説明

複合無機粒子及びそれを製造及び使用する方法

シリカ粒子を含む複合無機粒子及び組成物を開示する。シリカ粒子の製造方法及び複合無機粒子を使用する方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、複合無機粒子、複合無機粒子を含む組成物、複合無機粒子の製造方法、及び複合無機粒子を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]種々の用途において、金属リン酸塩を含む金属酸化物粒子が非常に望ましい。例えば、昇温温度における厳しい化学的雰囲気に対する腐食抵抗、高温複合体の強化を与える繊維被覆、インプラントに関する生物活性表面のための被覆として、及び一般に望ましい電気的、化学的、熱的、及び機械的特性を得る基材の表面変性のためなどの種々の目的のために、金属リン酸塩材料を有する被覆を種々の基材に適用することができる。
【0003】
[0003]最適の特性を有しているので粒子を種々の用途において用いることができる金属リン酸塩を含む金属酸化物粒子のような粒子を開発する努力が当該技術において続けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]分散液又は懸濁液中で安定な金属リン酸塩を含む金属酸化物粒子に対する必要性が当該技術において存在する。更に、比較的小さく及び/又は寸法が均一である金属リン酸塩を含む金属酸化物粒子に対する必要性が当該技術において存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本発明は、金属リン酸塩を含む新規な複合無機粒子を見出すことによって、上記で議論した困難性及び問題点の幾つかに対処するものである。この複合無機粒子は、それらを懸濁状態に長時間維持することを可能にする粒径及び粒径分布を有する。更に、この複合無機粒子は、粒子の表面上に均一に分配されている所望量の利用可能な金属リン酸塩を与える組成及び構造を有する。新規な複合無機粒子は、通常は多孔質又は非多孔質の金属酸化物粒子であり、耐腐食剤、充填剤、硬化剤、表面変性剤などとして用いることができる。新規な複合無機粒子は、耐腐食被覆、塗料、生物活性表面被覆、保護被覆、歯科インプラント用の充填剤、セラミクス用の充填剤、眼鏡用ドープ剤などにおいて用いるのに特に好適である。
【0006】
[0006]1つの代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子の粉末は金属リン酸塩及び金属酸化物を含み、粒子は、金属酸化物コア、及び金属酸化物コアの上の金属リン酸塩の被覆を有する。
【0007】
[0007]他の代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子の粉末は、中央粒径が約50μm未満であるような粒径分布を有する金属酸化物及び金属リン酸塩の粒子を含む。中央粒径は、約40μm以下、約30μm以下、又は約20μm以下であってよい。中央粒径は、約0.001μm〜約50μm、約0.001μm〜約40μm、又は約0.001μm〜約30μmの範囲であってよい。
【0008】
[0008]更なる代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子の粉末は金属リン酸塩及び金属酸化物を含み、液体と混合した後に、少なくとも6ヶ月間安定した状態を保つ分散液を形成する。別の態様においては、分散液は少なくとも約1年間安定した状態を保つ。
【0009】
[0009]1つの代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子の分散液は金属リン酸塩及び金属酸化物を含み、粒子は金属酸化物コア及び金属酸化物コアの上の金属リン酸塩の被覆を有する。
【0010】
[0010]更なる代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子の分散液は金属リン酸塩及び金属酸化物を含み、分散液は少なくとも6ヶ月間安定した状態を保つ。別の態様においては、分散液は少なくとも約1年間安定した状態を保つ。
【0011】
[0011]本発明はまた、複合無機粒子を製造する方法にも関する。本発明による他の代表的な態様においては、複合無機粒子の製造方法は、金属酸化物粒子を与え、金属酸化物粒子上に金属リン酸塩の被覆を形成することを含む。
【0012】
[0012]本発明による他の代表的な態様においては、複合無機粒子の製造方法は、金属酸化物粒子を与え、金属酸化物粒子の上に金属リン酸塩の被覆を形成することを含む。複合無機粒子は、中央粒径が約50μm未満であるような粒径分布を有していてよい。
【0013】
[0013]本発明による1つの代表的な態様においては、複合無機粒子の製造方法は、金属酸化物粒子を与え、金属酸化物粒子の上に金属リン酸塩の被覆を形成することを含む。分散液は少なくとも6ヶ月間、更には1年間超まで安定した状態を保つことができる。
【0014】
[0014]本発明は更に、複合無機粒子を使用する方法に関する。複合無機粒子を使用する1つの代表的な方法においては、この方法は、金属リン酸塩及び金属酸化物を含む複合無機粒子の粉末を与え;粉末を液体と混合して分散液を形成し;分散液を基材に適用する;ことを含み、粒子は金属酸化物コア及び金属酸化物コアの上の金属リン酸塩の被覆を有する。
