説明

被管理装置、トラップ送信先設定方法、及びトラップ送信先設定プログラム

【課題】管理装置と被管理装置との間のSNMPを利用して行うネットワーク管理において、トラップ送信先の設定作業を不要とした被管理装置、トラップ送信先設定方法、及びトラップ送信先設定プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る被管理装置10は、トラップ送信先設定情報を必要とするときに、ネットワーク上に応答確認を要するブロードキャストトラップを送信するトラップ送信手段302と、管理装置1が応答した応答確認のパケットから、管理装置1へのトラップ送信先設定情報を抽出する抽出手段303と、応答確認を行なった管理装置1を当該被管理装置が管理されるべき管理装置として、トラップ送信先設定情報とともに、登録する登録手段304とを有し、登録された管理装置を、イベントが発生したときに送信するトラップの送信先として設定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被管理装置、トラップ送信先設定方法、及びトラップ送信先設定プログラムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータに係るあらゆる環境下において、ネットワークは益々複雑化する一方である。このようなネットワークを管理・監視する技術に関して、SNMP(Simple Network Management Protocol)が知られている(RFC1157)。SNMPは、ネットワーク上のネットワーク機器(ノード)を監視、制御する情報の通信方法を定めるプロトコルである。SNMPエージェント(管理対象ノード、被管理装置)は、MIB(Management information base)と呼ばれる管理用データベースに、管理に利用されるステータス情報などを蓄積している。また、SNMPエージェントは、SNMPマネージャ(管理装置)に対してトラップ(障害等の通知)を送信することで、ネットワーク管理者は管理対象ノードで発生したトラブルや状態の変化をいち早く察知することができる。
【0003】
SNMPエージェントがSNMPマネジャに対してトラップを送信するためには、SNMPエージェント側にSNMPマネジャのIPアドレスやコミュニティ名といった設定情報が予め設定されている必要がある。ネットワーク管理者にとって、この設定作業は管理対象ノードが少ない場合にはそれほど問題にならないが、その数が増えるにつれて大きな負荷となってくる。また、この設定作業はネットワーク構成の変更、例えばSNMPマネジャ(管理端末)のIPアドレスが変更されると、全てのSNMPエージェントに対してそれぞれ設定情報の再設定作業が必要となり、ネットワーク管理者とってやはり負荷は大きい。
【0004】
特許文献1に記載される発明は、SNMPエージェントがトラップ送信先となるリモートホストのアドレスをネットワーク上に流れているパケットから検出し、送信先として自動設定するトラップ配送方法である。
【特許文献1】特許3448225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載される発明は従来に比較してトラップ先の設定作業は軽減されるもののネットワーク管理システムから管理対象であるSNMPエージェントに対してポーリングの設定作業を行なうことが必要である。
【0006】
そこで本発明では上記のような問題に鑑みて、管理装置と被管理装置との間のSNMPを利用して行うネットワーク管理において、トラップ送信先の設定作業を不要とした被管理装置、トラップ送信先設定方法、及びトラップ送信先設定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る被管理装置は、SNMPを用いてネットワーク管理を行う管理装置と、ネットワークを介して接続され、前記管理装置にトラップを送信する被管理装置において、トラップ送信先設定情報を必要とするときに、前記ネットワーク上に応答確認を要するブロードキャストトラップを送信するトラップ送信手段と、前記管理装置が応答した前記応答確認のパケットから、前記管理装置へのトラップ送信先設定情報を抽出する抽出手段と、前記応答確認を行なった管理装置を当該被管理装置が管理されるべき管理装置として、前記抽出手段により抽出された前記トラップ送信先設定情報とともに、登録する登録手段とを有し、前記登録手段によって登録された管理装置を、イベントが発生したときに送信するトラップの送信先として設定することを特徴とする。
【0008】
また上記課題を解決するため、本発明に係る被管理装置は、SNMPを用いてネットワーク管理を行う管理装置と、ネットワークを介して接続され、前記管理装置にトラップを送信する被管理装置において、トラップ送信先設定情報を必要とするときに、前記ネットワーク上に応答確認を要しないブロードキャストトラップを送信するトラップ送信手段と、前記ブロードキャストトラップの送信から一定期間内に前記管理装置が行ったMIB情報取得要求のパケットから、前記管理装置へのトラップ送信先設定情報を抽出する抽出手段と、前記一定期間内に前記MIB情報取得要求を行なった管理装置を当該被管理装置が管理されるべき管理装置として、前記抽出手段により抽出された前記トラップ送信先設定情報とともに、登録する登録手段とを有し、前記登録手段によって登録された管理装置を、イベントが発生したときに送信するトラップの送信先として設定することを特徴とする。
【0009】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、管理装置と被管理装置との間のSNMPを利用して行うネットワーク管理において、トラップ送信先の設定作業を不要とした被管理装置、トラップ送信先設定方法、及びトラップ送信先設定プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態を各実施形態において図面を用いて説明する。
