説明

表面保護フィルム用基材、および表面保護フィルム

【課題】 傷が付くことを防止したり、埃やゴミ等が付着することを防止する目的から、通常、加工工程等において、光学部材は表面保護フィルムが貼り付けられている。しかし、光学部材を検査する際などでは、表面保護フィルムを一度剥離して検査した後、再び表面保護フィルムを貼り直す必要があった。本発明の目的は、検査等の際に剥離する必要性のない表面保護フィルムを提供することにある。
【解決手段】 面内位相差が10nm以下であり、かつ、厚み方向位相差が20nm以下であるイミド樹脂からなるフィルムを提供した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査時に剥離する必要がない、部材、特に光学部材の表面を傷などから保護するために用いる表面保護フィルム用基材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、表面電界ディスプレイ(SED)等を用いる、いわゆるフラットパネルディスプレイの販売台数が飛躍的に多くなっている。これらのフラットパネルディスプレイは非常に高度な技術で構成されている。その各部材の工程内での搬送時や検査工程においては、異物検査や表示機能の検査工程において、またその他の取り扱い時、更にはパネルの完成後のディスプレイとして組み込まれる工程、およびディスプレイとして完成した後ユーザーに供されるまで、これらの光学部材を傷から保護したり、埃やゴミ等が付着することを防止する必要がある。このような目的に対して通常表面保護フィルムが用いられる。
【0003】
従来、上記表面保護フィルムとしては、ポリエチレンフィル等に粘着剤が塗布されたものが使用されている。
【0004】
しかしながら、従来の表面保護フィルムは位相差を有する(光学異方性である)ことから、表面保護フィルムを光学部材に貼り合わせた状態で検査を行うと、表面保護フィルムの位相差に起因する着色ムラや干渉光が生じるために、検査が困難、もしくは不正確になる可能性がある。
【0005】
例えば、液晶ディスプレイの検査工程において、コントラストや色調などの性能を検査するが、その際上述した着色ムラや干渉光が生じるために、検査が困難、もしくは不正確になる可能性がある等理由により一旦表面保護フィルムを剥離し、検査を行った上で検査を行い、検査終了後再度新しい表面保護フィルムを貼り合わせる必要がある。
【0006】
また、液晶ディスプレイを構成する偏光子、偏光子保護フィルム、偏光板、位相差板、導光板、拡散板等も同様に表面保護フィルムが使用されており、上述のような課題を有している。
【0007】
このように、検査工程で新しい表面保護フィルムを貼り合わせるのは、一旦剥離した表面保護フィルムを再度使用すると貼り合わせが難しく外観が悪化する可能性がある。また、剥離する際に表面保護フィルムが伸びたり、再粘着性が悪化する可能性もある。
【0008】
さらに、表面保護フィルムを剥離する工程、再度貼合する工程を必要とするために、工程が煩雑になるという課題もある。
【0009】
また、フィルム強度が弱い場合は、完成時に、表面保護フィルムを最終的に剥離させる場合に途中で伸びたり、破れたりする可能性もある。
【0010】
これらの課題に対して、光学等方性を有するフィルムを表面保護フィルムの基材として使用することが提案されている(特許文献1、2)。具体的には、溶液流延法により製造したポリカーボネートフィルムが用いられている。しかし、ポリカーボネートフィルムは面内位相差(リターデーション)が小さくても、厚み方向位相差が大きく、詳細な検査を行おうとすると着色ムラや干渉光が生じる可能性がある。また、配向複屈折が大きく、偏光子、偏光子保護フィルムなどロールフィルム状で搬送するものはその過程で張力がかかるため、この張力(応力)に起因して光学異方性が発生する課題もある。
【特許文献1】特開平5−157914
【特許文献2】特開平6−148431
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、以上のような課題を解決する為になされたものであり、被保護部材の検査工程において剥離する必要性がない、表面保護フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する為、本発明者等は鋭意検討を行った。その結果、透明性などの光学特性に優れ、且つ位相差が小さい本発明のイミド樹脂が上記課題を解決することを見いだし、本発明に至った。
【0013】
すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(1)で表される単位と、下記一般式(2)で表される単位と、更に必要に応じ下記一般式(3)で表される単位を含んで形成されるイミド樹脂からなり、面内位相差が10nm以下であり、かつ、厚み方向位相差が20nm以下であることを特徴とする表面保護フィルム用基材、を提供する。
【0014】
【化1】

(ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
【0015】
【化2】

(ここで、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R6は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
【0016】
【化3】

(但し、R7は、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8は、炭素数6〜10のアリール基を示す。)
(2)配向複屈折が0以上0.1×10-3以下である、(1)に記載の表面保護フィルム用基材、を提供する。
【0017】
(3)被保護部材が光学部材であることを特徴とする、(1)又は(2)の何れかに記載の表面保護フィルム用基材、を提供する。
【0018】
(4)光学部材が、液晶ディスプレイパネルであることを特徴とする、(1)から(3)の何れかに記載の表面保護フィルム用基材、を提供する。
【0019】
(5)光学部材が、偏光子、偏光子保護フィルム、偏光板、位相差板、導光板、拡散板であることを特徴とする、(1)から(4)の何れかに記載の表面保護フィルム用基材、を提供する。
【0020】
(6)(1)から(5)の何れかに記載の表面保護フィルム用基材を用いる表面保護フィルム、を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、透明性などの光学特性に優れ、且つ位相差が小さい本発明のイミド樹脂が、被保護部材の検査工程において剥離する必要性がない、表面保護フィルムを提供でき、有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の表面保護フィルム用基材は、下記一般式(1)で表される単位と、下記一般式(2)で表される単位と、更に必要に応じ下記一般式(3)で表される単位を含んで形成されるイミド樹脂からなり、面内位相差が10nm以下であり、かつ、厚み方向位相差が20nm以下であることを特徴とする。
【0023】
【化4】

(ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
【0024】
【化5】

(ここで、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R6は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
【0025】
【化6】

(但し、R7は、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8は、炭素数6〜10のアリール基を示す。)
本発明のイミド樹脂を構成する、第一の構成単位は、下記一般式(1)で表されるものであり、一般的にグルタルイミド単位と呼ばれる事が多い(以下、一般式(1)をグルタルイミド単位と省略して示す事がある。)。
【0026】
【化7】

(但し、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基を示す。)
好ましいグルタルイミド単位としては、R1、R2が水素又はメチル基であり、R3が水素、メチル基、ブチル基、またはシクロヘキシル基である。R1がメチル基であり、R2が水素であり、R3がメチル基である場合が、特に好ましい。
【0027】
該グルタルイミド単位は、単一の種類でもよく、R1、R2、R3が異なる複数の種類を含んでいても構わない。
【0028】
尚、グルタルイミド単位は、以下に説明する第二の構成単位をイミド化する事により形成することが可能である。また、無水マレイン酸等の酸無水物又はそれらと炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとのハーフエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸等もイミド化可能であり、グルタルイミド単位の形成に用いる事ができる。
【0029】
本発明のイミド樹脂を構成する、第二の構成単位は、下記一般式(2)で表されるものであり、一般的には(メタ)アクリル酸エステル単位と呼ばれる事が多い(以下、一般式(2)を(メタ)アクリル酸エステル単位と省略して示す事がある。)。
【0030】
【化8】

(但し、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R6は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基を示す。)
本発明のイミド樹脂を製造する際に、先ず(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体、または(メタ)アクリル酸エステル重合体を重合し、これを後イミド化して形成する場合、具体的に(メタ)アクリル酸エステル単位を残基として与える原料としては、特に限定するものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。これらの中で、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
【0031】
これら第二の構成単位は、単一の種類でもよく、R4、R5、R6が異なる複数の種類を含んでいても構わない。同様に、前記(メタ)アクリル酸エステル単位を残基として与える原料も複数の種類を混合して用いても構わない。
【0032】
本発明のイミド樹脂に必要に応じて含有させる第三の構成単位は、下記一般式(3)で表されるものであり、一般的には芳香族ビニル単位と呼ばれる事が多い(以下、一般式(3)を芳香族ビニル単位と省略して示す事がある。)
【0033】
【化9】

