説明

装置の殺菌を決定するためのシステムおよび方法

【課題】環境条件の発生を検証するためのシステムおよび方法である。
【解決手段】環境条件の発生を検証するためのシステムおよび方法が記載される。殺菌プロセスの発生及び/又は成功に関する情報を保存するよりもむしろ、本発明は装置の無線送信特性を改良するものである。ある実施形態では、無線トランシーバのバンド幅が、経験する殺菌の結果として変更される。他の実施形態では、回路の共振周波数が影響を受ける。他の実施形態では、1以上のこれらのパラメータが衝撃又は振動等の他の環境条件に基づいて影響を受ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置の殺菌を決定するためのシステムおよび方法に関する。この出願は、2009年11月16日に提出された米国仮特許出願第61/261、539号に基づく優先権を主張するものであり、その記載は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
使用される物体を殺菌するための多くの利用が、それが望ましくても又はそれが必須であっても存在する。例えば、食品産業は、銀製食器、皿、ポットおよび他の調理器具を殺菌することが必要である。また、調剤および医療装置も殺菌される必要がある。例えば、外科用メスおよび他の医療器具はすべて個々の使用に先立って殺菌されなければならない。
【0003】
他の場合では、殺菌されるべき装置が処分前に1度だけ用いられる場合である使い捨て(単一で)の利用がある。血液を採取するのに用いられる針および注射に用いられるシリンジ等の物品は、使用前に殺菌されなければならない。医療分野に加えて、調剤産業においても同様な要求がある。フィルタ、筐体、そしてバッグ、バイオリアクタおよびチューブ等の使い捨ての部品は、使用前に殺菌されなければならない。
【0004】
殺菌は多くの方法により行われることができる。例えば、高温蒸気殺菌(オートクレーブ)法等の熱を用いた殺菌は、1つの一般的なプラクティスである。他の実施形態では、殺菌は、ガンマ線又はベータ線等の放射線に物体を晒すことによって行われる。化学反応、例えばエチレンオキシドに関わる化学反応等は、部品を殺菌するのに用いられる他の方法である。時折、これらの調剤部品の製造工程は殺菌段階を含む。それ故に、製造者は、選択された部品が殺菌手順を経たものであることを顧客に保証できる。
【0005】
近年、高温蒸気殺菌法、ガンマ殺菌、凍結、又は出荷の間に装置が正しく処理されたかについての独立検証に対する、調剤および医療装置の顧客による要望が高まってきている。フィルタ、バッグ、チューブ又は薬剤化合物等の装置が正しく処理されたかを知ることで、顧客が、その装置を直接使用できるかどうかについてより確信出来るようになる。
【0006】
上述のように、典型的には、この保証は、直線的な製造系列がプロセスの内外を動かすプロセス工学制御を備えている。しかしながら、プロセス制御をまだ満たす一方で、プロセスが故障するための様々な方法が存在する。例えば、ガンマ照射器等のプロセスを実行する設備が誤動作し、フィルタに正しくドーズ(照射)しない場合がある。他の装置がガンマ線を覆い隠し、これにより、バクテリアが死滅するための最小レベル以下に被ばく量を低減させてしまう場合がある。
【0007】
この問題に対処するための様々な試みが行われてきた。例えば、包装済みの医療装置に対して共通であるように、製造業者は放射線の良好な暴露を示すために色彩変化染料を使用する。
【0008】
別の方法は、半導体部品が基板上に最小量又は限られた保護コーティングを有して製造されることである。この場合、ガンマ放射線は、半導体パッケージを貫通し、保護されていない部分の集積回路に影響を与える。放射線の影響は、例えば、閾値電圧又は漏れ電流などの回路のパラメータを変化させる場合がある。保護されて影響を受けない部品の部分は、放射の結果、これらのパラメータにおける任意の変化を決定し得るセンシング回路を含む。ユーザはその後、無線又は有線手段を用いてこの情報にアクセスすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このプロセスは、オペレータが、装置によって使用される通信のための方法及びプロトコルを理解していることを必要とする。例えば、オペレータは、装置内のどの記憶域が放射線検査に関連する情報を含むのか知らなければならない。また、この情報は、特定の部品および製造業者により、異なる位置に異なるプロトコルを用いて保存される場合がある。
