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袋状フィルタ
説明

袋状フィルタ

【課題】濾過対象液に含まれる固体を分離するのに好適な袋状フィルタを提供する。
【解決手段】濾過対象液に含まれる固体を分離するのに使用される袋状フィルタであって、
前記袋状フィルタは、ポリウレタン弾性繊維に合成繊維をカバーリングした伸縮性糸を袋状の編み地として得られたものであることを特徴とする袋状フィルタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過対象液に含まれる固体を分離するのに好適な袋状フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、濾過対象液に含まれる固体を袋状フィルタを用いて分離する工業用の濾過装置が知られている。この濾過装置は、例えば、工作機械における加工部分の冷却、潤滑、洗浄などに循環使用されるクーラント、切削油、研削液、洗浄液などの液体である濾過対象液に含まれる切り粉、研磨粉などの加工粉からなる所定の大きさ以上の固体を分離するのに用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図9は、従来の濾過装置を示すものであり、従来の濾過装置101は、ステンレスなどの金属により上部が開口の有底筒状に形成されたケース本体102を備えている。このケース本体102の内部には、金網により形成されたバスケット103が配置されており、このバスケット103の内側には、濾材としてのポリエステルやポリプロピレンなどにより形成された袋状フィルタ104(バッグフィルタ)が収容されている。また、ケース本体102の開口端には、ケース本体102の開口を塞ぐ上蓋105が図示しない取付ボルトによって着脱自在に取り付けられている。そして、ケース本体102の上蓋105の中央部には、上蓋105の内外を連通する流入口106が設けられており、ケース本体102の底部の中央部には、ケース本体102の内外を連通する流出口107が設けられている。また、ケース本体102の外部には、図示しない2つの圧力計が設けられており、袋状フィルタ104を通過する前後の液圧、すなわち、袋状フィルタ104によって濾過される前の濾過対象液の圧力と、袋状フィルタ104を通過した後の濾過された液体である濾液の圧力を検出することができるようになっている。
【0004】
このような構成からなる濾過装置101によれば、濾過対象液は、所定箇所からポンプによる圧送によって、流入口106を介してケース本体102の内部に供給される。そして、ケース本体102の内部に供給された濾過対象液が袋状フィルタ104を内側から外側に通過する際には、濾過対象液に含まれる所定の大きさ以上の固体が分離される。そして、濾過された後の濾液は、流出口107から排出されて所定箇所に送出されるようになっている。
【0005】
なお、従来の濾過装置101は、濾過対象液の濾過を行うと、袋状フィルタ104の内側に分離された固体である濾塊が堆積して目詰まりする。そこで、袋状フィルタ104が目詰まりして濾過機能を発揮できなくなったときには、袋状フィルタ104の交換が行われるようになっている。なお、この袋状フィルタ104の交換時期は、袋状フィルタ104の前後の液圧を検出する2つの圧力計の圧力差を作業者が認識することにより行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−154213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年においては、濾過装置101として、袋状フィルタ104の交換時期を作業者が確実かつ容易に認識することができるとともに、袋状フィルタ104の着脱を作業者が容易に行うことのできる作業者による使い勝手の向上が求められている。
【0008】
また、濾過装置101に用いる袋状フィルタ104としては、目詰まりするまでの期間である寿命(使用可能時間)が従来より長いもの、すなわち、目詰まりを軽減し、交換頻度が低いもので、かつ、低コストのものが求められている。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、濾過対象液に含まれる固体を分離するのに好適な袋状フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、濾過対象液に含まれる固体を分離するのに使用される袋状フィルタであって、前記袋状フィルタは、ポリウレタン弾性繊維に合成繊維をカバーリングした伸縮性糸を袋状の編み地として得られたものであることを特徴とする袋状フィルタである。
