説明

複合機システム、画像形成装置、及び画像読み取り装置

【課題】ネットワークに接続された装置にUSB接続した装置をネットワークに接続させる場合に、ネットワーク接続を簡易に行うことが可能な複合機システムを提供する。
【解決手段】互いのUSB接続部を用いてUSB接続することで構成された複合機システムであって、第1の装置は、ネットワークに接続するためのパラメータを設定する設定部と、設定されたパラメータを用いてネットワークの制御を行う第1のネットワーク制御部と、USB接続部を通じてパラメータを第2の装置へ転送する転送実行部とを有し、第2の装置は、第1の装置とUSB接続された際、転送されたパラメータを、USB接続部を通じて受け取る受信部と、転送されたパラメータを用いて、第2の装置のネットワークに接続するための制御を行う第2のネットワーク制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる機能を備える2以上の装置を接続して構成される複合機システム、画像形成装置、及び読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異なる機能を備えた2以上の装置を接続して、複合機を構成するシステムが知られている。例えば、ネットワークを通じてホストPC、スキャナ装置、及びプリンタとを接続して、読み取り機能と印刷機能とを備えた複合機を構成する複合機システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記のような複合機システムでは、スキャナ装置が読み取ったデータをネットワークを通じてホストPCに送信し、その後、ホストPCは受信したネットワークを通じてデータをプリンタに送信する。そのため、ネットワークを通じてホストPC、スキャナ装置、プリンタが1つの複合機として機能することができる。
【0004】
一方、異なる機能を備える2以上の装置をUSB等のインタフェースで接続して複合機を構成し、この複合機をネットワークを通じてホストPCと接続させる場合がある。例えば、スキャナ装置とプリンタとをUSBを用いて接続して複合機を構成し、この複合機をネットワークを通じてホストPCと接続する。この場合、スキャナ装置が読み取ったデータは、ネットワークを介することなくUSBを通じてプリンタに送信され、以後の印刷処理が実行される。
【特許文献1】特開平11ー175299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2以上の装置をインタフェースを用いて直接接続して複合機を構成した場合、どちらかの装置をネットワークに接続させておくこととなる。このとき、一方の複合機をネットワークに接続させた状態でインタフェースを用いて他の装置と接続する場合、後から接続した装置をネットワークに接続させることが好ましい場合があった。このような場合、後からネットワークに接続する装置に対してネットワーク設定を行う必要があった。
【0006】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、ネットワークに接続された装置に新たな装置を接続し、かつ、新たに接続した装置をネットワークに接続させる場合に、ネットワーク接続を簡易に行うことが可能な複合機システム、画像形成装置、及び読み取り装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、第1及び第2の装置を互いのUSB接続部を用いてUSB接続することで複合的な機能を提供する複合機システムであって、前記第1の装置は、ネットワークに接続するためのパラメータを設定する設定部と、
前記設定されたパラメータを用いてネットワークの制御を行う第1のネットワーク制御部と、前記ネットワークを通じて供給されたデータを用いて出力を行う第1の実行部と、前記USB接続部を通じて前記パラメータを前記第2の装置へ転送する転送実行部と、を有し、前記第2の装置は、前記第1の装置とUSB接続された際、前記転送されたパラメータを、前記USB接続部を通じて受け取る受信部と、前記転送されたパラメータを用いて、第2の装置をネットワークに接続するための制御を行う第2のネットワーク制御部と、前記接続されたネットワークを通じてデータを通信する第2の実行部と、を有する構成としてある。
【0008】
