説明

被覆型粒状農薬組成物

【課題】 新規な粒状農薬組成物を提供する。
【解決手段】 農薬活性成分を含有する固体状組成物または25℃で固体の農薬活性成分が、フタル酸エステルおよび脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルから選ばれる1種以上の有機溶剤に、完全に溶解されていない状態または均一に分散されていない状態で、樋状の凹面構造を有しない粒状担体に担持被覆されている被覆型粒状農薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
農薬活性成分の剥離が抑制される被覆型粒状農薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
粒状担体に農薬活性成分を含浸もしくは付着させた粒状農薬組成物において、散布時に粒状農薬組成物から粉塵が発生した場合、剥離した農薬活性成分により散布者の農薬被爆や近隣への農薬飛散が問題となる。そのため散布時における、粒状農薬組成物からの農薬活性成分の剥離を抑制する方法が要望されている。農薬活性成分の剥離を抑制した粒状農薬組成物としては、固体農薬を流動パラフィン等の不揮発性オイル中に均一に混合細粒化したものを、吸油性担体に吸着させた農薬組成物(下記特許文献1)と、該混合細粒化したものを特異的な樋状の凹面構造を有する吸油性粒状物に保持させた粒状農薬組成物(下記特許文献2)が既に知られている。また、高沸点溶剤に農薬活性成分を溶解させて固体担体に担持させた固形殺虫殺ダニ製剤(下記特許文献3)が知られているが、農薬活性成分の剥離に関する記載はなく、また、この方法では溶剤に溶解し得る農薬活性成分にしか適応できない。
【0003】
更に、水中での農薬活性成分の剥離を促進させた親水性不揮発性液体を含む粒状農薬組成物が知られている(下記特許文献4)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平03−120201号公報
【特許文献2】特表2003−055102号公報
【特許文献3】特開平03−041001号公報
【特許文献4】特開2004−359566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は農薬活性成分を溶剤に溶解または均一に分散することなく簡便な製造方法で、散布時における粒状農薬組成物からの農薬活性成分の剥離が抑制された粒状農薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、新規な粒状農薬組成物に関するものである。すなわち、本発明は、下記〔1〕ないし〔9〕に関するものである。
【0007】
〔1〕 農薬活性成分を含有する固体状組成物または25℃で固体の農薬活性成分が、フタル酸エステルおよび脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルから選ばれる1種以上の有機溶剤に、完全に溶解されていない状態または均一に分散されていない状態で、樋状の凹面構造を有しない粒状担体に担持被覆されている被覆型粒状農薬組成物。
【0008】
〔2〕 有機溶剤が、フタル酸エステルである上記〔1〕記載の粒状農薬組成物。
【0009】
〔3〕 フタル酸エステルが、フタル酸ジアルキルエステルである上記〔2〕記載の粒状農薬組成物。
【0010】
〔4〕 フタル酸ジアルキルエステルのアルキル部分の炭素数が、8ないし13である
上記〔3〕記載の粒状農薬組成物。
【0011】
〔5〕 フタル酸エステルが、フタル酸ジ−n−デシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジイソノニルまたはフタル酸ジ−2−エチルヘキシルである上記〔2〕記載の粒状農薬組成物。
【0012】
〔6〕 有機溶剤が、脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルである上記〔1〕記載の粒状農薬組成物。
【0013】
〔7〕 脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルが、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシルまたはアジピン酸ジオレイルである上記〔6〕の粒状農薬組成物。
【0014】
〔8〕 粒状担体が多孔質粒状担体である上記〔1〕ないし〔7〕から選ばれるいずれかに記載の粒状農薬組成物。
【0015】
〔9〕 粒状担体を混合機に投入し、該粒状担体を攪拌しながら、農薬活性成分を含有する固体状組成物または25℃で固体の農薬活性成分を添加して混合し、その後フタル酸エステルおよび脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルから選ばれる1種以上の有機溶剤を添加して更に混合することにより該粒状担体に農薬活性成分を担持被覆させる被覆型粒状農薬組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明組成物の粒状農薬組成物は、簡便な方法で製造でき、農薬活性成分の剥離を抑制する効果に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の粒状担体は、樋状の凹面構造を有しないものであれば特に限定されず、ベントナイト、アタパルジャイト、ゼオライト、パイロフィライト、軽石、石灰石、珪石および蝋石等の天然鉱物を粉砕し、篩い分けた破砕物であってもよいし、各種粉末を造粒機等で造粒した造粒物や粒状肥料であってもよい。
【0018】
