説明

複合燃焼装置

【課題】複数の燃焼ユニットを備えて、各燃焼ユニットの燃焼排ガスを共通の排気筒から排出し、ファンの給排気能力が低い燃焼ユニットを単独運転させる際にも、排気筒の閉塞度合を精度良く検出できる複合燃焼装置を提供する。
【解決手段】第1バーナ12及び第1ファン18を有する第1燃焼ユニット1と、第2バーナ22及び第1ファン18よりも送風能力が低い第2ファン28を有する第2燃焼ユニット2と、燃焼制御部56が第2燃焼ユニット2を単独運転するときに、第2バーナ22の点火処理が行われる前に、第1ファン18を第1所定回転速度で作動させて、第1所定回転速度での作動時の通電量に基づいて排気筒4の閉塞度合を検出する排気筒閉塞検出部53とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナとファンを有する複数の燃焼ユニットからの燃焼排ガスを、共通の排気筒に排出する複合燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば給湯器において、熱交換器を加熱するバーナの給排気通路の閉塞度合を、バーナに燃焼用空気を供給すると共にバーナの燃焼排ガスを排気するファンを、所定回転速度で作動させるときに必要となる通電量の変化に基づいて検出するようにした構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された給湯器では、バーナの点火開始前にファンの通電量の変化により給排気通路の閉塞度合を検出し、給排気通路の閉塞度合が基準値以上になったときに、バーナの点火を禁止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−247452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、ファンの通電量に基づいて給排気通路の閉塞度合を検出する場合、ファンの給排気能力が高いときには閉塞度合の上昇に応じた通電量の低下幅が大きいため、給排気通路の閉塞度合を精度良く検出することができる。しかし、例えば、給湯用のバーナ及びファンと暖房用のバーナ及びファンとを備えた、いわゆる2缶2水タイプの熱源機のように、バーナとファンを有する給湯用の燃焼ユニット及び暖房用の燃焼ユニットからの燃焼排ガスを、共通の排気筒を介して行う複合燃焼装置では、給湯用ファンの給排気能力に比べて暖房用ファンの給排気能力が低いため、暖房単独運転時に、暖房用ファンの通電量に基づいて排気筒の閉塞度合を精度良く検出することが困難であった。
【0006】
本発明はかかる背景を鑑みてなされたものであり、ファンの給排気能力が異なる複数の燃焼ユニットを備えて、各燃焼ユニットの燃焼排ガスを共通の排気筒から排出し、ファンの給排気能力が低い燃焼ユニットを単独運転させる際にも、排気筒の閉塞度合を精度良く検出できる複合燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、第1バーナと、第1給排気通路を介して、該第1バーナに燃焼用空気を供給すると共に該第1バーナの燃焼排ガスを排気筒に送出する第1ファンとを有する第1燃焼ユニットと、第2バーナと、給排気能力が前記第1ファンよりも低く、第2給排気通路を介して、該第2バーナに燃焼用空気を供給すると共に該第2バーナの燃焼排ガスを前記排気筒に送出する第2ファンとを有する第2燃焼ユニットとを、少なくとも含む複数の燃焼ユニットと、前記複数の燃焼ユニットの燃焼運転を実行する燃焼制御部と、前記第1ファンの通電量を検出する第1電流センサと、前記燃焼制御部が前記複数の燃焼ユニットのうちの前記第2燃焼ユニットのみを単独運転させるときに、前記第1ファンを第1所定回転速度で作動させて、該第1所定回転速度での作動時の通電量を検出し、該通電量に基づいて前記排気筒の閉塞度合を検出する排気筒閉塞検出部とを備えたことを特徴とする(第1発明)。
【0008】
第1発明によれば、前記第2燃焼ユニットの前記第2ファンよりも、前記第1燃焼ユニットの前記第1ファンの方が給排気能力が高い。そして、前記排気筒の閉塞度合を検出する場合、給排気能力が高いファンを作動させた方が、閉塞度合の変化に応じたファンへの通電量の変化が大きくなるため、閉塞度合をより精度良く検出することができる。
