参照しながら、第4の実施の形態による表示装置アレイ110の変形例である表示装置210を利用した応用例としてスコアボード200について説明する。図6は、スコアボード200を示す概観図である。図6に示すように、スコアボード200は例えば野球場に備えられた得点表示盤であり、ボード202とボード202を支持する複数の脚部201を有し、地面203に固定されている。ボード202は、例えば金属で形成された板状部材であり、図6において向かって左から、時計204、攻撃表示灯206、チーム名表示部208、209、得点表示部210、合計得点表示部212、214、判定表示部216などを有している。チーム名表示部208、209、得点表示部210、合計得点表示部212、214は、表示装置アレイ220をなしている。
【0040】
図7は、表示部205の表示例を示す図である。表示部205は、得点表示部210の表示部の一例である。図7に示すように、表示部205においては、複数の表示素子207が16行16列のマトリクス状に配置されており、複数の表示素子207の中から所定の表示素子を発光させることにより数字など所望の情報を表示する。図7の例では「2」が表示されている。
【0041】
図6に戻って、チーム名表示部208、209、得点表示部210、合計得点表示部212、214は、それぞれの表示部の横幅に応じた幅を有し、押圧力を印加されることにより上下方向に回動する図示せぬフードを備えるようにする。フードは、押圧力が印加されなくなると図示せぬスプリングの反力により、表示装置本体上目に接した通常の位置に戻る。なお、表示装置アレイ220を構成する各表示装置のフードは、図6においては、煩雑さを避けるため省略している。
【0042】
また、表示装置アレイ220の各表示装置のフードは、第4の実施の形態による表示装置90のように、図示せぬスプリングの弾性力や、ストッパなどにより回動範囲を制限した構成にすることが好ましい。これにより、2行に配列されている各表示装置の列間の間隔L4は、例えば各表示装置の上下方向の長さR4より短く設定することができる。
【0043】
以上説明したように、表示アレイ220によれば、押圧力が印加されなくなるとスプリングの反力により元の位置に戻るフードを設けることにより、回転ブラシなどによりフードを気にせずに表示部の上端まで清掃することができる。また、フードの回動範囲を小さくすることにより、回動範囲を制限していない場合に比べて上下に隣接して配置する表示装置の間隔を狭めることが可能になるので、違和感のないスコアボードとすることができるなど、応用範囲が広がる。
【0044】
(第5の実施の形態)
以下、図8を参照しながら、第5の実施の形態による表示装置70について説明する。図8は、第5の実施の形態による表示装置70を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが側方に回動した状態を示す。第5の実施の形態による表示装置70において、第1、第2の実施の形態による表示装置1と同様の構成については同一の番号を付し、詳細説明を省略する。
【0045】
図8(a)(b)に示すように、表示装置70は、本体73と、本体73の前面側に備えられた表示部5と、本体73の上部に回動可能に設けられたフード79とを有している。フード79は、例えば、表示部5の少なくとも表示素子7が配置されている範囲の横幅L5よりも広い幅を有し、少なくとも一部が表示部5の前面側に突出する板状部材である。フード79は、本体73の上面の表示部5側から見て向かって左後方に、固定部75により点C3を通る不図示の軸を回動軸として回動可能に設けられている。また、不図示の軸にはスプリング77が巻回されており、スプリング77の一端77aはフード79に固定され、他端77bは本体73に固定されている。フード79は、横方向の押圧力により矢印81の方向に回動し、押圧力が印加されなくなると、スプリング77の反力により、少なくとも一部が表示部5の前面側に突出する元の位置に戻る。このようにフード79が一平面(例えば、上面に平行な平面)上を掃くように回動することを、上面に平行な面の面内で回動する、ということにする。
【0046】
なお、第1の実施の形態による表示装置1または第2の実施の形態による表示装置30と第5の実施の形態による表示装置70との相違は、以下の点である。すなわち、フード79は1箇所の固定部75で本体73に接続されており、上下方向を法線とした面内(以下、横方向面内という)で回動すること、押圧力に対する反力を生成するスプリング77の位置、フード79の形状である。
【0047】
