説明

表示装置

【課題】多色表示させるのに、赤、緑、青に共用の1本の表示データ線を使い、十分な輝度を有する表示装置を提供する。
【解決手段】1画素3が赤色発光ダイオード7,8と緑色発光ダイオード9と青色発光ダイオード10とからなり、複数の画素3が縦横に並べられた第1表示部Aと、各々が列状に並んだ各赤色発光ダイオード7,8と各緑色発光ダイオード9と各青色発光ダイオード10を各々、スタティック駆動する赤色用駆動回路D1〜D5と緑色用駆動回路D6〜D10と青色用駆動回路D11〜D15とを備え、1連の表示データS1は1本の第1共通線16Aを介して、各駆動回路D1〜D15へ出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置は例えば、特許文献1に示されている。この特許文献1の第2図によると、1画素が赤色発光ダイオードRと緑色発光ダイオードGとからなり、複数の画素2が縦横に並べられた表示器1が設けられている。そして、赤色用の表示データは、シフトレジスタ215と、ラッチ回路211と、ソースドライバ206を介して、赤色発光ダイオードRへ出力されている。緑色用の表示データは、シフトレジスタ214と、ラッチ回路210と、ソースドライバ205を介して、緑色発光ダイオードGへ出力されている。
【0003】
また、走査線は、シンクドライバ201と、ソースドライバ202と、デコーダ207を介して、信号源A,Bに接続され、ダイナミック駆動されている。
【特許文献1】特許第2931387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記装置では、赤色用の表示データと緑色用の表示データの2本を使用しているので、制御部(CPU等)は比較的に高速の物が要求され、コスト高になる第1の欠点がある。更に、上記装置では、例えば1/4デューティのダイナミック駆動しているので、各赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードは、全体時間の1/4しか電圧が供給されない。そのため、表示装置全体としては、輝度が不十分である、第2の欠点がある。特に、メッセージボードの様に、屋外に設置される表示装置では、この輝度不足は、好ましくない。
【0005】
そこで、本発明はこの様な従来の欠点を考慮して、多色表示させるのに、赤、緑、青に共用の1本の表示データ線を使い、十分な輝度を有する表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の本発明では、1画素が赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードとからなり、複数の前記画素が縦横に並べられた第1表示部と、各々が列状に並んだ前記各赤色発光ダイオードと前記各緑色発光ダイオードと前記各青色発光ダイオードを各々、スタティック駆動する赤色用駆動回路と緑色用駆動回路と青色用駆動回路とを備え、1連の表示データは1本の第1共通線を介して、前記各駆動回路へ出力される。
【0007】
請求項2の本発明では、各列状に並んだ前記各赤色発光ダイオードをスタティック駆動する前記赤色用駆動回路を各列毎に設け、各列状に並んだ前記各緑色発光ダイオードをスタティック駆動する前記緑色用駆動回路を各列毎に設け、各列状に並んだ前記各青色発光ダイオードをスタティック駆動する前記青色用駆動回路を各列毎に設けた。
【0008】
請求項3の本発明では、順次位相が異なる複数のラッチ信号を出力するラッチ信号源を設け、各赤色用駆動回路と各緑色用駆動回路と各青色用駆動回路へ各ラッチ信号を出力する事により、前記各駆動回路に対し、前記表示データを分割して保存させる。
【0009】
請求項4の本発明では、前記各駆動回路は前記各ラッチ信号の入力に従い、前記各発光ダイオードに対し、分割された前記表示データを出力する。
【0010】
請求項5の本発明では、行列状に前記表示データを記憶する記憶部を設け、前記記憶部の各列には、各列毎の前記赤色用駆動回路へ出力すべき赤色表示データと、各列毎の前記緑色用駆動回路へ出力すべき緑色表示データと、各列毎の前記青色用駆動回路へ出力すべき青色表示データとが保存され、前記記憶部の各行に保存された前記表示データは、前記第1表示部の各行に表示されるべき表示データと一致する。