造粒する粉末としては、例えば石英、方解石、海泡石、ドロマイト、チョーク、カオリナイト、パイロフィライト、セリサイト、ハロサイト、メタハロサイト、木節粘土、蛙目粘土、陶石、ジークライト、アロフェン、シラス、きら、タルク、ベントナイト、活性白土、酸性白土、軽石、アタパルジャイト、ゼオライトおよび珪藻土等の鉱物質、例えば焼成クレー、パーライト、シラスバルーン、バーミキュライト、アタパルガスクレーおよび焼成珪藻土等の鉱物質の焼成品、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムおよび塩化カリウム等の無機塩類、例えばブドウ糖、果糖、しょ糖および乳糖などの糖類、例えば澱粉、粉末セルロースおよびデキストリン等の多糖類、例えば尿素、尿素誘導体、安息香酸および安息香酸の塩等の有機物、例えば木粉、コルク粉、トウモロコシ穂軸、クルミ殻およびタバコ茎等の植物類、フライアッシュ、ホワイトカーボン並びに肥料等が挙げられる。ホワイトカーボンとしては、例えば含水シリカ、含水シリカの焼成品、無水シリカ、含水カルシウムシリケート、含水シリカを原料とした表面処理シリカ及び無水シリカを原料とした表面処理シリカが挙げられる。これらの粉末は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、造粒する粉末に、造粒性向上や硬度向上を目的として、界面活性剤や結合剤等の補助剤を加えてもよいし、粒状担体に含浸もしくは付着させる農薬活性成分とは別種の又は同一の農薬活性成分を加えてもよい。
【0019】
本発明の粒状担体は、水溶性であっても水不溶性であってもよい。
【0020】
本発明の粒状担体の粒度は、任意に選ぶことができるが、粒度が細かいと風の影響を受けて目的箇所への散布が難しくなるので、重量中位径が300μm〜10000μmの粒状担体が望ましい。
【0021】
本発明の粒状担体に用いる肥料は、肥料成分、たとえば窒素、リン、カリウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、マンガン、ホウ素および鉄などの作物が要求する種々の元素を含有するものであり、具体例としては、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸苦土アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸カルシウム、硝酸カリウム、石灰窒素、ホルムアルデヒド加工尿素肥料(UF)、アセトアルデヒド加工尿素肥料(CDU)、イソブチルアルデヒド加工尿素肥料(IBDU)およびグアニー
ル尿素(GU)等の窒素質肥料、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥、腐植酸リン肥、焼成リン肥、重焼リン、苦土過リン酸、ポリリン酸アンモニウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、苦土リン酸、硫リン安、リン硝安カリウムおよび塩リン安等のリン酸質肥料、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸カリソーダ、硫酸カリ苦土、重炭酸カリウムおよびリン酸カリウム等のカリウム質肥料、珪酸カルシウム等の珪酸質肥料、硫酸マグネシウムおよび塩化マグネシウム等のマグネシウム質肥料、生石灰、消石灰および炭酸カルシウム等のカルシウム質肥料、硫酸マンガン、硫酸苦土マンガンおよび鉱さいマンガン等のマンガン質肥料、ホウ酸およびホウ酸塩等のホウ素質肥料、鉄鋼スラグ等の含鉄肥料等の肥料取締法に定められる普通肥料(複合肥料を含む)を挙げることができる。中でも、窒素(N)、リン(P)、およびカリウム(K)より選ばれる肥料成分の一種以上
、特にこれら三種全ての肥料成分を含有するものが好ましい。その具体例としては、NPK
成分型(N-P2O5-K2O)肥料が挙げられ、かかる肥料としては、たとえば、5-5-7および12-12-16等の1型平上り型、5-5-5および14-14-14等の2型水平型、6-6-5および8-8-5等の3型平下がり型、4-7-9および6-8-11等の4型上り型、4-7-7および10-20-20等の5型上り平型、4-7-4および6-9-6等の6型山型、6-4-5および14-10-13等の7型谷型、6-5-5および18-11-11等の8型下がり平型、7-6-5および14-12-9等の9型下がり型、3-20-0および18-35-0等の10型NP型、16-0-12および18-0-16等の11型NK型、0-3-14および0-15-15等の12型PK型等を挙げることができる。
本発明のフタル酸エステルの具体例としては、フタル酸ジアルキル(C10−13)、フタル酸ジ−n−デシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジイソノニル、またはフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸シクロヘキシル2−エチルヘキシルなどが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルの具体例としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジオレイル、アジピン酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジイソブチル、ピメリン酸ジメチル、スベリン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸ジメチルなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
また、本発明組成物においては、必要ならば上記溶媒と他の溶媒とを併用してもよい。該他の溶媒としては、例えばベンジルアルコール等のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びグリセリン等の多価アルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、等の多価アルコールエーテル、ジエチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、グリセリンジアセタート及びグリセリントリアセタート等の多価アルコールエステル、並びにN−メチルピロ
リドン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のラクタムが挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
