被覆電線の導通検査方法とその装置
【課題】導通部品のないコネクタに設けられた被覆電線の導通検査が可能となる被覆電線の導通検査兼電線切断装置を提供する。
【解決手段】可動部2と前記可動部の下に配置される固定部3とから構成される被覆電線の導通検査兼電線切断装置1であって、前記可動部には、前記固定部に向けて長さ方向に互いにずらして配置された導通性の複数個の電線切断刃M1、M2、M3と、前記各電線切断刃に接続されて前記可動部の側面まで延びる導電性金属2Dと、を備え、前記固定部には、前記各電線切断刃をそれぞれ上昇・下降させる駆動装置と、前記可動部側にあけられ前記電線切断刃が挿入される電線切断刃挿入孔3Mと、固定部の側面にあけられ、検査対象の被覆電線を挿入し各電線切断刃の真下を通過させるまで達する被覆電線挿入孔3Lとを備えた。
【解決手段】可動部2と前記可動部の下に配置される固定部3とから構成される被覆電線の導通検査兼電線切断装置1であって、前記可動部には、前記固定部に向けて長さ方向に互いにずらして配置された導通性の複数個の電線切断刃M1、M2、M3と、前記各電線切断刃に接続されて前記可動部の側面まで延びる導電性金属2Dと、を備え、前記固定部には、前記各電線切断刃をそれぞれ上昇・下降させる駆動装置と、前記可動部側にあけられ前記電線切断刃が挿入される電線切断刃挿入孔3Mと、固定部の側面にあけられ、検査対象の被覆電線を挿入し各電線切断刃の真下を通過させるまで達する被覆電線挿入孔3Lとを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌用室内照明装置の電線の導通検査に関するもので、特に導通部品のないコネクタに設けられたワイヤハーネスを構成する被覆電線の導通検査およびそれを実現する導通検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
<特許文献1記載の車輌用室内照明装置>
導通部品を内部に持たないコネクタに収容された電線の電気的接続を圧接部材を用いて行うことは、既に公知である(特許文献1参照)。図6は特許文献1記載のコネクタを示し、図6(A)は斜視図、図6(B)は図6(A)のD−D断面図である。
図6において、コネクタAは圧接用カバーBを備えており、この圧接用カバーBで、電線W1とコンタクトCを圧接して電線W1とコンタクトCと間の電気的接続を行なうものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−147273号公報
【0004】
<特許文献1記載の発明の問題点>
従来の電線圧接型のコネクタは、複数の電線を保持した圧接カバーを直接ハウジングに押圧することで、ハウジング側の各コンタクトの圧接溝に圧入するものであり、圧接接続する電線の数量が少ない場合には効果があるが、電線の数量が多くなると大きな操作力が必要となり、専用の圧接用治具を使用しないと圧接作業ができない、という問題点があった。従って、専用の圧接用治具が整っていない現場等では、ワイヤハーネスを製造することが難しいという問題があった。
【0005】
この問題点を解決するために、本出願人は先に発明をし、特願2009−268928号として特許出願した(以後、「先行発明」という)。先行発明によれば、ワイヤハーネスの製造に専用の圧接用治具や手間のかかる端末処理が不要で、ワイヤハーネスの製造コストを低減することができ、かつ、ワイヤハーネスの配索時に端子の汚損等による品質低下がなく、信頼性を向上させることができるコネクタが得られる。
【0006】
図7は先行発明に係るホルダ受容部を備えたハウジングの斜視図である。図7では、ホルダ受容部を備えた電線ホルダが垂直に挿入されて、電線ホルダの取付用軸部がホルダ受容部のホルダ軸支部に係合した状態を示している。図7において、車輌用室内照明装置100は、ハウジング400を備え、ハウジング400の裏側400Rに第1コネクタ430を設けている。この第1コネクタ430はバスバー500を固定すると共に多数の圧接刃510を配置している。一方、電線W2をホルダ610とカバー620とによって挟持している第2コネクタ600は、回動軸600Sを中心に回動して第1コネクタ430の上に接触し、第2コネクタ600を第1コネクタ430に嵌合させることにより、多数の圧接刃510がそれぞれの対応する電線W2に食い込み電気的に接続するものである。
【0007】
<先行発明における問題点>
先行発明に係る車輌用室内照明装置100によれば、第2コネクタ600を回動軸600Sを中心に回動して第1コネクタ430の上に接触させればよいので、ワイヤハーネスの製造に専用の圧接用治具や手間のかかる端末処理が不要となり、ワイヤハーネスの製造コストを低減することができ、かつ、ワイヤハーネスの配索時に端子の汚損等による品質低下がなく、信頼性を向上させることができるようになった。
しかしながら、電線に対するホルダおよびカバーの取り付け位置を正確に決めることが難しい、という問題点があった。
【0008】
<更なる改良>
そこで、先行発明の持つ上記問題点をさらに解決するために、後述する電線配索用治具を用いると、電線に対するカバーおよびホルダの取り付け位置を正確にかつ簡単に決めることができた。
【0009】
〈本発明が対象とする車輌用室内照明装置〉
電線配索用治具について説明する前に、まず、電線配索用治具を用いて配索された電線付きコネクタが取り付けられる車輌用室内照明装置について、図面を参照して簡単に説明する。図8は本発明が対象とする車輌用室内照明装置を示す分解斜視図である。図8において、車輌用室内照明装置10は、車輌の車室を区画する隔壁板(天井板)に取り付けられ、略長方形状のレンズ20、縦長のスイッチノブ30、略長方形状のハウジング40、バスバー50とから概略構成されている。
【0010】
ハウジング40の表側40Fにはバルブ収容室41が形成され、バルブ収容室41の中央部には光源であるバルブ41Bが組付けられ、ハウジング40の側部にはスイッチ収容室42が設けられ、スイッチノブ30が表側40Fから摺動自在に組付けられる。
また、ハウジング40の一側部にはハウジング40の側方に突出して第1コネクタ43が設けられている。この第1コネクタ43には、電線(ワイヤハーネス)Wが固定された第2コネクタ60(図9(A))が嵌合する。ハウジング40の第1コネクタ43と反対側の他側部には、車輌用室内照明装置10を車輌室内の隔壁板に取り付けるための金属クリップ44(図8)が固定される。スイッチノブ30と連動するスイッチ42R(図9(A))が、裏側40Rからスイッチ収容室42内に組付けられ、ハウジング40の裏側40Rには、スイッチ42Rやバルブ41B等を電気的に接続するための回路であるバスバー50(図8)が組付け固定される。バスバー50の一端には、複数の圧接刃51(図8)が個々に並列状に縦方向に配置され、圧接刃51は第1コネクタ43内に装着固定されている。
【0011】
次ぎに、圧接刃51による電気接続を図9を用いて説明する。
図9は導通部品を内蔵しない第2コネクタを図8の車輌用室内照明装置に装着する状態を示し、図9(A)はコネクタの装着前を示す裏面斜視図、図9(B)は装着完了状態を示す裏面から見た平面図、図9(C)は図9(B)のA−A断面図である。図9において、第1コネクタ43には、電線Wが固定された第2コネクタ60が嵌合する。ハウジング40の裏側40Rには、スイッチ42Rとバスバー50とが固定され、バスバー50の圧接刃51(図8)が第1コネクタ43(図9(C))に固定されている。
したがって、第2コネクタ60が導通部品を内蔵していなくても、第2コネクタ60が第1コネクタ43に挿入されて第1コネクタ43と嵌合すると、電線Wの被覆樹脂層に圧接刃51が食い込み、図9(C)に示すように、電線Wと圧接刃51が電気的に接続された状態となる。これによって、車輌用室内照明装置10の装着は完了する。
【0012】
<車輌用室内照明装置の各部品の組み付け工程>
(1)〈金属クリップ44およびバスバー50の装着:図10〉
図10は、車輌用室内照明装置のバスバーと金具の装着状態を示す図で、図10(A)は装着前を示す裏面斜視図、図10(B)は装着完了状態を示す裏面斜視図、図10(C)は図10(B)のA部拡大図である。
図10において、ハウジング40の第1コネクタ43(図9(A))と反対側の側面に設けられた係合溝44R(図10(A))に金属クリップ44が係合固定され、ハウジング40の裏側40R全体にバスバー50が装着固定される。バスバー50は、裏側40Rに複数形成された突起40T(図10(C))に仮固定された後、突起40Tの先端を溶融する熱溶着方法でバスバー50を裏側40Rに固定する。
(2)〈スイッチ42Rの装着:図11〉
図11は車輌用室内照明装置のスイッチの装着状態を示す図で、図11(A)はスイッチの装着前を示す裏面斜視図、図11(B)は装着完了状態を示す裏面右斜視図、図11(C)は装着完了状態を示す裏面左斜視図である。スイッチ42Rは、ハウジング40に設けられたスイッチ収容室42内に、ハウジング40の裏側40Rから装着固定される。
(3)〈スイッチノブ30の装着:図12〉
図12は車輌用室内照明装置のスイッチノブの装着状態を示す図で、図12(A)はスイッチノブの装着前を示す正面斜視図、図12(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。スイッチノブ30は、ハウジング40の表側40Fからスイッチ42Rと連動できるようにスイッチ収容室42の内部を覆い隠すようにスイッチ収容室42内に摺動自在に装着される。
(4)〈バルブ41Bの装着:図13〉
図13は車輌用室内照明装置のバルブの装着状態を示す図で、図13(A)はバルブの装着前を示す正面斜視図、図13(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。バルブ41Bはハウジング40の表側40Fからバルブ収容室41の略中央部に装着され、バスバー50と電気的に接続される。
