説明

表面反射防止コーティングフィルム

【目的】 水性現像可能なフォトレジストに使用するための反射防止コーティングの提供。
【構成】 その下にあるフォトレジストの屈折率の平方根にほぼ等しい屈折率をもつフッ素を含有する、表面反射防止コーティングにより、水性現像可能なフォトレジスト組成物の高忠実度なパターン転写が達成され、このコーティングはフォトレジストの現像に際してとり除かれる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、パターン化される製品中にある非平面的な外見上の反射により生じるパターンの歪みを実質上除去することにより、水性現像可能なフォトレジストの性能を強化するような組成物に関するものである。さらに詳細に、本発明は表面塗布可能な反射防止用組成物に向けられたもので、このものは付与が容易であり、画像形成のより良好なプロセス制御を与え、また水可溶性で現存のリソグラフ処理中に除去可能なもので、かつ環境的な危険性は最小であり、そして工程コストを著しく高めることのないものである。
【0002】
【背景技術】写真用レンズおよびその他の器機のような光学的装置に反射防止コーティングを用いることは良く知られている。これらのコーティングはフレネルの式で述べられる関係を利用している。それは上にある材料の屈折率はその下にある材料の屈折率のおよそ平方根であるべきで、またコーティングあるいは層の厚みは入射光波長の4分の1、いわゆる「4分の1波長厚み」の奇数の整数倍であるべきことが充分に確定されている。
【0003】Y-T. Yen に対する米国特許第4,759,990号において、反射防止コーティングの考えは光学的な薄膜エレメント、つまりペリクル(pellicle)の使用にまで拡張され、このものは半導体ウエハーの製造に用いることもできる。このペリクル材料は代表的にニトロセルローズフィルムであり、これはペリクルホルダー(直立リングまたは類似の)上で伸長されている。最初のコーティング層としてのポリビニルナフタレン、ポリメチルスチレンまたはポリスチレンのような芳香族ビニルポリマーを使用し、ついで3M社のFC−721またはFC−77のようなフルオロカーボン層を使用することは開示されている。ペリクルはそれらが機械的な破損または表面の汚染のいずれかをうけるまで多数回使用することができる。かかるペリクルは清浄にされるかまたはとり替えられる。
【0004】Tanaka らの J. Electrochem. Soc., 137, 3900(1990)(Tanaka I)にはレジスト表面上の反射防止コーティング(ARCOR)を直接に付与する技術が開示されている。この技術は、0.5ミクロン以下のジオメトリーのULSIを達成するための試みにおいて、パターン密度の程度を高めるとき反射により遭遇する多くの問題を克服するため試みられたものである。
【0005】光の干渉はライン幅を変動させ、そしてアーク列(alignment marks)のレンズを通じて(TTL)の検知を低下させる。Tanaka I はレジストフィルム中の入射光のくり返し反射による多重干渉効果を抑制するのに充分な、レジスト表面上の反射防止フィルムの形成を開示している。このARCORフィルムは透明で最適化された厚みと屈折率とをもち、そしてフォトレジストの塗布とベーキングの各工程を必要とする通常の方式の方法中で用いられ、このフォトレジスト上にARCOR材料のフィルムをスピン塗布し、この複合構造体をイメージングし、ARCORフィルムをとり除き、そしてフォトレジストを現像する。このARCOR法はARCORフィルムのスピン塗布とその除去の各工程が追加される。
【0006】以下の材料はつぎのように特性づけられる:
【表1】


【0007】フレネルの式を用いて、TanakaIではARCOR材料の屈折率は、使用されたイメージング材料の屈折率の平方根とほぼ等しくあるべきであるとされた。TanakaIは1.64の屈折率をもつレジストを使用し、そして理想的なARCORの屈折率は1.28であるとしている。Tanaka らの材料は次の2つのカテゴリーに入る:(1)反射の影響を抑制し、そして有機溶剤ストリップを必要とするもの;および(2)水でとり去ることができるが効果をほとんど与えないもの(屈折率≧1.48)。
