製管機及び更生管の製管方法
【課題】本発明は、帯状体の浮き上がりや撓みを効果的に抑制し、帯状体の剥離や巻き細りを防止することができる新規な製管機及び更生管の製管方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入するにあたり、帯状体の内周面の1ないし複数箇所に対し、内周面側の曲率半径を矯正する押圧力を付与する。
【解決手段】 供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入するにあたり、帯状体の内周面の1ないし複数箇所に対し、内周面側の曲率半径を矯正する押圧力を付与する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、老朽化した下水管路、上水管路、農業用水路、ガス管路などの既設管を更生する製管機、及び更生管の製管方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既設管を更生する方法として、長尺状の帯状体を製管機に供給し、環状のガイドフレームに沿って複数個配置された案内ローラに沿って円弧を描くように螺旋状に巻き回し、隣接する帯状体の一側縁部と他側縁部を重ね合わせて順次接合することにより、更生管を製管しながら既設管内に挿入する手段が提案されている(例えば、下記特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−528243号公報
【特許文献2】特表2008−536027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近、更生管の自立強度を向上するための帯状体として、金属板などの補強ストリップを埋設して剛性を付与したものが開発されている。前述した製管機による更生管の製管において、このような剛性の高い帯状体を用いた場合等にあっては、案内ローラに沿って送り込むだけでは、該帯状体を設定された曲率半径の螺旋状に矯正することは困難である。このような設定された曲率半径に十分に矯正されていない帯状体によって更生管を製管すると、先行する帯状体に対して後続する帯状体が浮き上がって剥離したり、製管時や製管後の帯状体の剥離やいわゆる巻き細り(部分的に大きな曲率半径の円弧部分の発生)等の原因となったりする。
【0005】
又、補強ストリップの埋設により帯状体の自重が大きくなると、更生管の管頂部において帯状体の撓みが発生し、やはり帯状体の剥離や巻き細り等の原因となる。特に、このような現象は、更生管の製管時初期に発生し易い。
【0006】
本発明は、このような技術的課題を解決するために開発されたものであり、製管時の帯状体の浮き上がりや撓みを効果的に抑制し、帯状体の剥離や巻き細りを防止することができる新規な製管機及び更生管の製管方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の製管機(以下、「本発明機」と称する。) は、供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入する製管機であって、この製管機は、環状のガイドフレーム、前記ガイドフレームの周方向に間隔をおいて回転自在に支持された複数個の案内ローラ、前記ガイドフレームに設けられ、帯状体を供給する駆動機構、及び前記ガイドフレームに設けられ、供給される帯状体を内周面から案内ローラ方向に押圧する押圧力を付与する1ないし複数個の内径矯正装置を備え、供給される帯状体が前記複数個の案内ローラの並びに沿って巻き回されるように、前記内径矯正装置の押圧力によって、該帯状体の曲率半径を矯正することを特徴とする。
【0008】
即ち、本発明機は、供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入する製管機であり、少なくとも「ガイドフレーム」、「案内ローラ」、「駆動機構」、及び「内径矯正装置」を備える。
【0009】
前記ガイドフレームは、環状の支持体であり、後述する各種装置や部材を適宜箇所にて支持するものである。なお、前記ガイドフレームの大きさは、既設管の管径及び製管する更生管の管径等に応じて適宜決定される。
【0010】
前記案内ローラは、ガイドフレームの周方向に複数個間隔をおいて回転自在に支持される。本発明機においては、ガイドフレームに支持された複数個の案内ローラの並びに沿って、供給される帯状体の外周面(製管後に更生管の外周となる側の面)を接触させることにより、該帯状体の外周面の曲率半径を順次矯正する。
【0011】
なお、本発明機によって更生管に製管される帯状体としては、例えば、基板の裏面の長さ方向に沿って立ち上がる断面I字状或いはT字状の補強リブを設けたものや、該補強リブに金属板等の補強部材を埋設することにより自立強度を高めたものなどを挙げることができるが、本発明機においては、前記帯状体の形状について特に限定されるものではない。
【0012】
又、帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合する手段についても、接着式、融着式及び嵌め込み式等の各種手段が存在するが、本発明機においては、接合手段について特に限定されるものではない。
【0013】
前記駆動機構は、本発明機内に長尺上の帯状体を順次供給するものであり、前記ガイドフレームの適宜箇所に設けられる。
【0014】
そして、本発明機においては、更に、供給される帯状体を内周面(製管後に更生管の内周となる側の面)から案内ローラ方向に押圧する押圧力を付与する1ないし複数個の内径矯正装置が前記ガイドフレームに備えられる。
【0015】
ここで、更生管の製管において、剛性が高く自重の大きい帯状体を用いた場合等にあっては、帯状体の浮き上がりや撓みが生じ、帯状体の剥離や巻き細り等の原因となることは前述の通りである。
【0016】
この点につき、本発明機においては、前記内径規制装置を備え、供給される帯状体が前記複数個の案内ローラの並びに沿って巻き回されるように、前記内径矯正装置の押圧力によって、該帯状体の曲率半径を矯正する。これより、製管時の帯状体の浮き上がりや撓みを抑制することができ、もって帯状体の剥離や巻き細りを防止することができるのである。
【0017】
又、内径矯正装置を備えれば、帯状体を進出方向に対して押し戻す力(摩擦力)が発生する。そして、この帯状体を押し戻す力は、前記駆動機構から前記内径矯正装置間にある帯状体を案内ローラに向けて押し付ける力となり、より一層帯状体を矯正することが可能となる。
【0018】
なお、前記内径矯正装置により、製管機内に供給された帯状体に対し、その内周面から案内ローラ方向に押圧する押圧力を付与する方法としては、特に限定されるものではない。具体的には、製管機内に供給された帯状体が案内ローラと内径矯正装置との間隙に挿入されて、該帯状体の内周面から案内ローラに向かって押圧力が付与されるようにすればよい。
【0019】
前記内径矯正装置の形状についても、帯状体の内周面から案内ローラ方向に押圧力を付与し得るものであれば、特に限定されるものではない。本発明機においては、ローラやプレートなどの部材が好適に用いられる。この内径矯正装置は、通常、ガイドフレームに固定されるが、必要に応じて取り外しを可能とすべく、ボルト等の締結手段を用いて取り付けることが好ましい。又、案内ローラと内径矯正装置との距離(間隙)を調整できるようにして、押圧力を適宜調節できるようにしたり、バネ等の弾性部材を用いて、内径矯正装置が案内ローラ方向に弾性的に押し付けられるようにしたりしても良い。
