補強されたコアを有している複合構造及び複合構造を作る方法
【課題】補強されたコアを有している複合サンドイッチ体及び複合サンドイッチ体の製造方法を提供することである。
【解決手段】ポリマーベース複合サンドイッチ体は、複数の繊維強化樹脂表面シートの間に接合されているコアを含む。コアは、低密度発泡体中に保持されている複数の複合ピンの複数の群により形成されているトラスを含む。各々の群中の複数のピンは複数の表面シートの一方の近傍にノードを形成するよう交差する。ピンの端部は表面シートに対し平行に延出し表面シートに接合されている。
【解決手段】ポリマーベース複合サンドイッチ体は、複数の繊維強化樹脂表面シートの間に接合されているコアを含む。コアは、低密度発泡体中に保持されている複数の複合ピンの複数の群により形成されているトラスを含む。各々の群中の複数のピンは複数の表面シートの一方の近傍にノードを形成するよう交差する。ピンの端部は表面シートに対し平行に延出し表面シートに接合されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は大略的には複合構造に関係しており、そしてより詳細には、補強されたコアを有している複合サンドイッチ体、そして複合サンドイッチ体を製造する方法に関係している。
【背景技術】
【0002】
複合サンドイッチ構造は、2つの表面シート間に接合されているコアの内部に構造的な補強を設けることによって強固にされえる。コア補強は、表面シート間で圧縮,引張,そしてせん断荷重を伝達する為の荷重経路を規定する構造要素を含むことができる。上記複合サンドイッチの性能は、コア補強の形式と、上記コアと上記表面シートとの間の接合の品質とに、ある程度依存している。上記コアにおいて使用されている一般的な材料は、硬質(rigid)プラスチック発泡体及びハニカム(honeycomb)を含む。ハニカムコアは良好な構造的効率を発揮する一方で、それらは、例えば、コアと周囲環境との間に差圧が生じる可能性のある、長期間の宇宙飛行のような、いくつかの用途においては、より高いコア対表面シート間荷重にさらされる可能性がある。
【0003】
補強されていない独立気泡硬質発泡体コアは、水分やより高い温度、あるいは宇宙空間における極低温にさらされた時に、低い構造的効率を発揮する可能性がある。
【0004】
上述したサンドイッチ構造に関連している問題は、四辺形トラスネットワーク(truss network)に配置された複数の小径のポリマー押出し(poltruded)炭素繊維/エポキシピンで補強された軽量の独立気泡ポリメタクリルイミド(PMI:polymethacrylimide)発泡体を備えている、いわゆるX−COR構造コアの導入によって部分的に解決されている。上記X−CORピンは、上記発泡体を越えて延びていて、上記表面シート内に埋め込まれている。X−CORコアの変種が、2001年9月18日に発行された米国特許第6,291,049号(特許文献1)中に開示されており、ここにおいて上記ピンの端部が折り曲げられていてコアが接合される表面シートに対して平坦に横たわっている。
【0005】
炭素繊維/エポキシピンを採用している上述したトラスネットワークは、幾つかの航空宇宙用途においては十分な性能を提供しない可能性がある。従って、表面シートとコアとの間に優れた接合強度が要求されている航空宇宙用途に適している、補強されたコアを有している複合構造が必要とされている。
【特許文献1】米国特許第6,291,049号
【発明の開示】
【0006】
開示の種々この実施形態は、コアの構造的な一体性が維持されていることを確実にしている間に向上された表面シート対コアの接合強度が達成されている、複合サンドイッチ構造を提供する。このサンドイッチ構造において使用されている構造及び材料の選択は、コアと周囲の環境との間に差圧が生じることがある長期間の宇宙飛行を含む、航空宇宙用途の為に適したものである。開示されている実施形態により提供された向上された接合強度は、幅の広い範囲の温度及び水蒸気の状況において維持されえる。
【0007】
一実施形態に従えば、複合サンドイッチ体は:第1及び第2の繊維強化ポリマー表面シートと;そして、上記第1及び第2の表面シートとの間の補強コアと、を備えている。上記コアは、トラスを形成している複数の群に配置された複数のピンと、そして、上記複数のピンを取り囲んでいるキャリヤと、を含む。上記複数のピンの各々は、上記表面シートの間に伸びている中間部と、上記表面シートに対し略平行に延びているとともに上記表面シートに対し接合されている末端部と、を含む。各群内における上記複数のピンは、上記表面シートの一方に隣接するノードにおいて交差する。
【0008】
上記複数のピン及び表面シートは、炭素繊維で強化されたエポキシの如き樹脂を備えることができ、その結果、上記コアのトラスの熱膨張率は、上記表面シートの熱膨張率と実質的に等しい。上記複数の群の各々における上記複数のピンの末端部は、ノードから外側に放射状に広がり、そして上記複数のノードは互いに実質的に等距離離間することができる。上記ピンの複数の群は、上記表面シートの平面に対し傾斜している少なくとも3つのピンを含む。上記キャリヤは、上記表面シートの熱膨張率と略一致している熱膨張率を有している、ポリメタクリルイミド(polymethacrylimide)の如き硬質で低密度な独立気泡発泡体を含むことができる。上記キャリヤ発泡体及びグラファイト/エポキシポリマー押出しロッド格子構造(graphite/epoxy poltruded rod lattice structure)を備えている補強コアは、約6.9と約12ポンド/立方フィート(pounds per cubic foot)との間の密度を有することができ、上記コアは、0.5と1インチとの間の厚さを有することができ、ここにおいて上記ノードは0.168と0.191インチとの間で互いに離間している。
【0009】
もうひとつの実施形態に従えば、強化ポリマー複合構造は:1対の繊維強化ポリマー表面シートと、そして、これら表面シート間の補強コアと、を備えている。上記補強コアは、その中で複数の群に配置されている複数の構造ピンを含むことができ、そこにおいて上記複数の群の各々における上記複数のピンは、互いに交差して接触していて、上記表面シートに対して略直角に延びている中心軸の周りに離間している。上記複数の群の各々における上記複数のピンは、上記中心軸の周りに対称的に配置されることができ、そして上記表面シートに対し実質的に平行に延びているとともに上記表面シートに接合されている末端部を含むことができる。
【0010】
方法の実施形態に従えば、強化複合サンドイッチ体は:発泡体の層を形成し、そして上記発泡体の層内に、交差している複数の構造ピンの複数の群を形成することによってコアを製造する工程と;上記複数のピンの端部を折り曲げる工程と;そして、上記複数のピンの折り曲げられた端部を1対の繊維強化表面シートに接合する工程と、を備えていることにより製造されえる。前記複数のピンの前記複数の群は、前記複数のピンを略交差する軌道に沿って上記発泡体の層内に挿入することによって形成することができる。上記方法はさらに:ある長さのグラファイトエポキシ複合材料をポリマー押出しする(poltruding)工程と;上記ある長さのグラファイトエポキシ材料を部分的に硬化させる工程と;そして、上記ある長さのグラファイトエポキシ材料を切断することによって上記複数のピンを形成する工程と、をさらに含むことができる。
【0011】
複合サンドイッチ体は:
第1及び第2の繊維強化ポリマー表面シートと;そして、
上記第1の及び第2の表面シートの間の補強コアと、を備えていて、
この補強コアは、
(i)トラスを形成している複数の群に配置され、各々が、上記第1及び第2の表面シートとの間に延びている中間部と、上記第1及び第2の表面シートと略平行に延びているとともに上記第1及び第2の表面シートに接合されている末端部と、を含んでおり、各群内において上記第1及び第2の表面シートの一方に隣接するノードにおいて交差する複数のピンと、そして、
(ii)上記複数のピンを取り囲んでいるキャリヤと、
を含んでいる。
【0012】
上記複合サンドイッチ体では、上記複数の群の各々における上記複数のピンが、上記表面シートの平面に対して約30度傾斜されている。
【0013】
上記複合サンドイッチ体では、上記硬質発泡体がポリメタクリルイミド(polymethacrylimide)を含む。
【0014】
上記複合サンドイッチ体では、上記キャリヤが独立気泡発泡体であり、上記コアが約6.9と12ポンド/立方フィート(pounds per cubic foot)との間の密度を有する。
【0015】
上記複合サンドイッチ体では、上記コアが約1/2と1インチとの間の厚さを有する。
【0016】
上記複合サンドイッチ体では、複数の上記ノードが約0.168と0.191インチとの間で互いに離間されている。
【0017】
航空機構造が上記複合サンドイッチ体を組み込んでいる。
【0018】
強化ポリマー複合構造は:
1対の繊維強化ポリマー表面シートと;そして、
上記表面シート間の補強コアと、
を備えており、
上記補強コアは、その中で複数の群に配置されている複数の構造ピンを含んでいて、上記複数の群の各々における複数のピンは、実質的に互いに交差しているとともに上記表面シートに対して略直角に延びている中心軸の周りに離間している。
【0019】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数の群の各々における上記複数のピンが、上記中心軸の周りに対称的に配列されている。
【0020】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピンの各々が、上記表面シートに対して実質的に平行に延びているとともに上記表面シートに接合されている末端部を含む。
【0021】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピンの各々の群が、少なくとも3本のピンを含む。
【0022】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピン及び上記表面シートが、エポキシバインダ(epoxy binder)中に保持されているグラファイトファイバ(graphite fiber)で形成されている。
【0023】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記コアが、上記表面シートの各々の熱膨張率に略一致している熱膨張率を有している。
【0024】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピンの各々が、上記表面シートの平面に対して約30度の角度で傾斜している。
