複合成分でなる骨接合剤用の混合および供給器具
【課題】
【解決手段】複数成分からなる混成物を混合および供給する器具である。この器具は、複数成分からなる混成物を混合する内部チャンバを備えるチューブ型本体を備える。遠位の端部の近傍にミキシングディスクを有するロッドが、チューブ型本体内から突出している。また、このロッドが通る中央開口を有する可動ピストンがチューブ型本体内に設けられている。
【解決手段】複数成分からなる混成物を混合および供給する器具である。この器具は、複数成分からなる混成物を混合する内部チャンバを備えるチューブ型本体を備える。遠位の端部の近傍にミキシングディスクを有するロッドが、チューブ型本体内から突出している。また、このロッドが通る中央開口を有する可動ピストンがチューブ型本体内に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨接合剤といった複合成分の混成物を、体内に注入するための混合および供給器具に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の関節や骨は、疾病や外傷の結果として変性してしまうことがある。この変性への対処法の一つに、人口材料を用いた関節や骨に置換することがある。この方法に骨接合剤(bone cement)は移植物を固定させるのに不可欠な役割を果たし、変性した関節や骨の再構成に役立つ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
骨接合剤は一般に、液体モノマー成分を重合粉末成分とともに重合してなる。混合した接合剤は短時間で硬化してしまうため、一般に液体モノマーと粉末ポリマーは骨接合剤を使用する直前に混合される。この混合工程において、液体モノマーと粉末ポリマーは発熱反応を示し(すなわち、熱を生じ)臭いのある気体を生ずる。利用者にとって、この気体に晒されるのを最小限とし、また接合剤が完全に混合され、迅速に使用できるようにすることが望まれていた。さらに、混合剤を正確な量だけ注入することが重要であるため、器具から供給される混合剤の流量を精密制御し、また注入時に接合剤の密度を適正とすることが非常に重要である。
【0004】
骨接合剤用を混合、注入する様々な器具が提案されてきた。例えば、米国特許番号6,033,105には、混合剤成分を容器内で手で回すミキシングブレードで混合するオープンエンドシステムが開示されている。混合した後、接合剤は混合機構の一部をなす螺旋状デバイスの動作により本体部へ供給される。米国特許番号6,079,868は、2つの成分の混合と供給を、静的混合チャンバへ成分を押し出すことにより達成することが開示されている。米国特許番号6,286,670は、液体モノマーを貯蔵する単一の容器を開示しており、固形のポリマーがバリヤで隔てられており、これが接合剤を形成する際に成分を混合すべく除去あるいは破られる。米国特許番号6,406,175には、粉末ポリマーを予め包装した混合・注入機器が開示されており、利用者は使用の直前に液体モノマーを注入する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、混合し混成物を体内へ注入する器具に関し、特に、骨接合剤、生態適合材料、および/または他の流体混合剤の注入器に関する。
【0006】
一実施例において、この器具は複数成分の混成物を混合する内部チャンバを規定するチューブ型の本体を具える。このチューブ型の本体は、内部チャンバに通じる開口を有する遠位の端部を具える。このチューブ型本体にはロッドが配置されており、このロッドは当該ロッドの遠位の端部近傍にミキシングディスクを具える。さらに、チューブ型本体内には、このチューブ型本体から独立した可動ピストンが設けられる。
【0007】
このピストンは、ロッドが延在する開口を設けて構成される。
【0008】
チューブ型本体の近位の端部は、着脱可能なカバーを設けて構成される。可動ピストンはこの着脱可能なカバーに取り付けられる。
【0009】
この器具において、前記可動ピストンが前記ロッドの遠位の端部のミキシングディスクに近接して取り付けられ、あるいは固定される。
【0010】
一実施例では、この器具は遠位の端部と近位の端部を有するロッドを具える。このロッドはその近位の端部に設けられたハンドルを有する。このロッドはまた、その遠位の端部の近傍に設けられた第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクとを具える。
【0011】
第1のミキシングディスクは、複数の穴を具える。第2のミキシングディスクも、複数の穴を具える。第1のミキシングディスクは、第1のミキシングディスクを第2のミキシングディスクに合着するよう設計されたクリップを設けて構成されている。第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクに合着させると、ピストン機構となる。第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクの穴の数は同じである。
【0012】
一実施例において、この器具は遠位の端部と近位の端部を有するロッドを具える。このロッドの近位の端部にはハンドルが設けられ、ロッドの遠位の端部近傍にはミキシングディスクが設けられる。この器具はさらに可動ピストンを具える。
【0013】
この可動ピストンは、ロッドが貫通する開口を設けて構成される。さらに、この可動ピストンは外周にシール手段を具える、例えばこの可動ピストンはその外周にO−リングまたはガスケットを具える。この可動ピストンはさらに、前記ロッドの近位の端部のハンドルに着脱可能に取り付けられていてもよい。この可動ピストンをハンドルに着脱するのは、プッシュボタン機構により達成することができる。
【0014】
前記ミキシングディスクは複数の穴が設けられていてもよい。
【0015】
本発明の一実施例は、スライド器具であるバルブに関する。このバルブは、流量を制御する可動部分を具えている。これは、可動部分に接続されたアームと、このアームに係合し前記可動部分をずらすボタンとがある。
【0016】
この可動部分は平坦な部材とすることができる。この可動部分は2つのチャンバ間の流量を制御できるよう構成されている。例えば、一方のチャンバはミキシングチャンバであり、他方が供給チャンバである。この2つのチャンバは互いにほぼ垂直をなす。この可動部分は供給チャンバの長軸に沿って移動可能であるか、供給チャンバの長軸を横切って移動可能である。
【0017】
本発明の別の態様によると、例えば骨接合剤などの混合流体を混合し供給する方法が提供される。遠位の端部にミキシングディスクを具えるミキシングロッドがチューブ型器具に挿入されており、このチューブ型器具には複数成分の流体混成物が入れられる。その後、このミキシングロッドをチューブ型本体内で軸方向に動かすことにより、混合流体が混合されるようになっている。この混合流体を混合した後、チューブ型器具から混合流体を押し出すために、ミキシングロッドの遠位の端部の近傍に設けられた可動ピストンが係合される。
【0018】
この可動ピストンの係合は、ミキシングロッドをチューブ型器具の近位の端部の可動ピストンが配置されている場所に引っ張ることにより行う。ミキシングロッドを長軸を中心に回転させると、可動ピストンと係合する。
【0019】
あるいは、この可動ピストンは、チューブ型器具の近位の端部の可動ピストンが配置されている位置にミキシングロッドを引っ張り、その後可動ピストンをミキシングディスクに機械的手段で固定することにより係合ようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の様々な実施例について、図面を参照して以下に説明する。ここで、図面は縮尺通りではなく、同様の構成や機能の要素は全図を通じて同じ参照番号で示されていることに注意されたい。また、これらの図面は本発明の特定の実施例の説明を容易にすべくあるものであって、この説明は排他的なものではなく、本発明の範囲を限定するものではない。特定の実施例に関して記述される態様、特徴および利点は、これらの実施例を限定するものではなく、たとえ図示され説明されていなくても本発明の他の実施例として実現されてもよい。
【0021】
さらに、例えばPMMA骨接合剤などの骨接合剤の混合および供給のための発明コンセプトや器具を以下に説明するが、本発明の器具で例えばアルミン酸塩カルシウム、カルシウム、燐酸塩、燐酸塩カルシウム等のセラミックスといった他の種類の生態適合材料を混合し供給するようにしてもよい。
【0022】
図1Aおよび図1Bには、任意の人体部位(すなわち骨)の空洞(図示せず)に注入するカニューラ(図示せず)に骨接合剤を混合して供給する器具10が開示されている。この器具10は、近位の部分22とテーパ形をなす遠位の部分23とを有するチューブ型本体21を具え、内部にミキシングチャンバ24を形成している。このチューブ型本体21はまた、可動押出ピストン25で閉塞された近位の開口40を具える。特に、この押出ピストン25は、チューブ型本体21の内周にぴったりフィットする寸法の輪郭を有する。ガスケットまたは他の種類のシーリング手段(図示せず)をピストン25の周囲に設けて、チャンバ24内の接合剤成分がピストン25とチューブ型本体21の内壁の間を通過しないようにする。別の実施例では、独立した(好ましくは着脱可能な)カバーを設けて近位の開口40とチャンバ24とを押出ピストン25から隔てるようにしてもよい。
【0023】
このピストン25は中央開口26を具え、ここからロッド27がチャンバ24内へと延在している。ロッド27の近位の端部にはハンドル32が取り付けられている。さらに、ガスケットまたは他のシール手段(図示せず)が開口26の周囲に設けられており、これによりロッド27がスライド移動する際にも、チャンバ24と外部雰囲気との間が閉塞される。好適には、ロッド27は開口26にぴったりフィットしているが、利用者が過度の力をこめなくてもチューブ型本体21に対して可動である。別の実施例では、ロッド27はピストン25に固定され、あるいはラッチ機構(図示せず)が設けられ利用者が選択的にロッド27をピストン25に固定できるようにしてもよい。
【0024】
図に示す実施例では、ロッド27の周囲の任意の位置にストップリング30が配置され、ロッド37がチャンバ24内に延在できる距離が制限されている。好適には、器具10の利用者がストップリング30をロッド27の長さ方向の所望位置に固定するが、最初から固定されていてもよい。限定的でない例として、ストップリング30はロッド27に対して従順(complicance)だが可動であり、且つストレッチする。あるいは、ストップリング30はロッド27にロックネジを用いて固定されていてもよい。図1Bに示すように、ロッド27がチューブ型本体21に対して移動しチャンバ24内に押し込まれる際に、ストップリング30がピストン25に当接し、ピストン25をロッド27とともに移動させる。
【0025】
本発明の主たる目的として、穴のあいたミキシングディスク33がロッド27の遠位の端部に取り付けられている。このディスク33がチャンバ24内で動くと、チャンバ24内の成分がディスク33の穴(図示せず)を通り混合される。当業者であれば理解可能なように、ディスク33の穴のサイズは様々であってよく、チャンバ24内の成分を適切に混合するのに十分な程度の小ささから、利用者がピストン25に過度の力をかけなくても前に移動し、ピストン25とロッド27の外郭のそれぞれのシールから漏れない程度の大きさの間で選択される。さらに好適には、同じ理由から、ミキシングディスク33の外部輪郭は様々なものであってよく、例えばディスク33はチューブ型本体21の近位の部分の内径の全体に放射状に延在してもよい。本発明の実施例において、1またはそれ以上の固定式のミキシング部材をミキシングチャンバおよび/または(後述する)供給チューブに付加することが望ましい。
【0026】
図に示す実施例では、ロッド27の押出ピストン25とミキシングディスク33との間にミキシングインペラ34が回動可能に取り付けられており、チャンバ24の成分の混合をさらに促進する。限定的でない例として、このインペラは、ロッド27の回転カラーに取り付けられ角度のついた複数のミキシングブレードを具え、インペラ34がチャンバ24内を移動するに伴い、これらのブレードがチャンバ24内の成分のブレードに対する力によりロッド27の周りで回転する。本発明の別の実施例では、穴のあいたミキシングディスク33とインペラ34のいずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0027】
切替バルブ35がチューブ型本体21の遠位の開口部37に取り付けられている。図に示す器具10では、バルブ35は3方向バルブであり、第1の位置で開口37を閉塞し;第2の位置でチャンバ24から押し出される接合剤を患者供給チューブ19に案内し;第3の位置でチャンバ24から押し出される接合剤をシャントリリーフチューブへ供給する。バルブ35はマニュアルまたは自動で操作される。自動制御バルブ35の場合は、機械、液圧、または電気的手段を含む様々な手段で制御されてもよい。例えば、バルブ35は、押出ディスク25が内腔24内で移動を開始あるいは停止した場合にバルブ35が自動手段により制御され、バルブ35が駆動される。シャントおよび供給チューブ38,19はそれぞれ着脱可能に遠位の開口37に取り付けられていてもよいが、本発明の一実施例では、供給チューブ19はチューブ型本体22に永続的に固定されており、少なくとも一実施例では、供給チューブ19は本体22に永続的に固定されている。例えば、本体22と供給チューブ19は射出形成または他の公知の製造方法で一体的に構成されてもよい。あるいは、これらはプラスチック溶接プロセスまたは接着剤で取り付けられてもよい。
【0028】
図に示す器具10において、接合剤押出開口部37の内側にセンサ39が設けられ、チャンバ24内の接合剤の性質に基づいてバルブを制御するのに利用してもよい。例えば、センサ39は圧力計であり、チャンバ25内の複合材が患者に供給するのに所望の機能をなす粘度となった場合にこれを利用者に示し、この場合にバルブ35が第2の位置にされ接合剤が患者供給チューブ19に案内され;粘度が高すぎる、すなわち接合剤が患者に安全に供給しうる点を超えている場合に、バルブ35は第3の位置に駆動され接合剤がシャントチューブ38にそらされる。限定的でない別の例として、センサ39はチャンバ内の混合接合剤の温度を測定し、混合接合剤の公知の発熱特性に基づき、接合剤の温度に基づきバルブ35の供給先を患者側チューブ19とシャントチューブ38間で制御する。任意の実施例(図示せず)では、センサからのフィードバック(出力値)はアナログまたはデジタル(すなわち数字)の表示、光インジケータ、バーグラフ、または他のビジュアル表示手段であってよい。代替的または付加的に、センサ出力は音声や振動であってよい。
【0029】
プランジャ機構が加圧を停止したときの内部圧力を緩和すべく、シャントリリーフライン38はさらに、チャンバ24が最大許容圧力となった場合に流れをそらす(圧力を緩和する)よう設計することができる。例えば、バルブ35は、チャンバ24が与えられた圧力になった場合に接合剤の供給先をシャントリリーフ38側にそらすよう自動駆動され、器具の破損、すなわちチャンバ圧が非常に高くなって器具が破壊するのが回避される。
【0030】
この種の圧力リリーフ機能はまた、患者側ライン19に供給する適切な接合剤の性状を検出する機械的方法として利用することができる。特に、接合剤が硬化するに伴い、チャンバ24内の圧力は増大し、接合剤を押し出すのに要する力も大きくなる。このように、接合剤が固くなり過ぎた場合、センサ30が高圧を検出し、表示器(図示せず)で接合剤がもうすぐ安全に患者に注入できなくなることをオペレータに示す。この圧力は、オペレータがピストン25を急に押し下げた場合に、オペレータが押出ピストン25をいかに早く進めたかを示す機能にもなり、圧力が跳ね上がり、チャンバ24内の圧力が最大許容圧力となったことがセンサ39で検出されたらバルブ35が制御され接合剤をシャントライン38側に案内し、オペレータが患者に性急に接合剤を注入してしまうのが防止される。
【0031】
接合剤の注入中に器具10が破損や分解すると望ましくないため、制御障害モードを組み込むことが望ましい。特に、供給チャンバ内の圧力が高くなると、ピストン25/ロッド27/ハンドル32のトルクが高くなる。制御障害モードは、チャンバ24内部の既知の圧力が所定の最大圧力に近づいたときにこれらの要素が「障害」(すなわち、ピストン25の動作を停止)とするよう設計されていてもよい。
【0032】
混合/供給器具10の別の特徴として、骨接合剤の成分は、チューブ型本体21のチャンバ24内に、利用者により挿入され、あるいは「予め仕込まれ」ていてもよい。例えば、押出ピストンアセンブリを取り去ることにより、(前もって混合され、あるいはされていない)各成分が利用者により近位の開口40を介してミキシングチャンバ24内に入れられる。あるいは、接合剤の成分の一部または全部がチャンバ24内に予め仕込まれていてもよい。例えば、骨接合剤の固体成分が製造業者によりチャンバ24内に予め仕込まれており、液体成分が利用者により加えられるようにしてもよい。
【0033】
混合/供給器具10の操作にあたり、接合剤のすべての成分がチャンバ24内にある必要がある。その後、近位の端部22の開口40を押出ピストンアセンブリ(ロッド27、ピストン25、ミキシングディスク33、および/またはインペラ34)で閉塞する。利用者はロッド27をチューブ型本体21に対して前後に動かすことにより各成分を混合し、このために混合手段33、34が設けられている。注意すべきは、混合する間、チャンバ24から接合剤が早期に押し出されないよう、ストップリング30が当接状態とならないように、押出ピストン25を近位の開口40の位置に保持することが望ましい。例えば、これは成分の混合中にピストン25を開口40の位置に保持するラッチ(図示せず)を設けることにより実現する。
【0034】
