説明

表示装置及び電子機器

【課題】画素回路にそれほど高い駆動電圧を印加することなく、動画ボケを低減すること
ができる表示装置を提供する。
【解決手段】複数の画素回路の各々は、第1のトランジスタ(TFT402)と、第1の
トランジスタを通して画像データに対応する電荷を蓄積して保持する容量素子410と、
容量素子に蓄積された電荷で導通量が制御される第2のトランジスタ(TFT401)と
、第2のトランジスタの導通量に応じた電流が電源線Lから供給される発光素子420と
、を有し、容量素子に並列に接続された第3のトランジスタ(TFT405)を画素回路
のそれぞれに設け、容量素子の容量値Cと第3のトランジスタのオフ抵抗値Rとからなる
時定数CRの時定数回路を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に動画ボケを解消して高画質の動画表示を可能とした表
示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に代わる表示装置として、有機EL素子(以下、OLED素子と称する。
)を備えた装置が注目されている。OLED(Organic Light Emitting Diode)素子は、
電気的にはダイオードのように動作し、光学的には、順バイアス時に発光して順バイアス
電流の増加にともなって発光輝度が増加する。
【0003】
OLED素子をマトリクス状に配列したアクティブマトリクス駆動方式の表示装置は、
複数の走査線と、複数のデータ線を備え、走査線とデータ線の交差部に対応して画素回路
が設けられている。すなわち、マトリクス状に配設した画素回路で表示部である画素領域
を形成している。ここで、画素回路は、データ線から供給される電流の値を記憶し、記憶
した電流値に対応する駆動電流をOLED素子に供給する機能を有する。
【0004】
アクティブマトリクス駆動方式の画素回路について説明する。図16はアクティブマト
リクス方式の画素回路の模式図である。図16に示すように、画素回路600は、2個の
TFT(Thin Film Transister)601、602と、容量素子610と、OLED素子6
20とを備えており、図示しない電源線から電源電圧Vddが供給されるようになっている

【0005】
駆動トランジスタであるTFT601はpチャネル型、スイッチングトランジスタであ
るTFT602はnチャネル型である。TFT601のソース電極は図示しない電源線に
接続される一方、そのドレイン電極はOLED素子620の陽極に接続される。
【0006】
容量素子610の一端は、図示しない電源線に接続されているが、他端は、TFT60
1のゲート電極及びTFT602のドレイン電極に接続される。TFT602のゲート電
極は図示しない走査線に接続されると共に、TFT602のソース電極は図示しないデー
タ線に接続される。なお、OLED素子620の陰極は、すべての画素回路に対して共通
の電極であり、GND電位となっている。
【0007】
このような構成において、走査信号YiがHレベルになるとnチャネルのTFT602が
オン状態となるので、データ線とTFT601のゲート電極及び容量素子610の一端と
が接続される。すると、TFT601のゲート電極の電圧に応じた電荷が容量素子610
に蓄積されると共に、TFT601のソース・ドレイン間及びOLED素子620には、
そのゲート電極の電圧に応じた注入電流Ioledが流れることになる。
【0008】
走査線YiがLレベルになるとTFT602がオフ状態となる。このとき、TFT601
のゲート電極における入力インピーダンスは極めて高いので、容量素子610の蓄積状態
は維持される。すなわち、TFT601のゲート電極の電圧は、走査線YiがHレベルであ
ったときの電圧のまま保持される。したがって、TFT601のソース・ドレイン間及び
OLED素子620には、そのゲート電極の電圧に応じた注入電流Ioledが流れつづける
ことになる。そして、これらの動作がフレームごとに行なわれることになる。すなわち、
このホールド駆動を行なう画素回路600では、フレームごとに一定の電流IoledがOL
ED素子620に流れつづけることになるので、図17に示すように、1フレームの間、
OLED素子620が一定の輝度で発光しつづけることになる。
【0009】
しかしながら、上述したように一定の輝度で発光する方式をホールド駆動というが、こ
の方式を行なう画素回路では、画素が常に発光しているので、動画を表示する際にその動
画の輪郭が不鮮明に表示される、いわゆる動画ボケが発生するという問題があった。
【0010】
それに対して、従来のCRTのように一瞬だけ高輝度を出す点灯方式をインパルス駆動と
いうが、この方式では動画ボケが発生しない。このインパルス駆動に近い発光を行なう画
素回路を用いると、以下に説明するように、スイッチング素子により発光期間を制御する
ことができるので、フレームとフレームとの間に黒を挿入し、動画ボケを低減させること
ができる。
【0011】
図18はインパルス駆動的な動作を行なう画素回路の模式図である。図18に示すよう
に、この画素回路700は、3個のTFT701〜703と、容量素子710と、OLE
D素子720とを備えており、図示しない電源線から電源電圧Vddが供給されるようにな
っている。
【0012】
駆動トランジスタであるTFT701はpチャネル型、スイッチングトランジスタであ
るTFT702、703はnチャネル型である。TFT701のソース電極は図示しない
電源線に接続される一方、そのドレイン電極はTFT703のドレイン電極にそれぞれ接
続される。
【0013】
容量素子710の一端は、図示しない電源線に接続されるが、他端はTFT701のゲ
ート電極及びTFT702のドレイン電極に接続される。TFT702のゲート電極は図
示しない走査線に接続されると共に、TFT702のソース電極は図示しないデータ線に
接続される。一方、TFT703のゲート電極は図示しない発光制御線に接続され、その