【0011】
請求項6の本発明では、1画素が赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードとからなり、複数の前記画素が縦横に並べられ、前記第1表示部に隣接する第2表示部と、列状に並んだ前記各赤色発光ダイオードと前記各緑色発光ダイオードと前記各青色発光ダイオードを各々、スタティック駆動する第2赤色用駆動回路と第2緑色用駆動回路と第2青色用駆動回路とを備え、前記表示データは前記駆動回路と第2共通線を介して、前記各第2駆動回路へ出力される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の本発明では、1画素が赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードとからなり、複数の画素が縦横に並べられた第1表示部と、各々が列状に並んだ各赤色発光ダイオードと各緑色発光ダイオードと各青色発光ダイオードを各々、スタティック駆動する赤色用駆動回路と緑色用駆動回路と青色用駆動回路とを備え、1連の表示データは1本の第1共通線を介して、各駆動回路へ出力される。上記構成により、1本の第1共通線にて、赤、緑、青共用の1本の表示データ線を使うことができる。
【0013】
請求項2の本発明では、各列状に並んだ前記各赤色発光ダイオードをスタティック駆動する赤色用駆動回路を各列毎に設け、各列状に並んだ各緑色発光ダイオードをスタティック駆動する緑色用駆動回路を各列毎に設け、各列状に並んだ各青色発光ダイオードをスタティック駆動する青色用駆動回路を各列毎に設けた。この様に、赤、緑、青の各発光ダイオードの列毎に各駆動回路を設けるので、各駆動回路は少数の発光ダイオードに出力する物で良く、小型かつ安価な物を使うことができる。
【0014】
請求項3の本発明では、順次位相が異なる複数のラッチ信号を出力するラッチ信号源を設け、各赤色用駆動回路と各緑色用駆動回路と各青色用駆動回路へ各ラッチ信号を出力する事により、各駆動回路に対し、表示データを分割して保存させる。上記構成により、各駆動回路に対し、表示データを正確に分割して与えることができる。
【0015】
請求項4の本発明では、各駆動回路は各ラッチ信号の入力に従い、各発光ダイオードに対し、分割された表示データを出力する。上記構成により、各発光ダイオードに対し、表示データを正確に分割して与えることができる。
【0016】
請求項5の本発明では、行列状に前記表示データを記憶する記憶部を設け、記憶部の各列には、各列毎の赤色用駆動回路へ出力すべき赤色表示データと、各列毎の緑色用駆動回路へ出力すべき緑色表示データと、各列毎の青色用駆動回路へ出力すべき青色表示データとが保存され、記憶部の各行に保存された表示データは、第1表示部の各行に表示されるべき表示データと一致する。上記構成により、本発明の多色表示装置は、従来の単色表示装置と、略同じデータ量を扱う事になる。その結果、本発明の多色表示装置は、従来と同程度の性能を持つ制御手段を用いることができ、コストが安くて済む。
【0017】
請求項6の本発明では、1画素が赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードとからなり、複数の画素が縦横に並べられ、第1表示部に隣接する第2表示部と、列状に並んだ各赤色発光ダイオードと各緑色発光ダイオードと各青色発光ダイオードを各々、スタティック駆動する第2赤色用駆動回路と第2緑色用駆動回路と第2青色用駆動回路とを備え、表示データは駆動回路と第2共通線を介して、各第2駆動回路へ出力される。上記構成により、第1表示部に第2表示部を加えても、赤、緑、青共用の1本の表示でデータ線を使うことができる。更に、各駆動回路および各第2駆動回路はスタティック駆動するので、全期間中の全点灯時間を100%近くに設定できる。