説明

複合材料、それの製造方法および装飾品

【課題】耐食性および審美性に優れたピンク色の複合材料および装飾品を提供する。
【解決手段】Ptを主成分とする1または複数の第1相と、Cuを含む1または複数の第2相と、を有し、Ptの含有量は全組成中の40重量%以上75重量%以下である複合材。更に第1相と第2相との間において、両相に接し、PtとCuにより形成された金属間化合物を含む第3相を有している、表面における自然光の反射率の極大値が波長560nm以上640nm以下の範囲にある複合材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PtおよびCuを含む複合材料、それの製造方法、前記複合材料を少なくとも一部に使用した装飾品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Pt合金としては、Pt−Pd合金、Pt−Pd−Cu合金、Pt−Pd−Ru合金、Pt−Pd−Co合金、Pt−Ru合金、Pt−Co合金、あるいはPt−Ir合金などがある。これらのPt合金は、宝石とのマッチングが良好である白系色を呈している。その一方で、Ptは、銀(Ag)に比べてかなり低い反射率を示しており、その清楚な輝き、また、その価格が金(Au)より高く、かつ希少性も認められることから、好まれて宝飾品に用いられている。
【0003】
近年嗜好の多様化により、Ptに関しても金装飾品や銀装飾品と同様に多色化が求められている。例えばピンク色は、銀装飾品においても見られるとおり、女性から多くの支持を集めており、Ptについてもピンク色は装飾品の登場を望まれている。しかしながら、Ptにピンク色を与えるには、鋳造法による場合には、銅を80重量%以上添加しなければならないという制約があった。このようにして、Ptに色を与えるために多くの卑金属を添加した場合には、耐食性が格段に低下してしまう。
【0004】
Ptを含むピンク色の金属材料としては、In−PdとPt−In合金の金属間化合物とを混合したものがある(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
また、Ptとアルミニウム(Al)との金属間化合物PtAlにCuを添加し、あるいはPt・Al・Cuを一緒に溶融させることにより、種々の色の発現させることも試みられている(たとえば特許文献2参照)。より具体的には、特許文献2には、Cuの添加量を1〜8重量%とすることにより黄色化合物が、Cuの添加量を8〜15重量%とすることにより褐色化合物が、Cuの添加量を20〜30重量%とすることにより赤褐色(桃色がかったふじ色)が得られる旨が記載されている。
【特許文献1】特開2000−226625号公報
【特許文献2】特開平3−158430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に関して、ピンク系色の生成のためのPtの含有量は12重量%となり、これ以上にPt含有量を上げた場合には灰色あるいは黄色を呈してしまい、良好なピンク系発色が望めない。宝飾品としてPt合金を用いるにあたって含有量が50重量%を超えてしまうと、ピンク系色発色は望めない。他方、卑金属元素を多量に含有することによってその耐食性は著しく悪化することが予想され、実用に耐えられる耐食性を有する宝飾材料と言うことができない。
【0007】
一方、特許文献2に記載の金属材料は、PtとAlとの金属間化合物PtAlにCuを添加したもの、あるいはPt・Al・Cuを一緒に溶融させて形成したものであるため、その全体が金属間化合物であると考えられる。このような金属間化合物は、反射率の波長依存性において、可視光範囲において波長が大きくなるにつれて反射率が単調に増加する傾向になっている。そのため、複数の波長が混在した色になるため、所望の色にならないという問題がある。
【0008】
本発明は、耐食性および審美性に優れたピンク色の複合材料および装飾品を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面においては、Ptを主成分とする1または複数の第1相と、Cuを含む1または複数の第2相と、を有し、かつ、表面における自然光の反射率の極大値が波長560nm以上640nm以下の範囲に反射率の極大値を有することを特徴とする、複合材料が提供される。
【0010】
前記複合材料の表面における自然光の反射率は、たとえば波長640nm以上740nm以下の範囲で単調減少し、また、波長460nm以上560nm以下の範囲に反射率の極小値を有するのが好ましい。
【0011】
好ましくは、Ptの含有量は、全組成中の40重量%以上75重量%以下とされる。
【0012】
前記複数の第2相は、たとえば前記第1相内に配置されており、あるいは前記複数の第1相は、たとえば前記第2相内に配置されている。
【0013】
本発明の第2の側面においては、本発明の第1の側面に係る複合材料の製造方法であって、Ptを含有する金属粒子とCuを含有する金属粒子とを混合して成形体を形成し、前記成形体を真空雰囲気中で放電プラズマ焼結させることを特徴とする、複合材料の製造方法が提供される。
【0014】
焼成温度は、たとえば200℃以上500℃以下とされる。前記成形体を形成するときの成形圧力は、たとえば100MPa以上550MPa以下とされる。
