説明

表面補強用インプラント

骨の関節端面上に用いるためのインプラントは、凹状の内面上を覆う凸状の外面を持つキャップと前記内面から突出するステムであって、前記内面の縁部が、前記ステムを囲むと共に前記ステムの前記内面に連なる部分に張り出しており、前記ステムは、前記ステムの先端近傍に始まり、前記縁部によって張り出される部分まで延びる長さ部分に対して平行に形成された複数の隆起リッジを含むステムを備える。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体として整形外科用装置、特に表面補強用インプラントに関する。

【背景技術】
【0002】
病気や外傷により損傷を受けた関節の治療のような特定の医学的処置を施す場合、関節連結する関節の機能を回復させるために関節の骨の一つの表面を補強するために手術が必要となる。この目的を達成するための一つの方法は、その骨の連結している骨の表面を復元するために骨にインプラントを挿入することである。

【発明の概要】
【0003】
特定の実施態様においては、骨の関節端面は凹状内面を覆う凸状外面を持つキャップと前記内面から突出するステムを含んでいる。設計に応じて、キャップの縁部はステムを囲み、前記内面に連なるステムの一部に張り出している。前記ステムは、更に、ステムの先端近傍から始まりステムの前記縁部が張り出している部分へ延び、ステムの長さ方向に平行な複数の隆起リッジ(稜)を含むようにすることができる。
【0004】
前記外面は垂直軸と水平軸を持つことができる。垂直軸は、水平軸に直交する位置に置かれる。設計によっては、垂直軸に沿う外面の曲率は垂直軸に沿う外面の曲率よりも大きくされる。
【0005】
特定の実施態様においては、内面は略球面状であり、外面は標準の中足骨の表面の形状に似ているような形状とされている。
【0006】
特定の構造物では、外面は、内面より、最大で1ミリメートルの材料によって分離されている。
【0007】
ステムに関しては、特定の実施態様においては、先端と複数の隆起リッジとの間に配置される略円筒状の円滑な部分を含んでいる。
【0008】
設計によっては、複数の隆起リッジの少なくも一つは、ステムが、一旦、骨にインプラントされるとステムが骨から抜け出ないように少なくとも一つのノッチを含むようにすることができる。例えば、少なくとも一つのノッチは少なくとも一つのリッジ内でフック形状の凹みとすることができる。
【0009】
特定の実施態様においては、複数の隆起リッジは縁部によって覆われたステムの大部分を横断するようにされている。
【0010】
特定の構造物では、複数の隆起リッジの少なくとも一つの高さは、キャップの内面に近づくにつれてステムの中央軸に関して全体として増加している。
【0011】
キャップの内面とステムは、骨の成長を促進するため多孔質コーティングや生物学的コーティングを含むことができる。
【0012】
特定の実施形態においては、骨の関節端面上でのインプラントの使用方法は複数のステップを有する。例えば、その方法は、凹状の内面を覆う凸状の外面を有するキャップと、内面から突出するステムであって、前記キャップの縁がステムを囲むと共に前記内面に延びるステムの一部に張り出すようになっているステムとを持つインプラントを与えるステップを有する。ステムは、ステムの先端近傍に始まり、縁部により覆われたステムの部分に延びる長さ方向に平行に隆起する複数のリッジを含むことができる。前記方法は、更に、ステムのための中足骨の端部内への細長い通路を形成するステップと、ステムを前記通路内へ挿入するステップと、キャップの内面が中足骨の端部上に接するまでステムを前記通路内に押し込めるステップを含む。
【0013】
特定の実施形態においては、骨の関節端面上で使用するためのインプラントは、凹状内面を覆う凸状外面を持つキャップ及び内面から突出するステムを含む。内面は垂直軸及び水平軸を持ち、垂直軸は水平軸に直交するように配置される。設計によっては、垂直軸に沿う外面の曲率は水平軸に沿う外面の曲率より大きくされる。
【0014】
ここに開示される特定の実施態様は、多くの利点を与えるものであり、例えば、補強された関節の本来の関節化への促進、骨にインプラントを埋め込むために必要な骨の切除の量の減少、骨にインプラントを埋め込むための手術の手順の単純化が挙げられる。
【0015】
ここに開示されるものの他の技術的利点は、以下に記載される図面、説明及びクレームから当業者にとって容易に明らかになるであろう。また、特定の利点を列挙したが、種々の実施態様は、それらの列挙された利点の全て、或いは一部を備える、あるいは、いずれも備えないものもある。
【0016】
本開示内容とその利点をより完全に理解するため、以下の記載は、図面と関連させて参照符号が付される。

