表面処理装置及び表面処理方法
【課題】簡便・低コストな表面処理であるショットピーニングにおいて高硬度化と結晶粒微細化とを両立させること。
【解決手段】被処理物Wを加熱する誘導加熱コイル130と、誘導加熱コイル130に高周波電流を供給して被処理物Wを誘導加熱する高周波印加装置200と、被処理物Wに向けて投射材Pを噴射させるとともに冷却する噴射ノズル140と、高周波印加装置200から誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させて被処理物Wを加熱し、オーステナイト化させ、被処理物WのA3変態点の−110〜−10℃の温度まで冷却された後に噴射ノズル140から投射材Pを噴射させるとともに被処理物Wが前記温度に維持される状態に誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させる制御部300を具備した。
【解決手段】被処理物Wを加熱する誘導加熱コイル130と、誘導加熱コイル130に高周波電流を供給して被処理物Wを誘導加熱する高周波印加装置200と、被処理物Wに向けて投射材Pを噴射させるとともに冷却する噴射ノズル140と、高周波印加装置200から誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させて被処理物Wを加熱し、オーステナイト化させ、被処理物WのA3変態点の−110〜−10℃の温度まで冷却された後に噴射ノズル140から投射材Pを噴射させるとともに被処理物Wが前記温度に維持される状態に誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させる制御部300を具備した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼材からなる被処理物を誘導加熱しつつ投射材を噴射して表面処理する表面処理装置及び表面処理方法に関し、特に高硬度化と結晶粒微細化を両立できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼材に表面処理を施す方法としてショットピーニングが用いられている。ショットピーニングは、目的に合わせた種々の手法が知られている(例えば、特許文献1〜7参照)。例えば、圧縮残留応力の生起や高硬度化により鉄鋼材の疲労強度向上を図るためには鉄鋼材の伸び率は小さい方がよいことから、したがって、鉄鋼材の常温領域でショットピ−ニングを行っている。これに対し、鉄鋼材の表面金属組織を微細化させたり、表面を滑らかに仕上げるためには鉄鋼材の伸び率が大きい方がよく、鉄鋼材を加熱してショットピーニングを行っている。
【0003】
一方、鉄鋼材を加熱し、オーステナイトあるいは準オーステナイトの状態で圧延・押出し・引抜き等の塑性加工により成形し、急冷することで、加工硬化と結晶粒微細化を同時に行うオースフォーミングという技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58−192643号公報
【特許文献2】特公平5−51433号公報
【特許文献3】特開平5−277944号公報
【特許文献4】特公平6−99739号公報
【特許文献5】特公平6−72254号公報
【特許文献6】特開平5−277945号公報
【特許文献7】特許第4505779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した鉄鋼材の処理方法では、次のような問題があった。すなわち、製品の多様化に伴い、鉄鋼材の表面に大きな圧縮残留応力を生起させると同時に、表面金属組織を高硬度化・微細化させて疲労強度を向上させることが求められるようになった。しかしながら、ショットピーニングにより高硬度化と結晶粒微細化とを両立させることは温度制御の面からも困難である。
【0006】
一方、オースフォーミングでは高硬度化と結晶粒微細化とを両立させることができるが、大型の装置が必要となるとともに、温度管理や鉄鋼材の化学組成を厳密に制御する等、製造プロセスが複雑となり、実用化が困難であるという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、簡便・低コストな表面処理であるショットピーニングにおいて高硬度化と結晶粒微細化とを両立させることができる表面処理装置及び表面処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の表面処理装置及び表面処理方法は次のように構成されている。
【0009】
鉄鋼材からなる被処理物に投射材を噴射して表面処理する表面処理装置において、前記被処理物を支持する支持部と、この支持部の周囲に配置され、前記被処理物を加熱する誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルに高周波電流を供給して前記被処理物を誘導加熱する高周波印加部と、前記支持部に向けて前記投射材を噴射させる投射材噴射部と、前記被処理物を冷却する冷却部と、前記高周波印加部から前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給させて前記被処理物を加熱し、オーステナイト化させ、前記被処理物のA3変態点の−110〜−10℃の温度まで冷却された後に前記投射材噴射部から前記投射材を噴射させるとともに前記被処理物が前記所定の温度に維持される状態に前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給させ、前記冷却部により前記被処理物を冷却させる制御部を具備した。
