説明

表示装置

【課題】駆動回路基板と発光基板とを貼り合わせて構成する表示装置において、それぞれの基板の電極を精度よく位置合わせ(アライメント)して電気的に接続した表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、駆動回路を有する駆動回路基板と、画素電極を含む発光部を有する発光基板と、が互いに対向するように貼り合わされて構成された表示装置であって、前記駆動回路基板と前記発光基板との貼り合わせ面において、前記発光基板の前記発光部と接続された中間電極と、前記駆動回路基板の前記駆動回路と接続された接続電極と、が電気的に接続されており、前記中間電極は、前記貼り合わせ面内で前記画素電極の長手方向に対して平行又は垂直方向に延在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自発光型の表示装置に関し、特に、電界発光層を含む発光部を有する発光基板とTFT等の駆動回路を有するアクティブマトリクス基板とを貼り合わせた電界発光型の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OA機器、AV機器、携帯端末機器等において、高品質表示、薄型化および低消費電力化が可能な表示装置として電界発光型の表示装置が用いられている。この電界発光型の表示装置の一つに有機電界発光層を用いた有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置がある。この有機EL表示装置においては、XYマトリクス状に配置された複数の有機EL素子を単純マトリクス駆動(パッシブ駆動)によって駆動して画像を表示する技術が知られている。この単純マトリクス駆動は、線順次駆動を行なう際の走査線の数に限界があるため、より駆動能力の優れたアクティブマトリクス駆動が提案されている。このアクティブマトリクス駆動型の有機EL表示装置は、アクティブマトリクス基板を備えており、このアクティブマトリクス基板は、透光性を有するベース基板を有している。このベース基板上には、a−Si,ポリシリコン等により構成される薄膜トランジスタ(TFT)が画素一つに対して少なくとも一つ以上設けられている。また、このベース基板上にはさらにTFTを選択してONするための複数の走査電極線および複数の信号電極線が設けられており、TFTの上には有機EL層が形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
次に、従来の改良タイプの自発光型の表示装置について説明する。
自発光型表示装置の構造において、アクティブマトリクス基板と、該アクティブマトリクス基板に対向するように配置された対向基板とを具備する表示装置であって、該アクティブマトリクス基板は、第1ベース基板と、該第1ベース基板上に設けられた複数の第1画素電極と、を有しており、該対向基板は、第2ベース基板と、該第2ベース基板に対して該第1画素電極側に形成された電極層と、該電極層に対して該第1画素電極側に形成された電気光学媒体と、該複数の第1画素電極のそれぞれと対向するように該電気光学媒体上にそれぞれ設けられた複数の第2画素電極と、を有しており、該アクティブマトリクス基板の各第1画素電極と該対向基板の各第2画素電極とをそれぞれ電気的に接続する導電接続手段をさらに具備する構造が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−189252号公報
【特許文献2】特開2003−66859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アクティブマトリクス基板と、該アクティブマトリクス基板に対向するように配置された対向基板とを具備する表示装置を製造する場合、アクティブマトリクス基板と、対向基板とを順に積層して作製するか、あるいは、アクティブマトリクス基板と、対向基板とを貼り合わせて作製する方法が考えられる。前者のように、アクティブマトリクス基板と、対向基板とを順に積層して作製する場合、それぞれの基板部分を製造する各工程の歩留まりが大きく異なっていると、歩留まりの悪い工程に依存してしまうため非常に効率が悪い。一方、アクティブマトリクス基板(「駆動回路基板」とも言う)と対向基板(「発光基板」とも言う)とを貼り合わせて作製する場合、順に積層して作製する場合に比べて歩留まりの悪い工程の影響を受けにくい。しかし、それぞれの基板の電極を精度よく位置合わせ(アライメント)して電気的に接続することは非常に困難であった。
【0006】
本発明の目的は、駆動回路基板と発光基板とを貼り合わせて構成する表示装置において、それぞれの基板の電極を精度よく位置合わせ(アライメント)して電気的に接続した表示装置を提供することである。加えて、発光寿命が長く、表示ばらつきの少ない表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置は、駆動回路を有する駆動回路基板と、画素電極を含む発光部を有する発光基板と、が互いに対向するように貼り合わされて構成された表示装置であって、
前記駆動回路基板と前記発光基板との貼り合わせ面において、前記発光基板の前記発光部と接続された中間電極と、前記駆動回路基板の前記駆動回路と接続された接続電極と、が電気的に接続されており、
前記中間電極は、前記貼り合わせ面内で前記画素電極の長手方向に対して平行又は垂直方向に延在する。
【0008】
また、前記中間電極は、前記画素電極より広い面積を有してもよい。
【0009】
さらに、前記各中間電極の面積は、前記各接続電極の大きさの順となるように設けられていてもよい。
【0010】
またさらに、前記発光基板の前記発光部は、発光層を挟んで前記画素電極と対向して配置された共通電極を有すると共に、前記発光層及び前記画素電極とは非接触であって、前記共通電極に接続され、前記共通電極にわたって同電位とするよう配置されたバスバーを有してもよい。
この場合、前記中間電極は、前記バスバー上にわたって非接触でオーバラップするように設けられていてもよい。
【0011】
また、前記中間電極は、前記バスバーの長手方向に対して平行に延在してもよい。あるいは、前記中間電極は、前記バスバーの長手方向に対して垂直方向に延在してもよい。
【0012】
さらに、前記中間電極は、RGB各色の画素電極ごとに設けられていてもよい。
【0013】
また、前記中間電極は、前記RGB各色の画素の配列方向と平行に延在するように配置されていてもよい。あるいは、前記中間電極は、前記RGB各色の画素の長手方向と垂直方向に延在するように配置されていてもよい。