その結果、赤、緑、青の各発光ダイオードによる輝度は十分なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、図1ないし図9に従い、本発明を実施するための最良の形態に係る表示装置1を説明する。図1(a)は表示装置1の正面図、図1(b)は表示装置1の左側面図、図2(a)は表示装置1の背面図、図2(b)は表示装置1の右側面図である。図3は表示装置1のブロック図、図4は表示装置1に用いられる制御手段2のブロック図、図5は表示装置1の部分正面図である。図6は第1表示部Aを構成する1つの画素3の正面図、図7は表示装置1に用いられるラッチ信号源4の配線図である。図8は、表示装置1に用いられる第1表示セットA1の電気回路図である。図9は、表示装置1に用いられる記憶部5内の模式図である。
【0019】
第1表示部Aは例えば、縦に8個、横に5個の複数の画素3が並んだものであり、各画素3は回路基板6A上に固定されている(図1と図5を参照)。1つの画素3は例えば、2個の赤色発光ダイオード7,8と、緑色発光ダイオード9と、青色発光ダイオード10とが近接して配置されたものである(図6を参照)。
【0020】
第2表示部Bは第1表示部Aに近接して上方に配置され、縦に8個、横に5個の複数の画素3が並んだものであり、各画素3は回路基板6B上に固定されている(図1と図5を参照)。
【0021】
第3表示部Cは第2表示部Bに近接して上方に配置され、縦に8個、横に5個の複数の画素3が並んだものであり、各画素3は回路基板6C上に固定されている(図1を参照)。
【0022】
第4表示部Dは第3表示部Cに近接して上方に配置され、縦に8個、横に5個の複数の画素3が並んだものであり、各画素3は回路基板6D上に固定されている(図1を参照)。
【0023】
第5表示部Eは第1表示部Aと対向する位置に配置され、縦に8個、横に5個の複数の画素3が並んだものであり、各画素3は回路基板6E上に固定されている(図2を参照)。
【0024】
第6表示部Fは第5表示部Eの上方に配置され、縦に8個、横に5個の複数の画素3が並んだものであり、各画素3は回路基板6F上に固定されている(図2を参照)。
【0025】
第7表示部Gは第6表示部Fの上方に配置され、縦に8個、横に5個の複数の画素3が並んだものであり、各画素3は回路基板6G上に固定されている(図2を参照)。
【0026】
第8表示部Hは第7表示部Gの上方に配置され、縦に8個、横に5個の複数の画素3が並んだものであり、各画素3は回路基板6H上に固定されている(図2を参照)。
【0027】
枠体11は例えば、平面から見れば、角筒状に形成され、側面から見れば、長方形状に形成されている。回路基板6A,6B,6C,6Dは各々、枠体11の表面に当接され、ネジにより固定されている。回路基板6E,6F,6G,6Hは各々、枠体11の裏面に当接され、ネジにより固定されている。
【0028】
カバー12は例えば、アクリル樹脂の様な透明な材質からなり、略角筒状に形成されている。カバー12は、第1表示部A、第2表示部B、第3表示部C、第4表示部D,第5表示部E、第6表示部F、第7表示部G、第8表示部Hを覆う様に、枠体11に対して、ボルト13にて固定されている。
【0029】
上カバー14は、第4表示部Dおよび第8表示部Hの上部に固定され、下カバー15は、第1表示部Aおよび第5表示部Eの下方に固定されている(図1と図2を参照)。
【0030】
第1表示部Aにおいて、赤色発光ダイオード7,8は直列に接続されている。各列状に並んだ各赤色発光ダイオード7,8をスタティック駆動する赤色用駆動回路D1〜D5が各列毎に設けられている(図8を参照)。
【0031】
即ち、第1列に位置する8組の赤色発光ダイオード7,8の直列接続体の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、直列接続体の陰極は各々、赤色用駆動回路D1の各出力端子に接続されている。
【0032】
第2列に位置する8組の赤色発光ダイオード7,8の直列接続体の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、直列接続体の陰極は各々、赤色用駆動回路D2の各出力端子に接続されている。