【0010】
鉄鋼材からなる被処理物に投射材を噴射して表面処理する表面処理方法において、前記被処理物をオーステナイト化する温度まで加熱する加熱工程と、前記被処理物のA3変態点の−110〜−10℃の温度まで冷却された後に前記被処理物に向けて前記投射材を投射する投射工程とを備えた。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡便・低コストな表面処理であるショットピーニングにおいて高硬度化と結晶粒微細化とを両立させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る表面処理装置の構成を示す説明図。
【図2】同表面処理装置における時間と温度変化との関係を示す説明図。
【図3】同表面処理装置において表面処理された被処理物の表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図。
【図4】同表面処理装置において表面処理された被処理物の表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図。
【図5】同表面処理装置において表面処理された被処理物の表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図。
【図6】同表面処理装置において表面処理された被処理物の疲労試験に用いる切欠試験片を示す説明図。
【図7】同表面処理装置において表面処理された被処理物のき裂進展挙動観察に用いる微小穴試験片を示す説明図。
【図8】同表面処理装置において表面処理された被処理物の破断までの繰返し数と応力振幅との関係を示す説明図。
【図9】同表面処理装置において表面処理された被処理物の回転数とき裂の長さとの関係を示す説明図。
【図10】同表面処理装置において表面処理された被処理物の応力拡大係数範囲とき裂の成長速度との関係を示す説明図。
【図11】同表面処理装置において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を示す説明図。
【図12】同表面処理装置において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を示す説明図。
【図13】同表面処理装置において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を示す説明図。
【図14】同表面処理装置において表面処理された被処理物の結晶粒径を比較して示す説明図。
【図15】同表面処理装置において表面処理された被処理物の表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図。
【図16】同表面処理装置において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を示す説明図。
【図17】同表面処理装置において表面処理された被処理物の外観を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の一実施の形態に係る表面処理方法を実施する表面処理装置100の概略構成を示す断面図である。表面処理装置100は、被処理物Wを誘導加熱しつつ投射材を噴射して表面処理する装置である。ここで、被処理物Wとしては、例えば磁性材料である鋼材を対象とすることができる。特に、鉄を主成分する鋼材が好適である。一方、投射材としては、例えば鉄、クロム、アルミニウム等の金属、あるいはクロム−ニッケルや炭化タングステン−コバルト等の合金、アルミナやシリカ、ジルコニア等のセラミックスである金属酸化物、炭化珪素や窒化珪素等のセラミックスである金属を含有する金属化合物等が例示できる。また、投射材としては、例えば平均粒径が数μm〜数百μmに調整されたものが利用される。
【0014】
図1に示すように、表面処理装置100は、気密に形成されたチャンバ110を備えている。チャンバ110内には、被処理物Wを載置する支持台120と、この支持台120の周囲に設けられた誘導加熱コイル130と、支持台120に向けて投射材又は圧縮ガスを噴射する噴射ノズル(投射材噴射部)140とが設けられている。
【0015】
支持台120には、被処理物Wの表面温度を測定する温度センサ121が設けられて居る。温度センサ121の出力は制御部300に接続されている。
【0016】
誘導加熱コイル130は、チャンバ110外に設けられた高周波印加装置200に接続され、所定の周波数の高周波電流が印加される。
【0017】
チャンバ110内には、噴射ノズル140が設けられ、支持台120に向けられたノズル141を備えている。噴射ノズル140には、電磁弁142を介して空気ガスを供給するガスボンベ160及び流量弁・圧力調整弁161に接続されている。流量弁・圧力調整弁161では、空気ガスの噴射速度として例えば数十m/秒から数千m/秒で噴射される。なお、噴射速度ではなく、噴射圧(例えば、0.5MPa)として制御してもよい。
