説明

被ガス化原料ガス化システム

【課題】被ガス化原料をガス化装置でガス化して合成ガスを生成する際に除去回収される固形物を、再ガス化する原料としてガス化炉に戻したとき、ガス化炉内で生じるクリンカやアグロメレーションの発生を防止するとともに、再ガス化を行うことによるガス化効率の向上が図られるガス化システムを提供する。
【解決手段】ガス化炉2で生成されたガスG1中の固形物Csを除去する第1除去部3と、前記第1除去部3で除去された前記固形分Cs中に含まれる未燃物Cs1と不燃物Cs2とを分離する分離部5とを備えることにより、分離部5でクリンカ発生の原因となる不燃物Cs2を分離し、未燃物Cs1のみをガス化炉2にガス化原料M’として戻すことで、ガス化炉2内でのクリンカの発生防止やガス化効率の向上を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被ガス化原料をガス化炉でガス化して生成した合成ガス中に含まれる固形物を、合成ガス中から回収し、回収した固形物中から未燃物を分離して未燃物のみを再度ガス化炉にガス化原料として戻し、ガス化効率を向上させる被ガス化原料ガス化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
畜産由来の廃棄物、エネルギー作物などのバイオマスや、プラスチック、ゴムなどの有機廃棄物等の被ガス化原料をガス化して合成ガスを生成するガス化炉としては、流動床式、噴流床式、ロータリーキルン式などがある。
【0003】
前記種々のガス化炉で被ガス化原料を熱分解によりガス化させて生成された合成ガス中には、固形物として未燃物(未燃分)である炭素化合物(主に未燃カーボン)や不燃物(不燃分)である灰分、例えば珪酸塩等が含まれている。そこで、ガス化炉の下流側に固形物である未燃物や不燃物を除去する除去部(サイクロン等)と更にその下流にタールを除去するための洗浄装置(湿式洗浄装置)を設け、前記未燃物、不燃物およびタールをそれぞれ除去して、精製された合成ガスを得るようにしている。ここで、上述した除去部で除去された未燃物や不燃物の固形物を「除去部回収物」と言うことにする。
【0004】
従来より、合成ガスを生成するシステムでは、ガス化効率を上げるために、除去部で除去された除去部回収物を、ガス化炉に戻して再ガス化することが行われている(特許文献1)。
しかし、これらには以下のような欠点があった。
例えば、流動床式ガス化炉を用いて被ガス化原料としてバイオマスを使用しガス化を行うと、原料であるバイオマスの一部は、水分および揮発分が蒸発してチャー等の未燃物となる。
【0005】
そして、未燃物は流動床式ガス化炉の流動床部分においてガス化剤として供給される酸素や水蒸気と反応してゆっくりとガス化される。その際に、未燃物は流動床中の流動媒体の作用により物理的に粉砕され細かい粉状物となって軽い状態になっているため、合成ガスの気流に乗って合成ガスと共にガス化炉より排出され、その後ガス化炉より下流に設けられた除去装置(サイクロン等)よって除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−3461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、特許文献1に記載された発明では、除去装置(サイクロン3)で除去(捕集)し回収したチャー(未燃物)をそのまま反応装置1に戻して再ガス化している。しかし、このような構成を採ると、前述したように、チャーは流動床中の流動媒体の作用により物理的に粉砕され細かい粉状物となって除去装置で除去(捕集)されているため、そのままの状態で反応装置1に戻しても、再び合成ガスの気流に乗って合成ガスと共に反応装置1から排出され、再度除去装置で除去され、実際にはほとんど再ガス化されず、現実的にガス化効率が向上しないという欠点を有している。
以上から、除去装置によって除去回収された細かい粉状物であるチャー、すなわち、未燃物を再ガス化するに際しては、ガス化装置に回収した未燃物を戻した時になるべく装置内での滞留時間が長くなるようにして未燃物が再ガス化できるような技術が求められる。
【0008】
また、除去部回収物には未燃物以外にも不燃物である灰分も含まれている。灰分は不燃物であることから、ガス化炉中で燃焼せずガス化炉中の内壁等にくっついて固まる現象(クリンカ)を引き起こし、固まった灰分の量が増えてくるとガス化炉内で生成した合成ガスの流路を狭くしてしまうおそれがある。
【0009】
さらに、特に流動床式ガス化炉では、灰分が流動媒体(砂等)にくっついて大きな塊となり流動媒体の流動性が悪くなる状態、いわゆるアグロメレーションが生じるおそれもあった。