【0025】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記第1及び第2の表面シートの各々が、炭素繊維強化樹脂の積層された複数の層を含み、そして、上記複数のピンが、上記表面シートに対して実質的に平行に延びているとともに上記複数の層間に接合されている。
【0026】
上記強化ポリマー複合構造においては:
上記複数のピンの夫々が、上記表面シートに対し略横断して延びている中間部と、そして、上記表面シートに対して略平行に延びている末端部とを含んでおり;そして、
上記複数の群の各々における上記複数のピンが、大略的に上記複数のピンの中間部と末端部との間の合流点(junction)において互いに交差する。
【0027】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数の群の各々における上記複数のピンが、上記中心軸の周りに対称に配置されているとともに上記中心軸から放射状に広がっている末端部を含む。
【0028】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記コアが、略6.9と12ポンド/立方フィート(pounds per cubic foot)との間の密度を有する。
【0029】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記コアの厚さが、略1/2と1インチとの間である。
【0030】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピンの各々がグラファイトファイバ強化エポキシを含み、そして約0.020と0.028インチとの間の直径を有する。
【0031】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピンの隣接する複数の群の複数の中心軸が、約0.169と0.191インチとの間で互いに離間している。
【0032】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記コアが、上記複数のピンを取り囲んでいるポリメタクリルイミド(polymethacrylimide)発泡体を含む。
【0033】
航空機サブアセンブリが上記強化ポリマー複合構造を組み込んでいる。
【0034】
開示されている種々の実施形態の他の特徴、効果、そして利点は、添付の図面及び添付の特許請求の範囲を考慮したときの、種々の実施形態の以下の記載から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
最初に図1〜図9を参照すると、参照数字30によって指摘されている複合サンドイッチ体は、1対の外側表面シート34,36間に挟まれ、そしてこれら外側表面シート34,36に接合されている補強コア32を備えている。表面シート34,36の各々は、エポキシバインダ(binder)中に保持されている、クロス(cloth)または他の形態のグラファイトファイバ(graphite fibers)の如き、繊維強化ポリマー樹脂の複数の層38を備えることができる。
【0036】
補強コア32は、発泡体の軽量で低密度の層46を備えることができるキャリヤ(carrier)内に保持された補強トラス33を備えることができる。発泡体の層46は、限定するものではないが、商標名ロハセル(ROHACELL)(登録商標)により知られているポリメタクリルイミド(PMI:polymethacrylimide)硬質独立気泡発泡体を備えることができる。ロハセル(ROHACELL)(登録商標)は異なる密度及び厚さで商業的に入手可能であり、比較的低い線状の熱膨張率を有する。発泡体の層46は、コア32の製造中にトラス33を定位置に保持するように機能し、また、ある程度の構造的強度をコア32に付加することができる。
【0037】
補強トラス33は、図3中において最も良く見られるように、予め選定されたピッチ“x”及び“y”を用いて互いに規則的に離間されることができる複数の群42に配置されている複数の構造ピン40の配列(array)を備えることができる。1つの実施形態において、“x”及び“y”ピッチは等しく、複数の群42を対角線軸44に沿って整列させる正方ピッチになっている。
【0038】
図5〜図8中において最も良く見られるように、ピン40は、各群42において中心軸50の周りに対称的に配置されており、互いに実質的に等間隔で周方向に離間されている。複数のピン40の各々は、表面シート34,36の平面に対して傾斜している中間部40aと、表面シート34,36に対し実質的に平行に延びている末端部40b,40cと、を含んでいる。ピン40の中間部40aは、一実施形態において約30度とすることができ他の角度も可能である角度φ(図4)で垂直方向から傾斜されている。各群42における複数のピン40は、中間部40aが互いに交差し、かつ中心軸50と位置合わせされているノード52の周りに鳥の巣状に配置されるよう、配置されている。4本のピン40が採用されることができるが、図9中に示されている別の実施形態42aは、ノード52の周りに等距離に周方向に離間している3本の構造ピン40を採用している。
【0039】
図4中において最もよく見られるように、1つの実施形態において、末端部40b,40cは、それぞれ、表面シート34,36の内側面に対し平行に延びており、かつ上記内側面に接合されている。図10中に示されているように、末端部40b,40cの長さ“L”は具体的な用途に依存するが、1つの実施形態においては長さ“L”は、ピン40の直径の約4〜6倍とすることができる。後により詳細に述べるように、長さ“L”はコア32を製造する為に用いられる製造工程によって決めることができる。
【0040】
1つの実施形態において、ピン40は、エポキシバインダ(epoxy binder)中に保持されたポリマー押出しグラファイト(poltruded graphite)により形成することができる。表面シート34,36がコア32に接合された時、ピン40の末端部40b,40cにおけるエポキシバインダは、隣接する表面シートの層34aから移動(migrates)したエポキシバインダ48と融合し(図10)、その結果、ピン40の端部は表面シート34,36の一部に接合されて上記表面シートの一部を形成する。或いは、末端部40b,40c(例えば、図11の40cを参照)は、表面シート34,36の隣接した層34a,34bの間に接合されてもよく、それによって、ピン40の端部を表面シート34,36内に固定する。表面シート34,36との末端部40b,40cの接合を向上するために、コア32と表面シート34,36との間にドライフィルム接着剤(dray film adhesive)が載置される。ピン40におけるエポキシバインダ,ドライフィルム接着剤,そして表面シート34,36は、硬化工程中に同じ硬化温度でそれらが融合するという、これらの調和性のために選択されるべきである。上記ドライフィルムの量及び種類は、完成した構造の強度に著しく影響を及ぼす可能性がある。
【0041】
以下に論じるように、トラス33を含んでいるコア32を特徴づけている特定のパラメータの値の選択は、様々な用途の要件に合致するように容易に調整することのできる特定の耐久性及び信頼性のあるサンドイッチ構造30を提供する。サンドイッチ構造30を構成するにあたり特に重要なパラメータは、キャリヤ(carrier)の発泡体46の種類,ピン40の直径,ピン40の(垂直方向からの)配向角φ,複数のピン40の相互間の間隔,ピン40の露呈高さ(reveal height)(“L”),各ピン群42における複数のピン40の個数,そして複数のピン40を製造するのに用いられた材料の具体的な種類を含む。
【0042】
図12は、補強されていないコアを採用しているサンドイッチ構造と比較した2つの実施形態の優れた構造特性を図示している。曲線60及び64は、それぞれ、12及び6.9ポンド/立方フィートの発泡体密度を使用している開示された実施形態に従っている補強コアを採用しているサンドイッチ構造30の為の温度の関数としてのせん断強度を示している。対照的に、62及び66により指摘されている曲線は、それぞれ、12及び6.9ポンド/立方フィートの補強されていないロハセル(ROHACELL)(登録商標)発泡体を使用している1/2インチコアの為のせん断強度を示す。図12中に示されている試験結果から明らかなように、補強コア32を採用している開示されている実施形態は、同じ密度の補強されていないコアと比較して優れたせん断強度を発揮する。
【0043】
図13及び図14を参照すると、適切な接合強度を確保しそしてコア32の割れやコア32の他の劣化を避けるとともに、サンドイッチ構造30の為の実質的に向上された構造特性を提供するのに用いることができるサンドイッチ構造30のパラメータを特定するのに使用された一連の試験が実行されている。図13中の試験結果の曲線を解析するためのキー(key)が図14中に示されている(図14中では:pcfは、ポンド/立方フィートであり;″はインチであり;diaは、直径であり;deg angleは、角度であり;densityは、密度であり;そして、rev highは、露呈高さである)。例えば、サンドイッチ構造は、図13中の曲線“A”によって表された試験結果をもたらした様々なパラメータの値を用いて製造されている。曲線“A”によって表されている特定の実施形態は、12.08ポンド/立方フィート(pounds per cubic foot)の密度で1/2インチの厚さを有しているコア32と、0.020インチの直径を有し垂直に対して35度傾斜し0.080インチの露呈高さ(reveal height)(“L”)及び8.8のピン密度を有している複数のピン40と、を含んでいた。図13中に示されている試験結果を用いると、図15中に示されているように、様々な用途のためのパラメータ群の値が明らかになった。これらのパラメータは、コア密度68,コア厚さ70,ピン径72,垂直からのピン角度74,ピン間隔(ピッチ)76,ピン露呈長さ(pin reveal length)78,ノード当たりのピンの数80,そして発泡体のキャリヤ82の種類を含む。所望の発泡体密度は、6.9と12ポンド/立方フィートとの間にわたる。コア厚さは1/2から1インチにわたり、その間のピン径は0.02と0.028インチとの間である。好適なピン角度は約30度であり、複数のノード52の間の正方ピッチ間隔(square pitch spacing)は0.168から0.191インチにわたる。露呈高さ(reveal height)(“L”)は、約0.055インチである。1ノード当たり4本のピンが採用されていて、キャリヤ発泡体は51WF ロハセル(ROHACELL)(登録商標)の如きPMIである。
【0044】
