説明

裁断装置、裁断方法、裁断プログラム及び裁断プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体

【課題】裁断用パターンがシート材からはみ出した位置等に設定されるのを防止することが可能な裁断装置を提供する。
【解決手段】裁断装置は、予め記憶している裁断用パターン55(図6(a))について、シート材の幅の変動に応じて、裁断用パターン55のシート材の幅方向に沿った幅方向寸法を変動させる補正をする(図6(b))。そして、裁断用パターン55が補正された場合、補正後の裁断用パターン55のとおりにシート材を裁断して裁断品を作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裁断装置、裁断方法、裁断プログラム及び裁断プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関し、例えば、丸編生地を裁断する裁断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばTシャツのような衣類は、予め用意された身ごろ、袖等のパーツを縫製して作製される。パーツは、パーツの型となる裁断用パターンを基にして布地等のシート材を裁断することにより得られる。パーツのような裁断品を自動で作製する装置が裁断装置である。すなわち、裁断装置は、コンピュータに予め記憶させた裁断用パターンを基に裁断ヘッドの位置を制御しながらシート材を裁断して、裁断品を作製するのである。
【0003】
裁断装置を利用してパーツを作製する場合、シート材が正規の位置からずれて配置されると所望の形状を有するパーツを得られないことがある。そこで、裁断用パターンを画面に表示し、裁断用パターンが裁断エリアからはみ出していると、エラー表示をする装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】国際公開第2004/010807号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シート材の幅は略一定にされているが、幅に変動が生じるのは不可避である。特に、シート材が綿生地のような伸び縮みしやすいものである場合、幅の変動が大きいので、幅の変動を無視できなくなる。例えば、シート材の幅が小さい部分ではシート材の幅に余裕がなくなり、その部分では裁断用パターンがシート材からはみ出した位置に設定される場合がある。このような裁断用パターンを基にしてシート材を裁断すると、所望の形状と大きく異なる形状を有するパーツが作製されることになる。
【0005】
本発明の目的は、裁断用パターンがシート材からはみ出した位置等に設定されるのを防止することが可能な裁断装置、裁断方法、裁断プログラム及び裁断プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る裁断装置は、裁断用パターンを予め記憶する記憶部と、シート材の幅を測定する測定部と、前記測定部で測定された前記シート材の幅の変動に応じて、前記記憶部に記憶されている裁断用パターンの前記シート材の幅方向に沿った幅方向寸法を変動させる補正をする補正部と、前記補正部で裁断用パターンが補正された場合、補正後の裁断用パターンのとおりに前記シート材を裁断して裁断品を作製する裁断部と、を備える。
【0007】
本発明に係る裁断装置において、操作者の入力によって、寸法固定領域を裁断用パターンが表示された第1の画面に設定をする第1の設定部を備え、前記補正部は、前記第1の画面に表示された裁断用パターンの前記寸法固定領域との重なり領域では前記幅方向寸法を変動させないと共にその裁断用パターンの前記重なり領域以外の領域では前記幅方向寸法を変動させる補正をする、ようにすることができる。
【0008】
本発明に係る裁断装置において、前記第1の設定部は、前記重なり領域での前記幅方向寸法を変動させない補正の対象外とする裁断用パターンについて、操作者の入力によって、前記第1の画面に表示された複数種類の裁断用パターンの中から前記第1の画面に設定をし、前記補正部は、前記第1の画面に設定された前記対象外の裁断用パターンについて、前記測定部で測定された前記シート材の幅の変動に応じて、前記幅方向寸法を変動させる補正をする、ようにすることができる。
【0009】
本発明に係る裁断装置において、前記裁断装置は、操作者の入力によって、前記幅方向寸法を変動させない裁断用パターンを、第2の画面に表示された複数種類の裁断用パターンの中から前記第2の画面に設定をする第2の設定部を備え、前記裁断部は、前記第2の設定部で前記幅方向寸法を変動させない裁断用パターンが設定された場合、その裁断用パターンについては、前記記憶部に予め記憶されていたとおりにシート材を裁断する、ようにすることができる。
【0010】
本発明に係る裁断装置において、前記第2の設定部は、前記幅方向寸法を変動させない裁断用パターンが設定された場合、操作者の入力によって、前記第2の画面に表示された前記シート材と対応するシートパターンのエッジを含む位置までその裁断用パターンを移動させる設定をし、前記裁断部は、前記第2の設定部で前記シートパターンのエッジを含む位置まで移動させられた裁断用パターンが設定された場合、その裁断用パターンについては、前記記憶部に予め記憶されていたとおりの形状を有すると共に前記シート材のエッジを含む裁断品を作製する、ようにすることができる。