よって、除去部回収物をガス化炉に戻す際に、除去部回収物の中からクリンカやアグロメレーション発生の原因になる不燃物(灰分等)を分離して、未燃物のみをガス化炉に戻す技術が求められる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、その目的は、被ガス化原料をガス化装置でガス化して合成ガスを生成する際に除去回収される除去部回収物から、不燃物を分離して未燃物のみをガス化炉に戻し、クリンカの発生を防止することにある。更に未燃物の再ガス化を効率よく行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第1の態様は、被ガス化原料をガス化するガス化炉と、前記ガス化炉によって生成されたガス中の固形物を除去する第1除去部と、前記第1除去部で除去された前記固形物を、未燃物を主成分とする第1分離物と不燃物を主成分とする第2分離物とに分離する分離部と、を備え、前記分離部によって分離された第1分離物を前記ガス化炉に移してガス化するように構成されている被ガス化原料ガス化システムであって、前記分離部は、前記固形物をスラリー化するスラリータンクと、前記スラリー中の第1分離物の表面に付着剤を付着させて、前記第1分離物の表面改質処理を行う表面改質装置と、前記表面改質がされた第1分離物と前記第2分離物とを分離するための起泡剤と前記表面改質装置によって処理された第1分離物と第2分離物を含むスラリーとを混合処理する調整槽と、前記調整槽で混合処理されたスラリー中の前記表面改質がされた第1分離物と前記第2分離物とを分離する浮選機と、を備えることを特徴とするものである。
【0012】
なお、本明細書中において、第1分離物が未燃物を主成分とすることから、第1分離物を「未燃物等」と、第2分離物が不燃物を主成分とすることから、第2分離物を「不燃物等」という場合がある。また、「未燃物」とはガス化炉に戻され再度被ガス化原料となるので、「可燃分」と称されることもあり、「不燃物」は「不燃分」と称されることもあるが、意味内容は同じである。
【0013】
本態様によれば、第1除去部で除去された前記固形分中に含まれる未燃物等と不燃物等とを適切に分離することができるので、不燃物等が除去されて未燃物等だけをガス化炉に戻すことが可能なため、ガス化炉内でのクリンカの発生を防止することができるとともに、不燃物である灰分が流動媒体(砂等)にくっついて大きな塊となり流動媒体の流動性が悪くなる状態(アグロメレーション)をも軽減することが出来る。
【0014】
本態様において、固形物中の未燃物等と不燃物等を適切に分離するために、前処理として、前記固形物をスラリー化した後、スラリー中の未燃物等の表面に薬剤(付着剤)を付着させ(疎水化あるいは親油性化)未燃物等の表面改質を行う一方、不燃物等をより親水性化する処理を行う。なお、この付着剤は一般に浮選油または捕集剤と呼ばれるものである。
【0015】
また、表面改質(疎水性化)が行われた未燃物等と不燃物等を含むスラリーに、起泡剤を供給して調整槽で撹拌し混合処理することにより、未燃物等に付着剤が付着した部分と起泡剤によって生じた気泡の表面とが接触して、付着剤を介して未燃物等が気泡表面に付着することとなるので、分離剤の表面に未燃物等を集める(捕集する)ことができる。
【0016】
そして、調整槽で前述した撹拌混合処理されたスラリーは、浮選機に送られ、疎水性を有している分離剤の表面に付着した未燃物等と親水性を有している不燃物等が適切に分離されることとなる。すなわち、気泡が上昇するに伴って気泡表面に付着している未燃物等も浮選機の上方へ移動し、一方、親水性化している不燃物等は下方に沈降し、両者の分離を適切に行うことができる。
【0017】
上記のように、本態様では未燃物等と不燃物等とを適切に分離できる分離部を有しているので、未燃物等のみをガス化炉に戻すことが可能となり、クリンカの発生を防止でき、また、流動媒体のアグロメレーションも防止することが可能となる。
【0018】
さらに、浮選機から回収された未燃物等はスラリー状態であり、該スラリー化によって重量が増加し、したがって、ガス化炉中に戻されても、その重量によりガス化炉内での滞留時間も長くなり、生成した合成ガスの気流に乗ってガス化炉外へ運ばれることが減少する。よって、未燃物等のガス化が促進されガス化効率を上げることができる。
【0019】
本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第2の態様は、第1の態様において、前記分離部において分離された第1分離物の液体含有量を調整する第1分離物調整部が設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
本態様によれば、第1の態様の効果に加え、分離部において分離された第1分離物はスラリー状であるため液体(例えば水)を含んでいるため、本態様の第1分離物調整部を設けることにより、液体含有量が調整された第1分離物、すなわち未燃物等をガス化炉に戻すことが出来る。
【0021】
本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第3の態様は、第1または第2の態様において、前記第1除去部を通過したガス中からタールを除去する第2除去部を備え、前記分離部において前記第2除去部で除去されたタールを前記付着剤として使用するように構成されていることを特徴とするものである。
