説明

袋集合体及び袋素材集合体

【課題】袋集合体または袋素材集合体から、袋を破損することなく取り去りまたは剥がしやすくし、容器内から袋を引き出しやすく、運搬も容易にすることにある。
【解決手段】上端に開口部(11)を有する柔軟なプラスチック製の袋(10)を扁平状に折り畳み、開口部が同じ方向になるように揃えて複数枚重層した状態で結合要素で結合して袋集合体(1)が形成されており、当該袋集合体を取付要素(17)により保持具に取付け、袋集合体(1)から前記袋(10)を一枚または複数枚ずつ分離して使用する袋集合体である。袋集合体を構成する袋は、袋集合体から分離するための分離要素(15)を有しており、分離要素(15)から袋(10)を分離したとき、袋集合体側には、袋の一部が分離部(16)として残り、当該分離部側には、前記結合要素と前記保持具への取付要素が備わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋集合体及び袋素材集合体に関する。
更に詳しくは、保持具に取付け、袋集合体または袋素材集合体から一枚ずつ袋または袋素材を分離して使用するものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ゴミ容器にゴミを収容する場合は、一般的にはゴミ容器の中に、例えばプラスチック製の袋を拡げて設置し、当該袋の中にゴミを入れて収容することが多い。これによって、ゴミを廃棄処分する場合、ゴミ容器から袋を取り出すだけで廃棄処分することができ、ゴミ容器内のゴミが散乱することもなく、ゴミ容器内が汚れることも防止できる。
【0003】
ゴミ容器の中に、袋を拡げて設置するにあたり、袋の交換を便利にしたものの一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1には、入り口部を揃えて重ねられた複数の袋と、この袋の重ねられた入り口部を保持する保持体と、この保持体に前記袋の重ねられた入り口部を係止する係止手段と、前記保持体を構造物に掛着する掛着具とを備える袋の束を、プラスチック容器の中に入れて、例えば両面テープからなる掛着具により、前記保持体とプラスチック容器とを相互に接続する。
【0004】
袋を使用するときには、保持体上に保持された複数の袋のうち、一番上の袋の入り口を捲り上げて係止手段から引き剥がし、袋の入り口部を屑籠の縁や枠体の突出部やその他の支持部に巻き込み、袋の入り口が開いた状態に配置して使用するようになっている(請求項1、〔0004〕〜〔0009〕)。
【0005】
前記係止手段としては、係止針、糸、リベット、ボルト・ナット、部分接着、端面溶着、加熱棒を差し込む孔開け溶着が開示されている(〔0006〕)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平7−15606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の袋の使用に当たっては、一番上の袋を袋の束から引き剥がしまたは剥ぎ取り使用するという記載があり、従って、袋は係止されている箇所を破損しながら袋の束からはぎ取らざるを得ないようになっている。
袋が丈夫な素材で形成されている場合は、係止されている箇所は破損しにくく、したがって、はぎ取りにくい。また、袋が脆弱な素材で形成されている場合は、大きく破損して、使用に耐えない場合が生じる等の課題がある。
【0008】
また、前記袋をごみ袋として使用する場合は、袋の入り口部を一回閉じれば、袋の入り口部を開閉する必要はないと考えられるが、各種物品を収容する場合は、物品の出し入れの際に袋の入り口部は開閉され、この部分が破損していると開閉作業がやりにくい課題がある。
【0009】
また、前記袋には取手となる穴が無いために、袋が大きく内容物も多く入った結果、総重量が重かったり、袋の中に入っている収容物が重い場合は、袋を掴む握力だけでは、容器内から袋を取り出しにくい課題がある。
【0010】
(本発明の目的)
そこで、本発明の目的は、袋集合体または袋素材集合体から、袋を破損することなく取り去りまたは剥がしやすくすることにある。
また、本発明の他の目的は、容器内から袋を引き出しやすく、運搬も容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
(1)上端に開口部を有する柔軟なプラスチック製の袋を扁平状に折り畳み、前記開口部が同じ方向になるように揃えて複数枚重層した状態で結合要素で結合して袋集合体が形成されており、当該袋集合体を取付要素により保持具に取付け、前記袋集合体から前記袋を一枚または複数枚ずつ分離して使用する袋集合体であって、
当該袋集合体を構成する前記袋は、袋集合体から分離するための分離要素を有しており、当該分離要素から袋を分離したとき、前記袋集合体側には、袋の一部が分離部として残り、当該分離部側には、前記結合要素と前記保持具への取付要素が備わる、袋集合体である。
【0012】
(2)前記袋集合体から分離された袋には、前記分離部が除かれた痕跡による取手穴または切欠部が形成される、前記(1)に係る袋集合体である。
【0013】
(3)前記袋集合体は、外層側の袋から順に分離して使用されるものであり、
前記結合要素は、前記開口部より下方に設けられており、
前記分離要素は、前記結合要素を囲んで設けられており、
前記取付要素は、前記袋集合体の取付側に設けられており、
前記袋集合体から分離された袋は、前記分離部が除かれた痕跡による取手穴を有する、前記(1)に係る袋集合体である。
【0014】
(4)前記袋集合体は、外層側の袋から順に分離して使用されるものであり、
前記結合要素は、前記開口部より下方に設けられており、
前記分離要素は、前記開口部縁の一部と共に前記結合要素を囲んで設けられており、
前記取付要素は、前記袋集合体の取付側に設けられており、
前記袋集合体には、袋集合体を貫通して取手穴が設けられており、
前記袋集合体から分離された袋は、前記分離部が除かれた痕跡による切欠部と、前記取手穴を有する、前記(1)に係る袋集合体である。
【0015】
(5)前記袋集合体は、外層側の袋から順に分離して使用されるものであり、
前記袋は、
チューブ状に形成された単一のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部を対向して形成して扁平化し、前記シートの上端部と下端部に熱溶着により封じられた封じ部を有し、
前記シートの中央部分に、前記折り込み部端を含んで前記シートの上端部側から下端部側に向けて抜き部が形成されることにより、
上端が開口し両側部に折り込み部を有する袋本体と、
当該袋本体の折り込み部から連続して延びる折り込み部に取手穴を有し、前記袋本体の上部両側に備わる手提げ部と、
が備わっている、前記(1)に係る袋集合体である。
【0016】
