説明

表示領域制御装置、表示領域制御方法、及びプログラム

【課題】データ列間で各データの間隔が同一ではなく、かつデータ列内の各データが一定間隔で並んでいない複数のデータ列の表示領域を移動及び拡大・縮小させる際に、それらデータ列間で対応する位置や範囲を同時に表示し、利用者にとって各データ列間でのデータ同士の対応を分かりやすく提示すること。
【解決手段】第1の手段401は、複数のデータ列のうちの特定のデータ列内の表示領域が更新されたときに、当該特定のデータ列における表示領域の所定箇所の更新先位置と隣り合うデータ間の距離に対する、当該データの一方から前記更新先位置までの距離の割合を算出する。第2の手段402は、他のデータ列について、前記算出された割合と同じ割合となる更新先位置を、前記特定のデータ列における前記更新先位置と隣り合うデータに対応するデータ間の距離と前記算出された割合とに従って算出し、表示領域を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のデータ列のうちの一つのデータ列の表示領域が更新されたときに、残りのデータ列の表示領域をそれにあわせて自動的に更新する表示領域制御装置、表示領域制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ある1つのデータ列内での表示位置を移動したり、表示倍率を拡大・縮小したりした場合に、その絶対移動量や倍率と同期させて、他のデータ列の表示も自動的に移動や拡大・縮小させることで、複数のデータ列の表示位置及び倍率を一度に制御する方法がある(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
例えば、エクセルやワード(登録商標:マイクロソフト)の「(ファイル名)と並べて比較する」機能では、各ファイルが表示されている表示ウィンドウの内、利用者がいずれかの表示ウィンドウをスクロールすると、その絶対移動量(スクロール量)と同じ量だけ、他の表示ウィンドウも自動的に同期スクロールする。また、同機能では、利用者がいずれかの表示ウィンドウの表示倍率を変更すると、他の表示ウィンドウの表示倍率もそれと同じ倍率に自動的に変更する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Microsoftサポートオンライン、"複数のファイルを並べて比較するには"、[online]、[平成21年06月09日検索]、インターネット〈URL:http://support.microsoft.com/kb/881767/ja〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、非特許文献1に記載された技術では、データ列間で各データの間隔が同一ではなく、かつデータ列内の各データが一定間隔で並んでいない場合、各データ列で表示されるデータがそれぞれで異なってしまい、各データ列間で同一のデータを同時に表示させることができない。
【0006】
[発明の目的]
そこで本発明は上記課題を鑑みて発明されたものであって、データ列間で各データの間隔が同一ではなく、かつデータ列内の各データが一定間隔で並んでいない複数のデータ列の表示領域を移動及び拡大・縮小させる際に、それらデータ列間で対応する位置や範囲を同時に表示し、利用者にとって各データ列間でのデータ同士の対応を分かりやすく提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の表示領域制御装置は、複数のデータ列のうちの特定のデータ列内の表示領域が更新されたときに、当該特定のデータ列における表示領域の所定箇所の更新先位置と隣り合うデータ間の距離に対する、当該データの一方から前記更新先位置までの距離の割合を算出し、他のデータ列について、前記算出された割合と同じ割合となる更新先位置を、前記特定のデータ列における前記更新先位置と隣り合うデータに対応するデータ間の距離と前記算出された割合とに従って算出し、表示領域を更新する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、データ列間で各データの間隔が同一ではなく、かつデータ列内の各データが一定間隔で並んでいない複数のデータ列の表示領域を移動及び拡大・縮小させる際に、常にそれらデータ列間で対応する位置や範囲を同時に表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1−1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図1−2】本発明の第1の実施の形態の動作を示すフロー図である。
【図2−1】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2−2】本発明の第2の実施の形態の動作を示すフロー図である。
【図3−1】本発明の第3の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図3−2】本発明の第4の実施の形態の動作を示すフロー図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態における利用者による移動入力前の各操作履歴の表示領域を表す図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態における各操作履歴のデータ位置記憶部のデータテーブルを表す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態における利用者による移動入力後の各操作履歴の表示領域を表す図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態における利用者による拡大・縮小入力後の各操作履歴の表示領域を表す図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態における利用者による拡大・縮小入力前の各操作履歴の表示領域を表す図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態における利用者による拡大・縮小入力後の各操作履歴の表示領域を表す図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態における各操作履歴のデータ位置記憶部のデータテーブルを表す図である。
【図11】本発明の第8の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明が実装され得る典型的なコンピュータのハードウェア構成のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の実施の形態の構成について説明する。
【0011】
図1−1は、第1の実施の形態における構成例を示すブロック図である。
【0012】
第1の実施の形態に係る表示領域制御装置は、各データ列内の各データ位置を記憶しているデータ位置記憶部101と、入力のあったデータ列の表示領域の所定箇所の更新先位置を判定する入力判定手段102と、更新先位置の両隣のデータのIDをデータ位置記憶部101から検索する対応データ検索手段103と、データ間の距離を算出するデータ間距離算出手段104と、データ間の距離に対する、更新先位置の両隣のデータの内の一方から更新先位置までの距離の割合を算出する更新位置割合算出手段105と、入力のなかった各データ列の対応するデータ間において、更新位置割合算出手段105で算出された割合と同じ割合の更新先位置を算出する更新位置算出手段106と、算出された更新先位置に他のデータ列の表示領域の所定箇所が一致するようにその表示領域を更新する表示領域更新手段107と、を備えて構成される。