【0015】
[0015]複合無機粒子を使用する他の代表的な方法においては、この方法は、液体並びに金属リン酸及び金属酸化物を含む複合無機粒子の分散液を与え;分散液を基材に適用する;ことを含み、粒子は金属酸化物コア及び金属酸化物コアの上の金属リン酸塩の被覆を有する。
【0016】
[0016]本発明のこれらの及び他の特徴並びに有利性は、開示された態様の以下の詳細な記載及び特許請求の範囲を検討した後に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0017]本発明の原理の理解を促進するために、以下において本発明の特定の態様を説明し、特定の用語を用いて特定の態様を説明する。しかしながら、特定の用語を用いることによって本発明の範囲を限定する意図はないことが理解されるであろう。議論される本発明の原理の変更、更なる修正、及びかかる更なる適用は、本発明が属する技術の当業者が通常的に想到するものであると考えられる。
【0018】
[0018]本発明は複合無機粒子に関する。本発明は更に、複合無機粒子を製造する方法、並びに複合無機粒子を使用する方法に関する。代表的な複合無機粒子、複合無機粒子を製造する方法、及び複合無機粒子を使用する方法の記載を以下に与える。
【0019】
[0019]本明細書及び特許請求の範囲において用いる単数形「a」、「and」、及び「the」は、記載が他に明確に示さない限り複数の指示物を包含することに注意すべきである。而して、例えば「酸化物」という記載は複数のかかる酸化物を包含し、「酸化物」という記載は1種類以上の酸化物及び当業者に公知のその均等物などの記載を包含する。
【0020】
[0020]例えば本発明の幾つかの態様の説明において用いる組成物中の成分の量、濃度、体積、プロセス温度、プロセス時間、回収率又は収率、流速、及び同様の値、並びにそれらの範囲を修飾する「約」は、例えば通常の測定及び取り扱い手順を通して;これらの手順における偶然のエラーを通して;方法を実施するために用いる成分における差;並びに同様の近似考慮事項;を通して起こる可能性のある数量の変動を指す。「約」という用語はまた、特定の初期濃度を有する配合物又は混合物の経時変化によって相違する量、並びに特定の初期濃度を有する配合物又は混合物の混合又は処理によって相違する量も包含する。「約」という用語によって修飾されているかどうかにかかわらず、特許請求の範囲はこれらの量の均等範囲を包含する。
【0021】
[0021]本明細書において用いる「無機」という用語は、例えば一酸化炭素、二酸化炭素、炭酸塩、シアン化物、シアン酸塩、炭化物、及びチオシアン酸塩のような幾つかの炭素含有化合物を除いて通常は炭素原子を含まない化合物を意味する。無機材料としては、酸化物、硫化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩等、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
[0022]本明細書において用いる「金属酸化物」とは、金属がカチオンであり酸化物がアニオンである二元酸素化合物として定義される。金属にはメタロイドも含ませることができる。金属としては、周期律表上のホウ素からポロニウムへ引かれる対角線の左側の元素が挙げられる。メタロイド又は半金属としては、この線上にある元素が挙げられる。金属酸化物の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0023】
[0023]本明細書において用いる「多孔質粒子」という用語は、窒素ポロシメトリーによって測定して大きな内部多孔度、即ち約0.05cc/gより大きい多孔度を有する粒子を意味し、「非多孔質」という用語は内部多孔度が小さいか又は有しない、即ち約0.05cc/g未満の内部多孔度を有する粒子を意味する。多孔質粒子の例としては、シリカゲル、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、ベーマイトアルミナ等が挙げられ、非多孔質粒子の例としては、コロイダルシリカ、アルミナ、チタニア等が挙げられる。
【0024】
[0024]本発明の複合無機粒子は、複合無機粒子が公知の複合無機粒子と比べた際に1以上の有利性を与えることを可能にする物理的構造及び特性を有する。本発明は、金属リン酸塩及び金属酸化物を含む新規な複合無機粒子を見出すことによって上記で議論した困難性及び問題点の幾つかに対処するものである。複合無機粒子は、複合無機粒子を液体中に分散した際に向上した安定性を与える特性を有する。複合無機粒子は、それらを長時間懸濁状態で維持することを可能にする粒径及び粒径分布を有する。更に、複合無機粒子は、粒子の表面上に均一に分配されている所望量の利用可能な金属リン酸塩を与える組成及び構造を有する。この新規な複合無機粒子は、通常は多孔質又は非多孔質の金属酸化物及び金属リン酸塩の粒子であり、耐腐食剤、充填剤、硬化剤、表面変性剤などとして用いることができる。新規な複合無機粒子は、耐腐食被覆、塗料、生物活性表面被覆、保護被覆、歯科インプラント用の充填剤、セラミクス用の充填剤、眼鏡用ドープ剤などにおいて用いるのに特に好適である。