【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】損傷した人間の足の親指内の中足骨―指節骨の関節を示す。
【図2】本発明の開示による図1の損傷した中足骨―指節骨の関節の補強に使用される表面補強用インプラントを示す。
【図3】図2の表面補強用インプラントの詳細を示す拡大図である。
【図4】図2の表面補強用インプラントの詳細を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示されるように、中足骨―指節骨関節100は、足の中足骨102と足の親指の近接した末節骨104との間の関節である。何らかの病気や損傷により、中足骨―指節骨関節100が傷つくことがあり、これにより、恒久的な痛み(強直母趾として知られる)、柔軟性の欠乏(リミタス母趾:hallux limitusとして知られている)、又は母指のずれ(外反母趾として知られている)を引き起こす。上記のような症状のいずれかを被る患者は走ることや歩くことが困難となり、また、そのような行動や中足骨―指節骨関節100に負荷を与える行動をとると痛みを感ずることとなる。
【0019】
軽いケースでは、関節100内の炎症を抑えるための抗炎症剤の投与、関節100の屈曲を抑制するために特別にデザインされたフットウエアの装着、及び/又は関節100に負担をかける行動を避ける、などの控えめの措置がとられる。しかしながら、図1に示されるように関節100が完全に損傷を受けているようなもっと厳しいケースでは、上記の控えめの措置は有効でなく、手術が要求される。
【0020】
関節100を修復する一つの方法は、螺子及び/又はプレートを使用して関節100の骨を合体させることを含む。更に詳しく言うと、この合体方法は、関節100の骨の対向する面を削除してブリージング骨床(a bleeding bone bed)にし、骨を互いに近接させ、螺子で骨を連結して合体を促進するようにするものである。あるケースでは、プレートが関節を横切ってねじ込まれ、合体を促進するようにしている。しかしながら、この方法は、関節を曲げることを不可能にし、周囲の関節によりストレスを与え、患者のライフスタイルにとって好適なものではない。
【0021】
関節100の手術による治療の他の選択方法には、関節を人工関節と置き換える方法がある。更に、詳しく言うと、関節全体の置き換え方法は、関節100の骨の対向する面を削除してブリージング骨床にし、カップ状のインプラントを一方の骨に挿入し、ボール状のインプラントを他方の骨に挿入し、ボール状のインプラントをカップ状のインプラントに嵌め合わせて人工関節を造る方法である。しかしながら、この装置のボール−ソケットの性質により、この選択は、不自然な人工の関節100となって、例えば、親指が横方向に曲がることを可能とするような結果をもたらす。また、多くのケースでは、特に関節の片方の骨のみが損傷を受けている場合には、関節100の両側を置き換えることは不必要である。
【0022】
更に、損傷した関節を外科的に補修する集約的でない方法として、関節の片方のみを人工インプラントで置き換える方法がある。前述の二つの外科的方法と比べ、この方法は、関節のより自然な範囲の動きをもたらし、患者の回復をより早くする。この方法が中足骨−指節骨の関節に実施されると、中足骨の頭部又は指節骨の基部が、インプラントで置き換えられ、そのインプラントはインプラントが埋められる骨の咬合する表面を置き換える。

図2は、図1の損傷した中足骨−指節骨の関節を補強するために使用される表面補強用インプラント200の一実施例を示す。図2に示されるように、表面補強用インプラント200が中足骨102の関節接合端面に取り付けられている。本願開示は親指の第1中足骨−指節骨の関節100の第1中足骨に使用される表面補強用インプラント200について記載しているが、当業者であれば、その特定の実施例は説明を目的として示されたものであり、表面補強用インプラントは人体の他の関節の適宜の骨に同様に使用できることは理解できるであろう。例えば、表面補強用インプラント200の種々の実施例が、中足骨関節、腕骨関節、足根骨関節、及び背骨関節へ使用するためのサイズと形状が適合される。
【0023】
以下の例示する方法により関節100を補修するため、外科医は表面補強用インプラント200を使用することができる。この方法を開始するに当たり、外科医は中足骨102を露出させるため関節100の部分を切開する。中足骨102を露出した後、外科医は中足骨102の関節端面の頭部106(図1参照)を測定し、表面補強用インプラント200の適合するサイズを決定する。
代表的には、表面補強用インプラント200は中足骨102の咬合する関節端面の全体を置き換えるようなサイズとされる。