図15中に示されているパラメータの値を用いて、複数のサンドイッチのサンプルに対し一連の試験が行なわれ、それらの結果が図16〜図23中に示されている。図16は、ASTM C−393に従った3点曲げせん断強度試験(three point bend shear strength test)を用いて、1/2インチのコア32を有している様々なサンドイッチ構造30に対して実行された複数の試験の結果を示している。ASTM C−393は、加えられたモーメントがサンドイッチの対面している平面(sandwich facing planes)の湾曲を生じさせるような撓みにさらされた平坦なサンドイッチ構造のコアせん断特性(core shear properties)を決定するのに用いられる標準化されている試験である。グラフ(graph)86は、6.9ポンド/立方フィートの密度を有しているトラス補強コア32の3つの実施形態の試験結果を表しており、グラフ84は、ロハセル(ROHACELL)(登録商標)発泡体を備えている補強されていないコアを用いた試験結果を表している。これらの試験結果は、温度の関数としてのポンド/平方インチによる平均せん断強度(average shear strength)に関して提供されている。
【0045】
図16中に示されている試験結果によって表されているサンプルは、ASTM C365に従った平面方向(flat-wise)圧縮強度試験も受けており、図17中に示されている試験結果となっている。図17中の試験結果は、温度の関数としてのポンド/平方インチ(pounds per square inch)による圧縮強度に関して提供されている。図18及び図19は図16及び図17と同様の試験結果を示しているが、12ポンド/立方フィートの密度を採用している試験サンプルの場合である。
【0046】
図20及び図21は、3/4インチ厚のコア32及び6.9ポンド/立方フィートの密度を有しているサンプルの比較試験結果を提供している。同様に、図22及び図23は、3/4インチ厚のコア及び12ポンド/立方フィートの密度を有しているサンプルの試験結果を提供している。
【0047】
図16〜図23中に示されているグラフによって表されている試験結果から明らかなように、図15中に列挙されている範囲内のパラメータの値を採用している複数の試験サンプルは、補強されていないコアを伴っているサンドイッチ構造と比較して実質的に優れたせん断強度及び圧縮強度を呈する。
【0048】
今度は同時に図24〜図26を参照すると、複合サンドイッチ体30を製造する方法は、グラファイトファブリック(graphite fabric)またはエポキシの如きポリマー樹脂が染み込まされているグラファイトファイバ(graphite fiber)の他の形態を備えることができるプリプレグ(prepreg)を使用している表面シート34,36を積層することを伴う工程88で始まる。他の実施形態においては、表面シート34,36は、ドライファブリック(dry fabric)または仮縫いされたファブリック(tacked fabric)のプリフォーム(preform)中に樹脂を注入する(infusing)ことによって製造することができる。次いで、工程90において、表面シート34,36の畝がなくされる(debauked)。そして、工程92において、ドライフィルム接着剤が表面シート34,36に適用され、上記積層体が再び畝をなくされる(debauked)。
【0049】
これとは別に、以下の工程96〜112によりコア32が準備される。工程96で始まって、金型及び樹脂浴(resin bath)を介して微細炭素繊維を引っ張ることを備えている、グラファイト/エポキシのポリマー押出し(poltruding)によってピン材料が作成される。上記ピン材料は、工程98において、部分的に硬化され、そしてスプール上に巻き取られる。工程100において、グラファイト/エポキシのピン40は、3次元格子パターンでPMIの発泡体46の層内に挿入される。このピン挿入工程は、限定するものではないが、プログラムされているコンピュータによって操作される自動化されたツールヘッド(tool head)を含む市販化されている装置(図示しない)を使用して実行することができる。上記挿入ヘッドは、垂直からのいかなる所望の角度から上記ピン材料を挿入し、そして、この挿入に続いて、一定の長さが自動的に切断され、所望の露呈高さ(reveal height)“L”が発泡体の層46の上面及び底面において露出されるように挿入深さが調節される。複数のピン40が、中心軸50の周りに割り振られている複数の軌道に沿って挿入される。図24は、発泡体の層46中に挿入された直後の複数のピン40の1つを示していて、末端部40cが露呈高さ(reveal height)“L”に応じて発泡体の層46の上面の上方に伸びている。
【0050】
次に、工程102において、末端部40b,40cが図25中に示されている工程で解され(flayed)、そして折り曲げられ、ここにおいては、ホットプレスプラテン(hot press platen)47が下方へ移動して末端部40cに接触し、複数のファイバを折り曲げ、そしてエポキシバインダを部分的に溶融させ、その結果として上記複数のファイバを分離し発泡体の層46の外表面に対し平行に広げる。ピン40は、多数の微細ファイバとポリマー押出しされた樹脂(poltruded resin)とを備えているので、上記ホットプレスプラテンによってピン40の上記末端部に圧力が加えられた時、上記末端部における複数のファイバは、1つのまとまりとして折り曲げられる代わりに、扇の如く開かれる。工程108は発泡体の層46内でのトラス33の形成の完了を表している。
【0051】
発泡体の層46は、工程104に示されている如く購入品として調達することができるし、あるいは製造されることが出来、それに続いて発泡体の層46は工程106において熱処理される。発泡体の層46の熱処理は、発泡体が大気中の水分を吸収する傾向を有しているいくつかの場合において追加的に要求できる。発泡体の層46の熱処理は、水分を除去するとともに、発泡体の層46がピン40をより良く支持し、かつコア32の為にある程度の構造的強度を与えるように発泡体の層46の機械的強度を向上させることができる。
【0052】
工程108においてトラス33が発泡体の層46内に形成された状態で、コア32は次に、トラス33を硬化させるために、工程110において熱処理される。工程110における熱処理は、部分的に硬化されている構造ピン40の完全な硬化という結果になる。予備成形されているコア32は次に工程112において乾燥される。工程112における乾燥は、最終的な乾燥および積層前乾燥サイクルが後に続く最初の乾燥工程を含むことができる。この2段階乾燥サイクルの目的は、予備成形されているコア32中のいかなる残留水分をも除去することと、補強トラス33が完全に硬化されることを確実にすることである。最初の乾燥工程は、予め定められたスケジュールに従って時間とともに温度を連続的に上昇させることを備えていてもよいが、正確なスケジュールは用途による。最終的な乾燥工程は、コア32を一定時間一定の温度に、例えば、1つの実施形態においては、8〜24時間華氏250度の温度に、さらすことを含む。
【0053】
工程94では、完全に形成され、かつ硬化されたコア32が表面シート34上に置かれ、次にドライフィルム接着剤の層がコア32の残りの露出されている表面に適用される。ドライフィルム接着剤は、例えば、サイテック(Cytec)から入手可能なFM300フィルム接着剤として市場で知られている華氏350度硬化エポキシフィルム接着剤を備えることができる。工程114における畝の除去(debaulking)に引き続き、工程116中に示されているように、第2の表面シート36がコア32の露出されている残りの表面に適用される。最後に、工程118において、サンドイッチ構造30が圧縮され、そして硬化される。
【0054】
開示された実施形態は、種々の潜在的な用途、特に、例えば、航空宇宙用途及び自動車用途を含む輸送業界、において使用を見出すことができる。従って、今度は図27及び図28を参照すると、開示されている実施形態は、図27中に示されているような航空機製造及びサービス方法120および図28中に示されているような航空機136の関連で用いることができる。開示されている実施形態の航空機用途は、例えば、限定するものではないが、胴体外皮(fuselage skins),翼外皮(wing skins),操縦翼面(control surfaces),ハッチ(hatch),床パネル,ドアパネル,アクセスパネル(access panel),そして尾翼(empennage)からその他多数の複合補強部材までを含んでもよい。試作段階において、例示的な方法120は、航空機136の仕様及び設計122と材料の調達124とを含んでもよい。製造中には、構成部材(component)及びサブアセンブリの製造126と、航空機136のシステム統合(system integration)128とが行われる。その後、航空機136は、就航(in service)132させるために、認証(certification)及び搬送(delivery)130が行われる。顧客による使用中、航空機136は定期的な維持管理(maintenance)及び点検修理(service)134の予定が組まれる(この予定には、改造(modification),再構成(reconfiguration),再磨き(refurbishment),そしてその他も含んでよい)。
【0055】
本発明の好適な方法は、航空機の胴体の支持フレーム構造における熱可塑性複合補強部材を形成するのに良く適している。熱可塑性複合補強部材の潜在的な例は、限定するものではないが、胴体外皮,翼部外皮,操縦翼面,ドアパネル,そしてアクセスパネルを含む。補強部材は、限定するものではないが、キールビーム(keel beam),床ビーム(floor beam),そしてデッキビーム(deck beam)を含む。単に例示することを目的として、本発明は、当初は、民間用航空機胴体において使用される熱可塑性複合床ビーム20を形成することに関して説明される。しかしながら、I字状断面が示されているが、Z字状断面,U字状断面,T字状断面,その他の如き補強部材幾何形状も、それらの長さに沿う湾曲を有しているものも含め、後述する。
【0056】
方法120の複数の工程の各々は、システム統合者(system integrator),第3者(third party),及び/又は運用者(operator)(例えば、顧客)によって実行または実施されることができる。この説明の目的のために:システム統合者は、限定するものではないが、どのような数の航空機製造会社及び主なシステム下請け業者(subcontractor)を含むことができ;第3者は、限定するものではないが、どのような数の販売業者(vender),下請け業者(subcontractor),そして供給業者(supplier)を含むことができ;そして、運用者は、航空会社(airline),リース会社(leasing company),軍隊(military entity),サービス組織(service organization)などであることができる。
