説明

表面特性解析装置、表面特性解析方法およびプローブユニット

【課題】プローブユニットの位置決め精度の向上を図ることができる表面特性解析装置の提供。
【解決手段】特性計測用プローブ12aが形成されたカンチレバー12を励振部5により共振させ、カンチレバー12の振動を振動検出部6で検出し、その検出結果に基づいて試料のAFM観察を制御・演算部9で求める。そして、そのAFM観察に基づいて、4端子プローブユニット1を試料の計測位置に位置決めし、プローブ11a〜14aを試料に接触させて電気特性を計測する。AFM観察に基づいて位置決めされた位置で計測できるので、位置決め精度の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブやDNA分子等のナノ物質の表面特性を検出するための表面特性解析装置や表面特性解析方法、および、表面特性解析装置に用いられるプローブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、4端子プローブ法による電気計測用探針と、AFM探針を備えたカンチレバーとを独立して設けた表面特性解析装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。電気特性の計測を行う場合には、AFM探針を用いたAFM観察により検査対象の位置までアプローチし、計測用探針を位置決めするようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−93352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、計測用探針とAFM用カンチレバーとが独立に形成されていて、互いに所定間隔だけ離れている。そのため、AFM探針で検査対象まで移動した後に、上記所定間隔に相当する設定距離だけステージを移動させることで計測用探針を検査対象に位置決めするようにしている。このように、所定間隔相当分の最終的なステージ移動はAFM観察を行わずに移動させることになるので、計測用探針の接触位置誤差が生じやすい。特に、プローブユニットの個体差によって前記所定間隔にバラツキがある場合、バラツキ量に起因する位置決め誤差が避けられない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明による表面特性解析装置は、試料に接触させて当該試料の特性を計測する複数のプローブと、複数のプローブをそれぞれ本体から支持する複数のカンチレバーと、複数のカンチレバーに所定周波数の振動を付加する振動子と、複数のカンチレバーのうち所定周波数で共振するカンチレバーの振動を検出して試料表面を観察する観察手段と、複数のプローブで試料の表面特性を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の表面特性解析装置において、複数のプローブを移動する移動手段をさらに備えるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の表面特性解析装置において、観察手段による試料観察モードおよび検出手段による表面特性検出モードのいずれかを選択する選択操作部材と、試料観察モードが選択されると、振動子を駆動し、表面特性検出モードが選択されると、複数のプローブを試料に接触させる駆動制御手段とを備えたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面特性解析装置に用いるプローブユニットであって、試料表面の観察に用いるプローブを支持するカンチレバーの共振周波数を所定周波数とし、他のカンチレバーの共振周波数を所定周波数で共振しない値としたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載のプローブユニットにおいて、複数のプローブの断面形状が、試料側に稜線を有する三角形のウェッジ型プローブである。
請求項6の発明は、請求項4または5に記載のプローブユニットにおいて、複数のカンチレバーの各々を、シリコン基板の同一シリコン層を加工して形成したものである。
請求項7の発明による表面特性解析装置は、試料に接触させて試料の特性を計測する複数のプローブと、複数のプローブのうち、所定周波数で共振するプローブで試料を観察する観察装置と、複数のプローブで試料の表面特性を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