【0020】
内径矯正装置の材質についても特に限定されるものではないが、帯状体を矯正するにあたっては内径矯正装置にかなりの荷重がかかる場合も予測される。そのため、本発明機においては、内径矯正装置本体をスチールなどの剛直な素材で構成することが好ましい。その一方で、帯状体の損傷等を防止すべく、内径矯正装置における帯状体と接触する部分については、ゴムなどの柔軟な素材を配したり、当該接触面を円滑に加工したりすることが好ましい。
【0021】
ところで、本発明機においては、前記内径矯正装置を複数箇所に配置すれば、その数に応じて帯状体を矯正する箇所が増えることになり、より帯状体の浮き上がりや撓みを抑制できることになる。
【0022】
しかしながら、多数の内径矯正装置を配置すればその分コスト高となる。又、多数の内径矯正装置による帯状体の押戻し力が、帯状体を供給する駆動装置に対し過度の負荷を与える場合もある。そのため、本発明機においては、できるだけ少数の内径矯正装置を効果的に配置することが好ましい。
【0023】
この点につき、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、本発明機においては、まず環状のガイドフレームの頂部を原点(0度)とした帯状体進出方向90〜180度に対応する位置の帯状体に対して押圧力を付与することが好ましいとの知見を得ている。これは、一般的な製管機においては、駆動機構によって帯状体を供給する位置が、環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向45〜90度に対応する位置に配置されており、駆動機構によって供給された帯状体が、環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向90〜180度に対応する位置において最も浮き上がり易い点に着目したものである。
【0024】
従って、本発明機において内径矯正装置を備えるにあたっては、該内径矯正装置が、少なくとも環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向90〜180度、更に好ましくは、100〜170度に対応する位置の帯状体に対して押圧力を付与すれば、帯状体の浮き上がりを効果的に抑制することができる。
【0025】
なお付言するに、環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向90〜180度に対応する位置は、下水管などの流水或いは滞留水が存在する管において更生管を施工する際、水面下に水没するような位置にあたる。即ち、この場合の内径矯正装置による帯状体への押圧は、水中下で行われることになる。
【0026】
そして、この水中下での押圧は、特に帯状体同士の接合に熱融着やホットメルト系の接着剤を用いた場合において、接合部を押圧しながら速やかに冷却することとなり、接合強度を一層向上させるといった相乗的な効果を得られる。
【0027】
一方、本発明者は、本発明機において、環状のガイドフレームの頂部近辺に対応する位置の帯状体に対し押圧力を付与することが好ましいとの知見も得ている。これは、特に自重の大きい帯状体が供給された場合、環状のガイドフレームの頂部近辺において、その自重により撓む傾向がある点に着目したものである。
【0028】
従って、本発明機において内径矯正装置を備えるにあたっては、該内径矯正装置が、少なくとも環状のガイドフレームの頂部近辺、具体的には該頂部を原点として±45度(好ましくは±30度)に対応する位置の帯状体に対して押圧力を付与すれば、自重による帯状体の撓みを効果的に抑制することができる。
【0029】
もちろん、2つの内径矯正装置をもって、環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向90〜180度に対応する位置及び環状のガイドフレームの頂部近辺に対応する位置の二箇所の帯状体に対して押圧力を付与すれば、帯状体の浮き上がりや撓みをより一層効果的に抑制することができる。
【0030】
本発明の更生管の製管方法(以下、本発明方法と称する。)は、供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら既設管に挿入する更生管の製管方法であって、この製管方法は、螺旋状に巻き回された帯状体の外周面側の曲率半径を矯正する一方で、帯状体の内周面の1ないし複数箇所に対し、内周面側の曲率半径を矯正する押圧力を付与することを特徴とする。
【0031】
即ち、本発明方法は、供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入する更生管の製管方法である。
【0032】
そして、本発明方法においては、螺旋状に巻き回された帯状体の外周面側の曲率半径を矯正する一方で、帯状体の内周面の1ないし複数箇所に対し、内周面側の曲率半径を矯正する押圧力を付与する。
【0033】
即ち、本発明方法においては、螺旋状に巻き回された帯状体の外周面側の曲率半径を矯正する一方で、帯状体の内周面の1ないし複数箇所に対し、内周面側の曲率半径を矯正する押圧力を付与するから、製管時の帯状体の浮き上がりや撓みを抑制することができ、もって帯状体の剥離や巻き細りを防止することができるのである。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、製管時の帯状体の浮き上がりや撓みを効果的に抑制することができ、もって帯状体の剥離や巻き細りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本発明に用いられる帯状体の一例を示す斜視図(a)、及び断面図(b)である。
【図2】図2は、図1の帯状体を接合する工程((a)溶融樹脂塗布工程、(b)接合工程)を説明する断面図である。
【図3】図3は、本発明の更生管の製管方法を実施する本発明の製管機の一例を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3に示す製管機の駆動機構を一部省略して示す斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す駆動機構のピンチローラを帯状体とともに示す平面図である。
【図6】図6は、図3に示す製管機に備えられた内径矯正装置の一方を拡大して示す斜視図である。
【図7】図7は、図3に示す製管機に備えられた内径矯正装置のもう一方を拡大して示す斜視図である。
【図8】図8は、従来公知の製管機による帯状体の巻き回し状態を示す模式図である。
【図9】図9は、本発明による帯状体の巻き回し状態を示す模式図である。
【図10】図10は、本発明による帯状体の巻き回し状態を示す模式図である。
【図11】図11は、水の存在下における本発明による帯状体の巻き回し状態を示す模式図である。
【図12】図12は、本発明に用いられる帯状体の他の例を示す断面図(a)、及びその接合状態を示す断面図(b)である。
【図13】図13は、本発明に用いられる帯状体の更に他の例を示す断面図(a)、及びその接合状態を示す斜視図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0037】
まず、本発明の実施の形態を説明するのに先立って、使用する帯状体100について説明する。
【0038】
