説明

装置制御システムと装置制御方法および放送受信装置と記録装置

【課題】一方の装置から他方の装置にコンテンツ信号の供給を行い、他方の装置の動作を一方の装置の動作と容易かつ確実に連動させてコンテンツ信号の処理を行わせる。
【解決手段】放送受信装置20と記録再生装置60を信号ケーブル90で接続してコンテンツ信号の供給を行うとき、一方の装置では、他方の装置を遠隔操作するためのコマンド信号を電波による無線通信で他方の装置に供給して、他方の装置の動作を一方の装置の動作と連動させる。例えば放送受信装置20からコマンド信号を電波による無線通信で記録再生装置60に供給して、放送受信装置20から供給するコンテンツ信号を記録させる。
記録再生装置60の動作を放送受信装置の動作と容易かつ確実に連動させてコンテンツ信号の記録を行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、装置制御システムと装置制御方法および放送受信装置と記録装置に関する。詳しくは、複数の装置を接続して一方の装置から他方の装置にコンテンツ信号の供給を行うとき、一方の装置では、他方の装置を遠隔操作するためのコマンド信号を生成して電波による無線通信で他方の装置に供給し、他方の装置では、受信したコマンド信号に基づいた動作を行い、他方の装置の動作を一方の装置の動作と連動させて、供給されたコンテンツ信号の処理を行わせるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン装置や記録再生装置等の電子機器を遠隔操作する場合、ユーザは電子機器に対応したリモートコントロール装置を操作して、リモートコントロール装置からユーザ操作に応じた赤外線信号を電子機器に供給させることが行われている。
【0003】
また、特許文献1のように、ユーザと電子機器が離れていても、ユーザ操作に応じた赤外線信号を電子機器に供給できるシステムが実用化されている。このシステムでは、ネットワークに接続されたサーバ装置にAVマウスが設けられており、サーバ装置はネットワークを介してユーザ側から供給された操作命令に応じて、AVマウスから赤外線信号を出力させる。このため、ユーザによって遠隔操作される電子機器は、AVマウスから出力される赤外線信号を受信することで、ユーザと電子機器が離れていても、ユーザ操作に応じて電子機器を動作させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−220106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、赤外線信号を用いたリモートコントロール装置では、離れた位置でも正しく赤外線信号を受信できるように指向性が狭いものとされている。このため、複数の装置を接続して一方の装置から他方の装置にコンテンツ信号の供給を行う場合、AVマウスとAVマウスから出力される赤外線信号を受信する装置は、赤外線信号の通信が正しく行われるように設置しないと、赤外線信号を受信する装置の動作をAVマウスが接続された装置の動作と連動させることができず、供給されたコンテンツ信号の処理を行うことができなくなってしまう。
【0006】
例えば放送受信装置で放送コンテンツの受信を行ったときに、受信した放送コンテンツのコンテンツ信号を記録装置に供給して自動的に記録させる場合、赤外線信号の通信が正しく行われるようにAVマウスとAVマウスから出力される赤外線信号を受信する装置が設置されていないと、記録装置の動作を放送受信装置の動作と連動させることができなくなり、受信した放送コンテンツのコンテンツ信号を記録装置で記録できなくなってしまう。
【0007】
そこで、この発明では、複数の装置を接続して一方の装置から他方の装置にコンテンツ信号の供給を行うとき、容易かつ確実に他方の装置の動作を一方の装置の動作と連動させてコンテンツ信号の処理を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の概念は、一方の装置から他方の装置にコンテンツ信号の供給を行うとき、一方の装置では、他方の装置を遠隔操作するためのコマンド信号を生成して、この生成されたコマンド信号を電波による無線通信で他方の装置に供給し、他方の装置では、受信したコマンド信号に基づいた動作を行うことで、他方の装置の動作を一方の装置の動作と連動させて、コンテンツ信号の処理を行えるようにするものである。
【0009】
この発明に係る装置制御システムは、複数の装置を接続して一方の装置から他方の装置にコンテンツ信号の供給を行うように構成された装置制御システムにおいて、前記一方の装置は、電波による無線通信を行う無線通信部と、前記コンテンツ信号の出力処理と前記無線通信部の通信処理を制御する制御部を有し、前記他方の装置は、電波による無線通信を行う無線通信部と、供給された前記コンテンツ信号の処理と前記他方の装置の無線通信部の通信処理を制御する制御部を有し、前記一方の装置に、他方の装置を遠隔操作するためのコマンド信号を生成するコマンド信号生成部を設け、前記コマンド信号生成部が設けられている一方の装置の制御部は、前記無線通信部から前記コマンド信号を他方の装置に供給することで、他方の装置の動作を一方の装置の動作に連動させて、前記一方の装置から出力されるコンテンツ信号を前記他方の装置で処理させるものである。
【0010】
この発明に係る装置制御方法は、複数の装置を接続して一方の装置から他方の装置にコンテンツ信号の供給を行うようになされているときの装置制御方法において、前記一方の装置に、他方の装置を遠隔操作するためのコマンド信号を生成する工程と、前記生成されたコマンド信号を電波による無線通信で他方の装置に供給する工程を設けものとし、他方の装置には、受信した前記コマンド信号に基づいて、供給された前記コンテンツ信号の処理を行う工程を設けるものとし、前記他方の装置の動作を前記一方の装置の動作に連動させて、前記一方の装置から出力されるコンテンツ信号を前記他方の装置で処理させるものである。
【0011】
この発明に係る放送受信装置は、電波による無線通信を行うことで得られたコマンド信号に基づいてコンテンツ信号の記録を行う記録装置に接続される放送受信装置において、電波による無線通信を行う無線通信部と、前記記録装置を遠隔操作するためのコマンド信号の生成を行うコマンド信号生成部と、放送信号を受信して得られたコンテンツ信号を前記記録装置に供給する処理と、該コンテンツ信号の供給を行う際に該コンテンツ信号を前記記録装置で記録させるコマンド信号を前記コマンド信号生成部で生成させる処理と、該生成されたコマンド信号を前記無線通信部から前記記録装置に供給する処理を行い、前記記録装置の記録動作を前記コンテンツ信号の出力動作と連動させる制御部を設けたものである。
【0012】
さらに、この発明に係る記録装置は、電波による無線通信を行うことで得られたコマンド信号に基づいて映像表示を行う表示装置に接続される記録装置において、前記表示装置を遠隔操作するためのコマンド信号の生成を行うコマンド信号生成部と、コンテンツ信号を記録するとき、該記録するコンテンツ信号を前記表示装置に供給する処理と、前記表示装置に供給したコンテンツ信号に基づく映像表示を行わせるコマンド信号を前記コマンド信号生成部で生成させる処理と、該生成されたコマンド信号を前記無線通信部から前記表示装置に供給する処理を行い、前記表示装置の表示動作をコンテンツ信号の記録動作と連動させる制御部を設けたものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、複数の装置を接続して一方の装置から他方の装置にコンテンツ信号の供給が行われるとき、一方の装置では、他方の装置を遠隔操作するためのコマンド信号が生成されて、この生成されたコマンド信号が電波による無線通信で他方の装置に供給される。また、他方の装置では、受信したコマンド信号に基づいた動作が行われる。
