説明

複合型データ記録装置

【課題】 テープ媒体とディスク媒体との間でも、ダビングを一旦停止させることなく2以上のコンテンツに分割することのできる複合型データ記録装置を提供すること。
【解決手段】 1以上のコンテンツを記録可能なテープ媒体(ビデオテープ20b)およびディスク媒体(HD5b,DVD16b)とを備える。そして、テープ媒体およびディスク媒体のいずれか一方の媒体に格納された1つのコンテンツを他方の媒体に転送(ダビング)する場合、所定の指示、たとえばダビングキーの操作に基づいて(ステップS24)、他方の媒体において1つのコンテンツを2以上のコンテンツに分割するための処理(別タイトル作成/VISS書き込み)を行なう(ステップS26)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合型データ記録装置に関し、特に、テープ媒体とディスク媒体とを備え、一方の媒体から他方の媒体へデータの転送(ダビング)が可能な複合型データ記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、テープ媒体やディスク媒体において、たとえば1つの放送番組に基づくデータは、一まとまりで管理したいというユーザの要求がある。
【0003】
そこで、たとえば、特許文献1には、ビデオテープから読み出した記録データを光ディスクにダビングする際に、ビデオテープの走行をコントロールするためのコントロール信号のデューティを検出し、検出結果に従って番組の変更を判別して、変更があると判別すると、タイトルデータを生成して、タイトルデータを光ディスクに書き込むことが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、番組放送信号に基づいて、録画中に新たな番組の開始を検出すると、開始が検出された番組とその番組のタイトルとを対応付けて記録することが開示されている。
【特許文献1】特開2004−185728号公報
【特許文献2】特開2003−230080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記文献には、アナログデータが記録されるビデオテープなどのテープ媒体とDVD(Digital Versatile Disc)やHD(ハードディスク)などのデジタルデータが記録されるディスク媒体との間で一連のデータ(コンテンツ)のダビングを行なう場合に、そのコンテンツを、ダビング先の媒体において2以上のコンテンツに分割することについて開示されていない。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、テープ媒体とディスク媒体との間でも、ダビングを一旦停止させることなく2以上のコンテンツに分割することのできる複合型データ記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のある局面に従う複合型データ記録装置は、1以上のコンテンツを記録可能なテープ媒体およびディスク媒体と、テープ媒体およびディスク媒体のいずれか一方の媒体に格納された1つのコンテンツを他方の媒体に転送するための転送手段と、ユーザに対して、手動分割あるいは自動分割のいずれにするかを選択させるための選択手段と、転送手段による転送処理の間、他方の媒体において1つのコンテンツを2以上のコンテンツに分割するための処理を行なう分割手段とを備える。分割手段は、手動分割が選択された場合、ユーザから所定の指示が入力される度に、分割処理を行なうための第1の分割手段と、自動分割が選択された場合に、予め設定された分割時間および分割回数に基づいて、分割処理を行なうための第2の分割手段とを含む。第1および第2の分割手段は、他方の媒体がテープ媒体である場合、所定の指示に基づいて、テープ媒体に所定の識別信号を書き込み、他方の媒体がディスク媒体である場合、所定の指示に基づいて、転送手段による転送処理が開始されたときに作成される管理情報とは別の管理情報を作成する。
【0008】
この発明の他の局面に従う複合型データ記録装置は、1以上のコンテンツを記録可能なテープ媒体およびディスク媒体と、テープ媒体およびディスク媒体のいずれか一方の媒体に格納された1つのコンテンツを他方の媒体に転送するための転送手段と、転送手段による転送処理の間、所定の指示に基づいて、他方の媒体において1つのコンテンツを2以上のコンテンツに分割するための処理を行なう分割手段とを備える。
【0009】
好ましくは、テープ媒体において1つのコンテンツとは、途中に所定の識別信号が付されていないコンテンツであり、他方の媒体がテープ媒体である場合、分割手段は、所定の指示に基づいて、テープ媒体に所定の識別信号を書き込む。
【0010】
好ましくは、ディスク媒体において1つのコンテンツとは、ディスク媒体において1つの管理情報によって管理されるコンテンツであり、他方の媒体がディスク媒体である場合、分割手段は、所定の指示に基づいて、転送手段による転送処理が開始されたときに作成される管理情報とは別の管理情報を作成する。
【0011】
好ましくは、分割手段は、ユーザから所定の指示が入力される度に、分割処理を行なう。