【0011】
本発明に係る裁断装置において、前記記憶部に記憶されている裁断用パターンの前記幅方向寸法を変動させる補正とは、前記シート材の幅が所定値より大きい部分において裁断用パターンの前記幅方向寸法を拡大し、前記シート材の幅が所定値より小さい部分において裁断用パターンの前記幅方向寸法を縮小する補正である、ようにすることができる。
【0012】
本発明に係る裁断装置において、前記シート材は例えば筒状のシート材である。
【0013】
本発明に係る裁断方法は、裁断用パターンを予め記憶する記憶ステップと、シート材の幅を測定する測定ステップと、前記測定ステップで測定された前記シート材の幅の変動に応じて、前記記憶ステップで記憶されている裁断用パターンの前記シート材の幅方向に沿った幅方向寸法を変動させる補正をする補正ステップと、前記補正ステップで裁断用パターンが補正された場合、補正後の裁断用パターンのとおりに前記シート材を裁断して裁断品を作製する裁断ステップと、を備える。
【0014】
本発明に係る裁断プログラムは、上記ステップをコンピュータに実行させるものである。
【0015】
本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記裁断プログラムを記憶したものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シート材の幅が変動すると、それに応じて裁断用パターンの幅方向寸法を変動させる補正をする。これにより、裁断用パターンがシート材からはみ出した位置等に設定されるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る裁断装置1のハードウェア構成を示す図である。裁断装置1は、制御盤3に裁断機5、センサ7及びパソコン9が接続された構成を有する。まず、図2及び図3を用いて裁断機5から説明する。図2は裁断機5等の平面図であり、図3は裁断機5等の側面図である。
【0018】
裁断機5は、作業台11、裁断ヘッド移動機構13及び裁断ヘッド15を備える。ここで、作業台11の長手方向をx方向、幅方向をy方向、高さ方向をz方向と定義する。作業台11は、x方向に沿った二つの側部17及びこれらの間に配置されたベルトコンベア19を備える。
【0019】
ベルトコンベア19は、二つのローラ21でベルト23を支持した構成を有する。ベルト23には、裁断機5の上流に位置するベルトコンベア式のシート材搬送機25から搬送されたシート材27が載せられる。シート材27は、ベルト23に載せられて作業台11の所定位置まで送られる。シート材搬送機25には、裁断機5に搬送される次のシート材27が用意されている。作業台11の二つの側部17には、それぞれx方向に延びたレール29が配置されている。
【0020】
裁断ヘッド移動機構13は、二つのx方向移動部31、レール33、y方向移動部35、z方向移動部37及び回転部39を備える。二つのx方向移動部31は、それぞれ、対応するレール29上をx方向に移動可能にされている。レール33は、y方向に延びてベルト23の上方に配置されており、x方向移動部31によって支持されている。y方向移動部35は、レール33上をy方向に移動可能に配置されている。z方向移動部37は、y方向移動部35に取り付けられ、z方向に移動可能にされている。回転部39は、z方向の軸を中心に回転可能にz方向移動部37に取り付けられている。
【0021】
裁断ヘッド15は、回転部39に設置されている。裁断ヘッド15には、シート材27を切るための丸刃41が備え付けられている。裁断ヘッド移動機構13によって、裁断ヘッド15のx方向、y方向及びz方向の位置並びにz方向の軸を中心とする回転角度が制御され、これらを組み合わせて裁断ヘッド15の位置が制御される。
【0022】
制御盤3には、ベルトコンベア19の運転制御や裁断ヘッド移動機構13の移動制御等の裁断機5を操作するための各種機器が設けられている。センサ7は、シート材27の幅を規定するエッジ43,45の位置を検出するアナログセンサである。センサ7は、シート材搬送機25に設置されており、シート材27のエッジ43,45の上方に位置している。センサ7は、シート材搬送機25の上流に設置してもよいし、裁断機5に設置してもよい。図1に示すパソコン9を用いて、次に説明する裁断用パターンの補正や各種設定が実行される。
【0023】
図4は、パソコン9のディスプレイに映された画面51の一例を示す図である。パソコン9には、裁断用パターン55が予め記憶されている。具体的には、裁断用パターン55の座標データである。この他にパソコン9には、シート材27のパターンを示すシートパターン53の座標データも予め記憶されている。以下、これらのデータをパターンデータと称する。
【0024】
画面51は、シートパターン53上に配置された三つの裁断用パターン55の画像を含む。この画像は、パターンデータを基にして縮尺表示したものである。シートパターン53のエッジは、図2のシート材27のエッジ43,45と同じ番号を付している。
【0025】
