説明

複合研磨剤粒子および製造方法

【課題】すべての研磨剤用途において良好な研削性能(例えば、長寿命、高切削速度、一定切削速度および一定表面仕上げなど)を見込んでいる凝集物および凝集物を製造する方法が望まれてきた。凝集物の寿命全体にわたり現れたばかりの研磨剤粒子を凝集物が作業表面に提供することが望まれてきた。さらに、凝集物の多孔度を制御するような方法で凝集物を製造することが望ましい。
【解決手段】本願は凝集物を開示している。凝集物は結晶質マトリックスを含む。凝集物は研磨剤粒子をさらに含んでもよい。凝集物は約0.38未満の正規化かさ密度を有する。本願は凝集物を製造する方法をさらに開示している。凝集物は、酸化物および水を含むゾルと合わせて研磨剤粒子を含む混合物を形成し、混合物を噴霧乾燥機に導入することにより製造される。その後、混合物は噴霧乾燥機内で乾燥させる。その後、混合物は例えば炉内で焼成される。得られた凝集物は、酸化物の結晶質マトリックス内に保持された研磨剤粒子を含む。本発明は、本発明の凝集物を使用する方法をさらに開示している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は凝集物としても知られている複合研磨剤粒子および該研磨剤粒子の用途に関する。詳細には、本発明は、研磨剤粒子および結晶質マトリックスを含む研磨剤凝集物、凝集物を含む研磨剤物品およびこうした研磨剤凝集物および研磨剤物品を製造する方法、ならびにこうした研磨剤物品を使用する方法を開示している。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
研磨剤粒子を含む研磨剤物品は、ワークピースと一般に呼ばれる様々な材料の表面を研磨したり、および/または修正したりするために様々な用途において用いられる。これらの用途は、金属鍛造の高圧高素材除去から眼鏡の研磨に及ぶ。様々な研磨剤粒子(例えば、ダイヤモンド粒子、立方晶窒化硼素粒子、融解研磨剤粒子(融解アルミナ、熱処理融解アルミナおよび融解アルミナジルコニアなどを含む)および焼結セラミック研磨剤粒子(ゾルゲル誘導研磨剤粒子を含む))が当業界で知られている。ある研磨用途では、研磨剤粒子は粉状(loose form)(スラリー)で用いられる一方で、別の研磨用途では、粒子は研磨剤製品(接着研磨剤、被覆研磨剤および不織研磨剤を含む)に組み込まれる。接着研磨剤は、典型的には、造形塊を形成するために互いに接着した複数の研磨剤粒子を含む。被覆研磨剤は、典型的には、バッキングに接着した複数の研磨剤粒子を含む。不織研磨剤は、典型的には、嵩高で多孔質の不織基板上および嵩高で多孔質の不織基板中に接着した複数の研磨剤粒子を含む。接着研磨剤のための典型的な接着用材料は、有機結合剤、ガラス質結合剤および金属結合剤である一方で、被覆研磨剤および不織研磨剤のための接着剤用材料は、典型的には有機結合剤である。特定の研磨用途のために用いられる研磨剤粒子を選択する際に用いられる基準には、典型的には、研磨寿命、切削の速度、基板表面仕上げ、研削効率および製品コストが挙げられる。
【0003】
研磨剤粒子は、研磨剤産業における研磨剤粒子の用途のために備わる様々な特性を有する。研磨剤粒子の特定の種類の選択は、一般に、粒子の物理的特性、研磨されるべきワークピース、得られる所望の表面状態、研磨剤粒子の性能特性および特定の用途のために特定の研磨剤粒子を選択する経済性に応じて決まる。
【0004】
酸化アルミニウム、すなわち、アルミナは、被覆研磨剤、例えばサンドペーパーの製造において用いられる最も普及している研磨剤粒子の一種である。アルミナは、塗料サンダー仕上げ、金属研削およびプラスチック研磨などの多くの用途向けに用いられる。これも普及している研磨剤である炭化珪素は、アルミナより鋭利な材料として一般に知られており、木工用途、塗料用途およびガラス研削用途において主として用いられる。「超研磨剤」と一般に呼ばれるダイヤモンドおよび立方晶窒化硼素は、硬化鋼、セラミック、鋳鉄、シリコンウェハおよび石などの非常に硬いワークピースを研磨するために用いられる。ダイヤモンドは、典型的には非鉄材料のために用いられる一方で、立方晶窒化硼素は、典型的には硬化鋼などの鉄材料のために用いられる。しかし、ダイヤモンドおよび立方晶窒化硼素などの超研磨剤は、従来の研磨剤粒子、すなわち、酸化アルミニウムおよび炭化珪素より1000倍に至る多額の費用がかかりうる。従って、超研磨剤を最大限利用することが望ましい。
【0005】
凝集物は、結合剤マトリックスによって互いに接着した複数の研磨剤粒子の複合粒子である。使用中、凝集物は、典型的には磨滅するか、または破損し、そして使用済み単一研磨剤粒子を追い出して新しい研磨剤粒子を露出させる。凝集物は、被覆研磨剤、不織研磨剤および砥石車などの研磨剤物品中で使用することができ、研磨剤物品の長い有効寿命および研磨剤粒子の効率的な使用をもたらすことが可能である。