【0012】
好ましくは、分割手段は、予め設定された分割時間に基づいて、分割処理を行なう。
【0013】
好ましくは、分割手段は、予め設定された分割回数に基づいて、分割処理を行なう。
【0014】
好ましくは、ユーザに対して、手動分割あるいは自動分割のいずれにするかを選択させるための選択手段をさらに備え、分割手段は、手動分割が選択された場合、ユーザから所定の指示が入力される度に、分割処理を行なうための第1の分割手段と、自動分割が選択された場合には、予め設定された分割情報に基づいて、分割処理を行なうための第2の分割手段とを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、テープ媒体とディスク媒体との間のデータ転送(ダビング)中に、一旦転送を停止させることなくコンテンツを所望の位置で分割することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0017】
[実施の形態1]
図1には、この発明の実施の形態1に係る複合型データ記録装置の構成が示される。図1を参照して複合型データ記録装置はTV(Television)放送を受信するTVアンテナ1、TVアンテナ1により受信された放送信号から所望チャンネルに対応の放送信号を抽出するためのチューニング動作を行なうチューナ2、チューナ2により抽出された放送信号について所定の符号化方式に従いデジタル信号に変換するデジタル変換部3、デジタル変換部3により変換されて出力されたデジタル信号をコード化してデジタルデータとして出力するエンコーダ4、エンコーダ4から出力されたデジタルデータが記録され、供給電力が絶たれても記録内容を保持できるHD5bを駆動制御するHDD(Hard disk drive)5a、着脱可能な記録媒体であるDVD16bを駆動制御するDVDドライブ16a、着脱可能な記録媒体であるビデオテープ20bへのデータの書き込みおよび読み出しを行なうビデオテープ装置20a、HDD5aによるHD5bへのデジタルデータの書込および読出とDVDドライブ16aによるDVD16bへのデジタルデータの書込および読出とビデオテープ装置20aによるビデオテープ20bへのアナログデータの書込および読出とを制御する書込/読出制御部6、HDD5aによりHD5bから読出されたデジタルデータまたはDVDドライブ16aによりDVD16bから読出されたデジタルデータを入力してデコードし、デジタル信号を出力するデコーダ7、デコーダ7から出力されたデジタル信号を入力してアナログ信号に変換して出力するアナログ変換部8、およびアナログ変換部8から出力されたアナログ信号あるいはビデオテープ装置20aによりビデオテープ20bから読み出されたアナログ信号を入力して映像、音声などにして出力するためのTV受像機などの出力部9を備える。
【0018】
さらに、図1の複合型データ記録装置は、チューナ2のチューニング動作、エンコーダ4のエンコード動作、デコーダ7のデコード動作および書込/読出制御部6の動作を制御するためのCPU(Central Processing Unit)10、CPU10がこれらを制御するための情報(プログラム、データなど)を含む各種の情報を記憶するためのRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などからなる記憶部11および12、外部に設けられたリモコン(リモートコントローラの略)14からの赤外線信号による指令・指示を受信し、データに変換して、CPU10に与える入力部13、OSD(On Screen Display)回路15、計時動作するタイマ17、およびEPG(Electric Program Guide)抽出部18を備える。なお、EPG抽出部18を備えない構成であってもよい。
【0019】
ここでは、DVD16bは、DVD−R、DVD−RAM(DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)ともいう)などであってよい。
【0020】
OSD回路15はCPU10から与えられるデジタル情報に基づく描画データを作成してアナログ変換部8に出力する。アナログ変換部8は描画データを入力すると、該描画データのみをアナログ変換して出力部9に出力する。または、描画データとHD5bまたはDVD16bから読出されてデコーダ7を介して与えられるデータとをアナログ変換して、出力部9に出力する。したがって、出力部9には与えられるデータに基づく画像が表示されることになる。
【0021】
入力部13はリモコン14からの指令を入力しない場合には、外部からの指令・指示を入力するためのユーザにより操作される各種スイッチ、ボタンなどから構成されてもよい。
【0022】
リモコン14は、ダビングを実行するためのダビングキー141、後述するインデックスサーチキー142、カーソルキー143、メニューキー144を備える。カーソルキー143は出力部9に表示されるカーソルなどのポインタを上下左右のそれぞれの方向に移動させるための複数種類のキーを含む。なお、本実施の形態において、ダビングキー141は、手動によるタイトル分割の機能も有する。