【0024】
表面補強用インプラント200の適合するサイズを選択した後、外科医は中足骨の頭部106を削り、表面補強用インプラント200の凹部の下側にぴったりと嵌るようにする。例えば、外科医は、中足骨頭部106の一部を削り取り、表面補強用インプラント200の凹部下側にぴったりと嵌るようにする。削り取りの後、外科医は中足骨102に表面補強用インプラント200のステム202を受け入れる通路を作る。その通路を作るため、外科医は骨102内にステム202のために所望の軌道に沿ってパイロットホールの穴を開ける。典型的には、通路は中足骨102の中央軸と同心となるであろう。パイロットホールを形成した後、外科医は穴開け錐のような道具を使用してパイロットホールの周囲にステム220上にある隆起リッジを受け入れる多数の凹所を形成する。
【0025】
外科医が上記プロセスを終えると、通路の断面はステム202の断面形状と略対応するが、ステム202と通路が互いにしっかりと嵌るようにステム202より僅かに小さいサイズとされる。例えば、通路とステム202は略十字形の断面形状をなし、骨102内の十字形状の通路はステム202断面形状より小さくされる。次に、外科医は、ステム202を隆起リッジ220が通路の対応する凹所と整列するようにして通路内に挿入し、表面補強用インプラント200を中足骨102内にキャップ204の下側が中足骨102の頭部106に接近するまで押し込む。ある特定の方法においては、外科医は、選択的にステム202を通路内に挿入する前に、骨セメントをステム202或いは通路に施してステム202の骨102への接着を補助するようにする。表面補強用インプラント200が中足頭部106にぴったりと嵌った後、外科医は関節100を再調整し、切開部を閉じ、患者の治癒を待つ。

図3及び図4は表面補強用インプラント200をより詳細を示す図である。表面補強用インプラント200は全体としてキャップ204とステム202を含む。キャップ204は典型的にはステム202に合体されて単一の剛体構造とされている。しかしながら、ステム202を、異なるサイズのキャップ204がステム202に取り付けられるように、螺子結合によりキャップ204に取り外し可能に取り付けることができる。
【0026】
キャップ204は、中足骨の頭部106を覆うことができる、剛体の概略ドーム形状の取付具とすることができる。キャップ204は、通常、凹状の内面を覆う凸状の外面208を含む。外面208と内面206は対面して略円形のキャップ204の縁部210を形成する。キャップ204のサイズと形状により、縁部210はステム202の一部228に張り出す(図4参照)。即ち、このステム202の張り出される部分228は、ステム202の、縁部210の面とステム202とキャップ206の連結部分の間に位置する部分と定義することができる。
【0027】
代表的な構造としては、キャップ204の厚さは、キャップ204がステム202に連結される部分を除いて1mm以下である。キャップ204の厚さを1mm以下に制限することにより、外科医が中足骨102を実質的に短くすることなく、中足骨の頭部106に表面補強用インプラント200を埋め込むことを可能にしている。例えば、上述の方法において、外科医は中足骨102を1mmだけ切除するだけで、表面補強用インプラント200のための空間を作ることができる。この結果、中足骨102は表面補強用インプラント200を埋め込んだ後においても中足骨の大部分を無傷の状態で残すことができ、後に関節全体を置き換えるような、より厳しい治療方法が必要になったとしても、そのために十分な骨を残すこができる。
【0028】
中足骨の頭部106上に表面補強用インプラント200を適切に配置することを容易にするため、内面206は中足骨の頭部106削られた端部に容易に且つぴったりと嵌る標準の形状を持つように形づくられている。限定的ではない例示として、内面206は球形のボウル状とされる。上述の切削プロセスの間、外科医は中足骨の頭部106を、キャップ204が中足骨頭部206上に置かれるとき、内面206にぴったりと嵌り、内面206に対して同一面となるように対応するドーム形に切削する。このことは、中足骨頭部106と内面206との間で圧力が生じることを減らし、また、外科医が、中足骨キャップ204が中足骨頭部206上に適切に配置されることを感知することを可能にする。当業者は、上述の内面206の実施例は例示のために示されたものであることを理解し、また、内面206は、中足骨頭部106が同様にそれらの形状に適合するように調整されていれば、他の形状(円筒又は立方体)であっても同様に機能することを理解するであろう。
【0029】