ソース電極はOLED素子720の陽極に接続される。そして、TFT703のゲート電
極には、図示しない発光制御線を介して発光制御信号Vgiが供給される。なお、OLED
素子720の陰極は、すべての画素回路に対して共通の電極であり、GND電位となって
いる。
【0014】
このような構成において、走査信号YiがHレベルになると、nチャネル型TFT702
がオン状態となるので、データ線とTFT701のゲート電極及び容量素子710の一端
とが接続される。すると、TFT701のゲート電極の電圧に応じた電荷が容量素子71
0に蓄積される。
【0015】
走査信号YiがLレベルになると、TFT702はオフ状態となる。このとき、TFT7
01のゲート電極における入力インピーダンスは極めて高いので、容量素子710におけ
る電荷の蓄積状態は維持される。すなわち、TFT701のゲート電極の電圧は、走査線
YiがHレベルであったときの電圧のまま保持される。そして、発光制御信号VgiがHレベ
ルになると、TFT703がオン状態となるので、TFT703のソース・ドレイン間及
びOLED素子720にそのゲート電圧に応じた注入電流Ioledが流れ、OLED素子7
20が発光することになる。それからVgiがLレベルになると、TFT703がオフ状態
となるので、TFT703のソース・ドレイン間及びOLED素子720に電流Ioledが
流れなくなり、OLED素子720は発光しなくなる。したがって、このようにTFT7
03を制御することにより、OLED素子720を瞬間的に発光させることができる。そ
して、これらの動作がフレームごとに行なわれることになる。すなわち、この駆動を行な
う画素回路700は、図19に示すように、フレームの初期に、瞬間的に高い輝度でOL
ED素子720を発光させた後、OLED素子720の発光を停止して黒を挿入すること
により、動画ボケを低減させることができる。
【0016】
なお、この種の技術を開示する公知文献として次の特許文献1を挙げることができる。
【0017】
【特許文献1】特開2001−60076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、動画ボケを低減させるためにインパルス駆動的な動作を行なう画素回路
は、従来の駆動を行なう画素回路と比較して発光期間が減少するため、輝度自体も低下し
てしまうので、輝度を維持するために発光輝度を上げていた。ちなみに、1フレーム内に
おける輝度×時間の積分値が人間に知覚される実際の輝度になる。したがって、瞬間的に
発光輝度を上げるために、より高い駆動電圧をOLED素子に印加する必要があり、画素
回路の回路的負荷が増大するという問題があった。
【0019】
本発明は、上述した事情に鑑み、画素回路に従来の動画ボケ対策駆動に必要となる高い
駆動電圧を印加することなく、動画ボケを低減することができる表示装置を提供すること
を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、複数の走査線と、各々に画像データが供給
される複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設
けられた複数の画素回路と、前記複数の画素回路の各々に電源電位を供給する電源線と、
を備え、前記複数の画素回路の各々は、第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタ
を通して画像データに対応する電荷を蓄積して保持する容量素子と、前記容量素子に蓄積
された電荷で導通量が制御される第2のトランジスタと、前記第2のトランジスタの導通
量に応じた電流が前記電源線から供給される発光素子と、を有し、前記容量素子に並列に
接続された第3のトランジスタを前記画素回路のそれぞれに設け、前記容量素子の容量値
Cと前記第3のトランジスタのオフ抵抗値Rとからなる時定数CRの時定数回路を構成す
ることを特徴とする表示装置にある。
かかる第1の態様では、画素回路にそれ程高い駆動電圧を印加することなく、動画ボケ
を低減することができる。
【0021】
本発明の第2の態様は、複数の走査線と、各々に画像データが供給される複数のデータ
線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素
回路と、前記複数の画素回路の各々に電源電位を供給する電源線と、を備え、前記複数の
画素回路の各々は、第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタを通して画像データ
に対応する電荷を蓄積して保持する容量素子と、前記容量素子に蓄積された電荷で導通量
が制御される第2のトランジスタと、前記第2のトランジスタの導通量に応じた電流が前
記電源線から供給される発光素子と、を有し、前記容量素子の一方の電極は前記電源線に
接続され、所定の参照電圧が印加される参照電圧線と、前記参照電圧線と前記容量素子の
他方の電極とに接続される第3のトランジスタとを前記画素回路のそれぞれに設け、前記
容量素子の容量値Cと前記第3のトランジスタのオフ抵抗値Rとからなる時定数CRの時
定数回路を構成すると共に前記発光素子の発光輝度を制御することを特徴とする表示装置
にある。
かかる第2の態様では、画素回路にそれ程高い駆動電圧を印加することなく、動画ボケ
を低減することができると共に、発光輝度を詳細に制御することができることができる。
【0022】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の表示装置において、前記参照電圧線に印加
される参照電圧は、所定のピーク輝度になるようにフレームの平均階調に関連して制御さ
れることを特徴とする表示装置にある。
かかる第3の態様では、フレームの平均階調に応じてピーク輝度を制御することができ
る。
【0023】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様に記載の表示装置において、前記デー
タ線に供給される画像データに応じたデータが供給される補助データ線と、前記補助デー
