説明

複合冷凍糖菓

粒状加熱処理ビスケット材とカカオ脂同等品タイプの糖菓油脂との固形混合物を含む、複合冷凍組成物を形成するのに適した改質ビスケット生成品が記述されており、改質ビスケット生成品を製造するプロセスは、その粒を油脂で被覆するステップと、粒状ビスケットと油脂との前記混合物を、容器又は被覆の形状の塊に凝縮するステップと、その凝縮混合物の形状を、油脂の凝固作用によって維持するステップとを含んでおり、又、アイスクリームを入れるコーンの形にされた改質ビスケット生成品を含む複合冷凍糖菓を製造するプロセスが記述されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、被覆又は容器、それらのうち特にアイスクリームのコーンを含む複合冷凍糖菓、及びそのような複合冷凍糖菓を製造する方法に関する。
【0002】
氷糖菓製造の分野では、新しい食感及び質感を手に入れる必要がある。特に魅力的なのは、冷凍糖菓に於ける、柔らかい泡立ちの氷糖菓とビスケット材の被覆層又は容器との質感の対比である。
【0003】
[発明の背景]
特に、ケーキ、バー、及びアイスクリームを取り巻いたりアイスクリームが詰め込まれたりしているウエハースで作られたコーン、シガー又はサンドイッチなどのタイプのビスケット又はさくさくしたウエハースが組み合わされたアイスクリームからなる複合氷糖菓が知られている。これら製品は、貯蔵中又は消費中のいずれに於いても、そのさくさくした特性を失わないようにするために、アイスクリームから来る湿気をビスケット又はウエハースに浸透させないシステムを含まなければならない。これは、通常、アイスクリームに接触しているビスケットの表面、又はアイスクリーム自体の表面のいずれかを、例えばチョコレート又はチョコレートを含む被覆などの脂質成分で被覆することによって達成される。
【0004】
パンなどのかけら又はすり潰された焼きビスケットを2次製品、例えばアイスクリームバルク中の含有物として再利用することが、例えば米国特許第3,508,926号に提案されている。解決すべき問題は、焼いた食物粉末が、そのさくさく感をアイスクリームから来る水分の存在によって失うことである。この焼かれた食材では、澱粉質が、焼く課程でゼラチン化される。ゼラチン化された澱粉質を含有する食材粉末の水分吸収性が高いという問題を解決するために、食材粉末をショートニングと乳化剤との混合物と混ぜ合わせ、次いで、好ましくは糖蜜で再湿潤させ、最後にそれらを乾燥させることが提案された。その結果得られる歯ごたえのあるものが、アイスクリームバルク中の含有物として使用され得る。
【0005】
仏国特許出願FR−A−2204363明細書では、さくさくした特性を失うことなくアイスクリームと共に使用するのに適したビスケット組成物が、乳化剤の存在下で糖蜜中にチョコレートのディスパージョンを形成し、そのディスパージョンを加熱し、その中に加熱処理ビスケットの粉末を混入し、冷却し、得られたペーストを、その中又はその間にアイスクリームが詰め込まれるビスケットシート又はカップの固まりの形にすることによって、製作される。
【0006】
欧州特許第1302112号明細書には、−10℃以下ではビスケットのように見え、20〜60%の焼きビスケットの粒と40〜80%の脂肪分とからなる混合物を含み、15℃以上では液体になりポンプ移送可能であるビスケット状物質、並びに貯蔵時及び消費時にはビスケットのような堅牢さを維持するそのビスケット状物質に氷糖菓を接触させることによって製作された複合氷糖菓品が記載されている。その混合物は、20〜60重量%のビスケット粒と80〜40重量%の脂肪分とを含む。用いられる脂肪分は、例えば綿実油又は大豆油などの通常食物に用いられる植物油などの部分水素添加植物油、未変性ココナッツ油脂、分留ヤシ油、部分的に分留された乳脂、及びこれらの油脂の混合物からなる群から選択される。融点が10℃〜35℃の範囲にあり、上記で概説した必要な溶融特性を有する植物油脂又はその混合物はいずれも、この発明に於けるのと同様な結果を得るのに使用することができる。それら油脂は、高オレイン酸の、部分的水素添加植物油であることが好ましい。チョコレート、ナッツペースト、ピーナッツペースト、又はカカオ脂を基にした油脂ベースの糖菓「合成物」被覆は、それぞれカカオ脂同等品であり、油脂として、及び/又は香味料ベースとして、油脂の重量で5〜50%を占める量で使用することができる。