【0006】
凝集物は、時間が経つにつれて一定でない切削速度に対処するために開発されてきた(例えば、米国特許第3,928,949号(Wagner)、第4,132,533号(Lohmer)、第4,311,489号(Kressner)、第4,393,021号(Eisenberg)、第4,562,275号(Bloecherら)、第4,799,939号(Bloecherら)、第5,318,604号(Gorsuch)、第5,550,723号(Holmesら)および第5,975,988号(Christiansen)を参照すること)。これらの特許はすべて本明細書に全体的に引用して援用する。被覆研磨剤の場合、これらの凝集物は、研磨剤物品を形成するためにバッキングに接着される。
【0007】
Kressnerによる米国特許第4,311,489号には、メーカーコートおよびサイズコートによって可撓性バッキングに固定された研磨剤粒子であって、各々が平均径約200マイクロメートル未満の微細研磨剤微粒子および無機脆性マトリックスの凝集物から本質的になる研磨剤粒子を有する被覆研磨剤製品が開示されている。
【0008】
Howardらによる米国特許第3,916,584号には、微細で硬い研磨剤微粒子が比較的軟らかい金属酸化物マトリックス全体を通して分配されている複合研磨剤粒体が開示さている。この特許は本明細書に全体的に引用して援用する。
【0009】
Tiefenbachによる米国特許第4,918,874号には、改善された均質性および破損特性を示す研磨剤物品を調製する方法が開示されている。
【0010】
Christiansonによる米国特許第5,975,988号には、バッキングおよびバッキングの第1の主面上に被覆された研磨剤層を有する被覆研磨剤が開示されている。この場合、厚さに対して垂直で厚さの中点における研磨剤層の断面は、点および接触面における距離と同じ距離の75%である厚さに沿った点における断面積と実質的に同じである研磨剤凝集物の全断面積を有し、被覆研磨剤粒子はヌープ硬度数が少なくとも70であるボンド系を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
すべての研磨剤用途において良好な研削性能(例えば、長寿命、高切削速度、一定切削速度および一定表面仕上げなど)を見込んでいる凝集物および凝集物を製造する方法が望まれてきた。凝集物の寿命全体にわたり現れたばかりの研磨剤粒子を凝集物が作業表面に提供することが望まれてきた。さらに、凝集物の多孔度を制御するような方法で凝集物を製造することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の概要
本発明は凝集物を開示している。凝集物は結晶質マトリックスを含む。凝集物は研磨剤粒子をさらに含む。凝集物は約0.38未満の正規化かさ密度を有する。
【0013】
本発明は凝集物を製造する方法をさらに開示している。凝集物は、酸化物および水を含むゾルと合わせて研磨剤粒子を含む混合物を形成し、混合物を噴霧乾燥機に導入することにより製造される。その後、混合物は噴霧乾燥機内で乾燥させる。その後、混合物は例えば炉内で焼成される。得られた凝集物は、酸化物の結晶質マトリックス内に保持された研磨剤粒子を含む。
【0014】
本発明は、本発明の凝集物を使用する方法をさらに開示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本願において、
「凝集物」とは、焼成された未焼成凝集物の複合研磨剤凝集物を無制限に意味する。凝集物は本明細書で前述したようにマトリックス中に研磨剤粒子を含む。
【0016】
「正規化かさ密度」とは、かさ密度測定値を理論密度で除したものを意味する。理論密度は各成分の密度の体積分率を合計することにより計算される。サンプリングの当業者は、結果に影響を及ぼさずにサンプルを採取することが可能である。
【0017】
本発明による凝集物は、被覆研磨剤、接着研磨剤(ガラス質および樹脂状の砥石車を含む)および三次元固定研磨剤などの種々の研磨剤物品に組み込んでもよい。研磨剤物品は、典型的には本発明による凝集物および結合剤を含む。
【0018】
典型的には、本発明による凝集物は、有利に結合剤が凝集物に浸透することを可能にするのに十分に多孔質である。多孔度は切り屑除去も助け、それは研磨剤物品の性能を支援する。「切り屑」とは、ワークピースの研磨済み材料を意味する。この特徴は、被覆研磨剤物品、接着研磨剤物品および三次元固定研磨剤物品のために特に有利である。さらに、本発明による研磨剤凝集物は、長い研磨寿命および比較的一定の切削速度を有することが可能である。別の態様において、本発明による凝集物の実施形態は、凝集物の優先的摩耗をもたらすために所望のレベルの多孔度および/または研磨剤粒子間の密着強度を有して作ってもよい。マトリックス材料の所望の多孔度は研磨剤粒子の磨滅性を最大にし、凝集物は、一旦研磨剤粒子が鈍ってしまうと、にもかかわらず凝集物として互いに研磨剤粒子を保持するのに十分なマトリックス材料を依然として有する。凝集物のこうした優先的摩耗は、接着研磨剤粒子のために特に望ましい場合がある。本発明の凝集物から製造された研磨剤物品は湿式プロセスと乾式プロセスの両方で用いてもよい。湿式研磨プロセスにおいて、研磨剤凝集物の多孔度は、さらに研磨剤と作業表面の界面への潤滑剤および冷却剤の移送を助ける。
