説明

複合スピーカデバイス

高い方の周波数範囲において音を再生するための第1のスピーカ(5)と、低い方の周波数範囲において音を再生するための第2のスピーカ(7)とを有するフレーム(3)を備える複合スピーカデバイス(Q)であって、その周波数範囲はクロスオーバ周波数fcを有する。第1のスピーカは、最大1000m2の第1の放射面(5a)を有し、第2のスピーカは第2の放射面(7a)を有し、第1の放射面の中央エリア(5b)及び第2の放射面の中央エリア(7b)は、互いから垂直距離dで配置される。高音質の音を得るために、パラメータfc及びdは以下の値を有する:750Hz<fc<3000Hz、d>2.λJfc(λJ−cはfcにおいて再生される音の波長である)及び750mm<d<3000mm。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い方の周波数範囲において音を再生するための第1のスピーカと、低い方の周波数範囲において音を再生するための第2のスピーカとを有するフレームを備える複合スピーカデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
理想的なスピーカは、歪み又は圧縮を生じることなく、20Hz〜20kHzの可聴周波数全域にわたってスペクトルを生成する、非常に小さなパルス点音源(pulsating point source)によってのみ近似できることが当該技術分野において既知である。それゆえ、単一のフルレンジスピーカは常に、性能に関して妥協せざるを得ないという困難を抱えている。このことから、高音質の音声を再生するために、それぞれ特定の周波数範囲において良好に機能する2つのスピーカ、すなわち高い方の周波数範囲において音を再生するための第1のスピーカ及び低い方の周波数範囲において音を生成するための第2のスピーカから成る構成が用いられる。現在の教示によれば、理想的な全音域の点音源に近づけるために、そのような構成におけるスピーカは互いに近接して配置される。しかしながら、そのような複合スピーカデバイスは、理想からは程遠く、クロスオーバ周波数の周囲において音響位相、音響レベル及び音響出力が不規則的になり、結果として、再生される音にうなり及び変化が生じるという問題を抱えている。本明細書において、用語「クロスオーバ周波数」は、第1のスピーカの電気的及び/又は機械的及び/又は音響的に減少した音響レベルと、第2のスピーカの電気的及び/又は機械的及び/又は音響的に減少した音響レベルが同じである周波数を意味することに留意されたい。ただし、そのような構成では、第1及び第2のスピーカの組み合わせから少なくとも3メートルの距離において測定されるその組み合わせの音圧レベルが概ね釣り合う。
【0003】
電気フィルタを用いて、スピーカシステムの第1のスピーカ(ツイータ)又は第2のスピーカ(ウーハ)に対して適切な周波数を送ることができ、それゆえ、他の周波数における音響レベルを低減することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、複合スピーカデバイスを提供することであり、その複合スピーカデバイスは、既知の同様のデバイスに対して改善された音質の音を再生することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明による独立型の複合スピーカデバイスによって達成され、独立型の複合スピーカデバイスは、高い方の周波数範囲において音を再生するための第1のスピーカと、低い方の周波数範囲において音を再生するための第2のスピーカとを有するフレームを備え、それらの周波数範囲はクロスオーバ周波数fcを有し、第1のスピーカは最大1000mm2の第1の放射面を有し、第2のスピーカは第2の放射面を有し、第1の放射面の中央エリア及び第2の放射面の中央エリアは、少なくとも使用中に互いから垂直距離dだけ離れて配置され、
750Hz≦fc≦3000Hzであり、
d≧2.λfcであり、ただし、λfcはクロスオーバ周波数において再生される音の波長であり、dは最小750mm且つ最大3000mmである。
【0006】
本発明によるスピーカデバイスに適用される方策は、新たな設計思想に基づく。この設計思想は、第2のスピーカの音と第1のスピーカの直接音との間に、ほとんど、又は好ましくは全く干渉があってはならないことを暗示する。この関連で、本明細書において用語「直接音」は、音源から直に、それゆえ反射することなく、或る特定の場所に達する音を意味することに留意されたい。(上述したように)第2のスピーカを第1のスピーカから、或る最小距離dだけ離して配置することによって、干渉を低減することができる。明確にするために、標準的な使用条件では、第1のスピーカは第2のスピーカの上方に配置されることに留意されたい。床のような仕切りの近くに第2のスピーカを配置することによって、それらの場所において拡散音が生成される可能性があり、その場所では、両方のスピーカの周波数が互いに交錯する。この関連で、本明細書において用語「拡散音」は、音源から或る特定の場所に直に達するのではなく、反射した後に達する音を意味することに留意されたい。
