説明

袋体又は箱体

【課題】 袋体又は箱体内に厚みを有する内容物を入れた場合に、袋体の又は箱体の開口部を歪むことなく封鎖でき、更には袋体又は箱体の側辺部の開口部近傍を歪むことなく封鎖する事のできる袋体又は箱体の提供を課題とし、マチ部を構成するに際して、袋体内に内容物を入れた際に該マチ部を起こし易くすることを課題とする。特に厚みを有する内容物を収納しやすくすると共に確実なる封鎖を図れる封筒類の提供を課題とする。
【解決手段】 係る課題は厚みを有する内容物を収納する袋体で、袋体の一面にはフラップを有し、該フラップを折り返して他の面に接触させる状態で開口部を封鎖する袋体の他の面の開口部端縁部から底部方向に向かって少なくとも一以上の切れ込み部を有する袋体によって達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体又は箱体の両側部にマチを有し、厚みのある内容物を収納するための袋体又は箱体の構造に関し、より具体的には本体の両側部及び底部の三方を封鎖状態とし、一方向を内容物の収納のための開口部とし、該開口部の一面に開口部を封鎖するためのフラップを有し、他の一面に開口部端部より切れ込みを入れた袋体又は箱体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、厚みのある内容物を封入するための袋体又は箱体は種々用いられており、特に紙製の袋体又は箱体に関しては、入れるべき内容物の厚みに応じてマチの部分を適切な幅を持って予め形成しているものである。
例えば特開2001−278290号(特許文献1)に示すひだ付き紙袋が存在する。
本特許文献1に示す構造は、厚みのある内容物を収納するためのマチを有しており、フラップを折り込んでその開口部を封鎖する構成である。
この場合、袋体開口部の側部端部はそれぞれフラップ方向に突出して構成しており、フラップにより開口部を封鎖する際には袋体側部に沿って折り込んで封鎖するものである。
更に特開平6−24435号(特許文献2)に示す袋、ケース、送達箱とそれらの製造方法も存在する。
この特許文献2に示す構造も、厚みのある内容物を収納するためのマチを有しており、フラップを折り込んでその開口部を封鎖する構成である。
この場合特に該文献の図10、図14、図15に示すように袋体開口部の側部端部には側方蓋・角辺を有しており、フラップにより開口部を封鎖する際には側方蓋・角辺を袋体側部と直角方向に折り込んで封鎖するものである。
【特許文献1】特開2001−278290号
【特許文献2】特開平6−24435号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この場合、特開2001−278290号(特許文献1)に示す構成においては側部のマチの延長上に設けられた側部端部はそれぞれ袋体側部に沿って折り込んだ上で袋体の表裏面をフラップで封鎖するものであることから、この開口部部分は折り込んで表裏面を重ね合わせた薄手の形態として閉じられるものであり、仮に内容物として厚手の物を入れた場合には、側部端部とフラップとの間には隙間が出てしまうこととなる。
この隙間部分ができることにより、内容物が外部に零れ出る恐れがあるばかりでなく、袋体の封鎖部の納まりもよくないものである。
これに対して、隙間部を作らない方法としては特開平6−24435号(特許文献2)に示す構成のようにフラップにより開口部を封鎖する際には側方蓋、角辺を袋体側部と直角方向に折り込んで封鎖する構成がある。
この場合においてフラップとの側壁のマチ部分との隙間には、内部開口部を封鎖する方向で側方蓋・角辺が位置することから内容物の零れ出しを防止できると共に体裁もよく封鎖できるものである。
【0004】
従って、予め設定しているマチに合致する幅及び大きさの収納物に関しては、前述の様に体裁よく収納できるものである。
反面、厚みのみ所定の幅を有する収納物であってもその大きさの小さい物即ち長手方向の長さの短い物等を収納した場合には袋体の封鎖部に不要な余裕が出てしまい、袋体開口部近傍が弛んでしまい、歪み等が生じ体裁よく封鎖できないばかりでなく、隙間の発生や封止部分の弛みによる封鎖の強度の低下或いは内容物のがたつきなどが生じてしまうという欠点を有していた。