【0012】
(ネットワーク構成)
はじめに、具体的な発明の内容を説明する前に、本発明を実施するにあたってのネットワーク構成について説明する。図1は、本発明による管理装置1―3及び被管理装置10−Nがネットワーク5を介して接続されているネットワーク図である。管理装置1は、SNMPを利用して被管理装置10−Nを管理するSNMPマネジャである。被管理装置10−Nは、SNMPを利用して管理装置10−Nに管理されるSNMPエージェントである。ネットワーク5は、有線、無線を含むネットワークである。
【0013】
管理装置1−3は、SNMPマネジャとして動作しネットワーク5上に接続される被管理装置10−Nに対してMIB情報取得要求を行い、SNMPエージェントである被管理装置10―Nから情報を抜き出してネットワークの管理を行なう。一方、被管理装置10―Nは、障害が発生した際など自らの状態に何らかの変化が起きた際に、管理装置1−3に対してトラップを送信し、SNMPエージェントが自発的にSNMPマネジャへ情報を通知する。図1は、本発明の一実施形態を説明するにあたっての構成を示したものであり、管理装置及び被管理装置は何台あってもよい。
【0014】
なおトラップとは、障害が発生した際など自らの状態に何らかの変化が起きた際に、SNMPエージェントが自発的にSNMPマネジャへ情報を通知する通知パケットであることを説明した。ここでトラップが用いられる例を挙げておくと、SNMPエージェントがサーバであった場合に、トラップを送信するタイミング(契機)として、サーバのCPUの使用率が所定率を超えた場合やディスク残量が所定量以下になった場合などがある。また、SNMPエージェントがネットワークルータやネットワークハブなどのネットワーク機器であった場合に、回線やポートごとのトラフィックが所定率を超えた場合などがある。いずれにしろトラップの利用目的はネットワークノード管理であるので、管理上重要なイベントに着目してトラップ設定がなされる。トラップを受信したSNMPマネジャは、これを受けてなんらかの対応を行なうことが多い。ネットワーク管理者は、管理装置の画面上にトラップが上がると、そのトラップがネットワークルータからのものであるとすると、例えば、WAN回線の使用率が80%を超えたことに気が付く。そして、さらに詳細を調べるために、ネットワークルータに対してMIB情報取得要求を行い、他のWANポートの状態(使用率)はどうなのか、他のLANポートの状態はどうなのか、また一定時間ごとのポーリングにより取得した過去の回線使用率の情報から使用率の推移などを確認してその後、適切な対応を行なわれる。
【0015】
(被管理装置)
本発明に係る被管理装置について説明する。本発明による一実施形態として、被管理装置10は、例えば、ネットワーク5上で任意のサービス等を提供するサーバ機である。また、被管理装置11はネットワークルータであり、被管理装置Nはネットワークハブ(インテリジェンスハブ)である。
【0016】
図2は、本発明による被管理装置10の一実施形態の主要構成を示すハードウェア構成図である。被管理装置10のハードウェア構成について簡単に説明しておく。被管理装置10は、主要な構成として、CPU201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、補助記憶装置204、記憶媒体読取装置205、入力装置206、表示装置207、及び通信装置208を含む構成である。
【0017】
CPU201は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、被管理装置10全体を制御する回路である。また、ROM202は、CPU201で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAM203は、CPU201がROM202に格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用するメモリである。
【0018】
補助記憶装置204は、汎用のOS(Operating System)、SNMPプログラム、MIB情報、トラップ送信先設定情報を含む各種情報を格納する装置であり、不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)などが用いられる。なお、上記各種情報は、補助記憶装置204以外にも、CD−ROM(Compact Disk - ROM)やDVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体やその他のメディアを記憶されてもよく、これらの記憶媒体に格納された各種情報は、記憶媒体読取装置205などのドライブ装置を介して読み取ることが可能である。よって、必要に応じて記録媒体を記憶媒体読取装置205にセットすることで、各種情報が得られる。
【0019】
入力装置206は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置206は、マウス、キーボード、表示装置207の表示画面上に重畳するように設けられたタッチパネルスイッチなどを含む。表示装置207は、プロジェクト管理に係る各種データを表示画面に表示する装置である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。次に、通信装置3は、ネットワーク5を介して管理装置1−3との通信を行う装置である。有線ネットワークや無線ネットワークなど含む各種ネットワーク形態に応じた通信をサポートする。以上、被管理装置10のハードウェア構成である。
【0020】