【0033】
第3列に位置する8組の赤色発光ダイオード7,8の直列接続体の陽極は共通化されて電源電圧V−LEDに接続され、直列接続体の陰極は各々、赤色用駆動回路D3の各出力端子に接続されている。
【0034】
第4列に位置する8組の赤色発光ダイオード7,8の直列接続体の陽極は共通化されて電源電圧V−LEDに接続され、直列接続体の陰極は各々、赤色用駆動回路D4の各出力端子に接続されている。
【0035】
第5列に位置する8組の赤色発光ダイオード7,8の直列接続体の陽極は共通化されて電源電圧V−LEDに接続され、直列接続体の陰極は各々、赤色用駆動回路D5の各出力端子に接続されている。
【0036】
第1表示部Aにおいて、各列状に並んだ各緑色発光ダイオード9をスタティック駆動する緑色用駆動回路D6〜D10が各列毎に設けられている(図8を参照)。
【0037】
即ち、第1列に位置する8個の緑色発光ダイオード9の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、各陰極は各々、緑色用駆動回路D6の各出力端子に接続されている。
【0038】
第2列に位置する8個の緑色発光ダイオード9の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、各陰極は各々、緑色用駆動回路D7の各出力端子に接続されている。
【0039】
第3列に位置する8個の緑色発光ダイオード9の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、各陰極は各々、緑色用駆動回路D8の各出力端子に接続されている。
【0040】
第4列に位置する8個の緑色発光ダイオード9の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、各陰極は各々、緑色用駆動回路D9の各出力端子に接続されている。
【0041】
第5列に位置する8個の緑色発光ダイオード9の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、各陰極は各々、緑色用駆動回路D10の各出力端子に接続されている。
【0042】
第1表示部Aにおいて、各列状に並んだ各青色発光ダイオード10をスタティック駆動する青色用駆動回路D11〜D15が各列毎に設けられている(図8を参照)。
【0043】
即ち、第1列に位置する8個の青色発光ダイオード10の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、各陰極は各々、青色用駆動回路D11の各出力端子に接続されている。
【0044】
第2列に位置する8個の青色発光ダイオード10の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、各陰極は各々、青色用駆動回路D12の各出力端子に接続されている。
【0045】
第3列に位置する8個の青色発光ダイオード10の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、各陰極は各々、青色用駆動回路D13の各出力端子に接続されている。
【0046】
第4列に位置する8個の青色発光ダイオード10の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、各陰極は各々、青色用駆動回路D14の各出力端子に接続されている。
【0047】
第5列に位置する8個の青色発光ダイオード10の陽極は共通化されて、電源電圧V−LEDに接続され、各陰極は各々、青色用駆動回路D15の各出力端子に接続されている。
【0048】
以上の構成をまとめる。各々が列状に並んだ各赤色発光ダイオード7,8と、各緑色発光ダイオード9と、各青色発光ダイオード10を各々スタティック駆動する赤色用駆動回路D1〜D5と、緑色用駆動回路D6〜D10と、青色用駆動回路D11〜D15とが設けられている。
【0049】