【0057】
図28中に示されているように、例示的な方法120によって製造された航空機136は、複数のシステム(system)142及びインテリア(interior)140を伴っている機体138を含むことができる。高水準システム142の例は、推進システム148,電気系統(electrical system)144,油圧系統(hydraulic system)150,そして環境システム(environmental system)146のうちの1つ又はそれ以上を含む。どのような数の他のシステムも含ませることができる。航空宇宙の例が示されたが、本発明の原理は、自動車産業の如き他の産業にも適用されることができる。
【0058】
ここにおいて具体化されている装置は、製造及びサービス方法120の1つ又はそれ以上のいかなる段階においても採用されることができる。例えば、製造工程126に対応している構成部材(component)又はサブアセンブリは、航空機136が就航中に行なわれる構成部材(component)又はサブアセンブリと同様に組み立て又は製造されることができる。また、1つ又はそれ以上の装置の実施形態は、例えば航空機136の組立てを実質的に早めることにより、または、航空機126のコストを実質的に低減することにより、製造段階126及び128の間に利用することができる。同様に、航空機136が稼働中に、例えば、限定するものではないが、維持管理(maintenance)及び点検修理(service)134の間に、1つ又はそれ以上の装置の実施形態を利用することができる。
【0059】
開示された複数の実施形態は、いくつかの例示的な実施形態に関して説明されていたが、当業者には他の変形例が思い浮かぶように、具体的な実施形態は例示目的であり限定のためではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】1つの実施形態に従っている、補強コアを有している複合サンドイッチ体の断面図である。
【図2】図1中に示されているコアの補強トラス形成部分の等角斜視図である。
【図3】図2中に示されている方向3−3で見たトラスの平面図である。
【図4】図1中に示されている複合サンドイッチ体の拡大された断面図である。
【図5】図2中に示されているコアにおいて使用されている複数のピンの1つの群の等角斜視図である。
【図6】図5中に示されている方向6−6における図である。
【図7】図6中に示されている方向7−7における図である。
【図8】図6中に示されている方向8−8における図である。
【図9】3本のピンを採用している1つのピン群の別の構造を示している図6と同様な図である。
【図10】図1中に示されているサンドイッチ構造において表面シートに接合されているピンの末端部を示している断面図である。
【図11】表面シートの隣接する複数の層の間に接合されているピンの末端部を示している図10と同様な図である。
【図12】補強されていない発泡体コアと比較した、補強コアを採用しているサンドイッチ構造のせん断強度における改善を図示しているグラフである。
【図13】開示されている実施形態を含んでいる、サンドイッチ構造のせん断強度を決定するのに使用された3点曲げ試験の結果を示しているグラフである。
【図14】図13中に示されているグラフを解析するのに使用されるキー(key)である。
【図15】開示されている実施形態を特徴付けているキーパラメータの値を示している表である。
【図16】補強されていない発泡体コアを採用しているサンドイッチ構造と比較した、サンドイッチ構造の種々の実施形態において為された試験の1つ結果を示すグラフである。
【図17】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図18】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図19】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図20】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図21】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図22】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図23】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図24】複数のピンが発泡体コア中に挿入されピンの末端部が補強コアから突出していてピンが解される前である、製造方法における中間工程を示している断面図である。
【図25】加熱されたプラテンがピンの末端部を折り曲げ、そして解す、前記製造方法におけるもう1つの工程を示している。
【図26】前記複合サンドイッチ体を製造する方法を図示している流れ図である。
【図27】航空機製造及びサービス手順の流れ図である。
【図28】航空機のブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
30…複合サンドイッチ体、32…補強コア、33…補強トラス、34…外側表面シート、34a,34b…層、36…外側表面シート、38…複数の層、40…構造ピン、40a…中間部、40b,40c…末端部、42…群、42a…別の実施の形態、44…対角軸、46…発泡体の層、47…ホットプレスプラテン、48…エポキシバインダ、50…中心軸、52…ノード、60,62,64,66…曲線、68…コア密度、70…コア厚さ、72…ピン径、74…垂直方向からのピン角度、76…ピン間隔(ピッチ),78…ピン露呈長さ、80…ノード当たりのピンの数、82…発泡体のキャリヤ、84,86…グラフ、120…航空機製造及びサービス方法、122…仕様及び設計、124…材料の調達、126…構成部材及びサブアセンブリの製造、128…システム統合、130…認証及び搬送、132…就航、134…維持管理及び点検修理、136…航空機、138…機体、140…インテリア、142…システム、144…電気系統、146…環境システム、148…推進システム、150…油圧系統。
【技術分野】
【0001】
この開示は大略的には複合構造に関係しており、そしてより詳細には、補強されたコアを有している複合サンドイッチ体、そして複合サンドイッチ体を製造する方法に関係している。
【背景技術】
【0002】
複合サンドイッチ構造は、2つの表面シート間に接合されているコアの内部に構造的な補強を設けることによって強固にされえる。コア補強は、表面シート間で圧縮,引張,そしてせん断荷重を伝達する為の荷重経路を規定する構造要素を含むことができる。上記複合サンドイッチの性能は、コア補強の形式と、上記コアと上記表面シートとの間の接合の品質とに、ある程度依存している。上記コアにおいて使用されている一般的な材料は、硬質(rigid)プラスチック発泡体及びハニカム(honeycomb)を含む。ハニカムコアは良好な構造的効率を発揮する一方で、それらは、例えば、コアと周囲環境との間に差圧が生じる可能性のある、長期間の宇宙飛行のような、いくつかの用途においては、より高いコア対表面シート間荷重にさらされる可能性がある。
【0003】
補強されていない独立気泡硬質発泡体コアは、水分やより高い温度、あるいは宇宙空間における極低温にさらされた時に、低い構造的効率を発揮する可能性がある。
【0004】
上述したサンドイッチ構造に関連している問題は、四辺形トラスネットワーク(truss network)に配置された複数の小径のポリマー押出し(poltruded)炭素繊維/エポキシピンで補強された軽量の独立気泡ポリメタクリルイミド(PMI:polymethacrylimide)発泡体を備えている、いわゆるX−COR構造コアの導入によって部分的に解決されている。上記X−CORピンは、上記発泡体を越えて延びていて、上記表面シート内に埋め込まれている。X−CORコアの変種が、2001年9月18日に発行された米国特許第6,291,049号(特許文献1)中に開示されており、ここにおいて上記ピンの端部が折り曲げられていてコアが接合される表面シートに対して平坦に横たわっている。
【0005】
炭素繊維/エポキシピンを採用している上述したトラスネットワークは、幾つかの航空宇宙用途においては十分な性能を提供しない可能性がある。従って、表面シートとコアとの間に優れた接合強度が要求されている航空宇宙用途に適している、補強されたコアを有している複合構造が必要とされている。
【特許文献1】米国特許第6,291,049号
【発明の開示】
【0006】
開示の種々この実施形態は、コアの構造的な一体性が維持されていることを確実にしている間に向上された表面シート対コアの接合強度が達成されている、複合サンドイッチ構造を提供する。このサンドイッチ構造において使用されている構造及び材料の選択は、コアと周囲の環境との間に差圧が生じることがある長期間の宇宙飛行を含む、航空宇宙用途の為に適したものである。開示されている実施形態により提供された向上された接合強度は、幅の広い範囲の温度及び水蒸気の状況において維持されえる。
【0007】
一実施形態に従えば、複合サンドイッチ体は:第1及び第2の繊維強化ポリマー表面シートと;そして、上記第1及び第2の表面シートとの間の補強コアと、を備えている。上記コアは、トラスを形成している複数の群に配置された複数のピンと、そして、上記複数のピンを取り囲んでいるキャリヤと、を含む。上記複数のピンの各々は、上記表面シートの間に伸びている中間部と、上記表面シートに対し略平行に延びているとともに上記表面シートに対し接合されている末端部と、を含む。各群内における上記複数のピンは、上記表面シートの一方に隣接するノードにおいて交差する。
【0008】
上記複数のピン及び表面シートは、炭素繊維で強化されたエポキシの如き樹脂を備えることができ、その結果、上記コアのトラスの熱膨張率は、上記表面シートの熱膨張率と実質的に等しい。上記複数の群の各々における上記複数のピンの末端部は、ノードから外側に放射状に広がり、そして上記複数のノードは互いに実質的に等距離離間することができる。上記ピンの複数の群は、上記表面シートの平面に対し傾斜している少なくとも3つのピンを含む。上記キャリヤは、上記表面シートの熱膨張率と略一致している熱膨張率を有している、ポリメタクリルイミド(polymethacrylimide)の如き硬質で低密度な独立気泡発泡体を含むことができる。上記キャリヤ発泡体及びグラファイト/エポキシポリマー押出しロッド格子構造(graphite/epoxy poltruded rod lattice structure)を備えている補強コアは、約6.9と約12ポンド/立方フィート(pounds per cubic foot)との間の密度を有することができ、上記コアは、0.5と1インチとの間の厚さを有することができ、ここにおいて上記ノードは0.168と0.191インチとの間で互いに離間している。