なお、フード79を回動可能に固定する固定部75は、表示部5側から見て向かって右側の後部など、他の位置でもよい。固定部の位置が変わった場合には、例えば清掃を行なう際のブラシの移動方向などを変えることが好ましい。また、フード79の形状は、図示の例に限定されず、例えば前面が曲線になっている形状など、通常の位置で風雪や太陽光による影響を軽減でき、横方向の押圧力によって回動するものであれば他の形状でもよい。
【0048】
以上説明したように、第5の実施の形態による表示装置70は、フード79を有しており、フード79は、通常の状態では本体73の上部に少なくとも一部が表示部5の前面に突出した状態に配置される。フード79は、表示部5側から見て向かって右側からの押圧力が印加されると、表示装置70の横方向面内で回動し、押圧力が印加されなくなると通常の位置に戻る。例えば、表示部5を清掃するブラシなどにより右側から左側に向かう押圧力を印加されると回動する。このとき、スプリング77には、フード79の回動を戻そうとする反力が生成される。押圧力が働かなくなると、フード79が回動することにより生じたスプリング77の反力により、フード79は通常の状態に戻る。
【0049】
以上のように、フード79は横方向へ回動する回動機構を有し、押圧力が印加されていないときには、スプリング77の反力によって元の場所に戻る構造となっている。よって、押圧力を印加された場合には、表示部5が露出するように回動し、押圧力が印加されなくなると、新たに動力、人力を介することなくスプリング77の反力によりフード79を表示部の前方に突出した通常の状態にすることができる。
【0050】
よって、例えば、ブラシ等を横方向に移動させながら清掃する際には、ブラシの力によってフード79を回動させ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃することができるとともに、フード79を元に戻す手間も不要である。よって、フード79の存在を気にせずに作業を進めることができるため、機械作業等による連続作業が可能であり、人件費および作業工数の削減による多大なコストダウン効果がある。
【0051】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態による表示装置アレイについて説明する。図9は、表示装置アレイ120を示す概観図である。図9に示すように、表示装置アレイ120は、第6の実施の形態による表示装置70をボード122の表面に複数配置した構成である。図9の例では、表示装置70−1〜表示装置70−16を4行4列のマトリクス状に配置している。ここで、互いに上下方向または横方向に並んだ2つの表示装置70は、フード79が横方向に回動しても互いに接触することがないように配置する。各表示装置70は、本体73の後面をボード122に固定することにより配置される。
【0052】
図8(b)に示すように、フード79が横方向に回動する際の最大半径を距離R5とする。このとき、図9に示すように、表示装置70−16の本体73の点C3と隣接する表示装置70−15の左側側面124との距離を間隔L6とすると、間隔L6>距離R5となるように表示装置70を配置する。このようにすれば、フード79が横方向に回動しても、横方向に隣接して配置された表示装置70に接触することはない。他の横方向に並びあう表示装置70についても同様である。
【0053】
以上のように構成された表示装置アレイ120においては、不図示のブラシを用いて、自動的に表示装置70の清掃を行うことができる。例えば、図8を参照しながら説明したように、ブラシを回転させながら右方向から左方向に向けて移動させながら清掃する際には、ブラシの押圧力によってフード79を押しのけ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃する。各表示装置70の清掃が終了したとき、すなわちブラシがフード79の回動する範囲を外れると反力によってフード79は通常の状態に戻るので、フードを元に戻す手間も不要である。よって、フード79の存在を気にせずに作業を進めることができる。
【0054】
また清掃時には、例えば表示装置70−16、70−12の2段、または3段以上を同時に清掃する不図示のブラシを用いて清掃を行なうこともできる。例えば、2段の表示装置70を同時に清掃する場合、ブラシを表示装置70−16、70−12の右方から回転させながら左方に移動させる。例えば図9に示すように、表示装置70−16、70−12、70−15、70−11の全てのフード79が同時に横方向に回動している状態を経て清掃が行われるような、サイズが大きく清掃範囲が大きいブラシにしてもよい。
【0055】