(6)前記袋は、前記手提げ部の間の袋本体上縁に先端が対向する自由端となっている舌片を備え、当該舌片には前記結合要素が設けられており、前記分離要素は、前記結合要素を囲んで、または結合要素よりも前記袋本体側に舌片を横断するように設けられていることを特徴とする、前記(5)に係る袋集合体である。
【0017】
(7)前記結合要素は、前記袋本体に設けられ、前記分離要素は、前記結合要素を囲んで、または前記開口部縁の一部と共に前記結合要素を囲んで設けられている、前記(5)に係る袋集合体である。
【0018】
(8)前記袋集合体は、上部に開口枠を有する自立性の保持具内に入れられて前記取付要素は前記保持具の外面に取付けられ、前記袋集合体の最上層側の袋の上部側となるシートだけが前記袋集合体から取り外されて開口部が開かれ、当該開口部の縁部は前記袋保持具の開口枠に装着されるものである、前記(1)から(7)のいずれかの一つに係る袋集合体である。
【0019】
(9)上端に開口部となる部分を有する柔軟なプラスチック製の袋素材を扁平状に折り畳み、前記開口部となる部分が同じ方向になるように揃えて複数枚重層した状態で結合要素で結合して袋素材集合体が形成されており、当該袋素材集合体を取付要素により保持具に取付け、前記袋素材集合体から前記袋素材を一枚または複数枚ずつ分離して使用する袋素材集合体であって、
当該袋素材集合体を構成する前記袋素材は、袋素材集合体から分離するための分離要素を有しており、当該分離要素から袋素材を分離すると、分離した側は、開口部を有する袋となり、前記袋素材集合体側には、袋素材の一部が分離部として残り、当該分離部側には、前記結合要素と前記保持具への取付要素が備わる、袋素材集合体である。
【0020】
(10)袋素材集合体から分離された袋には、取手穴を有する手提げ部が開口部の両側に備わる、前記(9)に係る袋素材集合体である。
【0021】
(11)チューブ状に形成された柔軟なプラスチック製のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部を対向して形成して扁平化し、更にシートの上端部と下端部に熱溶着により封じられた封じ部を有する袋素材を複数枚重層した状態で結合要素で結合して袋素材集合体が形成されており、当該袋素材集合体を取付要素により保持具に取付け、前記袋素材集合体の外層側の袋素材を分離して使用する袋素材集合体であって、
前記袋素材は、
前記上端部側中央部分に設けられており前記上端部の封じ部及び両側の折り込み部の端縁を含む分離部と、
前記下端部の封じ部を含む袋構成部と、
に区分する分離要素を有し、
当該分離要素は、
上端が開口し両側部に折り込み部を有する袋本体となる部分と、
当該袋本体の折り込み部から連続して延びる折り込み部に取手穴を有し、前記袋本体となる部分の上部両側に備わる手提げ部となる部分と、
を形成すべく構成されており、
前記分離要素から袋素材を分離すると、分離した側は、開口部を有する袋本体と手提げ部を有する袋となり、前記袋素材集合体側には、袋素材の一部が分離部として残り、当該分離部側には、前記結合要素と前記保持具への取付要素が備わる、袋素材集合体である。
【0022】
(12)前記結合要素は、前記分離部側にあり、
前記分離要素は、前記袋本体となる部分、前記手提げ部となる部分、に加えて、前記手提げ部となる部分の間に、先端が対向する自由端である舌片となる部分が袋本体となる部分から延びて形成されるべく構成されている、前記(11)に係る袋素材集合体である。
【0023】
(13)チューブ状に形成された柔軟なプラスチック製のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部を対向して形成して扁平化し、更にシートの上端部と下端部に熱溶着により封じられた封じ部を有する袋素材を複数枚重層した状態で結合要素で結合して袋素材集合体が形成されており、当該袋集合体を取付要素により保持具に取付け、前記袋素材集合体の外層側の袋素材を分離して使用する袋素材集合体であって、
前記袋素材は、
前記上端部側中央部分に設けられており前記上端部の封じ部及び両側の折り込み部の端縁を含む分離部と、
前記下端部の封じ部を含む袋構成部と、
に区分する第1の分離要素を有し、
当該第1の分離要素は、
上端が開口し両側部に折り込み部を有する袋本体となる部分と、
当該袋本体の折り込み部から連続して延びる折り込み部に取手穴を有し、前記袋本体となる部分の上部両側に備わる手提げ部となる部分と、
当該手提げ部となる部分の間に、前記袋本体の端縁部から延びており先端が対向する自由端である舌片となる部分と、
を形成すべく構成されており、
前記舌片となる部分には前記結合要素が設けられており、当該結合要素を囲んで、または結合要素よりも前記袋本体となる部分側に舌片となる部分を横断するように第2の分離要素が設けられており、
前記第1の分離要素から袋素材を分離すると、分離した側は、開口部を有する袋本体と手提げ部と舌片を有する袋となり、
第2の分離要素から袋素材を分離すると、前記袋素材集合体側には、袋素材の一部が分離部として残り、当該分離部側には、前記結合要素と前記保持具への取付要素が備わる、袋素材集合体である。
【0024】
(14)前記袋素材集合体は、上部に開口枠を有する自立性の保持具内に入れられて前記取付要素は前記保持具の外面に取付けられ、前記袋素材集合体の最上層側の袋素材の上部側となるシートだけが前記袋素材集合体から取り外されて開口部が形成されて開かれ、当該開口部の縁部は前記袋保持具の開口枠に装着されるものである、前記(9)から(13)に係る袋素材集合体である。
【0025】
本明細書、特許請求の範囲及び要約書において、袋素材の用語は、袋のように予め形成された開口または開口部を備えておらず、袋を構成する部分、すなわち袋構成部を切り離すことにより、開口または開口部が形成されて袋となるものを指称する用語として使用している。
袋素材集合体は、前記のような袋素材を複数枚重層した状態で結合したものを指称する用語として使用している。
【0026】
袋または袋素材の原料のプラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が好適に使用できる。ポリエチレン、ポリプロピレン等で作られたシートまたはフィルムが、透明性を有する場合は、袋内の内容物を外側から視認できる。
袋または袋素材をゴミ袋として使用する場合は、内容物が鳥、特に烏から見えないような色彩に着色すると良い。袋または袋素材の表面に、印刷を施しても良い。
【0027】
結合要素としては、加熱した棒(丸形、多角形、板状形等断面形状は問わない。)を重層されている複数枚の袋または袋素材を貫通して、棒の周囲のシートを溶融して複数枚の袋または袋素材を一体に結合して形成した結合穴をあげることができる。その他に、ステープラの針や針金等の線条体、紐条体、クリップ等が使用できる。要するに、重層されている複数枚の袋または袋素材を結合できれば、要素や手段については何ら限定する意図はない。
【0028】