【0011】
そして、このような構成を採用したことにより、袋状フィルタは、その編み目によって濾過対象液に含まれる所定の大きさ以上の固体を分離することができる。また、袋状フィルタを弾性繊維によって伸縮自在に形成することにより、分離した固体である濾塊により袋状フィルタが目詰まりしてきた場合にも、安定した濾過機能を長期間に亘って発揮することができる。すなわち、袋状フィルタの目詰まりの進行にともなって袋状フィルタが膨張するので、袋状フィルタの編み目が拡大して、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができる。さらに、袋状フィルタの編み目が拡大した場合であっても、袋状フィルタの内部に堆積した濾塊がフィルタとして機能するので、全体として初期の濾過機能を長期間に亘って保持することができる。また、濾過対象液に含まれる固体は、袋状フィルタの内部において先端側から順に目詰まりして堆積するので、袋状フィルタが目詰まりするにしたがって袋状フィルタが伸長するとともに径方向に広がって編み目が拡大し、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができるし、袋状フィルタの先端側に目詰まりが生じても、袋状フィルタの目詰まりしていない開口部側により濾過機能が保持されるので、全体として初期の濾過機能を長期間に亘って保持することができる。よって、袋状フィルタの寿命を従来に比べて長くすることができる。また、上蓋に形成された流入口は、袋状フィルタの内部に濾過対象液を円滑かつ確実に流入させることができる。さらに、外ケースの底部に形成された流出口は、袋状フィルタを通過した濾液を円滑かつ確実に流出することができる。さらにまた、フィルタ挟持手段により、袋状フィルタを確実に固定することができる。したがって、作業者による使い勝手の向上を容易に図ることができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明の袋状フィルタの特徴は、請求項1において、伸縮性糸は、ポリウレタン弾性繊維にハイマルチタイプの合成繊維をカバーリングしたもの、及び/又は、2本の合成繊維の糸をカバーリングしたダブルカバーリングヤーンである点にある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る濾過装置によれば、袋状フィルタにより濾過対象液に含まれる固体を容易に分離することができる。また、伸縮自在な編み目を具備する弾性繊維により形成された袋状フィルタは、目詰まりの進行にともなって膨張するので、袋状フィルタの編み目が拡大して、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができる。その結果、袋状フィルタの寿命を従来に比べて長くすることができる。したがって、作業者による使い勝手の向上を容易に図ることができるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る濾過装置の実施形態の要部を示す分解斜視図
【図2】本発明に係る濾過装置の実施形態の要部を示す正面図
【図3】図3の断面図
【図4】図2の平面図
【図5】図2の下面図
【図6】図2の要部を示す拡大断面図
【図7】図1の取付リングに袋状フィルタを取り付けたフィルタ取付状態を示す拡大断面図
【図8】図7のフィルタ取付状態の取付リングをフィルタ収容体の開口端にセットしたフィルタセット状態を示す拡大断面図
【図9】従来の袋状フィルタを備えた濾過装置の一例を示す構造図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0016】
図1から図8は本発明に係る濾過装置の実施形態を示すものであり、図1は要部の分解斜視図、図2は正面図、図3は図2の断面図、図4は図2の平面図、図5は図2の下面図、図6の要部の拡大図、図7は取付リングに袋状フィルタを取り付けたフィルタ取付状態を示す拡大断面図、図8は袋状フィルタを取り付けた取付リングをフィルタ収容体の開口端にセットしたフィルタセット状態を示す拡大断面図である。
【0017】
本実施形態の濾過装置は、工作機械のクーラント供給装置において循環使用されるクーラントの濾過に用いられるものを例示している。この濾過装置では、クーラントタンクに貯留されたクーラントがポンプにより圧送されて供給される。そして、濾過装置で濾過された濾液であるクーラントがクーラントタンクに戻るようになっている。
【0018】
図1から図6に示すように、本実施形態の濾過装置1は、濾材としての袋状フィルタ2と、この袋状フィルタ2を収容するフィルタ収容体3と、このフィルタ収容体3を収容するケース本体4とを有している。