以上説明したように、第6の実施の形態による表示装置アレイ120によれば、フード79が押圧力に応じて横方向に回動し、押圧力がなくなると自動的に通常の状態に戻る。よって、自動回転式ブラシなどを用いて各表示装置70の表示部5の上部までフード79に妨げられることなく清掃が可能である。しかも、例えば表示装置70を2段ずつ清掃するなど、複数の表示装置70を同時に自動的に清掃することもできるので、多数の表示装置70を有する表示装置アレイ120であっても清掃時のコストを大幅に削減することが可能となる。なお、上記例では間隔L6>距離R5となるように表示装置70を配置しているが、回動する際に隣接する表示装置に接触するような撓みを生じないフード79の構成とすることで、表示装置70の間隔を隣接する表示装置の回動を妨げない程度に近接位置まで近づけた配置とすることも可能である。また、上下方向に関しては、表示装置アレイ120の例では、本体73の高さ程度間隔があるように描かれているが、フード79の回動により互いに接触しない近接位置まで近づけた配置も可能である。
【0056】
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態による表示装置アレイ130について説明する。図10は、表示装置アレイ130を示す概観図である。図10に示すように、表示装置アレイ130は、第5の実施の形態による表示装置70を不図示のボードの表面に縦横に複数配置した構成である。図10の例では、表示装置70を6個配置している。ここで、表示装置70の上下方向を軸72で示し、左右方向を軸78で示す。また、軸74、軸82の方向は、表示装置アレイ130における上下方向及び横方向となる。軸72と軸74、軸78と軸82とは、鋭角θ1をなしている。
【0057】
すなわち、表示装置アレイ130においては、全ての表示装置70は、上下方向が表示装置アレイ130の上下方向である軸74に対し鋭角θ1の角度傾くように配置される。また、表示装置アレイ130の上下方向に複数の表示装置70を並べて配置するときは、それぞれの表示部5の中心C6が軸74と平行な1本の直線上にのるように配置する。表示装置アレイ130の横方向に複数の表示装置70を配置するときは、それぞれの表示部5の中心C6が軸82と平行な1本の直線上にのるように配置する。
【0058】
以上のように配置することにより、表示装置70のフード79は左方向に隣接する表示装置70の上面73aに対し、段差D1だけずれることになる。このとき、固定部75またはフード79の高さよりも段差D1が高くなるように鋭角θ1及び隣接する表示装置70同士の距離を設定すれば、フード79が回動しても隣接する表示装置70とは接触しない。よって、第4の実施の形態による表示装置アレイ120よりも表示装置70同士の間隔を狭めることが可能になる。また、第4の実施の形態の応用例のように遠距離から見るような場合には、表示装置70の上下方向と表示装置アレイ130の上下方向との傾きである鋭角θ1は、ほとんど問題とならない角度とすることができる。
【0059】
以上のように構成された表示装置アレイ130においては、不図示のブラシを用いて、自動的に表示装置70の清掃を行うことができる。例えば、図8を参照しながら説明したように、ブラシを回転させながら右方向から左方向に向けて移動させながら清掃する際には、ブラシの押圧力によってフード79を押しのけ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃する。各表示装置70の清掃が終了したとき、すなわちブラシがフード79の回動する範囲を外れると反力によってフード79は通常の状態に戻るので、フードを元に戻す手間も不要である。よって、フード79の存在を気にせずに作業を進めることができる。
【0060】
以上説明したように、第7の実施の形態による表示装置アレイ130によれば、清掃時のコストを大幅に削減することが可能となるとともに、左右方向について表示装置70をさらに近接させて配置することが可能になる。
なお、表示装置70を並べるときに一直線上にのせる点については、表示部5の中心C6以外の特定の点としてもよい。
【0061】
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態による表示装置アレイ140について説明する。第8の実施の形態による表示装置150及び表示アレイ140において、第1から第7の実施の形態における表示装置と同様の構成については同一の番号を付し、重複説明を省略する。
【0062】