【0009】
もうひとつの実施形態に従えば、強化ポリマー複合構造は:1対の繊維強化ポリマー表面シートと、そして、これら表面シート間の補強コアと、を備えている。上記補強コアは、その中で複数の群に配置されている複数の構造ピンを含むことができ、そこにおいて上記複数の群の各々における上記複数のピンは、互いに交差して接触していて、上記表面シートに対して略直角に延びている中心軸の周りに離間している。上記複数の群の各々における上記複数のピンは、上記中心軸の周りに対称的に配置されることができ、そして上記表面シートに対し実質的に平行に延びているとともに上記表面シートに接合されている末端部を含むことができる。
【0010】
方法の実施形態に従えば、強化複合サンドイッチ体は:発泡体の層を形成し、そして上記発泡体の層内に、交差している複数の構造ピンの複数の群を形成することによってコアを製造する工程と;上記複数のピンの端部を折り曲げる工程と;そして、上記複数のピンの折り曲げられた端部を1対の繊維強化表面シートに接合する工程と、を備えていることにより製造されえる。前記複数のピンの前記複数の群は、前記複数のピンを略交差する軌道に沿って上記発泡体の層内に挿入することによって形成することができる。上記方法はさらに:ある長さのグラファイトエポキシ複合材料をポリマー押出しする(poltruding)工程と;上記ある長さのグラファイトエポキシ材料を部分的に硬化させる工程と;そして、上記ある長さのグラファイトエポキシ材料を切断することによって上記複数のピンを形成する工程と、をさらに含むことができる。
【0011】
複合サンドイッチ体は:
第1及び第2の繊維強化ポリマー表面シートと;そして、
上記第1の及び第2の表面シートの間の補強コアと、を備えていて、
この補強コアは、
(i)トラスを形成している複数の群に配置され、各々が、上記第1及び第2の表面シートとの間に延びている中間部と、上記第1及び第2の表面シートと略平行に延びているとともに上記第1及び第2の表面シートに接合されている末端部と、を含んでおり、各群内において上記第1及び第2の表面シートの一方に隣接するノードにおいて交差する複数のピンと、そして、
(ii)上記複数のピンを取り囲んでいるキャリヤと、
を含んでいる。
【0012】
上記複合サンドイッチ体では、上記複数の群の各々における上記複数のピンが、上記表面シートの平面に対して約30度傾斜されている。
【0013】
上記複合サンドイッチ体では、上記硬質発泡体がポリメタクリルイミド(polymethacrylimide)を含む。
【0014】
上記複合サンドイッチ体では、上記キャリヤが独立気泡発泡体であり、上記コアが約6.9と12ポンド/立方フィート(pounds per cubic foot)との間の密度を有する。
【0015】
上記複合サンドイッチ体では、上記コアが約1/2と1インチとの間の厚さを有する。
【0016】
上記複合サンドイッチ体では、複数の上記ノードが約0.168と0.191インチとの間で互いに離間されている。
【0017】
航空機構造が上記複合サンドイッチ体を組み込んでいる。
【0018】
強化ポリマー複合構造は:
1対の繊維強化ポリマー表面シートと;そして、
上記表面シート間の補強コアと、
を備えており、
上記補強コアは、その中で複数の群に配置されている複数の構造ピンを含んでいて、上記複数の群の各々における複数のピンは、実質的に互いに交差しているとともに上記表面シートに対して略直角に延びている中心軸の周りに離間している。
【0019】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数の群の各々における上記複数のピンが、上記中心軸の周りに対称的に配列されている。
【0020】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピンの各々が、上記表面シートに対して実質的に平行に延びているとともに上記表面シートに接合されている末端部を含む。
【0021】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピンの各々の群が、少なくとも3本のピンを含む。
【0022】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピン及び上記表面シートが、エポキシバインダ(epoxy binder)中に保持されているグラファイトファイバ(graphite fiber)で形成されている。
【0023】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記コアが、上記表面シートの各々の熱膨張率に略一致している熱膨張率を有している。
【0024】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピンの各々が、上記表面シートの平面に対して約30度の角度で傾斜している。
【0025】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記第1及び第2の表面シートの各々が、炭素繊維強化樹脂の積層された複数の層を含み、そして、上記複数のピンが、上記表面シートに対して実質的に平行に延びているとともに上記複数の層間に接合されている。
【0026】
上記強化ポリマー複合構造においては:
上記複数のピンの夫々が、上記表面シートに対し略横断して延びている中間部と、そして、上記表面シートに対して略平行に延びている末端部とを含んでおり;そして、
上記複数の群の各々における上記複数のピンが、大略的に上記複数のピンの中間部と末端部との間の合流点(junction)において互いに交差する。
【0027】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数の群の各々における上記複数のピンが、上記中心軸の周りに対称に配置されているとともに上記中心軸から放射状に広がっている末端部を含む。
【0028】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記コアが、略6.9と12ポンド/立方フィート(pounds per cubic foot)との間の密度を有する。
【0029】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記コアの厚さが、略1/2と1インチとの間である。
【0030】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピンの各々がグラファイトファイバ強化エポキシを含み、そして約0.020と0.028インチとの間の直径を有する。
【0031】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記複数のピンの隣接する複数の群の複数の中心軸が、約0.169と0.191インチとの間で互いに離間している。
【0032】
上記強化ポリマー複合構造においては、上記コアが、上記複数のピンを取り囲んでいるポリメタクリルイミド(polymethacrylimide)発泡体を含む。
【0033】
航空機サブアセンブリが上記強化ポリマー複合構造を組み込んでいる。
【0034】
開示されている種々の実施形態の他の特徴、効果、そして利点は、添付の図面及び添付の特許請求の範囲を考慮したときの、種々の実施形態の以下の記載から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
最初に図1〜図9を参照すると、参照数字30によって指摘されている複合サンドイッチ体は、1対の外側表面シート34,36間に挟まれ、そしてこれら外側表面シート34,36に接合されている補強コア32を備えている。表面シート34,36の各々は、エポキシバインダ(binder)中に保持されている、クロス(cloth)または他の形態のグラファイトファイバ(graphite fibers)の如き、繊維強化ポリマー樹脂の複数の層38を備えることができる。
【0036】
補強コア32は、発泡体の軽量で低密度の層46を備えることができるキャリヤ(carrier)内に保持された補強トラス33を備えることができる。発泡体の層46は、限定するものではないが、商標名ロハセル(ROHACELL)(登録商標)により知られているポリメタクリルイミド(PMI:polymethacrylimide)硬質独立気泡発泡体を備えることができる。ロハセル(ROHACELL)(登録商標)は異なる密度及び厚さで商業的に入手可能であり、比較的低い線状の熱膨張率を有する。発泡体の層46は、コア32の製造中にトラス33を定位置に保持するように機能し、また、ある程度の構造的強度をコア32に付加することができる。
【0037】
補強トラス33は、図3中において最も良く見られるように、予め選定されたピッチ“x”及び“y”を用いて互いに規則的に離間されることができる複数の群42に配置されている複数の構造ピン40の配列(array)を備えることができる。1つの実施形態において、“x”及び“y”ピッチは等しく、複数の群42を対角線軸44に沿って整列させる正方ピッチになっている。
【0038】
図5〜図8中において最も良く見られるように、ピン40は、各群42において中心軸50の周りに対称的に配置されており、互いに実質的に等間隔で周方向に離間されている。複数のピン40の各々は、表面シート34,36の平面に対して傾斜している中間部40aと、表面シート34,36に対し実質的に平行に延びている末端部40b,40cと、を含んでいる。ピン40の中間部40aは、一実施形態において約30度とすることができ他の角度も可能である角度φ(図4)で垂直方向から傾斜されている。各群42における複数のピン40は、中間部40aが互いに交差し、かつ中心軸50と位置合わせされているノード52の周りに鳥の巣状に配置されるよう、配置されている。4本のピン40が採用されることができるが、図9中に示されている別の実施形態42aは、ノード52の周りに等距離に周方向に離間している3本の構造ピン40を採用している。
【0039】
図4中において最もよく見られるように、1つの実施形態において、末端部40b,40cは、それぞれ、表面シート34,36の内側面に対し平行に延びており、かつ上記内側面に接合されている。図10中に示されているように、末端部40b,40cの長さ“L”は具体的な用途に依存するが、1つの実施形態においては長さ“L”は、ピン40の直径の約4〜6倍とすることができる。後により詳細に述べるように、長さ“L”はコア32を製造する為に用いられる製造工程によって決めることができる。