【0019】
前記袋状フィルタ2は、濾過対象液としてのクーラントに含まれる固体としての加工粉を分離するためのものである。この袋状フィルタ2は、伸縮性糸により伸縮自在に形成されている。この伸縮性糸は、ソックスに用いられるものであり、弾性繊維(エラストマー繊維)に合成繊維を組み合わせて形成されたものである。
【0020】
例えば、弾性繊維としてのポリウレタン弾性繊維(スパンテックス)に、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステルなどの合成繊維のフィラメント数の多いハイマルチタイプ(1フィラメントが1.45デニールより細い糸)をカバーリングしたシングルカバーリングヤーン(SCY20
WN 70/48)を挙げることができる。また、ポリウレタン弾性繊維に、2本の合成繊維の糸をカバーリングしたダブルカバーリングヤーン(DCY)であってもよい。なお、ポリウレタン弾性繊維のかわりにポリエーテルエステル弾性繊維を用いてもよい。また、ポリウレタン弾性繊維の糸を合成繊維の糸でカバーリングすることにより、加工粉によって編み目の破損や損傷が短時間で発生するのを防止することができるようになっている。
【0021】
前記伸縮性糸は、靴下編み機であるハイゲージ丸編み機(4インチ:400針)により袋状の編地とされ、この編地により袋状フィルタ2が形成されている。なお、編地は、天笠(無地)編み、針抜き編みなどを単独もしくは組み合わせて編まれている。
【0022】
前記袋状フィルタ2の自由状態における長さは、フィルタ収容体3の長さの2/3程度に形成されている。この袋状フィルタ2は、後に詳しく述べる取付リング6に取り付けた状態で用いられるようになっている(図6参照。)。
【0023】
前記フィルタ収容体3は、袋状フィルタ2を収納するためのものである。このフィルタ収容体3は、金網により円筒状に形成されている。このフィルタ収容体3としては、例えば、線径が1mm程度で、ピッチが10−20mmのステンレス平織金網が用いられている。なお、フィルタ収容体3の形状としては、筒状であればよい。例えば、断面が四角形や多角形の角筒状とすることができる。また、フィルタ収容体3としては、金網により上部が開口の有底筒状に形成されたものであってもよい。さらに、金網としては、フィルタ収容体3の内部に収納される袋状フィルタ2を外部から覗くことができるメッシュを用いることが肝要である。
【0024】
前記ケース本体4は、フィルタ収容体3を収納するためのものである。このケース本体4には、袋状フィルタ2の内部にクーラントを導く流入口11と、袋状フィルタ2で濾過した後の濾液であるクーラントを外部に流出する流出口12とが設けられている。
【0025】
本実施形態のケース本体4は、内ケース13と、外ケース14と、上蓋15とを有している。
【0026】
前記内ケース13は、濾液の流路を形成するためのものである。この内ケース13は、アクリル樹脂(アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂)、ポリカーボネート樹脂などの透明樹脂によりフィルタ収容体3の外径より大径の円筒状に形成されている。そして、内ケース13の内周面と、フィルタ収容体3の外周面との間には、濾液を容易に流動させるための隙間が形成されている。なお、内ケース13の長さは、フィルタ収容体3の長さより長く形成されている。また、内ケース13の外周面には、袋状フィルタ2の交換時期を認識させるための目印となるマーク16が設けられている。このマーク16は、例えば、内ケース13の長さ方向の中央部より上方、具体的には、内ケース13の外周面における下端から全長の2/3程度の高さ位置に、周方向に沿って赤色テープを環状に貼着することにより設けられている。なお、内ケース13の形状としては、筒状であればよい。例えば、断面が四角形や多角形の角筒状とすることができる。
【0027】
前記外ケース14は、内ケース13を収納するためのものである。この外ケース14は、底部材17と、上部材18と、接続部材19とを有している。
【0028】
前記底部材17は、内ケース13の下端部を支持するためのものである。この底部材17は、金属により内ケース13の外径より大径の円筒状に形成された外底胴部20と、この外底胴部20の下端の開口を閉塞するように金属により円盤状に形成された外底板21とにより、全体として上部が開口の有底筒状に形成されている。また、外底板21には、袋状フィルタ2を内側から外側に通過した濾過後の濾液を外部に流出させるための流出口12としての複数の流出用貫通孔12aが形成されている。すなわち、袋状フィルタ2を内側から外側に通過した濾液を外部に流出させるための流出口12が、外ケース14の底部に形成されている。