タ線と前記第3のトランジスタのゲート電極との間に設けられてスイッチング手段として
機能する第4のトランジスタとをさらに有し、前記第4のトランジスタは前記第1のトラ
ンジスタに同期して駆動させるようにしたことを特徴とする表示装置にある。
かかる第4の態様では、発光素子の発光輝度をより正確に制御することができる。
【0024】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様に記載の表示装置において、前記第3
のトランジスタは、前記第1のトランジスタよりもオフ抵抗値Rが低いことを特徴とする
表示装置。
かかる第5の態様では、発光輝度をさらに正確に制御することができる。
【0025】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様に記載の表示装置において、前記第3
のトランジスタのオフ抵抗値Rは、前記時定数回路の時定数CRが1フレーム期間より短
い値となることを特徴とする表示装置にある。
かかる第6の態様では、動画ボケをより効果的に低減することができる。
【0026】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様に記載の表示装置において、前記第3
のトランジスタのオフ抵抗値Rは、前記時定数回路の時定数CRが1フレーム期間の1/
2〜1/4となることを特徴とする表示装置にある。
かかる第7の態様では、動画ボケをさらに効果的に低減することができる。
【0027】
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様に記載の表示装置において、前記発光
素子は有機EL素子であることを特徴とする表示装置にある。
かかる第8の態様では、有機EL素子を用いて、上述した効果を有する表示装置を提供
することができる。
【0028】
本発明の第9の態様では、第1〜8の何れかの態様に記載の表示装置を備えた電子機器
にある。
かかる第9の態様では、動画ボケのない良好な表示性能を有する電子機器を提供するこ
とができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明
は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る表示装置の概略構成を示すブロック図である。同図に
示すように、電気光学装置Iは、画素領域A、走査線駆動回路100、データ線駆動回路
200、制御回路300及び電源回路500を備える。これらのうち、画素領域Aには、
X方向と平行にm本の走査線101が形成され、X方向と直交するY方向と平行にn本の
データ線103が形成されている。そして、走査線101とデータ線103との各交差点
に対応してOLED素子を含む画素回路400が各々設けられている。各画素回路400
には、電源電圧Vddが電源線Lを介して供給される。
【0030】
走査線駆動回路100は、複数の走査線101を順次選択するための走査信号Y1、Y
2、Y3、・・・、Ymを生成する。走査信号Y1〜YmはY転送開始パルスDYをYク
ロック信号YCLKに同期して順次転送することにより生成される。
【0031】
図2に走査信号Y1〜Ymのタイミングチャートの一例を示す。走査信号Y1は、1垂
直走査期間(1F)の最初のタイミングから、1水平走査期間(1H)に相当する幅のパ
ルスであって、1行目の走査線101に供給される。以降、このパルスを順次シフトして
、2、3、・・・、m行目の走査線101の各々に走査信号Y2、Y3、・・・、Ymと
して供給する。一般的にi(iは、1≦i≦mを満たす整数)行目の走査線101に供給
される走査信号YiがHレベルになると、当該走査線101が選択されたことを示す。
【0032】
データ線駆動回路200は、出力階調データDoutに基づいて、選択された走査線101
に位置する画素回路400の各々に対しその階調を表す電流信号Idata1、Idata2、Idata3
、Idata4、・・・、Idatanを供給する。すなわち、本例においては、階調信号は階調輝度
を指示する電流信号Idata1、Idata2、Idata3、Idata4、・・・、Idatanとして与えられ、
j(jは、1≦j≦nを満たす整数)列目のデータ線にはIdatajが供給される。
【0033】
制御回路300は、Yクロック信号YCLK、Xクロック信号XCLK、X転送開始パ
ルスDX、Y転送開始パルスDY等の各種の制御信号を生成してこれらを走査線駆動回路
100及びデータ線駆動回路200へ出力する。また、制御回路300は、外部から供給
される入力階調データDinにガンマ補正等の画像処理を施して出力階調データDoutを生成
する。この出力階調データDoutは、例えば8ビットの階調成分を所定の配列で並べたもの
である。
【0034】
次に、画素回路400について説明する。図3に、画素回路の模式図を示す。同図に示
す画素回路400は、i行j列目に対応するものであり、電源線Lを介して電源電圧Vdd
が供給される。画素回路400は、3個のTFT401、402、405と、容量素子4
10と、OLED素子420とを備える。TFT401、402、405の製造プロセス
では、レーザーアニールショットを利用してガラス基板の上にポリシリコン層が形成され
る。すなわち、TFT401、402、405を同一製造プロセスで容易かつ高密度で形
成することができる。また、OLED素子420は、陽極と陰極との間に発光層が挟持さ
れている。そして、OLED素子420は、順方向電流に応じた輝度で発光する。発光層
には、発光色に応じた有機EL(Electroluminescence)材料が用いられる。発光層の製
造プロセスでは、インクジェット方式のヘッドから有機EL材料を液滴として吐出し、こ
れを乾燥させている。なお、OLED素子420の陰極は、画素回路400のすべてに対
して共通の電極であり、GND電位となっている。
【0035】