【0010】
したがって、使用が容易で内在する回路の知識を必要とせずに部品が適切に殺菌されたことを確認するための独立の方法があれば有益であろう。そのような方法は、部品が適切に高温(昇温)に晒されたか、低温(降温)に晒されたか或いはそれを殺菌するのに必要な放射が行われたかどうか判断されるべきである。容易に配備することができ、顧客かユーザが煩わしい手順を行う必要なしにこの確認を行うことが可能なシステムがあればまた、有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従来技術の問題は、本発明のシステムおよび方法により解消される。殺菌プロセスの発生及び/又は成功に関する情報を保存するよりもむしろ、本発明は装置の無線送信特性を改良するものである。ある実施形態では、殺菌の結果、無線トランシーバのバンド幅が変更される。他の実施形態では、回路の共振周波数が影響を受ける。他の実施形態では、1以上のこれらのパラメータが衝撃又は振動等の他の環境条件に基づいて影響を受ける。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態である。
【図2a】図2aは、本発明の第2の実施形態である。
【図2b】図2bは、本発明の第3の実施形態である。
【図2c】図2cは、本発明の別の実施形態である。
【図3】図3は、本発明の別の実施形態である。
【図4a】図4aは、2つの異なる環境条件を検知する実施形態である。
【図4b】図4bは、2つの異なる環境条件を検知する実施形態である。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述のように、特定の環境条件が起こったか(又は起こっていないか)についての迅速で簡単な独立検証のニーズがある。この複数の実施例は、医療又は調剤装置が放射線を受けたかどうか検証するためのニーズ、特定の医薬がシェイクされていないかどうか検証するためのニーズ、装置が加圧殺菌されたかどうか検証するためのニーズを含む。一部の例では、これらの環境条件の視覚確認を提供する装置が存在する。例えば、色彩が変化する出荷ドットは、物品輸送中の温度を監視するのに用いられる。同様に、物品が過度の衝撃に晒されたか又は晒されていないかについての視覚確認を提供する衝撃センサが存在する。
【0014】
資産及び在庫を追跡する1の一般的な方法は、RFIDタグの使用である。これらのタグは、部品に貼られ、RFIDリーダにより遠隔的に問い合わせることができる。タグ自身は、その部分に関する情報が保存された読み取り可能な(および時には書換可能な)メモリ装置を含む。情報は、部品の説明、その製造日、ロット番号、製造工程、有効期限および他の関連データを含むことができる。
【0015】
RFIDタグは、特定の周波数で動作するように調整されたアンテナをも含む。ある実施形態では、伝送が13.56MHzで起こり、他では伝送が902〜928MHzの間で起こり、一方他の実施形態では2.4GHzが用いられる。他の周波数範囲も本発明の範囲の中において可能である。
【0016】
任意のRFIDタグの設計において、RFIDリーダ回路により共振周波数を最適化する必要性が時折ある。無線(ラジオ)周波数共鳴は、(インダクタ−抵抗−コンデンサ)回路の基本方程式に基づいている。LRC回路において共振周波数は:
【数1】

と定義される。ここで、Lはヘンリーで表されるインダクタのインダクタンスであり、Cはファラドで表されるキャパシタンスである。
【0017】
また、回路のバンド幅は:
【数2】

と定義される。ここで、Rはオームで表される抵抗であり、Lはヘンリーで表されるインダクタのインダクタンスである。
【0018】
一般に、RFIDマイクロチップは、それをリーダに合わせるためにわずかな変更を必要とする特定の電気特性を有している。RFIDマイクロチップへのRFアンテナのそのままの追加は、回路の全体的な調整(チューニング)を変更させるであろう。一般的に行われているように、アウトボード回路は、回路の変更および差異調整を保証するために追加され得る。このように、外部回路の使用はRFIDタグにおいて一般的である。
【0019】