【0015】
本発明の第3の側面においては、複合材料により形成された複合材料領域を有する装飾品であって、前記複合材料は、本発明の第1の側面に係るものであることを特徴とする、装飾品が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、表面における自然光の反射率の極大値を560nm以上640nm以下の範囲とすることにより、赤色波長での反射率がピークとなるとともに、他の色の波長と混ざる影響が少なくて済むので、所望のピンク色だけを強調することができる。その結果、本発明の複合材料は、審美性に優れたピンク色の複合材料となる。また、Ptを主成分とする第1相とCuを含む第2相とを有することにより、多少研磨が進んでもピンク色で彩色された金属光沢を呈することとなる。
【0017】
本発明において、表面における自然光の反射率が波長640nmから740nmに向けて単調減少し、また波長460nm〜560nmの範囲に反射率の極小値を有するようにすれば、他の色の波長の影響を適切に抑制できるため、更に望ましいピンク系彩色を呈することになる。
【0018】
本発明において、Ptの含有量を40重量%以上75重量%以下とすれば、Ptの割合が比較的に高いためにPt品位を上げることができるので、Pt本来の金属光沢を呈するとともに耐食性に優れたものとなる。
【0019】
本発明に係る複合材料において、第1相および第2相に接する第3相をさらに有するものとすれば、第1相と第2相の間に金属間化合物を介在することになる。これにより、第1相のPtと第2相のCuとの間のイオン化傾向の相違に基づく電池効果の発生を、第3相の金属間化合物により抑制することができる。そのため、本発明の複合材料では、耐食性に優れたものとなるため、金属光沢を長期にわたって維持できるようになる。
【0020】
本発明において、Auを含有させれば、PtとCuのイオン化傾向の相違に基づく電池効果に起因する耐食性の悪化を抑制することができる。すなわち、Auは、イオン化傾向がPtとCuの間であるため、Auを含有させることにより、CuからPtへの電子の移動に基づくCuのイオン化を抑制し、複合材料の耐食性を向上させることができる。
【0021】
本発明の製造方法においては、審美性に優れるピンク色で、耐食性に優れる複合材料を適切に製造することができる。
【0022】
本発明に係る装飾品では、第1の側面に係る複合材料を含む複合材料領域を有している。このような複合材料領域は、本発明の装飾品では、少なくとも一部に、Pt本来の金属光沢を有するピンク色を付与できるため、耐食性を維持しつつ審美性を向上させることができる。
【0023】
本発明に係る装飾品において、複合材料領域を、第1相および第2相に接する第3相をさらに有するものとすれば、複合材料領域の耐食性を向上させることができるため、複合材料領域における金属光沢を長期にわたって維持できるようになる。とくに、指輪などの装飾品のように人肌に触れる装飾品においては、汗などにより腐食が進行しやすい状況にあるため、耐食性を向上させることの意義は大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下においては、本発明に係る装飾品および複合材料について、指輪を例にとって図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明に係る複合材料の適用対象である装飾品、あるいは本発明に係る装飾品は、指輪に限定されるものではない。
【0025】
図1(a)および図1(b)に示した指輪1は、リング状の部分の全体が複合材料2によって形成されたものである。複合材料2は、表面における自然光の反射率の極大値が波長560nm以上640nm以下の範囲にある。複合材料2の表面における自然光の反射率は、たとえば波長640nm以上740nm以下の範囲で単調減少し、また、波長460nm以上560nm以下の範囲に反射率の極小値を有するのが好ましい。
【0026】
なお、この複合材料の反射率の測定については算術平均表面粗さ10nmRa以下まで研磨したサンプルを使用する。
【0027】
金属の色は、ある波長の光を選択的に吸収・反射することによって生じる。つまり、金属内の電子構造により得られる光の吸収スペクトル、あるいは反射スペクトルにより決められる。多くの金属では光により励起される電子の固有なエネルギーに相当する波長が可視光内に含まれない。そのため、金属は白系色を示す。しかしながら、Au、Cuあるいはこれらの合金では光により励起される電子の固有なエネルギーに相当する波長が可視光内に含まれるため、特有の色を示す。例えば、Auでは黄金色、Cuでは赤色となる。そのため、ピンク系色Ptを作製するためには、詳細については後述するが、有色金属をPt中に固溶させずに保持することによって達成することができる。
【0028】
ここで、表面における自然光の反射率の極大値を560nm以上640nm以下の範囲とすることにより、赤色波長での反射率がピークとなるとともに、他の色の波長と混ざる影響が少なくて済む。すなわち、波長560nm以下で反射率の極大値を有すると、黄色系の波長成分による反射率が高くなるためピンク彩色とならない一方で、640nm以上で反射率の極大値を有すると、鮮やかな赤を示し、審美性に優れたピンク系彩色とならない。そのため、複合材料2は、所望のピンク色だけを強調することができるため、審美性に優れたピンク色の複合材料となる。