【0007】
本発明によるスピーカデバイスの音質は、同様の最新のスピーカデバイスに対して明瞭度、明澄度及びホログラフィックイメージングの点から改善される。このため、本発明によるスピーカデバイスは、オーディオ再生のため、並びにTV、ビデオ及びマルチメディアの音を効果的にするための高忠実度デバイスとして適している。それは、マルチウエイスピーカデバイス及びマルチウエイスピーカシステムに関連する現在の設計及び性能の限界に対する解決策を提供する。
【0008】
本発明によるスピーカデバイスの好ましい一実施の形態は、パラメータ1000Hz≦fc≦2000Hz及びd≧3.λfc、特に1000Hz≦fc≦1500Hzを有する。
【0009】
低い方の周波数範囲、すなわち第2のスピーカの周波数範囲は、共振周波数からクロスオーバ周波数までに及ぶ。第2のスピーカは、20Hz〜10kHz(典型的には50Hz〜5kHz)の周波数範囲を有することができる。高い方の周波数範囲、すなわち第1のスピーカの周波数範囲は、クロスオーバ周波数から上に向かって拡大する。第1のスピーカは、500Hz〜100kHz(典型的には800Hz〜40kHz)の周波数を有することができる。
【0010】
一対の上記の第2のスピーカが部屋の床の近くに配置され、一対の上記の第1のスピーカが第2のスピーカの上方に、必要な距離dだけ離れて配置されるステレオ構成を用いて実験が行われた。予想されていたように、再生されるステレオ音像(音楽)が、床の近くのゾーンに位置する低周波数成分と高いゾーンに位置する高周波数成分とに分離するのではなく、驚くべきことに、再生される音の周波数成分に関係なく、ステレオ音像は、第1のスピーカの直ぐ下(又は近く)の垂直面内に非常に安定して位置することがわかった。さらに、最も驚くべきことは、明澄度、ステージング、均質性及び透明性の点で、再生される音の音質が極めて高いことであり、それゆえ、本当の意味でのホログラフィックステレオイメージングの感覚が得られたことである。実験の具体的なパラメータは、1kHzのクロスオーバ周波数、第1のスピーカ対と第2のスピーカ対との間の1mの垂直距離d、及び、それぞれが30mmの実効的な直径を有するドーム形の膜を有する複数の第1のスピーカを使用することである。
【0011】
完全を期すために、ここで、第1のスピーカが現在の原理に従って、すなわち第2のスピーカの近くに取り付けられるが、他のパラメータを変更することなく、且つ同じフィルタ及び同じ構成要素を利用する場合には、その構成の上記のホログラフィック能力が完全に失われることを報告しておく。
【0012】
上記の第2のスピーカが部屋の床の近くに配置され、上記の第1のスピーカが第2のスピーカの上方に、必要な距離dだけ離れて配置されるモノラル構成では、ステレオ音像を除いて、同様の効果が得られた。
【0013】
本発明によるスピーカデバイスの実用的な一実施の形態は、第1のスピーカの第1の放射面が円形の輪郭を有し、大きくても直径が35mmであるという特徴を有する。既に上述された理由から、直接放射面は、ドーム形の膜の一部であることが好ましい。
【0014】
本発明はさらに複合スピーカハウジングに関連する。このハウジングは、原理的には、先行する段落において説明されたものと同じ認識に基づいており、特に、第2のスピーカ(複数可)が、第1のスピーカ(複数可)と全く干渉がないか、又は最小限の干渉しかないような距離で、第1のスピーカ(複数可)に対して配置されなければならないという課題に基づく。
【0015】
本発明によるスピーカハウジングは、高い方の周波数範囲において音を再生するための第1のスピーカと、低い方の周波数範囲において音を再生するための第2のスピーカとから成るセットを備え、その周波数範囲は、クロスオーバ周波数fcを定義し、第1のスピーカはハウジングの第1の場所、好ましくは正面に配置され、最大1000mm2の第1の放射面を有し、第2のスピーカはハウジングの第1の面ではない第2の面に配置され、第2の放射面を有し、第1の放射面の中央エリア及び第2の放射面の中央エリアは、少なくとも使用中に互いに対して垂直距離dだけ離れて配置され、