ここで被管理装置11及び被管理装置Nのハードウェア構成についての説明は省略する。それぞれ一般的なネットワークルータ及びネットワークハブが備えるハードウェア構成からなるものである。
【0021】
次に、被管理装置の機能について説明する。本発明による一実施形態として、例えば、被管理装置10はサーバ機であり、被管理装置11はネットワークルータであり、被管理装置Nはネットワークハブであると上述したが、機能の面からはこれら被管理装置は区別されない。つまり、同じSNMPエージェントとして機能するものである。よって被管理装置11、被管理装置Nも被管理装置10と同様の機能を有するので特に必要のない限り被管理装置10に代表して被管理装置の機能を説明する。
【0022】
本発明による被管理装置10は、管理装置1−3の機能であるSNMPマネジャに対応してSNMPエージェントとして機能する。被管理装置10は、SNMPマネジャにトラップの送信を行なうにあたって以下に説明する機能を有することにより、トラップ送信先の設定情報を取得するのでトラップ送信先の設定作業が不要である。
【0023】
図3は、本発明による被管理装置10の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。被管理装置10は、主要な機能として、装置制御部301、トラップ送信部302、抽出部303、トラップ送信先管理部304、及び管理テーブル305を含む構成である。
【0024】
装置制御部301は、装置内部で所定のイベントやアラートを検知して、トラップ送信部302にトラップを送信するよう要求を行う。
【0025】
トラップ送信部302は、装置制御部301からの要求を受けてトラップの送信を行なう。トラップ送信部302が送信するトラップには3種類のトラップがある。1つは、SNMPエージェント側からSNMPマネジャへイベント発生時に送信される公知のトラップで、応答確認のない一方向的なトラップ(パケット)である。このトラップは、トラップ送信先が登録された管理テーブル305が参照されて送信される。またさらに、本発明に係る被管理装置10のトラップ送信部302は、トラップ送信先設定情報を必要とするときに2種類のトラップを送信する。1つは、応答確認を要するブロードキャストトラップであり、1つは、応答確認を要しないブロードキャストトラップ(変形例で触れる)である。
【0026】
SNMPでは、SNMPマネジャ、SNMPエージェント間でコマンドのやり取りを行い、機器やネットワークの管理が行われる。基本的にはコマンドとして、GetRequest、GetNextRequest、SetRequest、GetResponse、Trapなどのオペレーションコマンドがある。また、InformRequestは、SNMPバージョン2(SNMPv2)からサポートされるもので複数のSNMPマネジャ間で情報交換用の通信に利用されるが、その他に応答確認付きのトラップとしての使用も可能である。よってInformRequestをブロードキャストにしたものが、応答確認を要するブロードキャストトラップである。また、応答確認を要しないブロードキャストトラップは、公知のトラップをブロードキャストにしたものである。なお、ブロードキャストは言うまでもなく同一ネットワークセグメント内のネットワークノード全てに到達するタイプのパケットである。
【0027】
抽出部303は、上述したInformRequestに対する応答確認パケット、及び管理装置からのMIB情報取得要求パケット(変形例で触れる)から、トラップ送信先設定情報を抽出する。トラップ送信先設定情報は、例えば、IPアドレス、コミュニティ名(アカウント名)、SNMPバージョンなどであり、被管理装置(SNMPエージェント)が管理装置(SNMPマネジャ)に対してトラップを送信する際に必要となる情報である。
【0028】
トラップ送信先管理部304は、トラップ送信先設定情報を管理テーブル305で管理する。即ち、抽出部303により抽出されたトラップ送信先設定情報を管理テーブル305に登録(登録手段)する。
【0029】
なお、以上説明したこれらの機能は、実際にはCPU201が実行するプログラムにより実現されるものである。
【0030】
(管理装置)
次に、管理装置1について簡単に説明する。管理装置1は、CPU、ROM、RAM、補助記憶装置、記憶媒体読取装置、入力装置、表示装置、及び通信装置などを有する情報処理装置、PC(Personal Computer)でよく、被管理装置10と同様のハードウェア構成を有すればよい。つまり、管理装置1−3及び被管理装置1―Nは、それぞれSNMPマネジャ及びSNMPエージェントとして機能すればよく、その機能を動作させるハードウェア構成を有すればよい。
【0031】
管理装置1は、機能として、被管理装置10の機能であるSNMPエージェントに対応してSNMPマネジャとして機能する。管理装置1は、SNMPエージェントからのトラップの受信を行なう。上述したように、3種類のトラップを受信する。
【0032】
また、管理装置10は、SNMPマネジャであるのでMIB情報取得を行うことができる。SNMPマネジャにより定期的に行なわれるMIB情報取得は、ポーリングと呼ばれる。ポーリングは、一定期間ごとにMIB情報を取得して、所定の情報の推移などを把握するために行なわれる。過去の回線使用率の情報であれば、時間帯別などの回線使用率を把握することができる。また、不定期的にMIB情報取得が行なわれる場合もある。例えば、SNMPマネジャがトラップを受信したときである。トラップを受信したとなるとなんらかの問題が発生している可能性があるため、SNMPマネジャ側は、これを受けてなんらかの対応を行なうことが多い。よってSNMPマネジャは、管理装置でトラップが上がると、さらに詳細を調べるために、トラップを送信してきたSNMPエージェントに対して自発的にMIB情報取得要求を行い、関連するMIB情報を収集する。この場合、ネットワーク管理者によってあるトラップがあがるとそのトラップに関連するMIB情報を取得するようSNMPマネジャ側で設定されている。