分離要素としては、ミシン目または弱め線が好適に使用されるが、袋集合体または袋素材集合体から、袋を分離できれば、他の要素や手段を採用することもできる。また、分離要素の形も特に限定されない。
ミシン目は、例えば一枚の袋または袋素材に形成しておくこともできるし、重層されている複数枚の袋または袋素材からなる袋集合体または袋素材集合体に形成刃を貫通させて形成することもできる。弱め線は、例えば袋または袋素材の分離要素の部分のシートの厚みを、他の箇所より薄くすることによって形成できる。
【0029】
袋素材集合体の場合は、袋素材集合体から分離要素に沿って袋素材を分離することによって袋が形成される。
【0030】
袋または袋素材は、プラスチック製のシートまたはフィルムを重ね、折り込み部が無い、いわゆる平袋構造の袋の他、両側に折り込み部(襠)を有する構造のガゼット袋を採用することもできる。
【0031】
両側に折り込み部(襠)を有する袋または袋素材の場合は、例えばインフレーション成形によってプラスチックシートまたはフィルムをチューブ状に形成した単一のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部を対向して形成して扁平化し、更に熱溶着により密封された封じ部をシートの上端部と下端部に有する袋素材を形成した後、各種加工を施すことができる。
【0032】
袋素材の上端側に抜き加工をすることによって、袋本体と、袋本体の上部両側に備わる手提げ部と、手提げ部の間に舌片が形成された、いわゆるレジ袋と称される形態の袋が形成される。また、手提げ部の間に舌片がない、いわゆるUバックと称される形態の袋が形成される。
【0033】
また、袋素材の上端側に抜き加工と同様な効果を奏する抜き部を分離する分離線を形成加工することによって、抜き部が取り去られると、いわゆるレジ袋と称される形態の袋が形成される。また、手提げ部の間に舌片がない、いわゆるUバックと称される形態の袋が形成される。
【0034】
袋本体の上部両側に備わる手提げ部を有する袋の場合は、物を入れて運ぶ場合に手提げ部があるので便利であるが、複数枚重層した状態で結合したとき、手提げ部がばらけて取扱いに不便をきたすことがある。
このような場合は、手提げ部を一体にまとめる手段、例えば結束体や溶着などの結合手段でまとめることが好ましい。
また、手提げ部と袋本体が一体となっている袋素材の場合は、手提げ部がばらけないので取扱いに便利である。
また、舌片に結合要素が設けられており、分離要素が結合要素を囲むよう形成されている袋素材であって、袋素材集合体から袋素材を分離すると舌片に穴が形成される袋となるものは、一方の舌片を他方の舌片の穴の中に通して使用できる。
【0035】
取付要素としては、例えば両面粘着テープが好適に使用できる。両面粘着テープの代わりに、粘着剤を袋集合体または袋素材集合体の取付側に塗布しても良い。保持具に掛止手段、例えばフックが備えられている場合は、フックに掛ける穴でも良い。また、紐を使用することもできる等、保持具に取り付けられるものであれば、特に限定する意図はない。
【0036】
袋集合体または袋素材集合体を保持する保持具として、容器が好適に使用できる。容器にはゴミ容器、部品収容容器など、その用途は問わない。また、管体または棒体でフレームを形成し、袋集合体または袋素材集合体を保持する構造の保持具でも良く、袋集合体または袋素材集合体を保持できれば、特に限定する意図はない。
【0037】
(作用)
本発明に係る作用の一例を説明する。
袋集合体または袋素材集合体を、上部に開口枠を有する自立性の保持具(例えば容器)内に入れ、取付要素(例えば粘着部)で袋保持具の外面に取付ける。
【0038】
その後に、袋集合体または袋素材集合体の最上層側の袋または袋素材の上部側となるシートだけを袋素材または袋素材集合体からはぎ取って取り外して、被包物(例えば、ゴミ、各種物品)を入れる開口部を開き、開口部の縁を捲って裏返しにして保持具の開口枠に装着する。これによって、袋または袋素材の開口部は拡げられ、袋または袋素材内に被包物を投入できる。なお、袋素材の場合は、上部に開口部を有する袋の半加工品となる。
【0039】
袋または袋素材内の被包物を保持具から取り出すときは、袋集合体または袋素材集合体側に残した下部側となるシートを分離要素に沿って袋集合体または袋素材集合体から分離する。これによって袋素材の場合は、袋の半加工品から袋が形成される。また、袋に取手穴が形成される。
その後、取手穴に手指を入れまたは手提げ部を手で掴み、保持具から引き上げて、適宜処理する。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、袋集合体または袋素材集合体を保持具に取り付け、袋集合体または袋素材集合体から、袋を分離しまたは剥がして使用できるので、一枚ずつ袋を保持具に取り付けて使用する場合よりも、袋の簡便な使用が可能となる。
また、分離要素によって袋集合体または袋素材集合体から、袋を破損することなく分離しまたは剥がすことができる。
更に、袋には取手穴または手提げ部が備えられるので、容器内から袋を引き出しやすく、運搬も容易となる。
更にまた、袋素材集合体から袋素材を分離すると手提げ部が形成される袋となるものは、分離前は、手提げ部は袋素材に一体化しているので、手提げ部だけがばらつくことが無く、取扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態を示す斜視説明図である。
【図2】図1に示す袋集合体を、容器に装着する様子を示す斜視説明図である。
【図3】図1に示す袋集合体を、容器に装着した様子を示しており、円内は、袋集合体から袋の上部側となるシートを分離した状態を示す、要部を拡大した断面説明図である。
【図4】図1に示す袋集合体の使用状態のサイクルを示す説明図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態を示す平面説明図である。
【図6】本発明に係る第3の実施の形態を示す平面説明図である。
【図7】本発明に係る第4の実施の形態を示す平面説明図である。
【図8】本発明に係る第5の実施の形態を示す平面説明図である。
【図9】図8に示す袋素材集合体を、保持フレームに装着する様子を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る第6の実施の形態を示す平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明を図に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
【実施の形態1】
【0043】
図1乃至図4を参照する。
袋集合体1は、上端に対向する自由縁部で形成されている開口部11を有する柔軟なプラスチック(例えばポリエチレンであり、以下の実施の形態においても同じである)製の袋10を扁平状に折り畳み、開口部11が同じ方向になるように揃えて複数枚重層した状態で結合して形成されている。袋集合体1は、袋集合体1の一方の外層側(図1における上面側)の袋10から順に一枚ずつ袋10を分離して使用する。