【0014】
さらに、前記中間電極は、接続されている画素電極と隣接する別の画素の画素電極の上にわたって非接触でオーバラップして設けられていてもよい。また、前記中間電極は、接続されている画素電極と隣接する別の同色画素の画素電極の上にわたって非接触でオーバラップして設けられていてもよい。あるいは、前記中間電極は、接続されている画素電極と隣接する別の異色画素の画素電極の上にわたって非接触でオーバラップして設けられていてもよい。
【0015】
またさらに、隣接する2つの前記中間電極は、接続されている画素電極と、オーバラップする画素電極とを含む画素電極の組み合わせが互いに異なるように配置されていてもよい。
【0016】
また、前記中間電極は、前記表示装置の厚み方向について上層中間電極と下層中間電極とを含んでもよい。また、一つの前記中間電極に含まれる前記上層中間電極と前記下層中間電極とは、互いに異なる画素電極とオーバラップするように配置されていてもよい。
【0017】
さらに、隣接する2つの前記中間電極を互いに異なる面に設けてもよい。この場合に、隣接する2つの中間電極間に非接触でオーバラップする部分を設けてもよい。
【0018】
またさらに、前記各中間電極は、前記中間電極の面積が、発熱の大きい画素から小さい画素の順になるように設けられていてもよい。
【0019】
前記駆動回路基板の前記各接続電極は、前記RGB各色の各画素電極について、前記各中間電極の長手方向に対して斜めに配置されていてもよい。
【0020】
前記中間電極は、前記貼り合わせ面内で長方形状を有してもよい。また、前記接続電極は、前記貼り合わせ面内で等方形状を有してもよい。
【0021】
さらに、前記駆動回路基板は、
第1ベース基板と、
前記第1ベース基板上に設けられた駆動回路と、
前記駆動回路と接続された接続電極と、
を備えていてもよい。
またさらに、前記発光基板は、
第2ベース基板と、
前記第2ベース基板上に、共通電極、発光層、画素電極の順に積層されて構成された発光部と、
前記画素電極と接続された中間電極と、
を備えていてもよい。
この場合、前記駆動回路基板の前記接続電極と、前記発光基板の前記中間電極とを接続するように互いに対向させて貼り合わせてもよい。
【0022】
また、前記貼り合わせ面において、前記駆動回路基板の前記第1ベース基板の面内における伸縮方向が最大となる方向を、前記発光基板の前記中間電極の長手方向と平行となるように前記駆動回路基板と前記発光基板とを貼り合わせてもよい。
【0023】
さらに、前記共通電極は、グランド電位を有してもよい。
【0024】
またさらに、前記駆動回路基板と前記発光基板とは、前記貼り合わせ面において絶縁性の接着層を介して貼り合わされていてもよい。なお、前記接着層は、絶縁体が分散して構成されていてもよい。
【0025】
また、前記駆動回路基板と前記発光基板との貼り合わせ面において、グランド電位を有し、前記貼り合わせ面の面内方向に展開するグランド電極をさらに備えてもよい。この場合、前記グランド電極は、前記駆動回路基板の前記接続電極と前記発光基板の前記中間電極とは電気的に絶縁されていてもよい。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明に係る表示装置によれば、発光基板の中間電極は、駆動回路基板と発光基板との貼り合わせ面内で画素電極の長手方向に対して平行又は垂直方向に延在するように設けられる。これによって、駆動回路基板の接続電極の位置が多少ずれても中間電極の長手方向に沿ってずれる範囲で許容できる。そこで、駆動回路基板と発光基板との貼り合わせの際の位置合わせ(アライメント)精度に余裕を与えることができる。これにより、駆動回路基板と発光基板との貼り合せ工程での歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態1に係る表示装置の製造方法において、下方の駆動回路基板にTFTを設けた状態を示し、上方の発光基板に共通電極、発光層、及び画素電極を設けた状態を示す概略断面図である。
【図2】実施の形態1に係る表示装置の製造方法において、下方の駆動回路基板に接続電極とグランド電極とを設け、上方の発光基板に中間電極を設けた状態を示す概略断面図である。
【図3】実施の形態1に係る表示装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図4】(a)は、本発明の実施の形態1に係る表示装置の発光基板側の画素電極の構成を示す平面図であり、(b)は、図3のA−A線に沿った断面図であり、(c)は、駆動回路基板側の接続電極の構成を示す平面図である。
【図5】(a)は、図4(b)のB−B線に沿った断面図であり、(b)は、図4(b)のC−C線に沿った断面図であり、(c)は、図4(b)のD−D線に沿った断面図である。
【図6】(a)は、中間電極の画素電極に対する配置の別例を示す図であり、(b)は、中間電極の画素電極に対する配置のさらに別例を示す図である。
【図7】(a)は、実施の形態2に係る表示装置の全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のE−E線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のF−F線に沿った断面図である。
【図8】(a)は、実施の形態3に係る表示装置の全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のG−G線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のH−H線に沿った断面図である。
【図9】(a)は、実施の形態4に係る表示装置の全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のI−I線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のJ−J線に沿った断面図である。
【図10】(a)は、実施の形態5に係る表示装置の全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のK−K線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のL−L線に沿った断面図である。
【図11】(a)は、実施の形態6に係る表示装置の中間電極の画素電極に対する配置を示す概略図であり、(b)は、(a)のN−N線に沿った断面図である。
