表示装置
表示装置1は、絶縁基板10と、絶縁基板10と向き合った封止部材3と、絶縁基板10と封止部材3との間に介在すると共に、各々がマイクロキャビティ構造40を含み、マイクロキャビティ構造40は、反射層41と、反射層41と向き合った半透鏡層43と、反射層41と半透鏡層43との間に介在した光源42とを含んだ複数の画素と、半透鏡層43と向き合った拡散層60とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置は自己発光表示装置であって、広視野角及び高速応答を達成し得る。また、有機EL表示装置は、バックライトが不要であるため、薄型軽量に形成可能である。これらの理由から、近年、有機EL表示装置は、液晶表示装置に代わる表示装置として注目されている。
【0003】
有機EL表示装置の主要部である有機EL素子は、光透過性の前面電極と、これと対向した光反射性又は光透過性の背面電極と、それらの間に介在すると共に発光層を含んだ有機物層とで構成されている。有機EL素子は、有機物層に電流を流すことにより発光する電荷注入型の自発光素子である。有機EL素子が放出した光は、指向性のない自然光として、例えばガラス基板を通って表示装置の外部へと進行する。
【0004】
有機EL表示装置は、基板上に形成された多層膜を含んでいる。発光層が放出した光は、この多層膜内で繰り返し反射干渉を生じる。そのため、表示装置の発光効率及びこれが放出する光の色純度は、多層膜の構造に依存する。
【0005】
特許文献1は、光共振器構造,すなわち、マイクロキャビティ構造,を採用した有機EL素子を開示している。この有機EL素子では、発光層を含んだ有機物層は、高反射率の界面で挟まれている。マイクロキャビティ構造は、発光層が放出する光のうち、共振波長の光を強め、それ以外の波長の光を弱める。したがって、有機EL表示装置の有機EL素子にマイクロキャビティ構造を採用すると、表示装置の発光効率とこれが放出する光の色純度とを著しく高めることができる。
【0006】
しかしながら、本発明者らは、本発明を為すに際し、マイクロキャビティ構造を表示装置に採用した場合、以下の問題を生じ得ることを見出している。すなわち、マイクロキャビティ構造を採用した表示装置は、指向性の高い光を放出する。そのため、表示画像の明るさが、観察角度に応じて大きく変化する。加えて、マイクロキャビティ構造の斜め方向に進行する光についての光路長は、マイクロキャビティ構造の法線方向に進行する光についての光路長とは異なっている。そのため、マイクロキャビティ構造を採用した表示装置で表示した画像は、観察角度に応じて色度が変化する。マイクロキャビティ構造を表示装置に採用すると、表示品位が著しく低下する可能性がある。
【特許文献1】特開平11−288786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、マイクロキャビティ構造を採用した表示装置の表示品位を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によると、絶縁基板と、前記絶縁基板と向き合った封止部材と、前記絶縁基板と前記封止部材との間に介在すると共に、各々がマイクロキャビティ構造を具備し、前記マイクロキャビティ構造は、反射層と、前記反射層と向き合った半透鏡層と、前記反射層と前記半透鏡層との間に介在した光源とを具備した複数の画素と、前記半透鏡層と向き合った拡散層とを具備した表示装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図である。図2は、図1に示す表示装置の部分断面図である。図3は、図1及び図2の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図である。なお、図1及び図2では、表示装置を、その表示面、すなわち前面又は光出射面、が上方を向き、背面が下方を向くように描いている。
【0011】
図1及び図2に示す表示装置1は、アクティブマトリクス型駆動方式を採用した上面発光型の有機ELカラー表示装置である。この有機EL表示装置1は、アレイ基板2と、封止部材3とを含んでいる。
【0012】
封止部材3は、この例ではガラス基板であって、そのアレイ基板2との対向面は例えば凹形状を有している。アレイ基板2と封止部材3とは、周縁部同士が例えば接着剤やフリットシールなどで結合しており、これにより、それらの間に気密な密閉空間を形成している。この密閉空間は、例えば、窒素ガスなどの不活性ガスが充填されているか又は真空である。
【0013】
アレイ基板2と封止部材3との間の密閉空間に樹脂などの固体を充填する封止技術を用いてもよい。或いは、封止部材3として、ガラス基板の代わりに、例えば、有機材料層、無機材料層、又は有機材料層と無機材料層との積層体を使用する薄膜封止技術を用いていてもよい。
【0014】
有機EL表示装置1は、その前面側の最表面上に、偏光板4をさらに含んでいてもよい。偏光板4は、表示面が外光を反射するのを抑制するうえで有用である。
【0015】
アレイ基板2は、ガラス基板などの絶縁基板10を含んでいる。
【0016】
絶縁基板10上では、複数の画素がマトリクス状に配列している。各画素は、画素回路と有機EL素子40とを含んでいる。
【0017】
画素回路は、例えば、一対の電源端子間で有機EL素子40と直列に接続された駆動トランジスタ(図示せず)及び出力制御スイッチ20と、画素スイッチ(図示せず)とを含んでいる。駆動トランジスタのゲートは、画素の列に対応して敷設された映像信号線(v図示せず)に画素スイッチを介して接続されている。駆動トランジスタは、映像信号線から供給される映像信号に対応した大きさの電流を、出力制御スイッチ20を介して、有機EL素子40へと出力する。画素スイッチのゲートは、画素の行に対応して敷設された走査信号線(図示せず)に接続されている。画素スイッチのスイッチング動作は、走査信号線から供給される走査信号によって制御される。なお、画素回路には、他の構造を採用することも可能である。
【0018】
絶縁基板10上には、アンダーコート層12として、例えば、SiNx層とSiOx層とが順次形成されている。アンダーコート層12上には、例えばチャネル、ソース及びドレインが形成されたポリシリコン層である半導体層13、例えばTEOS(tetraethyl orthosilicate)などを用いて形成されるゲート絶縁膜14、及び例えばMoWなどからなるゲート電極15が順次積層されており、それらはトップゲート型の薄膜トランジスタ(以下、TFTと称す)を構成している。この例では、画素スイッチ、出力制御スイッチ20、駆動トランジスタのTFTとして利用している。また、ゲート絶縁膜14上には、ゲート電極15と同一工程で形成可能な走査信号線がさらに配置されている。
【0019】
ゲート絶縁膜14及びゲート電極15は、例えばプラズマCVD法などにより成膜されたSiOxなどからなる層間絶縁膜17で被覆されている。層間絶縁膜17上にはソース及びドレイン電極16が配置されており、それらは、例えばSiNxなどからなるパッシベーション膜18で被覆されている。ソース及びドレイン電極16は、例えばMo/Al/Moの三層構造を有しており、層間絶縁膜17に設けられたコンタクトホールを介してTFTのソース及びドレインにそれぞれ電気的に接続されている。また、層間絶縁膜17上には、ソース及びドレイン電極16と同一の工程で形成可能な映像信号線がさらに配置されている。
【0020】
パッシベーション膜18上には、平坦化層19が形成されている。平坦化層19上には光反射性の第1電極41が、互いから離間されて並置されている。各第1電極41は、パッシベーション膜18及び平坦化層19に設けた貫通孔を介して出力制御スイッチ20のドレイン電極16に接続されている。
【0021】
第1電極41は、この例では陽極である。第1電極41の材料としては、例えばAl、Ag、Au、Crなどを用いることができる。
【0022】