本発明の農薬活性成分は、25℃で固体の農薬活性成分または農薬活性成分を含有する粉固体組成物として用いる。固体状組成物としては、粉状組成物が好ましく、例えば粉状の固体農薬活性成分と不活性な粉末との混合物、液状農薬活性成分と吸収性を有する不活性な粉末から成る混合物、または粉末の固体農薬活性成分、液状農薬活性成分及び吸収性を有する不活性な粉末から成る混合物が挙げられる。不活性な粉末としては、例えば石英、方解石、海泡石、ドロマイト、チョーク、カオリナイト、パイロフィライト、セリサイト、ハロサイト、メタハロサイト、木節粘土、蛙目粘土、陶石、ジークライト、アロフェン、シラス、きら、タルク、ベントナイト、活性白土、酸性白土、軽石、アタパルジャイト、ゼオライトおよび珪藻土等の鉱物質、例えば、焼成クレー、パーライト、シラスバルーン、バーミキュライト、アタパルガスクレーおよび焼成珪藻土等の鉱物質の焼成品、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムおよび塩化カリウム等の無機塩類、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖および乳糖等の糖類、例えば澱粉、粉末セルロースおよびデキストリン等の多糖類、例えば尿素、尿素誘導体、安息香酸および安息香酸の塩等の有機物、例えば木粉、コルク粉、トウモロコシ穂軸、クルミ殻およびタバコ茎等の植物類、フライアッシュ、ホワイトカーボン並びに肥料等が挙げられる。ホワイトカーボンとしては、例えば含水シリカ、含水シリカの焼成品、無水シリカ、含水カルシウムシリケート、例えば含水シリカを原料とした表面処理シリカおよび無水シリカを原料とした表面処理シリカが挙げられる。これらの不活性な粉末は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0024】
25℃で固体の農薬活性成分または農薬活性成分を含む固体状組成物は、更に界面活性剤、結合剤、溶剤、pH調整剤、分解防止剤、着色剤および防腐剤等の補助剤を含有することができる。
【0025】
本発明の農薬粒状組成物においては、必要ならば上記農薬活性成分と他の液状農薬活性成分とを併用してもよい。
【0026】
本発明の農薬活性成分としては、各種の除草剤、殺菌剤、殺バクテリア剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤及び植物成長調節剤等を用いることができる。
25℃で固体の農薬活性成分の具体例としては、以下のものが挙げられる。
【0027】
除草剤:アジムスルフロン(azimsulfuron)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、
イオドスルフロン-メチル(iodosulfuron-methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron
)、エタメトスルフロン-メチル(ethametsulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、クロリムロン-エチル(chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、
スルフォスルフロン(sulfosulfuron)、スルホメツロン-メチル(sulfometuron-methyl
)、チフェンスルフロン-メチル(thifensulfuron-methyl)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、トリフルスルフロン-メチル(triflusulfuron-methyl)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリベヌロンメチル
(tribenuron-methyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、ハロスルフロン-メチル(halosulfuron-methyl)、ピラゾスルフロン-エチル(pyrazosulfuron-ethyl)、フォラムスルフロン(foramsulfron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、プリミスルフロン-メチル(primisulfuron-methyl)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルピルス
ルフロン-メチル(flupyrsulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、ベンスルフロン
-メチル(bensulfuron-methyl)、メソスルフロン-メチル(mesosulfron-methyl)、メタゾスルフロン(metazosulfron)、メトスルフロン-メチル(metsulfuron-methyl)、リムスルフロン(rimsulfuron)、2-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-7-プロピルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-スルホンアミド、3-クロロ-N-(4,6-ジメ
トキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-4-(5-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、3-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピ
リミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-4-(6-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、3-クロロ-4-(5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-4-(5-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホン
アミド、N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-4-(6-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、4-(5,6-ジ
ヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1,3-ジメチル-4-(5-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、4-(5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-スルホン