駆動トランジスタであるTFT401はpチャネル型、スイッチングトランジスタであ
るTFT402及び抵抗として機能するTFT405はnチャネル型である。なお、TF
T401のソース電極は電源線Lに接続される一方、そのドレイン電極はOLED素子4
20に接続される。
【0036】
容量素子410の一端はTFT401のソース電極に接続される一方、その他端は、T
FT401のゲート電極及びTFT402のドレイン電極にそれぞれ接続される。TFT
402のソース電極はデータ線103に接続され、そのゲート電極は走査線101に接続
される。
【0037】
TFT405のドレイン電極は電源線Lに接続される一方、ソース電極はTFT401
のゲート電極及び容量素子410の他端に接続される。すなわち、TFT405は、容量
素子410と並列に配置されることになり、TFT405のオフ抵抗値Rと容量素子41
0の容量値Cとからなる時定数CRの時定数回路が構成されるようになっている。また、
TFT405のゲート電極は接地されており(上述した共通の電極に接続されている)、
オフ電位(GND電位)が印加される。すなわち、TFT405はオフ抵抗値Rの抵抗と
して機能することになる。なお、TFT405はTFT402のオフ抵抗値よりも小さな
オフ抵抗値Rを有するものであれば特に限定されないが、時定数回路の時定数CRが1フ
レーム期間の1/2〜1/4になるようなものが好ましい。すなわち、TFT405は、
TFT402と比較してオフ電流が大きなものが好ましい。TFT405のオフ電流(オ
フ抵抗値R)は、トランジスタのサイズ(W幅、L長)や成膜プロセスによってコントロ
ールすることができる。
【0038】
このような構成において、走査信号YiがHレベルになると、nチャネル型TFT402
がオン状態となるので、TFT401のゲート電極の電圧に応じた電荷が容量素子410
に蓄積されると共に、TFT401のゲート電極の電圧に応じた電流IoledがOLED素
子420に流れる。したがって、TFT401のゲート電極の電圧に応じてOLED素子
420が発光することになる。
【0039】
一方、TFT405は抵抗値Rの抵抗として機能するので、走査信号YiがHレベルにな
ると、TFT405のソース・ドレイン電極間の電圧とTFT405のオフ抵抗値Rとに
より決定されるリーク電流I405が流れる。
【0040】
そして、走査信号YiがLレベルになると、TFT402はオフ状態となる。このとき、
TFT401のゲート電極における入力インピーダンスは極めて高いので、TFT402
がオフ状態となった瞬間の容量素子410における電荷の蓄積状態は変化しない。すなわ
ち、走査信号YiがLレベルになった瞬間のTFT401のゲート電極の電圧は、電流Idat
aが流れたときの電圧に保持される。しかしながら、容量素子410の一端は、TFT4
05のソース電極に接続されているので、容量素子410に蓄積された電荷はリーク電流
I405としてTFT405のソース・ドレイン電極間を流れ、次第に減少することになる。
すなわち、容量素子410とTFT405とは時定数CRの時定数回路を構成しているの
で、容量素子410に蓄積された電荷は、TFT405のソース・ドレイン電極間の電圧
が等しくなるまで、時定数回路の時定数CRに従って減少することになる。すると、容量
素子410における電荷の蓄積状態と共にTFT401のゲート電極の電圧も低下し、そ
れに応じてOLED素子420を流れる電流Ioledも減少することになる。したがって、
結果として、時定数回路の時定数CRに従ってOLED素子420の発光輝度も低下する
ことになる。
【0041】
図4に、本実施形態のOLED素子420に流れる電流Ioled、TFT405のソース
・ドレイン電極間を流れる電流I405、走査信号Yi、及び図3に示すVgにおける電圧の一
例をそれぞれ示す。図4に示すように、走査信号Yiが入力されると、電流Ioled及び電流I
405が流れると共に、Vgの電圧が低下する。そして、しばらくすると、Vgにおける電
圧が示すように、容量素子410に蓄積された電荷が減少すると共に、容量素子410に
蓄積された電荷の蓄積状態に応じて、TFT401のゲート電極の電圧が低下する。する
と、電流IoledはTFT401のゲート電極の電圧に応じて流れるので、電流Ioledはフレ
ームの初期に大量に流れ、その後指数関数的に減少していく。そして、電流Ioledが完全
に流れなくなる前に、新たな走査信号Yiが入力され、新たなフレームが始まる。このよう
に、OLED素子420は、発光輝度を充分に低下させながらもフレームの終期まで発光
しつづけることができる。ここで、人間に知覚される輝度は、1フレーム内における輝度
×時間の積分値であることから、本実施形態の画素回路は、フレームの途中で完全に発光
しなくなる従来のインパルス駆動する画素回路と比較して、それ程高い駆動電圧を印加す
ることなく、動画ボケを低減することができるという効果を奏する。すなわち、本実施形
態の画素回路のOLED素子420は、発光輝度を充分に低下させながらもフレームの終
期まで発光しつづけるので、従来のインパルス駆動する画素回路のOLED素子と比較し
て、フレームの初期にそれ程の高い駆動電圧を印加してOLED素子を高輝度で発光させ
ることなく、従来のインパルス駆動する画素回路のOLED素子が1フレーム間に発光す
る発光量と同量の発光量を得ることができる。したがって、本実施形態の表示装置Iは、
画素回路400に高電圧もしくは高電流を印加することなく、動画ボケのない良好な表示
性能を保つことができるという効果を奏する。また、本実施形態の表示装置Iは、発光輝
度を制御することができるので、輝度のダイナミックレンジを広くすることができ、より
高画質な表示をすることができるという効果を奏する。さらに、画素回路400にそれ程
高い駆動電圧を印加する必要がないので、回路負荷を低減することができ、結果として表
示装置Iの寿命を延長させることができるという効果を奏する。
【0042】
(実施形態2)
実施形態1では、電源線Lを介してTFT405のドレイン電極に電源電圧Vddを供給
