説明

補強構造

【課題】作製が容易で、外的な荷重に対する強度が高い補強構造を提供すること。
【解決手段】三角形状の平面部(7)と、前記三角形状の平面部(7)の一辺と底辺を共有する三角形状の底面(6c)を有し且つ前記平面部(7)に対して所定の一方に凹まされた凹部(6)と、を有し、前記凹部(6)の三角形状の前記底面(6c)と前記平面部(7)とが平面充填状態で配置された凹凸パネル片(4a)と、前記凹凸パネル片(4a)の凹部(6)の突端部(6b)で接合されることにより前記凹凸パネル片(4a)に取り付けられる平板状の平板パネル片(4b)と、を有する補強パネル(4)を被補強部材(3)に支持することを特徴とする補強構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強度が必要な被補強部材を補強するための補強構造に関し、特に、被補強部材に補強用パネルを接合して補強する補強構造に関する。
本発明の補強構造は、自動車のドアやフード等の外装パネルの補強に好適に使用可能である。
【背景技術】
【0002】
従来から、外的な衝撃、荷重から内部を保護する必要のある内蔵物に対して、外壁や外装パネルに様々な補強構造を施して、内蔵物を保護している。
自動車においては、自動車のドアやフード(ボンネット)等には、事故発生時の外的な衝撃、荷重等から運転者や乗客を保護するために様々な補強構造が施されている。
前記自動車のドアの補強構造としては、ドアの外装パネルと車内側の内装パネルとの内側にインパクトビームと呼ばれる、角形パイプ状が複数連なったビーム(梁)状の部材を水平や斜めに配置し、補強する補強構造が広く採用されていた。
【0003】
また、前記自動車のフードでは歩行者との接触事故時に、歩行者とエンジン等との衝突による衝撃を軽減するために、フードの強度を向上させる必要がある。このための技術として、下記の従来技術(J01)〜(J03)が従来公知である。
(J01)特許文献1(特開2002−127942号公報)記載の技術
特許文献1には、自動車のフードのインナパネル(補強部材)にプレス加工により、円形の頂面および六角形状の底面(空孔)を有する六角錐台を膨出して形成すると共に、前記六角錐台の底面の六角形が平面充填状態になるように多数の六角錐台を形成し、六角錐台の頂面でアウタパネル(被補強部材)に接着剤等により接着してフードを作製する技術が記載されている。
【0004】
(J02)特許文献2(特開2005−178422号公報)記載の技術
特許文献2記載の技術では、自動車のフードのインナパネルを成形する際に、底面(空孔)が三角形の三角錐を、底面の三角形が平面充填状態になるように形成し、三角錐の底辺部分に繋ぎ部を形成し、三角錐の底面の三角形が6つ集中する部分に取付座面を形成している。そして、特許文献2記載の技術では、三角錐の底面側の前記取付座面でアウタパネルに接着してフードが作製されている。
(J03)特許文献3(特開2003−226264号公報)および特許文献4(特開2003−191865号公報)記載の技術
特許文献3、4には、自動車のフードのインナパネルに、円形の頂面および底面(空孔)を有する円錐台を周期的に形成し、円錐台の頂面でアウタパネルに接合する技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−127942号公報(「0017」〜「0022」、第2図〜第4図)
【特許文献2】特開2005−178422号公報(「0018」、「0019」、第1図、第2図)
【特許文献3】特開2003−226264号公報(「0047」〜「0054」、第1図〜第8図)
【特許文献4】特開2003−191865号公報(「0020」〜「0023」、第2図〜第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(従来技術の問題点)
(インパクトビームを使用する場合の問題点)
前記インパクトビームを使用する従来技術では、自動車の側面衝突時等でドアの外面に垂直な方向から荷重が作用した場合に、インパクトビームが配置された位置に荷重が作用すると十分な強度が得られるが、インパクトビームの縁の部分やインパクトビームが配置されていない部分に荷重が作用すると十分な強度が得られないという問題がある。また、インパクトビームで所定の強度を確保するためには、インパクトビームをある程度大きく形成する必要があり、大型で重量のあるインパクトビームを使用する必要があるという問題もある。
さらに、自動車のドアは、外装パネルと内装パネルとの間にガラス窓が収容される窓収容空間が形成されるため、内部に配置されたインパクトビームにより窓収容空間の設計の自由度が制限されるという問題もある。
(従来技術(J01)の問題点)
前記従来技術(J01)では、六角形の底面が平面充填状態になるように膨出させている(凹ませている)ので、プレス加工で作成する場合に塑性変形部分(六角錐台の部分)の塑性変形量が非常に大きく、加工が困難であるという問題がある。
(従来技術(J02)の問題点)