【図12】(a)は、実施の形態7に係る表示装置の中間電極の画素電極に対する配置を示す概略図であり、(b)は、(a)のP−P線に沿った断面図である。
【図13】実施の形態8に係る表示装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図14】実施の形態9に係る表示装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図15】(a)は、実施の形態10に係る表示装置の全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のQ−Q線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のR−R線に沿った断面図であり、(d)は、(a)のS−S線に沿った断面図であり、(e)は、(a)のT−T線に沿った断面図である。
【図16】(a)は、実施の形態11に係る表示装置の全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のU−U線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のV−V線に沿った断面図であり、(d)は、(a)のW−W線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態に係る表示装置について、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材には同一の符号を付している。
【0029】
(実施の形態1)
<表示装置>
図3は、実施の形態1に係る表示装置10の全体構成を示す概略断面図である。この表示装置10は、駆動回路22を有する駆動回路基板20と、この駆動回路基板20に対向配置され、共通電極32、発光層33、画素電極34を含む発光部を有する発光基板30と、を備えている。この表示装置10では、画素電極34はさらに中間電極36に接続されていることを特徴とする。また、駆動回路基板20と発光基板30とは、絶縁性の接着層12で貼り合わされており、貼り合わせ面では、駆動回路基板20の接続電極23と発光基板30の中間電極36とが接続されている。また、その貼り合わせ面の駆動回路基板20側には、面内方向に展開する、例えば平面状のグランド電極14が設けられている。
【0030】
<駆動回路基板>
図2の下方は、この表示装置10の駆動回路基板20の面に平行な方向から見た断面図である。この駆動回路基板20は、絶縁層24と、絶縁層24内に設けられた駆動回路22と、駆動回路22と発光基板30の発光部とを電気的に接続させるための接続電極23と、駆動回路22の上面を覆う絶縁層24と、を備える。なお、絶縁層24を支持する第1ベース基板を有してもよい。また、駆動回路22は、ソース電極25、ドレイン電極26、ゲート電極27、半導体層28とを含む。
【0031】
<発光基板>
図2の上方は、この表示装置10の発光基板30の面に平行な方向から見た断面図である。この発光基板30は、透光性を有するガラス基板(第2ベース基板)31を有している。このガラス基板31上には、発光部が設けられている。発光部は、ガラス基板31上に形成された平面状の共通電極32と、共通電極32上に形成された発光層33R、33G、33Bと、各画素のRGBの各色ごとに設けられた画素電極34R、34G、34Bと、によって構成されている。発光層33R、33G、33Bは、R、G、Bの3色が発光できるようにそれぞれ独立に配置されている。発光層33R、33G、33B上に画素電極34R、34G、34BがR、G、Bの3色発光させるために独立して形成されており、画素電極34R、34G、34Bは絶縁層35を介して中間電極36R、36G、36Bと接続されており、中間電極36R、36G、36Bが接続電極23と電気的に接続され、発光を行うように形成されている。
【0032】
<グランド電極>
駆動回路基板20と発光基板30との貼り合わせ面の駆動回路基板20側には、面内方向に展開するグランド電極14が設けられている。このグランド電極14の形状としては、例えば、平面状、網目状、一方向に互いに平行に延在する複数のライン状、が挙げられる。また、グランド電極14は、導電性を有すると共に、良好な熱伝導性を有することが好ましい。このグランド電極14としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム等の金属を用いることができる。
【0033】
この貼り合わせ面上に面内方向に展開するグランド電極14を設けることによって、駆動回路22からの電磁波がグランド電極14によって遮断され、発光基板30側の発光部におけるクロストークによる誤発光を防止することが可能となる。さらに、導電体の伝熱特性から、発光部で発生された熱がグランド電極14を伝導して平面状に拡散し、輝度の低い部分での発熱と高い部分での発熱が均一化され、温度による発光部の効率低下を抑制できる。
【0034】
また、駆動回路基板20の接続電極23と、発光基板30の中間電極36とは電気的に接続されている。図3及び図5(a)、(b)及び(c)に示すように、この接続電極23は、グランド電極14と同一面内でグランド電極14とは電気的に絶縁されており、駆動回路22と発光部とは、グランド電極14と電気的に絶縁された接続部(接続電極23及び中間電極36)を介して互いに電気的に接続されている。
【0035】
中間電極36は、図4(b)に示すように、貼り合わせ面内で長方形状を有する。また、中間電極36の長手方向は、RGB各色の画素の配列方向と平行であると共に、RGB各色の画素の長手方向と直交するように配置されている。接続電極23は、貼り合わせ面内で等方形状、具体的には円形を有する。また、接続電極23は、RGB各色の画素ごとについて、中間電極36の長手方向に対して斜めに配置されている。
【0036】
また、貼り合わせ面において、駆動回路基板20の第1ベース基板の面内における伸縮方向が最大となる方向を、発光基板30の中間電極36の長手方向と平行となるように駆動回路基板20と発光基板30とを貼り合わせてもよい。
【0037】