図11は、表示装置アレイ140を示す概観図である。図11に示すように、表示装置アレイ140は、第5の実施の形態による表示装置70の変形例である表示装置150を不図示のボードの表面に縦横に複数配置した構成である。図11の例では、表示装置150を6個配置している。
【0063】
表示装置150は、本体153、表示面155、およびフード79を有している。本体153は、上面153aが、下面153cに対して所定の角度傾いて形成された、断面が台形の四角柱形状である。フード79は、上面153aの下面153aと距離が離れた側に、固定部75を介して固定される。フード79は、固定部75により軸76を回動軸として回動可能に設けられている。本体153は、前面に表示面155を有している。表示面155は、図11の例では5行5列に配列された複数の表示素子7を有している。表示素子7は、下面153cに対し平行な方向及び垂直な方向に配列されている。本実施の形態において、表示面155の上下方向は、図11において軸174で表している。
【0064】
表示装置150において、フード79は、軸174と鋭角θ2をなす軸172と平行な軸76を法線とした面内で回動する。すなわちフード79は、軸76に垂直な平面と平行に回動する。よって、フード79が回動したとき、隣接する表示装置150の上面153aに対しフード79は、段差D2だけずれることになる。このとき、固定部75またはフード79の高さよりも段差D2が高くなるように鋭角θ2及び隣接する表示装置150同士の距離を設定すれば、フード79が回動しても隣接する表示装置150とは接触しない。よって、第4の実施の形態による表示装置アレイ120よりも表示装置同士の間隔を狭めることが可能になる。また、第7の実施の形態による表示装置アレイ130のように、表示素子7の配列の傾きもないので、より違和感のない表示装置アレイとすることができる。なお、軸174、軸178は、本発明の第1の方向および第2の方向の一例である。
【0065】
以上のように構成された表示装置アレイ140においては、不図示のブラシを用いて、自動的に表示装置150の清掃を行うことができる。例えば、図8を参照しながら説明したように、ブラシを回転させながら右方向から左方向に向けて移動させながら清掃する際には、ブラシの押圧力によってフード79を押しのけ、その状態のまま表示部155を上部側の端部まで清掃する。各表示装置150の清掃が終了したとき、すなわちブラシがフード79の回動する範囲を外れると反力によってフード79は通常の状態に戻るので、フードを元に戻す手間も不要である。よって、フード79の存在を気にせずに作業を進めることができる。
【0066】
以上説明したように、第8の実施の形態による表示装置アレイ140によれば、清掃時のコストを大幅に削減することが可能となるとともに、表示素子7の配列の傾きもなく、左右方向について表示装置150をさらに近接させて配置することが可能になる。
【0067】
(第9の実施の形態)
第9の実施の形態による表示装置50について、図12、図13を参照しながら説明する。図12は、第9の実施の形態による表示装置50を示す図であり、(a)は、通常の状態、(b)は、フードが上方に回動した状態を示す。図13は、表示装置50の側面から見た説明図であり、(a)は通常の状態、(b)は、フードが上方に回動する経過、(c)は、上下方向に立ち上がった状態を示す。第9の実施の形態による表示装置50において、第1から第6の実施の形態による表示装置と同様の構成については同一の番号を付し、詳細説明を省略する。
【0068】
図12、図13に示すように、表示装置50は、本体53と、本体53の内部に前後に移動可能に備えられた表示体55と、本体53の上部に回動可能に設けられたフード57とを有している。本体53は、例えば、金属またはプラスティックなどで形成されており、内部に、表示体55を移動可能に収納する収納部66を有するとともに、後面の下部に後ろ側に突出した凸部56が設けられている。凸部56は、表示装置50の後面をパネルなどに固定する場合に、フード57の回動が妨げられないようにするために設けられている。本体53の後面の凸部56よりも上部の一部には不図示の開口部が設けられており、フード57が回動した際に、少なくとも後述する押圧部59が本体53の内部に入り込み、表示体55を押し出すことができるように構成されている。また、収納部66には、表示体55を囲むように、防水パッキン65が例えば2箇所設けられ、本体53内部に雨水などが侵入するのを防止している。
【0069】