第1共通線16Aは導電性材質からなり、各駆動回路D1〜D15の各入力端子に接続されている。第1共通線16Aには、表示データS1と、クロック信号Cと、階調信号Iとが入力される。この様にして、1連の表示データS1は、1本の共通線16Aを介して各駆動回路D1〜D15へ出力される。これらの第1共通線16Aと、第1表示部Aと、駆動回路D1〜D15等により、第1表示セットA1が構成されている。
【0050】
同様に、第2表示部Bにおいて、行列状に並んだ赤色発光ダイオード7,8を各々、スタティック駆動する第2赤色用駆動回路D16〜D20が設けられている。行列状に並んだ緑色発光ダイオード9を各々、スタティック駆動する第2緑色用駆動回路D21〜D25が設けられている。行列状に並んだ青色発光ダイオード10を各々、スタティック駆動する第2緑色用駆動回路D26〜D30が設けられている。
【0051】
第2共通線16Bは導電性材質からなり、各第2駆動回路D16〜D30の各入力端子に接続されている。第2共通線16Bには、赤色用駆動回路D1から、表示データS1が入力される。この様にして、表示データS1は、駆動回路D1と、第2共通線16Bを介して、第2駆動回路D16〜D30へ出力される。また、クロック信号Cと階調信号Iは第2共通線16Bを介して、各第2駆動回路D16〜D30の各入力端子へ出力される。これらの第2共通線16Bと、第2表示部Bと、駆動回路D16〜D30等により、第2表示セットB1が構成されている。
【0052】
上記第1表示セットA1および第2表示セットB1と同様にして、各表示部C,D,E,F,G,Hと、各駆動回路(図示せず)と、各第2共通線(図示せず)とにより、第3表示セットC1と、第4表示セットD1と、第5表示セットE1と、第6表示セットF1と、第7表示セットG1と、第8表示セットH1とが構成されている(図3を参照)。
【0053】
図7に示す様に、ラッチ信号源4は例えばデコーダからなる。ラッチ信号源4は、アドレス信号a,b,c,dと基本ラッチ信号LTが入力される。ラッチ信号源4は、順次、位相が異なる複数の(16個)ラッチ信号LT−1〜LT−Gを出力する。
【0054】
ラッチ信号LT−1は、初期からロウレベルで、時刻T1から数μSの間がハイレベルで、その後はロウレベルで、時刻(T1+t)から数μSの間がハイレベルで、その後はロウレベルの波形を繰り返すものである。
【0055】
ラッチ信号LT−2は、ラッチ信号LT−1の波形がTμSだけ遅延したものである。同様に、ラッチ信号LT−Fは、ラッチ信号LT−1の波形が、(14・T)μSだけ遅延されたものである。ラッチ信号LT−Gは、ラッチ信号LT−1の波形が、(15・T)μSだけ遅延されたものである。
【0056】
図8に示す様に、ラッチ信号源4は各赤色用駆動回路D1,D2,D3,D4,D5に対し、各ラッチ信号LT−1,LT−2,LT−3,LT−4,LT−5を出力する。ラッチ信号源4は各緑色用駆動回路D6,D7,D8,D9,D10に対し、各ラッチ信号LT−6,LT−7,LT−8,LT−9,LT−Aを出力する。ラッチ信号源4は各青色用駆動回路D11,D12,D13,D14,D15に対し、各ラッチ信号LT−B,LT−V,LT−D,LT−E,LT−Fを出力する。なお、ラッチ信号LT−Gは利用されない。
【0057】
ラッチ信号LT−1が赤色用駆動回路D1へ出力されると、ラッチ信号LT−1は初期がロウレベルであるので、赤色用駆動回路D1は表示データS1を読み込まない。その結果、赤色用駆動回路D1は、8個の出力端子に対し、表示データS1を出力しない。
【0058】
そして、時刻T1に到った時、ラッチ信号LT−1はハイレベルに変化すると、赤色用駆動回路D1(シフトレジスタ等からなる)は、クロック信号Cに従い、表示データS1から、第1の表示データ(8個)を読み込み、保存する。
【0059】
その後、赤色用駆動回路D1は、8個の出力端子に対し、各々の表示データを出力する。そして、ラッチ信号LT−1はロウレベルに戻る。この様にして、8組の赤色発光ダイオード7,8に対し、各表示データが出力される。その結果、8組の赤色発光ダイオード7,8は各表示データに従い、各々、点灯または非点灯を行う。
【0060】