(但し、R7は、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8は、炭素数6〜10のアリール基を示す。)
好ましい芳香族ビニル構成単位としては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0034】
これら第三の構成単位は、単一の種類でもよく、R7、R8が異なる複数の種類を含んでいても構わない。
【0035】
本発明のイミド樹脂中の、一般式(1)で表されるグルタルイミド単位の含有量は、例えばR3の構造にも依存するが、イミド樹脂の20重量%以上が好ましい。グルタルイミド単位の、好ましい含有量は、20重量%から95重量%であり、より好ましくは40〜90重量%、更に好ましくは、50〜80重量%である。グルタルイミド単位の割合がこの範囲より小さい場合、得られるイミド樹脂の耐熱性が不足したり、透明性が損なわれる事がある。また、この範囲を超えると不必要に耐熱性、溶融粘度が上がり、成形加工性が悪くなる他、得られるフィルムの機械的強度は極端に脆くなり、又、透明性が損なわれる事がある。
【0036】
本発明のイミド樹脂中の、一般式(3)で表される芳香族ビニル単位の含有量は、イミド樹脂の総繰り返し単位を基準として、10重量%以上が好ましい。芳香族ビニル単位の、好ましい含有量は、10重量%から40重量%であり、より好ましくは15〜30重量%、更に好ましくは、15〜25重量%である。芳香族ビニル単位がこの範囲より大きい場合、得られるイミド樹脂の耐熱性が不足する。この範囲より小さい場合、得られるフィルムの機械的強度が低下することがある。
【0037】
一般式(1)、(2)、(3)の割合を調整することで、各種要求される物性に調整する事が可能である。例えば、本発明のイミド樹脂を、先ず(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体を重合した後に、後イミド化して形成する場合、例えば(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニルの重合割合を調整することで一般式(3)の割合を決め(一般式(3)の割合を0とする事も可)、更に後イミド化時の一級アミンの添加割合を調整する事で、更に一般式(1)、(2)の割合を調整する事ができる。
【0038】
本発明のイミド樹脂には、必要に応じ、更に、第四の構成単位が共重合されていてもかまわない。第四の構成単位として、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のニトリル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体を共重合してなる構成単位を用いる事ができる。これらは樹脂中に、直接共重合してあっても良く、グラフト共重合してあっても構わない。
【0039】
本発明のイミド樹脂を製造する際に、先ず(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体、又はメタクリル酸メチル重合体等の(メタ)アクリル酸エステル重合体を重合し、これをイミド樹脂化する場合、本発明で用いる事ができる(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル重合体は、イミド化反応が可能であれば、リニアー(線状)ポリマーであっても、またブロックポリマー、コアシェルポリマー、分岐ポリマー、ラダーポリマー、架橋ポリマーであっても構わない。ブロックポリマーはA−B型、A−B−C型、A−B−A型、又はこれら以外のいずれのタイプのブロックポリマーであっても構わない。コアシェルポリマーはただ一層のコア及びただ一層のシェルのみからなるものであっても、それぞれが多層になっていても構わない。
【0040】
又、本発明のイミド樹脂は、1×104ないし5×105の重量平均分子量を有する事が好ましい。重量平均分子量が1×104を下回る場合には、フィルムにした場合の機械的強度が不足し、5×105を上回る場合には、溶融押出時の粘度が高く、成形加工性が低下し、成形品の生産性が低下する事がある。
【0041】
本発明のイミド樹脂のガラス転移温度は110℃以上である事が好ましく、120℃以上である事がより好ましい。ガラス転移温度が上記の値を下回ると、耐熱性が要求される用途においては適用範囲が制限される。
【0042】
本発明のイミド樹脂は、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体、又はメタクリル酸メチル重合体等の(メタ)アクリル酸エステル重合体にイミド化剤を処理する方法であれば各種方法で製造する事ができ、押出機等を用いてもよく、バッチ式反応槽(圧力容器)等を用いてもよい。