【0019】
発明の詳細な説明
凝集物
研磨剤凝集物に関する詳細は、例えば、米国特許第4,311,489号(Kressner)、第4,652,275号(Bloecherら)、第4,799,939号(Bloecherら)、第5,549,962号(Holmesら)および第5,975,988号(Christianson)に見られる。これらの特許の開示は本明細書に全体的に引用して援用する。
【0020】
本発明の凝集物は結晶質マトリックスを含む。結晶質マトリックスは結晶質非カラス質状態で存在する。結晶質状態は多結晶質であってもよい。一般に、結晶質マトリックスは少なくとも約80%結晶質である。特別の実施形態において、結晶質マトリックスは100%結晶質である。結晶質マトリックスは、いかなる金属酸化物から形成されてもよい。例えば、結晶質マトリックスは、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタンおよびそれらの組合わせから形成されてもよい。特定の実施形態において、結晶質マトリックスは結晶質シリカである。
【0021】
本発明の凝集物は、結晶質マトリックス内に分散した研磨剤粒子を含んでもよい。特定の実施形態において、研磨剤粒子は、結晶質マトリックス全体を通して均一に分配される。研磨剤粒子は、いかなる研磨剤粒子からも選択してよい。例えば、研磨剤粒子は、炭化珪素、酸化アルミニウム、炭化硼素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、他の研磨剤粒子およびそれらの組合わせであってもよい。特別の実施形態において、研磨剤粒子はモース硬度が5より大きい研磨剤粒子を含む。選択された実施形態において、研磨剤粒子は、超研磨剤として知られている硬い研磨剤粒子である。例えば、研磨剤粒子はダイヤモンドまたは立方晶窒化硼素である。特別の実施形態において、研磨剤粒子はダイヤモンドである。特定の研磨剤粒子は、約15マイクロメートル以下の平均サイズを有する。特定の研磨剤粒子は、約10マイクロメートル以下、例えば、約7マイクロメートル以下の平均サイズを有する。意図した用途に応じて、研磨剤粒子は1マイクロメートル以下の平均径を有してもよい。二種以上の研磨剤粒子を用いる場合、個々の研磨剤粒子は同じ平均粒子サイズを有してもよく、または異なる平均粒子サイズを有してもよい。
【0022】
幾つかの実施形態において、結晶質マトリックスは、特定の用途に関する研磨要件を満足させるのに十分に研磨性である。一般に、結晶質マトリックスは約40〜100体積%の固形物を凝集物(孔体積を除く)中で含む。特定の実施形態において、結晶質マトリックスは、約50〜約80体積%の固形物、例えば、約55〜約70体積%の固形物を含む。他の例において、結晶質マトリックスは、約80〜100体積%の固形物を含む。研磨剤粒子は、凝集物の約0〜約60体積%の固形物を含む。特定の実施形態において、研磨剤粒子は、約20〜約50体積%の固形物、例えば、約30〜約45体積%の固形物を含む。
【0023】
本発明の凝集物は約0.38未満の正規化かさ密度を有する。特定の実施形態において、正規化かさ密度は約0.19〜約0.35である。特別の実施形態において、正規化かさ密度は約0.25〜約0.31の間である。正規化かさ密度の測定値は、凝集物が結晶質マトリックス内で高い多孔度を有することを実証する。マトリックスの多孔度は、有効寿命が終わった後に凝集物からの研磨剤粒子が磨滅することを見込んでいる。
【0024】
本発明の凝集物は、いかなる形状を有してもよい。特別の実施形態において、凝集物は球状である。こうした実施形態において、球状凝集物は約80マイクロメートル以下の直径を有する。特定の実施形態において、球状凝集物は約5マイクロメートル〜約60マイクロメートルの直径を有する。
【0025】
製造方法
本発明は上述した研磨剤凝集物の製造を規定している。
【0026】
凝集物の製造
凝集物は、シリカなどの酸化物の水中分散液を含むゾルと合わせて研磨剤粒子を含む混合物を形成することにより形成される。混合物は、例えば、デンマークのSoeborgのNiro Corporationから得られるMobil Miner2000遠心アトマイザー内で、研磨剤凝集物を形成するために噴霧乾燥させる。その後、粉末状の凝集物は、一切の余分の液体を追い出すために焼成される。