表示体55は、例えば金属またはプラスティックなどで形成された直方体形状をなし、前面が表示部5となっている。表示部5には、複数の表示素子7が備えられている。表示体55は、本体53内部に、前後方向に移動可能に備えられている。図13に示すように、本体53の収納部66の後ろ側の部分には、スプリング54の一端が固定されており、スプリング54の他端は、表示体55の背面に固定されている。
【0070】
フード57は、表示部5の横幅よりも広い幅を有する板状部材57aと、板状部材57aの横方向両側に、例えば板状部材57aに対し垂直に接続された側部57bと、後ろ側から下方に向けて突出した押圧部59とを有している。板状部材57a、側部57b、および押圧部59は一体に形成されることが好ましい。フード57は、本体53の側面の上部に、側部57bを介して固定部11により、固定部11の点C1を通る軸14を回動軸として回動可能に設置される。ここで、軸14とは、図1に示した点C1と、点C1とは反対側の側面で側部57bを本体53に回動可能に固定する不図示の固定部の一点とを通る軸である。また、軸14にはスプリング13が巻回されており、一端13aはフード57に固定され、他端13bは本体53に固定されている。
【0071】
フード57は、押圧力が加わっていない場合には、図12(a)に示すように、表示部55から前面側に一部が突出する位置に配置される。この位置を通常の位置という。図12(b)に示すように、下方から例えば矢印17のように押圧力が加わると、フード57は、軸14を回動軸として上部に向かって回動し、上下方向に立ち上がった状態となる。このとき、図13(b)(c)に示すように、押圧部59は矢印15のように回動することにより本体53内部に入り込み、表示体55の後面を前側に向かって矢印61のように押圧する。この結果、表示体55は表示部5側に押し出されることになる。よって、清掃を行う際には、表示部5が本体53より前面側に突出していることになる。下方からの押圧力がなくなると、フード57は、スプリング13の反力により通常の位置に戻る。同時に、押圧部59は表示体55の後面を押さなくなるので、スプリング54の反力により、表示体55は収納部66内に戻る。
【0072】
以上説明したように、第9の実施の形態による表示装置50は、本体53、表示体55、およびフード57を有している。表示体55は、本体53内部に移動可能に設けられており、前面に表示部5を備えている。フード57は、通常の状態では表示部5の前面に突出した状態に配置され、後面には押圧部59を備えている。フード57は、例えば、表示部5を清掃するブラシなどにより上方に向かう押圧力を印加されると押し上げられ、上方に向かって回動する。このとき、スプリング13には、フード57の回動を戻そうとする反力が生成される。同時に、押圧部59は、表示体55の後面を前側に押す。表示体55は、前側に表示部5が突出した位置に移動する。押圧力が働かなくなると、フード57が回動することにより生じたスプリング13の反力により、フード57は通常の状態に戻る。同時に、押圧部59が表示体55を押圧したことにより生じたスプリング54の反力により、表示体55は元の位置に戻る。
【0073】
以上のように、フード57は上方へ可倒する回動機構を有し、押圧力が印加されていないときには、スプリング13の反力によって元の場所に戻る構造となっている。また、表示体55は、押圧部59により前側に押し出される移動機構を有し、押圧力が印加されていないときにはスプリング54の反力によって元の場所に戻る構造となっている。よって、押圧力を印加された場合には、表示部5が露出するとともに前側に移動し、押圧力が印加されなくなると、新たに動力、人力を介することなくスプリング13、54の反力によりフード57、表示体55を通常の状態にすることができる。
【0074】
また、ブラシ等を下方から上方へ向かって移動させながら表示装置50を清掃する際には、ブラシの力によってフード57を押し上げ、表示部5を前側に移動させ、その状態のまま表示部5を上部側の端部まで清掃することができるとともに、フードを元に戻す手間も不要である。また、表示部が本体53よりも前側に突出するので、より清掃を簡易かつ確実に行なうことができる。
【0075】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を採ることができる。例えば、上記各実施の形態によるフードは、少なくとも一部が表示部の前側に突出しており、回動可能であればよく、上記例には限定されない。表示部5に備えられた表示素子7の数、配置は上記に限定されない。フードを回動させる機構についても、押圧力により回動し、押圧力が印加されない場合には反力により元の位置に戻る機構であれば、上記に限定されない。また、スプリング13、54、37、77等は、板バネのような別の弾性部材でもよい。