【0013】
各データ列を構成するデータは、データ列間で同一であり、対応がとれているものとする。例えば、データ列1〜3のうち、データ列1がデータA、B、C、Dで構成されている場合、データ列2〜3も、それらデータと対応するデータA、B、C、Dで構成される。
【0014】
また、各データ列を構成するデータの配置順序も、データ列間で同一である。例えば、データ列1を構成するデータが、A、B、C、Dの順序で配置されていた場合、データ列2〜3でも、それらデータはA、B、C、Dの順序で配置される。
【0015】
ただし、データ列内での各データの配置間隔は一定ではない。例えば、データ列1内において、データAB間の距離と、データBC間の距離は、それぞれ異なる。
【0016】
また、この各データの配置間隔は、データ列間で異なる。例えば、データ列1のデータAB間の距離と、データ列2のデータAB間の距離は、それぞれ異なる。
【0017】
本実施形態では、各データ列に対応して、101〜107の構成要素を備えている。しかし、本発明はそのような構成に限定されず、複数のデータ列に共通に、これらの構成要素を備え、各手段は1つで各データ列に対応した動作をしてもよい。
【0018】
データ位置記憶部101は、データ列内の各データIDとそのデータが配置されている位置とを対応づけて、記憶している。また、このデータIDはデータ列内で一意であるが、データ列間で対応するデータIDには同一のIDが付与されている。
【0019】
入力判定手段102は、データ列の表示領域に入力があった場合に、その入力からそのデータ列の表示領域の所定箇所の更新先位置を判定し、対応データ検索手段103に送信する。ここで、表示領域の所定箇所は、データ列間で一致していれば、表示領域の上下左右の端、中心など、どこでも良い。
【0020】
対応データ検索手段103は、入力判定手段102より受信した更新先位置が、データ位置記憶部101内のどのデータの間にあるかを検索し、各データIDを取得する。それら一組のデータIDと、更新先位置とをデータ間距離算出手段104に送信する。
【0021】
データ間距離算出手段104は、更新先位置の両隣のデータを表す一組のデータIDをデータ位置記憶部101から検索し、それらIDを持つ各データの位置を取得する。そして、それらデータ間の距離を算出する。
【0022】
そして、データ間距離算出手段104は、表示領域へ入力のあったデータ列内のデータ間距離を算出した場合は、データ間距離、更新先位置の両隣のデータを表す一組のデータID、更新先位置を更新位置割合算出手段105に送信する。
【0023】
一方、データ間距離算出手段104は、表示領域へ入力のあったデータ列以外のデータ列内のデータ間距離を算出した場合は、データ間距離、更新位置割合算出手段105で算出された割合、更新先位置までの距離を求めたデータID、を更新位置算出手段106に送信する。
【0024】
更新位置割合算出手段105は、更新先位置の両隣のデータを表す一組のデータIDの一方をデータ位置記憶部101から検索し、そのIDを持つデータの位置を取得する。そして、取得した位置と、更新先位置との距離を算出する。さらに、その距離の、データ間距離に対する割合を算出する。最後に、更新位置割合算出手段105は、算出した割合、更新先位置の両隣のデータを表す一組のデータID、更新先位置までの距離を求めたデータID、を入力のなかったデータ列のデータ間距離算出手段104に送信する。
【0025】
更新位置算出手段106は、更新先位置までの距離を求めたデータIDを、データ位置記憶部101から検索し、そのデータIDを持つデータの位置を取得する。そして、データ間距離に、更新位置割合算出手段105で算出された割合を掛けた値を算出する。その値を更新先位置までの距離を求めたデータの位置に足した値を算出する。この値を、そのデータ列での表示領域の更新先位置とする。更新位置算出手段106は、この更新先位置を表示領域更新手段107に送信する。
【0026】
表示領域更新手段107は、更新先位置にそのデータ列の表示領域を更新し、表示出力する。
【0027】
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0028】
図1−2のフローチャートを参照して本実施の形態の全体の動作について説明する。なお、図1−2のフローチャートに示される処理は所定周期で実行される。
【0029】
あるデータ列の表示領域に入力(表示領域を移動させる入力または表示領域を拡大もしくは縮小させる入力)があった場合(S1101)に、入力判定手段102が、その入力から表示領域の所定箇所の更新先位置を判定し(S1102)、その位置を対応データ検索手段103に送信する。
【0030】
対応データ検索手段103は、更新先位置の両隣のデータをデータ位置記憶部101から検索し(S1103)、更新先位置の両隣のデータを表す一組のデータIDを取得する。そして、その一組のデータIDと更新先位置とをデータ間距離算出手段104に送信する。
【0031】
データ間距離算出手段104は、更新先位置の両隣のデータを表す一組のIDを持つデータの位置をデータ位置記憶部101から検索し、それらデータ間の距離を算出する(S1104)。
【0032】
表示領域に入力のあったデータ列内のデータ間距離を算出した場合(S1105のY)、データ間距離算出手段104は、データ間距離、更新先位置の両隣のデータを表す一組のデータID、更新先位置を更新位置割合算出手段105に送信する。
【0033】
更新位置割合算出手段105は、更新先位置の両隣のデータを表す一組のデータIDの一方をデータ位置記憶部101から検索し、そのIDを持つデータの位置を取得する。そして、その位置と、更新先位置との距離を算出する。さらに、算出したその距離の、データ間距離に対する割合を算出する(S1106)。
【0034】
さらに、更新位置割合算出手段105は、算出した割合、更新先位置の両隣のデータを表す一組のデータID、更新先位置までの距離を求めたデータID、を入力のなかったデータ列のデータ間距離算出手段104に送信する(S1107)。
【0035】
入力のなかったデータ列のデータ間距離算出手段104は、更新先位置の両隣のデータを表す一組のデータIDをデータ位置記憶部101から検索し、それらIDを持つ各データの位置を取得する。そして、それらデータ間の距離を算出する(S1104)。データ間距離算出手段104は、今回は表示領域の入力のなかったデータ列内のデータ間距離を算出したので(S1105のN)、データ間距離、更新位置割合算出手段105で算出された割合、更新先位置までの距離を求めたデータID、を更新位置算出手段106に送信する。
【0036】
更新位置算出手段106は、更新先位置までの距離を求めたデータIDをデータ位置記憶部101から検索し、そのデータIDを持つデータの位置を取得する。そして、データ間距離に、更新位置割合算出手段105で算出された割合を掛けた値を算出する。その値を、更新先位置までの距離を求めた方のデータの位置に足した値を算出する(S1108)。この値を、そのデータ列の表示領域の更新先位置とする。更新位置算出手段106は、この更新先位置を表示領域更新手段107に送信する。