別の実施例では、押出ピストンアセンブリ(ロッド27、ピストン25、ミキシングディスク33、および/またはインペラ34)はチューブ型本体21の内壁に螺合しており、ハンドル32を回転させるとこのピストンアセンブリがチャンバ24内を前後に移動して混合手段33および/または34がチャンバ24内でスクリュ状に動くようにしてもよい。この実施例では、チャンバ24からの混合剤の押出量をより精密に制御できるという利点がある。
【0035】
利用者は付加的に、あるいは代替的に、必要に応じて混合プロセスの一部として手で器具10を振ってもよい。注意すべきは、公知の骨接合剤の殆どは所定の混成および硬化時間を有し、このため使用する直前まで接合剤の液体成分と固体成分を混合しないことが非常に重要である。各成分が完全に混合し、接合剤が所望の目標値に硬化したら、利用者は、図1Aに示すようにストップリング30をロッド27の所望の位置で固定し、図1Bに示すようにディスク25を押してチューブ型本体21の遠位の端部23の開口37から製品が押し出されるようにする。
【0036】
あるいは、図2の器具10’で示すように、骨接合剤の固体成分と液体成分の双方が、製造業者によってチャンバ24内に予め組み込まれていてもよい。このプレパックされた固体と液体の成分は、チャンバ24を上側チャンバ24Uと下側チャンバ24Lの2つのサブチャンバに物理的に分けるバリヤ41により混合時まで隔てられている。このバリヤ41は利用者によりある程度以上の力が加えられると破けるビニールまたは他の素材で構成されている。好適には、このバリヤ41は破けやすく、個々のあるいは要素の混合製品の成分に反応しない材料が用いられる。さらに、封をする際に一方の成分を軽い真空状態で配置して成分が混合し易くなるようにしている。例えば、固体成分を真空状態で配置して、バリヤ41が破れると即時に液体成分が固体成分側に流れるようにする。
【0037】
バリヤが破断した後の、器具10’における混合および供給プロセスは図1Aおよび1Bに示す器具10で上述したものとほぼ同様である。
【0038】
接合剤の各成分が全体かつ完全に混合されることが重要である。チューブ状本体21は透明または半透明の材料で構成され、利用者がチャンバ24内の接合剤の混合、移動、供給を視認することができ、さらに利用者が混合した接合剤に気泡が生じていないかを確認することができる。
【0039】
混合および供給器具のさらなる実施例が図3に示されている。この器具12は、近位の端部43と遠位の端部44とを具え供給チャンバ45を構成する第1のチューブ型本体42を有している。この第1の本体42は第2の本体48と連結されており、この第2の本体は近位の端部46と遠位の端部47を具えミキシングチャンバ48を構成している。様々な数の取付機構を用いてもよいが、図に示す器具12では、第2の本体49の遠位の端部46に、中に第1のチューブ型本体42を通す穴92がミキシングチャンバ48とは別に形成されている。第2の本体49は、供給チャンバ45とミキシングチャンバ48の液体が流通する限りにおいて、第1の本体42に様々な角度、様々な取付関係で取り付けられてもよい。特に、ミキシングチャンバ48の開口73がバルブ15を介して供給チャンバ45に連通しており、バルブ15がミキシングチャンバ48を供給チャンバ45から切り離す第1の位置と、両チャンバ45、48が液体的に接続する第2の位置との間で切り替え可能となっている。
【0040】
図に示す器具12では、本体49の近位の端部46は本体42の遠位の端部44に90度より少し大きい角度、すなわちピストルに似た角度で取り付けられている。この構成により、器具12の使用の際に第2の本体49を掴みやすいハンドルとして利用することができる。第1の本体42の近位の端部43には、供給チャンバ45に連通する接合剤押出開口85が設けられている。この開口85には(すなわち、器具12の外側に)図1の器具10で用いたのと同じバルブとシャントチューブアセンブリ(35,38,19)が取り付けられる。さらに、器具10のセンサ39と同様のセンサを用いて、器具12の出力を制御するようにしてもよい。
【0041】
本体42の遠位の端部44の開口50は、プランジャ51で塞がれている。このプランジャ51はロッド52と、ロッド52の遠位の端部に取り付けられたピストンディスク53を具える。このディスク53は、本体42にスライド可能であるがぴったりフィットするのが望ましく、供給チャンバ45における移動可能なシール材を形成する。例えば、ディスク53の外周に軟質のガスケット(図示せず)を設けてもよい。ロッド52は、ディスク53が供給チャンバ45内を移動しチューブ型本体42の遠位の端部(の内壁)に圧接するのに十分な長さを有する。ディスク53の遠位の当接面は好適には僅かにテーパ形をなし、突き出た部分54が開口85内に入るようになっている。
【0042】
ある実施例では、プランジャ51はチューブ型本体42の内壁に螺合する構成であり、ハンドル55を回すとプランジャ51が供給チャンバ45内を遠位の方向に、供給チャンバ45のネジが形成された内壁に沿ってスクリュ状に進む。この実施例では、チャンバ45におけるプランジャ51の移動量をより精密に制御できるという利点がある。
【0043】
第2の本体49の遠位の端部47には、ミキシングチャンバ48に通じる開口80が設けられている。プラグ81がこの開口80を封鎖しており、このプラグ81は例えばシリコンやラバーの材料で構成され、プラグ81に針を刺して挿入することができる。この方法では、チャンバ48で混合されるべき接合剤の個体成分を(製造業者が)チャンバ48に予め入れておくことができる。バルブ15が「閉」(すなわち分離)位置にあるときに、利用者は液体成分の入ったシリンジをプラグ81に突き刺し、チャンバ48内に液体を注入する。固体成分と液体成分を混合するには、ユーザが器具12を振るようにする。
【0044】
各成分を混合したら、器具12を(図3に関して)逆さにして、ディスク53を開口73に近づくように移動させ、バルブ15を開位置に切り替える。これにより、混合された接合剤がミキシングチャンバ48から供給チャンバ45に流入する。接合剤が供給チャンバ45に入ると、バルブ15が平位置に戻して、器具12を逆さにして直立させる。利用者はプランジャ51をチャンバ45内に押し入れることにより混合された接合剤製品を開口85から押し出すことができる。別の実施例では、プランジャ51はスクリュ装置(図示せず)のような機械的手段を用いて動かしてもよい。この動きは利用者がマニュアルで制御してもよいし、自動制御としてもよい。
【0045】
この器具12の変形例(12’として示す)が図4に示されており、これは図3の器具12と同様の構成に加え、図1Aのディスクアセンブリ(27/34/33)と同様のミキシングディスクアセンブリ76が第2の本体49の遠位の端部から挿入されミキシングチャンバ48内に延在している。特に、機器12’において第2の本体49の遠位の端部47には、ロッド75をミキシングチャンバ48に延在させる中央開口74を有するガスケットキャップ89が設けられている。ロッド75の近位の端部にはハンドル94が設けられている。さらに、好適にはガスケットあるいは他のシール手段(図示せず)が開口74の周囲に設けられており、ロッド75がスライド移動する際のチャンバ48のシールを達成している。好適には、このロッド75は開口74にぴったりフィットしているがユーザが過度に力を加えなくても本体49に対し移動可能である。
【0046】
ロッド75の遠位の端部には穴のあいたミキシングディスク64が取り付けられている。ディスク64がチャンバ48内で動くと、チャンバ48内の成分がディスク64の穴(図示せず)を通り攪拌される。ミキシングディスク33における穴とディスク外周の寸法は、チャンバ48内の成分が適切に混合するとともに、ユーザが過度に力を加えなくてもディスク64が前に動く程度の適当なバランスに基づいて選択される。図に示す実施例では、ミキシングインペラ77がロッド75のミキシングディスク64のすぐ近く(真下)に取り付けられており、チャンバ48の各成分の混合が促進されるようにしている。図1Aの器具10におけるインペラ34と同様に、このインペラ77は角度のついた複数のミキシングブレードがロッド75の回転カラーに取り付けられており、インペラ77がチャンバ48内を進むとチャンバ48内の成分によるブレードに対する力によってブレードがロッド75の周りを回転する。本発明の別の実施例では、穴あきディスク64とインペラ77のいずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0047】
本体49の遠位の端部47に近い側部には、プラグ84で塞がれた開口83が設けられており、ここからミキシングチャンバ48にアクセスできるようになっている。このプラグ84は、針をこのプラグ84に刺せるようなシリコンやラバー素材で構成される。このようにすると、(製造業者が)チャンバ48に接合剤の個体成分を予め仕込んでおき、このチャンバ48内で混合されるようにすることができる。バルブ15を閉位置にして、利用者が接合剤の液体成分が入ったシリンジをプラグ84に突き刺して、液体成分をチャンバ48に注入する。代替的あるいは付加的に、利用者はキャップ89とミキシングアセンブリ76を取り去ってチャンバ48内で混合される成分を入れるようにしてもよい。混合は、ロッド75をミキシングデバイス64、77とともにチャンバ48内で動かすことにより達成される。個体成分と液体成分がよく混ざるように、利用者が器具12’を振るようにしてもよい。各成分が混合された後は、器具12’の操作は図3の器具12とほぼ同様となる。
【0048】
さらに、各本体42,49は透明あるいは半透明の材料で構成し、オペレータがチャンバ48,45の接合剤の混合、移動、供給を視認できるようにするとともに、接合剤の混成物に気泡が生じた場合を検知できるようにする。
【0049】
ミキシングチャンバ内は完全に閉鎖され、ミキシングチャンバには未混合の接合剤ポリマーまたはモノマーが残ってはならず、またモノマーと混合されていない粉体が存在しないことが重要である。このため、ミキシングディスクと、ミキシングチャンバの近位の端部とは直に接触し、ディスクが接合剤の全部と接触することが望ましい。完全に混合するには、チャンバの底部に接触するミキシングディスクの表面がフラットな場合、ミキシングチャンバの近位の端部の内面もフラットなことが望ましい。同様に、ディスクがミキシングチャンバの供給チャンバに近い端部に接触する際に接合面が互いに整合する限りにおいて、両者の表面は凸面であると凹面であると他の形状であるとを問わない。
【0050】
図5A、5Bは、本発明のさらなる別の態様に関連して構成された混合および供給器具13を示す図であり、図4の器具12’の構成と、図1A、1Bの器具10の可動供給ピストン/ディスクとを組み合わせて構成されている。特に、器具12’のエンドキャップ89の遠位の端部が取り去られ、装置13の混合と供給アセンブリ86の代わりにミキシングアセンブリ76が設けられ、本体49の遠位の開口が可動押出ピストン95で閉塞されている。この押出ピストン95はチャンバ48の内周にぴったりフィットする寸法の外周を有する。ガスケットまたは他の種類のシール手段(図示せず)がピストン95の外周に設けられ、チャンバ48内の成分がピストン95とチャンバ内壁の間を通過するのを防いでいる。別の実施例では、別個の(好適には可動式の)カバーを設けてチャンバ48をシールし押出ピストン95から隔ててもよい。
【0051】
ピストン95は、チャンバ48内にロッド75を延在させる中央開口を具えている。さらに、ガスケットまたは他のシール手段(図示せず)が好適にピストン95の周囲に設けられ、ロッド75がここをスライド可能であるが、チャンバ48のシールが維持されるようにする。好適には、ロッド75はピストン95の開口にぴったりフィットするが、ユーザが過度の力を与えなくても本体49に関して可動である。別の実施例では、ロッド75はピストン95に固定されてもよく、またラッチ機構(図示せず)を設けて選択的にロッド75がピストン95に固定されるようにしてもよい。
【0052】
器具13では、ストップリング96がロッド75の周囲に選択的に設けられ、チャンバ48内を延在するロッド75の距離を制限できるようにしている。好適には、器具13の利用者がストップリング96をロッド75の長さにおける所望の位置に固定するが、これは最初から固定されていてもよい。限定しない例として、このストップリング96はロッド75の周りで、従順で、可動であるがぴったりフィットし、ストレッチ性がある。あるいは、このストップリング96はロッド75にロックスクリュで固定されていてもよい。図1Bに示すように、ロッド75が本体49に対してチャンバ48内に移動し、ストップリング96がピストン95に当接したら、ピストン95がチャンバ48内をロッド75とともに移動する。バルブ15はピストン95の移動に先立ち開かれ、あるいはチャンバ48内に各成分の圧縮により動作の妨げとなり、あるいはピストン95と本体49間のシールを通過して漏れるのが促進される。
【0053】
図6A、6Bを参照すると、本発明の更なる別の態様が示されており、図3,4,5A−Bの器具12,12’、13といった供給器具とともに着脱式ミキシングカートリッジ66を用いることができる。ミキシング本体49にこのカートリッジ66を適用するために僅かな変更をなすことが必要であり、スナップ式ロック機構でチャンバ45にフィットするサイズにする等である。このカートリッジは骨接合剤の個体成分70が予め組み込まれ閉塞されたチャンバ69を構成している。カートリッジ66の第1の端部67には閉鎖された開口65が設けられ、針72を挿入して骨接合剤71の液体成分を注入することができる。液体成分71を加えた後、カートリッジ66を(攪拌するのではなく)振って、接合剤の成分を混合する。カートリッジ66は、カートリッジ66内に封入されカートリッジを振る際によく混合されるよう一体的なミキシングパドル(図示せず)を設けて設計されてもよい。このカートリッジはその後、(ミキシングアセンブリ76または86の遠位の開口を介して)第2の本体49に挿入される。接合剤の液体成分71をチャンバ69に注入するのと同じ開口65を、接合剤の成分を供給チャンバ45に供給するバルブ15の開口に整列する。あるいは、カートリッジ66の反対側の端部68を介して流通がなされるようにしてもよい。
【0054】
以降に明らかとなるが、別の実施例では、固体と液体成分70、71の双方がカートリッジ66に、十分に振ると破れるバリヤで隔てられて予め配置されていてもよい。これも明らかになるが、上述したように本体49にミキシングアセンブリ76または混合および供給アセンブリ86、あるいはこれらの変形例を設けてもよい。
【0055】
次に図7A−7Cを参照すると、本発明の別の態様にかかる、任意の体腔(図示せず)に挿入されるカニューレ(図示せず)用の骨接合剤の混合供給器具700が示されている。一般に、器具700はシリンジのようなチューブ型本体702と、ロッド726と、ミキシングディスク712と、可動式押出ピストン718とを具えている。
【0056】
このチューブ型本体702は近位の部分704とテーパ形の遠位の部分706とを具え、内側にミキシングチャンバ708が構成されており、この中で骨接合剤710および/または生態適合材料が混合され収容される。テーパ形の遠位の部分706は、チャンバ708に連通する細い開口720を有する。下側ロックまたは他のコネクタ722を開口720に設けて、カニューレ(図示せず)の補足コネクタと組み合わせて骨接合剤710を処置サイトに供給し易くしている。このコネクタ722はキャップ(図示せず)または他の手段を具え、骨接合剤が混合課程において開口720から漏出しないようにしている。
【0057】
可動式の押出ピストン718がチューブ型本体702とロッド726とは別個に、内部チャンバ708の近位の部分704に配設されている。この押出ピストン718の外周は、チューブ型本体702の内周にぴったりフィットするサイズである。ガスケット、O−リング、あるいは他の種類のシール手段が押出ピストン718の周囲に設けられ、チャンバ708内の骨接合剤710が押出ピストン718とチューブ型本体702の内壁の間を通過しないようにしている。この押出ピストン718は、ロッド726を内部チャンバ708内に延在させる中央開口(図示せず)を具える。ガスケットまたは他のシール手段(図示せず)をこの開口の周りに設けて、ミキシングロッド728がここをスライド移動できるようにする。混合工程において、押出ピストン718は動かず、好ましくはチューブ型本体702の近位の端部738に設けられた着脱式カバー732に取り付けられている。この押出ピストン718は着脱式カバー732に、当業者にとって公知な手段により機械的に固定されていてもよい。
【0058】
ミキシングディスク712がロッド726の遠位の端部に取り付けられている。このミキシングディスク712は、上述のように骨接合剤の混合を促進すべく設計された複数の穴714を具える。ロッド726の近位の端部734にはハンドル730が設けられている。このロッド726は、ハンドル730に設けられたボタン724から遠位の端部736まで軸方向に延在する内腔728を具えている。このロッド726では、ボタン724がロック機構716を制御するよう構成されている。このロック機構716は押出ピストン718と係合するよう構成されている。
【0059】
この混合/供給器具700の操作時には、骨接合剤のすべての成分を内部ミキシングチャンバ708に入れる。その後、利用者はロッド726をチューブ型本体702に対して前後に動かして各成分を混合し、またロッド726をその中心軸の周りで回転させてもよく、この動作によりミキシングディスク712が複数成分の骨接合剤の中を通過して各成分を混ぜ合わせる。押出ピストン718は、この混合プロセスの間、チューブ型本体702の近位の端部738の位置に留まっている。
【0060】