アミド、ビスピリバック(bispyribac)、ピリチオバック(pyrithiobac)、ピリフタリ
ド(pyriftalid)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピリミノバック-メチル(pyriminobac-methyl)、モノスルフロン(monosulfuron
)、モノスルフロンメチル(monosulfuron-methyl)、ジメピペレート(dimepiperate)
、ピリブチカルブ(pyributicarb)、メフェナセット(mefenacet)、テニルクロール(thenylchlor)、ブロモブチド(bromobutide)エトベンザニド(etobenzanid)、ダイムロン(dymron)、クミルロン(cumyluron)、ベンタゾン(bentazone)、ベンタゾンの塩、2,4−D、2,4−Dの塩、2,4−Dのエステル、MCP、MCPの塩、MCPのエステル、MCPB、MCPBの塩、MCPBのエステル、フェノチオール(MCPA-thioethyl)、クロメプロップ(clomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)、オキサジアゾ
ン(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、ジメタメトリン(dimethametryn)、シメトリン(simetryn)、ピペロホス(piperophos)、アニロホス(anilofos)、ベンスリド(bensulide)、ジチオピル(dithiopyr)、CNP、クロメトキシ
ニル(chlormethoxynil)、シハロホップブチル(cyhalofop butyl)、ビフェノックス(bifenox)、カフェンストロール(cafenstrole)、ペントキサゾン(pentoxazone)、イ
ンダノファン(indanofan)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、フェントラザミ
ド(fentrazamide)、ブテナクロール(butenachlor)、ACN、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンフレセート(benfuresate)、シマジン(simazine)、ジクロベンジ
ル(dichlobenil)、ジウロン(diuron)、クロロIPC(chlorpropham)、アトラジン
(atrazine)、アラクロール(alachlor)、イソウロン(isouron)、クロルフタリム(chlorphtalim)、シアナジン(cyanazin)、トリフルラリン(trifluralin)、プロピザミド(propyzamide)、プロメトリン(prometryn)、ペンディメタリン(pendimethalin)
、メトリブジン(metribuzin)、リニュロン(linuron)、レナシル(lenacil)、プロパニル(propanil)、MCPA、アイオキシニル(ioxynil octanoate)、アシュラム(asulam)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップテフリル(quizalofop-tefuryl)、セトキシジム(sethoxydim)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フェンメディファム(phenmedipham)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ベンタゾン(bentazone)、SAP(bensulide
)、TCTP(chlorthal-dimethyl,tetorachlorothiophene)、アミプロホスメチル(amiprophosmethyl)、アメトリン(ametryn)、イソキサベン(isoxaben)、テフリルトリ
オン(tefuryltrione)、カルブチレート(karbutilate)、ジチオピル(dithiopyr)、シ
デュロン(siduron)、チアザフルロン(thiazafluron)、ナプロパミド(napropamide)、プロジアミン(prodiamine)、ピラクロニル(pyraclonil)、ベスロジン(benefin)
、メチルダイムロン(methyl dymron)、2,4−PA、MCPPA、イマザキン(imazaquin)、イマザピル(imazapyr)、テトラピオン(flupropanate)、テブティウロン(tebuthiuron)、ブロマシル(bromacil)、ヘキサジノン(hexazinone)、グリホサートア
ンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-iso-propylammonium)、グリホサートトリメシウム塩(glyphosate-trimesium)、グリホサートナトリウム塩(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム塩(glyphosate-potassium)、ビアラホス(bialaphos)、グルホシネート(glufosinate-ammonium)、MCC、メソトリオン(mesotrione)、ペノキススラム(penoxsulam)、アミノピラリド(aminopyralid)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ピノキサデン(pinoxaden)、プロポ
キシカルバゾンナトリウム塩(propoxycarbazone-sodium)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロキシスラム(pyroxsulam)、テン
ボトリオン(tembotrione)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone-methyl)、トプラメゾン(topramezon)。
【0028】
殺菌剤:アミスルブロム(amisulbrom)、アシベンゾラール(acibenzolar)、アムプ