750Hz≦fc≦3000Hzであり、好ましくは1000Hz≦fc≦2000Hzであり、特に1000Hz≦fc≦1500Hzであり、150mm≦d≦1000mmである。
【0016】
本発明による複合スピーカハウジングの好ましい実施の形態、及びこのハウジングの実施態様のための好ましいパラメータが案出されており、請求項12〜19において述べられる。本発明のスピーカハウジングの、特有で具体的な驚くべき特徴は、第1のスピーカ(複数可)が直接音場を与えるために用いられ、第2のスピーカ(複数可)が拡散音場、すなわち反射後に得られる音場を与えるために用いられることである。
【0017】
本発明は、本発明による複合スピーカハウジングを含む、本発明による独立型の複合スピーカデバイス又は複合スピーカシステムによって形成されるスピーカ構成を配設されるオーディオ装置及び/又はビデオ装置にも関連する。そのスピーカハウジングは、装置そのもののハウジングであってもよく、又は一種のサブハウジングであってもよい。上述したような原理が適用される結果として、本発明による装置の音質は最高級のレベルを有する。本明細書の関連では、ビデオ装置はモニタであってもよい。
【0018】
さらに、本発明は、請求項21〜27のいずれか一項において特許請求されるようなオーディオ装置及び/又はビデオ装置に関連する。そのような装置は、上述したものと同じ本発明の利点を有する。
【0019】
ドイツ実用新案第83 04 832号は、TV装置におけるスピーカ構成を開示していることに留意されたい。この既知の構成は、モノラルサウンドを再生する場合に2つ以上のスピーカを含み、ステレオサウンドを再生する場合に3つ以上のスピーカを含む。詳細には、その既知の構成は、高周波スピーカ及びサブウーハと呼ばれる低周波スピーカを備え、そして任意選択で中間周波スピーカを備える。高周波スピーカ、そして存在するならば中間周波スピーカは、TV装置の正面部分から放射し、一方、サブウーハは、40Hz〜200Hz又は300Hzの周波数範囲を有し、空気孔を利用して、TV装置の背面又は底面から放射する。したがって、既知のTV装置において用いられる既知のスピーカ構成は、本発明による装置において用いられるスピーカ構成による音の態様とは、ほとんど似ていない。
【0020】
さらに、ドイツ国実用新案第16 87 888号は、高周波サウンドシステム及び低周波スピーカ又は広帯域システムを配設されるスピーカボックスを開示していることに留意されたい。高周波サウンドシステムは、正面からだけでなく、後方のような他の方向においても、約1000Hz以上の周波数を有する音を放射するように設計及び構成される。このため、用いられる高周波サウンドシステムは、複数の放射面を有するという固有の特徴を有する。特に、この特徴によって、その既知のスピーカボックスは、本発明によるスピーカ構造と本質的に異なる。
【0021】
特許請求の範囲を参照して、請求項において規定されるような特徴の種々の組み合わせが可能であり、本発明の範囲内にあることが意図されていることに留意されたい。
【0022】
本発明の上述した目的、特徴及び利点、並びに他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な例示的な説明を添付の図面と合わせて読むと、容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
ここで図1を参照すると、本発明の複合スピーカデバイス1の第1の実施形態を見ることができる。デバイス1は、基部3a及び支柱、詳細には棒状の支柱3bを備えるフレーム3を有する。基部3aは、床等の面に載置されるように作られている。支柱3bの上端部には、高い方の周波数範囲において音を再生するための第1の放射面5aを有する、以下でツイータとも呼ばれる第1のスピーカ5が配設される。支柱3bの下端部は基部3aに固定される。基部3aには、低い方の周波数範囲において音を再生するための第2の放射面7aを有する、以下でウーハとも呼ばれる第2のスピーカ7が配設される。
【0024】
ツイータ5は、ドーム形の膜を有する従来の市販のツイータであり得るが、その実効放射面の直径が最大35mmであり、それよりも小さいことが好ましいという付加的な条件を有する。この例では、実効放射面の直径は30mmである。スピーカ構成のクロスオーバ周波数fcは1.5kHzである。ツイータ5の周波数範囲は900Hz〜30kHzであり、ウーハ7の周波数範囲は60Hz〜5kHzである。ツイータ5とウーハ7との間に最小限必要とされる距離、すなわちそれぞれツイータ5の中央エリア5bからウーハ7の中央エリア7bまでの測定される垂直距離dは、クロスオーバ周波数において再生される音の波長λfcの少なくとも2倍であり、又は、別の表記では、d≧2.λfcである。この例では、dは900mmである。