上記のように構成された発明では、第1及び第2の装置を互いのUSB接続部を用いてUSB接続することで複合的な機能を提供する複合機システムであって、第1の装置は、所定のパラメータを設定する設定部と、設定されたパラメータを用いてネットワークを制御する第1のネットワーク制御部と、ネットワークを通じて供給されたデータを用いて出力を行う第1の実行部と、USB接続部を通じてパラメータを第2の装置へ転送する転送実行部と、を有する。また、第2の装置は、第1の装置とUSB接続された際、転送されたパラメータをUSB接続部を通じて受け取る受信部と、転送されたパラメータを用いて、ネットワークに接続するための第2のネットワーク制御部と、接続されたネットワークを通じてデータを通信する第2の実行部とを有する。
そのため、予めネットワークに接続された第1の装置に対して第2の装置を接続して複合機を構成する際に、第2の装置をネットワークに接続させる場合でも、第2の装置を第1の装置が予め設定したネットワーク設定を用いてネットワークに接続させることができる。その結果、ユーザは、第2の装置をネットワークに接続するための設定を行なう必要がなくなる。
ここで、ネットワークに接続するとは、各装置をネットワークに接続するために必要とする設定のみならず、暗号化等のセキュリティーに関するものを含む。
【0009】
本発明の一局面として、前記第2の装置は、前記パラメータを受信した際、同パラメータを表示させる表示部を有する。
上記のように構成された発明では、表示部にこれから設定するパラメータを表示するため、ユーザが自動で設定されるネットワーク設定を確認することができる。
【0010】
本発明の一局面として、前記受信部は、前記設定されたパラメータを受け取る際、設定部のネットワーク設定機能を無効にする。
上記のように構成された発明では、第2の装置がネットワークに接続されると、設定部のネットワーク設定機能が無効にされ、ネットワークに接続できなくするため、第1及び第2の装置のいずれもがネットワークに接続されることで生じる設定の不備を防止することができる。
【0011】
本発明の一局面として、前記受信部が第1の装置から受け取るパラメータは、ネットワーク接続設定に必要なパラメータと、ネットワークに接続する際のセキュリティー設定に必要なパラメータである。
上記のように構成された発明では、ネットワーク接続設定に必要なパラメータのみならず、ネットワークに接続する際のセキュリティー設定に必要なパラメータをも自動で設定するため、ネットワークに接続するための設定操作をより簡素化させることができる。
【0012】
また、本発明は、複数の装置がUSB接続された複合機システムのみならず、この複合機システムを構成する各装置に対しても応用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図を参照しつつ、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。なお、同一の符号を付した箇所は同一又は同等の箇所を意味し、その説明は繰返さない。
1.第1の実施形態:
2.その他の実施形態:
【0014】
1.第1の実施形態:
図1、図2は、ネットワークに接続された複合機を説明するための模式図である。第1の実施形態では、複合機100はプリンタ(画像形成装置)60及びスキャナ装置(画像読み取り装置)90により構成される。ネットワーク300に、ホストPC200と、サーバ201と、プリンタ60が接続されている場合、ユーザはホストPC200を操作してプリンタ60に印刷処理を実行させることができる。このとき、プリンタ60は、IPv6(Internet Protocol version 6)に準ずるプロトコルを用いてネットワーク300に接続している。
【0015】
この状態で、USBケーブル10を用いてプリンタ60にスキャナ装置90を接続して複合機100を形成する場合を想定する。ここで、スキャナ装置90は画等を読み取ることができるため、スキャナ装置90をネットワーク300に接続すれば、ネットワーク300を通じて読み取ったデータをホストPC200又はサーバ201を通じてネットワーク300の他の端末に出力することができる(図2)。そのため、スキャナ装置90をネットワーク300に接続させることが望ましい。しかし、ユーザはスキャナ装置90をネットワーク300に接続するために、スキャナ装置90に対してネットワーク設定を行なう必要が生じる。
【0016】
本スキャナ装置90はプリンタ60とUSB接続した際、プリンタ60を制御して同プリンタ60に記憶されたネットワーク設定に係るパラメータを転送させる。また、スキャナ装置90は、転送されたパラメータを使用してネットワーク設定を自動で行なう。つまり、スキャナ装置90をネットワーク300に接続するに際し、ユーザがスキャナ装置90に対して新たにネットワーク設定を行わなくともスキャナ装置90を自動でネットワーク300に接続することが可能となる。以下、複合機100を構成するスキャナ装置90、及びプリンタ60の構成をより詳細に説明していく。