【0027】
原材料
1.結晶質マトリックス材料
結晶質マトリックスは結晶質マトリックス材料によって形成される。こうした材料は水性ゾルであってもよい。特定の実施形態において、ゾルは水中の酸化物の懸濁液である。本発明のために適する酸化物の例には、シリカ、アルミナ、ジルコニア、クロミア、五酸化アンチモン、バナジア、セリアまたはチタニアが挙げられる。特別の実施形態において、酸化物は、アルミナ、シリカ、酸化チタンまたは酸化亜鉛である。結晶質マトリックス材料は、二種以上の酸化物の組合わせであってもよい。一般に、アルカリ金属酸化物は本発明に対して有益ではない。特別の実施形態において、ゾルは水中のシリカの懸濁液である。沈降シリカの水性懸濁液、コロイドシリカ懸濁液(シリカゾルと一般に呼ばれる)、または主としてシリカを含むシリカ化合物の水性懸濁液などの、いかなる種類の水性シリカ懸濁液も使用してよい。
【0028】
酸化物粒子が水に分散されている時、粒子は、各粒子の表面上の共通電荷によって安定化され、それは、凝集でなく分散を促進する傾向がある。類似の帯電粒子は互いに反発し、よって粒子の凝集を最少にする。
【0029】
本発明に適するコロイドシリカは、「LUDOX」(デラウェア州WilmingtonのE.I.DuPont de Nemours and Co.)、「NYACOL」(マサツセッチュ州AshlandのNyacol Co.)および「NALCO」(イリノイ州Oak BrookのNarco Chemical Co.)のような商品名で市販されている。非水性シリカゾル(シリカオルゴノゾルとも呼ばれる)も「NALCO1057」(2−プロピルエタノール中のシリカゾル、Narco Chemical Co.)ならびに「MA−ST」、「IP−ST」および「EG−ST」(日本の東京のNissan Chemical Industries)のような商品名で市販されている。他の酸化物のゾル、例えば、「NARCO ISJ−614」および「NARCO ISJ−613」アルミナゾルならびに「NYACOL10/50」ジルコニアゾルも市販されている。これらのコロイドゾルは、約10〜85重量%の間のどこかの割合の水、典型的には25〜60重量%の水を含有することが可能である。二種以上の異なるコロイドシリカも使用することが可能である。
【0030】
2.研磨剤粒子
本発明の凝集物の特定の実施形態は研磨剤粒子を含む。研磨剤粒子は、凝集物を説明する時に上で詳述されている。研磨剤粒子は、一般に、液媒体に供された後に研磨剤粒子の物理的特性が実質的に劣化しないように水性ゾル中の液媒体、例えば水に対して耐性である。適する研磨剤粒子は、典型的には無機の研磨剤粒子である。
【0031】
3.任意の添加剤
本発明の製造方法は幾つかの任意の添加剤をさらに含んでもよい。こうした添加剤には、孔形成剤、研削助剤および研磨助剤を上げることが可能である。孔形成剤は、孔を圧壊させないのに十分な剛性を有する仮のいかなるポリマーであることも可能である。例えば、孔形成剤は、ポリビニルブチレート、ポリ塩化ビニル、ワックス、ジアミルスルホコハク酸ナトリウムおよびそれらの組合わせであってもよい。特定の実施形態において、孔形成剤添加剤は、メチルエチルケトン中のジアミルスルホコハク酸ナトリウムである。
【0032】
特定の実施形態において、原材料は、結晶質マトリックスの流れを促進する材料、例えば、弗化リチウムを実質的に含まない。
【0033】
ブレンディング
原材料はブレンドして混合物を形成する。ブレンディングは、物理的攪拌を提供する様々な異なる装置のいずれの中でも行うことが可能である。物理的攪拌は、機械的方法、電気的方法または磁気的(音波的)方法で実行してもよい。例えば、混合物は、空気ミキサー、電気インペラミキサー、ボールミルまたは超音波ミキサー内で形成することが可能である。しかし、いかなる混合装置も使用してよい。
【0034】
特別の実施形態において、原材料は、少なくとも約20分、特に約25〜約35分の間にわたって超音波浴内でブレンドされる。実施例で示したシリカおよびダイヤモンドの実施形態などの特定の実施形態において、原材料は約30分にわたりブレンドされる。当業者は、異なる実施形態のために混合時間を調節してもよいことを認めるであろう。こうした調節は当業者の技量内である。
【0035】
乾燥