平坦化層19上には、隔壁絶縁層50がさらに配置されている。この隔壁絶縁層50には、第1電極41に対応した位置に貫通孔が設けられている。隔壁絶縁層50は、例えば、有機絶縁層であり、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。
【0023】
隔壁絶縁層50の貫通孔内で露出した第1電極41上には、発光層420を含んだ活性層,或いは有機物層,42が配置されている。
【0024】
発光層420は、例えば、発光色が赤色、緑色、又は青色のルミネセンス性有機化合物を含んだ薄膜である。活性層42は、発光層420以外の層をさらに含むことができる。活性層42は、例えば、発光層420への正孔の注入を媒介する役割を果たす正孔注入層421をさらに含むことができる。また、活性層42は、正孔輸送層422、正孔ブロッキング層423、電子輸送層、電子注入層425、バッファ層426などもさらに含むことができる。発光層420以外の層には、無機材料及び有機材料の何れを使用してもよい。
【0025】
隔壁絶縁層50及び活性層42は、光透過性の第2電極43で被覆されている。第2電極43は、この例では、陰極である。また、第2電極43は、この例では、全画素に対応した領域に広がった連続膜としての共通電極である。第2電極43は、パッシベーション膜18と平坦化層19と隔壁絶縁層50とに設けられたコンタクトホール(図示せず)を介して、映像信号線と同一の層上に形成された電源線(図示せず)に電気的に接続されている。各有機EL素子40は、第1電極41、活性層42、第2電極43により構成されている。
【0026】
第2電極上には、拡散層60が配置されている。拡散層60には、様々な構造を採用することができる。
【0027】
図4乃至図7は、図1及び図2の表示装置で使用可能な拡散層の例を概略的に示す断面図である。
【0028】
図4に示す拡散層60は、その表面に不規則な凹凸が設けられている光透過性の層である。この拡散層60は、表示画像の明るさ及び色度の観察方向依存性を低減する。加えて、この拡散層60は、その光散乱効果により、表示装置1の内部からその外部へと進行する光の光量を高める。すなわち、この拡散層60は、取り出し効率を高める。
【0029】
図4の拡散層60は、図2の例では、それ自体を単独で取り扱うことができる樹脂シート又は樹脂フィルムである。この場合、拡散層60は、例えば、接着剤層61により第2電極43に貼り付けることができる。接着剤層61の厚さは、通常、20μm以上である。そのような厚さの接着剤層61は、第2電極43の表面に凹凸があった場合に、接着剤層61と第2電極43との間などに隙間が生じるのを防止する。
【0030】
図5に示す拡散層60は、第2電極43上に配置された光透過性粒子62からなる。光透過性粒子62は、透明粒子62aを接着剤62bで被覆してなり、この接着剤62bにより、光透過性粒子62同士の結合及び光透過性粒子62と第2電極43との結合が為されている。図5の拡散層60は、例えば、第2電極43上に光透過性粒子62を湿式又は乾式で散布することにより形成することができる。或いは、図6に示す拡散層60は、接着剤層61上に透明粒子62aを湿式又は乾式で散布することにより得られる。図5及び図6に示す拡散層60は、光散乱効果により、取り出し効率を高める。
【0031】
図7に示す拡散層60は、光透過性樹脂63とこの中で分散した粒子64とを含んだ光散乱層である。粒子64は、光透過性樹脂63とは光学特性,例えば屈折率,が異なっている。この拡散層60は、例えば、粒子64と光透過性樹脂63の材料とを含有した塗工液を封止部材3上に塗布し、この塗膜を硬化させることにより得られる。なお、この光透過性樹脂63は、活性層42のガラス転移温度以下で硬化する材料から選択される。
【0032】
図5乃至図7の拡散層60では、光透過性粒子62aや粒子64の材料として、TiO2やZrO2などのように導波層と比較して屈折率がより高いものを使用してもよい。この場合、屈折率が1.5程度の樹脂などを使用した場合と比較して、より高い取り出し効率を実現することができる。
【0033】
この表示装置1において、有機EL素子40は、マイクロキャビティ構造MCの少なくとも一部を形成している。マイクロキャビティ構造MCは、互いに向き合った反射層RF及び半透鏡層HMと、それらの間に介在した光源LSとを含んでいる。この例では、反射層RFは第1電極41である。半透鏡層HMは、例えばMgAgからなるバッファ層426である。光源LSは、正孔注入層421と正孔輸送層422と発光層420と正孔ブロッキング層423と電子注入層425とを含んだ積層体である。
【0034】
反射層RFは、光反射性を有する層であり、典型的には金属薄膜である。半透鏡層HMは、光透過性と光反射性とを有する層である。半透鏡層HMは、反射層RFと比較して透過率がより大きい。反射層RFは、半透鏡層HMと比較して反射率がより大きい。例えば、反射層RFの反射率は30%以上であり、半透鏡層HMの反射率は15%以上である。
【0035】
マイクロキャビティ構造MCでは、波長λが下記等式(1)に示す関係を満足している光は強められる。他方、波長λが下記等式(2)に示す関係を満足している光は弱められる。なお、Lは反射層RFと半透鏡層HMとの間の光路長であり、Φ1は半透鏡層HMで反射されることによる光の位相シフトであり、Φ2は反射層RFで反射されることによる光の位相シフトであり、mは整数である。
【数1】
【0036】
等式(1)及び(2)から明らかなように、マイクロキャビティ構造MCを採用すると、特定の方向から観察した画像の輝度と色純度とを高めることができる。但し、光路長Lは、視角θの関数である。具体的には、光路長Lは、1/cosθに比例する。
【0037】
したがって、光路長Lの最小値L0を大きくすると、指向性が高くなる。すなわち、視角θの僅かなずれが、輝度に大きく影響する。
【0038】
他方、光路長Lの最小値L0を小さくすると、視角θのずれが輝度に与える影響は小さくなる。但し、この場合、発光色が互いに異なる画素間で、光路長Lの最小値L0を等しくすることが難しくなる。すなわち、表示装置の構造やその製造プロセスが複雑化する可能性がある。
【0039】
この表示装置1では、マイクロキャビティ構造MCの前面側に、拡散層60を配置している。そのため、以下に説明するように、表示画像の明るさが観察角度に応じて大きく変化することや、表示画像の色度が観察角度に応じて大きく変化することを防止できる。すなわち、本態様によると、高い表示品位を実現できる。
【0040】
図8は、図1及び図2の構造から拡散層を省略した表示装置の発光スペクトルの例を示すグラフである。図9は、図1及び図2に示す表示装置の発光スペクトルの例を示すグラフである。なお、ここでは、拡散層60には図6の構造を採用した。
【0041】
図8及び図9において、横軸は波長を示し、縦軸は表示装置1の発光強度を示している。曲線A1及びA2は、表示面を法線方向(視角θ=0°)から観察した場合における表示装置1の発光スペクトルを示している。曲線B1及びB2は、表示面を法線方向に対して60°の角度を為す方向(視角θ=60°)から観察した場合における表示装置1の発光スペクトルを示している。
【0042】
図8に示すように、拡散層60を省略した表示装置では、視角θが60°変化するのに応じ、ピーク波長は約100nm変化する。これに対し、拡散層60を含む表示装置1では、図9に示すように、視角θが60°変化しても、ピーク波長は変化していない。このように、マイクロキャビティ構造MCを含んだ表示装置では、拡散層60をマイクロキャビティ構造MCの前面側に配置することにより、色度の観察方向依存性を低減することができる。
【0043】
図10は、視角と表示装置の輝度との関係の例を示すグラフである。図中、横軸は表示面に平行な方向を示し、縦軸は表示面に垂直な方向を示している。曲線Cは、図1及び図2の構造から拡散層60を省略した表示装置の輝度を示している。曲線Dは、図1及び図2の表示装置の輝度を示している。原点から曲線C又D上の或る点までの距離は、その点と原点とを通る直線に平行な方向から表示面を見た場合の輝度に相当している。なお、この直線と縦軸とが為す角度は視角θである。