外面208は、全体として中足骨102の背部側102aと整列するようにされた頂部又は“背部”側と、中足骨102の足底側と整列するようにされた底部又は“足底”側を含む。外面208の種々の特徴は、背部側204aから底部側204bに延びるその垂直軸212及び垂直軸に直交する水平軸214に関して述べることができる。
【0030】
特定の実施態様においては、外面208の形状は、自然な関節の動きを容易にし、種子骨又は変形種子骨に衝突することを避け、屈筋−伸筋腱、足裏面、又は外転筋−外転筋機構の通常のバランスに干渉することを避ける、というような目標を達成することができるように調整される。限定的でない一つの例示として、外面208の垂直軸に沿う曲率は、背面側204aが足裏側204bより大きい。この特性は、背屈を可能にし、これにより、走行や歩行のような動作のときに親指を上側に曲げることを可能にし、一方において、親指の不自然な下方への曲がりを生ずる足底の湾曲を抑制する。他の限定的でない例として、水平軸214に沿う平均的な曲率は垂直軸212に沿う平均的曲率より小さくされる。この特性は、親指の背面−足裏方向の自然な動きを促進し、一方において、親指の内側−横方向の動きを抑制する。これらの種々の特性を組み合わせることにより、外面208を自然の中足骨106の形状に模擬することができる。特定の実施形態においては、外面208は、左側又は右側の関節に使用することを容易にするため、垂直軸212に関して対称形とすることができる。
【0031】
ステム202は、通常は内側面から延びる細長い突条であり、中足骨102に表面補強用インプラント200を固定するために中足骨内に埋め込むことができるものである。限定されることのない実施例として、ステム202は内面206の中央に固定される剛体のピンである。特定の実施形態として、ステム202は長さが15mmから19mmの範囲である。ステム202は、更に、多数の隆起リッジ220に囲まれた中央の剛体のシャフト218として画成される。各隆起したリッジ220は溝222によって隣接のものと分離される。ステム202は、更に、一端における先のとがった先端部224と、他端における連結部226を含む。設計によって、ステム202は、先端部224に直近に隣接して設けられる円滑な円筒部230を含むことができる。円滑な円筒部230は、ステム202を前述した外科医によって骨102内に形成された通路内に案内することを容易にする。
【0032】
設計により、ステム202の長手方向軸215は、キャップ204を中足骨頭部106上で特定の方向に偏位させるため、外面208の中央軸216から僅かにずらすことができる。限定されることのない実施例として、長手方向軸215は、背面側204aに向けて中央軸216から略6°の角度218だけ広がるようにしている。この結果、ステム202が骨102内に押し込まれると、キャップ204は、中足骨頭部106において背面側204a側に偏位して固定されることなる。この偏位は、歩行のような運動時に関節100が背屈することを促進する。
【0033】
上述したように、特定の実施形態においては、ステム202は複数の隆起リッジ220を有している。各隆起リッジ220は、通常は、中央軸218から隆起したフィンのような頂部の形状をなしている。隆起リッジ202はステム202のあらゆる部分に延びることができるが、一つの設計例では、円滑な円筒状部分230の一端部231から始まり、ステム202の長さ方向に沿って連結部226で終わるようにしている。隆起リッジ220は、また、ステム202の長手方向に沿って長手軸215に対して高さが増加している。例えば、隆起リッジは、それが始まる前記一端部231の近くでは最も低く、終端である連結部226の近くでは最も高い。特定の実施形態では、隆起リッジ220は中央軸218の周りに、各隣接するリッジ220の間隔が等しくなるように一定の間隔で設けられる。限定されることのない一実施例とし、ステム202は互いに90°の位置で配置される4つの隆起したリッジとすることができる。この例では、ステム202は略十字状の断面形状を持つ。
【0034】
隆起リッジ220は、いくつかの機能を果たす。例えば、それらは、前述の方法を使用する外科医が骨102に形成された通路内にステム202を案内することを容易にする;それらは、一旦、表面補強用インプラント200が埋め込まれると、骨内で回転することが抑制され、また、隆起リッジ220の張り出し部分228は骨102を内面206に押し付け、中足骨106とキャップ204との間でのきっちりとした嵌合を確実なものにする。張り出し部分228の隆起リッジ220は、また、骨102は、通常は、中足骨の頭部106近傍で最も緻密であるため、骨102とステム202の間における頑丈な取付部分を与える。隆起リッジ220の夫々は互いにサイズと形状が同じものとして説明してきたが、一つ又は複数の隆起リッジの高さと長さを互いに変化させることもできる。