更に、この様に構成すると、予め設定又は予定している厚み即ちその厚みに応じた側方蓋・角辺の幅に納まるものであればよいが、この幅を越える内容物を収納する場合においては、該部分の側方蓋・角辺と表裏面との間に隙間ができてしまい、体裁が悪くなるばかりでなく、フラップの封鎖に際しても袋体の中央部分が膨らみフラップの重ね合わせ封鎖部分が歪んでしまうと共にこの歪みが更には両部端部にもその歪みの影響が及び、袋体の封鎖部分の体裁が悪くなり該両部端部にも隙間ができると共に、フラップの封鎖強度自体低下させてしまうこととなる。
【0005】
従って予め予定している袋体の大きさ及び厚さに合致する内容物以外を収納した場合には、どうしても袋体の封鎖部であるフラップの封鎖部分が歪んでしまい、適切なる封鎖の妨げとなっている。
特に、袋体や箱体に関しては、収納すべき内容物が特定されている場合にはよいが、汎用性のある袋体や箱体においては、いかなる厚みのある内容物或いは内容物の縦方向や横方向の長さの短い内容物等各種の大きさの内容物があり、いかなる形状・大きさの内容物を封入するか予め決まっているものではなく、各種の厚みに対応する形態が求められていることから何等かの解決が求められている。 現在、例えば封筒等に関しては、厚手の内容物の収納に便宜な封筒の種類が極めて少なく、一般的には薄手の内容物を収納すべき封筒においてはもとより厚手の内容物の収納は困難であってフラップを重ねての封鎖ができないものである。 又、仮にマチ付きの封筒にあっても、そのマチ幅以外の幅を有する内容物や大きさの異なる内容物にあっては、どうしても封鎖部分近傍に歪みが生じてしまい、隙間の発生や体裁の悪さ或いは封鎖強度の低下等を生じかねないものである。 以上より、収納すべき内容物の大きさ等は予め定まっているものではなく、汎用性が高く更には体裁のよい封筒であって内容物をしっかりと封鎖可能である封筒その他の袋体或いは箱体の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、係る課題を解決するものであり、更には極めて容易に構成でき、その製造に関しても低廉にできる袋体又は箱体の提供を課題とするものであり、収納すべき内容物の厚みや大きさ等にとらわれずに各種の厚みや大きさの内容物を体裁よく確実なる封鎖を可能とし、かつ封鎖時の不要な隙間を極力小さくして内容物の零し出しを防止できる発明である。
係るために請求項1に記載の発明は、厚みを有する内容物を収納する袋体であって、袋体の一面にはフラップを有し、該フラップを折り返して他の面に接触させる状態で開口部を封鎖する袋体であって、該袋体の他の面の開口部端縁部から底部方向に向かって少なくとも一以上の切れ込み部を有する袋体であり、係る発明によって達成できる。
又、請求項2に記載の発明のように、開口部から一定間隔を経て開口辺と平行に設けた山折り部によって形成する開口部のマチ部と、袋体両側辺から一定間隔を経て各側辺に平行に設けた山折り部によって形成する側辺のマチ部と、袋体底部の底辺から一定間隔を経て底辺と平行に設けた山折り部によって形成する底辺のマチ部とを有し、側辺の山折り部と底辺の山折り部との両交差部分から袋体底部の各角部方向に山折り部によって形成するマチ部を有し、開口部の山折り部と側辺の山折り部との両交差部分から袋体開口部の各角部方向に山折り部によって形成するマチ部を有し、袋体一面のフラップと袋体の基体部分との連接部分には開口部に沿った折り返し部を有し、フラップの略中央部分には開口部と平行に山折り部によって形成するフラップマチ部を有すると共に該フラップマチ部の両側部には山折り部によって形成するフラップ肩マチ部を有する袋体を用いるものであってもよい。
【0007】
この場合請求項3に記載の発明の様に、該切れ込み部を袋体開口部の各側辺に平行に設けた山折り部に形成した袋体を用いるものでもよい。
更に、請求項4に記載の発明の様に、該切れ込み部を二か所以上形成したものであり、一の切れ込み部と他の切れ込み部によって舌辺部を構成した袋体であってもよい。
