説明

複合スイッチ

【課題】スライダに無理な回転力が作用することによる多方向スイッチとしての機能障害を防止することと、スイッチ操作性の向上、スイッチ設置パネル面のシンプル化を図るのに好適な複合スイッチを提供する。
【解決手段】操作部14に対して横方向からの押し込み力が作用したときは、スライダ8が中立の定位置から操作部の押し込み方向にスライドし、そのスライド方向に応じた接触状態が得られ、また操作部14に対しその軸心回りに回転させるトルクが作用したときは、そのトルクがスライダ8等を介して外ベース2に伝わり、これにより外ベース2、スライダ8、操作部14が一緒に中立の定位置から操作部14の回転方向に回転移動し、その回転方向に応じた接触状態が得られるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カーナビゲーションその他の車両搭載機器を操作するための操作スイッチ等として用いられる複合スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置の普及に伴い、カーナビゲーション装置を標準装備した車輌が増えている。カーナビゲーション装置を標準装備とする場合は、カーナビ操作のためのセンターコントロールスイッチがダッシュボード前面に一体に組み込まれる。
【0003】
この種のセンターコントロールスイッチは、カーナビ操作画面上のカーソルを操作するとき等に使用される8つの独立した8方向ボタンや決定ボタン等、多数のスイッチ操作部を有している。一方、ダッシュボード前面には、カーナビゲーション普及以前より存在する車輌エアコンの操作スイッチ等、各種スイッチの操作部も一体に組み込まれている。このため、カーナビゲーション装置を標準装備とした場合は、ダッシュボード前面に平面的に配置されるスイッチ操作部の数が必然的に多くなり、ダッシュボード前面が煩雑なものとなるとともに、スイッチ操作性が低下する。
【0004】
かかる問題を解決する手段として、特許文献1に記載の多方向スイッチの導入が考えられる。
【0005】
同文献の多方向スイッチは、同一面上で多方向にスライド移動可能な1つのスライダを8方向にスライド操作するだけで、前記8つの独立した8方向ボタンと同等のスイッチ操作を行えるものである。このため、同文献の多方向スイッチの導入によりダッシュボード前面に平面的に配置されるスイッチ操作部の数は減る。
【0006】
しかし、多方向スイッチの構造上、操作上、同文献の多方向スイッチの導入によるスイッチ操作部の数の減少には限界があり、同文献の多方向スイッチでは今後予想されるスイッチ操作部の増加に対して十分に対応することができない可能性がある。多方向スイッチの周囲に他のスイッチ操作部が新規に増設されることが予想される。そうなると、再び、ダッシュボード前面に平面的に配置されるスイッチ操作部の数が増加し、ダッシュボード前面が煩雑なものとなり、スイッチ操作性が低下する等の問題点が発生し得る。
【0007】
また、同文献の多方向スイッチは、同一面上で1つのスライダを多方向にスライド移動させる構造であるため、当該スライダを回転させるような無理な力がスライダに作用すると、そのスライダやスライドのガイド手段等が破損し、スライダがいずれの方向にもスライドできなくなり、多方向スイッチとしての機能障害が生じる。
【0008】
この種の多方向スイッチにおいて、たとえば、どの方向へスライドできるかをスイッチ操作者に直感的に観念させる手段として、スライダをスライド移動させるためのスイッチ操作部の外周をスライド移動方向と同数の多角形に形成すると、前記のような不具合の生じる可能性はより一層高くなる。これは、外周多角形のスイッチ操作体を採用すると、スイッチ操作部の外形がボルトの頭部やナットの外形に似てくること等から、本来回転できないスイッチ操作体があたかも回転できるかのような誤解をスイッチ操作者に与え、スイッチ操作体を介して無理にスライダを回転させようとする機会が増えると考えられるからである。
【0009】
【特許文献1】特開2003−59374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、スライダに無理な回転力が作用することによる多方向スイッチとしての機能障害を防止することと、スイッチ操作性の向上、スイッチ設置パネル面のシンプル化を図るのに好適な複合スイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明に係る複合スイッチは、一つの操作部を横方向に押し込む若しくはその軸心回りに回転させる操作で、その押し込み方向にスライドするスライド方向に応じた接触状態が得られる多方向スイッチとして機能するとともに、前記回転の方向に応じた接触状態が得られる回転シャトルスイッチとして機能することを特徴とするものである。
【0012】
前記本発明に係る複合スイッチは、カップ型の内ベースと外ベースとを内外2重に回転可能に配置した多重ベースと、前記外ベースの底部上面にスライド可能に設けられ、かつ、前記操作部を外周に一体に装着してなるスライダと、前記スライダと前記外ベースとの間に設けられ、かつ、前記スライダを前記外ベースの底部上面で多方向へスライド可能にガイドするガイド手段と、前記スライダを中立の定位置に常時付勢する第1の付勢手段と、前記外ベースを中立の定位置に常時付勢する第2の付勢手段と、前記外ベースの底部上面に一体に設けられた外ベース固定接点パターンと、前記外ベース固定接点パターンと対向するように前記スライダの下面に一体に取り付けられたスライドブラシと、前記内ベースの底部外面と対向するように前記外ベースに一体に設けられたロータリーブラシと、前記ロータリーブラシと対向するように前記内ベースの底部上面に一体に設けられた内ベース固定接点パターンと、を備え、前記操作部に対して横方向からの押し込み力が作用したときは、前記第1の付勢手段の付勢力に逆らって、前記スライダが前記中立の定位置から操作部の押し込み方向にスライドし、このとき、前記スライドブラシと前記外ベース固定接点パターンとが前記スライド方向に応じた接触状態となり、前記操作部に対してその軸心回りに回転させるトルクが作用したとき、そのトルクが前記スライダと前記ガイド手段を介して前記外ベースに伝わり、これにより前記第2の付勢手段の付勢力に逆らって、前記外ベース、前記スライダ、前記操作部が一緒に中立の定位置から前記操作部の回転方向に回転移動し、このとき、前記ロータリーブラシと前記内ベース固定接点パターンとが前記回転方向に応じた接触状態となるものとして構成することができる。
【0013】