画面51に設定された裁断用パターン55は、後で説明する補正等がされた後、図1に示すパソコン9で裁断ヘッド15の移動軌跡に変換される。移動軌跡は、x方向移動部31、y方向移動部35、z方向移動部37及び回転部39のそれぞれのモータの回転量で決められる。移動軌跡はパソコン9から制御盤3に読み込まれて、これを基にして、図3の裁断ヘッド15の位置を制御しながら丸刃41でシート材27を切り、これによりシート材27を裁断して裁断品(例えば、身ごろや袖のようなパーツ)を作製する。画面51は、裁断用パターン55に対して各種設定をする場合に操作するボタン57の画像を含む。各種設定については後で説明する。
【0026】
本実施形態の特徴の一つは、シート材27が伸び縮みすることによりシート材27の幅が変動した場合、裁断用パターン55を補正することによって、裁断用パターン55がシートパターン53(つまりシート材27)からはみ出した位置に設定される等を防止することである。この補正について説明する。
【0027】
図5、図6及び図7は、シートパターン53上に配置された裁断用パターン55を含む画面51を示す図である。図5、図6及び図7に示す画面51は、図4に示す画面51と異なり、パターンのみを示しボタン57等を省略している。裁断用パターン55は様々な形状を有するが、簡単のために八角形状を有する裁断用パターン55を用いて説明する。また、裁断用パターン55はエッジ43,45を含んでいるが、エッジ43,45まで延びていなくてもよい。
【0028】
図5は、パソコン9に予め記憶されているパターンデータ(裁断用パターン55及びシートパターン53の座標データ)を基にして表示されたシートパターン53及び裁断用パターン55を示す図である。シートパターン53の幅、つまり図2に示すシート材27の幅は所定値wに設定されている。
【0029】
図6は、裁断用パターン55を縮小する補正を説明する図である。wより小さい値(例えば0.8w)の幅の部分がシート材27に存在すると、図6(a)に示すように、裁断用パターン55がシートパターン53からはみ出した位置に設定されることがある。これは、裁断品がシート材27のエッジ45を含む場合やエッジ45の近くに配置されている場合に生じる。図6(a)の裁断用パターン55のとおりにシート材27を裁断すると、所望の形状と大きく異なる形状を有する裁断品が作製される。
【0030】
そこで、シート材27の幅が小さい部分では、図6(b)に示すように、パソコン9に記憶されている裁断用パターン55のシート材27の幅方向に沿った幅方向寸法を縮小する補正をする(以下、シート材27の幅方向に沿った幅方向寸法を、「幅方向寸法」と称する場合もある)。
【0031】
ここでは、シート材27の幅がwから0.8wに縮小しているので、裁断用パターン55の幅方向寸法がp,q,rの領域を、それぞれ、0.8p,0.8q,0.8rに縮小する。このように、シート材27の幅が所定値wより小さい部分では、裁断用パターン55の幅方向寸法を縮小する補正をすることによって、裁断用パターン55がシートパターン53(シート材27)からはみ出した位置に設定されるのを防止している。
【0032】
なお、シート材27の幅が所定値wでも、シート材搬送機25にシート材27が傾いて配置され(つまり図2のシート材27の長手方向がx方向と平行でない)、その状態でシート材27が裁断機5に搬送された場合も、裁断用パターン55がシート材27からはみ出した位置に設定されることがある。したがって、本実施形態では、シート材27が傾いて配置された場合も、シート材27の幅が変動したと見なして補正を実行する。本発明では、シート材が傾いて配置された場合も、シート材の幅が変動したものとする。
【0033】
次に、裁断用パターン55を拡大する補正について図7を用いて説明する。この補正は、裁断品がシート材27のエッジ43やエッジ45を含む場合に適用される。エッジ43やエッジ45が利用される一例として、シート材27が筒状の場合が挙げられる。筒状のシート材27としては、例えば、丸編生地と称される筒状の生地がある。筒状の生地を用いて、例えば、身ごろを作製する場合、シート材27のエッジ43,45も利用され、前身ごろと後身ごろが一体の身ごろが作製される。この他、筒状のシート材27としては、例えば、筒状のフィルム材がある。エッジ43やエッジ45が利用される他の例として、エッジ43,45に特殊加工がされている場合が挙げられる。
【0034】
図7(a)に示すように、シート材27の幅がwより大きい値(例えば1.2w)の部分がシート材27に存在すると、その部分では裁断用パターン55がシートパターン53の一方のエッジ45まで延びていない状態になる。この裁断用パターン55のとおりにシート材27を裁断すると、シート材27のエッジ45を含む裁断品を作製したいにもかかわらず、エッジ45を含まない裁断品が作製されてしまう。
【0035】
そこで、パソコン9に記憶されている裁断用パターン55の幅方向寸法を拡大する補正をする。ここでは、シート材27の幅がwから1.2wに拡大したので、裁断用パターン55の幅方向寸法がp,q,rの領域は、それぞれ、図7(b)に示すように、1.2p,1.2q,1.2rに拡大する。このように、シート材27の幅が所定値wより大きい部分では、裁断用パターン55の幅方向寸法を拡大する補正をする。この補正によって、裁断用パターン55をシートパターン53(シート材27)のエッジ45まで延ばした位置に設定することができる。