【0037】
表示領域更新手段107は、更新先位置にそのデータ列の表示領域の所定箇所が一致するように表示領域を更新し、表示出力する(S1109)。
【0038】
もし、入力のなかったデータ列の中で、まだ表示領域を更新していないデータ列がある場合(S1110のN)には、全てのデータ列でS1104〜S1109を行う。
【0039】
本実施の形態の効果について説明する。
【0040】
本実施の形態では、表示領域に入力のあったデータ列における、表示領域の所定箇所の更新先位置の、データ列全体に対する割合ではなく、その表示領域の両隣のデータ間距離に対する割合を算出し、他のデータ列の表示領域の更新先位置を、対応するデータ間距離におけるその割合で算出される位置とすることで、データ列間で各データの間隔が同一ではなく、かつデータ列内の各データが一定間隔で並んでいない複数のデータ列の表示領域を移動及び拡大・縮小させる際に、常にそれらデータ列間で対応する位置を同時に表示できる。
【0041】
また、図1−2のフローチャートに示される処理は所定周期で実行されるので、あるデータ列における表示領域の移動及び拡大・縮小の速度を変化させた際に、他のデータ列の表示領域の移動及び拡大・縮小の速度も、それらデータ列間で対応する位置が表示されるように自動的に調整できる。
【0042】
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、複数のデータ列の表示領域を複数方向へ伸縮するのに適した実施の形態である。
【0043】
図2−1を参照すると、第2の実施の形態に係る表示領域制御装置は、第1の実施の形態に係る表示領域制御装置と比較して、更新位置割合算出手段105と表示領域更新手段107とに代えて、更新位置割合算出手段205と表示領域更新手段207とを備えている点で相違する。
【0044】
尚、その他の構成要素については、第1の実施の形態と同様であるため、第1の実施の形態と同様の構成要素については、図1−1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0045】
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0046】
図2−2のフローチャートを参照して本実施の形態の全体の動作について説明する。なお、図2−2のフローチャートに示される処理は所定周期で実行される。図2−2に示すように、第2の実施の形態における動作は、S2111〜S2112を新たに行う。尚、その他の動作については、第1の実施の形態と同様であるため、第1の実施の形態と同様の動作については、図1−2と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0047】
S2111では、表示領域へ入力のあったデータ列において、その表示領域の全ての所定箇所の更新先位置に対してS1103〜S1106を行ったかを判定しており、行っていれば(S2111のY)、更新位置割合算出手段205が他のデータ列に算出した割合を送信し、まだ行っていなければ(S2111のN)、更新位置割合算出手段205が対応データ検索手段103に制御を戻し、残りの位置に対してもS1103〜S1106を繰り返す。
【0048】
S2112では、表示領域へ入力のあったデータ列以外のデータ列において、その表示領域の全ての所定箇所の更新先位置に対してS1104〜S2109を行ったかを判定しており、行っていれば(S2112のY)、全てのデータ列の表示領域を更新したかを判定する(S1110)。まだ行っていなければ(S2112のN)、表示領域更新手段207がデータ間距離算出手段104に制御を戻し、残りの所定箇所の更新先位置に対してもS1104〜S1109を繰り返す。
【0049】
本実施の形態の効果について説明する。
【0050】
1つの表示領域内の2つ以上の所定箇所(例えば左端と右端)の更新先位置それぞれに対して、その両隣にあるデータ間距離に対する割合を算出し、他のデータ列での表示領域の移動位置あるいは伸縮位置を、対応するデータ間距離におけるその割合で算出される位置とすることで、データ列間で各データの間隔が同一ではなく、かつデータ列内の各データが一定間隔で並んでいない複数のデータ列の表示領域を、左右の如く複数方向へ伸縮する際にも、常にそれらデータ列間で対応する位置を同時に表示できる。
【0051】
次に第3の実施の形態について説明する。
【0052】
図3−1を参照すると、第3の実施の形態に係る表示領域制御装置は、第1の実施の形態と比較して、データ位置記憶部101に代えて一部内容が異なるデータ位置記憶部301を備え、また、対応データ検索手段103に代えて一部動作が異なる対応データ検索手段303を備えている点で、相違する。
【0053】
尚、その他の構成要素については、第1の実施の形態と同様であるため、第1の実施の形態と同様の構成要素については、図1−1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0054】
データ位置記憶部301は、データ列内の各データIDとそのデータが配置されている位置に加えて、各データの優先度や階層順位などの数値が対応づいて記憶されている。
【0055】
対応データ検索手段303は予め設定されている優先度や階層順位などの数値以上あるいは以下のデータのみをデータ位置記憶部301から検索する。
【0056】
次に、第3の実施の形態の動作について、図3−2のフローチャートを参照して説明する。なお、図3−2のフローチャートに示される処理は所定周期で実行される。
【0057】
図3−2を参照すると、第3の実施の形態における動作は、S1103と一部動作が異なるS3103を新たに行う。尚、その他の動作については、第1の実施の形態と同様であるため、第1の実施の形態と同様の動作については、図1−2と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0058】
S3103では、対応データ検索手段303は、予め設定された優先度や階層順位などの数値以上あるいは以下のデータで、かつ更新先位置を挟むデータをデータ位置記憶部301から検索する。
【0059】
本実施の形態の効果について説明する。
【0060】
データ位置記憶部301が各データと対応づけて、各データの優先度を記憶し、対応データ検索手段303は予め設定された優先度や階層順位などの数値以上あるいは以下のデータのみを検索することで、利用者が注目したいデータ間においてのみ対応する位置を、データ列間で表示できる。
【0061】
次に第4の実施の形態を説明する。第4の実施の形態は、第1の実施の形態をより具体化した実施の形態である。
【0062】
第4の実施の形態では、図4のような4つの操作履歴データ列を例にとって説明する。各操作履歴データ列は時間軸を表しており、A〜Dの各キー押下時間がその軸上に配置されている。各操作履歴の各キー押下時間の配置位置は、各操作履歴が備えるデータ位置記憶部101に図5に示すように記憶されている。1つの操作履歴内での各キー押下時間の配置位置は、一定ではない。また、操作履歴間で、各キー押下時間の配置位置は異なっている。
【0063】