ロピルホス(ampropyfos)、アニラジン(anilazine)、アザコナゾール(azaconazole)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベノダニル(benodanil)、ベノミル(benomyl)、ベンザマクリル(benzamacril)、ビナパクリル(binapacryl)、ビフェニル(biphenyl)、ビテルタノール(bitertanol)、ベトキサジン(bethoxazine)、ボルドー液(bordeaux mixture)、ブラストサイジン−S(blasticidin-S
)、ブロモコナゾール(bromoconazole)、ブピリメート(bupirimate)、ブチオベート
(buthiobate)、カルシウムポリスルフィド(calcium polysulfide)、キャプタフォー
ル(captafol)、キャプタン(captan)、カッパーオキシクロリド(copper oxychloride)、カルプロパミド(carpropamid)、カルベンダジン(carbendazim)、カルボキシン(carboxin)、キノメチオネート(chinomethionat)、クロベンチアゾン(chlobenthiazone)、クロルフェナゾール(chlorfenazol)、クロロネブ(chloroneb)、クロロタロニル(chlorothalonil)、クロゾリネート(chlozolinate)、クフラネブ(cufraneb)、シモキサニル(cymoxanil)、シプロコナゾール(cyproconazol)、シプロジニル(cyprodinil)、シプロフラム(cyprofuram)、デバカルブ(debacarb)、ジクロロフェン(dichlorophen)、ジクロブトラゾール(diclobutrazol)、ジクロフラニド(diclhlofluanid)、ジクロメジン(diclomedine)、ジクロラン(dicloran)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ジクロシメット(diclocymet)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジフルメトリン(diflumetorim)、ジメチリモール(dimethirimol)、ジメトモルフ(dimethomorph)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール−M(diniconazole-M)
、ジノカップ(dinocap)、ジフェニルアミン(diphenylamine)、ジピリチオン(dipyrithione)、ジタリムホス(ditalimfos)、ジチアノン(dithianon)、ドデモルフ(dodemorph)、ドジン(dodine)、ドラゾクソロン(drazoxolon)、エデフェノホス(edifenphos)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、エタコナゾール(etaconazole)、エチリモル(ethirimol)、ファモキサゾン(famoxadone)、フェナリモル(fenarimol)、フェブコナゾール(febuconazole)、フェンフラム(fenfuram)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、
フェンチン(fentin)、フェルバン(ferbam)、フェリムゾン(ferimzone)、フルアジ
ナム(fluazinam)、フルジオキソニル(fludioxonil)、フルオロイミド(fluoroimide
)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルスルファミド(flusulfamide)、フルトラニル(flutolanil)、フルトリアフォール(flutriafol)、フォルペット(folpet)、フォセチル−アルミニウム(fosetyl-aluminium)
、フベリダゾール(fuberidazole)、フララキシル(furalaxyl)、フェナミドン(fenamidone)、フェンヘキサミド(fenhexamid)、グアザチン(guazatine)、ヘキサクロロベ
ンゼン(hexachlorobenzene)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ヒメキサゾール(hymexazol)、イマザリル(imazalil)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イミノクタジン(iminoctadine)、イプコナゾール(ipconazole)、イプロジオン(iprodione
)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、カスガマイシン(kasugamycin)、クレソキシム−メチル(kresoxim-methyl)、マンカッパー(mancopper)、マンゼブ(mancozeb)、マンネブ(maneb)、メパニピリム(mepanipyrim
)、メプロニル(mepronil)、メタラキシル(metalaxyl)、メトコナゾール(metconazole)、メチラム(metiram)、メトミノストロビン(metominostrobin)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ナバム(nabam)、ニッケルビス(ジメチルジチオカーバメート)(nickel bis(dimethyldithiocarbamate))、ニトロタール−イソプロピル(nitrothal-isopropyl)、ヌアリモル(nuarimol)、オクチリノン(octhilinone)、オフレース(ofurace)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、オキポコナゾールフマール酸塩(oxpoconazole fumarate)、ペフラゾエート(pefurzoate)、ペンコ
ナゾール(penconazole)、ペンシクロン(pencycuron)、フタライド(phthalide)、ピペラリン(piperalin)、ポリオキシン(polyoxins)、プロベナゾール(probenazole)
、プロクロラズ(prochloraz)、プロシミドン(procymidone)、プロパモカルブ塩酸塩