【0029】
また、表面における自然光の反射率が波長640nmから740nmに向けて単調減少することで、淡いピンク色を呈することとなる。これが640nm以下であると、黄色系の波長成分による反射率の影響でやや黄色がかった色となる。さらに、波長460nm〜560nmの範囲に表面における自然光の反射率の極小値を有するものに比べて、460nm以下で反射率の極小値を有すると、緑から黄色にかけての波長を含むなだらかな反射率となり、くすんだ色となる傾向にあり、また、560nm以上で反射率の極小値を有すると、明るい赤を帯びてしまい銅色と近い色となる。
【0030】
図2に示したように、複合材料2は、第1相21、第2相22、および第3相23を有している。ここで、第1相が第2相の周囲に配置されていても、第2相は第1相の周囲に配置されていてもどちらでも構わない。
【0031】
第1相21は、複合材料2の母材となるものであり、プラチナ(Pt)を主成分としている。第1相21中に含まれるPtの総量は、たとえば全組成の40重量%以上75重量%以下とされている。Ptの総量が40重量%を下回る場合には、後述する第2相22の主成分である銅(Cu)の比率が大きくなるために、PtとCuとの間の電池効果によって耐食性が悪化し、また色合いが銅の色に近くなるため好ましくない。Ptの総量が75重量%を超える場合には、Cuの比率が小さくなるために、ピンク色とするのが困難となる。
【0032】
第1相21のPt重量は、EDS(エネルギー分散型X線分析)半定量分析によって計算することができる。すなわち、表面から数μmの深さ領域より発生する特性X線を検出して、各元素分析を行い、そのピーク強度から組成を計算することができる。
【0033】
第1相21は、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、および銀(Ag)のうちの少なくとも1種類を含んでいてもよい。例示した成分を第1相21に含ませることにより、複合材料2の耐食性を向上させることができる。すなわち、第1相21にPt以外の貴金属を含む場合には、PtとCuとの間に生じる電池効果が生じることを抑制することができる。
【0034】
第2相22は、第1相21中に分散されたものであり、銅(Cu)を主成分としている。この第2相22の存在により、複合材料2はPtに加えてCuを含んだものとなり、その表面において第2相22の一部が露出するためにピンク色となる。また、複合材料2は、第2相22を第1相21中に分散したものであるため、複合材料2の全体が金属間化合物とはなっていない。
第2相22中に含まれるCuの総量は、複合材料2の全組成の25重量%以上60重量%以下とするのが好ましい。Cuの総量が25重量%を下回る場合には、複合材料2が目的とするピンク色よりも淡いピンク色となる傾向がある。Cuの総量が60重量%を超える場合には、耐食性を長期間にわたり良好に維持することが困難になる。
【0035】
第2相22のCuの重量は、第1相21のPtの質量を測定する場合と同様に、EDS半定量分析によって計算することができる。
【0036】
また、第2相22の一部は表面に露出しており、このような露出部の直径(平均値)は、5〜150μmであるのが好ましい。第2相22の露出部の直径が5μmを下回る場合には、複合材料2が淡いピンク色となってしまう傾向がある。第2相22の直径が150μmを超える場合には、第2相22の露出面積が大きくなるので、長期間にわたって使用していると露出部が酸化されてしまう可能性が高くなる。
【0037】
第2相22は、金(Au)、銀(Ag)およびパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。例示した成分を第2相22に含ませることにより、複合材料2の耐食性を向上させることができる。すなわち、第2相22にCu以外の貴金属を含ませた場合には、PtとCuとの間に生じる電池効果を抑制することができる。また、例示した貴金属、とくにAuは、Cuと合金化させることによって、ピンク系色を損なうことなく複合材料2の耐食性を向上させることができる。
【0038】
また、第2相22中にAuを含有させることにより、耐食性に優れた装飾用材料とすることができる。すなわち、Auを含有させることによって、複合材料2の色調にも変化が生じ、Cuのみで出される赤よりも温かみのある色調となる。また、Auを含有させることによって、波長640nm以上720nm以下における反射率の単調減少と、波長460nmから560nmにおける反射率の極小値を得ることが可能となる。一方、PtとCuにおいてはそのイオン化傾向において差が認められ、電位差が生じることによってCuイオンの流出が生じる。このため、CuにAuを添加したAu−Cu合金を作製し、これを用いることによって電位差が緩和され、イオン化の流出が抑えられる。
【0039】
さらに、第2相22は、例示した貴金属以外の元素を含んでいてもよいが、Alは含有量が多すぎると光沢が低下するため、Alは含有させないか、あるいはAlの含有率は全体の5%未満とするのが好ましい。