【0017】
図3は、スキャナ装置を説明するためのブロック図である。スキャナ装置90の要部は、主たる制御を行うメインコントローラ80と、画像データを読み取るためのスキャナ部(読み取り部)99と、ユーザからの操作を受け付ける操作パネル98と、ネットワーク300と接続するためのネットワークIF97と、所定の文字を表示する表示パネル(表示部)96と、USB接続を行うためのホスト側のUSBコントローラ70とで構成されている。
【0018】
メインコントローラ80の要部は、CPU81と、CPU81が所定の制御を行うために必要なプログラム等を記憶するROM82と、RAM83と、ネットワーク設定に係る各種パラメータを記憶するEEPROM84と、CPU81から各メモリ(ROM82、RAM83、EEPROM84)に対するアクセスを制御するメモリコントローラ85とで構成されている。
【0019】
ROM82には、CPU81がネットワーク設定を行なうための各種プログラムが記憶されており、CPU81は所定のオペレーティングシステムの下でこのプログラムを実行することで、ネットワーク制御部(第2のネットワーク制御部)81a、パラメータ受信部(受信部)81b、UI表示部81c、として機能する。
【0020】
ネットワーク制御部81aは、ネットワークIF97を通じて、スキャナ装置90をネットワーク300に接続するためものである。このとき、ネットワーク制御部81aは、EEPROM84に記憶されたネットワーク設定のためのパラメータを用いて、スキャナ装置90をネットワーク300に接続する。無論、ネットワーク制御部81aは、EEPROM84に記憶されたパラメータを用いてネットワーク接続を行う他、単独でもネットワーク設定のためのパラメータを設定することが可能である。
【0021】
パラメータ受信部81bは、プリンタ60が記憶するネットワーク設定のための各種パラメータをUSBケーブル10を通じてスキャナ装置90に転送させるためのものである。パラメータ受信部81bは、プリンタ60が記憶するパラメータをUSBケーブル10を通じてパラメータ受信部に出力させ、転送させたパラメータをEEPROM84に記憶させる。
【0022】
UI表示部81cは、表示パネル96に対して所定の文字を表示させるためのものである。UI表示部81cが表示パネル96に表示させる文字は、ユーザが操作パネル98を操作して特定の選択を行うためのものである。
【0023】
EEPROM48は、ネットワーク制御部81aがネットワーク設定を行なうための各種パラメータを記憶するためのものである。EEPROM48に記憶されるパラメータの一例は、IPv6に準じており、以下の設定を行なうものである。つまり、ネットワーク300に接続するための設定として、ネットワーク上で複合機100を識別するためのIPアドレス、仮想的な識別を行うためのサブネットマスク、ゲートウェイアドレス、ネットワーク環境での名称を決定するためのWINS(Windows Internet Name Services)設定、SNMP(Simple Network Management Protocol)設定、WSD(Web Services on Devices)設定である。また、ネットワーク接続の際のセキュリティー上の設定である、SSL(Secure Sockets Layer)設定、IPsec(IP security Protocol)設定の各パラメータである。これら設定されたパラメータは、スキャナ装置90がネットワーク300に接続される前は当然に記憶されておらず、ネットワーク300に接続されたプリンタ60のEEPROM48にのみ記憶されるものである。
【0024】
図4は、プリンタを説明するためのブロック図である。プリンタ60の要部は、主たる制御を行うメインコントローラ40と、印刷処理を実行するプリンタエンジン(画像形成部)59と、ネットワーク300と接続するためのネットワークIF58と、ユーザからの操作を受け付ける操作パネル57と、USB接続を行うためのUSBコントローラ30と、で構成されている。
【0025】
メインコントローラ40の要部は、CPU41と、CPU41が所定の制御を行うために必要なプログラム等を記憶するROM42と、RAM43と、ネットワーク設定に係る各種パラメータを記憶するEEPROM44と、メモリコントローラ45と、で構成されている。
【0026】