図1(a)に示す帯状体100は、可撓性を有する合成樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを押出成形して形成されたものである。この帯状体100は、中空円筒状に巻き重ねられて現場に輸送される。この帯状体100は、帯板状の基板101の裏面に複数本(実施例においては3本)の断面I字状のリブ102が基板101と直交して形成されている。そして、基板101の一方の側縁部(以下、一側縁部という。)には、基板101の厚み分だけ裏面側に段落ちした段落ち部103が形成されている。これは、帯状体100を螺旋状に巻き回した際に、隣接する帯状体100における基板101の他方の側縁部(以下、他側縁部という。)を配置することができるようにしたものである。
【0039】
なお、図1(b)の断面図に示すように、前記各リブ102には、鋼板などの補強ストリップ104が埋設されている。即ち、この帯状体100は補強ストリップ104の存在により剛性が高く、又、その自重も大きい。
【0040】
このような帯状体100は、基板101の裏面側、すなわち、リブ102が立設された側が外周面となるよう、後述する製管機1に供給されて螺旋状に巻き回される。この際、図2(a)に示すように、互いに隣接する2つの帯状体100,100のうち、後続する帯状体100の一側縁部(段落ち部103)に溶融樹脂cが塗布される。次いで、図2(b)に示すように、溶融樹脂cが塗布された後続する帯状体100の一側縁部を、先行する帯状体100の他側縁部に外側(先行する帯状体100の外周面側)から重ね合わせことにより、後続する帯状体100の基板101の一側縁部(段落ち部103)を先行する帯状体100の基板101の他側縁部に配置して接合し、所定の管径の更生管Sを製管する。
【0041】
続いて、本実施例に係る本発明の製管機1について図3ないし図7に基づいて説明する。
【0042】
製管機1は、ガイドフレーム2、該ガイドフレーム2の周方向に間隔をおいて回転自在に設けられた複数個の案内ローラ3、螺旋状に巻き回されて先行する帯状体100の他側縁部及び後続して製管機1に供給される帯状体100の一側縁部(段落ち部103)を重ね合わせ、隣接する帯状体100,100を挟み込んで送り出す駆動機構4、及び製管機1に供給される帯状体100の一側縁部103を軟化させると共に溶融樹脂cを塗布する押出溶接機5、及び内径矯正装置6(6a、6b)とから構成されている。
【0043】
ガイドフレーム2は、前後一組の環状フレーム21,21を周方向に間隔をおいて複数本の連結材22によって一体に連結して形成されている。このガイドフレーム2は、複数個(本実施例においては、120度ずつ3個)に分割されるようになっており、分割された状態でマンホール内に搬入され、マンホール内において、環状に組み立てられる。
【0044】
なお、前方の環状フレーム21は、後述する駆動機構4及び押出溶接機5に対応して円弧の一部が内方に向けてL字状に屈曲されている。この屈曲部211に対応する部分には、円弧状の補助フレーム23が前後の環状フレーム21,21間に位置して後方の環状フレーム21に連結材22を介して連結されている。
【0045】
案内ローラ3は、ガイドフレーム2を構成する前後一対の環状フレーム21,21間に固定された各連結軸31回りに軸受(図示せず)を介して回転自在に支持されている。
【0046】
ただし、前方の環状フレーム21の屈曲部211に対応する部分の案内ローラ3は、補助フレーム23と後方の環状フレーム21との間において回転自在に支持されており、前後の環状フレーム21,21間に設けられた案内ローラ3の略半分の長さに形成されている。
【0047】
本実施の形態において前記案内ローラ3は、金属或いは合成樹脂よりなる。又、前記案内ローラ3には、帯状体100の各リブ102を、余裕を持って収容できる幅と深さの複数個の溝3a(図4参照)が形成されている。この溝3aは、帯状体100の各リブ102に対応して形成されており、案内ローラ3の外周面が帯状体100における基板101の裏面に接触できるように構成したものである。又、案内ローラ3によって外周面が矯正されて螺旋状に巻き回された帯状体100は、360度1周した際、先行する帯状体100が後続する帯状体100に対して帯状体100の幅に相当する長さだけ前方に向かってずれるように設定されている。即ち、周方向への移動につれて溝3aが管軸方向に徐々にずれるように、連結軸31に対する案内ローラ3の管軸方向の取付位置が調整されている。更に、詳細には図示しないが、案内ローラ3における帯状体100の一側縁部(段落ち部103)に対応するローラ部は、その他のローラ部よりも若干小径に形成されている。
【0048】
駆動機構4は、ガイドフレーム2の前方の環状フレーム21の屈曲部211と補助フレーム23間の空間を利用してガイドフレーム2に固定された取付フレーム41、該取付フレーム41に設けられたピンチローラ42(外面ローラ421及び内面ローラ422)、及び該ピンチローラ42に回転を与える油圧モータ(図示せず)及び減速機構43とから構成されている。
【0049】
ここで、減速機構43は、取付フレーム41に設けた油圧モータの出力軸及び外面ローラ421の回転軸にそれぞれ設けられたスプロケット431(外面ローラ421の回転軸に設けたスプロケットのみを図5に示す。)、これらのスプロケット431間に巻回されたチェーン432、及び外面ローラ421の回転軸と内面ローラ422の回転軸にそれぞれ設けられて互いに噛み合う歯車433,433からなる。即ち、この減速機構43は、油圧モータを回転駆動させることにより、スプロケット431、チェーン432を介して外面ローラ421を回転させるとともに、互いに噛み合う歯車433,433を介して内面ローラ422を外面ローラ421の回転方向とは逆方向に回転させるものである。
【0050】
又、外面ローラ421は、その外周面が帯状体100の隣接するリブ102,102間において、その基板101の裏面、即ち、更生管Sの外周面となる側の面に接して回転する。この際、外面ローラ421の外周面にはローレット加工が施されており、帯状体100を滑ることなく送り出すことができる。
【0051】
なお、外面ローラ421の、一側縁部(段落ち部103)に対応する位置のローラは、その他のローラよりも若干小径に形成されるとともに、ローレット加工は施されていない。
【0052】
一方、内面ローラ422は、例えば、鉄やプラスチックなどの比較的硬い素材によって円筒状に形成され、その外周面が帯状体100における基板101の平坦な表面、すなわち、更生管Sの内周面となる側の面に接触して回転する。
【0053】
押出溶接機5は、加熱シリンダ51内にスクリューを、油圧モータを介して回転自在となるように支持している。即ち、前記加熱シリンダ51内において、供給されたプラスチック樹脂を溶融し、溶融した樹脂を前記スクリューを利用して押出しノズル52から押し出す。そして、押出溶接機5は、押出しノズル52が製管機1における駆動機構4のピンチローラ42に供給される直前の帯状体100の一側縁部(段差部103)に略接触状態で対向するように、ガイドフレーム2に固定されている。
【0054】
隣接する帯状体100,100の溶融樹脂による接合に際しては、後続する帯状体100の一側縁部のみならず、該後続する帯状体100の一側縁部が重ね合わされる先行する帯状体の他側縁部についても略溶融状態に軟化させることが好ましい。
【0055】