【0025】
[0025]1つの代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子の粉末は金属リン酸塩及び金属酸化物を含み、粒子は金属酸化物コア及び金属酸化物コアの上の金属リン酸塩の被覆を有する。
【0026】
[0026]他の代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子の粉末は、中央粒径が約50μm未満であるような粒径分布を有する金属酸化物及び金属リン酸塩の粒子を含む。更なる代表的な態様においては、中央粒径は、約40μm以下、約30μm以下、又は約20μm以下であってよい。更なる態様においては、中央粒径は、約0.001μm〜約50μm、約0.001μm〜約40μm、又は約0.001μm〜約30μmの範囲であってよい。
【0027】
[0027]更なる代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子の粉末は金属リン酸塩及び金属酸化物を含み、液体と混合した後に、少なくとも6ヶ月間安定した状態を保つ分散液を形成する。別の態様においては、分散液は少なくとも約1年間安定した状態を保つ。
【0028】
[0028]1つの代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子の分散液は金属リン酸塩及び金属酸化物を含み、粒子は金属酸化物コア及び金属酸化物コアの上の金属リン酸塩の被覆を有する。
【0029】
[0029]更なる代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子の分散液は金属リン酸塩及び金属酸化物を含み、分散液は少なくとも6ヶ月間安定した状態を保つ。別の態様においては、分散液は少なくとも約1年間安定した状態を保つ。
【0030】
[0030]1つの代表的な態様においては、本発明の複合粒子は、中央粒径が約50μm以下であるような粒径分布を有する複合無機粒子を含む。粒径分布は、中央粒径が約49μm以下、約48μm以下、約47μm以下、46μm以下、45μm以下、44μm以下、43μm以下、42μm以下、41μm以下、40μm以下、39μm以下、38μm以下、37μm以下、36μm以下、35μm以下、34μm以下、33μm以下、32μm以下、31μm以下、30μm以下であるようなものであってよい。他の代表的な態様においては、複合粒子の中央粒径は、約0.001μm〜約50μm、約0.001μm〜約40μm、又は約0.001μm〜約30μmの範囲であってよい。
【0031】
[0031]多孔質材料を用いる他の代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子は、窒素ポロシメトリーによって測定して少なくとも約0.40cc/gの細孔容積を有していてよい。本発明の1つの代表的な態様においては、複合無機粒子は、窒素ポロシメトリーによって測定して約0.40cc/g〜約1.4cc/gの細孔容積を有する。本発明の他の代表的な態様においては、複合無機粒子は、窒素ポロシメトリーによって測定して約0.75cc/g〜約1.1cc/gの細孔容積を有する。多孔質金属酸化物コア粒子を用いることの更なる利益によって、容易に可溶化することができる所望量の金属リン酸塩が与えられ、それから製造される配合物中の成分との向上した相互作用が可能になる。
【0032】
[0032]1つの代表的な態様においては、本発明の複合無機粒子は、BET窒素吸着法(即ちブルナウアー・エメット・テラー法)によって測定して少なくとも約150m/gの表面積を有していてよい。本発明の他の代表的な態様においては、複合無機粒子は、約400m/g〜約700m/gのBET表面積を有する。本発明の更なる代表的な態様においては、複合無機粒子は、約450m/g〜約500m/gのBET表面積を有する。
【0033】
[0033]他の代表的な態様においては、金属酸化物コアは、例えばコロイド状粒子を形成するための溶液重合法、例えば融合粒子を形成するための連続火炎加水分解法、例えばゲル化粒子を形成するためのゲル法、及び例えば沈殿粒子を形成するための沈殿法など(しかしながらこれらに限定されない)の任意の公知の方法によって形成される任意の多孔質又は非多孔質の粒子を含む。粒子は無機材料から構成することができる。1つの代表的な態様においては、コア粒子は、金属酸化物、硫化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩等のような無機材料から構成されるが、好ましくは金属酸化物である。粒子は、鎖状、棒状、又はラス形状などの種々の異なる対称、非対称、又は不規則形状であってよい。粒子は、アモルファス又は結晶質等をはじめとする異なる構造を有していてよい。粒子は、異なる組成、寸法、形状、又は物理的構造を含むか、或いは異なる表面処理の他は同じであってよい粒子の混合物を含んでいてよい。
【0034】