以上のように、発光基板30の中間電極36を長方形状にすると共に、駆動回路基板20の接続電極23を円形状とすることで、接続電極23の位置が多少ずれても中間電極36の長手方向に沿ってずれる範囲で許容できる。また、駆動回路基板20の第1ベース基板の面内における伸縮方向が最大となる方向を、発光基板30の中間電極36の長手方向と平行となるように駆動回路基板20と発光基板30とを貼り合わせることで、駆動回路基板20の伸縮方向による歪みによる接続電極23のずれの方向を、中間電極36の長手方向と合わせている。これによって、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合わせの際の位置合わせ(アライメント)精度に余裕を与えることができる。これにより、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合せ工程での歩留まりを向上させることができる。
【0038】
<駆動回路基板の製造方法>
図1から図3に示す駆動回路基板20は、液晶表示装置を製造する過程で形成されるTFTを用いた基板を形成するプロセスと同様のプロセスによって形成することが可能である。この駆動回路基板20を形成する場合には、例えば、以下の工程による。
(a)まず、第1ベース基板(図示せず)を用意する。
(b)次に、絶縁層24の一部及び駆動回路22を周知の方法によって形成する。
(c)次いで、第1ベース基板上に形成された駆動回路22を覆うようにほぼ全面にさらに絶縁層24の残りの部分を形成する(図1の下方)。
(d)最後に、この絶縁層24上の同一面内に、駆動回路22と電気的に接続された複数の接続電極23と、この接続電極23から絶縁されたグランド電極14と、をそれぞれ形成する(図2の下方)。
以上によって駆動回路基板20が形成される。
【0039】
接続電極23は各種金属または導電性酸化物を用いることが可能であり、通常のフォトリソグラフィ技術でパターニングできる。なお、本実施の形態1に係る表示装置10においては、発光層33は、発光基板30上に形成し、駆動回路基板20上には形成しないために、従来のように駆動回路基板20の表面を平坦化する必要がない。
また、接続電極23は、等方形状、特に円形状を有している。
【0040】
<発光基板の製造方法>
図1から図3に示す発光基板30の製造方法について以下に説明する。
a)まず、透光性を有する第2ベース基板31を用意する。この透光性を有する第2ベース基板31としては、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等の透明な基板を用いることができる。以下ではガラス基板31を用いる場合について説明する。なお、後の工程で、発光基板30と駆動回路基板20とは互いに貼り合わされるので、駆動回路基板20の第1ベース基板と発光基板30の第2ベース基板31とは、同じ材料を用いることが有効である。また、第1ベース基板と第2ベース基板31とで材料が異なる場合には、貼り合わされた両基板の反りを抑制するために、少なくとも熱膨張係数の近い材料を選択して用いることが好ましい。
【0041】
b)次に、ガラス基板31上に、透光性を有する共通電極32、発光層33および画素電極34を順に形成する(図1の上方)。この第2ベース基板31及び共通電極32は、透明な材質によって形成されているために、発光層33から発光される表示光が第2ベース基板31側の外部に取り出される。
なお、共通電極32上に発光層33を形成する方法としては、高分子有機EL材料を用いる場合は、スピンコーティングを始めとする各種塗布法、転写法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が使用される。低分子有機EL材料を用いる場合は、主に蒸着法等が使用される。また、画素毎にRGBのカラー表示を行なう為に、RGBの各色に応じた発光材料を含む発光層を各色の画素毎に作り分けることが必要となる。この場合、ガラス基板31と共通電極32との間の界面にカラーフィルタを設けても同様の効果を得ることが出来る。
【0042】
c)次いで、画素電極34の上に絶縁層35を形成した後、画素電極34の一部を露出させる。
d)最後に、パターニングされた絶縁層35の上に画素電極34と電気的に接続された中間電極36を設ける(図2の上方)。
以上によって、発光基板30が得られる。
【0043】
なお、中間電極36は、画素電極34の長手方向と平行又は垂直に延在する形状を有すればよい。そこで、中間電極36は、例えば、長方形状を有する。特に、中間電極36の長手方向は、RGB各色の画素の配列方向と平行であると共に、RGB各色の画素の長手方向と直交するように配置されている。
【0044】
<表示装置の製造方法>
以上のような方法によって形成された駆動回路基板20と、発光基板30と、を絶縁性の接着剤による接着層12で接合することによって、図3に示す表示装置10を得ることができる。図4(a)、(b)及び(c)は、駆動回路基板20と発光基板30を電気的に接続する接続部のそれぞれの側の平面図と、駆動回路基板20と発光基板30との接続部分の透視図である。図4(a)は、発光基板30側の画素電極34の構成を示す概略断面図である。図4(b)は、図3のA−A線の断面図であり、接続電極23R、23G、23B、中間電極36R、36G、36B、画素電極34R、34G、34Bの配置を示す透視図である。図4(c)は、駆動回路基板20側の接続部の構成を示す概略断面図である。また、図4(a)、(b)及び(c)の枠は、一組のRGB3色を含む画素を示すものである。この画素はさらにRGB3色の発光部に分割される。これによって表示層10は、カラー表示機能を実現できる。
【0045】
まず、駆動回路基板20側の接続部(接続電極23)と、発光基板30側の接続部(中間電極36)とを互いに対向するように配置し、絶縁性の接着層12を介して貼り合わせる(図3)。この場合に、グランド電極14に設けたコンタクトホールを介して駆動回路基板20の接続電極23と発光基板30の中間電極36とを電気的に接続する。なお、接続電極23の先端を、図2の下方に示すようにグランド電極14の面よりも高くすることで、接着層12自体を導電性にすることなく貼り合わせた際に表示装置10を構成することができる。
【0046】
また、図4(c)に示すように、駆動回路基板20側の接続電極23R、23G、23BをRGB各色ごとについて、画素電極の延在方向に対して斜めに配置する。一方、発光基板30側のRGBの各色についての中間電極36R、36G、36Bを画素電極の延在する方向と垂直な方向に長手方向を有する長方形状に形成する(図4(a))。その結果、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合せ精度に余裕を持たせることが可能となる。