請求項8の発明による表面特性解析方法は、試料の特性を計測する複数のプローブを本体に支持するカンチレバーを所定周波数で振動させ、複数のカンチレバーのうち所定周波数で共振するカンチレバーの振動を検出し、検出された振動に基づいて試料の観察像を形成してモニタに表示し、モニタで試料の観察像を観察しつつ複数のプローブを移動し、複数のプローブの移動を終了した後に、複数のプローブで試料の表面特性を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、試料の特性を計測する複数のプローブを支持する複数のカンチレバーに所定周波数の振動を付加し、所定周波数で共振するカンチレバーの振動を検出して試料表面を観察するようにしたので、試料表面を観察しながらプローブの位置決めをすることが可能となり、位置決め精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明による表面特性解析装置の一実施の形態を示す模式図である。表面特性解析装置は、4端子プローブユニット1、レーザ光源2、2分割フォトダイオード3、計測部4、励振部5、振動検出部6,3次元ステージ8および制御・演算部9を備えている。
【0008】
4端子プローブユニット1はSOI(Silicon on Insulator)ウエハから、半導体製造プロセスにおける加工技術を利用して形成される。4端子プローブユニット1には4本のカンチレバー11〜14が形成されており、4端子プローブユニット1のベース1aはホルダ7に着脱可能に保持されている。ホルダ7はステージ8に固定されており、ステージ8を駆動することにより4端子プローブユニット1をx、y、z方向に移動することができる。
【0009】
各カンチレバー11〜14は、4端子プローブユニット1の4つの端子を構成している。各カンチレバー11〜14の先端には、計測用のプローブ11a〜14aが形成されている。計測部4には、後述するように(図4参照)定電流電源41および電圧計42が設けられており、プローブ11a〜14aを試料に接触させることにより、試料の電気特性を計測することができる。その計測結果は制御・演算部9に入力され、そこで試料表面の解析演算が行われる。
【0010】
さらに、本実施の形態の装置は、図2に示すように試料Sの表面近傍でカンチレバー12を振動させ、その振動をレーザ光源2および2分割フォトダイオード3を用いた光てこ方式により検出することで、AMF(Atomic Force Microscope)観察像を得ることができる。表面観察の際には、カンチレバー12はAFMプローブとして機能する。
【0011】
レーザ光源2からのレーザ光L1はカンチレバー12の上面に照射され、その反射レーザ光L2が2分割フォトダイオード3により検出される。2分割フォトダイオード3の検出信号は振動検出部6に入力され、そこでカンチレバー12の振動状態が検出される。その検出結果は制御・演算部9に入力され、そこで試料表面形状が算出される。その算出結果は、制御・演算部9に設けられたモニタ9aに表示される。励振部5はピエゾ素子とその駆動回路とを備えており、ピエゾ素子で4端子プローブユニット1全体を振動させてカンチレバー12を共振させる。
【0012】
図2は、4端子プローブユニット1のカンチレバー11〜14部分の拡大図である。互いに平行に配置されたプローブ11a〜14aは断面が三角形のウェッジ形状をしており、各プローブ11a〜14aの下側に形成された稜を試料Sに接触させて計測を行う。図2では、カーボンナノチューブのような針状の試料Sを示した。
【0013】
本実施の形態の装置では、カンチレバー12を用いてAFM観察を行うために、カンチレバー12の共振周波数を、他のカンチレバー11,13,14よりも高く設定している。図3は、カンチレバー11〜14の共振周波数を説明する図であり、縦軸は振幅を、横軸は周波数をそれぞれ表している。V1はカンチレバー12の振動曲線であり、V2は他のカンチレバーの振動曲線を示している。図2に示した4端子プローブユニット1では、ベース1aに形成された凸部20の突出量を調整することでカンチレバー12の共振周波数が他のカンチレバーよりも高くなるように設定している。
【0014】
励振部5により4端子プローブユニット1のベース1aを上下方向に振動させ、その周波数をスイープすると、カンチレバー12の共振周波数f1に振幅のピークが発生する。一方、他のカンチレバー11,13,14の共振周波数はf2であり、周波数f2に振幅のピークが現れる。励振部5の周波数がf2よりも高くなると、カンチレバー11,13,14の振幅は急激に小さくなり、カンチレバー12の共振周波数f1における振幅kはカンチレバー12の振幅に比べてはるかに小さい値となる。その結果、周波数f2で加振することにより、図2に示したようにカンチレバー12のみを大きく振動させることができ、AFM像に対するカンチレバー11,13,14の影響を排除することができる。
【0015】
このように、AMF観察の際には、励振部5のピエゾ素子を駆動してカンチレバー12を上下方向に撓み振動させつつ試料表面上を走査し、DFM(dynamic force microscope)モードと呼ばれる方式で試料の表面形状を計測する。平らな試料表面を観察する場合には、カンチレバー12は表面に対して斜めに配置されるので、カンチレバー12に形成されたウェッジ型プローブ12aの下端(稜)の先端部分が表面に最も近接し、この部分が探針として機能することになる。