【0029】
前記外底板21の底面には、フィルタ収容体3の下端部の装着と、その位置決めを行うための装着壁22が設けられている。本実施形態における装着壁22は、フィルタ収容体3の下端部の外周面を取り囲むように円筒状に形成されており、その上端面は、外底胴部20の開口端より下方に配置されている。また、装着壁22の内孔は、フィルタ収容体3の下端部を着脱自在に装着することができるように、フィルタ収容体3の外径より大径に形成されている。
【0030】
なお、装着壁22の形状は、フィルタ収容体3の形状に応じて設定すればよく、円筒状に限定されるものではない。例えば、フィルタ収容体3の下端部の外周面を取り囲むことができるように、全体として環状をなすように部分的に設けられたものであってもよいし、3つ以上の柱状の突起を外底板21の中心から等距離位置において隣位する2つの突起壁の距離が等しくなるように等角度配置する構成としてもよい。
【0031】
前記外底胴部20の外周面の長さ方向である上下方向のほぼ中央部には、環状に形成された取付フランジ23が設けられている。この取付フランジ23は、溶接によって外底胴部20の外周面の所定の位置に固着されている。そして、取付フランジ23の所定位置には、濾過装置1を図示しない取付板や取付架台などの取付対象物に取り付けるための複数の取付孔24が形成されている。これらの取付孔24は、外底胴部20、ひいては外ケース14の中心から等距離位置において隣位する2つの取付孔24の中心間距離が等しくなるように等角度配置されている。
【0032】
前記上部材18は、内ケース13の上端部の外周を径方向外側から支持するためのものである。この上部材18は、金属により円筒状に形成されている。また、上部材18の外径および内径のそれぞれのサイズは、外底胴部20の外径および内径と同一に形成されている。
【0033】
すなわち、上部材18の内孔は、内ケース13の外径より大径に形成されている。また、上部材18の上端面は、外ケース14に装着された状態における内ケース13の上端面とほぼ面一となるように配置されている。
【0034】
前記上部材18の外周面には、金属により形成された位置決めパイプ25が設けられている。この位置決めパイプ25は、その長手方向を上部材18の長手方向と平行に延在するようにして配置されている。本実施形態の位置決めパイプ25は、その上部が溶接によって上部材18の外周面に固着されている。なお、位置決めパイプ25の上端は、上部材18の上端より下方に配置されている。
【0035】
前記接続部材19は、底部材17と上部材18とを接続するためのものである。この接続部材19は、金属により角棒状に形成されており、下端部が外底胴部20の外周面の上端部側に溶接などによって固着されており、上端部が上部材18の外周面の下端部側に溶接などによって固着されている。すなわち、接続部材19は、その長手方向が外ケース14の中心に沿って平行に配置されている。また、本実施形態における接続部材19は、6本の接続部材19が相互に平行に延在するように用いられている。これら6本の接続部材19は、外ケース14の中心から等距離位置において隣位する2本の接続部材19の距離が等しくなるように間隔をおいて等角度配置されている。なお、接続部材19としては、丸棒状のものであってもよい。また、接続部材19としては、複数の孔を備えた筒であってもよい。この場合、孔のサイズを、内部を容易に視認することのできるサイズとすることが肝要である。
【0036】
前記外ケース14の底部材17と上部材18との相互間で、接続部材19が配置されていない箇所は、内外を連通する連通空間とされており、この連通空間により、本実施形態における内ケース13を通して袋状フィルタ2を外部から視認できるのぞき窓26が構成されている。すなわち、透明な内ケース13を通して袋状フィルタ2を外部から視認できる内外を連通するのぞき窓26が外ケース14の胴部に設けられている。勿論、外部とは濾過装置1の外側である。
【0037】
前記上蓋15は、外ケース14の開口を覆うためのものである。この上蓋15は、金属により円筒状に形成された蓋胴部27と、この蓋胴部27の上端の開口を閉塞するように金属によりほぼ円盤状に形成された蓋天板28とにより、全体として下部が開口の有底筒状に形成されている。そして、蓋胴部27の内孔は、上部材18の上端部、ひいては外ケース14の上端部の外周面を取り囲むことができるように、上部材18の外径より大径に形成されている。
【0038】