各操作履歴は、現在160×90ピクセルの表示領域10〜13によって囲まれた領域が、ディスプレイモニタに同時に表示される。操作履歴の閲覧者は、表示されている操作履歴のうち、任意の操作履歴の表示に対して、操作入力することで、その操作履歴の表示領域を移動できる。
【0064】
例えば、今、表示履歴10〜13は全てその左端が操作履歴上の0の位置にある。そして、閲覧者は、操作履歴1の表示領域10内をマウスでドラッグ入力したとする。
【0065】
入力判定手段102は、このドラッグ量に基づいて、図6に示すように操作履歴1の表示領域10を100ピクセル右方向(キー押下時間Bの方向)移動すると判定し、表示領域10の左端の移動先位置(=所定箇所の更新先位置)として「100」を対応データ検索手段103に送信する。
【0066】
対応データ検索手段103は、入力判定手段102より受信した移動先位置「100」が、同じ操作履歴1が備えるデータ位置記憶部101内のどのデータ間にあるかを検索する。図5に示すように、移動先位置「100」は、位置が0であるデータと、位置が400であるデータの間にある。したがって、対応データ検索手段103は、位置が0であるキー押下時間のID「A」と位置が400であるキー押下時間のID「B」を取得する。対応データ検索手段103は、この一組のキー押下時間データID「A」「B」と、移動先位置「100」を操作履歴1のデータ間距離算出手段104に送信する。
【0067】
操作履歴1のデータ間距離算出手段104は、移動先位置の両隣にあるキー押下時間ID「A」「B」をデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すようにそのID「A」「B」を持つ各キー押下時間の位置「0」「400」を取得する。そして、それらキー押下時間データ間の距離を「400(400−0)」と算出する。今回、データ間距離算出手段104は、表示領域の移動入力のあった操作履歴1内のキー押下時間データ間の距離を算出したので、算出したキー押下時間データ間距離「400」、移動先位置の両隣にある一組のキー押下データのID「A」「B」、移動先位置「100」を、同じく操作履歴1の備える更新位置割合算出手段105に送信する。
【0068】
更新位置割合算出手段105は、移動先位置の両隣にあるキー押下時間ID「A」「B」のうち、操作履歴上の左にある「A」をデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すようにID「A」を持つキー押下時間データの位置「0」を取得する。そして、取得した位置「0」と、受信した移動先位置「100」との距離を「+100」と算出する。さらに、算出した距離「+100」の、キー押下時間データ間距離「400」に対する割合を「+25%」と算出する。さらに、更新位置割合算出手段105は、算出した割合「+25%」、移動先位置の両隣にある一組のキー押下時間ID「A」「B」、移動先位置までの距離を求めたキー押下時間ID「A」、を利用者入力のなかった操作履歴2〜4が備えるデータ間距離算出手段104に送信する。以下では、操作履歴2〜4のうち、操作履歴2を例にとって説明する。
【0069】
操作履歴2が備えるデータ間距離算出手段104は、移動先位置の両隣にある一組のキー押下時間ID「A」「B」を、操作履歴2が備えるデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すようにID「A」「B」を持つ各キー押下時間データの位置「0」「200」を取得する。そして、操作履歴2におけるキー押下時間「A」「B」間の距離「200(200−0)」を算出する。今回、操作履歴2が備えるデータ間距離算出手段104は、表示領域への移動入力のなかった操作履歴2のキー押下時間データ間距離を算出したので、算出したデータ間距離「200」、更新位置割合算出手段105で算出された割合「+25%」、移動先位置までの距離を求めたキー押下時間ID「A」、を操作履歴2が備える更新位置算出手段106に送信する。
【0070】
操作履歴2が備える更新位置算出手段106は、まず移動先位置までの距離を求めたキー押下時間ID「A」を、操作履歴2が備えるデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すようにID「A」を持つ各データの位置「0」を取得する。そして、操作履歴2におけるキー押下時間「A」「B」間距離「200」に、更新位置割合算出手段105で算出された割合「+25%」を掛けた値「50(200×0.25)」を算出する。その値「50」を、移動先位置までの距離を求めたキー押下時間「A」の位置「0」に足した値「50(0+50)」を算出する。この値「50」を、操作履歴2の表示領域の移動先位置とする。操作履歴2が備える更新位置算出手段106は、この移動先位置「50」を同じく操作履歴2が備える表示領域更新手段107に送信する。
【0071】
操作履歴2が備える表示領域更新手段107は、図6に示すように、移動先位置「50」に、表示領域11をその左端が一致するように移動させ、表示出力する。
【0072】
このとき、操作履歴1〜4のうち、操作履歴1〜2の表示領域しか移動できていないので、他の操作履歴3〜4でも操作履歴2に対する処理と同様の処理を繰り返す。その結果、各操作履歴の表示領域10〜13は、図6に示す通りとなる。
【0073】
図6に示されるように、ユーザが操作履歴1の表示領域10を右方向に100の距離だけ移動させた場合に、操作領域2の表示領域11はその半分の50の距離だけ移動し、操作履歴3の表示領域12はその倍の距離だけ移動し、操作履歴4の表示領域13は同じ距離だけ移動している。つまり、表示領域10の移動速度に比べて、表示領域11の移動速度は半分、表示領域12の移動速度は倍であり、表示領域13の移動速度は同じである。この結果、あるデータ列における表示領域の移動及び拡大・縮小の速度を変化させた際に、他のデータ列の表示領域の移動及び拡大・縮小の速度も、それらデータ列間で対応する位置が表示されるように自動的に調整される。
【0074】
なお、本実施の形態では、表示領域の左端を移動先位置としたが、実際はこれに限らない。例えば、表示領域の右端を移動先位置としても良い。
【0075】
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。第5の実施の形態は、第1の実施の形態をより具体化した実施の形態である。
【0076】
本実施の形態が動作する対象となる操作履歴データ及び各操作履歴内のキー押下時間データは第4の実施の形態と同様とする。
【0077】
また、閲覧者の入力前の表示領域20〜23は、その位置とサイズについて、第4の実施の形態の表示領域10〜13と同様とする。操作履歴の閲覧者は、表示されている操作履歴のうち、任意の操作履歴の表示に対して、操作入力することで、その操作履歴の表示領域を拡大・縮小できる。
【0078】
例えば、今、閲覧者は、操作履歴1の表示領域20内をマウスでドラッグ入力したとする。
【0079】
入力判定手段102は、このドラッグ量に基づいて、図7に示すように操作履歴1の表示領域20を右方向(キー押下時間Bの方向)の500の位置に拡大すると判定し、表示領域10の右端の伸縮先位置(=所定箇所の更新先位置)として「500」を対応データ検索手段103に送信する。
【0080】