【0016】
この先端部分を試料表面に原子径レベルで近接させて走査すると、試料表面の凹凸により先端部分と表面との距離(カンチレバー12は振動しているので平均距離)が変化すると、試料表面と先端部分との間の相互作用(原子間力)の変化によってカンチレバー12の振幅が変化する。この振幅の変化量を上述した光てこ方式により測定する。
【0017】
図4は、計測を行う場合の動作を説明する図である。まず、図4(a)に示すように、ステージ8(図1参照)を駆動して4端子プローブユニット1を試料Sの表面近くまで粗移動する。この粗移動は、光学顕微鏡等で観察しながら行われる。次に、図4(b)に示すようにカンチレバー12を振動させて試料表面を観察し、計測すべき位置を探査し、その位置に4端子プローブユニット1を位置決めする。この位置決め動作は、モニタ9aに表示される試料Sの観察像を観察しながら行われる。
【0018】
その後、カンチレバー12の振動を停止し、4端子プローブ1の各カンチレバー11〜14を試料表面に接触させる。なお、4端子プローブ1が試料Sに接触したか否かについては、カンチレバー12の変位を2分割フォトダイオード3で検出したり、歪みゲージをカンチレバーに設けて歪みを検出したりするなどして判断することができる。なお、制御・演算部9には、試料を観察する観察モードと、試料の表面特性を検出する検出モードとを選択できる操作スイッチ(不図示)が設けられている。オペレータは試料表面の観察を行って位置決めを行う場合には観察モードを選択し、位置決め後に測定を行う場合には検出モードを選択する。
【0019】
図4(c)に示すように、外側のカンチレバー11,14間に電圧を印加すると、電流Iが試料Sに流し込まれる。このとき、内側の2本のカンチレバー12,13により電圧降下Vを測定する。この電流値Iおよび電圧降下Vとから、4端子プローブ計測法による抵抗値R=V/Iが得られる。4端子プローブ計測法法では、内側のカンチレバー12,13にはほとんど電流が流れないため、接触点での接触抵抗の影響を受けることなく電圧降下Vを測定することができる。このような計測を試料Sの複数箇所について行うことにより、試料表面上の抵抗値の分布を求めることができる。
【0020】
《4端子プローブユニット1の製造方法》
次に、図5〜8を参照しながら4端子プローブユニット1の製造方法について説明する。本実施の形態の4端子プローブユニット1は、SOI(Silicon on Insulator)ウエハから一体に形成される。図5(a)に示す第1の工程では、SOIウエハ100をアンモニア過水(アンモニアと過酸化水素水と水との混合溶液)で洗浄して、ウエハ表面に付着している有機物やパーティクル等を除去する。
【0021】
SOIウエハ100は、2枚のSi単結晶板の一方にSiO層を形成し、そのSiO層を挟むように貼り合わせたものである。本実施の形態では、上部Si層101の厚さが6μm、SiO層102の厚さが1μm、下部Si層103の厚さが100μmのSOIウエハ100を使用する。これらの寸法は4端子プローブユニット1の各寸法に依存するものであり、この寸法組み合わせに限定されるものではない。
【0022】
図5(b)に示す第2の工程では、Si層101の上にSiを堆積した後に、それをCを用いたRIE(reactive ion etching)によりエッチングしてSi層104を形成する。次いで、図5(c)に示す第3の工程では、カンチレバーの外径形状に相当するマスクを用いて、ICP−RIE(inductively coupled plasma - reactive ion etching)によりSi層104および上部SiO層101を中間のSiO層102までエッチングする。
【0023】
図6(a)に示す第4の工程では、Si層104をマスクとした局所酸化により、上部SiO層101の表面(上面および側面)に酸化膜105を薄く形成する。その後、Si層104をCを用いたRIEにより除去する。その結果、カンチレバーのプローブ11a〜14aに対応する領域にのみ、上部SiO層101が露出することになる。上部SiO層101の上面は、Si単結晶の主面(001)になっており、カンチレバーの延在方向を上部SiO層101の<110>方向に一致させる。
【0024】
図6(b)、(c)は第5の工程を示す図である。図6(b)は図6(a)の符号Aで示す領域を拡大して示したものであり、図6(c)は図6(b)のB−B断面図である。第5の工程では、KOH水溶液を用いた異方性エッチングにより、上部SiO層101をその露出部分からエッチングする。その結果、ウェッジ型の4本のプローブ11a〜14aが形成される。プローブ11a〜14aの各斜面は、単結晶Siの{111}面になっている。
【0025】
図7(a)に示す第6の工程では、プローブ11a〜14aの先端の不要な部分を除いた他の部分を厚膜レジスト(PMER)106で保護し、プローブ11a〜14aの先端部分をICP−RIEによりエッチングして、プローブ11a〜14aの長さを所定寸法に調整する。図7(b)に示す第7の工程では、酸化膜105を除去する。上述したように上部SiO層101を加工することにより、SiO層102上にカンチレバー11〜14が形成される。
【0026】
図7(c)に示す第8の工程では、ウエハ裏面側の下部SiO層103上にベース部1aの形状を決定するマスク107を形成して、下部SiO層103の不要部分をICP−RIEによりエッチング除去する。このエッチングは、図7(c)に示すようにSiO層102で停止する。第8の工程では、フッ酸溶液によりSiO層102の不要部分を除去し、カンチレバー11〜14の表面に導電性膜を形成することで、図8に示すような4端子プローブユニット1が完成する。この導電性膜の材料としては低抵抗であって酸化され難いものが好ましく、例えば、金を用いるのが良い。
【0027】
上述した実施の形態の作用効果をまとめると以下のようになる。
(1)本実施の形態では、複数のプローブをそれぞれ支持する複数のカンチレバーに所定周波数の振動を付加し、所定周波数で共振するカンチレバーの振動を検出して試料表面を観察する観察手段を備え、さらに、それらのプローブで試料の表面特性を検出するようにした。そのため、従来のように、AFM観察用探針による試料位置の確認後に、プローブユニット全体をオフセット移動して計測用探針を試料位置に移動するような動作を必要とせず、試料表面を観察しながらプローブの位置決めをすることができる。その結果、位置決め精度の向上を図ることができる。
(2)また、試料観察モードで試料形状を把握した後に、試料表面を観察しながらプローブの位置決めを行えるので、ナノ物質のように微小な試料であっても正確に位置決めできる。なお、表面観察に利用しない他のカンチレバーは所定振動数では共振しないので、観察の阻害要因とならない。
(3)プローブはウェッジ型プローブであって、その稜線を試料に接触させることで針状プローブに比べて接触可能部が大きくとることができ、カーボンナノチューブのようなナノ物質であっても電気的コンタクトを確実に行わせることができる。例えば、カーボンナノチューブのような直線上のナノ物質の場合、針状プローブの場合には正確に一直線上に配置されていないと、全ての針状プローブを接触させるのが難しい。
(4)また、カンチレバーの各々は、基板上の同一シリコン層を加工して形成されるので、同一平面上に正確に配置されたプローブを容易に形成することができる。抵抗の測定は、図4に示したように内側のプローブ12a,13aの間隔で決まる。本実施の形態では、SOIウエハ100を半導体製造プロセスのフォトリソグラフィー技術を用いて加工しているので、このプローブ間隔をリソグラフィの精度程度(例えば、0.1μm程度)まで小さくすることができ、より局所的な計測が可能となる。
(5)プローブをそれぞれ支持する複数のカンチレバーを所定周波数で振動させ、共振するカンチレバーの振動に基づいて試料の観察像をモニタに表示し、モニタに表示された観察像を観察しつつ表面特性を検出するプローブを移動することができるので、プローブの位置決めを正確に行うことができる。
【0028】
なお、上述した実施の形態では、光てこ方式でカンチレバー12の振動を検出してAFM像を得るようにしたが、例えば、特開平6−194157号公報に開示されているように、カンチレバー12を共振させる圧電素子のアドミッタンス変化によりAFM像を算出するようにしてもよい。さらに、試料表面の観察はAFM観察に限らず、試料表面に沿って探針を操作して観察する種々の観察方法、例えば、試料表面の電位を計測するケルビンフォース測定等も適用することができる。
【0029】
また、観察プローブとしては、4つのカンチレバー11〜14のいずれを用いてもよい。さらに、上述した実施の形態では4端子計測法に用いるプローブユニットを例に説明したので、プローブが形成されたカンチレバーの数は4つであったが、その数は4つに限定されない。また、特性検出に関しては、電気抵抗に限らず、例えば、トランジスタ特性の測定などがある。
【0030】
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、励振部5は振動子を、レーザ光源2,2分割フォトダイオード3,振動検出部6,3次元ステージ8および制御・演算部9は観察手段を、3次元ステージ8は移動手段を、制御・演算部9は駆動制御手段を、計測部4は検出手段を、操作スイッチは選択操作部材をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による表面特性解析装置の一実施の形態を示す模式図である。
【図2】4端子プローブ1のカンチレバー11〜14部分の拡大図である。