【0040】
1つの実施形態において、ピン40は、エポキシバインダ(epoxy binder)中に保持されたポリマー押出しグラファイト(poltruded graphite)により形成することができる。表面シート34,36がコア32に接合された時、ピン40の末端部40b,40cにおけるエポキシバインダは、隣接する表面シートの層34aから移動(migrates)したエポキシバインダ48と融合し(図10)、その結果、ピン40の端部は表面シート34,36の一部に接合されて上記表面シートの一部を形成する。或いは、末端部40b,40c(例えば、図11の40cを参照)は、表面シート34,36の隣接した層34a,34bの間に接合されてもよく、それによって、ピン40の端部を表面シート34,36内に固定する。表面シート34,36との末端部40b,40cの接合を向上するために、コア32と表面シート34,36との間にドライフィルム接着剤(dray film adhesive)が載置される。ピン40におけるエポキシバインダ,ドライフィルム接着剤,そして表面シート34,36は、硬化工程中に同じ硬化温度でそれらが融合するという、これらの調和性のために選択されるべきである。上記ドライフィルムの量及び種類は、完成した構造の強度に著しく影響を及ぼす可能性がある。
【0041】
以下に論じるように、トラス33を含んでいるコア32を特徴づけている特定のパラメータの値の選択は、様々な用途の要件に合致するように容易に調整することのできる特定の耐久性及び信頼性のあるサンドイッチ構造30を提供する。サンドイッチ構造30を構成するにあたり特に重要なパラメータは、キャリヤ(carrier)の発泡体46の種類,ピン40の直径,ピン40の(垂直方向からの)配向角φ,複数のピン40の相互間の間隔,ピン40の露呈高さ(reveal height)(“L”),各ピン群42における複数のピン40の個数,そして複数のピン40を製造するのに用いられた材料の具体的な種類を含む。
【0042】
図12は、補強されていないコアを採用しているサンドイッチ構造と比較した2つの実施形態の優れた構造特性を図示している。曲線60及び64は、それぞれ、12及び6.9ポンド/立方フィートの発泡体密度を使用している開示された実施形態に従っている補強コアを採用しているサンドイッチ構造30の為の温度の関数としてのせん断強度を示している。対照的に、62及び66により指摘されている曲線は、それぞれ、12及び6.9ポンド/立方フィートの補強されていないロハセル(ROHACELL)(登録商標)発泡体を使用している1/2インチコアの為のせん断強度を示す。図12中に示されている試験結果から明らかなように、補強コア32を採用している開示されている実施形態は、同じ密度の補強されていないコアと比較して優れたせん断強度を発揮する。
【0043】
図13及び図14を参照すると、適切な接合強度を確保しそしてコア32の割れやコア32の他の劣化を避けるとともに、サンドイッチ構造30の為の実質的に向上された構造特性を提供するのに用いることができるサンドイッチ構造30のパラメータを特定するのに使用された一連の試験が実行されている。図13中の試験結果の曲線を解析するためのキー(key)が図14中に示されている(図14中では:pcfは、ポンド/立方フィートであり;″はインチであり;diaは、直径であり;deg angleは、角度であり;densityは、密度であり;そして、rev highは、露呈高さである)。例えば、サンドイッチ構造は、図13中の曲線“A”によって表された試験結果をもたらした様々なパラメータの値を用いて製造されている。曲線“A”によって表されている特定の実施形態は、12.08ポンド/立方フィート(pounds per cubic foot)の密度で1/2インチの厚さを有しているコア32と、0.020インチの直径を有し垂直に対して35度傾斜し0.080インチの露呈高さ(reveal height)(“L”)及び8.8のピン密度を有している複数のピン40と、を含んでいた。図13中に示されている試験結果を用いると、図15中に示されているように、様々な用途のためのパラメータ群の値が明らかになった。これらのパラメータは、コア密度68,コア厚さ70,ピン径72,垂直からのピン角度74,ピン間隔(ピッチ)76,ピン露呈長さ(pin reveal length)78,ノード当たりのピンの数80,そして発泡体のキャリヤ82の種類を含む。所望の発泡体密度は、6.9と12ポンド/立方フィートとの間にわたる。コア厚さは1/2から1インチにわたり、その間のピン径は0.02と0.028インチとの間である。好適なピン角度は約30度であり、複数のノード52の間の正方ピッチ間隔(square pitch spacing)は0.168から0.191インチにわたる。露呈高さ(reveal height)(“L”)は、約0.055インチである。1ノード当たり4本のピンが採用されていて、キャリヤ発泡体は51WF ロハセル(ROHACELL)(登録商標)の如きPMIである。
【0044】
図15中に示されているパラメータの値を用いて、複数のサンドイッチのサンプルに対し一連の試験が行なわれ、それらの結果が図16〜図23中に示されている。図16は、ASTM C−393に従った3点曲げせん断強度試験(three point bend shear strength test)を用いて、1/2インチのコア32を有している様々なサンドイッチ構造30に対して実行された複数の試験の結果を示している。ASTM C−393は、加えられたモーメントがサンドイッチの対面している平面(sandwich facing planes)の湾曲を生じさせるような撓みにさらされた平坦なサンドイッチ構造のコアせん断特性(core shear properties)を決定するのに用いられる標準化されている試験である。グラフ(graph)86は、6.9ポンド/立方フィートの密度を有しているトラス補強コア32の3つの実施形態の試験結果を表しており、グラフ84は、ロハセル(ROHACELL)(登録商標)発泡体を備えている補強されていないコアを用いた試験結果を表している。これらの試験結果は、温度の関数としてのポンド/平方インチによる平均せん断強度(average shear strength)に関して提供されている。
【0045】
図16中に示されている試験結果によって表されているサンプルは、ASTM C365に従った平面方向(flat-wise)圧縮強度試験も受けており、図17中に示されている試験結果となっている。図17中の試験結果は、温度の関数としてのポンド/平方インチ(pounds per square inch)による圧縮強度に関して提供されている。図18及び図19は図16及び図17と同様の試験結果を示しているが、12ポンド/立方フィートの密度を採用している試験サンプルの場合である。
【0046】
図20及び図21は、3/4インチ厚のコア32及び6.9ポンド/立方フィートの密度を有しているサンプルの比較試験結果を提供している。同様に、図22及び図23は、3/4インチ厚のコア及び12ポンド/立方フィートの密度を有しているサンプルの試験結果を提供している。
【0047】
図16〜図23中に示されているグラフによって表されている試験結果から明らかなように、図15中に列挙されている範囲内のパラメータの値を採用している複数の試験サンプルは、補強されていないコアを伴っているサンドイッチ構造と比較して実質的に優れたせん断強度及び圧縮強度を呈する。
【0048】
今度は同時に図24〜図26を参照すると、複合サンドイッチ体30を製造する方法は、グラファイトファブリック(graphite fabric)またはエポキシの如きポリマー樹脂が染み込まされているグラファイトファイバ(graphite fiber)の他の形態を備えることができるプリプレグ(prepreg)を使用している表面シート34,36を積層することを伴う工程88で始まる。他の実施形態においては、表面シート34,36は、ドライファブリック(dry fabric)または仮縫いされたファブリック(tacked fabric)のプリフォーム(preform)中に樹脂を注入する(infusing)ことによって製造することができる。次いで、工程90において、表面シート34,36の畝がなくされる(debauked)。そして、工程92において、ドライフィルム接着剤が表面シート34,36に適用され、上記積層体が再び畝をなくされる(debauked)。
【0049】
これとは別に、以下の工程96〜112によりコア32が準備される。工程96で始まって、金型及び樹脂浴(resin bath)を介して微細炭素繊維を引っ張ることを備えている、グラファイト/エポキシのポリマー押出し(poltruding)によってピン材料が作成される。上記ピン材料は、工程98において、部分的に硬化され、そしてスプール上に巻き取られる。工程100において、グラファイト/エポキシのピン40は、3次元格子パターンでPMIの発泡体46の層内に挿入される。このピン挿入工程は、限定するものではないが、プログラムされているコンピュータによって操作される自動化されたツールヘッド(tool head)を含む市販化されている装置(図示しない)を使用して実行することができる。上記挿入ヘッドは、垂直からのいかなる所望の角度から上記ピン材料を挿入し、そして、この挿入に続いて、一定の長さが自動的に切断され、所望の露呈高さ(reveal height)“L”が発泡体の層46の上面及び底面において露出されるように挿入深さが調節される。複数のピン40が、中心軸50の周りに割り振られている複数の軌道に沿って挿入される。図24は、発泡体の層46中に挿入された直後の複数のピン40の1つを示していて、末端部40cが露呈高さ(reveal height)“L”に応じて発泡体の層46の上面の上方に伸びている。
【0050】
次に、工程102において、末端部40b,40cが図25中に示されている工程で解され(flayed)、そして折り曲げられ、ここにおいては、ホットプレスプラテン(hot press platen)47が下方へ移動して末端部40cに接触し、複数のファイバを折り曲げ、そしてエポキシバインダを部分的に溶融させ、その結果として上記複数のファイバを分離し発泡体の層46の外表面に対し平行に広げる。ピン40は、多数の微細ファイバとポリマー押出しされた樹脂(poltruded resin)とを備えているので、上記ホットプレスプラテンによってピン40の上記末端部に圧力が加えられた時、上記末端部における複数のファイバは、1つのまとまりとして折り曲げられる代わりに、扇の如く開かれる。工程108は発泡体の層46内でのトラス33の形成の完了を表している。
【0051】
発泡体の層46は、工程104に示されている如く購入品として調達することができるし、あるいは製造されることが出来、それに続いて発泡体の層46は工程106において熱処理される。発泡体の層46の熱処理は、発泡体が大気中の水分を吸収する傾向を有しているいくつかの場合において追加的に要求できる。発泡体の層46の熱処理は、水分を除去するとともに、発泡体の層46がピン40をより良く支持し、かつコア32の為にある程度の構造的強度を与えるように発泡体の層46の機械的強度を向上させることができる。
【0052】
工程108においてトラス33が発泡体の層46内に形成された状態で、コア32は次に、トラス33を硬化させるために、工程110において熱処理される。工程110における熱処理は、部分的に硬化されている構造ピン40の完全な硬化という結果になる。予備成形されているコア32は次に工程112において乾燥される。工程112における乾燥は、最終的な乾燥および積層前乾燥サイクルが後に続く最初の乾燥工程を含むことができる。この2段階乾燥サイクルの目的は、予備成形されているコア32中のいかなる残留水分をも除去することと、補強トラス33が完全に硬化されることを確実にすることである。最初の乾燥工程は、予め定められたスケジュールに従って時間とともに温度を連続的に上昇させることを備えていてもよいが、正確なスケジュールは用途による。最終的な乾燥工程は、コア32を一定時間一定の温度に、例えば、1つの実施形態においては、8〜24時間華氏250度の温度に、さらすことを含む。
【0053】
工程94では、完全に形成され、かつ硬化されたコア32が表面シート34上に置かれ、次にドライフィルム接着剤の層がコア32の残りの露出されている表面に適用される。ドライフィルム接着剤は、例えば、サイテック(Cytec)から入手可能なFM300フィルム接着剤として市場で知られている華氏350度硬化エポキシフィルム接着剤を備えることができる。工程114における畝の除去(debaulking)に引き続き、工程116中に示されているように、第2の表面シート36がコア32の露出されている残りの表面に適用される。最後に、工程118において、サンドイッチ構造30が圧縮され、そして硬化される。
【0054】
開示された実施形態は、種々の潜在的な用途、特に、例えば、航空宇宙用途及び自動車用途を含む輸送業界、において使用を見出すことができる。従って、今度は図27及び図28を参照すると、開示されている実施形態は、図27中に示されているような航空機製造及びサービス方法120および図28中に示されているような航空機136の関連で用いることができる。開示されている実施形態の航空機用途は、例えば、限定するものではないが、胴体外皮(fuselage skins),翼外皮(wing skins),操縦翼面(control surfaces),ハッチ(hatch),床パネル,ドアパネル,アクセスパネル(access panel),そして尾翼(empennage)からその他多数の複合補強部材までを含んでもよい。試作段階において、例示的な方法120は、航空機136の仕様及び設計122と材料の調達124とを含んでもよい。製造中には、構成部材(component)及びサブアセンブリの製造126と、航空機136のシステム統合(system integration)128とが行われる。その後、航空機136は、就航(in service)132させるために、認証(certification)及び搬送(delivery)130が行われる。顧客による使用中、航空機136は定期的な維持管理(maintenance)及び点検修理(service)134の予定が組まれる(この予定には、改造(modification),再構成(reconfiguration),再磨き(refurbishment),そしてその他も含んでよい)。
【0055】
本発明の好適な方法は、航空機の胴体の支持フレーム構造における熱可塑性複合補強部材を形成するのに良く適している。熱可塑性複合補強部材の潜在的な例は、限定するものではないが、胴体外皮,翼部外皮,操縦翼面,ドアパネル,そしてアクセスパネルを含む。補強部材は、限定するものではないが、キールビーム(keel beam),床ビーム(floor beam),そしてデッキビーム(deck beam)を含む。単に例示することを目的として、本発明は、当初は、民間用航空機胴体において使用される熱可塑性複合床ビーム20を形成することに関して説明される。しかしながら、I字状断面が示されているが、Z字状断面,U字状断面,T字状断面,その他の如き補強部材幾何形状も、それらの長さに沿う湾曲を有しているものも含め、後述する。
【0056】
方法120の複数の工程の各々は、システム統合者(system integrator),第3者(third party),及び/又は運用者(operator)(例えば、顧客)によって実行または実施されることができる。この説明の目的のために:システム統合者は、限定するものではないが、どのような数の航空機製造会社及び主なシステム下請け業者(subcontractor)を含むことができ;第3者は、限定するものではないが、どのような数の販売業者(vender),下請け業者(subcontractor),そして供給業者(supplier)を含むことができ;そして、運用者は、航空会社(airline),リース会社(leasing company),軍隊(military entity),サービス組織(service organization)などであることができる。
【0057】
図28中に示されているように、例示的な方法120によって製造された航空機136は、複数のシステム(system)142及びインテリア(interior)140を伴っている機体138を含むことができる。高水準システム142の例は、推進システム148,電気系統(electrical system)144,油圧系統(hydraulic system)150,そして環境システム(environmental system)146のうちの1つ又はそれ以上を含む。どのような数の他のシステムも含ませることができる。航空宇宙の例が示されたが、本発明の原理は、自動車産業の如き他の産業にも適用されることができる。
【0058】
ここにおいて具体化されている装置は、製造及びサービス方法120の1つ又はそれ以上のいかなる段階においても採用されることができる。例えば、製造工程126に対応している構成部材(component)又はサブアセンブリは、航空機136が就航中に行なわれる構成部材(component)又はサブアセンブリと同様に組み立て又は製造されることができる。また、1つ又はそれ以上の装置の実施形態は、例えば航空機136の組立てを実質的に早めることにより、または、航空機126のコストを実質的に低減することにより、製造段階126及び128の間に利用することができる。同様に、航空機136が稼働中に、例えば、限定するものではないが、維持管理(maintenance)及び点検修理(service)134の間に、1つ又はそれ以上の装置の実施形態を利用することができる。
【0059】
開示された複数の実施形態は、いくつかの例示的な実施形態に関して説明されていたが、当業者には他の変形例が思い浮かぶように、具体的な実施形態は例示目的であり限定のためではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】1つの実施形態に従っている、補強コアを有している複合サンドイッチ体の断面図である。
【図2】図1中に示されているコアの補強トラス形成部分の等角斜視図である。
【図3】図2中に示されている方向3−3で見たトラスの平面図である。
【図4】図1中に示されている複合サンドイッチ体の拡大された断面図である。
【図5】図2中に示されているコアにおいて使用されている複数のピンの1つの群の等角斜視図である。
【図6】図5中に示されている方向6−6における図である。
【図7】図6中に示されている方向7−7における図である。
【図8】図6中に示されている方向8−8における図である。
【図9】3本のピンを採用している1つのピン群の別の構造を示している図6と同様な図である。
【図10】図1中に示されているサンドイッチ構造において表面シートに接合されているピンの末端部を示している断面図である。
【図11】表面シートの隣接する複数の層の間に接合されているピンの末端部を示している図10と同様な図である。
【図12】補強されていない発泡体コアと比較した、補強コアを採用しているサンドイッチ構造のせん断強度における改善を図示しているグラフである。
【図13】開示されている実施形態を含んでいる、サンドイッチ構造のせん断強度を決定するのに使用された3点曲げ試験の結果を示しているグラフである。
【図14】図13中に示されているグラフを解析するのに使用されるキー(key)である。
【図15】開示されている実施形態を特徴付けているキーパラメータの値を示している表である。
【図16】補強されていない発泡体コアを採用しているサンドイッチ構造と比較した、サンドイッチ構造の種々の実施形態において為された試験の1つ結果を示すグラフである。
【図17】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図18】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図19】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図20】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図21】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図22】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図23】補強されていない発泡体コアを採用している複合サンドイッチ体と比較した、この発明の様々な実施形態に従った複合サンドイッチ体に対して実行した種々の試験の1つ結果を示すグラフである。
【図24】複数のピンが発泡体コア中に挿入されピンの末端部が補強コアから突出していてピンが解される前である、製造方法における中間工程を示している断面図である。
【図25】加熱されたプラテンがピンの末端部を折り曲げ、そして解す、前記製造方法におけるもう1つの工程を示している。
【図26】前記複合サンドイッチ体を製造する方法を図示している流れ図である。
【図27】航空機製造及びサービス手順の流れ図である。
【図28】航空機のブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