【0018】
流量弁・圧力調整弁161は、さらに粒子フィーダ150に接続されたフィーダライン151に接続されている。フィーダライン151には粒子フィーダ調整弁152〜154が設けられ、噴射ノズル140に投射材Pが供給されている。
【0019】
高周波印加装置200は、単一、あるいは複数の周波数の高周波電流を誘導加熱コイル130に印加し、被処理物Wを誘導加熱する。
【0020】
図1中300は、表面処理装置100の各部を制御する制御部を示している。制御部300は、作業者の設定、予め設定されたプログラム、センサ出力等の情報に基づいて、高周波印加装置200、電磁弁142、粒子フィーダ調整弁152〜154、被処理物Wの加熱、投射材Pの噴射速度・噴射量、空気ガスの噴射・噴射タイミング等を調整する。
【0021】
制御部300による制御の一例として、高周波印加装置200から誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させて被処理物Wがオーステナイト化する温度(例えば、1000℃)まで加熱させ、その後に空気ガスを噴射させることで急冷させ、ノズル141から投射材及び空気ガスを噴射させるとともに被処理物Wが所定の温度(例えば、650〜750℃)に維持される状態に誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させ、ノズル141から空気ガスのみを噴射させて被処理物Wを冷却させるように制御を行う。
【0022】
このように構成された表面処理装置100は、次のようにして動作する。なお、被処理材WとしてSCM435H鋼を用いた。図2に示すように、高周波印加装置200から誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させて被処理物Wを1000℃まで加熱させる。この加熱により被処理物Wは完全にオーステナイト化する。
【0023】
次に、ノズル141から空気ガスを噴射させて被処理物Wを所定温度(例えば、650〜750℃)まで冷却する。ノズル141から投射材Pを30秒間噴射させてショットピーニング処理(FPP)を行う。このとき、温度センサ121の出力が650〜750℃に保持されるように、誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させる。投射材Pの噴射(FPP)により、投射材Pが被処理物Wの表面に衝突する。次に、放冷或いはノズル141から空気ガスのみを被処理物Wに噴射して冷却を行う。
【0024】
図3〜図5は、FPPをそれぞれ650℃(γ−F650)、700℃(γ−F700)、750℃(γ−F750)で行った場合における表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図である。なお、アニール処理した鋼材(Annealed)、アニール処理後に室温でFPP処理した鋼材(F)、熱処理だけの鋼材(IH)を比較として示した。アニール処理したもの、FPP処理したものと比較した場合、試験片全体の硬度が上昇していることが判る。また、熱処理したものと比較した場合、試験片表面の硬度が上昇していることが判る。
【0025】
また、図6に示す切欠試験片Q1(Kt=2.36)を用いて疲労試験(回転曲げ疲労試験)、図7に示す微小穴試験片Q2(Kt=3)を用いてき裂進展挙動観察を行った。
【0026】
疲労試験においては、室温・大気中、2500rpmの条件下で行った。図8は破断までの繰返し数と応力振幅との関係を示したものである。表面処理装置100により、700℃で表面処理したもの(γ−F700)と、アニール処理したもの、熱処理だけのもの、アニール処理後に室温でFPPしたものと、500℃で表面処理したもの(γ−F500)と、600℃で表面処理したもの(γ−F600)とを比較した。図8からも判るように、700℃で表面処理したもの(γ−F700)は十分に疲労強度が向上している。
【0027】
き裂進展挙動観察では、室温・大気中、1000rpmの条件下で行った。図9は回転数とき裂の長さとの関係を示したものである。表面処理装置100により、700℃で表面処理したもの(γ−F700)と、熱処理だけのものとを比較した。図9からも判るように、き裂の進展が抑制されている。図10は応力拡大係数範囲とき裂の成長速度との関係を示したものである。図10からも判るように、き裂の進展が抑制されている。
【0028】
なお、650〜750℃は、被処理物WであるSCM435H鋼のA3変態点の−110〜−10℃の温度である。ここで、−110〜−10℃の温度とした理由について説明する。すなわち、A3変態点よりも−110℃以上低温であると、最表面がフェライト・パーライト組織、またはベイナイト組織となり十分な硬さが得られない。また、A3変態点よりも−10℃以上高温であると、被処理物Wの変形抵抗低下に起因して、投射材Pによる削食量が著しく増加し、品質が低下する(図17参照)。
【0029】