前記従来技術(J02)では、三角形の底面が平面充填状態に形成されているので、従来技術(J01)と同様に加工が困難であるという問題点がある。また、従来技術(J02)では、三角錐の底面部分の取付座面でアウタパネルに接合するので、接合部の反対側は三角錐の突端が突出しているだけで、三角錐の突端部分どうしが互いに拘束されていない。したがって、凸湾曲状のフードを凹ませたり湾曲させる荷重が作用すると、テンションが小さく、また、突端部分が拘束されていないので三角錐の錐壁が座屈することによる強度も得られない、したがって、従来技術(J02)では、十分な強度を持たせることが困難であるという問題がある。
(従来技術(J03)の問題点)
前記従来技術(J03)では、円錐台状に凹まされた部分以外の被加工部分の形状がいびつな形状になっているため湾曲させにくく、湾曲したアウタパネルに取り付ける際には、最初からアウタパネルの湾曲面に沿った形状に円錐台状の凹部が形成されたインナパネルを形成する必要があり、汎用性が低いという問題がある。また、被加工部分を薄く形成して湾曲可能に形成した場合には強度に不安がある。
【0007】
本発明は、前述の事情に鑑み、次の記載内容(O01),(O02)を技術的課題とする。
(O01)作製が容易で、外的な荷重に対する強度が高い補強構造を提供すること。
(O02)汎用性の高い補強構造を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(本発明)
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために、第1発明の補強構造は、
三角形状の平面部と、前記三角形状の平面部の一辺と底辺を共有する三角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹まされた凹部と、を有し、前記凹部の三角形状の前記底面と前記平面部とが平面充填状態で配置された凹凸パネル片と、
前記凹凸パネル片の凹部の突端部で接合されることにより前記凹凸パネル片に取り付けられる平板状の平板パネル片と、
を有する補強パネルを被補強部材に支持することを特徴とする。
【0009】
(第1発明の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の補強構造では、凹凸パネル片は、三角形状の平面部と、前記三角形状の平面部の一辺と底辺を共有する三角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹まされた凹部と、を有し、前記凹部の三角形状の前記底面と前記平面部とが平面充填状態で配置されている。平板状の平板パネル片は、前記凹凸パネル片の凹部の突端部で接合されることにより前記凹凸パネル片に取り付けられる。
したがって、第1発明の補強構造では、凹凸パネル片が凹部のみでなく、三角形状の平面部を有しているため、形成する凹部が少なくて済み、凹凸パネル片の作製が容易になる。また、補強パネルは、平面部を有する凹凸パネル片と、平板パネル片とが接合されているので、外的な荷重に対し、補強パネルの両側に配置された平面部と平板パネル片でそれぞれテンションが作用するため、高い強度を保持できるものと考える。
【0010】
(第1発明の形態1)
第1発明の形態1の補強構造は、前記第1発明において、
前記補強パネルの凹凸パネル片側を前記被補強部材に支持することを特徴とする。
(第1発明の形態1の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態1の補強構造では、前記補強パネルの凹凸パネル片側が前記被補強部材に支持されるので、外的な荷重が作用した場合に被補強部材に対して遠い側の平板パネル片にテンションが作用する構成となっており、高い強度を保持できる。
【0011】
(第1発明の形態2)
第1発明の形態2の補強構造は、前記第1発明および第1発明の形態1のいずれかにおいて、
直線上に配置された複数の前記平面部の辺により構成された湾曲可能線分を有し、前記湾曲可能線分に沿って湾曲可能な前記凹凸パネル片を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態2の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態2の補強構造では、凹凸パネル片は、直線上に配置された複数の前記平面部の辺により構成された湾曲可能線分を有し、前記湾曲可能線分に沿って湾曲可能に構成されている。したがって、被補強部材の形状に応じて凹凸パネル片を湾曲させることができる。この結果、補強パネルの汎用性を高めることができる。
【0012】
(第1発明の形態3)
第1発明の形態3の補強構造は、前記第1発明および第1発明の形態1、2のいずれかにおいて、
前記凹部の前記突端部が嵌合する嵌合部が形成された前記平板パネル片を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態3の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態3の補強構造では、前記平板パネル片には、前記凹部の前記突端部が嵌合する嵌合部が形成されているので、突端部と嵌合部との係合により位置ずれを抑えた状態で接合することができる。
【0013】
(第1発明の形態4)
第1発明の形態4の補強構造は、前記第1発明の形態3において、