【0076】
表示装置1、表示装置1、70、150については、後面に凸部を設けない例について説明したが、凸部を設けてもよい。また、表示装置90のフード99に代えて表示装置1のフード9のような側部9bを備えた構成を用いることにより、後面の凸部を省略した構成でもよい。
【0077】
第9の実施の形態による表示装置50を用いて表示装置アレイを構成するようにしてもよい。このとき、回動軸14からフード57の上端の距離よりも、回動軸14から上方向に隣接する表示装置50の下面までの距離が大きくなるように表示装置50を配置すればよい。その他、上記各実施の形態による各部の構成を可能な範囲で組み合わせることも本発明の範囲である。
【符号の説明】
【0078】
1 表示装置
3 本体
5 表示面
7 表示素子
9 フード
9a 板状部材
9b 側部
11 固定部
13 スプリング
15、17、25、26、27 矢印
20 ブラシ
21 回転部
23 柄
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に設けられ、情報を表示する表示部と、
前記本体に対し回動可能に設けられ、少なくとも一部が前記表示部の表示側に突出する位置と、前記表示部の表示側から退避する位置との間で回動するフードと、
前記フードに前記押圧力が印加されると、前記押圧力に対向する第1の反力を生成する第1の反力生成部と、
を有し、
前記フードは、押圧力が印加されていないときには前記表示部の表示側に少なくとも一部が突出し、押圧力が印加されると前記表示部の表示側から退避するように、前記本体に対し回動し、前記押圧力の印加が終了すると、前記第1の反力により、前記表示部の表示側に少なくとも一部が突出する位置に戻ることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、少なくとも一つの発光ダイオードを備えたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部を備え、前記本体に対し移動可能に設けられた表示体と、
前記フードの前記表示部の表示側とは反対側の端部に突出して設けられ、前記押圧力が印加されると、前記表示体を前記表示側に押圧する押圧部と、
前記表示体が移動すると前記移動の方向とは逆向きの第2の反力を生成する第2の反力生成部と、
をさらに有し、
前記押圧部は、前記押圧力が印加されると、前記表示体を前記表示側に押圧することにより移動させ、前記表示体は、前記押圧力の印加が終了すると、前記第2の反力により移動前の位置に戻ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記フードは、前記フードの少なくとも2点を通る直線を軸として、前記表示部に対する上下方向に回動することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記フードは、前記フードの1点を通る直線を軸として、前記表示部の上下方向と平行な直線と垂直な上面を有し、前記上面に平行に回動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1の反力生成部は、前記フードと前記本体とに接続された弾性部材であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2の反力生成部は、前記表示体と前記本体とに接続された弾性部材であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項8】
前記本体は、前記本体の前記表示側の面と平行な面内において、前記表示部の上下方向と鋭角をなす直線に垂直な上面を有し、
前記フードは、前記上面と平行に回動することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記本体は、前記表示部と対向する側に突出する凸部を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の前記表示装置を複数備えた表示装置アレイであって、
前記表示装置の前記フードと前記回動軸との交点と、前記表示装置に隣接する表示装置との距離は、前記フードが回動する際の回動半径よりも大きいことを特徴とする表示装置アレイ。
【請求項11】
請求項5に記載の表示装置を、前記表示面内において第1の方向に対し所定の鋭角だけ同一の方向に傾けた状態で前記表示部の中心が前記第1の方向、または前記表示面内において前記第1の方向と直交する第2の方向の同一直線上にのるように、互いに前記フードの回動半径よりも近い距離に隣接させて複数配置したことを特徴とする表示装置アレイ。