【0047】
この場合、接着層12は絶縁性であることが望ましい。例えば、接着層12に導電性を与えるために導電体のフィラーを含有させるとグランド電極14と接続電極23との間にある接着層12に導電性フィラーが存在した場合にショートの危険性が増大する。したがって、接着層12は絶縁性であることが望ましい。また、接着層12に酸化チタンなどの熱伝導性の高い絶縁体を含有させることで、発光基板30で発生する熱を駆動回路基板20との貼り合わせ面上のグランド電極14へ容易に移動させることができ、均熱化を促進することが可能となる。熱伝導性の絶縁体を接着層12に分散させる場合には駆動回路基板20と発光基板30とのオープン不良を抑制するために、上記絶縁体の大きさは、接続電極23とグランド電極14の高さの差以下の粒子径にしておく必要がある。
【0048】
以上のように、本実施の形態1によれば、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合わせ面に、中間電極及びグランド電位を有する平面状のグランド電極14を形成することで発光基板30の熱を表示装置10全体に分散することが可能となる。また、この平面状のグランド電極14によって、駆動回路基板20からの電気信号をシールドして発光基板30の発光部への干渉を抑制すると共に、中間電極からの電磁波が駆動回路に及ぼす影響を抑制する。その一方、発光基板30からの発熱を平面状のグランド電極14を介して駆動回路基板20の全体に拡散させることで、表示装置10全体に熱エネルギーを拡散させ、発光基板30の発光部の発光効率を確保することが可能となる。その結果、発光部の熱失活、及び、駆動回路における熱による駆動電流のばらつきを抑制した表示装置を得ることが出来る。
【0049】
また、本実施の形態の図4(b)に示すように、駆動回路基板20の接続電極23と、発光基板30の中間電極36とを形成することで、駆動回路基板20と発光基板30との位置合わせ(アライメント)精度に余裕を与えることができる。これにより、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合せ工程での歩留まりを向上させることが可能となる。
【0050】
図5(a)は、図4(b)のB−B線に沿った断面図であり、(b)は、図4(b)のC−C線に沿った断面図であり、(c)は、図4(b)のD−D線に沿った断面図である。この表示装置10では、各中間電極36R、36G、36Bが、画素電極34R、34G、34Bの長手方向と垂直方向に延在し、隣接する別の異色画素の画素電極と非接触でオーバラップするように配置されている。上記構成によって各画素からの熱を各中間電極36R、36G、36Bを介して隣接する画素に拡散できる。
【0051】
図6(a)は、中間電極36の画素電極34に対する配置の別例を示す図であり、図6(b)は、中間電極36の画素電極34に対する配置のさらに別例を示す図である。実施の形態1では、図4(b)に示すように、各中間電極36R、36G、36Bが、画素電極34R、34G、34Bの長手方向と垂直方向に延在し、隣接する別の異色画素の画素電極と非接触でオーバラップするように配置されている。これに限られず、図6(a)及び(b)の構成を採用してもよい。
【0052】
図6(a)及び後述の実施の形態6に示すように、各中間電極36R、36G、36Bが、画素電極34R、34G、34Bの長手方向と垂直方向に延在していると共に、一つの中間電極が隣接する異色の画素電極の上にわたって非接触でオーバラップするように配置してもよい。さらに、隣接する中間電極がオーバラップする画素電極が順にずれるように配置されてもよい。言い替えると、隣接する2つの中間電極では、接続されている画素電極とオーバラップする画素電極とを含む画素電極の組み合わせが互いに異なる。
【0053】
あるいは、図6(b)に示すように、各中間電極36R、36G、36Bが、画素電極34R、34G、34Bの長手方向と平行に延在している。さらに、例えば、一つの画素電極34Rと接続された中間電極36Rは、隣接する同色画素の別の画素電極34R上にわたって非接触でオーバラップするように配置されてもよい。さらに、隣接する中間電極がオーバラップする画素電極が順にずれるように配置されてもよい。
【0054】
(実施の形態2)
図7(a)は、実施の形態2に係る表示装置10aの全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のE−E線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のF−F線に沿った断面図である。この表示装置10aでは、図7(c)に示すように、各中間電極36R、36G、36Bの面積が各画素電極34R、34G、34Bの面積よりもそれぞれ大きいことを特徴とする。
【0055】
一方、特開2004−6337号公報、特開2005−208423号公報等に記載の先行技術では、中間電極を介することなく駆動回路基板側の接続電極と画素電極とを直接コンタクトしていた。
【0056】
これに対して、実施の形態2に係る表示装置10aでは、画素電極34より大きな面積を有する中間電極36を設けて、中間電極36を介して画素電極34と接続電極23と接続する構成としたので、先行技術に比べてより駆動回路基板20と発光基板30とのアライメントが容易になり、接続電極23と中間電極36とを確実にコンタクトさせることができる。
【0057】
なお、単に画素電極34だけを大きく作成しようとしても発光層33などの構成要素によって凸凹が生じ、成膜時の膜の段切れやフォトリソ時のレジストムラなどでプロセスが安定しない。これに対して、実施の形態2に係る表示装置10aでは、発光基板30側の絶縁層35が平坦化膜として機能するので、フォトリソグラフィのプロセスを使って中間電極36を安定して、十分な大きさで、且つ、高精度に作成できる。
【0058】
(実施の形態3)
図8(a)は、実施の形態3に係る表示装置10bの全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のG−G線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のH−H線に沿った断面図である。この表示装置10bでは、各中間電極36R、36G、36Bの大きさが各接続電極23R、23G、23Bの大きさの順に設けられていることを特徴とする。上記構成によれば、色によって駆動電源の大きさが異なり、接続電極の大きさが異なる場合において、駆動回路基板20と発光基板30とのアライメントの余裕を最大限に発揮でき、接続電極23と中間電極36とを確実にコンタクトさせることができる。