前記凹凸パネル片および前記平板パネル片が湾曲した状態で前記突端部が嵌合する湾曲時嵌合部と、前記凹凸パネル片および前記平板パネル片が湾曲していない状態で前記突端部が嵌合する非湾曲時嵌合部と、からなる前記嵌合部を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態4の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態4の補強構造では、湾曲時嵌合部には、前記凹凸パネル片および前記平板パネル片が湾曲した状態で前記突端部が嵌合する。非湾曲時嵌合部には、前記凹凸パネル片および前記平板パネル片が湾曲していない状態で前記突端部が嵌合する。したがって、被補強部材の形状に応じて、補強部材を湾曲させる場合でも、湾曲させない場合でも対応することができる。位置ずれを抑えた状態で接合できると共に、汎用性を高めることができる。さらに、湾曲した状態で突端部と湾曲時嵌合部とが嵌合した状態で接合できるので、例えば、接着剤を使用する場合には接着剤が乾燥するまで装置や人手により湾曲形状を保持する必要が無くなり、生産性が向上し、補強部材を被補強部材が設置されている現場で容易に作製することも可能になる。
【0014】
(第1発明の形態5)
第1発明の形態5の補強構造は、前記第1発明および第1発明の形態1〜4のいずれかにおいて、
自動車の外装パネルにより構成された前記被補強部材を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態5の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態5の補強構造では、前記被補強部材としての自動車の外装パネルを補強することができ、安全性を高めることができる。
【0015】
(第1発明の形態6)
第1発明の形態6の補強構造は、前記第1発明および第1発明の形態1〜4のいずれかにおいて、
橋脚により構成された前記被補強部材を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態6の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態6の補強構造では、前記被補強部材としての橋脚を補強することができる。
【発明の効果】
【0016】
前述の本発明は、下記の効果(E01),(E02)を奏する。
(E01)作製が容易で、外的な荷重に対する強度が高い補強構造を提供することができる。
(E02)汎用性の高い補強構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の実施例1の補強構造を備えた自動車の全体説明図である。
図2は図1の自動車のドアの外装パネルの説明図であり、図2Aは前記ドアの外装パネルの正面図、図2Bは図2AのIIB―IIB線断面図である。
図1において、自動車1は、本発明の実施例1の補強構造が施されたドア2を有する。図2において、ドア2は外装パネル(被補強部材)3と図示しない内装パネルとを有する。前記外装パネル3は、外側に凸湾曲した形状に形成されており、外装パネル3には、内側面に沿って補強パネル(補強部材)4が配置されている。補強パネル4は、その周縁部で外装パネル3に支持されている。
【0019】
図3はドア補強パネルの要部拡大説明図であり、図3Aは上面図、図3Bは図3AのIIIB―IIIB線断面図である。
図3において、ドア補強パネル4は、凹凸パネル片4aと平板パネル片4bとを有する。凹凸パネル片4aは、所定の一方向に凹んだ正三角錐(正四面体)状の凹部6が所定のパターンで複数形成されている。なお、実施例1の凹凸パネル片4aは、1枚の平板状の板体をプレス加工により塑性変形させて作成(成形)されている。前記正三角錐状凹部6は、3つの正三角形状の錐壁6aと、凹部6の突端に形成された突端頂点(接合部,突端部)6bと、正三角形状の空孔により構成された底面6cの頂点である3つの底頂点(非接合部)6dとを有する。
【0020】
前記正三角錐状凹部6は、前記各底頂点6dで、3つの底面6cの底頂点6dが集中するように配置されている。したがって、凹凸パネル片4aは、3つの正三角錐状凹部6の三角形状底面6cにより囲まれた正三角形状の平面部7を有する。したがって、実施例1のドア補強パネル4は、プレス加工による加工部としての前記正三角錐状(正四面体)の凹部6と、非加工部としての前記平面部7とを有する。
前記凹凸パネル片4aは、各突端頂点6bで平板パネル片4bに接合されている。なお、前記平板パネル片4bは、ドア2の外装パネル3の内周面形状に沿った湾曲形状に形成されており、凹凸パネル片4aは各底面6cの底辺により構成される湾曲可能線分6e(図3参照)に沿って湾曲でき、平板パネル片4bに接合されている。したがって、実施例1では、前記凹凸パネル片4の突端頂点6bで平板パネル片4bに接合されたドア補強パネル4により構成された三角形シングルトラスパネルを、外装パネル3の内周面に接合することによりドア2が構成されている。