そして、本実施例に係る本発明の製管機1においては、ガイドフレーム2の頂部を原点とした帯状体100進出方向約120度に対応する位置及びガイドフレーム2の頂部に対応する位置の二箇所に対して、該帯状体100を内周面から案内ローラ3方向に押圧する押圧力を付与する内径矯正装置6(6a、6b)を備える。図6及び図7に各内径矯正装置6(6a、6b)の拡大図を示す。
【0056】
図6の拡大図に示すように、環状のガイドフレーム2の頂部を原点とした帯状体100進出方向約120度に対応する位置の帯状体100に対し押圧力を付与するように備えられた内径矯正装置6aは、前方の環状フレーム21に対して締結固定されたアーム部材62の先端に、ローラ形状の押圧部材61を回転可能に支持した構成を有する。前記内径矯正装置6aにおけるアーム部材62及び押圧部材61は、強度を確保するためにその大部分がスチール素材で構成されているが、帯状体100の損傷等を防止すべく、押圧部材61の周面にはゴムを配している。又、押圧部材61と案内ローラ3により形成される間隙は、アーム部材の62の締結位置を調整することにより適宜調節することができ、これにより押圧力が調節できる。
【0057】
一方、図7の拡大図に示すように、環状のガイドフレーム2の頂部に対応する位置の帯状体100に対し押圧力を付与するように備えられた内径矯正装置6bは、前方の環状フレーム21に対して締結固定されたアーム部材62の先端に進出自在のボルト部材64を設け、このボルト部材64の上端にプレート形状の押圧部材61を支持した構成を有する。前記内径矯正装置6bにおける押圧部材61、ボルト部材64及びアーム部材62は、強度を確保するためにスチールを素材として構成されている。又、押圧部材61は、巻き回された帯状体100の内周面に沿うように湾曲している。更に、押圧部材61と案内ローラ3により形成される間隙は、アーム部材62の先端に配したボルト部材64の進出位置を調整することにより適宜調節することができる。更に、押圧部材61は、前記ボルト部材64に備えたバネ部材63の弾性力により案内ローラ3方向に向かって弾性的に押圧されている。このバネ部材63の弾性力も適宜調節することができ、前記ボルト部材64の進出位置の調整と併せて押圧力が調節できる。
【0058】
次に、このように構成された本発明の製管機1を用いて既設管を更生する場合の利点を図面を用いて説明する。
【0059】
図8は、内径矯正装置6を備えていない従来公知の製管機による製管時における帯状体100の矢印方向への供給及び巻き回し状態を模式的に示す図である。
【0060】
駆動機構4によって製管機に供給される帯状体100の剛性が高い場合、ガイドフレーム2の周囲に配された案内ローラ3の並びに沿って巻き回すことは困難である。このような剛性の高い帯状体100は、特に環状のガイドフレーム2の頂部を原点とした帯状体100進出方向90〜180度に対応する位置(図中A)において浮き上がり易い傾向がある。そして、この浮き上がりは、帯状体100の剥離やいわゆる巻き細り等の原因となる。
【0061】
又、帯状体100の自重が大きくなると、特に環状のガイドフレーム2の頂部(図中B)に対応する位置で帯状体100が撓み易くなり、やはり帯状体100の剥離や巻き細り等の原因となる。
【0062】
この点につき、本発明の製管機1よって更生管Sを製管した場合、製管時、図9に示すように環状のガイドフレーム2の頂部を原点とした帯状体100進出方向90〜180度に対応する位置(図中A)の帯状体100に対して、内周面から案内ローラ3に向かう押圧力Fを付与するから、帯状体100の浮き上がりを効果的に抑制することができ、もって帯状体100の剥離や巻き細りを防止することができるのである。
【0063】
又、本発明の製管機1よって更生管Sを製管した場合、製管時、図9に示すように環状のガイドフレーム2の頂部(図中B)に対応する位置の帯状体に対して、内周面から案内ローラ3に向かう押圧力Fを付与するから、自重による帯状体100の撓みを効果的に抑制することができるのである。
【0064】
更に、図10に示すように、帯状体100の内周面から案内ローラ3に向かう押圧力Fを付与すると、帯状体100を進出方向に対して押し戻す力(摩擦力)μが発生する。そして、この帯状体100を押し戻す力μは、駆動機構4から前記押圧力Fを付与した位置にある帯状体を案内ローラ3に向けて押し付ける力となり、より一層帯状体100を矯正することが可能となる。
【0065】
なお付言するに、環状のガイドフレーム2の頂部を原点とした帯状体100進出方向90〜180度に対応する位置(図中A)は、下水管などの流水或いは滞留水が存在する管において更生管を施工する際、水面下に水没するような位置にあたる。即ち、図11に示すように、この位置での帯状体100に対する案内ローラ3方向への押圧は、水中下で行われることになる。
【0066】
この水中下での押圧は、特に帯状体100同士の接合に熱融着やホットメルト系の接着剤を用いた場合において、接合部を押圧しながら速やかに冷却することとなり、接合強度を一層向上させるといった相乗的な効果を得られる。
【0067】
ところで、前述の本実施の形態においては、いずれも図1に示すような基板101の裏面長さ方向に沿って断面I字状の補強リブ102を備えた帯状体100を用いているが、本発明は、いずれもこのような形状の帯状体100のみを対象とするものではなく、例えば、図12(a)及び図13(b)に示すような基板101の裏面長さ方向に沿って断面T字状の補強リブ102を備えた帯状体100を用いることもできる。又、帯状体100の接合手段についても、溶融樹脂を用いる場合に限られず、例えば、図12(b)に示すような帯状体100の一側縁部に設けた雄型105を他側縁部に設けた雌型106に嵌め込む嵌め込み手段や、図13(b)に示すような隣接する帯状体100間に生じる係合部に、別体の嵌合材107を嵌め込む嵌め込み手段を用いても良い。
【符号の説明】
【0068】
1 製管機
2 ガイドフレーム
3 案内ローラ
4 駆動機構
5 押出溶接機
6 内径矯正装置
100 帯状体
S 更生管
F 押圧力
μ 押戻し力
【技術分野】
【0001】
本発明は、老朽化した下水管路、上水管路、農業用水路、ガス管路などの既設管を更生する製管機、及び更生管の製管方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既設管を更生する方法として、長尺状の帯状体を製管機に供給し、環状のガイドフレームに沿って複数個配置された案内ローラに沿って円弧を描くように螺旋状に巻き回し、隣接する帯状体の一側縁部と他側縁部を重ね合わせて順次接合することにより、更生管を製管しながら既設管内に挿入する手段が提案されている(例えば、下記特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−528243号公報
【特許文献2】特表2008−536027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近、更生管の自立強度を向上するための帯状体として、金属板などの補強ストリップを埋設して剛性を付与したものが開発されている。前述した製管機による更生管の製管において、このような剛性の高い帯状体を用いた場合等にあっては、案内ローラに沿って送り込むだけでは、該帯状体を設定された曲率半径の螺旋状に矯正することは困難である。このような設定された曲率半径に十分に矯正されていない帯状体によって更生管を製管すると、先行する帯状体に対して後続する帯状体が浮き上がって剥離したり、製管時や製管後の帯状体の剥離やいわゆる巻き細り(部分的に大きな曲率半径の円弧部分の発生)等の原因となったりする。