混合プロセスが完了したら、利用者は選択的に、骨接合剤710を注入すべきとなったら、押出ピストン718を連動させる。押出ピストン718を連動させるには、ミキシングディスク712がチューブ型本体702の近位の端部738側に移動して押出ピストン718に当接するようにロッド726を引っ張る。ボタン724を押して、ロック機構716を動作させて、図7Bに示すように押出ピストン718をロッド726と係合させる。図に示すように、ロック機構716は、ロッド726から突出して押出ピストン718に係合するタブを具えている。この機構は例示であって、本願に適用可能な機構の種類を限定するものではない。このロック機構716の動作により、ミキシングディスク714と押出ピストン718が合着する。押出ピストン718がロックされると、ミキシングディスク712と押出ピストン718は一緒に遠位の方向へ移動し、図7Cに示すように接合剤を押し出す。
【0061】
別の実施例では、ロッド726は、カバーの上に取り付けられたネジ式ブランケットに対応するネジが形成されていてもよい。この代替例では、ブラケットはクイックリリース機構を具える。上述のように混合が完了したら、ハンドルを回転させるとロッドがチューブ型本体内で遠位の方向に移動してネジ式ブラケットと係合し、ロッドが押出ピストンやミキシングディスクとともにチューブ型本体内をスクリュ状に移動して骨接合剤が押し出される。
【0062】
図8Aは、本発明の一実施例にかかる混合/供給ロッド800の組み合わせを示す図である。この混合/供給ロッド800は一般に、遠位の端部804と近位の端部806とを有するロッド802を具える。ロッド802の近位の端部806にはハンドル810が設けられている。ロッド802の遠位の端部804には、第1のミキシングディスク820と第2のミキシングディスク830の2枚のミキシングディスクが設けられる。第1および第2のミキシングディスク820、830は、図7A−7Cに示すように、チューブ型本体の内周面にぴったりフィットする寸法の外周を有する。
【0063】
図8Bは、第1のミキシングディスク820の実施例を示す図である。第1のミキシングディスク820は複数の穴822(a−d)を具え、これらの穴822(a−d)は骨接合剤が通過可能であり適切に混合される一方、混合/供給ロッド800に過度の力をこめなくても動く程度のサイズである。図面では4つの穴822(a−d)を具えるが、これは第1のミキシングディスクに設ける穴の数を限定するものではない。ガスケット、O−リング814または他の種類のシーリング手段が第1のミキシングディスク820の外周に設けられ、骨接合剤を押し出した後にチューブ型本体(図示せず)に残る骨接合剤が最小限となるようにしている。第1のディスク820はさらに、後述するように穴が整列した場合に第1のミキシングディスク820を第2のミキシングディスク830にロックするクリップ824(a−d)を具えている。
【0064】
図8Cは、第2のミキシングディスク830の実施例を示す図であり、これもまた複数の穴832(a−d)を具えている。第1のミキシングディスク820と同様に、第2のミキシングディスク830の穴832(a−d)は、骨接合剤が穴を通過可能であって、過度の力をこめなくても混合/供給ロッドが動くように設計されている。また第1のミキシングディスクと同様に、図示する穴の数は第2のミキシングディスクの穴の数を限定するものではない。
【0065】
第1のミキシングディスク820の穴822(a−d)と、第2のミキシングディスク830の穴832(a−d)は、図8Dのようにこれらの穴が整列するよう配置される。整列すると、骨接合剤が第1および第2のミキシングディスク820、830の双方を通過することが可能となり、混合/供給ロッド800を骨接合剤の混合に用いることができる。クリップ824(a−h)は穴822(a−d)が穴832(a−d)と一直線上となるよう作用する。このクリップ824(a−d)はテンションクリップであり、僅かの力で解放することができる。ロッドのロック機構などの代替手段を用いて、第1および第2のディスク820、830の穴を整列させ、この実施例と同様となるようにしてもよい。
【0066】
さらに、第1のミキシングディスク820の穴822(a−d)と、第2のミキシングディスクの穴832(a−d)は、図8Eに示すようにオフセットしていてもよい。オフセットさせると、第1のミキシングディスク820の穴822(a−d)が第2のミキシングディスク830の穴のあいていない部分で塞がれ、他方も同様となる。この構成とすると、混合/供給ロッド800を、骨接合剤を押し出すのに用いることができる。
【0067】
好適には、第2のミキシングディスク820と第2のミキシングディスク830の穴の数、形状、サイズは同じであり、容易に整列あるいはオフセットできるようにしている。
【0068】
混合/供給ロッド800で骨接合剤を混合する際に、穴822(a−d)と穴832(a−d)は整列され、クリップ824(a−h)は係止状態である。骨接合剤の混合は、上述した従来通りの方法で行われる。骨接合剤が完全に混合され、供給できる状態となったら、混合/供給ロッド800をミキシングチャンバの近位の端部側に完全に引っぱる。その後ミキシングロッドのハンドル810を回転させてクリップ824(a−h)を解放し、すなわち本実施例では第1のミキシングディスク820を第2のミキシングディスク830に対して約45度回転させ、穴822(a−d)と832(a−d)をオフセットさせる。これらの穴をオフセットさせると、第1のミキシングディスク820と第2のミキシングディスク830が互いの穴を塞ぐ。これにより第1および第2のミキシングディスク820、830が共同して押出ピストンを構成し、ロッド802および第1と第2のミキシングディスク820、830を押すと骨接合剤が押し出される。
【0069】
図9は、押出ピストン910をミキシングディスク930に係合するロック機構を具える混合/供給ロッド900の別の組み合わせを示す図である。この混合/供給ロッド900は基本的に、近位の端部904と遠位の端部906を有するロッド902を具える。ロッド902の近位の端部904にはハンドル908が設けられている。ロッド902の遠位の端部にはミキシングディスク930が設けられている。このミキシングディスク930は複数の穴932を有し、骨接合剤の混合が促進されるようにしている。また、ロッド902の遠位の端部906の近傍にはロッド係止機構912が設けられている。このロッド係止機構912は、押出ピストン910と係合し押出ピストン910をミキシングディスク930と接合する位置に固定する。
【0070】
図9Aは、骨接合剤を混合するよう構成された混合/供給ロッド900を示す図である。この構成において、押出ピストン910はハンドル908に固定されている。混合/供給ロッド900が混合のために組み立てられたとき、ミキシングディスク930の穴は遮られず、ミキシングディスク930が骨接合剤を軸方向に進むときに骨接合剤はミキシングディスク930の穴を自由に通過できる。押出ピストン910は様々な公知の手段でハンドル908に固定されてもよいが、例えば図に示し後述するようなロックエクステンション916の機械的手段で固定することができる。
【0071】
図9Bは、骨接合剤を押し出すよう構成された混合/供給ロッド900を示す図である。この構成において、押出ピストン910はロッド902の遠位の端部のミキシングディスク930に固定されている。混合/供給ロッド900が骨接合剤を供給する際、押出ピストン910はミキシングディスク930に当接して穴932が塞がれ、骨接合剤がミキシングディスク930を通過するのが防止される。押出ピストン910はみきしんぐディスク930に様々な公知の手段で固定されてもよいが、例えば図に示し後述するようなロックピン912のような機械的手段で固定することができる。
【0072】
図9Cは、押出ピストン910の例を示す平面図である。この押出ピストン910は、図4Aのチャンバ48や図7のチャンバ708のようなミキシングチャンバ(図示せず)内で骨接合剤を圧迫するよう構成された硬質の円盤である。ガスケット、O−リング914または他の種類のシール手段を押出ピストン910の外周に設け、ミキシングチャンバ内の骨接合剤が押出ピストンとミキシングチャンバ内壁の間を通過するのを防ぐようにしている。押出ピストン910は、押出ピストンがハンドル908に当接する位置に保持されるようにハンドル908の内側面に合致するよう構成されている。ここで合致させるために、押出ピストン910は、ハンドル908内に延在するよう設計されたロックエクステンション916を具えている。このロックエクステンション916はピストン910が不意にハンドル908から離れるのを防止する。このロックエクステンションは、ハンドル908に設けられたプッシュボタン934を介して制御される。押出ピストン910からハンドル908に垂直方向に延在するのにロックエクステンション916を示したが、これは押出ピストン910をハンドル908に取り付ける機構を限定するものではない。押出ピストン910をその位置に解放可能に保持する様々な機構を本発明に適切に用いることができ、後述するように押出ピストン910をミキシングディスク930に接合させるロックロッド機構などを用いることができる。押出ピストン910はさらに、後述するロックロッド機構912と係合する溝920を設けて構成してもよい。
【0073】
上述した図面に関する記述の通りに骨接合剤を混合したら、プッシュボタン934を押して押出ピストン910をハンドル908から解放する。この押出ボタン910はその後、図9Bに示すようにロッド902の遠位の端部906に固定される。押出ピストン910はミキシングディスク930に接合し、ロッド係止機構912によりその位置に保持される。ロッド係止機構912は押出ピストン910に契合し、押出ピストン910がロッド902から独立して動くのを防止するとともに、押出ピストン910をミキシングディスク930に密接させた状態を保持する。このロッド係止機構は、ロッド902をミキシングチャンバの近位の端部側に軸方向に引っ張ることにより係合する。ロッド902を近位の端部に引っ張ると、ロッド係止機構912は押出ピストン910の遠位の面918の溝920と整列する。その後ハンドル908を回転させ、ロッド係止機構912を押出ピストン910の遠位の面918の溝920に係合させる。この回転により、押出ピストン」910がロッド902に固定される。このように押出ピストン910をロックしたら、ロッド902をチャンバ内で遠位の方向に押して、ミキシングディスク930と押出ピストン910が混合された骨接合剤を押し出すようにする。この押出ピストン910はミキシングディスク930の穴をカバーし、骨接合剤がこの穴を通過するのが防止されるとともに、骨接合剤をチャンバの遠位の方向に押しやる。
【0074】
図10A、10Bは、図3、図4、図5A、5Bに示す器具のような骨接合剤供給器具のバルブ15として用いるよう構成されたバルブ1000を示す図である。読者の便宜のために、図3の実施例を図10A、10Bで再び紹介する。液体成分と混合されていない粉体成分が一部でもあると不都合である。最良なのは、ミキシングチャンバの近位の端部の内面がミキシングディスクと同じ輪郭を有することである。例えば、ミキシングディスクがフラットな輪郭の場合、ミキシングチャンバ48の端部の内面もまたフラットとなるべきである。しかしながら、ミキシングチャンバ48が供給チャンバ45に連通する必要があるため、別の問題がある。このため、ミキシングチャンバ48と供給チャンバ45がバルブで連結されると、このバルブもミキシングディスクと同じ外形を有する必要があり、バルブがミキシングチャンバ48の端部の内面と同一面上に収まっている必要がある。
【0075】
図10Aと10Bはバルブ1000のA−A線断面図である。このバルブ1000は、ミキシングチャンバ48と供給チャンバ45とを連通させるスライド部材である。このバルブ1000は、開口73を開いたり、遮蔽したり、部分的に遮断したりする可動部を有し、これにより骨接合剤の流量を制御することができる。この可動部1004は、バルブ1000から延在するアーム1002により制御される。可動部1004は供給チャンバ45の軸方向に動くスライド部材である。この可動部1004の外形は、チャンバ内部の端部面と同じ外形に構成され、すなわちフラットな部材として構成される。図10Aではバルブ1000が開位置にあり、可動部1004が開口73を閉鎖していない。図10Bではバルブ1000が閉位置にあり、可動部1004が開口73をカバーしており、骨接合剤がミキシングチャンバ48から供給チャンバ45に移動することができない。この閉位置において、バルブ1000はまた供給チャンバ45に移された材料が再びミキシングチャンバ48に戻るのを防止する。
【0076】
図11A、11Bは図3、図4、図5A、5Bに用いるよう構成されたバルブの別の実施例を示す図である。図11A、11Bは、図3のA−A線断面図である。このバルブは基本的に、バルブ1000と同様の動作をし、可動部1102を具えている。この可動部1102は、供給チャンバ45の長軸を横切るように移動するスライド部材である。図11Aではバルブ1100が開位置にあり、可動部1102は開口73を遮断していない。図11Bではバルブ1000が閉位置にあり、可動部1102が開口73をカバーして骨接合剤がミキシングチャンバ48から供給チャンバ45に移動するのが防止される。この可動部1102は供給チャンバ34の断面を通って押される。図では長軸を横切る方向に移動しているが、当業者であれば可動部は供給チャンバ45の様々な方向であって供給チャンバ45の軸に整列する以外の方向を横切るように設計できることを理解するであろう。
【0077】
図10A、10B、11A、11Bのバルブの別の実施例として、可動部1004、1102はそれぞれ液体が通過できる通路を設けて構成してもよい。可動部1004、1102が図10A、10B、11A、11Bで説明したようにバルブとスライド係合する際に、可動部1004、1102の通路が供給チャンバ45内で開口73と一直線上となり、骨接合剤がミキシングチャンバ48から供給チャンバ45に流出可能となる。この通路が開口と整列しない場合には、骨接合剤はミキシングチャンバと供給チャンバ間を移動することができない。
【0078】
使用の際に、ミキシングチャンバの底部は供給チャンバのバルブを介して連通する必要がある。このため、バルブの可動部はミキシングディスクをフラットに閉塞するか同一面上となるよう設計される。図に示す実施例ではフラットであるが、可動部の形状はミキシングディスクやミキシングチャンバの輪郭に応じて変化してもよい。
【0079】
図12は、任意の体腔(図示せず)に挿入されるカニューレ(図示せず)に骨接合剤を供給し混合する更なる別の器具を示す図である。基本的に、この器具1200は混合/供給チャンバ1202(図12A)と、ミキシングロッド1220(図12A)と、ピストンロッド1240(図12B)とを具えている。
【0080】
混合/供給ロッド1202は近位の端部1204とテーパ形の遠位の端部1206とを具え、内部チャンバ1208を構成しており、この中で骨接合剤および/または生態適合材料(図示せず)が混合されその後供給される。テーパ形の遠位の部分1206は、内部チャンバ1208に通じる細い開口1210を有する。下側ロック1212または他のコネクタが開口部に設けられており、カニューレの補助コネクタと協力して骨接合剤を処置サイトに容易に供給できるようにしている。このコネクタはまた、混合工程において骨接合剤が開口1210から漏れるのを防止するキャップ(図示せず)または他の手段を具えてもよい。近位の部分1204は近位の端部1216から遠い部分の縁1214を有する。この縁1214は、後述するように混合/供給チャンバ1202に設けられた着脱式カバーに対応するネジが形成されたエッジ1218を具えてもよい。
【0081】
ミキシングロッドアセンブリ1220は基本的に、遠位の端部1222と近位の端部1226を有するロッド1221を具える。ロッド1221の遠位の端部1222には穴のあいたミキシングディスク1224が設けられている。ロッド1221の近位の端部1226にはハンドル1228が設けられている。また、長軸の周りに混合/供給チャンバ1202の近位の端部1216を包む寸法のカバー1230が配設されている。カバー1230の内周面1232には、縁1214のネジ1218に対応するネジが形成されている。このカバーは開口1234を具え、ここにロッド1221が通過する。好適には、ロッド1221は開口1234にぴったりフィットするが、利用者が過度の力をこめなくともカバー1230に対して動かすことができる。ガスケットまたは他のシール手段(図示せず)が開口1234の周囲に設けられており、閉塞するとともにロッド1221がスライド可能としている。
【0082】
供給ロッドアセンブリ1240は基本的に、遠位の端部1244と近位の端部1250を有し、ネジが形成されたロッド1242を具えている。ネジが形成されたロッド1242の遠位の端部1244にはピストン1246が設けられている。ガスケット、O−リング1248または他のシール手段がピストン1246の外周に設けられ、名産チャンバ1208内の骨接合剤がピストン1246と混合/供給チャンバ1202の内壁との間を通過しないようにしている。ネジが形成されたロッド1242の近位の端部1250にはハンドル1252が設けられている。また、長軸の周囲には、混合/供給チャンバ1202の近位の端部1216を包むサイズのカバー1254が設けられている。このカバーの内周面1256には縁1214のネジ1218に対応するネジが形成されている。カバー1254はネジが形成されロッド1242を受ける開口1258を具える。このネジ式開口1258は、ネジ式ロッド1242に対応するよう設計されている。従来からの方式により、ネジ式ロッド1242をネジ式開口1258に対して時計方向に回転させてネジ式ロッド1242がネジ式開口1258内で移動するようにすると、供給ロッド1240がネジ式開口1258内で動く。反対に、ネジ式ロッド1242をネジ式開口1258に対して反時計回りに回転させてネジを緩めると、ネジ式ロッド1242をカバー1254から取り外すことができる。
【0083】