[0034]一態様においては、金属酸化物コア粒状物は、沈殿金属酸化物(例えば、シリカ、アルミナ、チタニア等)、金属酸化物ゲル、又はヒュームド金属酸化物のような多孔質材料を含む。当該技術において周知なように、沈降シリカの形成は、まずより大きな粒子に成長させることができる一次粒子の種を形成し、次に凝集させ、次にこれらの凝集体を凝塊させることによる水ガラスと酸との間の反応中に起こる。反応条件によって、凝塊物を所謂強化によって更により融合させることができる。特定の凝塊体の寸法及び濃度において、含水シリカは反応スラリーから沈殿物として沈降し始める。スラリーから含水シリカを単離し、粗シリカから反応電解液を除去するために、沈殿物をスラリーから濾過し、洗浄する。得られるフィルターケーキを次に、当該技術において公知の乾燥装置を用いて乾燥する。乾燥の方法及び程度によって、乾燥工程中にシリカ構造の強化が起こり、最初のシラノール基から不可逆性のSi−O−Si結合が形成される。沈殿金属酸化物を製造する方法としては、米国特許7,037,475−B1;5,030,286;及び4,157,920(これらの全ての主題は参照として本明細書中に包含する)に示されているものが挙げられる。本発明の更なる態様においては、金属酸化物粒子は、上記に記載した一般的な金属酸化物沈殿プロセスの一次粒子、成長粒子、凝集粒子、凝塊粒子、又はフィルターケーキに由来する。
【0035】
[0035]金属酸化物ゲルの製造方法は当該技術において周知であり、米国特許6,380,265(その全ての主題は参照として本明細書中に包含する)に示されているものが挙げられる。例えば、シリカゲルは、アルカリ金属ケイ酸塩(例えばケイ酸ナトリウム)の水溶液を、硝酸又は硫酸のような強酸と混合することによって製造され、混合は、好適な撹拌条件下で行って、約0.5時間未満でヒドロゲル、即ちマクロゲルになる明澄なシリカゾルを形成する。次に得られるゲルを洗浄する。ヒドロゲル中で形成される金属酸化物、即ちSiOの濃度は通常は約10〜約50重量%の範囲であり、このゲルのpHは約1〜約9、好ましくは1〜約4である。広範囲の混合温度を用いることができ、この範囲は通常は約20〜約50℃である。新しく形成されるヒドロゲルは、水の連続移動流中に浸漬することによって簡単に洗浄し、これによって望ましくない塩を除去し、約99.5重量%以上の純度の金属酸化物をその後に残留させる。洗浄水のpH、温度、及び時間は、表面積(SA)及び細孔容積(PV)のようなシリカの物理特性に影響を与える。65〜90℃において8〜9のpHで15〜36時間洗浄したシリカゲルは、通常は250〜400のSAを有し、1.4〜1.7cc/gのPVを有するエアロゲルを形成する。50〜65℃において3〜5のpHで15〜25時間洗浄したシリカゲルは、700〜850のSAを有し、0.6〜1.3のPVを有するエアロゲルを形成する。これらの測定値はN多孔度分析によって得られる。アルミナのような金属酸化物ゲル、及びシリカ/アルミナコゲルのような混合金属酸化物ゲルの製造方法も当該技術において周知である。かかるゲルを製造する方法は、米国特許4,226,743(その内容は参照として本明細書中に包含する)に開示されている。一般に、アルミナゲルは、アルカリ金属アルミン酸塩と硫酸アルミニウムを混合することによって製造される。コゲルは、2種類の金属酸化物を共ゲル化してゲルが一緒に合成されるようにすることによって製造される。例えば、シリカアルミナコゲルは、アルカリ金属ケイ酸塩を酸又は酸塩と一緒にゲル化し、次にアルカリ金属アルミン酸塩を加え、混合物を熟成し、次に硫酸アルミニウムを加えることによって製造することができる。次に、通常の方法を用いてゲルを洗浄する。
【0036】
[0036]他の代表的な態様においては、金属酸化物粒子は、コロイド状金属酸化物粒子のような非多孔質金属酸化物を含む。コロイド状金属酸化物としては、粒子が比較的長い時間にわたって分散液から沈降しない分散液又はゾルから生成する粒子が挙げられる。かかる粒子は、通常は1ミクロンより小さい寸法である。約1〜300nmの範囲の平均粒径を有するコロイド状金属酸化物及びその製造方法は当該技術において周知である。米国特許2,244,325;2,574,902;2,577,484;2,577,485;2,631,134;2,750,345;2,892,797;3,012,972;及び3,440,174(これらの内容は参照として本明細書中に包含する)を参照。代表的な態様においては、コロイド状金属酸化物粒子は、5〜100nmの範囲の平均粒径を有するコロイダルシリカであってよい。コロイダルシリカは、9〜約2700m/gの表面積(BETによって測定)を有していてよい。
【0037】
[0037]1つの代表的な態様においては、金属酸化物コア粒子は、約40μm以下、約30μm以下、又は約20μm以下の平均粒径を有する。他の代表的な態様においては、金属酸化物コア粒子は、約0.001μm〜約50μm、約0.001μm〜約40μm、又は約0.001μm〜約30μmの範囲の中央粒径を有する。更なる代表的な態様においては、金属酸化物コア粒子は、約10ミクロン以下、又は約9、8、7、6、5、4、3、2、又は更には1ミクロン以下の平均粒径を有する。
【0038】
[0038]代表的な態様においては、複合無機粒子は、金属酸化物コアを、その上に形成されている金属リン酸塩を含む被覆と共に含む。被覆は連続又は不連続であってよい。一態様においては、金属リン酸塩はリン酸カルシウムであってよい。金属酸化物コア上に堆積する金属リン酸塩の量は反応条件によって変動する。例えば、一態様においては、複合無機粒子は、約0.001〜約0.5、又は約0.001〜約0.4、又は約0.001〜約0.3、又は更には約0.001〜約0.2の複合無機粒子中の金属酸化物の重量に対する金属の重量の比(wt−M/wt−MO)を有する。