【0036】
このように、本実施形態に係る裁断装置1は裁断用パターン55を拡大する補正の機能を備えているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、シート材27の幅が所定値wより大きい部分では、シート材27の幅が所定値wの部分と同様に、裁断用パターン55がシートパターン53(シート材27)からはみ出して設定されることはないので、所望の形状を有する裁断品を作製できる。したがって、シート材27のエッジ43,45を利用する以外、裁断用パターン55を拡大する補正をしなくてもよいのである。
【0037】
図6や図7では、シート材27の裁断用パターン55が設定されている部分の全体でシート材27の幅がwから0.8wや1.2wに変化している例で説明した。しかしながら、シート材27の裁断用パターン55が設定されている部分で、シート材27の幅が徐々に変化する場合でも本実施形態に係る裁断用パターン55の拡大縮小の補正を適用することができる。
【0038】
本実施形態に係る裁断用パターンの補正の演算方法について説明する。図8はこれを説明する図である。図8(a)は、図1のパソコン9に予め記憶されているパターンデータを基にしたシートパターン53及び裁断用パターン55を示す図である。図8(a)に示す一方のエッジ43はx軸上に設定されている。シート材27の幅はwに設定されているので、他方のエッジ45はエッジ43からwだけ離れた位置に設定される。
【0039】
図2に示すシート材27は、裁断機5に搬送される前に、シート材搬送機25に設置されたセンサ7によって、図8(b)に示すエッジ43,45が検出される。そして、一定の間隔(例えばXが1mm間隔)でエッジ43,45の位置を求める。つまりエッジ43,45を一定の間隔の点で表す。これらの位置を基にして、例えば最小二乗法を用いて、図8(b)に示すエッジ43,45のそれぞれの近似直線式を演算する。
【0040】
ここでは、エッジ43を直線Y=aX+b、エッジ45を直線Y=cX+dで近似している。説明を簡単にするために1次関数によってエッジ43,45を近似したが、多項式の近似曲線によって近似することもできる。図8(b)では、シートパターン53(シート材27)の幅が徐々に小さくなっている。
【0041】
次に、シートパターン55のX座標(図8(b)では、X1,X2,X3,X4)を、Y=aX+b、Y=cX+dに代入する。そして、式:W=(cX+d)−(aX+b)を用いて、シート材27の幅の実際値Wを演算する。例えば、X1の場合、W=W1=(cX1+d)−(aX1+b)となる。
【0042】
そして、以下の式を用いて、図8(a)に示す裁断用パターン55の座標(x,y)を図8(b)に示す裁断用パターン55の座標(X,Y)に変換する。
X=x
Y=(aX+b)+{y×(W÷w)}
【0043】
例えば、(x1,y1)は(X1,Y1)に変換される。X1=x1、Y1=(aX1+b)+{y1×(W1÷w)}である。以上が裁断用パターン55の補正の演算方法である。
【0044】
本実施形態では、シート材27の幅の変動に応じて、パソコン9に予め記憶されている裁断用パターン55のシート材27の幅方向に沿った幅方向寸法を変動させる補正をする。この補正によって、(1)シート材27の幅が所定値wより小さい部分では、裁断用パターン55を縮小することにより、裁断用パターン55がシートパターン53、すなわちシート材27からはみ出した位置に設定されるのを防止する。また、(2)シート材27の幅が所定値wより大きい部分では、裁断用パターン55を拡大することにより、裁断用パターン55をシートパターン53、すなわちシート材27のエッジ45まで延ばした位置に設定する。
【0045】
そして、補正後の裁断用パターン55のとおりにシート材27を裁断するので、シート材27の幅が小さい部分でも所望の形状と略同じ形状を有する裁断品を作製することができ、また、シート材27の幅が大きい部分でもシート材27のエッジ45を含む裁断品を作製することができる。
【0046】
以上のように本実施形態に係る裁断装置1によれば、シート材27の幅が変動すると、それに応じて裁断用パターン55を補正してシート材27を裁断する。したがって、シート材27の幅が変動しても裁断機5を停止して人手でエラー修正する処理をなくすことが可能となり、裁断装置1の稼動率を上げることができる。よって、裁断装置1によれば、シート材27の幅が不安定な場合でも裁断装置1の連続運転が可能となるので、シート材27の幅が不安定な場合に特に有効である。
【0047】
次に、寸法固定領域の設定について図9及び図10を用いて説明する。図9及び図10は、シートパターン53上に配置された裁断用パターン55a,55bを含む画面51を示す図である。図9及び図10に示す画面51は、図4に示す画面51と異なり、パターンのみを表示し、寸法固定領域の設定に必要なボタン57等を省略している。図9及び図10に示す画面51は、第1の画面の一例である。
【0048】
図9(a)に示すように、操作者の入力によって、画面51には寸法固定領域61が設定されている。操作者は、図1に示すパソコン9に備えられたマウスやキーボート等を用いて、裁断用パターン55a,55bの寸法を固定したい領域上に寸法固定領域61を設定する。
【0049】