或いは、請求項5に記載の発明の様に、該切れ込み部を幅広に形成した袋体でも、請求項6に記載の発明の様に袋体が紙製の袋体であってもよく、特に請求項7に記載の発明の様に袋体が封筒であることによって、より使い勝手のよい封筒の提供ができる。
或いは請求項8に記載の発明の様に袋体に代えて、箱体に用いるものであってもよい。
【発明の効果】
【0008】
袋体又は箱体の表面又は裏面のいずれかの一の面に連設した開口部封鎖用のフラップを折り返して他の面に接触させて封鎖する該他の面の開口部の端縁部から底部方向に切れ込み部を有することにより、袋体又は箱体内に厚みを有する内容物を入れた場合に、袋体の又は箱体の開口部を歪むことなく封鎖でき、更には袋体又は箱体の側辺部の開口部近傍を歪むことなく封鎖することができるという極めて有効なる第一の効果を有する。
特に封筒に関しては、当初より薄手の内容物を予定しているものであるが、郵送時にどうしても厚みを有する内容物を封入することが必要である場合に、厚みのある内容物に関しても体裁よく収納できると共にフラップ封鎖時の歪みをなくし封鎖状態を強固に保つことができるものである。
従って、袋体又は箱体の封鎖を確実に行えると共に体裁のよい封鎖状態を維持できるものである。
【0009】
更に、マチ部を構成するに際して山折り構成とすることから、袋体内に内容物を入れた際に袋体のマチ部を起こし易くする事ができるという第二の効果を有する。
又、マチ幅内の内容物にあってもマチの折によって内容物の厚さを調整した場合に、それぞれの厚みにあった状態で歪みなくフラップを封鎖できるという第三の効果を有する。
従っていかなる幅に対しても、それぞれに応じて歪みなく封鎖でき、体裁をよくするばかりでなく封鎖状態を強度に保つことができ、内容物の零れ出し等の防止ができる。
更に、シンプルでありかつ極めて簡単に製造できると共に低廉にて製造できることから極めて使い勝手のよい袋体又は箱体の提供ができるという第四の効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を説明するに、図1は、本発明の基本的な一実施の形態を示す斜視図である。
まず図1は袋体の一例を示す図であり、袋体1を構成する表裏面1a,1bを有し、裏面1bにはフラップ3を有し、更に表面1aの開口部には二か所の切れ込み部2を有して、切れ込み間にできる舌片部Aを有している。
特にこの二か所の切れ込み部2に関しては、袋体1の両側部から一定の間隔をへだてて設けられたマチ部11であって開口部から袋体本体方向に向かって該マチ部11に沿って設けられた切れ込み部2である。
尚、袋体1の両側部及び底部方向には折り線11a,12aを有するマチ部11,12を有しており、内容物として厚みを有するものを収納した場合には、この折り線11a,12a部分で折り返され、収納部分に厚みを生じさせる事ができる。
以上の様に袋体1の表面1aの開口部には一定の長さの切れ込み部2を二か所有しているものであり、この切れ込み部2は表面1aの開口部方向から袋体底部方向に向かって設けられた切れ込み2となっていると共にマチ部11に沿って形成されていることから、内容物として厚みを有するものを収納した場合には、この部分において歪み等を修正できる事となる。
【0011】
更に、必要に応じてこの切れ込み部分2に関し、内容物を袋体内に収納した場合に、この二つの切れ込み部分2によって構成される舌片部Aを袋体開口部方向に折り返すことにより開口部を封鎖できる。
従って、切れ込み部2によって袋体1の表面1a開口部近傍の歪みを修正でき該舌片部の表面は水平面として形成でき、フラップ3を表面1aと接着部材等で接着するその中心部分を歪みのない面として接着可能となると共に厚みを有する内容物の該厚み部分の開口部方向の面には該舌片部Aが押さえとして位置する事もできる。
更に切れ込み部2を有している事から、袋体1中央部分の内容物の厚みによる歪みは両側辺部の開口部封鎖部分に影響を与えず、両側辺部の納まりを体裁よくできると共にフラップ3との接着や封鎖をきっちりとできる。