【0009】
そこで、第1発明においては、前記第2燃焼ユニットのみの単独運転がなされるときに、前記排気筒閉塞検出部は、前記第2燃焼ユニットの前記第2ファンよりも給排気能力が高い前記第1ファンを前記第1所定回転速度で作動させたときの、前記第1ファンの通電量を検出している。そして、前記排気筒閉塞検出部は、この通電量に基づいて、前記排気筒の閉塞度合を精度良く検出することができる。
【0010】
また、前記第2バーナの点火処理が行われる前に前記排気筒閉塞検出部により検出された前記排気筒の閉塞度合が、第1所定レベル以上であるとき、又は該閉塞度合の前回の前記第2バーナの点火時からの増大度合が第2所定レベル以上であるときに、前記第2バーナの点火を禁止する第1点火禁止部を備えたことを特徴とする(第2発明)。
【0011】
第2発明によれば、前記排気筒の閉塞度合が高く、燃焼排ガスの排出が不十分な状態で、前記第2バーナに点火されて前記第2燃料ユニットの運転が実行されることを防止することができる。
【0012】
また、第1発明又は第2発明において、前記第2ファンの通電量を検出する第2電流センサと、前記燃焼制御部が前記複数の燃焼ユニットのうちの前記第2燃焼ユニットのみを単独運転させるときに、前記第2ファンを第2所定回転速度で作動させて、該第2所定回転速度での作動時の前記第2ファンの通電量を検出し、該通電量に基づいて前記第2給排気通路の閉塞度合を検出する第2給排気通路閉塞検出手段とを備えたことを特徴とする(第3発明)。
【0013】
第3発明によれば、前記排気筒閉塞検出部による前記排気筒の閉塞度合の検出に加えて、前記第2給排気通路閉塞検出手段による前記第2給排気通路の閉塞度合の検出を行うことにより、前記排気筒の閉塞は生じていないが、前記第2給排気通路の閉塞が生じている状況を検出することができる。そして、この場合には、前記第1ファンを作動させずに前記第2ファンのみを作動させて、前記排気筒及び前記第2給排気通路の閉塞度合を検出するときよりも、前記排気筒の閉塞と前記第2給排気通路の閉塞のいずれであるかを正確に検出することができる。
【0014】
また、前記第2バーナの点火処理が行われる前に前記第2給排気通路閉塞検出手段により検出された前記第2給排気通路の閉塞度合が、第3所定レベル以上であるとき、又は該閉塞度合の前回の前記第2バーナの点火時からの増大度合が第4所定レベル以上であるときに、前記第2バーナの点火を禁止する第2点火禁止部を備えたことを特徴とする(第4発明)。
【0015】
第4発明によれば、前記排気筒の閉塞が生じた場合に加えて、前記第2給排気通路の閉塞が生じた場合にも、前記第2バーナの点火を禁止して、燃焼排ガスの排気が不十分な状態で前記第2燃焼ユニットの運転が実行されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】複合熱源機の構成図。
【図2】図1に示したコントローラの作動フローチャート。
【図3】ファン補正係数の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態の複合熱源機(本発明の複合燃焼装置に相当する)は、給湯用の第1燃焼ユニット1と、暖房用の第2燃焼ユニット2とを備えている。
【0018】
第1燃焼ユニット1は、第1燃焼筐11と、第1燃焼筐11の下部に配置された第1バーナ12と、第1燃焼筐11の上部に配置されて第1バーナ12により加熱される第1熱交換器13と、第1給排気通路41を介して、第1バーナ12に燃焼用空気を供給すると共に第1バーナ12の燃焼排ガスを排気筒4に排出する第1ファン18とにより構成されている。
【0019】
第1熱交換器13は、上流側の給水管14及び下流側の出湯管15が接続され、出湯管15の下流端の出湯栓(図示しない)が開栓されて第1熱交換器13に通水されたときに、第1バーナ12に点火されて出湯栓から設定温度の湯が出湯される。また、第1給排気通路41は、第1ファン18の給気口から排気口4aに至る通路である。
【0020】