【0040】
第3相23は、複合材料2の耐食性の向上に寄与するものであり、金属間化合物により形成されている。この第3相23は、第1相21および第2相22の双方に接するものであり、複合材料2の内部においては第3相23が第2相22を被覆し、表面においては第3相の露出部が第2層22の露出部を取り囲むように配置されている。すなわち、第3相23は、第1相21と第2相22との間に介在している。このようにして金属間化合物である第3相23が第1相21と第2相22との間に介在することにより、第1相21のPtと第2相22のCuとの間のイオン化傾向の相違に基づく電池効果を抑制することができる。その結果、複合材料2は、耐食性に優れたものとなる。
【0041】
第3相23の金属間化合物は、典型的には、PtとCuが整数比で存在するものであり、たとえばPtCuあるいはPtCuとして存在する。また、第3相23には、Pt以外の貴金属とCuとの金属間化合物、たとえばAuCuあるいはPtAuが存在してもよい。PtとCu、AuとCu、PtとAuの比は整数比である方が、化学的に安定であるので好ましい。
【0042】
第3相23の厚みは、たとえば20μm以下とされ、好ましくは0.59μm以下とされる。第3相の厚みが0.59μmを超える場合には、表面に比較的大きな凹凸ができて光沢を出しにくくなる傾向がある。
【0043】
第3相23の厚み(露出面においては幅)は、複合材料2の任意の断面をSEMによって20×20μmの範囲を3500倍で撮影し、次の定義にしたがって決定した。まず、SEM写真から第1相21および第2相22の双方の表面に対して垂直に交差する接線を含む部分を5箇所選択する。次いで、選択された5箇所について、第3相23における厚みをそれぞれ測定し、それらの平均値を演算して第3相23の厚み(幅)とする。
【0044】
複合材料2の表面における第3相23の面積比率は、任意の100μm×100μmの範囲において、1〜10%とするのが好ましく、先の範囲における第3相23が第2相22を囲む割合は、第2相22の外周の長さに対して85%以上とするのが好ましい。
【0045】
図2に示した例では、Ptを主成分とする第1相21内に、Cuを含む複数の第2相22が配置されたものとなっているが、本発明の複合材料は、Cuを含む第2相を母材とし、この第2相内にPtを主成分とする複数の第1相が配置されたものであってもよい。この場合、第1相は、PtとCuとの金属間化合物である第3相により被覆されているのが好ましい。
【0046】
次に、本発明の複合材料2の製造方法を、放電プラズマ焼結法により指輪1を形成する場合を例にとって説明する。
【0047】
まず、Ptを含むPt粉末と、Cuを含むCu粉末とを所定割合で混合して混合粉末とする。
【0048】
Pt粉末としては、たとえば平均粒径が9〜150μm、純度が99.9%以上のものを使用するのが好ましい。Cu粉末としては、たとえば平均粒径が5〜150μm、純度が99.9%以上のものを使用するのが好ましい。
【0049】
混合粉末におけるPt粉末の重量比率は、たとえば40重量%以上75重量%以下とされ、混合粉末におけるCu粉末の重量比率は、たとえば25重量%以上60重量%以下とされる。
【0050】
複合材料2にPt以外の貴金属(Au、Ag、Pd、RhおよびRu)を添加する場合には、Pt粉末またはCu粉末として、Ptと他の金属との合金またはCuと他の金属との合金を使用してもよく、またPt粉末およびCu粉末の他に、貴金属粉末を混合してもよい。Pt以外の貴金属としては、Auを用いるのが好ましい。
【0051】
次いで、混合粉末を焼結金型内に充填してリング形状に成形した後、この成形体に対して、真空雰囲気中で、低電圧でパルス状電流を印加する。これにより、成形体の粒子の間隙において、放電プラズマが瞬間的に発生し、成形体が焼結される。
【0052】
ここで、成形体を形成するときの成形圧力は、たとえば100MPa以上550MPaとされる。成形圧力が100MPaを下回る場合には、複合材料2に気孔が発生しやすく脆くなってしまい、成形圧力が550MPaを超える場合には、原料充填により応力集中を起こし、金型の破損へとつながることがある。焼成温度は、たとえば200℃以上500℃以下とされる。焼成温度を200℃以上500℃以下とするのは、焼成温度が200℃を下回る場合には焼結不良となり、焼成温度が500℃を超える場合には過焼成となり、いずれの場合も焼結体が脆くなる傾向がある。印加パルス電圧は、たとえば4V以上20V以下とされる。印加パルス電圧を4V以上20V以下とするのは、印加パルス電圧が4Vを下回る場合には成形体の間隙において充分な放電が起こらず、目的とするプラズマ状態が達成できず、印加パルス電圧が20Vを超える場合には異常放電が生じる可能性が高くなるため、いずれの場合も目的とする組織状態が得られにくくなる。
【0053】