ROM42には、ネットワーク設定を行なうための各種プログラムが記憶されており、CPU41は所定のオペレーティングシステムの下でこのプログラムを実行することで、ネットワーク設定部(設定部)41a、転送実行部41b、ネットワーク制御部(第1のネットワーク制御部)41c、として機能する。
【0027】
ネットワーク設定部41aは、プリンタ60をネットワーク300に接続するためのパラメータを設定する。ネットワーク設定部41aが設定したパラメータは、ネットワーク制御部41cがネットワーク300に接続するための制御に利用される。
【0028】
転送実行部41bは、EEPROM44に記憶されたネットワーク設定のための各種パラメータをUSBケーブル10を通じてスキャナ装置90に転送するためのものである。転送実行部41bは、メモリコントローラ45を通じてEEPROM44が記憶する各種パラメータを読み出し、USBコントローラ30を通じて読み出したパラメータをスキャナ装置90に出力する。
【0029】
図5は、複合機100が実行するネットワーク設定処理を説明するための流れ図である。また、図6は、複合機100の各機能を説明するための図である。スキャナ装置90はプリンタ60とUSBケーブル10を用いて接続した際、図5に示す流れに従って、プリンタ60のEEPROM44に記憶されたパラメータをスキャナ装置90転送させる。
【0030】
スキャナ装置90とプリンタ60とがUSB接続されると、パラメータ受信部81bは、プリンタ60から同プリンタを認識するための型番を取得する(ステップS110)。パラメータ受信部81bは、USBコントローラ70を通じてプリンタ60に対して型番を請求する命令を転送実行部41bに出力する。転送実行部41bは、上記命令を受信すると、メモリコントローラ45を通じてEEPROM44に記憶されたプリンタ60を識別するための型番を読み出し、USBコントローラ30を通じてスキャナ装置90に送信する。
【0031】
UI表示部81cは、表示パネル96に選択画面を表示させる(ステップS120)。パラメータ受信部81bは、型番を表すデータを受信すると、UI表示部81cに、受信したデータを用いて表示パネル96の画面上に選択画面を表示させる。この選択画面には、ユーザに対してスキャナ装置90とプリンタ60とを複合機化するか否かの選択を促す画像が表示される。
【0032】
図7は、表示パネル96の画面上に表示される選択画面を示す図である。表示パネル96の画面上には、ユーザに対してプリンタ60とスキャナ装置90とを複合機化するか否かを問う文字が表示される。ユーザがこの画面を参照しつつ操作パネル98を操作して「はい/いいえ」のいずれかを選択すると、パラメータ受信部81bに対して選択結果が出力される。
【0033】
ユーザが複合機化を選択しない場合(ステップS130)、スキャナ装置90とプリンタ60は複合機化するための各種設定を行なわない。また、ネットワーク制御部81aはネットワークへの接続を終了する。そのため、プリンタ60とスキャナ装置90とは別々の装置として機能することとなる。
【0034】
ユーザが選択画面を参照して複合機化を選択した場合は(ステップS130)、パラメータ受信部81bはプリンタ60のネットワーク設定機能を無効にさせる(ステップS140)。具体的には、パラメータ受信部81bはUSBコントローラ70を通じてネットワーク設定部41aにネットワーク設定機能を無効にするための命令を出力する。ネットワーク設定部41aはこの命令を受信すると、ネットワーク300に対する接続を無効にするよう設定を行なう。ここで、プリンタ60のネットワークに接続する機能を無効にすることで、プリンタ60及びスキャナ装置90のいずれもがネットワーク300に接続されることで生じる設定の不備を防止することができる。
【0035】
また、パラメータ受信部81bはプリンタ60に対してEEPROM44に記憶された各種パラメータを転送するようUSBケーブル10を通じて命令し、転送されたパラメータを用いて設定を行なう(ステップS150)。以下に、ステップS150における各部の処理をより詳細に説明する。
【0036】
図8は、図5におけるステップS150で各部が実行する、ネットワーク設定を行う流れを示す図である。ステップS150において、UI表示部81cは、スキャナ装置90に対するネットワーク設定を自動で行なうか否かをユーザに選択させる選択画面を表示パネル96に表示させる(ステップS141)。具体的には、UI表示部81cは表示パネル96に図9に示す第2の選択画面を表示させる。
【0037】