図11〜図13は、表面処理装置100において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を650℃(γ−F650)、700℃(γ−F700)、750℃(γ−F750)について示す説明図である。これらの処理においては、結晶粒が微細化していることが判る。硬さは全て上昇し高硬度となり、硬さの上昇幅は同じ程度である。また、高硬度層の厚さは50μm程度となる。なお、650℃(γ−F650)で処理を行ったものが最も微細となる。
【0030】
図14は、表面処理装置100において表面処理された被処理物の結晶粒径を650℃(γ−F650)、700℃(γ−F700)、750℃(γ−F750)について比較して示す説明図である。いずれも最表面で粒径が5μm以下となった。なお、深さ15μm以上では結晶粒径にばらつきが生じる。
【0031】
ここで、上記表面処理により、高硬度化と結晶粒微細化が可能となる原理について説明する。すなわち、被処理物Wは加熱により転移の消失(軟化)が生じる。一方、その間、連続的に高速度で投射材Pが衝突する。このため、再結晶核が多数生成されるとともに、転位の導入(硬化)と再結晶が繰り返される。軟化・硬化とが繰り返されることにより、高温下においても高転位密度に保つことが可能である。
【0032】
一方、一般的な結晶粒微細化処理として知られている圧延等の塑性加工と加熱においては加工硬化が不十分となる。この理由について説明する。すなわち、加工硬化段階(冷間加工)において、材料内の転位密度が増大し、再結晶核(潜在核)が形成される。次に、回復段階(高温保持)において、転位の消失と再配列(整列)が行われ、粒内の転位密度が減少し、再結晶核が成長する。そして、再結晶段階(高温保持)において、再結晶粒の形成と粒成長が生じ、再結晶粒(転位を含まない)が形成され、結晶粒微細化が生じる。また、圧延加工と熱処理の組合せでは、結晶粒微細化は可能であるが、再結晶により加工硬化の効果は失われる。
【0033】
ここで、本願発明の対象外となる温度範囲(650℃未満、750℃超)について説明する。
【0034】
図15は、FPPを600℃(γ−F600)で行った場合における表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図である。なお、アニール処理した鋼材(Annealed)、アニール処理後に室温でFPP処理した鋼材(F)、熱処理だけの鋼材(IH)を比較として示した。熱処理だけの鋼材(IH)としたものに比べ、あまり硬度が上昇していないことが判る。
【0035】
図16は、表面処理装置100において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を600℃(γ−F600)について示す説明図である。これらの処理においては、結晶粒が微細化していないことが判る。
【0036】
図17は、750℃以上で処理した場合を示している。被処理物Wが投射材Pにより著しく削食されている。
【0037】
上述したように、本実施の形態に係る表面処理装置100は、被処理物Wは完全にオーステナイト化した後、被処理物のA3変態点の−110〜−10℃の温度領域においてショットピーニング処理を施すことにより、焼入れとショットピーニングによる改質効果が同時に得られ、高硬度化及び結晶粒微細化が可能となり、疲労特性が改善する。したがって、簡便・低コストな表面処理あるショットピーニングにおいて高硬度化と結晶粒微細化とを両立させることができる表面処理装置及び表面処理方法が得られる。
【0038】
また、チャンバ110内において、温度制御及び投射材Pの投射を行うことで表面処理が行われるので、表面処理工程を生産ラインに組み込むことができる。この際、高周波誘導加熱を用いているため、制御性が良く自動ライン化に有利となる。
【0039】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
100…表面処理装置、110…チャンバ、120…支持台、121…温度センサ、130…誘導加熱コイル、140…噴射ノズル、142…電磁弁、150…粒子フィーダ、151…フィーダライン、152〜154…粒子フィーダ調整弁、160…ガスボンベ、161…流量弁・圧力調整弁、200…高周波印加装置、300…制御部、W…被処理物、P…投射材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼材からなる被処理物を誘導加熱しつつ投射材を噴射して表面処理する表面処理装置及び表面処理方法に関し、特に高硬度化と結晶粒微細化を両立できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼材に表面処理を施す方法としてショットピーニングが用いられている。ショットピーニングは、目的に合わせた種々の手法が知られている(例えば、特許文献1〜7参照)。例えば、圧縮残留応力の生起や高硬度化により鉄鋼材の疲労強度向上を図るためには鉄鋼材の伸び率は小さい方がよいことから、したがって、鉄鋼材の常温領域でショットピ−ニングを行っている。これに対し、鉄鋼材の表面金属組織を微細化させたり、表面を滑らかに仕上げるためには鉄鋼材の伸び率が大きい方がよく、鉄鋼材を加熱してショットピーニングを行っている。
【0003】
一方、鉄鋼材を加熱し、オーステナイトあるいは準オーステナイトの状態で圧延・押出し・引抜き等の塑性加工により成形し、急冷することで、加工硬化と結晶粒微細化を同時に行うオースフォーミングという技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58−192643号公報