前記蓋天板28の中心には、蓋天板28の厚さ方向である上下方向に沿って流入管29が配設されている。この流入管29は、上蓋15の長さより長く形成されており、上端が蓋天板28の上面より上方に突出し、下端が蓋胴部27の開口端より下方に突出するように配置されている。また、流入管29は、その外周面における長手方向の中央部より上方部分が蓋天板28の中心に設けられたパイプ用貫通孔30に挿通された状態で溶接などにより、隙間なく固着されており、流入管29の上端の開口は、袋状フィルタ2の内部にクーラントを導く流入口11とされている。すなわち、袋状フィルタ2の内部にクーラントを導く流入口11が、上蓋15の中央部に形成されている。また、流入管29の内孔の上端部には、圧送されるクーラントの供給配管との接続に用いるための雌ねじ31が形成されている。
【0039】
前記蓋天板28の下面の外周部分は、外ケース14の開口端とわずかな隙間をもって対向するように配置されている。なお、上蓋15の形状としては、筒状であればよい。例えば、断面が四角形や多角形の角筒状とすることができる。
【0040】
前記蓋胴部27の外周面には、上部材18の外周面に設けられた位置決めパイプ25に着脱自在に挿入される位置決め棒32の上部が溶接によって固着されている。そして、位置決めパイプ25に位置決め棒32を挿入することにより、外ケース14に対する上蓋15の周方向に沿った回転止めと、外ケース14に対する上蓋15の周方向に沿った回転方向の位置決めとがなされている。
【0041】
前記上蓋15と外ケース14とは、周知のスナップキャッチ33(スナップ錠)によりワンタッチで着脱自在に取り付けられている。
【0042】
すなわち、前記上部材18の外周面には、周知の如く、2つで1組とされたスナップキャッチ33の一方、例えば係止側リング、ばねおよび操作レバーを備えた操作側部材33aが取り付けられており、蓋胴部27の外周面には、スナップキャッチ33の他方、例えば、係止ピンを備えた受け側部材33bが取り付けられている。このスナップキャッチ33の組数としては、2組以上の複数であればよい。本実施形態においては2組のスナップキャッチ33が取り付けられている。これら複数組のスナップキャッチ33の配置としては、ケース本体4の中心から等距離位置において隣位する2つのスナップキャッチ33の中心間距離が等しくなるように等角度配置されていればよい。
【0043】
前記上蓋15の蓋天板28の下面には、ポリアセタール樹脂により全体として環状に形成された押圧リング34が配設されている。この押圧リング34は、円筒状に形成された内側円筒部35を備えている。この内側円筒部35は、その内孔が流入管29の外径より若干大きく形成されるとともに、その長さが蓋胴部27の長さより長く形成されている。この内側円筒部35の外周面は、内側円筒部35の下端から上方に向かって徐々に拡径する下方に凸の凸テーパ面36とされており、この凸テーパ面36は、テーパピンとして機能する。また、内側円筒部35の最大径は、フィルタ収容体3の内径より小さく形成されている。そして、内側円筒部35の上端部には、径方向外側に向かってほぼ直角に延出された環状の水平壁部37が延出形成されている。この水平壁部37の外周縁は、フィルタ収容体3の外周面と内ケース13の内周面とのほぼ中間に位置するように形成されている。そして、水平壁部37の外周縁には、円筒状に形成された外側円筒部38が下方に向かって延出形成されている。この外側円筒部38の長さは、内側円筒部35の長さより長く形成されている。すなわち、内側円筒部35を中心としてその外側に外側円筒部38が配置された状態で、内側円筒部35の上端と外側円筒部38の上端とが環状の水平壁部37によって接続されている。また、押圧リング34は、内側円筒部35が流入管29の蓋天板28の下方に突出された部分に挿入された状態で、押圧リング34の上面が蓋天板28の下面に接着剤などの接合剤による接合によって固着されている。なお、押圧リング34と流入管29との間からクーラントが外部に漏洩しない構成、例えば、押圧リング34の上面と蓋天板28の下面との間にガスケットを配置する構成の場合には、押圧リング34を蓋天板28の下面、ひいては上蓋15に固着させずに、着脱自在としてもよい。
【0044】