【0014】
このため、AVマウスと赤外線信号を受信する装置を用いる場合のように正しく位置の設定を行わなくとも、一方の装置で他方の装置の遠隔操作を行って、他方の装置の動作を一方の装置の動作と連動させることが容易かつ確実に行えるので、他方の装置に供給されたコンテンツ信号の処理を確実に行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図を参照しながら、この発明の実施の一形態について説明する。図1はこの発明に係る装置制御システムの構成を示している。装置制御システム10は、複数の装置を接続した構成とされており、一方の装置から他方の装置にコンテンツ信号の供給を行うようになされている。例えば放送受信装置と、コンテンツ信号の記録を行う記録装置あるいはコンテンツ信号の記録だけでなく記録されたコンテンツ信号を再生できる記録再生装置が接続された構成とされている。さらに、装置制御システム10は、リモートコントロール装置80を用いて構成することもできる。なお、以下の説明では、放送受信装置として、放送コンテンツの受信だけでなく映像表示を行うことができるテレビジョン装置を用いるものとする。また、記録再生装置を用いるものとする。
【0016】
放送受信装置20と記録再生装置60は、信号ケーブル90を介して接続されており、放送コンテンツの映像信号や音声信号であるコンテンツ信号が、この信号ケーブルを用いて一方の装置から他方の装置に供給される。また、放送受信装置20と記録再生装置60には、電波による無線通信を行う無線通信部(図示せず)がそれぞれ設けられており、一方の装置から他方の装置を遠隔操作するためのコマンド信号例えばリモコンコードが、無線通信によって一方の装置から他方の装置に供給される。また、リモートコントロール装置80を用いて装置制御システム10を構成する場合、リモートコントロール装置80にも電波を用いて無線通信を行う無線通信部が設けられる。
【0017】
図2は、放送受信装置20の構成を示している。ディジタルテレビジョン放送波を受信することにより得られた放送信号SRFは、フロントエンド部21に供給される。
【0018】
フロントエンド部21は、チューナ部や復調部を用いて構成されている。チューナ部は、後述する制御部41からの制御信号CTtaに基づいて選局処理を行い、放送信号SRFから選局したチャンネルの中間周波信号を生成して復調部に供給する。復調部は、中間周波信号のディジタル復調処理を行い、得られたトランスポートストリームTSをデマルチプレクサ22に供給する。
【0019】
デマルチプレクサ22は、トランスポートストリームTSから時分割多重されている所望の映像パケットや音声パケット、番組表やソフトウェア等の情報パケットを抽出する処理を行う。また、パケットを抽出することにより得られた映像と音声のパケットデータPDvaはデコーダ部23、情報信号PDdは制御部41にそれぞれ供給する。なお、デマルチプレクサ22の動作は、制御部41からの制御信号CTmpに基づいて制御される。
【0020】
デコーダ部23は、映像と音声のパケットデータPDvaの復号処理を行い、得られた放送コンテンツのコンテンツ信号である映像信号SVtaと音声信号SAtaを信号選択部25に供給する。
【0021】
入力端子24は、外部機器例えば記録再生装置60から供給されたコンテンツ信号を放送受信装置20に入力するためのものである。この入力端子24に供給されたコンテンツ信号例えば映像信号SVreと音声信号SAreは、信号選択部25に供給される。
【0022】
信号選択部25は、デコーダ部23や入力端子24から供給されたコンテンツ信号の選択を行い、選択した映像信号SVaを映像信号処理部26、選択した音声信号SAaを音声信号処理部29に供給する。また、後述する表示部28で複数画面表示例えば親子画面表示や分割画面表示を行う場合、信号選択部25は複数のコンテンツの映像信号を選択して映像信号処理部26に供給する。さらに、放送受信装置20でコンテンツ信号の出力を行う場合、信号選択部25は出力するコンテンツ信号を選択して、選択した映像信号SVtvと音声信号SAtvを出力端子31に供給する。なお、信号選択部25は、制御部41からの制御信号CTsaに基づき信号の選択動作を行う。
【0023】
映像信号処理部26は、制御部41から供給された制御信号CTvに基づき、映像信号SVaに対して種々の映像処理を行い、映像処理後の映像信号SVbを重畳処理部27に供給する。映像信号処理部26は、例えば映像処理としてコントラスト調整、ノイズリダクション処理、明るさ調整、ガンマ補正、色調整(色相、彩度)、インタレース方式の映像信号をプログレッシブ方式の映像信号に変換するI/P変換処理、後述する表示部28の解像度に合わせて水平および垂直方向の画素数を調整するスケーリング処理、映像信号のフレームレート変換処理等を必要に応じて行う。また、映像信号処理部26は、表示部28で複数画面表示を行う場合、複数のコンテンツの映像を親子画面表示や分割画面表示とする処理を行う。
【0024】
重畳処理部27は、制御部41からの制御信号CTjに基づいて、表示部28の画面上に表示する文字画像等の表示信号を生成する。さらに生成した表示信号を、映像信号処理部26から供給された映像信号SVbに重畳して映像信号SVcを生成して表示部28に供給する。
【0025】
表示部28は、例えばPDP(Plasma Display Panel)、LCD(Liquid Crystal Display)、FED(Field Emission Display)、有機EL(Electro Luminescence)等のフラットパネルディスプレイデバイスや陰極線管等の表示デバイスを用いて構成されている。表示部28は、重畳処理部27から供給された映像信号SVcに基づき、表示デバイスを駆動して、放送コンテンツの映像や文字画像等が重畳された映像を画面上に表示する。
【0026】
音声信号処理部29は、制御部41から供給された制御信号CTaに基づき、音声信号SAaに対して音質調整や音量調整を行う。また、音声信号処理部29にはスピーカ30が接続されており、調整処理後の音声信号である音声出力信号SAbによってスピーカ30を駆動して放送コンテンツ等の音声を出力する。
【0027】
制御部41は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されており、メモリ部42やコマンド信号生成部43および無線通信部44やユーザインタフェース部46が接続されている。
【0028】
メモリ部42は、放送受信装置20を動作させるためのプログラム、種々の設定情報、予約設定した放送番組を選局して記録再生装置60に記録させるための記録予約情報等が記憶される。
【0029】
コマンド信号生成部43は、制御部41からの制御信号CTcaに基づき、入力端子24や出力端子31に接続された機器を遠隔操作するためのコマンド信号RMa、例えば記録再生装置60を遠隔操作するためのリモコンコードを生成して無線通信部44に供給する。
【0030】
無線通信部44は、記録再生装置60等と電波による無線通信を行うためのものである。この無線通信部44にはアンテナ45が接続されている。無線通信部44は、例えば少ない消費電力で無線通信を行うことができるように、近距離通信を想定した低通信レート向けの規格であるIEEE802.15.4に準拠した無線通信を行う。無線通信部44は、コマンド信号生成部43から供給されたコマンド信号RMaをパケット化したのち、送信先や送信元のアドレス等を示すヘッダ情報を付加する。このヘッダ情報が付加された信号に対して、O−QPSK(Offset Quadrature Phase Shift Keying )変調処理を行う。さらに、この変調処理によって得られた変調信号を、DSSS(Direct Sequence Spread Spectrum)方式で拡散変調して、2.4GHzの周波数帯の無線信号として送信する。
【0031】
また、無線通信部44は、無線信号を受信して逆拡散処理を行い、DSSS方式で拡散変調される前の変調信号に戻し、この変調信号の復調処理を行うことで、O−QPSK変調処理前のベースバンド信号を生成する。ここで、ベースバンド信号から自己宛のパケットの抽出処理等を行うことで得られた受信信号RSaを制御部41に供給する。
【0032】
この無線通信部44は、動作モードとして通常モードと間欠受信モードの切り換えが可能とされている。間欠受信モードは、動作状態と休止状態を繰り返すことで、無線信号の受信を間欠的に行い、通常モードよりも消費電力を削減した動作モードである。このため、無線通信部44を間欠受信モードで動作させておけば、消費電力を少なくできる。また、休止状態の期間よりも長く無線信号の送出を行い、間欠受信モードで動作が行われていても無線信号を受信できるようにする。
【0033】
なお、放送受信装置20と例えば記録再生装置60との間で電波を用いた無線通信を行う場合、従来のAVマウスを用いた赤外線通信に比べて指向性が広いことから、放送受信装置20や記録再生装置60の周辺に他の電子機器が設置されていると、意図しない装置が操作されてしまうおそれがある。そこで、放送受信装置20と無線通信を行う記録再生装置60等の間で予めペアリングを行い、ペアリングによって設定した識別情報をヘッダ情報に含めて無線通信を行い、受信した信号から正しい識別情報をヘッダ情報に含むパケットのみを抽出することで、放送受信装置20と予め登録した記録再生装置60等との間でのみ無線通信を行うことができるようになる。
【0034】
ユーザインタフェース部46は、操作キーやリモートコントロール信号受信部等で構成されており、操作キーやリモートコントロール装置のユーザ操作に応じた操作信号PSaを生成して制御部41に供給する。
【0035】
制御部41は、メモリ部42から読み出したプログラムを実行して、メモリ部42に記憶されている設定情報や無線通信部44から供給された受信信号RSa、ユーザインタフェース部46から供給された操作信号PSa等に基づき種々の制御信号を生成して各部に供給することで、放送受信装置20の動作がユーザ操作や外部機器からの指示に応じた動作となるように各部を制御する。また、制御部41は時計機能を有しており、メモリ部42に記憶されている記録予約情報に基づき、予約された番組を自動的に選局して番組のコンテンツ信号を出力できるように各部を制御する。また、出力したコンテンツ信号を記録再生装置60で記録できるようにコマンド信号RMaの送信処理を行う。
【0036】
図3は、記録再生装置60の構成を示している。アナログテレビジョン放送波を受信して得られた放送信号SRFは、フロントエンド部61に供給される。
【0037】
フロントエンド部61は、チューナ部や復調部を用いて構成されている。チューナ部は、後述する制御部71からの制御信号CTtbに基づいて選局処理を行い、放送信号SRFから選局したチャンネルの中間周波信号を生成して復調部に供給する。復調部は、中間周波信号の復調処理を行い、得られた放送コンテンツのコンテンツ信号である映像信号SVtbと音声信号SAtbを入力切換部65に供給する。
【0038】
入力端子64は、外部機器例えば放送受信装置20から供給されたコンテンツ信号を記録再生装置60に入力するためのものである。この入力端子64に供給されたコンテンツ信号例えば映像信号SVtvと音声信号SAtvは、入力切換部65に供給される。
【0039】
入力切換部65は、フロントエンド部61や入力端子64から供給されたコンテンツ信号の選択を行い、選択した映像信号SVdを映像信号処理部66、選択した音声信号SAdを記録再生信号処理部67に供給する。なお、入力切換部65は、制御部71からの制御信号CTsbに基づき信号の選択を行う。
【0040】
映像信号処理部66は、記録する映像信号SVdのノイズ低減処理等を行い、処理後の映像信号SVeを記録再生信号処理部67に供給する。
【0041】
記録再生信号処理部67は、映像信号SVeや音声信号SAdの符号化処理や多重化処理を行い記録信号WDを生成して記録再生部69に供給する。また、記録再生部69から供給された再生信号RDの分離処理や復号化処理を行い映像信号と音声信号を生成する。さらに、記録再生信号処理部67は、コンテンツ信号の記録動作時には、記録する映像信号を映像信号SVre、記録する音声信号を音声信号SAreとして出力端子68に供給し、コンテンツ信号の再生動作時には、再生された映像信号を映像信号SVreとして出力端子68に供給し、再生記録する音声信号を音声信号SAreとして出力端子68に供給することで、出力端子68からコンテンツ信号の出力を行う。なお、記録再生信号処理部67は、制御部71からの制御信号CTrwに基づき記録信号WDの生成や再生信号RDの処理等を行う。
【0042】
記録再生部69は、磁気テープや光ディスク、磁気ディスク,半導体メモリ等の記録媒体を用いて構成されており、記録再生信号処理部67から供給された記録信号WDを記録媒体に記録する。また、記録媒体に記録されている信号を読み出して、再生信号RDとして記録再生信号処理部67に供給する。なお、記録再生部69は、制御部71からの制御信号CTdに基づき信号の記録や読み出しを行う。
【0043】
制御部71は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されており、メモリ部72やコマンド信号生成部73および無線通信部74やユーザインタフェース部76が接続されている。
【0044】
メモリ部72は、記録再生装置60を動作させるためのプログラム、種々の設定情報が記憶される。また、予約設定した放送番組を選局して記録再生装置60に記録させるための記録予約情報等も記憶可能とされている。
【0045】
コマンド信号生成部73は、制御部71からの制御信号CTcbに基づき、入力端子64や出力端子68に接続された機器を遠隔操作するためのコマンド信号RMb、例えば放送受信装置20を遠隔操作するためのリモコンコードを生成して無線通信部74に供給する。
【0046】
無線通信部74は、放送受信装置20等と電波による無線通信を行うためのものである。この無線通信部74にはアンテナ75が接続されている。無線通信部74は無線通信部44と同様に構成されており、例えばコマンド信号生成部73から供給されたコマンド信号RMbを無線信号として送信する。また、無線通信部44は、無線信号を受信して得られた受信信号RSbを制御部71に供給する。
【0047】
ユーザインタフェース部76は、操作キーやリモートコントロール信号受信部等で構成されており、操作キーやリモートコントロール装置のユーザ操作に応じた操作信号PSbを生成して制御部71に供給する。
【0048】
制御部71は、メモリ部72から読み出したプログラムを実行して、メモリ部72に記憶されている設定情報や無線通信部74から供給された受信信号RSb、ユーザインタフェース部76から供給された操作信号PSb等に基づき種々の制御信号を生成して各部に供給することで、記録再生装置60の動作がユーザ操作や外部機器からの指示に応じた動作となるように各部を制御する。また、メモリ部72に記録予約情報が記憶される場合、制御部71に時計機能を設けるものとして、予約番組の時刻となるときに自動的に予約番組を選局してコンテンツ信号を記録できるように各部を制御する。さらに、記録したコンテンツ信号を放送受信装置20表示できるようにコマンド信号RMbの送信処理を行う。
【0049】
次に、放送受信装置20と記録再生装置60の動作について説明する。図1に示すように、コンテンツ信号を伝送するための信号ケーブル90を介して放送受信装置20と記録再生装置60が接続されており、記録再生装置60が例えば図3に示す構成とされてアナログテレビジョン放送のみ受信できる場合、放送コンテンツを高品質に記録するためには、放送受信装置20でディジタルテレビジョン放送を受信して得られたコンテンツ信号を記録再生装置60に供給して記録することが望ましい。このため、放送受信装置20で番組予約を行い、予約番組のコンテンツ信号を放送受信装置20から記録再生装置60に供給して記録する場合について説明する。
【0050】
図4は放送受信装置20の動作、図5は記録再生装置60の動作を示すフローチャートである。なお、番組の予約を行う場合、例えばディジタル放送信号に重畳されているEPG(Electronic Program Guide)情報を用いて番組予約メニュー画面を放送受信装置20の表示部28に表示させて、リモートコントロール装置80からのコマンド信号に基づいて予約設定操作を行い、メモリ部42に予約番組を示す記録予約情報を記憶させればよい。また、EPG情報を用いる場合に限らず、番組予約に必要とされる情報がコード化されたコードデータをリモートコントロール装置80で入力することで記録予約情報を記憶させるものとしてもよい。
【0051】
図4のステップST1で制御部41は、予約番組の放送開始から記録準備期間前となった否かを判別する。制御部41は、現在時刻が予約番組の放送開始から記録準備期間前となったときステップST2に進み、記録準備期間前となっていないときはステップST1に戻る。なお、記録準備期間とは、予約番組のコンテンツ信号を記録する制御動作を開始してからコンテンツ信号の記録が可能となるまでに要する期間であり、例えば放送受信装置20の動作を開始させて予約番組の選局が完了するまでに要する時間、およびコマンド信号を記録再生装置60に供給してコンテンツ信号の記録可能状態となるまでに要する時間に基づいて設定する。
【0052】
ステップST2で制御部41は、放送受信装置20を動作状態に設定してステップST3に進む。
【0053】
ステップST3で制御部41は、記録再生装置60に対して動作開始通知を行う。制御部41は、コマンド信号生成部43と無線通信部44を制御して、記録再生装置60を動作状態とするコマンド信号を送信してステップST4に進む。
【0054】
ステップST4で制御部41は、記録再生装置60に対して記録動作の設定通知を行う。制御部41は、コマンド信号生成部43と無線通信部44を制御して、記録再生装置60で入力端子64に供給される映像信号SVtvと音声信号SAtvの記録を行わせるためのコマンド信号を送信してステップST5に進む。
【0055】
ステップST5で制御部41は、予約番組の受信処理を行う。この受信処理において、制御部41は、フロントエンド部21で予約番組が放送されるチャンネルの選局や、デマルチプレクサ22で予約番組のパケットの選択、信号選択部25から出力端子31への映像信号SVtvと音声信号SAtvの供給が行われるように制御してステップST6に進む。
【0056】
ステップST6で制御部41は、予約番組の放送が開始されるか否かを判別する。制御部41は、予約番組の放送が開始されると判別していないときステップST6に戻り、予約番組の放送が開始されると判別したときステップST7に進む。例えば、制御部41は、現在時刻が予約番組の放送開始時刻となったとき、または現在時刻が予約番組の放送開始時刻の直前となったときステップST7に進む。
【0057】
ステップST7で制御部41は、記録再生装置60に対して記録動作の開始通知を行う。制御部41は、コマンド信号生成部43と無線通信部44を制御して、記録再生装置60の記録動作を開始させるコマンド信号を送信してステップST8に進む。
【0058】
ステップST8で制御部41は、予約番組の放送終了であるか否かを判別する。制御部41は、現在時刻が予約番組の放送中であって予約番組の放送終了と判別していないときステップST8に戻り、現在時刻が予約番組の放送終了時刻となって予約番組の放送終了と判別したときステップST9に進む。
【0059】
ステップST9で制御部41は、記録再生装置60に対して記録動作の停止通知を行う。制御部41は、コマンド信号生成部43と無線通信部44を制御して、記録再生装置60の記録動作を停止させるコマンド信号を送信してステップST10に進む。
【0060】
ステップST10で制御部41は、記録再生装置60に対して動作終了通知を行う。制御部41は、コマンド信号生成部43と無線通信部44を制御して、記録再生装置60を非動作状態例えば待機状態や停止状態とするコマンド信号を送信してステップST11に進む。
【0061】
ステップST11で制御部41は、放送受信装置20を動作状態から非動作状態例えば待機状態や停止状態に切り換えて処理を終了する。
【0062】
図5のステップST21で制御部71は、動作開始通知が供給されたか否かを判別する。制御部71は、放送受信装置20からの無線信号を受信して記録再生装置60を動作状態とするコマンド信号が得られたときはステップST22に進み、動作状態とするコマンド信号が得られていないときはステップST21に戻る。
【0063】
ステップST22で制御部71は、記録再生装置60を動作状態としてステップST23に進む。
【0064】
ステップST23で制御部71は、記録動作の設定通知が供給されたか否かを判別する。制御部71は、放送受信装置20からの無線信号を受信して記録再生装置60の記録動作設定を行うコマンド信号が得られたときステップST24に進む。また、記録再生装置60の記録動作設定を行うコマンド信号が得られていないときはステップST25に進む。
【0065】
ステップST24で制御部71は、記録動作の設定を行う。すなわち、制御部71は、入力端子64に供給される映像信号SVtvと音声信号SAtvを記録できるように各部を設定してステップST25に進む。
【0066】
ステップST25で制御部71は、記録動作の開始通知が供給されたか否かを判別する。制御部71は、放送受信装置20からの無線信号を受信して記録再生装置60の記録動作を開始するコマンド信号が得られたときステップST26に進む。また、記録再生装置60の記録動作を開始するコマンド信号が得られていないときはステップST29に進む。
【0067】
ステップST26で制御部71は、記録再生装置60の記録動作を開始させる。すなわち、制御部71は、記録再生信号処理部67や記録再生部69を動作させて、放送受信装置20から供給されるコンテンツ信号を記録媒体に記録する処理を開始してステップST27に進む。
【0068】
ステップST27で制御部71は、記録再生装置60の記録動作の停止通知が供給されたか否かを判別する。制御部71は、放送受信装置20からの無線信号を受信して記録再生装置60の記録動作を停止させるコマンド信号が得られたときはステップST28に進む。また、記録再生装置60の記録動作を停止させるコマンド信号が得られていないときはステップST27に戻る。
【0069】
ステップST28で制御部71は、記録再生装置60の記録動作を停止させる。例えば制御部71は、記録再生信号処理部67や記録再生部69等の動作を停止させてステップST29に進む。
【0070】
ステップST29で制御部71は、動作終了通知が供給されたか否かを判別する。制御部71は、放送受信装置20からの無線信号を受信して記録再生装置60の動作を終了させるコマンド信号が得られたときはステップST30に進む。また、記録再生装置60の動作を終了させるコマンド信号が得られていないときはステップST23に戻る。
【0071】
ステップST30で制御部71は、記録再生装置60を動作状態から非動作状態例えば待機状態や停止状態に切り換えてステップST21に戻る。
【0072】
このように、電波を用いた無線通信で放送受信装置20から記録再生装置60にコマンド信号を送信して、予約番組のコンテンツ信号が記録再生装置60で記録されるように遠隔操作が自動的に行われる。このため、AVマウスを用いる場合のように、無線信号の送信側と受信側の装置の設置を精度良く行わなくとも、放送受信装置20によって記録再生装置60の遠隔操作が容易かつ確実に行われるので、予約番組のコンテンツ信号を記録再生装置60で正しく記録できる。
【0073】
ところで、上述の動作では、放送受信装置20によって記録再生装置60を遠隔操作するものとしたが、記録再生装置60で放送受信装置20の動作を遠隔操作することもできる。
【0074】
例えば、視聴したい2つの放送番組の放送時間が重複するため、一方の放送番組は放送受信装置20を用いてリアルタイムで視聴して、他方の放送番組を記録再生装置60に記録する場合について説明する。なお、他方の放送番組を記録するための記録予約情報は、記録再生装置60のメモリ部72に記憶させておくものとする。
【0075】
図6は記録再生装置60で放送受信装置20の動作を遠隔操作する場合の記録再生装置60の動作、図7は記録再生装置60で放送受信装置20の動作を遠隔操作する場合の放送受信装置20の動作を示すフローチャートである。
【0076】
図6のステップST41で制御部71は、予約番組の放送開始から記録準備期間前となった否かを判別する。制御部41は、現在時刻が記録準備期間前となったときステップST42に進み、記録準備期間前となっていないときはステップST41に戻る。なお、この場合に於ける記録準備期間は、記録再生装置60で予約番組のコンテンツ信号を記録する制御動作を開始してからコンテンツ信号の記録が可能となるまでに要する期間である。
【0077】
ステップST42で制御部71は、記録再生装置60を動作状態に設定してステップST43に進む。
【0078】
ステップST43で制御部71は予約番組の受信処理を行う。この受信処理において、制御部71は、フロントエンド部61で予約番組が放送されるチャンネルの選局や、入力切換部65でフロントエンド部61から供給される信号の選択、記録再生信号処理部67から出力端子68に記録するコンテンツ信号の供給が行われるように制御してステップST44に進む。
【0079】
ステップST44で制御部71は、予約番組の放送が開始されるか否かを判別する。制御部71は、予約番組の放送が開始されると判別していないときステップST44に戻り、予約番組の放送が開始されると判別したときステップST45に進む。例えば、制御部71は、現在時刻が予約番組の放送開始時刻となったとき、または現在時刻が予約番組の放送開始時刻の直前となったときステップST45に進む。
【0080】
ステップST45で制御部71は、記録再生装置60の記録動作を開始させる。すなわち、制御部71は、フロントエンド部61で選局した予約番組のコンテンツ信号を記録媒体に記録する処理を開始してステップST46に進む。なお、制御部81は記録しているコンテンツ信号を映像信号SVre,音声信号SAreとして出力端子31に供給する。
【0081】
ステップST46で制御部71は、放送受信装置20における複数画面表示の設定通知を行う。制御部71は、コマンド信号生成部73と無線通信部74を制御して、放送受信装置20の表示部28で複数画面表示を行わせるためのコマンド信号を送信してステップST47に進む。
【0082】
ステップST47で制御部71は、記録映像通知期間が経過したか否かを判別する。制御部71は、複数画面表示を行わせるコマンド信号を送信してから記録映像通知期間が経過していないときステップST47に戻り、記録映像通知期間が経過したときにステップST48に進む。なお、記録映像通知期間とは、記録再生装置60でどのようなコンテンツの映像信号の記録が開始されたかを放送受信装置20で確認できるように、記録される映像信号に基づいて映像表示を行う期間を示している。
【0083】
ステップST48で制御部71は、放送受信装置20における複数画面表示の解除通知を行う。制御部71は、コマンド信号生成部73と無線通信部74を制御して、放送受信装置20の表示部28で行われている複数画面表示を終了させるためのコマンド信号を送信してステップST49に進む。
【0084】
ステップST49で制御部71は、予約番組の放送終了であるか否かを判別する。制御部71は、予約番組の放送終了と判別していないときステップST49に戻り、予約番組の放送終了と判別したときステップST50に進む。
【0085】
ステップST50で制御部71は、記録動作を停止してステップST51に進む。ステップST51で制御部71は、放送受信装置20を動作状態から非動作状態例えば待機状態や停止状態に切り換えて処理を終了する。
【0086】
図7のステップST61で制御部41は、複数画面表示の設定通知が供給されたか否かを判別する。制御部41は、記録再生装置60からの無線信号を受信して放送受信装置20で複数画面表示を行うコマンド信号が得られたときはステップST62に進み、複数画面表示を行うコマンド信号が得られないときはステップST63に進む。
【0087】
ステップST62で制御部41は、映像表示を複数画面表示に設定する。制御部41は、信号選択部25を制御して、記録再生装置60から入力端子24に供給された映像信号SVreも映像信号処理部26に供給させる。さらに制御部41は、映像信号処理部26を制御して、視聴中の映像だけでなく入力端子24に供給されている映像信号SVreに基づいた映像も同時に表示されるように、複数画面表示の映像信号SVbを生成させてステップST63に進む。例えば視聴中である映像信号SVaに基づいた映像を親画面、入力端子24に供給されている映像信号SVreに基づいた映像を子画面とした映像信号SVbを生成させる。
【0088】
ステップST63で制御部41は、複数画面表示の解除通知が供給されたか否かを判別する。制御部41は、記録再生装置60からの無線信号を受信して複数画面表示を解除するコマンド信号が得られたときはステップST64に進み、複数画面表示を解除するコマンド信号が得られていないときは、記録再生装置60でどのようなコンテンツの映像信号の記録が開始されたか確認可能とする映像表示処理を終了する。
【0089】
ステップST64で制御部41は、複数画面表示を終了する。制御部41は信号選択部25を制御して、入力端子24に供給されている映像信号SVreの映像信号処理部26への供給を停止させる。また制御部41は、映像信号処理部26を制御して、映像信号SVaに基づく映像のみを表示させる1画面表示の映像信号SVbを生成させる。
【0090】
このように、電波を用いた無線通信で記録再生装置60から放送受信装置20にコマンド信号を送信して、予約番組の記録が記録再生装置60で行われたときには、放送受信装置20が記録映像通知期間だけ複数画面表示に切り換えられて、記録中の映像が表示される。このため、AVマウスを記録再生装置60に設けなくとも、ユーザは、予約した放送番組の記録が記録再生装置60で正しく開始されたか否かを放送受信装置20の表示画面で確認することができる。
【0091】
また、上述の実施の形態では、コンテンツ信号を記録再生装置60で記録するときの遠隔操作について説明したが、記録再生装置60に記録されているコンテンツ信号の再生時に、電波による無線通信で遠隔操作を行い、他方の装置を一方の装置の動作に連動させるものとしてもよい。
【0092】
例えば、記録再生装置60に記録されているコンテンツ信号を再生して放送受信装置20に供給する場合、記録再生装置60のユーザインタフェース部76に設けられている再生キーが操作されたとき、放送受信装置20を動作状態とするコマンド信号や、入力端子24から供給されたコンテンツ信号に基づいてコンテンツ提示を行わせるコマンド信号を無線信号として放送受信装置20に送信する。
【0093】
このようにすれば、記録再生装置60に記録されているコンテンツ信号を再生する場合、ユーザが放送受信装置20を操作しなくとも、記録再生装置60からのコマンド信号によって、再生されたコンテンツ信号に基づく映像や音声を放送受信装置20で自動的に提示させることができる。また、記録再生装置60の動作終了に連動させて放送受信装置20の動作を終了させることもできる。
【0094】
また、上述の実施の形態では、放送受信装置20と記録再生装置60で電波による無線通信を行うものとしたが、リモートコントロール装置に無線通信部を設けて、放送受信装置20や記録再生装置60と無線通信を行うことで放送受信装置20や記録再生装置60の遠隔操作を行うものとしてもよい。この場合、放送受信装置20のユーザインタフェース部46や記録再生装置60のユーザインタフェース部76にリモートコントロール信号受信部を設ける必要がなく、リモートコントロール装置80にも赤外線信号を送信する赤外線送信部を設ける必要がない。
【0095】
図8は電波による無線通信を行うことができるリモートコントロール装置の構成を示している。リモートコントロール装置80は、操作キー部81、コマンド信号生成部82、無線通信部83、アンテナ84、制御部85およびメモリ部86を有している。
【0096】
操作キー部81には、ユーザが放送受信装置20や記録再生装置60等の遠隔操作を行うときに操作される複数の操作キーが設けられている。操作キー部81は、操作された操作キーに応じた操作信号PScを後述する制御部85に供給する。
【0097】
コマンド信号生成部82は、制御部85から供給された制御信号CTccに基づきコマンド信号RMcを生成して無線通信部83に供給する。
【0098】
無線通信部83は、放送受信装置20や記録再生装置60等と双方向無線通信を行うためのものであり、無線通信部44,74と同様に構成されている。
【0099】
無線通信部83は、コマンド信号生成部82から供給されたコマンド信号RMcを無線信号としてアンテナ84から送信する。また、無線通信部83は、無線信号を受信して得られた受信信号RScを制御部85に供給する。なお、リモートコントロール装置80は、上述したように放送受信装置20や記録再生装置60との間で予めペアリングを行い、登録した放送受信装置20や記録再生装置60等でのみ正しく無線通信を行うことができるようにする。
【0100】
制御部85はマイクロコンピュータ等を用いて構成されており、操作キー部81やメモリ部86が接続されている。メモリ部86は例えば不揮発性メモリで構成されており、操作キー部81のキー操作に応じてリモートコントロール装置80を動作させるためのソフトウェア等が記憶されている。また、メモリ部86には、記録予約情報等も記憶可能とされている。
【0101】
制御部85は、操作キー部81から操作信号PScが供給されたとき、操作キー部81での操作に応じた制御信号CTccをコマンド信号生成部82に供給して、操作キー部81のキー操作に応じたコマンド信号RMcを無線通信部83に供給させる。また、制御部85は、時計機能を有しており、記録予約情報で示された予約番組の放送時刻に応じたタイミングでコマンド信号の送信を行い、放送受信装置20や記録再生装置60の遠隔操作を行う。また、制御部85は受信信号RScに基づいた動作を行う。
【0102】
図9は、リモートコントロール装置80の動作を示すフローチャート、図10は放送受信装置20の動作を示すフローチャートである。なお、記録再生装置60の動作は、図5と同様であり、放送受信装置20からの無線信号に代えてリモートコントロール装置80からの無線信号に基づいて動作させればよい。
【0103】
図9のステップST71で制御部85は、予約番組の放送開始から記録準備期間前となった否かを判別する。制御部85は、現在時刻が予約番組の放送開始から記録準備期間前となったときステップST72に進み、記録準備期間前となっていないときはステップST79に進む。なお、記録準備期間とは、ステップST1と同様に予約番組のコンテンツ信号を記録する制御動作を開始してからコンテンツ信号の記録が可能となるまでに要する期間である。
【0104】
ステップST72で制御部85は、放送受信装置20と記録再生装置60に対して動作開始通知を行う。制御部41は、コマンド信号生成部82と無線通信部83を制御して、放送受信装置20を動作状態とするコマンド信号と記録再生装置60を動作状態とするコマンド信号を送信してステップST73に進む。
【0105】
ステップST73で制御部85は、放送受信装置20と記録再生装置60に対して動作設定通知を行う。制御部41は、コマンド信号生成部82と無線通信部83を制御して、放送受信装置20に対しては、フロントエンド部21で予約番組が放送されるチャンネルの選局や、デマルチプレクサ22で予約番組のパケットの選択、信号選択部25から出力端子31への映像信号SVtvと音声信号SAtvの供給が行われるように放送受信装置20を設定するためのコマンド信号を送信する。また記録再生装置60に対しては、記録再生装置60の入力端子64に供給される映像信号SVtvと音声信号SAtvを記録するように記録再生装置60を設定するためのコマンド信号を送信してステップST74に進む。
【0106】
ステップST74で制御部85は、予約番組の放送が開始されるか否かを判別する。制御部85は、予約番組の放送が開始されると判別していないときステップST74に戻り、予約番組の放送が開始されると判別したときステップST75に進む。
【0107】
ステップST75で制御部85は、記録再生装置60に対して記録動作の開始通知を行う。制御部85は、コマンド信号生成部82と無線通信部83を制御して、記録再生装置60の記録動作を開始させるコマンド信号を送信してステップST76に進む。
【0108】
ステップST76で制御部85は、予約番組の放送終了であるか否かを判別する。制御部85は、予約番組の放送終了と判別していないときステップST76に戻り、予約番組の放送終了と判別したときステップST77に進む。
【0109】
ステップST77で制御部85は、記録再生装置60に対して記録動作の停止通知を行う。制御部85は、コマンド信号生成部82と無線通信部83を制御して、記録再生装置60の記録動作を停止させるコマンド信号を送信してステップST78に進む。
【0110】
ステップST78で制御部41は、放送受信装置20と記録再生装置60に対して動作終了通知を行う。制御部85は、コマンド信号生成部82と無線通信部83を制御して、放送受信装置20と記録再生装置60を非動作状態例えば待機状態や停止状態とするコマンド信号を送信してステップST71に戻る。
【0111】
ステップST71からステップST79に進むと、制御部85は、ユーザ操作に応じたコマンド信号の送信処理を行う。すなわち、制御部85は、コマンド信号生成部82と無線通信部83を制御して、操作キー部81におけるユーザ操作に応じたコマンド信号を送信してステップST71に戻る。
【0112】
図10のステップST91で制御部41は、動作開始通知が供給されたか否かを判別する。制御部41は、リモートコントロール装置80からの無線信号を受信して放送受信装置20を動作状態とするコマンド信号が得られたときステップST92に進む。また、記録再生装置60を動作状態とするコマンド信号が得られていないときはステップST91に戻る。
【0113】
ステップST92で制御部41は、放送受信装置20を動作状態としてステップST93に進む。
【0114】
ステップST93で制御部41は、動作設定通知が供給されたか否かを判別する。制御部41は、リモートコントロール装置80からの無線信号を受信して放送受信装置20の動作設定を行うコマンド信号が得られたときステップST94に進む。また、放送受信装置20の動作設定を行うコマンド信号が得られていないときはステップST95に進む。
【0115】
ステップST94で制御部41は、放送受信装置20の受信動作の設定を行う。すなわち、制御部41は、フロントエンド部21で予約番組が放送されるチャンネルの選局や、デマルチプレクサ22で予約番組のパケットの選択、信号選択部25から出力端子31への映像信号SVtv,音声信号SAtvの供給が行われるように各部を設定してステップST96に進む。
【0116】
ステップST95で制御部41は、動作終了通知が供給されたか否かを判別する。制御部41は、リモートコントロール装置80からの無線信号を受信して放送受信装置20を非動作状態とするコマンド信号が得られたときステップST96に進む。また、放送受信装置20を非動作状態とするコマンド信号が得られていないときはステップST93に戻る。
【0117】
ステップST96で制御部41は、放送受信装置20を非動作状態例えば待機状態や停止状態に切り換えて処理を終了する。
【0118】
このように、電波を用いた無線通信でリモートコントロール装置80から放送受信装置20や記録再生装置60にコマンド信号を送信して、予約番組のコンテンツ信号を放送受信装置20から記録再生装置60に供給して記録するように遠隔操作が行われる。このため、放送受信装置20や記録再生装置60を動作状態としたのち予約番組の設定を行わなくとも、リモートコントロール装置80から送信されたコマンド信号によって、例えば放送受信装置20で所望の番組を選局させて、選局した番組のコンテンツ信号を記録再生装置60に記録させることができる。また、記録再生装置60で記録される番組の映像を放送受信装置20で表示させることができる。
【0119】
また、リモートコントロール装置80は、例えばコンテンツ信号の供給側に対するコマンド信号を電波による無線通信で供給して、コンテンツ信号の受給側にはコンテンツ信号の供給側からコマンド信号を電波による無線通信で供給するものとしてもよい。
【0120】
例えば放送受信装置20で受信した番組のコンテンツ信号を記録再生装置60に記録させる場合、リモートコントロール装置80は、予約番組の放送が開始されるときに放送受信装置20で予約番組を選局するようにコマンド信号を送信する。このコマンド信号を受信した放送受信装置20は、記録再生装置60でコンテンツ信号の記録を行うようにコマンド信号を送信する。また、記録再生装置60で記録されるコンテンツ信号の映像を放送受信装置20で表示させる場合、リモートコントロール装置80は、予約番組の放送が開始されるときに記録再生装置60で予約番組の記録を行うようにコマンド信号を送信する。このコマンド信号を受信した記録再生装置60は、放送受信装置20を複数画面表示として、記録再生装置60で記録されているコンテンツの映像表示を行うようにコマンド信号を送信する。
【0121】
このようにすれば、リモートコントロール装置80で一方の装置のみを遠隔操作しても、他方の装置が一方の装置と連動して動作されることとなり、一方の装置から他方の装置に供給されたコンテンツ信号を容易かつ確実に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】装置制御システムの構成を示す図である。
【図2】放送受信装置の構成を示す図である。
【図3】記録再生装置の構成を示す図である。
【図4】放送受信装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】記録再生装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】記録再生装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】放送受信装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】リモートコントロール装置の構成を示す図である。
【図9】リモートコントロール装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】放送受信装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0123】
10・・・装置制御システム、20・・・放送受信装置、21,61・・・フロントエンド部、22・・・デマルチプレクサ、23・・・デコーダ部、24,64・・・入力端子、25・・・信号選択部、26,66・・・映像信号処理部、27・・・重畳処理部、28・・・表示部、29・・・音声信号処理部、30・・・スピーカ、31,68・・・出力端子、41,71,85・・・制御部、42,72,86・・・メモリ部、43,73,82・・・コマンド信号生成部、44,74,83・・・無線通信部、45,75,84・・・アンテナ、46,76・・・ユーザインタフェース部、60・・・記録再生装置、65・・・入力切換部、67・・・記録再生信号処理部、69・・・ 記録再生部、80・・・リモートコントロール装置、81・・・操作キー部,90・・・信号ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の装置を接続して一方の装置から他方の装置にコンテンツ信号の供給を行うように構成された装置制御システムにおいて、
前記一方の装置は、
電波による無線通信を行う無線通信部と、
前記コンテンツ信号の出力処理と前記無線通信部の通信処理を制御する制御部を有し、
前記他方の装置は、
電波による無線通信を行う無線通信部と、
供給された前記コンテンツ信号の処理と前記他方の装置における無線通信部の通信処理を制御する制御部を有し、
前記一方の装置に、前記他方の装置を遠隔操作するためのコマンド信号を生成するコマンド信号生成部を設け、前記コマンド信号生成部が設けられている一方の装置の制御部は、前記無線通信部から前記コマンド信号を前記他方の装置に供給することで、前記他方の装置の動作を前記一方の装置の動作に連動させて、前記一方の装置から出力されるコンテンツ信号を前記他方の装置で処理させる
ことを特徴とする装置制御システム。
【請求項2】
前記一方の装置として、放送信号を受信してコンテンツ信号の出力を行う放送受信装置を用いるものとし、
前記他方の装置として、コンテンツ信号の記録処理を行う記録装置を用いるものとし、
前記コマンド信号生成部が設けられている前記放送受信装置の制御部は、前記無線通信部から前記コマンド信号を前記記録装置に供給することで、前記記録装置の動作を前記放送受信装置の動作に連動させて、前記放送受信装置から出力されるコンテンツ信号を前記記録装置に記録させる
ことを特徴とする請求項1記載の装置制御システム。
【請求項3】
前記放送受信装置は、コンテンツ信号の記録予約情報を記憶するメモリ部を有し、
前記放送受信装置の制御部は、前記記録予約情報に基づき、前記コンテンツ信号を前記記録装置に供給する処理と、前記記録装置で前記コンテンツ信号を記録させるコマンド信号を前記コマンド信号生成部で生成させて前記無線通信部から前記記録装置に供給する処理を行い、
前記記録装置の制御部は、前記無線通信部で前記コンテンツ信号を記録させるコマンド信号を受信したとき、前記放送受信装置から供給された前記コンテンツ信号の記録処理を行う
ことを特徴とする請求項2記載の装置制御システム。
【請求項4】
前記放送受信装置と前記記録装置を遠隔操作するためのリモートコントロール装置を有し、
前記リモートコントロール装置には、
前記放送受信装置と前記記録装置の無線通信部と電波による無線通信を行う無線通信部と、
コンテンツ信号の記録予約情報を記憶するメモリ部と、
コマンド信号を生成するコマンド信号生成部と、
前記コマンド信号の生成処理と前記リモートコントロール装置の無線通信部の通信処理を制御する制御部を設け、
前記リモートコントロール装置の制御部は、前記記録予約情報に基づき前記コマンド信号生成部でコマンド信号を生成させて、該コマンド信号を前記無線通信部から前記放送受信装置と前記記録装置に供給することで、前記放送受信装置からコンテンツ信号を出力させて前記記録装置に記録させる
ことを特徴とする請求項2記載の装置制御システム。
【請求項5】
前記一方の装置として、コンテンツ信号の記録と該記録するコンテンツ信号の出力を行う記録装置を用いるものとし、
前記他方の装置として、コンテンツ信号を用いて表示処理を行う表示装置を用いるものとし、
前記コマンド信号生成部が設けられている記録装置の制御部は、前記無線通信部から前記コマンド信号を前記表示装置に供給することで、前記表示装置の動作を前記記録装置の動作に連動させて、前記記録装置で記録される前記コンテンツ信号に基づく映像を前記表示装置で表示させる。
ことを特徴とする請求項1記載の装置制御システム。
【請求項6】
前記一方の装置と他方の装置の無線通信部はIEEE802.15.4に準拠した無線通信を行う
ことを特徴とする請求項1記載の装置制御システム。
【請求項7】
複数の装置を接続して一方の装置から他方の装置にコンテンツ信号の供給を行うようになされているときの装置制御方法において、
前記一方の装置に、他方の装置を遠隔操作するためのコマンド信号を生成する工程と、前記生成されたコマンド信号を電波による無線通信で他方の装置に供給する工程を設けものとし、
他方の装置には、受信した前記コマンド信号に基づいて、供給された前記コンテンツ信号の処理を行う工程を設けるものとし、
前記他方の装置の動作を前記一方の装置の動作に連動させて、前記一方の装置から出力される前記コンテンツ信号を前記他方の装置で処理させる
ことを特徴とする装置制御方法。
【請求項8】
電波による無線通信を行うことで得られたコマンド信号に基づいてコンテンツ信号の記録を行う記録装置に接続される放送受信装置において、
電波による無線通信を行う無線通信部と、
前記記録装置を遠隔操作するためのコマンド信号の生成を行うコマンド信号生成部と、
放送信号を受信して得られたコンテンツ信号を前記記録装置に供給する処理と、該コンテンツ信号の供給を行う際に該コンテンツ信号を前記記録装置で記録させるコマンド信号を前記コマンド信号生成部で生成させる処理と、該生成されたコマンド信号を前記無線通信部から前記記録装置に供給する処理を行い、前記記録装置の記録動作を前記コンテンツ信号の出力動作と連動させる制御部を設けた
ことを特徴とする放送受信装置。
【請求項9】
コンテンツ信号の記録予約情報を記憶するメモリ部を有し、
前記制御部は、前記記録予約情報に基づいて、前記記録予約情報で示されたコンテンツのコンテンツ信号を前記記録装置に供給する処理と、前記記録装置で前記コンテンツ信号を記録させるコマンド信号を前記コマンド信号生成部で生成させる処理を行う
ことを特徴とする請求項8記載の放送受信装置。
【請求項10】
電波による無線通信を行うことで得られたコマンド信号に基づいて映像表示を行う表示装置に接続される記録装置において、
前記表示装置を遠隔操作するためのコマンド信号の生成を行うコマンド信号生成部と、
コンテンツ信号を記録するとき、該記録するコンテンツ信号を前記表示装置に供給する処理と、前記表示装置に供給したコンテンツ信号に基づく映像表示を行わせるコマンド信号を前記コマンド信号生成部で生成させる処理と、該生成されたコマンド信号を前記無線通信部から前記表示装置に供給する処理を行い、前記表示装置の表示動作をコンテンツ信号の記録動作と連動させる制御部を設けた
ことを特徴とする記録装置。
【請求項11】
コンテンツ信号の記録予約情報を記憶するメモリ部を有し、
前記制御部は、前記記録予約情報に基づいて、前記記録予約情報で示されたコンテンツのコンテンツ信号記録処理と、該記録するコンテンツ信号を前記表示装置に供給する処理と、前記表示装置に供給した前記コンテンツ信号に基づく映像表示を行わせるコマンド信号を前記コマンド信号生成部で生成させる処理を行う
ことを特徴とする請求項10記載の記録装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記表示装置に供給した前記コンテンツ信号に基づく映像表示を行わせるコマンド信号として、前記表示装置で複数画面表示を行わせるコマンド信号を前記コマンド信号生成部で生成させる処理を行う
ことを特徴とする請求項10記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−10643(P2009−10643A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169601(P2007−169601)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】