【0023】
EPG抽出部18はアンテナ1、チューナ2およびデジタル変換部3を経由して入力したデジタル情報から、放送信号とともに送信されている番組データのEPG情報を抽出して、抽出したEPG情報をCPU10に与える。
【0024】
なお、HDD5aによるHD5bへの情報の書込(記録)/読出(再生)、DVDドライブ16aによるDVD16bへの情報の書込(記録)/読出(再生)、およびビデオテープ装置20aによるビデオテープ20bへの情報の書込(記録)/読出(再生)は、CPU10の制御の下に書込/読出制御部6を介して行なわれる。書込/読出制御部6は、、これらのいずれの媒体に情報の書込(記録)/読出(再生)を行なうかを選択して動作指令を与える。
【0025】
ビデオテープ装置20aは、書込/読出制御部6による制御の下、ビデオテープ20bに後述するVISS信号の書き込みも行なう。
【0026】
以下の説明において、ダビングの対象とされるデータを映像データであるものとするが、映像データに限られず、音声データであってもよいし、両方を含んでいてもよい。本実施の形態において、「ダビング」とは、ある記録媒体に記録されている記録済データを別の記録媒体に転送して再記録することをいうものとする。
【0027】
通常、HD5bやDVD16bに代表されるディスク媒体とビデオテープ20bに代表されるテープ媒体との間でダビングを行なう場合、一旦ダビングを開始するとダビングが終了されるまで一連の映像データ、すなわち1つのコンテンツとして記録される。
【0028】
ここで「1つのコンテンツ」とは、デジタルデータが記録されるディスク媒体の場合は、タイトルやプログラムとも呼ばれるデータ群のことであり、1つの管理データで管理される映像データである。また、アナログデータが記録されるテープ媒体の場合は、録画開始時を除いて途中にVISS(VHS Index Search System)が書きこまれていない映像データのことをいう。このVISSは、通常、録画(ダビングを含む)開始時に書き込まれ、録画開始を識別可能な信号である。
【0029】
ここで、VISSについて簡単に説明する。通常、ビデオテープ20bに録画する場合、再生時にテープの走行をコントロールするために、CTL(control track signal)信号と呼ばれるパルス信号が記録される。そして、各コンテンツの頭出しが可能となるように、録画開始時にCTL信号のパルスのデューティを変更することが一般的に行なわれている。このように、録画開始位置を他の部分と区別できるように書き込まれた特別なデューティのCTL信号を、VISSあるいはVISS信号という。なお、本実施の形態においては、再生時または再生停止時に、リモコン140のインデックスサーチキー142を操作することで、VISSが書き込まれた位置の映像データの頭出しを行なうことができる。
【0030】
上記したように、デジタルデータが記録されるディスク媒体とアナログデータが記録されるテープ媒体との間のダビングにおいては、ダビング先においてコンテンツ(以下「タイトル」という)を分割したい場合、途中で一旦ダビングを停止して再開するという手間が必要となる。
【0031】
このような煩わしさを解消するために、本発明の実施の形態におけるディスク媒体とテープ媒体との複合型データ記録装置は、ユーザ所望の位置でタイトルの分割を行なう。なお、以下の説明においては、HD5bとビデオテープ20bとの間でダビングが実行されるものとして説明するが、DVD16bとビデオテープ20bとの間で行なわれるものであってもよい。また、本実施の形態では、両方向に対してダビングが可能であるとするが、いずれか一方にのみダビングが可能なものであってもよい。
【0032】
本発明の実施の形態1において、HD5bとビデオテープ20bとの間のダビングの際に実行される処理(ダビング処理)について、図2、図4および図5のフローチャートを用いて説明する。なお、これらのフローチャートに示す処理は、たとえば記憶部11に予め格納されたプログラムを、CPU10が読み出して実行することにより実現される。
【0033】
図2を参照して、始めに、CPU10は、ダビング設定画面を表示する(ステップS2)。ダビング設定画面の表示例を、図3に示す。
【0034】
図3を参照して、表示領域31には、ダビング中のタイトル分割処理を行なうために、ユーザにより入力されるべき情報、たとえば“タイトル分割時間”および“タイトル分割数” (以下、これらを「タイトル分割情報」ともいう)が示される。「タイトル分割時間」とは、タイトル分割を自動で行なう単位時間(分)を表わす情報であり、「タイトル分割数」とは、タイトル分割を自動で行なう回数を表わす情報である。
【0035】
たとえば、タイトル分割時間が60分で、タイトル分割数が3個であるとすると、60分ごとに3回、自動でタイトル分割が行なわれる。また、タイトル分割数が0個である場合は、自動でのタイトル分割処理は行なわれず、ユーザによって手動でタイトルの分割が行なわれるものとする。
【0036】