【0039】
[0039]本発明はまた、複合無機粒子の製造方法にも関する。本発明による1つの代表的な態様においては、複合無機粒子の製造方法は、金属酸化物粒子を与え、金属酸化物粒子の上に金属リン酸塩の被覆を形成することを含む。
【0040】
[0040]本発明による他の代表的な態様においては、複合無機粒子の製造方法は、金属酸化物粒子を与え、金属酸化物粒子の上に金属リン酸塩の被覆を形成することを含む。複合無機粒子は、中央粒径が約50μm未満であるような粒径分布を有していてよい。1つの代表的な態様においては、金属酸化物コア粒子は、約40μm以下、約30μm以下、又は約20μm以下の平均粒径を有する。他の代表的な態様においては、金属酸化物コア粒子は、約0.001μm〜約50μm、約0.001μm〜約40μm、又は約0.001μm〜約30μmの範囲の中央粒径を有する。
【0041】
[0041]本発明による1つの代表的な態様においては、複合無機粒子の製造方法は、金属酸化物粒子を与え、金属酸化物粒子の上に金属リン酸塩の被覆を形成することを含む。分散液は、少なくとも6ヶ月間、更には1年超まで安定した状態を保つことができる。
【0042】
[0042]一態様においては、金属酸化物粒子は、複合無機粒子を形成する前に形成する。本発明の金属酸化物粒子及び複合無機粒子を形成するために用いる原材料、並びに本発明の金属酸化物粒子及び複合無機粒子を形成するための方法工程を以下において議論する。
【0043】
[0043]本発明の金属酸化物粒子の製造方法は、数多くの金属酸化物含有原材料から形成することができる。例えば、シリカを製造するための好適な原材料としては、アルカリ金属ケイ酸塩のような金属ケイ酸塩が挙げられるが、これに限定されない。コア材料のためにどの金属酸化物粒子(例えば、コロイド状、ヒュームド、沈殿、ゲル等)を選択するかによって、反応物質及びプロセス条件がここに示すように変化する。
【0044】
[0044]例えば、金属酸化物コア粒子としてシリカゲルを選択する場合には、これらはゲルを製造するための上記記載のプロセスによって製造する。洗浄の後、ゲルを乾燥する。乾燥速度は、最終的な金属酸化物粒子の表面積及び細孔容積に影響を与える。1つの代表的な態様においては、乾燥工程は、シリカ生成物のデカンテーションした体積又はフィルターケーキをトレイ中に展開して、約1.25cmのシリカケーキ厚さを形成し;シリカケーキを含むトレイを、約140℃のオーブン温度の重力対流オーブン内に約20時間配置し;トレイ及びシリカをオーブンから取り出し;そしてシリカを回収する;ことを含む。次に、乾燥したシリカ材料を粉砕及び/又は分級して、約50μm以下の平均粒径を有する粉末を得る。1つの代表的な態様においては、金属酸化物コア粒子は、約40μm以下、約30μm以下、又は約20μm以下の平均粒径を有する。他の代表的な態様においては、金属酸化物コア粒子は、約0.001μm〜約50μm、約0.001μm〜約40μm、又は約0.001μm〜約30μmの範囲の中央粒径を有する。次に、粒子は、複合無機粒子のその後の製造を行う準備が整う。
[0045]本発明による他の代表的な態様においては、複合無機粒子の製造方法は、金属酸化物コア粒子の分散液を形成し、混合物を撹拌しながら、金属塩及びリン酸塩の溶液を塩基性pH(例えば7〜14)でそれに加えることを含む。リン酸塩に対する金属塩のモル比は任意の範囲であってよいが、1.0〜2.0の範囲内である。金属及びリン酸塩試薬は、所定の時間、例えば数時間以下かけて加えることができるが、通常は1時間未満である。水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等、又はこれらの混合物など(しかしながらこれらに限定されない)の適当な塩基との反応中に塩基性のpHを保持する。反応中に形成される全ての塩を除去するために、得られるスラリーを洗浄し、濾過/限外濾過する。複合無機粒子がナノ粒子である代表的な態様においては、得られるスラリーは長時間、更には1年間超安定である。得られる複合無機粒子中の金属成分に関する金属含量は、複合無機粒子中の金属酸化物の重量を基準として約0.01〜約0.50の範囲である。得られる複合無機粒子分散液の固形分含量は、分散液の全重量を基準として約1〜約40重量%の範囲である。別の代表的な態様においては、複合無機粒子を含む分散液を排水してフィルターケーキを形成し、次に乾燥するか、又は単純に噴霧乾燥する。
【0045】