するように表示装置を構成したが、制御回路に参照電圧Vrefを生成する参照電圧生成部を
設け、参照電圧線を介してTFT405のドレイン電極に参照電圧Vrefを供給するように
表示装置を構成してもよい。このように表示装置を構成することにより、実施形態1で説
明した効果に加え、表示装置に表示される映像内容合わせて表示装置のピーク輝度を制御
することができることができるという効果を奏する。
【0043】
図5は本発明の実施形態2に係る表示装置の概略構成を示すブロック図である。同図に
示すように、電気光学装置IAは、画素領域A、走査線駆動回路100、データ線駆動回
路200、制御回路300A及び電源回路500を備える。そして、実施形態1に係る表
示装置と異なり、制御回路300Aと、画素領域Aを構成する画素回路400Aとを接続
する参照電圧線L2がさらに設けられており、制御回路300Aから画素回路400Aに
参照電圧Vrefを供給することができるようになっている。
【0044】
図6は、制御回路を抽出して詳細に示すブロック図である。同図に示すように、制御回
路300Aは表示制御部301と参照電圧生成部302とからなる。
【0045】
表示制御部301は、外部から供給される入力階調データDinに所定の画像処理を施し
て出力階調データDoutを形成するとともに、Yクロック信号YCLK、Xクロック信号X
CLK、X転送開始パルスDX、Y転送開始パルスDY等の各種の制御信号を生成してこ
れらを走査線駆動回路100及びデータ線駆動回路200(図5参照。)へ出力する。
【0046】
一方、参照電圧生成部302は、画像の平均階調に応じて最適な参照電圧Vrefを生成し
て画素回路400Aに供給する。参照電圧生成部302は、ヒストグラム検出部302a
と、平均階調値演算部302bと、電圧生成部302cとを有している。
【0047】
ヒストグラム検出部302aは入力画像信号に基づく所定フレーム(通常1フレーム)
分の入力階調データDinの各階調毎の度数分布を検出する。平均階調値演算部302bは
ヒストグラム検出部302aが検出した度数分布の平均値を演算する。電圧生成部302
cは、表示装置IAのピーク輝度が所定のピーク輝度になるように、平均階調値演算部3
02bにより算出された度数分布の平均値に応じて最適な参照電圧Vrefを出力する。ここ
で、その度数分布の平均値に応じて最適な参照電圧Vrefを出力する方法は特に限定されな
いが、LUT(Look Up Table)を用い、度数分布の平均値に対応して最適な参照電圧Vre
fを抽出し、その参照電圧Vrefを生成して出力する方法が好適である。これは最適な参照
電圧Vrefを予めテーブル化して記憶しておくものである。そして、その参照電圧Vrefが参
照電圧線L2を介して画素回路に供給される。
【0048】
図7は、本実施形態の画素回路の模式図である。図7に示すように、本実施形態の画素
回路400Aは、TFT405のドレイン電極が参照電圧線L2に接続される点が実施形
態1の画素回路と異なっており、その他の構成は実施形態1の画素回路と同様である。参
照電圧線L2には、上述したように、電源電圧Vddと異なる参照電圧Vrefが供給されてい
る。
【0049】
このような構成において、走査信号YiがHレベルになると、実施形態1の画素回路と同
様に、nチャネル型TFT402がオン状態となるので、TFT401のゲート電極の電
圧に応じた電荷が容量素子410に蓄積されると共に、TFT401のゲート電極の電圧
に応じた電流IoledがOLED素子420に流れる。したがって、TFT401のゲート
電極の電圧に応じてOLED素子420が発光することになる。
【0050】
一方、TFT405は抵抗値Rの抵抗として機能するので、走査信号YiがHレベルにな
ると、TFT405のソース・ドレイン電極間の電圧とTFT405の抵抗値Rとにより
決定されるリーク電流I405が流れる。
【0051】
そして、走査信号YiがLレベルになると、TFT402がオフ状態となるので、実施形
態1の画素回路と同様に、容量素子410における電荷の蓄積状態と共にTFT401の
ゲート電極の電圧が低下し、それに応じてOLED素子420を流れる電流Ioledも減少
し、結果として時定数回路の時定数CRに従ってOLED素子420の発光輝度も低下す
ることになる。
【0052】
ここで、TFT405のドレイン電極は参照電圧線L2に接続されているので、TFT
405のソース・ドレイン電極間の電圧は参照電圧VrefとTFT401のゲート電極の電
圧との差に該当する。したがって、参照電圧Vrefを制御することにより、リーク電流I405
を制御することができるので、上述したように、結果としてOLED素子420の発光量
を制御することができる。すなわち、制御回路300Aから表示装置IAのピーク輝度が
所定のピーク輝度になるような参照電圧Vrefをフレームごとに供給することにより、実施
形態1で説明した効果に加えて、表示装置IAのピーク輝度を動的に制御することができ
るという効果を奏する。
【0053】
図8に、本実施形態において、電源電圧Vddに対して参照電圧Vrefの大きさを相対的に
変化させた際のOLED素子420に流れる電流Ioledと時間の関係を示す。図8に示す
ように、電源電圧Vddに対して参照電圧Vrefが小さくなると、TFT405のソース・ド
レイン電極間の電圧が大きくなるので、OLED素子420を流れる電流Ioledが大きく
なる。一方、電源電圧Vddに対して参照電圧Vrefが大きくなると、TFT405のソース
・ドレイン電極間の電圧が小さくなるので、OLED素子420を流れる電流Ioledが小
さくなる。したがって、参照電圧Vrefを制御することにより、OLED素子420の発光
量を制御することができる。
【0054】
(実施形態3)
実施形態1及び2では、画素回路に設けられたTFT405のゲート電極は接地されて
おり、オフ電位(GND電位)が印加されていたが、階調データに応じてTFT405の