第2燃焼ユニット2は、第2燃焼筐21と、第2燃焼筐21の下部に配置された第2バーナ22と、第2燃焼筐21の上部に配置された第2熱交換器23と、第2給排気通路42を介して、第2バーナ22に燃焼用空気を供給すると共に第2バーナ22の燃焼排ガスを排気筒4に排出する第2ファン28とにより構成されている。
【0021】
第2熱交換器23は、往き管24及び戻り管25を介して床暖房機等の温水端末(図示しない)に接続されており、第2熱交換器23から温水端末に温水を循環供給して暖房を行う。また、第2給排気通路42は、第2ファン28の給気口から排気口4aに至る通路である。
【0022】
第1燃焼ユニット1の第1バーナ12には、第1開閉弁16と第1比例弁17を介して燃料ガスが供給される。そして、第1開閉弁16の開閉により第1バーナ12への燃料ガスの供給と遮断が切替えられ、第1比例弁17により第1バーナ12の燃焼量が調節される。
【0023】
同様に、第2燃焼ユニット2の第2バーナ22には、第2開閉弁26と第2比例弁27を介して燃料ガスが供給される。そして、第2開閉弁26の開閉により第2バーナ22への燃料ガスの供給と遮断が切替えられ、第2比例弁27により第2バーナ22の燃焼量が調節される。
【0024】
第1給排気通路41に排出された第1バーナ12の燃焼排ガスと、第2給排気通路42に排出された第2バーナ22の燃焼排ガスは、排気口4aに接続された単一の排気筒4を介して別の場所に排出される。
【0025】
第1開閉弁16、第1比例弁17、第1ファン18、第2開閉弁26、第2比例弁27、及び第2ファン28は、コントローラ5から出力される制御信号により作動が制御される。コントローラ5は、第1燃焼ユニット1の燃焼運転時に、給湯負荷に応じた第1バーナ12の必要燃焼量を算出し、この必要燃焼量に合わせて第1比例弁17の開度を調節すると共に、この必要燃焼量に対応する量の燃焼用空気が供給されるように、第1ファン18の回転速度を制御する。
【0026】
同様に、コントローラ5は、第2燃焼ユニット2の燃焼運転時に、暖房負荷に応じた第2バーナ22の必要燃焼量を算出し、この必要燃焼量に合わせて第2比例弁27の開度を調節すると共に、この必要燃焼量に対応する量の燃焼用空気が供給されるように、第2ファン28の回転速度を制御する。
【0027】
ここで、暖房用の第2燃焼ユニット2の第2バーナ22の加熱能力(例えば、1〜1.5万kcal/h)は、給湯用の第1燃焼ユニット1の第1バーナ12の加熱能力(例えば、4万kcal/h)よりも低くなっている。また、この加熱能力の違いに応じて、暖房用の第2燃焼ユニット2の第2ファン28の給排気能力は、給湯用の第1燃焼ユニット1の第1ファン18の給排気能力よりも低くなっている。
【0028】
なお、第1燃焼ユニット1と第2燃焼ユニット2の一方のみを燃焼運転させる単独運転時には、一方の燃焼ユニットの燃焼排ガスが、他方の燃焼ユニットに逆流することを防止するため、コントローラ5は、適量の空気が他方の燃焼ユニットに供給されるように、他方の燃焼ユニットのファンも作動させる。
【0029】
また、コントローラ5には、第1ファン18の回転速度を検出する第1速度センサ19、及び第2ファン28の回転速度を検出する第2速度センサ29の速度検出信号が入力される。
【0030】
コントローラ5は、CPU、メモリ等により構成された電子ユニットであり、第1ファン18の通電量を検出する第1電流センサ51と、第2ファン28の通電量を検出する第2電流センサ52とを備えている。
【0031】
コントローラ5は、メモリに保持された複合熱源機の制御用プログラムをCPUで実行することにより、排気筒4の先端部が大きく塞がれることによる閉塞度合を検出する排気筒閉塞検出部53、第2給排気通路42の第2熱交換器23のフィン詰りや第2ファン28の羽根詰りによる閉塞度合を検出する第2給排気通路閉塞検出部54、排気筒4又は第2給排気通路42の閉塞度合が所定レベル以上となったときに、第1バーナ12及び第2バーナ22の点火を禁止する点火禁止部55(本発明の第1点火禁止部及び第2点火禁止部の機能を含む)、及び、第1燃焼ユニット1と第2燃焼ユニット2の運転を行なう燃焼制御部56として機能する。