【図3】カンチレバー12の共振周波数を説明する図である。
【図4】計測の手順を説明する図であり、(a)は粗移動によるアプローチを、(b)AFM観察による位置決めを、(c)測定動作をそれぞれ示す。
【図5】4端子プローブユニット1の製造方法について説明する図であり、(a)は第1の工程を、(b)は第2の工程を、(c)は第3の工程をそれぞれ示す。
【図6】4端子プローブユニット1の製造方法について説明する図であり、(a)は第4の工程を、(b),(c)は第5の工程をそれぞれ示す。
【図7】4端子プローブユニット1の製造方法について説明する図であり、(a)は第6の工程を、(b)は第7の工程を、(c)は第8の工程をそれぞれ示す。
【図8】4端子プローブユニット1の平面図である。
【符号の説明】
【0032】
1:4端子プローブユニット、2:レーザ光源、3:2分割フォトダイオード、4:計測部、5:励振部、6:振動検出部、7:ホルダ、8:3次元ステージ、9:制御・演算部、11〜14:カンチレバー、11a〜14a:プローブ、20:凸部、100:SOIウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に接触させて当該試料の特性を計測する複数のプローブと、
前記複数のプローブをそれぞれ本体から支持する複数のカンチレバーと、
前記複数のカンチレバーに所定周波数の振動を付加する振動子と、
前記複数のカンチレバーのうち前記所定周波数で共振するカンチレバーの振動を検出して試料表面を観察する観察手段と、
前記複数のプローブで前記試料の表面特性を検出する検出手段とを備えることを特徴とする表面特性解析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表面特性解析装置において、
前記複数のプローブを移動する移動手段をさらに備えることを特徴とする表面特性解析装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表面特性解析装置において、
前記観察手段による試料観察モードおよび前記検出手段による表面特性検出モードのいずれかを選択する選択操作部材と、
前記試料観察モードが選択されると、前記振動子を駆動し、前記表面特性検出モードが選択されると、前記複数のプローブを前記試料に接触させる駆動制御手段とを備えることを特徴とする表面特性解析装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面特性解析装置に用いるプローブユニットであって、
前記試料表面の観察に用いるプローブを支持するカンチレバーの共振周波数を前記所定周波数とし、他のカンチレバーの共振周波数を前記所定周波数で共振しない値としたことを特徴とするプローブユニット。
【請求項5】
請求項4に記載のプローブユニットにおいて、
前記複数のプローブの断面形状は、前記試料側に稜線を有する三角形のウェッジ型プローブであることを特徴とするプローブユニット。
【請求項6】
請求項4または5に記載のプローブユニットにおいて、
前記複数のカンチレバーの各々は、シリコン基板の同一シリコン層を加工して形成されることを特徴とするプローブユニット。
【請求項7】
試料に接触させて前記試料の特性を計測する複数のプローブと、
前記複数のプローブのうち、所定周波数で共振するプローブで試料を観察する観察装置と、
前記複数のプローブで前記試料の表面特性を検出する検出手段とを備えることを特徴とする表面特性解析装置。
【請求項8】
試料の特性を計測する複数のプローブを本体に支持するカンチレバーを所定周波数で振動させ、
前記複数のカンチレバーのうち前記所定周波数で共振するカンチレバーの振動を検出し、
前記検出された振動に基づいて前記試料の観察像を形成してモニタに表示し、
前記モニタで前記試料の観察像を観察しつつ前記複数のプローブを移動し、
前記複数のプローブの移動を終了した後に、前記複数のプローブで前記試料の表面特性を検出することを特徴とする表面特性解析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−89404(P2008−89404A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270618(P2006−270618)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年9月15日 社団法人 日本機械学会発行の「2006年度年次大会講演論文集 Vol.7 No.06−1」に発表
【出願人】(304028346)国立大学法人 香川大学 (285)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【出願人】(390022471)アオイ電子株式会社 (85)
【Fターム(参考)】