ゲート電極に印加される電圧を変化させるようにしてもよい。このように構成することに
より、OLED素子420の発光輝度をより正確に制御することができる。
【0055】
図9は、本発明の実施形態3に係る表示装置の概略構成を示すブロック図である。同図
に示すように、電気光学装置IBは、画素領域A、走査線駆動回路100、データ線駆動
回路200B、制御回路300及び電源回路500を備える。そして、実施形態1に係る
表示装置とは異なり、画素領域Aには、データ線103に隣接する補助データ線103a
がY方向に複数形成されている。なお、表示装置IBを構成するその他の構成要素は、実
施形態1のものと同様であるので、同符号を付して説明を省略する。
【0056】
そして、補助データ線103aには、データ線103に供給される電流信号に応じた補
助電流信号が供給されるようになっている。補助データ線103aに供給される補助電流
信号は、具体的には、電流信号をトランジスタのゲート電極に供給した際に、そのトラン
ジスタのゲート電極に印加される電圧よりも、所定の電圧分だけ高い電圧(例えば0.1
V高い)がトランジスタのゲート電極に印加されるようになるものである。
【0057】
ここで、補助データ線103aに供給される補助電流信号は、例えば図10に示すよう
なデータ変換回路210により生成することができる。データ変換回路210は、データ
線103ごとに、データ線駆動回路200B内に複数設けられるものである。以下では、
J番目の補助データ線103aに対応するデータ変換回路210について説明する。
【0058】
図10に示すように、データ変換回路210には、データ線103に接続されたDA変
換回路211Aと、補助データ線103aに接続された変換回路211Bとが設けられて
いる。そして、DA変換回路211Bは、演算回路215を介してDA変換回路211A
と接続されると共に、デジタル信号からなる階調データ信号Djが供給される階調データ
線Ldと接続されている。一方、DA変換回路211Aも同様に階調データ線Ldと直接
接続されている。
【0059】
ここで、DA変換回路211A及びDA変換回路211Bはデジタル‐アナログ変換器
(digital-to-analog converter)であり、入力されたデジタル信号からアナログ信号を生
成して出力することができるようになっている。そして、演算回路215は、階調データ
線Ldによって供給される階調データ信号Djから、階調データ信号Djによって指定さ
れる電流信号Idatajに応じた補助電流信号Idataj'を指定する階調データ信号Dj’を演
算して出力する回路である。すなわち、演算回路215は、階調データ信号Djに基づい
て、補助電流信号Idataj'を指定する階調データ信号Dj’をDA変換回路211Bに供
給することができるようになっている。ここで、補助電流信号Idataj'とは、上述したよ
うに、電流信号Idatajをトランジスタのゲート電極に供給した際に、そのトランジスタの
ゲート電極に印加される電圧よりも、所定の電圧分だけ高い電圧がトランジスタのゲート
電極に印加されるようになるものである。
【0060】
したがって、このデータ変換回路210によると、階調データ信号Djに基づいて、デ
ータ線103に電流信号Idatajを供給すると共に補助データ線103aに補助電流信号Id
ataj'を供給することができる。そして、その電流信号Idataj及び補助電流信号Idataj'が
画素回路400Bに供給される。
【0061】
図11は、本実施形態の画素回路の模式図である。図11に示すように、本実施形態の
画素回路400Bは、補助データ線103aが設けられると共に、TFT406を介して
補助データ線103aとTFT405のゲート電極とが接続されており、さらにTFT4
06のゲート電極がTFT402のゲート電極と同様に走査線101に接続されている点
が実施形態1の画素回路と異なっており、その他の構成は実施形態1の画素回路と同様で
ある。
【0062】
スイッチングトランジスタであるTFT406はnチャネル型であり、他のトランジス
タと同様に、製造プロセスではレーザーアニールショットを利用してガラス基板の上にポ
リシリコン層が形成される。
【0063】
このような構成において、走査信号YiがHレベルになると、nチャネル型TFT402
及びnチャネル型TFT406が共にオン状態となるので、TFT401のゲート電極の
電圧に応じた電荷が容量素子410に蓄積されると共にTFT401のゲート電極の電圧
に応じた電流IoledがOLED素子420に流れ、さらに補助データ線103aに印加さ
れた電圧がTFT405のゲート電極に印加されることになる。したがって、TFT40
1のゲート電極の電圧に応じてOLED素子420が発光すると共に、TFT405のゲ
ート電極に印加された電圧に応じた電流I405がTFT405のソース・ドレイン電極間を
流れることになる。
【0064】
そして、走査信号YiがLレベルになると、TFT402及びTFT406が共にオフ状
態となるので、TFT406のゲート電極に印加された電圧は保持されつつ、実施形態1
の画素回路と同様に、容量素子410における電荷の蓄積状態と共にTFT401のゲー
ト電極の電圧が低下し、それに応じてOLED素子420を流れる電流Ioledも減少し、
結果として時定数回路の時定数CRに従ってOLED素子420の発光輝度も低下するこ
とになる。
【0065】
ここで、TFT406のゲート電極に供給される補助電流信号Idataj'は、電流信号Ida
tajをトランジスタのゲート電極に供給した際に、そのトランジスタのゲート電極に印加
される電圧よりも、所定の電圧分だけ高い電圧がトランジスタのゲート電極に印加される
ようになるものである。すなわち、TFT405のゲート電極には、TFT405のソー
ス電極に印加される電圧よりも所定の電圧分だけ高い電圧が印加されることになる。
【0066】
図12に、TFT405のゲート・ソース電極間電圧Vgsと、TFT405のソース
・ドレイン電極間を流れる電流I405との関係を示す。図12に示すように、TFT405