また、表示領域32には、表示領域31のタイトル分割情報を入力するために、ユーザが操作すべきリモコン140のキーの案内が表示される。たとえば、各タイトル分割情報の数値を選択するためには、リモコン140のカーソルキー143の上下キーを操作すべきことが示されている。また、上下キーを操作して入力した数値を決定するためにはカーソルキー143の右キーを操作すべきことが示されている。また、ダビング設定を終了するためには、メニューキー144を操作すべきことが示されている。
【0037】
再び図2を参照して、CPU10は、ユーザからのタイトル分割情報の入力を受付ける(ステップS4)。そして、CPU10は、ユーザから終了の指示が入力されたか否かを判断する(ステップS6)。ユーザから、終了の指示が入力されたと判断されるまで(ステップS6においてNO)、ステップS2およびS4の処理を繰返す。
【0038】
ステップS6において、ユーザから終了の指示が入力されたと判断すると(ステップS6においてYES)、ステップS8に進む。
【0039】
ステップS8において、CPU10は、ユーザから入力されたタイトル分割数が0個であるか否かを判断する。タイトル分割数が、0個であると判断した場合(ステップS8においてYES)、後述の手動分割処理を実行する(ステップS10)。また、タイトル分割数が0個でないと判断した場合(ステップS8においてNO)、後述の自動分割処理を実行する(ステップS12)。
【0040】
なお、このように、本実施の形態においては、タイトル分割数が0個か否かを判断することで、自動分割か手動分割かの判定が行なわれることとしたが、たとえば、はじめに自動分割するか手動分割するかをユーザにメニュー選択させてもよい。そして、自動分割が選択された場合にのみ、図3に示すような画面を表示してもよい。
【0041】
ここでまず、上記ステップS10の手動分割処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0042】
始めに、CPU10は、予めユーザにより指定されていたタイトルのダビングを開始する(ステップS22)。続いて、CPU10は、ユーザからダビングキー141が入力されたか否かを判断する(ステップS24)。ユーザから、ダビングキー141が入力されたと判断した場合(ステップS24においてYES)、ステップS26に進む。一方、ダビングキーが入力されたと判断されなかった場合には(ステップS24においてNO)、ステップS28に進む。
【0043】
ステップS26において、CPU10は、タイトルの分割処理を行なう。たとえば、HD5bからビデオテープ20bへのダビングが実行されている場合には、CPU10は、ビデオテープ装置20aにVISSの書き込みを行なわせる。また、ビデオテープ20bからたとえばHD5bにダビングが実行されている場合には、CPU10は、HD5bに別タイトルを作成する。ステップS26の処理が終了すると、ステップS28に進む。
【0044】
ステップS28において、CPU10は、ダビングが終了したか否かを判断する。ダビングが終了したと判断されなかった場合(ステップS28においてNO)、ステップS24に戻る。一方、ダビングが終了したと判断した場合、一連のダビング処理を終了する。
【0045】
このように、タイトルの分割処理を手動で行なう場合、ユーザは何分後などの時間を考慮することなく、分割したい位置でタイトルの分割を行なうことができる。また、ダビング動作を一旦停止させて再開するという面倒な操作をする必要がなくなり、従来のような手間を削減することができる。また、これにより、ダビング時間の短縮にもつながる。
【0046】
次に、図2のステップS12に示される自動分割処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
図5を参照して、始めに、CPU10は、予めユーザにより指定されていたタイトルのダビングを開始する(ステップS32)。続いて、CPU10は、タイマ17からの信号に基づき、タイトル分割時間カウントを開始する(ステップS34)。
【0048】
次に、CPU10は、タイトル分割残数があり、かつ、カウントされる時間がユーザにより設定されたタイトル分割時間を経過したか否かを判断する(ステップS36)。「タイトル分割残数」とは、あと何回タイトル分割処理を行なうかを示す情報である。したがって、本実施の形態では、はじめはタイトル分割数が1以上であるため、タイトル分割残数は必ずあることになる。
【0049】
ステップS36において、タイトル分割残数があり、かつ、タイトル分割時間を経過したと判断した場合(ステップS36においてYES)、ステップS38に進む。一方、タイトル分割残数がないか、あるいは、タイトル分割残数があってもタイトル分割時間を経過していないと判断された場合(ステップS36においてNO)、ステップS46に進む。
【0050】
ステップS38において、CPU10は、タイトル分割処理を実行する。たとえば、HD5bからビデオテープ20bにダビングが実行されていた場合には、CPU10は、ビデオテープ装置20aにVISSの書き込みを行なわせる。また、ビデオテープ20bからHD5bへのダビングが実行されていた場合には、CPU10は、HD5bに別タイトルを作成する。