その後、混合物は乾燥工程に供される。本発明において、乾燥工程は、混合物の小滴を生じさせる噴霧装置が装備された噴霧乾燥機内で行われる。本発明の噴霧乾燥機は、例えば、遠心アトマイザーまたは二重ノズルアトマイザーであってもよい。遠心アトマイザー噴霧乾燥機の例は、デンマークのSoeborgのNiro Corporationから得られるMobil Miner2000遠心アトマイザーである。遠心アトマイザーホイールは、約25,000〜約45,000rpmの通常回転速度で駆動してもよい。特別の実施形態において、アトマイザーホイールは約37,500rpmで駆動される。その後、高温空気が少なくとも200℃の温度で噴霧乾燥機に導入される。特定の実施形態において、高温空気は約200℃〜約350℃の間である。特定の実施形態において、約200℃の温度の高温空気が混合物に供される。噴霧乾燥機は並流または向流であってもよい。並流噴霧乾燥機において、空気と混合物は同方向に流れる。向流噴霧乾燥機において、空気と混合物は逆方向に流れる。噴霧チャンバの出口で測定される出口温度を約95℃に維持してもよい。混合物の原料流量は、約50ml/分〜約70ml/分であった。混合物の原料流量は噴霧乾燥機内の温度を制御するために用いられる。出口温度が高すぎる場合、噴霧乾燥機内の温度を下げるために、より多い混合物流量が用いられる。温度が低すぎる場合、混合物の流量は下げられる。当業者は、アトマイザーホイール回転速度、高温空気温度、出口温度および原料流量などの開示した設定を異なる実施形態のために調節してよいことを認めるであろう。こうした調節は当業者の技量内である。
【0036】
焼成
乾燥させた混合物は、出口温度を測定する場所を越えた点でサイクロンに取り付けられたジャーを用いて噴霧乾燥機から除去される。この点で、混合物は粉状の未焼成凝集物の形である。未焼成凝集物は、粉状(すなわち、圧縮されていない)のまま噴霧乾燥機から除去後に焼成される。
【0037】
実施例で示したシリカおよびダイヤモンドの実施形態などの特定の実施形態において、温度が少なくとも約350℃になるまで、温度は1.5℃/分の速度で上げる。未焼成凝集物は、その温度で約1時間にわたり維持される。温度が少なくとも約500℃になるまで、温度を1.5℃/分の速度でさらに上げる。未焼成凝集物は、その温度で更に約1時間にわたり維持される。当業者は、焼成温度および焼成時間を異なる実施形態のために調節してよいことを認めるであろう。こうした調節は当業者の技量内である。焼成段階後に、未焼成凝集物は凝集物になる。
【0038】
研磨剤物品
凝集物は研磨剤物品の製造において有用である。上述した凝集物は三次元固定研磨剤および被覆研磨剤の製造においても有用である。こうした研磨剤製品の例は、Bruxvoortらによる米国特許第5,958,794号で開示されている。この特許は本明細書に全体的に引用して援用する。
【0039】
接着研磨剤物品
接着研磨剤物品は構造において三次元である。理想的な接着研磨剤はワークピースを研磨し、研磨剤粒子が摩耗し鈍った時、これらの研磨剤粒子は接着研磨剤から追い出されて新しい現れたばかりの切削用研磨剤粒子を露出させる。研磨剤粒子と接着材料との間の不適切な接着性は、研磨剤物品からの研磨剤粒子の早期剥離に導きうる。研磨剤粒子が早期に剥離される場合、接着研磨剤の結果としての寿命は典型的には望ましいとは言えない。研磨剤粒子と接着材料との間で良好な接着性を示す接着研磨剤が産業において望まれている。
【0040】
三次元固定研磨剤物品
三次元固定研磨剤物品は、一般に耐久性がある。例えば、研磨剤物品は、少なくとも2プロセス、例えば、少なくとも5プロセスまたは少なくとも20プロセス、および特定の実施形態において少なくとも30プロセスを完了させることが可能であるのがよい。研磨剤物品は良好な切削速度を提供するのがよい。研磨剤物品を製造するために用いられる材料、所望の表面模様およびプロセスは、すべてこれらの基準を満たすか否かに影響を及ぼす。
【0041】
固定研磨剤物品はバッキングを含んでもよい。一般に、研磨剤粒子は結合剤に分散して、バッキングに接着した研磨剤被膜および/または研磨剤複合材を形成する。特定の実施形態において、研磨剤複合材は錐体である。隣接した研磨剤複合材間に窪みまたは谷がある。提示した錐体研磨剤複合材には二列以上の列もあり、研磨剤複合材の第2の列は第1の列からずれている。研磨剤複合材は結合剤に分散した複数の研磨剤凝集物を含む。任意に、固定研磨剤物品は別個のバッキングを有する必要はない。
【0042】
「三次元」という用語は、研磨剤粒子の厚さの少なくとも一部全体にわたって多数の研磨剤粒子があるように用いられる。三次元的性質は、いかなるプロセスを実行するためにもたっぷりと研磨剤粒子があるので耐久性がある研磨剤物品を提供する。
【0043】
研磨剤物品は、それに付随した「表面模様」も有する。すなわち、研磨剤粒子は、「表面模様付き」研磨剤粒子である。例えば、錐体状複合材は隆起部分であり、錐体間の谷は窪み部分である。
【0044】
一般に、研磨剤物品は磨滅性である。すなわち、使用につれて制御可能に消耗しうる。磨滅性は、消耗した研磨剤粒子が研磨剤物品から除去されて新しい研磨剤粒子を露出させるので望ましい。研磨剤被膜が磨滅性でない場合、消耗した研磨剤粒子は、研磨剤物品から適切に放出されることができず、この場合、現れたばかりの研磨剤粒子が露出されない。研磨剤被膜が磨滅性であり過ぎる場合、あまりに速く研磨剤粒子が追い出される可能性があり、それは、研磨剤物品が所望の製品寿命より短い寿命を有することになりうる。