また、前記本発明に係る複合スイッチは、カップ型の内ベースと外ベースとを内外2重に回転可能に配置した多重ベースと、前記外ベースの底部上面にスライド可能に設けられ、かつ、前記操作部を外周に一体に装着してなるスライダと、前記スライダと前記外ベースとの間に設けられ、かつ、前記スライダを前記外ベースの底部上面で多方向へスライド可能にガイドするガイド手段と、前記スライダを中立の定位置に常時付勢する第1の付勢手段と、前記外ベースを中立の定位置に常時付勢する第2の付勢手段と、前記外ベースの底部上面に一体に設けられた外ベース固定接点パターンと、前記外ベース固定接点パターンと対向するように前記スライダの下面に一体に取り付けられたスライドブラシと、前記内ベースの底部外面と対向するように前記外ベースに一体に設けられたロータリーブラシと、前記ロータリーブラシと対向するように前記内ベースの底部上面に一体に設けられた内ベース固定接点パターンと、を備え、前記外ベース固定接点パターンは、前記外ベース底部上面の四方に分散して配置された多方向スイッチ用の外ベース固定コモン接点および複数の外ベース固定接点を有し、前記スライドブラシは、前記多方向スイッチ用のスライド接点として、前記外ベース固定コモン接点に対応して設けられたスライドコモン接点および前記複数の外ベース固定接点に対応して設けられた複数のスライド接点を有し、前記ロータリーブラシは、前記多方向スイッチ用のロータリー接点として、前記外ベース固定コモン接点および前記複数の外ベース固定接点にそれぞれ導通する複数のロータリー接点、ならびに、前記回転シャトルスイッチ用のロータリー接点として、ロータリーコモン接点およびこれに導通するロータリー切換接点を有し、これらのロータリー接点を前記外ベースの底部中央を中心とする同芯円上に配置した構造からなり、前記内ベース固定接点パターンは、前記多方向スイッチ用のロータリー接点および前記回転シャトルスイッチ用のロータリー接点ごとに、それぞれ対応して、それぞれの接点回転軌跡に沿って形成し配置された複数の内ベース固定接点を有し、前記操作部に対して横方向からの押し込み力が作用したときは、前記第1の付勢手段の付勢力に逆らって、前記スライダが前記中立の定位置から操作部の押し込み方向にスライドし、このときは、そのスライド方向に応じて、前記複数のスライド接点と複数の外ベース固定接点のうち、少なくともいずれか一組のスライド接点と外ベース固定接点とが接触し、かつ、前記スライドコモン接点と前記外ベース固定コモン接点とが接触した状態となり、前記操作部に対しその軸心回りに回転させるトルクが作用したときは、そのトルクが前記スライダと前記ガイド手段を介して前記外ベースに伝わり、これにより第2の付勢手段の付勢力に逆らって、前記外ベース、前記スライダ、前記操作部が一緒に前記中立の定位置から前記操作部の回転方向に回転移動し、このときは、その回転方向に応じて、前記ロータリー切換接点がこれに対応する前記内ベース固定接点に接触し、かつ、前記ロータリーコモン接点がこれに対応する前記内ベース固定接点に接触した状態となるものとして構成してもよい。
【0014】
上記操作部は、その外周が多角形状であるものとしてよい。
【0015】
前記複合スイッチは、更に、前記内外ベースの底部中央、前記スライダおよびスイッチ操作部の中央、前記ガイド手段の中央および前記スライドブラシの中央を上下方向に貫通する穴を具備し、この穴に挿入された固定軸を介して前記外側ベース底部上面の上方に掌載置台が設けられる構造を採用することができる。
【0016】
前記第1の付勢手段は、環状にセットされた密着コイルスプリングの環内に、前記スライダ上面の突起片が配置される構造を採用することができる。このような構成を採用した場合には、第1の付勢手段が環状に密着コイルスプリングだから、どの方向にスライダをスライドさせても何時も同様な付勢力が環状の密着コイルスプリングからスライダに作用するから、スライド方向に応じて操作部の押し込み力が異なるという操作上の違和感がなく、スイッチ操作性の向上を図れる。
【0017】
更に、前記本発明に係る複合スイッチにおいては、前記操作部が左右いずれか一方の方向に回転したときに、前記外ベース固定コモン接点に導通している前記ロータリー接点が、これに対応する前記内ベース固定接点から外れて非接触の状態となる構成を採用することができる。このような構成を採用した場合には、操作部を回転させたときは、必ず外ベース固定コモン接点に導通しているロータリー接点がこれに対応する内ベース固定接点から外れて非接触の状態となり、操作部の回転操作時に多方向スイッチが作動することはないから、もし複合スイッチ操作者が操作部を回転させようとする操作と一緒に誤って操作部を押し込んでしまったとしても、その回転に基づく信号しか出力されず、誤った押し込み動作に基づく信号が出力されることはなく、誤操作に基づく誤信号の出力は防止される。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る複合スイッチにあっては、一つの操作部を横方向に押し込む、若しくはその軸心回りに回転させる操作で、押し込み方向にスライドするスライダのスライド方向に応じた接触状態が得られる多方向スイッチとして機能するとともに、その回転方向に応じた接触状態が得られる回転シャトルスイッチとしても機能するから、スイッチ設置パネル面、例えば車輌のダッシュボード前面に平面的に配置されるスイッチ操作部の数を減らすことができ、スイッチ操作性の向上と、スイッチ設置パネル面のシンプル化を図るという作用効果を奏する。
【0019】
また、本発明に係る複合スイッチは、操作部に対しその軸心回りに回転させるトルクが作用したときは、そのトルクがスライダとガイド手段を介して外ベースに伝わり、これにより第2の付勢手段の付勢力に逆らって、外ベース、スライダ、操作部が一緒に中立の定位置から前記操作部の回転方向に回転移動する構造だから、操作部を回転させても、スライダに無理な回転力が作用することはなく、スライダやスライドのガイド手段等の破損による多方向スイッチとしての機能障害を効果的に防止しうるという作用効果も奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施形態である複合スイッチの外観図、図2と図3は図1の複合スイッチを構成する操作部の操作方向の説明図、図4は図1のA−A線断面図、図5は図1のB−B線断面図、図6は図4または図5のA−A線断面図、図7は図4または図5のB−B線断面図、図8は図4または図5のC−C線断面図である。
【0022】
図1の複合スイッチSを概略説明すると、この複合スイッチSは、多方向スイッチに回転シャトルスイッチの機能を複合させたものであって、一つの操作部14で多方向スイッチと回転シャトルスイッチの両者を操作する構成、すなわち図2のように矢印イ〜チまでの8方向に操作部を操作することができ、かつ、図3のように矢印R、Lの方向に操作部14を回転することができ、これらの操作方向に応じて信号を出力できるものである。
【0023】
図1の複合スイッチSは、図4乃至図8に示した通り、図9の内ベース、図10の外ベース、図11のスライダ、図12の格子状ガイド部品、図13の操作部、図14の外ベース固定接点パターンとロータリーブラシ、図15のスライドブラシ、図16の内ベース固定接点パターン、図17のトップケースなどのスイッチ構成部品で構成されている。
【0024】
図9は、図1の複合スイッチSを構成するカップ型の内ベース1の説明図、図10は図1の複合スイッチSを構成するカップ型の外ベース2の説明図であり、図1の複合スイッチSは、図4と図5に示したように、この内ベース1と外ベース2とを内外2重に回転可能に配置した多重ベースの構造を採用している。
【0025】
内ベース1は、カップを下向きにひっくり返したような形態で配置され、その下向きのカップ開口縁1aには該カップ開口縁に沿って上向きの環状ベース受け溝3が形成されている。さらに、この内ベース1の底部中央には同ベース表裏面を貫通する穴4が形成されている。
【0026】