のゲート・ソース電極間に印加される電圧が0V以上である場合には、TFT405のゲ
ート・ソース電極間の電圧Vgsが大きくなるにつれて電流I405が大きくなる。
【0067】
そこで、本実施形態の画素回路400Bについて考えると、上述したように、TFT4
05のゲート電極には、TFT405のソース電極に印加される電圧よりも所定の電圧分
だけ高い電圧が印加されるので、電流信号の電圧に関わらずTFT405のゲート・ソー
ス電極間には常に所定の電圧が印加されることになる。したがって、階調データに関わら
ず、一定の電流I405がTFT405のソース・ドレイン電極間を流れることになるので、
結果としてOLED素子420の発光輝度をより正確に制御することができる。
【0068】
なお、本実施形態では、データ変換回路210をデータ線駆動回路200B内に設けた
が、データ変換回路210を他の画素回路400の周辺回路部(周辺基板など)に設けて
もよい。
【0069】
(他の実施形態)
実施形態1〜3では、TFT405にnチャネルのトランジスタを用いたが、TFT4
05にpチャネルのトランジスタを用いることができることはいうまでもない。
【0070】
また、TFT405はTFT401、402と同じトランジスタで構成されてもよいし
、異なるトランジスタで構成されていてもよい。さらに、TFT405としては、オフ抵
抗値RがTFT402のオフ抵抗値よりも小さいトランジスタが好適である。TFT40
5として、オフ抵抗値RがTFT402よりも小さいものを用いることにより、TFT4
02のソース・ドレイン電極間を流れる電流を無視することができるので、TFT405
と容量素子410とからなる時定数回路の時定数CRを容易に決定することができる。す
なわち、TFT405として、オフ抵抗値RがTFT402よりも小さいものを用いるこ
とにより、発光輝度をより正確に制御することができる。
【0071】
さらに、実施形態1及び2では、TFT405のゲート電極は接地されており、そのゲ
ート電極にGND電位が印加されるので好適であるが、そのゲート電極に0〜GND電位
が印加されるようになっていればその接続先は特に限定されない。
【0072】
<応用例>
次に、上述した実施形態1〜3に係る表示装置を適用した電子機器について説明する。
図13に、上述した表示装置を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示
す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての表示装置Iと本体部20
10を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設
けられている。この表示装置はOLED素子420を用いるので、視野角が広く見易い画
面を表示できる。
【0073】
図14に、上述した表示装置を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000
は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとし
ての表示装置Iを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、表示装置
Iに表示される画面がスクロールされる。
【0074】
図15に、上述した表示装置を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Ass
istants)の構成を示す。携帯情報端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源
スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての表示装置Iを備える。電源スイッチ40
02を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が表示装置に表示される

【0075】
なお、上述した表示装置が適用される電子機器としては、図13〜図15に示すものの
他、大画面テレビ、コンピュータモニター、表示兼用照明装置、携帯電話機、ゲーム機、
電子ペーパー、運転操作パネル、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ビューファイン
ダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子
手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチ
パネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として
、上述した表示装置が適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施形態1に係る表示装置を示すブロック図である。
【図2】図1における走査信号と発光制御信号のタイミングチャートである。
【図3】図1に示す表示装置における画素回路を示す模式図である。
【図4】図3における時間と、電流Ioled、電流I405、走査信号Yi、及びVgにおける電圧との関係を示すグラフである。
【図5】実施形態2に係る表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図5における制御回路を抽出して詳細に示すブロック図である。
【図7】図5に示す表示装置における画素回路を示す模式図である。
【図8】図7における時間と電流との関係を示すグラフである。
【図9】実施形態3に係る表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】データ変換回路の一例を示すブロック図である。
【図11】図9に示す表示装置における画素回路を示す模式図である。
【図12】図11におけるTFTのゲート・ソース電極間電圧と電流との関係を示す図である。