(5)〈レンズ20の装着:図14〉
図14は車輌用室内照明装置のレンズの装着状態を示す図で、図14(A)はレンズの装着前を示す正面斜視図、図14(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。レンズ20はハウジング40の表側40Fからハウジング40を覆い隠すようにして、レンズ20の両端側に形成された複数の係合片20Sとハウジング40の両端側に形成された係合突起40Sとが係合して、ハウジング40に装着される。その際、レンズ20に設けられた開口部21がスイッチノブ30の側面に周接する。
以上で、本発明が対象とする車輌用室内照明装置の全体構成およびこれらを構成する主な部品について説明した。
【0013】
次ぎに、図9で説明した第1コネクタ43に嵌合される電線付き第2コネクタ60について、その第2コネクタ60へ電線を装着するための配索用治具、およびそれを用いた電線装着方法について図15を用いて説明する。
〈電線配索用治具〉
《配索用治具にあるホルダ用台座とカバー用台座》
図15は電線配索用治具を用いて図8の車輌用室内照明装置に組付けられるコネクタへの電線装着方法を示す図で、図15(A)(1)はコネクタ組付け前の斜視図、図15(A)(2)はコネクタを治具上に仮固定した斜視図、図15(B)は電線をコネクタに装着する前の斜視図である。図15(A)(1)において、第2コネクタ60は、ホルダ61と、このホルダ61の端部とヒンジで連結されたカバー62とから成っている。ホルダ61には電線Wを敷設する複数の溝63が設けられている。本発明に係る電線配索用治具70には、第2コネクタ60のホルダ61とカバー62とをそれぞれ載置する第2コネクタ用台座71が治具70の中心線上の一方の縁部近傍に設けられている。第2コネクタ用台座71のうち71Aがホルダ61用台座であり、71Bがカバー62用台座である。そして、ホルダ用台座71Aからホルダ用の位置決め突起71Tが上方に突出して設けられている。
【0014】
《配索用治具にあるコネクタ用位置決めピンと電線用位置決めピン》
更に、電線配索用治具70には、2種類(ピン72Aとピン72B)の位置決めピン72が立設されている。
1つは第3コネクタ80を位置決めするための第3コネクタ用位置決めピン72Aの2個で、配索用治具70の別の縁部にこれらの2個が電線の幅に相当する間隔を互いにあけて並設されている。
もう1つは電線を位置決めするための複数(図15では4個)の電線用位置決めピン72Bで、配索用治具70の四隅の近傍にそれぞれ1個設けられている。
第3コネクタ用位置決めピン72Aで固定された第3コネクタの上下からそれぞれ複数本(図では3本)の電線Wが水平方向に延出し、その各電線Wを上下そのまま各電線用位置決めピン72Bの側面に這わせて90度方向転換させることで、配索用治具70の四隅を引き回すことができる。
【0015】
<電線配索用治具の使用方法>
次ぎに、この電線配索用治具の使用方法について、図15および図16を用いて説明する。図16は車輌用室内照明装置に装着される第2コネクタへの電線装着方法を示し、図16(A)は電線が第2コネクタに組み付けられる直前状態の斜視図、図16(B)は電線の仮固定の完成斜視図、図16(C)は第2コネクタの装着が完成した状態を示す斜視図である。
(1)組付方法の最初の工程は、第2コネクタ60のホルダ61をホルダ用位置決め突起71Tの直上に持ってくる(図15(A)(1)参照)。
(2)ホルダ61を図15(A)(1)の白抜き矢印の下方に降ろして、ホルダ用位置決め突起71Tの上に挿入し、第2コネクタ60を台座71の上に仮固定する(図15(A)(2)参照)。
(3)複数本の電線W付き第3コネクタ80を電線配索用治具70の上に持ってくる。このとき、第3コネクタ80側は一対の第3コネクタ用位置決めピン72A、72Aの真上に、また、3本の電線Wは電線配索用治具70の上を真っ直ぐ横切る方向に持ってくる(図15(B))。
(4)電線W付き第3コネクタ80全体を、そのまま、図15(B)の白抜き矢印の下方に降下させて、まず、第3コネクタ80を第3コネクタ用位置決めピン72A、72Aの外側(電線配索用治具70の反対側)に当接させ、第3コネクタ80の付け根の電線W部分を第3コネクタ用位置決めピン72A、72Aの間に挟み込む(図16(A))。
(5)次ぎに、第3コネクタ80から延出する上下3本の電線W部分を、第3コネクタ用位置決めピン72A側にある2個の電線用位置決めピン72B、72Bの側面にそれぞれ順次沿わせて方向転換させて、ホルダ用台座71A近傍まで持ってくる。
そこから各電線Wをホルダ用台座71Aの上に仮固定されているホルダ61の複数の溝63に挿入する。
さらに、各電線Wを残りの2個の電線用位置決めピン72B、72Bの側面にそれぞれ順次沿わせて方向転換させて、電線配索用治具70の反対側から電線Wを外に導出する(図16(A))。
(6)第3コネクタ80から延出する上下3本の電線W部分の端部を図16(B)の矢印方向F(第3コネクタ80の反対方向)に強く引っ張ると、電線用位置決めピン72Bにより電線Wの弛みが緩和され、またホルダ61の複数の溝63に緩く敷設されていた電線Wは各溝63の中にしっかり固定される(図16(B))。
(7)この状態でカバー62をヒンジ部で折り返してホルダ61に被せることにより、電線Wをホルダ61とカバー62とで挟持させて、電線Wを第2コネクタ60内に固定させる。
以上の工程により、第2コネクタ60への電線Wの装着が完了する(図16(C)参照)。
このような電線配索用治具70を用いることで、電線Wの弛みが解消でき、ホルダへの取り付けを正確に行うことができる。
【0016】
このようにして得られた第2コネクタ60(図16(C))を図9(A)の室内照明装置10のハウジング40の第1コネクタ43内に挿入すると、第1コネクタ43と第2コネクタ60とが嵌合される(図9(B))と共に、圧接刃51(図8)が電線Wの被覆樹脂層に食い込み電線Wを圧接する(図9(C))ので、電線Wとバスバー50とが電気的に接続された状態となる。
以上の手順により、車輌用室内照明装置10への導通部品のないコネクタの組付が完了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記の電線配索用治具70によって配索されたコネクタ付き電線のそのコネクタ(第2コネクタ)内部には導通部品(従来品ではメス端子)がないので部品点数が削減できる、という効果もある。
ところが、長い被覆電線の途中に芯線の断線切れがないかを検査する電線導通検査をするに当たって、従来の電線導通検査方法は、電線Wを挟む両端のコネクタ内の端子(導通部品)間に電流を流して検査していたが、上記の電線配索用治具70によって配索されたコネクタ付き電線の導通検査は第2コネクタ60には導通部品がないので、電線Wを挟む両端のコネクタ60、80間に電流を流すことができない。すなわち、従来の電線導通検査方法が使えない、という問題点がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、導通部品のないコネクタに設けられた電線の導通検査方法とそのための導通検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前述した目的を達成するために、本願発明は、下記(1)〜(7)を特徴としている。
(1) 被覆電線の導通検査方法において、導通性の電線切断刃と電源の一端とを電線で接続し、検査の対象である被覆電線の一端の芯線を前記電源の他端に接続すると共に、前記被覆電線の他端を前記電線切断刃で切断させる途中で、前記電線切断刃が必ず前記被覆電線の芯線に接触することにより前記被覆電線の導通を検査すること。
(2) 前記(1)の被覆電線の導通検査方法において、前記電線切断刃が前記被覆電線に接触したら、前記電線切断刃の降下運動を中断させること。
(3) コネクタ付き被覆電線の自動製造方法において、電線の供給部から送り出された被覆電線をローラにより検長・送出し、所定の長さで切断し、前記端部に端子を取り付けてコネクタハウジングに収容し、前記収容された端子に接続された被覆電線の他端を切断するときに、前記(1)または(2)記載の導通検査方法を実施すること。
(4) 前記(3)のコネクタ付き被覆電線の自動製造方法において、前記電線が複数平行に配置されたワイヤハーネスの中間に電線ホルダを取り付け、前記導通検査を行った後、前記電線切断刃で前記被覆電線の他端を切断すること。
(5) 可動部(2)と前記可動部の下に配置される固定部とから構成される被覆電線の導通検査兼電線切断装置(1)であって、前記可動部には、前記固定部に向けて長さ方向に互いにずらして配置された導通性の複数個の電線切断刃と、前記各電線切断刃に接続されて前記可動部の側面まで延びる導電性金属と、を備え、
前記固定部には、前記各電線切断刃をそれぞれ駆動させる駆動装置と、前記可動部側にあけられ、前記電線切断刃が挿入される電線切断刃挿入孔と、前記固定部の側面にあけられ、検査対象の被覆電線を挿入し前記各電線切断刃の真下を通過する被覆電線挿入孔と、を備え、前記電線切断刃が前記被覆電線の芯線に接触したとき前記駆動装置が前記電線切断刃の駆動運動を中断させること。
(6) コネクタ付き被覆電線の自動製造方法において、前記電線が複数平行に配置されたワイヤハーネスの他端を切断し、前記ワイヤハーネスの前記他端近傍に電線ホルダを取り付け、前記他端を前記(5)の被覆電線の導通検査兼電線切断装置の前記挿入孔に入れて、導通検査を行った後、前記電線切断刃で切断すること。
(7) 前記(1)〜(4)のいずれかの方法により、ワイヤハーネスの組み立てを行うこと。