【0044】
袋10は、例えば透明なチューブ状に形成された単一の柔軟なプラスチック製のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部12を対向して形成して扁平化して二枚重ねとし、更に熱溶着により密封された封じ部13を袋10の下端部に有する。折り込み部12は、ガゼットや襠とも称される。120は、折り込み部の端縁である。
【0045】
袋集合体1は、重層されている複数枚の袋10を一体に結合する結合要素である結合穴14を有する。結合穴14は、袋10の上端の開口部11よりやや下方で、幅方向の中央部分に、横並びに三箇所設けられている。
【0046】
結合穴14は、加熱した棒を重層されている複数枚の袋10に貫通させ、棒の周囲のシートを溶融して複数枚の袋10を一体に結合して形成される。
【0047】
結合穴14は、重層されている複数枚の袋10を一体に結合するものであり、縦方向二箇所や四箇所あるいは三角形の頂点の位置に設けることもでき、その形状、方向や数は、適宜設定される。このことは、以下に示す実施の形態の場合も同様である。
【0048】
三箇所の結合穴14を囲んで、袋集合体1から一枚の袋を分離する分離要素15が設けられている。分離要素15は、例えばミシン目または弱め線が使用される。
分離要素15は、例えばミシン目を形成する形成刃を重層されている複数枚の袋10に貫通させて形成することができる。また、例えば、予め袋一枚ずつに分離要素15を設けておくことによっても形成できる。
【0049】
三箇所の結合穴14を囲む分離要素15は、小判形または長円形状を描くように形成する。分離要素15により、袋集合体1から袋10を分離したとき、袋集合体1側には、袋10から分離された分離片である分離部16が残る。分離部16は結合穴14で結合されているから、袋集合体1から全ての袋10を分離したときは、分離部16はシートの分離片の一塊となる。
【0050】
分離部16には、取付要素であり、表裏両面に接着面を有する粘着テープ17の一方の面が接着されている。粘着テープ17は、袋集合体1の他方の外層側の分離部16の外面側に設けられている。粘着テープ17は、例えばプラスチック製の容器Bに取付けられる。
なお、容器Bは自立性を有し、その素材は、プラスチック製に限定されるものではなく、例えば、金属製、木製など適宜な素材が使用できる。このことは以下の実施の形態に使用する容器についても同様である。
【0051】
(作用)
図2乃至図4を参照する。
図2に示すように、袋集合体1を容器Bの開口部B1から入れる。その際に、粘着テープ17を接着した側が、容器Bの外側にくるようにする。袋集合体1を容器B内に入れたら粘着テープ17の他方の面の剥離紙を剥がして容器Bの外側面B2に接着する(図3、図4(a)参照)。しかる後、袋集合体1の上層側から順に一枚ずつ袋10を分離して使用する。
【0052】
使用方法の一例として、例えば、袋10の二枚重ねのシートのうち、上部側となるシート101(粘着テープ17と反対方向側のシート)だけを袋集合体1から剥ぎ取り、下部側となるシート102(粘着テープ17方向側のシート)は、剥ぎ取らずに袋集合体1側に残す。
【0053】
袋10の上部側となるシート101は、袋集合体1から剥ぎ取る際に、分離要素15の箇所から剥ぎ取られ、分離部16が袋10の上部側となるシート101から除去され、シート101に取手穴18が形成される。
そして袋10の下部側となるシート102を袋集合体1側に残したまま開口部11を開き、開口部11の縁を捲るようにして容器Bの開口部縁B3に被せる。
【0054】
袋10の中に内容物、例えばゴミが所要量溜まったら、袋10の下部側となるシート102を分離要素15の箇所から剥ぎ取り、袋10を袋集合体1から取り去る。剥ぎ取る際に、下部側のシート102から分離部16が除去され、同シート102に取手穴18が形成される。
【0055】
これによって袋10全体が袋集合体1から分離すると共に、袋10の両側のシート101,102に手指が入る大きさの取手穴18が形成される。取手穴18の大きさは、収容物の重量が軽ければ、指一本が入る程度でも良いし、重ければ全部の手指が入る大きさに設定される等、収容物の重量によって適宜設定される。
【0056】
その後は、容器Bから袋10を引き上げて取り去り(図4(c)参照)、前記袋10の取り去りに伴い上層に位置する袋10を、前記と同様にして容器Bに取りつけ、順次同様にして袋集合体1の袋10を全て使用する。
【0057】
全ての袋10を使用した後は、結合穴14を有する分離部16は、シートの分離片の一塊となって容器B側に接着したまま残るので、それを取り去り、新しい袋集合体1を前記と同様にして使用する。
【実施の形態2】
【0058】
図5を参照する。
袋集合体2は、上端に対向する自由縁部で形成されている開口部21を有する柔軟なプラスチック製の袋20を扁平状に折り畳み、開口部21が同じ方向になるように揃えて複数枚重層した状態で結合して形成されている。袋集合体2は、袋集合体2の一方の外層側(図5に表示されている側)の袋20から順に一枚ずつ袋20を分離して使用する。
【0059】
袋20は、例えば透明なチューブ状に形成された単一の柔軟なプラスチック製のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部22を対向して形成して扁平化して二枚重ねとし、更に熱溶着により密封された封じ部23を袋20の下端部に有する。折り込み部22は、ガゼットや襠とも称される。220は、折り込み部の端縁である。
【0060】
袋集合体2は、重層されている複数枚の袋20を一体に結合する結合要素である結合穴24を有する。結合穴24は、袋20の上端の開口部21よりやや下方で、幅方向の中央部分に、横並びに三箇所設けられている。
【0061】
結合穴24は、加熱した棒を重層されている複数枚の袋20に貫通させ、棒の周囲のシートを溶融して複数枚の袋20を一体に結合して形成される。
【0062】
三箇所の結合穴24を、上端縁29の一部と共に囲んで、袋集合体2から一枚の袋を分離する分離要素25が設けられている。分離要素25は、例えばミシン目または弱め線が使用される。本実施の形態では分離要素25は、長手方向の上半分が欠損した半小判形または半長円形状を描くように設けられている。
【0063】
分離要素25により、袋集合体2から単一の袋20を分離したとき、袋集合体2側には長手方向の上半分が欠損した外形が半小判形または半長円形状の分離部26が残る。袋20には、分離部26が除かれた痕跡による切欠部が形成される。
分離部26は結合穴24で結合されているから、袋集合体2から全ての袋20を分離したときは、結合穴24を有する分離部26は、シートの分離片の一塊となる。