【0008】Tanaka らの、J. Appl. Phys., 67, 2617(1990)(Tanaka II)には、界面の反射性を制御するための単一層と重層フィルム用のARCOR材料として、ガラス板上にスピンしたパーフルオロアルキルポリエーテルおよびジ−プロポキシ−ビス(アセチル−アセトネート)チタニウムの使用と、同じくこのような反射性に適応させる方法が開示されている。Tanaka IIは提案されたARCORの1層および2層を固定するためベーキング工程の使用を必要とする。後露光と現像法に関して、またARCOR層の除去があるとしても何も示されてはいない。
【0009】Tanaka らの、Chem. Abs. 107:87208y(1987)(Tanaka III)は日本国特許62−62,520号の主題、すなわち反射防止コーティングによってフォトレジストを被覆する方法に向けられたもので、パーフルオロアルキル−ポリエーテル、パーフルオロアルキルアミン、またはパーフルオロアルキル−ポリエーテル−パーフルオロアルキルアミン混合フィルムなどを含んでいる。この反射−防止性フィルムはパターン様の露光をした後フレオン(クロロ−フルオロカーボン化合物)溶剤を用いてとり除かれる。
【0010】所要の屈折率を有するこの Tanaka の材料は、使用するためにはより高価なものである。第1に、このARCOR材料を除去するためには追加的な処理工程を必要とする。第2に、この除去は作るにも/購入するにも高価な有機溶剤を必要とし、また安全にとり扱うためにもそれをすてるためにも費用を必要とする。第3に、CFCのような Tanaka の溶剤の性質は環境的な被害の対策上特別な注意を必要とするのである。Tanaka の反射−防止用材料の廃棄物管理の問題はその実用化に対し重い荷重を課すものとなる。
【0011】Grunwald らの米国特許第4,701,390号には、基板上に形成されたフォトレジストイメージ層を熱的に安定化する方法が示されており、ここでイメージ層は後現像ベークをする前に、フォトレジストに結合するが、後ベークをした後は露光済基板から容易に洗い去られ、フォトレジスト画像の最後の除去も含めて、パターン生成の引き続く各工程のどの所要の操作をも妨害しないものである保護用材料で被覆される。この保護用材料(熱的安定化)はクロモトロピック酸(chromotropic acid)、パーフルオロカーボンカルボン酸、パーフルオロカーボンスルホン酸、パーフルオロカーボンリン酸、そしてこれら酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびアミン塩、エトキシル化パーフルオロカーボンアルコール、およびN−パーフルオロ−N′,N″ジアルキルアミンの第4級アンモニウム塩から選ばれた化合物または2種あるいはそれ以上の化合物の混合物である。
【0012】
【発明の要点】背景技術中で記載した表面反射防止方法と材料の欠点を克服するために、本発明はその下にあるフォトレジストの屈折率の平方根にほぼ等しい屈折率をもつコーティング組成物を提供するものでそしてこの組成物は4分の1波長の厚みで付与することができ、さらにその下にあるフォトレジストの現像の際にとり除かれうるものである。
【0013】好ましい表面反射防止コーティング組成物は適当な塗布用溶剤中の水または水性アルカリ溶液中に可溶性もしくは分散性であるフィルム形成性ポリマーバインダーと、水または水性アルカリ溶液中に可溶性もしくは分散性である低屈折率フルオロカーボンとの2成分系のものである。これらの各成分は互に相溶性のものでなければならず、また組成物中でのその割合は所要の厚みと屈折率とをもつフィルムを与えるように調整される。この2成分系はその成分が互に反応する異なった官能基をもつ、官能性の成分またはポリマーの混合物とすることもできる
【0014】〔好ましい具体例の説明〕改良されたARCOR法はイメージング工程にわずか1つの処理工程の追加で達成しうることが認められ、これは有害な環境上の影響やまた廃棄物処理コストの増大などの可能性を加えることなしに、リソグラフ工程中で経済的に作ることのできる反射防止フィルムの使用を可能とするものである。
【0015】このARCOR材料はほぼUV−光の、i−、g−またはh−線バンドもしくは深UV域の露光用放射線に対し実質上光学的に透明である。この透明性はその下にあるレジストのパターン化を容易とするために必要なものである。
【0016】〔水性処理可能な、低屈折率コーティング用材料〕本発明の表面反射防止(TAR)コーティングは、TARの屈折率が最適化されていると同時にTAR材料の水処理可能性の保持の両方を有しているのが特徴である。
【0017】フルオロカーボンポリマーが、ほぼ理想的な屈折率(1.3〜1.4のオーダーの)を与えるけれども、水性の媒体中では溶解性またはストリップ性を示さないという欠点を克服するため、多数のさまざまな組成物について試験をした。