【0021】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の補強構造を有するドア2では、補強パネル4の凹凸パネル片4aが突端頂点側で平板パネル片4bに接合されている。したがって、補強パネル4に垂直な方向(底面6cと突端頂点6bとを結ぶ方向)から荷重が作用すると、補強パネル4の両側の平面部7と平板パネル片4bにテンションが作用する。前記補強パネル4は、凹凸パネル片4a側が外装パネル3に接合されているので、凹凸パネル片4aの座屈強度と、平面部7および平板パネル片4bのテンションにより、ドア2の強度が高くなる。したがって、外装パネル3の外表面に垂直な方向から荷重(外的な衝撃)が作用すると、凹凸パネル片4aの座屈強度と、平面部7および平板パネル片4bのテンションにより内部を外的な衝撃から保護する効果を高めることができる。
また、実施例1の凹凸パネル片4aは、湾曲可能に構成されているので、被補強部材である外装パネル3の湾曲形状に沿って配置することができ、外装パネル3の内面全面を補強することができる。
【0022】
(解析例)
(解析例1:荷重の位置や板厚、三角錐の形状と、最大変位との関係)
図4は、解析例1の説明図であり、図4Aは解析例1の解析方法の説明図、図4Bは従来使用されているインパクトビームの説明図である。
解析例1では、従来のインパクトビームと実施例1の補強パネルとについて、荷重の位置や板厚、三角錐の形状と、重量や最大変位との関係の解析を行った。解析例1では、図4Aに示すように、原則的にパネルの中央部に100Kgの荷重を作用させた場合について、構造解析(有限要素解析、使用ソフト:FEMLEEG)を行った。なお、材料は、密度が8.02×10-10[Kg・s2/mm4]のスチールを想定している。また、比剛性値は、剛性値/重量であり、剛性値は荷重/最大変位である。
【0023】
(解析例1−1)
解析例1−1では、図4Bに示す従来から使用されているインパクトビーム11に対する解析を行う。前記インパクトビーム11は、波形パネル12片と、波形パネル片が接合された平板パネル片13とを有する。また、解析例1−1では、長さが900mm、幅が260mm、パネルの高さが40mm、板厚を1.0mm、ビーム状のメンバー(波の山)が3本の波形パネル12を有するインパクトビーム11について、長さ方向の両端部を単純支持状態で中央部に100Kgの荷重を作用させた場合の最大変位の解析を行った。
(解析例1−2)
解析例1−2では、前記実施例1と同様の補強パネル4について、パネルの高さ(厚さ)や三角錐の一辺の長さ、板厚、荷重を作用させる位置を変化させた時の重量や最大変位を解析した。
【0024】
図5は、解析例1の解析条件および結果の一覧図である。
図6は解析例1の解析図であり、図6Aは解析例1−1−1の説明図、図6Bは解析例1−1−2の説明図、図6Cは解析例1−2−1の説明図、図6Dは解析例1−2−2の説明図、図6Eは解析例1−2−3の説明図、図6Fは解析例1−2−4の説明図、図6Gは解析例1−2−5の説明図、図6Hは解析例1−2−6の説明図である。
(解析例1−1−1)
解析例1−1−1は、前記インパクトビーム11について、長さ方向の両端部を単純支持状態で中央部に100Kgの荷重を作用させた場合の最大変位の解析を行った。このときのパネルの重量は4.38Kgであり、最大変位は0.67mmであった。解析例1−1−1の変化量の分布を図6Aに示す。
(解析例1−1−2)
解析例1−1−2は、解析例1−1−1と同一のインパクトビーム11において、幅方向端部に100Kgの荷重を作用させた場合の最大変位の解析を行った。このときの最大変位は1.02mmであった。解析例1−1−2の変化量の分布を図6Bに示す。
【0025】
(解析例1−2−1)
解析例1−2−1は、解析例1−2の補強パネルにおいて、長さが900mm、幅が600mm、パネルの高さが30mm、三角錐の底面の一辺の長さが100mm、板厚が0.3mmの補強パネルについて、パネル全周単純支持状態で中央部に100Kgの荷重を作用させた場合の最大変位の解析を行った。このときの補強パネルの重量は2.69Kgであり、最大変位は0.69mmであった。解析例1−2−1の変化量の分布を図6Cに示す。
(解析例1−2−2)
解析例1−2−2は、解析例1−2−1の補強パネルにおいて、三角錐の底面の一辺の長さを75mmに変更し、その他は解析例1−2と同様に設定した。このときの補強パネルの重量は2.85Kgであり、最大変位は0.62mmであった。解析例1−2−2の変化量の分布を図6Dに示す。
【0026】
(解析例1−2−3)
解析例1−2−3は、解析例1−2−2の補強パネルにおいて、荷重を作用させる位置を中央部から幅方向に1/2ずれた位置(全体の1/4の位置)に変更した。このときの最大変位は0.46mmであった。解析例1−2−3の変化量の分布を図6Eに示す。
(解析例1−2−4)
解析例1−2−4は、解析例1−2−1の補強パネルにおいて、三角錐の底面の一辺の長さを50mmとし、その他は解析例1−2−1と同様に設定した。このときの補強パネルの重量は3.28Kgであり、最大変位は0.47mmであった。解析例1−2−4の変化量の分布を図6Fに示す。
【0027】
(解析例1−2−5)
解析例1−2−5は、解析例1−2−4の補強パネルにおいて、ドア開閉用ハンドルが形成される穴を設けた場合について解析を行った。このときの補強パネルの重量は3.24Kgであり、最大変位は0.48mmであった。解析例1−2−5の変化量の分布を図6Gに示す。