【特許文献2】特公平5−51433号公報
【特許文献3】特開平5−277944号公報
【特許文献4】特公平6−99739号公報
【特許文献5】特公平6−72254号公報
【特許文献6】特開平5−277945号公報
【特許文献7】特許第4505779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した鉄鋼材の処理方法では、次のような問題があった。すなわち、製品の多様化に伴い、鉄鋼材の表面に大きな圧縮残留応力を生起させると同時に、表面金属組織を高硬度化・微細化させて疲労強度を向上させることが求められるようになった。しかしながら、ショットピーニングにより高硬度化と結晶粒微細化とを両立させることは温度制御の面からも困難である。
【0006】
一方、オースフォーミングでは高硬度化と結晶粒微細化とを両立させることができるが、大型の装置が必要となるとともに、温度管理や鉄鋼材の化学組成を厳密に制御する等、製造プロセスが複雑となり、実用化が困難であるという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、簡便・低コストな表面処理であるショットピーニングにおいて高硬度化と結晶粒微細化とを両立させることができる表面処理装置及び表面処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の表面処理装置及び表面処理方法は次のように構成されている。
【0009】
鉄鋼材からなる被処理物に投射材を噴射して表面処理する表面処理装置において、前記被処理物を支持する支持部と、この支持部の周囲に配置され、前記被処理物を加熱する誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルに高周波電流を供給して前記被処理物を誘導加熱する高周波印加部と、前記支持部に向けて前記投射材を噴射させる投射材噴射部と、前記被処理物を冷却する冷却部と、前記高周波印加部から前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給させて前記被処理物を加熱し、オーステナイト化させ、前記被処理物のA3変態点の−110〜−10℃の温度まで冷却された後に前記投射材噴射部から前記投射材を噴射させるとともに前記被処理物が前記所定の温度に維持される状態に前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給させ、前記冷却部により前記被処理物を冷却させる制御部を具備した。
【0010】
鉄鋼材からなる被処理物に投射材を噴射して表面処理する表面処理方法において、前記被処理物をオーステナイト化する温度まで加熱する加熱工程と、前記被処理物のA3変態点の−110〜−10℃の温度まで冷却された後に前記被処理物に向けて前記投射材を投射する投射工程とを備えた。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡便・低コストな表面処理であるショットピーニングにおいて高硬度化と結晶粒微細化とを両立させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る表面処理装置の構成を示す説明図。
【図2】同表面処理装置における時間と温度変化との関係を示す説明図。
【図3】同表面処理装置において表面処理された被処理物の表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図。
【図4】同表面処理装置において表面処理された被処理物の表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図。
【図5】同表面処理装置において表面処理された被処理物の表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図。
【図6】同表面処理装置において表面処理された被処理物の疲労試験に用いる切欠試験片を示す説明図。
【図7】同表面処理装置において表面処理された被処理物のき裂進展挙動観察に用いる微小穴試験片を示す説明図。
【図8】同表面処理装置において表面処理された被処理物の破断までの繰返し数と応力振幅との関係を示す説明図。
【図9】同表面処理装置において表面処理された被処理物の回転数とき裂の長さとの関係を示す説明図。
【図10】同表面処理装置において表面処理された被処理物の応力拡大係数範囲とき裂の成長速度との関係を示す説明図。
【図11】同表面処理装置において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を示す説明図。
【図12】同表面処理装置において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を示す説明図。
【図13】同表面処理装置において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を示す説明図。
【図14】同表面処理装置において表面処理された被処理物の結晶粒径を比較して示す説明図。