【0025】
一般に知られているように、クロスオーバ周波数における波長λfcは、空気中の音速(約340m/s)をクロスオーバ周波数fcで割った商、又は、別の表記では、λfc=〜340/fc(m)によって求めることができる。
【0026】
本構成では、垂直距離dは1.1mである。
【0027】
図1の実施形態における同様の部品に対応する部品に対して、図2〜図5の実施形態に関連する以下の説明では、同じ参照符号が用いられることに留意されたい。
【0028】
図2に開示される実施形態は、基部3a及び支柱3bを有し、或る面上に載置するための足9を配設される。基部3aは、その面と反対側に配置される放射面7aを有するウーハ7を収容する。支柱3bは、スピーカデバイスの正面にいる聴取者に向かって音を放射するための放射面5aを設けられるツイータ5を支持する。
【0029】
図3に開示される実施形態は、いくつかのウーハ7を含む基部3aと、ツイータ5を支持する支柱3bとを有する。
【0030】
図4に開示される実施形態は、長方形の箱形構造によって構成され、且つツイータ5及びウーハ7を収容する支持体、すなわちフレーム3を有する。
【0031】
図1〜図5に示される実施形態は全て、本発明の音響効果を得るために必要とされるパラメータを有する。より具体的には、ツイータ5はそれぞれ、最大1000mm2の第1の放射面5aを有し、全ての場合において、距離d≧2.λfc及び750mm≦d≦3000mm、及び750Hz≦fc≦3000Hzを有する。ステレオサウンドを再生するために、2つで1セットの、そして所望であれば3つ以上で1セットの、そのような複合スピーカデバイスを形成することができる。
【0032】
第1のスピーカ及び第2のスピーカは、それぞれが2つ以上の適切なスピーカによって構成されるユニットであり得ることに留意されたい。
【0033】
ここで図6を参照すると、本発明による複合スピーカハウジング101の一実施形態を見ることができる。この例では、スピーカ101は、その正面103aに画面104を有するTVセットのテレビハウジング103によって構成される。この例では、スピーカハウジング101は、2つのツイータ105及び2つのウーハ107から成るスピーカセットを備える。ツイータ105は、テレビハウジング103の正面103aに、又はその近くに配置される放射面105aを有し、それにより正面103aから音を放射することができる。それに対して、ウーハ207は、その放射面107aがテレビハウジング103の背面、又はその近くに配置され、結果として、使用中に、その面から音を放射するように取り付けられる。スピーカハウジング101において用いられるようなスピーカセットは、以下の付加的な要件を満たす:(1)ツイータ105の放射面105aはそれぞれ最大1000mm2の大きさを有する;(2)クロスオーバ周波数fcは750Hz〜3000Hzの範囲内にある;(3)一方の側にあるツイータ105及び他方の側にあるウーハ107は、150mm〜1000mmの範囲内の垂直距離dで配置される。ツイータ105はドーム形のツイータであり、1000Hz≦fc≦1500Hzであることが好ましい。この例では、距離dは350mmである。
【0034】
ここで図7A及び図7Bを参照すると、本発明による装置201、具体的にはビデオ装置の一実施形態を見ることができる。その装置201は、スタンド202と、フラット画面テレビセット204とを有し、テレビセット204はスタンド202によって支持され、画面204aを有する。テレビセット204は、動かないようにすることができるか、又はスタンド202に旋回可能に固定することができる。装置201は、2つのツイータ205及び2つのウーハ207を備えるスピーカ構成を設けられる。ツイータ205は、テレビセット204のフレーム部207b内の高い場所に取り付けられ、ウーハ207は、スタンド202のフレーム部202a内の低い場所に取り付けられる。したがって、ウーハ207は床面の近くに配置される。ツイータ205の放射面205a及びウーハ207の放射面207aはいずれも、装置の正面、すなわちフラット画面204aと概ね一致する面、又はその近くに配置される。本発明によって目的とされる効果を得るために、装置201は、(1)ツイータ205がそれぞれ、最大1000mm2の放射面205aを有する;(2)クロスオーバ周波数fcが≧750Hz且つ≦3000Hzの値を有する;及び(3)ツイータ205の中央エリア205bがウーハ207の中央エリア207bから垂直距離dだけ離れて配置されるという特徴をさらに有する。ただし、垂直値dは最小2.λfcであり、項λfcはクロスオーバ周波数おいて再生される音の波長であり、750mm≦d≦3000mmである。