【0022】
本態様によれば、除去されたタールを、分離部において未燃物等と不燃物等を分離するための付着剤として利用することにより、第2除去部で除去されたタールの有効活用が図られシステム全体の効率が向上する。
なお、タールは付着剤である浮選油として用いられる。
ここで、浮選油とは、未燃物の表面に付着して、未燃物の表面を疎水性化し、併用する分離剤(気泡剤)の表面に自身を仲立ちとして未燃物をくっつけて、未燃物等を分離剤(気泡剤)表面に集める捕集剤の役割を果たす油剤である。
【0023】
本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第4の態様は、第3の態様において、前記第2除去部で除去されたタールが、前記付着剤として使用するタール量より多いときは、前記第2除去部で除去されたタールの一部を前記ガス化炉に移すように構成されていることを特徴とするものである。
【0024】
本態様によれば、余剰のタールを被ガス化原料として再度利用することにより、ガス化の効率を上げることができる。
【0025】
本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第5の態様は、第3または第4の態様において、前記第2除去部は前記第1除去部によって固形分が除去されたガス中からタールを洗浄物質によって洗浄物質とともに除去する洗浄部と、前記洗浄物質とともに除去されたタールと前記洗浄物質とを分離するタール洗浄物質分離部と、を備え前記タール洗浄物質分離部において前記タール洗浄物質分離部で前記タールと分離された洗浄物質を、前記固形物をスラリー化するために使用するように構成されていることを特徴とするものである。
【0026】
分離部において、第1除去部で除去された、未燃物等と不燃物等とを含む固形物をスラリー状態にする際、洗浄物質を溶媒として使用することで洗浄物質の有効利用を図ることができる。
【0027】
本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第6の態様は、第2から第5いずれか1つの態様において、前記第1分離物調整部で調整された第1分離物を乾燥するための乾燥部を備えることを特徴とするものである。
【0028】
第1分離物調整部で調整された未燃物等は、依然として液体を含有した塊であり、このままガス化炉に戻した場合、加熱されると共に液体が蒸発し、蒸発と共に塊が崩れてしまい、粒径が小さな塊となって、再びガス化炉で生成された合成ガスの気流に乗って、合成ガスとともにガス化炉から排出され、再度第1除去部で除去される場合があり、再ガス化されない状況が生じてガス化効率が下がってしまう場合がある。
【0029】
本態様によれば、乾燥部において乾燥機で乾燥することにより未燃物等中の粒子同士の結合が強固になり未燃物等の塊の強度が高まるため、この状態でガス化炉内に戻しても未燃物がガス化炉内で崩れることなくガス化を行うことができ、ガス化の効率を上げることができる。
【0030】
本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第7の態様は、第6の態様において、前記ガス化炉によって生成されたガスおよび/または前記第1除去部を通過したガスが有する熱量を、前記乾燥部の熱源として利用するように構成されている構成されていることを特徴とするものである。
本態様によればガス化炉によって生成されたガスの熱量を利用することができるので、システムを効率よく稼動させることができる。
【0031】
本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第8の態様は、第2の態様において、前記第1分離物調整部で調整された第1分離物を造粒する粒状物製造部を有し、前記第1分離物調整部で調整された第1分離物を造粒してから前記ガス化炉に移してガス化するように構成されていることを特徴とするものである。
【0032】
本態様によれば、第1分離物調整部で、本態様の粒状物製造部において造粒可能なように液体含有量を調整した未燃物等を、造粒して粒状物としてからガス化炉に戻すことにより、ガス化炉内での未燃物等の滞留時間を長くすることができ、ガス化の効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第1の実施形態の概略構成図である。
【図2】本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第2の実施形態の概略構成図である。
【図3】本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第3の実施形態の概略構成図である。
【図4】本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第4の実施形態の概略構成図である。
【図5】本発明に係る被ガス化原料ガス化システムの第5の実施形態の概略構成図である。