【0005】
又、補強ストリップの埋設により帯状体の自重が大きくなると、更生管の管頂部において帯状体の撓みが発生し、やはり帯状体の剥離や巻き細り等の原因となる。特に、このような現象は、更生管の製管時初期に発生し易い。
【0006】
本発明は、このような技術的課題を解決するために開発されたものであり、製管時の帯状体の浮き上がりや撓みを効果的に抑制し、帯状体の剥離や巻き細りを防止することができる新規な製管機及び更生管の製管方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の製管機(以下、「本発明機」と称する。) は、供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入する製管機であって、この製管機は、環状のガイドフレーム、前記ガイドフレームの周方向に間隔をおいて回転自在に支持された複数個の案内ローラ、前記ガイドフレームに設けられ、帯状体を供給する駆動機構、及び前記ガイドフレームに設けられ、供給される帯状体を内周面から案内ローラ方向に押圧する押圧力を付与する1ないし複数個の内径矯正装置を備え、供給される帯状体が前記複数個の案内ローラの並びに沿って巻き回されるように、前記内径矯正装置の押圧力によって、該帯状体の曲率半径を矯正することを特徴とする。
【0008】
即ち、本発明機は、供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入する製管機であり、少なくとも「ガイドフレーム」、「案内ローラ」、「駆動機構」、及び「内径矯正装置」を備える。
【0009】
前記ガイドフレームは、環状の支持体であり、後述する各種装置や部材を適宜箇所にて支持するものである。なお、前記ガイドフレームの大きさは、既設管の管径及び製管する更生管の管径等に応じて適宜決定される。
【0010】
前記案内ローラは、ガイドフレームの周方向に複数個間隔をおいて回転自在に支持される。本発明機においては、ガイドフレームに支持された複数個の案内ローラの並びに沿って、供給される帯状体の外周面(製管後に更生管の外周となる側の面)を接触させることにより、該帯状体の外周面の曲率半径を順次矯正する。
【0011】
なお、本発明機によって更生管に製管される帯状体としては、例えば、基板の裏面の長さ方向に沿って立ち上がる断面I字状或いはT字状の補強リブを設けたものや、該補強リブに金属板等の補強部材を埋設することにより自立強度を高めたものなどを挙げることができるが、本発明機においては、前記帯状体の形状について特に限定されるものではない。
【0012】
又、帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合する手段についても、接着式、融着式及び嵌め込み式等の各種手段が存在するが、本発明機においては、接合手段について特に限定されるものではない。
【0013】
前記駆動機構は、本発明機内に長尺上の帯状体を順次供給するものであり、前記ガイドフレームの適宜箇所に設けられる。
【0014】
そして、本発明機においては、更に、供給される帯状体を内周面(製管後に更生管の内周となる側の面)から案内ローラ方向に押圧する押圧力を付与する1ないし複数個の内径矯正装置が前記ガイドフレームに備えられる。
【0015】
ここで、更生管の製管において、剛性が高く自重の大きい帯状体を用いた場合等にあっては、帯状体の浮き上がりや撓みが生じ、帯状体の剥離や巻き細り等の原因となることは前述の通りである。
【0016】
この点につき、本発明機においては、前記内径規制装置を備え、供給される帯状体が前記複数個の案内ローラの並びに沿って巻き回されるように、前記内径矯正装置の押圧力によって、該帯状体の曲率半径を矯正する。これより、製管時の帯状体の浮き上がりや撓みを抑制することができ、もって帯状体の剥離や巻き細りを防止することができるのである。
【0017】
又、内径矯正装置を備えれば、帯状体を進出方向に対して押し戻す力(摩擦力)が発生する。そして、この帯状体を押し戻す力は、前記駆動機構から前記内径矯正装置間にある帯状体を案内ローラに向けて押し付ける力となり、より一層帯状体を矯正することが可能となる。
【0018】
なお、前記内径矯正装置により、製管機内に供給された帯状体に対し、その内周面から案内ローラ方向に押圧する押圧力を付与する方法としては、特に限定されるものではない。具体的には、製管機内に供給された帯状体が案内ローラと内径矯正装置との間隙に挿入されて、該帯状体の内周面から案内ローラに向かって押圧力が付与されるようにすればよい。
【0019】
前記内径矯正装置の形状についても、帯状体の内周面から案内ローラ方向に押圧力を付与し得るものであれば、特に限定されるものではない。本発明機においては、ローラやプレートなどの部材が好適に用いられる。この内径矯正装置は、通常、ガイドフレームに固定されるが、必要に応じて取り外しを可能とすべく、ボルト等の締結手段を用いて取り付けることが好ましい。又、案内ローラと内径矯正装置との距離(間隙)を調整できるようにして、押圧力を適宜調節できるようにしたり、バネ等の弾性部材を用いて、内径矯正装置が案内ローラ方向に弾性的に押し付けられるようにしたりしても良い。
【0020】
内径矯正装置の材質についても特に限定されるものではないが、帯状体を矯正するにあたっては内径矯正装置にかなりの荷重がかかる場合も予測される。そのため、本発明機においては、内径矯正装置本体をスチールなどの剛直な素材で構成することが好ましい。その一方で、帯状体の損傷等を防止すべく、内径矯正装置における帯状体と接触する部分については、ゴムなどの柔軟な素材を配したり、当該接触面を円滑に加工したりすることが好ましい。
【0021】
ところで、本発明機においては、前記内径矯正装置を複数箇所に配置すれば、その数に応じて帯状体を矯正する箇所が増えることになり、より帯状体の浮き上がりや撓みを抑制できることになる。
【0022】
しかしながら、多数の内径矯正装置を配置すればその分コスト高となる。又、多数の内径矯正装置による帯状体の押戻し力が、帯状体を供給する駆動装置に対し過度の負荷を与える場合もある。そのため、本発明機においては、できるだけ少数の内径矯正装置を効果的に配置することが好ましい。
【0023】
この点につき、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、本発明機においては、まず環状のガイドフレームの頂部を原点(0度)とした帯状体進出方向90〜180度に対応する位置の帯状体に対して押圧力を付与することが好ましいとの知見を得ている。これは、一般的な製管機においては、駆動機構によって帯状体を供給する位置が、環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向45〜90度に対応する位置に配置されており、駆動機構によって供給された帯状体が、環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向90〜180度に対応する位置において最も浮き上がり易い点に着目したものである。
【0024】
従って、本発明機において内径矯正装置を備えるにあたっては、該内径矯正装置が、少なくとも環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向90〜180度、更に好ましくは、100〜170度に対応する位置の帯状体に対して押圧力を付与すれば、帯状体の浮き上がりを効果的に抑制することができる。