(解析例1−2−6)
解析例1−2−6は、解析例1−2−4の補強パネルにおいて、幅方向一端部(図6では上端部)が支持されていない状態、すなわち、全周単純支持ではなく、一端部を除いた3辺支持の状態で解析を行った。このときの補強パネルの重量は3.28Kgであり、最大変位は0.72mmであった。解析例1−2−6の変化量の分布を図6Hに示す。
【0028】
(解析例1−2−7)
解析例1−2−7は、解析例1−2−4の補強パネルにおいて、板厚を0.2mmに変更した場合について解析を行った。このときの補強パネルの重量は2.19Kgであり、最大変位は0.71mmであった。解析例1−2−7の変化量の分布は解析例1−2−4とほぼ同様であるので、図示を省略する。
(解析例1−2−8)
解析例1−2−8は、解析例1−2−1の補強パネルにおいて、板厚を0.4mmに変更した場合について解析を行った。このときの補強パネルの重量は3.58Kgであり、最大変位は0.52mmであった。解析例1−2−8の変化量の分布は解析例1−2−1とほぼ同様であるので、図示を省略する。
【0029】
(解析例1−2−9)
解析例1−2−9は、解析例1−2−1の補強パネルにおいて、パネルの高さを20mm、板厚を0.6mmに変更した場合について解析を行った。このときの補強パネルの重量は5.08Kgであり、最大変位は0.69mmであった。解析例1−2−9の変化量の分布は解析例1−2−1とほぼ同様であるので、図示を省略する。
(解析例1−2−10)
解析例1−2−10は、解析例1−2−1の補強パネルにおいて、パネルの高さを40mm、板厚を0.2mmに変更した場合について解析を行った。このときの補強パネルの重量は1.90Kgであり、最大変位は0.63mmであった。解析例1−2−10の変化量の分布は解析例1−2−1とほぼ同様であるので、図示を省略する。
【0030】
(解析例1の結果)
前記解析例1−1−1および解析例1−1−2から、インパクトビーム11では、偏心荷重が作用すると、中央部に荷重が作用した場合に比べて50%以上も変位(変形量)が大きくなる。すなわち、偏心荷重に対しては強度(剛性)が低く、強度が均一ではないという問題がある。したがって、中央部に荷重が作用するとは限らない現実の事故等に対しては、強度が確保できず、安全性が高くないという問題がある。
前記解析例1−1−1と解析例1−2−1から、実施例1の補強パネルは、インパクトビーム11とほぼ同じ強度(最大変位)を有し、且つ、厚さが25%減少し(コンパクト化され)、重量が39%軽量化され、幅も250%近く大きくなっている。したがって、軽量、コンパクトでドア2の広い面積を補強できる。
前記解析例1−2−1、解析例1−2−2および解析例1−2−4から、三角錐の一辺を短くすることにより、すなわち、三角錐状の凹部を小さくして数を増やすことにより、強度を高めることができる。但し、同じ厚さで凹部を小さく多数形成すると、加工が難しくなるという問題もある。
【0031】
前記解析例1−2−2および解析例1−2−3から、全周支持の場合には偏心荷重が作用しても強度が低下しないことがわかった。一方、解析例1−2−4および解析例1−2−6から一端縁が支持されていない場合、例えば、ドア2のようにガラス窓が通過する一端縁で支持されない場合、全周支持の場合に比べ最大変位が50%程度低下して強度が低下することがわかる。ただし、この場合でも、インパクトビーム11の場合の最大変位とほぼ同等の変位に抑えながら約25%の軽量化が可能になる。
前記解析例1−2−4および解析例1−2−5から、ハンドル部用の穴が形成されていても、それほど強度は低下せず、同等の強度を確保することができる。
【0032】
前記解析例1−1−1、解析例1−2−4および解析例1−2−7から、板厚を薄くして、インパクトビーム11とほぼ同等の強度を保持しつつ重量を更に軽量化することもできる。
解析例1−2−1および解析例1−2−8から板厚を厚くすることで、最大変位を小さくする(強度を高める)こともできる。
解析例1−2−1および解析例1−2−9から、板厚を厚くすることで、インパクトビーム11に対して重量増にはあるが、ほぼ同等の強度を保持しつつパネルの高さを低くでき、補強パネルを薄型化できる。
解析例1−2−1および解析例1−2−10から、板厚を薄くすることで、インパクトビーム11と同じパネル高さでも、同等の強度を有し且つ、重量を半分以下にできる(約57%低減できる)。
【0033】
解析例1の結果、実施例1の補強パネルは、従来使用されているインパクトビーム比べ、剛性を高めつつ軽量化でき、また、板厚が薄くなるので、材料コストを低減することもできる。
この結果、従来技術のインパクトビームでは、インパクトビームの重量や外装パネルの湾曲形状とガラス窓を収容する空間の設計の関係で、ドアの上下方向中央部に水平方向に伸びるビームしか配置できなかった場合が多かったが、本発明の実施例1の補強構造を採用することにより、ドア2の内周面全面に軽量且つコンパクトで強度の高い補強パネル4を支持することができる。
【0034】