寸法固定領域61が設定された状態で、シート材27の幅が変動(ここではwから1.2wに変動)すると、裁断用パターン55a,55bの幅方向寸法が以下のように補正される。裁断用パターン55a,55bと寸法固定領域61との重なり領域63では幅方向寸法を変動させないと共に裁断用パターン55a,55bの重なり領域63以外の領域では幅方向寸法を変動させる。
【0050】
具体的に説明すると、重なり領域63では、図9(b)に示すように、幅方向寸法が変動されておらず、qに固定されている。これに対して、重なり領域63以外の領域では幅方向寸法がp,rからそれぞれ、{(1.2w−q)/(w−q)}×p,{(1.2w−q)/(w−q)}×rに拡大されている。重なり領域63以外の領域において、幅方向寸法を単純に1.2倍にしていない。これにより、シート材27の幅が小さい部分では、裁断用パターン55a,55bがシートパターン53からはみ出した位置に設定されるのを防止して、所望の形状と略同じ形状を有する裁断品を作製することができる。また、シート材27の幅が大きい部分では、シート材27のエッジ45を含む裁断品を作製することができる。
【0051】
寸法固定領域を設定する機能は、裁断品に幅方向寸法を固定したい箇所(例えば、他の裁断品と寸法を揃え、整合性良く縫い合わせる箇所)が存在する場合に利用される。
【0052】
ところで、図9(a)に示すように、寸法固定領域61はシートパターン53の長手方向に延びているので、画面51に表示された複数種類の裁断パターン55a,55bのそれぞれと重なり領域63が形成される。しかし、複数種類の裁断パターン55a,55bの全てが、重なり領域63での幅方向寸法を変動させたくないとは限らない。
【0053】
そこで、本実施形態に係る裁断装置1には、寸法固定領域の設定の例外が設けられている。図10(a)に示すように、操作者の入力によって、重なり領域63での幅方向寸法を変動させない補正の対象外とする裁断用パターン(ここでは裁断用パターン55b)について、画面51に表示された複数種類の裁断用パターン55a,55bの中から画面51に設定をする。
【0054】
この設定がされると、図10(b)に示すように、裁断用パターン55bについては、重なり領域63でも、シート材27の幅の変動に応じて、幅方向寸法を変動させる補正が実行される。
【0055】
次に、裁断用パターンの幅方向寸法を変動させない設定について図11及び図12を用いて説明する。図11及び図12は、シートパターン53上に配置された裁断用パターン55a,55c,55dを含む画面51を示す図である。これらの図に示す画面51は、図9や図10に示す画面51と同様に、パターンのみを表示し、裁断用パターン55の幅方向寸法を変動させない設定に必要なボタン57等を省略している。図11及び図12に示す画面51は、第2の画面の一例である。
【0056】
図11(a)に示すように、操作者の入力によって、幅方向寸法を変動させない裁断用パターン55を、画面51に表示された複数種類の裁断用パターン55a,55c,55dの中から画面51に設定をする。ここでは、裁断用パターン55c,55dについて、幅方向寸法を変動させない設定がされている。
【0057】
図11(b)に示すように、シート材27の幅が変動しても、裁断用パターン55c,55dについては幅方向寸法が変動しない。したがって、裁断用パターン55c,55dについては、パソコン9に予め記憶されていたとおりにシート材27が裁断される。裁断用パターン55の幅方向寸法を変動させない設定は、例えば、裁断品同士の寸法を揃え、整合性良く縫い合わせるために、裁断品の寸法を固定しておきたい場合に利用される。
【0058】
エッジ43を基準に裁断用パターン55a,55c,55dの位置が決まる。したがって、図11(a)のエッジ45を含む裁断用パターン55dについては、その幅方向寸法を変動させないと、図11(b)に示すように、エッジ45から離れた位置に裁断用パターン55dが移動する。シート材27が筒状であり、裁断用パターン55dを基にして作製する裁断品がシート材27のエッジ45を含む場合、図12(a)に示すように、裁断用パターン55dの移動の設定がされる。すなわち、裁断用パターン55dを、操作者の入力によって、画面51に表示されたシートパターン53のエッジ45を含む位置まで移動させる設定をする。
【0059】
これにより、図12(b)に示すように、裁断用パターン55dは、幅方向寸法が変動されない状態でエッジ45を含む位置まで移動させられる。よって、裁断用パターン55dについては、パソコン9に予め記憶されていたとおりの形状を有すると共にシート材27のエッジ45を含む裁断品を作製することができる。
【0060】
次に、本実施形態に係る裁断方法を説明する。図13及び図14は、これを説明するフローチャートである。
【0061】
図1に示すパソコン9に、パターンデータ(裁断用パターン55及びシートパターン53の座標データ)を予め記憶させる(ステップS1)。そして、図2及び図3に示すセンサ7を用いて、シート材27のエッジ43,45の位置を検出する(ステップS3)。
【0062】
図8で説明したように、最小二乗法を用いてシート材27のエッジ43,45のそれぞれの近似直線式Y=aX+b、Y=cX+dを演算する(ステップS5)。そして、裁断用パターン55毎に補正が実行される(ループ1)。裁断用パターン毎とは、例えば、図9に示す場合、まず裁断用パターン55aの補正をし、次に裁断用パターン55bの補正をするのである。