【0007】
欧州特許第1283012号明細書には、炭水化物及び脂肪を含む結合剤で一体に固められた加熱処理ビスケットの断片を含む再生ビスケット生成品と、10〜30%のビスケット断片及び60〜90%の結合剤の混合物が形成され乾燥される再生ビスケットを製造するプロセスと、氷糖菓物質に接触する上記の再生ビスケットを含む複合氷糖菓製品とが記載されている。
【0008】
欧州特許第664676号明細書には、押出成形装置による同時押出成形によって個別の未加熱処理クッキー生地添加物をその中に有するアイスクリーム状のデザート組成物を含む複合冷凍新型商品を形成する方法が記載されている。その押出成形装置は、入口及びその入口の下流に配置された出口を有する主ダイスと、少なくとも1つの中間ダイスを備え、中間ダイスは、主ダイスの内部、主ダイスの出口の上流位置に配置されている。アイスクリーム状デザート組成物は、少なくとも準氷結状態で主ダイスの入口に導かれる。流動性の個別の未加熱処理クッキー生地添加物は、押出中の良好な流れ特性を確保するために、温度を上昇させて、例えば少なくとも約50°F(10℃)で中間ダイスを通して押し出す。デザート組成物と個別の生地添加物とは、複合押出品を形成するように、主ダイスの出口を通して、一緒に押し出される。
【0009】
[発明の概要]
本発明も、アイスクリームなどの複合冷凍組成物に適した改質ビスケット生成品を提供し、そのビスケットは、アイスクリームから来る湿気を実質的に遮断する。しかし、本発明のビスケットは、欧州特許第1302112号に於けるようにポンプ移送可能な液状下地材ではなく、欧州特許第1283012号に於けるように炭化水素のような別の結合剤を必要とせず、乾燥ステップも必要とせず、米国特許第3508926号及び仏国特許第2204363号に於けるように糖蜜を含む乳濁液でもなく、欧州特許第664676号に於けるように非加熱処理ビスケット屑から生成されるのでもない点で、従来技術のビスケットとは異なる。本発明のビスケットは、素材の栄養特性がより良好であるという別の利点も有する。
【0010】
従って、本発明は、
・粒状加熱処理ビスケット材とカカオ脂同等品タイプの糖菓油脂との固形混合物であって、前記粒が油脂で被覆されている固形混合物を備え、
・粒状ビスケットと油脂との前記混合物が、容器又は被覆の形状の塊に凝縮され、
・前記凝縮混合物の形状が、前記油脂の凝固作用によって維持される、
複合冷凍組成物を形成するのに適した改質ビスケット生成品を提供する。
【0011】
[発明の詳細な説明]
本発明に於いては、用いられるビスケット材は、砕かれた加熱処理ビスケット片又は砕かれたブレックファストシリアルに基づき得る。
【0012】
素材ベースとして、シリアルフレーク、パフシリアル、ショートブレッド、チョコレートチップ、クッキー、又はコーンウエハースを使用することができる。この素材ベースは、少量の木の実や種子、例えばアーモンド、ヘイゼルナッツ、亜麻仁、ゴマなどと組み合わせることができる。
【0013】
ビスケット材の粒は、かけら状、粒状、又は粉状の形態であり得、粒の大きさは平均直径D(1,0)が0.5〜10mm、好ましくは1〜6mm、とりわけ4〜6mmであり得る。
【0014】
糖菓油脂は、カカオ脂代用品などの植物油脂である。カカオ脂代用品は、当業者には周知であり、「カカオ脂代替品」、「カカオ脂同等品」及び「カカオ脂置換品」が含まれる。これら植物性油脂は、Blackie Academic & Professionalによって発行されたS.T.Beckett監修の「Industrial Chocolate Manufacture and Use」第2版(1994年)の242〜256頁に記載されている。