【0033】
(SNMPコマンド)
ここで、上述したSNMPのやり取りで用いられるコマンドについて触れる。ここでは本発明に係るコマンド、GetRequest、GetResponse、Trap、InformRequestについて説明する(それ以外のコマンドについては省略する)。GetRequestは、SNMPマネジャがSNMPエージェントに対してMIB情報(MIB変数)の値を要求する際に用いられる。InformRequestは、SNMPバージョン2(SNMPv2)からサポートされるもので複数のSNMPマネジャ間で情報交換用の通信に利用される。また、SNMPマネジャ間に限られずSNMPエージェントからSNMPマネジャへの情報通知にも用いられる。この場合、Trapと異なる点は応答確認付きである点である。GetResponseは、GetRequest、InformRequestの応答として用いられるコマンドである。Trapは、SNMPエージェントからSNMPマネジャへの情報通知を行なうコマンドである。InformRequestと異なる点は応答確認なしである点である。図4にSNMPマネジャ、SNMPエージェント間で行なわれるコマンドの様子を示しておく。
【0034】
<実施例>
以上を踏まえて、本実施例による被管理装置10の一使用形態について説明する。
【0035】
(動作)
図5は、被管理装置10の行う処理について説明するシーケンスである。被管理装置10は、InformRequest(応答確認を要するブロードキャストトラップ)を用いて、トラップ設定先情報を取得する。
【0036】
ステップS501で、SNMPエージェントである被管理装置10のトラップ送信部302は、InformRequestをブロードキャストパケットにしてネットワーク上に送信すると、InformRequestパケットは、ネットワーク上に接続される管理装置1−3に到達する。なお、ブロードキャストパケットは、同一ネットワークセグメント内のネットワークノード全てに到達するタイプのパケットである。例えば、192.168.1.0/24のネットワークへのブロードキャストパケットであれば、送信先を192.168.1.255にセットすればよい。また、InformRequestパケットの送信にあたりコミュニティ名、バージョンは、そのネットワーク管理環境で用いられている値、例えば「public」、「v2」などをセットしておく。なお、トラップ送信部302が、InformRequestのブロードキャストパケットを送信するタイミングとしては、例えば、被管理装置10がネットワーク5に接続されたときが好適である。さらに、以後同様にして所定期間ごとに送信される。
【0037】
ステップS502に進み、SNMPマネジャである管理装置1−3からそれぞれ応答パケットが返答される。ネットワーク上には、SNMPマネジャである管理装置1−3以外にも複数の装置や端末等が接続されているが、SNMPマネジャではないので、InformRequestパケットは到達されるもののこれに応答しない。
【0038】
ステップS503に進み、抽出部303は、応答パケットからトラップ送信先設定情報を抽出する。トラップ送信先設定情報は、例えば、応答パケットに含まれるIPアドレス(応答パケットの送信元IPアドレス)、コミュニティ名(アカウント名)、SNMPバージョンなどであり、管理装置に対してトラップを送信する際に必要となる情報である。
【0039】
ステップS504に進み、トラップ送信先設定情報は、トラップ送信先管理部304に渡される。
【0040】
ステップS505に進み、トラップ送信先管理部304は、トラップ送信先設定情報を管理テーブル305に登録する。ステップS506で、管理テーブル305が更新(アップデート)される。
【0041】
図6は、管理テーブル305の一例を示したものである。トラップ送信先設定情報である、「IPアドレス」、「コミュニティ名(アカウント名)」、「SNMPバージョン」が登録されている。また、「登録時間」は登録された時間を示すタイムスタンプである。「送信ON/OFF」は、トラップ送信先として有効か、無効かの状況(ステータス)を示すフラグで、送信がONの場合には、トラップ送信先として有効である(トラップ送信先として設定される)ことを意味する。なお、登録された段階では、すべてをON(有効)にしておく。逆に、登録された段階では、ひとまずOFF(無効)にしておき、あるタイミングでON(有効)にする構成例については後述する。
【0042】
被管理装置10がトラップを送信するときは、トラップ送信先管理部304は、管理テーブル305を参照して、トラップ送信先としてON(有効)となっているトラップ送信先情報を取得し、トラップ送信部302に渡す。トラップ送信部302は、トラップ送信先情報に基づいて、トラップを送信する。
【0043】
以上、本実施例の被管理装置10によれば、管理装置と被管理装置との間のSNMPを利用して行うネットワーク管理において、トラップ送信先の設定作業が不要になる。即ち、従来は、SNMPエージェントがSNMPマネジャに対してトラップを送信するためには、SNMPエージェント側にSNMPマネジャのIPアドレスやコミュニティ名といった設定情報が予め設定されている必要があるが、ネットワーク管理者にとって、この設定作業は管理対象ノードが多い場合大きな負荷であった。本実施例による被管理装置10は、InformRequestのブロードキャストパケットを送信することでネットワーク上の管理装置のトラップ送信先設定情報を取得してトラップ送信先として設定するので、被管理装置10においてトラップ送信先の設定作業を行なう必要がなくなる。
【0044】
(トラップ送信先の限定)
