補聴器用テレホンカップラの構成

【課題】漏洩磁束が減少した電話機に磁気的に結合させる手段を提供する。
【解決手段】電話機と電話回線間に漏洩磁束を多く発生する誘導コイル又は誘導トランスを挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
補聴器使用者が電話で会話をするため電話機と補聴器とを結合するための装置に係る．
【背景技術】
【０００２】
補聴器にはテレホンコイルが内蔵されており、電話受話機や信号トランスの漏洩磁束と結合して会話が出来るようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
近年の電話機は従来の黒電話機から著しく進化しており、受話器は電磁型を用いなくなり高インピーダンス型に移行したため電話機内部の信号トランスも使われなくなっており、電話機からの漏洩磁束が著しく減少している。このため従来のテレホンコイルによって電話機と補聴器を結合することが困難になっている。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
電話回線と電話機の間に漏洩磁束を多く発生する誘導コイル又はトランスを直列に挿入する。
【０００５】
誘導コイルの磁束は電話信号に対応しているから、この磁束を補聴器内臓のテレホンコイルで採取すれば、補聴器と電話機を効率的に結合させることができる。
【発明の効果】
【０００６】
電話機の改良によって磁気的に結合させることが困難になっている補聴器と電話機の結合が経済的かつ簡易に達成できるようになる。
【０００７】
漏洩磁束を多く発生する誘導コイルとしては、棒状コアの長さ４２ｍｍ太さ１１×８ｍｍのフェライト材を用い、インピーダンス６００Ω程度の巻き線を施す。
これを電話回線に電話機と直列に挿入する。図１はその外形図である。図２、図３は本装置の回路図である。
図２において誘導コイル３は入力のモジュラーコード２によって電話回線につながり、モジラーコード４によって誘導コイルが電話機に直列に挿入される。
誘導コイルに２次巻き線Ｒを追加することにより、この出力を使って録音することができる。
図３は誘導コイル３の一端は入力モジュラーコード２によって電話回線につながれ他端を電話機に接続することにより誘導コイルは電話回線と直列に接続される。本構成にすると単に電話回線を電話機につなぐだけで漏洩磁束を多く発生する難聴者対応の電話機となる。
なおここに記した構造、数値はあくまで一つの実施例に過ぎない。実用上の構造として電話回線への接続は電話用モジュラーコードにすることが望ましい。
この構造であれば電話機のモジュラーコードを一旦外線からはずし、そこに本装置のモジュラーコードをつなげばよいので極めて簡易かつ安価に目的を達することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】漏洩磁束を多く発生する誘導コイルの外形例をしめす。
【図２】本発明のテレホンカップラの回路図
【図３】本発明の難聴者対応の電話機
【符号の説明】
【０００９】
１電話回線
２モジュラーコード
３誘導コイル
４モジュラーコード
５電話機
６テレホンカップラー

【特許請求の範囲】
【請求項１】
電話機より補聴器に電話信号を効率的に取り込むため、電話回線と電話機の間に漏洩磁束を多く発生する誘導コイル叉は誘導トランスを挿入することを特徴とするテレホンカップラの構成。
【請求項２】
電話機より補聴器に電話信号を効率的に取り込むため、電話回線と電話機との間に漏洩磁束を多く発生する誘導コイルを電話機内に収納した構成要素からなる電話機。

【図１】