【0064】
分離部26には、取付要素であり、表裏両面に接着面を有する粘着テープ27の一方の面が接着されている。粘着テープ27は、袋集合体2の他方の外層側の分離部26の外面側に設けられている。
【0065】
分離部26の下方には、取手穴28が、予め袋集合体2を貫通して形成されている。取手穴28の大きさは、収容物の重量が軽ければ、指一本が入る程度でも良いし、重ければ全部の手指が入る大きさに設定される等、収容物の重量によって適宜設定されることは、実施の形態1の場合と同様である。
【0066】
(作用)
本実施の形態に係る袋集合体2及び袋20には、予め取手穴28が形成されていること及び袋20の上端部分の分離部26の除去に伴って、袋20の上端縁に切欠部が形成されること、を除いては、実施の形態1の場合と大体において同様であるので、使用方法については実施の形態1の説明を援用し、説明を省略する。
【実施の形態3】
【0067】
図6を参照する。
袋集合体3は、上端に対向する自由縁部で形成されている開口部31を有する柔軟なプラスチック製の袋30を扁平状に折り畳み、開口部31が同じ方向になるように揃えて複数枚重層した状態で結合して形成されている。袋集合体3は、袋集合体の一方の外層側(図6に表示されている側)の袋30から順に一枚ずつ袋30を分離して使用する。
【0068】
袋30は、例えば透明なチューブ状に形成された単一の柔軟なプラスチック製のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部32を対向して形成して扁平化して二枚重ねとし、更にシートの下端部と上端部に熱溶着により密封された封じ部33,330を有している。
【0069】
シートの中央部分に、折り込み部32の端縁320の一部を含んで上端部の封じ部330側から下端部の封じ部33に向けて抜き部を形成することにより、上端が開口し両側部に折り込み部32を有する袋本体300と、袋本体300の折り込み部から連続して上方に延びる折り込み部に取手穴(図示省略)を有し、前記袋本体300の上部両側に備わる手提げ部310と、両手提げ部310の間の袋本体300上縁に形成され、熱溶着により封じられた封じ部が取り去られた、先端が対向する自由端となっている舌片360と、が形成されている。
【0070】
袋集合体3は、舌片360の上端部より下方に設けられており、重層されている複数枚の袋30を一体に結合する結合要素である結合穴34を有する。結合穴34は、舌片360に、横方向に三箇所設けられている。結合穴34は二箇所や四箇所に設けることもでき、その形状、方向や数は、適宜設定される。
【0071】
結合穴34は、加熱した棒を重層されている複数枚の袋30に貫通させ、棒の周囲のシートを溶融して複数枚の袋30を一体に結合して袋集合体3を形成している。
袋集合体3から単一の袋30を分離する分離要素35が、舌片360に設けられている結合穴34の下側に設けられている。分離要素35は、例えばミシン目または弱め線が使用される。本実施の形態では分離要素35は、横方向に直線状である。分離要素35により、袋集合体3から単一の袋30を分離したとき袋集合体3側には舌片360の先端部分である分離部36が残る。
【0072】
分離部36には、表裏両面が接着面になっている粘着テープ37の一方の面が接着されている。粘着テープ37は、袋集合体3の他方の外層側の分離部36の外面側に設けられている。
【0073】
また、手提げ部の間に、舌片が無い形態の袋及び袋集合体を形成する場合は、シートの中央部分に、折り込み部の端縁320の一部を含んで上端部の封じ部330側から下端部の封じ部33に向けて「V」形状、「U」形状、または「コ」(角底)形状の抜き部を形成する。
この場合は、重層されている複数枚の袋30を一体に結合する結合要素である結合穴は、実施の形態1の袋のように、袋本体300の上端の開口部31よりやや下方に設けられ、結合穴を囲んで袋集合体3から一枚の袋30を分離する分離要素が設けられる。
【0074】
また、実施の形態2の袋のように、袋本体300の上端の開口部よりやや下方に設けられ、分離要素は、袋本体300の上端縁の一部と共に結合穴を囲んで設けられる。
分離要素に、例えばミシン目または弱め線が使用されることは前記の場合と同様である。
【0075】
(作用)
本実施の形態に係る袋集合体3及び袋30には、袋本体300の上部両側に、取手穴を有する手提げ部310が形成されていること、を除いては、実施の形態1の場合と大体において同様であるので、使用方法については実施の形態1の説明を援用し、説明を省略する。
【実施の形態4】
【0076】
図7を参照する。
本実施の形態は、実施の形態3で説明した袋及び袋集合体の場合とは、舌片に形成される分離要素の形状が異なっているだけであるから、同一箇所には同一符号を付して説明する。
【0077】
袋集合体3は、舌片360の上端部より下方に設けられており、重層されている複数枚の袋30を一体に結合する結合要素である結合穴34を有する。結合穴34は、舌片360に、横方向に三箇所設けられている。結合穴34は二箇所や四箇所に設けることもでき、その形状、方向や数は、適宜設定される。
【0078】
結合穴34は、加熱した棒を重層されている複数枚の袋30に貫通させ、棒の周囲のシートを溶融して複数枚の袋30を一体に結合して袋集合体3を形成している。
【0079】
袋集合体3から単一の袋30を分離する分離要素350が、舌片360に設けられている結合穴34を囲んで設けられている。分離要素350は、例えばミシン目または弱め線が使用される。分離要素350により、袋集合体3から単一の袋30を分離したとき、袋集合体3側には分離部36が残る。
【0080】
本実施の形態では分離要素350は、角円の四角形状を描くように設けられているが、この形状に限定されるものではなく、長円形状、三角形状等、形状は適宜設定される。また、結合穴34が複数設けられる場合は、各結合穴を囲むように、分離要素も複数設けることもできる。
【0081】
その他の構成などは、前記実施の形態3の場合と同様であるので、実施の形態3の説明を援用し、説明を省略する。
【実施の形態5】
【0082】
図8を参照する。
本実施の形態、及び後記の実施の形態6の場合は、前記実施の形態1〜4の袋のように、予め形成された開口部を有していない。従って、袋に相当するものを袋素材とし、袋集合体に相当するものを袋素材集合体として説明する。
【0083】
袋素材集合体4は、例えば透明なチューブ状に形成された柔軟なプラスチック製の単一のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部42を対向して形成して扁平化し、更にシートの下端部と上端部に、熱溶着により封じられた封じ部43,430を有する袋素材40を、複数枚重層した状態で一体に結合して形成されている。袋素材集合体4の一方の外層側の袋素材40(図8に表示されている側)から順に一枚ずつ分離して使用する。