外ベース2は、内ベース1と同様に、カップを下向きにひっくり返したような形態で配置され、その下向きのカップ開口縁2aが外ベース2の前記環状ベース受け溝3に摺動可能に挿入される構造になっている。
【0027】
外ベース2の底部上面には上向きに2つの横溝5が形成されている。これらの横溝5は互いに平行に設けられるとともに、左右横方向に横長く形成されている(図10(a)参照)。
【0028】
外ベース2の底部中央にも同ベース表裏面を貫通する穴6が形成されており、また、本実施形態では、その穴6を囲むような筒状ボス部7が外ベース2の底部上面に突出形成される構造を採用している。
【0029】
図11は、図1の複合スイッチSを構成するスライダ8の説明図であり、このスライダ8は、図4および図5に示したように、外ベース2の底部上面にスライド可能に配置される。
【0030】
また、このスライダ8の下面には一対の縦溝9が形成されており、これら一対の縦溝9は、互いに平行に形成され、かつ、前記外ベース2の横溝5と直角に交差するように配置される。
【0031】
また、このスライダ8の中央にもそのスライダ表裏面を貫通する穴10が形成されている。さらに、スライダ8の上面には4つの突起片11が一体に形成されている。これら4つの突起片11は、スライダ8中央の穴10を中心として放射状に90度間隔で配置されている。
【0032】
図12は、図1の複合スイッチSを構成する格子状ガイド部品12の説明図である。この格子状ガイド部品12は、図4および図5に示したように、スライダ8と外ベース2との間に配置されるものであって、縦と横にそれぞれ一対のバー12−1、12−2を格子状に一体成形した構造となっている。より具体的には、この格子状ガイド部品12は、その上段縦方向に一対のバー(以下必要に応じて「一対の縦バー12−1」という)が位置し、この縦バー12−1の下段横方向に一対のバー(以下必要に応じて「一対の横バー12−2」という)が位置する構造になっている。
【0033】
前記格子状ガイド部品12は、外ベース2の底部上面にスライド可能に設置される。その設置形態は、格子状ガイド部品12の一対の横バー12−2が、それぞれ対応する外ベース2底部上面の前記一対の横溝5にスライド可能に挿入される形態である。尚、格子状ガイド部品12は樹脂等で一体成型される。その成型時に、本実施形態では、縦バー12−1と横バー12−2のそれぞれに補強のための金属芯13を埋設するものとした。
【0034】
本実施形態では、上記のような格子状ガイド部品12、一対の横溝5、一対の縦溝9によりガイド手段が構成され、このガイド手段により、当該スライダ8は外ベース2の底部上面で多方向へスライド可能にガイドされる。
【0035】
すなわち、スライダ8に対し矢印イ、ロで示す縦方向の力が作用すると、このスライダ8は、その下面の縦溝9と格子状ガイド部品12の縦バー12−1とでガイドされながら、その力の方向にスライドする。このときは、スライダ8だけが独立して格子状ガイド部品12の縦バー12−1上を縦方向へスライドする。これは、スライダ8が縦方向にスライドするときは、格子状ガイド部品12の横バー12−2が外ベース2底部上面の横溝5に対して直角に移動しようとするため、その横溝5と横バー12−2がストッパとなって格子状ガイド部品12全体の縦方向移動が抑制されるから、上記のようにスライダ8は縦方向へスライドするというものである。
【0036】
この一方、スライダ8に対し矢印ハ、ニで示す横方向の力が作用すると、このスライダ8は、その格子状ガイド部品12と一体に、その力の方向にスライドする。これは、スライダ8が横方向へスライドするときは、そのスライダ8下面の縦溝9が格子状ガイド部品12の縦バー12−1に直角に当接するため、上記のようにスライダ8は横方向へスライドするというものである。
【0037】
また、スライダ8に対し例えば矢印イとハの中間方向のような斜め方向の力が作用すると、このスライダ8は、斜め方向にスライドする。これは、スライダ8に対し斜め方向に作用する力のうち、縦方向の力成分によりスライダ8が上記原理で縦方向へスライドし、これと同時に、横方向の力成分によりスライダ8が前記原理で横方向へスライドし、この横方向と縦方向の両スライド動作が合成されるためである。
【0038】
図13は、図1の複合スイッチSを構成する操作部14の説明図である。この操作部14は、リング状に形成され、そのリングの内側が図1のようにスライダ8の外周に嵌め込まれて該スライダに一体に装着されるとともに、そのリングの外周が多角形(図13の例では8角形)となるように形成されている。
【0039】
図14は、図1の複合スイッチSを構成する外ベース固定接点パターン15の説明図である。この外ベース固定接点パターン15は、外ベース2の底部上面に一体に設けられ、かつ、電気的に独立した多方向スイッチ用の固定接点として、1つの外ベース固定コモン接点15−Cと4つの外ベース固定接点15−1〜15−4とを有している。これら5つの固定接点15−C、15−1〜15−4は、互いに電気的に独立し、外ベース2底部上面の四方に分散して配置されている。
【0040】
図14上、右下に位置する外ベース固定コモン接点15−Cは、ドーナツ状の金属片からなるとともに、図10のように、外ベース2底部上面の右下方に配置される。また、上記4つの外ベース固定接点15−1〜15−4のうち、図14上、左下方に位置する2つの固定接点15−1、15−2は、上下に並んで配置された一対の扇状金属片からなるとともに、図10のように、外ベース2底部上面の左下方に配置される。さらに、図14において、右上方に位置する2つの固定接点15−3、15−4は、左右に並んで配置された一対の扇状金属片からなるとともに、図10のように、外ベース2底部上面の右上方に配置されるものである。尚、図14上、左上に位置するドーナツ状の金属片はダミーである。
【0041】
尚、以下必要に応じて、上記4つの外ベース固定接点のうち、左下方に位置する上側の外ベース固定接点15−1を「上側・外ベース固定接点15−1」といい、同じく左下方に位置する下側の外ベース固定接点15−2を「下側・外ベース固定接点15−2」という。また、右上に位置する右側の外ベース固定接点15−3を「右側・外ベース固定接点15−3」といい、同じく右上に位置する左側の外ベース固定接点15−4を「左側・外ベース固定接点15−4」という。
【0042】
図15は、図1の複合スイッチSを構成するスライドブラシ16の説明図である。スライドブラシ16は、図7のように外ベース2底部上面の外ベース固定接点パターン15と対向するようにスライダ8の下面に一体に取り付けられて、スライダ8と一緒に同方向にスライドするように構成されている。
【0043】
このスライドブラシ16は、多方向スイッチ用のスライド接点として、1つのスライドコモン接点16−Cと3つのスライド接点16−1〜16−3を有し、これら4つのスラド接点を金属の支持枠16−Fで連結支持した構造になっている。
【0044】
上記構造のスライドブラシ16をスライダ8の下面に一体に装着する構造として、本実施形態においては、スライダ8の下面に4つのピン17(図11参照)を設ける一方、このピン17に対応するピン穴18をスライドブラシ16の支持枠16−Fに開設し、前記ピン17を前記ピン穴18に挿入固定することで、スライダ8の下面にスライドブラシ16が一体に装着される構造を採用した。また、この装着構造において、スライドブラシ16の支持枠16−Fは、その一部がスライダ8下面の縦溝9の底面に形成された枠収容溝19(図11参照)内に収容される。