【0051】
そして、CPU10は、タイトル分割数を“1”減算する(ステップS40)。続いて、CPU10は、減算した後のタイトル分割残数が“0”になったか否かを判断する(ステップS42)。タイトル分割残数が0個でないと判断した場合(ステップS42においてNO)、上記ステップS36に戻る。一方、タイトル分割数が0個になったと判断した場合(ステップS42においてYES)、CPU10は、タイトル分割時間のカウントを停止する(ステップS44)。ステップS44の処理が終了すると、ステップS46に進む。このように、タイトル分割残数が0個になるまで、上記ステップS36〜S40の処理が繰返される。
【0052】
ステップS46において、CPU10は、指定されたタイトルのダビングが終了したか否かを判断する。ダビングが終了していないと判断された場合(ステップS46においてNO)、上記ステップS36に戻る。一方、ダビングが終了したと判断された場合(ステップS46においてYES)、一連のダビング処理を終了する。
【0053】
このように、タイトルの分割処理を自動で行なう場合、ユーザは、ダビング中に何ら操作をすることなく、希望の位置でタイトルの分割を行なうことができる。したがって、ユーザは、ダビングの設定だけしておけば、その場にもよい。また、手動の場合と同様に、ダビング動作を一旦停止させて再開するという面倒な操作をする必要がなくなり、従来のような手間を削減することができる。また、これにより、ダビング時間の短縮にもつながる。
【0054】
なお、本実施の形態においては、タイマ17からの信号に基づきタイトル分割時間をカウントすることとしたが、別途カウンタを設けてタイトル分割時間を計測してもよい。また、ステップS40の処理(タイトル分割数減算処理)が終わると、タイトル分割時間のカウントをリセットして計時するものであってもよい。
【0055】
ここで、たとえば、上記ステップS4において60分ごとに3回タイトル分割を行なうよう設定された場合、もしくは、ユーザが手動で60分ごとに3回ダビングキー141を操作した場合の、ダビング処理終了後のタイトルを、図6に概念的に示す。
【0056】
図6(a)は、HD5bからビデオテープ20bにダビングが行なわれた場合の例であり、図6(b)は、ビデオテープ20bからHD5bにダビングが行なわれた場合の例である。
【0057】
図6(a)を参照して、HD5bに記録されていた240分のタイトルがビデオテープ20bにダビングされると、60分ごとに3回、VISSが書き込まれている。すなわち、ダビング先のビデオテープ20bにおいて、4つのタイトルに分割されている。これにより、ユーザは、インデックスサーチキー142を操作することで、タイトルの頭出しを行なうことができる。
【0058】
また、図6(b)を参照して、ビデオテープ20bに記録されていた240分のタイトルがHD5bにダビングされると、60分ごとに3回、別タイトルが作成される。すなわち、ダビング先のHD5bにおいて、4つの管理データが作成され、4つのタイトルが作成される。この場合、管理データそれぞれのタイトル名は、たとえば、ダビングが実行された日時であってもよいし、1,2,3,4といった番号であってもよい。そして、各管理データの録画時間長は、60分とされる。このように、4つのタイトルが作成されることで、ユーザは、独立したタイトルとして扱うことができる。なお、管理データには、タイトル名および録画時間長の他、アドレスの情報が含まれる。また、タイトル名には、ダビング元の媒体名(たとえばVCRなど)やスピードなどが含まれてもよい。
【0059】
なお、本実施の形態では、タイトル分割情報として、タイトル分割時間とタイトル分割数との両方を用いたが、いずれか一方であってもよい。たとえば、タイトル分割時間のみの場合、回数とは無関係に、設定された時間ごとにタイトルの分割処理を行なうことができる。また、タイトル分割数のみの場合、ダビング元のタイトルの総時間をタイトル分割数で除すことにより、均等にタイトルの分割を行なうことができる。
【0060】
また、タイトル分割情報をより詳細な設定できるようにしてもよい。たとえば、1回目は30分後、2回目はその60分後、などと回数ごとにタイトル分割時間を入力できるようにしてもよい。
【0061】
上記DVD16bの代わりに、プログラムを記録しているたとえば光学媒体等を駆動装置で読み出して、記憶部11のプログラムをアップデートすることもできる。
【0062】
また、本発明の複合型データ記録装置が行なう、タイトル分割方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体や、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0063】
提供されるプログラム製品は、メモリなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0064】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1に係る複合型データ記録装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるダビング処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】ダビング設定画面の表示例を示す図である。
【図4】手動分割処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】自動分割処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】(a)は、HDからビデオテープにダビングが行なわれた場合のタイトル分割処理について説明するための図であり、(b)は、ビデオテープからHDにダビングが行なわれた場合のタイトル分割処理について説明するための図である。
【符号の説明】
【0066】
1 アンテナ、2 チューナ、3 デジタル変換部、4 エンコーダ、5a HDD、5b HD、6 書込/読出制御部、7 デコーダ、8 アナログ変換部、9 出力部、10 CPU、11,12 記憶部、13 入力部、14 リモコン、15 OSD回路、16a DVDドライブ、16b DVD、17 タイマ、18 抽出部、20a ビデオテープ装置、20b ビデオテープ、140 リモコン、141 ダビングキー、142 インデックスサーチキー、143 カーソルキー、144 メニューキー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のコンテンツを記録可能なテープ媒体およびディスク媒体と、
前記テープ媒体および前記ディスク媒体のいずれか一方の媒体に格納された1つのコンテンツを他方の媒体に転送するための転送手段と、
ユーザに対して、手動分割あるいは自動分割のいずれにするかを選択させるための選択手段と、
前記転送手段による転送処理の間、前記他方の媒体において前記1つのコンテンツを2以上のコンテンツに分割するための処理を行なう分割手段とを備え、
前記分割手段は、
前記手動分割が選択された場合、ユーザから所定の指示が入力される度に、分割処理を行なうための第1の分割手段と、
前記自動分割が選択された場合に、予め設定された分割時間および分割回数に基づいて、分割処理を行なうための第2の分割手段とを含み、
前記第1および第2の分割手段は、前記他方の媒体が前記テープ媒体である場合、前記所定の指示に基づいて、前記テープ媒体に前記所定の識別信号を書き込み、前記他方の媒体が前記ディスク媒体である場合、前記所定の指示に基づいて、前記転送手段による転送処理が開始されたときに作成される管理情報とは別の管理情報を作成する、複合型データ記録装置。
【請求項2】
1以上のコンテンツを記録可能なテープ媒体およびディスク媒体と、
前記テープ媒体および前記ディスク媒体のいずれか一方の媒体に格納された1つのコンテンツを他方の媒体に転送するための転送手段と、
前記転送手段による転送処理の間、所定の指示に基づいて、前記他方の媒体において前記1つのコンテンツを2以上のコンテンツに分割するための処理を行なう分割手段とを備える、複合型データ記録装置。
【請求項3】
前記テープ媒体において1つのコンテンツとは、途中に所定の識別信号が付されていないコンテンツであり、
前記他方の媒体が前記テープ媒体である場合、前記分割手段は、前記所定の指示に基づいて、前記テープ媒体に前記所定の識別信号を書き込む、請求項2に記載の複合型データ記録装置。
【請求項4】
前記ディスク媒体において1つのコンテンツとは、前記ディスク媒体において1つの管理情報によって管理されるコンテンツであり、
前記他方の媒体が前記ディスク媒体である場合、前記分割手段は、前記所定の指示に基づいて、前記転送手段による転送処理が開始されたときに作成される管理情報とは別の管理情報を作成する、請求項2に記載の複合型データ記録装置。
【請求項5】
前記分割手段は、ユーザから所定の指示が入力される度に、分割処理を行なう、請求項2に記載の複合型データ記録装置。
【請求項6】
前記分割手段は、予め設定された分割時間に基づいて、分割処理を行なう、請求項2に記載の複合型データ記録装置。
【請求項7】
前記分割手段は、予め設定された分割回数に基づいて、分割処理を行なう、請求項2に記載の複合型データ記録装置。
【請求項8】
ユーザに対して、手動分割あるいは自動分割のいずれにするかを選択させるための選択手段をさらに備え、
前記分割手段は、
前記手動分割が選択された場合、ユーザから所定の指示が入力される度に、分割処理を行なうための第1の分割手段と、
前記自動分割が選択された場合には、予め設定された分割情報に基づいて、分割処理を行なうための第2の分割手段とを含む、請求項2に記載の複合型データ記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−302408(P2006−302408A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−122237(P2005−122237)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】