【0035】
特定の実施形態においては、一つ又は複数の隆起リッジ220に一つ又は複数のノッチ232を含ませることができる。各ノッチ232は、一旦、ステム202が骨102内に挿入されたとき、ステム202が抜け出ないような形状とされた隆起リッジ220内における凹みとすることができる。例えば、ノッチ232は、通常、隆起したリッジ220内における釣り針のような凹部で、ステム202が抜かれようとするとき、先端が骨102内に食い込むようにされる。ステム202が骨102から抜け出ないような、隆起リッジ220における歯又は鋸歯を形成するものである限り、他の形状のノッチ232でも差し支えない。
【0036】
表面補強用インプラント200は医療用インプラントを形成するために適した材料であればどのような材料、あるいは、その組み合わせであってもよい。そのような材料は、高い、強度/重量比を持ち、体液に対して不活性であるのがよい。限定されることのない実施例として、表面補強インプラント200は、コバルト クロミウム合金(ASTM F-1537)で形成することができる。この合金は、比較的軽量で、関節インプラントが遭遇する十分な強度と耐久性を与え、また、インプラント領域のレントゲン写真によって見ることができる、というようないくつかの利点を与える。また、表面補強用インプラント200の骨102に接触する部分の一部又は全部(例えば、ステム202、内面206)に骨の成長を促進するため、チタニウムプラズマ及びヒドロキシパタイトのような多孔性コーティングを施すことができる。
【0037】
本発明はいくつかの実施例により説明されたが、当業者にとっては、多数の変形、置換、修正が示唆されるが、本発明の開示は、そのような変形、置換、修正が添付のクレーム内の範囲内であることを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹状の内面上を覆う凸状の外面を持つキャップと;
前記内面から突出するステムであって、前記内面の縁部が、前記ステムを囲むと共に前記ステムの前記内面に連なる部分に張り出すようにされており、前記ステムは、前記ステムの先端近傍に始まり、前記縁部によって張り出される部分まで延び、前記ステムの長さ方向に対して平行に形成された複数の隆起リッジを含むステム、
を備える骨の関節端面上に用いるためのインプラント。
【請求項2】
前記外面は垂直軸と水平軸を備え、前記垂直軸は前記水平軸に直交し、且つ、前記外面の垂直軸に沿う曲率は前記外面の前記水平軸に沿う曲率より大きい請求項1に記載されたインプラント。
【請求項3】
前記内面は略球面状をなし、前記外面は中足骨の表面の標準形状に模擬した形状とされる請求項1に記載のインプラント。
【請求項4】
前記外面は前記内面から最大で1mmの材料によって分離されている請求項1に記載のインプラント。
【請求項5】
前記ステムは、先端と前記複数の隆起リッジの間に設けられた円滑は円筒状部分を含む請求項1に記載のインプラント。
【請求項6】
前記隆起リッジの少なくとも一つは、前記ステムが前記骨内に埋め込まれたとき、前記ステムが抜け出ることを阻止するように適合された少なくとも一つのノッチを含む請求項1に記載のインプラント。
【請求項7】
前記少なくとも一つのノッチは、前記少なくとも一つのリッジ内の釣り針状の凹部である請求項6に記載のインプラント。
【請求項8】
前記複数の隆起リッジは前記縁部によって張り出されたステムの大部分に亘って形成されている請求項1に記載のインプラント。
【請求項9】
前記複数の隆起リッジの少なくとも一つの高さは、前記少なくとも一つの隆起リッジが前記キャップの内面に近づくに従い増加する請求項1に記載のインプラント。
【請求項10】
前記キャップの内面と前記ステムは骨の成長を促進するための多孔質コーティングと生物的コーティングを含む請求項1に記載のインプラント。
【請求項11】
凹状の内面上を覆う凸状の外面を持つキャップと;
前記内面から突出するステムであって、前記内面の縁部が、前記ステムを囲むと共に前記ステムの前記内面に連なる部分に張り出しており、前記ステムは、前記ステムの先端近傍に始まり、前記縁部によって張り出される部分まで延び、前記ステムの長さ方向に対して平行に形成された複数の隆起リッジを含むステム、を備えるインプラントを供給するステップと;
骨の関節の端面に前記ステムのための細長い通路を形成するステップと;
前記ステムを前記通路内に挿入するステップと;
前記ステムを、前記キャップの前記内面が前記骨の端部の位置に到達するまで押し込むステップ、
を有する、
骨の関節端面上に用いるインプラントの使用方法。
【請求項12】