【図6】未燃物等が表面改質され浮選されるまでを表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るガス化システムの実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0035】
[第1の実施形態]
図1には、本発明に係るガス化システムの第1の実施形態の概略構成図が記載されている。
本態様では、被ガス化原料Mをガス化して合成ガスG1を生成するガス化炉2と、該ガス化炉2において生成した合成ガスG1中に含まれる未燃物等Cs1や不燃物等Cs2を有する固形物Csを除去回収するための第1除去部3である集塵装置31、集塵装置31によって未燃物等Cs1や不燃物等Cs2を有する固形物Csが除去された合成ガスG2中に含有されるタールを除去し、精製合成ガスG3を得るための洗浄部である湿式洗浄装置41、湿式洗浄装置41で合成ガスG2中のタールを除くために使用された洗浄物質とタールの混合物から両者を分離するためのタール洗浄物質分離部である油水分離装置42が設けられている。なお、洗浄部である湿式洗浄装置41、タール洗浄物質分離部である油水分離装置42は第2除去部4を構成している。また、集塵装置31によって除去回収された固形物Cs(以下「第1除去部回収物Cs」という)から未燃物等Cs1と不燃物等Cs2を分離する分離部5が設けられている。
【0036】
そして分離部5によって不燃物等Cs2と分離された未燃物等Cs1は再ガス化するための被ガス化原料M’として、ラインL1を通じてガス化炉2に供給されるように構成されている。また、油水分離装置42によって洗浄物質と分離された凝縮タールCvは、分離部5において第1除去部回収物Csから未燃物等Cs1と不燃物等Cs2を分離するために、未燃物等Cs1の表面を改質をするための薬剤(付着剤)として用いるため、付着剤供給タンク43に貯められる。
以上が本態様のガス化装置の概要である。
【0037】
本発明で使用される被ガス化原料Mは、いわゆる産業廃棄物や有機性廃棄物と言われる物である。産業廃棄物としてはプラスチック等が挙げられる。また有機性廃棄物としてはバイオマス、例えば、稲わら、麦わら、籾殻、竹、笹、パーム椰子空果房、パーム椰子の幹、バガス等サトウキビ由来の廃材等の草本系バイオマス、製材所の残材、間伐材(杉、松、檜、ラワン、ブナ、ゴム、イチジク等)、街路樹剪定材、建築廃材、廃電柱、バーク、ダム流木等の木質系バイオマス、畜産系残渣の一例である鶏糞や牛・豚等の糞尿の畜産由来のバイオマス、更に、発酵残渣、食品残渣、黒液、海藻等が挙げられる。
【0038】
ガス化炉2としては、公知のガス化炉を用いることが可能であり、例えば流動床式ガス化炉、噴流床式ガス化炉、ロータリーキルン等が挙げられる。ガス化炉2は、装置内を低酸素状態にして被ガス化原料Mを約650〜800℃で燃焼させて合成ガスG1を生成させるための装置である。本態様では流動床式ガス化炉を使用している。
流動床式ガス化炉2は、流動媒体Sで流動床21を形成し、酸化剤を酸化剤供給装置の供給口22から吹き込み、流動床21を流動化させ、そこへ被ガス化原料Mを投入してガス化させるように構成されている。また、反応後の被ガス化原料M及び流動媒体Sから成る残渣23は、流動床式ガス化炉2の下方に設けられた排出口24から流動床式ガス化炉2外へ排出される。
【0039】
ここで、流動媒体としては、珪砂、アルミナ、スチールショット、ゼオライト等の流動媒体の使用が可能である。なお、流動媒体の種類は、被ガス化原料Mの種類に応じて任意に選択することができる。
【0040】
流動床式ガス化炉2において生成した合成ガスG1は該ガス化炉2から排出され、合成ガスG1中に含まれる未燃物等Cs1や不燃物等Cs2を除去するために除去部3である集塵装置31へ送られる。
集塵装置31としては、バグフィルターやサイクロン等が挙げられる。集塵装置31は、ガス化の際に生じた合成ガスG1に含まれる未燃物等Cs1や不燃物等Cs2を含む固形物を除去する機能を果たしている。そして集塵装置31で除去回収された未燃物等Cs1や不燃物等Cs2を含む固形物である第1除去部回収物Csは、後述する分離部5へ送られる。
【0041】
一方、集塵装置31で未燃物等Cs1や不燃物等Cs2を含む固形物が除去された合成ガスG2は、洗浄部である湿式洗浄装置41に送られる。
湿式洗浄装置41は、集塵装置31で未燃物等Cs1や不燃物等Cs2を含む固形物である第1除去部回収物Csが除去された合成ガスG2中に残存しているタール分を除去し、精製された合成ガスG3を得るためのものである。一般にはクエンチャーが用いられる。クエンチャーは公知のものを使用することが可能であり、クエンチャーの上部より洗浄液(洗浄物質)を噴霧させ、下部より合成ガスG2を供給し、両者が対向するような状態でクエンチャー内で気液接触させて合成ガスG2中に含まれているタールを洗浄液と共に除去する。ここで、クエンチャー内での処理温度は、50〜100℃が好ましい。
なお、湿式洗浄装置41はクエンチャーに限られるものでなく、例えば、スクラバ等が使用可能である。
【0042】