【0018】I. 一般に2つの成分をもつマルチ成分系は、水溶解性、水分散性を示すかまたは水ストリップ性をもつバインダーと官能性のフルオロカーボンとの混合物からなるフィルム形成性の組成物である。2成分系は水または水性アルカリ溶液中に可溶性もしくは分散性であるフィルム形成性ポリマーバインダーと、水または水性アルカリ溶液中に可溶性もしくは分散性である低屈折率のフルオロカーボン化合物とから構成される。
【0019】ポリマーバインダーの特定のものの例は:ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルスルホン酸ナトリウム塩)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(α−トリフルオロメチルアクリル酸)、ポリ(ビニルメチルエーテル−コ−無水マレイン酸)、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、およびポリ(メタアクリル酸)である。
【0020】フルオロカーボン化合物の特定のものの例は:パーフルオロオクタン酸−アンモニウム塩、パーフルオロオクタン酸−テトラメチルアンモニウム塩、C−7とC−10のパーフルオロアルキルスルホン酸アンモニウム塩(それぞれフルオロラドFC−93とFC−120の商標名の下に販売されている)、C−7とC−10のパーフルオロアルキルスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩、フッ素化アルキル第4級アンモニウムアイオダイド(フルオラドFC−135)、パーフルオロアジピン酸、およびパーフルオロアジピン酸の第4級アンモニウム塩などである。
【0021】かかる組成物の各成分は単なる混合物として存在することができ、あるいは官能化されたフルオロカーボンとポリマーバインダー間の塩の形とすることもできる。実例にはフルオロアルキルスルホネート、カルボキシレートなどと、ポリビニルアルコールまたはスルホネート、ポリアクリル酸および関連するコポリマー、ポリエチレンおよびポリプロピレングリコールのホモポリマーとコポリマー、ポリビニルメチルエーテルおよびポリエチレンイミンなどのような水溶性を有する脂肪族系ポリマーとの混合物が含まれる。
【0022】単なる混合物の1つの例は、パーフルオロ有機酸の塩(パーフルオロオクタン酸アンモニウム塩のような)とポリアクリル酸(水溶性ポリマー)の組み合わせである。フルオロカーボンとポリマー間に形成される塩の1つの例は、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムカチオンと、ポリアクリル酸のようなアニオン性ポリマーとの組み合わせにより形成されたものである。付加的な利点がバインダーポリマー中にフッ素が導入されることによりまた得られるであろう。
【0023】II. 官能性フルオロカーボンと脂肪族ポリマー間の縮合反応の結果である単一成分で大部分構成された系、一成分系は水性媒体中で本来溶解しないが、水性の塩基性現像液が触媒源であるような所で、塩基触媒により可溶性とされる低屈折率のポリマーを使用する。
【0024】実例はポリビニルアルコールのようなヒドロキシ基官能性ポリマーのフルオロアルキルカルボキシレートまたはスルホネートである。水によるストリップ性はエステル結合の加水分解不安定性により促進される。カーボネート、無水物および関連するグループもまたポリマーとフルオロカーボン間の適当な結合である
【0025】III. フルオロカーボングループとポリマー性バインダー間の結合を切断するか、またはフルオロポリマーを解重合する触媒を用い、反応生成物が水ストリップ性または部分的もしくは十分に揮発性となるような系。2成分系に対する別のアプローチには、水性媒体中に始めは不溶性であるが、酸のような触媒の作用により処理中溶解性となるようなポリマーバインダーと、低屈折率フルオロカーボン化合物との組み合わせが含まれる。このようなポリマーの例はポリ(t−ブチルメタアクリレート)、ポリ(ノナフルオロ−t−ブチルメタアクリレート)のようなポリメタアクリルエステルである。前記したパーフルオロアルキルスルホン酸の1つと組み合わせるとこのポリマーは通常のレジストベーキング工程の際に、エステル基の酸触媒切断により水性溶液中に可溶性のものとなることができ、そのためレジストの現像工程に際して容易に除去される。t−boc基のような酸切断可能基をもつその他のポリマーも同じように使用することができる。この例にはカーボネートポリマーのフルオロ−t−ブチルエステルおよび酸触媒とフルオロアルデヒドポリマーのような材料が含まれる。