次に、時刻T1+tに到った時に、ラッチ信号LT−1はハイレベルに変化すると、赤色用駆動回路D1は、表示データS1から、8個の表示データを読み込み、上書き保存する。
【0061】
その後、赤色用駆動回路D1は、8個の出力端子に対し、上記第1の表示データ(8個)を出力し、ラッチ信号LT−1はロウレベルに戻る。その結果、8組の赤色発光ダイオード7,8は、上記第1の表示データ(8個)に従い、各々、点灯または非点灯を行う。この様にして、赤色用駆動回路D1は、同様の動作を繰り返す。
【0062】
更に、ラッチ信号LT−2が赤色用駆動回路D2へ出力されると、ラッチ信号LT−2は初期がロウレベルであるので、赤色用駆動回路D2は表示データS1を読み込まない。その結果、赤色用駆動回路D2は、8個の出力端子に対して、表示データS1を出力しない。
【0063】
そして、時刻(T1+T)に到った時、ラッチ信号LT−2はハイレベルに変化すると赤色用駆動回路D2(シフトレジスタ等からなる)は、クロック信号Cに従い、表示データS1から、第2の表示データ(8個)を読み込み、保存する。
【0064】
その後、赤色用駆動回路D2は、8個の出力端子に対し、各々の表示データを出力する。そして、ラッチ信号LT−2はロウレベルに戻る。この様にして、8組の赤色発光ダイオード7,8に対し、各表示データが出力される。その結果、8組の赤色発光ダイオード7,8は各表示データに従い、各々、点灯または非点灯を行う。
【0065】
次に、時刻(T1+T+t)に到った時に、ラッチ信号LT−2はハイレベルに変化すると、赤色用駆動回路D2は、表示データS1から、第2の表示データ(8個)を読み込み、上書き保存する。
【0066】
その後、赤色用駆動回路D2は、8個の出力端子に対し、上記第2の表示データ(8個)を出力し、ラッチ信号LT−2はロウレベルに戻る。その結果、8組の赤色発光ダイオード7,8は、上記第2の表示データ(8個)に従い、各々、点灯または非点灯を行う。この様にして、赤色用駆動回路D2は、同様の動作を繰り返す。
【0067】
同様にして、各駆動回路D3〜D5は、表示データS1を8個ずつ分割して読み込み、保存する。この様にして、各駆動回路D1〜D15は、ラッチ信号LT−1〜LT−Fの入力に従い、各発光ダイオード7,8,9,10に対し、8個ずつに分割された表示データを出力する。
【0068】
なお、上記例では説明しなかったが、第5表示部Eと、第6表示部Fと、第7表示部Gと、第8表示部Hも、上記第1表示部Aと、第2表示部Bと、第3表示部Cと、第4表示部Dと同様の動作(表示)を行う。
【0069】
次に、主に図3と図4に従い、表示装置1の電気的構成を説明する。これらの図において、電源プラグ17の入力側は、電源コンセント(例えば、交流100ボルト)に挿入される。電源プラグ17の出力側は、電源コード18を介して、フィルター部19の入力側に接続される。フィルター部19の出力側は、電源部20の入力側に接続されている。
【0070】
フィルター部19は、入力された交流100ボルトのノイズをフィルターするものである。電源部20は、交流100ボルトが入力されると、所定の電圧(例えば、直流5ボルト)に設定された直流電圧を供給するものである。
【0071】
電源部20の一方の出力電圧は分岐部21を介して、表示セットA,B,C,Dへ供給される。電源部20の他方の出力電圧は分岐部22を介して、表示セットE1,F1,G1,H1へ供給される。
【0072】
分岐部21の出力電圧は、制御手段2へ供給される。制御手段2は例えば、点灯制御回路23と、制御部24と、記憶部5と、ロム25と、フォントロム26と、I/Oポート27等からなる。
【0073】
点灯制御回路23は例えば集積回路素子(IC)等からなり、入力側は制御部24に接続されている。点灯制御回路23は、第1表示セットA1〜第8表示セットH1に対して表示データS1と、クロック信号Cと、階調信号Iと、ラッチ信号LT−1〜LT−Fを出力する。この様に、ラッチ信号源4は点灯制御回路23に内蔵されても良いし、外付けされても良い。
【0074】
制御部24は例えばCPU等からなり、各部品23,5,25,26,27等を制御する。記憶部5は例えば、ラム等からなり、この表示装置1の動作に必要な各種データを記憶するものである。