【0045】
上記のような装着構造で一体化したスライダ8とスライドブラシ16は、図4および図5に示したように、スライドブラシ16側を下向きにして格子状ガイド部品12上に設置される。その設置形態は、格子状ガイド部品12の一対の縦バー12−1が、それぞれ対応するスライダ8下面の一対の縦溝9にスライド可能に挿入される形態である。
【0046】
図14には図1の複合スイッチSを構成するロータリーブラシ20も示されている。ロータリーブラシ20は、内ベース1の底部外面と対向するように外ベース2に一体に設けられて、外ベース2と一緒に同方向に回転移動するように構成されている。
【0047】
前記ロータリーブラシ20は、多方向スイッチ用のロータリー接点として、前記外ベース固定コモン接点15−Cおよび前記複数の外ベース固定接点15−1〜15−4にそれぞれ導通する5つのロータリー接点20−1〜20−4、20−Cと、回転シャトルスイッチ用のロータリー接点として、ロータリーコモン接点20−RCと、これに導通するロータリー切換接点20−Fを有している。これら7つのロータリー接点20−1〜20−4、20−C、20−RC、20−Fは、外ベース2の底部中央を中心とする同芯円上に配置されている。
【0048】
図16は、図1の複合スイッチSを構成する内ベース固定接点パターン21の説明図である。内ベース固定接点パターン21は、前記ロータリーブラシ20と対向するように内ベース1の底部上面に一体に設けられる(図6参照)。
【0049】
前記内ベース固定接点パターン21は、電気的に独立した固定接点として、金属片からなる8つの内ベース固定接点21−R、21−L、21−RC、21−C、21−1〜21−4を有している。これら8つの内ベース固定接点は、多方向スイッチ用のロータリー接点(前記5つのロータリー接点20−C、20−1〜20−4)および回転シャトルスイッチ用のロータリー接点(前記ロータリーコモン接点20−RCとロータリー切換接点20−F)ごとに、それぞれ対応して、それぞれの接点回転軌跡に沿って円弧状に形成し配置されている(図6参照)。
【0050】
前記8つの内ベース固定接点のうち、最内側で同じ同心円上で近接して隣り合う左右一対の内ベース固定接点21−R、21−Lは、前記ロータリー切換接点20−Fに対応して設けたものである。
【0051】
以下必要に応じて、図上、右側に位置する内ベース固定接点21−Rを「右・内ベース固定接点21−R」といい、また、左側の内ベース固定接点21−Lを「左・内ベース固定接点21−L」という。
【0052】
また、前記左右一対の内ベース固定接点21−L、21−Rの直ぐ外隣の同心円上に設けられている内ベース固定接点21−RCは、前記ロータリーコモン接点20−RCに対応して設けたものであり、さらに、残り5つの内ベース固定接点21−C、21−1〜21−4は、いずれも多方向スイッチ用のロータリー接点(前記5つのロータリー接点20−C、20−1〜20−4)にそれぞれ対応して設けたものである。
【0053】
以下必要に応じて、ロータリーコモン接点20−RCに対応して設けた内ベース固定接点21−RCを「回転シャトルスイッチコモン用・内ベース固定接点21−RC」といい、また、多方向スイッチ用のロータリー接点20−C、20−1〜20−4に対応して設けた内ベース固定接点21−C、21−1〜21−4のうち、特に、外ベース固定コモン接点15−Cに導通しているロータリー接点20−Cに対応して設けた内ベース固定接点21−Cを「多方向スイッチコモン用・内ベース固定接点21−C」という。
【0054】
図17は、図1に示す複合スイッチSを構成するトップケース22の説明図である。トップケース22は、スライダ8上に配置され、かつ、固定手段を介して外ベース2に一体に取り付け固定される(図1参照)。このトップケース22の中央にもその表裏面を貫通する穴23が形成されている。
【0055】
前記固定手段の具体的な構造として、本実施形態では、トップケース22の下面に、その中央の穴23を中心として放射状に4つの係合爪24を突出形成するとともに、これら4つの係合爪24を外ベース2の筒状ボス部7(図10参照)に挿入して同外ベース2の穴6から突出させ、この突出した係合爪24が前記穴6の周縁に引っ掛かることで、当該トップケース22が、外ベース2のボス部7上に、ワンタッチで取り付け固定される構造を採用した。
【0056】
トップケース22の下面には更に4つのバネ固定突起25が突出形成されている。これら4つのバネ固定突起25は、前記4つの係合爪24の外側に位置し、かつ、トップケース22中央の穴23を中心として放射状に90度間隔で配置されている。そして、本実施形態では、図8に示したように、このような4つのバネ固定突起25の外周部に密着コイルスプリング26が輪ゴムのような形態で環状にセットされ、この環状にセットされた密着コイルスプリング26の環内に、スライダ8上面の前記4つの突起片11が配置される構造になっている。
【0057】
図1の複合スイッチSにおいて、指等で操作部14を横方向から押し込むような操作が行なわれないときには、当該スライダ8はスライドしない。このとき、そのスライダ8上面の前記4つの突起片11にはその外側から内側に向かって密着コイルスプリング26の付勢力がバランスよく均等に作用する。このため、スライダ8は中立の定位置に保持される。この状態から、操作部14を横方向から押し込む操作が行なわれると、操作部14を介してスライダ8に横方向の押し込み力が作用し、その押し込み方向へスライダ8がスライドする。このとき、前記4つの突起片11のうち、スライダ8の前進方向に位置する突起片11が密着コイルスプリング26の一部分を内側から外側に向かって押し出すことから、その押し出し部分が元に戻ろうとするときの復元力が密着コイルスプリング26から当該スライダ8に作用する。このため、前記のような操作部14を横方向から押し込む操作を止めると、当該スライダ8は前記密着コイルスプリング26の復元力で押し返されて元の中立の定位置に戻る。以上のように、密着コイルスプリング26はスライダ8を中立の定位置に常時付勢する手段(第1の付勢手段)として機能するものである。
【0058】
図4、図5に示したように、外ベース2のカップ縁部外周にはトーションスプリング27が挿入セットされている。図8に示したように、トーションスプリング27の外向きに開いている両端27a、27aは、内ベース1のバネ係止め部28−L、28−R(図9参照)に引っ掛かっている。また、外ベース2のカップ縁部外周には、前記トーションスプリング27の両端を互いに近づける方向に押圧するための左右一対の押圧片29−L、29−R(図10参照)が突出形成されている。
【0059】