ある実施形態では、アウトボード(又は外部)回路は、RFIDタグの全体のバンド幅又は共振周波数を変更するために、パッシブな部品(例えばインダクタ、コンデンサおよび抵抗)の組み合わせを含む。
【0020】
一実施形態では、図1に示すように、アウトボード回路100は、1の部品140が品質および環境条件の種類に基づくその値を意図的に変更するために選択されるホイートストン・ブリッジ構成における抵抗120、125、130の組み合わせである。言い換えれば、衝撃、高温又は放射線照射等の特定の環境条件が発生する場合に、可変部品の初期値又はデフォルト値が変更されるであろう。抵抗(レジスタ)の場合、この変化はその共振周波数に影響を与えることのないタグのバンド幅に影響を与えるであろう。RFIDチップ105は、直列配置されたコンデンサ115およびインダクタ110と電気通信状態にある。他の実施形態では、これらの2つの部品は、並列に配置され得る。LC回路もまたホイートストン構成と直列である。このホイートストン構成は、可変部品(可変要素)140の値に基づいて2つの可能な等価な抵抗を有する。
【0021】
第2の実施形態では、図2aに示すように、特定の環境条件がスイッチ170を開くように、スイッチ170が抵抗120の1つと直列に配置される。スイッチは、2つの状態を有し、閉じられることによってスイッチ(即ち抵抗120)と直列の回路の分岐が回路に接続され、開かれることによって直列の分岐がディセーブルとなる。このように、スイッチ170が閉じられる場合、抵抗125、130と並行である抵抗120が、結果として得られる等価抵抗を、抵抗125、130単独の場合よりも低くするために、全体的な抵抗は小さくなる。よって、抵抗はその状態よりも高いため、スイッチ170が開かれる場合に回路のバンド幅が増加する。
【0022】
スイッチは、オートクレーブサイクルを分析するための熱スイッチ又は放射線殺菌を分析するための単純な標準的なトランジスタダイオード等の様々な部品から選択されることができる。この場合もやはり、この構成はその共振周波数に影響を与えることなく回路のバンド幅(帯域幅)に影響を与える。
【0023】
第3の実施形態では、図2bに示すように、スイッチ170又は他の可変部品が第2のコンデンサ175と直列に挿入される。この実施形態では、可変要素170の状態が回路の等価静電容量に影響するであろう。この場合、スイッチが閉じられる場合に静電容量が増加し、スイッチが開かれる場合に静電容量が減少するであろう。この構成は、バンド幅ではなく共振周波数に影響する。
【0024】
勿論、本発明の範囲の中において他の構成が可能である。ある実施形態では、外部調整可能なLRC回路が用いられる。2つの異なる状態が可能な可変部品がこの外部回路に用いられる。部品は、関係する環境状態、例えば衝撃、温度又は放射線等に基づいて、デフォルト状態からその変更された状態へ変化する。
【0025】
他の実施形態では、外部調整可能な回路はLRC回路の複数の部分のみで構成され得る。例えば、回路の特定の要素は、RFID集積回路(例えばコンデンサ又はインダクタ)中へ集積され得る。これらの実施形態では、1以上の外部部品は、装置の無線パラメータに影響を与えるために用いられることができ、インダクタ、コンデンサ、抵抗又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。この外部回路の挙動を変更するために上述と同様の技術を用いることができる。
【0026】
衝撃は、物理的衝撃スイッチなどの様々な装置の電気状態を変え得る。そのようなスイッチは、搭載する装置の中に吊された細糸で編んだニットフィラメントを用いて組み立てられる。フィラメントに直交する方向への衝撃は、それを懸架位置から緩ませるであろう。これらは、衝撃を受けやすい一般的な電球又はヒューズと似たこの機能を好む。異なるレベルの衝撃は、フィラメントの厚み及び懸架位置の接続のロバスト性を変更することによって検知することができる。
【0027】
温度変化は、特定の抵抗又は温度ヒューズ等の装置への不可逆的変化を引き起こす場合がある。炭素等の酸化し得る部品で製造された抵抗は、温度上昇によって不可逆的に酸化されるであろう。他の抵抗は、金属酸化物等の非酸化型材料で構成されるか、又は金属酸化物等の環境変化に対して安定した状態を保ち、値を変化させないために不浸透的に梱包されることができる。
【0028】
十分なエネルギー放射は、抵抗および半導体接合等の装置の変化を引き起こす。放射線放射は、更にベース材料を酸化させることによって、或いは結晶又はポリマー構造を変更することにより、抵抗の抵抗値を変化させる。n−p又はp−n型ダイオードなどの半導体接合は、結晶構造の変化及び伝導帯内のドーパント材料の除去を起因とする放射線放射により影響を受ける。
【0029】
可変部品は、その状態が関係する環境条件により不可逆的に変更されるように1つであり得る。したがって、影響はその条件が終わった後に測定される。バンド幅又は共振周波数が測定できるところで一般的な動作性を保持する間に条件に応じて予測できる方法で変化する回路デザインを選択することが有利である。ある実施形態では、そのデフォルト値は変化させるが全てが動作不可能にはならない部品が単純なLRC回路内に用いられる。図2cは、ガンマ感知抵抗157の値がガンマ放射線に対するその暴露に関して変化する場合の単純なRLC回路を示す。このシナリオでは、回路のバンド幅は、放射線の暴露レベルの関数として変化する。しかしながら、温度ヒューズのような破壊的なまでに変化する部品に対してはホイートストン・ブリッジ又は任意の並列配置が用いられ得る。いずれの場合でも、他の支持部品が環境条件に弾力的に選択されることが好ましい。
【0030】
他の実施形態では、自身の条件を可逆的又は予測的に変化させる部品を用いることができる。そのような部品は、Presidio Components Inc.等の軍事の、放射困難な、又は高い性能基準の抵抗又はコンデンサを含む。
【0031】
別の実施形態を図3に示す。この実施形態では、並行な抵抗分岐があり、ここではこれらの分岐の1つが抵抗120および1以上のダイオード180を含んでいる。他の分岐は、抵抗125、130等の1以上の抵抗を含んでいる。通常操作では、ダイオードの1つが常に逆バイアスされているためダイオードのパスには電流が流れない。しかしながら、ガンマ放射線の暴露は、その順バイアス電圧、その逆バイアス電圧、或いはそのリーク電流等のダイオードの1以上の特性にしばしば影響し、これにより電流を流すことを可能にする。よって、ダイオードが導通し始め、第2の抵抗分岐が回路の等価抵抗に影響を及ぼすことを可能にする。抵抗におけるこの変化は、離間して検知され得るバンド幅における対応する変化を引き起こす。
【0032】
上述のように、本発明を用いて他の環境条件を検出することができる。例えば、温度を検知するために、装置は低温への暴露の結果不可逆的に変化する装置を製造できる。一般に、標準的な電気部品は、例えば−80℃などの低温では不可逆的には変化しない。しかしながら、そのような装置は、その電気値においてそのような好ましい変化を生じさせる抵抗材料を不可逆的に物理的に縮小させるか又は分散させるように組み立てられ得る。他の低温装置は温度ヒューズと同様に組み立てられることができ、ここでは2つのコンダクタ間のジョイントが弾性ポイントを超えて結ばれ、回路を開くことによって分離される。そのような部品は、図2aおよび図2bに示すような構成に用いられることができる。その他はこの発明に含まれるが、そのような不可逆低温装置の説明はこの装置の実施形態を制限するものではない。
【0033】
衝撃の測定は、並列構成に配置された1以上の抵抗衝撃ヒューズを用いることにより達成できる。単一のヒューズの場合、装置は装置がある閾値を超えて衝撃を与えたかどうかを検知できるだけである。異なる衝撃閾値を有する2つのヒューズの使用は3レベルの検知を可能にする(いずれのヒューズも破壊しない場合には低、1のヒューズが破壊する場合には中、両方のヒューズが破壊する場合には高)。必要に応じて、より多くの衝撃ヒューズによってより精度を高くすることができる。衝撃ヒューズは、終端接合が関連する衝撃によって破壊される開口に架けられた抵抗部材によって組み立てられ得る。電球フィラメントはそのような実施形態の1つを表している。或いは、加速度計部品が固体状態の実施形態を表す。そのような部品は、図2aおよび2bに示すような様々な構成に用いられ得る。
【0034】
ある実施形態では、この発明は、2つの独立した環境条件を測定するために用いられることができる。例えば、図4aに示すように、ガンマ放射線感知部品158が回路に導入され得る。そのような構成はバンド幅の変化を作り出す。低温に感知しやすいもの等の第2の可変部品178は、図4aに示すような回路に導入され得る。この部品178は、回路の共振周波数に影響する。このようにして、2つの異なる環境条件がこの発明を用いて決定(判断)される。
【0035】
ある実施形態では、図4bに示すように、2つの独立した環境条件が、単一のパラメータを変化させることによってのみ検知され得る。例えば、3つの並列抵抗分岐が用いられ、ここでは各分岐が異なる直列抵抗を有すると想定する。第1の分岐は、ガンマ感知装置のような直列可変装置203と第1の抵抗を有する第1の抵抗210を含む。第2の分岐は、低温に感知しやすい部品などの第2の可変部品213および第2の抵抗を有する第2の抵抗220を含む。第3の分岐は、環境条件に影響されず、それ故に定抵抗230を有する。環境条件が全く観察されない場合、この回路の等価抵抗は、3つの抵抗値210、220、230に基づくだろう。もしガンマ放射線が生じた場合、この回路の抵抗は、第2の抵抗値220および第3の抵抗値230に基づくだろう。低温が生じた場合、回路の抵抗は第1の抵抗値210および第3の抵抗値230に基づくだろう。もしガンマおよび低温の両方が生じた場合、回路の抵抗は、第3の抵抗値230と等しくなるだろう。
【0036】
別の実施形態では、高温蒸気殺菌法又はガンマ放射線等による殺菌が行われたかどうかを知ることが重要であり、どのプロセスが用いられたかを知ることが重要でない場合がある。このシナリオでは、図5に示すように、故障又は変更のいずれかが回路に影響するように、それぞれが環境条件の少なくとも1つに感知しやすい2つの可変部品223、233が直列に配置される。一実施形態では、部品は、抵抗210と直列に配置されることができ、これらの部品は抵抗230と並列である。よって、いずれかの状態の発生が、回路から抵抗210を取り除き、等価抵抗が単に抵抗230の抵抗となる。
【0037】
タグが条件を経験したかどうかを決定するための分析は、周波数、バンド幅、又は読み取り距離を決定することを含むことができる。しかしながら、これらのいくつかは、分析中の環境における電気的干渉によって修正され得る。分析は、初期の参照リーダ回路およびオンサイト回路の間の変化によってより複雑になる。これらの変化のいくつか又はすべては、オンサイトリーダによって読み込まれるRFIDタグの特定のセットアップ及び測定値を記録することによって行われる。ある実施形態では、部品の前状態が最適に調整されていない一方で、可変部品への変化が回路のパラメータを改善するように働く。この技術は、分析が決定的で条件に関連するものであり、回路への他の変化によって悪化しないようにすることを可能にする。
【0038】
更に、すべての回路における他の部品、例えば残りのコンデンサ、インダクタおよび抵抗が、関係する環境条件に対して鈍感であることが非常に望ましい。また、使用されるRFID集積回路105が、高温又は低温、衝撃または放射の環境条件に耐え得ることも好ましい。放射の場合では、RFID集積回路105は、FRAM又はMRAM等の非変化ベースのストレージ技術に基づいて生産できる。或いは、シリコン・オン・インスレータ(SOI)等の放射に非常に鈍感なプロセスがRFID集積回路105を生産するために用いることができる。
【0039】
感知部品における残りの保護を実行するために、様々な手段が、熱、放射、および衝撃からシールドすることを含むこの方法によって行われることができる。例えば、熱感知部品が、フォーム、真空又は機械的分離の使用により、熱的に絶縁される。放射線感知部品は、リード等の高密度材料によって、或いは垂直配置によってシールドされ、これにより入射放射線を低減させる。衝撃感知部品は、フォーム又はスプリング等の吸収性材料の使用により衝撃から隔離されることができる。
【符号の説明】
【0040】
100…アウトボード回路
105…RFID集積回路(RFIDチップ)
110…インダクタ
115…コンデンサ
120…抵抗
125…抵抗
140…部品
157…ガンマ感知抵抗
158…ガンマ放射線感知部品
170…スイッチ(可変要素又は可変部品)
175…コンデンサ
178…可変部品
180…ダイオード
203…可変装置
210…抵抗
213…可変部品
220…抵抗
223…可変部品
230…抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFID集積回路と、
無線伝送の周波数を調整するように構成された外部回路であって、前記回路がインダクタ及びコンデンサ及び可変部品を備え、
前記可変部品が少なくとも2つの状態を有し、前記状態が環境条件への暴露に基づいて決定され、前記インダクタ、コンデンサおよび可変部品が、前記装置の無線特性を決定する無線識別装置。
【請求項2】
前記外部回路が抵抗を更に備える請求項1に記載の無線識別装置。
【請求項3】
前記無線特性が、共振周波数およびバンド幅を含む請求項2に記載の無線識別装置。
【請求項4】
前記可変部品が複数の状態を有し、前記状態が前記暴露の持続時間に関する請求項1に記載の無線識別装置。
【請求項5】
前記可変部品が複数の状態を有し、前記状態が、前記暴露の強度に関する請求項1に記載の無線識別装置。
【請求項6】
前記可変部品が、前記抵抗と直列であり、前記外部回路が前記可変部品および前記抵抗と並列の第2の抵抗を備える請求項2に記載の無線識別装置。
【請求項7】
前記2つの状態の1つが、開回路を備える請求項6に記載の無線識別装置。
【請求項8】
前記可変部品は前記コンデンサと直列であり、前記外部回路が前記可変部品および前記コンデンサと並列の第2のコンデンサを備える請求項1に記載の無線識別装置。
【請求項9】
前記環境条件は、衝撃、高温、低温および放射からなる群の中から選択される請求項1に記載の無線識別装置。
【請求項10】
部品が環境条件にさらされたことを検証する方法であって、
前記部品上にRFID装置を取り付けることであって、前記RFID装置が、無線伝送の周波数を調整するように構成された外部回路とRFID集積回路を備え、前記回路がインダクタ、コンデンサ及び可変部品を備え、前記可変部品が少なくとも2つの状態を有し、前記状態が環境条件への暴露に基づいて決定され、前記インダクタ、コンデンサ及び可変部品が前記装置の無線特性を決定することと、
外部RFIDリーダで前記RFID装置に問い合わせすることと、
少なくとも1の無線特性を予め定められた値と比較することと、
前記比較の結果に基づいて前記部品が前記環境条件にさらされたことを検証すること
を含む方法。
【請求項11】
前記環境条件が、衝撃、高温、低温及び放射からなる群の中から選択される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記外部回路が抵抗を更に備える請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記無線特性が共振周波数およびバンド幅を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記可変部品が複数の状態を有し、前記状態が前記暴露の持続時間に関する請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記可変部品が複数の状態を有し、前記状態が前記暴露強度に関する請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記可変部品が前記抵抗と直列であり、前記外部回路が、前記可変部品および前記抵抗と並列の第2の抵抗を備える請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記2つの状態の1つが開回路を備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記可変部品が前記コンデンサと直列であり、前記外部回路が、前記可変部品および前記コンデンサと並列の第2のコンデンサを備える請求項10に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図2c】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−108239(P2011−108239A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−256084(P2010−256084)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(390019585)ミリポア・コーポレイション (212)
【氏名又は名称原語表記】MILLIPORE CORPORATION
【Fターム(参考)】