【0043】
本発明のイミド樹脂の製造方法を押出機にて行う場合には、各種押出機が使用可能であるが、例えば単軸押出機、二軸押出機或いは多軸押出機等が使用可能である。特に、原料ポリマーに対するイミド化剤の混合を促進できる押出機として二軸押出機が好ましい。二軸押出機には非噛合い型同方向回転式、噛合い型同方向回転式、非噛合い型異方向回転式、噛合い型異方向回転式等があるが、二軸押出機の中では噛合い型同方向回転式が高速回転可能であり、原料ポリマーに対するイミド化剤の混合を促進できるので好ましい。これらの押出機は単独で用いても、直列につないでも構わない。
【0044】
又、押出機には未反応のイミド化剤或いはメタノール等の副生物やモノマー類を除去する為に、大気圧以下に減圧可能なベント口を装着する事が好ましい。
【0045】
イミド樹脂の製造を押出機の代わりに、例えば住友重機械(株)製のバイボラックのような横型二軸反応装置やスーパーブレンドのような竪型二軸攪拌槽などの高粘度対応の反応装置も好適に使用できる。
【0046】
本発明のイミド樹脂を製造する際に用いるバッチ式反応槽(圧力容器)は原料ポリマーを溶解した溶液を加熱、攪拌でき、イミド化剤を添加できる構造であれば特に制限ないが、反応の進行によりポリマー溶液の粘度が上昇することもあり、攪拌効率が良好なものがよい。例えば、住友重機械(株)製の攪拌槽マックスブレンドなどを例示することができる。
【0047】
本発明のイミド樹脂は、溶剤存在下で製造する場合、アクリル系樹脂を溶解できる、イミド化反応に対して非反応性溶媒を用いて、溶液状態のアクリル系樹脂にイミド化剤を添加することによって得られる。
【0048】
イミド化反応に対する非反応性溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の脂肪族アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、クロロトルエン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のケトン、エーテル系化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また少なくとも2種を混合したものであってもよい。これらの中で、トルエン、およびトルエンとメチルアルコールとの混合溶媒が好ましい。
【0049】
原料樹脂の非反応性溶媒に対する濃度は少ない方が製造コストの面からは好ましく、固形分濃度として10〜80%、特に20〜70%が好ましい。
【0050】
本発明で使用されるイミド化剤は、一般式(1)で表されるグルタルイミド単位が得られるものであれば特に制限されないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン等の脂肪族炭化水素基含有アミン、アニリン、トルイジン、トリクロロアニリン等の芳香族炭化水素基含有アミン、シクロヘキシルアミン等などの脂環式炭化水素基含有アミンが挙げられる。アンモニアも用いることができる。また、尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジプロピル尿素などの加熱によりこれらのアミンを発生する尿素系化合物を用いることもできる。これらのイミド化剤のうち、コスト、物性の面からメチルアミンが好ましい。
【0051】
原料樹脂をイミド化剤によりイミド化する際にはイミド化を進行させ、かつ過剰な熱履歴による樹脂の分解、着色などを抑制するために、反応温度は150〜400℃の範囲で行う。180〜320℃が好ましく、さらには200〜280℃が好ましい。
【0052】
イミド化剤によりイミド化する際には、一般に用いられる触媒、酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、収縮防止剤などを本発明の目的が損なわれない範囲で添加してもよい。
【0053】
本発明のイミド樹脂は製造する際に副生するカルボキシル基や酸無水物基を減少させる目的で、エステル化剤による変性を行うことも可能である。
【0054】
エステル化剤としては、例えば、ジメチルカーボネート、2,2−ジメトキシプロパン、ジメチルスルホキシド、トリエチルオルトホルメート、トリメチルオルトアセテート、トリメチルオルトホルメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルサルフェート、メチルトルエンスルホネート、メチルトリフルオロメチルスルホネート、メチルアセテート、メタノール、エタノール、メチルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、ジメチルカルボジイミド、ジメチル−t−ブチルシリルクロライド、イソプロペニルアセテート、ジメチルウレア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ジメチルジエトキシシラン、テトラ−N−ブトキシシラン、ジメチル(トリメチルシラン)フォスファイト、トリメチルフォスファイト、トリメチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、ジアゾメタン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0055】