【発明の効果】
【0019】
(1)によれば、電線切断刃が被覆電線の芯線に接触することによって、導通部品のないコネクタに設けられた被覆電線の導通検査が可能となる。
(2)によれば、電線切断刃が被覆電線の芯線に接触した時点で電線切断刃の駆動を中断させるので、導通確認を時間をかけて行うことができる。
(3)によれば、ワイヤハーネスが出来上がった時点で、導通検査がなされるので、製品完成後のこの種の検査を省くことができる。
(4)によれば、被覆電線の他端を切断することで、電線ホルダ付き被覆電線の導通検査と製造が簡単に行われる。
(5)によれば、被覆電線の導通検査兼電線切断装置によって導通部品のないコネクタに設けられた被覆電線の導通検査が簡単に行えるようになり、かつ、電線切断刃が被覆電線の芯線に接触した時点で電線切断刃の降下を中断させるので、導通確認を丁寧に時間をかけて行うことができる。
(6)によれば、コネクタ付き被覆電線の自動製造が行えるようになる。
(7)によれば、ワイヤハーネスの組み立てが出来上がった時点で、導通検査がなされているので、製品完成後のこの種の検査を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る導通検査兼電線切断装置の概念図を説明する図で、図1(A)は斜視図、図1(B)は図1(A)の導通検査兼電線切断装置の可動部を下から見た図である。
【図2】図1の導通検査兼電線切断装置を用いて被覆電線の導通検査をする全体の導通検査システム図である。
【図3】図2の導通検査システムの導通検査手順を示す概念図で、(1)から(5)まで検査手順の順序を示している。
【図4】本発明に係る導通検査兼電線切断装置の電線切断刃の動作を説明する縦断面図で、(1)から(3)の順で行われる。
【図5】本発明に係る導通検査兼電線切断装置の動作のフローチャートである。
【図6】従来技術のコネクタを示し、図6(A)は斜視図、図6(B)は図6(A)のD−D断面図である。
【図7】本発明が対象とする車輌用室内照明装置の裏面斜視図である。
【図8】本発明が対象とする車輌用室内照明装置を示す分解斜視図である。
【図9】導通部品を内蔵しない第2コネクタを図8の車輌用室内照明装置に装着する状態を示し、図9(A)は第2コネクタの装着前を示す裏面斜視図、図9(B)は装着完了状態を示す裏面から見た平面図、図9(C)は図9(B)のA−A断面図である。
【図10】車輌用室内照明装置のバスバーと金具の装着状態を示す図で、図10(A)はバスバーと金具の装着前を示す裏面斜視図、図10(B)は装着完了状態を示す裏面斜視図、図10(C)は図10(B)のA部拡大図である。
【図11】車輌用室内照明装置のスイッチの装着状態示す図で、図11(A)は装着前を示す裏面斜視図、図11(B)は装着完了状態を示す裏面右斜視図、図11(C)は装着完了状態を示す裏面左斜視図である。
【図12】車輌用室内照明装置のスイッチノブの装着状態示す図で、図12(A)はスイッチノブの装着前を示す正面斜視図、図12(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。
【図13】車輌用室内照明装置のバルブ(電球)の装着状態を示す図で、図13(A)はバルブの装着前を示す正面斜視図、図13(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。
【図14】車輌用室内照明装置のレンズの装着状態を示す図で、図14(A)はレンズの装着前を示す正面斜視図、図14(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。
【図15】電線配索用治具を用いて図8の車輌用室内照明装置に組付けられるコネクタへの電線装着方法を示す図で、図15(A)(1)はコネクタ組付け前の斜視図、図15(A)(2)はコネクタを治具上に仮固定した斜視図、図15(B)は電線をコネクタに装着する前の斜視図である。
【図16】車輌用室内照明装置に装着される第2コネクタへの電線装着方法を示し、図16(A)は電線が第2コネクタに組み付けられる直前状態の斜視図、図16(B)は電線の仮固定の完成斜視図、図16(C)は第2コネクタの装着が完成した状態を示す斜視図である。
【図17】車輌用室内照明装置への第2コネクタの装着を示す図で、図17(A)は装着前を示す裏面斜視図、図17(B)は装着完了状態を示す裏面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明に係る導通検査兼電線切断装置の概念図を説明する図で、図1(A)は斜視図、図1(B)は図1(A)の導通検査兼電線切断装置の可動部を下から見た図である。図1(A)において、本発明に係る導通検査兼電線切断装置1は可動部2と固定部3とに分かれる。以下に、可動部2と固定部3について説明する。
【0022】
〈可動部2〉
可動部2は固定部3の直上にあって図示しない駆動装置によって昇降可能となっているもので、固定部3側に複数の電線切断刃2M(M1、M2、M3)を下向きに備えている。
図1(A)では3個の電線切断刃M1〜M3を互いに平行にかつ電線の長さ方向に図1(B)で示すように前後にずらして配設している。
電線切断刃M1〜M3は導電性材料で作られ、これらの電線切断刃M1〜M3に接続された導電性金属2D(図1の点線部分)がそれぞれ可動部2の電源側側面まで延びている。
電源側側面では導電性金属2Dがそれぞれ電線6(図2)に接続され、電線6の他端はそれぞれ電源4(図2)と接続されている。この場合、メータ(電流計)5を図2のように電線6の途中にそれぞれ設けてもよいし、可動部2の中に設けてもよい。
可動部2の四隅には、固定部3のガイド棒3Gが貫通する貫通孔2L(図2)があけられている。
【0023】
〈固定部3〉
図1(A)に戻って、固定部3には可動部2を昇降させるためのガイド棒3Gが四隅に立設され、可動部2の貫通孔2L(図2)をそれぞれ貫通できるようになっている。
固定部3には、可動部2の複数の電線切断刃2Mが挿入される電線切断刃挿入孔3Mが電線切断刃2Mの対向位置にあけられている。
さらに、固定部3の側面には検査対象である被覆電線Wの先端を挿入する被覆電線挿入孔3Lがあけられており、被覆電線挿入孔3Lの内部の奥は、可動部2の電線切断刃2Mが降下する位置を越える位置まで延びている。したがって、被覆電線挿入孔3Lの奥まで挿入された被覆電線Wは、降下してきた電線切断刃2Mによって被覆電線Wが切断されるようになる。
上記の被覆電線挿入孔3Lは奥行きがあってもよいが、固定部3を貫通していてもよい。後者の場合には、さらに、被覆電線挿入孔3Lの中心線を通る平面で固定部3を上下2つに分割し、それぞれヒンジを介して接続し、上の固定部を開閉装置で下の固定部に対して開閉可能にするようにしておくことで、ワイヤハーネス製造工程から送出されてきたワイヤハーネスのそれぞれの電線を、開放された下の固定部の被覆電線挿入孔に自動的に敷設した後、上の固定部を開閉装置で下の固定部の上に覆って閉じて、導通検査兼電線切断装置で導通検査した後、切断することで、コネクタ付き被覆電線の自動製造が行えるようになる。これについては、後述する。
【0024】
図2は図1の導通検査兼電線切断装置1を用いて被覆電線Wの導通検査をする全体の導通検査システム図である。図2において、導通検査兼電線切断装置1の可動部2の電線切断刃M1〜M3(図1)と電源4の一端とがそれぞれメータ(電流計)5を介して電線6で接続されている。電源4の他端には検査対象の被覆電線W1、W2、W3が第3コネクタ80(図16(C)参照)を介してそれぞれ接続され、被覆電線Wの後端WSは図15および図16で説明した電線配索用治具70によって形成された第2コネクタ60(図16(C)参照)を単に被覆電線のまま通って、導通検査兼電線切断装置1の固定部3の被覆電線挿入孔3L(図1)に挿入される。
図2は被覆電線Wの後端WSが導通検査兼電線切断装置1の固定部3の被覆電線挿入孔3Lに挿入される直前の状態を示している。
【0025】
図3は図2の導通検査システムの導通検査手順を示す概念図で、特に、図3(1)は図2の導通検査システムの概念斜視図を示している。図3(2)〜(5)は図3(1)以降に続く手順で、図3(1)で示したメータ回りの図示は省略している。
図4は導通検査兼電線切断装置の内部で被覆電線が電線切断刃によって切断される動作を説明する縦断面図で、(1)は切断前(図3(2)のA−A矢視図)、(2)は切断途中(図3(3)のB−B矢視図)、(3)は切断完了の断面図(図3(4)のC−C矢視図)である。図5はそのフローチャートである。
【0026】
〈1:被覆電線の挿入前〉
図3(1)において、第2コネクタ60内の溝を被覆電線のまま通過した被覆電線Wの先端WS(図2)は、白抜き矢印方向へ移動し、導通検査兼電線切断装置1の固定部3の被覆電線挿入孔3L(図1)に挿入される。
【0027】
〈2:被覆電線の挿入後、切断前〉
図3(2)において、被覆電線Wの後端WSは、固定部3の被覆電線挿入孔3Lに奥深く挿入されている。この状態では導通検査兼電線切断装置1の内部は図4(1)の状態のようになっており、被覆電線W2が可動部2の電線切断刃2Mの真下に位置しており、電線切断刃M2はまだ降下していない。図4(1)は複数の電線切断刃M1、M2、M3(図1(B))のうち電線切断刃M2を通る縦断面図であるので、図4(1)では電線切断刃M2しか描かれていないが、電線切断刃M1はこの紙面より手前にあり、電線切断刃M3は逆にこの紙面より後方にある。以後、電線切断刃M2の動作について説明するが、電線切断刃M1および電線切断刃M3の動作も電線切断刃M2の動作と同じように行われる。
図5のステップS1は、電線切断刃M2が被覆電線W2の上にあって待機している状態である。
【0028】