[0046]本発明は更に、複合無機粒子を使用する方法に関する。複合無機粒子は、耐腐食被覆用途における耐腐食剤として、他の被覆用途のための顔料として、生物適合性又はセラミック用途における充填剤として、歯科セメントにおける活性成分として、保護被覆における硬化剤として、所望の電気的、化学的、熱的、及び機械的特性を得るための基材の表面変性のための被覆における表面変性剤としてなどをはじめとする種々の用途において用いることができる。金属酸化物粒子を使用する1つの代表的な方法においては、この方法は、金属リン酸塩及び金属酸化物を含む複合無機粒子の粉末を与え;粉末を液体と混合して分散液を形成し;そして分散液を基材に適用する;ことを含み、粒子は金属酸化物コア及び金属酸化物コアの上の金属リン酸塩の被覆を有する。複合無機粒子を使用する他の代表的な方法においては、この方法は、液体、並びに金属リン酸塩及び金属酸化物を含む複合無機粒子の分散液を与え;分散液を基材に適用する;ことを含み、粒子は金属酸化物コア及び金属酸化物コアの上の金属リン酸塩の被覆を有する。複合無機粒子は、中央粒径が約50μm未満であるような粒径分布を有していてよい。分散液には種々の他の成分を含ませることができ、及び/又は分散液は所望の用途によって他の配合物中で用いることができる。例えば、複合無機粒子が耐腐食被覆配合物中で用いることを意図している場合には、複合無機粒子は、配合物に、粉末、分散液、又はペーストとして加える。複合無機粒子を歯科用セメント中で用いる場合には、これらは粉末、分散液、又はペーストとして加えることができる。
【0046】
[0047]本発明の複合無機粒子の有利性は、これらを長時間懸濁状態に維持することを可能にする粒径及び粒径分布によって与えられる。更に、複合無機粒子は、粒子の表面上に均一に分配されている所望量の利用可能な金属リン酸塩を与える組成及び構造を有する。
【実施例】
【0047】
[0048]以下の実施例によって本発明を更に示すが、これらはいかなるようにも本発明の範囲に対して限定を与えるように解釈すべきではない。むしろ、本解決手段は種々の他の態様、変更、及びその均等物を有することができ、これらは本明細書中の記載を読んだ後は、本発明の精神及び/又は特許請求の範囲から逸脱することなくそれ自体当業者が示唆することができることが明確に理解される。以下の実施例はシリカに言及しているが、任意の金属酸化物を本発明において用いることができる。更に、実施例においてはリン酸カルシウムに言及しているが、任意の金属リン酸塩を本発明において用いることができる。
【0048】
実施例1
[0049]米国特許2,631,134に示す方法を用いてコロイダルシリカを製造した。この実施例においては、形成されたシリカゾルを連続的に排出しながらケイ酸塩及び樹脂を反応容器に同時に加えることによって反応を行った。反応は、ビーカーの内容物を2Lに維持する溢流管を有する4Lのステンレススチールビーカー内で行った。開始時においてはビーカーを水で満たした。ケイ酸ナトリウムの溶液(3.25SiO:NaO、10%SiO)を25mL/分の速度でビーカー中に供給した。同時に、湿潤させ、排水した"Amberlite(登録商標) IRC-50"(水素形態)を、pHを9±0.3に維持するような速度でビーカー中に供給した。温度を約60℃に維持した。ケイ酸塩の添加中は系を激しく撹拌した。溢流をフィルター上に落下させ、直ちに濾過し、濾液の初めの2Lを廃棄した。樹脂及びケイ酸塩の添加を数時間継続した。生成物は、12nmの粒径、約9のpH、約100:1のSiO:NaOの比を有し、約10%のSiOを含むシリカゾルであった。次に、ゾルを100℃において蒸発させることによって40%シリカに濃縮した。600gのコロイダルシリカスラリー(40%SiO)をビーカー内に配置した。通常のビーカーミキサーを用いてよく混合しながら、これに3種類の別々の試薬を同時に加えた。全ての添加は室温において行った。混合物に加えた第1の試薬(2000g)は、Ca(NO・4HOの3重量%溶液(溶液の重量を基準)であった。混合物に加えた第2の試薬(1200g)は、NaHPOの3重量%溶液であった。混合物に加えた第3の試薬は、NaOHの2重量%溶液であった。カルシウム及びリン酸塩の試薬を、全量を40分間で加えるような速度で加えた。NaOHを適当に加えることによってpHを9.5に維持した。この実施例においては、355gのNaOHの上述の2重量%溶液を用いた。全ての試薬を加え、反応が完了したら、反応中に生成した塩を除去するためにスラリーを限外濾過した。最終的な複合リン酸カルシウムシリカ粒子分散液は安定(即ち粒子が沈殿しない)であり、粒子は、1.67のCa/Pのモル比、及び0.04のwt−Ca/wt−SiOを有していた。分散液のpHは9.4であり、固形分含量は分散液の全重量を基準として21.3重量%であった(205℃において一定の重量まで乾燥することによって得た)。分散液は少なくとも6ヶ月間安定した状態を保った。
【0049】
実施例2
[0050]半分の量の硝酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを用いて実施例1のプロセスを繰り返した。これらの試薬を19分間かけて加えた。最終的な複合リン酸カルシウムシリカ粒子分散液は安定であり、粒子は、1.68のCa/Pのモル比、及び0.02のwt−Ca/wt−SiOを有していた。分散液のpHは9.3であり、固形分含量は分散液の全重量を基準として19.2重量%であった。分散液は少なくとも6ヶ月間安定した状態を保った。
【0050】
実施例3