図2は、図1に示す本発明に係る袋体内に厚みのある内容物を収納した状態を示す図であり、内容物がマチの部分の厚みとほぼ同様の厚みであり、縦横方向がそれぞれ封筒の大きさよりも小さい内容物を収納した状態を示す図である。
この様に所期の大きさと異なる大きさである内容物を収納する場合にも、フラップ3で開口部を封鎖する事ができ、かつこの部分の表面1aの切れ込み部2によって袋体の開口部周辺の歪みを吸収して平面状として形成でき、フラップ3を袋体の表面1aと歪みなく接着でき、確実なる接着を可能とする。
【0012】
更に両端部のマチ部11に連なる開口端部折り込み部13aは、切れ込み部によって袋体1の中央部の歪みの影響を無くす事ができ、マチ部13の余裕部分等として用いる事をも可能とする。
更にマチ11,12,13の部分においても、内容物の厚さに応じて任意の角度で折り込みことができることとなる。
本図に示すマチ部分はまず表面においては、開口部から一定間隔を経て開口辺と平行に設けた開口部のマチ部14と、袋体両側辺から一定間隔を経て各側辺に平行に設けた側辺のマチ部11と、袋体底部の底辺から一定間隔を経て底辺と平行に設けた底辺のマチ部12とを有し、更に袋体底部の両角部においては側辺のマチ部11と底辺のマチ部12との両交差部分から袋体底部の各角部方向にそれぞれ略三角形状のマチ部15を有している。
更に開口部のマチ部14と側辺のマチ部11との両交差部分から袋体開口部の各角部方向にそれぞれ略三角形状のマチ部13を有している。
これらのマチ部はいずれも山折りの折り線を折り曲げることによって形成されるものである。
【0013】
次に袋体裏面1b即ちフラップ3を有する面においては、同様に開口部から一定間隔を経て開口辺と平行に設けた開口部のマチ部14と、袋体両側辺から一定間隔を経て各側辺に平行に設けた側辺のマチ部11と、袋体底部の底辺から一定間隔を経て底辺と平行に設けた底辺のマチ部12とを有し、更に袋体底部の両角部においては側辺のマチ部11と底辺のマチ部12との両交差部分から袋体底部の各角部方向にそれぞれ略三角形状のマチ部15を有していると共に開口部のマチ部14と側辺のマチ部11との両交差部分から袋体開口部の各角部方向にそれぞれ略三角形状のマチ部13を有している。
更にフラップ3と袋体の裏面1bの基体部分との連接部分には開口部に沿った折り返し部30aを有し、更にフラップ3の略中央部分には開口部と平行にフラップマチ部30を有しており、更にフラップ突出部31に繋がっている。
この様に構成することによりフラップ3を封鎖した場合、即ち開口部に沿った折り返し部30aにより、開口部を閉じて、更にフラップ突出部31を袋体表面1aに貼着する事により袋体を封鎖する際に、このフラップマチ部30が開口部表面1aのマチ部14に重なり会うことから、袋体の内容物の厚みに応じて本袋体の厚みに応用を与える事ができ、更にこの部分の封鎖をも可能として開口部中央部分のみならずこの部分からの外部への内容物の零れ出しを防止できる。
【0014】
尚、袋体裏面のフラップマチ部30の両側辺部には袋体開口部の両側端部から略三角形状のフラップ肩マチ部32を有している。
このフラップ肩マチ部32は、袋体表面1aの開口部のマチ部14と側辺のマチ部11との両交差部分から袋体開口部の各角部方向に設けたマチ部13のうちの開口部方向に形成された略三角形状のマチ部13の形状に合致しているものである。
この様に構成することにより、フラップ3を閉じた場合には、フラップ肩マチ部32と袋体表面1aの略三角形状のマチ部13に重なり会う上、両者ともマチとしての機能を発揮することができる。
尚、これらのマチ部を構成するための折り構成は山折り構成にて構成されているものであり、これによってマチ部を極めて容易に起こすことができるものである。
次に、図3に示すようにフラップ3により封鎖した場合には、両側辺部の開口部封鎖部分は、切れ込み部2によってその両端部の開口端部の折り込み部分を歪みなく体裁よく折り込みことができ、袋体の開口部封鎖部分の両側辺部をきっちりと封鎖できる。
【0015】