このような放電プラズマ焼結法では、高エネルギー密度とジュール熱を広く応用することにより、電力消費量が少なく効率の良い焼結が可能となる。そのため、昇温・保持時間を含めた焼結時間は、概ね5〜20分程度の比較的短時間となり、鋳造法のように、材料全体が金属間化合物となることもなく、Ptを主成分とする第1相21に、Cuを含む複数の第2相22を分散させたものとすることができ、また第2相22を適当な厚みの金属間化合物の第3相23で被覆したものとすることができ、あるいは、Cuを含む第2相に、Ptを主成分とする複数の第1相を分散させるとともに、第1相を適当な厚みの金属間化合物の第3相で被覆したものとすることができる。
【0054】
このようにして得られる指輪1は、第1相21内に第2相22が分散された複合材料2、あるいは第2相内に第1相が分散された複合材料からなる。その結果、指輪1は、Pt本来の金属光沢である清楚な輝きを維持したピンク色のものとすることができる。
【0055】
また、複合材料2は、第1相21および第2相22に接する第3相23をさらに有しているため、第1相21と第2相22の間に金属間化合物である第3相23が介在することになる。そのため、第1相21のPtと第2相22のCuとの間のイオン化傾向の相違に基づく電池効果の発生を、金属間化合物である第3相23により抑制することができる。その結果、指輪1では、耐食性が高いものとなるため、Ptの金属光沢を長期にわたって維持できるようになる。とくに、指輪1などの装飾品のように人肌に触れる装飾品においては、汗などにより腐食が進行しやすい状況にあるため、耐食性を向上させることの意義は大きい。
【0056】
次に、装飾品の一部に複合材料層を形成した例について、図3に示した指輪を例にとって説明する。
【0057】
図3に示した指輪3は、芯材30の表面を複合材料層31によって被覆したものである。
【0058】
芯材30は、主として指輪3の形状を規定するものであり、たとえば内径が13〜22mm、外径が15〜24mm、厚みが2〜10mmのリング状に形成されている。このような芯材30は、たとえば鋳造法あるいは押し出し成形法により形成することができる。芯材30を形成するための材料としては、貴金属および卑金属をいずれをも使用することができる。ただし、材料コストなどを考慮する必要がある場合は、Ag、Feおよびそれらを含む合金を使用しても良い。
【0059】
複合材料層31は、図1を参照して説明した指輪1と同様に図2に示した組成状態を有する複合材料2により形成されている。すなわち、複合材料層31は、Ptを主成分とする第1相21内に、Cuを含む複数の第2相22が分散され、この第2相22がPtとCuとの金属間化合物を含む第3相23によって被覆された組織とされている(図2参照)。複合材料層31の厚みは、たとえば0.03〜0.1μmとされている。もちろん、複合材料層31は、Cuを含む第2相内に、Ptを主成分とする第1相が分散され、この第1相がPtとCuとの金属間化合物を含む第3相によって被覆された組織であってもよい。
【0060】
このような指輪3は、予め形成しておいた芯材30を、Pt粉末とCu粉末との混合粉末によってインサートした成形体を形成した後に、この成形体を放電プラズマ焼結法により焼成することにより形成することができる。
【0061】
このような指輪3においても、図2に示した組織状態の複合材料2からなる複合材料層31、あるいは第2相内に第3相により被覆された第1相が分散された複合材料層31が表面に形成されている。
【0062】
次に、本発明に係る装飾品の他の例について、図4ないし図8を参照して説明する。
【0063】
図4に示した首飾り4は、ヘッド40およびチェーン41を備えたものであり、ヘッド40およびチェーン41のうちの少なくとも一方は、少なくとも表層が先に説明した指輪1,3(図1ないし図3参照)と同様な組織状態の複合材料層とされている。ヘッド40あるいはチェーン41は、全体が本発明の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本発明の複合材料により被覆したものであってもよい。ヘッド40あるいはチェーン41において芯材の表面に複合材料層を形成する場合には、複合材料層の厚みは、たとえば0.03〜0.1μmとされる。
【0064】
首飾り4においては、ヘッド40およびチェーン41の形態は種々に変更可能であり、またヘッド40を省略してネックレスとして構成してもよい。
【0065】
図5に示したブレスレット5は、複数のピース50をリング状に連結したものであり、各ピース50の少なくとも表層が先に説明した指輪1,3(図1ないし図3参照)と同様な組織状態の複合材料層とされている。ピース50は、全体が本発明の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本発明の複合材料により被覆したものであってもよい。ピース50において芯材の表面に複合材料層を形成する場合には、複合材料層の厚みは、たとえば0.03〜0.1μmとされる。
【0066】
ブレスレット5は、ピース50の形状については種々に変更可能であり、また本発明のブレスレットは、必ずしも複数のピースにより構成されている必要もない。
【0067】