(propamocarb hydrochloride)、プロピネブ(propineb)、ピラゾホス(pyrazophos)
、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリメタニル(pyrimethanil)、ピロキロン(pyroquilon)、キノキシフェン(quinoxyfen)、キントゼン(quintozene)、硫黄(sulfur)
、スピロキサミン(spiroxamine)、テブコナゾール(tebuconazole)、テクナゼン(tecnazene)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チフルザミド(thifluzamide)、チオ
ファネート−メチル(thiophanate-methyl)、チラム(thiram)、トルクロホス−メチル(tolclofos-methyl)、トリルフラニド(tolylfluanid)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(toriadimenol)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリシクラ
ゾール(tricyclazole)、トリデモルフ(tridemorph)、トリフルミゾール(triflumizole)、トリホリン(triforine)、トリチコナゾール(triticonazole)、バリダマイシン(validamycin)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram)、オキシン銅(oxine-copper)。
【0029】
殺バクテリア剤:ストレプトマイシン(streptomycin)、オキシテトラサイクリン(oxyterracycline)、オキソリニックアシド(oxolinic acid)。
【0030】
殺線虫剤:アルドキシカルブ(aldoxycarb)、フォスチエタン(fosthietan)、オキサミル(oxamyl)、フェナミホス(fenamiphos)。
【0031】
殺ダニ剤:シエノピラフェン(cyenopyrafen)、シフルメトフェン(cyfulmetofen)等のアクリロニトリル系化合物、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、ピリダベン(pyridaben)、アミトラズ(amitraz)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、チノメチオネート(chinomethionat)、クロロベンジラート(chlorobezilate)、クロフェンテジン(clofentezine)、サイヘキサチン(cyhexatine)、ジコフォール(dicofol)、ジエノクロール(dienochlor)、エトキサゾール(etoxazole)、フェナザキン(fenazaquin)、フェンブタチンオキシド(fenbutatin oxide)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンプロキシメート(fenproximate)、ハルフェ
ンプロックス(halfenprox)、ヘキシチアゾックス(hexythiazox)、ミルベメクチン(milbemectin)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)。
【0032】
殺虫剤:アバメクチン(abamectin)、アセフェート(acephate)、アセタミピリド(acetamipirid)、アジンホス−メチル(azinphos-methyl)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンスルタップ(bensultap)、ビフェントリン(bifenthrin)、ブプロフェジン(buprofezin)、ブトカルボキシン(butocarboxim)、カルバリル(carbaryl)、カルボフ
ラン(carbofuran)、カルタップ(cartap)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルフル
アズロン(chlorfluazuron)、クロチアニジン(clothianidin)、クロマフェノジド(chromafenozide)、クロピリホス−メチル(chlorpyrifos-methyl)、シフルトリン(cyfluthrin)、ベータ−シフルトリン(beta-cyfluthrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、シロマジン(cyromazine)、ラムダ−シハロトリン(lambda-cyhalothrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ジアクロデン(diacloden)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジオフェノラン(diofenolan)、ジメトエート(dimethoate)、EPN、エスフェンバレレ
ート(esfenvalerate)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、エチプロール(ethiprole)、エトフェンプロックス(etofenprox)、エトリムホス(etrimfos)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェノキシカーブ(fenoxycarb)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フィプロニル(fipronil)、フルフェノクスウロン(flufenoxuron)、フルフェンプロックス(flufenprox)、タウ−フルバリネート(tau-fluvalinate)、ホノホス(fonophos)、フォルメタネート(formetanate)、フォルモチオン(formothion)、フラチオカルブ(furathiocarb)、ハロフェノジド(halofenozide)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、イミダクロプリド(imidacloprid)、イソフェンホス(isofenphos)、インドキサカルブ(indoxacarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、ルフェヌウロン(lufenuron)、マラ