また、実施例1の補強パネルは、偏心荷重に対しても高い剛性が得られるので、インパクトビームの部分に荷重を作用させる衝突実験における安全性だけでなく、様々な位置に荷重が作用する可能性がある現実世界における安全性(リアルワールドセーフティ)を実現することができる。また、従来のインパクトビームに比べて、軽量、コンパクトで同等以上の強度を実現できるので、窓収容空間の設計の自由度を高めることができる。
さらに、プレス加工により凹部を形成する場合、深さが深ければ深いほど成形時の伸び(歪み)が大きくなるため、加工が困難で、使用可能な材料も限定されるが、深さをそれほど深くしなくても、従来のインパクトビームに比べて、高い剛性を得ることができる。
【0035】
(解析例2:高さと剛性値との関係の解析)
図7は、実施例1の補強パネルの解析例2の解析結果の説明図である、図7Aはパネルの重量と最大変位との関係の一覧表、図7Bは扁平率と比剛性値との関係のグラフである。
図7において、解析例2では、パネルの大きさを500mm×500mm、三角形状底面の一辺の長さ(波形パネルでは波の一周期分の幅)を83mm、板材としてアルミを採用し、板厚を1.0mm、中央部に300Kgの荷重を作用させた場合について、高さを17mm、32mm、51mm、68mmとして解析を行った。
【0036】
(解析例2−1)
解析例2−1では、前記波形パネル片12について解析を行った。
(解析例2−2)
解析例2−2では、実施例1の補強パネル4と同様の補強パネルについて解析を行った。
(解析例2−3)
解析例2−3では、実施例1の補強パネルの三角錐に変えて四角錐を採用し、平面部を設けない構成、すなわち、前記特許文献1の図9に示す構成について解析を行った。
【0037】
(解析例4の結果)
図7において、前記解析例2−1および解析例2−2の結果から、波形パネル片12(解析例2−1)では、高さを低くすると強度が低下し、薄型化が困難であることがわかる。一方、三角錐状凹部が形成された実施例1の補強パネルでは、同じ高さの波形パネル片12と同等以上の強度を保持でき、最も薄型化した時には、インパクトビームの40%以上の剛性を有することがわかった。なお、図7Bに示すように、実施例1の補強パネルは、波形パネル片12に比べ、同じ大きさの場合に軽量であるため、重量当たりの剛性値(比剛性値)に換算すると、波形パネル片12に比べ比剛性値は4倍程度であった。
前記解析例2−2および解析例2−3の結果から、同じ高さの場合には、四角錐が密に形成された場合(解析例2−3)よりも実施例1の補強パネルの方が強度が強いことがわかる。但し、四角錐が密に形成されるので、加工が困難であるという問題がある。なお、図示していないが、四角錐を1つ飛びに形成し、四角形状の平面部を形成した場合には、突端部の間隔が広く開きすぎるため、剛性は非常に低く、実用性が低い結果となった。六角錐と六角形状の平面部とを有するパネルとした場合は、突端部の間隔が更に広くなるのでさらに剛性が低下するものと考察される。
【実施例2】
【0038】
図8は実施例2の補強構造が施された自動車のフードの説明図であり、図8Aは補強パネルの説明図、図8Bは図8AのVIIIB−VIIIB線断面図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0039】
図8において、本発明の実施例2の補強構造は、自動車のフード21に施されている。フード21は、被補強部材としての外装パネル(アウタパネル)22と、補強部材としての補強パネル23とを有する。前記補強パネル23は、実施例1の凹凸パネル片4と同様に構成された凹凸パネル片4aと、フード21のインナパネルにより構成され、外装パネルの形状に対応した湾曲形状に形成された平板パネル片24とを有する。そして、前記凹凸パネル片4aの凹部6の突端頂点6bで平板パネル片24に接合されることにより補強パネル23が構成されている。そして、補強パネル23は、補強パネル23の端部の被支持部23aで外装パネル22の支持部22aに支持されている。
【0040】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の補強構造を有するフード21では、フードの外装パネル22に荷重(外力)が作用すると、平面部7および平板パネル片24(インナパネル)にテンションが作用し、荷重に対抗する抗力が作用する。したがって、フードの強度を高めることができ、歩行者衝突時等に高い歩行者保護性能を得ることができる。また、凹凸パネル片4は湾曲可能線分6eに沿って湾曲可能に構成されているので、外装パネル22やインナパネル(平板パネル片24)の形状に合わせて湾曲させることができる。したがって、凹凸パネル片4を汎用部材として製作し、車種毎に異なる外装パネル22やインナパネルの形状に合わせて湾曲させることができる。この結果、補強のための凹凸パネル片4を共通部材化でき、コストを低減することができる。さらに、実施例2の補強構造を採用することにより、薄型化した補強パネルで従来と同等程度の強度を確保できるので、薄型化することにより、設計や造形の自由度を高めることができ、軽量化することもできる。その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【実施例3】
【0041】
図9は実施例3の補強構造が施された橋脚の説明図である。