この混合/供給器具1200の使用時には、骨接合剤のすべての成分を内部チャンバ1208に入れる。その後、カバー1230のネジを縁1214のネジに合わせカバー1230と縁1214をともに回転させることにより、ミキシングロッドアセンブリ1220を混合/供給チャンバに取り付ける。カバーを取り付けたら、ロッド1221を内部チャンバ1208内で前後に動かし、これにより穴あきミキシングディスク1222を骨接合剤内で動かすことにより成分が混合される。ロッド1221を中心軸の周りで回転させ、混合プロセスを促進してもよい。混合が完了したら、カバー1230と縁1214の螺合を解除し、ミキシングロッドアセンブリ1220を混合/供給チャンバから取り外して廃棄する。
【0084】
その後、カバー1243のネジ1256を縁1214のネジ1218に合わせカバー1254と縁1214をともに回転させることにより、押出ロッドアセンブリ1240を混合/供給チャンバ1202に取り付ける。カバーを取り付けたら、ハンドル1252を回転させてネジ式ロッド1242とピストン1246を内側チャンバ1208内でスクリュ状に動かすことにより、混合された骨接合剤を押し出す。この動作により、ピストン1246が混合/供給チャンバ1202の遠位の端部1206側へ移動し、骨接合剤が開口1210側に圧迫される。
【0085】
好適には、プレパッケージされた混合/供給チャンバすなわちモノマーとポリマーが内側チャンバに予め装填されたものには交換可能な混合供給プランジャを使用する。
【0086】
骨接合剤の混合は発熱作用があり、このため、各成分および/または混合チャンバを冷やして反応を抑え、その後の骨接合剤の使用可能期間を延ばすことが好ましい。さらに、反応を抑えることにより、骨接合剤の供給できる時間を増やすことができる。簡単な形では、ミキシングチャンバをアイスパック、例えば使い捨ての即席アイスパックで包んで各成分および/またはミキシングチャンバを冷却することができる。あるいは、より手の込んだ冷却システムを器具に設けてもよく、例えばハンドルおよび/または伸長チューブに冷却水を循環させて使用可能時間を延ばすようにしてもよい。
【0087】
さらに、混成物を所望のアプリケーションに使用する前に、骨接合剤が完全に混合されていることが保証されることが望ましい。乾燥成分と液体成分を図3で説明したように振って、あるいはミキシングロッドなどの混合手段により混合したら、混合した混合剤を固定ミキサにかけることが望ましい。この固定ミキサは供給器具の遠位の端部の開口に取り付ける。このようにすると、骨接合剤をその流路における静止オブジェクトにかけて当該オブジェクトを通過する際に骨接合剤がさらに混合される。固定ミキサは供給チャンバをサイト供給器具に接続するカニューレといった伸長チューブに組み込まれていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
本発明の実施例の構成および利点を示す図面において、同様の要素は共通の参照番号を付している:
【図1】図1Aおよび図1Bは、本発明の一態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の第1実施例の切り欠き(cut-away)側面図である。
【図2】図2は、本発明の別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の第2実施例の切り欠き側面図である。
【図3】図3は、本発明の更なる別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の更なる実施例の切り欠き側面図である。
【図4】図4は、本発明の更なる別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の更なる実施例の切り欠き側面図である。
【図5】図5Aおよび図5Bは、本発明の更なる別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の更なる実施例の切り欠き側面図である。
【図6】図6Aおよび図6Bは、本発明の更なる別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具に任意に使用可能な個別のミキシングカートリッジの切り欠き側面図である。
【図7】図7A−Cは、本発明の別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の実施例の切り欠き側面図である。
【図8】図8Aは、本発明の更なる態様にかかる、骨接合剤混合/供給ロッドの切り欠き側面図である。図8B−8Eは、図8Aの混合/供給ロッドに用いる混合/供給ディスクの一実施例の平面図である。
【図9】図A9および図9Bは、本発明の更なる別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給ロッドの切り欠き側面図である。図9Cは、図9A−9Bの混合/供給ロッドに用いる押出ピストンの一実施例の平面図である。
【図10】図10Aおよび図10Bは、図4の骨接合剤混合/供給器具に用いるバルブの一実施例の平面図である。
【図11】図11Aおよび図11Bは、図4の骨接合剤混合/供給器具に用いるバルブの別の実施例の断面図である。
【図12】図12Aおよび図12Bは、本発明の別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の更なる別の実施例の切り欠き側面図である。
【図1A】
【図1B】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨接合剤といった複合成分の混成物を、体内に注入するための混合および供給器具に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の関節や骨は、疾病や外傷の結果として変性してしまうことがある。この変性への対処法の一つに、人口材料を用いた関節や骨に置換することがある。この方法に骨接合剤(bone cement)は移植物を固定させるのに不可欠な役割を果たし、変性した関節や骨の再構成に役立つ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
骨接合剤は一般に、液体モノマー成分を重合粉末成分とともに重合してなる。混合した接合剤は短時間で硬化してしまうため、一般に液体モノマーと粉末ポリマーは骨接合剤を使用する直前に混合される。この混合工程において、液体モノマーと粉末ポリマーは発熱反応を示し(すなわち、熱を生じ)臭いのある気体を生ずる。利用者にとって、この気体に晒されるのを最小限とし、また接合剤が完全に混合され、迅速に使用できるようにすることが望まれていた。さらに、混合剤を正確な量だけ注入することが重要であるため、器具から供給される混合剤の流量を精密制御し、また注入時に接合剤の密度を適正とすることが非常に重要である。
【0004】
骨接合剤用を混合、注入する様々な器具が提案されてきた。例えば、米国特許番号6,033,105には、混合剤成分を容器内で手で回すミキシングブレードで混合するオープンエンドシステムが開示されている。混合した後、接合剤は混合機構の一部をなす螺旋状デバイスの動作により本体部へ供給される。米国特許番号6,079,868は、2つの成分の混合と供給を、静的混合チャンバへ成分を押し出すことにより達成することが開示されている。米国特許番号6,286,670は、液体モノマーを貯蔵する単一の容器を開示しており、固形のポリマーがバリヤで隔てられており、これが接合剤を形成する際に成分を混合すべく除去あるいは破られる。米国特許番号6,406,175には、粉末ポリマーを予め包装した混合・注入機器が開示されており、利用者は使用の直前に液体モノマーを注入する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、混合し混成物を体内へ注入する器具に関し、特に、骨接合剤、生態適合材料、および/または他の流体混合剤の注入器に関する。
【0006】
一実施例において、この器具は複数成分の混成物を混合する内部チャンバを規定するチューブ型の本体を具える。このチューブ型の本体は、内部チャンバに通じる開口を有する遠位の端部を具える。このチューブ型本体にはロッドが配置されており、このロッドは当該ロッドの遠位の端部近傍にミキシングディスクを具える。さらに、チューブ型本体内には、このチューブ型本体から独立した可動ピストンが設けられる。
【0007】
このピストンは、ロッドが延在する開口を設けて構成される。
【0008】
チューブ型本体の近位の端部は、着脱可能なカバーを設けて構成される。可動ピストンはこの着脱可能なカバーに取り付けられる。
【0009】
この器具において、前記可動ピストンが前記ロッドの遠位の端部のミキシングディスクに近接して取り付けられ、あるいは固定される。
【0010】
一実施例では、この器具は遠位の端部と近位の端部を有するロッドを具える。このロッドはその近位の端部に設けられたハンドルを有する。このロッドはまた、その遠位の端部の近傍に設けられた第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクとを具える。
【0011】
第1のミキシングディスクは、複数の穴を具える。第2のミキシングディスクも、複数の穴を具える。第1のミキシングディスクは、第1のミキシングディスクを第2のミキシングディスクに合着するよう設計されたクリップを設けて構成されている。第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクに合着させると、ピストン機構となる。第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクの穴の数は同じである。
【0012】
一実施例において、この器具は遠位の端部と近位の端部を有するロッドを具える。このロッドの近位の端部にはハンドルが設けられ、ロッドの遠位の端部近傍にはミキシングディスクが設けられる。この器具はさらに可動ピストンを具える。
【0013】
この可動ピストンは、ロッドが貫通する開口を設けて構成される。さらに、この可動ピストンは外周にシール手段を具える、例えばこの可動ピストンはその外周にO−リングまたはガスケットを具える。この可動ピストンはさらに、前記ロッドの近位の端部のハンドルに着脱可能に取り付けられていてもよい。この可動ピストンをハンドルに着脱するのは、プッシュボタン機構により達成することができる。
【0014】
前記ミキシングディスクは複数の穴が設けられていてもよい。
【0015】
本発明の一実施例は、スライド器具であるバルブに関する。このバルブは、流量を制御する可動部分を具えている。これは、可動部分に接続されたアームと、このアームに係合し前記可動部分をずらすボタンとがある。
【0016】
この可動部分は平坦な部材とすることができる。この可動部分は2つのチャンバ間の流量を制御できるよう構成されている。例えば、一方のチャンバはミキシングチャンバであり、他方が供給チャンバである。この2つのチャンバは互いにほぼ垂直をなす。この可動部分は供給チャンバの長軸に沿って移動可能であるか、供給チャンバの長軸を横切って移動可能である。
【0017】
本発明の別の態様によると、例えば骨接合剤などの混合流体を混合し供給する方法が提供される。遠位の端部にミキシングディスクを具えるミキシングロッドがチューブ型器具に挿入されており、このチューブ型器具には複数成分の流体混成物が入れられる。その後、このミキシングロッドをチューブ型本体内で軸方向に動かすことにより、混合流体が混合されるようになっている。この混合流体を混合した後、チューブ型器具から混合流体を押し出すために、ミキシングロッドの遠位の端部の近傍に設けられた可動ピストンが係合される。
【0018】
この可動ピストンの係合は、ミキシングロッドをチューブ型器具の近位の端部の可動ピストンが配置されている場所に引っ張ることにより行う。ミキシングロッドを長軸を中心に回転させると、可動ピストンと係合する。
【0019】
あるいは、この可動ピストンは、チューブ型器具の近位の端部の可動ピストンが配置されている位置にミキシングロッドを引っ張り、その後可動ピストンをミキシングディスクに機械的手段で固定することにより係合ようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の様々な実施例について、図面を参照して以下に説明する。ここで、図面は縮尺通りではなく、同様の構成や機能の要素は全図を通じて同じ参照番号で示されていることに注意されたい。また、これらの図面は本発明の特定の実施例の説明を容易にすべくあるものであって、この説明は排他的なものではなく、本発明の範囲を限定するものではない。特定の実施例に関して記述される態様、特徴および利点は、これらの実施例を限定するものではなく、たとえ図示され説明されていなくても本発明の他の実施例として実現されてもよい。
【0021】
さらに、例えばPMMA骨接合剤などの骨接合剤の混合および供給のための発明コンセプトや器具を以下に説明するが、本発明の器具で例えばアルミン酸塩カルシウム、カルシウム、燐酸塩、燐酸塩カルシウム等のセラミックスといった他の種類の生態適合材料を混合し供給するようにしてもよい。
【0022】
図1Aおよび図1Bには、任意の人体部位(すなわち骨)の空洞(図示せず)に注入するカニューラ(図示せず)に骨接合剤を混合して供給する器具10が開示されている。この器具10は、近位の部分22とテーパ形をなす遠位の部分23とを有するチューブ型本体21を具え、内部にミキシングチャンバ24を形成している。このチューブ型本体21はまた、可動押出ピストン25で閉塞された近位の開口40を具える。特に、この押出ピストン25は、チューブ型本体21の内周にぴったりフィットする寸法の輪郭を有する。ガスケットまたは他の種類のシーリング手段(図示せず)をピストン25の周囲に設けて、チャンバ24内の接合剤成分がピストン25とチューブ型本体21の内壁の間を通過しないようにする。別の実施例では、独立した(好ましくは着脱可能な)カバーを設けて近位の開口40とチャンバ24とを押出ピストン25から隔てるようにしてもよい。
【0023】
このピストン25は中央開口26を具え、ここからロッド27がチャンバ24内へと延在している。ロッド27の近位の端部にはハンドル32が取り付けられている。さらに、ガスケットまたは他のシール手段(図示せず)が開口26の周囲に設けられており、これによりロッド27がスライド移動する際にも、チャンバ24と外部雰囲気との間が閉塞される。好適には、ロッド27は開口26にぴったりフィットしているが、利用者が過度の力をこめなくてもチューブ型本体21に対して可動である。別の実施例では、ロッド27はピストン25に固定され、あるいはラッチ機構(図示せず)が設けられ利用者が選択的にロッド27をピストン25に固定できるようにしてもよい。
【0024】
図に示す実施例では、ロッド27の周囲の任意の位置にストップリング30が配置され、ロッド37がチャンバ24内に延在できる距離が制限されている。好適には、器具10の利用者がストップリング30をロッド27の長さ方向の所望位置に固定するが、最初から固定されていてもよい。限定的でない例として、ストップリング30はロッド27に対して従順(complicance)だが可動であり、且つストレッチする。あるいは、ストップリング30はロッド27にロックネジを用いて固定されていてもよい。図1Bに示すように、ロッド27がチューブ型本体21に対して移動しチャンバ24内に押し込まれる際に、ストップリング30がピストン25に当接し、ピストン25をロッド27とともに移動させる。
【0025】
本発明の主たる目的として、穴のあいたミキシングディスク33がロッド27の遠位の端部に取り付けられている。このディスク33がチャンバ24内で動くと、チャンバ24内の成分がディスク33の穴(図示せず)を通り混合される。当業者であれば理解可能なように、ディスク33の穴のサイズは様々であってよく、チャンバ24内の成分を適切に混合するのに十分な程度の小ささから、利用者がピストン25に過度の力をかけなくても前に移動し、ピストン25とロッド27の外郭のそれぞれのシールから漏れない程度の大きさの間で選択される。さらに好適には、同じ理由から、ミキシングディスク33の外部輪郭は様々なものであってよく、例えばディスク33はチューブ型本体21の近位の部分の内径の全体に放射状に延在してもよい。本発明の実施例において、1またはそれ以上の固定式のミキシング部材をミキシングチャンバおよび/または(後述する)供給チューブに付加することが望ましい。
【0026】
図に示す実施例では、ロッド27の押出ピストン25とミキシングディスク33との間にミキシングインペラ34が回動可能に取り付けられており、チャンバ24の成分の混合をさらに促進する。限定的でない例として、このインペラは、ロッド27の回転カラーに取り付けられ角度のついた複数のミキシングブレードを具え、インペラ34がチャンバ24内を移動するに伴い、これらのブレードがチャンバ24内の成分のブレードに対する力によりロッド27の周りで回転する。本発明の別の実施例では、穴のあいたミキシングディスク33とインペラ34のいずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0027】
切替バルブ35がチューブ型本体21の遠位の開口部37に取り付けられている。図に示す器具10では、バルブ35は3方向バルブであり、第1の位置で開口37を閉塞し;第2の位置でチャンバ24から押し出される接合剤を患者供給チューブ19に案内し;第3の位置でチャンバ24から押し出される接合剤をシャントリリーフチューブへ供給する。バルブ35はマニュアルまたは自動で操作される。自動制御バルブ35の場合は、機械、液圧、または電気的手段を含む様々な手段で制御されてもよい。例えば、バルブ35は、押出ディスク25が内腔24内で移動を開始あるいは停止した場合にバルブ35が自動手段により制御され、バルブ35が駆動される。シャントおよび供給チューブ38,19はそれぞれ着脱可能に遠位の開口37に取り付けられていてもよいが、本発明の一実施例では、供給チューブ19はチューブ型本体22に永続的に固定されており、少なくとも一実施例では、供給チューブ19は本体22に永続的に固定されている。例えば、本体22と供給チューブ19は射出形成または他の公知の製造方法で一体的に構成されてもよい。あるいは、これらはプラスチック溶接プロセスまたは接着剤で取り付けられてもよい。