【0044】
曲線Cから明らかなように、拡散層60を省略した表示装置は、視角θが0°から僅かにずれると、輝度が大幅に低下する。他方、拡散層60を含んだ表示装置1は、曲線Dから明らかなように、視角θが0°から大きくずれても、輝度の低下は僅かである。すなわち、拡散層60を含んだ表示装置1は、拡散層60を省略した表示装置と比較して、輝度の観察方向依存性が小さい。
【0045】
なお、光路長Lの最小値L0が小さい場合であっても、最小値L0の僅かなずれが輝度及び色度に大きな影響を与える。すなわち、マイクロキャビティ構造を採用した場合には、各層の膜厚を高精度に管理することが必要であった。また、光路長Lの最小値L0を小さくすると、塵などの付着に起因した電極同士の短絡が生じ易くなる。
【0046】
本態様では、上記の効果を得るうえで、光路長Lの最小値L0を小さくする必要がなく、各層の膜厚を高精度に管理する必要もない。したがって、本態様によると、製造が容易になると共に、歩留まりを高めることができる。
【0047】
この表示装置1には、様々な変形が可能である。
図11は、一変形例に係る表示装置を概略的に示す断面図である。図11の表示装置1は、拡散層60を第2電極43上に貼り付ける代わりに、封止部材3と偏光板4との間に配置していること以外は、図1及び図2の表示装置1とほぼ同様の構造を有している。このように、拡散層60の位置は、マイクロキャビティ構造MCの前面側であれば、特に制限はない。
【0048】
図1及び図2に示す表示装置1のマイクロキャビティ構造MCには、様々な変形が可能である。
【0049】
図12及び図13は、図1及び図2の表示装置に採用可能な構造の他の例を概略的に示す断面図である。
【0050】
図12のマイクロキャビティ構造MCでは、第1電極41は、光透過性電極である。そして、第1電極41の背面側には、反射層RFが配置されている。これ以外は、図12のマイクロキャビティ構造MCは、図3のマイクロキャビティ構造MCとほぼ同様の構造を有している。なお、このマイクロキャビティ構造MCは、正孔ブロッキング層423と電子注入層425との間に電子輸送層424をさらに含んでいる。
【0051】
図12のマイクロキャビティ構造MCにおいて、第1電極41の材料としては、例えばITO(indium tin oxide)を使用することができる。また、反射層RFの材料としては、例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、及びCuなどを使用することができる。
【0052】
図13のマイクロキャビティ構造MCでは、バッファ層426は半透鏡層HMとしての役割を果たしておらず、第2電極43上に半透鏡層HMが配置されている。これ以外は、図13のマイクロキャビティ構造MCは、図12のマイクロキャビティ構造MCとほぼ同様の構造を有している。
【0053】
図13のマイクロキャビティ構造MCにおいて、バッファ層426としては、例えば、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属をドープした有機層を使用することができる。また、半透鏡層HMとしては、例えば、誘電体からなる多層膜又は金属薄膜を使用することができる。
【0054】
半透鏡層HMとして金属薄膜を用いた場合、通常、高い反射率が得られる波長範囲が広い。他方、半透鏡層HMとして誘電体からなる多層膜を使用した場合、通常、高い反射率が得られる波長範囲が狭い。但し、一般に、多層膜を使用した場合、より高い透過率が得られる。
【0055】
図1及び図11には上面発光型表示装置を示したが、本発明は下面発光型(bottom emission)表示装置にも適用可能である。
【0056】
図14は、他の変形例に係る表示装置を概略的に示す断面図である。図15は、図14の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図である。なお、図14では、表示装置を、その表示面、すなわち前面又は光出射面、が下方を向き、背面が上方を向くように描いている。
【0057】
図14の表示装置1では、図1の表示装置1とは異なり、拡散層60と偏光板4とをアレイ基板2の外面上に順次配置している。図14の表示装置1は、この構造に加え、図15の構造を採用したこと以外は、図1及び図2の表示装置1とほぼ同様の構造を有している。
【0058】
図15の構造では、図3の構造からバッファ層426を省略し、正孔ブロッキング層423と電子注入層425との間に電子輸送層424をさらに配置している。図15の構造では、第1電極41は光透過性電極であり、第2電極43は反射層RFであり、第1電極41の前面側に半透鏡層HMをさらに配置している。
【0059】
第2電極43の材料としては、例えば、Al及び/又はMgAgを使用することができる。半透鏡層HMとしては、例えば、誘電体からなる多層膜又は金属薄膜を使用することができる。
【0060】
図1及び図11などを参照して説明したように、表示装置1は上面発光型であってもよい。或いは、図14などを参照して説明したように、表示装置1は下面発光型であってもよい。
【0061】
図13に示すように、有機EL素子40の全体が反射層RFと半透鏡層HMとに挟まれていてもよい。すなわち、有機EL素子40は、マイクロキャビティ構造MCの一部であってもよい。或いは、有機EL素子40自体がマイクロキャビティ構造MCであってもよい。或いは、図2と図11と図15とに示すように、有機EL素子40の一部のみが反射層RFと半透鏡層HMとに挟まれていてもよい。すなわち、有機EL素子40の一部がマイクロキャビティ構造MCの一部であってもよい。
【0062】
有機EL素子40は、白色に発光するものであってもよい。この場合、例えば、カラーフィルタを使用することにより、カラー画像を表示することができる。
【0063】
拡散層60は、特定の発光色の画素に対応した位置にのみ配置し、他の発光色の画素に対応した位置に配置しなくてもよい。この場合、例えば、拡散層60と向き合っていない画素において、波長λが上記等式(1)に示す関係を満足するように光路長Lを定める。こうすると、拡散層60と向き合っていない画素において、波長λが上記等式(1)に示す関係を満足していなくても、十分なカラーバランスを実現できる。
【0064】
上述した表示装置1には、以下の構成を採用してもよい。
図16は、図1及び図2に示す表示装置の画素の一部に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図である。図17は、図1及び図2に示す表示装置の画素の他の一部に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図である。
【0065】
図16の構造は、反射層RFと第1電極41との間に光学調整層70をさらに含んでいること以外は、図12の構造と同様である。図17の構造は、図12の構造と同様である。
【0066】
上記等式(1)及び(2)から分かるように、法線方向から画面を観察した場合の輝度は、波長λと光路長Lとに依存する。そのため、マイクロキャビティ構造MCによって発光効率及び色純度を高める効果を、発光色が互いに異なる全ての画素で得るためには、通常、発光色毎に光路長Lを設定する必要がある。
【0067】
しかしながら、一般に、有機EL素子40の層構造は、電子・正孔の注入バランスや輝度劣化などを考慮して決定する。そのため、最適な光路長Lを実現することが難しい場合がある。
【0068】
このような場合には、例えば、或る発光色の画素に図16の構造を採用し、他の発光色の画素に図17の構造を採用する。図16の構造を採用した画素は、光学調整層70を含んでいるので、図17の構造を採用した画素とは光路長Lが異なっている。図16の構造を採用した画素では、光学調整層70の光学特性と厚さとによって、光路長Lを最適化することができる。しかも、光学調整層70は陽極41と反射層RFとの間に配置するので、電子・正孔の注入バランスや輝度劣化などに影響を与えない。