【0035】
この実施形態では、放射面は490mm2であり、fcは1700Hzであり、dは1000mmである。
【0036】
本発明は、本明細書において開示される実施形態には限定されないことに留意されたい。たとえば、低音周波数だけを再生するために、サブウーハをさらに用いることもできる。そのようなサブウーハの周波数範囲は、サブウーハの共振周波数から約200Hzまでの範囲であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による複合スピーカデバイスの一実施形態の概略図である。
【図2】本発明による複合スピーカデバイスの一実施形態の概略図である。
【図3】本発明による複合スピーカデバイスの一実施形態の概略図である。
【図4】本発明による複合スピーカデバイスの一実施形態の概略図である。
【図5】本発明による複合スピーカデバイスの一実施形態の概略図である。
【図6】TVセットにおいて用いられる、本発明による複合スピーカハウジングの一実施形態の概略図である。
【図7A】本発明による装置の一実施形態の概略的な正面図である。
【図7B】図7Aの実施形態の概略的な側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立型の複合スピーカデバイスであって、高い方の周波数範囲において音を再生するための第1のスピーカと、低い方の周波数範囲において音を再生するための第2のスピーカとを有するフレームを備え、前記周波数範囲はクロスオーバ周波数fcを有し、前記第1のスピーカは最大1000mm2の第1の放射面を有し、前記第2のスピーカは第2の放射面を有し、前記第1の放射面の中央エリア及び前記第2の放射面の中央エリアは、該デバイスが使用中であると見なされるときに、互いから垂直距離で距離dだけ離れて配置され、
750Hz≦fc≦3000Hzであり、
d≧2.λfcであり、ただし、λfcは前記クロスオーバ周波数において前記再生される音の波長であり、dは最小750mm且つ最大3000mmである、独立型の複合スピーカデバイス。
【請求項2】
1000Hz≦fc≦2000Hzであり、d≧3.λfcである、請求項1に記載の独立型の複合スピーカデバイス。
【請求項3】
1000Hz≦fc≦1500Hzである、請求項2に記載の独立型の複合スピーカデバイス。
【請求項4】
前記低い方の周波数範囲は、共振周波数から前記クロスオーバ周波数にまで及ぶ、請求項1〜3のいずれか一項に記載の独立型の複合スピーカデバイス。
【請求項5】
前記高い方の周波数範囲は、前記クロスオーバ周波数から拡大する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の独立型の複合スピーカデバイス。
【請求項6】
前記第1のスピーカの前記第1の放射面は円形の輪郭を有し、直径は最大35mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の独立型の複合スピーカデバイス。
【請求項7】
前記第2のスピーカは、前記第1のスピーカの真下に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の独立型の複合スピーカデバイス。
【請求項8】
前記第1のスピーカの前記第1の放射面はドーム形の膜の一部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の独立型の複合スピーカデバイス。
【請求項9】
ただ1つの前記第1のスピーカ及びただ1つの前記第2のスピーカが存在する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の独立型の複合スピーカデバイス。
【請求項10】
ステレオ音又はステレオのような音を再生するために、請求項1〜9のいずれか一項に記載のデバイスのうちの少なくとも2つを含む、独立型の複合スピーカシステム。
【請求項11】
複合スピーカハウジングであって、高い方の周波数範囲において音を再生するための第1のスピーカと低い方の周波数範囲において音を再生するための第2のスピーカとから成るセットを備え、前記周波数範囲はクロスオーバ周波数fcを定義し、前記第1のスピーカは該ハウジングの第1の面に配置され、最大1000mm2の第1の放射面を有し、前記第2のスピーカは、該ハウジングの前記第1の面ではない第2の面に配置され、第2の放射面を有し、前記第1の放射面の中央エリア及び前記第2の放射面の中央エリアは、少なくとも使用中に互いに対して垂直距離dだけ離れて配置され、