図1の複合スイッチSにおいて、指等で操作部14をその軸心周りに回転させようとする操作が行なわれないときには、外ベース2は回転せず、中立の定位置に保持される。この状態から、操作部14を例えば右周り(図1矢印L方向)に回転させようとする操作が行なわれると、その操作により操作部14に加えられた右回りのトルクがスライダ8とガイド手段を構成する格子状ガイド部品12とを介して外ベース2に伝わり、外ベース2がその軸心を中心として右回りに回転移動する。このとき、図8上、左側の押圧片29−Lがトーションスプリング27の左端27aを押圧しながら移動することで、トーションスプリング27がその中心軸右回りに捩れるから、その捩れが元に戻ろうとするときの復元力がトーションスプリング27から前記左側の押圧片29−Lを介して外ベース2に作用する。このため、前記のような操作部14をその軸心回りに回転させようとする操作を止めると、外ベース2は前記トーションスプリング27の復元力で押し戻されて元の中立の定位置に戻る(シャトル動作)。操作部14を左回り(図1矢印R方向)に回転させようとする操作が行なわれた場合も同様な原理で上記のようなシャトル動作が行なわれる。以上のように、トーションスプリング27は、外ベース2を中立の定位置に常時付勢する手段(第2の付勢手段)として機能するものである。
【0060】
図1の複合スイッチSはその中央部に上下方向に貫通穴を有する。この貫通穴は、前述したトップケース22中央の穴23、内外両ベース1、2中央の穴4、6、スライダ8中央の穴10、ガイド手段の中心部である格子状ガイド部品12の格子内側空間、およびスライドブラシ16の中心部である支持枠16−Fの枠内側空間から構成されている。そして、本実施形態においては、図4および図5のように、この貫通穴を利用して外ベース2底部上面の上方に掌載置台30を設ける構成を採用した。掌載置台30は、前記穴からなる貫通穴に固定軸31を挿入設置し、その固定軸の先端に一体に取り付けられた構造になっている。この掌載置台30は、操作者が複合スイッチを操作する際に掌をおいて操作しやすくするために設けたものである。
【0061】
次に、上記の如く構成された複合スイッチの動作について説明する。
【0062】
<多方向スイッチとしての動作>
図1の複合スイッチにおいて、操作部14に何も力が作用しないとき、スライダ8は中立の定位置に位置する。このときは、図7のように、4つのスライド接点16−C、16−1〜16−3は、いずれも、どの固定接点15−1〜15−6にも接触しない。具体的には、図7上、右下のスライドコモン接点16−Cは、外ベース固定コモン接点15−Cの中央に設けた絶縁部に位置する。また、右上のスライド接点16−1は、同じく右上に位置する左右一対の外ベース固定接点15−3、15−4間に設けた絶縁部に位置し、左下のスライド接点16−2は、同じく左下に位置する上下一対の外ベース固定接点15−1、15−2間に設けた絶縁部に位置する。
【0063】
図1の複合スイッチにおいて、指等で操作部14を横方向から押し込むような操作で当該操作部14に対して横方向からの押し込み力が作用したときは、密着コイルスプリング26の付勢力に逆らって、スライダ8が中立の定位置から操作部14の押し込み方向にスライドする。このとき、複数のスライド接点16−1〜16−3と複数の外ベース固定接点15−1〜15−4のうち少なくともいずれか一組のスライド接点と外ベース固定接点とが接触し、かつ、スライドコモン接点16−Cと外ベース固定コモン接点15−Cとが接触する。
【0064】
図1の複合スイッチにおいては、どの方向にスライダ8がスライドしても、スライドコモン接点16−Cは外ベース固定コモン接点15−Cに常時接触する。また、そのスライド時においては、計7つのロータリー接点20−C、20−RC、20−F、20−1〜20−4のうち、回転シャトルスイッチ用のロータリー接点を構成するロータリー切換接点20−Fは、いずれの内ベース固定接点にも接触しないが、このロータリー切換接点20−F以外の6つのロータリー接点、すなわち回転シャトルスイッチ用のロータリー接点を構成するロータリーコモン接点20−RCと、多方向スイッチ用のロータリー接点を構成する5つのロータリー接点20−C、20−1〜20−4は、いずれも、それぞれ対応する内ベース固定接点に常時接触する。
【0065】
以下、スライダ8のスライド時において、多方向スイッチ用のスライド接点(スライドコモン接点16−C、3つのスライド接点16−1〜16−3)が多方向スイッチ用の固定接点(外ベース固定コモン接点15−C、外ベース固定接点15−1〜15−4)にどのように接触するかを、スライド方向別に説明する。
【0066】
図1のように矢印イ方向に操作部14が押し込まれ、矢印イ方向にスライダ8がスライドしたときは、図7に示す左下のスライド接点16−2が、上側・外ベース固定接点15−1に接触する。このとき、スライドコモン接点16−Cは外ベース固定コモン接点15−Cに接触するから、スライドブラシ16を介して上側・外ベース固定接点15−1が外ベース固定コモン接点15−Cに導通する。また、このとき、外ベース固定コモン接点15−Cは、ロータリー接点20−Cを介して、内ベース固定接点21−Cとこれに接続された信号出力端子とに導通し、更に、上側・外ベース固定接点15−1は、ロータリー接点20−1を介して、内ベース固定接点21−1とこれに接続された信号出力端子とに導通しているから、この場合は、矢印イ方向にスライドしたことを示す信号が上側・外ベース固定接点15−1から前記信号出力端子を通じて外部へ出力される。
【0067】
図1の矢印イとは逆の矢印ロ方向に操作部14が押し込まれ、矢印ロ方向にスライダ8がスライドしたときは、図7に示す左下のスライド接点16−2が下側・外ベース固定接点15−2に接触する。このとき、スライドコモン接点16−Cは外ベース固定コモン接点15−Cに接触するから、スライドブラシ16を介して下側・外ベース固定接点15−2が外ベース固定コモン接点15−Cに導通する。またこのとき、外ベース固定コモン接点15−Cは、ロータリー接点20−Cを介して、内ベース固定接点21−Cとこれに接続された信号出力端子とに導通し、更に、下側・外ベース固定接点15−2は、ロータリー接点20−2を介して、内ベース固定接点21−2とこれに接続された信号出力端子とに導通しているから、この場合は、矢印ロ方向にスライドしたことを示す信号が下側・外ベース固定接点15−2から前記信号出力端子を通じて外部へ出力される。
【0068】
図1のように矢印ハ方向に操作部14が押し込まれ、矢印ハ方向にスライダ8がスライドしたときは、図7に示す右上のスライド接点16−1が右側・外ベース固定接点15−3に接触する。このとき、スライドコモン接点16−Cは外ベース固定コモン接点15−Cに接触するから、スライドブラシ16を介して右側・外ベース固定接点15−3が外ベース固定コモン接点15−Cに導通する。またこのとき、外ベース固定コモン接点15−Cは、ロータリー接点20−Cを介して、内ベース固定接点21−Cとこれに接続された信号出力端子とに導通し、更に、右側・外ベース固定接点15−3は、ロータリー接点20−3を介して、内ベース固定接点21−3とこれに接続された信号出力端子とに導通しているから、この場合は、矢印ハ方向にスライドしたことを示す信号が右側・外ベース固定接点15−3から信号出力端子を通じて外部へ出力される。
【0069】
図1の矢印ハとは逆の矢印ニ方向に操作部14が押し込まれ、矢印ニ方向にスライダ8がスライドしたときは、図7に示す右上のスライド接点16−1が左側・外ベース固定接点15−4に接触する。このとき、スライドコモン接点16−Cは外ベース固定コモン接点15−Cに接触するから、スライドブラシ16を介して左側・外ベース固定接点15−4が外ベース固定コモン接点15−Cに導通する。またこのとき、外ベース固定コモン接点15−Cは、ロータリー接点20−Cを介して、内ベース固定接点21−Cとこれに接続された信号出力端子とに導通し、更に、左側・外ベース固定接点15−4は、ロータリー接点20−4を介して、内ベース固定接点21−4とこれに接続された信号出力端子とに導通しているから、この場合は、矢印ニ方向にスライドしたことを示す信号が左側・外ベース固定接点15−4から信号出力端子を通じて外部へ出力される。
【0070】
図1のように矢印ホ方向(右斜め上方向)に操作部14が押し込まれ、矢印ホ方向にスライダ8がスライドしたときは、図7に示す右上のスライド接点16−1が右側・外ベース固定接点15−3に接触し、これと同時に、左下のスライド接点16−2が上側・外ベース固定接点15−1に接触する。このとき、スライドコモン接点16−Cは外ベース固定コモン接点15−Cに接触するから、スライドブラシ16を介して右側・外ベース固定接点15−3および上側・外ベース固定接点15−1が外ベース固定コモン接点15−Cに導通する。またこのとき、外ベース固定コモン接点15−Cは、ロータリー接点20−Cを介して、内ベース固定接点21−Cとこれに接続された信号出力端子とに導通し、更に、右側・外ベース固定接点15−3は、ロータリー接点20−3を介して、内ベース固定接点21−3とこれに接続された信号出力端子とに導通し、また、上側・外ベース固定接点15−1も、ロータリー接点20−1を介して、内ベース固定接点21−1とこれに接続された信号出力端子とに導通しているから、この場合は、その2つの信号出力端子を通じて外部へ同時出力される2つの信号によって、矢印ホ方向(右斜め上方向)にスライドしたことが示される。
【0071】
図1の矢印ホとは逆の矢印へ方向(右斜め上方向)に操作部14が押し込まれ、矢印へ方向にスライダ8がスライドしたときは、図7に示す右上のスライド接点16−1が左側・外ベース固定接点15−4に接触し、これと同時に、左下のスライド接点16−2が下側・外ベース固定接点15−2に接触する。このとき、スライドコモン接点16−Cは外ベース固定コモン接点15−Cに接触するから、スライドブラシ16を介して左側・外ベース固定接点15−4および下側・外ベース固定接点15−2が外ベース固定コモン接点15−Cに導通する。またこのとき、外ベース固定コモン接点15−Cは、ロータリー接点20−Cを介して、内ベース固定接点21−Cとこれに接続された信号出力端子とに導通し、更に、左側・外ベース固定接点15−4は、ロータリー接点20−4を介して、内ベース固定接点21−4とこれに接続された信号出力端子とに導通し、更に、下側・外ベース固定接点15−2も、ロータリー接点20−2を介して、内ベース固定接点21−2とこれに接続された信号出力端子とに導通しているから、この場合は、その2つの信号出力端子を通じて外部へ同時出力される2つの信号によって、矢印へ方向(右斜め上方向)にスライドしたことが示される。
【0072】
図1のように矢印ト方向(左斜め上方向)に操作部14が押し込まれ、矢印ト方向にスライダ8がスライドしたときは、図7に示す右上のスライド接点16−1が左側・外ベース固定接点15−4に接触し、これと同時に、左下のスライド接点16−2が上側・外ベース固定接点15−1に接触する。このとき、スライドコモン接点16−Cは外ベース固定コモン接点15−Cに接触するから、スライドブラシ16を介して左側・外ベース固定接点15−4および上側・外ベース固定接点15−1が外ベース固定コモン接点15−Cに導通する。またこのとき、外ベース固定コモン接点15−Cは、ロータリー接点20−Cを介して、内ベース固定接点21−Cとこれに接続された信号出力端子とに導通し、更に、左側・外ベース固定接点15−4は、ロータリー接点20−4を介して、内ベース固定接点21−4とこれに接続された信号出力端子とに導通し、更に、上側・外ベース固定接点15−1も、ロータリー接点20−1を介して、内ベース固定接点21−1とこれに接続された信号出力端子とに導通しているから、この場合は、その2つの信号出力端子を通じて外部へ同時出力される2つの信号によって、矢印ト方向(左斜め上方向)にスライドしたことが示される。
【0073】
図1の矢印トとは逆の矢印チ方向(右斜め下方向)に操作部14が押し込まれ、矢印へ方向にスライダ8がスライドしたときは、右上のスライド接点16−1が右側・外ベース固定接点15−3に接触し、これと同時に、左下のスライド接点16−2が下側・外ベース固定接点15−2に接触する。このとき、スライドコモン接点16−Cは外ベース固定コモン接点15−Cに接触するから、スライドブラシ16を介して右側・外ベース固定接点15−3および下側・外ベース固定接点15−2が外ベース固定コモン接点15−Cに導通する。またこのとき、外ベース固定コモン接点15−C、ロータリー接点20−Cを介して、内ベース固定接点21−Cとこれに接続された信号出力端子とに導通し、更に、右側・外ベース固定接点15−3は、ロータリー接点20−3を介して、内ベース固定接点21−3とこれに接続された信号出力端子とに導通し、また、下側・外ベース固定接点15−1も、ロータリー接点20−1を介して、内ベース固定接点21−1とこれに接続された信号出力端子とに導通しているから、この場合は、その2つの信号出力端子を通じて外部へ同時出力される2つの信号によって、矢印チ方向(右斜め下方向)にスライドしたことが示される。
【0074】
<ジョグシャトルスライドスイッチとしての動作>
外ベース2が中立の定位置に位置する場合には、計7つのロータリー接点20−1〜20−4、20−C、20−RC、20−Fのうち、回転シャトルスイッチ用のロータリー接点を構成するロータリー切換接点20−Fは、いずれの内ベース固定接点にも接触しないが、このロータリー切換接点20−F以外の6つのロータリー接点、すなわち回転シャトルスイッチ用のロータリー接点を構成するロータリーコモン接点20−RCと多方向スイッチ用のロータリー接点を構成する5つのロータリー接点20−C、20−1〜20−4は、いずれも、それぞれ対応する内ベース固定接点に常時接触する。
【0075】
前記のように外ベース2が中立の定位置にある状態において、指等で操作部14をその軸心回りに回転させるような操作が行なわれることで、例えば、図3のように操作部14に対してその軸心右回り(矢印R方向)に回転させるトルクが作用したときは、当該トルクがスライダ8と格子状ガイド部品等からなるガイド手段とを介して外ベース2に伝達される。そうすると、図7に示すトーションスプリング27の付勢力に逆らって、外ベース2とロータリーブラシ20とが一体に前記中立の定位置から前記操作部14の回転方向に回転移動する。これにより、左右一対の内ベース固定接点21−L、21−Rのうち、ロータリー切換接点20−Fの回転進行方向に位置する内ベース固定接点、すなわち右・内ベース固定接点21−Rにロータリー切換接点20−Fが接触する。このとき、ロータリーコモン接点20−RCはこれに対応する内ベース固定接点、すなわち回転シャトルスイッチコモン用・内ベース固定接点21−RCに接触しているから、ロータリー切換接点20−Fおよびロータリーコモン接点20−RCを介して、右・内ベース固定接点21−Rと回転シャトルスイッチコモン用・内ベース固定接点21−RCとが導通するので、この場合は、操作部14が右回りに回転したことを示す信号が右・内ベース固定接点21−Rからこれに接続されている信号出力端子を通じて外部へ出力される。
【0076】
前記説明とは逆に、操作部14に対してその軸心左回りに回転させるトルクが作用したときは、外ベース2とロータリーブラシ20とが一体に左回りに回転することにより、ロータリー切換接点20−Fが左・内ベース固定接点21−Lに接触する。このとき、ロータリーコモン接点20−RCは回転シャトルスイッチコモン用・内ベース固定接点21−RCに接触している、従って、ロータリー切換接点20−Fおよびロータリーコモン接点20−RCを介して、左・内ベース固定接点21−Lと回転シャトルスイッチコモン用・内ベース固定接点21−RCとが導通するので、この場合は、操作部14が左回りに回転したことを示す信号が左・内ベース固定接点21−Lからこれに接続されている信号出力端子を通じて外部へ出力される。
【0077】
また、以上のように操作部14を左右いずれか一方の方向に回転させたときは、多方向スイッチ用のロータリー接点を構成する5つのロータリー接点のうち、外ベース固定コモン接点15−Cに導通しているロータリー接点20−Cが、多方向スイッチコモン用・内ベース固定接点21−Cから外れて非接触の状態となる。このため、操作部14の回転操作時に多方向スイッチが作動することはない。もし複合スイッチ操作者が操作部14を回転させようとする操作と一緒に誤って操作部14を押し込んでしまったとしても、その回転に基づく信号しか出力されず、誤った押し込み動作に基づく信号、すなわち、上述した矢印イ方向などにスライドしたことを示す信号が出力されることはなく、誤操作に基づく誤信号の出力は防止される。
【0078】
以上の説明から明らかなように、前記実施形態の複合スイッチは、一つの操作部14を横方向に押し込む、若しくはその軸心回りに回転させる操作で、押し込み方向にスライドするスライダ8のスライド方向に応じた接触状態が得られる多方向スイッチとして機能するとともに、その回転方向に応じた接触状態が得られる回転シャトルスイッチとしても機能するから、スイッチ設置パネル面、例えば車輌のダッシュボード前面に平面的に配置されるスイッチ操作部の数を減らすことができ、スイッチ操作性の向上と、スイッチ設置パネル面のシンプル化を図ることができる。
【0079】
また、前記実施形態の複合スイッチは、操作部14に対しその軸心回りに回転させるトルクが作用したときは、そのトルクがスライダ8と格子状ガイド部品12等からなるガイド手段とを介して外ベース2に伝わり、これによりトーションスプリング27の付勢力に逆らって、外ベース2、スライダ8、操作部14が一緒に中立の定位置から前記操作部14の回転方向に回転移動する構造だから、操作部14を回転させても、スライダ8やそのガイド手段に無理な回転力が作用することはなく、スライダ8やそのガイド手段等の破損による多方向スイッチとしての機能障害を効果的に防止することもできる。
【0080】
前記実施形態においては、8つの異なる導通状態が得られる多方向スイッチS1を採用した例について説明したが、これに限定されることはない。かかる多方向スイッチS1については、その外ベース固定接点パターン15等を適宜変更することにより、8つ以上の異なる接触状態を得るように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、本発明の一実施形態である複合スイッチの外観図であり、図中(a)は複合スイッチの正面図、(b)は複合スイッチの平面図である。
【図2】図2は、図1の複合スイッチを構成する操作部の操作方向の説明図であり、図中(a)は図1の複合スイッチが多方向スイッチとして機能するときの操作部の押し込み方向の説明図、(b)は(a)中の矢印ホ方向に操作部を押し込んだときの動作説明図、(c)は(a)中の矢印ハ方向に操作部を押し込んだときの動作説明図である。
【図3】図3は、図1の複合スイッチを構成する操作部の操作方向の説明図であり、図中(a)は図1の複合スイッチが回転シャトルスイッチとして機能するときの操作部の回転方向の説明図、(b)は(d)中の矢印L方向に操作部を回転させたときの動作説明図である。
【図4】図4は図1のA−A線断面図。
【図5】図5は図1のB−B線断面図。
【図6】図6は図4または図5のA−A線断面図。
【図7】図7は図4または図5のB−B線断面図。
【図8】図8は図4または図5のC−C線断面図。
【図9】図9は、図1の複合スイッチを構成する内ベースの説明図であり、図中(a)は内ベースの正面図、(b)は内ベースの平面図、(c)は内ベースの側面図、(d)は内ベースの裏面図、(e)はA−A線断面図である。
【図10】図10は、図1の複合スイッチを構成する外ベースの説明図であり、図中(a)は外ベースの正面図、(b)は外ベースの平面図、(c)は外ベースの側面図、(d)は外ベースの裏面図、(e)はA−A線断面図、(f)はB−B線断面図である。
【図11】図11は、図1の複合スイッチを構成するスライダの説明図であり、図中(a)はスライダの正面図、(b)はスライダの平面図、(c)はスライダの側面図、(d)はスライダの裏面図、(e)はA−A線断面図、(f)はB−B線断面図である。
【図12】図12は、図1の複合スイッチを構成する格子状ガイド部品の説明図であり、図中(a)はガイド部品の正面図、(b)はガイド部品の平面図、(c)はガイド部品の側面図、(d)はガイド部品の裏面図である。
【図13】図13は、図1の複合スイッチを構成する操作部の説明図であり、図中(a)は操作部の平面図、(b)は操作部の側面図、(c)は操作部の裏面図、(d)はA−A線断面図である。
【図14】図14は、図1の複合スイッチを構成する外ベース固定接点パターンとロータリーブラシの説明図であり、図中(a)は外ベース固定接点パターンとロータリーブラシの正面図、(b)は外ベース固定接点パターンとロータリーブラシの平面図である。
【図15】図15は、図1の複合スイッチを構成するスライドブラシの説明図であり、図中(a)はスライドブラシの平面図、(b)はスライドブラシの側面図である。
【図16】図16は、図1の複合スイッチを構成する内ベース固定接点パターンの平面図である。
【図17】図17は、図1の複合スイッチを構成するトップケースの説明図であり、図中(a)はトップケースの正面図、(b)はトップケースの平面図、(c)はトップケースの側面図、(d)はトップケースの裏面図、(e)はA−A線断面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 外ベース
2 内ベース
3 環状ベース受け溝
4 穴
5 横溝
6 穴
7 ボス部
8 スライダ
9 縦溝
10 穴
11 突起片
12 格子状ガイド部品
12−1 縦バー
12−2 横バー
13 金属芯
14 操作部
15 外ベース固定接点パターン
15−C 外ベース固定コモン接点
15−1、15−2、15−3、15−4 外ベース固定接点
16 スライドブラシ
16−C スライドコモン接点
16−1、16−2、16−3 スライド接点
16−F 支持枠
17 ピン
18 ピン穴
19 枠収容溝
20 ロータリーブラシ
20−1〜20−4、20−C ロータリー接点
20−RC ロータリーコモン接点
20−F ロータリー切換接点
21 内ベース固定接点パターン
21−R、21−L、21−RC、21−C、21−1〜21−4 内ベース固定接点
22 トップケース
23 穴
24 係合爪
25 バネ固定突起
26 密着コイルスプリング
27 トーションスプリング
28−L、28−R バネ係止め部
29−L、29−R 押圧片
30 掌載置台
31 固定軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの操作部を横方向に押し込む、若しくはその軸心回りに回転させる操作で、その押し込み方向にスライドするスライド方向に応じた接触状態が得られる多方向スイッチとして機能するとともに、前記回転の方向に応じた接触状態が得られる回転シャトルスイッチとして機能することを特徴とする複合スイッチ。
【請求項2】
前記複合スイッチは、
カップ型の内ベースと外ベースとを内外2重に回転可能に配置した多重ベースと、
前記外ベースの底部上面にスライド可能に設けられ、かつ、前記操作部を外周に一体に装着してなるスライダと、
前記スライダと前記外ベースとの間に設けられ、かつ、前記スライダを前記外ベースの底部上面で多方向へスライド可能にガイドするガイド手段と、
前記スライダを中立の定位置に常時付勢する第1の付勢手段と、
前記外ベースを中立の定位置に常時付勢する第2の付勢手段と、
前記外ベースの底部上面に一体に設けられた外ベース固定接点パターンと、
前記外ベース固定接点パターンと対向するように前記スライダの下面に一体に取り付けられたスライドブラシと、
前記内ベースの底部外面と対向するように前記外ベースに一体に設けられたロータリーブラシと、
前記ロータリーブラシと対向するように前記内ベースの底部上面に一体に設けられた内ベース固定接点パターンと、
を備え、
前記操作部に対して横方向からの押し込み力が作用したときは、前記第1の付勢手段の付勢力に逆らって、前記スライダが前記中立の定位置から操作部の押し込み方向にスライドし、このとき、前記スライドブラシと前記外ベース固定接点パターンとが前記スライド方向に応じた接触状態となり、
前記操作部に対してその軸心回りに回転させるトルクが作用したとき、そのトルクが前記スライダと前記ガイド手段を介して前記外ベースに伝わり、これにより前記第2の付勢手段の付勢力に逆らって、前記外ベース、前記スライダ、前記操作部が一緒に中立の定位置から前記操作部の回転方向に回転移動し、このとき、前記ロータリーブラシと前記内ベース固定接点パターンとが前記回転方向に応じた接触状態となること
を特徴とする請求項1に記載の複合スイッチ。
【請求項3】
前記複合スイッチは、
カップ型の内ベースと外ベースとを内外2重に回転可能に配置した多重ベースと、
前記外ベースの底部上面にスライド可能に設けられ、かつ、前記操作部を外周に一体に装着してなるスライダと、
前記スライダと前記外ベースとの間に設けられ、かつ、前記スライダを前記外ベースの底部上面で多方向へスライド可能にガイドするガイド手段と、
前記スライダを中立の定位置に常時付勢する第1の付勢手段と、
前記外ベースを中立の定位置に常時付勢する第2の付勢手段と、
前記外ベースの底部上面に一体に設けられた外ベース固定接点パターンと、
前記外ベース固定接点パターンと対向するように前記スライダの下面に一体に取り付けられたスライドブラシと、
前記内ベースの底部外面と対向するように前記外ベースに一体に設けられたロータリーブラシと、
前記ロータリーブラシと対向するように前記内ベースの底部上面に一体に設けられた内ベース固定接点パターンと、
を備え、
前記外ベース固定接点パターンは、
前記外ベース底部上面の四方に分散して配置された多方向スイッチ用の外ベース固定コモン接点および複数の外ベース固定接点を有し、
前記スライドブラシは、
前記多方向スイッチ用のスライド接点として、前記外ベース固定コモン接点に対応して設けられたスライドコモン接点および前記複数の外ベース固定接点に対応して設けられた複数のスライド接点を有し、
前記ロータリーブラシは、
前記多方向スイッチ用のロータリー接点として、前記外ベース固定コモン接点および前記複数の外ベース固定接点にそれぞれ導通する複数のロータリー接点、ならびに、前記回転シャトルスイッチ用のロータリー接点として、ロータリーコモン接点およびこれに導通するロータリー切換接点を有し、これらのロータリー接点を前記外ベースの底部中央を中心とする同芯円上に配置した構造からなり、
前記内ベース固定接点パターンは、
前記多方向スイッチ用のロータリー接点および前記回転シャトルスイッチ用のロータリー接点ごとに、それぞれ対応して、それぞれの接点回転軌跡に沿って形成し配置された複数の内ベース固定接点を有し、
前記操作部に対して横方向からの押し込み力が作用したときは、前記第1の付勢手段の付勢力に逆らって、前記スライダが前記中立の定位置から操作部の押し込み方向にスライドし、このときは、そのスライド方向に応じて、前記複数のスライド接点と複数の外ベース固定接点のうち、少なくともいずれか一組のスライド接点と外ベース固定接点とが接触し、かつ、前記スライドコモン接点と前記外ベース固定コモン接点とが接触した状態となり、
前記操作部に対しその軸心回りに回転させるトルクが作用したときは、そのトルクが前記スライダと前記ガイド手段を介して前記外ベースに伝わり、これにより第2の付勢手段の付勢力に逆らって、前記外ベース、前記スライダ、前記操作部が一緒に前記中立の定位置から前記操作部の回転方向に回転移動し、このときは、その回転方向に応じて、前記ロータリー切換接点がこれに対応する前記内ベース固定接点に接触し、かつ、前記ロータリーコモン接点がこれに対応する前記内ベース固定接点に接触した状態となること
を特徴とする請求項1に記載の複合スイッチ。
【請求項4】
上記操作部は、その外周が多角形状であること
を特徴とする請求項1に記載の複合スイッチ。
【請求項5】
前記複合スイッチは、
更に、前記内外ベースの底部中央、前記スライダおよびスイッチ操作部の中央、前記ガイド手段の中央および前記スライドブラシの中央を上下方向に貫通する穴を具備し、この穴に挿入された固定軸を介して前記外側ベース底部上面の上方に掌載置台が設けられていること
を特徴とする請求項1に記載の複合スイッチ。
【請求項6】
前記第1の付勢手段は、
環状にセットされた密着コイルスプリングの環内に、前記スライダ上面の突起片が配置される構造であること
を特徴とする請求項1に記載の複合スイッチ。
【請求項7】
前記操作部が左右いずれか一方の方向に回転したときに、前記外ベース固定コモン接点に導通している前記ロータリー接点が、これに対応する前記内ベース固定接点から外れて非接触の状態となること
を特徴とする請求項1記載の複合スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−35378(P2007−35378A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214989(P2005−214989)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000114145)ミック電子工業株式会社 (40)
【Fターム(参考)】