【0069】
したがって、或る発光色の画素に図16の構造を採用し、他の発光色の画素に図17の構造を採用すると、電子・正孔の注入バランスや輝度劣化などに影響を与えることなく、法線方向から画面を観察した場合の輝度などを最適化することができる。すなわち、より優れた表示品位を実現することが可能となる。
【0070】
図18は、光学調整層として屈折率が1.5の樹脂層を用いた場合における光学調整層の厚さと干渉次数との関係の例を示すグラフである。図中、横軸は光学調整層70の厚さを示し、縦軸はマイクロキャビティ構造MC中を膜面に対して法線方向に進行する光の干渉次数を示している。また、図中、参照符号B、G、Rは、それぞれ、発光色が青(λ=480nm)、緑(λ=530nm)、赤(λ=630nm)の画素についてシミュレーションを行うことにより得られたデータを示している。なお、このシミュレーションに際しては、発光色が青、緑、赤の有機EL素子40は、発光層420の材料が異なること以外は同一の構造を有しているとした。
【0071】
図18に示すデータによると、発光色が青及び緑色の画素については、例えば光学調整層70の厚さを約100nmとした場合に、干渉次数は整数に近い値(約2)になる。また、発光色が赤色の画素については、例えば光学調整層70を配置しない場合に、干渉次数は整数に近い値(約1)になる。すなわち、発光色が青及び緑色の画素にのみ厚さ約100nmの光学調整層70を配置すると、各発光色の画素で高い正面輝度が得られる。
【0072】
以上、或る色で発光する画素についてのみ、陽極41と反射層RFとの間に光学調整層70を配置することを説明したが、先の効果は、他の構造を採用した場合にも得ることができる。例えば、全ての画素について陽極41と反射層RFとの間に光学調整層70を配置し、発光色が互いに異なる画素間で、光学調整層70の光学的厚さを異ならしめてもよい。例えば、図18に示す例では、発光色が青及び緑色の画素に厚さ約100nmの光学調整層70を配置し、発光色が赤色の画素に厚さ約180nmの光学調整層70を配置してもよい。
【0073】
さらなる利益及び変形は、当業者には容易である。それゆえ、本発明は、そのより広い側面において、ここに記載された特定の記載や代表的な態様に限定されるべきではない。したがって、添付の請求の範囲及びその等価物によって規定される本発明の包括的概念の真意又は範囲から逸脱しない範囲内で、様々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図。
【図2】図1に示す表示装置の部分断面図。
【図3】図1及び図2の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図。
【図4】図1及び図2の表示装置で使用可能な拡散層の例を概略的に示す断面図。
【図5】図1及び図2の表示装置で使用可能な拡散層の例を概略的に示す断面図。
【図6】図1及び図2の表示装置で使用可能な拡散層の例を概略的に示す断面図。
【図7】図1及び図2の表示装置で使用可能な拡散層の例を概略的に示す断面図。
【図8】図1及び図2の構造から拡散層を省略した表示装置の発光スペクトルの例を示すグラフ。
【図9】図1及び図2に示す表示装置の発光スペクトルの例を示すグラフ。
【図10】視角と表示装置の輝度との関係の例を示すグラフ。
【図11】一変形例に係る表示装置を概略的に示す断面図。
【図12】図1及び図2の表示装置に採用可能な構造の他の例を概略的に示す断面図。
【図13】図1及び図2の表示装置に採用可能な構造の他の例を概略的に示す断面図。
【図14】他の変形例に係る表示装置を概略的に示す断面図。
【図15】図14の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図。
【図16】図1及び図2に示す表示装置の画素の一部に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図。
【図17】図1及び図2に示す表示装置の画素の他の一部に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図。
【図18】光学調整層として屈折率が1.5の樹脂層を用いた場合における光学調整層の厚さと干渉次数との関係の例を示すグラフ。
【符号の説明】
【0075】
1…有機EL表示装置、2…アレイ基板、3…封止部材、4…偏光板、10…絶縁基板、12…アンダーコート層、13…半導体層、14…ゲート絶縁膜、15…ゲート電極、16…ソース及びドレイン電極、17…層間絶縁膜、18…パッシベーション膜、19…平坦化層、20…出力制御スイッチ、40…有機EL素子、41…第1電極、42…活性層、43…第2電極、50…隔壁絶縁層、60…拡散層、61…接着剤層、62…光透過性粒子、62a…透明粒子、62b…接着剤、63…光透過性樹脂、64…粒子、70…光学調整層、420…発光層、421…正孔注入層、422…正孔輸送層、423…正孔ブロッキング層、424…電子輸送層、425…電子注入層、426…バッファ層、MC…マイクロキャビティ構造、RF…反射層、HM…半透鏡層、LS…光源。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置は自己発光表示装置であって、広視野角及び高速応答を達成し得る。また、有機EL表示装置は、バックライトが不要であるため、薄型軽量に形成可能である。これらの理由から、近年、有機EL表示装置は、液晶表示装置に代わる表示装置として注目されている。
【0003】
有機EL表示装置の主要部である有機EL素子は、光透過性の前面電極と、これと対向した光反射性又は光透過性の背面電極と、それらの間に介在すると共に発光層を含んだ有機物層とで構成されている。有機EL素子は、有機物層に電流を流すことにより発光する電荷注入型の自発光素子である。有機EL素子が放出した光は、指向性のない自然光として、例えばガラス基板を通って表示装置の外部へと進行する。
【0004】
有機EL表示装置は、基板上に形成された多層膜を含んでいる。発光層が放出した光は、この多層膜内で繰り返し反射干渉を生じる。そのため、表示装置の発光効率及びこれが放出する光の色純度は、多層膜の構造に依存する。
【0005】
特許文献1は、光共振器構造,すなわち、マイクロキャビティ構造,を採用した有機EL素子を開示している。この有機EL素子では、発光層を含んだ有機物層は、高反射率の界面で挟まれている。マイクロキャビティ構造は、発光層が放出する光のうち、共振波長の光を強め、それ以外の波長の光を弱める。したがって、有機EL表示装置の有機EL素子にマイクロキャビティ構造を採用すると、表示装置の発光効率とこれが放出する光の色純度とを著しく高めることができる。
【0006】
しかしながら、本発明者らは、本発明を為すに際し、マイクロキャビティ構造を表示装置に採用した場合、以下の問題を生じ得ることを見出している。すなわち、マイクロキャビティ構造を採用した表示装置は、指向性の高い光を放出する。そのため、表示画像の明るさが、観察角度に応じて大きく変化する。加えて、マイクロキャビティ構造の斜め方向に進行する光についての光路長は、マイクロキャビティ構造の法線方向に進行する光についての光路長とは異なっている。そのため、マイクロキャビティ構造を採用した表示装置で表示した画像は、観察角度に応じて色度が変化する。マイクロキャビティ構造を表示装置に採用すると、表示品位が著しく低下する可能性がある。
【特許文献1】特開平11−288786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、マイクロキャビティ構造を採用した表示装置の表示品位を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によると、絶縁基板と、前記絶縁基板と向き合った封止部材と、前記絶縁基板と前記封止部材との間に介在すると共に、各々がマイクロキャビティ構造を具備し、前記マイクロキャビティ構造は、反射層と、前記反射層と向き合った半透鏡層と、前記反射層と前記半透鏡層との間に介在した光源とを具備した複数の画素と、前記半透鏡層と向き合った拡散層とを具備した表示装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図である。図2は、図1に示す表示装置の部分断面図である。図3は、図1及び図2の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図である。なお、図1及び図2では、表示装置を、その表示面、すなわち前面又は光出射面、が上方を向き、背面が下方を向くように描いている。
【0011】
図1及び図2に示す表示装置1は、アクティブマトリクス型駆動方式を採用した上面発光型の有機ELカラー表示装置である。この有機EL表示装置1は、アレイ基板2と、封止部材3とを含んでいる。
【0012】
封止部材3は、この例ではガラス基板であって、そのアレイ基板2との対向面は例えば凹形状を有している。アレイ基板2と封止部材3とは、周縁部同士が例えば接着剤やフリットシールなどで結合しており、これにより、それらの間に気密な密閉空間を形成している。この密閉空間は、例えば、窒素ガスなどの不活性ガスが充填されているか又は真空である。
【0013】
アレイ基板2と封止部材3との間の密閉空間に樹脂などの固体を充填する封止技術を用いてもよい。或いは、封止部材3として、ガラス基板の代わりに、例えば、有機材料層、無機材料層、又は有機材料層と無機材料層との積層体を使用する薄膜封止技術を用いていてもよい。
【0014】
有機EL表示装置1は、その前面側の最表面上に、偏光板4をさらに含んでいてもよい。偏光板4は、表示面が外光を反射するのを抑制するうえで有用である。
【0015】
アレイ基板2は、ガラス基板などの絶縁基板10を含んでいる。
【0016】
絶縁基板10上では、複数の画素がマトリクス状に配列している。各画素は、画素回路と有機EL素子40とを含んでいる。
【0017】
画素回路は、例えば、一対の電源端子間で有機EL素子40と直列に接続された駆動トランジスタ(図示せず)及び出力制御スイッチ20と、画素スイッチ(図示せず)とを含んでいる。駆動トランジスタのゲートは、画素の列に対応して敷設された映像信号線(v図示せず)に画素スイッチを介して接続されている。駆動トランジスタは、映像信号線から供給される映像信号に対応した大きさの電流を、出力制御スイッチ20を介して、有機EL素子40へと出力する。画素スイッチのゲートは、画素の行に対応して敷設された走査信号線(図示せず)に接続されている。画素スイッチのスイッチング動作は、走査信号線から供給される走査信号によって制御される。なお、画素回路には、他の構造を採用することも可能である。
【0018】
絶縁基板10上には、アンダーコート層12として、例えば、SiNx層とSiOx層とが順次形成されている。アンダーコート層12上には、例えばチャネル、ソース及びドレインが形成されたポリシリコン層である半導体層13、例えばTEOS(tetraethyl orthosilicate)などを用いて形成されるゲート絶縁膜14、及び例えばMoWなどからなるゲート電極15が順次積層されており、それらはトップゲート型の薄膜トランジスタ(以下、TFTと称す)を構成している。この例では、画素スイッチ、出力制御スイッチ20、駆動トランジスタのTFTとして利用している。また、ゲート絶縁膜14上には、ゲート電極15と同一工程で形成可能な走査信号線がさらに配置されている。
【0019】
ゲート絶縁膜14及びゲート電極15は、例えばプラズマCVD法などにより成膜されたSiOxなどからなる層間絶縁膜17で被覆されている。層間絶縁膜17上にはソース及びドレイン電極16が配置されており、それらは、例えばSiNxなどからなるパッシベーション膜18で被覆されている。ソース及びドレイン電極16は、例えばMo/Al/Moの三層構造を有しており、層間絶縁膜17に設けられたコンタクトホールを介してTFTのソース及びドレインにそれぞれ電気的に接続されている。また、層間絶縁膜17上には、ソース及びドレイン電極16と同一の工程で形成可能な映像信号線がさらに配置されている。
【0020】
パッシベーション膜18上には、平坦化層19が形成されている。平坦化層19上には光反射性の第1電極41が、互いから離間されて並置されている。各第1電極41は、パッシベーション膜18及び平坦化層19に設けた貫通孔を介して出力制御スイッチ20のドレイン電極16に接続されている。
【0021】
第1電極41は、この例では陽極である。第1電極41の材料としては、例えばAl、Ag、Au、Crなどを用いることができる。
【0022】
平坦化層19上には、隔壁絶縁層50がさらに配置されている。この隔壁絶縁層50には、第1電極41に対応した位置に貫通孔が設けられている。隔壁絶縁層50は、例えば、有機絶縁層であり、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。
【0023】
隔壁絶縁層50の貫通孔内で露出した第1電極41上には、発光層420を含んだ活性層,或いは有機物層,42が配置されている。
【0024】
発光層420は、例えば、発光色が赤色、緑色、又は青色のルミネセンス性有機化合物を含んだ薄膜である。活性層42は、発光層420以外の層をさらに含むことができる。活性層42は、例えば、発光層420への正孔の注入を媒介する役割を果たす正孔注入層421をさらに含むことができる。また、活性層42は、正孔輸送層422、正孔ブロッキング層423、電子輸送層、電子注入層425、バッファ層426などもさらに含むことができる。発光層420以外の層には、無機材料及び有機材料の何れを使用してもよい。
【0025】
隔壁絶縁層50及び活性層42は、光透過性の第2電極43で被覆されている。第2電極43は、この例では、陰極である。また、第2電極43は、この例では、全画素に対応した領域に広がった連続膜としての共通電極である。第2電極43は、パッシベーション膜18と平坦化層19と隔壁絶縁層50とに設けられたコンタクトホール(図示せず)を介して、映像信号線と同一の層上に形成された電源線(図示せず)に電気的に接続されている。各有機EL素子40は、第1電極41、活性層42、第2電極43により構成されている。
【0026】
第2電極上には、拡散層60が配置されている。拡散層60には、様々な構造を採用することができる。
【0027】
図4乃至図7は、図1及び図2の表示装置で使用可能な拡散層の例を概略的に示す断面図である。
【0028】
図4に示す拡散層60は、その表面に不規則な凹凸が設けられている光透過性の層である。この拡散層60は、表示画像の明るさ及び色度の観察方向依存性を低減する。加えて、この拡散層60は、その光散乱効果により、表示装置1の内部からその外部へと進行する光の光量を高める。すなわち、この拡散層60は、取り出し効率を高める。
【0029】
図4の拡散層60は、図2の例では、それ自体を単独で取り扱うことができる樹脂シート又は樹脂フィルムである。この場合、拡散層60は、例えば、接着剤層61により第2電極43に貼り付けることができる。接着剤層61の厚さは、通常、20μm以上である。そのような厚さの接着剤層61は、第2電極43の表面に凹凸があった場合に、接着剤層61と第2電極43との間などに隙間が生じるのを防止する。
【0030】
図5に示す拡散層60は、第2電極43上に配置された光透過性粒子62からなる。光透過性粒子62は、透明粒子62aを接着剤62bで被覆してなり、この接着剤62bにより、光透過性粒子62同士の結合及び光透過性粒子62と第2電極43との結合が為されている。図5の拡散層60は、例えば、第2電極43上に光透過性粒子62を湿式又は乾式で散布することにより形成することができる。或いは、図6に示す拡散層60は、接着剤層61上に透明粒子62aを湿式又は乾式で散布することにより得られる。図5及び図6に示す拡散層60は、光散乱効果により、取り出し効率を高める。
【0031】
図7に示す拡散層60は、光透過性樹脂63とこの中で分散した粒子64とを含んだ光散乱層である。粒子64は、光透過性樹脂63とは光学特性,例えば屈折率,が異なっている。この拡散層60は、例えば、粒子64と光透過性樹脂63の材料とを含有した塗工液を封止部材3上に塗布し、この塗膜を硬化させることにより得られる。なお、この光透過性樹脂63は、活性層42のガラス転移温度以下で硬化する材料から選択される。
【0032】
図5乃至図7の拡散層60では、光透過性粒子62aや粒子64の材料として、TiO2やZrO2などのように導波層と比較して屈折率がより高いものを使用してもよい。この場合、屈折率が1.5程度の樹脂などを使用した場合と比較して、より高い取り出し効率を実現することができる。
【0033】
この表示装置1において、有機EL素子40は、マイクロキャビティ構造MCの少なくとも一部を形成している。マイクロキャビティ構造MCは、互いに向き合った反射層RF及び半透鏡層HMと、それらの間に介在した光源LSとを含んでいる。この例では、反射層RFは第1電極41である。半透鏡層HMは、例えばMgAgからなるバッファ層426である。光源LSは、正孔注入層421と正孔輸送層422と発光層420と正孔ブロッキング層423と電子注入層425とを含んだ積層体である。
【0034】
反射層RFは、光反射性を有する層であり、典型的には金属薄膜である。半透鏡層HMは、光透過性と光反射性とを有する層である。半透鏡層HMは、反射層RFと比較して透過率がより大きい。反射層RFは、半透鏡層HMと比較して反射率がより大きい。例えば、反射層RFの反射率は30%以上であり、半透鏡層HMの反射率は15%以上である。
【0035】
マイクロキャビティ構造MCでは、波長λが下記等式(1)に示す関係を満足している光は強められる。他方、波長λが下記等式(2)に示す関係を満足している光は弱められる。なお、Lは反射層RFと半透鏡層HMとの間の光路長であり、Φ1は半透鏡層HMで反射されることによる光の位相シフトであり、Φ2は反射層RFで反射されることによる光の位相シフトであり、mは整数である。
【数1】
【0036】
等式(1)及び(2)から明らかなように、マイクロキャビティ構造MCを採用すると、特定の方向から観察した画像の輝度と色純度とを高めることができる。但し、光路長Lは、視角θの関数である。具体的には、光路長Lは、1/cosθに比例する。
【0037】
したがって、光路長Lの最小値L0を大きくすると、指向性が高くなる。すなわち、視角θの僅かなずれが、輝度に大きく影響する。
【0038】
他方、光路長Lの最小値L0を小さくすると、視角θのずれが輝度に与える影響は小さくなる。但し、この場合、発光色が互いに異なる画素間で、光路長Lの最小値L0を等しくすることが難しくなる。すなわち、表示装置の構造やその製造プロセスが複雑化する可能性がある。
【0039】
この表示装置1では、マイクロキャビティ構造MCの前面側に、拡散層60を配置している。そのため、以下に説明するように、表示画像の明るさが観察角度に応じて大きく変化することや、表示画像の色度が観察角度に応じて大きく変化することを防止できる。すなわち、本態様によると、高い表示品位を実現できる。
【0040】
図8は、図1及び図2の構造から拡散層を省略した表示装置の発光スペクトルの例を示すグラフである。図9は、図1及び図2に示す表示装置の発光スペクトルの例を示すグラフである。なお、ここでは、拡散層60には図6の構造を採用した。
【0041】
図8及び図9において、横軸は波長を示し、縦軸は表示装置1の発光強度を示している。曲線A1及びA2は、表示面を法線方向(視角θ=0°)から観察した場合における表示装置1の発光スペクトルを示している。曲線B1及びB2は、表示面を法線方向に対して60°の角度を為す方向(視角θ=60°)から観察した場合における表示装置1の発光スペクトルを示している。
【0042】
図8に示すように、拡散層60を省略した表示装置では、視角θが60°変化するのに応じ、ピーク波長は約100nm変化する。これに対し、拡散層60を含む表示装置1では、図9に示すように、視角θが60°変化しても、ピーク波長は変化していない。このように、マイクロキャビティ構造MCを含んだ表示装置では、拡散層60をマイクロキャビティ構造MCの前面側に配置することにより、色度の観察方向依存性を低減することができる。
【0043】
図10は、視角と表示装置の輝度との関係の例を示すグラフである。図中、横軸は表示面に平行な方向を示し、縦軸は表示面に垂直な方向を示している。曲線Cは、図1及び図2の構造から拡散層60を省略した表示装置の輝度を示している。曲線Dは、図1及び図2の表示装置の輝度を示している。原点から曲線C又D上の或る点までの距離は、その点と原点とを通る直線に平行な方向から表示面を見た場合の輝度に相当している。なお、この直線と縦軸とが為す角度は視角θである。
【0044】
曲線Cから明らかなように、拡散層60を省略した表示装置は、視角θが0°から僅かにずれると、輝度が大幅に低下する。他方、拡散層60を含んだ表示装置1は、曲線Dから明らかなように、視角θが0°から大きくずれても、輝度の低下は僅かである。すなわち、拡散層60を含んだ表示装置1は、拡散層60を省略した表示装置と比較して、輝度の観察方向依存性が小さい。
【0045】
なお、光路長Lの最小値L0が小さい場合であっても、最小値L0の僅かなずれが輝度及び色度に大きな影響を与える。すなわち、マイクロキャビティ構造を採用した場合には、各層の膜厚を高精度に管理することが必要であった。また、光路長Lの最小値L0を小さくすると、塵などの付着に起因した電極同士の短絡が生じ易くなる。
【0046】
本態様では、上記の効果を得るうえで、光路長Lの最小値L0を小さくする必要がなく、各層の膜厚を高精度に管理する必要もない。したがって、本態様によると、製造が容易になると共に、歩留まりを高めることができる。
【0047】
この表示装置1には、様々な変形が可能である。
図11は、一変形例に係る表示装置を概略的に示す断面図である。図11の表示装置1は、拡散層60を第2電極43上に貼り付ける代わりに、封止部材3と偏光板4との間に配置していること以外は、図1及び図2の表示装置1とほぼ同様の構造を有している。このように、拡散層60の位置は、マイクロキャビティ構造MCの前面側であれば、特に制限はない。
【0048】
図1及び図2に示す表示装置1のマイクロキャビティ構造MCには、様々な変形が可能である。
【0049】
図12及び図13は、図1及び図2の表示装置に採用可能な構造の他の例を概略的に示す断面図である。
【0050】
図12のマイクロキャビティ構造MCでは、第1電極41は、光透過性電極である。そして、第1電極41の背面側には、反射層RFが配置されている。これ以外は、図12のマイクロキャビティ構造MCは、図3のマイクロキャビティ構造MCとほぼ同様の構造を有している。なお、このマイクロキャビティ構造MCは、正孔ブロッキング層423と電子注入層425との間に電子輸送層424をさらに含んでいる。
【0051】
図12のマイクロキャビティ構造MCにおいて、第1電極41の材料としては、例えばITO(indium tin oxide)を使用することができる。また、反射層RFの材料としては、例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、及びCuなどを使用することができる。
【0052】
図13のマイクロキャビティ構造MCでは、バッファ層426は半透鏡層HMとしての役割を果たしておらず、第2電極43上に半透鏡層HMが配置されている。これ以外は、図13のマイクロキャビティ構造MCは、図12のマイクロキャビティ構造MCとほぼ同様の構造を有している。
【0053】
図13のマイクロキャビティ構造MCにおいて、バッファ層426としては、例えば、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属をドープした有機層を使用することができる。また、半透鏡層HMとしては、例えば、誘電体からなる多層膜又は金属薄膜を使用することができる。
【0054】
半透鏡層HMとして金属薄膜を用いた場合、通常、高い反射率が得られる波長範囲が広い。他方、半透鏡層HMとして誘電体からなる多層膜を使用した場合、通常、高い反射率が得られる波長範囲が狭い。但し、一般に、多層膜を使用した場合、より高い透過率が得られる。
【0055】
図1及び図11には上面発光型表示装置を示したが、本発明は下面発光型(bottom emission)表示装置にも適用可能である。
【0056】
図14は、他の変形例に係る表示装置を概略的に示す断面図である。図15は、図14の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図である。なお、図14では、表示装置を、その表示面、すなわち前面又は光出射面、が下方を向き、背面が上方を向くように描いている。
【0057】
図14の表示装置1では、図1の表示装置1とは異なり、拡散層60と偏光板4とをアレイ基板2の外面上に順次配置している。図14の表示装置1は、この構造に加え、図15の構造を採用したこと以外は、図1及び図2の表示装置1とほぼ同様の構造を有している。
【0058】
図15の構造では、図3の構造からバッファ層426を省略し、正孔ブロッキング層423と電子注入層425との間に電子輸送層424をさらに配置している。図15の構造では、第1電極41は光透過性電極であり、第2電極43は反射層RFであり、第1電極41の前面側に半透鏡層HMをさらに配置している。
【0059】
第2電極43の材料としては、例えば、Al及び/又はMgAgを使用することができる。半透鏡層HMとしては、例えば、誘電体からなる多層膜又は金属薄膜を使用することができる。
【0060】
図1及び図11などを参照して説明したように、表示装置1は上面発光型であってもよい。或いは、図14などを参照して説明したように、表示装置1は下面発光型であってもよい。
【0061】
図13に示すように、有機EL素子40の全体が反射層RFと半透鏡層HMとに挟まれていてもよい。すなわち、有機EL素子40は、マイクロキャビティ構造MCの一部であってもよい。或いは、有機EL素子40自体がマイクロキャビティ構造MCであってもよい。或いは、図2と図11と図15とに示すように、有機EL素子40の一部のみが反射層RFと半透鏡層HMとに挟まれていてもよい。すなわち、有機EL素子40の一部がマイクロキャビティ構造MCの一部であってもよい。
【0062】
有機EL素子40は、白色に発光するものであってもよい。この場合、例えば、カラーフィルタを使用することにより、カラー画像を表示することができる。
【0063】
拡散層60は、特定の発光色の画素に対応した位置にのみ配置し、他の発光色の画素に対応した位置に配置しなくてもよい。この場合、例えば、拡散層60と向き合っていない画素において、波長λが上記等式(1)に示す関係を満足するように光路長Lを定める。こうすると、拡散層60と向き合っていない画素において、波長λが上記等式(1)に示す関係を満足していなくても、十分なカラーバランスを実現できる。
【0064】
上述した表示装置1には、以下の構成を採用してもよい。
図16は、図1及び図2に示す表示装置の画素の一部に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図である。図17は、図1及び図2に示す表示装置の画素の他の一部に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図である。
【0065】
図16の構造は、反射層RFと第1電極41との間に光学調整層70をさらに含んでいること以外は、図12の構造と同様である。図17の構造は、図12の構造と同様である。
【0066】
上記等式(1)及び(2)から分かるように、法線方向から画面を観察した場合の輝度は、波長λと光路長Lとに依存する。そのため、マイクロキャビティ構造MCによって発光効率及び色純度を高める効果を、発光色が互いに異なる全ての画素で得るためには、通常、発光色毎に光路長Lを設定する必要がある。
【0067】
しかしながら、一般に、有機EL素子40の層構造は、電子・正孔の注入バランスや輝度劣化などを考慮して決定する。そのため、最適な光路長Lを実現することが難しい場合がある。
【0068】
このような場合には、例えば、或る発光色の画素に図16の構造を採用し、他の発光色の画素に図17の構造を採用する。図16の構造を採用した画素は、光学調整層70を含んでいるので、図17の構造を採用した画素とは光路長Lが異なっている。図16の構造を採用した画素では、光学調整層70の光学特性と厚さとによって、光路長Lを最適化することができる。しかも、光学調整層70は陽極41と反射層RFとの間に配置するので、電子・正孔の注入バランスや輝度劣化などに影響を与えない。
【0069】
したがって、或る発光色の画素に図16の構造を採用し、他の発光色の画素に図17の構造を採用すると、電子・正孔の注入バランスや輝度劣化などに影響を与えることなく、法線方向から画面を観察した場合の輝度などを最適化することができる。すなわち、より優れた表示品位を実現することが可能となる。
【0070】
図18は、光学調整層として屈折率が1.5の樹脂層を用いた場合における光学調整層の厚さと干渉次数との関係の例を示すグラフである。図中、横軸は光学調整層70の厚さを示し、縦軸はマイクロキャビティ構造MC中を膜面に対して法線方向に進行する光の干渉次数を示している。また、図中、参照符号B、G、Rは、それぞれ、発光色が青(λ=480nm)、緑(λ=530nm)、赤(λ=630nm)の画素についてシミュレーションを行うことにより得られたデータを示している。なお、このシミュレーションに際しては、発光色が青、緑、赤の有機EL素子40は、発光層420の材料が異なること以外は同一の構造を有しているとした。
【0071】
図18に示すデータによると、発光色が青及び緑色の画素については、例えば光学調整層70の厚さを約100nmとした場合に、干渉次数は整数に近い値(約2)になる。また、発光色が赤色の画素については、例えば光学調整層70を配置しない場合に、干渉次数は整数に近い値(約1)になる。すなわち、発光色が青及び緑色の画素にのみ厚さ約100nmの光学調整層70を配置すると、各発光色の画素で高い正面輝度が得られる。
【0072】
以上、或る色で発光する画素についてのみ、陽極41と反射層RFとの間に光学調整層70を配置することを説明したが、先の効果は、他の構造を採用した場合にも得ることができる。例えば、全ての画素について陽極41と反射層RFとの間に光学調整層70を配置し、発光色が互いに異なる画素間で、光学調整層70の光学的厚さを異ならしめてもよい。例えば、図18に示す例では、発光色が青及び緑色の画素に厚さ約100nmの光学調整層70を配置し、発光色が赤色の画素に厚さ約180nmの光学調整層70を配置してもよい。
【0073】
さらなる利益及び変形は、当業者には容易である。それゆえ、本発明は、そのより広い側面において、ここに記載された特定の記載や代表的な態様に限定されるべきではない。したがって、添付の請求の範囲及びその等価物によって規定される本発明の包括的概念の真意又は範囲から逸脱しない範囲内で、様々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図。
【図2】図1に示す表示装置の部分断面図。
【図3】図1及び図2の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図。
【図4】図1及び図2の表示装置で使用可能な拡散層の例を概略的に示す断面図。