〈3:被覆電線の切断途中〉
図5のステップS2に移り、電線切断刃2Sは真下に降下して被覆電線W2の絶縁被覆を切断し、さらに芯線Cと接触するまで降下する。電線切断刃2Mが被覆電線W2の芯線Cと接触すると、図5のステップS3に移り、本発明により降下動作をストップさせる。
図3(3)は図5のステップS3に対応するもので、電線切断刃M2は真下に降下して、被覆電線W2の上半分まで切断した状態である。この状態では導通検査兼電線切断装置1の内部は図4(2)の状態のようになっており、電線切断刃M2は被覆電線W2の上半分まで切断している。図4(B)は図4(2)の電線切断刃M2の周辺の拡大図である。
図4(B)から判るように、電線切断刃M2は被覆電線W2の芯線Cに半分食い込んだ状態となっている。このように電線切断刃M2が芯線Cに食い込んだ状態では、被覆電線W2の芯線Cのどこかに非導通部位(断線)がない限り、図2の導通検査システムの導通検査回路が電気的に閉回路を形成するので、メータ(電流計)52の指針が振れることとなる。この場合、メータ52の指針の振れを確認(導通確認)できるようにするために、本発明では、図2の導通検査システムの導通検査回路が電気的に閉回路を形成した時点で駆動回路の電線切断刃の降下動作を中断させるようにしている。
【0029】
〈4:導通検査〉
そして、図5のステップS4に移り、導通検査を行う。
導通検査はメータ5のそれぞれの指針が振れていることを確認することで導通検査合格となる。
メータ5の代わりに発光ダイオードを用いると、発光ダイオードが発光すれば導通検査合格となる。
また、メータ5の代わりに自己保持回路の接点を用い、電源とその接点を介して直接発光ダイオードを発光させるようにしておくと、いったん接点に電流が流れると発光ダイオードが発光し、後は電流がなくなっても(すなわち、電線切断刃の降下動作が再開して、被覆電線Wを切断してしまって、電線切断刃と芯線がもはや接触しないようになっても)、いったん発光した発光ダイオードは発光し続けるので、発光ダイオードの発光の有無によって、断線がないかあるかが簡単に判るようになる。このようにすれば、電線切断刃が芯線に接触した時点で駆動回路の電線切断刃の降下動作を中断させる必要はなくなる。
【0030】
〈5:被覆電線W2の後端の切断〉
導通検査して導通が確認されたら図5のステップS5に移り、図示しない再開ボタンを押すことで駆動回路は電線切断刃の降下動作を再開させ、最終的に被覆電線W2の後端を切断する。
【0031】
《被覆電線の芯線に非導通部位がある場合》
したがって、被覆電線W2の芯線Cに非導通部位(断線)がある場合、電線切断刃M2が芯線Cに半分食い込んでも図2の導通検査システムの導通検査回路が電気的に閉回路を形成しないので、駆動回路は電線切断刃M2の降下動作を中断することなく、電線切断刃M2を下まで降下させ、被覆電線W2の後端を切断する。したがって、確認動作がなされなかったことは、被覆電線の芯線に非導通部位が存在していることの証(あかし)となる。
【0032】
〈被覆電線W1およびW3も同様の動作をする〉
以上、被覆電線W2についての導通検査を説明したが、これと全く同じことは被覆電線W1およびW3についても原則当てはまる。ただし、被覆電線W1およびW3が被覆電線W2と互いに異なるのは、電線切断刃M1、M2、M3の取り付け位置が図1(B)に示すように互いに異なっているので、被覆電線W1、W2、W3の後端の長さがそれぞれ異なった位置で切断されることとなる。
それまでの被覆電線Wの後端が図9(A)のように3本とも長さが揃っていたが、本発明に係る導通検査兼電線切断装置1によって導通検査された後は、被覆電線Wの後端が図17(A)の被覆電線W1’、W2’、W3’ように3本とも長さが異なるのが特徴である。
【0033】
〈被覆電線の後端の長さがそれぞれ異なることの効果〉
被覆電線W1’、W2’、W3’(図17(A))の後端は束ねられて、第2コネクタ60から反対側に導出される被覆電線W1、W2、W3に重ねて絶縁テープ等で巻回して、末端処理が行われることになるが、その際、被覆電線の後端W1’、W2’、W3’が束ねられても、長さが異なるので互いに短絡する恐れがなくなる、という効果がある。
【0034】
なお、ワイヤハーネスの周知の製造ステップに本発明の導通検査兼電線切断装置を用いた導通検査方法を組み込むことで、ワイヤハーネスが出来上がった時点で、導通検査がなされるので、製品完成後のこの種の検査を省くことができる。
すなわち、(1)被覆電線の供給部から送り出された被覆電線をローラにより検長・送出する。(2)被覆電線を所定の長さで切断する。(3)切断した被覆電線の端部に端子を取り付けてコネクタハウジングに収容する。(4)そして、収容された端子に接続された被覆電線の他端を切断するときに、本発明の導通検査兼電線切断装置を用いて、被覆電線の導通検査を行う。
このように、ワイヤハーネスの製造ステップに本発明を用いると、ワイヤハーネスが出来上がった時点で導通検査がなされているので、製品完成後のこの種の検査を省くことができる。
なお、ワイヤハーネスの製造方法は、例えば、特開2008−39748号公報に開示されているので、これを参考にすることができる。
【0035】
〈特開2008−39748号公報記載のワイヤハーネスの製造装置〉
このワイヤハーネスの製造装置は、電線段取り替え装置と自動切断装置と制御部と自動圧着装置と表示端末と導通検査装置とから構成される。制御部は全体の制御、表示端末は各ステップ内容の表示を行う。
1)電線段取り替え手段では複数種ある電線のリールの中から所望の電線を巻いたリールを取り出し、切り替えを行ない、選択された電線を自動切断手段に供給する。
2)自動切断手段では電線段取り替え手段から供給された電線を所定の長さに検長して切断する。
3)自動圧着装置では自動切断手段によって切断された電線の端末に端子を圧着処理する。
4)導通検査装置では圧着処理された電線の両端子を用いて導通検査を行なう。
以上のようにすることで、1本の電線を加工から配線、検査まで連続的に作業できるため、作業時間を短縮することができる。
上記2)の自動切断手段のところで本発明の導通検査兼電線切断装置1を用いるとよい。
そうすれば、導通検査兼電線切断装置1によって導通が確認されているので、4)の導通検査を省略することができる。
また、3)の圧着手段により圧着処理された電線の両端子を用いて、4)の導通検査を行っていたが、端子を圧着した後の導通検査では万一不合格となった場合に、端子が無駄となってしまうが、本発明によれば、端子を圧着しない段階での電線の導通検査が可能となるので、端子が無駄となることを予め回避できる。
【0036】
<本発明のまとめ>
本発明によれば、導通検査兼電線切断装置の電線切断刃を被覆電線の芯線に食い込ませることによって、導通部品のないコネクタに設けられた被覆電線の導通検査が可能となる。
また、電線切断刃が被覆電線の芯線に食い込んだ時点で電線切断刃の降下を中断させるので、導通確認を丁寧に時間をかけて行うことができる。
また、電線切断刃を複数個、被覆電線の長さ方向に互いにずらして配置したので、被覆電線の後端を束ねて絶縁テープで巻回しても被覆電線の後端の長さがそれぞれ異なるため互いに短絡する恐れがなくなる。
さらに、ワイヤハーネスが出来上がった時点で、導通検査がなされるので、製品完成後のこの種の検査を省くことができる。
また、被覆電線の他端を切断することで、電線ホルダ付き被覆電線の導通検査と製造が簡単に行われる。
【符号の説明】
【0037】
1:導通検査兼電線切断装置
2:可動部
2M、M1、M2、M3:電線切断刃
2D:導電性金属
3:固定部
3G:ガイド棒
3L:被覆電線挿入孔
3M:電線切断刃挿入孔
4:電源
5:メータ
6:電線
80:第3コネクタ
70:電線配索用治具
W:被覆電線
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌用室内照明装置の電線の導通検査に関するもので、特に導通部品のないコネクタに設けられたワイヤハーネスを構成する被覆電線の導通検査およびそれを実現する導通検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
<特許文献1記載の車輌用室内照明装置>
導通部品を内部に持たないコネクタに収容された電線の電気的接続を圧接部材を用いて行うことは、既に公知である(特許文献1参照)。図6は特許文献1記載のコネクタを示し、図6(A)は斜視図、図6(B)は図6(A)のD−D断面図である。
図6において、コネクタAは圧接用カバーBを備えており、この圧接用カバーBで、電線W1とコンタクトCを圧接して電線W1とコンタクトCと間の電気的接続を行なうものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−147273号公報
【0004】
<特許文献1記載の発明の問題点>
従来の電線圧接型のコネクタは、複数の電線を保持した圧接カバーを直接ハウジングに押圧することで、ハウジング側の各コンタクトの圧接溝に圧入するものであり、圧接接続する電線の数量が少ない場合には効果があるが、電線の数量が多くなると大きな操作力が必要となり、専用の圧接用治具を使用しないと圧接作業ができない、という問題点があった。従って、専用の圧接用治具が整っていない現場等では、ワイヤハーネスを製造することが難しいという問題があった。
【0005】
この問題点を解決するために、本出願人は先に発明をし、特願2009−268928号として特許出願した(以後、「先行発明」という)。先行発明によれば、ワイヤハーネスの製造に専用の圧接用治具や手間のかかる端末処理が不要で、ワイヤハーネスの製造コストを低減することができ、かつ、ワイヤハーネスの配索時に端子の汚損等による品質低下がなく、信頼性を向上させることができるコネクタが得られる。