【0059】
(実施の形態4)
図9(a)は、実施の形態4に係る表示装置10cの全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のI−I線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のJ−J線に沿った断面図である。
【0060】
通常、発光部40における共通電極32には透明電極が使用されるが、透明電極の電気抵抗は比較的高く、これに伴って画面の端部に比べて画面の中央部では発光部への印加電圧降下が発生するという問題がある。そこで、この表示装置10cでは上記印加電圧降下の問題を解決するために共通電極32に接するように、共通電極に比べて電気抵抗が低い金属等からなるバスバー42が設けられている。バスバー42は、ガラス基板31上の共通電極32の端から端にわたって設けられている。このバスバー42によって共通電極32の各部分にわたって同電位とすることができ、画面の部分ごとの印加電圧降下の問題を解決できる。
【0061】
さらに、この表示装置10cでは、バスバー42の横の画素電極34Bに対応する中間電極36Bの大きさが一番大きく、バスバー42上にわたって非接触でオーバラップするように設けられていることを特徴とする。上記構成によると、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合わせの際のアライメントが容易になる。さらに、発熱の大きい色の画素電極34Bをバスバー42の隣に配置し、その画素電極34Bに対応する中間電極36Bをバスバー42の上にわたって設けることで、発熱の大きい色の画素からの熱を、中間電極36Bを介してバスバー42から外部に確実に放熱することができる。
【0062】
(実施の形態5)
図10(a)は、実施の形態5に係る表示装置10dの全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のK−K線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のL−L線に沿った断面図である。この表示装置10dでは、各中間電極36R、36G、36Bがバスバー42の長手方向に対して垂直方向に延在して設けられていることを特徴とする。なお、バスバー42は、各画素電極34R、34G、34Bと同じ面内に配置されているので、各画素電極34R、34G、34Bの長手方向に対して平行に延在して配置されている。
【0063】
上記構成によると、各画素電極34R、34G、34Bに対応する各中間電極36R、36G、36Bは、各画素電極34R、34G、34B及びバスバー42の長手方向に対して垂直方向に延在しているので、各中間電極36R、36G、36Bの大きさを最大限にできる。そのため、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合わせの際のアライメントのマージンを広げることができる。さらに、各中間電極36R、36G、36Bをバスバー42の上にわたってオーバラップするように設けることによって、各画素からの熱を各中間電極36R、36G、36Bからバスバー42を介して外部に確実に放熱することができる。
【0064】
(実施の形態6)
図11(a)は、実施の形態6に係る表示装置10eの中間電極36R、36G、36Bの画素電極34R、34G、34Bに対する配置を示す概略図であり、(b)は、(a)のN−N線に沿った断面図である。この表示装置10eでは、各中間電極36R、36G、36Bが、画素電極34R、34G、34Bの長手方向と垂直方向に延在していると共に、一つの中間電極が隣接する異色の画素電極の上にわたって非接触でオーバラップするように配置されている。さらに、この表示装置10eでは、隣接する中間電極がオーバラップする画素電極が順にずれるように配置されている。言い替えると、隣接する2つの中間電極では、接続されている画素電極とオーバラップする画素電極とを含む画素電極の組み合わせが互いに異なる。なお、図11(a)では、3つの中間電極36R、36G、36Bが一組で順にずれていくように配置されているが、これに限らず、例えば、2つの中間電極ごとにジグザグに配置されてもよい。
【0065】
上記構成によると、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合わせの際のアライメントが容易になる。さらに、中間電極36R、36G、36Bは異色の画素電極にわたってオーバラップするように設けられているとともに、隣接する中間電極がオーバラップする画素電極を順にずれるように設けられている。上記中間電極36R、36G、36Bを介して各画素での発熱が隣接する異色画素間にわたって広く拡散されるので、異色の画素間での温度差発生を抑制し、異色間画素の間での色むらを抑制できる。その結果、画面上での輪郭のにじみを抑えることができる。
【0066】
(実施の形態7)
図12(a)は、実施の形態7に係る表示装置10fの中間電極36R、36G、36Bの画素電極34R、34G、34Bに対する配置を示す概略図であり、(b)は、(a)のP−P線に沿った断面図である。この表示装置10fでは、各中間電極36R、36G、36Bが、画素電極34R、34G、34Bの長手方向と平行に延在している。さらに、例えば、図12(b)に示すように、一つの画素電極34Rと接続された中間電極36Rは、隣接する同色画素の別の画素電極34R上にわたって非接触でオーバラップするように配置されていることを特徴とする。
【0067】
上記構成によると、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合わせの際のアライメントが容易になる。さらに、各中間電極は、隣接する同色画素の別の画素電極上にわたってオーバラップするように設けられているので、一つの画素からの発熱を隣接する同色画素の画素電極に拡散させることができる。これによって、隣接する同色画素間での温度差発生を抑制し、同色画素間での色むらを抑制することができる。その結果、色のにじみを抑えることができる。
【0068】
(実施の形態8)