図9は、表示パネル96の画面上に表示される第2の選択画面を示す図である。第2の選択画面では、表示パネル96の画面上にスキャナ装置90のネットワーク設定をプリンタ60と同じにするか否かを問う文字が表示される。ユーザがこの画面を参照しつつ操作パネル98を操作して「はい/いいえ」のいずれかを選択すると、パラメータ受信部81bに対して選択結果が出力される。
【0038】
ユーザが第2の選択画面を参照してスキャナ装置90のネットワーク設定をプリンタ60と同じにするよう選択した場合は(ステップS142)、パラメータ受信部81bは、プリンタ60のEEPROM44に記憶された各種パラメータを転送させる(ステップS143)。具体的には、パラメータ受信部81bは、USBコントローラ70を通じてプリンタ60の転送実行部41bに対して、EEPROM44に記憶されたパラメータを出力させるよう命令する。転送実行部41bはこの命令を受信して、メモリコントローラ45を通じてEEPROM44に記憶された各種パラメータを読み出し、USBコントローラ30を通じて読み出したパラメータをUSBケーブル10を通じてスキャナ装置90に出力する。
【0039】
パラメータ受信部81bは、USBコントローラ70を通じて転送されたパラメータをEEPROM84に上書きする(ステップS144)。通常、EEPROM84にはネットワーク設定がデフォルトで設定されているため、パラメータ受信部81bは受信したパラメータをEEPROM84に上書きすることで、記憶されたパラメータを更新する。
このとき、EEPROM84には、ネットワーク接続設定に必要なパラメータのみならず、ネットワークに接続する際のセキュリティー設定に必要なパラメータをも上書きされる。そのため、ネットワークに接続するための設定操作をより簡素化させることができる。
【0040】
ネットワーク制御部81aは、EEPROM84上で更新されたパラメータを用いてスキャナ装置90をネットワーク300に接続するための制御を行う(ステップS145)。このとき、ネットワーク制御部81aは、ネットワーク設定が自動で実行されたことを、表示パネル96の画面上に表示させる。
【0041】
図10は、表示パネル96に表示される画面を示す図である。表示パネル96の画面上には、ネットワーク制御部81aが使用する各設定値が表示される。ここで、表示パネル96の画面上に各ネットワーク設定の値を表示することで、ユーザにネットワーク設定が自動で完了したことを知らせることができる。
【0042】
ステップS142で、ユーザがプリンタ60のネットワーク設定をスキャナ装置90のネットワーク設定にコピーすることを選択しない場合は、パラメータ受信部81bは、ネットワーク設定を自動で更新しないことを表示パネル96の画面上に表示させる(ステップS146)。
【0043】
図11は、表示パネル96に表示される画面を示す図である。表示パネル96には、EEPROM84に記憶されたデフォルトのパラメータが設定値として表示される。このとき、ユーザが操作パネル98を操作してネットワークの設定を受け付けた場合は、ネットワーク制御部81aは、ユーザが設定したパラメータを用いてネットワークの設定を行なう。
【0044】
以上説明したように、ネットワーク設定がすでに設定されたプリンタにスキャナ装置をUSB接続して複合機を構成するとともに、スキャナ装置をネットワークに接続させる場合、本発明を用いれば、ユーザがスキャナ装置に新たにネットワーク設定を行なうことなく、自動でスキャナ装置をネットワークに接続させることができる。
【0045】
2.その他の実施形態:
本発明は様々な変形例が存在する。
第1の実施形態では、複合機100をプリンタ60とスキャナ装置90とで構成したが、複合機を構成する装置の組合せはこれに限定されない。
また、ネットワーク設定を行なうための各パラメータは第1の実施形態に記載されたものに限定されない。
【0046】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。つまり、上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、は本発明の一実施例として開示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】ネットワークに接続された複合機を説明するための模式図である。
【図2】ネットワークに接続された複合機を説明するための模式図である。
【図3】スキャナ装置を説明するためのブロック図である。
【図4】プリンタを説明するためのブロック図である。
【図5】複合機100が実行するネットワーク設定処理を説明するための流れ図である。