タールが除去された合成ガスG2は、精製合成ガスG3となりエタノールやメタノールを合成するための原料やコジェネレーションの燃料等の用途に供される。
洗浄液としては、水、カセイソーダ、硫酸等が挙げられるが、コストや取り扱い易さを考慮すると水が好ましい。なお、使用した洗浄液W2は、再び洗浄液として再利用することも出来る。
さらに、後述する分離部5で第1除去部回収物Csをスラリー化するために水を使用するので、その点を考慮すれば、洗浄液が水であれば、使用した水を分離部5で使用する水W1として供給することができるので、システムの効率化を図る上で好ましい。
【0043】
湿式洗浄装置41で洗浄液と共に合成ガスG2より除去されたタールは、タール洗浄物質分離部である油水分離装置42に送られ凝縮タールCvと洗浄液とに分離される。そして、凝縮タールCvは付着剤供給タンク43に貯えられ、必要に応じて分離部5へ送られ、第1除去部回収物Csから未燃物等Cs1と不燃物等Cs2を分離するための、未燃物Cs1の表面を改質する薬剤(付着剤)として用いられる。
【0044】
被ガス化原料の種類によって、第2除去部で除去される凝縮タールCvの種類は異なるが、前記凝縮タールCvの一例としては炭素数が2〜20程度の直鎖もしくは鎖式炭化水素、または環状あるいは芳香族などの各種炭化水素が挙げられる。具体的な物質名を挙げれば、例えば、フェノールやジメチルフェノールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、ベンゾディオースなどの単環芳香族、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどの多環芳香族、アセチル酸、プロピオン酸、酢酸などの有機酸、フラン類、ケトン類である。なお、タールは多種類の化合物の混合物であるため、前述した物質に限定されないのは言うまでもない。
【0045】
ここで、分離部5について説明する。
分離部5は、第1除去部回収物Csから未燃物等Cs1と不燃物等Cs2を分離する部分であり、ここで、分離された未燃物等Cs1がラインL1を通じて再ガス化するための被ガス化原料M’として流動床式ガス化炉2に供給される。
分離部5は、撹拌機50を有するスラリータンク51、表面改質機52、撹拌機50を有する調整槽53、浮選機54で構成される。
【0046】
スラリータンク51では、第1除去部回収物Csに水を加えて撹拌機50にて撹拌しながらスラリーを生成する。また、水分を加えた時に第1除去部回収物Csの濃度が3〜50重量%、好ましくは5〜30重量%となるように加える水分量を調整する。なお、第1除去部回収物Csに加える水は、前述したように第2除去部4で油水分離装置42によってタールと分離された洗浄液が水である場合は、水W1を使用するのが好ましい。洗浄液を再利用することによりシステムの効率化が図られるからである。
【0047】
生成されたスラリーは、付着剤である浮選油として使用される第2除去部4で油水分離装置42によって洗浄液と分離され付着剤供給タンク43に貯えられている凝縮タールCvと混合(図6(1))されて表面改質機52に送られる。
なお、浮選油である凝集タールは表面改質機52に前記スラリーを投入後、表面改質機に加える態様としてもよい。
【0048】
ここで、スラリーに加える凝縮タールCvの量は、未燃物の5〜100重量%、好ましくは10〜30重量%添加するのが好ましい。なお、被ガス化原料の種類により、発生する凝縮タールCvの量が少なく、凝縮タールCvが浮選油として使用する量に満たない場合には、浮選油供給タンク44より油分を供給するようにすれば良い。ここで供給される油としては、灯油、軽油、タール(追加分のタール)等の化石燃料由来のもの、あるいは菜種油、バイオディーゼル燃料等のバイオマス由来のものが使用できるが、環境面を考慮するとバイオマス由来のものが好ましい。また、これら浮選油は単独でスラリーに加えても良い。
【0049】
表面改質機52は、スラリー及び浮選油の混合物に高剪断力を付加する処理を行い、スラリー中の未燃物等Cs1の表面を改質し、浮選性(疎水性)を向上させるための機械である。
表面改質機52としては公知のものでよく、例えば、出願人が発明した表面改質機である横型多段高速ミキサー(特許第4346299号)を使用することができる。
【0050】
表面改質機52によって、スラリー及び浮選油の混合物に強い剪断力を付与すると、未燃カーボンの表面に非常に薄い浮選油の油膜を付着させることができ(図6(2))、この油膜の付着によって未燃物等の表面が改質(疎水性化)され、後述する浮選機54での浮選性が向上する。未燃物等が疎水性化される一方、不燃物等は水に分散していくため、すなわち親水性化していくので両者は分離し易くなる。
【0051】
表面改質機52で表面改質処理された未燃物等と不燃物等を含むスラリーは、撹拌機50を有する調整槽53へ送られる。
調整槽53では、上記スラリーに分離剤である起泡剤を起泡剤供給タンク531から添加し、撹拌機50で穏やかに撹拌処理しながらスラリーの均一化、表面改質された未燃カーボンと気泡剤、浮選油との接触及び結合が図られる。