【図15】同表面処理装置において表面処理された被処理物の表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図。
【図16】同表面処理装置において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を示す説明図。
【図17】同表面処理装置において表面処理された被処理物の外観を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の一実施の形態に係る表面処理方法を実施する表面処理装置100の概略構成を示す断面図である。表面処理装置100は、被処理物Wを誘導加熱しつつ投射材を噴射して表面処理する装置である。ここで、被処理物Wとしては、例えば磁性材料である鋼材を対象とすることができる。特に、鉄を主成分する鋼材が好適である。一方、投射材としては、例えば鉄、クロム、アルミニウム等の金属、あるいはクロム−ニッケルや炭化タングステン−コバルト等の合金、アルミナやシリカ、ジルコニア等のセラミックスである金属酸化物、炭化珪素や窒化珪素等のセラミックスである金属を含有する金属化合物等が例示できる。また、投射材としては、例えば平均粒径が数μm〜数百μmに調整されたものが利用される。
【0014】
図1に示すように、表面処理装置100は、気密に形成されたチャンバ110を備えている。チャンバ110内には、被処理物Wを載置する支持台120と、この支持台120の周囲に設けられた誘導加熱コイル130と、支持台120に向けて投射材又は圧縮ガスを噴射する噴射ノズル(投射材噴射部)140とが設けられている。
【0015】
支持台120には、被処理物Wの表面温度を測定する温度センサ121が設けられて居る。温度センサ121の出力は制御部300に接続されている。
【0016】
誘導加熱コイル130は、チャンバ110外に設けられた高周波印加装置200に接続され、所定の周波数の高周波電流が印加される。
【0017】
チャンバ110内には、噴射ノズル140が設けられ、支持台120に向けられたノズル141を備えている。噴射ノズル140には、電磁弁142を介して空気ガスを供給するガスボンベ160及び流量弁・圧力調整弁161に接続されている。流量弁・圧力調整弁161では、空気ガスの噴射速度として例えば数十m/秒から数千m/秒で噴射される。なお、噴射速度ではなく、噴射圧(例えば、0.5MPa)として制御してもよい。
【0018】
流量弁・圧力調整弁161は、さらに粒子フィーダ150に接続されたフィーダライン151に接続されている。フィーダライン151には粒子フィーダ調整弁152〜154が設けられ、噴射ノズル140に投射材Pが供給されている。
【0019】
高周波印加装置200は、単一、あるいは複数の周波数の高周波電流を誘導加熱コイル130に印加し、被処理物Wを誘導加熱する。
【0020】
図1中300は、表面処理装置100の各部を制御する制御部を示している。制御部300は、作業者の設定、予め設定されたプログラム、センサ出力等の情報に基づいて、高周波印加装置200、電磁弁142、粒子フィーダ調整弁152〜154、被処理物Wの加熱、投射材Pの噴射速度・噴射量、空気ガスの噴射・噴射タイミング等を調整する。
【0021】
制御部300による制御の一例として、高周波印加装置200から誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させて被処理物Wがオーステナイト化する温度(例えば、1000℃)まで加熱させ、その後に空気ガスを噴射させることで急冷させ、ノズル141から投射材及び空気ガスを噴射させるとともに被処理物Wが所定の温度(例えば、650〜750℃)に維持される状態に誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させ、ノズル141から空気ガスのみを噴射させて被処理物Wを冷却させるように制御を行う。
【0022】
このように構成された表面処理装置100は、次のようにして動作する。なお、被処理材WとしてSCM435H鋼を用いた。図2に示すように、高周波印加装置200から誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させて被処理物Wを1000℃まで加熱させる。この加熱により被処理物Wは完全にオーステナイト化する。
【0023】
次に、ノズル141から空気ガスを噴射させて被処理物Wを所定温度(例えば、650〜750℃)まで冷却する。ノズル141から投射材Pを30秒間噴射させてショットピーニング処理(FPP)を行う。このとき、温度センサ121の出力が650〜750℃に保持されるように、誘導加熱コイル130に高周波電流を供給させる。投射材Pの噴射(FPP)により、投射材Pが被処理物Wの表面に衝突する。次に、放冷或いはノズル141から空気ガスのみを被処理物Wに噴射して冷却を行う。
【0024】
図3〜図5は、FPPをそれぞれ650℃(γ−F650)、700℃(γ−F700)、750℃(γ−F750)で行った場合における表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図である。なお、アニール処理した鋼材(Annealed)、アニール処理後に室温でFPP処理した鋼材(F)、熱処理だけの鋼材(IH)を比較として示した。アニール処理したもの、FPP処理したものと比較した場合、試験片全体の硬度が上昇していることが判る。また、熱処理したものと比較した場合、試験片表面の硬度が上昇していることが判る。