対応データ検索手段103は、伸縮先位置「500」が、同じ操作履歴1が備えるデータ位置記憶部101内のどのデータ間にあるかを検索する。図5に示すように、伸縮先位置「500」は、位置が400であるデータと、位置が600であるデータの間にある。したがって、対応データ検索手段103は、位置が400であるキー押下時間のID「B」と位置が600であるキー押下時間のID「C」を取得する。対応データ検索手段103は、この一組のキー押下時間データID「B」「C」と、伸縮先位置「500」を操作履歴1のデータ間距離算出手段104に送信する。
【0081】
操作履歴1のデータ間距離算出手段104は、伸縮先位置の両隣にあるキー押下時間ID「B」「C」をデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すように、そのID「B」「C」を持つ各キー押下時間の位置「400」「600」を取得する。そして、それらキー押下時間データ間の距離を「200(600−400)」と算出する。今回、データ間距離算出手段は、表示領域の拡大入力のあった操作履歴1内のキー押下時間データ間の距離を算出したので、算出したキー押下時間データ間距離「200」、伸縮先位置の両隣にある一組のキー押下データのID「B」「C」、移動先位置「500」を、同じく操作履歴1の備える更新位置割合算出手段105に送信する。
【0082】
更新位置割合算出手段105は、伸縮先位置の両隣にある一組のキー押下時間ID「B」「C」のうち、操作履歴上の左にある「B」をデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すように、ID「B」を持つキー押下時間データの位置「400」を取得する。そして、取得した位置「400」と、伸縮先位置「500」との距離を「+100」と算出する。さらに、算出した距離「+100」の、キー押下時間データ間距離「200」に対する割合を「+50%」と算出する。さらに、更新位置割合算出手段105は、算出した割合「+50%」、伸縮先位置の両隣にある一組のキー押下時間ID「B」「C」、伸縮先位置までの距離を求めたキー押下時間ID「B」、を利用者による拡大入力のなかった操作履歴操作履歴2〜3が備えるデータ間距離算出手段104に送信する。以下では、操作履歴2〜4のうち、操作履歴2を例にとって説明する。
【0083】
操作履歴2が備えるデータ間距離算出手段104は、伸縮先位置の両隣にある一組のキー押下時間ID「B」「C」を、操作履歴2が備えるデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すように、ID「B」「C」を持つ各キー押下時間データの位置「200」「500」を取得する。そして、それら位置からキー押下時間「B」「C」間の距離「300(500−200)」を算出する。今回、操作履歴2が備えるデータ間距離算出手段104は、表示領域への拡大入力のなかった操作履歴2のキー押下時間データ間距離を算出したので、算出したデータ間距離「300」、更新位置割合算出手段105で算出された割合「+50%」、伸縮先位置までの距離を求めたキー押下時間ID「B」、を操作履歴2が備える更新位置算出手段106に送信する。
【0084】
操作履歴2が備える更新位置算出手段106は、まず伸縮先位置までの距離を求めたデータID「B」を、操作履歴2が備えるデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すように、ID「B」を持つ各データの位置「200」を取得する。そして、データ間距離「300」に、更新位置割合算出手段105で算出された割合「+50%」を掛けた値「150(300×0.5)」を算出する。その値「150」を、伸縮先位置までの距離を求めたキー押下時間「B」の位置「200」に足した値「350(200+150)」を算出する。この値「350」を、操作履歴2の表示領域の伸縮先位置とする。操作履歴2が備える更新位置算出手段106は、この伸縮先位置「350」を同じく操作履歴2が備える表示領域更新手段107に送信する。
【0085】
操作履歴2が備える表示領域更新手段107は、図7に示すように、受信した伸縮先位置「350」に、表示領域21をその右端が一致するように伸縮させ、表示出力する。
【0086】
このとき、操作履歴1〜4のうち、操作履歴1〜2の表示領域しか伸縮できていないので、他の操作履歴3〜4でも操作履歴2と同様の処理を繰り返す。その結果、各操作履歴の表示領域20〜23は、図7に示す通りとなる。
【0087】
なお、本実施の形態では、表示領域の右端を伸縮先位置としたが、実際はこれに限らない。例えば、表示領域の左端を伸縮先位置としても良い。
【0088】
また、第4の実施の形態と第5の実施の形態とで、表示領域の移動と拡大・縮小とを個別に説明したが、本発明は入力にしたがってこれら処理を切替えてもよい。例えば、表示領域の内部にマウスカーソルが置かれてドラッグされた場合には表示領域の移動と判定して移動処理を行い、表示領域の端部にマウスカーソルが置かれてドラッグされた場合には表示領域の拡大・縮小と判定して拡大・縮小処理を行うようにしても良い。
【0089】
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。第6の実施の形態は、第2の実施の形態をより具体化した実施の形態である。
【0090】
本実施の形態が動作する対象となる操作履歴データ及び各操作履歴内のキー押下時間データは第4の実施の形態と同様とする。
【0091】
操作履歴の閲覧者は、表示されている操作履歴のうち、任意の操作履歴の表示に対して、操作入力することで、その操作履歴の表示領域を拡大・縮小できる。
【0092】
例えば、今、操作履歴1で、図8に示すとおり表示領域30の左端は420の位置にあり、右端は580の位置にあるとする。そして、閲覧者は、操作履歴1の表示領域30内をマウスでドラッグ入力したとする。
【0093】
入力判定手段102は、このドラッグ量に基づいて、図9に示すとおり操作履歴1の表示領域30の左端が100の位置に、右端が900の位置に来ると判定し、表示領域30の左端の伸縮先位置(=所定箇所の更新先位置)として「100」を対応データ検索手段103に送信する。
【0094】
対応データ検索手段103は、入力判定手段102より受信した表示領域30の左端位置「100」が、同じ操作履歴1が備えるデータ位置記憶部101内のどのデータ間にあるかを検索する。図5に示すように、伸縮先位置「100」は、位置が0であるデータと、位置が400であるデータの間にある。したがって、対応データ検索手段103は、位置が0であるキー押下時間のID「A」と位置が400であるキー押下時間のID「B」を取得する。対応データ検索手段103は、この一組のキー押下時間データID「A」「B」と、左端位置「100」を操作履歴1のデータ間距離算出手段104に送信する。
【0095】
操作履歴1のデータ間距離算出手段104は、伸縮先位置の両隣にある一組のキー押下時間ID「A」「B」をデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すように、そのID「A」「B」を持つ各キー押下時間の位置「0」「400」を取得する。そして、それらキー押下時間データ間の距離を「400(400−0)」と算出する。今回、データ間距離算出手段は、表示領域の拡大入力のあった操作履歴1内のキー押下時間データ間の距離を算出したので、算出したキー押下時間データ間距離「400」、伸縮先位置の両隣にある一組のキー押下データのID「A」「B」、伸縮先位置「100」を、同じく操作履歴1の備える更新位置割合算出手段205に送信する。
【0096】
更新位置割合算出手段205は、伸縮先位置の両隣にある一組のキー押下時間ID「A」「B」のうち、操作履歴上の左にある「A」をデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すように、ID「A」を持つキー押下時間データの位置「0」を取得する。そして、取得した位置「0」と、受信した伸縮先位置「100」との距離を「+100」と算出する。さらに、算出した距離「+100」の、受信したキー押下時間データ間距離「400」に対する割合を「+25%」と算出する。
【0097】
このとき、操作履歴1の表示領域の左端の位置しかデータ間距離に対する割合を算出できていないので、次に表示領域の右端の位置についても、左端と同様の処理を繰り返す。その結果、更新位置割合算出手段205は、右端の位置に対する割合「+75%」を算出する。
【0098】
さらに、更新位置割合算出手段205は、算出した割合「左:+25%、右:+75%」、2つの伸縮先位置の両隣にある二組のキー押下時間ID「左:A・B、右:C・D」、表示領域の伸縮先位置までの距離を求めたキー押下時間ID「左:A、右:C」、を拡大入力のなかった操作履歴2〜4が備えるデータ間距離算出手段104に送信する。以下では、操作履歴2〜4のうち、操作履歴2を例にとって説明する。
【0099】
操作履歴2が備えるデータ間距離算出手段104は、2つの伸縮先位置の両隣にある二組のキー押下時間ID「左:A・B、右:C・D」のうち、まず左端を挟む一組のキー押下時間データID「A」「B」、を、操作履歴2が備えるデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すように、ID「A」「B」を持つ各キー押下時間データの位置「0」「200」を取得する。そして、それら位置からキー押下時間「A」「B」間の距離「200(200−0)」を算出する。
【0100】
今回、操作履歴2が備えるデータ間距離算出手段104は、表示領域への拡大入力のなかった操作履歴2のキー押下時間データ間距離を算出したので、算出したデータ間距離「200」、更新位置割合算出手段205で算出された割合「左:+25%」、伸縮先位置までの距離を求めたキー押下時間ID「A」、を操作履歴2が備える更新位置算出手段106に送信する。
【0101】
操作履歴2が備える更新位置算出手段106は、まず伸縮先位置までの距離を求めたキー押下時間ID「A」を、操作履歴2が備えるデータ位置記憶部101から検索し、図5に示すように、ID「A」を持つ各データの位置「0」を取得する。そして、データ間距離「200」に、更新位置割合算出手段205で算出された割合「+25%」を掛けて、「50(200×0.25)」を算出する。この値「50」を、伸縮先位置までの距離を求めたキー押下時間「A」の位置「0」に足す。この値「50(0+50)」を、操作履歴2の左端の伸縮先位置とする。操作履歴2が備える更新位置算出手段106は、この伸縮先位置「操作履歴2:50(0+50)」を同じく操作履歴2が備える表示領域更新手段207に送信する。
【0102】
操作履歴2が備える表示領域更新手段207は、図9に示すように、伸縮先位置「50(0+50)」に、操作履歴2の表示領域31をその左端が一致するように伸縮する。
【0103】
このとき、操作履歴2の表示領域31の左端の位置しかデータ間距離に対する割合を算出できていないので、次に操作履歴2の表示領域31の右端の位置についても、左端と同様の処理を繰り返す。その結果、操作履歴2が備える表示領域更新手段207は、図9に示すように、「875(500+375)」に操作履歴2の表示領域31をその右端が一致するように伸縮する。
【0104】
このとき、操作履歴2の表示領域31しか拡大出力できていないので、次に操作履歴3〜4の表示領域32〜33についても、操作履歴2と同様の処理を繰り返し、図9に示す表示結果が得られる。
【0105】
本実施の形態では、伸縮先位置は表示領域の右端と左端だったが、実際はこれに限らない。例えば、表示領域の上端と下端を伸縮先位置としても良い。
【0106】
また、本実施例では伸縮先位置は表示領域内の2つだったが、実際はこれに限らない。例えば、表示領域の右端と左端と上端と下端を伸縮先位置としても良い。
【0107】
次に、本発明の第7の実施の形態を説明する。第7の実施の形態は、第3の実施の形態をより具体化した実施の形態である。
【0108】
本実施の形態が動作する対象となる操作履歴データ及び各操作履歴内のキー押下時間データは図10に示すように、IDと位置のほかに優先度が対応づいてデータ位置記憶部301に記憶されている点で異なる。
【0109】
本実施の形態では、優先度が2位以上のキー押下時間のみに閲覧者が注目したいので、予め優先度2以上のデータに各操作履歴の表示位置が対応するように設定されているとする。
【0110】
表示領域の位置及び閲覧者の表示領域に対する入力は第4の実施の形態と同様とする。
【0111】
入力判定手段102の動作も第4の実施の形態と同様とする。
【0112】
対応データ検索手段303は、入力判定手段102より受信した移動先位置「100」が、同じ操作履歴1が備えるデータ位置記憶部301内で、どのデータ間にあるかを、優先度が2以上のデータの中から、検索する。図10にあるように、移動先位置「100」は、位置が0であるデータと、位置が400であるデータの間にある。しかし、位置が400のデータの優先度は3なので、優先度設定に該当しない。優先度が2以上のデータで位置が400の右隣にあるデータの位置は600となる。したがって、対応データ検索手段303は、位置が0であるキー押下時間のID「A」と位置が600であるキー押下時間のID「C」を取得する。対応データ検索手段303は、この2つのキー押下時間データID「A」「C」と、移動先位置「100」を操作履歴1のデータ間距離算出手段104に送信する。
【0113】
これ以降の動作は、第4の実施の形態においてキー押下時間データID「A」「B」だったのを、キー押下時間データID「A」「C」で処理することとなる。
【0114】
なお、本実施の形態では、対応データ検索手段303は、優先度が2位という予め設定された閾値以上のキー押下時間データのみ検索したが、閾値以下や予め設定された値と一致する値を持つデータを検索してもよい。
【0115】
また、本実施の形態では、データ位置記憶部301は、優先度を各データと対応づけて記憶していたが、実際はこれに限らず、階層順位などを記憶しておいてもよい。優先度や階層順位などは、一般に属性あるいは属性値と呼ぶことができる。
【0116】
次に、本発明の第8の実施の形態を説明する。
【0117】
図11を参照すると、第8の実施の形態に係る表示領域制御装置は、第1の手段401と第2の手段402とで構成される。
【0118】
第1の手段401は、複数のデータ列のうちの特定のデータ列内の表示領域が更新されたときに、当該特定のデータ列における表示領域の所定箇所の更新先位置と隣り合うデータ間の距離に対する、当該データの一方から前記更新先位置までの距離の割合を算出する機能を有する。ここで、表示領域の所定箇所とは、表示領域の左端、右端等の境界、または表示領域の中心など、表示領域の予め定められた場所を意味する。なお、第1の手段401は、前述した実施の形態におけるデータ間距離算出手段、更新位置割合算出手段の機能を含んでいる。