前記押圧リング34は、取付リング6と対向配置されている。この取付リング6は、フィルタ収容体3の上部の開口端に着脱自在にセットされるものであり、ポリアセタール樹脂により全体として環状に形成されている。すなわち、取付リング6は、円筒状に形成された筒状部39を備えている。この筒状部39の内周面は、筒状部39の下端から上方に向かって徐々に拡径する上方から見て凹状の凹テーパ面40とされており、この凹テーパ面40は、テーパピンが上方から嵌合するテーパ孔として機能する。また、筒状部39の外径は、フィルタ収容体3の内孔より若干小さく形成されている。さらに、筒状部39の上端部には、環状鍔部41が径方向外側に向かって延出形成されている。この環状鍔部41の外周縁は、フィルタ収容体3の外周面より外側で、かつ、押圧リング34の外側円筒部38の内孔より内側に位置するように形成されている。この取付リング6には、図7に示すように、袋状フィルタ2がその開口端を外側に折り返すようにして着脱自在に取り付けられている。この袋状フィルタ2が取り付けられた取付リング6は、図8に示すように、取付リング6の環状鍔部41の下面がフィルタ収容体3の開口端により下方から支持されるようになっている。
【0045】
図6に拡大して示すように、押圧リング34の凸テーパ面36は、取付リング6の凹テーパ面40に嵌合するようになっている。また、袋状フィルタ2は、上蓋15を外ケース14に取り付けたときに、取付リング6の凹テーパ面40および押圧リング34の凸テーパ面36によって挟持できるようになっている。
【0046】
すなわち、取付リング6および押圧リング34により、本実施形態のフィルタ収容体3と上蓋15との間に袋状フィルタ2を挟持するフィルタ挟持手段42が構成されている。
【0047】
また、フィルタ挟持手段42は、袋状フィルタ2が着脱自在に取り付けられるとともに、袋状フィルタ2を取り付けた状態でフィルタ収容体3の上蓋15と対向する開口端に着脱自在にセットされる取付リング6と、上蓋15の内部に取付リング6と対向するように設けられた押圧リング34とを有しており、上蓋15を外ケース14に取り付けたときに、取付リング6と押圧リング34との間で袋状フィルタ2を挟持するように形成されている。
【0048】
なお、内ケース13の下端と、この内ケース13の下端が対向する外ケース14の底部材17の底面との間に、クーラントが外部に流出するのをより確実に防止するためのゴムなどにより形成されたガスケットを配置する構成としてもよい。また、内ケース13の上端と、この内ケース13の上端が対向する上蓋15の蓋天板28の下面との間にも、クーラントが外部に流出するのをより確実に防止するためのゴムなどにより形成されたガスケットを配置する構成としてもよい。さらに、取付リング6の上端面と、この上端面が対向する押圧リング34の水平壁部37の下面との間にも、ゴムなどにより形成されたガスケットを配置する構成としてもよい。この場合、取付リング6側から押圧リング34に向かって、袋状フィルタ2と、ガスケットとがこの順に配置されることになる。
【0049】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0050】
本実施形態における濾過装置1により、濾過対象液の一例としてのクーラント装置において循環使用されるクーラントを濾過する場合について説明する。なお、濾過対象液としてのクーラントには、濾過すべき固体として、ワークを加工したときに発生する切り粉、研磨粉などの加工粉が含まれているものとする。
【0051】
前記クーラントタンクに貯留されたクーラントは、ポンプなどにより圧送されて流入口11から袋状フィルタ2の内部に流入する。そして、袋状フィルタ2の内部に流入したクーラントは、袋状フィルタ2を内側から外側に向かって通過する。このクーラントが袋状フィルタ2を通過する際に、クーラントに含まれる所定の大きさ以上の固体としての加工粉が濾過作用によって分離される。すなわち、クーラントが袋状フィルタ2を通過する際に、クーラントに含まれる所定の大きさ以上の加工粉が袋状フィルタ2の編み目によって捕捉される。そして、袋状フィルタ2を通過した濾液は、内ケース13の内部を流下して流出口12から外部に流出し、その後クーラントタンクに戻される。
【0052】
前記袋状フィルタ2の内部に捕捉された所定の大きさ以上の加工粉である濾塊は、袋状フィルタ2の内部において先端側(下端側)から目詰まりして堆積する。この時、袋状フィルタ2が弾性繊維によって伸縮自在に形成されているので、濾塊の堆積の進行にともなって、袋状フィルタ2は、その長さ方向に順次伸長するとともに、濾塊の堆積部分が拡径するので、クーラントから分離した加工粉である濾塊により袋状フィルタ2が目詰まりしてきた場合にも、袋状フィルタ2が膨張して袋状フィルタ2の編み目が拡大することにより濾過機能を発揮する。なお、袋状フィルタ2の最大伸長は、その下端が底部材17の底面により規制され、最大拡径は、フィルタ収容体3により規制される。
【0053】
このように、本実施形態の濾過装置1によれば、袋状フィルタ2は、その編み目によって濾過対象液としてのクーラントに含まれる所定の大きさ以上の固体である加工粉を分離することができる。