【0075】
ロム25は、制御部24の制御プログラムを記憶している。フォントロム25は、文字データなどを記憶している。
【0076】
カード28は例えば、表示装置1に表示すべきデータが書き込まれている。読み取り部29は、挿入されたカード28に書き込まれたデータを読み取り、制御手段2へ出力するものである。
【0077】
読み取り部30は、リモコン31から放射された赤外線を検知し、制御手段2へ出力するものである。センサ32は、表示装置1の所定の個所の温度値または輝度値を測定し、制御手段2へ出力するものである。
【0078】
次に、図9に従い、記憶部5内の説明を行う。記憶部5は、行列状に表示データを記憶している。例えば、記憶部5の第17列33において、各列毎の赤色用駆動回路D1へ出力すべき8個の赤色表示データが保存されている。
【0079】
記憶部5の第18列において、各列毎の赤色用駆動回路D2へ出力すべき8個の赤色表示データが保存されている。
【0080】
記憶部5の第19列において、各列毎の赤色用駆動回路D3へ出力すべき8個の赤色表示データが保存されている。
【0081】
記憶部5の第20列において、各列毎の赤色用駆動回路D4へ出力すべき8個の赤色表示データが保存されている。
【0082】
記憶部5の第21列において、各列毎の赤色用駆動回路D5へ出力すべき8個の赤色表示データが保存されている。
【0083】
また、記憶部5の第22列34において、各列毎の緑色用駆動回路D6へ出力すべき8個の緑色表示データが保存されている。
【0084】
記憶部5の第23列において、各列毎の緑色用駆動回路D7へ出力すべき8個の緑色表示データが保存されている。
【0085】
記憶部5の第24列において、各列毎の緑色用駆動回路D8へ出力すべき8個の緑色表示データが保存されている。
【0086】
記憶部5の第25列において、各列毎の緑色用駆動回路D9へ出力すべき8個の緑色表示データが保存されている。
【0087】
記憶部5の第26列において、各列毎の緑色用駆動回路D10へ出力すべき8個の緑色表示データが保存されている。
【0088】
また、記憶部5の第27列35において、各列毎の青色用駆動回路D11へ出力すべき8個の青色表示データが保存されている。
【0089】
記憶部5の第28列において、各列毎の青色用駆動回路D12へ出力すべき8個の青色表示データが保存されている。
【0090】
記憶部5の第29列において、各列毎の青色用駆動回路D13へ出力すべき8個の青色表示データが保存されている。
【0091】
記憶部5の第30列において、各列毎の青色用駆動回路D14へ出力すべき8個の青色表示データが保存されている。
【0092】
記憶部5の第31列において、各列毎の青色用駆動回路D15へ出力すべき8個の青色表示データが保存されている。
【0093】
また、記憶部5の第1行36に保存された15個の表示データは、第1表示部Aの第1行に表示されるべき表示データと一致する様に、構成されている。
【0094】
同様に、記憶部5の各行に保存された15個ずつの表示データは、第1表示部Aの各行に表示されるべき表示データと一致する様に、構成されている。この様にして、記憶部5において、第1表示部Aに表示すべき表示データ37が記憶されている。
【0095】
同様に、記憶部5において、第2表示部Bに表示すべき表示データ38が記憶されている。また、記憶部5において、第3表示部Cに表示すべき表示データ39が記憶されている。同様に、記憶部5において、第4表示部Dに表示すべき表示データ40が記憶されている。この様に、記憶部5において、表示データが記憶されている。記憶部5において、第16列目と第32列目には、表示データは記憶されていない。
【0096】
従来、本発明者は、1文字が縦16ドット×横16ドットの表示部を2個使い、単色表示をさせていた。この従来の表示装置と比較し、本発明の表示装置1では、縦が16ドットで、横が30ドットのデータを扱うので、データ量は従来より少ない。
【0097】