【0084】
前記シートには、上端部側中央部分に設けられており、上端部縁49及び両側の折り込み部42の端縁420の一部を含む第1の分離部440と、下端部の封じ部43を含む袋構成部450と、に区分する第1の分離要素48を有している。第1の分離要素48には、例えばミシン目または弱め線が使用される。
本実施の形態では第1の分離要素48は、概ね逆凹形状の第1の分離部440が形成されるように設けられている。
【0085】
第1の分離要素48によって袋構成部450には、
上端が開口し両側部に折り込み部42を有する袋本体となる部分400と、
袋本体となる部分400の折り込み部42から連続して上方に延びる折り込み部に取手穴(図示省略)を有し、前記袋本体となる部分400の上部両側に備わる手提げ部となる部分410と、
手提げ部となる部分410の間に形成され、先端の溶着部が取り去られて舌片となる部分460と、が形成される。
【0086】
袋素材集合体4は、舌片となる部分460に設けられており、重層されている複数枚の袋素材40を一体に結合する結合要素である結合穴44を有する。結合穴44は、舌片となる部分460に横方向に三箇所設けられている。
【0087】
結合穴44は、加熱した棒を重層されている複数枚の袋素材40に貫通させ棒の周囲のシートを溶融して複数枚の袋素材40を結合して形成される。
【0088】
袋素材集合体4から単一の袋素材40を分離する第2の分離要素45が、結合穴44を囲んで設けられている。第2の分離要素45は、例えばミシン目または弱め線が使用される。
本実施の形態では第2の分離要素45は、小判形状または長円形状の線が形成されるように設けられている。
【0089】
第2の分離要素45により、袋素材集合体4から単一の袋素材40を分離したとき袋素材集合体4側には、外形が概ね小判形状または長円形状の第2の分離部470が残る。
なお、第2の分離要素45は、結合穴44を囲んで設けられておれば、その形状は限定されないことは前記実施の形態の場合と同様である。
【0090】
図9に示すように、第2の分離部470には、取付要素である表裏両面が接着面になっている粘着テープ47の一方の面が接着されている。粘着テープ47は、袋素材集合体4の他方の外層側の第2の分離部470の外面側に設けられている。
【0091】
また、手提げ部の間に、舌片が無い形態の袋を形成する場合は、シートの中央部分に、折り込み部の端縁420の一部を含んで上端部の封じ部430側から下端部の封じ部43に向けて「V」形状、「U」形状、または「コ」(角底)形状の抜き部を形成する第1の分離要素48が設けられる。
【0092】
この場合は、重層されている複数枚の袋素材40を一体に結合する結合要素である結合穴は、実施の形態1の袋のように、袋本体となる部分400の上端の開口部となる部分よりやや下方に設けられ、結合穴を囲んで袋素材集合体4から一枚の袋素材40を分離する分離要素が設けられる。
また、実施の形態2の袋のように、袋本体となる部分400の上端の開口部となる部分よりやや下方に設けられ、分離要素は、袋本体となる部分400の上端縁の一部と共に結合穴を囲んで設けられる。
分離要素に、例えばミシン目または弱め線が使用されることは前記の場合と同様である。
【0093】
粘着テープ47は、保持具である例えば保持フレームC(図9参照)の開口枠C2に接着される。保持フレームCは、自立性を有し、四方に配置した支脚C4の上端に開口枠C2を有する形状をしている。
【0094】
(作用)
図9に示すように、袋素材集合体4を保持フレームCの開口枠C2から入れる。袋素材集合体4を保持フレームCの開口枠C2に入れたら粘着テープ47の他方の面を開口枠C2の外側面C20に接着し固定する。
【0095】
袋素材集合体4は、袋素材集合体4の上層側から順に一枚ずつ袋素材40を分離して使用するが、使用に当たっては、まず、第1の分離要素48の箇所から第1の分離部440を除去する。これによって、上端が開口し両側部に折り込み部42を有する袋本体と、袋本体の折り込み部42から連続して上方に延びる折り込み部に取手穴(図示省略)を有し、袋本体の上部両側に備わる手提げ部と、手提げ部の間に形成され、先端が対向する自由端となっている舌片が形成される。
【0096】
しかる後に、袋素材40の上部側のシート401だけを第2の分離要素45の箇所からから剥ぎ取り、下部側のシートは、剥ぎ取らずに袋素材集合体4側に残す。
【0097】
袋素材40の上部側となるシート401を袋素材集合体4から剥ぎ取る際に、第2の分離要素45の箇所から第2の分離部470が袋素材40から除去される。
その後の使い方は、第1の実施の形態と概ね同じであるので、使用方法については実施の形態1の説明を援用し、説明は省略する。
【実施の形態6】
【0098】
図10を参照する。
袋素材集合体5は、例えば透明なチューブ状に形成された柔軟なプラスチック製の単一のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部52を対向して形成して扁平化し、更にシートの下端部と上端部に熱溶着により封じられた封じ部53,530を有する袋素材50を複数枚重層した状態で一体に結合して形成されている。袋素材集合体5の一方の外層側の袋素材50(図10に表示されている側)から順に一枚ずつ分離して使用する。
【0099】
前記シートには、上端部側中央部分に設けられており、上端部縁59及び両側の折り込み部52の端縁520の一部を含む分離部540と、下端部の封じ部53を含む袋構成部550と、に区分する分離要素58を有している。分離要素58には、例えばミシン目または弱め線が使用される。
本実施の形態では分離要素58は、概ね逆凹形状の分離部540が形成されるように設けられている。
【0100】
分離要素58によって袋構成部550には、
上端が開口し両側部に折り込み部52を有する袋本体となる部分500と、
袋本体となる部分500の折り込み部52から連続して上方に延びる折り込み部に取手穴(図示省略)を有し、前記袋本体となる部分500の上部両側に備わる手提げ部となる部分510と、
手提げ部となる部分510の間に形成され、先端が対向する自由端となっている舌片となる部分560と、が形成される。
【0101】
袋素材集合体5は、重層されている複数枚の袋素材50を一体に結合する結合要素である結合穴54を、分離部540側に有する。本実施の形態では結合穴54は、舌片となる部分560の両側にそれぞれ一箇所ずつ設けられている。結合穴54は、縦方向二箇所や四箇所等のように複数箇所に設けることもでき、その配置、形状、方向や数は、適宜設定される。
【0102】
結合穴54は、加熱した棒を重層されている複数枚の袋素材50に貫通させ棒の周囲のシートを溶融して複数枚の袋素材50を結合して形成される。
【0103】