【0006】
図7は先行発明に係るホルダ受容部を備えたハウジングの斜視図である。図7では、ホルダ受容部を備えた電線ホルダが垂直に挿入されて、電線ホルダの取付用軸部がホルダ受容部のホルダ軸支部に係合した状態を示している。図7において、車輌用室内照明装置100は、ハウジング400を備え、ハウジング400の裏側400Rに第1コネクタ430を設けている。この第1コネクタ430はバスバー500を固定すると共に多数の圧接刃510を配置している。一方、電線W2をホルダ610とカバー620とによって挟持している第2コネクタ600は、回動軸600Sを中心に回動して第1コネクタ430の上に接触し、第2コネクタ600を第1コネクタ430に嵌合させることにより、多数の圧接刃510がそれぞれの対応する電線W2に食い込み電気的に接続するものである。
【0007】
<先行発明における問題点>
先行発明に係る車輌用室内照明装置100によれば、第2コネクタ600を回動軸600Sを中心に回動して第1コネクタ430の上に接触させればよいので、ワイヤハーネスの製造に専用の圧接用治具や手間のかかる端末処理が不要となり、ワイヤハーネスの製造コストを低減することができ、かつ、ワイヤハーネスの配索時に端子の汚損等による品質低下がなく、信頼性を向上させることができるようになった。
しかしながら、電線に対するホルダおよびカバーの取り付け位置を正確に決めることが難しい、という問題点があった。
【0008】
<更なる改良>
そこで、先行発明の持つ上記問題点をさらに解決するために、後述する電線配索用治具を用いると、電線に対するカバーおよびホルダの取り付け位置を正確にかつ簡単に決めることができた。
【0009】
〈本発明が対象とする車輌用室内照明装置〉
電線配索用治具について説明する前に、まず、電線配索用治具を用いて配索された電線付きコネクタが取り付けられる車輌用室内照明装置について、図面を参照して簡単に説明する。図8は本発明が対象とする車輌用室内照明装置を示す分解斜視図である。図8において、車輌用室内照明装置10は、車輌の車室を区画する隔壁板(天井板)に取り付けられ、略長方形状のレンズ20、縦長のスイッチノブ30、略長方形状のハウジング40、バスバー50とから概略構成されている。
【0010】
ハウジング40の表側40Fにはバルブ収容室41が形成され、バルブ収容室41の中央部には光源であるバルブ41Bが組付けられ、ハウジング40の側部にはスイッチ収容室42が設けられ、スイッチノブ30が表側40Fから摺動自在に組付けられる。
また、ハウジング40の一側部にはハウジング40の側方に突出して第1コネクタ43が設けられている。この第1コネクタ43には、電線(ワイヤハーネス)Wが固定された第2コネクタ60(図9(A))が嵌合する。ハウジング40の第1コネクタ43と反対側の他側部には、車輌用室内照明装置10を車輌室内の隔壁板に取り付けるための金属クリップ44(図8)が固定される。スイッチノブ30と連動するスイッチ42R(図9(A))が、裏側40Rからスイッチ収容室42内に組付けられ、ハウジング40の裏側40Rには、スイッチ42Rやバルブ41B等を電気的に接続するための回路であるバスバー50(図8)が組付け固定される。バスバー50の一端には、複数の圧接刃51(図8)が個々に並列状に縦方向に配置され、圧接刃51は第1コネクタ43内に装着固定されている。
【0011】
次ぎに、圧接刃51による電気接続を図9を用いて説明する。
図9は導通部品を内蔵しない第2コネクタを図8の車輌用室内照明装置に装着する状態を示し、図9(A)はコネクタの装着前を示す裏面斜視図、図9(B)は装着完了状態を示す裏面から見た平面図、図9(C)は図9(B)のA−A断面図である。図9において、第1コネクタ43には、電線Wが固定された第2コネクタ60が嵌合する。ハウジング40の裏側40Rには、スイッチ42Rとバスバー50とが固定され、バスバー50の圧接刃51(図8)が第1コネクタ43(図9(C))に固定されている。
したがって、第2コネクタ60が導通部品を内蔵していなくても、第2コネクタ60が第1コネクタ43に挿入されて第1コネクタ43と嵌合すると、電線Wの被覆樹脂層に圧接刃51が食い込み、図9(C)に示すように、電線Wと圧接刃51が電気的に接続された状態となる。これによって、車輌用室内照明装置10の装着は完了する。
【0012】
<車輌用室内照明装置の各部品の組み付け工程>
(1)〈金属クリップ44およびバスバー50の装着:図10〉
図10は、車輌用室内照明装置のバスバーと金具の装着状態を示す図で、図10(A)は装着前を示す裏面斜視図、図10(B)は装着完了状態を示す裏面斜視図、図10(C)は図10(B)のA部拡大図である。
図10において、ハウジング40の第1コネクタ43(図9(A))と反対側の側面に設けられた係合溝44R(図10(A))に金属クリップ44が係合固定され、ハウジング40の裏側40R全体にバスバー50が装着固定される。バスバー50は、裏側40Rに複数形成された突起40T(図10(C))に仮固定された後、突起40Tの先端を溶融する熱溶着方法でバスバー50を裏側40Rに固定する。
(2)〈スイッチ42Rの装着:図11〉
図11は車輌用室内照明装置のスイッチの装着状態を示す図で、図11(A)はスイッチの装着前を示す裏面斜視図、図11(B)は装着完了状態を示す裏面右斜視図、図11(C)は装着完了状態を示す裏面左斜視図である。スイッチ42Rは、ハウジング40に設けられたスイッチ収容室42内に、ハウジング40の裏側40Rから装着固定される。
(3)〈スイッチノブ30の装着:図12〉
図12は車輌用室内照明装置のスイッチノブの装着状態を示す図で、図12(A)はスイッチノブの装着前を示す正面斜視図、図12(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。スイッチノブ30は、ハウジング40の表側40Fからスイッチ42Rと連動できるようにスイッチ収容室42の内部を覆い隠すようにスイッチ収容室42内に摺動自在に装着される。
(4)〈バルブ41Bの装着:図13〉
図13は車輌用室内照明装置のバルブの装着状態を示す図で、図13(A)はバルブの装着前を示す正面斜視図、図13(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。バルブ41Bはハウジング40の表側40Fからバルブ収容室41の略中央部に装着され、バスバー50と電気的に接続される。
(5)〈レンズ20の装着:図14〉
図14は車輌用室内照明装置のレンズの装着状態を示す図で、図14(A)はレンズの装着前を示す正面斜視図、図14(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。レンズ20はハウジング40の表側40Fからハウジング40を覆い隠すようにして、レンズ20の両端側に形成された複数の係合片20Sとハウジング40の両端側に形成された係合突起40Sとが係合して、ハウジング40に装着される。その際、レンズ20に設けられた開口部21がスイッチノブ30の側面に周接する。
以上で、本発明が対象とする車輌用室内照明装置の全体構成およびこれらを構成する主な部品について説明した。
【0013】
次ぎに、図9で説明した第1コネクタ43に嵌合される電線付き第2コネクタ60について、その第2コネクタ60へ電線を装着するための配索用治具、およびそれを用いた電線装着方法について図15を用いて説明する。
〈電線配索用治具〉
《配索用治具にあるホルダ用台座とカバー用台座》
図15は電線配索用治具を用いて図8の車輌用室内照明装置に組付けられるコネクタへの電線装着方法を示す図で、図15(A)(1)はコネクタ組付け前の斜視図、図15(A)(2)はコネクタを治具上に仮固定した斜視図、図15(B)は電線をコネクタに装着する前の斜視図である。図15(A)(1)において、第2コネクタ60は、ホルダ61と、このホルダ61の端部とヒンジで連結されたカバー62とから成っている。ホルダ61には電線Wを敷設する複数の溝63が設けられている。本発明に係る電線配索用治具70には、第2コネクタ60のホルダ61とカバー62とをそれぞれ載置する第2コネクタ用台座71が治具70の中心線上の一方の縁部近傍に設けられている。第2コネクタ用台座71のうち71Aがホルダ61用台座であり、71Bがカバー62用台座である。そして、ホルダ用台座71Aからホルダ用の位置決め突起71Tが上方に突出して設けられている。
【0014】
《配索用治具にあるコネクタ用位置決めピンと電線用位置決めピン》
更に、電線配索用治具70には、2種類(ピン72Aとピン72B)の位置決めピン72が立設されている。
1つは第3コネクタ80を位置決めするための第3コネクタ用位置決めピン72Aの2個で、配索用治具70の別の縁部にこれらの2個が電線の幅に相当する間隔を互いにあけて並設されている。
もう1つは電線を位置決めするための複数(図15では4個)の電線用位置決めピン72Bで、配索用治具70の四隅の近傍にそれぞれ1個設けられている。
第3コネクタ用位置決めピン72Aで固定された第3コネクタの上下からそれぞれ複数本(図では3本)の電線Wが水平方向に延出し、その各電線Wを上下そのまま各電線用位置決めピン72Bの側面に這わせて90度方向転換させることで、配索用治具70の四隅を引き回すことができる。
【0015】
<電線配索用治具の使用方法>
次ぎに、この電線配索用治具の使用方法について、図15および図16を用いて説明する。図16は車輌用室内照明装置に装着される第2コネクタへの電線装着方法を示し、図16(A)は電線が第2コネクタに組み付けられる直前状態の斜視図、図16(B)は電線の仮固定の完成斜視図、図16(C)は第2コネクタの装着が完成した状態を示す斜視図である。