【0045】
磨滅性の度合は表面の表面模様、研磨剤被膜組成、処理条件およびワークピースの組成の関数でもある。以下に記載するように研磨剤製品に磨滅性を付与する多くの方法がある。本発明の研磨剤物品は、多くの形状、例えば、円板、研磨剤テープロールまたは研磨剤ベルトを有しうる。
【0046】
三次元表面模様付き固定研磨剤物品は、一般に、結合剤前駆物質と複数の研磨剤粒子または上述した研磨剤凝集物の混合物を含有するスラリーを形成することにより調製される。表面模様付き表面の所望形状の凹であるキャビティを有する生産ツール上にスラリーは被着される。スラリーがバッキングの表面を濡らすようにバッキングを生産ツールの露出面と接触させるようにする。その後、結合剤を少なくとも部分的に固化させるか、硬化させるか、またはゲル化させることが可能である。その後、研磨剤物品は生産ツールから除去され、前工程で完全には硬化されなかったなら完全に硬化される。あるいは、スラリーをバッキングの表面上に被着させることが可能であり、その後、生産ツールをバッキング上のスラリーと接触させるようにすることが可能である。従って、研磨剤被膜はバッキング上で複数の研磨剤「複合材」を含む。
【0047】
三次元表面模様付き固定研磨剤物品は、表面模様付き表面の所望形状に概ね対応する輪郭を有するバッキング上にスラリーを被覆することにより形成してもよい。硬化した研磨剤被膜がバッキングの輪郭に概ね対応する表面模様付き表面を有するような方法でスラリーは硬化される。この方法の一態様において、エンボスバッキングは研磨剤物品を製造するために設けられる。
【0048】
性能を改善するか、または別な風に変えるために三次元表面模様付き固定研磨剤物品において特定の修正を行ってもよい。例えば、研磨剤層および/またはバッキングを通して開口を設けて使用前、使用中または使用後に流体の通過を可能にするために、研磨剤物品を穿孔してもよい。
【0049】
被覆研磨剤粒子
被覆研磨剤は、典型的には、バッキングに接着した複数の研磨剤粒子を含む。特定の被覆研磨剤はバッキングに接着した研磨剤凝集物を含有する。不織研磨剤は、典型的には、嵩高で多孔質の不織基板上および嵩高で多孔質の不織基板中に接着した複数の研磨剤粒子を含む。典型的には、凝集物は、結合剤、例えば有機結合剤、ガラス質結合剤および金属結合剤を用いてバッキングに接着される。特定の研磨用途のために用いられる研磨剤粒子を選択する際に用いられる基準には、典型的には、研磨寿命、切削の速度、基板表面仕上げ、研削効率および製品コストが挙げられる。
【0050】
被覆研磨剤は接着研磨剤より「可撓性」である傾向がある。従って、被覆研磨剤は、研磨剤粒子がワークピースの表面に順応する必要がある場合に広く用いられる。被覆研磨剤は、一層または数層の研磨剤粒子を有する傾向がある。一般に、これらの研磨剤粒子は、切削能力を強化するために配向される。しかし、場合によって、初期研磨中、被覆研磨剤は相対的に非常に高い切削速度を提供する。時間が経つにつれて、被覆研磨剤が許容できる切削速度を提供しなくなるまで切削速度は低下する。
【0051】
被覆研磨剤製品は、典型的には、研磨剤粒子および硬化した結合剤材料を含む研磨剤層が上塗される可撓性バッキング材料を含む。結合剤前駆物質のメークコートまたはメーカーコートをバッキングに被着させ、研磨剤粒子に接着するのに十分に粘着性である間にメークコートに研磨剤粒子を被着させ、その後研磨剤粒子を含有するメークコートにサイズコーティングを上塗することにより幾つかの被覆研磨剤を製造するのが通例である。サイズコーティングの被着前にメークコーティングを部分的に硬化させてもよいが、一旦サイズコーティングを被着させると、得られる被覆研磨剤製品を研磨剤材料として使用できるようにメークコーティングとサイズコーティングの両方を完全に硬化させるのが典型的である。その後、被覆研磨剤材料は、材料を所望の形状に切削することにより種々の研磨剤製品に二次加工される。
【0052】
様々なバッキング材料は被覆研磨剤製品の製造において有用である。バッキング材料の選択は、典型的には、製品の意図した用途に基づいて行われる。紙、布地(不織または織のいずれか)、プラスチックフィルムまたはこれらの材料の組合わせなどの材料が用いられてきた。
【0053】
研磨剤物品の成分
A.結合剤
1.有機結合剤
本発明の研磨剤物品のための有機結合剤は、有機結合剤前駆物質から形成される。有機結合剤前駆物質は、典型的には流動可能な状態をとる。結合剤は、典型的には固体で流動不能な状態をとる。結合剤を熱可塑性材料から形成することが可能である。あるいは、架橋されることが可能な材料から結合剤を形成することが可能である。熱可塑性結合剤と架橋済み結合剤の混合物を有することも本発明の範囲内である。研磨剤物品を製造するプロセス中、結合剤前駆物質は、結合剤を固化するのに適切な条件に供される。架橋性結合剤前駆物質に関しては、結合剤前駆物質は重合または硬化を開始するとともに結合剤を形成するのに適切なエネルギー源に供される。