【0054】
また、本実施形態の濾過装置1によれば、袋状フィルタ2が弾性繊維によって伸縮自在に形成されているので、クーラントが袋状フィルタ2を通過する際に、クーラントから分離した加工粉である濾塊により袋状フィルタ2が目詰まりしてきた場合にも、安定した濾過機能を長期間に亘って発揮することができる。
【0055】
すなわち、本実施形態における濾過装置1によれば、袋状フィルタ2の目詰まりの進行にともなって袋状フィルタ2が膨張するので、袋状フィルタ2の編み目が拡大して、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができる。
【0056】
さらに、本実施形態における濾過装置1によれば、袋状フィルタ2の編み目が拡大した場合であっても、袋状フィルタ2の内部に堆積した濾塊がフィルタとして機能するので、全体として初期の濾過機能を長期間に亘って保持することができる。
【0057】
また、本実施形態における濾過装置1によれば、クーラントに含まれる加工粉は、袋状フィルタ2内部において先端側(下端側)から順に目詰まりして堆積するので、袋状フィルタ2が目詰まりするにしたがって袋状フィルタ2が伸長するとともに径方向に広がって編み目が拡大し、濾過機能の低下や流量の低下を軽減することができるし、袋状フィルタ2の先端側に目詰まりが生じても、袋状フィルタ2の目詰まりしていない開口部側により濾過機能が保持されるので、全体として初期の濾過機能を長期間に亘って保持することができる。
【0058】
よって、本実施形態における濾過装置1によれば、袋状フィルタ2の寿命を従来に比べて長くすることができる。
【0059】
また、本実施形態における濾過装置1によれば、流入口11が上蓋15に形成されているので、袋状フィルタ2の内部にクーラントを円滑かつ確実に流入させることができる。
【0060】
またさらに、本実施形態における濾過装置1によれば、流出口12が外ケース14の底部に形成されているので、袋状フィルタ2を通過した濾液を外部に円滑かつ確実に流出させることができる。
【0061】
さらに、本実施形態における濾過装置1によれば、フィルタ収容体3と上蓋15との間に、袋状フィルタ2を挟持するフィルタ挟持手段42が設けられているから、袋状フィルタ2を確実に固定することができる。
【0062】
したがって、本実施形態の濾過装置1によれば、作業者による使い勝手の向上を容易に図ることができる。
【0063】
また、本実施形態における濾過装置1によれば、透明樹脂により形成された内ケース13を通して袋状フィルタ2を外部から視認できるのぞき窓26が形成されているので、袋状フィルタ2を外部から視認することができる。これにより、袋状フィルタ2の目詰まりの具合が容易に分かる。その結果、作業者が袋状フィルタ2の目詰まりの具合を視認するという簡単な作業により、袋状フィルタ2の交換時期を容易に認識することができる。
【0064】
さらに、本実施形態の濾過装置1によれば、内ケース13の外周面に、袋状フィルタ2の交換時期を認識させるための目印となるマーク16が設けられているから、袋状フィルタ2の拡径部分が袋状フィルタ2の先端側である下方から上方に広がってマーク16に到達したことを作業者が視認するという簡単な作業により、袋状フィルタ2の交換時期を容易かつ確実に認識することができる。
【0065】
また、本実施形態における濾過装置1によれば、袋状フィルタ2の交換時期を外部から視認するという簡単な作業により判別することができるので、従来の濾過装置1における袋状フィルタ2の交換時期を判別するための2つの圧力計を設ける必要がないので、低コスト化を図ることができるし、袋状フィルタ2の交換時期を判別するのに必要な作業者による労力および時間を低減することができる。
【0066】
したがって、本実施形態の濾過装置1によれば、作業者による使い勝手のさらなる向上を容易に図ることができる。
【0067】
さらに、本実施形態における濾過装置1によれば、ケース本体4が、透明樹脂により形成された内ケース13と、のぞき窓26の形成された外ケース14と、上蓋15とを有しているので、従来の金属により有底筒状に形成されたケース本体4に比較して、軽量化を図ることができる。この軽量化によって、作業者による設置作業およびフィルタ交換作業などの作業性を向上することができる。
【0068】