ここで、気泡材としては、パイン油、テルピネオール、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、高級アルコール等を使用することができる。また、これら気泡剤の供給量は発生する未燃物等の量によって適宜設定が可能である。
【0052】
調整槽53で調整されたスラリーは、浮選機54に送られ、表面改質された未燃物等Cs1と不燃物等Cs2に分離される。
浮選機54では油膜が付着して表面が改質された疎水性化した未燃物等が、気泡剤によって生じた気泡や浮選機54の下部から供給される空気の気泡に油膜の部分で付着して(図6(3))、水面に浮上するので、フロス(残渣)541として回収する。
一方、不燃物等Cs2は未燃物よりも親水性が大きいので浮選機54の下部に沈降するのでテール542として回収する。
【0053】
以上が分離部5の構成であり、分離部5によって、第1除去部回収物Csから未燃物等Cs1とクリンカの発生原因となる不燃物等Cs2を分離することができる構成となっているので、未燃物等Cs1のみを流動床式ガス化炉2に被ガス化原料M’として戻して、流動床式ガス化炉2のガス化効率を向上させることができる。更にクリンカが原因で生じる流動媒体Sのアグロメレーションも防止することが可能となる。
【0054】
また、浮選機45から回収されたフロス541(未燃物等Cs1)はスラリー状態であるため、ガス化炉2に戻すと、含有される液体は蒸発し、未燃物はガス化し、ガス化効率を上げることが出来る。
【0055】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明は省略することとする。
図2には、本発明に係るガス化システムの第2の実施形態の概略構成図が記載されている。
本態様では、浮選機54においてフロス541として回収された未燃物等Cs1に含有される液体含有量を調整するための、第1分離物調整部55とテール542の液体含有量を調整するための第2分離物調整部56を設けた態様である。
【0056】
フロス541として回収された未燃物等Cs1はスラリーであるため、液体(例えば水)を含んでいる。よって第1分離物調整部55を設けることにより、液体含有量が調整された第1分離物すなわち未燃物等Cs1をガス化炉に戻すことが出来る。
【0057】
第1分離物調整部55では、たとえば、固液分離装置であるフィルタープレスが使用できる。なお、固液分離装置としては、フィルタープレス以外にも、ベルトプレス、真空式ろ過機、遠心分離機等が使用できる。
一方、テール542として回収された不燃物等Cs2もスラリーであるため、液体(例えば水)を含んでいる。よって、第2分離物調整部56を設け、液体を取り除き不燃物等Cs2を回収することができる。第2分離物調整部56としては、例えば脱水機等が使用できる。
【0058】
また、フィルタープレス55でフロス541を固液分離処理した際の液体が水である場合、水W3は、例えば、テールを脱水処理した際に生じた水W4とともに、スラリータンク51に供給する構成になっている。このように水を再利用することによりシステム全体の効率が向上する。
【0059】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明は省略することとする。
図3には、本発明に係るガス化システムの第3の実施形態の概略構成図が記載されている。
本態様では、第2の態様で、第2除去部においてガスG2中から除去された凝縮タールCvが、スラリータンク51で生成されたスラリーに付着剤である浮選油として加える量より多く発生した場合に、余剰分の凝縮タールCvをラインL2を通じて流動床式ガス化炉2に戻して再ガス化できるようにした態様である。
この態様により、ガス化効率の向上が図ることが出来る。
【0060】
第2除去部においてガスG2中から除去された凝縮タールCvの量は、原料Mの種類によって異なる。
例えば、原料Mが木質の場合、原料Mを100重量%とすると、第1除去部回収物Cs中の未燃物の量は約5〜25重量%、不燃物(灰分)の量は約5重量%であり、タールの発生量は約3〜10重量%程度である。
【0061】
したがって、スラリータンク51で生成されたスラリーに対して、浮選油として必要な凝縮タールCvの添加量が、第1の実施態様で説明したように、未燃物等の5〜100重量%、好ましくは10〜30重量%添加するのが好ましいことを考慮すれば、凝縮タールCvの量がスラリーに添加する量として不足する場合と余剰となる場合とが生じる。不足した場合は、第1の実施態様のように浮選油供給タンク44より油分を供給するようにすれば良い。一方、凝縮タールCvの量がスラリーに添加する量に対して余剰となる場合は、本態様のように流動床式ガス化炉2に戻して再ガス化の原料とすることでガス化効率の向上が図れる。
【0062】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明は省略することとする。