【0026】実施例11当量のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド5水和物(18g)を水中で0.1当量のパーフルオロオクタン酸(41g)と反応させて、テトラメチルアンモニウムパーフルオロオクタノエートの5重量%濃度の溶液を作った
【0027】実施例2分子量2000のポリ(アクリル酸)を水中に5重量%の溶液の濃度で溶解した。
【0028】実施例3実施例1の溶液の10gを実施例2の溶液の5gに添加した。この混合物をシリコン基板上にスピン塗布したそ。屈折率1.413の透明な極めて均一なフィルムが得られた。このフィルムは水で容易に洗い去られる。
【0029】実施例4実施例1の溶液12.5gを実施例2の溶液5gに添加した。この混合物をシリコン基板上にスピン塗布した。屈折率1.407の透明な極めて均一なフィルムが得られた。このフィルムは水で容易に洗い去られる。
【0030】実施例5シリコン基板をポジチブ作動のジアゾナフトキノンフォトレジストでコートした。得られた厚みは10,000〜12,000オングストロームの範囲である。試料に実施例3の溶液を厚み650オングストロームの層を形成するようにオーバーコートした。この試料はGCAステップとリピートアライナーを使用して365nmの放射線に対して露光をした。現像に際してフィルムが完全に除去されるのに必要な露光エネルギーの量(透明化線量)(dose to clear)を測定した。この透明化線量は反射率が変ることによりもとのレジストの厚み範囲を越えて14%変化した。650オングストロームのオーバーコートのない試料で、この透明化線量はもとのレジストの厚み範囲を越えて36%変化した。
【0031】実施例6シリコン基板は実施例5のようにして調製した。各試料は等間隔のライン−スペースパターンの解像力ターゲットマスクを使用し、365nmの露光波長によってGCAステップとリピートアライナー上でパターン化した。得られたフォトレジスト像の0.7ミクロンのマスクパターン像のサイズを走査電子顕微鏡により測定をした。0.7ミクロンのマスクパターン像のサイズは反射率が変ることによりもとのレジストの厚み範囲を越えて0.06ミクロン変化した。650オングストロームのオーバーコートのない試料で、この0.7ミクロンのマスクパターン像のサイズは反射率が変ることによりもとのレジスト厚みの範囲を越えて0.15ミクロン変化した。従って、反射率の変化による画像サイズの変動は、この水性処理可能な反射防止材料の使用で2.5×ファクターで低下した。
【0032】実施例7熱的に生長させたSiO2の種々の厚みのシリコン基板を調製し、ポジチブ作動のDQNフォトレジストをコートした。各試料を実施例3の溶液でオーバーコートした。フォトレジストは等間隔のライン−スペースパターンの解像力ターゲットマスクを使用し、365nmの露光波長によりGCAステップとリピートアライナー上でパターン化した。得られた像の0.5ミクロンマスクパターン像のサイズを走査電子顕微鏡によって測定した。0.5ミクロンマスクパターン像のサイズは反射率が変ることにより熱SiO2厚みの範囲を越えて0.04ミクロン変化した。650オングストロームの反射防止オーバーコート層のない試料で、この0.5ミクロンマスクパターン像のサイズは反射率が変ることにより熱SiO2厚みの範囲を越えて0.18ミクロンに変化した。従って、反射率の変化による画像サイズの変動は、この水性処理可能な反射防止材料の使用で4.5×ファクターで低下した。
【0033】実施例8実施例1の溶液の20gをポリ(メタアクリル酸)の5重量%溶液の5gに添加した。この溶液をシリコン基板上にスピンコートした。屈折率1.401の透明な極めて均一なフィルムが得られた。このフィルムは水で容易に洗い去られた
【0034】実施例9パーフルオロC7スルホン酸のアンモニウム塩(商標名FC−93,3M社製)と、エチレンとプロピレンオキサイドのコポリマー(商標名プルロニックF127,バズフ社製)とを、水中に65:35の重量比で全固体含量5重量%に含む溶液を作った。この溶液をシリコン基板上にスピンコートした。屈折率1.43の透明なフィルムが得られた。このフィルムは水で容易に洗い去られた。
【0035】本発明の好ましい具体例だけを以上に記載したが、この開示を読んだときにこの技術分野の熟達者には一般的な概念内に入る多数の潜在的な変更がなしうるであろう。ここに記載したものと機能的に均等なこのような変更は請求項中に示された本発明の教示内のものである。