更に、本図に示すようにマチ部を山折り構成すると共にフラップマチ部30とフラップ突出部31を有することから、このフラップマチ部30が開口部表面のマチ部14と重なり会い、この状態でマチ幅を変動させた場合にも両者の重なり会いをずらすことにはならず、きっちりとした封鎖を可能とすると共に袋体本体の歪み等も生じさせないものである。
図4は、図1乃至図3に示す袋体の展開状態の一例を示す図である。
袋体本体の裏面1aにはフラップ3が連接していると共にフラップマチ部30を有している。
袋体の表裏面共に、それぞれ対向状態で開口部、側辺、底辺の各部分から一定間隔を以てそれぞれの辺部分と平行にマチを構成するための山折り部を有し、更に袋体底部部分の両角部においては側辺と底辺の山折り部の両交差部分から袋体底部の各角部方向に山折り部を有してマチ部を形成し、開口部と側辺の山折り部の両交差部分から袋体開口部の各角部方向に山折り部を有してマチ部を有している。
更にフラップ3と基体部分との連接部分には開口部に沿った折り返し部30aを有しすると共に略中央部分には開口部と平行に山折り部31aを有してフラップマチ部30を形成しており、このフラップマチ部30はフラップ突出部31に繋がっている。
【0016】
更にフラップマチ部30の両側部にはフラップ肩マチ部32を有している。
この様に構成した袋体の表面1aの開口辺部には、両側辺に沿って形成した山折り部11aにそれぞれ切れ込み部2を有しているものである。
尚、5は袋体の側辺部、4は袋体の底辺部を示すものであり、袋体裏面1bの側辺部5より外部方向に設けられた側辺のマチ部11は、袋体表面1aの側辺のマチ部11との袋体構成時の糊代部分である。
この様に袋体の表面1aに切れ込み2を入れた構成であり、これによって従来生じていた不都合を見事に解決するものであり、極めて簡単に製造できるばかりでなく製造コストも低廉に押さえることができる。
尚、図1乃至図4に示す構成は単なる一例であり、折り形状はこの構成に限るものではなく、又折り構成によって形成するマチ構成もこの図に限定されるものではない。
例えば山折りにて構成するものに限らず谷折りにより構成するものに用いるものであってももちろんよい。
更には、切れ込み部2の構成も本図に示すものに限らず、袋体の開口部の一面に設けられているものであればよく、その長さ位置等は、袋体の設計に応じて任意に定め得る事項である。
【0017】
又、本図においては切れ込み部2を二か所設けているものであり、この構成が最も最適な構成であるが、二か所に限ることなく一か所であっても或いは三か所或いはそれ以上設けたものであってもよい。
更にこれらの図に示す切れ込み部2は開口部端部から底部方向に向かって側辺部分に平行に設けられた構成であるが、この側辺部に平行な構成に限らず斜形した切れ込み部であってもよい。
即ち開口部端部から底部方向に側辺部分向かって斜めに設けた切れ込み部を用いるものであってもよい。
図5は、切れ込み2を袋体1の両側辺5に沿って形成した山折り部11aに設けたのではなく、開口部のマチ部14であって任意の開口部端部から底部方向に向かって側辺部5に平行に設けた一例を示す図である。
図6は、袋体1の切れ込み部2を一か所として構成した本発明に係る袋体の一例を示す図であり、平面図として明示した図である。
本図に示す様に切れ込み2に関しては、一か所であっても内容物を収納して封鎖する際の袋体表面の歪みを係る切れ込み部で調整でき、封鎖時の歪みを無くすと共にフラップ3との接触面を平面に保つことができる。
【0018】
尚、本図に示す切れ込み部2は線状の切れ込みであり、かかる構成も当然切れ込み部2に含まれるものである。
図7は、袋体1の切れ込み部2を幅広に構成した一実施の状態を示す平面図である。
本図に示すように切れ込み2が一定の幅を有しているものであってもよい。
この様に構成することによって、切れ込み2の両辺端部に位置する袋体表面端辺部をずらすことができ、封鎖時の袋体の歪みをこのずらしによって修正でき、平面形状の維持を可能とする。
図8は、切れ込み部2をより幅広に構成した幅広の切れ込みを袋体開口部の中央部に設けた一実施の状態を示す平面図である。