【0032】
コントローラ5には、複合熱源機を遠隔操作するためのリモコン6が接続されており、コントローラ5は、リモコン6から送信される各種スイッチの操作信号に応じて、第1燃焼ユニット1及び第2燃焼ユニット2の作動を制御する。また、リモコン6は、コントローラ5から送信される状態信号に応じて、複合熱源機の状態を表示部(図示しない)に表示する。
【0033】
次に、図2に示したフローチャートに従って、第2燃焼ユニット2を単独運転させる場合のコントローラ5の処理について説明する。
【0034】
図2のSTEP1〜STEP3は燃焼制御部56の処理である。燃焼制御部56は、STEP1でリモコン6から暖房開始の操作信号を受信したときにSTEP2に進み、第1ファン18を作動させる。また、続くSTEP3で第2ファン28を作動させる。
【0035】
次のSTEP4は排気筒閉塞検出部53による処理である。排気筒閉塞検出部53は、第1ファン18を第1所定回転速度で作動させたときの第1電流センサ51の検出電流の低下割合に基づいて、排気筒4の閉塞度合に対応した補正係数H1を算出する。
【0036】
図3(a)は第1ファン18の回転速度(ファン回転速度)と通電電流(ファン電流)との関係を、縦軸をファン電流に設定し、横軸をファン回転速度に設定して示したものである。
【0037】
図3(a)において、81は排気筒4が閉塞していない場合のファン回転速度−ファン電流特性を示す定常ライン、82は補正係数1.0におけるファン回転速度−ファン電流特性を示す基準値ライン(補正を行うか否かを判断するための基準値ライン)、83は補正係数1.1におけるファン回転速度−ファン電流特性を示す基準値ライン(給湯能力を制限するか否かを判断するための基準値ライン)、84は補正係数1.2におけるファン回転速度−ファン電流特性を示す基準値ライン(給湯を停止するか否かを示す基準値ライン)、85は補正係数を求めるために実験等により決定されたファン回転速度−ファン電流特性を示す補助値ラインである。
【0038】
また、第1所定回転速度N1において、I1は補助値ライン85におけるファン電流値、I2は基準値ライン82におけるファン電流値、I0は第1電流センサ51により検出されたファン電流値、aはI2−I1、bはI0−I1である。そして、排気筒閉塞検出部53は、補正係数H1を、以下の式(1)により算出する。
【0039】
【数1】

【0040】
但し、α:1以下の定数。
【0041】
図3(b)は、補正係数H1と排気筒4の閉塞率(本発明の閉塞度合に相当する)との関係を、縦軸を補正係数H1に設定し横軸を閉塞率に設定して示したものであり、排気筒4の閉塞率が大きくなるに従って補正係数H1が大きくなっている。そのため、排気筒閉塞検出部53は、補正係数H1の大きさにより排気筒4の閉塞度合を検出することができる。
【0042】
次のSTEP5は点火禁止部55による処理である。点火禁止部55は、今回算出した補正係数H1(t)と、前回の暖房運転開始時に算出した補正係数H1(t-1)との差が、所定の閾値TH1以上(TH1≦H1(t)−H1(t-1))であるか否かを判断する。そして、この差が閾値TH1以上であったときはSTEP20に分岐し、点火禁止部55はリモコン6により排気筒4の閉塞を報知する。
【0043】
具体的には、リモコン6の表示部に排気筒4の閉塞が生じていることを報知する表示を行うと共に、ブザーを鳴動させて、使用者に排気筒4の閉塞を認識させる。そして、続くSTEP21で、点火禁止部55は第2バーナ22の点火を禁止して暖房運転を禁止し、STEP9に進んで処理を終了する。これにより、排気筒4が閉塞して燃焼排ガスの排出が不十分になり易い状態で、第2バーナ22に点火されて暖房運転が開始されることを防止している。なお、このように、排気筒4の閉塞度合に応じて点火禁止部55が暖房運転を禁止する構成が、本発明の第1点火禁止部に相当する。
【0044】
このように、第2燃焼ユニット2を単独動作させるときに、第2ファン28よりも給排気能力が高い第1ファン18の回転速度と通電量との関係から補正係数H1を算出することによって、排気筒4の先端部が大きく塞がれることによる閉塞度合を精度良く検出することができる。