【0015】
改質ビスケット生成品混合物は、15〜40重量%の油脂と、85重量%〜60重量%の加熱処理ビスケットとを含み得る。好ましくは、改質ビスケット生成品混合物は、25重量%〜35重量%の油脂と、75重量%〜65重量%の加熱処理ビスケットとを含み得る。
【0016】
本発明は又、複合冷凍組成物を形成するのに適した改質ビスケット生成品を作るプロセスを提供する。そのプロセスは、粒状の加熱処理ビスケット片を油脂で被覆するために粒状の加熱処理ビスケット片又はブレックファストシリアルを溶融油脂と混合するステップであって、溶融油脂の温度が30℃を超えるステップと、容器又は被覆の形状の塊を得るために被覆した粒を凝縮するステップと、塊の形状を維持するために凝集された粒を冷却するステップとを含む。
【0017】
粒状加熱処理ビスケット片は、加熱処理ビスケット又はブレックファストシリアルから、必要ならサイズ減少操作によって得ることができ、その操作は、従来のビスケット材又はブレックファストシリアルを、例えば0.5〜10mmの平均直径D(1,0)を有するかけらなどのより小さい粒状形態に破砕又は粉砕するステップを含む。油脂は、30℃を超える温度、好ましくは32℃〜60℃、より好ましくは35℃〜50℃の温度に溶融されるべきである。
【0018】
前記混合するステップは、15重量%〜40重量%の油脂と85重量%〜60重量%の加熱処理ビスケット材とを用いて、バッチ式又は連続的に実施される。有利には、粒状ビスケット片又は粒状ブレックファストシリアルの粒は、安定した付着及び形成が行われるようにするために、実質的に均一に油脂で被覆される。
【0019】
バッチ式操作では、混合装置を有する容器を使用することができ、好都合には、開放混合パドルを有する温度制御式容器が使用され得る。好ましくは、パドルは、粒状加熱処理ビスケット片の破砕又は寸法減少が実質的にそれ以上は行われないことを保証するように設計されるべきである。
【0020】
連続的操作では、混合器は、好都合には、スクリューブレンダを有し、その周りに混合チューブを有する。好ましくは、スクリュー混合器は、連続的に供給された乾燥粒が、スクリューブレンダによって混合チューブに注入され、その後者に、事前分量配分された液体油脂が導き入れられ、回転する螺旋によって遠心力を掛けられている、急速混合装置である。このように生成された液体の渦が、乾燥粒の散逸流にぶつかる。好ましくは、乾燥粒を供給するスクリューブレンダは一方向に回転し、前記螺旋は逆方向に回転する。別法として、液体が、スクリューブレンダに注ぎ込まれ、乾燥粒が、その周りのチューブに注ぎ込まれてもよい。
【0021】
本発明の改質ビスケット生成品は、複合冷凍製品中のサンドイッチ、バー、及び好ましくはコーン又はカップなどの被覆又は容器として使用することができる。
【0022】
改質ビスケット生成品は、例えば、パッケージスリーブを保持する支持装置を備えるコーンマシーン上で、容器、例えば冷凍糖菓材で充填するのに適したコーンの形にされる。改質ビスケットと油脂の混合物の適切な分割量が前記スリーブ中に付着される。体積測定ヘッド又は振動装置によって、混合物を分量配分することが可能である。付着されるビスケットと油脂の混合物の量は、好ましくは、スリーブ当たり10〜19gである。マシーンが前方に割送られるごとに所定位置に移動し、スリーブを好都合には約0.8秒間支持する底部支持型が備えられ、同時に、好ましくは100〜500rpmで回転する回転雄型が、改質ビスケット/油脂混合物を形成するためにパッケージスリーブの中へ降下し、これは好都合には約0.6秒の短い時間だけ保持される。形成が終わると、支持型及び雄形成型は共に垂直移動で引き込まれて、マシーンを前方に割送ることができる。形成段階の全サイクル時間は、好都合には、約2秒間である。パッケージスリーブは、紙、紙/アルミニウム、又は適切なプラスチックのパッケージ材から製作することができる。好ましくは、粒状加熱処理ビスケット片又はブレックファストシリアルと油脂との混合物は、形成プロセスに悪影響を及ぼし得る油脂の実質的な結晶化を防ぐために、30℃を超える温度に維持される。