【0036】以上、本発明を詳細に説明したが、本発明はさらに次の実施態様によってこれを要約して示すことができる。
【0037】(1) 水性−処理可能なフィルム形成性のフッ素−含有組成物からなり、この組成物は水性現像可能なフォトレジスト組成物の屈折率の平方根とほぼ等しい屈折率をもち、そしてレジストパターンの現像に際して除去可能なものである、水性現像可能なフォトレジスト組成物に使用するための反射防止コーティング
【0038】(2) 前記水性現像可能なフォトレジスト組成物とは混和しない溶剤をさらに含むものである、前項1に記載の反射防止コーティング。
【0039】(3) 水または水性アルカリ溶液中に可溶性もしくは分散性であるフィルム形成性ポリマーバインダーと、水または水性アルカリ溶液中に可溶性もしくは分散性である低屈折率のフルオロカーボン化合物との2成分系で構成されるものである、前項1に記載の反射防止コーティング。
【0040】(4) 前記のフィルム形成性ポリマーバインダーがポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルスルホン酸ナトリウム塩)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(α−トリフルオロメチルアクリル酸)、ポリ(ビニルメチルエーテル−コ−無水マレイン酸)、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、およびポリ(メタアクリル酸)よりなる群から選ばれたものである、前項3に記載の反射防止コーティング。
【0041】(5) 前記の低屈折率のフルオロカーボン化合物がパーフルオロオクタン酸−アンモニウム塩、パーフルオロオクタン酸−テトラメチルアンモニウム塩、C−7とC−10のパーフルオロアルキルスルホン酸のアンモニウム塩、C−7とC10のパーフルオロアルキルスルホン酸のテトラメチルアンモニウム塩、フッ素化アルキル4級アンモニウムアイオダイド、パーフルオロアジピン酸、およびパーフルオロアジピン酸の4級アンモニウム塩よりなる群から選ばれたものである、前項3に記載の反射防止コーティング。
【0042】(6) 前記のコーティングはその下にあるレジスト組成物のための露光用放射線に対し実質上光学的に透明なものである、前項1に記載の反射防止コーティング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 水性−処理可能なフィルム形成性のフッ素−含有組成物からなり、この組成物は水性現像可能なフォトレジスト組成物の屈折率の平方根とほぼ等しい屈折率をもち、そしてレジストパターンの現像に際して除去可能なものである、水性現像可能なフォトレジスト組成物に使用するための反射防止コーティング。
【請求項2】 前記水性現像可能なフォトレジスト組成物とは混和しない溶剤をさらに含むものである、請求項1に記載の反射防止コーティング。
【請求項3】 水または水性アルカリ溶液中に可溶性もしくは分散性であるフィルム形成性ポリマーバインダーと、水または水性アルカリ溶液中に可溶性もしくは分散性である低屈折率のフルオロカーボン化合物との2成分系で構成されるものである、請求項1に記載の反射防止コーティング。
【請求項4】 前記のフィルム形成性ポリマーバインダーがポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルスルホン酸ナトリウム塩)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(α−トリフルオロメチルアクリル酸)、ポリ(ビニルメチルエーテル−コ−無水マレイン酸)、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、およびポリ(メタアクリル酸)よりなる群から選ばれたものであり、前記の低屈折率のフルオロカーボン化合物がパーフルオロオクタン酸−アンモニウム塩、パーフルオロオクタン酸−テトラメチルアンモニウム塩、C−7とC−10のパーフルオロアルキルスルホン酸のアンモニウム塩、C−7とC10のパーフルオロアルキルスルホン酸のテトラメチルアンモニウム塩、フッ素化アルキル4級アンモニウムアイオダイド、パーフルオロアジピン酸、およびパーフルオロアジピン酸の4級アンモニウム塩よりなる群から選ばれたものである、請求項3に記載の反射防止コーティング。