説明

表示装置

【課題】 タッチパネルと表示装置との位置がずれ、表示装置の表示領域の周辺部において、タッチパネルを正常に操作できなくなることを防止するタッチパネルを搭載した表示装置を提供する。また、タッチパネルを搭載する際に、組立てが容易である表示装置を提供する。
【解決手段】 本発明による表示装置は、ミドルフレーム6の上部6aに突起部6bを設け、フロントフレーム7に形成する孔7fからミドルフレーム6に形成した突起部6bを突出させることで、タッチパネル9の位置決めを行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチパネルを搭載した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタッチパネルと液晶表示パネルを固定した液晶ユニットにおいて、筐体を介在させ、筐体のタッチパネルを貼付、固定する面の複数箇所に位置決め用突起を設けることで、タッチパネルの位置決め固定を行う表示装置が開示されている(特許文献1)。また、タッチパネルの裏面周辺部をケースの段差部に接着し、タッチパネルをケース内に収納する液晶表示装置が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−154802号公報(第2−3頁、第1−3図)
【特許文献2】特開平10−73805号公報(第2−3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された表示装置は、表面にタッチパネルの貼り付け位置を決めるための突起が複数設けられ、裏面に液晶を固定するためのボス等が設けられている固定用部材である筐体を配置している。この筐体を介在させることにより、部品点数が増えるため、タッチパネルと表示装置との位置がずれ、表示領域の周辺部において、正常に操作できなくなるという問題があった。特許文献2に記載された表示装置は、液晶表示パネルおよびタッチパネルを収納するケースに段差部を設けてタッチパネルを配置しており、液晶表示パネルにタッチパネルを押すときの圧力をかけないよう、液晶表示パネルを浮かせる構成としている。このため、液晶表示パネルの保持(固定)が困難で、組立てが難しくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、タッチパネルと表示装置との位置がずれ、表示領域の周辺部において、タッチパネルを正常に操作できなくなることを防止するタッチパネルを搭載した表示装置を提供する。また、タッチパネルを搭載する際、組立てが容易である表示装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表示装置は、フレームに収納されたバックライトと、バックライトおよびバックライトの光出射面に配置された表示素子を保持し、開口部を備えたフロントフレームと、フロントフレームの上部に配置されたタッチパネルと、を備え、フレームは、タッチパネルの側部と当接する突起部を有し、フロントフレームに突起部が貫通する孔または切欠きを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の表示装置によれば、タッチパネルと表示装置との位置がずれ、表示装置の表示領域の周辺部において、タッチパネルを正常に操作できなくなることを防止することができる。また、タッチパネルを搭載する際、組立てが容易である表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態1における表示装置の分解斜視図である。
【図2】本実施の形態1における表示装置の部分断面図である
【図3】本実施の形態1における表示装置の部分断面図である。
【図4】本実施の形態2における表示装置の斜視図である。
【図5】本実施の形態2における表示装置の部分断面図である。
【図6】本実施の形態3における表示装置の斜視図である。
【図7】本実施の形態3における表示装置の部分断面図である。
【図8】本実施の形態3における表示装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の表示装置の構成について一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を用いたものは、実質的に同様の構成を示す。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る表示装置の概略構成を示す分解斜視図、図2は図1に示す表示装置を組み立てた状態でのA−A線の部分断面図である。
【0010】
図1、図2に示すように、本発明のタッチパネルを搭載した表示装置300は、バックライト100、バックライト100からの光を背面から照射する表示素子200および表示素子200上にタッチパネル9を搭載することにより構成されている。
【0011】
光源(図示せず)から入射した光を面状に伝播させて出射面1aから出射する導光板1、導光板1の出射面1aと反対の面である背面1bに導光板1から出射した光を再び導光板1に戻す反射シート2、導光板1の出射面1aに光学シート3が配置されており、これらは出射面1a側から配置される樹脂製のフレーム4および導光板1の背面1b側から配置されるリアフレーム5に収納されている。さらに導光板1の出射面1a側からミドルフレーム6が配置され、バックライト100を構成している。バックライト100の光出射面側に液晶パネル等の表示素子200を配置し、開口部7aを備えたフロントフレーム7で表示素子200およびバックライト100を保持し、フロントフレーム7の上部7bに両面テープなどの粘着材8を介してタッチパネル9が取付けられ、タッチパネル9を搭載した表示装置300が構成される。
【0012】
表示素子200を保持しているフロントフレーム7の上部7bには、少なくとも一箇所の突起部7cが設けられている。突起部7cはフロントフレーム7の上部7bの一部に切り込み7eを入れ、切り込み7eを起こした形状で形成されている。本実施の形態1においては、突起部7cは、フロントフレーム7の側部7dが延長された形状となるように形成されている。また、突起部7cは、矩形状のタッチパネル9と対向配置するように形成される。また、突起部7cはタッチパネル9の高さよりも低くなるように形成する。
【0013】
次に、フロントフレーム7の上部7b上にタッチパネル9を取付ける手順を説明する。フロントフレーム7にタッチパネル9を取付ける際、突起部7cの内面側の側面7c1とタッチパネル9の側部9cが対向するように配置される。このとき、タッチパネル9の側部9cが突起部7cの内面側の側面7c1に当接することにより、タッチパネル9を所望の位置に位置決めすることができる。ついで、フロントフレーム7の上部7bに介在させた両面テープなどの粘着材8によりタッチパネル9を所望の位置に固定する。
【0014】
本実施の形態1において、突起部7cはタッチパネル9の側部9cに対向する位置であって、フロントフレーム7の各辺に2箇所、合計8箇所形成したが、タッチパネル9の側部9cと対向する位置であって、フロントフレーム7の少なくとも1箇所に突起部7cを形成させることで、タッチパネル9を1方向において位置決めすることができる。なお、タッチパネル9の隣接する2つの側部と対向する位置(X方向(水平方向)および上下方向(Y方向)の2方向)にそれぞれ少なくとも1箇所突起部7cを形成することで、タッチパネル9をフロントフレーム7の上部7bの所望の位置に正確に位置決めをすることができる。さらに、タッチパネル9の4つの側部と対向する位置にそれぞれ少なくとも1箇所の突起部7cを形成することで、フロントフレーム7に取付けられたタッチパネル9の移動を抑制することができる。
【0015】
上記説明した通り、本発明のタッチパネル9を搭載した表示装置300は、表示素子200を保持するフロントフレーム7の上部7bに突起部7cを形成し、タッチパネル9の側部9cが突起部7cの内面側の側面7c1に当接することにより、タッチパネル9の位置決めを行うことができるため、タッチパネル9の有効操作エリアと表示装置300の表示領域との位置が抑制することができる。よって、タッチパネル9と表示装置300との位置がずれ、表示装置300の表示領域の周辺部において、正常に操作できなくなるという問題を防止することができる。また、突起部7cにタッチパネル9を当接することで、タッチパネル9を位置決めできるため、組立てが容易な表示装置を得ることができる。また、表示装置300を構成するフロントフレーム7に位置決めのための突起部7cを設ける構成であるため、部品点数を増加することなくタッチパネル9の位置決めを行うことができる。
【0016】
また、フロントフレーム7の上部7bに切り込み7eを入れ、切り込み7eを起こした形状としたので、狭額縁が実現できる。また、突起部7cはタッチパネル9よりも低く形成しているため、組立ても容易であり、表示装置300としての厚みが厚くなることを防止できる。
【0017】
突起部7cの形状は、図1で示した四角形状の他、三角または円弧状等適宜設定することができる。また、突起部7cを設置する場所についても、上記の目的を達成できる範囲で変更可能である。タッチパネル9のサイズおよび形状に合わせて、突起部7cを形成する場所を設定することができる。
【0018】
図3に本実施の形態1の他の実施形態の表示装置を示す。図3において、突起部7cは上部7bではなく、側部7dの一部に切り込み7eを入れ、切り込み7eを起こした形状とすることもできる。フロントフレーム7の上部7bの幅が小さく突起部7cを作成し難い場合であっても、側部7dに設けた切り込み7eを起こした形状とし、突起部7cを形成することができる。
【0019】
フロントフレーム7は、ステンレスやアルミ合金などの合金材料で形成されているが、フロントフレーム7の材料としてABSなどの合成樹脂で形成することも可能で、フロントフレーム7を合成樹脂で形成する場合は、表示装置300を軽量化することができる。また、ミドルフレーム6はステンレスやアルミ合金などの合金材料で形成される。樹脂製のフレーム4はポリカーボネート(PC)やABSなどの合成樹脂で形成される。また、樹脂製のフレーム4の材料に高反射率材料を用いることや、白色の塗料等を塗布することによって、光源から出射される光の損失を少なくすることができるため望ましい。また、ガラス繊維が含有されたポリカーボネートを用いることによって、低温環境下で樹脂が収縮することによって生じる形状変化量を少なくすることができるため好適である。
【0020】
また、導光板1はアクリル樹脂の他、ポリカーボネート(PC)やシクロオレフィン系樹脂で形成することも可能である。ポリカーボネートやシクロオレフィン系樹脂を使用することにより温度変化による寸法変化が少なくなり、より広い温度範囲で使用することができる。光学シート3は拡散シート、プリズムシート、反射シートまたは偏光反射シートなどが用いられ、所望の特性によってそのうちのいずれか一つ、またはいずれかの少なくとも一つ以上の組合せで構成することができる。また、場合によっては光学シート3を用いなくても良い。
【0021】
バックライト100の光源(図示せず)は冷陰極管もしくはLED(Light Emitting Diode)のような点光源を並べて使用してもよい。本実施の形態において、表示素子200として液晶パネルを使用したが、液晶パネルに限るものではなく、PDP(Plasma display Panel)やEL(Electro Luminessence)方式の表示パネルなどであっても同様の効果が得られる。
【0022】
また、本実施の形態では、タッチパネル9を搭載した表示装置300を構成する例を示したが、タッチパネル9の代わりに表示素子200を保護するためのガラスや透明樹脂などの保護板を貼り付けて表示装置300を構成してもよい。保護板の位置決めにおいて、本実施の形態の構成とすることで、容易に位置決めを行うことができる。なお、本実施の形態において、ガラスや透明樹脂などの保護板の表面に反射防止処理を施すことで、屋外環境下などでの表示装置300の視認性を向上させることができる。
【0023】
実施の形態2.