図4には、本発明に係るガス化システムの第4の実施形態の概略構成図が記載されている。
本態様では、分離部5で分離され、第1分離物調整部55で液体含有量を調整された未燃物Cs1を乾燥部7において乾燥してから、流動床式ガス化炉2に再ガス化原料M’として戻すとともに、合成ガスG1および/又は合成ガスG2が有する熱量を熱交換器8、8’を用いて変換し乾燥部の熱源として利用するようにした態様である。もちろん、熱源については、本態様に限られない。
【0063】
第1分離物調整部55で液体含有量を調整された未燃物Cs1は、依然として液体を含有しており、このままガス化炉2に戻した場合、加熱されると共に液体が蒸発し、蒸発と共に塊が崩れてしまい、粒径が小さな塊となる。よって本態様では乾燥部において乾燥することにより強度を高めからラインL1を通じて流動床式ガス化炉2内に戻すことで、流動床式ガス化炉2内で未燃物等Cs1が崩れることを防止し、流動床式ガス化炉2内に長く滞留させることによりガス化を行い、ガス化の効率を上げることができる。
【0064】
乾燥部においては乾燥機による乾燥が行われるが、乾燥後の含水率は10%以下が好ましい。使用する乾燥機としては、公知の乾燥機が使用できる。例えば、ベルト式乾燥機、アジテータ型乾燥機、直接または間接加熱横型ロータリーキルン、蒸気ジェット式乾燥機などが使用できるが、未燃物等Cs1を乾燥するとともに回転力によって造粒作用を付加できる横型の間接または直接加熱ロータリーキルンが好ましい。
なお、ベルト式乾燥機のように乾燥後の乾燥物の粒径が大きい(約100mm以上)場合は、必要に応じて粗破砕してからガス化炉2内に戻すのが好ましい。
【0065】
また、アジテータ型乾燥機やロータリーキルン型乾燥機は、回転翼やキルンの回転効果により粒度が調整されながら乾燥される。アジテータ型乾燥機では粒径が1〜5mm、ロータリーキルン型乾燥機は1〜50mm程度の粒径で乾燥物がそれぞれの乾燥機より排出されるため、粗破砕の必要はなくそのままガス化炉2内に戻すことができる。さらに、蒸気ジェット式乾燥機であれば、粒径が1mm以下の乾燥物が多くなるため造粒してもよいが、造粒のための無駄なエネルギーをかけないためにそのままガス化炉2内に投入するのが好ましい。
【0066】
上述したように、乾燥物または破砕物の粒径は1〜100mmが好ましいが、より好ましくは5〜25mm程度である。
各乾燥機は、乾燥温度や時間、回転数等は適宜設定可能であり、適切な未燃物等Cs1の粒状物を作ることができる。なお、乾燥機は第1から第3のいずれの実施態様に設けてもよい。
【0067】
さらに、本態様では、合成ガスG1および/またはG2が有する熱量を熱交換器8、8’を用いて変換し乾燥機の熱源として利用している。これにより、乾燥機の熱源をわざわざ設ける必要もなく、システム全体の稼動コストを抑えることができる。
なお、乾燥機の熱源としては、他にも精製した合成ガスG3の一部を燃焼させた際の燃焼熱や精製した合成ガスG3を利用した後のオフガスの燃焼熱を利用すれことも可能である。
【0068】
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明は省略することとする。
図5には、本発明に係るガス化システムの第5の実施形態の概略構成図が記載されている。
本態様では、第1分離物調整部55で液体含有量を調整された未燃物Cs1を粒状物製造部6で造粒してから、ガス化炉2に再ガス化原料M’として戻すようにした態様である。
【0069】
第1分離物調整部55で液体含有量を調整することができるので、未燃物等Cs1を造粒部において造粒できるような調整を行い、造粒を行うことで、粒径を自由に設定でき、ガス化炉2内部での滞留時間を自由に設定することが可能になり、よりガス化炉2の運転を制御しやすくなる。
【0070】
粒状物製造部6では造粒装置により、第1分離物調整部55で液体含有量を調整された未燃物等Cs1と造粒材とを混合して粒状物を製造し、再ガス化するための被ガス化原料M’を製造する。なお、造粒剤としては、第3の実施態様で説明した余剰の凝縮タールCvを使用することができる。製造される粒状物の粒径はガス化炉の種類や規模にもよるが、5〜50mm程度であり、好ましくは5〜25mmの範囲が良い。
【0071】
造粒装置としては、ペレタイザー、アジテータ型混合造粒装置、各種ミキサー、押し出し型ペレット製造装置、パン型回転造粒装置等が挙げられる。なお、粒状物製造部6は第1から第4のいずれの実施態様に設けてもよい。
また、粒状物製造部6においては、粒状物製造部6の工程中で造粒後に乾燥する態様もある。これは、例えば、前述した、ペレタイザーやパン型回転造粒装置等で造粒した場合には、造粒後の含水率が高いため乾燥が必要となる場合があるからである。
一方で、押し型ペレット製造装置の場合は、押し出し圧力により温度が上がるため造粒後の含水率が低いため乾燥が不要になる場合もある。