ここまで被管理装置10がトラップ送信先設定情報を取得してトラップ送信先を設定することを説明した。ここでは、トラップ送信先管理部304は、取得したトラップ送信先設定情報を管理テーブル305に登録するものの、トラップ設定先としてすぐに設定せず、送信OFF(無効)として管理テーブル305に一先ず登録しておく。そして、次に説明する条件を満たした管理装置(SNMPマネジャ)についてのみトラップ設定先として設定を行なう。
【0045】
図7は、被管理装置10の行う処理について説明するシーケンスである。前提として管理テーブル305には、図5のシーケンスを用いて説明した処理によりトラップ送信先設定情報が登録されている。しかしながら、そのトラップ送信先の設定状況(ステータス)
はすべてOFFでトラップ送信先として未だ有効ではない。いわばトラップ送信先の候補が登録されている状況である。本シーケンスは、このトラップ送信先の設定状況がON(有効)に移行する場合について説明するものである。
【0046】
ステップS701で、管理装置1が被管理装置10に対してMIB情報取得要求を行う。これが意味するところ、MIB情報取得要求は管理装置1が被管理装置10への積極的な管理意思の表れであると考えられる。即ち、管理装置1−3の中で、管理装置1が行った被管理装置10に対してMIB情報取得要求は、管理装置1が被管理装置10を管理するために行う動作そのものである。一方、管理装置2、3から同様なMIB情報取得要求がないのであれば、管理装置2、3は被管理装置10を管理していない可能性もある。とすると、管理装置(SNMPマネジャ)としてネットワーク上に接続されていて先に説明したInformRequestをブロードキャストパケットの応答を行なって管理テーブル305に登録されていたとしても、事実上、管理装置2、3は被管理装置10を管理していない可能性がある。一方、管理装置1が被管理装置10に対してMIB情報取得要求を行っているので、事実上管理装置1は被管理装置10を管理している。よって、管理装置1に限定してトラップ送信先設定を行なう。
【0047】
ステップS702に進み、抽出部303は、MIB情報取得パケット(GetRequest)からトラップ送信先設定情報を抽出する。トラップ送信先設定情報は、例えば、応答パケットに含まれるIPアドレス(応答パケットの送信元IPアドレス)、コミュニティ名(アカウント名)、SNMPバージョンである。
【0048】
ステップS703に進み、トラップ送信先設定情報は、トラップ送信先管理部304に渡される。
【0049】
ステップS704に進み、トラップ送信先管理部304は、取得したトラップ送信先設定情報が管理テーブル305に既に登録されているか確認を行なう。
【0050】
ステップS705に進み、トラップ送信先管理部304は、取得したトラップ送信先設定情報が既に登録されている場合には管理テーブル305に登録された管理装置1をトラップ送信先の設定状況(ステータス)の更新を要求する。
【0051】
ステップS706に進み、管理テーブル305は、要求に応じて登録された管理装置1のトラップ送信先の設定状況の更新を要求する。具体的には、「送信ON/OFF」の欄をOFF(無効)からON(有効)に更新(変更)する。既にON(有効)であればそれを維持する。
【0052】
なお、ステップS701で、管理装置1が被管理装置10に対して行うMIB情報取得要求を、さらにトラップに関連するMIB情報の取得要求とすることで、管理装置1を被管理装置10の管理装置としての地位の可能性、信頼度を高めることができる。トラップに関連するMIB情報とは、例えば、ネットワーク管理者が被管理装置10にトラップとして通知させたい管理(監視)項目があるはずであるが、その管理項目に関連するMIB情報を意味する。ネットワークルータやネットワークハブであれば、あるLAN/WANポートがダウンした旨の通知をトラップとして通知するようにされているとすると、ネットワーク管理者はポートのリンク(uplink)状況に管理対象として注目していることになる。よって、MIB情報が、全てのLAN/WANポートのリンク状況やトラフィック情報などのトラップに関連するMIB情報である場合、そのようなMIB情報取得要求を行った管理装置1は、被管理装置10の管理装置としての地位の可能性(信頼性)はより高い。
【0053】
また、同様に、管理装置1が被管理装置10に対して行うMIB情報取得要求を、管理者権限(admin)など一般権限(public)より高い権限を用いてMIB情報の取得要求を行うならば、その管理装置1は被管理装置10の管理装置としての地位の可能性はより高い。
【0054】
さらに、同様に、管理装置1が被管理装置10に対して管理者権限などでログイン(さらには被管理装置10の操作)を行うならば、その管理装置1は被管理装置10の管理装置としての地位の可能性はより高い。図8のシーケンスに示すように、ステップS801で、管理装置2は、管理者権限で被管理者装置10に対してログインを行う。機器制御部301は、ログイン認証成功を受けて、ステップS802で、トラップ送信先として設定するようトラップ送信先管理部304に要求を行う。トラップ送信先管理部304は、既に登録があるか確認し登録がある場合には上述したようにトラップ送信先に設定を行なって、管理テーブル305を更新する。
【0055】
以上、本実施例の被管理装置10によれば、管理装置と被管理装置との間のSNMPを利用して行うネットワーク管理において、ネットワーク上に接続される管理装置の中で被管理装置10を管理する可能性が高い管理装置をトラップ送信先として設定作業なしに設定することが可能となる。
【0056】
(トラップの送信)
図9は、トラップの送信シーケンスである。これまで説明を行った本発明に係る被管理装置10が管理装置に対してトラップの送信を行う流れについて図9を用いて説明する。