【0025】
また、図6に示す切欠試験片Q1(Kt=2.36)を用いて疲労試験(回転曲げ疲労試験)、図7に示す微小穴試験片Q2(Kt=3)を用いてき裂進展挙動観察を行った。
【0026】
疲労試験においては、室温・大気中、2500rpmの条件下で行った。図8は破断までの繰返し数と応力振幅との関係を示したものである。表面処理装置100により、700℃で表面処理したもの(γ−F700)と、アニール処理したもの、熱処理だけのもの、アニール処理後に室温でFPPしたものと、500℃で表面処理したもの(γ−F500)と、600℃で表面処理したもの(γ−F600)とを比較した。図8からも判るように、700℃で表面処理したもの(γ−F700)は十分に疲労強度が向上している。
【0027】
き裂進展挙動観察では、室温・大気中、1000rpmの条件下で行った。図9は回転数とき裂の長さとの関係を示したものである。表面処理装置100により、700℃で表面処理したもの(γ−F700)と、熱処理だけのものとを比較した。図9からも判るように、き裂の進展が抑制されている。図10は応力拡大係数範囲とき裂の成長速度との関係を示したものである。図10からも判るように、き裂の進展が抑制されている。
【0028】
なお、650〜750℃は、被処理物WであるSCM435H鋼のA3変態点の−110〜−10℃の温度である。ここで、−110〜−10℃の温度とした理由について説明する。すなわち、A3変態点よりも−110℃以上低温であると、最表面がフェライト・パーライト組織、またはベイナイト組織となり十分な硬さが得られない。また、A3変態点よりも−10℃以上高温であると、被処理物Wの変形抵抗低下に起因して、投射材Pによる削食量が著しく増加し、品質が低下する(図17参照)。
【0029】
図11〜図13は、表面処理装置100において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を650℃(γ−F650)、700℃(γ−F700)、750℃(γ−F750)について示す説明図である。これらの処理においては、結晶粒が微細化していることが判る。硬さは全て上昇し高硬度となり、硬さの上昇幅は同じ程度である。また、高硬度層の厚さは50μm程度となる。なお、650℃(γ−F650)で処理を行ったものが最も微細となる。
【0030】
図14は、表面処理装置100において表面処理された被処理物の結晶粒径を650℃(γ−F650)、700℃(γ−F700)、750℃(γ−F750)について比較して示す説明図である。いずれも最表面で粒径が5μm以下となった。なお、深さ15μm以上では結晶粒径にばらつきが生じる。
【0031】
ここで、上記表面処理により、高硬度化と結晶粒微細化が可能となる原理について説明する。すなわち、被処理物Wは加熱により転移の消失(軟化)が生じる。一方、その間、連続的に高速度で投射材Pが衝突する。このため、再結晶核が多数生成されるとともに、転位の導入(硬化)と再結晶が繰り返される。軟化・硬化とが繰り返されることにより、高温下においても高転位密度に保つことが可能である。
【0032】
一方、一般的な結晶粒微細化処理として知られている圧延等の塑性加工と加熱においては加工硬化が不十分となる。この理由について説明する。すなわち、加工硬化段階(冷間加工)において、材料内の転位密度が増大し、再結晶核(潜在核)が形成される。次に、回復段階(高温保持)において、転位の消失と再配列(整列)が行われ、粒内の転位密度が減少し、再結晶核が成長する。そして、再結晶段階(高温保持)において、再結晶粒の形成と粒成長が生じ、再結晶粒(転位を含まない)が形成され、結晶粒微細化が生じる。また、圧延加工と熱処理の組合せでは、結晶粒微細化は可能であるが、再結晶により加工硬化の効果は失われる。
【0033】
ここで、本願発明の対象外となる温度範囲(650℃未満、750℃超)について説明する。
【0034】
図15は、FPPを600℃(γ−F600)で行った場合における表面からの距離とビッカース硬度との関係を示す図である。なお、アニール処理した鋼材(Annealed)、アニール処理後に室温でFPP処理した鋼材(F)、熱処理だけの鋼材(IH)を比較として示した。熱処理だけの鋼材(IH)としたものに比べ、あまり硬度が上昇していないことが判る。
【0035】
図16は、表面処理装置100において表面処理された被処理物の断面組織観察結果を600℃(γ−F600)について示す説明図である。これらの処理においては、結晶粒が微細化していないことが判る。
【0036】
図17は、750℃以上で処理した場合を示している。被処理物Wが投射材Pにより著しく削食されている。
【0037】
上述したように、本実施の形態に係る表面処理装置100は、被処理物Wは完全にオーステナイト化した後、被処理物のA3変態点の−110〜−10℃の温度領域においてショットピーニング処理を施すことにより、焼入れとショットピーニングによる改質効果が同時に得られ、高硬度化及び結晶粒微細化が可能となり、疲労特性が改善する。したがって、簡便・低コストな表面処理あるショットピーニングにおいて高硬度化と結晶粒微細化とを両立させることができる表面処理装置及び表面処理方法が得られる。