図6に示した時計6は、ベルト60の少なくとも表層が先に説明した指輪1,3(図1ないし図3参照)と同様な組織状態を有する複合材料層とされている。ベルト60は、全体が本発明の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本発明の複合材料により被覆したものであってもよい。時計6においては、側縁61が本発明の複合材料により形成されていてもよく、この場合にも、側縁61は、全体が本発明の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本発明の複合材料により被覆したものであってもよい。ベルト60または側縁61において芯材の表面に複合材料層を形成する場合には、複合材料層の厚みは、たとえば0.03〜0.1μmとされる。
【0068】
時計6は、ベルト60および側縁61などの形状については種々に変更可能であり、図示した以外の形態の時計についても本発明を適用することができる。
【0069】
図7に示したメガネ7は、フレーム70の少なくとも表層が先に説明した指輪1,3(図1ないし図3参照)と同様な組織状態の複合材料層とされている。フレーム70は、全体が本発明の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本発明の複合材料により被覆したものであってもよい。フレーム70において芯材の表面に複合材料層を形成する場合には、複合材料層の厚みは、たとえば0.03〜0.1μmとされる。
【0070】
メガネ7は、フレーム70などの形状については種々に変更可能であり、図示した以外の形態の時計についても本発明を適用することができる。
【0071】
図8に示した万年筆8は、ペン先80の少なくとも一方の表層が先に説明した指輪1,3(図1ないし図4参照)と同様な組織状態の複合材料層とされている。ペン先80は、全体が本発明の複合材料により形成されていてもよく、芯材の表面を本発明の複合材料により被覆したものであってもよい。ペン先80において芯材の表面に複合材料層を形成する場合には、複合材料層の厚みは、たとえば0.03〜0.1μmとされる。万年筆8においては、ペン先80に加えて、あるいはペン先80に代えて、クリップ81などの他の部位における少なくとも表層を、複合組織層として形成してもよい。
【0072】
万年筆8は、ペン先80およびクリップ81などの形状については種々に変更可能であり、図示した以外の形態の時計についても本発明を適用することができる。
【0073】
また、図4ないし図8に示した装飾品、すなわち首飾り4、ブレスレット5、時計6、メガネ7および万年筆8における複合材料層は、Cuを含む第2相内に、Ptを主成分とする第1相が配置され、この第1相がPtとCuとの金属間化合物を含む第3相によって囲まれた組織状態のものであってもよい。
【0074】
本発明は上述した実施の形態には限定されず、種々に変更可能である。たとえば、複合材料2(複合材料層6)の第3相23は、用途に応じた耐食性及び強度が確保できる限りは省略してもよく、また第3相23は、成形体の形成条件や焼成条件を適宜設定することにより、放電プラズマ焼結法以外の方法により生成させてもよい。たとえば、多少のボイドが発生するものの、真空焼成などにより1.33×10-2Paの真空条件下で500℃まで徐々に昇温し、この温度で30分間焼成することによっても生成することができる。
【0075】
本発明は、上述した指輪、首飾り、ブレスレット、時計およびメガネに限らず、他の装飾品の一部または全部として適用することができる。本発明を適用することができる他の装飾品としては、たとえば食器、置物、ゴルフクラブ、携帯電話、あるいはボタンなどを挙げることができる。また、本発明の複合材料は、装飾品に限らず、PVD(物理気相成長)法による成膜におけるターゲット材料として使用することもできる。
【実施例1】
【0076】
本実施例においては、Pt−Cu複合材料からなる試料の表面における自然光の反射率の波長特性を評価した。
【0077】
(試料の作製)
試料は、下記表1に記載の混合粉末を焼結金型においてリング状に成形した後、放電プラズマ焼結法により下記表1に示した条件にて焼成することによりリング状に形成した。試料のサイズは、内径19.8mm、外径23mm、厚みが5mmに設定した。混合粉末における各元素の組成は、下記表1に示した通りとした。
【表1】

【0078】
一方、比較例として、鋳造法により形成した試料を作製した。比較例の試料の組成は、下記表2に示した組成の混合粉末を、1700℃で溶融させた後、700℃に保持された所定の金型に流し込み、金型を550rpmの回転数で回転させながら成形することにより作製した。
【表2】

【0079】
(反射率の波長特性)
反射率は、表面を鏡面加工した試料について、「CM−3700d」(ミノルタ株式会社)を用いて測定した。鏡面加工は、バフを用いて研磨することにより、算術平均表面粗さRaが0.030μm以上0.054μm以下の範囲となるように行なった。基準光源はJIS規格(Z−8720)より「測色用標準イルミナント(標準の光)及び標準光源」として「D65」とし、視野角は10°に設定した。波長特性は、ピーク波長を360nm〜740nmの範囲で変化させたときの拡散光の反射率として評価した。
【0080】