【0045】
一方、STEP5で、今回算出した補正係数H1(t)と前回の暖房運転開始時に算出した補正係数H1(t-1)との差が、閾値TH1よりも小さいときは、STEP6に進む。STEP6は第2給排気通路閉塞検出部54による処理である。ここでは、第2ファン28の給排気能力でも検出可能な、第2給排気通路42の閉塞検知を行う。
【0046】
第2給排気通路閉塞検出部54は、第2ファン28を第2所定回転速度で作動させたときの第2電流センサ52の検出電流の低下割合に基づいて、第2給排気通路42の閉塞度合に対応した補正係数H2を算出する。なお、補正係数H2の算出は、上述した第1ファン18の補正係数H1の算出と同様の処理によるので、ここでは説明を省略する。
【0047】
続くSTEP7は点火禁止部55による処理である。点火禁止部55は、今回算出した補正係数H2(t)と、前回の暖房開始時に算出した補正係数H2(t-1)との差が、所定の閾値TH2以上(TH2≦H2(t)−H2(t-1))であるか否かを判断する。そして、この差が閾値TH2以上であったときはSTEP30に分岐し、点火禁止部55はリモコン6により第2給排気通路23の閉塞を報知する。
【0048】
具体的には、リモコン6の表示部に第2給排気通路23の閉塞が生じていることを報知する表示を行うと共に、リモコン6のブザーを鳴動させて、使用者に第2給排気通路42の閉塞を認識させる。
【0049】
そして、続くSTEP31で、点火禁止部55は第2バーナ22の点火を禁止して暖房運転を禁止し、STEP9に進んで処理を終了する。これにより、第2給排気通路42が第2熱交換器23のフィン詰りや第2ファン28の羽根詰りにより閉塞して燃焼排ガスの排出が不十分になり易い状態で、第2バーナ22に点火されて暖房運転が開始されることを防止している。なお、このように、第2給排気通路42の閉塞度合に応じて点火禁止部55が暖房運転を禁止する構成が、本発明の第2点火禁止部に相当する。
【0050】
一方、STEP7で、今回算出した補正係数H2(t)と前回の暖房運転開始時に算出した補正係数H2(t-1)との差が、閾値TH2よりも小さいときは、STEP8に進む。STEP8は燃焼制御部56による処理であり、燃焼制御部56は、第2バーナ22の点火処理を行った後、第2バーナ22の目標燃焼量に応じて第2比例弁27の開度を調節すると共に、第2ファン28の回転速度を調節する。
【0051】
なお、燃焼制御部56は、第2バーナ22の目標燃焼量に対応する第2ファン28の回転速度に、補正係数H2を乗じて目標回転速度を算出し、第2速度センサ29により検出される第2ファン28の回転速度が目標回転速度となるように、第2ファン28に対する通電量を制御する。
【0052】
また、燃焼制御部56は、第2給排気通路42から第1給排気通路41への燃焼排ガスの逆流を防止するために、第1ファン18を作動させるが、その際に、補正係数H1を用いて第1ファン18の目標回転速度を算出する。
【0053】
なお、本実施の形態では、図2のSTEP1〜STEP2で、第1ファン18と第2ファン28を順番に作動させたが、同時に作動させてもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、図2のSTEP5で、今回の補正係数H1(t)と前回の暖房運転開始時に算出された補正係数H1(t-1)との差が閾値TH1以上であるか否かを判断して、暖房運転の禁止を決定したが、今回の補正係数H1(t)が予め設定された判定値以上であるか否かを判断して、暖房運転を禁止してもよい。
【0055】
同様に、図2のSTEP7で、今回の補正係数H2(t)と前回の暖房運転開始時に算出された補正係数H2(t-1)との差が閾値TH2以上であるか否かを判断して、暖房運転を禁止したが、今回の補正係数H2(t)が予め設定された判定値以上であるか否かを判断して、暖房運転を禁止してもよい。
【0056】
また、本実施の形態では、第2給排気通路閉塞検出部54により第2給排気通路42の閉塞度合を検出し、第2給排気通路42の閉塞度合が前回の暖房運転開始時から所定レベル以上増大したときに暖房運転を禁止(第2バーナ22の点火・燃焼を禁止)したが、第2給排気通路42の閉塞による暖房運転の禁止を行なわない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0057】