【0025】
なお付言するに、環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向90〜180度に対応する位置は、下水管などの流水或いは滞留水が存在する管において更生管を施工する際、水面下に水没するような位置にあたる。即ち、この場合の内径矯正装置による帯状体への押圧は、水中下で行われることになる。
【0026】
そして、この水中下での押圧は、特に帯状体同士の接合に熱融着やホットメルト系の接着剤を用いた場合において、接合部を押圧しながら速やかに冷却することとなり、接合強度を一層向上させるといった相乗的な効果を得られる。
【0027】
一方、本発明者は、本発明機において、環状のガイドフレームの頂部近辺に対応する位置の帯状体に対し押圧力を付与することが好ましいとの知見も得ている。これは、特に自重の大きい帯状体が供給された場合、環状のガイドフレームの頂部近辺において、その自重により撓む傾向がある点に着目したものである。
【0028】
従って、本発明機において内径矯正装置を備えるにあたっては、該内径矯正装置が、少なくとも環状のガイドフレームの頂部近辺、具体的には該頂部を原点として±45度(好ましくは±30度)に対応する位置の帯状体に対して押圧力を付与すれば、自重による帯状体の撓みを効果的に抑制することができる。
【0029】
もちろん、2つの内径矯正装置をもって、環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向90〜180度に対応する位置及び環状のガイドフレームの頂部近辺に対応する位置の二箇所の帯状体に対して押圧力を付与すれば、帯状体の浮き上がりや撓みをより一層効果的に抑制することができる。
【0030】
本発明の更生管の製管方法(以下、本発明方法と称する。)は、供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら既設管に挿入する更生管の製管方法であって、この製管方法は、螺旋状に巻き回された帯状体の外周面側の曲率半径を矯正する一方で、帯状体の内周面の1ないし複数箇所に対し、内周面側の曲率半径を矯正する押圧力を付与することを特徴とする。
【0031】
即ち、本発明方法は、供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入する更生管の製管方法である。
【0032】
そして、本発明方法においては、螺旋状に巻き回された帯状体の外周面側の曲率半径を矯正する一方で、帯状体の内周面の1ないし複数箇所に対し、内周面側の曲率半径を矯正する押圧力を付与する。
【0033】
即ち、本発明方法においては、螺旋状に巻き回された帯状体の外周面側の曲率半径を矯正する一方で、帯状体の内周面の1ないし複数箇所に対し、内周面側の曲率半径を矯正する押圧力を付与するから、製管時の帯状体の浮き上がりや撓みを抑制することができ、もって帯状体の剥離や巻き細りを防止することができるのである。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、製管時の帯状体の浮き上がりや撓みを効果的に抑制することができ、もって帯状体の剥離や巻き細りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本発明に用いられる帯状体の一例を示す斜視図(a)、及び断面図(b)である。
【図2】図2は、図1の帯状体を接合する工程((a)溶融樹脂塗布工程、(b)接合工程)を説明する断面図である。
【図3】図3は、本発明の更生管の製管方法を実施する本発明の製管機の一例を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3に示す製管機の駆動機構を一部省略して示す斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す駆動機構のピンチローラを帯状体とともに示す平面図である。
【図6】図6は、図3に示す製管機に備えられた内径矯正装置の一方を拡大して示す斜視図である。
【図7】図7は、図3に示す製管機に備えられた内径矯正装置のもう一方を拡大して示す斜視図である。
【図8】図8は、従来公知の製管機による帯状体の巻き回し状態を示す模式図である。
【図9】図9は、本発明による帯状体の巻き回し状態を示す模式図である。
【図10】図10は、本発明による帯状体の巻き回し状態を示す模式図である。
【図11】図11は、水の存在下における本発明による帯状体の巻き回し状態を示す模式図である。
【図12】図12は、本発明に用いられる帯状体の他の例を示す断面図(a)、及びその接合状態を示す断面図(b)である。
【図13】図13は、本発明に用いられる帯状体の更に他の例を示す断面図(a)、及びその接合状態を示す斜視図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0037】
まず、本発明の実施の形態を説明するのに先立って、使用する帯状体100について説明する。
【0038】
図1(a)に示す帯状体100は、可撓性を有する合成樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを押出成形して形成されたものである。この帯状体100は、中空円筒状に巻き重ねられて現場に輸送される。この帯状体100は、帯板状の基板101の裏面に複数本(実施例においては3本)の断面I字状のリブ102が基板101と直交して形成されている。そして、基板101の一方の側縁部(以下、一側縁部という。)には、基板101の厚み分だけ裏面側に段落ちした段落ち部103が形成されている。これは、帯状体100を螺旋状に巻き回した際に、隣接する帯状体100における基板101の他方の側縁部(以下、他側縁部という。)を配置することができるようにしたものである。
【0039】
なお、図1(b)の断面図に示すように、前記各リブ102には、鋼板などの補強ストリップ104が埋設されている。即ち、この帯状体100は補強ストリップ104の存在により剛性が高く、又、その自重も大きい。
【0040】
このような帯状体100は、基板101の裏面側、すなわち、リブ102が立設された側が外周面となるよう、後述する製管機1に供給されて螺旋状に巻き回される。この際、図2(a)に示すように、互いに隣接する2つの帯状体100,100のうち、後続する帯状体100の一側縁部(段落ち部103)に溶融樹脂cが塗布される。次いで、図2(b)に示すように、溶融樹脂cが塗布された後続する帯状体100の一側縁部を、先行する帯状体100の他側縁部に外側(先行する帯状体100の外周面側)から重ね合わせことにより、後続する帯状体100の基板101の一側縁部(段落ち部103)を先行する帯状体100の基板101の他側縁部に配置して接合し、所定の管径の更生管Sを製管する。
【0041】
続いて、本実施例に係る本発明の製管機1について図3ないし図7に基づいて説明する。
【0042】
製管機1は、ガイドフレーム2、該ガイドフレーム2の周方向に間隔をおいて回転自在に設けられた複数個の案内ローラ3、螺旋状に巻き回されて先行する帯状体100の他側縁部及び後続して製管機1に供給される帯状体100の一側縁部(段落ち部103)を重ね合わせ、隣接する帯状体100,100を挟み込んで送り出す駆動機構4、及び製管機1に供給される帯状体100の一側縁部103を軟化させると共に溶融樹脂cを塗布する押出溶接機5、及び内径矯正装置6(6a、6b)とから構成されている。
【0043】
ガイドフレーム2は、前後一組の環状フレーム21,21を周方向に間隔をおいて複数本の連結材22によって一体に連結して形成されている。このガイドフレーム2は、複数個(本実施例においては、120度ずつ3個)に分割されるようになっており、分割された状態でマンホール内に搬入され、マンホール内において、環状に組み立てられる。
【0044】
なお、前方の環状フレーム21は、後述する駆動機構4及び押出溶接機5に対応して円弧の一部が内方に向けてL字状に屈曲されている。この屈曲部211に対応する部分には、円弧状の補助フレーム23が前後の環状フレーム21,21間に位置して後方の環状フレーム21に連結材22を介して連結されている。
【0045】
案内ローラ3は、ガイドフレーム2を構成する前後一対の環状フレーム21,21間に固定された各連結軸31回りに軸受(図示せず)を介して回転自在に支持されている。
【0046】
ただし、前方の環状フレーム21の屈曲部211に対応する部分の案内ローラ3は、補助フレーム23と後方の環状フレーム21との間において回転自在に支持されており、前後の環状フレーム21,21間に設けられた案内ローラ3の略半分の長さに形成されている。
【0047】
本実施の形態において前記案内ローラ3は、金属或いは合成樹脂よりなる。又、前記案内ローラ3には、帯状体100の各リブ102を、余裕を持って収容できる幅と深さの複数個の溝3a(図4参照)が形成されている。この溝3aは、帯状体100の各リブ102に対応して形成されており、案内ローラ3の外周面が帯状体100における基板101の裏面に接触できるように構成したものである。又、案内ローラ3によって外周面が矯正されて螺旋状に巻き回された帯状体100は、360度1周した際、先行する帯状体100が後続する帯状体100に対して帯状体100の幅に相当する長さだけ前方に向かってずれるように設定されている。即ち、周方向への移動につれて溝3aが管軸方向に徐々にずれるように、連結軸31に対する案内ローラ3の管軸方向の取付位置が調整されている。更に、詳細には図示しないが、案内ローラ3における帯状体100の一側縁部(段落ち部103)に対応するローラ部は、その他のローラ部よりも若干小径に形成されている。
【0048】
駆動機構4は、ガイドフレーム2の前方の環状フレーム21の屈曲部211と補助フレーム23間の空間を利用してガイドフレーム2に固定された取付フレーム41、該取付フレーム41に設けられたピンチローラ42(外面ローラ421及び内面ローラ422)、及び該ピンチローラ42に回転を与える油圧モータ(図示せず)及び減速機構43とから構成されている。
【0049】
ここで、減速機構43は、取付フレーム41に設けた油圧モータの出力軸及び外面ローラ421の回転軸にそれぞれ設けられたスプロケット431(外面ローラ421の回転軸に設けたスプロケットのみを図5に示す。)、これらのスプロケット431間に巻回されたチェーン432、及び外面ローラ421の回転軸と内面ローラ422の回転軸にそれぞれ設けられて互いに噛み合う歯車433,433からなる。即ち、この減速機構43は、油圧モータを回転駆動させることにより、スプロケット431、チェーン432を介して外面ローラ421を回転させるとともに、互いに噛み合う歯車433,433を介して内面ローラ422を外面ローラ421の回転方向とは逆方向に回転させるものである。
【0050】
又、外面ローラ421は、その外周面が帯状体100の隣接するリブ102,102間において、その基板101の裏面、即ち、更生管Sの外周面となる側の面に接して回転する。この際、外面ローラ421の外周面にはローレット加工が施されており、帯状体100を滑ることなく送り出すことができる。
【0051】
なお、外面ローラ421の、一側縁部(段落ち部103)に対応する位置のローラは、その他のローラよりも若干小径に形成されるとともに、ローレット加工は施されていない。
【0052】
一方、内面ローラ422は、例えば、鉄やプラスチックなどの比較的硬い素材によって円筒状に形成され、その外周面が帯状体100における基板101の平坦な表面、すなわち、更生管Sの内周面となる側の面に接触して回転する。
【0053】
押出溶接機5は、加熱シリンダ51内にスクリューを、油圧モータを介して回転自在となるように支持している。即ち、前記加熱シリンダ51内において、供給されたプラスチック樹脂を溶融し、溶融した樹脂を前記スクリューを利用して押出しノズル52から押し出す。そして、押出溶接機5は、押出しノズル52が製管機1における駆動機構4のピンチローラ42に供給される直前の帯状体100の一側縁部(段差部103)に略接触状態で対向するように、ガイドフレーム2に固定されている。
【0054】
隣接する帯状体100,100の溶融樹脂による接合に際しては、後続する帯状体100の一側縁部のみならず、該後続する帯状体100の一側縁部が重ね合わされる先行する帯状体の他側縁部についても略溶融状態に軟化させることが好ましい。
【0055】
そして、本実施例に係る本発明の製管機1においては、ガイドフレーム2の頂部を原点とした帯状体100進出方向約120度に対応する位置及びガイドフレーム2の頂部に対応する位置の二箇所に対して、該帯状体100を内周面から案内ローラ3方向に押圧する押圧力を付与する内径矯正装置6(6a、6b)を備える。図6及び図7に各内径矯正装置6(6a、6b)の拡大図を示す。
【0056】
図6の拡大図に示すように、環状のガイドフレーム2の頂部を原点とした帯状体100進出方向約120度に対応する位置の帯状体100に対し押圧力を付与するように備えられた内径矯正装置6aは、前方の環状フレーム21に対して締結固定されたアーム部材62の先端に、ローラ形状の押圧部材61を回転可能に支持した構成を有する。前記内径矯正装置6aにおけるアーム部材62及び押圧部材61は、強度を確保するためにその大部分がスチール素材で構成されているが、帯状体100の損傷等を防止すべく、押圧部材61の周面にはゴムを配している。又、押圧部材61と案内ローラ3により形成される間隙は、アーム部材の62の締結位置を調整することにより適宜調節することができ、これにより押圧力が調節できる。
【0057】
一方、図7の拡大図に示すように、環状のガイドフレーム2の頂部に対応する位置の帯状体100に対し押圧力を付与するように備えられた内径矯正装置6bは、前方の環状フレーム21に対して締結固定されたアーム部材62の先端に進出自在のボルト部材64を設け、このボルト部材64の上端にプレート形状の押圧部材61を支持した構成を有する。前記内径矯正装置6bにおける押圧部材61、ボルト部材64及びアーム部材62は、強度を確保するためにスチールを素材として構成されている。又、押圧部材61は、巻き回された帯状体100の内周面に沿うように湾曲している。更に、押圧部材61と案内ローラ3により形成される間隙は、アーム部材62の先端に配したボルト部材64の進出位置を調整することにより適宜調節することができる。更に、押圧部材61は、前記ボルト部材64に備えたバネ部材63の弾性力により案内ローラ3方向に向かって弾性的に押圧されている。このバネ部材63の弾性力も適宜調節することができ、前記ボルト部材64の進出位置の調整と併せて押圧力が調節できる。
【0058】
次に、このように構成された本発明の製管機1を用いて既設管を更生する場合の利点を図面を用いて説明する。