【0063】
裁断用パターン55の補正とは、裁断用パターン55の各座標について、以下に説明する座標変換を実行することである(ループ2)。例えば、図9に示す裁断用パターン55aは八つ座標を有するので、ループ2の座標数は8である。
【0064】
まず、図6及び図7で説明した裁断用パターン55の幅方向寸法を拡大縮小する補正を実行する場合の座標変換から説明する。この補正では、図11及び図12で説明した裁断用パターン55の幅方向寸法を変動させない設定はされておらず(ステップS7のNo)、図9及び図10で説明した寸法固定領域の設定はされていない(ステップS9のNo)。
【0065】
シート材27の幅が変動すれば、それに応じて裁断用パターン55の幅方向寸法が変動するように裁断用パターン55の座標が変換される(ステップS11)。裁断用パターン55の他の座標についても同様に座標が変換される(ループ2を終了)。
【0066】
例えば、図6に示す裁断用パターン55では、幅方向寸法が0.8倍になるように裁断用パターン55の各座標が変換される。したがって、裁断用パターン55の全領域で幅方向寸法が0.8倍になる座標変換が実行される。各裁断用パターン55について座標変換が実行されると(ループ1を終了)、補正後の各裁断用パターン55は図1に示すパソコン9で裁断ヘッド15の移動軌跡に変換され、パソコン9から制御盤3に読み込まれる。そして、制御盤3は裁断機5を制御して、補正後の各裁断用パターン55のとおりにシート材27が裁断されて裁断品が作製される(ステップS13)。
【0067】
次に、図11及び図12で説明した裁断用パターン55の幅方向寸法を変動させない設定がされた状態で補正を実行する場合の座標変換を説明する。この設定がされていると、ステップS7でYesとされて、補正の対象となる裁断用パターン55が幅方向寸法を変動させないものか判断される(ステップS15)。例えば、図11に示す裁断用パターン55aは、幅方向寸法を変動させない設定がされていないので、ステップS15でNoとなり、ステップS11へ進む。
【0068】
これに対して、裁断用パターン55c,55dは、幅方向寸法を変動させない設定がされているので、ステップS15でYesとなり、ステップS17へ進む。ステップS17において、裁断用パターン55c,55dの幅方向寸法を変動させずに、つまり等倍で裁断用パターン55c,55dの座標を変換する。
【0069】
次に、裁断用パターン55c,55dがシートパターン53のエッジ45を含む位置まで移動させる設定がされているか否か判断される(ステップS19)。図12に示す裁断用パターン55dのようにエッジ45を含む位置まで移動させる設定がされていると、ステップS21へ進む。このステップでは、裁断用パターン55dが位置する部分のシート材27の実際の幅を基にして、裁断用パターン55dをエッジ45に位置させるための裁断用パターン55dの移動量を演算する。この移動量が得られるように、裁断用パターン55dの座標を変換する。そして、ループ2、ループ1を終了してからステップS13へ進む。
【0070】
一方、図12に示す裁断用パターン55cのようにエッジ45を含む位置まで移動させる設定がされていない場合、ステップS19でNoとなり、ループ2、ループ1を終了してからステップS13へ進む。
【0071】
次に、図9及び図10で説明した寸法固定領域が設定されている状態で補正を実行する場合の座標変換を説明する。この設定がされていると、ステップS9でYesと判断されて、ステップS23へ進む。このステップでは、補正の対象となる裁断用パターンが、寸法固定領域の例外か否か判断される。図10に示す裁断用パターン55bは例外と判断されて、ステップS11へ進む。一方、図10に示す裁断用パターン55aは例外でなく、ステップS25へ進む。
【0072】
ステップS25では、座標が、裁断用パターン55aの寸法固定領域61との重なり領域63に位置するか否か判断される。位置する場合、裁断用パターン55aの重なり領域63の幅方向寸法を変動させずに、つまり等倍で裁断用パターン55aの重なり領域63での座標を変換する(ステップS27)。そして、ループ2、ループ1を終了してからステップS13へ進む。
【0073】
これに対して、ステップS25において、裁断用パターン55aの座標が重なり領域63以外に位置すると、ステップS29へ進む。このステップにおいて、裁断用パターン55aの重なり領域63以外の領域は、シート材27の幅が変動すれば、それに応じて幅方向寸法が変動するように座標が変換される。そして、ループ2、ループ1を終了してからステップS13へ進む。
【0074】
図15は、本実施形態に係る裁断装置1の機能ブロック図である。裁断装置1は、記憶部71、測定部73、補正部75、裁断部77、第1の設定部79及び第2の設定部81を備える。
【0075】
記憶部71には、裁断用パターン55が予め記憶される。記憶部71は、図1に示すパソコン9のハードディスク、メモリ等により実現される。
【0076】