【0119】
第2の手段は、他のデータ列について、前記算出された割合と同じ割合となる更新先位置を、前記特定のデータ列における前記更新先位置と隣り合うデータに対応するデータ間の距離と前記算出された割合とに従って算出し、表示領域を更新する機能を有する。この第2の手段は、前述した実施の形態における更新位置算出手段の機能を含んでいる。
【0120】
本実施の形態によれば、データ列を構成するデータの種類と個数および配置順序は同一であるが、データ列間で各データの間隔が同一ではなく、かつデータ列内の各データが一定間隔で並んでいない複数のデータ列のうち、特定のデータ列の表示領域を閲覧者が移動及び拡大・縮小した際に、常にそれらデータ列間で対応する位置や範囲を同時に表示できるように、その他のデータ列の表示領域を自動的に更新することができる。
【0121】
以上、本発明を幾つかの実施の形態を挙げて説明したが、本発明は以上の実施の形態にのみ限定されず、その他各種の付加変更が可能である。また、本発明の表示領域制御装置は、その有する機能をハードウェア的に実現することは勿論、コンピュータとプログラムとで実現することができる。
【0122】
図12を参照すると、本発明が実装され得る典型的なコンピュータのハードウェア構成は、CPU(Central Processing Unit)1001とバス1002とを含む。バス1002は、CPU1001とコンピュータのその他のコンポーネント、例えばメモリ1003、長期記憶装置1004、入力インターフェースアダプタ1005、出力インターフェース1006、および通信アダプタ1007とを接続し、それらの間の通信を可能にするために使用される。メモリ1003は、RAM(Random Access Memory)等で構成され、データなどを一時的に記憶するために使用される。長期記憶装置1004は、ハードディスク等で構成され、プログラム等を記憶するために使用される。入力インターフェースアダプタ1005は、CPU1001をバス1002を介して1つ以上の入力装置に接続する。入力装置には、キーボード1008、マウス1009、更にタッチ感応スクリーン等のその他の入力装置1010が含まれる。出力インターフェースアダプタ1006は、CPU1001をバス1002を介して1つ以上の出力装置に接続する。出力装置には、液晶ディスプレイ等の表示装置1011、更にプリンタなどのその他の出力装置1012が含まれる。通信アダプタ1007は、無線または有線の通信路1013を通じて他のコンピュータと通信するために使用される。
【0123】
長期記憶装置1004に記憶されたプログラムは、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータを前述した各実施の形態における入力判定手段、対応データ検索手段、データ間距離算出手段、更新位置割合算出手段、更新位置算出手段、表示領域更新手段として機能させる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、複数のデータ列同士を比較する場合に適用でき、特に各データ列を構成するデータが一定ではない間隔で並び、かつそれらデータがデータ列間で対応している場合において利用すると好適である。例えば、予め決められた手順でキーが押下された時間を記録した複数の操作履歴などを比較するためのグラフィカルユーザインターフェスに適用できる。
【符号の説明】
【0125】
101 データ位置記憶部
102 入力判定手段
103 対応データ検索手段
104 データ間距離算出手段
105 更新位置割合算出手段
106 更新位置算出手段
107 表示領域更新手段
10 操作履歴1の表示領域
11 操作履歴2の表示領域
12 操作履歴3の表示領域
13 操作履歴4の表示領域
20 操作履歴1の表示領域
21 操作履歴2の表示領域
22 操作履歴3の表示領域
23 操作履歴4の表示領域
30 操作履歴1の表示領域
31 操作履歴2の表示領域
32 操作履歴3の表示領域
33 操作履歴4の表示領域



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータ列のうちの特定のデータ列内の表示領域が更新されたときに、当該特定のデータ列における表示領域の所定箇所の更新先位置と隣り合うデータ間の距離に対する、当該データの一方から前記更新先位置までの距離の割合を算出し、他のデータ列について、前記算出された割合と同じ割合となる更新先位置を、前記特定のデータ列における前記更新先位置と隣り合うデータに対応するデータ間の距離と前記算出された割合とに従って算出し、表示領域を更新することを特徴とする表示領域制御装置。
【請求項2】
データ列内の特定のデータ間の距離を算出するデータ間距離算出手段と、
データ間距離算出手段で算出された距離に対する、距離を算出したデータの一方から表示領域の所定箇所の更新先位置までの距離の割合を算出する更新位置割合算出手段と、
更新位置割合算出手段で算出された割合と同じ割合で、他のデータ列内でも対応するデータ間における表示領域の所定箇所の更新先位置を算出する更新位置算出手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の表示領域制御装置。
【請求項3】
各データ列内の各データ位置を記憶しているデータ位置記憶部と、
入力のあったデータ列の表示領域の所定箇所の更新先位置を判定する入力判定手段と、
更新位置の両隣のデータのIDを前記データ位置記憶部から検索する対応データ検索手段と、
算出された更新先位置にデータ列の表示領域を更新する表示領域更新手段と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の表示領域制御装置。
【請求項4】
前記データ位置記憶部は、データ列内の各データの位置に加えて当該データの属性値を記憶し、
前記データ間距離算出手段は、予め設定された閾値以上及び以下の値の属性値を持つデータ間のみの距離を算出する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示領域制御装置。
【請求項5】
前記データ位置記憶部は、データ列内の各データの位置に加えて当該データの属性値を記憶し、
前記データ間距離算出手段は、予め設定された閾値と一致する属性値を持つデータ間のみの距離を算出する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示領域制御装置。
【請求項6】
データ列間で対応する各データ間の距離が異なる、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示領域制御装置。
【請求項7】
データ列内の各データ間の距離が一定ではない、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示領域制御装置。
【請求項8】
表示領域の移動位置を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示領域制御装置。
【請求項9】
表示領域の伸縮位置を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示領域制御装置。
【請求項10】