図13は、本発明の実施の形態8に係る表示装置10gの全体構成を示す概略断面図である。この表示装置10gでは、各中間電極が上層の中間電極36R(36G、36Bは図示せず)と、下層の中間電極37R(37G、37Bは図示せず)との2層からなることを特徴とする。なお、中間電極は、2層に限られず3層以上の多層構造を有するものであってもよい。また、図13に示すように、上層中間電極36R及び下層中間電極37Rは、それぞれ接続されている画素電極と隣接する同色画素の別の画素電極の上にわたって非接触でオーバラップするように設けられている。さらに、各上層中間電極36Rと各下層中間電極37Rは、互いに異なる同色画素の画素電極とオーバラップするように配置されている。なお、図13では、上層中間電極と下層中間電極は同じ方向に延在しているが、これに限られず、上層中間電極の延在方向と下層中間電極の延在方向が互いに垂直であってもよい。
【0069】
上記構成によると、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合わせの際のアライメントが容易になる。さらに、中間電極を多層構造とすることで実質的な面積を広くできるので、一つの画素電極から隣接する画素電極にわたって確実に放熱することができる。さらに、同色画素間での温度差発生を抑制し、同色画素間での色むらを抑制することができる。その結果、色のにじみを抑えることができる
【0070】
(実施の形態9)
図14は、本発明の実施の形態9に係る表示装置10hの全体構成を示す概略断面図である。この表示装置10hでは、例えば図14では、一つの中間電極36Gと隣接する他の中間電極36R、36Bとを互いに異なる面に設けていることを特徴とする。これによって、各中間電極36R、36G、36Bの面積を広くすると共に、隣接する中間電極36B間に非接触でオーバラップする部分43を設けている。
【0071】
上記構成によると、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合わせの際のアライメントが容易になる。さらに、隣接する中間電極を互いに異なる面に設けることによって、各中間電極の面積を広くできるので、画素電極34R、34G、34Bから中間電極36R、36G、36Bを介して確実に放熱することができる。さらに、中間電極間のオーバラップ部分43によって、駆動回路基板20からの不純物、例えば、水HOの発光基板30側への拡散を抑制できる。
【0072】
(実施の形態10)
図15(a)は、実施の形態10に係る表示装置10iの全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のQ−Q線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のR−R線に沿った断面図であり、(d)は、(a)のS−S線に沿った断面図であり、(e)は、(a)のT−T線に沿った断面図である。この表示装置10iでは、中間電極の面積が、発熱の大きい画素から小さい画素の順になるように、各中間電極を設けていることを特徴とする。具体的には、画素電極34Rと接続された中間電極36Rの面積が最も大きくなるように設けている。また、画素電極34Gに接続された中間電極36Gの面積が次に大きく、画素電極34Bに接続された中間電極36Bの面積が最小となるように設けている。また、各中間電極36R、36G、36Bは、それぞれ異なる面に設け、面積を最大限に利用している。さらに、各中間電極36R、36G、36Bの間は互いに非接触でオーバラップしている。
【0073】
上記構成によると、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合わせの際のアライメントが容易になる。さらに、発熱の大きい画素の中間電極36Rの面積を最大限にできるので確実に放熱することができる。
【0074】
(実施の形態11)
図16(a)は、実施の形態11に係る表示装置10jの全体構成を示す概略断面図であり、(b)は、(a)のU−U線に沿った断面図であり、(c)は、(a)のV−V線に沿った断面図であり、(d)は、(a)のW−W線に沿った断面図である。この表示装置10jでは、実施の形態10と同様に中間電極の面積が、発熱の大きい画素から小さい画素の順になるように、各中間電極を設けていることを特徴とする。具体的には、画素電極34Rと接続された中間電極36Rの面積が最も大きくなるように設けている。また、画素電極34Gに接続された中間電極36Gの面積と、画素電極34Bに接続された中間電極36Bの面積とは同じ大きさとなるように設けている。
【0075】
上記構成によると、駆動回路基板20と発光基板30との貼り合わせの際のアライメントが容易になる。さらに、発熱の大きい画素の中間電極36Rの面積を最大限にできるので確実に放熱することができる。また、発熱があまり多くない画素についての中間電極36G、36Bを同じ面内に設けるようにして、中間電極を設ける層数を最小限に抑えることで、製造コストを低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上のように、本発明の表示装置は、発光基板の中間電極は、駆動回路基板と発光基板との貼り合わせ面内で画素電極の長手方向に対して平行又は垂直方向に延在するように設けられる。これによって、駆動回路基板の接続電極の位置が多少ずれても中間電極の長手方向に沿ってずれる範囲で許容できる。そこで、駆動回路基板と発光基板との貼り合わせの際の位置合わせ(アライメント)精度に余裕を与えることができる。これにより、駆動回路基板と発光基板との貼り合せ工程での歩留まりを向上させることができる。
【符号の説明】
【0077】
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10i、10j 表示装置
12 接着層
14 グランド電極
20 駆動回路基板
22 駆動回路
23、23R、23G、23B 接続電極
24 絶縁層
25 ソース電極
26 ドレイン電極
27 ゲート電極
28 半導体層
30 発光基板
31 ガラス基板
32 共通電極
33R、33G、33B 発光層
34R、34G、34B 画素電極
35 絶縁層
36、36R、36G、36B 中間電極
37R、37G、37B 下層中間電極
40 発光部
41、41R、41G、41B 画素
42 バスバー
43 オーバラップ部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動回路を有する駆動回路基板と、画素電極を含む発光部を有する発光基板と、が互いに対向するように貼り合わされて構成された表示装置であって、