なお、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図9に示すように、実施例3の補強構造は、高架道路や高架橋等の橋脚(被補強部材)31の外周に施すことができる。図9において、橋脚31の外周には、円筒状に湾曲した補強パネル(補強部材)32が巻き付けられている。前記補強パネル32は、実施例1の補強パネル4と同様に構成されており、橋脚31側に凹凸パネル片4a側が面し、外側に平板パネル片4bが配置された状態で橋脚31に固定支持されている。
【0042】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の補強構造を有する橋脚31では、地震等により橋脚31が内部から外部に膨出する方向の破壊が発生しようとしても、外周側の平板パネル片4bにテンションが作用し、抗力が作用する。よって、補強パネル32により橋脚31の強度を高めることができる。また、実施例3の補強パネル32は、凹凸パネル片4aが湾曲可能に構成されているので、既存の橋脚の外形に合わせて自由に湾曲させて設置することができる。その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【実施例4】
【0043】
図10は実施例4の補強パネルの説明図であり、図10Aは実施例4の補強パネルの説明図、図10Bは実施例4の変更例1の平板パネルの説明図である。
なお、この実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には下一桁に同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例4は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図10Aにおいて、実施例4の補強パネル41は、実施例1の凹凸パネル片4aと同様に構成された凹凸パネル片42と、平板パネル片43とを有する。実施例4の平板パネル片43には、前記凹凸パネル片42の凹部6に対応して形成され且つ、凹凸パネル片42と平板パネル片43との接合時に突端頂点6bが嵌合する接合用嵌合部43aが形成されている。
【0044】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4の補強構造では、突端頂点6bと接合用嵌合部43aとを嵌合させることにより、凹凸パネル片42と平板パネル片43とを溶接や接着剤等を使用しなくても接合することができる。また、接着剤を使用して嵌合する場合でも、嵌合部43aに接着剤を塗布しておいて、突端頂点6bを嵌合させることで、接着剤で接合できる。嵌合させない場合は、接着剤が乾くまでの間に凹凸パネル片42と平板パネル片43との相対的な位置がずれる恐れがあるが、実施例4のように嵌合させることにより位置ずれを防止することができる。その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0045】
(実施例4の変更例1)
図10Bにおいて、実施例4の変更例1では、平板パネル片43′には、非湾曲時に突端頂点6bが嵌合する非湾曲時嵌合部43a′と、湾曲時に突端頂点6bが嵌合する湾曲時嵌合部43b′とが形成されている。
したがって、実施例4の変更例1の平板パネル片43′を使用することにより、非補強部材の形状により凹凸パネル片42を湾曲させない場合には、突端頂点6bを非湾曲時嵌合部43a′に嵌合させて接合することができ、凹凸パネル片42を湾曲させて使用する場合には、平板パネル片43′および凹凸パネル片42を湾曲させた状態で、突端頂点6bを湾曲時嵌合部43b′を嵌合して接合することができる。したがって、湾曲した補強パネルを容易に作製することができる。
また、接着剤を使用して接合する場合、接合用嵌合部が設けられていない場合では、湾曲した状態での復元力に抗して、接着剤が乾燥するまで湾曲した状態を保持する必要があるが、接合用嵌合部を使用すると、特別な装置を使用したり、作業者が湾曲した状態を保持しなくても、位置ずれが無く容易に接合することができる。
したがって、被補強部材が設置された現地で、特に装置を使用しなくても湾曲した補強パネルを容易に作製することができる。
【0046】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、パネル片の材料は塑性加工可能な材料で有れば特に限定されないが、金属(特に、超塑性アルミ等)や樹脂(プラスチック)等を好適に使用可能である。
(H02)前記実施例において、凹凸パネル片は1枚の板体を塑性加工(成形)してパネル片を作成する方法を例示したが、これに限定されず、従来公知の任意の方法を採用可能である。例えば、型に樹脂や金属を流し込んで作成(成形)したり、ブロー成形で作成することも可能である。
【0047】
(H03)前記実施例において、凹部の突端頂点の角を削り、三角錐台状とし、接合しやすくすることも可能である。
(H04)前記実施例4の変更例1において、湾曲形状に応じた1組分の湾曲時嵌合部43b′を形成した平板パネル片43′を例示したが、湾曲の度合い(いわゆるRの大きさ)に応じて、複数組分の湾曲時嵌合部を形成することも可能である。また、湾曲させない時に使用する平板パネル片と、湾曲時に使用する平板パネル片とを分け、湾曲時に使用する平板パネル片には非湾曲時嵌合部を形成せず、複数組の湾曲時嵌合部を形成することも可能である。