本発明の表面保護フィルム用基材は、上記イミド樹脂を用いるものであり、基材の面内位相差が10nm以下であり、かつ、厚み方向位相差が20nm以下であることが好ましい。基材の面内位相差は、より好ましくは5nm以下である。厚み方向位相差は、より好ましくは10nm以下である。基材の面内位相差が10nmを超えたり、或いは厚み方向位相差が20nmを超えると、検査工程において着色ムラや干渉光が生じるために、検査が困難、もしくは不正確になる可能性がある。
【0056】
ここでいう、面内位相差及び厚み方向位相差は以下の様に定義される。すなわち、面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、基材の厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx、ny、nz、基材の厚さをdとすると、面内位相差 Re=(nx−ny)×d 及び厚み方向位相差 Rth=|(nx+ny)/2−nz|×d (||は絶対値を表す)がともに小さいことを意味している(理想となる、3次元方向について完全光学等方であるフィルムでは、面内位相差Re、厚み方向位相差Rthともに0となる。)。
【0057】
本発明のイミド樹脂中で、一般式(3)を含有するタイプは、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体中の各構成単位量及びグルタルイミド単位の含有量を調節する事で実質的に配向複屈折を有さない特徴を付与する事も可能である(尚、必要に応じ、特定の配向複屈折に調整して使用することも可能である。)。配向複屈折とは所定の温度、所定の延伸倍率で延伸した場合に発現する複屈折の事をいう。本明細書中では、特にことわりのない限り、イミド樹脂のガラス転移温度より5℃高い温度で、100%延伸した場合に発現する複屈折の事をいうものとする。ここで、配向複屈折(△n)は、前述のnx、nyを用いて、△n=nx−ny=Re/dで定義され、位相差計により測定される。
【0058】
本発明の表面保護フィルム用基材の配向複屈折の値としては、0以上0.1×10-3以下である事が好ましく、0以上0.01×10-3で以下ある事がより好ましい。配向複屈折が上記の範囲外の場合、環境の変化に対して複屈折を生じやすく、安定した光学的特性を得る事が難しくなる。または、工程においてフィルム形態で連続搬送される場合に係る張力により配向複屈折が生じる可能性があり、同じ検査工程における着色ムラや干渉光が生じることが懸念される。
【0059】
実質的に、光学等方性、及び配向複屈折を有さないイミド樹脂を得る為には、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体中の各構成単位量を調節、更にイミド化の程度を調製する必要があり、一般式(1)で示される繰り返し単位と、一般式(3)で示される繰り返し単位が、重量比で2.0:1.0〜4.0:1.0の範囲にある事が好ましく、2.5:1.0〜4.0:1.0の範囲がより好ましく、3.0:1.0〜3.5:1.0の範囲が更に好ましい。
【0060】
本発明の表面保護フィルム用基材の厚みは、1〜500μmが好ましく、5〜200μmがより好ましいが、これに制限されるものではない。
【0061】
本発明の表面保護フィルム用基材の引張強度は、20MPa以上が好ましく、40MPa以上がより好ましい。引張強度が20MPaより低い場合は、使用上耐え難く、例えばロール搬送で取り扱う場合に、工程の途中で破断したり、最終工程で剥離する際に途中で破れる可能性がある。
【0062】
本発明の表面保護フィルム用基材の引張伸びは、5%以上が好ましく、10%がより好ましい。引張伸びが5%より低い場合は、使用上耐え難い。
【0063】
本発明の表面保護フィルム用基材は、本発明のイミド樹脂に、一般に用いられる酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、収縮防止剤などを本発明の目的が損なわれない範囲で添加した組成物としてもよい。さらに、本発明のイミド樹脂を主成分とするこれらの組成物(イミド樹脂単独または他の熱可塑性樹脂とのブレンド(組成物)でも良い)は、射出成形、溶融押出フィルム成形、インフレーション成形、ブロー成形、圧縮成形、紡糸成形などのような各種プラスチック加工法によって様々な成形品に加工できる。また、本発明のイミド樹脂を溶解する塩化メチレンなどの溶剤に溶解させ、得られるポリマー溶液を用いる流延法やスピンコート法によっても成形可能であるが、溶剤を使用しない溶融押出法が、本発明の効果が顕著に表れ易く、又、製造コストや溶剤による地球環境や作業環境への影響等の観点から好ましい。
