説明

表示装置

【課題】表示画面の光の中にレーザスポットが埋もれないようにする。
【解決手段】画像を表示画面に表示する表示部と、表示画面を撮影する撮影部と、表示画面の輝度と撮影部の撮影部の撮影タイミングを制御する制御部とを備え、制御部は撮影部の撮影タイミングに同期して表示画面の輝度を低下させる表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は表示装置に関し、とくにプレゼンテーションに用いられる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大画面に画像を表示し、その表示画面中にレーザポインタによるレーザスポットが表示された時、表示画面をカメラで撮影してレーザスポットの位置を検出し、マウス動作に結びつけるデータ入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−91344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、表示画面が明るい場合には、レーザスポットが表示画面の光の中に埋もれてしまうので、カメラの撮影によってレーザスポットの位置を明確に検出することが難しいという問題点があった。
【0004】
この発明はこのような事情を考慮してなされたもので、表示画面の撮影時に表示画面の明るさ(輝度)を制御することにより、レーザスポットの位置を容易に明確に検出することが可能な表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、画像を表示画面に表示する表示部と、表示画面を撮影する撮影部と、表示画面の輝度と撮影部の撮影部の撮影タイミングを制御する制御部とを備え、制御部は撮影部の撮影タイミングに同期して表示画面の輝度を低下させる表示装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
撮影部の撮影タイミングに同期して表示画面の輝度が低下するので、レーザポインタによるレーザスポットが表示画面の光の中に埋もれることなく明確に撮影される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
この発明の表示装置は、画像を表示画面に表示する表示部と、表示画面を撮影する撮影部と、表示画面の輝度と撮影部の撮影部の撮影タイミングを制御する制御部とを備え、制御部は撮影部に撮影させると共に、撮影部の撮影タイミングに同期して表示画面の輝度を低下させる、つまり減光させることを特徴とする。
【0008】
表示部が表示画面を照明するバックライトを備え、制御部はバックライトを制御して表示画面の輝度を低下させてもよい。
制御部は表示部に黒画像を表示させることにより表示画面の輝度を低下させてもよい。
表示画面は偶数ラインと奇数ラインからなり、制御部は偶数ラインと奇数ラインとを交互に黒表示することにより表示画面の輝度を低下させてもよい。
【0009】
以下、図面に示す実施形態に基づいてこの発明を詳述する。これによってこの発明が限定されるものではない。
実施形態1
図1は実施形態1の表示装置の構成を示す斜視図、図2は同表示装置の構成を示すブロック図である。
【0010】
これらの図において、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)1は、発表(プレゼンテーション)に必要な資料やグラフの画像データを予め格納している。制御部2は図2に示すように補正部21と座標検出部22と表示制御部23を備え、CPU,ROM,RAMからなるマイクロコンピュータにより一体的に構成される。表示部3は表示画面3a(図1)と図示しないバックライトとを備えたプレゼンテーション用大型液晶ディスプレイである。
【0011】
レーザポインタ4(図1)は表示画面3aにレーザを照射してレーザスポットSを形成する。撮影部5は表示画面3aとレーザスポットSを撮影するために表示部3の上部に設置されたCCDカメラである。
【0012】
制御部2において、表示制御部23は、パソコン1からの指示を受けて表示部3の表示画面3aにプレゼンテーションに必要な画像を表示する。そして、表示制御部23は表示画面3aの輝度を低下させると同時に撮像タイミング信号を撮像部に出力する。撮影部5は表示制御部23の出力する撮像タイミング信号に同期してレーザスポットSの撮影を行う。
【0013】
補正部21は撮影部5で撮影された画像の台形歪みのような画像歪みを補正する。座標検出部22は補正された撮影画像において、輝度が所定しきい値を超える画素の座標に基づいてレーザスポットSの座標を検出し、表示制御部23に入力する。
【0014】
表示制御部23は、レーザスポットSの座標をパソコン1へ伝達すると共に、その座標にマウスカーソルのような特定の表示マークを合成し、表示画面3aに表示する。つまり、レーザスポットSを表示マークに変換する。使用者がレーザポインタ4によってレーザスポットSを移動させると、表示画面3aの表示画像上を表示マークが移動し、マイコン1のマウスカーソルとして作動する。
【0015】
なお、マウスクリック動作やドラック動作させる場合には、レーザポインタ4の出射するレーザ光を、対応する周波数で点滅させる。それによって対応するマウス動作信号が表示制御部23からパソコン1へ入力される。
【0016】
表示画面3aの輝度の低下は、実施形態1では、表示制御部23が所定時間間隔で表示画面3aに通常の画面(図3の(a))と、減光画面(図3の(b))と交互に表示させることによって行われる。たとえば、通常の画面を8msec,減光画面を8msec表示する。
図4は、この場合における表示と撮影のタイミングを示すタイミングチャートである。図4の(a)においては、ONが通常の画面を表示するタイミングであり、OFFが減光画面を表示するタイミングである。
図4の(b)においては、ONが撮影部5の撮影タイミングを、OFFが非撮影タイミングを示している。
【0017】
このようにして、表示制御部23は撮影部5に減光画面におけるレーザスポットSを撮影させる。従って、レーザスポットSは表示光に埋もれることなく撮影される。なお、減光画面(図3の(b))の表示は、表示制御部23が、表示画面3aの全面に黒画像を表示するか、表示部3のバックライトを消灯することにより行われる。
【0018】
実施形態2
図5は図2対応図であり、この実施形態では制御部2において、転送制御部24が実施形態1(図2)の撮影部5と補正部21との間に、新しく追加され、表示制御部23が転送制御部24を制御するようにしている。その他の構成は図1と図2に示すものと同等である。
【0019】
この実施形態では、表示制御部23は図6の(a),(b)に示すように所定周期(例えば、8msec)で交互に表示画面3aの走査線の奇数ラインと偶数ラインとを黒表示する。それによって、表示画面3aが減光される。
【0020】
そして、撮影部5は常時撮影を行い、転送制御部24は、奇数ラインを黒表示するタイミングでは撮影画像データの内の奇数ラインのデータを補正部21へ転送し、偶数ラインを黒表示するタイミングでは撮影データの内の偶数ラインのデータを補正部21へ転送する。
【0021】
図7は、このような表示と撮影と転送とのタイミングを示すタイミングチャートである。 図7の(a)ではONが偶数ラインの黒表示タイミングを、OFFが非表示タイミングを示す。同図(b)では、ONが奇数ラインの黒表示タイミングをOFFが非表示タイミングを示す。
【0022】
同図(c)では、ONが撮影部5の撮影タイミングを示す。
同図(d)では、ONが転送制御部24の偶数ライン画像データの転送タイミングを、同図(e)では、ONが奇数ライン画像データの転送タイミングを示す。
【0023】
図7に示されるように、偶数ラインと奇数ラインが交互に黒表示され、各表示期間に撮影が行われ、偶数ラインの黒表示時の撮像データが奇数ラインの黒表示期間に転送され、奇数ラインの黒表示時の撮像データが偶数ラインの黒表示期間に転送されるようになっている。
【0024】
図8は、奇数ラインの撮影データと偶数ラインの撮影データを確定するフローチャートである。
図8において、表示画面3aの奇数ラインに図5(a)のように黒表示が行われ(ステップS1)、撮影部5によって表示画面3a全体が撮影される(ステップS2)。
【0025】
転送制御部24において撮影データの黒画素が抽出され(ステップS3)、抽出された黒画素の座標データが奇数ライン画像データとして確定され記憶される(ステップS4)。
なお、ステップS3において抽出される黒画素は、撮像データの画素の中で所定の光量に達していない画素である。
【0026】
次に、表示画面3aの偶数ラインに図5(b)のように黒表示が行われ(ステップS5)、撮影部5によって表示画面3a全体が撮影される(ステップS6)。転送制御部24において撮影データの黒画素が抽出され(ステップS7)、抽出された黒画素の座標データが偶数ラインの画像データとして確定され記憶される(ステップS8)。
そして、確定された奇数および偶数ラインの画像データにおいて、輝度が所定しきい値を超える画素の座標がレーザスポットSの座標として検出(確定)される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の実施形態1の構成を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施形態1の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施形態1の表示画面の説明図である。
【図4】この発明の実施形態1の表示と撮影のタイミングチャートである。
【図5】この発明の実施形態2の図2対応図である。
【図6】この発明の実施形態2の図3対応図である。
【図7】この発明の実施形態2の表示と撮影と転送のタイミングチャートである。
【図8】この発明の実施形態2の奇数および偶数ラインの撮影データを確定するフローチャートである。
【符号の説明】
【0028】
1 パーソナルコンピュータ
2 制御部
3 表示部
3a 表示画面
4 レーザポインタ
5 撮影部
21 補正部
22 座標検出部
23 表示制御部
24 転送制御部
S レーザスポット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示画面に表示する表示部と、表示画面を撮影する撮影部と、表示画面の輝度と撮影部の撮影部の撮影タイミングを制御する制御部とを備え、制御部は撮影部の撮影タイミングに同期して表示画面の輝度を低下させる表示装置。
【請求項2】
表示部が表示画面を照明するバックライトを備え、制御部は、バックライトを制御することにより表示画面の輝度を低下させる請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
制御部は、表示部に黒画像を表示させることにより表示画面の輝度を低下させる請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
表示画面が偶数ラインと奇数ラインからなり、制御部は、偶数ラインと奇数ラインとを交互に黒表示することにより表示画面の輝度を低下させる請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
座標検出部をさらに備え、座標検出部は、撮影部による撮影画像において輝度が所定しきい値を超える画素の座標を検出する請求項1記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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