測定部73は、シート材27の幅を測定する。測定部73は、図2に示すシート材27のエッジ43,45を検出するセンサ7、センサ7で検出したエッジ位置を読み込むエッジ位置読込部、その読み込んだ位置を記憶するエッジ位置記憶部、図8で説明した裁断用パターン55の各座標でのシート材27の幅を演算する幅演算部及び演算された幅の値を記憶する幅記憶部を含む。エッジ位置読込部及びエッジ位置記憶部は、パソコン9に拡張ボードを搭載してパソコン9の機能を拡張することにより実現される。幅演算部は、パソコン9のCPUにより実現される。幅記憶部は、パソコン9のハードディスク等により実現される。また、エッジ位置読込部及びエッジ位置記憶部は、制御盤3内に別のCPUボードとして実現してもよいし、エッジ位置記憶部をパソコン9のハードディスク等で実現してもよい。
【0077】
補正部75は、測定部73で測定されたシート材27の幅の変動に応じて、記憶部71に記憶されている裁断用パターン55のシート材27の幅方向に沿った幅方向寸法を変動させる補正等を実行する。補正部75は、図1に示すパソコン9のCPUにより実現される。
【0078】
裁断部77は、シート材27を裁断して裁断品を作製する。裁断部77では、補正部75で裁断用パターン55が補正された場合、補正後の裁断用パターン55のとおりにシート材27を裁断する。裁断部77は、図2に示す制御盤3及び裁断機5により実現される。
【0079】
第1の設定部79は、操作者の入力によって、次の(1)、(2)の設定をする。(1)例えば、図9に示す寸法固定領域61を、裁断用パターン55a,55bが表示された第1の画面51に設定をする。この設定により、補正部75は、第1の画面51に表示された裁断用パターン55a,55bの寸法固定領域61との重なり領域63では幅方向寸法を変動させないと共に裁断用パターン55a,55bの重なり領域63以外の領域では幅方向寸法を変動させる補正をする。
【0080】
(2)例えば、図10に示す重なり領域63での幅方向寸法を変動させない補正の対象外とする裁断用パターン55bについて、第1の画面51に表示された複数種類の裁断用パターン55a,55bの中から第1の画面51に設定をする。この設定により、補正部75は、第1の画面51に設定された上記対象外の裁断用パターン55bについて、測定部73で測定されたシート材27の幅の変動に応じて、幅方向寸法を変動させる補正をする。
【0081】
第2の設定部81は、操作者の入力によって、次の(1)、(2)の設定をする。(1)例えば、図11に示す幅方向寸法を変動させない裁断用パターン55c,55dを、第2の画面51に表示された複数種類の裁断用パターン55a,55c,55dの中から第2の画面51に設定をする。この設定により、裁断部77は、裁断用パターン55c,55dについて、記憶部71に予め記憶されていたとおりにシート材27を裁断する。
【0082】
(2)例えば、図12に示す幅方向寸法を変動させない裁断用パターン55dが設定された場合、裁断用パターン55dを、第2の画面51に表示されたシートパターン53のエッジ45を含む位置まで移動させる設定をする。裁断部77は、その裁断用パターン55dについては、記憶部71に予め記憶されていたとおりの形状を有すると共にシート材27のエッジ45を含む裁断品を作製する。
【0083】
第1の設定部79や第2の設定部81は、図1に示すパソコン9のディスプレイ、キーボード、マウス、CPU等により実現される。
【0084】
なお、本実施形態に係る裁断プログラムは、コンピュータに、図13及び図14に示す各ステップを実行させ、コンピュータを図15に示す各ブロックとして機能させることにより、上述した本実施形態に係る裁断装置や裁断方法と同様の効果を得ることができる。上記プログラムは、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶して配布してもよいし、インターネット等で配信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本実施形態に係る裁断装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る裁断装置に備えられる裁断機等の平面図である。
【図3】同裁断機等の側面図である。
【図4】本実施形態に係る裁断装置に備えられるパソコンのディスプレイに映された画面の一例を示す図である。
【図5】シートパターン上に配置された裁断用パターンを含む画面を示す図である。
【図6】裁断用パターンの縮小補正を説明する図である。
【図7】裁断用パターンの拡大補正を説明する図である。
【図8】本実施形態に係る裁断用パターンの補正の演算方法を説明する図である。
【図9】本実施形態に係る裁断用パターンの補正において、寸法固定領域の設定を説明する図である。
【図10】同寸法固定領域の設定の例外を説明する図である。
【図11】本実施形態に係る裁断用パターンの補正において、裁断用パターンの幅方向寸法を変動させない設定を説明する図である。
【図12】同裁断用パターンの幅方向寸法を変動させない設定において、裁断用パターンの移動を説明する図である。
【図13】本実施形態に係る裁断方法を説明するフローチャート1である。
【図14】同フローチャート2である。
【図15】本実施形態に係る裁断装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0086】