[0051]実施例1に示すプロセスによって製造した800gの7nmコロイダルシリカスラリー(30%SiO)を用いて実施例1のプロセスを繰り返した。より短い反応時間を用いることによってより小さい粒子を形成し、より短い蒸発時間を用いることによってより低い固形分を与えた。用いた反応物質の他の量は実施例1に示すものと同じであった。最終的な複合リン酸カルシウムシリカ粒子分散液は安定であり、粒子は、1.71のCa/Pのモル比、及び0.04のwt−Ca/wt−SiOを有していた。分散液のpHは9.5であり、固形分含量は分散液の全重量を基準として21.6重量%であった。分散液は少なくとも6ヶ月間安定した状態を保った。
【0051】
実施例4
[0052]半分の量の硝酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを用いて実施例3のプロセスを繰り返した。用いた反応物質の他の量は実施例1に示すものと同じであった。最終的な複合リン酸カルシウムシリカ粒子分散液は安定であり、粒子は、1.99のCa/Pのモル比、及び0.02のwt−Ca/wt−SiOを有していた。分散液のpHは9.5であり、固形分含量は分散液の全重量を基準として21.6重量%であった。分散液は少なくとも6ヶ月間安定した状態を保った。
【0052】
実施例5
[0053]本明細書及び米国特許6,380,265において示すプロセスにしたがってシリカゲルを製造した。例えば、シリカゲルは、アルカリ金属ケイ酸塩(例えばケイ酸ナトリウムの水溶液を硫酸と混合し、混合を好適な撹拌条件下で行って明澄なシリカゾルを形成し、これを約0.5時間未満でヒドロゲル、即ちマクロゲルにすることによって製造される。次に、得られたゲルを洗浄した。ヒドロゲル中に形成された金属酸化物、即ちSiOの濃度は通常は約19重量%の範囲であり、そのゲルのpHは約1.5であった。広範囲の混合温度を用いることができ、この温度は約27℃であった。新しく形成されたヒドロゲルを、単純に水の連続移動流中に浸漬して、望ましくない塩を除去し、約99.5重量%以上の純度の金属酸化物をその後に残留させることによって洗浄した。シリカゲルを、約80℃において約8のpHで約25時間洗浄した。シリカゲルを排水し、乾燥し、次に粉砕して、270m/gの表面積、1.2cc/gの細孔容積、及び6ミクロンの中央粒径を有する粉末を形成した。528gのシリカ粉末を792gの脱イオン水中に分散させ、2重量%の水酸化ナトリウムを用いてpHを9.5に調節した。全ての添加は室温において行った。次に、2200gの3重量%−Ca(NO・4HO及び880gの3重量%−NaHPOを、39分間かけて同時に加えた。2重量%−NaOHを適当に加えることによって、スラリーのpHを9.5に維持した。この目的のために517gの2重量%−NaOHを用いた。次に、スラリーを濾過し、550mLの脱イオン水で3回洗浄した。フィルターケーキを脱イオン水中に再分散させた後、噴霧乾燥した。最終的な粉末は0.06のwt−Ca/wt−SiOを有していた。
【0053】
[0054]これらの実施例は、本発明の複合無機(例えば金属リン酸塩金属酸化物)粒子が、十分な量の金属リン酸塩をその中に有する安定な粒子分散液を与えることを示す。これらの分散液によって、医療、歯科、耐腐食、及び塗料用途など(しかしながらこれらに限定されない)の種々の用途において用いることができる有利なレベルの金属リン酸塩を有する望ましい配合物が製造される。
【0054】
[0055]本発明を限られた数の態様によって説明したが、これらの特定の態様は本明細書において他に記載され特許請求されている発明の範囲を限定することを意図するものではない。更なる修正、均等物、及び変更が可能であることは、本明細書中の具体的な態様を検討することにより当業者に明らかである。実施例及び明細書の残りの部分における全ての部及びパーセントは、他に特定しない限り重量基準である。更に、明細書又は特許請求の範囲において示す全ての数値範囲、例えば特性の特定の組、測定値の単位、条件、物理的状態、又は割合を示すものは、明らかに、言及するか又は他の方法で示すかかる範囲内に含まれる全ての数、並びにそのように示されている任意の範囲内の数の任意の部分集合を文字通り含むものであると意図される。例えば、下限R及び上限Rを有する数値範囲が開示されている場合には常に、この範囲内に含まれる任意の数Rが具体的に開示されている。特に、この範囲内の次の数R:R=R+k(R−R)(式中、kは1%の増分で1%〜100%の範囲の変数であり、例えばkは、1%、2%、3%、4%、5%、・・・50%、51%、52%、・・・95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である)が具体的に開示されている。更に、上記で算出されるRの任意の二つの値によって表される任意の数値範囲も、具体的に開示されている。本明細書において示し記載したものに加えて、本発明の任意の修正は、上記の記載及び添付の図面から当業者に明らかとなるであろう。かかる修正は、特許請求の範囲内に包含されると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体;
金属リン酸塩及び金属酸化物を含む粒子;
を含み、少なくとも6ヶ月間安定した状態を保つ、複合無機粒子の分散液。
【請求項2】
分散液が少なくとも1年間安定した状態を保つ、請求項1に記載の分散液。
【請求項3】
金属リン酸塩が、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、及びこれらの混合物を含む、請求項1に記載の分散液。