【0028】
図に示す器具10において、接合剤押出開口部37の内側にセンサ39が設けられ、チャンバ24内の接合剤の性質に基づいてバルブを制御するのに利用してもよい。例えば、センサ39は圧力計であり、チャンバ25内の複合材が患者に供給するのに所望の機能をなす粘度となった場合にこれを利用者に示し、この場合にバルブ35が第2の位置にされ接合剤が患者供給チューブ19に案内され;粘度が高すぎる、すなわち接合剤が患者に安全に供給しうる点を超えている場合に、バルブ35は第3の位置に駆動され接合剤がシャントチューブ38にそらされる。限定的でない別の例として、センサ39はチャンバ内の混合接合剤の温度を測定し、混合接合剤の公知の発熱特性に基づき、接合剤の温度に基づきバルブ35の供給先を患者側チューブ19とシャントチューブ38間で制御する。任意の実施例(図示せず)では、センサからのフィードバック(出力値)はアナログまたはデジタル(すなわち数字)の表示、光インジケータ、バーグラフ、または他のビジュアル表示手段であってよい。代替的または付加的に、センサ出力は音声や振動であってよい。
【0029】
プランジャ機構が加圧を停止したときの内部圧力を緩和すべく、シャントリリーフライン38はさらに、チャンバ24が最大許容圧力となった場合に流れをそらす(圧力を緩和する)よう設計することができる。例えば、バルブ35は、チャンバ24が与えられた圧力になった場合に接合剤の供給先をシャントリリーフ38側にそらすよう自動駆動され、器具の破損、すなわちチャンバ圧が非常に高くなって器具が破壊するのが回避される。
【0030】
この種の圧力リリーフ機能はまた、患者側ライン19に供給する適切な接合剤の性状を検出する機械的方法として利用することができる。特に、接合剤が硬化するに伴い、チャンバ24内の圧力は増大し、接合剤を押し出すのに要する力も大きくなる。このように、接合剤が固くなり過ぎた場合、センサ30が高圧を検出し、表示器(図示せず)で接合剤がもうすぐ安全に患者に注入できなくなることをオペレータに示す。この圧力は、オペレータがピストン25を急に押し下げた場合に、オペレータが押出ピストン25をいかに早く進めたかを示す機能にもなり、圧力が跳ね上がり、チャンバ24内の圧力が最大許容圧力となったことがセンサ39で検出されたらバルブ35が制御され接合剤をシャントライン38側に案内し、オペレータが患者に性急に接合剤を注入してしまうのが防止される。
【0031】
接合剤の注入中に器具10が破損や分解すると望ましくないため、制御障害モードを組み込むことが望ましい。特に、供給チャンバ内の圧力が高くなると、ピストン25/ロッド27/ハンドル32のトルクが高くなる。制御障害モードは、チャンバ24内部の既知の圧力が所定の最大圧力に近づいたときにこれらの要素が「障害」(すなわち、ピストン25の動作を停止)とするよう設計されていてもよい。
【0032】
混合/供給器具10の別の特徴として、骨接合剤の成分は、チューブ型本体21のチャンバ24内に、利用者により挿入され、あるいは「予め仕込まれ」ていてもよい。例えば、押出ピストンアセンブリを取り去ることにより、(前もって混合され、あるいはされていない)各成分が利用者により近位の開口40を介してミキシングチャンバ24内に入れられる。あるいは、接合剤の成分の一部または全部がチャンバ24内に予め仕込まれていてもよい。例えば、骨接合剤の固体成分が製造業者によりチャンバ24内に予め仕込まれており、液体成分が利用者により加えられるようにしてもよい。
【0033】
混合/供給器具10の操作にあたり、接合剤のすべての成分がチャンバ24内にある必要がある。その後、近位の端部22の開口40を押出ピストンアセンブリ(ロッド27、ピストン25、ミキシングディスク33、および/またはインペラ34)で閉塞する。利用者はロッド27をチューブ型本体21に対して前後に動かすことにより各成分を混合し、このために混合手段33、34が設けられている。注意すべきは、混合する間、チャンバ24から接合剤が早期に押し出されないよう、ストップリング30が当接状態とならないように、押出ピストン25を近位の開口40の位置に保持することが望ましい。例えば、これは成分の混合中にピストン25を開口40の位置に保持するラッチ(図示せず)を設けることにより実現する。
【0034】
別の実施例では、押出ピストンアセンブリ(ロッド27、ピストン25、ミキシングディスク33、および/またはインペラ34)はチューブ型本体21の内壁に螺合しており、ハンドル32を回転させるとこのピストンアセンブリがチャンバ24内を前後に移動して混合手段33および/または34がチャンバ24内でスクリュ状に動くようにしてもよい。この実施例では、チャンバ24からの混合剤の押出量をより精密に制御できるという利点がある。
【0035】
利用者は付加的に、あるいは代替的に、必要に応じて混合プロセスの一部として手で器具10を振ってもよい。注意すべきは、公知の骨接合剤の殆どは所定の混成および硬化時間を有し、このため使用する直前まで接合剤の液体成分と固体成分を混合しないことが非常に重要である。各成分が完全に混合し、接合剤が所望の目標値に硬化したら、利用者は、図1Aに示すようにストップリング30をロッド27の所望の位置で固定し、図1Bに示すようにディスク25を押してチューブ型本体21の遠位の端部23の開口37から製品が押し出されるようにする。
【0036】
あるいは、図2の器具10’で示すように、骨接合剤の固体成分と液体成分の双方が、製造業者によってチャンバ24内に予め組み込まれていてもよい。このプレパックされた固体と液体の成分は、チャンバ24を上側チャンバ24Uと下側チャンバ24Lの2つのサブチャンバに物理的に分けるバリヤ41により混合時まで隔てられている。このバリヤ41は利用者によりある程度以上の力が加えられると破けるビニールまたは他の素材で構成されている。好適には、このバリヤ41は破けやすく、個々のあるいは要素の混合製品の成分に反応しない材料が用いられる。さらに、封をする際に一方の成分を軽い真空状態で配置して成分が混合し易くなるようにしている。例えば、固体成分を真空状態で配置して、バリヤ41が破れると即時に液体成分が固体成分側に流れるようにする。
【0037】
バリヤが破断した後の、器具10’における混合および供給プロセスは図1Aおよび1Bに示す器具10で上述したものとほぼ同様である。
【0038】
接合剤の各成分が全体かつ完全に混合されることが重要である。チューブ状本体21は透明または半透明の材料で構成され、利用者がチャンバ24内の接合剤の混合、移動、供給を視認することができ、さらに利用者が混合した接合剤に気泡が生じていないかを確認することができる。
【0039】
混合および供給器具のさらなる実施例が図3に示されている。この器具12は、近位の端部43と遠位の端部44とを具え供給チャンバ45を構成する第1のチューブ型本体42を有している。この第1の本体42は第2の本体48と連結されており、この第2の本体は近位の端部46と遠位の端部47を具えミキシングチャンバ48を構成している。様々な数の取付機構を用いてもよいが、図に示す器具12では、第2の本体49の遠位の端部46に、中に第1のチューブ型本体42を通す穴92がミキシングチャンバ48とは別に形成されている。第2の本体49は、供給チャンバ45とミキシングチャンバ48の液体が流通する限りにおいて、第1の本体42に様々な角度、様々な取付関係で取り付けられてもよい。特に、ミキシングチャンバ48の開口73がバルブ15を介して供給チャンバ45に連通しており、バルブ15がミキシングチャンバ48を供給チャンバ45から切り離す第1の位置と、両チャンバ45、48が液体的に接続する第2の位置との間で切り替え可能となっている。
【0040】
図に示す器具12では、本体49の近位の端部46は本体42の遠位の端部44に90度より少し大きい角度、すなわちピストルに似た角度で取り付けられている。この構成により、器具12の使用の際に第2の本体49を掴みやすいハンドルとして利用することができる。第1の本体42の近位の端部43には、供給チャンバ45に連通する接合剤押出開口85が設けられている。この開口85には(すなわち、器具12の外側に)図1の器具10で用いたのと同じバルブとシャントチューブアセンブリ(35,38,19)が取り付けられる。さらに、器具10のセンサ39と同様のセンサを用いて、器具12の出力を制御するようにしてもよい。
【0041】
本体42の遠位の端部44の開口50は、プランジャ51で塞がれている。このプランジャ51はロッド52と、ロッド52の遠位の端部に取り付けられたピストンディスク53を具える。このディスク53は、本体42にスライド可能であるがぴったりフィットするのが望ましく、供給チャンバ45における移動可能なシール材を形成する。例えば、ディスク53の外周に軟質のガスケット(図示せず)を設けてもよい。ロッド52は、ディスク53が供給チャンバ45内を移動しチューブ型本体42の遠位の端部(の内壁)に圧接するのに十分な長さを有する。ディスク53の遠位の当接面は好適には僅かにテーパ形をなし、突き出た部分54が開口85内に入るようになっている。
【0042】
ある実施例では、プランジャ51はチューブ型本体42の内壁に螺合する構成であり、ハンドル55を回すとプランジャ51が供給チャンバ45内を遠位の方向に、供給チャンバ45のネジが形成された内壁に沿ってスクリュ状に進む。この実施例では、チャンバ45におけるプランジャ51の移動量をより精密に制御できるという利点がある。
【0043】
第2の本体49の遠位の端部47には、ミキシングチャンバ48に通じる開口80が設けられている。プラグ81がこの開口80を封鎖しており、このプラグ81は例えばシリコンやラバーの材料で構成され、プラグ81に針を刺して挿入することができる。この方法では、チャンバ48で混合されるべき接合剤の個体成分を(製造業者が)チャンバ48に予め入れておくことができる。バルブ15が「閉」(すなわち分離)位置にあるときに、利用者は液体成分の入ったシリンジをプラグ81に突き刺し、チャンバ48内に液体を注入する。固体成分と液体成分を混合するには、ユーザが器具12を振るようにする。
【0044】
各成分を混合したら、器具12を(図3に関して)逆さにして、ディスク53を開口73に近づくように移動させ、バルブ15を開位置に切り替える。これにより、混合された接合剤がミキシングチャンバ48から供給チャンバ45に流入する。接合剤が供給チャンバ45に入ると、バルブ15が平位置に戻して、器具12を逆さにして直立させる。利用者はプランジャ51をチャンバ45内に押し入れることにより混合された接合剤製品を開口85から押し出すことができる。別の実施例では、プランジャ51はスクリュ装置(図示せず)のような機械的手段を用いて動かしてもよい。この動きは利用者がマニュアルで制御してもよいし、自動制御としてもよい。
【0045】
この器具12の変形例(12’として示す)が図4に示されており、これは図3の器具12と同様の構成に加え、図1Aのディスクアセンブリ(27/34/33)と同様のミキシングディスクアセンブリ76が第2の本体49の遠位の端部から挿入されミキシングチャンバ48内に延在している。特に、機器12’において第2の本体49の遠位の端部47には、ロッド75をミキシングチャンバ48に延在させる中央開口74を有するガスケットキャップ89が設けられている。ロッド75の近位の端部にはハンドル94が設けられている。さらに、好適にはガスケットあるいは他のシール手段(図示せず)が開口74の周囲に設けられており、ロッド75がスライド移動する際のチャンバ48のシールを達成している。好適には、このロッド75は開口74にぴったりフィットしているがユーザが過度に力を加えなくても本体49に対し移動可能である。
【0046】
ロッド75の遠位の端部には穴のあいたミキシングディスク64が取り付けられている。ディスク64がチャンバ48内で動くと、チャンバ48内の成分がディスク64の穴(図示せず)を通り攪拌される。ミキシングディスク33における穴とディスク外周の寸法は、チャンバ48内の成分が適切に混合するとともに、ユーザが過度に力を加えなくてもディスク64が前に動く程度の適当なバランスに基づいて選択される。図に示す実施例では、ミキシングインペラ77がロッド75のミキシングディスク64のすぐ近く(真下)に取り付けられており、チャンバ48の各成分の混合が促進されるようにしている。図1Aの器具10におけるインペラ34と同様に、このインペラ77は角度のついた複数のミキシングブレードがロッド75の回転カラーに取り付けられており、インペラ77がチャンバ48内を進むとチャンバ48内の成分によるブレードに対する力によってブレードがロッド75の周りを回転する。本発明の別の実施例では、穴あきディスク64とインペラ77のいずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0047】
本体49の遠位の端部47に近い側部には、プラグ84で塞がれた開口83が設けられており、ここからミキシングチャンバ48にアクセスできるようになっている。このプラグ84は、針をこのプラグ84に刺せるようなシリコンやラバー素材で構成される。このようにすると、(製造業者が)チャンバ48に接合剤の個体成分を予め仕込んでおき、このチャンバ48内で混合されるようにすることができる。バルブ15を閉位置にして、利用者が接合剤の液体成分が入ったシリンジをプラグ84に突き刺して、液体成分をチャンバ48に注入する。代替的あるいは付加的に、利用者はキャップ89とミキシングアセンブリ76を取り去ってチャンバ48内で混合される成分を入れるようにしてもよい。混合は、ロッド75をミキシングデバイス64、77とともにチャンバ48内で動かすことにより達成される。個体成分と液体成分がよく混ざるように、利用者が器具12’を振るようにしてもよい。各成分が混合された後は、器具12’の操作は図3の器具12とほぼ同様となる。
【0048】
さらに、各本体42,49は透明あるいは半透明の材料で構成し、オペレータがチャンバ48,45の接合剤の混合、移動、供給を視認できるようにするとともに、接合剤の混成物に気泡が生じた場合を検知できるようにする。
【0049】
ミキシングチャンバ内は完全に閉鎖され、ミキシングチャンバには未混合の接合剤ポリマーまたはモノマーが残ってはならず、またモノマーと混合されていない粉体が存在しないことが重要である。このため、ミキシングディスクと、ミキシングチャンバの近位の端部とは直に接触し、ディスクが接合剤の全部と接触することが望ましい。完全に混合するには、チャンバの底部に接触するミキシングディスクの表面がフラットな場合、ミキシングチャンバの近位の端部の内面もフラットなことが望ましい。同様に、ディスクがミキシングチャンバの供給チャンバに近い端部に接触する際に接合面が互いに整合する限りにおいて、両者の表面は凸面であると凹面であると他の形状であるとを問わない。
【0050】
図5A、5Bは、本発明のさらなる別の態様に関連して構成された混合および供給器具13を示す図であり、図4の器具12’の構成と、図1A、1Bの器具10の可動供給ピストン/ディスクとを組み合わせて構成されている。特に、器具12’のエンドキャップ89の遠位の端部が取り去られ、装置13の混合と供給アセンブリ86の代わりにミキシングアセンブリ76が設けられ、本体49の遠位の開口が可動押出ピストン95で閉塞されている。この押出ピストン95はチャンバ48の内周にぴったりフィットする寸法の外周を有する。ガスケットまたは他の種類のシール手段(図示せず)がピストン95の外周に設けられ、チャンバ48内の成分がピストン95とチャンバ内壁の間を通過するのを防いでいる。別の実施例では、別個の(好適には可動式の)カバーを設けてチャンバ48をシールし押出ピストン95から隔ててもよい。
【0051】
ピストン95は、チャンバ48内にロッド75を延在させる中央開口を具えている。さらに、ガスケットまたは他のシール手段(図示せず)が好適にピストン95の周囲に設けられ、ロッド75がここをスライド可能であるが、チャンバ48のシールが維持されるようにする。好適には、ロッド75はピストン95の開口にぴったりフィットするが、ユーザが過度の力を与えなくても本体49に関して可動である。別の実施例では、ロッド75はピストン95に固定されてもよく、またラッチ機構(図示せず)を設けて選択的にロッド75がピストン95に固定されるようにしてもよい。
【0052】
器具13では、ストップリング96がロッド75の周囲に選択的に設けられ、チャンバ48内を延在するロッド75の距離を制限できるようにしている。好適には、器具13の利用者がストップリング96をロッド75の長さにおける所望の位置に固定するが、これは最初から固定されていてもよい。限定しない例として、このストップリング96はロッド75の周りで、従順で、可動であるがぴったりフィットし、ストレッチ性がある。あるいは、このストップリング96はロッド75にロックスクリュで固定されていてもよい。図1Bに示すように、ロッド75が本体49に対してチャンバ48内に移動し、ストップリング96がピストン95に当接したら、ピストン95がチャンバ48内をロッド75とともに移動する。バルブ15はピストン95の移動に先立ち開かれ、あるいはチャンバ48内に各成分の圧縮により動作の妨げとなり、あるいはピストン95と本体49間のシールを通過して漏れるのが促進される。
【0053】
図6A、6Bを参照すると、本発明の更なる別の態様が示されており、図3,4,5A−Bの器具12,12’、13といった供給器具とともに着脱式ミキシングカートリッジ66を用いることができる。ミキシング本体49にこのカートリッジ66を適用するために僅かな変更をなすことが必要であり、スナップ式ロック機構でチャンバ45にフィットするサイズにする等である。このカートリッジは骨接合剤の個体成分70が予め組み込まれ閉塞されたチャンバ69を構成している。カートリッジ66の第1の端部67には閉鎖された開口65が設けられ、針72を挿入して骨接合剤71の液体成分を注入することができる。液体成分71を加えた後、カートリッジ66を(攪拌するのではなく)振って、接合剤の成分を混合する。カートリッジ66は、カートリッジ66内に封入されカートリッジを振る際によく混合されるよう一体的なミキシングパドル(図示せず)を設けて設計されてもよい。このカートリッジはその後、(ミキシングアセンブリ76または86の遠位の開口を介して)第2の本体49に挿入される。接合剤の液体成分71をチャンバ69に注入するのと同じ開口65を、接合剤の成分を供給チャンバ45に供給するバルブ15の開口に整列する。あるいは、カートリッジ66の反対側の端部68を介して流通がなされるようにしてもよい。