前記外面は垂直軸と水平軸を備え、前記垂直軸は前記水平軸に直交し、且つ、前記外面の垂直軸に沿う曲率は前記外面の前記水平軸に沿う曲率より大きい請求項11に記載された方法。
【請求項13】
前記骨は中足骨であり、
前記内面は略球面状をなし、前記外面は中足骨の表面の自然形状に模擬した形状とされ、
更に、前記骨の端部を前記内面に対して実質的に同一面となるように嵌合する略球面状に切削するステップを有する請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記外面は前記内面から最大で1mmの材料によって分離され、
更に、前記切削ステップにおいて、中足骨の端部を1mm未満の骨を除去するステップを有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ステムは、先端と前記複数の隆起リッジの間に設けられた円滑は円筒状部分を含み、
前記細長い通路は、前記ステムの前記円筒状部分と直径と等しい直径の中央チャンネルと前記複数の隆起リッジを収容するための前記中央チャンネルから外方に延びる複数の凹所を含む請求項11の方法。
【請求項16】
前記隆起リッジの少なくとも一つは、前記ステムが前記骨内に埋め込まれたとき、前記ステムが抜け出ることを阻止するように適合された少なくとも一つのノッチを含む請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも一つのノッチは、前記一つのリッジ内の釣り針状の凹部である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の隆起リッジは前記縁部によって張り出されたステムの大部分に亘って形成されている請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の隆起リッジの少なくとも一つの高さは、前記少なくとも一つの隆起リッジが前記キャップの内面に近づくに従い増加する請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記キャップの内面と前記ステムは骨の成長を促進するための多孔質コーティングと生物的コーティングを含む請求項11に記載の方法。
【請求項21】
凹状の内面上を覆う凸状の外面を持つキャップと、前記内面から突出するステムを有し、
前記外面は垂直軸と水平軸を有し、前記垂直軸は前記水平軸に対して直交し、且つ、前記外面の垂直軸に沿う曲率は前記外面の前記水平軸に沿う曲率より大きい、
骨の関節端面上に用いるためのインプラント。
【請求項22】
前記外面は前記垂直に対して対称形である請求項21に記載のインプラント。
【請求項23】
前記内面は略球面状であり、前記外面は中足骨の標準形状に模擬するように形成されている請求項21に記載のインプラント。
【請求項24】
前記外面は、少なくとも1mmの材料によって前記内面から分離されている請求項21に記載のインプラント。
【請求項25】
前記ステムは、先端と複数の隆起リッジの間に設けられた円滑な概略円筒状部分を含む請求項21に記載のインプラント。
【請求項26】
前記内面の縁部が前記ステムを囲むと共に前記ステムの前記内面に連なる部分に張り出しており、前記ステムは、前記ステムの先端近傍に始まり、前記縁部によって張り出される部分まで延び、前記ステムの長方向に対して平行に形成された複数の隆起リッジを含む請求項21に記載のインプラント。
【請求項27】
前記複数の隆起リッジは前記縁部によって張り出される部分の大部分に亘り形成されている請求項26に記載のインプラント。
【請求項28】
前記複数の隆起リッジの少なくとも一つは、ステムが一旦骨内に埋め込まれたとき、骨から抜け出ること阻止するように適合された少なくとも一つのノッチを含む請求項26に記載のインプラント。
【請求項29】
前記少なくとも一つのノッチは、前記少なくとも一つの隆起リッジに形成した釣り針状の凹部である請求項28に記載のインプラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−517834(P2013−517834A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550000(P2012−550000)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/062216
【国際公開番号】WO2011/090711
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(511019351)オステオメド エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】