なお、乾燥後の含水率は10%以下が好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によれば、被ガス化原料をガス化装置でガス化して合成ガスを生成する際、除去回収される固形物から不燃物を分離して未燃物のみをガス化炉に戻し、クリンカやアグロメレーションの発生を防止するとともに、未燃物の再ガス化を行うことによりガス化効率を高めることが出来る。
【符号の説明】
【0073】
1 ガス化システム 2 ガス化炉 3 第1除去部 4 第2除去部
5 分離部 6 粒状物製造部 7 乾燥部 8、8’ 熱交換器
21 流動床 31 集塵装置 41 洗浄部(湿式洗浄装置) 42 タール洗浄物質分離部(油水分離装置) 43 付着剤供給タンク 44 浮選油供給タンク
50 撹拌機 51 スラリータンク 52 表面改質機 53 調整槽
54 分離機(浮選機) 55 第1分離物調整部(フィルタープレス)
56 第2分離物調整部(脱水機)
Cs 第1除去部回収物 Cs1 未燃物 Cs2 不燃物 Cv 凝縮タール
G1、G2、G3 合成ガス W1、W2、洗浄物質(水) W3、W4 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被ガス化原料をガス化するガス化炉と、
前記ガス化炉によって生成されたガス中の固形物を除去する第1除去部と、
前記第1除去部で除去された前記固形物を、未燃物を主成分とする第1分離物と不燃物を主成分とする第2分離物とに分離する分離部と、を備え、
前記分離部によって分離された第1分離物を前記ガス化炉に移してガス化するように構成されている被ガス化原料ガス化システムであって、
前記分離部は、
前記固形物をスラリー化するスラリータンクと、
前記スラリー中の第1分離物の表面に付着剤を付着させて、前記第1分離物の表面改質処理を行う表面改質装置と、
前記表面改質がされた第1分離物と前記第2分離物とを分離するための起泡剤と前記表面改質装置によって処理された第1分離物と第2分離物を含むスラリーとを混合処理する調整槽と、
前記調整槽で混合処理されたスラリー中の前記表面改質がされた第1分離物と前記第2分離物とを分離する浮選機と、を備えることを特徴とする被ガス化原料ガス化システム。
【請求項2】
請求項1に記載された被ガス化原料ガス化システムにおいて、
前記分離部において分離された第1分離物の液体含有量を調整する第1分離物調整部が設けられていることを特徴とする被ガス化原料ガス化システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載された被ガス化原料ガス化システムにおいて、
前記第1除去部を通過したガス中からタールを除去する第2除去部を備え、
前記分離部において前記第2除去部で除去されたタールを前記付着剤として使用するように構成されていることを特徴とする被ガス化原料ガス化システム。
【請求項4】
請求項3に記載された被ガス化原料ガス化システムにおいて、
前記第2除去部で除去されたタールが、前記付着剤として使用するタール量より多いときは、前記第2除去部で除去されたタールの一部を前記ガス化炉に移すように構成されていることを特徴とする被ガス化原料ガス化システム。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載された被ガス化原料ガス化システムにおいて、
前記第2除去部は前記第1除去部によって固形分が除去されたガス中からタールを洗浄物質によって洗浄物質とともに除去する洗浄部と、前記洗浄物質とともに除去されたタールと前記洗浄物質とを分離するタール洗浄物質分離部と、を備え
前記タール洗浄物質分離部において前記タール洗浄物質分離部で前記タールと分離された洗浄物質を、前記固形物をスラリー化するために使用するように構成されていることを特徴とする被ガス化原料システム。
【請求項6】
請求項2から請求項5いずれか1項に記載された被ガス化原料ガス化システムにおいて、
前記第1分離物調整部で調整された第1分離物を乾燥するための乾燥部を備えることを特徴とする被ガス化原料ガス化システム。
【請求項7】
請求項6に記載された被ガス化原料ガス化システムにおいて、
前記ガス化炉によって生成されたガスおよび/または前記第1除去部を通過したガスが有する熱量を、前記乾燥部の熱源として利用するように構成されている構成されていることを特徴とする被ガス化原料ガス化システム。
【請求項8】
請求項2に記載された被ガス化原料ガス化システムにおいて、
前記第1分離物調整部で調整された第1分離物を造粒する粒状物製造部を有し、
前記第1分離物調整部で調整された第1分離物を造粒してから前記ガス化炉に移してガス化するように構成されていることを特徴とする被ガス化原料ガス化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−184307(P2012−184307A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47642(P2011−47642)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】