説明

表示装置

【課題】複雑な機能を有する表示装置を提供すること。
【解決手段】それぞれが上面に画像を表示する表示部12を有し前記上面が上下に移動可能であり前記上面の位置により情報が入力される複数の押釦10と、前記複数の押釦10の上面の上下の移動とは独立に、前記複数の押釦10をそれぞれ上下に駆動させる駆動部20と、を具備する表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、例えば複数の押釦を有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、コンピュータ端末、携帯電話、ゲーム機、自動発売機等に用いられる。近年では、タッチパネル等を用い、表示装置と入力装置とが一体化されている。特許文献1には、複数の押釦を配列し表示パネルを形成し、押下による押釦スイッチ機能を有するとともに、ボタンアイコン画像を表示パネルに表示する技術が記載されている。これにより、表示装置内の釦を押下することが容易になる。また、押下されたことを認識することができる。特許文献2には、押釦に表示機能を設けた技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−282433号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0001787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、個々の押釦を上下させる機構と、押釦を押下する機構が共通である。このため、表示装置に複雑な機能を持たせることができない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、複雑な機能を有する表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、それぞれが上面に画像を表示する表示部を有し前記上面が上下に移動可能であり前記上面の位置により情報が入力される複数の押釦と、前記複数の押釦の上面の上下の移動とは独立に、前記複数の押釦をそれぞれ上下に駆動させる駆動部と、を具備することを特徴とする表示装置である。本発明によれば、複雑な機能を有する表示装置を提供することができる。
【0007】
上記構成において、前記複数の押釦は横方向に配列され、前記複数の押釦の前記表示部により形成された表示パネルを具備する構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記複数の押釦のうち一部の押釦の上面が他の押釦より高くなるように前記駆動部を制御する制御部を具備する構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、前記制御部は、前記一部の押釦のうち少なくとも一部の上面が押された場合、前記一部の押釦の上面の高さを調整するように、前記駆動部を制御する構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記制御部は、前記一部の押釦のうち少なくとも一部の上面が押された場合、前記一部の押釦の上面の高さが揃うように、前記駆動部を制御する構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記複数の押釦は横方向に配列され、前記複数の押釦の前記表示部により形成された表示パネルを具備し、前記制御部は、前記一部の押釦の表示部に画像を表示することにより、前記表示パネルに前記画像からなるボタンアイコンを表示する構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記制御部は、前記一部の押釦のうち上面が最も低い押釦の上面に、前記一部の押釦の上面が揃うように前記駆動部を制御する構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記一部の押釦は、複数に分離されている構成とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複雑な機能を有する表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1(a)は、実施例1に係る表示装置の上面図、図1(b)は、各押釦の上面図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、実施例1の押釦の断面図である。
【図3】図3(a)から図3(d)は、駆動部を取り付けた押釦の断面図である。
【図4】図4は、実施例1に係る表示装置のブロック図である。
【図5】図5は、実施例2に係る表示装置の制御部が行なう処理のフローチャートである。
【図6】図6は、表示パネルに表示された画像を示す図である。
【図7】図7は、図5のステップS16における制御部の処理を示すフローチャートである。
【図8】図8は、領域46内の押釦の動作を説明する断面図(その1)である。
【図9】図9は、領域46内の押釦の動作を説明する断面図(その2)である。
【図10】図10は、領域46内の押釦の動作を説明する断面図(その3)である。
【図11】図11は、実施例3における表示パネルに表示された画像の例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例について図面を参照し説明する。
【実施例1】
【0017】
図1(a)は、実施例1に係る表示装置の上面図、図1(b)は、各押釦の上面図である。図1(a)のように、表示装置42は、表示パネル40を有している。表示パネル40は横方向に配列した複数の押釦10により構成される。複数の押釦10は、直交する2方向に2次元的に配列されている。複数の押釦10は、交差する2方向に配列されていてもよく、1次元的に配列されていてもよい。
【0018】
図1(b)のように、押釦10は表示部12を有している。表示部12は、例えば有機EL(Electroluminescence)素子またはLCD(Liquid Crystal Display)素子である。表示部12は、各押釦10毎に異なる画像を表示することができる。図1(b)の例では、各表示部12は、「A」、「B」、「C」を表示している。表示部12が表示する画像は文字以外の画像でもよい。押釦10は、例えば非特許文献2に記載されている押釦でもよい。
【0019】
図2(a)および図2(b)は、実施例1の押釦の断面図である。図2(a)は、押釦10が押下されていない状態を示し、図2(b)は、押釦10が押下された状態を示している。図2(a)および図2(b)のように、押釦10は、配線が形成された基板19上に、表示部12が支柱13で固定されている。表示部12はキャップ11とキャップ下部16とにより形成される空間内に収納されている。キャップ11の少なくとも上面は透明である。よって、表示部12の上面に表示された画像は、上面から視認可能である。キャップ11とキャップ下部16とが一体となって摺動(上下に移動)した場合も、表示部12は支柱13により基板19に固定されたままである。なお、表示部12は、キャップ11に固定されていてもよいが、この場合、表示部12と基板19とを接続する配線が動く。これにより、配線の断線が生じやすくなる。よって、表示部12は基板19に対し固定されていることが好ましい。
【0020】
キャップ下部16の凸部は、基板19に固定された案内部17の孔内に挿入されている。キャップ11とキャップ下部16とが摺動すると、案内部17はキャップ下部16の凸部を案内する。これにより、キャップ11とキャップ下部16は上下方向に移動可能となる。案内部17内にはラバードーム18が設けられている。ラバードーム18の突起がキャップ下部16の凸部と当接している。ラバードーム18は押釦10の上面を上方に付勢する弾性体である。図2(b)の矢印ように、キャップ11の上面が押されると、ラバードーム18は変形し、キャップ11とキャップ下部16とが下がる。図2(a)のように、キャップ11上面が解放されると、ラバードーム18は、元の形状に戻るため、キャップ11とキャップ下部16とが上がる。
【0021】
キャップ11とキャップ下部16の少なくとも一方には磁石15が設けられている。基板19には、ホールセンサ等の磁気センサ14が設けられている。磁気センサ14が磁界の強さを検出することにより、キャップ11の位置を検出することができる。磁石15と磁気センサ14の位置は逆でもよい。磁気センサ14の配線を短くするため、磁気センサ14は基板19に設けることが好ましい。なお、キャップ11の位置の検出は、スイッチ等の他の手段を用いてもよい。実施例1のように、磁石15と磁気センサ14を用いることにより、押釦10の上面(例えばキャップ11の上面)の位置を2値化するだけでなく細かく検出することができる。
【0022】
図3(a)から図3(d)は、駆動部を取り付けた押釦の断面図である。なお、図3(b)から図3(d)において、図3(a)と同じ部材の符号を省略している。図3(a)から図3(d)のように、押釦10の下に駆動部20が取り付けられている、駆動部20は雌ネジ21と雄ネジ22とを有している。雌ネジ21を基板19に対し固定し、雄ネジ22をモータ等を用い回転させることにより、押釦10の高さを変えることができる。図3(a)は、駆動部20が押釦10の位置を高くし、かつ押釦10が押下されていない状態を示す図である。図3(b)は、駆動部20が押釦10の位置を高くし、かつ押釦10が押下された状態を示す図である。図3(c)は、駆動部20が押釦10の位置を低くし、かつ押釦10が押下されていない状態を示す図である。図3(d)は、駆動部20が押釦10の位置を低くし、かつ押釦10が押下された状態を示す図である。駆動部20は、押釦10の高さを変えることができれば、他の機構を用いてもよい。
【0023】
図4は、実施例1に係る表示装置のブロック図である。表示装置は、押釦10、駆動部20および制御部30を備えている。押釦10は、表示部12と磁気センサ14を備えている。押釦10および駆動部20は、図1(a)のように、複数設けられている。制御部30は、例えばコンピュータまたはCPU(Central Processing Unit)である。制御部30は、表示部12に画像を表示する。また、制御部30は、磁気センサ14からの信号により、押釦10の上面の位置を検出することができる。押釦10の上面の位置に応じ、情報が入力される。また、駆動部20に押釦10を上下に移動させることができる。
【0024】
実施例1によれば、複数の押釦10のそれぞれが上面に画像を表示する表示部12を有し、上面が上下に移動可能である。押釦10の上面の位置により情報が入力される。駆動部20は、複数の押釦10の上面の上下の移動とは独立に、複数の押釦10をそれぞれ上下に駆動させる。以上により、表示装置42に以下の実施例2および3で示すような複雑な機能を持たせることができる。
【実施例2】
【0025】
実施例2は、実施例1に係る表示装置の動作の例である。図5は、実施例2に係る表示装置の制御部が行なう処理のフローチャートである。図5のように、制御部30は、表示パネル40にボタンアイコン画像を表示する(ステップS10)。図6は、表示パネル40に表示された画像を示す図である。図6のように、表示パネル40にボタンアイコン44a〜44cが表示されている。それぞれのボタンアイコン44a〜44cは、例えば3つの押釦10からなる。ボタンアイコン44a〜44cは、2または4以上の押釦10から構成されていてもよい。ボタンアイコン44a〜44cは、押釦10の表示部12に表示された画像から形成されている。
【0026】
図5のように、制御部30は、駆動部20にボタンアイコン44a〜44cを構成する押釦10の高さを他の押釦10より高くさせる(ステップS12)。制御部30は、ボタンアイコン44a〜44cのいずれかが押下されたか判断する(ステップS14)。例えば、ボタンアイコン44aを構成する押釦10の少なくとも1つが押下された場合、ボタンアイコン44aが押下されたと判断する。例えば制御部30は、押釦10の上面の位置が所定位置より下がった場合、押釦10が押下されたと判断することができる。
【0027】
ステップS14において、Noの場合、ステップS14に戻る。ステップS14において、Yesの場合、制御部30は、ボタンアイコン44a内の押釦10の上面の高さを調整する(ステップS16)。ボタンアイコン44aの押下に対応した処理を行う(ステップS18)。その後、終了し、ステップS10に戻る。
【0028】
図7は、図5のステップS16における制御部の処理を示すフローチャートである。図7のように、制御部30は、押下されたボタンアイコン44a内の押釦10をスキャンする(ステップS20)。例えば、ラスタススキャンする。例えば、ボタンアイコン44a内の各押釦10の上面の位置を測定する。制御部30は、ボタンアイコン44a内の各押釦10の上面の位置の補正値を計算する(ステップS22)。例えば、ボタンアイコン44a内の上面が最も低い押釦10の位置からその他の押釦10の上面の差を計算する。制御部30は、駆動部20にボタンアイコン44a内の各押釦10の高さを調整させる(ステップS24)。例えば、制御部30は、ボタンアイコン44a内の押釦10の上面の高さがステップS22で測定した上面が最も低い位置に揃うように駆動部20を制御する。
【0029】
図8から図10は、図6の領域46内の押釦の動作を説明する断面図である。図8から図10において、押釦10aから10cがボタンアイコン44aを形成する押釦10である。押釦10dは、ボタンアイコン44aから44c以外の押釦10である。また、押釦10bから10dにおいて、押釦10aと同じ部材の符号を省略している。
【0030】
図8は、図5のステップS12後の押釦10aから10dを図示している。駆動部20は、ボタンアイコン44aを構成する押釦10aから10cを高くする。これにより、押釦10aから10cの上面は、押釦10dよりH1高くなる。図9は、図7のステップS20後の押釦10aから10dを図示している。ボタンアイコン44aを構成する押釦10aから10cのうち、押釦10cの上面が他の押釦10aおよび10bよりH2低くなっている。図10は、図7のステップS24後の押釦10aから10dを図示している。押釦10aおよび10bの駆動部20が駆動し、押釦10aおよび10bの上面が押釦10cの上面に揃うように押釦10aから10cの高さが調整される。例えば、駆動部20を用い、押釦10aおよび10bの基板19を押釦10cよりH2低くする。なお、図8から図9においては、押釦10aから10cのうち1つ押釦10cが押下された場合の例を説明した。押釦10aから10cのうち複数の押釦が押下されてもよい。
【0031】
実施例2によれば、図5のステップS12および図8のように、複数の押釦10のうち一部の押釦(例えばボタンアイコン44aに対応する押釦)10aから10cの上面が他の押釦10dより高くなるように駆動部20を制御する。これにより、表示パネル40に高さの異なる画像を表示できる。例えば、ボタンアイコンの画像を他の画像より高くすることにより、ボタンアイコンをより強調することができる。また、ゲーム機等においては、より刺激的な画像を楽しむことができる。
【0032】
また、制御部30は、一部の押釦10aから10cのうち少なくとも一部の押釦10aの上面が押された場合、一部の押釦10aから10cの上面の高さを調整するように、駆動部20を制御する。例えば、一部の押釦10aから10cの上面の高さが揃うように、駆動部20を制御する。これにより、ボタンアイコン44aを一体として連動して高さを揃えることができる。なお、一部の押釦10aから10cの上面の高さが揃っていなくとも、例えば、中心の押釦の上面を周辺の押釦に対し高くする。または、中心の押釦の上面を周辺の押釦に対し低くする等することにより、ボタンアイコン等をより強調させるようにすることもできる。さらに、ゲーム機等においては、押釦をより刺激的な形状とすることができる。
【0033】
さらに、図10のように、制御部30は、一部の押釦10aから10cのうち上面が最も低い押釦10cの上面に、一部の押釦10aから10cの上面が揃うように駆動部20を制御する。これにより、押釦10cの駆動部20は駆動させなくてもよく、より効率的である。
【実施例3】
【0034】
実施例3は、実施例1に係る表示装置の動作の例である。図11は、実施例3における表示パネルに表示された画像の例である。図11のように、領域48d、48eおよび48fの押釦を連動して上面を調整する一部の押釦とする。このように、連動して駆動する一部の押釦は、隣接せず、複数に分離させることもできる。例えば、ゲーム機等においては、表示パネル40上に複数の連動する押釦10を設けることにより、より刺激的にゲームを楽しむことができる。特許文献1の方法を用いると、連動して駆動する押釦は分離させることができない。
【0035】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
10 押釦
12 表示部
20 駆動部
30 制御部
40 表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが上面に画像を表示する表示部を有し前記上面が上下に移動可能であり前記上面の位置により情報が入力される複数の押釦と、
前記複数の押釦の上面の上下の移動とは独立に、前記複数の押釦をそれぞれ上下に駆動させる駆動部と、
を具備することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数の押釦は横方向に配列され、前記複数の押釦の前記表示部により形成された表示パネルを具備することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記複数の押釦のうち一部の押釦の上面が他の押釦より高くなるように前記駆動部を制御する制御部を具備することを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記一部の押釦のうち少なくとも一部の上面が押された場合、前記一部の押釦の上面の高さを調整するように、前記駆動部を制御することを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記一部の押釦のうち少なくとも一部の上面が押された場合、前記一部の押釦の上面の高さが揃うように、前記駆動部を制御することを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数の押釦は横方向に配列され、前記複数の押釦の前記表示部により形成された表示パネルを具備し、
前記制御部は、前記一部の押釦の表示部に画像を表示することにより、前記表示パネルに前記画像からなるボタンアイコンを表示することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記一部の押釦のうち上面が最も低い押釦の上面に、前記一部の押釦の上面が揃うように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項5記載の表示装置。
【請求項8】
前記一部の押釦は、複数に分離されていることを特徴とする請求項3から7の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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