またさらに、本実施形態における濾過装置1によれば、フィルタ挟持手段42が、袋状フィルタ2が着脱在に取り付けられるとともに、袋状フィルタ2を取り付けた状態でフィルタ収容体3の上蓋15と対向する開口端に着脱自在にセットされる取付リング6と、上蓋15の内部に取付リング6と対向するように設けられた押圧リング34とを有しており、上蓋15を外ケース14に取り付けたときに、取付リング6と押圧リング34との間、詳しくは凹テーパ面40と凸テーパ面36との間で袋状フィルタ2を挟持するように形成されているから、袋状フィルタ2を取付リング6に容易に着脱することができる。また、上蓋15を外ケース14から外すという簡単な操作により、押圧リング34が取付リング6から容易に離れるので、フィルタ収容体3に対する袋状フィルタ2を取り付けた状態の取付リング6の着脱を容易に行うことができる。また、袋状フィルタ2を取り付けた状態の取付リングをフィルタ収容体3の開口端にセットした状態で、上蓋15を外ケース14に取り付けるという簡単な操作により、袋状フィルタ2を取付リング6と押圧リング34との間で容易かつ確実に挟持することができる。その結果、袋状フィルタ2の交換を容易に行うことができる。したがって、作業者による使い勝手の向上をより容易に図ることができる。
【0069】
さらにまた、本実施形態における濾過装置1によれば、押圧リング34の外側円筒部38の先端である下端が内側円筒部35の下面より下方に位置しているので、袋状フィルタ2が目詰まりして袋状フィルタ2を挟持する凹テーパ面40と凸テーパ面36との間から内ケース13の内部に濾液が流動した場合であっても、この濾液を内ケース13の内部において下方に確実に流下させることができる。その結果、濾液が上蓋15と外ケース14と隙間から外部に漏洩するのを防止することができる。
【0070】
また、本実施形態における濾過装置1によれば、上蓋15と外ケース14とが、スナップキャッチ33によりワンタッチで着脱自在に形成されているから、上蓋15と外ケース14との着脱をより容易かつ確実に行うことができる。
【0071】
さらにまた、本実施形態における濾過装置1によれば、位置決めパイプ25および位置決め棒32が設けられているので、上蓋15をケース本体4に取り付ける際に、位置決めパイプ25に位置決め棒32を挿入することにより、外ケース14に対する上蓋15の周方向に沿った回転を阻止することができる。その結果、スナップキャッチ33の操作側部材33aと受け側部材33bとの相互間の周方向における位置合わせを容易かつ確実に適正にすることができる。これにより、スナップキャッチ33の操作性が向上する。
【0072】
またさらに、本実施形態における濾過装置1によれば、袋状フィルタ2を構成する伸縮性糸がソックスに使用されるものであるから、既存の糸を使用することができるので、袋状フィルタ2の低コスト化を容易に図ることができる。
【0073】
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、濾過対象液の流量が多い場合には、複数の濾過装置を並列配置して用いることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 濾過装置
2 袋状フィルタ
3 フィルタ収容体
4 ケース本体
6 取付リング
11 流入口
12 流出口
13 内ケース
14 外ケース
15 上蓋
25 位置決めパイプ
26 のぞき窓
29 流入管
32 位置決め棒
33 スナップキャッチ
34 押圧リング
36 凸テーパ面
40 凹テーパ面
42 フィルタ挟持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過対象液に含まれる固体を分離するのに使用される袋状フィルタであって、
前記袋状フィルタは、ポリウレタン弾性繊維に合成繊維をカバーリングした伸縮性糸を袋状の編み地として得られたものであることを特徴とする袋状フィルタ。
【請求項2】
伸縮性糸は、ポリウレタン弾性繊維にハイマルチタイプの合成繊維をカバーリングしたもの、及び/又は、2本の合成繊維の糸をカバーリングしたダブルカバーリングヤーンである請求項1記載の袋状フィルタ。


【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−78762(P2013−78762A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−265567(P2012−265567)
【出願日】平成24年12月4日(2012.12.4)
【分割の表示】特願2009−28389(P2009−28389)の分割
【原出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(502224814)株式会社 ユメックス (7)
【出願人】(505136457)中野産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】