【0057】
ステップS901で、機器制御部301は、被管理装置10でのトラップに係るイベントの発生を検知する。
【0058】
ステップS902に進み、トラップ送信部302に対してイベントを通知する。
【0059】
ステップS903に進み、トラップ送信部302は、トラップを送信するにあたりトラップ送信先管理部304にトラップ送信先情報要求を行う。
【0060】
ステップS904に進み、トラップ送信先管理部304は、管理テーブル305を参照して、トラップ送信先としてON(有効)となっているトラップ送信先情報を取得し、Sステップ905で、トラップ送信部302に渡す。
【0061】
ステップS906に進み、トラップ送信部302は、トラップ送信先情報に基づいて、トラップを送信する。図9では、管理装置1、2に対してトラップが送信されている。
【0062】
(トラップ送信先の削除)
ここで再度、図6を参照する。「登録時間」が記録されているが、これは管理テーブル305にそのトラップ送信先情報が登録された時間を示している。被管理装置10のトラップ送信先管理部304は、管理テーブル305に登録されるトラップ設定先でOFF(無効)になっているものについて、「登録時間」の時間(時刻)から所定期間以上経過しているトラップ設定先については削除する。
【0063】
また、管理テーブル305に登録されるトラップ設定先でON(有効)になっているものの、ステップS906に相当するトラップを送信してから所定時間以上応答のないトラップ設定先についても削除する。
【0064】
また、InformRequestのブロードキャストが送信されるタイミングとしては、例えば、被管理装置10がネットワーク5に接続されたとき、さらに、以後同様にして所定期間ごとに送信されることは上述した。1度目(被管理装置10がネットワーク5に接続されたとき)に登録がなされたトラップ設定先であっても、2度目のInformRequestのブロードキャストによって応答しなかったトラップ設定先についても管理テーブル305から削除する。
【0065】
このようにして、管理テーブル305を最新の管理装置の実状況に対応させることができる。また、管理装置のIPアドレスの変更された場合などでも古い情報は削除され、再度のInformRequestのブロードキャストにより変更後のIPアドレスでもって管理装置を検知しトラップ送信先として設定することが可能となる。
【0066】
<変形例>
次に、上述した実施例の変形例について説明する。まず、トラップ送信部302が送信するトラップには3種類のトラップがあると説明した。再度これらを挙げると、1つは、SNMPエージェント側からSNMPマネジャへイベント発生時に送信される公知のトラップで、応答確認のない一方向的なトラップ(パケット)である。また1つは、応答確認を要するブロードキャストトラップであり、1つは、応答確認を要しないブロードキャストトラップである。応答確認を要するブロードキャストトラップについては、実施例でInformRequestのブロードキャストを挙げて、この応答パケットからトラップ送信先設定情報を抽出し管理テーブル305に登録、そしてトラップ送信先として設定することについて説明してきた。本変形例では、応答確認を要するブロードキャストトラップに代えて、応答確認を要しないブロードキャストトラップを用いるものである。
【0067】
応答確認を要しないブロードキャストトラップを送信するに、具体的にはTrapコマンドが用いられる。Trapは、SNMPエージェントからSNMPマネジャへの情報通知を行なうコマンドである。InformRequestと異なる点は応答確認なしである点である。再度図4を参照するに、TrapはSNMPエージェントからSNMPマネジャに送信されるが、その応答パケットなどは行なわれない。
【0068】
ところで、上述したように管理装置1は、SNMPマネジャとして機能する。管理装置1は、SNMPエージェントからのトラップの受信を行なう他に、MIB情報取得を行うことができる。これは、MIB情報取得要求を行うことによってSNMPエージェントが有するMIBからMIB情報を取得するものである。実際のネットワーク管理(監視)において、SNMPマネジャによりMIB情報取得はよく行なわれている。例えば、定期的なMIB情報取得は、ポーリングと呼ばれ、一定期間ごとにMIB情報を取得して、所定の情報の推移などを把握するために行なわれる。また、MIB情報取得要求は、SNMPマネジャがトラップを受信したときにも行なわれる。SNMPマネジャがSNMPエージェントからトラップを受信したとき、SNMPエージェント側ではなんらかの問題が発生している可能性があるため、SNMPマネジャ側は、これを受けてなんらかの対応を行なうことが多い。よってSNMPマネジャは、管理装置でトラップが上がると、さらに詳細を調べるために、トラップを送信してきたSNMPエージェントに対して自発的にMIB情報取得要求を行い、関連するMIB情報を収集する動作を行なう。この場合、ネットワーク管理者によってあるトラップがあがるとそのトラップに関連するMIB情報を取得するようSNMPマネジャ側で設定されている。
【0069】
この点に着目し、本変形例に係る被管理装置10は、応答確認を要しないブロードキャストトラップ、即ち、Trapをブロードキャストパケットにしてネットワーク上に送信する。このTrapの到達を受けて、所定期間内に自発的に管理装置が行うMIB情報取得要求パケットからからトラップ送信先設定情報を抽出し管理テーブル305に登録、そしてトラップ送信先として設定するものである。
【0070】
(動作)
図10は、本変形例に係る被管理装置10の行う処理について説明するシーケンスである。以下、図10を参照して説明する。
【0071】