分離要素58は、上端部縁59と共に結合穴54を囲んで設けられ、前記のように本実施の形態では分離要素58は、袋素材50の中央部分に概ね逆凹形状の分離部540が形成されるように設けられている。従って、分離要素58に沿って、袋素材集合体5から単一の袋素材50を分離したときには、袋素材集合体5側には外形が概ね逆凹形状の分離部540が残る。
【0104】
分離部540には、取付要素、例えば表裏両面が接着面になっている粘着テープ57の一方の面が接着されている。
粘着テープ57は、袋素材集合体5の他方の外層側の分離部540の外面側に設けられている。
【0105】
また、手提げ部の間に、舌片が無い形態の袋を形成する場合は、シートの中央部分に、折り込み部の端縁520の一部を含んで上端部の封じ部530側から下端部の封じ部53に向けて「V」形状、「U」形状、または「コ」(角底)形状の抜き部を形成する分離要素が設けられる。
【0106】
この場合は、重層されている複数枚の袋素材50を一体に結合する結合要素である結合穴は、実施の形態1の袋のように、袋本体となる部分500の上端の開口部となる部分よりやや下方に設けられ、結合穴を囲んで袋素材集合体5から一枚の袋素材50を分離する分離要素が設けられる。
また、実施の形態2の袋のように、袋本体となる部分500の上端の開口部となる部分よりやや下方に設けられ、分離要素は、袋本体となる部分500の上端縁と共に結合穴を囲んで設けられる。
分離要素に、例えばミシン目または弱め線が使用されることは前記の場合と同様である。
【0107】
(作用)
本実施の形態に係る袋素材集合体5は、自立性を有する保持具に取り付けて使用すること、及び使用方法については、前記実施の形態1〜5の場合と概ね同様であるが、本実施の形態に係る袋素材集合体及び使用方法について敷衍して説明する。
【0108】
使用に当たっては、袋素材集合体5の上層側から順に一枚ずつ袋素材50を分離して使用する。分離要素58の箇所から袋構成部550を除去するが、袋素材50の上部側のシート501だけを分離要素58の箇所からから剥ぎ取り、分離部540と下部側のシートは、剥ぎ取らずに袋素材集合体5側に残す。
【0109】
その後は、分離部540と袋素材50の下部側となるシートを袋素材集合体5側に残したまま開口部を開き、使用する。
【0110】
袋素材50の中に内容物、例えばゴミが所要量溜まったら、袋素材50の下部側となるシートを分離要素58の箇所から剥ぎ取ることによって袋素材集合体5から袋素材50が取り去られ、分離部540を除いた袋構成部550により、袋が形成される。
【0111】
その後は、保持具からから袋を取り去り、前記袋の取り去りに伴い上層に位置する袋素材50を、前記と同様にして保持具に取りつけ、順次同様にして袋素材集合体5の袋素材50を全て使用する。
【0112】
全ての袋素材50を使用した後は、分離部540だけが保持具側に接着したまま残るので、それを取り去り、新しい袋素材集合体5を前記と同様にして使用する。
【0113】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0114】
1 袋集合体
10 袋
11 開口部
12 折り込み部
13 封じ部
14 結合穴
15 分離要素
16 分離部
17 粘着テープ
18 取手穴
101、102 シート
2 袋集合体
20 袋
21 開口部
22 折り込み部
23 封じ部
24 結合穴
25 分離要素
26 分離部
27 粘着テープ
28 取手穴
29 上端縁
3 袋集合体
30 袋
31 開口部
32 折り込み部
33 封じ部
34 結合穴
35 分離要素
36 分離部
37 粘着テープ
300 袋本体
310 提げ部
320 端縁
330 封じ部
350 分離要素
360 舌片
4 袋素材集合体
40 袋素材
42 折り込み部
43 封じ部
44 結合穴
45 分離要素
46 分離部
47 粘着テープ
48 分離要素
49 上端部縁
400 袋本体となる部分
401 シート
410 手提げ部となる部分
420 端縁
430 封じ部
440 分離部
450 袋構成部
460 舌片となる部分
470 分離部
5 袋素材集合体
50 袋素材
52 折り込み部
53 封じ部
54 結合穴
57 粘着テープ
58 分離要素
59 上端部縁
500 袋本体となる部分部分
501 シート
510 手提げ部となる部分
520 分離部
520 端縁
530 封じ部
540 分離部
550 袋構成部
560 舌片となる部分
B 容器
B1 開口部
B2 外側面
B3 開口部縁
C 保持フレーム
C2 開口枠
C20 外側面
C4 支脚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に開口部を有する柔軟なプラスチック製の袋を扁平状に折り畳み、前記開口部が同じ方向になるように揃えて複数枚重層した状態で結合要素で結合して袋集合体が形成されており、当該袋集合体を取付要素により保持具に取付け、前記袋集合体から前記袋を一枚または複数枚ずつ分離して使用する袋集合体であって、
当該袋集合体を構成する前記袋は、袋集合体から分離するための分離要素を有しており、当該分離要素から袋を分離したとき、前記袋集合体側には、袋の一部が分離部として残り、当該分離部側には、前記結合要素と前記保持具への取付要素が備わることを特徴とする、
袋集合体。
【請求項2】
前記袋集合体から分離された袋には、前記分離部が除かれた痕跡による取手穴または切欠部が形成されることを特徴とする、
請求項1記載の袋集合体。
【請求項3】
前記袋集合体は、外層側の袋から順に分離して使用されるものであり、
前記結合要素は、前記開口部より下方に設けられており、
前記分離要素は、前記結合要素を囲んで設けられており、
前記取付要素は、前記袋集合体の取付側に設けられており、
前記袋集合体から分離された袋は、前記分離部が除かれた痕跡による取手穴を有することを特徴とする、
請求項1記載の袋集合体。
【請求項4】
前記袋集合体は、外層側の袋から順に分離して使用されるものであり、
前記結合要素は、前記開口部より下方に設けられており、
前記分離要素は、前記開口部縁の一部と共に前記結合要素を囲んで設けられており、
前記取付要素は、前記袋集合体の取付側に設けられており、
前記袋集合体には、袋集合体を貫通して取手穴が設けられており、
前記袋集合体から分離された袋は、前記分離部が除かれた痕跡による切欠部と、前記取手穴を有することを特徴とする、
請求項1記載の袋集合体。
【請求項5】
前記袋集合体は、外層側の袋から順に分離して使用されるものであり、
前記袋は、
チューブ状に形成された単一のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部を対向して形成して扁平化し、前記シートの上端部と下端部に熱溶着により封じられた封じ部を有し、
前記シートの中央部分に、前記折り込み部端を含んで前記シートの上端部側から下端部側に向けて抜き部が形成されることにより、
上端が開口し両側部に折り込み部を有する袋本体と、