チオン(malathion)、メタルデヒド(metaldehyde)、メタミドホス(methamidophos)
、メチダチオン(methidathion)、メタクリホス(methacrifos)、メタルカルブ(metalcarb)、メソミル(methomyl)、メソプレン(methoprene)、メトキシクロール(methoxychlor)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、モノクロトホス(monocrotophos)、ムスカルーレ(muscalure)、ニテンピラム(nitenpyram)、オメトエート(omethoate)、オキシデメトン−メチル(oxydemeton-methyl)、オキサミル(oxamyl)、パラチオ
ン(parathion)、パラチオン−メチル(parathion-methyl)、ペルメトリン(permethrin)、フォキシム(phoxim)、ホレート(phorate)、ホサロン(phosalone)、ホスメッ
ト(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ピリミカルブ(pirimicarb)、ピメ
トロジン(pymetrozine)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ロテノン(rotenone
)、スルプロホス(sulprofos)、スピノサド(spinosad)、スルホテップ(sulfotep)
、テブフェノジド(tebfenozide)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、テフルトリン(tefluthorin)、テルブホス(terbufos)、テトラクロロビンホス(tetrachlorvinphos)、チオジカルブ(thiodicarb)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チオファノックス(thiofanox)、チオメトン(thiometon)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、トラロ
メスリン(tralomethrin)、トリクロルホン(trichlorfon)、トリアズロン(triazuron)、トリフルムロン(triflumuron)、バミドチオン(vamidothion)等があげられる。
【0033】
25℃で液体の農薬活性成分の具体例としては、以下のものが挙げられる。
【0034】
除草剤:MCPAエチル、MCPBエチル、ベンチオカーブ(benthiocarb)、オルソ
ベンカーブ(orbencarb)、エスプロカルブ(esprocarb)、モリネート(molinate)、プレチラクロール(pretilachlor)、メトラクロール(metolachlor)、ブタクロール(butachlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、クレトジム(clethodim)、ブタミホス(butamifos)、シンメチリン(cimmethylin)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)等。
【0035】
殺虫剤:シアノホス(cyanophos)、フェンチオン(fenthion)、フェニトロチオン(fenitrothion)、ジクロフェンチオン(dichlofenthion)、ピリミホス−メチル(pirimiphos-methyl)、ダイアジノン(diazinon)、イソキサチオン(isoxathion)、フェントエート(phenthoate)、ジスルフォトン(disulfoton)、プロチオホス(prothiofos)、プ
ロフェノホス(profenofos)、ピラクロホス(pyraclofos)、ジクロルボス(dichlorvos)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、アレスリン(allethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、フルシトリネート(flucythrinate)、フ
ルバリネート(fluvalinate)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、ピリダリル(pyridalyl)等。
殺ダニ剤:プロパルギット(propargite)等。
殺線虫剤:1,3−ジクロロプロペン(1,3-dichloropropene)、DCIP、フォスチアゼート(fosthiazate)、カズサホス(cadusafos)等。
【0036】
殺菌剤:アンバム(amobam)、イプロベンホス(iprobenfos)、エディフェンホス(edifenphos)、プロピコナゾール(propiconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、クロルピクリン(chloropicrin)、エトリジアノール(etridiazole)等。
【0037】
上記農薬活性成分は、単独でまたは2種以上混合して使用することができ、混合する場合の比も自由に選択できる。
【0038】
本発明の粒状農薬組成物は、例えば下記の方法によって製造することができる。粒状担体を混合機に投入し、該粒状担体を攪拌しながら、25℃で固体の農薬活性成分または農薬活性成分を含有する固体状組成物を添加して混合する。その後フタル酸エステルおよび脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルから選ばれる1種以上の有機溶剤を添加して、十分に混合することで粒状担体に農薬活性成分を担持被覆させる。
【0039】
界面活性剤は、前記溶剤に溶解もしくは分散させたもの、あるいは界面活性剤だけを前記粒状担体に加え含浸させても良い。また、あらかじめ、農薬活性成分と一緒に固体状組成物に混合しても良いし、界面活性剤を含ませた粒状担体を使用しても良い。
【0040】
混合機としては種々のタイプのものが使用でき、例えば、ナウターミキサー、リボンミキサー、双腕ニーダー、パドルミキサー、V型ミキサー及びドラムミキサー等が挙げられる。