(H05)前記実施例において、凹凸パネル片と平板パネル片との接合は、溶接(スポット溶接等)、かしめ、接着剤等の任意の接合方法で接合可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は本発明の実施例1の補強構造を備えた自動車の全体説明図である。
【図2】図2は図1の自動車のドアの外装パネルの説明図であり、図2Aは前記ドアの外装パネルの正面図、図2Bは図2AのIIB―IIB線断面図である。
【図3】図3はドア補強パネルの要部拡大説明図であり、図3Aは上面図、図3Bは図3AのIIIB―IIIB線断面図である。
【図4】図4は、解析例1の説明図であり、図4Aは解析例1の解析方法の説明図、図4Bは従来使用されているインパクトビームの説明図である。
【図5】図5は、解析例1の解析条件および結果の一覧図である。
【図6】図6は解析例1の解析図であり、図6Aは解析例1−1−1の説明図、図6Bは解析例1−1−2の説明図、図6Cは解析例1−2−1の説明図、図6Dは解析例1−2−2の説明図、図6Eは解析例1−2−3の説明図、図6Fは解析例1−2−4の説明図、図6Gは解析例1−2−5の説明図、図6Hは解析例1−2−6の説明図である。
【図7】図7は、実施例1の補強パネルの解析例4の解析結果の説明図である、図7Aはパネルの重量と最大変位との関係の一覧表、図7Bは扁平率と比剛性値との関係のグラフである。
【図8】図8は実施例2の補強構造が施された自動車のフードの説明図であり、図8Aは補強パネルの説明図、図8Bは図8AのVIIIB−VIIIB線断面図である。
【図9】図9は実施例3の補強構造が施された橋脚の説明図である。
【図10】図10は実施例4の補強パネルの説明図であり、図10Aは実施例4の補強パネルの説明図、図10Bは実施例4の変更例1の平板パネルの説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1…自動車、2…ドア、3,22,31…被補強部材、4,23,32,41…補強パネル、4a,42…凹凸パネル片、4b,24,43…平板パネル片、6…凹部、6a…錐壁、6b…突端部、6c…底面、6d…底頂点、6e…湾曲可能線分、7…平面部、11…インパクトビーム、12…波形パネル片、13…平板パネル片、21…フード、23a…被支持部、43a…嵌合部、43b′…湾曲時嵌合部、43a′…非湾曲時嵌合部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
三角形状の平面部と、前記三角形状の平面部の一辺と底辺を共有する三角形状の底面を有し且つ前記平面部に対して所定の一方に凹まされた凹部と、を有し、前記凹部の三角形状の前記底面と前記平面部とが平面充填状態で配置された凹凸パネル片と、
前記凹凸パネル片の凹部の突端部で接合されることにより前記凹凸パネル片に取り付けられる平板状の平板パネル片と、
を有する補強パネルを被補強部材に支持することを特徴とする補強構造。
【請求項2】
前記補強パネルの凹凸パネル片側を前記被補強部材に支持することを特徴とする請求項1に記載の補強構造。
【請求項3】
直線上に配置された複数の前記平面部の辺により構成された湾曲可能線分を有し、前記湾曲可能線分に沿って湾曲可能な前記凹凸パネル片を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の補強構造。
【請求項4】
前記凹部の前記突端部が嵌合する嵌合部が形成された前記平板パネル片を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の補強構造。
【請求項5】
前記凹凸パネル片および前記平板パネル片が湾曲した状態で前記突端部が嵌合する湾曲時嵌合部と、前記凹凸パネル片および前記平板パネル片が湾曲していない状態で前記突端部が嵌合する非湾曲時嵌合部と、からなる前記嵌合部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の補強構造。
【請求項6】
自動車の外装パネルにより構成された前記被補強部材を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の補強構造。
【請求項7】
橋脚により構成された前記被補強部材を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の補強構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−112356(P2007−112356A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307615(P2005−307615)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(592065885)城山工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】