説明

製麺用まな板

【課題】 従来の製麺機は設備費、設置場所、メンテナンス等の観点から一般家庭において導入することが容易でない。また手作業では圧延した麺帯を複層に折りたたみ、包丁で麺線を等間隔に切り出すという時間のかかる作業であった。
【解決手段】 まな板の片面一面に等間隔かつ同一形状の複数の溝を設けることによって一度に多数本の麺線を切り出すことができる製麺用のまな板を提供することができた。
また、溝の形状を変えることによって同じ動作で、きしめんからそうめんに至るまで、多種類の麺作りが可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、片面を麺線の切り出しに用いるまな板の形状に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の製麺工程では圧延ローラでのばした麺帯から麺線を切り出すのに製麺機を使用することがある(例えば特許文献1)。また手作業においては、麺棒でのばした麺帯を複層に折りたたみ、包丁で麺幅を等間隔に切り出すこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−278524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の機械式製麺機は設備費、設置場所、メンテナンス等の観点から一般家庭において導入することが容易ではない。また手作業の場合には、のばした麺帯を複層に折りたたみ包丁で麺線を等間隔に切り出すという時間のかかる作業であった。
そこで、この発明は、まな板の片面で麺生地をのばして麺帯を作り、もう片面で麺線の切り出しが簡単にできる製麺用のまな板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、第一発明は、まな板の片面一面に、等間隔かつ同一形状の複数の溝を設けたことを特徴とする製麺用のまな板である。
【0006】
また、第二発明は、上記溝の幅と深さを、麺線の種類や太さの好みによって変化させたり、まな板の材質の特性に適した形状に変化させたりすることができることを特徴とする製麺用のまな板である。
【0007】
上記第一発明による作用は次の通りである。すなわち、まな板の平らな方の面に置いてのばして作った麺帯を、溝を設けた反対側の面に置き換え、溝に沿って麺棒をころがして圧延した時、線状となる溝の山線部分が刃の役割を果たし、切り出された麺線は溝に落ちる。
【0008】
第二発明による作用は、溝の幅と深さを変えることによって、例えばきしめん、うどん、そば、そうめんのように異なった太さの麺線を作ることができる。
また、溝の形状をV字型、上向きのコの字型、U字型に変えることによって、まな板の材質の持つ特性を活かした鋭利な溝の山線を設けることができる。
【発明の効果】
【0009】
上述したように、本発明の製麺用まな板は、平らな方の面に置いて麺生地をのばして作った麺帯を、溝を設けた反対側の面に打ち粉をしてから置き、溝に沿って麺棒をころがし圧延すると一度に多数の麺線を切り出さすことができる。
【00010】
切り出した麺線は溝に落ち、まな板を斜めに傾けると麺線はまな板の溝からすべり落ち、鍋に受けてすぐに茹でることができる。この発明により、麺帯をのばす、切る、茹でるという作業の一連性が高まる。
【0011】
まな板に残った打ち粉は、たわしで簡単に洗い流すことができ、まな板を立てると水分が溝に沿って流れ落ちるので、素早く乾燥し衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の一実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の一実施形態を、図1に示す。
製麺用まな板本体1は食材を切るための基準を充足した材質であり、その材質の特性を生かす溝の形が設けられている。溝の山線部分に沿って麺棒をころがして麺帯を圧延することから、まな板に固い素材を使用すると溝の山線が鋭利となり、当該部分の耐摩耗性が向上する。
【0014】
溝の幅、深さは、求める麺線の太さに応じて設ける。
【0015】
溝の形状は、まな板の材質に適する加工方法に応じて、V字型・上向きのコの字型・U字型より選択して設ける。
【0016】
まな板の大きさは1回の圧延で出来上がる麺線の量に応じて自在に選択する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
まな板の片面一面に、等間隔かつ同一形状の複数の溝を設けたことを特徴とする製麺用まな板。
【請求項2】
上記溝は、幅や深さを変化させて設けることができる。また、溝の形状もV字形、上向きのコの字型、U字型と変化して設けることができる、請求項1記載の製麺用まな板。

【図1】
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