【実施例】
【0041】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において「部」は重量部を意味する。
【0042】
なお、以下の実施例と比較例において、用いた農薬活性成分に代えて又は用いた農薬活性成分に加えて他の農薬活性成分の1種以上を含有させることができる。そのような農薬活性成分としては、特に限定されないが、ジウロン、シデュロン、リニュロン、アラクロール、プレチラクロール、ブタクロールおよびジメテナミドが適している。
【0043】
〔実施例1〕
粒状担体(ファイン粒剤、商品名、浅田製粉製)93.81部を攪拌しながら、キザロホップ−P−エチル1.5部とホワイトカーボン(カープレックス#80、商品名、エボニック・デグサ・ジャパン(株))0.69部を均一に混合した粉状組成物を添加し、混合させた。引き続き攪拌しながら、フタル酸ジトリデシル(ビニサイザー20、商品名、花王製)4.0部を添加して十分に混合し、本発明の粒状農薬組成物を製造した。
【0044】
〔実施例2〕
粒状担体(ファイン粒剤、商品名、浅田製粉製)96.29部を攪拌しながら、アミスルブロム0.5部とホワイトカーボン(カープレックス#80、商品名、エボニック・デグサ・ジャパン(株))0.21部を均一に混合した粉状組成物を添加し、混合させた。
引き続き攪拌しながら、フタル酸ジトリデシル(ビニサイザー20、商品名、花王製)3.0部を添加して十分に混合し、本発明の粒状農薬組成物を製造した。
【0045】
〔実施例3〕
実施例2においてフタル酸ジトリデシルをアジピン酸ジイソブチル(ビニサイザー40、商品名、花王製)に変更した以外は全て実施例2と同様にして本発明の粒状農薬組成物を製造した。
【0046】
〔実施例4〕
粒状担体(ファイン粒剤、商品名、浅田製粉製)97.3部を攪拌しながら、ピラゾスルフロンエチル0.07部を添加し、混合させた。引き続き攪拌しながら、ブタクロール2.63%とアジピン酸ジイソブチル(ビニサイザー40、商品名、花王製)2.0部を添加して十分に混合し、本発明の粒状農薬組成物を製造した。
【0047】
〔比較例1〕
実施例1においてフタル酸ジトリデシルをノルマルパラフィンに変更した以外は全て実施例1と同様にして粒状農薬組成物を製造した。
〔比較例2〕
実施例2においてフタル酸ジトリデシルをノルマルパラフィンに変更した以外は全て実施例2と同様にして粒状農薬組成物を製造した。
〔比較例3〕
実施例3においてアジピン酸ジイソブチルをノルマルパラフィンに変更した以外は全て実施例3と同様にして粒状農薬組成物を製造した。
【0048】

〔試験例〕
実施例および比較例で得られた粒状農薬組成物100gをボールミルに入れ、75rpmで30分間処理後、106μmの篩にて振るって剥がれた微粉の量と微粉中の成分濃度から、剥がれた成分量を測定した。結果を表1に示した。
【0049】

表1
―――――――――――――――――――――――――――――
農薬活性成分 剥離活性成分量(%)
―――――――――――――――――――――――――――――
実施例1 キザロホップ−P−エチル 0.30
実施例2 アミスルブロム 0.08
実施例3 アミスルブロム 0.13
実施例4 ピラゾスルフロンエチル 0.0037
ブタクロール 0.132
比較例1 キザロホップ−P−エチル 0.50
比較例2 アミスルブロム 0.20
比較例3 ピラゾスルフロンエチル 0.0051
ブタクロール 0.148
―――――――――――――――――――――――――――――

【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明組成物は有害生物の防除に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬活性成分を含有する固体状組成物または25℃で固体の農薬活性成分が、フタル酸エステルおよび脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルから選ばれる1種以上の有機溶剤に、完全に溶解されていない状態または均一に分散されていない状態で、樋状の凹面構造を有しない粒状担体に担持被覆されている被覆型粒状農薬組成物。
【請求項2】
有機溶剤が、フタル酸エステルである請求項1記載の粒状農薬組成物。
【請求項3】
フタル酸エステルが、フタル酸ジアルキルエステルである請求項2記載の粒状農薬組成物。
【請求項4】
フタル酸ジアルキルエステルのアルキル部分の炭素数が、8ないし13である請求項3記載の粒状農薬組成物。
【請求項5】
フタル酸エステルが、フタル酸ジ−n−デシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジイソノニルまたはフタル酸ジ−2−エチルヘキシルである請求項2記載の粒状農薬組成物。
【請求項6】
有機溶剤が、脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルである請求項1記載の粒状農薬組成物。
【請求項7】
脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルが、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシルまたはアジピン酸ジオレイルである請求項6の粒状農薬組成物。
【請求項8】
粒状担体が多孔質粒状担体である請求項1ないし7から選ばれるいずれか1項記載の粒状農薬組成物。
【請求項9】
粒状担体を混合機に投入し、該粒状担体を攪拌しながら、農薬活性成分を含有する固体状組成物または25℃で固体の農薬活性成分を添加して混合し、その後フタル酸エステルおよび脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルから選ばれる1種以上の有機溶剤を添加して更に混合することにより該粒状担体に農薬活性成分を担持被覆させる被覆型粒状農薬組成物の製造方法。


【公開番号】特開2011−246410(P2011−246410A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122743(P2010−122743)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】