【0064】
または、本発明の表面保護フィルム用基材は、一軸もしくは二軸に延伸されていても構わない。
【0065】
本発明の表面保護フィルム用基材は、必要により表面処理を行う事ができる。表面処理方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射及びアルカリ処理等が挙げられる。特に、表面保護フィルム用基材表面にコーティング加工等の表面加工が施される場合や、粘着剤により別のフィルムがラミネートされる場合には、相互の密着性を上げる為の手段として、表面保護フィルム用基材の表面処理を行う事が好ましい。コロナ処理が特に好適な方法である。好ましい表面処理の程度は、50dyn/cm以上である。上限は特に定められないが、表面処理の為の設備等の点から、80dyn/cm以下である事がより好ましい。
【0066】
又、本発明の表面保護フィルム用基材の表面には、必要に応じハードコート層等のコーティング層を形成する事ができる。
【0067】
本発明の表面保護フィルム用基材には粘着層を施すことが好ましい。粘着層には、ゴム系やアクリル系等の適切なものを選択することができる。また、粘着層を形成させる方法は適宜な方法で行え、例えば粘着剤を塗布する方法等を例示できる。粘着剤は本発明の表面保護フィルム用基材が有する光学等方性に影響を与えないレベルの光学歪みである方が好ましい。粘着層の厚みは1〜200μmが好ましく、5〜100μmがより好ましいが、これに制限されるものではない。
【0068】
本発明の表面保護フィルム用基材はこれらの処理を施して、表面保護フィルムとして使用可能である。
【0069】
本発明の表面保護フィルムは各種ディスプレイの表面を保護することに適している。ここでいう各種ディスプレイは、特に制限ないが、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、表面電界ディスプレイなどの画面を保護することに適している。これらのうち、特に、液晶ディスプレイはその再外層が樹脂で形成されており、特に有効である。
【0070】
また、本発明の表面保護フィルムは、特に液晶ディスプレイを構成する光学部材の表面を保護することにも適している。ここでいう液晶ディスプレイを構成する光学部材は液晶ディスプレイを構成するものであれば特に制限ないが、例えば、偏光子、偏光子保護フィルム、偏光板、位相差板、導光板、拡散板を例示できる。
【0071】
また、本発明の表面保護フィルムは、各種ディスプレイの表面以外にも適用可能である。例えば、合成樹脂板や金属の表面を保護できる。
【実施例】
【0072】
(1)膜厚
デジマティックインジケーター(株式会社ミツトヨ製)を用いて測定した。
【0073】
(2)全光線透過率
JIS K7105−1981の5.5記載の方法により、日本電色工業(株)製分光式色差計NDH−300Aを用いて測定した。
【0074】
(3)ヘーズ
JIS K7105−1981の6.4記載の方法により、日本電色工業(株)製分光式色差計NDH−300Aを用いて測定した。
【0075】
(4)配向複屈折
フィルムから、幅50mm×長さ150mmのサンプルを切り出し、延伸倍率2倍で、ガラス転移温度より5℃高い温度で、一軸延伸フィルム(100%延伸)を作成した。この一軸延伸フィルムのTD方向の中央部から35mm×35mmの試験片を切り出した。この試験片を、自動複屈折計(王子計測機器株式会社製 KOBRA−WR)を用いて、温度23±2℃、湿度50±5%において、波長590nm、入射角0゜で位相差を測定した。この位相差を、デジマティックインジケーター(株式会社ミツトヨ製)を用いて測定した試験片の厚みで割った値を配向複屈折とした。
【0076】
(5)面内位相差Reおよび厚み方向位相差Rth
フィルムから、40mm×40mmの試験片を切り出した。この試験片を、自動複屈折計(王子計測株式会社製 KOBRA−WR)を用いて、温度23±2℃、湿度50±5%において、波長590nm、入射角0゜で面内位相差Reを測定した。デジマティックインジケーター(株式会社ミツトヨ製)を用いて測定した試験片の厚みd、および、アッベ屈折計(株式会社アタゴ製 3T)で測定した屈折率n、自動複屈折計で測定した波長590nm、面内位相差Reおよび40°傾斜方向の位相差値から3次元屈折率nx、ny、nz、を求め、厚み方向位相差 Rth=|(nx+ny)/2−nz|×d (||は絶対値を表す)を計算した。