【請求項12】
請求項8に記載の表示装置を、互いに前記フードの回動半径よりも近い距離に隣接させて複数配置したことを特徴とする表示装置アレイ。
【請求項1】
本体と、
前記本体に設けられ、情報を表示する表示部と、
前記本体に対し回動可能に設けられ、少なくとも一部が前記表示部の表示側に突出する位置と、前記表示部の表示側から退避する位置との間で回動するフードと、
前記フードに前記押圧力が印加されると、前記押圧力に対向する第1の反力を生成する第1の反力生成部と、
を有し、
前記フードは、押圧力が印加されていないときには前記表示部の表示側に少なくとも一部が突出し、押圧力が印加されると前記表示部の表示側から退避するように、前記本体に対し回動し、前記押圧力の印加が終了すると、前記第1の反力により、前記表示部の表示側に少なくとも一部が突出する位置に戻ることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、少なくとも一つの発光ダイオードを備えたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部を備え、前記本体に対し移動可能に設けられた表示体と、
前記フードの前記表示部の表示側とは反対側の端部に突出して設けられ、前記押圧力が印加されると、前記表示体を前記表示側に押圧する押圧部と、
前記表示体が移動すると前記移動の方向とは逆向きの第2の反力を生成する第2の反力生成部と、
をさらに有し、
前記押圧部は、前記押圧力が印加されると、前記表示体を前記表示側に押圧することにより移動させ、前記表示体は、前記押圧力の印加が終了すると、前記第2の反力により移動前の位置に戻ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記フードは、前記フードの少なくとも2点を通る直線を軸として、前記表示部に対する上下方向に回動することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記フードは、前記フードの1点を通る直線を軸として、前記表示部の上下方向と平行な直線と垂直な上面を有し、前記上面に平行に回動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1の反力生成部は、前記フードと前記本体とに接続された弾性部材であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2の反力生成部は、前記表示体と前記本体とに接続された弾性部材であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項8】
前記本体は、前記本体の前記表示側の面と平行な面内において、前記表示部の上下方向と鋭角をなす直線に垂直な上面を有し、
前記フードは、前記上面と平行に回動することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記本体は、前記表示部と対向する側に突出する凸部を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の前記表示装置を複数備えた表示装置アレイであって、
前記表示装置の前記フードと前記回動軸との交点と、前記表示装置に隣接する表示装置との距離は、前記フードが回動する際の回動半径よりも大きいことを特徴とする表示装置アレイ。
【請求項11】
請求項5に記載の表示装置を、前記表示面内において第1の方向に対し所定の鋭角だけ同一の方向に傾けた状態で前記表示部の中心が前記第1の方向、または前記表示面内において前記第1の方向と直交する第2の方向の同一直線上にのるように、互いに前記フードの回動半径よりも近い距離に隣接させて複数配置したことを特徴とする表示装置アレイ。
【請求項12】
請求項8に記載の表示装置を、互いに前記フードの回動半径よりも近い距離に隣接させて複数配置したことを特徴とする表示装置アレイ。
【図7】
【図13】
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−173651(P2012−173651A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37694(P2011−37694)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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