前記駆動回路基板と前記発光基板との貼り合わせ面において、前記発光基板の前記発光部と接続された中間電極と、前記駆動回路基板の前記駆動回路と接続された接続電極と、が電気的に接続されており、
前記中間電極は、前記貼り合わせ面内で前記画素電極の長手方向に対して平行又は垂直方向に延在する、表示装置。
【請求項2】
前記中間電極は、前記画素電極より広い面積を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記各中間電極の面積は、前記各接続電極の大きさの順となるように設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記発光基板の前記発光部は、発光層を挟んで前記画素電極と対向して配置された共通電極を有すると共に、前記発光層及び前記画素電極とは非接触であって、前記共通電極に接続され、前記共通電極にわたって同電位とするよう配置されたバスバーを有し、
前記中間電極は、前記バスバー上にわたって非接触でオーバラップするように設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記中間電極は、前記バスバーの長手方向に対して平行に延在する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記中間電極は、前記バスバーの長手方向に対して垂直方向に延在する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記中間電極は、RGB各色の画素電極ごとに設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記中間電極は、前記RGB各色の画素の配列方向と平行に延在するように配置されている、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記中間電極は、前記RGB各色の画素の長手方向と垂直方向に延在するように配置されている、請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記中間電極は、接続されている画素電極と隣接する別の画素の画素電極の上にわたって非接触でオーバラップして設けられている、請求項7に記載の表示装置。
【請求項11】
前記中間電極は、接続されている画素電極と隣接する別の同色画素の画素電極の上にわたって非接触でオーバラップして設けられている、請求項7に記載の表示装置。
【請求項12】
前記中間電極は、接続されている画素電極と隣接する別の異色画素の画素電極の上にわたって非接触でオーバラップして設けられている、請求項7に記載の表示装置。
【請求項13】
隣接する2つの前記中間電極は、接続されている画素電極とオーバラップする画素電極とを含む画素電極の組み合わせが互いに異なるように配置されている、請求項10に記載の表示装置。
【請求項14】
前記中間電極は、前記表示装置の厚み方向について上層中間電極と下層中間電極とを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
一つの前記中間電極に含まれる前記上層中間電極と前記下層中間電極とは、互いに異なる画素電極とオーバラップするように配置されている、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
隣接する2つの前記中間電極を互いに異なる面に設ける、請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
隣接する2つの中間電極間に非接触でオーバラップする部分を設けている、請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記各中間電極は、前記中間電極の面積が、発熱の大きい画素から小さい画素の順になるように設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項19】
前記駆動回路基板の前記各接続電極は、前記RGB各色の各画素電極について、前記各中間電極の長手方向に対して斜めに配置されている、請求項7に記載の表示装置。
【請求項20】
前記中間電極は、前記貼り合わせ面内で長方形状を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項21】
前記接続電極は、前記貼り合わせ面内で等方形状を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項22】
前記駆動回路基板は、
第1ベース基板と、
前記第1ベース基板上に設けられた駆動回路と、
前記駆動回路と接続された接続電極と、
を備え、
前記発光基板は、
第2ベース基板と、
前記第2ベース基板上に、共通電極、発光層、画素電極の順に積層されて構成された発光部と、
前記画素電極と接続された中間電極と、
を備え、
前記駆動回路基板の前記接続電極と、前記発光基板の前記中間電極とを接続するように互いに対向させて貼り合わせた、請求項1に記載の表示装置。
【請求項23】
前記貼り合わせ面において、前記駆動回路基板の前記第1ベース基板の面内における伸縮方向が最大となる方向を、前記発光基板の前記中間電極の長手方向と平行となるように前記駆動回路基板と前記発光基板とを貼り合わせる、請求項22に記載の表示装置。
【請求項24】
前記共通電極は、グランド電位を有する、請求項22に記載の表示装置。
【請求項25】
前記駆動回路基板と前記発光基板とは、前記貼り合わせ面において絶縁性の接着層を介して貼り合わされている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項26】
前記接着層は、絶縁体が分散して構成されている、請求項25に記載の表示装置。
【請求項27】
前記駆動回路基板と前記発光基板との貼り合わせ面において、グランド電位を有し、前記貼り合わせ面の面内方向に展開するグランド電極をさらに備え、
前記グランド電極は、前記駆動回路基板の前記接続電極と前記発光基板の前記中間電極とは電気的に絶縁されている、請求項1に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−34030(P2010−34030A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128532(P2009−128532)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】