【0077】
(6)透湿度
JIS Z 0208に準拠して、カップ法により、40℃、90%RHおよび80℃、90%RHにて測定した。なお、40℃試験は封印にパラフィンを使用し、80℃試験は封印にポリテトラフルオロエチレンパッキンを使用した。得られた透湿度(g/(m2・24hr))からとフィルムの厚み(mm)から、水蒸気透過係数を求めた。
【0078】
(7)イミド樹脂中の一般式(1)の割合
生成物のペレットをそのまま用いて、SensIR Tecnologies社製TravelIRを用いて、室温にてIRスペクトルを測定した。得られたスペクトルより、1720cm-1のエステルカルボニル基に帰属される吸収強度(Absester)と、1660cm-1のイミドカルボニル基に帰属される吸収強度(Absimide)の比からイミド化率(Im%(IR))を求めた。ここで、イミド化率とは全カルボニル基中のイミドカルボニル基の占める割合をいう。
【0079】
(8)ガラス転移温度(Tg)
生成物10mgを用いて、示差走査熱量計(DSC、株式会社島津製作所製DSC−50型)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定し、中点法により決定した。
【0080】
(9)異物の検査状況
実施例で得られた表面保護フィルムを偏光板の両面に貼り合わせ、これをさらに2枚の偏光板を用いてクロスニコル状態として、ライトボックスに置いて下から光を当てて、目視で光り漏れの有無を確認できるか否かを検討した。
【0081】
(樹脂製造例1)
ポリメタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS)樹脂(一般式(2)と一般式(3)の組成は80モル%:20モル%)を、イミド化剤であるモノメチルアミン(三菱ガス化学株式会社製)によりイミド化し、イミド化MS樹脂を製造した。使用した押出機は口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機である。押出機の各温調ゾーンの設定温度を230℃、スクリュー回転数150rpm、MS樹脂を2.0kg/hrで供給し、モノメチルアミンの供給量はMS樹脂に対して40重量部とした。ホッパーからメタクリル系樹脂を投入し、ニーディングブロックによって樹脂を溶融、充満させた後、ノズルからモノメチルアミンを注入した。反応ゾーンの末端にはシールリングを入れて樹脂を充満させた。反応後の副生成物および過剰のメチルアミンをベント口の圧力を−0.08MPaに減圧して脱揮した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂は、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化した。このイミド化MS樹脂は、実施形態に記載した一般式(1)で表される単位と一般式(2)で表される単位と一般式(3)で表される単位とが共重合したイミド樹脂に相当し、一般式(10)が70モル%のものであった。Tgは156℃であった。
【0082】
(樹脂製造例2)
メチルアミンの代わりにシクロヘキシルアミン(新日本理化株式会社製)とした。樹脂供給量は1.5kg/hrとし、シクロヘキシルアミンは40重量部とし、樹脂製造例1と同様に行った。一般式(1)が65モル%のものであった。Tgは164℃であった。
【0083】
(樹脂製造例3)
(1)以下の方法でメタクリル系樹脂組成物(コアシェルポリマー)を合成した。
【0084】
攪拌機付き8L重合装置に、以下の物質を仕込んだ。
脱イオン水 200部
ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム 0.25部
ソディウムホルムアルデヒドスルフォキシレート 0.15部
エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.005部
硫酸第一鉄 0.0015部
重合機内を窒素ガスで充分に置換し実質的に酸素のない状態とした後、内温を60℃にし、アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子の原料となるブチルアクリレート(BA)70%およびメタクリル酸メチル(MMA)30%からなる単量体混合物100部に対し、メタクリル酸アリル(AlMA)2部およびクメンハイドキパーオキサイド(CHP)0.5部からなる単量体混合物>20部を10部/時間の割合で連続的に添加し、添加終了後、さらに0.5時間重合を継続し、アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子を得た。