(1)組付方法の最初の工程は、第2コネクタ60のホルダ61をホルダ用位置決め突起71Tの直上に持ってくる(図15(A)(1)参照)。
(2)ホルダ61を図15(A)(1)の白抜き矢印の下方に降ろして、ホルダ用位置決め突起71Tの上に挿入し、第2コネクタ60を台座71の上に仮固定する(図15(A)(2)参照)。
(3)複数本の電線W付き第3コネクタ80を電線配索用治具70の上に持ってくる。このとき、第3コネクタ80側は一対の第3コネクタ用位置決めピン72A、72Aの真上に、また、3本の電線Wは電線配索用治具70の上を真っ直ぐ横切る方向に持ってくる(図15(B))。
(4)電線W付き第3コネクタ80全体を、そのまま、図15(B)の白抜き矢印の下方に降下させて、まず、第3コネクタ80を第3コネクタ用位置決めピン72A、72Aの外側(電線配索用治具70の反対側)に当接させ、第3コネクタ80の付け根の電線W部分を第3コネクタ用位置決めピン72A、72Aの間に挟み込む(図16(A))。
(5)次ぎに、第3コネクタ80から延出する上下3本の電線W部分を、第3コネクタ用位置決めピン72A側にある2個の電線用位置決めピン72B、72Bの側面にそれぞれ順次沿わせて方向転換させて、ホルダ用台座71A近傍まで持ってくる。
そこから各電線Wをホルダ用台座71Aの上に仮固定されているホルダ61の複数の溝63に挿入する。
さらに、各電線Wを残りの2個の電線用位置決めピン72B、72Bの側面にそれぞれ順次沿わせて方向転換させて、電線配索用治具70の反対側から電線Wを外に導出する(図16(A))。
(6)第3コネクタ80から延出する上下3本の電線W部分の端部を図16(B)の矢印方向F(第3コネクタ80の反対方向)に強く引っ張ると、電線用位置決めピン72Bにより電線Wの弛みが緩和され、またホルダ61の複数の溝63に緩く敷設されていた電線Wは各溝63の中にしっかり固定される(図16(B))。
(7)この状態でカバー62をヒンジ部で折り返してホルダ61に被せることにより、電線Wをホルダ61とカバー62とで挟持させて、電線Wを第2コネクタ60内に固定させる。
以上の工程により、第2コネクタ60への電線Wの装着が完了する(図16(C)参照)。
このような電線配索用治具70を用いることで、電線Wの弛みが解消でき、ホルダへの取り付けを正確に行うことができる。
【0016】
このようにして得られた第2コネクタ60(図16(C))を図9(A)の室内照明装置10のハウジング40の第1コネクタ43内に挿入すると、第1コネクタ43と第2コネクタ60とが嵌合される(図9(B))と共に、圧接刃51(図8)が電線Wの被覆樹脂層に食い込み電線Wを圧接する(図9(C))ので、電線Wとバスバー50とが電気的に接続された状態となる。
以上の手順により、車輌用室内照明装置10への導通部品のないコネクタの組付が完了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記の電線配索用治具70によって配索されたコネクタ付き電線のそのコネクタ(第2コネクタ)内部には導通部品(従来品ではメス端子)がないので部品点数が削減できる、という効果もある。
ところが、長い被覆電線の途中に芯線の断線切れがないかを検査する電線導通検査をするに当たって、従来の電線導通検査方法は、電線Wを挟む両端のコネクタ内の端子(導通部品)間に電流を流して検査していたが、上記の電線配索用治具70によって配索されたコネクタ付き電線の導通検査は第2コネクタ60には導通部品がないので、電線Wを挟む両端のコネクタ60、80間に電流を流すことができない。すなわち、従来の電線導通検査方法が使えない、という問題点がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、導通部品のないコネクタに設けられた電線の導通検査方法とそのための導通検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前述した目的を達成するために、本願発明は、下記(1)〜(7)を特徴としている。
(1) 被覆電線の導通検査方法において、導通性の電線切断刃と電源の一端とを電線で接続し、検査の対象である被覆電線の一端の芯線を前記電源の他端に接続すると共に、前記被覆電線の他端を前記電線切断刃で切断させる途中で、前記電線切断刃が必ず前記被覆電線の芯線に接触することにより前記被覆電線の導通を検査すること。
(2) 前記(1)の被覆電線の導通検査方法において、前記電線切断刃が前記被覆電線に接触したら、前記電線切断刃の降下運動を中断させること。
(3) コネクタ付き被覆電線の自動製造方法において、電線の供給部から送り出された被覆電線をローラにより検長・送出し、所定の長さで切断し、前記端部に端子を取り付けてコネクタハウジングに収容し、前記収容された端子に接続された被覆電線の他端を切断するときに、前記(1)または(2)記載の導通検査方法を実施すること。
(4) 前記(3)のコネクタ付き被覆電線の自動製造方法において、前記電線が複数平行に配置されたワイヤハーネスの中間に電線ホルダを取り付け、前記導通検査を行った後、前記電線切断刃で前記被覆電線の他端を切断すること。
(5) 可動部(2)と前記可動部の下に配置される固定部とから構成される被覆電線の導通検査兼電線切断装置(1)であって、前記可動部には、前記固定部に向けて長さ方向に互いにずらして配置された導通性の複数個の電線切断刃と、前記各電線切断刃に接続されて前記可動部の側面まで延びる導電性金属と、を備え、
前記固定部には、前記各電線切断刃をそれぞれ駆動させる駆動装置と、前記可動部側にあけられ、前記電線切断刃が挿入される電線切断刃挿入孔と、前記固定部の側面にあけられ、検査対象の被覆電線を挿入し前記各電線切断刃の真下を通過する被覆電線挿入孔と、を備え、前記電線切断刃が前記被覆電線の芯線に接触したとき前記駆動装置が前記電線切断刃の駆動運動を中断させること。
(6) コネクタ付き被覆電線の自動製造方法において、前記電線が複数平行に配置されたワイヤハーネスの他端を切断し、前記ワイヤハーネスの前記他端近傍に電線ホルダを取り付け、前記他端を前記(5)の被覆電線の導通検査兼電線切断装置の前記挿入孔に入れて、導通検査を行った後、前記電線切断刃で切断すること。
(7) 前記(1)〜(4)のいずれかの方法により、ワイヤハーネスの組み立てを行うこと。
【発明の効果】
【0019】
(1)によれば、電線切断刃が被覆電線の芯線に接触することによって、導通部品のないコネクタに設けられた被覆電線の導通検査が可能となる。
(2)によれば、電線切断刃が被覆電線の芯線に接触した時点で電線切断刃の駆動を中断させるので、導通確認を時間をかけて行うことができる。
(3)によれば、ワイヤハーネスが出来上がった時点で、導通検査がなされるので、製品完成後のこの種の検査を省くことができる。
(4)によれば、被覆電線の他端を切断することで、電線ホルダ付き被覆電線の導通検査と製造が簡単に行われる。
(5)によれば、被覆電線の導通検査兼電線切断装置によって導通部品のないコネクタに設けられた被覆電線の導通検査が簡単に行えるようになり、かつ、電線切断刃が被覆電線の芯線に接触した時点で電線切断刃の降下を中断させるので、導通確認を丁寧に時間をかけて行うことができる。
(6)によれば、コネクタ付き被覆電線の自動製造が行えるようになる。
(7)によれば、ワイヤハーネスの組み立てが出来上がった時点で、導通検査がなされているので、製品完成後のこの種の検査を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る導通検査兼電線切断装置の概念図を説明する図で、図1(A)は斜視図、図1(B)は図1(A)の導通検査兼電線切断装置の可動部を下から見た図である。
【図2】図1の導通検査兼電線切断装置を用いて被覆電線の導通検査をする全体の導通検査システム図である。
【図3】図2の導通検査システムの導通検査手順を示す概念図で、(1)から(5)まで検査手順の順序を示している。
【図4】本発明に係る導通検査兼電線切断装置の電線切断刃の動作を説明する縦断面図で、(1)から(3)の順で行われる。
【図5】本発明に係る導通検査兼電線切断装置の動作のフローチャートである。
【図6】従来技術のコネクタを示し、図6(A)は斜視図、図6(B)は図6(A)のD−D断面図である。
【図7】本発明が対象とする車輌用室内照明装置の裏面斜視図である。
【図8】本発明が対象とする車輌用室内照明装置を示す分解斜視図である。
【図9】導通部品を内蔵しない第2コネクタを図8の車輌用室内照明装置に装着する状態を示し、図9(A)は第2コネクタの装着前を示す裏面斜視図、図9(B)は装着完了状態を示す裏面から見た平面図、図9(C)は図9(B)のA−A断面図である。
【図10】車輌用室内照明装置のバスバーと金具の装着状態を示す図で、図10(A)はバスバーと金具の装着前を示す裏面斜視図、図10(B)は装着完了状態を示す裏面斜視図、図10(C)は図10(B)のA部拡大図である。
【図11】車輌用室内照明装置のスイッチの装着状態示す図で、図11(A)は装着前を示す裏面斜視図、図11(B)は装着完了状態を示す裏面右斜視図、図11(C)は装着完了状態を示す裏面左斜視図である。
【図12】車輌用室内照明装置のスイッチノブの装着状態示す図で、図12(A)はスイッチノブの装着前を示す正面斜視図、図12(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。
【図13】車輌用室内照明装置のバルブ(電球)の装着状態を示す図で、図13(A)はバルブの装着前を示す正面斜視図、図13(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。
【図14】車輌用室内照明装置のレンズの装着状態を示す図で、図14(A)はレンズの装着前を示す正面斜視図、図14(B)は装着完了状態を示す正面斜視図である。