【0054】
以降に明らかとなるが、別の実施例では、固体と液体成分70、71の双方がカートリッジ66に、十分に振ると破れるバリヤで隔てられて予め配置されていてもよい。これも明らかになるが、上述したように本体49にミキシングアセンブリ76または混合および供給アセンブリ86、あるいはこれらの変形例を設けてもよい。
【0055】
次に図7A−7Cを参照すると、本発明の別の態様にかかる、任意の体腔(図示せず)に挿入されるカニューレ(図示せず)用の骨接合剤の混合供給器具700が示されている。一般に、器具700はシリンジのようなチューブ型本体702と、ロッド726と、ミキシングディスク712と、可動式押出ピストン718とを具えている。
【0056】
このチューブ型本体702は近位の部分704とテーパ形の遠位の部分706とを具え、内側にミキシングチャンバ708が構成されており、この中で骨接合剤710および/または生態適合材料が混合され収容される。テーパ形の遠位の部分706は、チャンバ708に連通する細い開口720を有する。下側ロックまたは他のコネクタ722を開口720に設けて、カニューレ(図示せず)の補足コネクタと組み合わせて骨接合剤710を処置サイトに供給し易くしている。このコネクタ722はキャップ(図示せず)または他の手段を具え、骨接合剤が混合課程において開口720から漏出しないようにしている。
【0057】
可動式の押出ピストン718がチューブ型本体702とロッド726とは別個に、内部チャンバ708の近位の部分704に配設されている。この押出ピストン718の外周は、チューブ型本体702の内周にぴったりフィットするサイズである。ガスケット、O−リング、あるいは他の種類のシール手段が押出ピストン718の周囲に設けられ、チャンバ708内の骨接合剤710が押出ピストン718とチューブ型本体702の内壁の間を通過しないようにしている。この押出ピストン718は、ロッド726を内部チャンバ708内に延在させる中央開口(図示せず)を具える。ガスケットまたは他のシール手段(図示せず)をこの開口の周りに設けて、ミキシングロッド728がここをスライド移動できるようにする。混合工程において、押出ピストン718は動かず、好ましくはチューブ型本体702の近位の端部738に設けられた着脱式カバー732に取り付けられている。この押出ピストン718は着脱式カバー732に、当業者にとって公知な手段により機械的に固定されていてもよい。
【0058】
ミキシングディスク712がロッド726の遠位の端部に取り付けられている。このミキシングディスク712は、上述のように骨接合剤の混合を促進すべく設計された複数の穴714を具える。ロッド726の近位の端部734にはハンドル730が設けられている。このロッド726は、ハンドル730に設けられたボタン724から遠位の端部736まで軸方向に延在する内腔728を具えている。このロッド726では、ボタン724がロック機構716を制御するよう構成されている。このロック機構716は押出ピストン718と係合するよう構成されている。
【0059】
この混合/供給器具700の操作時には、骨接合剤のすべての成分を内部ミキシングチャンバ708に入れる。その後、利用者はロッド726をチューブ型本体702に対して前後に動かして各成分を混合し、またロッド726をその中心軸の周りで回転させてもよく、この動作によりミキシングディスク712が複数成分の骨接合剤の中を通過して各成分を混ぜ合わせる。押出ピストン718は、この混合プロセスの間、チューブ型本体702の近位の端部738の位置に留まっている。
【0060】
混合プロセスが完了したら、利用者は選択的に、骨接合剤710を注入すべきとなったら、押出ピストン718を連動させる。押出ピストン718を連動させるには、ミキシングディスク712がチューブ型本体702の近位の端部738側に移動して押出ピストン718に当接するようにロッド726を引っ張る。ボタン724を押して、ロック機構716を動作させて、図7Bに示すように押出ピストン718をロッド726と係合させる。図に示すように、ロック機構716は、ロッド726から突出して押出ピストン718に係合するタブを具えている。この機構は例示であって、本願に適用可能な機構の種類を限定するものではない。このロック機構716の動作により、ミキシングディスク714と押出ピストン718が合着する。押出ピストン718がロックされると、ミキシングディスク712と押出ピストン718は一緒に遠位の方向へ移動し、図7Cに示すように接合剤を押し出す。
【0061】
別の実施例では、ロッド726は、カバーの上に取り付けられたネジ式ブランケットに対応するネジが形成されていてもよい。この代替例では、ブラケットはクイックリリース機構を具える。上述のように混合が完了したら、ハンドルを回転させるとロッドがチューブ型本体内で遠位の方向に移動してネジ式ブラケットと係合し、ロッドが押出ピストンやミキシングディスクとともにチューブ型本体内をスクリュ状に移動して骨接合剤が押し出される。
【0062】
図8Aは、本発明の一実施例にかかる混合/供給ロッド800の組み合わせを示す図である。この混合/供給ロッド800は一般に、遠位の端部804と近位の端部806とを有するロッド802を具える。ロッド802の近位の端部806にはハンドル810が設けられている。ロッド802の遠位の端部804には、第1のミキシングディスク820と第2のミキシングディスク830の2枚のミキシングディスクが設けられる。第1および第2のミキシングディスク820、830は、図7A−7Cに示すように、チューブ型本体の内周面にぴったりフィットする寸法の外周を有する。
【0063】
図8Bは、第1のミキシングディスク820の実施例を示す図である。第1のミキシングディスク820は複数の穴822(a−d)を具え、これらの穴822(a−d)は骨接合剤が通過可能であり適切に混合される一方、混合/供給ロッド800に過度の力をこめなくても動く程度のサイズである。図面では4つの穴822(a−d)を具えるが、これは第1のミキシングディスクに設ける穴の数を限定するものではない。ガスケット、O−リング814または他の種類のシーリング手段が第1のミキシングディスク820の外周に設けられ、骨接合剤を押し出した後にチューブ型本体(図示せず)に残る骨接合剤が最小限となるようにしている。第1のディスク820はさらに、後述するように穴が整列した場合に第1のミキシングディスク820を第2のミキシングディスク830にロックするクリップ824(a−d)を具えている。
【0064】
図8Cは、第2のミキシングディスク830の実施例を示す図であり、これもまた複数の穴832(a−d)を具えている。第1のミキシングディスク820と同様に、第2のミキシングディスク830の穴832(a−d)は、骨接合剤が穴を通過可能であって、過度の力をこめなくても混合/供給ロッドが動くように設計されている。また第1のミキシングディスクと同様に、図示する穴の数は第2のミキシングディスクの穴の数を限定するものではない。
【0065】
第1のミキシングディスク820の穴822(a−d)と、第2のミキシングディスク830の穴832(a−d)は、図8Dのようにこれらの穴が整列するよう配置される。整列すると、骨接合剤が第1および第2のミキシングディスク820、830の双方を通過することが可能となり、混合/供給ロッド800を骨接合剤の混合に用いることができる。クリップ824(a−h)は穴822(a−d)が穴832(a−d)と一直線上となるよう作用する。このクリップ824(a−d)はテンションクリップであり、僅かの力で解放することができる。ロッドのロック機構などの代替手段を用いて、第1および第2のディスク820、830の穴を整列させ、この実施例と同様となるようにしてもよい。
【0066】
さらに、第1のミキシングディスク820の穴822(a−d)と、第2のミキシングディスクの穴832(a−d)は、図8Eに示すようにオフセットしていてもよい。オフセットさせると、第1のミキシングディスク820の穴822(a−d)が第2のミキシングディスク830の穴のあいていない部分で塞がれ、他方も同様となる。この構成とすると、混合/供給ロッド800を、骨接合剤を押し出すのに用いることができる。
【0067】
好適には、第2のミキシングディスク820と第2のミキシングディスク830の穴の数、形状、サイズは同じであり、容易に整列あるいはオフセットできるようにしている。
【0068】
混合/供給ロッド800で骨接合剤を混合する際に、穴822(a−d)と穴832(a−d)は整列され、クリップ824(a−h)は係止状態である。骨接合剤の混合は、上述した従来通りの方法で行われる。骨接合剤が完全に混合され、供給できる状態となったら、混合/供給ロッド800をミキシングチャンバの近位の端部側に完全に引っぱる。その後ミキシングロッドのハンドル810を回転させてクリップ824(a−h)を解放し、すなわち本実施例では第1のミキシングディスク820を第2のミキシングディスク830に対して約45度回転させ、穴822(a−d)と832(a−d)をオフセットさせる。これらの穴をオフセットさせると、第1のミキシングディスク820と第2のミキシングディスク830が互いの穴を塞ぐ。これにより第1および第2のミキシングディスク820、830が共同して押出ピストンを構成し、ロッド802および第1と第2のミキシングディスク820、830を押すと骨接合剤が押し出される。
【0069】
図9は、押出ピストン910をミキシングディスク930に係合するロック機構を具える混合/供給ロッド900の別の組み合わせを示す図である。この混合/供給ロッド900は基本的に、近位の端部904と遠位の端部906を有するロッド902を具える。ロッド902の近位の端部904にはハンドル908が設けられている。ロッド902の遠位の端部にはミキシングディスク930が設けられている。このミキシングディスク930は複数の穴932を有し、骨接合剤の混合が促進されるようにしている。また、ロッド902の遠位の端部906の近傍にはロッド係止機構912が設けられている。このロッド係止機構912は、押出ピストン910と係合し押出ピストン910をミキシングディスク930と接合する位置に固定する。
【0070】
図9Aは、骨接合剤を混合するよう構成された混合/供給ロッド900を示す図である。この構成において、押出ピストン910はハンドル908に固定されている。混合/供給ロッド900が混合のために組み立てられたとき、ミキシングディスク930の穴は遮られず、ミキシングディスク930が骨接合剤を軸方向に進むときに骨接合剤はミキシングディスク930の穴を自由に通過できる。押出ピストン910は様々な公知の手段でハンドル908に固定されてもよいが、例えば図に示し後述するようなロックエクステンション916の機械的手段で固定することができる。
【0071】
図9Bは、骨接合剤を押し出すよう構成された混合/供給ロッド900を示す図である。この構成において、押出ピストン910はロッド902の遠位の端部のミキシングディスク930に固定されている。混合/供給ロッド900が骨接合剤を供給する際、押出ピストン910はミキシングディスク930に当接して穴932が塞がれ、骨接合剤がミキシングディスク930を通過するのが防止される。押出ピストン910はみきしんぐディスク930に様々な公知の手段で固定されてもよいが、例えば図に示し後述するようなロックピン912のような機械的手段で固定することができる。
【0072】
図9Cは、押出ピストン910の例を示す平面図である。この押出ピストン910は、図4Aのチャンバ48や図7のチャンバ708のようなミキシングチャンバ(図示せず)内で骨接合剤を圧迫するよう構成された硬質の円盤である。ガスケット、O−リング914または他の種類のシール手段を押出ピストン910の外周に設け、ミキシングチャンバ内の骨接合剤が押出ピストンとミキシングチャンバ内壁の間を通過するのを防ぐようにしている。押出ピストン910は、押出ピストンがハンドル908に当接する位置に保持されるようにハンドル908の内側面に合致するよう構成されている。ここで合致させるために、押出ピストン910は、ハンドル908内に延在するよう設計されたロックエクステンション916を具えている。このロックエクステンション916はピストン910が不意にハンドル908から離れるのを防止する。このロックエクステンションは、ハンドル908に設けられたプッシュボタン934を介して制御される。押出ピストン910からハンドル908に垂直方向に延在するのにロックエクステンション916を示したが、これは押出ピストン910をハンドル908に取り付ける機構を限定するものではない。押出ピストン910をその位置に解放可能に保持する様々な機構を本発明に適切に用いることができ、後述するように押出ピストン910をミキシングディスク930に接合させるロックロッド機構などを用いることができる。押出ピストン910はさらに、後述するロックロッド機構912と係合する溝920を設けて構成してもよい。
【0073】
上述した図面に関する記述の通りに骨接合剤を混合したら、プッシュボタン934を押して押出ピストン910をハンドル908から解放する。この押出ボタン910はその後、図9Bに示すようにロッド902の遠位の端部906に固定される。押出ピストン910はミキシングディスク930に接合し、ロッド係止機構912によりその位置に保持される。ロッド係止機構912は押出ピストン910に契合し、押出ピストン910がロッド902から独立して動くのを防止するとともに、押出ピストン910をミキシングディスク930に密接させた状態を保持する。このロッド係止機構は、ロッド902をミキシングチャンバの近位の端部側に軸方向に引っ張ることにより係合する。ロッド902を近位の端部に引っ張ると、ロッド係止機構912は押出ピストン910の遠位の面918の溝920と整列する。その後ハンドル908を回転させ、ロッド係止機構912を押出ピストン910の遠位の面918の溝920に係合させる。この回転により、押出ピストン」910がロッド902に固定される。このように押出ピストン910をロックしたら、ロッド902をチャンバ内で遠位の方向に押して、ミキシングディスク930と押出ピストン910が混合された骨接合剤を押し出すようにする。この押出ピストン910はミキシングディスク930の穴をカバーし、骨接合剤がこの穴を通過するのが防止されるとともに、骨接合剤をチャンバの遠位の方向に押しやる。
【0074】
図10A、10Bは、図3、図4、図5A、5Bに示す器具のような骨接合剤供給器具のバルブ15として用いるよう構成されたバルブ1000を示す図である。読者の便宜のために、図3の実施例を図10A、10Bで再び紹介する。液体成分と混合されていない粉体成分が一部でもあると不都合である。最良なのは、ミキシングチャンバの近位の端部の内面がミキシングディスクと同じ輪郭を有することである。例えば、ミキシングディスクがフラットな輪郭の場合、ミキシングチャンバ48の端部の内面もまたフラットとなるべきである。しかしながら、ミキシングチャンバ48が供給チャンバ45に連通する必要があるため、別の問題がある。このため、ミキシングチャンバ48と供給チャンバ45がバルブで連結されると、このバルブもミキシングディスクと同じ外形を有する必要があり、バルブがミキシングチャンバ48の端部の内面と同一面上に収まっている必要がある。
【0075】
図10Aと10Bはバルブ1000のA−A線断面図である。このバルブ1000は、ミキシングチャンバ48と供給チャンバ45とを連通させるスライド部材である。このバルブ1000は、開口73を開いたり、遮蔽したり、部分的に遮断したりする可動部を有し、これにより骨接合剤の流量を制御することができる。この可動部1004は、バルブ1000から延在するアーム1002により制御される。可動部1004は供給チャンバ45の軸方向に動くスライド部材である。この可動部1004の外形は、チャンバ内部の端部面と同じ外形に構成され、すなわちフラットな部材として構成される。図10Aではバルブ1000が開位置にあり、可動部1004が開口73を閉鎖していない。図10Bではバルブ1000が閉位置にあり、可動部1004が開口73をカバーしており、骨接合剤がミキシングチャンバ48から供給チャンバ45に移動することができない。この閉位置において、バルブ1000はまた供給チャンバ45に移された材料が再びミキシングチャンバ48に戻るのを防止する。
【0076】
図11A、11Bは図3、図4、図5A、5Bに用いるよう構成されたバルブの別の実施例を示す図である。図11A、11Bは、図3のA−A線断面図である。このバルブは基本的に、バルブ1000と同様の動作をし、可動部1102を具えている。この可動部1102は、供給チャンバ45の長軸を横切るように移動するスライド部材である。図11Aではバルブ1100が開位置にあり、可動部1102は開口73を遮断していない。図11Bではバルブ1000が閉位置にあり、可動部1102が開口73をカバーして骨接合剤がミキシングチャンバ48から供給チャンバ45に移動するのが防止される。この可動部1102は供給チャンバ34の断面を通って押される。図では長軸を横切る方向に移動しているが、当業者であれば可動部は供給チャンバ45の様々な方向であって供給チャンバ45の軸に整列する以外の方向を横切るように設計できることを理解するであろう。
【0077】
図10A、10B、11A、11Bのバルブの別の実施例として、可動部1004、1102はそれぞれ液体が通過できる通路を設けて構成してもよい。可動部1004、1102が図10A、10B、11A、11Bで説明したようにバルブとスライド係合する際に、可動部1004、1102の通路が供給チャンバ45内で開口73と一直線上となり、骨接合剤がミキシングチャンバ48から供給チャンバ45に流出可能となる。この通路が開口と整列しない場合には、骨接合剤はミキシングチャンバと供給チャンバ間を移動することができない。