【0023】
本発明は又、本発明による改質ビスケット生成品の被覆又は容器と、氷糖菓とを含む複合冷凍糖菓を提供する。
【0024】
本発明は更に、被覆又は容器としての本発明による改質ビスケット生成品と、氷糖菓とを含む複合冷凍糖菓を製造するプロセスを提供し、そのプロセスは、粒状加熱処理ビスケット片を油脂で被覆するために、平均直径0.5〜10mmの粒状加熱処理ビスケット片又はブレックファストシリアルを溶融油脂と混合するステップであって、改質ビスケット生成品を得るために、溶融油脂は30℃を超える温度を有するステップと、氷糖菓と改質ビスケット生成品を接触させるステップとを含む。
【0025】
複合冷凍糖菓が氷糖菓を入れたコーンであるとき、コーンとして形成された改質ビスケット生成品は、それに氷糖菓が接触させられるまで30℃を超える温度に維持されることが好ましい。好ましくは、コーンがパッケージスリーブ中に形成されると、直ちに、例えば21秒間以内に、好ましくは14秒間以内に氷糖菓をコーンに充填すべきである。
【0026】
従って、本発明は更に、アイスクリームを入れる容器の形にされた改質ビスケット生成品を含む複合冷凍糖菓を製造するプロセスを提供し、そのプロセスは、粒状加熱処理ビスケット片を油脂で被覆するために、85重量%〜60重量%の粒状加熱処理ビスケット片又はブレックファストシリアルを15重量%〜40重量%の溶融油脂と混合するステップであって、改質ビスケット生成品を生成するために、溶融油脂は30℃を超える温度を有するステップと、粒状加熱処理ビスケット片又はブレックファストシリアルと油脂との混合物を30℃を越える温度に維持しながら改質ビスケット生成品を容器の形にするステップと、30℃を超える温度に維持された容器を、容器の形成から21秒間以内に氷糖菓で充填するステップとを含む。
【0027】
本発明では、理論に拘泥することは望まないが、油脂は、形成プロセス中の結合剤として作用し、結合作用は形成圧力とアイスクリームの低温との組み合わせ作用によると考えられる。従って、他の結合剤は必要なく、好ましくは、本発明では他の結合剤は使用されない。
【0028】
複合冷凍糖菓中の氷糖菓は、柔らかな質感を有するアイスクリーム、泡氷組成物、泡アイスクリーム、シャーベット若しくはソルベ、又はアイスヨーグルトであり得る。空気混和は、40〜150%のオーバーラン、好ましくは80〜120%のオーバーランであり得る。
【0029】
氷糖菓は、押出成形されてもよく、一緒に押出成形された様々な色及び香りの個々のアイスクリーム、シャーベット若しくはソルベ、又はアイスヨーグルトで構成されてもよく、実質的に柔らかい質感の、複合又は大理石模様状若しくは斑状の本体を生成するために、シロップ若しくはソース、又は小さな介在粒子を含有してもよく、ここで、固形介在粒子は、通常アイスクリームに使用されるもの、例えばドライフルーツ、ナッツ、砂糖菓子、又はゲル状粒子でもよい。
【0030】
対照をなす氷糖菓とビスケット状被覆又は容器とに加えて、油脂ベースのさくさくした素材、好ましくはチョコレート又は糖菓被覆などの追加の素材が提供され得、好ましくは、ビスケット状被覆又は容器は、貯蔵又は販売中にそれが氷糖菓から水分を吸収するのを更に防ぐために、少なくとも氷糖菓に接触する面に糖菓被覆により更に被覆が行われ得る。
【0031】
現存のウエハースコーン及びその製法に比較して、本発明の製品及び製法には多くの相違点及び利点がある。
・現存のウエハースコーンはカカオ脂と同等な油脂を使用していない。カカオ脂同等品は3つの機能を有する。すなわち、カカオ脂同等品は、ビスケット粒の結合剤として作用し、湿気の遮蔽体として働き、良好な口当たりを示す。油脂が従来の砂糖入りウエハースに使用されるとき、油脂の主要な役割は、ウエハースをベーキングプレートから分離させることである。