当該袋本体の折り込み部から連続して延びる折り込み部に取手穴を有し、前記袋本体の上部両側に備わる手提げ部と、
が備わっていることを特徴とする、
請求項1記載の袋集合体。
【請求項6】
前記袋は、前記手提げ部の間の袋本体上縁に先端が対向する自由端となっている舌片を備え、当該舌片には前記結合要素が設けられており、前記分離要素は、前記結合要素を囲んで、または結合要素よりも前記袋本体側に舌片を横断するように設けられていることを特徴とする、
請求項5記載の袋集合体。
【請求項7】
前記結合要素は、前記袋本体に設けられ、前記分離要素は、前記結合要素を囲んで、または前記開口部縁の一部と共に前記結合要素を囲んで設けられていることを特徴とする、
請求項5記載の袋集合体。
【請求項8】
前記分離要素が、ミシン目または弱め線である、請求項1から7のいずれかの1項に記載の袋集合体。
【請求項9】
前記袋集合体は、上部に開口枠を有する自立性の保持具内に入れられて前記取付要素は前記保持具の外面に取付けられ、前記袋集合体の最上層側の袋の上部側となるシートだけが前記袋集合体から取り外されて開口部が開かれ、当該開口部の縁部は前記袋保持具の開口枠に装着されるものである、請求項1から8のいずれかの1項に記載の袋集合体。
【請求項10】
前記保持具が容器である、請求項1から9のいずれかの1項に記載の袋集合体。
【請求項11】
前記取付要素が粘着部である、請求項1から9のいずれかの1項に記載の袋集合体。
【請求項12】
上端に開口部となる部分を有する柔軟なプラスチック製の袋素材を扁平状に折り畳み、前記開口部となる部分が同じ方向になるように揃えて複数枚重層した状態で結合要素で結合して袋素材集合体が形成されており、当該袋素材集合体を取付要素により保持具に取付け、前記袋素材集合体から前記袋素材を一枚または複数枚ずつ分離して使用する袋素材集合体であって、
当該袋素材集合体を構成する前記袋素材は、袋素材集合体から分離するための分離要素を有しており、当該分離要素から袋素材を分離すると、分離した側は、開口部を有する袋となり、前記袋素材集合体側には、袋素材の一部が分離部として残り、当該分離部側には、前記結合要素と前記保持具への取付要素が備わることを特徴とする、
袋素材集合体。
【請求項13】
袋素材集合体から分離された袋には、取手穴を有する手提げ部が開口部の両側に備わることを特徴とする、
請求項12記載の袋素材集合体。
【請求項14】
チューブ状に形成された柔軟なプラスチック製のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部を対向して形成して扁平化し、更にシートの上端部と下端部に熱溶着により封じられた封じ部を有する袋素材を複数枚重層した状態で結合要素で結合して袋素材集合体が形成されており、当該袋素材集合体を取付要素により保持具に取付け、前記袋素材集合体の外層側の袋素材を分離して使用する袋素材集合体であって、
前記袋素材は、
前記上端部側中央部分に設けられており前記上端部の封じ部及び両側の折り込み部の端縁を含む分離部と、
前記下端部の封じ部を含む袋構成部と、
に区分する分離要素を有し、
当該分離要素は、
上端が開口し両側部に折り込み部を有する袋本体となる部分と、
当該袋本体の折り込み部から連続して延びる折り込み部に取手穴を有し、前記袋本体となる部分の上部両側に備わる手提げ部となる部分と、
を形成すべく構成されており、
前記分離要素から袋素材を分離すると、分離した側は、開口部を有する袋本体と手提げ部を有する袋となり、前記袋素材集合体側には、袋素材の一部が分離部として残り、当該分離部側には、前記結合要素と前記保持具への取付要素が備わることを特徴とする、
袋素材集合体。
【請求項15】
前記結合要素は、前記分離部側にあり、
前記分離要素は、前記袋本体となる部分、前記手提げ部となる部分、に加えて、前記手提げ部となる部分の間に、先端が対向する自由端である舌片となる部分が袋本体となる部分から延びて形成されるべく構成されている、
請求項14記載の袋素材集合体。
【請求項16】
チューブ状に形成された柔軟なプラスチック製のシートの両側に、内側へ折り込まれている折り込み部を対向して形成して扁平化し、更にシートの上端部と下端部に熱溶着により封じられた封じ部を有する袋素材を複数枚重層した状態で結合要素で結合して袋素材集合体が形成されており、当該袋集合体を取付要素により保持具に取付け、前記袋素材集合体の外層側の袋素材を分離して使用する袋素材集合体であって、
前記袋素材は、
前記上端部側中央部分に設けられており前記上端部の封じ部及び両側の折り込み部の端縁を含む分離部と、
前記下端部の封じ部を含む袋構成部と、
に区分する第1の分離要素を有し、
当該第1の分離要素は、
上端が開口し両側部に折り込み部を有する袋本体となる部分と、
当該袋本体の折り込み部から連続して延びる折り込み部に取手穴を有し、前記袋本体となる部分の上部両側に備わる手提げ部となる部分と、
当該手提げ部となる部分の間に、前記袋本体の端縁部から延びており先端が対向する自由端である舌片となる部分と、
を形成すべく構成されており、
前記舌片となる部分には前記結合要素が設けられており、当該結合要素を囲んで、または結合要素よりも前記袋本体となる部分側に舌片となる部分を横断するように第2の分離要素が設けられており、
前記第1の分離要素から袋素材を分離すると、分離した側は、開口部を有する袋本体と手提げ部と舌片を有する袋となり、
第2の分離要素から袋素材を分離すると、前記袋素材集合体側には、袋素材の一部が分離部として残り、当該分離部側には、前記結合要素と前記保持具への取付要素が備わることを特徴とする、
袋素材集合体。
【請求項17】
前記分離要素が、ミシン目または弱め線である、請求項12から16のいずれかの1項に記載の袋素材集合体。
【請求項18】
前記袋素材集合体は、上部に開口枠を有する自立性の保持具内に入れられて前記取付要素は前記保持具の外面に取付けられ、前記袋素材集合体の最上層側の袋素材の上部側となるシートだけが前記袋素材集合体から取り外されて開口部が形成されて開かれ、当該開口部の縁部は前記袋保持具の開口枠に装着されるものである、
請求項12から17のいずれかの1項に記載の袋素材集合体。
【請求項19】
前記保持具が容器である、請求項12から18のいずれかの1項に記載の袋素材集合体。
【請求項20】
前記取付要素が粘着部である、請求項12から18のいずれかの1項に記載の袋素材集合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−86860(P2013−86860A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230943(P2011−230943)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(599100578)株式会社 モロフジ (3)
【Fターム(参考)】