【図15】電線配索用治具を用いて図8の車輌用室内照明装置に組付けられるコネクタへの電線装着方法を示す図で、図15(A)(1)はコネクタ組付け前の斜視図、図15(A)(2)はコネクタを治具上に仮固定した斜視図、図15(B)は電線をコネクタに装着する前の斜視図である。
【図16】車輌用室内照明装置に装着される第2コネクタへの電線装着方法を示し、図16(A)は電線が第2コネクタに組み付けられる直前状態の斜視図、図16(B)は電線の仮固定の完成斜視図、図16(C)は第2コネクタの装着が完成した状態を示す斜視図である。
【図17】車輌用室内照明装置への第2コネクタの装着を示す図で、図17(A)は装着前を示す裏面斜視図、図17(B)は装着完了状態を示す裏面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明に係る導通検査兼電線切断装置の概念図を説明する図で、図1(A)は斜視図、図1(B)は図1(A)の導通検査兼電線切断装置の可動部を下から見た図である。図1(A)において、本発明に係る導通検査兼電線切断装置1は可動部2と固定部3とに分かれる。以下に、可動部2と固定部3について説明する。
【0022】
〈可動部2〉
可動部2は固定部3の直上にあって図示しない駆動装置によって昇降可能となっているもので、固定部3側に複数の電線切断刃2M(M1、M2、M3)を下向きに備えている。
図1(A)では3個の電線切断刃M1〜M3を互いに平行にかつ電線の長さ方向に図1(B)で示すように前後にずらして配設している。
電線切断刃M1〜M3は導電性材料で作られ、これらの電線切断刃M1〜M3に接続された導電性金属2D(図1の点線部分)がそれぞれ可動部2の電源側側面まで延びている。
電源側側面では導電性金属2Dがそれぞれ電線6(図2)に接続され、電線6の他端はそれぞれ電源4(図2)と接続されている。この場合、メータ(電流計)5を図2のように電線6の途中にそれぞれ設けてもよいし、可動部2の中に設けてもよい。
可動部2の四隅には、固定部3のガイド棒3Gが貫通する貫通孔2L(図2)があけられている。
【0023】
〈固定部3〉
図1(A)に戻って、固定部3には可動部2を昇降させるためのガイド棒3Gが四隅に立設され、可動部2の貫通孔2L(図2)をそれぞれ貫通できるようになっている。
固定部3には、可動部2の複数の電線切断刃2Mが挿入される電線切断刃挿入孔3Mが電線切断刃2Mの対向位置にあけられている。
さらに、固定部3の側面には検査対象である被覆電線Wの先端を挿入する被覆電線挿入孔3Lがあけられており、被覆電線挿入孔3Lの内部の奥は、可動部2の電線切断刃2Mが降下する位置を越える位置まで延びている。したがって、被覆電線挿入孔3Lの奥まで挿入された被覆電線Wは、降下してきた電線切断刃2Mによって被覆電線Wが切断されるようになる。
上記の被覆電線挿入孔3Lは奥行きがあってもよいが、固定部3を貫通していてもよい。後者の場合には、さらに、被覆電線挿入孔3Lの中心線を通る平面で固定部3を上下2つに分割し、それぞれヒンジを介して接続し、上の固定部を開閉装置で下の固定部に対して開閉可能にするようにしておくことで、ワイヤハーネス製造工程から送出されてきたワイヤハーネスのそれぞれの電線を、開放された下の固定部の被覆電線挿入孔に自動的に敷設した後、上の固定部を開閉装置で下の固定部の上に覆って閉じて、導通検査兼電線切断装置で導通検査した後、切断することで、コネクタ付き被覆電線の自動製造が行えるようになる。これについては、後述する。
【0024】
図2は図1の導通検査兼電線切断装置1を用いて被覆電線Wの導通検査をする全体の導通検査システム図である。図2において、導通検査兼電線切断装置1の可動部2の電線切断刃M1〜M3(図1)と電源4の一端とがそれぞれメータ(電流計)5を介して電線6で接続されている。電源4の他端には検査対象の被覆電線W1、W2、W3が第3コネクタ80(図16(C)参照)を介してそれぞれ接続され、被覆電線Wの後端WSは図15および図16で説明した電線配索用治具70によって形成された第2コネクタ60(図16(C)参照)を単に被覆電線のまま通って、導通検査兼電線切断装置1の固定部3の被覆電線挿入孔3L(図1)に挿入される。
図2は被覆電線Wの後端WSが導通検査兼電線切断装置1の固定部3の被覆電線挿入孔3Lに挿入される直前の状態を示している。
【0025】
図3は図2の導通検査システムの導通検査手順を示す概念図で、特に、図3(1)は図2の導通検査システムの概念斜視図を示している。図3(2)〜(5)は図3(1)以降に続く手順で、図3(1)で示したメータ回りの図示は省略している。
図4は導通検査兼電線切断装置の内部で被覆電線が電線切断刃によって切断される動作を説明する縦断面図で、(1)は切断前(図3(2)のA−A矢視図)、(2)は切断途中(図3(3)のB−B矢視図)、(3)は切断完了の断面図(図3(4)のC−C矢視図)である。図5はそのフローチャートである。
【0026】
〈1:被覆電線の挿入前〉
図3(1)において、第2コネクタ60内の溝を被覆電線のまま通過した被覆電線Wの先端WS(図2)は、白抜き矢印方向へ移動し、導通検査兼電線切断装置1の固定部3の被覆電線挿入孔3L(図1)に挿入される。
【0027】
〈2:被覆電線の挿入後、切断前〉
図3(2)において、被覆電線Wの後端WSは、固定部3の被覆電線挿入孔3Lに奥深く挿入されている。この状態では導通検査兼電線切断装置1の内部は図4(1)の状態のようになっており、被覆電線W2が可動部2の電線切断刃2Mの真下に位置しており、電線切断刃M2はまだ降下していない。図4(1)は複数の電線切断刃M1、M2、M3(図1(B))のうち電線切断刃M2を通る縦断面図であるので、図4(1)では電線切断刃M2しか描かれていないが、電線切断刃M1はこの紙面より手前にあり、電線切断刃M3は逆にこの紙面より後方にある。以後、電線切断刃M2の動作について説明するが、電線切断刃M1および電線切断刃M3の動作も電線切断刃M2の動作と同じように行われる。
図5のステップS1は、電線切断刃M2が被覆電線W2の上にあって待機している状態である。
【0028】
〈3:被覆電線の切断途中〉
図5のステップS2に移り、電線切断刃2Sは真下に降下して被覆電線W2の絶縁被覆を切断し、さらに芯線Cと接触するまで降下する。電線切断刃2Mが被覆電線W2の芯線Cと接触すると、図5のステップS3に移り、本発明により降下動作をストップさせる。
図3(3)は図5のステップS3に対応するもので、電線切断刃M2は真下に降下して、被覆電線W2の上半分まで切断した状態である。この状態では導通検査兼電線切断装置1の内部は図4(2)の状態のようになっており、電線切断刃M2は被覆電線W2の上半分まで切断している。図4(B)は図4(2)の電線切断刃M2の周辺の拡大図である。
図4(B)から判るように、電線切断刃M2は被覆電線W2の芯線Cに半分食い込んだ状態となっている。このように電線切断刃M2が芯線Cに食い込んだ状態では、被覆電線W2の芯線Cのどこかに非導通部位(断線)がない限り、図2の導通検査システムの導通検査回路が電気的に閉回路を形成するので、メータ(電流計)52の指針が振れることとなる。この場合、メータ52の指針の振れを確認(導通確認)できるようにするために、本発明では、図2の導通検査システムの導通検査回路が電気的に閉回路を形成した時点で駆動回路の電線切断刃の降下動作を中断させるようにしている。
【0029】
〈4:導通検査〉
そして、図5のステップS4に移り、導通検査を行う。
導通検査はメータ5のそれぞれの指針が振れていることを確認することで導通検査合格となる。
メータ5の代わりに発光ダイオードを用いると、発光ダイオードが発光すれば導通検査合格となる。
また、メータ5の代わりに自己保持回路の接点を用い、電源とその接点を介して直接発光ダイオードを発光させるようにしておくと、いったん接点に電流が流れると発光ダイオードが発光し、後は電流がなくなっても(すなわち、電線切断刃の降下動作が再開して、被覆電線Wを切断してしまって、電線切断刃と芯線がもはや接触しないようになっても)、いったん発光した発光ダイオードは発光し続けるので、発光ダイオードの発光の有無によって、断線がないかあるかが簡単に判るようになる。このようにすれば、電線切断刃が芯線に接触した時点で駆動回路の電線切断刃の降下動作を中断させる必要はなくなる。
【0030】
〈5:被覆電線W2の後端の切断〉
導通検査して導通が確認されたら図5のステップS5に移り、図示しない再開ボタンを押すことで駆動回路は電線切断刃の降下動作を再開させ、最終的に被覆電線W2の後端を切断する。
【0031】
《被覆電線の芯線に非導通部位がある場合》
したがって、被覆電線W2の芯線Cに非導通部位(断線)がある場合、電線切断刃M2が芯線Cに半分食い込んでも図2の導通検査システムの導通検査回路が電気的に閉回路を形成しないので、駆動回路は電線切断刃M2の降下動作を中断することなく、電線切断刃M2を下まで降下させ、被覆電線W2の後端を切断する。したがって、確認動作がなされなかったことは、被覆電線の芯線に非導通部位が存在していることの証(あかし)となる。
【0032】
〈被覆電線W1およびW3も同様の動作をする〉
以上、被覆電線W2についての導通検査を説明したが、これと全く同じことは被覆電線W1およびW3についても原則当てはまる。ただし、被覆電線W1およびW3が被覆電線W2と互いに異なるのは、電線切断刃M1、M2、M3の取り付け位置が図1(B)に示すように互いに異なっているので、被覆電線W1、W2、W3の後端の長さがそれぞれ異なった位置で切断されることとなる。