1つの表示領域につき複数の更新位置を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示領域制御装置。
【請求項11】
表示領域制御装置が、複数のデータ列のうちの特定のデータ列内の表示領域が更新されたときに、当該特定のデータ列における表示領域の所定箇所の更新先位置と隣り合うデータ間の距離に対する、当該データの一方から前記更新先位置までの距離の割合を算出し、
前記表示領域制御装置が、他のデータ列について、前記算出された割合と同じ割合となる更新先位置を、前記特定のデータ列における前記更新先位置と隣り合うデータに対応するデータ間の距離と前記算出された割合とに従って算出し、表示領域を更新する、
ことを特徴とする表示領域制御方法。
【請求項12】
前記表示領域制御装置を構成するデータ間距離算出手段が、データ列内の特定のデータ間の距離を算出し、
前記表示領域制御装置を構成する更新位置割合算出手段が、前記データ間距離算出手段で算出された距離に対する、距離を算出したデータの一方から更新先位置までの距離の割合を算出し、
前記表示領域制御装置を構成する更新位置算出手段が、前記更新位置割合算出手段で算出された割合と同じ割合で、他のデータ列内でも対応する表示領域の所定箇所の更新先位置を算出する、
ことを特徴とする請求項11に記載の表示領域制御方法。
【請求項13】
前記表示領域制御装置は、各データ列内の各データ位置を記憶しているデータ位置記憶部を備え、
前記表示領域制御装置を構成する入力判定手段が、入力のあったデータ列の表示領域の更新先位置を判定し、
前記表示領域制御装置を構成する対応データ検索手段が、更新先位置の両隣のデータのIDを前記データ位置記憶部から検索し、
前記表示領域制御装置を構成する表示領域更新手段が、算出された更新先位置にデータ列の表示領域を更新する、
ことを特徴とする請求項11または12に記載の表示領域制御方法。
【請求項14】
前記表示領域制御装置は、各データ列内の各データ位置を記憶しているデータ位置記憶部を備え、
前記データ間距離算出手段は、予め設定された閾値以上及び以下の値の属性値を持つデータ間のみの距離を算出する、
ことを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の表示領域制御方法。
【請求項15】
前記表示領域制御装置は、各データ列内の各データ位置を記憶しているデータ位置記憶部を備え、
前記データ間距離算出手段は、予め設定された閾値と一致する属性値を持つデータ間のみの距離を算出する、
ことを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の表示領域制御方法。
【請求項16】
データ列間で対応する各データ間の距離が異なる、
ことを特徴とする請求項11乃至15の何れか1項に記載の表示領域制御方法。
【請求項17】
データ列内の各データ間の距離が一定ではない、
ことを特徴とする請求項11乃至15の何れか1項に記載の表示領域制御方法。
【請求項18】
表示領域の移動位置を制御する、
ことを特徴とする請求項11乃至15の何れか1項に記載の表示領域制御方法。
【請求項19】
表示領域の伸縮位置を制御する、
ことを特徴とする請求項11乃至15の何れか1項に記載の表示領域制御方法。
【請求項20】
1つの表示領域につき複数の更新位置を制御する、
ことを特徴とする請求項11乃至15の何れか1項に記載の表示領域制御方法。
【請求項21】
コンピュータを、
複数のデータ列のうちの特定のデータ列内の表示領域が更新されたときに、当該特定のデータ列における表示領域の所定箇所の更新先位置と隣り合うデータ間の距離に対する、当該データの一方から前記更新先位置までの距離の割合を算出する第1の手段と、
他のデータ列について、前記算出された割合と同じ割合となる更新先位置を、前記特定のデータ列における前記更新先位置と隣り合うデータに対応するデータ間の距離と前記算出された割合とに従って算出し、表示領域を更新する第2の手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項22】
前記第1の手段は、データ列内の特定のデータ間の距離を算出するデータ間距離算出手段と、データ間距離算出手段で算出された距離に対する、距離を算出したデータの一方から更新後の表示領域の更新先位置までの距離の割合を算出する更新位置割合算出手段とを含み、
前記第2の手段は、更新位置割合算出手段で算出された割合と同じ割合で、他のデータ列内でも対応するデータ間における表示領域の所定箇所の更新先位置を算出する更新位置算出手段を含む、
ことを特徴とする請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記コンピュータは、各データ列内の各データ位置を記憶しているデータ位置記憶部を備え、
前記コンピュータをさらに、
入力のあったデータ列の表示領域の所定箇所の更新先位置を判定する入力判定手段と、
更新先位置の両隣のデータのIDを前記データ位置記憶部から検索する対応データ検索手段と、
算出された更新先位置にデータ列の表示領域を更新する表示領域更新手段と、
して機能させる請求項21または22に記載のプログラム。
【請求項24】
前記データ位置記憶部は、データ列内の各データの位置に加えて当該データの属性値を記憶し、
前記データ間距離算出手段は、予め設定された閾値以上及び以下の値の属性値を持つデータ間のみの距離を算出する、
ことを特徴とする請求項21乃至23の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項25】
前記データ位置記憶部は、データ列内の各データの位置に加えて当該データの属性値を記憶し、
前記データ間距離算出手段は、予め設定された閾値と一致する属性値を持つデータ間のみの距離を算出する、
ことを特徴とする請求項21乃至23の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項26】
データ列間で対応する各データ間の距離が異なる、
ことを特徴とする請求項21乃至25の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項27】
データ列内の各データ間の距離が一定ではない、
ことを特徴とする請求項21乃至25の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項28】
表示領域の移動位置を制御する、
ことを特徴とする請求項21乃至25の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項29】
表示領域の伸縮位置を制御する、
ことを特徴とする請求項21乃至25の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項30】
1つの表示領域につき複数の更新位置を制御する、
ことを特徴とする請求項21乃至25の何れか1項に記載のプログラム。



【図1−1】
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【図1−2】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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