【図13】表示装置を適用したモバイル型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。
【図14】表示装置を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。
【図15】表示装置を適用した携帯情報端末の構成を示す斜視図である。
【図16】ホールド駆動を行なう画素回路を示す模式図である。
【図17】図16におけるフレームと発光輝度との関係を示すグラフである。
【図18】インパルス駆動を行なう画素回路を示す模式図である。
【図19】図18におけるフレームと発光輝度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0077】
100 走査線駆動回路、 101 走査線、 103 データ線、 103 補助デ
ータ線、 200 データ線駆動回路、 210 データ変換回路、 300,300A
制御回路、 301 表示制御部、 302a ヒストグラム検出部、 302 参照
電圧生成部、 302c 電圧生成部、 302b 平均階調値演算部、 400,40
0A,400B 画素回路、 401,402,405,406 TFT、 410 容
量素子、 420 OLED素子、 500 電源回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査線と、
各々に画像データが供給される複数のデータ線と、
前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素回路と

前記複数の画素回路の各々に電源電位を供給する電源線と、を備え、
前記複数の画素回路の各々は、
第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタを通して画像データに対応する電荷を蓄積して保持する容量素子
と、
前記容量素子に蓄積された電荷で導通量が制御される第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの導通量に応じた電流が前記電源線から供給される発光素子と、
を有し、
前記容量素子に並列に接続された第3のトランジスタを前記画素回路のそれぞれに設け、
前記容量素子の容量値Cと前記第3のトランジスタのオフ抵抗値Rとからなる時定数CR
の時定数回路を構成することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
複数の走査線と、
各々に画像データが供給される複数のデータ線と、
前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素回路と

前記複数の画素回路の各々に電源電位を供給する電源線と、を備え、
前記複数の画素回路の各々は、
第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタを通して画像データに対応する電荷を蓄積して保持する容量素子
と、
前記容量素子に蓄積された電荷で導通量が制御される第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの導通量に応じた電流が前記電源線から供給される発光素子と、
を有し、
前記容量素子の一方の電極は前記電源線に接続され、
所定の参照電圧が印加される参照電圧線と、
前記参照電圧線と前記容量素子の他方の電極とに接続される第3のトランジスタとを前記
画素回路のそれぞれに設け、
前記容量素子の容量値Cと前記第3のトランジスタのオフ抵抗値Rとからなる時定数CR
の時定数回路を構成すると共に前記発光素子の発光輝度を制御することを特徴とする表示
装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置において、
前記参照電圧線に印加される参照電圧は、所定のピーク輝度になるようにフレームの平均
階調に関連して制御されることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の表示装置において、
前記データ線に供給される画像データに応じたデータが供給される補助データ線と、
前記補助データ線と前記第3のトランジスタのゲート電極との間に設けられてスイッチン
グ手段として機能する第4のトランジスタとをさらに有し、
前記第4のトランジスタは前記第1のトランジスタに同期して駆動させるようにしたこと
を特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の表示装置において、
前記第3のトランジスタは、前記第1のトランジスタよりもオフ抵抗値Rが低いことを特
徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の表示装置において、
前記第3のトランジスタのオフ抵抗値Rは、前記時定数回路の時定数CRが1フレーム期
間より短い値となることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の表示装置において、
前記第3のトランジスタのオフ抵抗値Rは、前記時定数回路の時定数CRが1フレーム期
間の1/2〜1/4となることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の表示装置において、
前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載の表示装置を備えた電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−256728(P2007−256728A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−82248(P2006−82248)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】