・現存のウエハースコーンは、均質なバッターから製造され、外観と質感の均質性を向上させる。対照的に、ここで製造されるコーンは職人芸的外観を有する。
・現存のウエハースコーンはパッケージスリーブの外でしか製作できないが、ここで製造されるコーンはパッケージスリーブの内部で形成される。
・現存のウエハースコーンは、150℃より高い温度で、約60秒間のベーキング時間と約1秒間の回転時間によらないと形成できないが、ここで製造されるコーンは、回転成形器具及び圧力を用いて、32℃より低い温度で、約2秒間の合計成形時間で形成される。
・形成するコーンの大きさは、成形装置を換えることなく、単にスリーブ中のビスケット材の分量配分重量を変えることによって変化させることができ、このようにして、その大きさを、例えば、85mmから110mmまでの側壁長さに変化させることができる。
【0032】
本発明による複合冷凍糖菓の好ましい実施形態は冷凍糖菓コーンであるが、その複合冷凍糖菓は、上記で定義されたような改質ビスケットを例えばスラブケーキ中に詰め込んで用いるとき、公知の従来の製法によって作ることができるバー又はサンドイッチの形態でもよい。
【実施例】
【0033】
以下の実施例では、添付図面を参照しながら、更に本発明を例示する。
【0034】
これらの例で、割合は重量によって与えられる。
【0035】
図1に示されるように、方向f1に段階的に移動するコーン製造ラインは、スリーブを据える段階A、ビスケット/油脂混合物を混合し投入する混合段階B、ビスケットコーンを形成する段階C、被覆する段階D、及びアイスクリームを充填する段階Eを含む。
【0036】
ラインは、紙/アルミニウムのスリーブ2が段階Aでその中に据えられるスリーブ支持部材1を備える。
【0037】
段階Bでは、ビスケット粒3が、f2方向に回転する小スクリュー供給部4中に供給され、f3方向に回転する混合螺旋部6を備える混合チューブ5に注入される。液体油脂7が、混合チューブ5に導入され、被覆されたビスケット粒8が、体積測定分量分配ユニット(図示せず)によってスリーブ2に投入される。
【0038】
段階Cでは、円錐形状の底部支持雌型9が、上昇し、スリーブを支持する位置に配置され、f4方向に回転している円錐形雄型10が、スリーブ中に降下し、ビスケット粒8を押圧し、ビスケット粒を円錐形状容器に成形するように保持され、その後、回転雄型10及び支持雌型9は、速やかに所定位置から離れて、形成されたシリアルコーンをスリーブ中に残し、雄型は上昇し、雌型は下降する。
【0039】
段階Dでは、形成されたシリアルコーンの内面が、溶融チョコレート合成物をノズル11を通して噴霧することによって被覆される。このステップは、好ましいが、任意選択による。
【0040】
段階Eでは、スリーブ中の被覆されたシリアルコーンが、アイスクリーム12で充填される。次いで製品は、従来の操作により、蓋を挿入し、スリーブの縁を襞付けしながら蓋の上に織り込んで包みを閉じることによって包装される(図示せず)。
【0041】
実施例1
I)改質ビスケット生成品の製作
大きさ6×6mmのブレックファストシリアルフレーク(仏国、Rumilly市、CPW Factory製のCPW Golden Graham)の大きさを減少させて、平均直径0.5〜6mmの粒にする。得られた粒材は、篩分けによって測定されたとき、90%を超える粒が0.7mm開口篩上に留まり、10%未満の粒が4.8mm開口篩上に留まるような粒度分布を有する。段階Bでは、70部の室温のこれら粒状ブレックファストシリアルが、「Illexao 30−61」(Illexaoは登録商標)の名称でデンマーク国のAarhus Oliefabfik A/S社によって供給されるシアバターノキ、イリッペ、マンゴ、サラノキ、分留非水素添加ヤシなどの様々なエキゾチックオイルを基にする、30部の温度45℃に溶融されたカカオ脂同等品と混合される。