また、本実施形態では、給湯用の第1燃焼ユニット1と暖房用の第2燃焼ユニット2を備えた複合熱源機を示したが、3つ以上の燃焼ユニットを備えた複合熱源機に対しても本発明の適用が可能である。この場合は、いずれかの燃焼ユニットを単独運転させるときに、単独運転させる燃焼ユニットのファンよりも給排気能力が高い他の燃焼ユニットのファンを所定回転速度で作動させたときの通電量から、排気筒4の閉塞度合を検出すればよい。
【0058】
また、本実施形態では、本発明の複合燃焼装置として、熱交換器を有する第1燃焼ユニット1及び第2燃焼ユニット2を備えた複合熱源機を示したが、ファンの送風能力が異なる複数の燃焼ユニットを備えて、各燃焼ユニットの燃焼排ガスを共通の排気筒から排出する複合燃焼装置であれば、本発明の適用が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1…第1燃焼ユニット、2…第2燃焼ユニット、5…コントローラ、6…リモコン、11…第1燃焼筐、12…第1バーナ、13…第1熱交換器、18…第1ファン、21…第2燃焼筐、22…第2バーナ、23…第2熱交換器、28…第2ファン、41…第1給排気通路、42…第2給排気通路、51…第1電流センサ、52…第2電流センサ、53…排気筒閉塞検出部、54…第2給排気通路閉塞検出部、55…点火禁止部、56…燃焼制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バーナと、第1給排気通路を介して、該第1バーナに燃焼用空気を供給すると共に該第1バーナの燃焼排ガスを排気筒に送出する第1ファンとを有する第1燃焼ユニットと、
第2バーナと、給排気能力が前記第1ファンよりも低く、第2給排気通路を介して、該第2バーナに燃焼用空気を供給すると共に該第2バーナの燃焼排ガスを前記排気筒に送出する第2ファンとを有する第2燃焼ユニットとを、少なくとも含む複数の燃焼ユニットと、
前記複数の燃焼ユニットの燃焼運転を実行する燃焼制御部と、
前記第1ファンの通電量を検出する第1電流センサと、
前記燃焼制御部が前記複数の燃焼ユニットのうちの前記第2燃焼ユニットのみを単独運転させるときに、前記第1ファンを第1所定回転速度で作動させて、該第1所定回転速度での作動時の通電量を検出し、該通電量に基づいて前記排気筒の閉塞度合を検出する排気筒閉塞検出部とを備えたことを特徴とする複合燃焼装置。
【請求項2】
請求項1記載の複合燃焼装置において、
前記第2バーナの点火処理が行われる前に前記排気筒閉塞検出部により検出された前記排気筒の閉塞度合が、第1所定レベル以上であるとき、又は該閉塞度合の前回の前記第2バーナの点火時からの増大度合が第2所定レベル以上であるときに、前記第2バーナの点火を禁止する第1点火禁止部を備えたことを特徴とする複合燃焼装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の複合燃焼装置において、
前記第2ファンの通電量を検出する第2電流センサと、
前記燃焼制御部が前記複数の燃焼ユニットのうちの前記第2燃焼ユニットのみを単独運転させるときに、前記第2ファンを第2所定回転速度で作動させて、該第2所定回転速度での作動時の前記第2ファンの通電量を検出し、該通電量に基づいて前記第2給排気通路の閉塞度合を検出する第2給排気通路閉塞検出手段と
を備えたことを特徴とする複合燃焼装置。
【請求項4】
請求項3記載の複合燃焼装置において、
前記第2バーナの点火処理が行われる前に前記第2給排気通路閉塞検出手段により検出された前記第2給排気通路の閉塞度合が、第3所定レベル以上であるとき、又は該閉塞度合の前回の前記第2バーナの点火時からの増大度合が第4所定レベル以上であるときに、前記第2バーナの点火を禁止する第2点火禁止部を備えたことを特徴とする複合燃焼装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate