説明

表示装置

【課題】同期信号が互いに同期していない映像信号を、時分割方式で2者に対し別々の映像を表示させる際に、より好適に2者に対し別々の映像を表示させる映像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】映像信号1および映像信号2を受信し、映像選択部はメイン映像信号とサブ映像信号のどちらが映像信号1でどちらが映像信号2かを決定しそれぞれメイン映像信号とサブ映像信号として出力し、メイン映像信号を倍速化し、サブ映像信号を倍速化し、かつ、メイン映像信号に同期化させ、倍速メイン映像信号と倍速サブ映像信号を適宜選択しパネル部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン放送等を受信して得た映像を処理する映像表示装置に関し、さらに詳しくは、時分割方式の立体視システムの応用に係り、とりわけ2者に対し別々の映像を最適に表示させることが可能な映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、時分割に右眼映像と左眼映像を表示し、シャッタ付きメガネでそれぞれの映像を右眼または左眼に表示し立体視が可能な映像表示装置が多く市販されるようになってきている。
【0003】
このような表示システムにおいて、視聴している2者に対し、それぞれ異なる映像を表示させる技術が特許文献1〜3などに開示されている。
【0004】
以下に、このような従来の、視聴している2者に対し異なる映像を表示させる表示装置について説明する。
【0005】
図4は、この従来の、時分割方式の立体視システムを応用し、視聴いている2者に対し異なる映像を表示し、視聴させる表示装置400のブロック図である。
【0006】
図4において、倍速化部403、404は映像信号1、2をそれぞれ倍速化する。切替部405は倍速化した映像信号1、2を時系列に交互に表示する。パネル部406は、切替部405によって、映像信号1または映像信号2のうち、適宜選択された映像信号を表示する。
【0007】
シャッタ付きメガネ407、408は、映像を視聴するためのシャッタ付きのメガネであり、表示装置などから送信される開閉指示信号(図示しない)を受け取り、シャッタを適宜開閉する。
【0008】
図5は、図4で示した表示装置の各信号のタイミングチャートである。
【0009】
先ず、受信した映像信号1および映像信号2はそれぞれ、倍速化部403、404で倍速化処理され、倍速映像信号1、倍速映像信号2となる。これを図5に示すように適宜交互に選択し、パネル部406に表示している。
【0010】
さらにシャッタ付きメガネ407は、表示装置から送信される開閉指示信号のタイミングに併せて、倍速映像信号1を表示している期間には両眼同時にシャッタを開放し、倍速映像信号1を表示していない期間には閉鎖するように制御されている。
【0011】
同様に、シャッタ付きメガネ408は、表示装置から送信される開閉指示信号のタイミングに併せて、倍速映像信号2を表示している期間には両眼同時にシャッタを開放し、倍速映像信号2を表示していない期間には閉鎖するように制御されている。
【0012】
なお、多くの表示デバイスは実際の表示にある程度の時間が必要なため、図5に示すようにシャッタの開放期間は、実際の各映像信号の表示期間よりもやや狭めている。
【0013】
また、図6は図4で示した表示装置の各信号の別の形態のタイミングチャートである。
【0014】
図6が図5と異なるのは、図5では倍速化した映像信号が2倍であったのに対し、図6では倍速化した映像信号が4倍となっている点である。
【0015】
昨今、パネル部として液晶表示装置が多く用いられるようになってきているが、液晶表示装置の多くは線順次駆動であり、信号をパネルに書き込んでから実際の表示までに相当の応答時間がかかるものもあるため、このように2倍以上に倍速化して表示する方法を用いることがある。このような場合には、図6に示すように、パネル部には2倍以上に倍速化した映像信号を表示し、シャッタの開放期間は1度目の表示ではなく2度目の表示に併せて開放する。
【0016】
このように、交互に表示された倍速映像信号の表示タイミングに併せて各シャッタ付きメガネのシャッタを両眼同時に開閉させることでシャッタ付きメガネ407を装備した者には結果として映像信号1のみ、シャッタ付きメガネ408を装備した者には結果として映像信号2のみが認知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平6−217214号公報
【特許文献2】国際公開第2010/055936号
【特許文献3】特開2005−227424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、上記従来の特許文献においては、映像信号1、2にそれぞれ含まれる、基準信号である同期信号が予め同期しているものとして示されている。映像信号1、2が全く異なる放送局から発信された放送を受信した映像のような場合、放送局相互間で予め同期していることは期待できず、映像信号1、映像信号2それぞれの同期信号が予め同期していないことがあり、このような場合に、どのように表示させるかについてはなんら概念が無く詳細な記載も無い。
【0019】
このように同期信号が互いに同期していない映像信号を同時に表示する技術として、ピクチャー・イン・ピクチャ(子画面表示)などに用いられるフレームシンクロナイズが広く知られている。フレームシンクロナイズは互いに非同期な映像信号の一方を、他方の映像信号に同期させる技術で、フレームメモリに書き込んだ一方の映像信号を他方の同期信号に同期して読み出すことで同期させて表示するものである。
【0020】
ただし、このようなフレームシンクロナイズにおいては、次の課題があることが知られている。
【0021】
図7は、一般的なフレームシンクロナイズのタイミングチャートで、映像信号2を映像信号1に同期させる場合について説明している。映像信号2はフレームメモリへ映像信号2の同期タイミングで書き込み、映像信号1の同期信号に同期させて読み出している。このように制御することで映像信号2を映像信号1に同期させることが可能である。
【0022】
ただし、図7(a)に示すように映像信号1の同期信号の方の周期が長い(フレーム周波数が遅い)場合、フレーム0(F0の開始)時点で同期をとっていても、1フレーム、2フレーム、3フレーム、・・・と表示していくにつれて、映像信号2の書き込みが進み、映像信号1のフレームの遅れが累積する。映像信号1のXフレームの読み込み(FXの開始)時点において、映像信号2では(X+1)フレーム(FX+1)が書き込まれており、映像信号2を読み込む時点において、この(X+1)フレーム(FX+1)が読み込まれる。このため、映像信号2のXフレーム(FX)は表示されず、映像信号2のフレーム(X−1)の次はフレーム(X+1)が表示されることとなる。
【0023】
このように同期させる側のフレーム周波数が早い場合には、定期的に表示されないフレーム(フレームスキップ)が発生する。
【0024】
一方、同期させる側のフレーム周波数が遅い場合には、映像信号2のフレームの書き込みが、読み込みよりも遅くなってしまうことから、書き込みが間に合わず、間に合わないフレームについては直前のフレームが用いられる。つまり、図7(b)のFXで示すように、2度読み出されるため、2度表示されるフレーム(フレームリピート)が、定期的に発生する。
【0025】
2つの映像信号1、映像信号2の同期信号のずれに応じて、このようなフレームスキップや、フレームリピートが数秒〜数分に1度程度の頻度で定期的に発生することになる。
【0026】
しかしながら、親画面の同期信号に合わせて、子画面側の表示を同期させることにより、視聴者がフレームスキップや、フレームリピートを極力感知しにくくすることが可能である。なぜなら、子画面は表示サイズが小さい上に、その性格上視聴者が長時間注視し続けることは少ないからである。
【0027】
本願においては表示する2種類の映像はどちらも画面全体となっており、かつ、どちらも視聴者が注視し続ける可能性がある映像であるため、このようなフレームスキップや、フレームリピートが発生すると、視聴者は感知しやすく、視聴者に相当の違和感を感じさせる可能性がある。
【0028】
本発明は上記課題を考慮してなされたものであり、2者に対し異なる映像をより好適に表示させる映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記の目的を達成するため本発明第1の技術手段は、同期信号の異なる複数の映像を入力する入力手段と、前記映像のジャンル情報を取得する取得手段と、前記入力した複数の映像を交互に表示する表示手段と、前記ジャンル情報から優先度が高い映像を選択する選択手段と、前記表示手段は、前記選択手段により選択された第1の映像に合わせて同期し、前記選択された映像でない方の第2の映像は、前記第1の映像に同期して表示することを特徴とする。
【0030】
このような構成により、互いに同期しない別々の映像信号をより好適に2者に対し別々の映像を表示させる映像表示装置を提供することができる。
【0031】
本発明第2の技術手段はさらに、表示装置からの信号に応じてシャッタの開閉を行うシャッタ付きメガネを備え、前記シャッタ付きメガネに対して映像を選択的に表示させるために、前記シャッタ付きメガネに対して、前記第1の映像を表示している場合には第1の映像を表示している旨の信号を送信し、前記第2の映像を表示している場合には第2の映像を表示している旨の信号を送信する送信手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、簡略な構成で、フレームスキップ/リピートが検知されにくい、好適に2者に対し別々の映像を表示させる映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施の形態1における表示装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1における表示装置の動作を示すタイミングチャート
【図3】実施の形態1における表示装置の別の形態の動作を示すタイミングチャート
【図4】従来の表示装置のブロック図
【図5】従来の表示装置の主要動作を示すタイミングチャート
【図6】従来の表示装置の別の形態の動作を示すタイミングチャート
【図7】フレームシンクロナイズにおけるフレームスキップ、フレームリピートの説明図
【図8】実施の形態2における表示装置の判別部のブロック図
【図9】実施の形態2における表示装置の判別部の重みテーブルを示す図
【発明を実施するための形態】
【0034】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1における映像表示装置について図面を参照しながら説明する。
【0035】
図1は、実施の形態1における映像表示装置のブロック図である。
【0036】
映像表示装置100は、映像選択部101、判別部102、倍速化部103、倍速化・シンクロナイズ部104、切替信号発生部105、切替部106、パネル部107、シャッタ付きメガネ制御信号生成部110、111とから構成されている。さらに、シャッタ付きメガネ制御信号生成部110、111から送信されたシャッタの開閉指示信号に従って、シャッタ付きメガネ108、109のシャッタの開閉が行われている。
【0037】
映像選択部101は、受信した映像信号1、または、映像信号2を排他的に選択し、一方をメイン映像信号とし、他方をサブ映像信号として出力する。
【0038】
判別部102は、映像選択部101におけるメイン映像信号と、サブ映像信号のうち、いずれが映像信号1であり、いずれが映像信号2であるのかを決定する判定信号を出力する。
【0039】
倍速化部103は、映像選択部101から出力したメイン映像信号を倍速化した映像信号である、倍速メイン映像信号を生成する。また、映像信号1に含まれる同期信号も倍速化した同期信号である、倍速同期信号を生成する。
【0040】
倍速化・シンクロナイズ部104は、サブ映像信号を倍速化し、かつ、メイン映像信号に同期化させた映像信号である、倍速サブ映像信号を生成する。
【0041】
切替信号発生部105は、倍速化部より倍速同期信号を受け取り、メイン映像とサブ映像を交互に切り替えるための切替信号を生成し、切替部106に出力する。
【0042】
切替部106は、切替信号発生部105から出力された切替信号を受け取り、倍速同期信号に同期して、倍速メイン映像信号と、倍速サブ映像信号とを、交互に切り替える。
【0043】
パネル部107は、切替部106から出力された映像信号を、LCD表示装置などの表示画面に表示する。
【0044】
図2は実施の形態1における映像表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【0045】
今、仮に判別部102において、映像信号1がメイン映像信号となるよう判定し、判定信号「1」を出力するものとする。
【0046】
映像選択部101は、判定信号「1」に基づき、映像信号1がメイン映像信号、映像信号2がサブ映像信号として選択出力される。
【0047】
映像選択部101により選択された、メイン映像信号は倍速化部103において、映像信号を倍速化した倍速メイン映像信号と、同期信号を倍速化した倍速同期信号とが生成される。
【0048】
倍速化部103は、図示しないフレームメモリに対してメイン映像信号をメイン映像信号の同期信号に従って書き込み、フレームメモリから読み出す際には書き込み速度の倍の速度で読み出し、出力する。このようにすることにより倍速メイン映像信号を生成する。
【0049】
倍速化・シンクロナイズ部104は、サブ映像信号を倍速化し、さらに、メイン映像信号の倍速同期信号に同期して読み出した倍速サブ映像信号を生成する。倍速化・シンクロナイズ部104は、図示しないフレームメモリに対してサブ映像信号をサブ映像信号の同期信号に従って書き込み、メイン映像信号の倍速同期信号に同期して読み出す。この際に、メイン映像信号の倍速同期信号と、サブ映像信号のフレーム周波数の違いに応じて、倍速サブ映像信号には、フレームスキップ、または、フレームリピートが発生する。
【0050】
切替信号発生部105は、倍速化部103より倍速同期信号を受け取り、倍速メイン映像と倍速サブ映像を交互に切り替えるための切替信号を生成し、切替部106に出力する。
【0051】
切替部106は、切替信号発生部105から出力された切替信号を受け取り、倍速同期信号に同期して、倍速メイン映像信号と、倍速サブ映像信号とを、交互に切り替える。倍速メイン映像信号、倍速サブ映像信号は、倍速化同期信号に同期して切替部106に入力されるため、パネル部107に交互に出力するように、倍速メイン映像信号、倍速サブ映像信号と切り替える。
【0052】
シャッタ付きメガネ制御信号生成部110、111は、それぞれが、切替信号発生部105からの切替信号と判別部102からの判定信号とを受け取り、シャッタ付きメガネ制御信号1、シャッタ付きメガネ制御信号2を生成する。
【0053】
図2(A)には上記の動作のタイミングチャートを示している。
【0054】
ここで、判定信号を「1」としたため、メイン映像信号として映像信号1が選択され、シャッタ付きメガネ108にて映像信号1を視聴するため、シャッタ付きメガネ制御信号1は切替信号と同相となる。また、シャッタ付きメガネ109にて映像信号2を視聴するため、シャッタ付きメガネ制御信号2は切替信号とは逆相となっている。
【0055】
このように生成されたシャッタ付きメガネ制御信号1によって制御されるシャッタ付きメガネ108は、メイン映像信号として選択した映像信号1の倍速メイン映像信号の表示に併せて開放し、逆に倍速メイン映像信号の非表示に併せて閉鎖する。
【0056】
一方、シャッタ付きメガネ制御信号2によって制御されるシャッタ付きメガネ109は、サブ映像信号として選択した映像信号2の倍速サブ映像信号の表示に併せて開放し、逆に倍速サブ映像信号の非表示に併せて閉鎖する。
【0057】
その結果シャッタ付きメガネ108を使用した視聴者には映像信号1の映像のみが表示され、シャッタ付きメガネ109を使用した視聴者には映像信号2の映像のみが表示される。
【0058】
ここで、判別部102で映像信号1がサブ映像信号となるよう判定し、判定信号「0」を出力した場合には、動作タイミングは図2(B)のようになる。この場合は、シャッタ付きメガネ制御信号1は切替信号と逆相になり、シャッタ付きメガネ制御信号2は切替信号と同相になる。
【0059】
そして、シャッタ付きメガネ108は、サブ映像信号として選択した映像信号1の倍速サブ映像信号の表示に併せて開放し、逆に倍速サブ映像信号の非表示に併せて閉鎖する。
【0060】
一方、シャッタ付きメガネ109は、メイン映像信号として選択した映像信号2の倍速メイン映像信号の表示に併せて開放し、逆に倍速メイン映像信号の非表示に併せて閉鎖する。
【0061】
このように、映像信号1がメイン映像信号となるように判定した場合と同様に、シャッタ付きメガネ108を使用した視聴者には映像信号1の映像のみが表示され、シャッタ付きメガネ109を使用した視聴者には映像信号2の映像のみが表示される。
【0062】
図3は、実施の形態1における映像表示装置の別の形態のタイミングチャートである。
【0063】
図3が図2と異なるのは、図2では映像信号の倍速化は2倍であったのに対して、図3では映像信号の倍速化が4倍となっている点である。
【0064】
昨今、液晶表示装置が多く用いられるようになってきているが、液晶表示装置の多くは線順次駆動であり、かつ、映像信号をパネルに書き込んでから実際の表示までに相当の応答時間がかかる場合もあるため、このように2倍以上に倍速化し表示する方が望ましい場合もある。
【0065】
このような観点から、図3に示すように、パネルには2倍以上に倍速化した映像信号を表示し、シャッタの開放期間は1度目の表示ではなく2度目の表示に併せて開放するように制御することもできる。
【0066】
このように、交互に表示された倍速映像信号の表示タイミングに併せて各シャッタ付きメガネのシャッタを両眼同時に開閉させることでシャッタ付きメガネ108を装備した者には、結果として映像信号1のみ、シャッタ付きメガネ109を装備した者には、結果として映像信号2のみを視聴することができる。
【0067】
上記の動作において、個々のシャッタ付きメガネが、それぞれ映像信号1の映像を表示するのか、映像信号2の映像を表示するのかを選択できるようスイッチなどの選択手段により、判別部102を構成しても構わない。
【0068】
メイン映像信号と、サブ映像信号との同期信号に差がある場合には、以上の構成では、倍速サブ映像信号側が、必ずフレームスキップ、またはフレームリピートされることとなる。
【0069】
表示される映像には様々な種類が存在し、中にはフレームスキップや、フレームリピートが発生しても、感知されにくいものも存在する。
【0070】
例えば、静止画であれば、フレームスキップや、フレームリピートが発生しても、全く感知されることはない。
【0071】
よって、フレームスキップや、フレームリピートが感知されにくい側をサブ映像信号として選択するように判別部102が判定するように構成しても構わない。そこで、判別部102では、映像信号1の映像と、映像信号2の映像のうち、より動きの少ない側をサブ映像信号として選択するようにする。また、1秒間のフレーム数が少ない側をサブ映像信号として選択するようにしても構わない。
【0072】
ここで述べる「1秒間のフレーム数」とはコンテンツの本来のフレーム周波数を指し、例えば、一般的に映画などの毎秒24フレームの映像が23プルダウンされた後に、毎秒60フレームで送信されてきた場合でも、本来のコンテンツのフレームレートである24フレームを指すものとする。
【0073】
このような検出は、映像信号1および映像信号2の各々の映像について、映像信号のフレーム間の差分を検知することで、動きの変化の有無を検出することができる。また動き量としても検出することができる。動きの変化や、動き量の大きさなどを検知して、映像としてフレーム数を検出することができる。
【0074】
映画やアニメーションは毎秒8フレーム〜24フレームであり、通常の映像が毎秒60フレームであるのと比べてフレーム数が少なく、サブ映像信号としては映画やアニメーションを選択することができる。このように、より動きの少ない側をサブ映像信号として選択する。または、1秒間のフレーム数が少ない側をサブ映像信号として選択すれば、フレームスキップや、フレームリピートの影響が極めて小さくなり、視聴者が感知しにくい。
【0075】
なお、判別部102でメイン映像信号として映像信号1を選択していた状態から、映像信号2を選択した状態に変更した場合に、シャッタ付きメガネ制御信号生成部110、111の制御信号を変更するように実施の形態1では説明したが、シャッタ付きメガネ制御信号の順序は維持したままで構成しても構わない。つまり、メイン映像信号として映像信号1を選択しており、シャッタ付きメガネ108で映像信号1を視聴し、シャッタ付きメガネ109で映像信号2を視聴するように設定されており、同時刻のフレームでは倍速メイン映像信号、倍速サブ映像信号の順に出力されていたものとする。判別部102でメイン映像信号として映像信号1を選択していた状態から、映像信号2を選択した状態に変更したものとする。このときメイン映像信号が映像信号2に変化するため、シャッタ付きメガネ108、シャッタ付きメガネ109の開閉タイミングを維持しているのであれば、引き続きそれぞれ映像信号1、映像信号2を視聴するようにさせるため、切替部で出力する映像信号は、同時刻のフレームでは倍速サブ映像信号、倍速メイン映像信号の順と順番を逆にしても構わない。
【0076】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2における映像表示装置について図面を参照しながら説明する。
【0077】
実施の形態2における映像表示装置と、実施の形態1における映像表示装置との差異は、判別部202の構成が判別部102と異なる点である。判別部202は、図8に示す構成である。その他については、実施の形態2と実施の形態1とでは同じであるため、説明を省略する。
【0078】
図8において判別部202は、電子番組情報を受信し、映像信号1、映像信号2のそれぞれの番組種別(ジャンル)を取得する。そして、番組種別に応じて、映像信号1と映像信号2との間で、優先度を判定する。優先度が高い方をメイン映像信号として判定して、他方をサブ映像信号として判断する。
【0079】
図9は、番組種別とそれに応じた優先度を示す例である。このような重みテーブルを予め用意しておくことで、映像信号1、映像信号2のそれぞれの番組種別(ジャンル)情報から、それぞれの重みを取得し、比較し、重みが小さい方をサブ映像信号となるよう判定信号を出力する。
【0080】
上記重みテーブルは、動きが大きいものほど大きく、1秒間のフレーム数が多いほど大きくなるものを定めるようにしておけばよい。
【0081】
実際に、映画やアニメーションは1秒間に8フレーム〜24フレームと、通常映像が1秒間に60フレームであるのと比べてフレーム数が少ないし、また、スポーツやドラマは動きが大きく、逆にニュースなどは動きが小さいため、優先度を設定することができる。番組種別(ジャンル)情報を用いることで、精度良く判定が可能である。
【0082】
なお、図9に示した重みテーブルに用いたジャンル、および各重み値は、一例であり、必ずしもこのような値である必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の映像表示装置は、簡略な構成で、フレームスキップや、フレームリピートが感知されにくくすることが可能なので、2者に対し異なる映像を表示させる映像表示装置として有用である。
【符号の説明】
【0084】
101 映像選択部
102 判別部
103 倍速化部
104 倍速化・シンクロナイズ部
105 切替信号発生部
106 切替部
107 パネル部
108、109 シャッタ付きメガネ
110、111 シャッタ付きメガネ制御信号生成部
202 判別部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期信号の異なる複数の映像を入力する入力手段と、
前記入力した複数の映像を交互に表示する表示手段と、
前記入力した複数の映像のうち、いずれかの一つを第1の映像として選択する選択手段と、
前記表示手段は、前記選択手段により選択された第1の映像と、前記選択された映像でない方の第2の映像とを前記第1の映像に合わせて同期して表示することを特徴とした表示装置。
【請求項2】
さらに、前記映像のジャンル情報を取得する取得手段を備え、
前記選択手段は、前記入力した複数の映像のうち、取得した前記ジャンル情報の優先度が高い方の映像を第1の映像として選択することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
さらに、前記映像のフレーム周波数を判別する判別手段を備え、
前記選択手段は、前記入力した複数の映像のうち、判別した前記フレーム周波数が高い方の映像を第1の映像として選択することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示装置は、さらに、
当該表示装置からの信号に応じてシャッタの開閉を行うシャッタ付きメガネに対して、
前記第1の映像を表示している場合には第1の映像を表示している旨の信号を送信し、
前記第2の映像を表示している場合には第2の映像を表示している旨の信号を送信する送信手段を備えたことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−209832(P2012−209832A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75010(P2011−75010)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】