【0078】
使用の際に、ミキシングチャンバの底部は供給チャンバのバルブを介して連通する必要がある。このため、バルブの可動部はミキシングディスクをフラットに閉塞するか同一面上となるよう設計される。図に示す実施例ではフラットであるが、可動部の形状はミキシングディスクやミキシングチャンバの輪郭に応じて変化してもよい。
【0079】
図12は、任意の体腔(図示せず)に挿入されるカニューレ(図示せず)に骨接合剤を供給し混合する更なる別の器具を示す図である。基本的に、この器具1200は混合/供給チャンバ1202(図12A)と、ミキシングロッド1220(図12A)と、ピストンロッド1240(図12B)とを具えている。
【0080】
混合/供給ロッド1202は近位の端部1204とテーパ形の遠位の端部1206とを具え、内部チャンバ1208を構成しており、この中で骨接合剤および/または生態適合材料(図示せず)が混合されその後供給される。テーパ形の遠位の部分1206は、内部チャンバ1208に通じる細い開口1210を有する。下側ロック1212または他のコネクタが開口部に設けられており、カニューレの補助コネクタと協力して骨接合剤を処置サイトに容易に供給できるようにしている。このコネクタはまた、混合工程において骨接合剤が開口1210から漏れるのを防止するキャップ(図示せず)または他の手段を具えてもよい。近位の部分1204は近位の端部1216から遠い部分の縁1214を有する。この縁1214は、後述するように混合/供給チャンバ1202に設けられた着脱式カバーに対応するネジが形成されたエッジ1218を具えてもよい。
【0081】
ミキシングロッドアセンブリ1220は基本的に、遠位の端部1222と近位の端部1226を有するロッド1221を具える。ロッド1221の遠位の端部1222には穴のあいたミキシングディスク1224が設けられている。ロッド1221の近位の端部1226にはハンドル1228が設けられている。また、長軸の周りに混合/供給チャンバ1202の近位の端部1216を包む寸法のカバー1230が配設されている。カバー1230の内周面1232には、縁1214のネジ1218に対応するネジが形成されている。このカバーは開口1234を具え、ここにロッド1221が通過する。好適には、ロッド1221は開口1234にぴったりフィットするが、利用者が過度の力をこめなくともカバー1230に対して動かすことができる。ガスケットまたは他のシール手段(図示せず)が開口1234の周囲に設けられており、閉塞するとともにロッド1221がスライド可能としている。
【0082】
供給ロッドアセンブリ1240は基本的に、遠位の端部1244と近位の端部1250を有し、ネジが形成されたロッド1242を具えている。ネジが形成されたロッド1242の遠位の端部1244にはピストン1246が設けられている。ガスケット、O−リング1248または他のシール手段がピストン1246の外周に設けられ、名産チャンバ1208内の骨接合剤がピストン1246と混合/供給チャンバ1202の内壁との間を通過しないようにしている。ネジが形成されたロッド1242の近位の端部1250にはハンドル1252が設けられている。また、長軸の周囲には、混合/供給チャンバ1202の近位の端部1216を包むサイズのカバー1254が設けられている。このカバーの内周面1256には縁1214のネジ1218に対応するネジが形成されている。カバー1254はネジが形成されロッド1242を受ける開口1258を具える。このネジ式開口1258は、ネジ式ロッド1242に対応するよう設計されている。従来からの方式により、ネジ式ロッド1242をネジ式開口1258に対して時計方向に回転させてネジ式ロッド1242がネジ式開口1258内で移動するようにすると、供給ロッド1240がネジ式開口1258内で動く。反対に、ネジ式ロッド1242をネジ式開口1258に対して反時計回りに回転させてネジを緩めると、ネジ式ロッド1242をカバー1254から取り外すことができる。
【0083】
この混合/供給器具1200の使用時には、骨接合剤のすべての成分を内部チャンバ1208に入れる。その後、カバー1230のネジを縁1214のネジに合わせカバー1230と縁1214をともに回転させることにより、ミキシングロッドアセンブリ1220を混合/供給チャンバに取り付ける。カバーを取り付けたら、ロッド1221を内部チャンバ1208内で前後に動かし、これにより穴あきミキシングディスク1222を骨接合剤内で動かすことにより成分が混合される。ロッド1221を中心軸の周りで回転させ、混合プロセスを促進してもよい。混合が完了したら、カバー1230と縁1214の螺合を解除し、ミキシングロッドアセンブリ1220を混合/供給チャンバから取り外して廃棄する。
【0084】
その後、カバー1243のネジ1256を縁1214のネジ1218に合わせカバー1254と縁1214をともに回転させることにより、押出ロッドアセンブリ1240を混合/供給チャンバ1202に取り付ける。カバーを取り付けたら、ハンドル1252を回転させてネジ式ロッド1242とピストン1246を内側チャンバ1208内でスクリュ状に動かすことにより、混合された骨接合剤を押し出す。この動作により、ピストン1246が混合/供給チャンバ1202の遠位の端部1206側へ移動し、骨接合剤が開口1210側に圧迫される。
【0085】
好適には、プレパッケージされた混合/供給チャンバすなわちモノマーとポリマーが内側チャンバに予め装填されたものには交換可能な混合供給プランジャを使用する。
【0086】
骨接合剤の混合は発熱作用があり、このため、各成分および/または混合チャンバを冷やして反応を抑え、その後の骨接合剤の使用可能期間を延ばすことが好ましい。さらに、反応を抑えることにより、骨接合剤の供給できる時間を増やすことができる。簡単な形では、ミキシングチャンバをアイスパック、例えば使い捨ての即席アイスパックで包んで各成分および/またはミキシングチャンバを冷却することができる。あるいは、より手の込んだ冷却システムを器具に設けてもよく、例えばハンドルおよび/または伸長チューブに冷却水を循環させて使用可能時間を延ばすようにしてもよい。
【0087】
さらに、混成物を所望のアプリケーションに使用する前に、骨接合剤が完全に混合されていることが保証されることが望ましい。乾燥成分と液体成分を図3で説明したように振って、あるいはミキシングロッドなどの混合手段により混合したら、混合した混合剤を固定ミキサにかけることが望ましい。この固定ミキサは供給器具の遠位の端部の開口に取り付ける。このようにすると、骨接合剤をその流路における静止オブジェクトにかけて当該オブジェクトを通過する際に骨接合剤がさらに混合される。固定ミキサは供給チャンバをサイト供給器具に接続するカニューレといった伸長チューブに組み込まれていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
本発明の実施例の構成および利点を示す図面において、同様の要素は共通の参照番号を付している:
【図1】図1Aおよび図1Bは、本発明の一態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の第1実施例の切り欠き(cut-away)側面図である。
【図2】図2は、本発明の別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の第2実施例の切り欠き側面図である。
【図3】図3は、本発明の更なる別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の更なる実施例の切り欠き側面図である。
【図4】図4は、本発明の更なる別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の更なる実施例の切り欠き側面図である。
【図5】図5Aおよび図5Bは、本発明の更なる別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の更なる実施例の切り欠き側面図である。
【図6】図6Aおよび図6Bは、本発明の更なる別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具に任意に使用可能な個別のミキシングカートリッジの切り欠き側面図である。
【図7】図7A−Cは、本発明の別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の実施例の切り欠き側面図である。
【図8】図8Aは、本発明の更なる態様にかかる、骨接合剤混合/供給ロッドの切り欠き側面図である。図8B−8Eは、図8Aの混合/供給ロッドに用いる混合/供給ディスクの一実施例の平面図である。
【図9】図A9および図9Bは、本発明の更なる別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給ロッドの切り欠き側面図である。図9Cは、図9A−9Bの混合/供給ロッドに用いる押出ピストンの一実施例の平面図である。
【図10】図10Aおよび図10Bは、図4の骨接合剤混合/供給器具に用いるバルブの一実施例の平面図である。
【図11】図11Aおよび図11Bは、図4の骨接合剤混合/供給器具に用いるバルブの別の実施例の断面図である。
【図12】図12Aおよび図12Bは、本発明の別の態様にかかる、骨接合剤混合/供給器具の更なる別の実施例の切り欠き側面図である。
【図1A】
【図1B】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数成分でなる混成物を混合しカニューレに供給する器具であって:
内部に前記複数成分の混成物を混合する内部チャンバを規定するチューブ型本体であって、遠位の端部に前記内部チャンバに通じる開口を具えるチューブ型本体と;
前記チューブ型本体内に配置されるロッドと;
前記チューブ型本体と独立して内部配置される可動ピストンとを具えることを特徴とする器具。
【請求項2】
請求項1の器具において、前記複数成分の混成物が骨接合剤を含むことを特徴とする器具。
【請求項3】
請求項1または2の器具がさらに、前記ロッドの遠位の端部の近傍にミキシングディスクまたはミキシングパドルを具えることを特徴とする器具。
【請求項4】
請求項1−3のいずれかの器具において、前記チューブ型本体の近位の端部は着脱式のカバーを設けて構成されていることを特徴とする器具。
【請求項5】
請求項1−4のいずれかの器具において、前記可動ピストンが、前記ロッドを延在させる中央開口を具えることを特徴とする器具。
【請求項6】
請求項4の器具において、前記可動ピストンは前記着脱式のカバーに取り付けられていることを特徴とする器具。
【請求項7】
請求項3の器具がさらに、前記可動ピストンを前記ロッドの遠位の端部の前記ミキシングディスクまたはミキシングパドルに取り付ける機構を具えることを特徴とする器具。
【請求項8】
請求項1の器具がさらに:
第1のミキシングディスクと;
第2のミキシングディスクとを具え、前記第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクは前記ロッドの遠位の端部の近傍に配置されていることを特徴とする器具。
【請求項9】
請求項8の器具において、前記第1のミキシングディスクがさらに、前記第1のミキシングディスクを第2のミキシングディスクに合着するよう設計されたクリップを具えており、前記第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクが合着するとピストン機構となることを特徴とする器具。
【請求項10】
請求項8または9の器具において、前記第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクがそれぞれ複数の穴を具え、前記第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクの穴の数は等しいことを特徴とする器具。
【請求項11】
請求項1−10のいずれかの器具において、さらに前記可動ピストンの外周にシール手段が設けられていることを特徴とする器具。
【請求項12】
請求項5の器具がさらに、ハンドルと、前記可動ピストンを前記ハンドルに着脱可能に取り付ける手段とを具えることを特徴とする器具。
【請求項13】
請求項12の器具において、前記ハンドルが、前記可動ピストンを係合または解放するプッシュボタンを具えることを特徴とする器具。
【請求項14】
複数成分でなる骨接合剤を混合および供給する器具であって:
ミキシングチャンバを構成するハウジングを具え、当該ハウジングは前記ミキシングチャンバに通じる近位および遠位の開口をそれぞれ具えており、前記ミキシングチャンバの少なくとも近位の開口からの一部がほぼ同じ断面形状をなし;
前記ハウジングの近位の開口から前記ミキシングチャンバ内に延在するロッドを有するミキシングアセンブリを具え、前記ロッドの遠位の端部の近傍にミキシング部材が取り付けられており、当該ミキシング部材は、前記ハウジングに対し前記ロッドを動かすことにより前記ミキシング部材が前記ミキシングチャンバ内の骨接合剤を混合する構成を有し;
前記ミキシングチャンバの近位の開口をほぼ閉塞する寸法の外周を有する押出ピストンを具え、当該ピストンは前記ミキシングチャンバ内を遠位の方向に移動可能であり、前記ロッドを前記ミキシングチャンバ内へと延在させる開口を具えていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項15】
請求項14のアセンブリにおいて、前記押出ピストンが前記ハウジングの内壁に螺合しており、前記ロッドを前記ハウジングに対して回転させると前記ピストンが前記ミキシングチャンバ内をスクリュ状に遠位の方向に移動することを特徴とするアセンブリ。
【請求項16】
請求項15のアセンブリにおいて、前記押出ピストンとハウジング内壁の少なくとも一方が1またはそれ以上の螺旋形に曲がった半径方向に突出するネジ山を具え、前記ミキシングチャンバ内の圧力が所定値を超えたらピストンまたは内壁のネジ山が崩れるよう設計されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項17】
請求項14−16のいずれかのアセンブリがさらに、前記ミキシングチャンバを冷却する統合冷却システムを具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項18】
請求項14−17のいずれかのアセンブリにおいて、前記ミキシングアセンブリは前記ロッドの遠位の端部に取り付けられる複数のミキシング部材を具え、各ミキシング部材は、前記ロッドを前記ハウジングに対して動かすと前記ミキシング部材がミキシングチャンバ内の骨接合剤の混成物を混合するよう構成されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項19】
請求項18のアセンブリにおいて、前記第1のミキシング部材が穴のあいたディスクを具え、前記第2のミキシング部材が複数の回転ブレードを具え、前記穴のあいたディスクは前記ロッドにおいて前記複数の回転ブレードから遠位の側に取り付けられていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項20】
請求項14−19のいずれかのアセンブリがさらに、前記ハウジングの遠位の開口あるいはその近傍に、そこを通る骨接合剤に接触するセンサを具え、当該センサが信号を出力することを特徴とするアセンブリ。
【請求項21】
請求項20のアセンブリにおいて、前記ミキシングチャンバ内のピストン動作の少なくとも一部が、前記センサの出力信号に基づいて制御されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項22】
請求項20または21のアセンブリにおいて、前記センサの出力信号はミキシングチャンバ内のいずれかの圧力を示し、あるいは前記骨接合剤の温度を示すことを特徴とするアセンブリ。
【請求項23】
請求項20−22のいずれかのアセンブリがさらに、前記ハウジングの遠位の開口に通じる出力バルブを具え、当該バルブの制御の少なくとも一部は、前記センサの出力信号に基づいて、前記チャンバから押し出される骨接合剤の供給先を患者に供給される管腔とシャント管腔間で切り替えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項24】
請求項14−23のいずれかのアセンブリがさらに、前記ロッドがミキシングチャンバ内を遠位の方向に進む際に前記ロッドを前記ピストンに係止させ移動させるよう任意の位置に配置される止め具を具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項25】
請求項14−24のいずれかのアセンブリがさらに、前記チャンバをそれぞれ独立した第1と第2のセクションに分けるバリヤを具え、前記第1のセクションが液体の骨接合剤成分を内包し、第2のセクションが固体の骨接合剤成分を内包し、前記バリヤは十分な力を加えると破れる種類のものであることを特徴とするアセンブリ。
【請求項26】
請求項25のアセンブリにおいて、前記液体または固体の成分の一方が、ミキシングチャンバのそれぞれのセクションにおいて真空状態でシールされていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項27】
請求項14−26のいずれかのアセンブリがさらに、前記ミキシングチャンバと連通し患者側に供給するチューブと、前記ミキシングチャンバと患者側供給チューブの一方または双方を冷却する統合冷却システムとを具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項28】
複数成分からなる骨接合剤を混合し供給する器具であって:
供給チャンバを構成する第1の本体を具え、この第1の本体はそれぞれ前記供給チャンバに通じる近位のおよび遠位の開口を有し、前記供給チャンバの少なくとも近位の開口からの一部がほぼ同じ断面形状をなし;