これらの成分は、急速混合装置「Parimix」(Parimixは登録商標)中で45℃で連続的に混合される。急速混合装置「Parimix」では、連続的に供給される乾燥ビスケット粒が、回転するスクリュー供給部に通され、スクリュー供給部を取り巻く混合チューブに注入され、その後者のチューブには液体油脂が導き入れられ、スクリューの回転方向と逆の方向に回転する螺旋によって遠心力が掛けられる。その結果、このように生成された液体の渦が、乾燥流の散逸流と逆方向にぶつかって、最終的にブレックファストシリアル粒がカカオ脂同等品で実質的に均一に被覆され、それにより、平均直径0.5〜6mmのブレックファストシリアル粒とカカオ脂同等品との固形混合物である改質ビスケット生成品が得られる。
【0042】
II)改質ビスケット生成品からのコーンの形成
I)で作られた改質ビスケット生成品は、32℃の温度に保たれ、段階Bで、19グラムが、紙/アルミニウムのパッケージスリーブ中に投入される。改質ビスケット生成品で充填されたスリーブは、図1に示されるように、コーンマシーン上の形成装置の底部支持型中に保持されている。150rpmで連続的に回転する回転雄型をパッケージスリーブ中に降下させ、0.6秒間保持して、投入された改質ビスケット生成品をコーン形パッケージスリーブに形成し、その後、支持及び回転装置は、所定位置から素早く移動して、総サイクル時間2秒で、成形コーンをパッケージスリーブ中に残す。
【0043】
実施例2
シリアルコーンとしての複合冷凍糖菓の製作
実施例1で製作されたコーンを32℃の温度に保ち、その形成から14秒間以内に、標準的充填ライン上で、コーンにアイスクリームを充填する。アイスクリームの冷却効果が、カカオ脂同等品を急速に結晶化させ、アイスクリームで充填された堅いコーンを備える複合冷凍糖菓が得られる。アイスクリームの容器としてのコーン形改質ビスケット生成品は、良好な湿気遮蔽体として作用する。
【0044】
実施例3
チョコレート合成物で被覆されたシリアルコーンとしての複合冷凍糖菓の製作
実施例2のプロセスが、アイスクリームで充填する前に、形成されたシリアルコーンの内面を合成被覆成分で被覆するステップを追加して、繰り返される。
【0045】
その被覆成分は、総油脂含有量52〜55%の、精製植物油、糖類、ココア粉、及び大豆レシチンの混合物から作られる。混合物は、粒の約85%が25ミクロン以下の平均直径を有するような粒子サイズが得られるように、精製器を通される。混合物は、ブルックフィールドLVT型粘度計を用いてスピンドル21で計測して、40℃で、塑性粘度60〜100cP、降伏値3〜7D/cmを有し、混合物は、被覆用に6.5gを使用して、シリアルコーンの内面及び上縁が完全に被覆されるまで、ノズルを用いて50℃の温度で噴霧される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】アイスクリームを作るプロセスの概略全体図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合冷凍組成物を形成するのに適した改質ビスケット生成品であって、
粒状加熱処理ビスケット材とカカオ脂同等品タイプの糖菓油脂との固形混合物であり、前記粒が油脂で被覆されている固形混合物を含み、
粒状ビスケットと油脂との前記混合物は容器又は被覆の形状の塊に凝縮されており、
凝縮された前記混合物の形状が前記油脂の凝固作用によって維持される、改質ビスケット生成品。
【請求項2】
前記粒状加熱処理ビスケット材が、加熱処理ビスケット片又はブレックファストシリアルである、請求項1に記載の改質ビスケット生成品。
【請求項3】
前記ビスケット材の前記粒が、かけら状、粒状、又は粉状の形態であり、前記粒の大きさが平均粒径0.5〜10mmである、請求項1に記載の改質ビスケット生成品。
【請求項4】
前記改質ビスケット生成品混合物が、15重量%〜40重量%の油脂と、85重量%〜60重量%の加熱処理ビスケット材とを含む、請求項1に記載の改質ビスケット生成品。
【請求項5】
粒状加熱処理ビスケット片を油脂で被覆するために、粒状加熱処理ビスケット片又はブレックファストシリアルを溶融油脂と混合するステップであって、前記溶融油脂が30℃を超える温度を有するステップと、被覆された前記粒を凝縮するステップと、ある形状の塊を得るために凝縮された前記粒を冷却するステップとを含む、請求項1に記載の改質ビスケット生成品を製作する方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の改質ビスケット生成品の被覆又は容器と、氷糖菓とを含む複合冷凍糖菓。
【請求項7】
前記改質ビスケット生成品の被覆がコーンの形態である、請求項6に記載の複合冷凍糖菓。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の改質ビスケット生成品からコーンを形成する方法であって、コーンマシーン上の形成装置の底部支持型によって保持されたパッケージスリーブ中に、30℃を超える温度に維持された前記改質ビスケット生成品の適切な分割量を投入するステップと、回転型を前記パッケージスリーブ中に降下させるステップと、投入した前記改質ビスケット生成品をコーンに成形するために、0.5〜2秒の時間、保持するステップであって、その後、前記底部支持装置及び回転装置が所定位置から離れて、形成された前記コーンを前記パッケージスリーブ中に残すステップとを含む方法。
【請求項9】
アイスクリームを入れるコーンの形にされた改質ビスケット生成品を含む複合冷凍糖菓を製造する方法であって、粒状加熱処理ビスケット片を油脂で被覆するために、85重量%〜60重量%の粒状加熱処理ビスケット片又はブレックファストシリアルを15重量%〜40重量%の溶融カカオ脂同等品タイプの糖菓油脂と混合するステップであり、改質ビスケット生成品を生成するために、溶融油脂は30℃を超える温度を有するステップと、粒状加熱処理ビスケット片又はブレックファストシリアルと油脂との混合物を30℃を越える温度に維持しながら前記改質ビスケット生成品をコーンの形にするステップと、30℃を超える温度に維持された前記コーンを、前記コーンの形成から21秒間以内に氷糖菓で充填するステップとを含む方法。
【請求項10】
前記氷糖菓が、柔らかな質感を有する泡氷組成物、泡アイスクリーム、シャーベット若しくはソルベ、又はアイスヨーグルトであり得る、請求項6に記載の複合冷凍糖菓。
【請求項11】
空気混和が、40〜150%のオーバーラン、好ましくは80〜120%のオーバーランである、請求項6に記載の複合冷凍糖菓。
【請求項12】
前記氷菓が、押出成形され、同時に押出成形された様々な色彩及び香りの個別のアイスクリーム、シャーベット若しくはソルベ、又はアイスヨーグルトで構成され、実質的に柔らかい質感の、混合若しくは大理石模様又は斑模様の本体を生成するために、シロップ若しくはソース、又は小さな介在粒子を含有し得る、請求項6に記載の複合冷凍糖菓。
【請求項13】
前記氷糖菓と前記ビスケット状被覆又は容器とに加えて、油脂ベースのさくさくした素材、好ましくはチョコレート又は糖菓被覆などの追加の素材を含む、請求項6に記載の複合冷凍糖菓。
【請求項14】
コーン、カップ、サンドイッチ、又はバーの形態の、請求項6に記載の複合冷凍糖菓。

【図1】
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【公表番号】特表2008−539702(P2008−539702A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509337(P2008−509337)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003928
【国際公開番号】WO2006/117130
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】