図4は、本発明による表示装置の他の実施の形態を示す斜視図、図5は図4に示す表示装置のB−B線の部分断面図である。実施の形態1ではフロントフレーム7に突起部7cを設け、タッチパネル9の位置決めを行ったが、本実施の形態2においては、図4、図5に示すように、ミドルフレーム6の上部6aに突起部6bを設け、フロントフレーム7に形成する孔7fからミドルフレーム6に形成した突起部6bを突出させることで、タッチパネル9の位置決めを行うことができる。突起部6bを配置する位置、数など、その他の構成は実施の形態1と同様である。なお、フロントフレーム7に設けた突起部6bを貫通する孔7fは切欠きであってもよい。
【0024】
図5において、ミドルフレーム6に設ける突起6bは、実施の形態1と同様、ミドルフレームの上部6aに切り込み6cを入れ、切りこみ6cを起こした形状で形成されている。タッチパネル9の側部と突起部6bとが当接することによりタッチパネル9との位置決めを行うことができる。さらに、表示素子200の側部と突起部6bを当接させることで、表示素子200の位置決めを行うことができる。よって、タッチパネル9および表示素子200の位置決めを同じ部材で行うことができるため、表示素子200の表示領域とタッチパネル9の操作領域との位置ずれを確実に抑制することができ、表示素子200の表示領域とタッチパネル9の操作領域との位置ずれが発生しない表示装置300を得ることができる。
【0025】
実施の形態3.
図6は本発明による表示装置の他の実施の形態を示す斜視図、図7は図6に示す表示装置のC−C線の部分断面図である。実施の形態1においてはフロントフレーム7に、実施の形態2においてはミドルフレーム6に、タッチパネル9との位置決めを行う突起部をそれぞれ設けたが、本実施の形態3においては、図6、7に示すように樹脂製のフレーム4の上部4aに突起部4bを設けた。フロントフレーム7の孔7fおよびミドルフレーム6の孔6dから突起部4bを突出させ、タッチパネル9の側部と当接させることにより、タッチパネルの位置決めを行うことができる。突起部4bを配置する位置、数などは実施の形態1、2と同様である。なお、フロントフレーム7およびミドルフレーム6に設けた突起部4bを貫通する孔7fおよび孔6dは切欠きであってもよい。
【0026】
樹脂製のフレーム4に設ける突起部4bは、樹脂製のフレーム4の上部4aから突出するよう成型して形成する。タッチパネル9の側部と突起部4bが当接することによりタッチパネル9の側部と突起部4bとが当接することによりタッチパネル9との位置決めを行うことができる。さらに、表示素子200の側部と突起部4bを当接させることで、表示素子200の位置決めも行うことができる。また、樹脂製のフレーム4を導光板1、反射シート2および光学シート3等のバックライト100を構成する部材の側部と当接させることで、それぞれの部材の位置決めも行うことができる。よって、表示装置300を構成するほとんどの部材の位置決めを行うことができることにより、組立てが容易な表示装置300を得ることができる。
【0027】
図8は図6に示す表示装置のD−D線の部分断面図を示す。表示装置300の樹脂製のフレーム4に形成する突起部4bにおいて、フロントフレーム7の孔から突出させない部分の上面4b1をフロントフレーム7に当接させる。このような構成とすることで、表示素子200とフロントフレーム7とのクリアランスを一定に保つことが可能で、タッチパネル9を操作する場合の押圧力が表示素子200に加わらないようにすることができ、表示素子200を浮かせる必要がなく、保持することが可能になる。
【符号の説明】
【0028】
1 導光板、2 反射シート、3 光学シート、4 樹脂製のフレーム、4b 突起部、5 リアフレーム、6 ミドルフレーム、6b 突起部、6d 孔、7 フロントフレーム、7a 開口部、7b 上部、7c 突起部、7c1 突起部の内面側の側面、7d 側部、7e 切り込み、7f 孔、8 粘着材、9 タッチパネル、9c 側部、100 バックライト、200 表示素子、300 表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームに収納されたバックライトと、
前記バックライトおよび前記バックライトの光出射面に配置された表示素子を保持し、開口部を備えたフロントフレームと、
前記フロントフレームの上部に配置されたタッチパネルと、を備え、
前記フレームは、前記タッチパネルの側部と当接する突起部を有し、
前記フロントフレームに前記突起部が貫通する孔または切欠きを設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記突起部は、前記フレームの上部の一部に形成された切り込みを起こした形状であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記突起部は、前記フレームの側部の一部に形成された切り込みを起こした形状であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−94189(P2012−94189A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−28678(P2012−28678)
【出願日】平成24年2月13日(2012.2.13)
【分割の表示】特願2008−3091(P2008−3091)の分割
【原出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】