【図5】図1及び図2の表示装置で使用可能な拡散層の例を概略的に示す断面図。
【図6】図1及び図2の表示装置で使用可能な拡散層の例を概略的に示す断面図。
【図7】図1及び図2の表示装置で使用可能な拡散層の例を概略的に示す断面図。
【図8】図1及び図2の構造から拡散層を省略した表示装置の発光スペクトルの例を示すグラフ。
【図9】図1及び図2に示す表示装置の発光スペクトルの例を示すグラフ。
【図10】視角と表示装置の輝度との関係の例を示すグラフ。
【図11】一変形例に係る表示装置を概略的に示す断面図。
【図12】図1及び図2の表示装置に採用可能な構造の他の例を概略的に示す断面図。
【図13】図1及び図2の表示装置に採用可能な構造の他の例を概略的に示す断面図。
【図14】他の変形例に係る表示装置を概略的に示す断面図。
【図15】図14の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図。
【図16】図1及び図2に示す表示装置の画素の一部に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図。
【図17】図1及び図2に示す表示装置の画素の他の一部に採用可能な構造の一例を概略的に示す断面図。
【図18】光学調整層として屈折率が1.5の樹脂層を用いた場合における光学調整層の厚さと干渉次数との関係の例を示すグラフ。
【符号の説明】
【0075】
1…有機EL表示装置、2…アレイ基板、3…封止部材、4…偏光板、10…絶縁基板、12…アンダーコート層、13…半導体層、14…ゲート絶縁膜、15…ゲート電極、16…ソース及びドレイン電極、17…層間絶縁膜、18…パッシベーション膜、19…平坦化層、20…出力制御スイッチ、40…有機EL素子、41…第1電極、42…活性層、43…第2電極、50…隔壁絶縁層、60…拡散層、61…接着剤層、62…光透過性粒子、62a…透明粒子、62b…接着剤、63…光透過性樹脂、64…粒子、70…光学調整層、420…発光層、421…正孔注入層、422…正孔輸送層、423…正孔ブロッキング層、424…電子輸送層、425…電子注入層、426…バッファ層、MC…マイクロキャビティ構造、RF…反射層、HM…半透鏡層、LS…光源。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板と向き合った封止部材と、
前記絶縁基板と前記封止部材との間に介在すると共に、各々がマイクロキャビティ構造を具備し、前記マイクロキャビティ構造は、反射層と、前記反射層と向き合った半透鏡層と、前記反射層と前記半透鏡層との間に介在した光源とを具備した複数の画素と、
前記半透鏡層と向き合った拡散層とを具備した表示装置。
【請求項2】
前記表示装置はカラー表示装置である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示装置は有機EL表示装置である請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光源は有機EL素子の発光層を含んだ請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記反射層は前記有機EL素子の背面電極である請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記半透鏡層は前記有機EL素子の前面電極である請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記有機EL素子は前記反射層と前記半透鏡層との間に介在した請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記半透鏡層は金属層である請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記半透鏡層は誘電体からなる多層膜である請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の画素は発光色が互いに異なる第1及び第2画素を含み、
前記第1及び第2画素のうち、前記第1画素のみが、前記反射層と前記背面電極との間に光透過性を有する光学調整層をさらに具備した請求項4に記載の表示装置。
【請求項11】
前記複数の画素は発光色が互いに異なる第1及び第2画素を含み、
前記第1及び第2画素の各々は、前記反射層と前記背面電極との間に光透過性を有する光学調整層をさらに具備し、
前記第1及び第2画素は、前記光学調整層の光学的厚さが互いに異なっている請求項4に記載の表示装置。
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板と向き合った封止部材と、
前記絶縁基板と前記封止部材との間に介在すると共に、各々がマイクロキャビティ構造を具備し、前記マイクロキャビティ構造は、反射層と、前記反射層と向き合った半透鏡層と、前記反射層と前記半透鏡層との間に介在した光源とを具備した複数の画素と、
前記半透鏡層と向き合った拡散層とを具備した表示装置。
【請求項2】
前記表示装置はカラー表示装置である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示装置は有機EL表示装置である請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光源は有機EL素子の発光層を含んだ請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記反射層は前記有機EL素子の背面電極である請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記半透鏡層は前記有機EL素子の前面電極である請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記有機EL素子は前記反射層と前記半透鏡層との間に介在した請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記半透鏡層は金属層である請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記半透鏡層は誘電体からなる多層膜である請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の画素は発光色が互いに異なる第1及び第2画素を含み、
前記第1及び第2画素のうち、前記第1画素のみが、前記反射層と前記背面電極との間に光透過性を有する光学調整層をさらに具備した請求項4に記載の表示装置。
【請求項11】
前記複数の画素は発光色が互いに異なる第1及び第2画素を含み、
前記第1及び第2画素の各々は、前記反射層と前記背面電極との間に光透過性を有する光学調整層をさらに具備し、
前記第1及び第2画素は、前記光学調整層の光学的厚さが互いに異なっている請求項4に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2008−515131(P2008−515131A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511130(P2007−511130)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【国際出願番号】PCT/JP2005/018223
【国際公開番号】WO2006/035956
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【国際出願番号】PCT/JP2005/018223
【国際公開番号】WO2006/035956
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】
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