750Hz≦fc≦3000Hzであり、dは最小150mm且つ最大1000mmである、複合スピーカハウジング。
【請求項12】
1000Hz≦fc≦2000Hzである、請求項11に記載の複合スピーカハウジング。
【請求項13】
1000Hz≦fc≦1500Hzである、請求項12に記載の複合スピーカハウジング。
【請求項14】
前記低い方の周波数範囲は、共振周波数から前記クロスオーバ周波数にまで及ぶ、請求項10〜12のいずれか一項に記載の複合スピーカハウジング。
【請求項15】
前記高い方の周波数範囲は、前記クロスオーバ周波数から拡大する、請求項11〜13のいずれか一項に記載の複合スピーカハウジング。
【請求項16】
前記第1の放射面は円形の輪郭を有し、直径は最大35mmである、請求項11〜13のいずれか一項に記載の複合スピーカハウジング。
【請求項17】
前記第2のスピーカは前記ハウジングの背面に取り付けられる、請求項11〜13のいずれか一項に記載の複合スピーカハウジング。
【請求項18】
前記第1のスピーカの前記第1の放射面はドーム形の膜の一部である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の複合スピーカハウジング。
【請求項19】
ただ1つの前記第1のスピーカ及びただ1つの前記第2のスピーカが前記セットを形成する、請求項11〜18のいずれか一項に記載の複合スピーカハウジング。
【請求項20】
ステレオ音又はステレオのような音を再生するためのさらに別の同様のスピーカのセットを備える、請求項11〜13のいずれか一項に記載の複合スピーカハウジング。
【請求項21】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のデバイス、請求項10に記載のシステム、又は請求項11〜20のいずれか一項に記載のハウジングによって形成されるスピーカ構成を配設される、オーディオ装置及び/又はビデオ装置。
【請求項22】
複合スピーカデバイスを配設されるオーディオ装置及び/又はビデオ装置であって、該複合スピーカデバイスは、高い方の周波数範囲において音を再生するための第1のスピーカと、低い方の周波数範囲において音を再生するための第2のスピーカとを備え、前記周波数範囲はクロスオーバ周波数fcを有し、前記第1のスピーカは最大1000mm2の第1の放射面を有し、前記第2のスピーカは第2の放射面を有し、前記第1の放射面の中央エリア及び前記第2の放射面の中央エリアは、前記デバイスが使用中であると見なされるときに、互いから垂直距離で距離dだけ離れて配置され、
750Hz≦fc≦3000Hzであり、
d≧2.λfcであり、ただし、λfcは前記クロスオーバ周波数において前記再生される音の波長であり、dは最小750mm且つ最大3000mmである、オーディオ装置及び/又はビデオ装置。
【請求項23】
1000Hz≦fc≦2000Hzであり、d≧3.λfcである、請求項22に記載の複合スピーカデバイス。
【請求項24】
1000Hz≦fc≦1500Hzである、請求項23に記載の複合スピーカデバイス。
【請求項25】
前記低い方の周波数範囲は、共振周波数から前記クロスオーバ周波数にまで及ぶ、請求項22〜24のいずれか一項に記載の複合スピーカデバイス。
【請求項26】
前記高い方の周波数範囲は、前記クロスオーバ周波数から拡大する、請求項22〜24のいずれか一項に記載の複合スピーカデバイス。
【請求項27】
前記第1のスピーカの前記第1の放射面は円形の輪郭を有し、直径は最大35mmである、請求項22〜24のいずれか一項に記載の複合スピーカデバイス。
【請求項28】
前記第2のスピーカは、前記第1のスピーカの真下に配置される、請求項22〜24のいずれか一項に記載の複合スピーカデバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate


【公表番号】特表2008−533897(P2008−533897A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501453(P2008−501453)
【出願日】平成18年1月2日(2006.1.2)
【国際出願番号】PCT/IB2006/050003
【国際公開番号】WO2006/097857
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(507176747)ピーエスエス・ベルギー・エヌブイ (10)
【氏名又は名称原語表記】PSS Belgium NV
【住所又は居所原語表記】Hoogveld 50, 9200 Dendermonde, Belgium
【Fターム(参考)】