【0038】
また、チャンバ110内において、温度制御及び投射材Pの投射を行うことで表面処理が行われるので、表面処理工程を生産ラインに組み込むことができる。この際、高周波誘導加熱を用いているため、制御性が良く自動ライン化に有利となる。
【0039】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
100…表面処理装置、110…チャンバ、120…支持台、121…温度センサ、130…誘導加熱コイル、140…噴射ノズル、142…電磁弁、150…粒子フィーダ、151…フィーダライン、152〜154…粒子フィーダ調整弁、160…ガスボンベ、161…流量弁・圧力調整弁、200…高周波印加装置、300…制御部、W…被処理物、P…投射材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄鋼材からなる被処理物に投射材を噴射して表面処理する表面処理装置において、
前記被処理物を支持する支持部と、
この支持部の周囲に配置され、前記被処理物を加熱する誘導加熱コイルと、
この誘導加熱コイルに高周波電流を供給して前記被処理物を誘導加熱する高周波印加部と、
前記支持部に向けて前記投射材を噴射させる投射材噴射部と、
前記被処理物を冷却する冷却部と、
前記高周波印加部から前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給させて前記被処理物を加熱し、オーステナイト化させ、前記被処理物のA3変態点の−110〜−10℃の温度まで冷却された後に前記投射材噴射部から前記投射材を噴射させるとともに前記被処理物が前記所定の温度に維持される状態に前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給させ、前記冷却部により前記被処理物を冷却させる制御部を具備したことを特徴とした表面処理装置。
【請求項2】
鉄鋼材からなる被処理物に投射材を噴射して表面処理する表面処理方法において、
前記被処理物をオーステナイト化する温度まで加熱する加熱工程と、
前記被処理物のA3変態点の−110〜−10℃の温度まで冷却された後に前記被処理物に向けて前記投射材を投射する投射工程とを備えていることを特徴とする表面処理方法。
【請求項1】
鉄鋼材からなる被処理物に投射材を噴射して表面処理する表面処理装置において、
前記被処理物を支持する支持部と、
この支持部の周囲に配置され、前記被処理物を加熱する誘導加熱コイルと、
この誘導加熱コイルに高周波電流を供給して前記被処理物を誘導加熱する高周波印加部と、
前記支持部に向けて前記投射材を噴射させる投射材噴射部と、
前記被処理物を冷却する冷却部と、
前記高周波印加部から前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給させて前記被処理物を加熱し、オーステナイト化させ、前記被処理物のA3変態点の−110〜−10℃の温度まで冷却された後に前記投射材噴射部から前記投射材を噴射させるとともに前記被処理物が前記所定の温度に維持される状態に前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給させ、前記冷却部により前記被処理物を冷却させる制御部を具備したことを特徴とした表面処理装置。
【請求項2】
鉄鋼材からなる被処理物に投射材を噴射して表面処理する表面処理方法において、
前記被処理物をオーステナイト化する温度まで加熱する加熱工程と、
前記被処理物のA3変態点の−110〜−10℃の温度まで冷却された後に前記被処理物に向けて前記投射材を投射する投射工程とを備えていることを特徴とする表面処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−110978(P2012−110978A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259415(P2010−259415)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年 5月21日 社団法人日本材料学会発行の「第59期 学術講演会講演論文集」に発表、 平成22年10月16日 社団法人日本材料学会主催の「学生研究交流会」において文書をもって発表
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【出願人】(390029089)高周波熱錬株式会社 (288)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年 5月21日 社団法人日本材料学会発行の「第59期 学術講演会講演論文集」に発表、 平成22年10月16日 社団法人日本材料学会主催の「学生研究交流会」において文書をもって発表
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【出願人】(390029089)高周波熱錬株式会社 (288)
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