反射率の測定結果については、PtおよびCuからなる試料No.1〜No.9については図9に、PtおよびCuに加えてAuおよびPdを含む試料No.10〜No.14については図10に、鋳造法により作成した比較例1,2については図11にそれぞれ示した。また、波長特性における反射率の極小値および極大値、並びに反射率が単調減少を始める波長の測定結果について、試料No.1〜No.10については表3、比較例については表4にそれぞれ示した。なお、図9,10において本願の極大値は▲、極小値は●で示した。
【表3】

【表4】

【0081】
(結果の考察)
放電プラズマ焼結法により作製した試料No.1〜No.17は、審美性に優れるピンク色であり、反射率の波長特性において、波長580nm以上630nm以下の範囲に反射率の極大値を有していた。試料No.1〜No.17はまた、波長460nm以上560nm以下の範囲に反射率の極小値を有していた。さらに、試料No.1〜No.17では、波長の単調減少は極大値をとった後で見られるものと見られないものがあったが、概して640nmより単調減少の傾向を示した。
【0082】
また、Auを含有していない試料No.1〜No.9と、金を含有している試料No.10〜No.15とを比較した場合、Auを含有させることにより極小値および極大値が短波長側へシフトする傾向が見受けられた。
【0083】
一方、鋳造法により作成した比較例1,2は、反射率の波長依存性において、際立ったピークも見られず、その反射率の波長依存性は360nmから単調に減少して推移している。これは鋳造法により作製した場合、Pt−Cu系状態図においては全率固溶型といって完全に固溶しあう関係にあるためである。このため、PtあるいはCuが相として存在しないため、赤系の彩色は鋳造法では望めないものと考えられる。
【0084】
これに対して、放電プラズマ焼結では加圧を加えながら急速に加熱することによって反応を最小に留めて目的の形状を得ることができる。このため、Pt−Cu間では表面拡散のみが生じ、CuやPtが固溶せずに相として存在することによって、ピンク彩色が得られるものと考えられる。
【0085】
また、放電プラズマ焼結の条件(成形圧力や焼結温度)が異なると、複合材料の反射率の波長依存性(極大値や極小値)が変化する。すなわち、放電プラズマ焼結の条件を適宜選択することにより、反射率に関して、所望とする波長特性を得ることができる。今回検討した範囲では、全ての試料について審美性に優れる材料が得られており、表1から分かるように、少なくとも成形圧力(加圧力)を100MPa以上550MPa以下、焼成温度を200℃以上500℃以下とすれば、良好な結果が得ることができる。
【実施例2】
【0086】
本実施例においては、Pt−Cu複合材料からなる試料の断面における組織状態、Pt−Cu複合材料の色、および耐食性を評価した。
【0087】
(試料の作製)
試料は、下記表5に示した組成の混合粉末を、300MPaにて焼結金型においてリング状に成形した後、放電プラズマ焼結法により300℃で焼成することによりリング状に形成した。試料のサイズは、内径19.8mm、外径23mm、厚みが5mmに設定した。
【表5】

【0088】
(組織状態の評価)
試料の組織状態は、第1相21、第2相22および第3相23(図2参照)の存在および組成、ならびに第3相23による第2相22の被覆状態を観察することにより行なった。
【0089】
第1〜第3相21〜23の存在、および第3相23による第2相22の被覆状態は、SEM観察により行なった。第1〜第3相21〜23の組成は、EDS半定量分析を行なうことにより確認した。
【0090】
組織状態の評価結果は、下記表6に示した。下記表6においては、第3相23により第2相22が被覆されていることが確認できた場合を○印を付してある。
【0091】
(色の評価)
色の評価は、目視により行なった。色の評価結果は、下記表6に示した。下記表6においては、キレイなピンク色である場合を◎印、適度なピンク色である場合を○印を付してある。
【0092】
(耐食性の評価)
試料の耐食性は、バフ研磨した試料を人口汗に半浸漬させて40±5℃の雰囲気にて30分間放置した後に変色の度合い、表面の状態を目視により確認することにより行なった。
【0093】
人口汗は、食塩9.2g/L、硫化ナトリウム0.8g/L、尿素1.7g/L、アンモニア水0.18mL/L、ショ糖0.22g/L、乳酸1.1mL/L、純水1Lにより作製した。
【0094】
耐食性の評価結果は、下記表6に示した。下記表6においては、耐食性に特に優れた場合を◎印、優れていれた場合を○印、耐食が認められるが実用上問題のない程度である場合を△印を付してある。
【表6】

【0095】
(結果の考察)
表6から分かるように、色に関しては、本発明に係る複合材料である試料No.1〜4は、視認可能なピンク色を呈していた。これは、試料No.1〜4では、第1相(Pt)と第2相(Cu)とが完全に固溶せずに、第1相内に第2相が独立して存在し、あるいは第2相内に第1相が独立して存在しているためであると考えられる。また、第3相において、金属間化合物として、Pt−Cuの他に、AuCuが存在しており、このことも複合材料の色に影響を与えているものと考えられる。試料No.1〜4のPtの総量は、全組成中の40重量%以上75重量%以下であり、少なくともこの範囲では綺麗なピンク色とすることができるものと考えられる。
【0096】