【0059】
図8は、内径矯正装置6を備えていない従来公知の製管機による製管時における帯状体100の矢印方向への供給及び巻き回し状態を模式的に示す図である。
【0060】
駆動機構4によって製管機に供給される帯状体100の剛性が高い場合、ガイドフレーム2の周囲に配された案内ローラ3の並びに沿って巻き回すことは困難である。このような剛性の高い帯状体100は、特に環状のガイドフレーム2の頂部を原点とした帯状体100進出方向90〜180度に対応する位置(図中A)において浮き上がり易い傾向がある。そして、この浮き上がりは、帯状体100の剥離やいわゆる巻き細り等の原因となる。
【0061】
又、帯状体100の自重が大きくなると、特に環状のガイドフレーム2の頂部(図中B)に対応する位置で帯状体100が撓み易くなり、やはり帯状体100の剥離や巻き細り等の原因となる。
【0062】
この点につき、本発明の製管機1よって更生管Sを製管した場合、製管時、図9に示すように環状のガイドフレーム2の頂部を原点とした帯状体100進出方向90〜180度に対応する位置(図中A)の帯状体100に対して、内周面から案内ローラ3に向かう押圧力Fを付与するから、帯状体100の浮き上がりを効果的に抑制することができ、もって帯状体100の剥離や巻き細りを防止することができるのである。
【0063】
又、本発明の製管機1よって更生管Sを製管した場合、製管時、図9に示すように環状のガイドフレーム2の頂部(図中B)に対応する位置の帯状体に対して、内周面から案内ローラ3に向かう押圧力Fを付与するから、自重による帯状体100の撓みを効果的に抑制することができるのである。
【0064】
更に、図10に示すように、帯状体100の内周面から案内ローラ3に向かう押圧力Fを付与すると、帯状体100を進出方向に対して押し戻す力(摩擦力)μが発生する。そして、この帯状体100を押し戻す力μは、駆動機構4から前記押圧力Fを付与した位置にある帯状体を案内ローラ3に向けて押し付ける力となり、より一層帯状体100を矯正することが可能となる。
【0065】
なお付言するに、環状のガイドフレーム2の頂部を原点とした帯状体100進出方向90〜180度に対応する位置(図中A)は、下水管などの流水或いは滞留水が存在する管において更生管を施工する際、水面下に水没するような位置にあたる。即ち、図11に示すように、この位置での帯状体100に対する案内ローラ3方向への押圧は、水中下で行われることになる。
【0066】
この水中下での押圧は、特に帯状体100同士の接合に熱融着やホットメルト系の接着剤を用いた場合において、接合部を押圧しながら速やかに冷却することとなり、接合強度を一層向上させるといった相乗的な効果を得られる。
【0067】
ところで、前述の本実施の形態においては、いずれも図1に示すような基板101の裏面長さ方向に沿って断面I字状の補強リブ102を備えた帯状体100を用いているが、本発明は、いずれもこのような形状の帯状体100のみを対象とするものではなく、例えば、図12(a)及び図13(b)に示すような基板101の裏面長さ方向に沿って断面T字状の補強リブ102を備えた帯状体100を用いることもできる。又、帯状体100の接合手段についても、溶融樹脂を用いる場合に限られず、例えば、図12(b)に示すような帯状体100の一側縁部に設けた雄型105を他側縁部に設けた雌型106に嵌め込む嵌め込み手段や、図13(b)に示すような隣接する帯状体100間に生じる係合部に、別体の嵌合材107を嵌め込む嵌め込み手段を用いても良い。
【符号の説明】
【0068】
1 製管機
2 ガイドフレーム
3 案内ローラ
4 駆動機構
5 押出溶接機
6 内径矯正装置
100 帯状体
S 更生管
F 押圧力
μ 押戻し力
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入する製管機であって、この製管機は、
環状のガイドフレーム、
前記ガイドフレームの周方向に間隔をおいて回転自在に支持された複数個の案内ローラ、前記ガイドフレームに設けられ、帯状体を供給する駆動機構、
及び前記ガイドフレームに設けられ、供給される帯状体を内周面から案内ローラ方向に押圧する押圧力を付与する1ないし複数個の内径矯正装置を備え、
供給される帯状体が前記複数個の案内ローラの並びに沿って巻き回されるように、前記内径矯正装置の押圧力によって、該帯状体の曲率半径を矯正することを特徴とする製管機。
【請求項2】
請求項1に記載の製管機において、前記内径矯正装置が、少なくとも環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向90〜180度に対応する位置の帯状体に対して押圧力を付与する製管機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製管機において、前記内径矯正装置が、少なくとも環状のガイドフレームの頂部近辺に対応する位置の帯状体に対して押圧力を付与する製管機。
【請求項4】
供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入する更生管の製管方法であって、この製管方法は、螺旋状に巻き回された帯状体の外周面側の曲率半径を矯正する一方で、帯状体の内周面の1ないし複数箇所に対し、内周面側の曲率半径を矯正する押圧力を付与することを特徴とする更生管の製管方法。
【請求項1】
供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入する製管機であって、この製管機は、
環状のガイドフレーム、
前記ガイドフレームの周方向に間隔をおいて回転自在に支持された複数個の案内ローラ、前記ガイドフレームに設けられ、帯状体を供給する駆動機構、
及び前記ガイドフレームに設けられ、供給される帯状体を内周面から案内ローラ方向に押圧する押圧力を付与する1ないし複数個の内径矯正装置を備え、
供給される帯状体が前記複数個の案内ローラの並びに沿って巻き回されるように、前記内径矯正装置の押圧力によって、該帯状体の曲率半径を矯正することを特徴とする製管機。
【請求項2】
請求項1に記載の製管機において、前記内径矯正装置が、少なくとも環状のガイドフレームの頂部を原点とした帯状体進出方向90〜180度に対応する位置の帯状体に対して押圧力を付与する製管機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製管機において、前記内径矯正装置が、少なくとも環状のガイドフレームの頂部近辺に対応する位置の帯状体に対して押圧力を付与する製管機。
【請求項4】
供給される帯状体を螺旋状に巻き回し、螺旋状の互いに隣接する帯状体の一側縁部及び他側縁部を順次接合することにより、更生管を製管しながら、該更生管を既設管に挿入する更生管の製管方法であって、この製管方法は、螺旋状に巻き回された帯状体の外周面側の曲率半径を矯正する一方で、帯状体の内周面の1ないし複数箇所に対し、内周面側の曲率半径を矯正する押圧力を付与することを特徴とする更生管の製管方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−106561(P2011−106561A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261833(P2009−261833)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]