この様に構成していても同様に封鎖時の袋体の歪みを防止できる。
図9は、本構成に係る袋体1内に内容物を収納した状態の一例を示す平面図であり、本図はマチ幅に合致した厚手の内容物を収納した状態を示す図である。
本図に示すように歪みなく収納できると共にフラップマチ部30が開口部表面のマチ部14と重なり会い、隙間等を生ぜずに収納できる。
図10は、袋体1のマチ幅迄には及ばない厚みの内容物を収納した状態を示す図である。
【0019】
この場合においても袋体1の歪みを防止し体裁よく封鎖できると共にフラップ3の封鎖に際しての接着強度を高く維持できるものである。
マチ部分の山折りによって定形形状を維持できることとなり、前記と同様にフラップマチ部30が開口部表面のマチ部14と重なり会い、隙間等を生ぜずに封鎖できる。
特に厚手の紙製袋体を用いることにより、より使い勝手のよい袋体の提供が可能となる。
図11は、薄手の内容物を収納した状態を示す平面図である。
この場合にも前記と同様に袋体1の歪みを防止でき、フラップマチ部30は開口部表面のマチ部14と重なり会い、きっちりと封鎖できるものである。
次に図12は、袋体に代え箱体に本発明を用いた一実施の状態を示す図である。
本図に示すようにマチ部となる側壁部11及び底壁部12を有しており、箱体開口部の表面部には切れ込み部2が設けられ、更には裏面部には開口部より突出した形状で設けられているフラップ3を有している。
【0020】
更に該表面部1aの開口部の端部から底壁部に向かって切れ込み部2を有している。
この様な箱体に、該箱体の厚みのある内容物を収納すると、その内容物の接する中央部分は膨らんでしまうが、この膨らんだ部分に対応する開口部の表面部には切れ込み部2が二か所設けられており、この切れ込み部によって構成される舌片部によって開口部端縁部は当初の箱体の厚みの位置に位置させることができ、フラップ3との接触即ち接着等を確実に行える。
更に両側壁部11の開口部近傍例えば両側壁部の開口部近傍に連設している表面部の両側部分は厚みのある内容物の表面から受ける歪み等の影響を切れ込み部2によって受けることがなく、フラップ3のみならずフラップ肩マチ部32で表面部の両側部分と接着等でき確実なる封鎖を行える。
本箱体における切れ込み部の構成は前述の袋体と同様であり、少なくとも切れ込み部が箱体の開口部の一面に設けられているものであり、その長さ位置等は袋体の設計に応じて任意に定め得る事項である。
又、切れ込み部を二か所設けているものであり、この構成が最も最適な構成であるが、二か所に限ることなく一か所又は三か所或いはそれ以上設けたものであってもよい。
【0021】
更にこれらの図に示す切れ込み部は開口部端部から底壁部方向に側壁部に平行に設けられた構成であるが、この側壁部に平行な構成に限らず斜形した切れ込み部であってもよい。
以上のように袋体のみならず箱体にも用いる事ができるが、例えば厚紙等で構成している袋体又は箱体のおいて本構成を用いる事が最も適しているものである。
即ち、現在多用されている厚紙の袋体や箱体に関しては、内容物として厚手の物を入れた場合には袋体や箱体がどうしても歪んでしまうという欠点を有するが、本発明に係る構成を用いることにより、マチ幅等を越す厚みのある内容物をも収納することができると共にフラップの封鎖も確実に行う事ができ、更には体裁のよい収納ができることとなる。
元より歪む可能性のある他の部材の袋体や箱体に用いてもよく、或いは厚紙の袋体や箱体以外の紙製の袋体や箱体或いは薄手の紙製の袋体や箱体に用いるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る袋体の一実施の状態を示す斜視図
【図2】図1に係る袋体内に厚みのある内容物を収納した状態を示す図
【図3】図2に示す袋体のフラップを閉じた状態を示す図
【図4】図1乃至図3に示す袋体の展開状態の一例を示す図
【図5】本発明に係る袋体の他の一実施の状態を示す図
【図6】袋体の切れ込み部を一か所として構成した本発明に係る袋体の一例を示す図
【図7】袋体の切れ込み部を幅広に構成した一実施の状態を示す平面図