30…複合サンドイッチ体、32…補強コア、33…補強トラス、34…外側表面シート、34a,34b…層、36…外側表面シート、38…複数の層、40…構造ピン、40a…中間部、40b,40c…末端部、42…群、42a…別の実施の形態、44…対角軸、46…発泡体の層、47…ホットプレスプラテン、48…エポキシバインダ、50…中心軸、52…ノード、60,62,64,66…曲線、68…コア密度、70…コア厚さ、72…ピン径、74…垂直方向からのピン角度、76…ピン間隔(ピッチ),78…ピン露呈長さ、80…ノード当たりのピンの数、82…発泡体のキャリヤ、84,86…グラフ、120…航空機製造及びサービス方法、122…仕様及び設計、124…材料の調達、126…構成部材及びサブアセンブリの製造、128…システム統合、130…認証及び搬送、132…就航、134…維持管理及び点検修理、136…航空機、138…機体、140…インテリア、142…システム、144…電気系統、146…環境システム、148…推進システム、150…油圧系統。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の繊維強化ポリマー表面シートと;
前記第1及び第2の表面シートの間にあり、
(i)トラスを形成している複数の群に配置され、各々が、前記第1及び第2の表面シートの間に伸びている中間部と、前記第1及び第2の表面シートに対し略平行に延びているとともに前記第1及び第2の表面シートに接合されている末端部と、を含んでおり、各群内において前記第1及び第2の表面シートの一方に隣接するノードにおいて交差する複数のピンと、
(ii)前記複数のピンを取り囲むキャリヤと、
を含む補強コアと;
を備えている複合サンドイッチ体。
【請求項2】
前記複数のピンの各々は炭素繊維強化樹脂を含んでいて、そして、
前記第1及び第2の表面シートの各々は炭素繊維強化樹脂の積層された複数の層を含む、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項3】
前記複数の群の各々における前記複数のピンの末端部が、組となった前記複数のピンによって形成されているノードから外側に放射状に広がっている、請求項2の複合サンドイッチ体。
【請求項4】
複数の前記ノードは互いに実質的に等距離離間している、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項5】
前記複数の群の各々は少なくとも3つの前記ピンを含んでいる、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項6】
前記キャリヤが硬質発泡体を含んでいる、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項7】
前記複数の群の各々における前記複数のピンは、前記組によって形成されているノードの周りに互いに実質的に等距離に放射状に離間している、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項8】
前記コアは前記第1及び第2の表面シートの熱膨張率と略一致している熱膨張率を有している、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項9】
(A).(i)発泡体の層を形成し、そして、(ii)前記発泡体の層内に、交差している複数の構造ピンの複数の群を形成する、ことによってコアを製造する工程と;
(B).前記複数のピンの端部を折り曲げる工程と;そして、
(C).前記複数のピンの折り曲げられた端部を1対の繊維強化表面シートに接合することによって、前記コアを前記1対の表面シートに接合する工程と;
を備えている、複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項10】
前記工程(A)の(ii)は、前記複数のピンを交差する軌道に沿って前記発泡体の層内に挿入することを含んでいる、請求項9の複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項11】
(D).ある長さのグラファイトエポキシ複合材料をポリマー押出しする工程と;
(E).前記ある長さのグラファイトエポキシ材料を部分的に硬化させる工程と;そして、
(F).前記ある長さのグラファイトエポキシ材料を切断することによって前記複数のピンを形成する工程と;
をさらに備えている、請求項9の複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項12】
前記工程(A)の(ii)は、前記複数のピンを前記発泡体の層に挿入することと、前記複数のピンの端部を解すこと、を含む、請求項9の複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項13】
前記工程(A)が完了した後に、前記複数の構造ピンを硬化させる工程(D)をさらに備える、請求項9の複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項14】
前記工程(C)が完了した後に、前記表面シート及び前記コアを圧縮し硬化させる工程(D)をさらに備える、請求項9の複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項15】
請求項9の方法によって製造された航空機サブアセンブリ。
【請求項16】
請求項9の方法を使用した、航空機のメンテナンス及び修理の実行。
【請求項17】
請求項9の方法によって製造された強化複合サンドイッチ体を使用した車両の組立て。
【請求項1】
第1及び第2の繊維強化ポリマー表面シートと;
前記第1及び第2の表面シートの間にあり、
(i)トラスを形成している複数の群に配置され、各々が、前記第1及び第2の表面シートの間に伸びている中間部と、前記第1及び第2の表面シートに対し略平行に延びているとともに前記第1及び第2の表面シートに接合されている末端部と、を含んでおり、各群内において前記第1及び第2の表面シートの一方に隣接するノードにおいて交差する複数のピンと、
(ii)前記複数のピンを取り囲むキャリヤと、
を含む補強コアと;
を備えている複合サンドイッチ体。
【請求項2】
前記複数のピンの各々は炭素繊維強化樹脂を含んでいて、そして、
前記第1及び第2の表面シートの各々は炭素繊維強化樹脂の積層された複数の層を含む、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項3】
前記複数の群の各々における前記複数のピンの末端部が、組となった前記複数のピンによって形成されているノードから外側に放射状に広がっている、請求項2の複合サンドイッチ体。
【請求項4】
複数の前記ノードは互いに実質的に等距離離間している、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項5】
前記複数の群の各々は少なくとも3つの前記ピンを含んでいる、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項6】
前記キャリヤが硬質発泡体を含んでいる、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項7】
前記複数の群の各々における前記複数のピンは、前記組によって形成されているノードの周りに互いに実質的に等距離に放射状に離間している、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項8】
前記コアは前記第1及び第2の表面シートの熱膨張率と略一致している熱膨張率を有している、請求項1の複合サンドイッチ体。
【請求項9】
(A).(i)発泡体の層を形成し、そして、(ii)前記発泡体の層内に、交差している複数の構造ピンの複数の群を形成する、ことによってコアを製造する工程と;
(B).前記複数のピンの端部を折り曲げる工程と;そして、
(C).前記複数のピンの折り曲げられた端部を1対の繊維強化表面シートに接合することによって、前記コアを前記1対の表面シートに接合する工程と;
を備えている、複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項10】
前記工程(A)の(ii)は、前記複数のピンを交差する軌道に沿って前記発泡体の層内に挿入することを含んでいる、請求項9の複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項11】
(D).ある長さのグラファイトエポキシ複合材料をポリマー押出しする工程と;
(E).前記ある長さのグラファイトエポキシ材料を部分的に硬化させる工程と;そして、
(F).前記ある長さのグラファイトエポキシ材料を切断することによって前記複数のピンを形成する工程と;
をさらに備えている、請求項9の複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項12】
前記工程(A)の(ii)は、前記複数のピンを前記発泡体の層に挿入することと、前記複数のピンの端部を解すこと、を含む、請求項9の複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項13】
前記工程(A)が完了した後に、前記複数の構造ピンを硬化させる工程(D)をさらに備える、請求項9の複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項14】
前記工程(C)が完了した後に、前記表面シート及び前記コアを圧縮し硬化させる工程(D)をさらに備える、請求項9の複合サンドイッチ体を製造する方法。
【請求項15】
請求項9の方法によって製造された航空機サブアセンブリ。
【請求項16】
請求項9の方法を使用した、航空機のメンテナンス及び修理の実行。
【請求項17】
請求項9の方法によって製造された強化複合サンドイッチ体を使用した車両の組立て。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2009−143540(P2009−143540A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−198489(P2008−198489)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198489(P2008−198489)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
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