それまでの被覆電線Wの後端が図9(A)のように3本とも長さが揃っていたが、本発明に係る導通検査兼電線切断装置1によって導通検査された後は、被覆電線Wの後端が図17(A)の被覆電線W1’、W2’、W3’ように3本とも長さが異なるのが特徴である。
【0033】
〈被覆電線の後端の長さがそれぞれ異なることの効果〉
被覆電線W1’、W2’、W3’(図17(A))の後端は束ねられて、第2コネクタ60から反対側に導出される被覆電線W1、W2、W3に重ねて絶縁テープ等で巻回して、末端処理が行われることになるが、その際、被覆電線の後端W1’、W2’、W3’が束ねられても、長さが異なるので互いに短絡する恐れがなくなる、という効果がある。
【0034】
なお、ワイヤハーネスの周知の製造ステップに本発明の導通検査兼電線切断装置を用いた導通検査方法を組み込むことで、ワイヤハーネスが出来上がった時点で、導通検査がなされるので、製品完成後のこの種の検査を省くことができる。
すなわち、(1)被覆電線の供給部から送り出された被覆電線をローラにより検長・送出する。(2)被覆電線を所定の長さで切断する。(3)切断した被覆電線の端部に端子を取り付けてコネクタハウジングに収容する。(4)そして、収容された端子に接続された被覆電線の他端を切断するときに、本発明の導通検査兼電線切断装置を用いて、被覆電線の導通検査を行う。
このように、ワイヤハーネスの製造ステップに本発明を用いると、ワイヤハーネスが出来上がった時点で導通検査がなされているので、製品完成後のこの種の検査を省くことができる。
なお、ワイヤハーネスの製造方法は、例えば、特開2008−39748号公報に開示されているので、これを参考にすることができる。
【0035】
〈特開2008−39748号公報記載のワイヤハーネスの製造装置〉
このワイヤハーネスの製造装置は、電線段取り替え装置と自動切断装置と制御部と自動圧着装置と表示端末と導通検査装置とから構成される。制御部は全体の制御、表示端末は各ステップ内容の表示を行う。
1)電線段取り替え手段では複数種ある電線のリールの中から所望の電線を巻いたリールを取り出し、切り替えを行ない、選択された電線を自動切断手段に供給する。
2)自動切断手段では電線段取り替え手段から供給された電線を所定の長さに検長して切断する。
3)自動圧着装置では自動切断手段によって切断された電線の端末に端子を圧着処理する。
4)導通検査装置では圧着処理された電線の両端子を用いて導通検査を行なう。
以上のようにすることで、1本の電線を加工から配線、検査まで連続的に作業できるため、作業時間を短縮することができる。
上記2)の自動切断手段のところで本発明の導通検査兼電線切断装置1を用いるとよい。
そうすれば、導通検査兼電線切断装置1によって導通が確認されているので、4)の導通検査を省略することができる。
また、3)の圧着手段により圧着処理された電線の両端子を用いて、4)の導通検査を行っていたが、端子を圧着した後の導通検査では万一不合格となった場合に、端子が無駄となってしまうが、本発明によれば、端子を圧着しない段階での電線の導通検査が可能となるので、端子が無駄となることを予め回避できる。
【0036】
<本発明のまとめ>
本発明によれば、導通検査兼電線切断装置の電線切断刃を被覆電線の芯線に食い込ませることによって、導通部品のないコネクタに設けられた被覆電線の導通検査が可能となる。
また、電線切断刃が被覆電線の芯線に食い込んだ時点で電線切断刃の降下を中断させるので、導通確認を丁寧に時間をかけて行うことができる。
また、電線切断刃を複数個、被覆電線の長さ方向に互いにずらして配置したので、被覆電線の後端を束ねて絶縁テープで巻回しても被覆電線の後端の長さがそれぞれ異なるため互いに短絡する恐れがなくなる。
さらに、ワイヤハーネスが出来上がった時点で、導通検査がなされるので、製品完成後のこの種の検査を省くことができる。
また、被覆電線の他端を切断することで、電線ホルダ付き被覆電線の導通検査と製造が簡単に行われる。
【符号の説明】
【0037】
1:導通検査兼電線切断装置
2:可動部
2M、M1、M2、M3:電線切断刃
2D:導電性金属
3:固定部
3G:ガイド棒
3L:被覆電線挿入孔
3M:電線切断刃挿入孔
4:電源
5:メータ
6:電線
80:第3コネクタ
70:電線配索用治具
W:被覆電線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導通性の電線切断刃と電源の一端とを電線で接続し、検査の対象である被覆電線の一端の芯線を前記電源の他端に接続すると共に、前記被覆電線の他端を前記電線切断刃で切断させる途中で、前記電線切断刃が必ず前記被覆電線の芯線に接触することにより前記被覆電線の導通を検査することを特徴とする被覆電線の導通検査方法。
【請求項2】
前記電線切断刃が前記被覆電線に接触したら、前記電線切断刃の降下運動を中断させることを特徴とする請求項1記載の被覆電線の導通検査方法。
【請求項3】
電線の供給部から送り出された被覆電線をローラにより検長・送出し、
所定の長さで切断し、前記端部に端子を取り付けてコネクタハウジングに収容し、前記収容された端子に接続された被覆電線の他端を切断するときに、請求項1または2記載の導通検査方法を実施することを特徴とするコネクタ付き被覆電線の自動製造方法。
【請求項4】
前記電線が複数平行に配置されたワイヤハーネスの中間に電線ホルダを取り付け、前記導通検査を行った後、前記電線切断刃で前記被覆電線の他端を切断することを特徴とする請求項3記載のコネクタ付き被覆電線の自動製造方法。
【請求項5】
可動部と前記可動部の下に配置される固定部とから構成される被覆電線の導通検査兼電線切断装置であって、
前記可動部には、前記固定部に向けて長さ方向に互いにずらして配置された導通性の複数個の電線切断刃と、前記各電線切断刃に接続されて前記可動部の側面まで延びる導電性金属と、を備え、
前記固定部には、前記各電線切断刃をそれぞれ駆動させる駆動装置と、前記可動部側にあけられ前記電線切断刃が挿入される電線切断刃挿入孔と、前記固定部の側面にあけられ、検査対象の被覆電線を挿入し前記各電線切断刃の真下を通過する被覆電線挿入孔と、を備え、
前記電線切断刃が前記被覆電線の芯線に接触したとき前記駆動装置が前記電線切断刃の駆動運動を中断させることを特徴とする被覆電線の導通検査兼電線切断装置。
【請求項6】
前記電線が複数平行に配置されたワイヤハーネスの他端を切断し、前記ワイヤハーネスの前記他端近傍に電線ホルダを取り付け、前記他端を請求項5記載の被覆電線の導通検査兼電線切断装置の前記挿入孔に入れて、導通検査を行った後、前記電線切断刃で切断することを特徴とするコネクタ付き被覆電線の自動製造方法。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項記載の方法により、組み立てを行ったことを特徴とするワイヤハーネス。
【請求項1】
導通性の電線切断刃と電源の一端とを電線で接続し、検査の対象である被覆電線の一端の芯線を前記電源の他端に接続すると共に、前記被覆電線の他端を前記電線切断刃で切断させる途中で、前記電線切断刃が必ず前記被覆電線の芯線に接触することにより前記被覆電線の導通を検査することを特徴とする被覆電線の導通検査方法。
【請求項2】
前記電線切断刃が前記被覆電線に接触したら、前記電線切断刃の降下運動を中断させることを特徴とする請求項1記載の被覆電線の導通検査方法。
【請求項3】
電線の供給部から送り出された被覆電線をローラにより検長・送出し、
所定の長さで切断し、前記端部に端子を取り付けてコネクタハウジングに収容し、前記収容された端子に接続された被覆電線の他端を切断するときに、請求項1または2記載の導通検査方法を実施することを特徴とするコネクタ付き被覆電線の自動製造方法。
【請求項4】
前記電線が複数平行に配置されたワイヤハーネスの中間に電線ホルダを取り付け、前記導通検査を行った後、前記電線切断刃で前記被覆電線の他端を切断することを特徴とする請求項3記載のコネクタ付き被覆電線の自動製造方法。
【請求項5】
可動部と前記可動部の下に配置される固定部とから構成される被覆電線の導通検査兼電線切断装置であって、
前記可動部には、前記固定部に向けて長さ方向に互いにずらして配置された導通性の複数個の電線切断刃と、前記各電線切断刃に接続されて前記可動部の側面まで延びる導電性金属と、を備え、
前記固定部には、前記各電線切断刃をそれぞれ駆動させる駆動装置と、前記可動部側にあけられ前記電線切断刃が挿入される電線切断刃挿入孔と、前記固定部の側面にあけられ、検査対象の被覆電線を挿入し前記各電線切断刃の真下を通過する被覆電線挿入孔と、を備え、
前記電線切断刃が前記被覆電線の芯線に接触したとき前記駆動装置が前記電線切断刃の駆動運動を中断させることを特徴とする被覆電線の導通検査兼電線切断装置。
【請求項6】
前記電線が複数平行に配置されたワイヤハーネスの他端を切断し、前記ワイヤハーネスの前記他端近傍に電線ホルダを取り付け、前記他端を請求項5記載の被覆電線の導通検査兼電線切断装置の前記挿入孔に入れて、導通検査を行った後、前記電線切断刃で切断することを特徴とするコネクタ付き被覆電線の自動製造方法。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項記載の方法により、組み立てを行ったことを特徴とするワイヤハーネス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−194154(P2012−194154A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60357(P2011−60357)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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