前記第1の本体に連結される第2の本体を具え、この第2の本体はミキシングチャンバを構成しており;
前記第2の本体が前記第1の本体に連結された場合に前記ミキシングチャンバを選択的に前記供給チャンバに連通させるチャンバ間バルブを具え;
前記供給チャンバの近位の端部から延在する押出ロッドの遠位の当接端部に取り付けられた押出ピストンを具える押出アセンブリを具え、前記押出ピストンは前記供給チャンバの近位の開口をほぼ閉塞する寸法の外周を具え、前記押出ロッドを前記第1の本体に対して動かすことにより前記押出ピストンが供給チャンバ内を遠位の方向に移動することを特徴等するアセンブリ。
【請求項29】
請求項28のアセンブリにおいて、前記押出ピストンは前記第1の本体の内壁に螺合しており、前記押出ロッドを前記第1の本体に対して回転させることにより、前記ピストンが前記供給チャンバ内を遠位の方向にスクリュ状に移動することを特徴とするアセンブリ。
【請求項30】
請求項29のアセンブリにおいて、前記押出ピストンと第1の本体の内壁の少なくとも一方が螺旋形に曲がり半径方向に突出する1またはそれ以上のネジ山を具えるとともに、前記供給チャンバ内の圧力が所定値を超えたらピストンまたは内壁のネジ山が崩れるよう設計されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項31】
請求項28−30のいずれかのアセンブリにおいて、前記第2の本体が前記ミキシングチャンバに通じる開口を具え、前記アセンブリがさらに前記第2の本体の開口を通って前記ミキシングチャンバにフィットするサイズのミキシングカートリッジを具え、このカートリッジが、当該カートリッジがミキシングチャンバ内に配置され前記第2の本体が第1の本体に取り付けられたときにチャンバ間バルブで連通する位置に設けられた閉塞可能な開口を具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項32】
複数成分からなる骨接合剤を混合し供給する器具であって:
供給チャンバを構成する第1の本体と;
当該第1の本体に連結可能な第2の本体とを具え、当該第2の本体がミキシングチャンバを構成し、前記第2の本体が前記ミキシングチャンバに通じる近位の開口を具え、前記供給チャンバの少なくとも近位の開口からの一部がほぼ同じ断面形状をなし;
前記第2の本体を第1の本体に連結した場合に前記ミキシングチャンバと供給チャンバを連通する位置変更可能なチャンバ間バルブと;
ミキシングアセンブリとを具え、当該ミキシングアセンブリが
前記ミキシングチャンバ内に延在する遠位の端部を有するミキシングロッドと、
前記ミキシングロッドの遠位の端部に取り付けられたミキシング部材と、
前記ミキシングチャンバの近位の開口をほぼ塞ぐ寸法の外周を有するミキシングチャンバ押出ピストンとを具え、このピストンが前記ミキシングチャンバ内で遠位の方向に移動可能であり、当該ピストンが前記ロッドを通す開口を具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項33】
請求項32のアセンブリがさらに、前記ミキシングロッドに位置選択可能に取り付けられ前記ミキシングロッドを前記ミキシングチャンバ内で動かした場合に前記ミキシングチャンバ押出ピストンに当接して移動させる止め具を具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項34】
請求項33のアセンブリにおいて、前記止め具は前記ミキシングロッドの周囲に絞りばめ(interference fit)を構成する弾性リングを具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項35】
請求項32のアセンブリにおいて、前記止め具は前記ロッドにネジで固定されるロック部材を具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項1】
複数成分でなる混成物を混合しカニューレに供給する器具であって:
内部に前記複数成分の混成物を混合する内部チャンバを規定するチューブ型本体であって、遠位の端部に前記内部チャンバに通じる開口を具えるチューブ型本体と;
前記チューブ型本体内に配置されるロッドと;
前記チューブ型本体と独立して内部配置される可動ピストンとを具えることを特徴とする器具。
【請求項2】
請求項1の器具において、前記複数成分の混成物が骨接合剤を含むことを特徴とする器具。
【請求項3】
請求項1または2の器具がさらに、前記ロッドの遠位の端部の近傍にミキシングディスクまたはミキシングパドルを具えることを特徴とする器具。
【請求項4】
請求項1−3のいずれかの器具において、前記チューブ型本体の近位の端部は着脱式のカバーを設けて構成されていることを特徴とする器具。
【請求項5】
請求項1−4のいずれかの器具において、前記可動ピストンが、前記ロッドを延在させる中央開口を具えることを特徴とする器具。
【請求項6】
請求項4の器具において、前記可動ピストンは前記着脱式のカバーに取り付けられていることを特徴とする器具。
【請求項7】
請求項3の器具がさらに、前記可動ピストンを前記ロッドの遠位の端部の前記ミキシングディスクまたはミキシングパドルに取り付ける機構を具えることを特徴とする器具。
【請求項8】
請求項1の器具がさらに:
第1のミキシングディスクと;
第2のミキシングディスクとを具え、前記第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクは前記ロッドの遠位の端部の近傍に配置されていることを特徴とする器具。
【請求項9】
請求項8の器具において、前記第1のミキシングディスクがさらに、前記第1のミキシングディスクを第2のミキシングディスクに合着するよう設計されたクリップを具えており、前記第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクが合着するとピストン機構となることを特徴とする器具。
【請求項10】
請求項8または9の器具において、前記第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクがそれぞれ複数の穴を具え、前記第1のミキシングディスクと第2のミキシングディスクの穴の数は等しいことを特徴とする器具。
【請求項11】
請求項1−10のいずれかの器具において、さらに前記可動ピストンの外周にシール手段が設けられていることを特徴とする器具。
【請求項12】
請求項5の器具がさらに、ハンドルと、前記可動ピストンを前記ハンドルに着脱可能に取り付ける手段とを具えることを特徴とする器具。
【請求項13】
請求項12の器具において、前記ハンドルが、前記可動ピストンを係合または解放するプッシュボタンを具えることを特徴とする器具。
【請求項14】
複数成分でなる骨接合剤を混合および供給する器具であって:
ミキシングチャンバを構成するハウジングを具え、当該ハウジングは前記ミキシングチャンバに通じる近位および遠位の開口をそれぞれ具えており、前記ミキシングチャンバの少なくとも近位の開口からの一部がほぼ同じ断面形状をなし;
前記ハウジングの近位の開口から前記ミキシングチャンバ内に延在するロッドを有するミキシングアセンブリを具え、前記ロッドの遠位の端部の近傍にミキシング部材が取り付けられており、当該ミキシング部材は、前記ハウジングに対し前記ロッドを動かすことにより前記ミキシング部材が前記ミキシングチャンバ内の骨接合剤を混合する構成を有し;
前記ミキシングチャンバの近位の開口をほぼ閉塞する寸法の外周を有する押出ピストンを具え、当該ピストンは前記ミキシングチャンバ内を遠位の方向に移動可能であり、前記ロッドを前記ミキシングチャンバ内へと延在させる開口を具えていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項15】
請求項14のアセンブリにおいて、前記押出ピストンが前記ハウジングの内壁に螺合しており、前記ロッドを前記ハウジングに対して回転させると前記ピストンが前記ミキシングチャンバ内をスクリュ状に遠位の方向に移動することを特徴とするアセンブリ。
【請求項16】
請求項15のアセンブリにおいて、前記押出ピストンとハウジング内壁の少なくとも一方が1またはそれ以上の螺旋形に曲がった半径方向に突出するネジ山を具え、前記ミキシングチャンバ内の圧力が所定値を超えたらピストンまたは内壁のネジ山が崩れるよう設計されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項17】
請求項14−16のいずれかのアセンブリがさらに、前記ミキシングチャンバを冷却する統合冷却システムを具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項18】
請求項14−17のいずれかのアセンブリにおいて、前記ミキシングアセンブリは前記ロッドの遠位の端部に取り付けられる複数のミキシング部材を具え、各ミキシング部材は、前記ロッドを前記ハウジングに対して動かすと前記ミキシング部材がミキシングチャンバ内の骨接合剤の混成物を混合するよう構成されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項19】
請求項18のアセンブリにおいて、前記第1のミキシング部材が穴のあいたディスクを具え、前記第2のミキシング部材が複数の回転ブレードを具え、前記穴のあいたディスクは前記ロッドにおいて前記複数の回転ブレードから遠位の側に取り付けられていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項20】
請求項14−19のいずれかのアセンブリがさらに、前記ハウジングの遠位の開口あるいはその近傍に、そこを通る骨接合剤に接触するセンサを具え、当該センサが信号を出力することを特徴とするアセンブリ。
【請求項21】
請求項20のアセンブリにおいて、前記ミキシングチャンバ内のピストン動作の少なくとも一部が、前記センサの出力信号に基づいて制御されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項22】
請求項20または21のアセンブリにおいて、前記センサの出力信号はミキシングチャンバ内のいずれかの圧力を示し、あるいは前記骨接合剤の温度を示すことを特徴とするアセンブリ。
【請求項23】
請求項20−22のいずれかのアセンブリがさらに、前記ハウジングの遠位の開口に通じる出力バルブを具え、当該バルブの制御の少なくとも一部は、前記センサの出力信号に基づいて、前記チャンバから押し出される骨接合剤の供給先を患者に供給される管腔とシャント管腔間で切り替えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項24】
請求項14−23のいずれかのアセンブリがさらに、前記ロッドがミキシングチャンバ内を遠位の方向に進む際に前記ロッドを前記ピストンに係止させ移動させるよう任意の位置に配置される止め具を具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項25】
請求項14−24のいずれかのアセンブリがさらに、前記チャンバをそれぞれ独立した第1と第2のセクションに分けるバリヤを具え、前記第1のセクションが液体の骨接合剤成分を内包し、第2のセクションが固体の骨接合剤成分を内包し、前記バリヤは十分な力を加えると破れる種類のものであることを特徴とするアセンブリ。
【請求項26】
請求項25のアセンブリにおいて、前記液体または固体の成分の一方が、ミキシングチャンバのそれぞれのセクションにおいて真空状態でシールされていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項27】
請求項14−26のいずれかのアセンブリがさらに、前記ミキシングチャンバと連通し患者側に供給するチューブと、前記ミキシングチャンバと患者側供給チューブの一方または双方を冷却する統合冷却システムとを具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項28】
複数成分からなる骨接合剤を混合し供給する器具であって:
供給チャンバを構成する第1の本体を具え、この第1の本体はそれぞれ前記供給チャンバに通じる近位のおよび遠位の開口を有し、前記供給チャンバの少なくとも近位の開口からの一部がほぼ同じ断面形状をなし;
前記第1の本体に連結される第2の本体を具え、この第2の本体はミキシングチャンバを構成しており;
前記第2の本体が前記第1の本体に連結された場合に前記ミキシングチャンバを選択的に前記供給チャンバに連通させるチャンバ間バルブを具え;
前記供給チャンバの近位の端部から延在する押出ロッドの遠位の当接端部に取り付けられた押出ピストンを具える押出アセンブリを具え、前記押出ピストンは前記供給チャンバの近位の開口をほぼ閉塞する寸法の外周を具え、前記押出ロッドを前記第1の本体に対して動かすことにより前記押出ピストンが供給チャンバ内を遠位の方向に移動することを特徴等するアセンブリ。
【請求項29】
請求項28のアセンブリにおいて、前記押出ピストンは前記第1の本体の内壁に螺合しており、前記押出ロッドを前記第1の本体に対して回転させることにより、前記ピストンが前記供給チャンバ内を遠位の方向にスクリュ状に移動することを特徴とするアセンブリ。
【請求項30】
請求項29のアセンブリにおいて、前記押出ピストンと第1の本体の内壁の少なくとも一方が螺旋形に曲がり半径方向に突出する1またはそれ以上のネジ山を具えるとともに、前記供給チャンバ内の圧力が所定値を超えたらピストンまたは内壁のネジ山が崩れるよう設計されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項31】
請求項28−30のいずれかのアセンブリにおいて、前記第2の本体が前記ミキシングチャンバに通じる開口を具え、前記アセンブリがさらに前記第2の本体の開口を通って前記ミキシングチャンバにフィットするサイズのミキシングカートリッジを具え、このカートリッジが、当該カートリッジがミキシングチャンバ内に配置され前記第2の本体が第1の本体に取り付けられたときにチャンバ間バルブで連通する位置に設けられた閉塞可能な開口を具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項32】
複数成分からなる骨接合剤を混合し供給する器具であって:
供給チャンバを構成する第1の本体と;
当該第1の本体に連結可能な第2の本体とを具え、当該第2の本体がミキシングチャンバを構成し、前記第2の本体が前記ミキシングチャンバに通じる近位の開口を具え、前記供給チャンバの少なくとも近位の開口からの一部がほぼ同じ断面形状をなし;
前記第2の本体を第1の本体に連結した場合に前記ミキシングチャンバと供給チャンバを連通する位置変更可能なチャンバ間バルブと;
ミキシングアセンブリとを具え、当該ミキシングアセンブリが
前記ミキシングチャンバ内に延在する遠位の端部を有するミキシングロッドと、
前記ミキシングロッドの遠位の端部に取り付けられたミキシング部材と、
前記ミキシングチャンバの近位の開口をほぼ塞ぐ寸法の外周を有するミキシングチャンバ押出ピストンとを具え、このピストンが前記ミキシングチャンバ内で遠位の方向に移動可能であり、当該ピストンが前記ロッドを通す開口を具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項33】
請求項32のアセンブリがさらに、前記ミキシングロッドに位置選択可能に取り付けられ前記ミキシングロッドを前記ミキシングチャンバ内で動かした場合に前記ミキシングチャンバ押出ピストンに当接して移動させる止め具を具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項34】
請求項33のアセンブリにおいて、前記止め具は前記ミキシングロッドの周囲に絞りばめ(interference fit)を構成する弾性リングを具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項35】
請求項32のアセンブリにおいて、前記止め具は前記ロッドにネジで固定されるロック部材を具えることを特徴とするアセンブリ。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【公表番号】特表2007−511296(P2007−511296A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540020(P2006−540020)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/038499
【国際公開番号】WO2005/048886
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(500013418)ボストン サイエンティフィック リミテッド (48)
【氏名又は名称原語表記】Boston Scientific Limited
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 1317 Seaston House,Hastings Christ Church, Barbados
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/038499
【国際公開番号】WO2005/048886
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(500013418)ボストン サイエンティフィック リミテッド (48)
【氏名又は名称原語表記】Boston Scientific Limited
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 1317 Seaston House,Hastings Christ Church, Barbados
【Fターム(参考)】
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