【図8】切れ込み部をより幅広に構成した幅広の切れ込みを有する一実施の状態を示す平面図
【図9】袋体内に内容物を収納した状態の一例を示す平面図
【図10】袋体内に内容物を収納した状態の一例を示す平面図
【図11】袋体内に内容物を収納した状態の一例を示す平面図
【図12】袋体に代え箱体に本発明を用いた一実施の状態を示す図
【符号の説明】
【0023】
1 袋体
1a 表面
1b 裏面
11 側辺のマチ部
11a 側辺に沿って形成した山折り部
12 底辺のマチ部
12a 底辺に沿って形成した山折り部
13 袋体開口部の略三角形状のマチ部
13a 山折り部
14 開口部のマチ部
14a 開口部沿って形成した山折り部
15 袋体底部の略三角形状のマチ部
15a 山折り部
2 切れ込み部
3 フラップ
30 フラップマチ部
30a 開口部に沿った折り返し部
31 フラップ突出部
31a 山折り部
32 フラップ肩マチ部
4 底部
5 側部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚みを有する内容物を収納する袋体1であって、袋体1の一面にはフラップ3を有し、該フラップ3を折り返して他の面に接触させる状態で開口部を封鎖する袋体において、
該袋体1の他の面の開口部端縁部から底部方向に向かって少なくとも一以上の切れ込み部2を有することを特徴とする袋体。
【請求項2】
開口部から一定間隔を経て開口辺と平行に設けた山折り部14aによって形成する開口部のマチ部14と、
袋体両側辺から一定間隔を経て各側辺に平行に設けた山折り部11aによって形成する側辺のマチ部11と、
袋体底部の底辺から一定間隔を経て底辺と平行に設けた山折り部12aによって形成する底辺のマチ部12とを有し、
側辺の山折り部11aと底辺の山折り部12aとの両交差部分から袋体底部の各角部方向に山折り部15aによって形成するマチ部15を有し、
開口部の山折り部14aと側辺の山折り部11aとの両交差部分から袋体開口部の各角部方向に山折り部13aによって形成するマチ部13を有し、
袋体1一面のフラップ3と袋体1の基体部分との連接部分には開口部に沿った折り返し部30aを有し、
フラップ3の略中央部分には開口部と平行に山折り部31aによって形成するフラップマチ部30を有すると共に該フラップマチ部30の両側部には山折り部によって形成するフラップ肩マチ部32を有する袋体であることを特徴とする請求項1記載の袋体。
【請求項3】
該切れ込み部2を袋体開口部の各側辺に平行に設けた山折り部11aに形成したことを特徴とする請求項2記載の袋体。
【請求項4】
該切れ込み部2を二か所以上形成したものであり、一の切れ込み部2と他の切れ込み部2によって舌辺部Aを構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の袋体。
【請求項5】
該切れ込み部2を幅広に形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の袋体。
【請求項6】
袋体が紙製の袋体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の袋体。
【請求項7】
袋体が封筒であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の袋体。
【請求項8】
袋体に代えて、箱体よりなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の箱体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−51968(P2006−51968A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233478(P2004−233478)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(393000881)株式会社マルアイ (10)
【Fターム(参考)】