その結果、本表示装置1は3色の発光ダイオードを用いた多色表示にかかわらず、従来と同程度の性能を持つ制御手段2を用いる事ができ、コストが安い。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1(a)は、本発明を実施するための最良の形態に係る表示装置1の正面図、図1(b)は、表示装置1の左側面図である。
【図2】図2(a)は、本発明を実施するための最良の形態に係る表示装置1の背面図、図2(b)は、表示装置1の右側面図である。
【図3】本表示装置1のブロック図である。
【図4】本表示装置1に用いられる制御手段2のブロック図である。
【図5】本表示装置1の部分正面図である
【図6】第1表示部Aを構成する1つの画素3の正面図である。
【図7】本表示装置1に用いられるラッチ信号源4の配線図である。
【図8】本表示装置1に用いられる第1表示セットA1の電気回路図である。
【図9】本表示装置1に用いられる記憶部5内の模式図である。
【符号の説明】
【0099】
3 画素
7,8 赤色発光ダイオード
9 緑色発光ダイオード
10 青色発光ダイオード
16A 第1共通線
D1〜D5 赤色用駆動回路
D6〜D10 緑色用駆動回路
D11〜D15 青色用駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1画素が赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードとからなり、複数の前記画素が縦横に並べられた第1表示部と、各々が列状に並んだ前記各赤色発光ダイオードと前記各緑色発光ダイオードと前記各青色発光ダイオードを各々、スタティック駆動する赤色用駆動回路と緑色用駆動回路と青色用駆動回路とを備え、1連の表示データは1本の第1共通線を介して、前記各駆動回路へ出力される事を特徴とする表示装置。
【請求項2】
各列状に並んだ前記各赤色発光ダイオードをスタティック駆動する前記赤色用駆動回路を各列毎に設け、各列状に並んだ前記各緑色発光ダイオードをスタティック駆動する前記緑色用駆動回路を各列毎に設け、各列状に並んだ前記各青色発光ダイオードをスタティック駆動する前記青色用駆動回路を各列毎に設けた事を特徴とする請求項1の表示装置。
【請求項3】
順次位相が異なる複数のラッチ信号を出力するラッチ信号源を設け、各赤色用駆動回路と各緑色用駆動回路と各青色用駆動回路へ各ラッチ信号を出力する事により、前記各駆動回路に対し、前記表示データを分割して保存させる事を特徴とする請求項2の表示装置。
【請求項4】
前記各駆動回路は前記各ラッチ信号の入力に従い、前記各発光ダイオードに対し、分割された前記表示データを出力する事を特徴とする請求項3の表示装置。
【請求項5】
行列状に前記表示データを記憶する記憶部を設け、前記記憶部の各列には、各列毎の前記赤色用駆動回路へ出力すべき赤色表示データと、各列毎の前記緑色用駆動回路へ出力すべき緑色表示データと、各列毎の前記青色用駆動回路へ出力すべき青色表示データとが保存され、前記記憶部の各行に保存された前記表示データは、前記第1表示部の各行に表示されるべき表示データと一致する事を特徴とする請求項2の表示装置。
【請求項6】
1画素が赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードとからなり、複数の前記画素が縦横に並べられ、前記第1表示部に隣接する第2表示部と、列状に並んだ前記各赤色発光ダイオードと前記各緑色発光ダイオードと前記各青色発光ダイオードを各々、スタティック駆動する第2赤色用駆動回路と第2緑色用駆動回路と第2青色用駆動回路とを備え、前記表示データは前記駆動回路と第2共通線を介して、前記各第2駆動回路へ出力される事を特徴とする請求項1の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−64726(P2006−64726A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−243583(P2004−243583)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】