耐食性に関しては、試料No.1〜4は、実用上の問題が生じる程の腐食は認められなかった。これは、試料No.1〜4は、金属間化合物が第1相と第2相に接するとともに、第2相あるいは第1相を被覆して第3相として存在しているためであると考えられる。すなわち、第1相(Pt)と第2相(Cu)との間の第3相(金属間化合物)が存在することにより、第1相のPtと第2相のCuとの間のイオン化傾向の相違に基づく電池効果が抑制され、第3相が存在しない場合に比べて、耐食性が改善されるものと考えられる。また、試料No.1〜4では、第2相および第3相にAuが含まれており、この点においても、耐食性が向上するものと考えられる。
【0097】
以上の結果から、本発明の試料No.1〜4のように、組織状態において、第1相内に第2相を、あるいは第2相内に第1相を配置させ、第1相および第2相の両相に接する金属間化合物の第3相を、第2相を被覆した状態で存在させることにより、ピンク色で耐食性に優れた複合材料とすることができる。とくに、指輪のような耐食性がよりシビアに要求される装飾品であっても、本発明の試料No.1〜4では、長期にわたってピンク色の金属光沢を維持したものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1(a)は本発明に係る装飾品の一例である指輪の全体斜視図であり、図1(b)は図1(a)のIIb−IIb線に沿う断面図である。
【図2】本発明に係る複合材料の組織状態の一例を示す模式図である。
【図3】本発明に係る装飾品の一例である指輪の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る装飾品の一例である首飾りを示す正面図である。
【図5】本発明に係る装飾品の一例であるブレスレットを示す正面図である。
【図6】本発明に係る装飾品の一例である時計を正面図である。
【図7】本発明に係る装飾品の一例であるメガネを示す全体斜視図である。
【図8】本発明に係る装飾品の一例である万年筆を示す正面図である。
【図9】実施例1における試料No.1〜No.9の反射率の測定結果を示すグラフである。
【図10】実施例1における試料No.10〜No.14の反射率の測定結果を示すグラフである。
【図11】実施例1における比較例1,2の反射率の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0099】
1,3 指輪
2 複合材料
21,21′ 第1相
22,22′ 第2相
23,23′ 第3相
31 複合材料層(複合材料領域)
4 首飾り
5 ブレスレット
6 時計
7 メガネ
8 万年筆

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Ptを主成分とする1または複数の第1相と、Cuを含む1または複数の第2相と、を有し、かつ、表面における自然光の反射率の極大値が波長560nm以上640nm以下の範囲にあることを特徴とする、複合材料。
【請求項2】
表面における自然光の反射率が波長640nm以上740nm以下の範囲で単調減少する、請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
表面における自然光の反射率の極小値が波長460nm以上560nm以下の範囲にある、請求項1または2に記載の複合材料。
【請求項4】
Ptの含有量は、全組成中の40重量%以上75重量%以上である、請求項1ないし3のいずれかに記載の複合材料。
【請求項5】
前記複数の第2相は、前記第1相内に配置されている、請求項1ないし4のいずれかに記載の複合材料。
【請求項6】
前記複数の第1相は、前記第2相内に配置されている、請求項1ないし4のいずれかに記載の複合材料。
【請求項7】
前記第1相と前記第2相との間において両相に接し、PtとCuとにより形成された金属間化合物を含む第3相をさらに有している、請求項1ないし6のいずれかに記載の複合材料。
【請求項8】
前記第3相は、前記第1相または前記第2相を被覆している、請求項7に記載の複合材料。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の複合材料の製造方法であって、
Ptを含有する金属粒子とCuを含有する金属粒子とを混合して成形体を形成し、前記成形体を真空雰囲気中で放電プラズマ焼結させることを特徴とする、複合材料の製造方法。
【請求項10】
焼成温度は、200℃以上500℃以下である、請求項9に記載の複合材料の製造方法。
【請求項11】
前記成形体を形成するときの成形圧力は、100MPa以上550MPa以下である、請求項9または10に記載の複合材料の製造方法。
【請求項12】
複合材料により形成された複合材料領域を有する装飾品であって、
前記複合材料は、請求項1ないし8のいずれかに記載のものであることを特徴とする、装飾品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−291492(P2007−291492A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−346778(P2006−346778)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】