【請求項4】
金属酸化物が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物を含む、請求項1に記載の分散液。
【請求項5】
金属酸化物がナノ粒子を含む、請求項1に記載の分散液。
【請求項6】
複合無機粒子が、約0.001〜約0.5の金属酸化物の重量に対する金属の重量の比を有する、請求項1に記載の分散液。
【請求項7】
液体;
金属リン酸塩及び金属酸化物を含む粒子;
を含み、粒子が、その上に金属リン酸塩が形成されている金属酸化物コアを含む、複合無機粒子の分散液。
【請求項8】
金属リン酸塩が、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、及びこれらの混合物を含む、請求項7に記載の分散液。
【請求項9】
金属酸化物が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物を含む、請求項7に記載の分散液。
【請求項10】
金属酸化物がナノ粒子を含む、請求項7に記載の分散液。
【請求項11】
複合無機粒子が、約0.001〜約0.5の金属酸化物の重量に対する金属の重量の比を有する、請求項7に記載の分散液。
【請求項12】
金属リン酸塩及び金属酸化物を含む粒子;
を含み、粒子が、その上に金属リン酸塩が形成されている金属酸化物コアを含む、複合無機粒子の粉末。
【請求項13】
金属リン酸塩が、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、及びこれらの混合物を含む、請求項12に記載の粉末。
【請求項14】
金属酸化物が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物を含む、請求項12に記載の粉末。
【請求項15】
金属酸化物がナノ粒子を含む、請求項12に記載の粉末。
【請求項16】
複合無機粒子が、約0.001〜約0.5の金属酸化物の重量に対する金属の重量の比を有する、請求項12に記載の粉末。
【請求項17】
その上に金属リン酸塩が形成されている金属酸化物コア;
を含み、粒子が、中央粒径が約50μm未満であるような粒径分布を有する複合無機粒子。
【請求項18】
金属リン酸塩が、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、及びこれらの混合物を含む、請求項17に記載の無機粒子。
【請求項19】
金属酸化物が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物を含む、請求項17に記載の無機粒子。
【請求項20】
粒径分布が、中央粒径が約0.001μm〜約40μmの範囲であるようなものである、請求項17に記載の無機粒子。
【請求項21】
粒径分布が、中央粒径が約0.001μm〜約30μmの範囲であるようなものである、請求項17に記載の無機粒子。
【請求項22】
金属酸化物がナノ粒子を含む、請求項17に記載の無機粒子。
【請求項23】
複合無機粒子が、約0.001〜約0.5の金属酸化物の重量に対する金属の重量の比を有する、請求項17に記載の無機粒子。
【請求項24】
(a)金属酸化物粒子の分散液を与え;
(b)金属リン酸塩前駆体の溶液を与え;
(c)金属リン酸塩前駆体の溶液を金属酸化物粒子と混合し;そして
(d)金属リン酸塩を金属リン酸塩前駆体から金属酸化物上に堆積させて複合無機粒子を形成する;
工程を含む複合無機粒子の製造方法。
【請求項25】
金属リン酸塩が、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、及びこれらの混合物を含む、請求項24に記載の複合無機粒子の製造方法。
【請求項26】
金属酸化物が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの混合物を含む、請求項24に記載の複合無機粒子の製造方法。
【請求項27】
分散液が少なくとも6ヶ月間安定した状態を保つ、請求項24に記載の複合無機粒子の製造方法。
【請求項28】
分散液が少なくとも12ヶ月間安定した状態を保つ、請求項24に記載の複合無機粒子の製造方法。
【請求項29】
金属酸化物がナノ粒子を含む、請求項24に記載の複合無機粒子の製造方法。
【請求項30】
複合無機粒子が、約0.001〜約0.5の金属酸化物の重量に対する金属の重量の比を有する、請求項24に記載の複合無機粒子の製造方法。
【請求項31】
請求項24に記載の方法によって形成される複合無機粒子。

【公表番号】特表2013−515670(P2013−515670A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547102(P2012−547102)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/060050
【国際公開番号】WO2011/081874
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(590001706)ダブリュー・アール・グレース・アンド・カンパニー−コーン (13)
【氏名又は名称原語表記】W R GRACE & CO−CONN
【Fターム(参考)】