重合転化率は99.5%であり、平均粒子径は800Åであった。その後、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム0.3部を仕込んだ後、内温を60℃にし、メタクリル酸エステル系重合体の原料となるスチレン(St)10%、MMA90%からなる単量体混合物100部に対し、tert−ドデシルメルカプタン(tDM)0.8部およびCHP0.5部からなる単量体混合物80部を10部/時間の割合で連続的に添加し、さらに1時間重合を継続し、メタクリル系樹脂組成物(コアシェルポリマー)を得た。重合転化率は99.0%であった。得られたラテックスを塩化カルシウムで塩析、凝固し、水洗、乾燥してメタクリル系樹脂組成物(C)の樹脂粉末(1)を得た。さらに、40ミリφベント付き単軸押出機を用いてシリンダ温度を230℃に設定して溶融混練を行い、ペレット化した。
【0085】
(2)前述(1)で得られたメタクリル系樹脂組成物(コアシェルポリマー)を、イミド化剤であるモノメチルアミン(三菱ガス化学株式会社製)とした。樹脂供給量は1.0kg/hrとし、メチルアミンは10重量部とし、樹脂製造例1と同様に行い、イミド化MS樹脂を(コアシェルポリマー)製造した。一般式(1)が50モル%のものであった。Tgは135℃であった。
【0086】
(実施例1〜3)
樹脂製造例1〜3の樹脂を用いて、固形分濃度20重量%の塩化メチレン溶液を作成し、ガラス板上に敷いたポリエチレンテレフタレート(帝人製テトロンHS)上にバーコーターを用いて流延し、室温で60分放置した。その後フィルムを剥し、4片固定治具に挟んで、100℃で1時間、更に各樹脂のTg+10℃で12時間の乾燥を行って、フィルムを得た。フィルムの片面にアクリル系粘着剤を5μmの厚みになるように塗布し、乾燥させた。フィルム特性を表1に示した。
【0087】
(比較例1)
富士写真フィルム製トリアセチルアセテートフィルム(40μm)のフィルム特性を表1に示した。フィルムの片面にアクリル系粘着剤を5μmの厚みになるように塗布し、乾燥させた。フィルム特性を表1に示した。
【0088】
(比較例2)
日本ゼオン製ゼオノア1420Rのキシレン溶液(樹脂濃度=35重量%)を調整して、ドープとした。該ドープを実施例1と同様にしてキャストし、室温で10分間放置後、さらに80℃で1時間、120℃で2時間、170℃で4時間乾燥させた後基材フィルムから剥がし、50μmのフィルムを得た。このフィルムの片面にアクリル系粘着剤を5μmの厚みになるように塗布し、乾燥させた。フィルム特性を表1に示した。
【0089】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される単位と、下記一般式(2)で表される単位と、更に必要に応じ下記一般式(3)で表される単位を含んで形成されるイミド樹脂からなり、面内位相差が10nm以下であり、かつ、厚み方向位相差が20nm以下であることを特徴とする表面保護フィルム用基材。
【化1】

(ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
【化2】

(ここで、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R6は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
【化3】

(但し、R7は、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8は、炭素数6〜10のアリール基を示す。)
【請求項2】
配向複屈折が0以上0.1×10-3以下である、請求項1に記載の表面保護フィルム用基材。
【請求項3】
被保護部材が光学部材であることを特徴とする、請求項1又は2の何れかに記載の表面保護フィルム用基材。
【請求項4】
光学部材が、液晶ディスプレイパネルであることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の表面保護フィルム用基材。
【請求項5】
光学部材が、偏光子、偏光子保護フィルム、偏光板、位相差板、導光板、拡散板であることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の表面保護フィルム用基材。
【請求項6】
請求項1から5の何れかに記載の表面保護フィルム用基材を用いる表面保護フィルム。

【公開番号】特開2006−328329(P2006−328329A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158202(P2005−158202)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】