ステップS1001で、SNMPエージェントである被管理装置10のトラップ送信部302は、Trapをブロードキャストパケットにしてネットワーク上に送信すると、Trapパケットは、ネットワーク上に接続される管理装置1−3に到達する。ブロードキャストパケットは、同一ネットワークセグメント内のネットワークノード全てに到達するタイプのパケットである。また、Trapパケットの送信にあたりコミュニティ名、バージョンは、そのネットワーク管理環境で用いられている値、例えば「public」、「v2」などをセットしておく。なお、トラップ送信部302が、Trapのブロードキャストパケットを送信するタイミングとしては、例えば、被管理装置10がネットワーク5に接続されたときが好適である。さらに、以後同様にして所定期間ごとに送信される。
【0072】
ステップS1002に進み、SNMPマネジャである管理装置1からMIB情報取得パケット(GetRequest)が送信される。Trapは、そのTrapに対する応答確認を要するものではないので、そのTrapに対する応答確認パケットは管理装置1−3から応答されない。しかしながら、SNMPマネジャがトラップを受信したとき、トラップを送信してきたSNMPエージェントに対して自発的にMIB情報取得要求を行い、関連するMIB情報を収集する。このような動作は被管理装置10に対する管理動作そのものであり、よってこのMIB情報取得要求を行なってきた装置を被管理装置10は自身を管理する管理装置とする。
【0073】
ステップS1003に進み、抽出部303は、MIB情報取得パケット(GetRequest)からトラップ送信先設定情報を抽出する。トラップ送信先設定情報は、上述したとおり例えば、応答パケットに含まれるIPアドレス(応答パケットの送信元IPアドレス)、コミュニティ名(アカウント名)、SNMPバージョンなどであり、管理装置に対してトラップを送信する際に必要となる情報である。なお、抽出部303は、トラップ送信部302がTrapをブロードキャストパケットにしてネットワーク上に送信してから所定期間内に到達したMIB情報取得パケットに限ってトラップ送信先設定情報を抽出する。これは所定期間内を超えて以降に到達したMIB情報取得パケットは、トラップ送信部302が送信したTrapに対する応答である確度が下がるからである。これにより、偶然に(Trapとは無関係に)送信されたMIB情報取得パケットをできるだけ取り込まないようにする。
【0074】
ステップS1004に進み、トラップ送信先設定情報は、トラップ送信先管理部304に渡される。ステップS1005に進み、トラップ送信先管理部304は、トラップ送信先設定情報を管理テーブル305に登録する。ステップS1006で、管理テーブル305が更新(アップデート)される。ステップS1004―1006までのステップは、InformRequestに係る実施例の場合と同様である。
【0075】
ステップS1007で、SNMPマネジャである管理装置2からMIB情報取得パケット(GetRequest)が送信される。管理装置2からMIB情報取得パケットは、トラップ送信部302がTrapをブロードキャストパケットにしてネットワーク上に送信してから所定期間内に到達したMIB情報取得パケットではないので、抽出部303はトラップ送信先設定情報を抽出しない。なお、この管理装置2からMIB情報取得パケットは上述した定期的なポーリングであると考えられるが、被管理装置10の抽出部303はトラップ送信先設定情報を抽出しないというものであって、被管理装置10はSNMPエージェントであるのでMIB情報取得要求には応じるものである。つまり、被管理装置10はMIB情報取得パケットに対する応答パケット(GetResponse)で応答を行なう。
【0076】
ここまで変形例に係る被管理装置10について説明を行った。管理テーブル305にトラップ送信先設定情報が登録されて以降については上述した実施例の通りである。
【0077】
以上、本変形例の被管理装置10によれば、管理装置と被管理装置との間のSNMPを利用して行うネットワーク管理において、トラップ送信先の設定作業が不要になる。即ち、従来は、SNMPエージェントがSNMPマネジャに対してトラップを送信するためには、SNMPエージェント側にSNMPマネジャのIPアドレスやコミュニティ名といった設定情報が予め設定されている必要があるが、ネットワーク管理者にとって、この設定作業は管理対象ノードが多い場合大きな負荷であった。本実施例による被管理装置10は、Trapのブロードキャストパケットの送信を利用しネットワーク上の管理装置のトラップ送信先設定情報を取得してトラップ送信先として設定するので、被管理装置10においてトラップ送信先の設定作業を行なう必要がなくなる。また、InformRequestコマンドはSNMPバージョン2から採用されたものであるので、本変形例によれば、InformRequestに対応しない被管理装置でも本発明を利用することができる。
【0078】
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明による管理装置及び被管理装置がネットワーク5を介して接続されているネットワーク図である。
【図2】本発明による被管理装置の一実施形態の主要構成を示すハードウェア構成図である
【図3】本発明による被管理装置の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。
【図4】SNMPマネジャ、SNMPエージェント間で行なわれるコマンドの一例を示す図である。
【図5】被管理装置の行う処理について説明するシーケンス図である。
【図6】管理テーブルを示す図の一例である。
【図7】被管理装置の行う処理について説明するシーケンス図である。
【図8】被管理装置の行う処理について説明するシーケンス図である。
【図9】被管理装置の行うトラップの送信シーケンス図である。
【図10】本変形例に係る被管理装置の行う処理について説明するシーケンス図である。
【符号の説明】
【0080】
1―3 管理装置
10−N 被管理装置
5 ネットワーク
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 補助記憶装置
205 記憶媒体読取装置
206 入力装置
207 表示装置
208 通信装置
301 装置制御部
302 トラップ送信部
303 抽出部
304 トラップ送信先管理部
305 管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SNMPを用いてネットワーク管理を行う管理装置と、ネットワークを介して接続され、前記管理装置にトラップを送信する被管理装置において、
トラップ送信先設定情報を必要とするときに、前記ネットワーク上に応答確認を要するブロードキャストトラップを送信するトラップ送信手段と、
前記管理装置が応答した前記応答確認のパケットから、前記管理装置へのトラップ送信先設定情報を抽出する抽出手段と、
前記応答確認を行なった管理装置を当該被管理装置が管理されるべき管理装置として、前記抽出手段により抽出された前記トラップ送信先設定情報とともに、登録する登録手段とを有し、
前記登録手段によって登録された管理装置を、イベントが発生したときに送信するトラップの送信先として設定すること、
を特徴とする被管理装置。
【請求項2】
SNMPを用いてネットワーク管理を行う管理装置と、ネットワークを介して接続され、前記管理装置にトラップを送信する被管理装置において、
トラップ送信先設定情報を必要とするときに、前記ネットワーク上に応答確認を要しないブロードキャストトラップを送信するトラップ送信手段と、
前記ブロードキャストトラップの送信から一定期間内に前記管理装置が行ったMIB情報取得要求のパケットから、前記管理装置へのトラップ送信先設定情報を抽出する抽出手段と、
前記一定期間内に前記MIB情報取得要求を行なった管理装置を当該被管理装置が管理されるべき管理装置として、前記抽出手段により抽出された前記トラップ送信先設定情報とともに、登録する登録手段とを有し、
前記登録手段によって登録された管理装置を、イベントが発生したときに送信するトラップの送信先として設定すること、
を特徴とする被管理装置。
【請求項3】
前記ネットワークには複数の管理装置が接続されており、
前記登録手段によって登録された管理装置全てでなく、登録された管理装置の中から、当該被管理装置に対してMIB情報取得要求を行った管理装置に限定して、トラップ送信先として設定すること、
を特徴とする請求項1に記載の被管理装置。
【請求項4】
前記ネットワークには複数の管理装置が接続されており、
前記登録手段によって登録された管理装置全てでなく、登録された管理装置の中から、当該被管理装置に対して前記MIB情報取得要求の後に再びMIB情報取得要求を行った管理装置に限定して、トラップ送信先として設定すること、
を特徴とする請求項2に記載の被管理装置。
【請求項5】
前記MIB情報は、トラップに関するMIB情報であること、
を特徴とする請求項3又は4に記載の被管理装置。
【請求項6】
前記管理装置は、管理者権限でMIB情報取得要求を行った管理装置であること、
を特徴とする請求項3ないし5いずれか一項に記載の被管理装置。
【請求項7】
前記ネットワークには複数の管理装置が接続されており、
前記登録手段によって登録された管理装置全てでなく、登録された管理装置の中から、当該被管理装置に対して管理者権限でログインを行った管理装置に限定して、トラップ送信先として設定すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の被管理装置。
【請求項8】
SNMPを用いてネットワーク管理を行う管理装置と、ネットワークを介して接続され、前記管理装置にトラップを送信する被管理装置におけるトラップ送信先設定方法において、
トラップ送信先設定情報を必要とするときに、前記ネットワーク上に応答確認を要するブロードキャストトラップを送信するトラップ送信手順と、
前記管理装置が応答した前記応答確認のパケットから、前記管理装置へのトラップ送信先設定情報を抽出する抽出手順と、
前記応答確認を行なった管理装置を当該被管理装置が管理されるべき管理装置として、前記抽出手順により抽出された前記トラップ送信先設定情報とともに、登録する登録手順とを有し、
前記登録手順によって登録された管理装置を、イベントが発生したときに送信するトラップの送信先として設定すること、
を特徴とするトラップ送信先設定方法。
【請求項9】
SNMPを用いてネットワーク管理を行う管理装置と、ネットワークを介して接続され、前記管理装置にトラップを送信する被管理装置におけるトラップ送信先設定方法において、
トラップ送信先設定情報を必要とするときに、前記ネットワーク上に応答確認を要しないブロードキャストトラップを送信するトラップ送信手順と、
前記ブロードキャストトラップの送信から一定期間内に前記管理装置が行ったMIB情報取得要求のパケットから、前記管理装置へのトラップ送信先設定情報を抽出する抽出手順と、
前記一定期間内に前記MIB情報取得要求を行なった管理装置を当該被管理装置が管理されるべき管理装置として、前記抽出手順により抽出された前記トラップ送信先設定情報とともに、登録する登録手順とを有し、
前記登録手順によって登録された管理装置を、イベントが発生したときに送信するトラップの送信先として設定すること、
を特徴とするトラップ送信先設定方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のトラップ送信先設定方法をコンピュータに実行させるためのトラップ送信先設定プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate