装置制御プログラム、記録媒体、装置制御方法および制御装置
【課題】画像形成を行う前にユーザが文書に合成するウォーターマークなどの文字データを適切に選択することができ、文書を送信するユーザとは異なる言語を用いる受取人にその文書の重要性を効果的に認識させること。
【解決手段】設定受付部15aが、第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付け、データ生成部15bが、第2の文字を第1の言語に翻訳した第1の文字を表す第1の文字データを記憶部14から読み出し、画像データ14cに第1の文字データを合成した合成画像データ14dを生成し、装置制御部15cが、合成画像データ14dを画像形成装置20に送信し、画像形成装置20を制御して、画像形成装置20に合成画像データ14dの画像形成処理を実行させる。
【解決手段】設定受付部15aが、第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付け、データ生成部15bが、第2の文字を第1の言語に翻訳した第1の文字を表す第1の文字データを記憶部14から読み出し、画像データ14cに第1の文字データを合成した合成画像データ14dを生成し、装置制御部15cが、合成画像データ14dを画像形成装置20に送信し、画像形成装置20を制御して、画像形成装置20に合成画像データ14dの画像形成処理を実行させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに文字データを合成した合成画像データを生成し、合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する装置制御プログラム、その装置制御プログラムを記録した記録媒体、画像形成装置を制御する装置制御方法および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文書を印刷する際に、その文書の重要性を示すためにウォーターマークが用いられている。ウォーターマークとは、「至急」、「マル秘」、「重要」、「極秘」、などの文書に印刷される文字である。これらのウォーターマークを文書に印刷する機能は、プリンタドライバに標準仕様として備えられている。また、ユーザにより入力された任意の文字を、ウォーターマークとして文書に印刷することもできる。
【0003】
ただし、この場合にユーザが利用できるウォーターマークの言語は、プリンタドライバをコンピュータにインストールした際に、ユーザが使用言語として選択した言語となってしまう。例えば、プリンタドライバのインストール時にユーザが日本語を選択した場合、文書に印刷されるウォーターマークの言語は日本語となる。
【0004】
そして、日本語のウォーターマークが印刷された文書がFAXや郵送、電子メールなどで英語や韓国語、ポルトガル語圏の国にある販売店や生産工場などに送付された場合、その文書の受取人である現地人スタッフが、そのウォーターマークの重要度を認識することができず、ウォーターマークがその役目を果たさないという事態が生じ得る。
【0005】
その結果、「至急」というウォーターマークが印刷された文書が担当者まで届くのが遅れたり、その文書の処理が後回しにされたり、「極秘」というウォーターマークが印刷された文書が机上に放置されたりして、ビジネスに支障が生じてしまう。
【0006】
ウォーターマークとして用いる文字を、現地人スタッフが理解できる言語でユーザが直接入力できれば良いが、韓国語やポルトガル語などの言語における表現を知っているユーザは少ないものと考えられる。
【0007】
また、たとえそれらの言語における表現をユーザが知っていたとしても、コンピュータのOS(オペレーティングシステム)が日本語版であったり、キーボードが日本語キーボードであった場合、それらの言語の文字を入力できるようにOSをセットアップする必要があったり、ハングル文字やアクセント記号が付いた文字の入力が難しいなどの問題が生じる。
【0008】
特許文献1には、日本語を全く理解できないユーザに対して、文書が秘匿すべきものであることを伝達するため、文書が秘匿すべきものであることを表す画像であるセキュリティ情報をデータから抽出し、目的とする言語にそのセキュリティ情報を翻訳する翻訳装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−279098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の翻訳装置は、セキュリティ情報がすでに文書に印刷されている場合に利用されるものであって、文書の印刷を行う前に利用されるものではない。そのため、文書に印刷されるセキュリティ情報の種類をユーザが選択することができない。
【0011】
すなわち、特許文献1の翻訳装置は、送付先の国で用いられている言語に起因する問題を解決するため、ユーザがその文書に付加したいウォーターマークを決めているものの、まだウォーターマークを付加した文書の印刷を行っていない場合に、その文書に対して適切な処理を施す装置ではなく、そのような装置とは背景技術や開発目的が全く異なるものである。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑み、画像形成を行う前にユーザが文書に合成するウォーターマークなどの文字データを適切に選択することができ、文書を送信するユーザとは異なる言語を用いる受取人にその文書の重要性を効果的に認識させることができる装置制御プログラム、その装置制御プログラムを記録した記録媒体、装置制御方法、および制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する為に、本発明の第1の技術手段は、画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する装置制御プログラムであって、コンピュータに、前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付ステップと、前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出すデータ読み出しステップと、前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成ステップと、前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記データ生成ステップでは、前記第1の文字データに加えて、さらに前記第2の文字を表す第2の文字データを前記画像データに合成した合成画像データを生成することを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記データ生成ステップでは、前記第1の文字の大きさが前記第2の文字の大きさよりも大きく示される前記合成画像データを生成することを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1つの技術手段において、前記データ生成ステップにより生成された合成画像データを表示部にプレビュー表示する表示ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1つの技術手段において、前記第1の言語は、前記合成画像データの画像形成処理により形成される合成画像の送付先の国の指定をユーザから受け付けた場合に、前記送付先の国と該送付先の国で用いられる言語との対応関係を示す言語情報に基づいて設定され、前記設定受付ステップでは、前記送付先の国の指定を介して前記第1の言語の設定を受け付けることを特徴とする。
【0018】
本発明の第6の技術手段は、上記装置制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
【0019】
本発明の第7の技術手段は、画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する装置制御方法であって、前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付ステップと、前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出すデータ読み出しステップと、前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成ステップと、前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の第8の技術手段は、画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する制御装置であって、前記第1の文字データを記憶する記憶部と、前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付部と、前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出し、前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成部と、前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる装置制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付け、第2の文字を第1の言語に翻訳した第1の文字を表す第1の文字データを記憶部から読み出し、画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、合成画像データを画像形成装置に送信し、画像形成装置を制御して、画像形成装置に合成画像データの画像形成処理を実行させることとしたので、画像形成を行う前にユーザが文書に合成するウォーターマークなどの文字データを適切に選択することができ、文書を送信するユーザとは異なる言語を用いる受取人にその文書の重要性を効果的に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る制御装置の一例を示す図である。
【図2】デバイスドライバのプロパティ画面の一例を示す図である。
【図3】画像形成装置の印刷設定画面の一例を示す図である。
【図4】ウォーターマークの設定画面の一例を示す図である。
【図5】プルダウンメニューがクリックされた場合に表示される項目の一例を示す図である。
【図6】プレビュー画面の一例を示す図である。
【図7】ウォーターマークの文字の編集画面の一例を示す図である。
【図8】言語変換設定画面の一例を示す図である。
【図9】英語のウォーターマークが表示されたプレビュー画面の一例を示す図である。
【図10】英語と日本語のウォーターマークが表示されたプレビュー画面の一例を示す図である。
【図11】母国語の文字よりも大きいフォントサイズで表示された指定言語の文字の一例を示す図である。
【図12】制御装置が行う装置制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】送付先の国の名称の選択を受け付ける言語変換設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る制御装置10の一例を示す図である。この制御装置10は、印刷などの画像形成処理を行う画像形成装置20とネットワーク30を介して接続され、画像形成装置20を制御して、画像形成装置20に画像形成処理を実行させるパーソナルコンピュータなどの装置である。制御装置10は、入力部11、表示部12、ネットワークインターフェース部13、記憶部14、制御部15を備える。
【0024】
入力部11は、キーボードやマウスなどの入力デバイスである。表示部12は、液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。ネットワークインターフェース部13は、ネットワーク30を介して、画像形成装置20などの他の装置との間で通信を行う処理部である。
【0025】
記憶部14は、メモリやハードディスク装置などの記憶デバイスである。この記憶部14は、デバイスドライバ14a、文字データ14b、画像データ14c、合成画像データ14dなどの各種データを記憶する。
【0026】
デバイスドライバ14aは、画像形成装置20を制御するための装置制御プログラムである。このデバイスドライバ14aは、後に説明する制御部15により読み出され、制御部15により実行されることにより、設定受付部15a、データ生成部15b、装置制御部15cの機能が実現される。
【0027】
文字データ14bは、さまざまな言語で記述されたさまざまな種類の文字からなるウォーターマークのデータである。ウォーターマークとは、例えば、「極秘」、「重要」、「回覧」、「至急」、「大至急」、「コピー禁止」などの画像とともに印刷される文字である。また、ウォーターマークの言語には、例えば、日本語、英語、韓国語、中国語、ポルトガル語、ベトナム語などの言語が含まれる。
【0028】
この文字データ14bには、画像データに合成される第1の言語で記述された第1の文字データと、第1の文字データが表す第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字を表す第2の文字データが含まれる。例えば、第1の言語は、文書の送付先で用いられている英語などの言語であり、第2の言語は、母国語である日本語であり、第1の文字データは、「TOP SECRET」などの文字であり、第2の文字データは「極秘」などの文字である。
【0029】
画像データ14cは、印刷対象となる画像データである。この画像データ14cには、ウォーターマークのデータが合成される。合成画像データ14dは、ウォーターマークのデータが合成された画像データである。
【0030】
制御部15は、制御装置10を全体的に制御するCPU(Central Processing Unit)などの制御デバイスである。この制御部15は、設定受付部15a、データ生成部15b、装置制御部15cを備える。
【0031】
設定受付部15aは、表示部12に種々の設定画面を表示させ、入力部11を介して、画像形成装置20の制御に係る種々の設定をユーザから受け付ける処理部である。例えば、設定受付部15aは、入力部11を介して、画像データ14cに合成するウォーターマークの種類の設定をユーザから受け付ける。また、設定受付部15aは、入力部11を介して、ウォーターマークの言語を変換する場合の変換後の言語の設定をユーザから受け付ける。
【0032】
データ生成部15bは、印刷を行う画像データ14cにウォーターマークのデータを合成することにより合成画像データ14dを生成する処理部である。具体的には、データ生成部15bは、設定受付部15aが設定を受け付けた種類および言語のウォーターマークのデータを文字データ14bから読み出し、読み出したウォーターマークのデータを、印刷を行う画像データ14cに合成することにより合成画像データを生成する。そして、データ生成部15bは、生成した合成画像データを記憶部14に合成画像データ14dとして記憶する。
【0033】
装置制御部15cは、データ生成部15bにより生成された合成画像データ14dを記憶部14から読み出して、画像形成装置20に送信する。併せて、装置制御部15cは、画像形成装置20にその合成画像データ14dを印刷するように指示する制御メッセージを送信し、画像形成装置20を制御して、画像形成装置20にその合成画像データ14dを印刷させる。そして、印刷の結果得られた文書は、例えばFAXや郵送などで、海外の販売店や生産工場などに送付される。
【0034】
つぎに、画像形成装置20を制御する装置制御処理の設定を行う際に、表示部12に表示される各種設定画面について説明する。
【0035】
まず、画像データの編集処理等を行うアプリケーションプログラムが、ユーザから画像データ14cの印刷指示を受け付けた場合、制御部15は、記憶部14からデバイスドライバ14aを読み出し、デバイスドライバ14aを起動する。これにより、設定受付部15a、データ生成部15b、装置制御部15cの機能が実現される。
【0036】
その後、設定受付部15aは、表示部12に、図2に示すようなデバイスドライバ14aのプロパティ画面を表示させる。図2は、デバイスドライバ14aのプロパティ画面40の一例を示す図である。設定受付部15aは、プロパティ画面40の印刷設定ボタン41がユーザのマウス等の操作によりクリックされると、図3に示す印刷設定画面50を表示する。図3は、画像形成装置20の印刷設定画面50の一例を示す図である。
【0037】
さらに、設定受付部15aは、印刷設定画面50のウォーターマークのタブ51がユーザのマウス等の操作によりクリックされると、図4に示すようなウォーターマークの設定画面60を表示部12に表示させる。図4は、ウォーターマークの設定画面60の一例を示す図である。
【0038】
設定受付部15aは、この設定画面60において、ユーザがプルダウンメニュー61を用いて選択したウォーターマークを、画像データ14cに合成するウォーターマークとして受け付ける。図5は、プルダウンメニュー61がクリックされた場合に表示される項目の一例を示す図である。
【0039】
図5には、「極秘」、「重要」、「回覧」、「至急」、「大至急」、「コピー禁止」の各項目が表示されている。ユーザがマウス等を操作して、いずれかの項目を選択した場合、設定受付部15aは、ユーザにより選択された文字を画像データ14cに合成するウォーターマークとして受け付ける。なお、上記項目中には日本語のウォーターマークのみ含まれているが、英語のウォーターマークを含めることとしてもよい。
【0040】
また、ユーザは、画像データ14cにウォーターマークとして合成する文字を、キーボードを用いて、図4のテキスト入力フィールド62に入力することもできる。この場合、設定受付部15aは、テキスト入力フィールド62に入力された文字を、画像データ14cに合成するウォーターマークとして受け付ける。
【0041】
設定受付部15aは、ウォーターマークの指定を受け付けた場合、図6に示すようなプレビュー画面63を表示部12に表示させる。図6は、プレビュー画面63の一例を示す図である。図6には、図5に示したプルダウンメニュー61において、「極秘」のウォーターマークが選択された場合のプレビュー画面63が示されている。
【0042】
この場合、設定受付部15aは、表示部12を制御して、テキスト入力フィールド62にも、プルダウンメニュー61において選択された「極秘」のウォーターマークの文字を表示させる。ユーザがキーボードを用いてその文字を編集した場合、設定受付部15aは、編集後の文字をユーザにより設定されたウォーターマークとして受け付ける。
【0043】
また、設定受付部15aは、ユーザによりテキスト入力フィールド62に文字が入力され、さらに追加ボタン64がマウス等によりクリックされた場合に、テキスト入力フィールド62に入力された文字をプルダウンメニュー61の項目に追加する。
【0044】
また、設定受付部15aは、ユーザによりプルダウンメニュー61において項目が選択され、さらに削除ボタン65がマウス等によりクリックされた場合に、プルダウンメニュー61において選択された項目をプルダウンメニュー61の項目から削除する。
【0045】
また、設定受付部15aは、プルダウンメニュー61においてユーザにより項目が選択された場合、あるいは、テキスト入力フィールド62に文字が入力された場合に、表示部12を制御して、選択された項目の文字、あるいは、入力された文字を、プレビュー画面63に表示させる。
【0046】
そして、設定受付部15aは、ユーザがスクロールバー66、67をマウス等で操作した場合に、その文字の表示位置をその操作に応じて上下左右に変更する。また、設定受付部15aは、ユーザが中央セットボタン68をマウス等でクリックした場合に、文字の表示位置を中央に設定する。さらに、設定受付部15aは、ユーザがスクロールバー69、70をマウス等で操作した場合に、その文字の大きさや角度を変更する。
【0047】
また、設定受付部15aは、ユーザにより編集ボタン71がマウス等によりクリックされると、ウォーターマークの文字の編集画面を表示部12に表示させる。図7は、ウォーターマークの文字の編集画面80の一例を示す図である。設定受付部15aは、ユーザがプルダウンメニュー81、82をマウス等により操作して、文字のフォントや色を選択した場合に、文字のフォントや色を選択された文字のフォントや色に設定する。
【0048】
また、設定受付部15aは、図6に示す設定画面60の言語変換ボタン72がユーザのマウス等の操作によりクリックされた場合、図8に示すような、言語変換設定画面90を表示部12に表示させる。図8は、言語変換設定画面90の一例を示す図である。
【0049】
この言語変換設定画面90では、図6に示す設定画面60において設定されたウォーターマーク(図8の例では「極秘」)が、プルダウンメニュー91において選択された状態となる。設定受付部15aは、ユーザが再度プルダウンメニュー91を用いてウォーターマークを選択した場合、すでに選択されたウォーターマークを新たに選択されたウォーターマークに変更する。
【0050】
また、設定受付部15aは、表示部12を制御して、プルダウンメニュー91において選択されているウォーターマークを、プレビュー画面92に表示させる。また、図6で説明したスクロールバー66、67と同様に、設定受付部15aは、図8に示したスクロールバー93、94をユーザがマウス等により操作した場合、その操作に応じてウォーターマークの文字の位置を上下左右に変更する。
【0051】
さらに、図6で説明したスクロールバー69、70と同様に、設定受付部15aは、図8に示したスクロールバー95、96をユーザがマウス等により操作した場合、その文字の大きさや角度を変更する。
【0052】
さらに、設定受付部15aは、表示部12を制御して、言語変換設定画面90に、母国語(本実施形態では日本語)のウォーターマークのみを表示するのか、指定言語(他の言語)のウォーターマークのみを表示するのか、あるいは、母国語と指定言語とを両方表示するのかの選択をユーザから受け付けるラジオボタン97を表示させる。
【0053】
また、設定受付部15aは、表示部12を制御して、言語変換設定画面90に、ウォーターマークの変換後の言語の設定を受け付けるプルダウンメニュー98を表示させる。設定受付部15aは、このプルダウンメニュー98をユーザがマウス等によりクリックした場合、英語や韓国語、中国語、ポルトガル語などの項目を表示部12に表示させる。
【0054】
設定受付部15aは、ウォーターマークの言語を母国語のみにするか、指定言語のみにするか、あるいは、母国語と指定言語の両方にするかの設定をユーザから受け付ける。そして、ウォーターマークの言語を指定言語のみにする場合、あるいは、母国語と指定言語の両方にする場合、設定受付部15aは、さらにプロダウンメニュー98による言語の設定をユーザから受け付ける。
【0055】
例えば、図8において、「指定言語のみ」のラジオボタン97が選択され、プロダウンメニュー98において英語が選択された場合、設定受付部15aは、プレビュー画面92に、英語のウォーターマークを表示する。
【0056】
図9は、英語のウォーターマークが表示されたプレビュー画面92の一例を示す図である。図9に示すように、設定受付部15aは、表示部12を制御して、プレビュー画面92に、日本語の「極秘」という文字の翻訳である「TOP SECRET」という文字をウォーターマークとして表示させる。これにより、その文書を受け取った現地人スタッフがその文書の重要性を認識することができ、文書のセキュリティを確保することができる。
【0057】
他に、日本語のウォーターマークの文字が「至急」、「大至急」、「マル秘」、「重要」、「コピー厳禁」である場合には、設定受付部15aは、表示部12を制御して、「URGENT」、「TOP URGENT」、「CONFIDENTIAL」、「IMPORTANT」、「NON COPY」という文字をそれぞれ表示させる。
【0058】
また、設定受付部15aは、図8において、ユーザが「母国語/指定言語の併記」のラジオボタン97を選択し、プロダウンメニュー98において英語を選択した場合、表示部12を制御して、プレビュー画面92に、母国語である日本語と英語のウォーターマークを表示させる。
【0059】
図10は、英語と日本語のウォーターマークが表示されたプレビュー画面92の一例を示す図である。図10に示すように、設定受付部15aは、表示部12を制御して、プレビュー画面92に、日本語の「極秘」という文字と、その翻訳である「TOP SECRET」という文字とをウォーターマークとして表示させる。これにより、文書の作成者だけでなく、その文書を受け取った現地人スタッフや現地の日本人スタッフもその文書の重要性を認識することができ、文書のセキュリティを確保することができる。
【0060】
図8の説明に戻ると、設定受付部15aは、表示部12を制御して、図8の言語変換設定画面90に、2つのスピンボタン99、100を表示させる。スピンボタン99は、図10に示したようにしてウォーターマークの文字を母国語(本実施形態では日本語)と指定言語(本実施形態では英語)の両方で表示する場合に、母国語の文字に対する指定言語の文字の表示倍率の設定をユーザから受け付けるボタンである。この表示倍率は100%以上の値に設定され、その結果、指定言語の文字は、母国語の文字のフォントサイズよりも大きく表示される。
【0061】
図11は、母国語の文字よりも大きいフォントサイズで表示された指定言語の文字の一例を示す図である。例えば、設定受付部15aは、図8に示すように、ユーザがスピンボタン99を用いて「120%」と設定した場合、表示部12を制御し、図11に示すように、母国語である日本語の文字のフォントサイズよりも「120%」大きなフォントサイズで、指定言語である英語の文字を表示させる。これにより、現地人スタッフがウォーターマークを見落としてしまうことを防ぐことができ、文書のセキュリティをより確実に確保することができる。
【0062】
また、設定受付部15aは、図11において、ユーザがスクロールバー95、96をマウス等により操作した場合、図11に示した母国語の文字と指定言語の文字との間のフォントサイズの比率を保持したまま、用紙全体に対する母国語の文字および指定言語の文字のサイズを縮小拡大し、また、角度を変更する。
【0063】
図8の説明に戻ると、図8に示したスピンボタン100は、ウォーターマークの文字の表示濃度の設定を受け付けるボタンである。設定受付部15aは、ユーザがこのスピンボタン100を用いて表示濃度の設定を変更した場合、その設定に応じてウォーターマークの表示濃度を変更する。
【0064】
つぎに、制御装置10が行う装置制御処理の処理手順について説明する。図12は、制御装置10が行う装置制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0065】
まず、制御装置10の設定受付部15aは、印刷を行う画像データ14cの指定をユーザから受け付け、その画像データ14cを記憶部14から読み出す(ステップS101)。
【0066】
そして、設定受付部15aは、図4に示したプルダウンメニュー61により、ユーザからウォーターマークの種類の設定を受け付け(ステップS102)、さらに、図8に示したラジオボタン97やプルダウンメニュー98を用いてユーザによりなされた言語の設定を受け付ける(ステップS103)。
【0067】
そして、データ生成部15bは、図8に示したラジオボタン97を用いてユーザが「母国語のみ」を選択したか否かを判定する(ステップS104)。ユーザが「母国語のみ」を選択した場合(ステップS104においてYESの場合)、データ生成部15bは、文字データ14bから母国語のウォーターマークの文字データを読み出す(ステップS105)。
【0068】
そして、データ生成部15bは、母国語のウォーターマークの文字データを、ステップS101で読み出された画像データ14cに合成し、合成画像データ14dを生成する(ステップS106)。
【0069】
その後、装置制御部15cは、画像形成装置20に合成画像データ14dを送信するとともに、その合成画像データ14dを印刷することを指示する印刷制御メッセージを画像形成装置20に送信し(ステップS107)、この装置制御処理は終了する。この印刷制御メッセージを受信した画像形成装置20は、合成画像データ14dを印刷する処理を行う。
【0070】
ステップS104において、ユーザが「母国語のみ」が選択しなかった場合(ステップS104においてNOの場合)、データ生成部15bは、ユーザがラジオボタン97を用いて「指定言語のみ」を選択したか否かを判定する(ステップS108)。
【0071】
ユーザが「指定言語のみ」を選択した場合(ステップS108においてYESの場合)、データ生成部15bは、図8に示したプルダウンメニュー98を用いてユーザにより指定された言語のウォーターマークの文字データを文字データ14bから読み出す(ステップ109)。
【0072】
そして、データ生成部15bは、指定言語のウォーターマークの文字データを、ステップS101で読み出された画像データ14cに合成し、合成画像データ14dを生成する(ステップS110)。
【0073】
その後、装置制御部15cは、画像形成装置20に合成画像データ14dを送信するとともに、その合成画像データ14dを印刷することを指示する印刷制御メッセージを画像形成装置20に送信し(ステップS107)、この装置制御処理は終了する。この印刷制御メッセージを受信した画像形成装置20は、合成画像データ14dを印刷する処理を行う。
【0074】
ステップS108において、ユーザが「指定言語のみ」を選択しなかった場合(ステップS108においてNOの場合)、図8に示す「母国語/指定言語の併記」のラジオボタン97がユーザにより選択されたことになるので、データ生成部15bは、母国語のウォーターマークの文字データに加えて、図8に示したプルダウンメニュー98を用いてユーザにより指定された言語のウォーターマークの文字データを文字データ14bから読み出す(ステップ111)。
【0075】
そして、データ生成部15bは、母国語のウォーターマークの文字データ、および、指定言語のウォーターマークの文字データを、ステップS101で読み出された画像データ14cに合成し、合成画像データ14dを生成する(ステップS112)。
【0076】
その後、装置制御部15cは、画像形成装置20に合成画像データ14dを送信するとともに、その合成画像データ14dを印刷することを指示する印刷制御メッセージを画像形成装置20に送信し(ステップS107)、この装置制御処理は終了する。この印刷制御メッセージを受信した画像形成装置20は、合成画像データ14dを印刷する処理を行う。
【0077】
なお、上記装置制御処理では、ユーザから、図4に示したプルダウンメニュー61によりウォーターマークの種類の設定を受け付け、さらに、図8に示したラジオボタン97やプルダウンメニュー98を用いてユーザによりなされた言語の設定を受け付け、その種類および言語に対応するウォーターマークの文字データを読み出すこととしたが、図4に示したテキスト入力フィールド62にユーザにより文字の入力がなされた場合に、設定受付部15aが、その文字を辞書データを用いて翻訳し、翻訳された文字のデータをウォーターマークとして画像データ14cに合成する文字のデータとして設定することとしてもよい。
【0078】
ここで上記辞書データは、母国語の単語とその単語を他の言語に翻訳した翻訳語とを対応付けて記憶したデータであり、この辞書データは、予め記憶部14に記憶されているものとする。これにより、プルダウンメニュー61中に所望の文字のウォーターマークがない場合でも、テキスト入力フィールド62にその文字を入力することにより、ユーザはその文字のウォーターマークを利用できるようになる。
【0079】
さて、これまで制御装置および装置制御方法の実施形態を中心に説明を行ったが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、制御装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムとしての形態、あるいは、当該コンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体の形態として本発明が実施されることとしてもよい。
【0080】
ここで、記録媒体としては、ディスク系(例えば、磁気ディスク、光ディスク等)、カード系(例えば、メモリカード、光カード等)、半導体メモリ系(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、テープ系(例えば、磁気テープ、カセットテープ等)等、さまざまな形態のものを採用することができる。
【0081】
これら記録媒体に上記実施形態における制御装置の機能を実現させるコンピュータプログラム、または、装置制御方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記録して流通させることにより、コストの低廉化、及び可搬性や汎用性を向上させることができる。
【0082】
そして、コンピュータに上記記録媒体を装着し、コンピュータにより記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み出してメモリに格納し、コンピュータが備えるプロセッサ(CPU:Central Processing Unit、MPU:Micro Processing Unit)が当該コンピュータプログラムをメモリから読み出して実行することにより、本実施形態に係る制御装置の機能を実現し、装置制御方法を実行することができる。
【0083】
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能である。
【0084】
例えば、上記実施形態では、図8を用いて説明したように、ウォーターマークの言語を変換する場合の変換後の言語の設定を、プルダウンメニュー98でユーザから言語の指定を受け付けることにより行うこととしたが、合成画像データを印刷することにより得られる合成画像の送付先の国の名称の指定をユーザから受け付け、その国の名称に基づいて、変換後の言語の設定を行うこととしてもよい。
【0085】
この場合、例えば、設定受付部15aは、表示部12を制御して、図8に示したような言語変換設定画面90に、合成画像の送信先の国の選択をユーザから受け付けるプルダウンメニューを表示させる。また、記憶部14には、国の名称とその国で用いられている公用語の情報とを対応付けて記憶した言語情報を記憶しておく。
【0086】
そして、設定受付部15aは、ユーザがマウス等を操作してプルダウンメニューから国の名称を選択した場合に、言語情報を参照し、その国の名称に対応する公用語を、ウォーターマークの言語を変換する場合の変換後の言語に設定する。なお、ここでは、公用語を用いることとしたが、これに限定されず、任意の言語を国の名称と対応付けて用いることとしてもよい。
【0087】
図13は、送付先の国の名称の選択を受け付ける言語変換設定画面90の一例を示す図である。この言語変換設定画面90には、合成画像の送信先の国の選択をユーザから受け付けるプルダウンメニュー101が表示されている。
【0088】
プルダウンメニュー101において、送付先の国の名称(図13の例では、米国)が選択された場合、設定受付部15aは、上述した言語情報を参照し、表示部12を制御して、送付先の国の名称に対応する言語(図13の例では、英語)をプルダウンメニュー98に表示させる。また、設定受付部15aは、表示部12を制御して、プレビュー画面92に英語表記のウォーターマークを表示させる。このようにして、設定受付部15aは、ウォーターマークの言語を変換する場合の変換後の言語の設定をユーザから受け付ける。
【0089】
これにより、合成画像の送付先の国で、どのような言語が用いられているのか不明である場合でも、送付先の国を選択するだけでユーザは適切なウォーターマークを付すことができ、その文書を受け取った現地人スタッフにその文書の重要性を確実に認識させることができるようになる。
【符号の説明】
【0090】
10…制御装置、11…入力部、12…表示部、13…ネットワークインターフェース部、14…記憶部、14a…デバイスドライバ、14b…文字データ、14c…画像データ、14d…合成画像データ、15…制御部、15a…設定受付部、15b…データ生成部、15c…装置制御部、20…画像形成装置、30…ネットワーク、40…プロパティ画面、41…印刷設定ボタン、50…印刷設定画面、51…ウォーターマークのタブ、60…ウォーターマークの設定画面、61,81,82,91,98,101…プルダウンメニュー、62…テキスト入力フィールド、63,92…プレビュー画面、64…追加ボタン、65…削除ボタン、66,67,69,70,93,94,95,96…スクロールバー、68…中央セットボタン、71…編集ボタン、80…ウォーターマークの文字の編集画面、90…言語変換設定画面、97…ラジオボタン、99,100…スピンボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに文字データを合成した合成画像データを生成し、合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する装置制御プログラム、その装置制御プログラムを記録した記録媒体、画像形成装置を制御する装置制御方法および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文書を印刷する際に、その文書の重要性を示すためにウォーターマークが用いられている。ウォーターマークとは、「至急」、「マル秘」、「重要」、「極秘」、などの文書に印刷される文字である。これらのウォーターマークを文書に印刷する機能は、プリンタドライバに標準仕様として備えられている。また、ユーザにより入力された任意の文字を、ウォーターマークとして文書に印刷することもできる。
【0003】
ただし、この場合にユーザが利用できるウォーターマークの言語は、プリンタドライバをコンピュータにインストールした際に、ユーザが使用言語として選択した言語となってしまう。例えば、プリンタドライバのインストール時にユーザが日本語を選択した場合、文書に印刷されるウォーターマークの言語は日本語となる。
【0004】
そして、日本語のウォーターマークが印刷された文書がFAXや郵送、電子メールなどで英語や韓国語、ポルトガル語圏の国にある販売店や生産工場などに送付された場合、その文書の受取人である現地人スタッフが、そのウォーターマークの重要度を認識することができず、ウォーターマークがその役目を果たさないという事態が生じ得る。
【0005】
その結果、「至急」というウォーターマークが印刷された文書が担当者まで届くのが遅れたり、その文書の処理が後回しにされたり、「極秘」というウォーターマークが印刷された文書が机上に放置されたりして、ビジネスに支障が生じてしまう。
【0006】
ウォーターマークとして用いる文字を、現地人スタッフが理解できる言語でユーザが直接入力できれば良いが、韓国語やポルトガル語などの言語における表現を知っているユーザは少ないものと考えられる。
【0007】
また、たとえそれらの言語における表現をユーザが知っていたとしても、コンピュータのOS(オペレーティングシステム)が日本語版であったり、キーボードが日本語キーボードであった場合、それらの言語の文字を入力できるようにOSをセットアップする必要があったり、ハングル文字やアクセント記号が付いた文字の入力が難しいなどの問題が生じる。
【0008】
特許文献1には、日本語を全く理解できないユーザに対して、文書が秘匿すべきものであることを伝達するため、文書が秘匿すべきものであることを表す画像であるセキュリティ情報をデータから抽出し、目的とする言語にそのセキュリティ情報を翻訳する翻訳装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−279098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の翻訳装置は、セキュリティ情報がすでに文書に印刷されている場合に利用されるものであって、文書の印刷を行う前に利用されるものではない。そのため、文書に印刷されるセキュリティ情報の種類をユーザが選択することができない。
【0011】
すなわち、特許文献1の翻訳装置は、送付先の国で用いられている言語に起因する問題を解決するため、ユーザがその文書に付加したいウォーターマークを決めているものの、まだウォーターマークを付加した文書の印刷を行っていない場合に、その文書に対して適切な処理を施す装置ではなく、そのような装置とは背景技術や開発目的が全く異なるものである。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑み、画像形成を行う前にユーザが文書に合成するウォーターマークなどの文字データを適切に選択することができ、文書を送信するユーザとは異なる言語を用いる受取人にその文書の重要性を効果的に認識させることができる装置制御プログラム、その装置制御プログラムを記録した記録媒体、装置制御方法、および制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する為に、本発明の第1の技術手段は、画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する装置制御プログラムであって、コンピュータに、前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付ステップと、前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出すデータ読み出しステップと、前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成ステップと、前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記データ生成ステップでは、前記第1の文字データに加えて、さらに前記第2の文字を表す第2の文字データを前記画像データに合成した合成画像データを生成することを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記データ生成ステップでは、前記第1の文字の大きさが前記第2の文字の大きさよりも大きく示される前記合成画像データを生成することを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1つの技術手段において、前記データ生成ステップにより生成された合成画像データを表示部にプレビュー表示する表示ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1つの技術手段において、前記第1の言語は、前記合成画像データの画像形成処理により形成される合成画像の送付先の国の指定をユーザから受け付けた場合に、前記送付先の国と該送付先の国で用いられる言語との対応関係を示す言語情報に基づいて設定され、前記設定受付ステップでは、前記送付先の国の指定を介して前記第1の言語の設定を受け付けることを特徴とする。
【0018】
本発明の第6の技術手段は、上記装置制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
【0019】
本発明の第7の技術手段は、画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する装置制御方法であって、前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付ステップと、前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出すデータ読み出しステップと、前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成ステップと、前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の第8の技術手段は、画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する制御装置であって、前記第1の文字データを記憶する記憶部と、前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付部と、前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出し、前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成部と、前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる装置制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付け、第2の文字を第1の言語に翻訳した第1の文字を表す第1の文字データを記憶部から読み出し、画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、合成画像データを画像形成装置に送信し、画像形成装置を制御して、画像形成装置に合成画像データの画像形成処理を実行させることとしたので、画像形成を行う前にユーザが文書に合成するウォーターマークなどの文字データを適切に選択することができ、文書を送信するユーザとは異なる言語を用いる受取人にその文書の重要性を効果的に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る制御装置の一例を示す図である。
【図2】デバイスドライバのプロパティ画面の一例を示す図である。
【図3】画像形成装置の印刷設定画面の一例を示す図である。
【図4】ウォーターマークの設定画面の一例を示す図である。
【図5】プルダウンメニューがクリックされた場合に表示される項目の一例を示す図である。
【図6】プレビュー画面の一例を示す図である。
【図7】ウォーターマークの文字の編集画面の一例を示す図である。
【図8】言語変換設定画面の一例を示す図である。
【図9】英語のウォーターマークが表示されたプレビュー画面の一例を示す図である。
【図10】英語と日本語のウォーターマークが表示されたプレビュー画面の一例を示す図である。
【図11】母国語の文字よりも大きいフォントサイズで表示された指定言語の文字の一例を示す図である。
【図12】制御装置が行う装置制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】送付先の国の名称の選択を受け付ける言語変換設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る制御装置10の一例を示す図である。この制御装置10は、印刷などの画像形成処理を行う画像形成装置20とネットワーク30を介して接続され、画像形成装置20を制御して、画像形成装置20に画像形成処理を実行させるパーソナルコンピュータなどの装置である。制御装置10は、入力部11、表示部12、ネットワークインターフェース部13、記憶部14、制御部15を備える。
【0024】
入力部11は、キーボードやマウスなどの入力デバイスである。表示部12は、液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。ネットワークインターフェース部13は、ネットワーク30を介して、画像形成装置20などの他の装置との間で通信を行う処理部である。
【0025】
記憶部14は、メモリやハードディスク装置などの記憶デバイスである。この記憶部14は、デバイスドライバ14a、文字データ14b、画像データ14c、合成画像データ14dなどの各種データを記憶する。
【0026】
デバイスドライバ14aは、画像形成装置20を制御するための装置制御プログラムである。このデバイスドライバ14aは、後に説明する制御部15により読み出され、制御部15により実行されることにより、設定受付部15a、データ生成部15b、装置制御部15cの機能が実現される。
【0027】
文字データ14bは、さまざまな言語で記述されたさまざまな種類の文字からなるウォーターマークのデータである。ウォーターマークとは、例えば、「極秘」、「重要」、「回覧」、「至急」、「大至急」、「コピー禁止」などの画像とともに印刷される文字である。また、ウォーターマークの言語には、例えば、日本語、英語、韓国語、中国語、ポルトガル語、ベトナム語などの言語が含まれる。
【0028】
この文字データ14bには、画像データに合成される第1の言語で記述された第1の文字データと、第1の文字データが表す第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字を表す第2の文字データが含まれる。例えば、第1の言語は、文書の送付先で用いられている英語などの言語であり、第2の言語は、母国語である日本語であり、第1の文字データは、「TOP SECRET」などの文字であり、第2の文字データは「極秘」などの文字である。
【0029】
画像データ14cは、印刷対象となる画像データである。この画像データ14cには、ウォーターマークのデータが合成される。合成画像データ14dは、ウォーターマークのデータが合成された画像データである。
【0030】
制御部15は、制御装置10を全体的に制御するCPU(Central Processing Unit)などの制御デバイスである。この制御部15は、設定受付部15a、データ生成部15b、装置制御部15cを備える。
【0031】
設定受付部15aは、表示部12に種々の設定画面を表示させ、入力部11を介して、画像形成装置20の制御に係る種々の設定をユーザから受け付ける処理部である。例えば、設定受付部15aは、入力部11を介して、画像データ14cに合成するウォーターマークの種類の設定をユーザから受け付ける。また、設定受付部15aは、入力部11を介して、ウォーターマークの言語を変換する場合の変換後の言語の設定をユーザから受け付ける。
【0032】
データ生成部15bは、印刷を行う画像データ14cにウォーターマークのデータを合成することにより合成画像データ14dを生成する処理部である。具体的には、データ生成部15bは、設定受付部15aが設定を受け付けた種類および言語のウォーターマークのデータを文字データ14bから読み出し、読み出したウォーターマークのデータを、印刷を行う画像データ14cに合成することにより合成画像データを生成する。そして、データ生成部15bは、生成した合成画像データを記憶部14に合成画像データ14dとして記憶する。
【0033】
装置制御部15cは、データ生成部15bにより生成された合成画像データ14dを記憶部14から読み出して、画像形成装置20に送信する。併せて、装置制御部15cは、画像形成装置20にその合成画像データ14dを印刷するように指示する制御メッセージを送信し、画像形成装置20を制御して、画像形成装置20にその合成画像データ14dを印刷させる。そして、印刷の結果得られた文書は、例えばFAXや郵送などで、海外の販売店や生産工場などに送付される。
【0034】
つぎに、画像形成装置20を制御する装置制御処理の設定を行う際に、表示部12に表示される各種設定画面について説明する。
【0035】
まず、画像データの編集処理等を行うアプリケーションプログラムが、ユーザから画像データ14cの印刷指示を受け付けた場合、制御部15は、記憶部14からデバイスドライバ14aを読み出し、デバイスドライバ14aを起動する。これにより、設定受付部15a、データ生成部15b、装置制御部15cの機能が実現される。
【0036】
その後、設定受付部15aは、表示部12に、図2に示すようなデバイスドライバ14aのプロパティ画面を表示させる。図2は、デバイスドライバ14aのプロパティ画面40の一例を示す図である。設定受付部15aは、プロパティ画面40の印刷設定ボタン41がユーザのマウス等の操作によりクリックされると、図3に示す印刷設定画面50を表示する。図3は、画像形成装置20の印刷設定画面50の一例を示す図である。
【0037】
さらに、設定受付部15aは、印刷設定画面50のウォーターマークのタブ51がユーザのマウス等の操作によりクリックされると、図4に示すようなウォーターマークの設定画面60を表示部12に表示させる。図4は、ウォーターマークの設定画面60の一例を示す図である。
【0038】
設定受付部15aは、この設定画面60において、ユーザがプルダウンメニュー61を用いて選択したウォーターマークを、画像データ14cに合成するウォーターマークとして受け付ける。図5は、プルダウンメニュー61がクリックされた場合に表示される項目の一例を示す図である。
【0039】
図5には、「極秘」、「重要」、「回覧」、「至急」、「大至急」、「コピー禁止」の各項目が表示されている。ユーザがマウス等を操作して、いずれかの項目を選択した場合、設定受付部15aは、ユーザにより選択された文字を画像データ14cに合成するウォーターマークとして受け付ける。なお、上記項目中には日本語のウォーターマークのみ含まれているが、英語のウォーターマークを含めることとしてもよい。
【0040】
また、ユーザは、画像データ14cにウォーターマークとして合成する文字を、キーボードを用いて、図4のテキスト入力フィールド62に入力することもできる。この場合、設定受付部15aは、テキスト入力フィールド62に入力された文字を、画像データ14cに合成するウォーターマークとして受け付ける。
【0041】
設定受付部15aは、ウォーターマークの指定を受け付けた場合、図6に示すようなプレビュー画面63を表示部12に表示させる。図6は、プレビュー画面63の一例を示す図である。図6には、図5に示したプルダウンメニュー61において、「極秘」のウォーターマークが選択された場合のプレビュー画面63が示されている。
【0042】
この場合、設定受付部15aは、表示部12を制御して、テキスト入力フィールド62にも、プルダウンメニュー61において選択された「極秘」のウォーターマークの文字を表示させる。ユーザがキーボードを用いてその文字を編集した場合、設定受付部15aは、編集後の文字をユーザにより設定されたウォーターマークとして受け付ける。
【0043】
また、設定受付部15aは、ユーザによりテキスト入力フィールド62に文字が入力され、さらに追加ボタン64がマウス等によりクリックされた場合に、テキスト入力フィールド62に入力された文字をプルダウンメニュー61の項目に追加する。
【0044】
また、設定受付部15aは、ユーザによりプルダウンメニュー61において項目が選択され、さらに削除ボタン65がマウス等によりクリックされた場合に、プルダウンメニュー61において選択された項目をプルダウンメニュー61の項目から削除する。
【0045】
また、設定受付部15aは、プルダウンメニュー61においてユーザにより項目が選択された場合、あるいは、テキスト入力フィールド62に文字が入力された場合に、表示部12を制御して、選択された項目の文字、あるいは、入力された文字を、プレビュー画面63に表示させる。
【0046】
そして、設定受付部15aは、ユーザがスクロールバー66、67をマウス等で操作した場合に、その文字の表示位置をその操作に応じて上下左右に変更する。また、設定受付部15aは、ユーザが中央セットボタン68をマウス等でクリックした場合に、文字の表示位置を中央に設定する。さらに、設定受付部15aは、ユーザがスクロールバー69、70をマウス等で操作した場合に、その文字の大きさや角度を変更する。
【0047】
また、設定受付部15aは、ユーザにより編集ボタン71がマウス等によりクリックされると、ウォーターマークの文字の編集画面を表示部12に表示させる。図7は、ウォーターマークの文字の編集画面80の一例を示す図である。設定受付部15aは、ユーザがプルダウンメニュー81、82をマウス等により操作して、文字のフォントや色を選択した場合に、文字のフォントや色を選択された文字のフォントや色に設定する。
【0048】
また、設定受付部15aは、図6に示す設定画面60の言語変換ボタン72がユーザのマウス等の操作によりクリックされた場合、図8に示すような、言語変換設定画面90を表示部12に表示させる。図8は、言語変換設定画面90の一例を示す図である。
【0049】
この言語変換設定画面90では、図6に示す設定画面60において設定されたウォーターマーク(図8の例では「極秘」)が、プルダウンメニュー91において選択された状態となる。設定受付部15aは、ユーザが再度プルダウンメニュー91を用いてウォーターマークを選択した場合、すでに選択されたウォーターマークを新たに選択されたウォーターマークに変更する。
【0050】
また、設定受付部15aは、表示部12を制御して、プルダウンメニュー91において選択されているウォーターマークを、プレビュー画面92に表示させる。また、図6で説明したスクロールバー66、67と同様に、設定受付部15aは、図8に示したスクロールバー93、94をユーザがマウス等により操作した場合、その操作に応じてウォーターマークの文字の位置を上下左右に変更する。
【0051】
さらに、図6で説明したスクロールバー69、70と同様に、設定受付部15aは、図8に示したスクロールバー95、96をユーザがマウス等により操作した場合、その文字の大きさや角度を変更する。
【0052】
さらに、設定受付部15aは、表示部12を制御して、言語変換設定画面90に、母国語(本実施形態では日本語)のウォーターマークのみを表示するのか、指定言語(他の言語)のウォーターマークのみを表示するのか、あるいは、母国語と指定言語とを両方表示するのかの選択をユーザから受け付けるラジオボタン97を表示させる。
【0053】
また、設定受付部15aは、表示部12を制御して、言語変換設定画面90に、ウォーターマークの変換後の言語の設定を受け付けるプルダウンメニュー98を表示させる。設定受付部15aは、このプルダウンメニュー98をユーザがマウス等によりクリックした場合、英語や韓国語、中国語、ポルトガル語などの項目を表示部12に表示させる。
【0054】
設定受付部15aは、ウォーターマークの言語を母国語のみにするか、指定言語のみにするか、あるいは、母国語と指定言語の両方にするかの設定をユーザから受け付ける。そして、ウォーターマークの言語を指定言語のみにする場合、あるいは、母国語と指定言語の両方にする場合、設定受付部15aは、さらにプロダウンメニュー98による言語の設定をユーザから受け付ける。
【0055】
例えば、図8において、「指定言語のみ」のラジオボタン97が選択され、プロダウンメニュー98において英語が選択された場合、設定受付部15aは、プレビュー画面92に、英語のウォーターマークを表示する。
【0056】
図9は、英語のウォーターマークが表示されたプレビュー画面92の一例を示す図である。図9に示すように、設定受付部15aは、表示部12を制御して、プレビュー画面92に、日本語の「極秘」という文字の翻訳である「TOP SECRET」という文字をウォーターマークとして表示させる。これにより、その文書を受け取った現地人スタッフがその文書の重要性を認識することができ、文書のセキュリティを確保することができる。
【0057】
他に、日本語のウォーターマークの文字が「至急」、「大至急」、「マル秘」、「重要」、「コピー厳禁」である場合には、設定受付部15aは、表示部12を制御して、「URGENT」、「TOP URGENT」、「CONFIDENTIAL」、「IMPORTANT」、「NON COPY」という文字をそれぞれ表示させる。
【0058】
また、設定受付部15aは、図8において、ユーザが「母国語/指定言語の併記」のラジオボタン97を選択し、プロダウンメニュー98において英語を選択した場合、表示部12を制御して、プレビュー画面92に、母国語である日本語と英語のウォーターマークを表示させる。
【0059】
図10は、英語と日本語のウォーターマークが表示されたプレビュー画面92の一例を示す図である。図10に示すように、設定受付部15aは、表示部12を制御して、プレビュー画面92に、日本語の「極秘」という文字と、その翻訳である「TOP SECRET」という文字とをウォーターマークとして表示させる。これにより、文書の作成者だけでなく、その文書を受け取った現地人スタッフや現地の日本人スタッフもその文書の重要性を認識することができ、文書のセキュリティを確保することができる。
【0060】
図8の説明に戻ると、設定受付部15aは、表示部12を制御して、図8の言語変換設定画面90に、2つのスピンボタン99、100を表示させる。スピンボタン99は、図10に示したようにしてウォーターマークの文字を母国語(本実施形態では日本語)と指定言語(本実施形態では英語)の両方で表示する場合に、母国語の文字に対する指定言語の文字の表示倍率の設定をユーザから受け付けるボタンである。この表示倍率は100%以上の値に設定され、その結果、指定言語の文字は、母国語の文字のフォントサイズよりも大きく表示される。
【0061】
図11は、母国語の文字よりも大きいフォントサイズで表示された指定言語の文字の一例を示す図である。例えば、設定受付部15aは、図8に示すように、ユーザがスピンボタン99を用いて「120%」と設定した場合、表示部12を制御し、図11に示すように、母国語である日本語の文字のフォントサイズよりも「120%」大きなフォントサイズで、指定言語である英語の文字を表示させる。これにより、現地人スタッフがウォーターマークを見落としてしまうことを防ぐことができ、文書のセキュリティをより確実に確保することができる。
【0062】
また、設定受付部15aは、図11において、ユーザがスクロールバー95、96をマウス等により操作した場合、図11に示した母国語の文字と指定言語の文字との間のフォントサイズの比率を保持したまま、用紙全体に対する母国語の文字および指定言語の文字のサイズを縮小拡大し、また、角度を変更する。
【0063】
図8の説明に戻ると、図8に示したスピンボタン100は、ウォーターマークの文字の表示濃度の設定を受け付けるボタンである。設定受付部15aは、ユーザがこのスピンボタン100を用いて表示濃度の設定を変更した場合、その設定に応じてウォーターマークの表示濃度を変更する。
【0064】
つぎに、制御装置10が行う装置制御処理の処理手順について説明する。図12は、制御装置10が行う装置制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0065】
まず、制御装置10の設定受付部15aは、印刷を行う画像データ14cの指定をユーザから受け付け、その画像データ14cを記憶部14から読み出す(ステップS101)。
【0066】
そして、設定受付部15aは、図4に示したプルダウンメニュー61により、ユーザからウォーターマークの種類の設定を受け付け(ステップS102)、さらに、図8に示したラジオボタン97やプルダウンメニュー98を用いてユーザによりなされた言語の設定を受け付ける(ステップS103)。
【0067】
そして、データ生成部15bは、図8に示したラジオボタン97を用いてユーザが「母国語のみ」を選択したか否かを判定する(ステップS104)。ユーザが「母国語のみ」を選択した場合(ステップS104においてYESの場合)、データ生成部15bは、文字データ14bから母国語のウォーターマークの文字データを読み出す(ステップS105)。
【0068】
そして、データ生成部15bは、母国語のウォーターマークの文字データを、ステップS101で読み出された画像データ14cに合成し、合成画像データ14dを生成する(ステップS106)。
【0069】
その後、装置制御部15cは、画像形成装置20に合成画像データ14dを送信するとともに、その合成画像データ14dを印刷することを指示する印刷制御メッセージを画像形成装置20に送信し(ステップS107)、この装置制御処理は終了する。この印刷制御メッセージを受信した画像形成装置20は、合成画像データ14dを印刷する処理を行う。
【0070】
ステップS104において、ユーザが「母国語のみ」が選択しなかった場合(ステップS104においてNOの場合)、データ生成部15bは、ユーザがラジオボタン97を用いて「指定言語のみ」を選択したか否かを判定する(ステップS108)。
【0071】
ユーザが「指定言語のみ」を選択した場合(ステップS108においてYESの場合)、データ生成部15bは、図8に示したプルダウンメニュー98を用いてユーザにより指定された言語のウォーターマークの文字データを文字データ14bから読み出す(ステップ109)。
【0072】
そして、データ生成部15bは、指定言語のウォーターマークの文字データを、ステップS101で読み出された画像データ14cに合成し、合成画像データ14dを生成する(ステップS110)。
【0073】
その後、装置制御部15cは、画像形成装置20に合成画像データ14dを送信するとともに、その合成画像データ14dを印刷することを指示する印刷制御メッセージを画像形成装置20に送信し(ステップS107)、この装置制御処理は終了する。この印刷制御メッセージを受信した画像形成装置20は、合成画像データ14dを印刷する処理を行う。
【0074】
ステップS108において、ユーザが「指定言語のみ」を選択しなかった場合(ステップS108においてNOの場合)、図8に示す「母国語/指定言語の併記」のラジオボタン97がユーザにより選択されたことになるので、データ生成部15bは、母国語のウォーターマークの文字データに加えて、図8に示したプルダウンメニュー98を用いてユーザにより指定された言語のウォーターマークの文字データを文字データ14bから読み出す(ステップ111)。
【0075】
そして、データ生成部15bは、母国語のウォーターマークの文字データ、および、指定言語のウォーターマークの文字データを、ステップS101で読み出された画像データ14cに合成し、合成画像データ14dを生成する(ステップS112)。
【0076】
その後、装置制御部15cは、画像形成装置20に合成画像データ14dを送信するとともに、その合成画像データ14dを印刷することを指示する印刷制御メッセージを画像形成装置20に送信し(ステップS107)、この装置制御処理は終了する。この印刷制御メッセージを受信した画像形成装置20は、合成画像データ14dを印刷する処理を行う。
【0077】
なお、上記装置制御処理では、ユーザから、図4に示したプルダウンメニュー61によりウォーターマークの種類の設定を受け付け、さらに、図8に示したラジオボタン97やプルダウンメニュー98を用いてユーザによりなされた言語の設定を受け付け、その種類および言語に対応するウォーターマークの文字データを読み出すこととしたが、図4に示したテキスト入力フィールド62にユーザにより文字の入力がなされた場合に、設定受付部15aが、その文字を辞書データを用いて翻訳し、翻訳された文字のデータをウォーターマークとして画像データ14cに合成する文字のデータとして設定することとしてもよい。
【0078】
ここで上記辞書データは、母国語の単語とその単語を他の言語に翻訳した翻訳語とを対応付けて記憶したデータであり、この辞書データは、予め記憶部14に記憶されているものとする。これにより、プルダウンメニュー61中に所望の文字のウォーターマークがない場合でも、テキスト入力フィールド62にその文字を入力することにより、ユーザはその文字のウォーターマークを利用できるようになる。
【0079】
さて、これまで制御装置および装置制御方法の実施形態を中心に説明を行ったが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、制御装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムとしての形態、あるいは、当該コンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体の形態として本発明が実施されることとしてもよい。
【0080】
ここで、記録媒体としては、ディスク系(例えば、磁気ディスク、光ディスク等)、カード系(例えば、メモリカード、光カード等)、半導体メモリ系(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、テープ系(例えば、磁気テープ、カセットテープ等)等、さまざまな形態のものを採用することができる。
【0081】
これら記録媒体に上記実施形態における制御装置の機能を実現させるコンピュータプログラム、または、装置制御方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記録して流通させることにより、コストの低廉化、及び可搬性や汎用性を向上させることができる。
【0082】
そして、コンピュータに上記記録媒体を装着し、コンピュータにより記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み出してメモリに格納し、コンピュータが備えるプロセッサ(CPU:Central Processing Unit、MPU:Micro Processing Unit)が当該コンピュータプログラムをメモリから読み出して実行することにより、本実施形態に係る制御装置の機能を実現し、装置制御方法を実行することができる。
【0083】
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能である。
【0084】
例えば、上記実施形態では、図8を用いて説明したように、ウォーターマークの言語を変換する場合の変換後の言語の設定を、プルダウンメニュー98でユーザから言語の指定を受け付けることにより行うこととしたが、合成画像データを印刷することにより得られる合成画像の送付先の国の名称の指定をユーザから受け付け、その国の名称に基づいて、変換後の言語の設定を行うこととしてもよい。
【0085】
この場合、例えば、設定受付部15aは、表示部12を制御して、図8に示したような言語変換設定画面90に、合成画像の送信先の国の選択をユーザから受け付けるプルダウンメニューを表示させる。また、記憶部14には、国の名称とその国で用いられている公用語の情報とを対応付けて記憶した言語情報を記憶しておく。
【0086】
そして、設定受付部15aは、ユーザがマウス等を操作してプルダウンメニューから国の名称を選択した場合に、言語情報を参照し、その国の名称に対応する公用語を、ウォーターマークの言語を変換する場合の変換後の言語に設定する。なお、ここでは、公用語を用いることとしたが、これに限定されず、任意の言語を国の名称と対応付けて用いることとしてもよい。
【0087】
図13は、送付先の国の名称の選択を受け付ける言語変換設定画面90の一例を示す図である。この言語変換設定画面90には、合成画像の送信先の国の選択をユーザから受け付けるプルダウンメニュー101が表示されている。
【0088】
プルダウンメニュー101において、送付先の国の名称(図13の例では、米国)が選択された場合、設定受付部15aは、上述した言語情報を参照し、表示部12を制御して、送付先の国の名称に対応する言語(図13の例では、英語)をプルダウンメニュー98に表示させる。また、設定受付部15aは、表示部12を制御して、プレビュー画面92に英語表記のウォーターマークを表示させる。このようにして、設定受付部15aは、ウォーターマークの言語を変換する場合の変換後の言語の設定をユーザから受け付ける。
【0089】
これにより、合成画像の送付先の国で、どのような言語が用いられているのか不明である場合でも、送付先の国を選択するだけでユーザは適切なウォーターマークを付すことができ、その文書を受け取った現地人スタッフにその文書の重要性を確実に認識させることができるようになる。
【符号の説明】
【0090】
10…制御装置、11…入力部、12…表示部、13…ネットワークインターフェース部、14…記憶部、14a…デバイスドライバ、14b…文字データ、14c…画像データ、14d…合成画像データ、15…制御部、15a…設定受付部、15b…データ生成部、15c…装置制御部、20…画像形成装置、30…ネットワーク、40…プロパティ画面、41…印刷設定ボタン、50…印刷設定画面、51…ウォーターマークのタブ、60…ウォーターマークの設定画面、61,81,82,91,98,101…プルダウンメニュー、62…テキスト入力フィールド、63,92…プレビュー画面、64…追加ボタン、65…削除ボタン、66,67,69,70,93,94,95,96…スクロールバー、68…中央セットボタン、71…編集ボタン、80…ウォーターマークの文字の編集画面、90…言語変換設定画面、97…ラジオボタン、99,100…スピンボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する装置制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付ステップと、
前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出すデータ読み出しステップと、
前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成ステップと、
前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる制御ステップと、
を実行させることを特徴とする装置制御プログラム。
【請求項2】
前記データ生成ステップでは、前記第1の文字データに加えて、さらに前記第2の文字を表す第2の文字データを前記画像データに合成した合成画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の装置制御プログラム。
【請求項3】
前記データ生成ステップでは、前記第1の文字の大きさが前記第2の文字の大きさよりも大きく示される前記合成画像データを生成することを特徴とする請求項2に記載の装置制御プログラム。
【請求項4】
前記データ生成ステップにより生成された合成画像データを表示部にプレビュー表示する表示ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置制御プログラム。
【請求項5】
前記第1の言語は、前記合成画像データの画像形成処理により形成される合成画像の送付先の国の指定をユーザから受け付けた場合に、前記送付先の国と該送付先の国で用いられる言語との対応関係を示す言語情報に基づいて設定され、前記設定受付ステップでは、前記送付先の国の指定を介して前記第1の言語の設定を受け付けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置制御プログラム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【請求項7】
画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する装置制御方法であって、
前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付ステップと、
前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出すデータ読み出しステップと、
前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成ステップと、
前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる制御ステップと、
を含むことを特徴とする装置制御方法。
【請求項8】
画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する制御装置であって、
前記第1の文字データを記憶する記憶部と、
前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付部と、
前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出し、前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成部と、
前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる装置制御部と、
を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項1】
画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する装置制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付ステップと、
前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出すデータ読み出しステップと、
前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成ステップと、
前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる制御ステップと、
を実行させることを特徴とする装置制御プログラム。
【請求項2】
前記データ生成ステップでは、前記第1の文字データに加えて、さらに前記第2の文字を表す第2の文字データを前記画像データに合成した合成画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の装置制御プログラム。
【請求項3】
前記データ生成ステップでは、前記第1の文字の大きさが前記第2の文字の大きさよりも大きく示される前記合成画像データを生成することを特徴とする請求項2に記載の装置制御プログラム。
【請求項4】
前記データ生成ステップにより生成された合成画像データを表示部にプレビュー表示する表示ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置制御プログラム。
【請求項5】
前記第1の言語は、前記合成画像データの画像形成処理により形成される合成画像の送付先の国の指定をユーザから受け付けた場合に、前記送付先の国と該送付先の国で用いられる言語との対応関係を示す言語情報に基づいて設定され、前記設定受付ステップでは、前記送付先の国の指定を介して前記第1の言語の設定を受け付けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置制御プログラム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【請求項7】
画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する装置制御方法であって、
前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付ステップと、
前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出すデータ読み出しステップと、
前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成ステップと、
前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる制御ステップと、
を含むことを特徴とする装置制御方法。
【請求項8】
画像データに第1の文字データを合成した合成画像データを生成し、該合成画像データの画像形成を行う画像形成装置を制御する制御装置であって、
前記第1の文字データを記憶する記憶部と、
前記第1の文字データにより表される第1の文字を記述する第1の言語の設定、および、該第1の文字の第2の言語による翻訳である第2の文字の設定をユーザから受け付ける設定受付部と、
前記第2の文字を前記第1の言語に翻訳した第1の文字を表す前記第1の文字データを記憶部から読み出し、前記画像データに前記第1の文字データを合成した合成画像データを生成するデータ生成部と、
前記合成画像データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置を制御して、該画像形成装置に前記合成画像データの画像形成処理を実行させる装置制御部と、
を備えたことを特徴とする制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−20585(P2013−20585A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155750(P2011−155750)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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