【図6】複合機100の各機能を説明するための図である。
【図7】表示パネルに表示された選択画面を示す図である。
【図8】図5におけるステップS150で各部が実行する、ネットワーク設定を行う流れを示す図である。
【図9】表示パネルに表示される第2の選択画面を示す図である。
【図10】表示パネルに表示される画面を示す図である。
【図11】表示パネルに表示される画面を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10…USBケーブル、30…USBコントローラ、40…メインコントローラ、41…CPU、41a…ネットワーク設定部、41b…転送実行部、41c…ネットワーク制御部、42…ROM、43…RAM、44…EEPROM、45…メモリコントローラ、57…操作パネル、59…プリンタエンジン、60…プリンタ、70…USBコントローラ、80…メインコントローラ、81…CPU、81a…ネットワーク制御部、81b…パラメータ受信部、81c…UI表示部、82…ROM、83…RAM、84…EEPROM、85…メモリコントローラ、90…スキャナ装置、98…操作パネル、99…スキャナ部、100…複合機、201…サーバ、300…ネットワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の装置を互いのUSB接続部を用いてUSB接続することで複合的な機能を提供する複合機システムであって、
前記第1の装置は、
ネットワークに接続するためのパラメータを設定する設定部と、
前記設定されたパラメータを用いてネットワークの制御を行う第1のネットワーク制御部と、
前記ネットワークを通じて供給されたデータを用いて出力を行う第1の実行部と、
前記USB接続部を通じて前記パラメータを前記第2の装置へ転送する転送実行部と、を有し、
前記第2の装置は、
前記第1の装置とUSB接続された際、前記転送されたパラメータを、前記USB接続部を通じて受け取る受信部と、
前記転送されたパラメータを用いて、第2の装置のネットワークに接続するための制御を行う第2のネットワーク制御部と、
前記接続されたネットワークを通じてデータを通信する第2の実行部と、を有することを特徴とする複合機システム。
【請求項2】
前記第2の装置は、前記パラメータを受信した際、同パラメータを表示させる表示部を有することを特徴とする請求項1に記載の複合機システム。
【請求項3】
前記受信部は、前記設定されたパラメータを受け取る際、設定部のネットワーク設定機能を無効にすることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の複合機システム。
【請求項4】
前記受信部が第1の装置から受け取るパラメータは、ネットワーク接続設定に必要なパラメータと、ネットワークに接続する際のセキュリティー設定に必要なパラメータであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の複合機システム。
【請求項5】
他の装置とUSB接続するためのUSB接続部と、
ネットワークと接続するためのパラメータを設定する設定部と、
前記設定されたパラメータを用いてネットワークの制御を行う第1のネットワーク制御部と、
前記接続されたネットワークを通じて供給されたデータを用いて画像を形成する画像形成部と、
前記USB接続部を通じて接続された他の装置へ、同USB接続部を通じてパラメータを転送させる転送実行部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
画像データを読み取る読み取り部と、
他の装置とUSB接続するためのUSB接続部と、
前記USB接続部を通じて他の装置にUSB接続された際、前記他の装置から転送された各種パラメータを前記USB接続部を通じて受け取る受信部と、
前記転送されたパラメータを用いて、前記ネットワークに接続するための制御を行う第2のネットワーク制御部と、
前記読み取られた画像データを前記接続されたネットワークを通じて出力する画像出力部と、を有することを特徴とする画像読み取り装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−93442(P2010−93442A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259959(P2008−259959)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】