1・・・裁断装置、3・・・制御盤、5・・・裁断機、7・・・センサ、9・・・パソコン、11・・・作業台、13・・・裁断ヘッド移動機構、15・・・裁断ヘッド、17・・・作業台の側部、19・・・ベルトコンベア、21・・・ローラ、23・・・ベルト、25・・・シート材搬送機、27・・・シート材、29・・・レール、31・・・x方向移動部、33・・・レール、35・・・y方向移動部、37・・・z方向移動部、39・・・回転部、41・・・丸刃、43,45・・・エッジ、51・・・画面、53・・・シートパターン、55,55a,55b,55c,55d・・・裁断用パターン、57・・・ボタン、61・・・寸法固定領域、63・・・重なり領域、71・・・記憶部、73・・・測定部、75・・・補正部、77・・・裁断部、79・・・第1の設定部、81・・・第2の設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裁断用パターンを予め記憶する記憶部と、
シート材の幅を測定する測定部と、
前記測定部で測定された前記シート材の幅の変動に応じて、前記記憶部に記憶されている裁断用パターンの前記シート材の幅方向に沿った幅方向寸法を変動させる補正をする補正部と、
前記補正部で裁断用パターンが補正された場合、補正後の裁断用パターンのとおりに前記シート材を裁断して裁断品を作製する裁断部と、を備える
ことを特徴とする裁断装置。
【請求項2】
操作者の入力によって、寸法固定領域を裁断用パターンが表示された第1の画面に設定をする第1の設定部を備え、
前記補正部は、前記第1の画面に表示された裁断用パターンの前記寸法固定領域との重なり領域では前記幅方向寸法を変動させないと共にその裁断用パターンの前記重なり領域以外の領域では前記幅方向寸法を変動させる補正をする
ことを特徴とする請求項1に記載の裁断装置。
【請求項3】
前記第1の設定部は、前記重なり領域での前記幅方向寸法を変動させない補正の対象外とする裁断用パターンについて、操作者の入力によって、前記第1の画面に表示された複数種類の裁断用パターンの中から前記第1の画面に設定をし、
前記補正部は、前記第1の画面に設定された前記対象外の裁断用パターンについて、前記測定部で測定された前記シート材の幅の変動に応じて、前記幅方向寸法を変動させる補正をする
ことを特徴とする請求項2に記載の裁断装置。
【請求項4】
前記裁断装置は、操作者の入力によって、前記幅方向寸法を変動させない裁断用パターンを、第2の画面に表示された複数種類の裁断用パターンの中から前記第2の画面に設定をする第2の設定部を備え、
前記裁断部は、前記第2の設定部で前記幅方向寸法を変動させない裁断用パターンが設定された場合、その裁断用パターンについては、前記記憶部に予め記憶されていたとおりにシート材を裁断する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の裁断装置。
【請求項5】
前記第2の設定部は、前記幅方向寸法を変動させない裁断用パターンが設定された場合、操作者の入力によって、前記第2の画面に表示された前記シート材と対応するシートパターンのエッジを含む位置までその裁断用パターンを移動させる設定をし、
前記裁断部は、前記第2の設定部で前記シートパターンのエッジを含む位置まで移動させられた裁断用パターンが設定された場合、その裁断用パターンについては、前記記憶部に予め記憶されていたとおりの形状を有すると共に前記シート材のエッジを含む裁断品を作製する
ことを特徴とする請求項4に記載の裁断装置。
【請求項6】
前記記憶部に記憶されている裁断用パターンの前記幅方向寸法を変動させる補正とは、前記シート材の幅が所定値より大きい部分において裁断用パターンの前記幅方向寸法を拡大し、前記シート材の幅が所定値より小さい部分において裁断用パターンの前記幅方向寸法を縮小する補正である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の裁断装置。
【請求項7】
前記シート材は筒状である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の裁断装置。
【請求項8】
裁断用パターンを予め記憶する記憶ステップと、
シート材の幅を測定する測定ステップと、
前記測定ステップで測定された前記シート材の幅の変動に応じて、前記記憶ステップで記憶されている裁断用パターンの前記シート材の幅方向に沿った幅方向寸法を変動させる補正をする補正ステップと、
前記補正ステップで裁断用パターンが補正された場合、補正後の裁断用パターンのとおりに前記シート材を裁断して裁断品を作製する裁断ステップと、を備える
ことを特徴とする裁断方法。
【請求項9】
請求項8に記載のステップをコンピュータに実行させる裁断プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の裁断プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−239155(P2007−239155A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65873(P2006−65873)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】