【0054】
特定の実施形態において、結合剤前駆物質は架橋されることが可能な有機材料である。結合剤前駆物質は、縮合硬化性樹脂または付加重合性樹脂のいずれかであることが可能である。付加重合性樹脂はエチレン系不飽和モノマーおよび/またはオリゴマーであることが可能である。使用可能な架橋性材料の例には、フェノール樹脂、ビスマレイミド結合剤、ビニルエーテル樹脂、側鎖アルファ、ベータ不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、アクリレート化イソシアヌレート樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂、イソシアヌレート樹脂、アクリレート化ウレタン樹脂、アクリレート化エポキシ樹脂またはそれらの混合物が挙げられる。特別の実施形態において、結合剤はウレタンフェノキシ樹脂系である。こうした実施形態において、イソシアネートによって結合剤を架橋してもよい。
【0055】
2.縮合硬化性結合剤
フェノール樹脂は、その熱特性、入手可能性、コストおよび取扱い易さのために研磨剤物品の結合剤として広く用いられている。レゾール型とノボラック型の二種のフェノール樹脂がある。レゾール型フェノール樹脂は、1以上、典型的には1.5:1.0〜3.0:1.0の間のホルムアルデヒド対フェノールのモル比を有する。ノボラック型樹脂は、1:1未満のホルムアルデヒド対フェノールのモル比を有する。こうしたフェノール樹脂は、ラテックス樹脂、例えば、アクリロニトリルブタジエンエマルション、アクリルエマルション、ブタジエンエマルション、ブタジエンスチレンエマルションおよびそれらの組合わせと混合してもよい。
【0056】
3.エポキシ樹脂
エポキシ樹脂はオキシラン基を有し、開環によって重合される。こうしたエポキシ樹脂には、低分子量エポキシ樹脂および高分子エポキシ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、主鎖および置換基の性質において非常に異なることが可能である。例えば、主鎖はエポキシ樹脂に標準的に関連したいかなる種類であってもよく、主鎖上の置換基は、室温でオキシラン環と反応性である活性水素を含まないいかなる基であることも可能である。許容できる置換基の代表的な例には、ハロゲン、エステル基、エーテル基、スルホネート基、シロキサン基、ニトロ基およびホスフェート基が挙げられる。幾つかのエポキシ樹脂の例には、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−フェニル)プロパン(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル)]が挙げられる。適する他のエポキシ樹脂には、フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂のグリシジルエーテルが挙げられる。
【0057】
4.エチレン系不飽和結合剤前駆物質
エチレン系不飽和結合剤前駆物質の例には、側鎖アルファ、ベータ不飽和カルボニル基を有するアミノプラストモノマーまたはオリゴマー、エチレン系不飽和モノマーまたはオリゴマー、アクリレート化イソシアヌレートモノマー、アクリレート化ウレタンオリゴマー、アクリレート化エポキシモノマーまたはオリゴマー、エチレン系不飽和モノマーまたは希釈剤、アクリレート分散液またはそれらの混合物が挙げられる。
【0058】
アミノプラスト結合剤前駆物質は、分子またはオリゴマー当たり少なくとも一個の側鎖アルファ、ベータ−不飽和カルボニル基を有する。これらの材料は、米国特許第4,903,440号および第5,236,472号にさらに記載されている。両方の特許は本明細書に引用して援用する。
【0059】
エチレン系不飽和モノマーまたはオリゴマーは、一官能性、二官能性、三官能性または四官能性、あるいは遙かにより多い官能性であってもよい。アクリレートという用語はアクリレートとメタクリレートの両方を含む。エチレン系不飽和結合剤前駆物質には、炭素、水素および酸素、ならびに任意に窒素およびハロゲンの原子を含む低分子量化合物と高分子化合物の両方が挙げられる。酸素または窒素あるいは両方は、一般に、エーテル基、エステル基、ウレタン基、アミド基および尿素基中に存在する。エチレン系不飽和化合物は、一般に、約4,000未満の分子量を有し、脂肪族モノヒドロキシ基または脂肪族ポリヒドロキシ基を含む化合物と、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびマレイン酸などの不飽和カルボン酸との反応から製造されるエステルであってもよい。エチレン系不飽和モノマーの代表的な例には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ビニルトルエン、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびペンタエリトリトールテトラメタクリレートが挙げられる。その他のエチレン系不飽和樹脂には、ジアリルフタレート、ジアリルアジペートおよびN,N−ジアリルアジパミドなどのカルボン酸のモノアリル、ポリアリルおよびポリメタリルエステルおよびアミドが挙げられる。なお他の窒素含有化合物には、トリス(2−アクリル−オキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリ(2−メチルアクリルオキシエチル)−s−トリアジン、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、N−メチル−アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−ピロリドンおよびN−ビニル−ピペリドンが挙げられる。
【0060】
少なくとも一個の側鎖アクリレート基を有するイソシアヌレート誘導体および少なくとも一個の側鎖アクリレート基を有するイソシアネート誘導体は、米国特許第4,652,274号にさらに記載されている。この特許は本明細書に後で引用して援用する。イソシアヌレート材料の例は、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレートである。
【0061】
アクリレート化ウレタンは、ヒドロキシ末端イソシアネート延長ポリエステルまたはポリエーテルのジアクリレートエステルである。アクリレート化エポキシは、ビスフェノールAエポキシ樹脂のジアクリレートエステルなどの、エポキシ樹脂のジアクリレートエステルである。
【0062】
アクリレート化ウレタンは、ヒドロキシ末端NCO延長ポリエステルまたはポリエーテルのジアクリレートエステルである。アクリレート化エポキシは、ビスフェノールAエポキシ樹脂のジアクリレートエステルなどの、エポキシ樹脂のジアクリレートエステルである。
【0063】
エチレン系不飽和希釈剤またはモノマーの例は、米国特許出願第08/5,236,472号(Kirkら)および米国特許出願第08/144,199(Larsonら)において見られる。両方の特許出願の開示は本明細書に後で引用して援用する。場合によって、これらのエチレン系不飽和希釈剤は、水と適合性の傾向があるので有用である。
【0064】
アクリレート分散液に関する追加的詳細は、米国特許第5,378,252号(Follensbee)において見られる。この特許出願は本明細書に後で引用して援用する。
【0065】
部分的に重合したエチレン系不飽和モノマーを結合剤前駆物質中で用いることも本発明の範囲内である。例えば、アクリレートモノマーを部分的に重合することができ、研磨剤スラリーに組み込むことが可能である。部分重合の度合は、得られた研磨剤スラリーを被覆して研磨剤物品を形成できるように、部分的に重合した得られたエチレン系不飽和モノマーが過度に高い粘度をもたないように制御するのがよい。部分的に重合されうるアクリレートモノマーの例はイソオクチルアクリレートである。部分的に重合したエチレン系不飽和モノマーと、もう一種のエチレン系不飽和モノマーおよび/または縮合硬化性結合剤の組合わせを用いることも本発明の範囲内である。
【0066】
C.添加剤
本発明の研磨剤被膜は、研磨剤粒子表面改質添加剤、カップリング剤、可塑剤、充填剤、発泡剤、繊維、帯電防止剤、開始剤、懸濁剤、光増感剤、潤滑剤、湿潤剤、界面活性剤、顔料、染料、UV安定剤および懸濁剤などの任意の添加剤をさらに含むことが可能である。これらの材料の量は、所望の特性をもたらすように選択される。添加剤は、結合剤に組み込んでもよく、別個の塗料として被着させてもよく、凝集物の孔内に入れてもよく、上述した組合わせでもよい。
【0067】
1.可塑剤
研磨剤被膜は可塑剤をさらに含んでもよい。一般に、可塑剤の添加は研磨剤被膜の磨滅性を増し、結合剤全体を軟らかくする。可塑剤は、相分離がないように一般に結合剤と適合性であるのがよい。可塑剤の例には、ポリ塩化ビニル、ジブチルフタレート、アルキルベンジルフタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースエステル、フタル酸エステル、シリコーン油、アジピン酸エステルおよびセバシン酸エステル、ポリオール、ポリオール誘導体、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ヒマシ油およびそれらの組合わせなどが挙げられる。
【0068】
2.充填剤
研磨剤被膜は任意に充填剤をさらに含むことが可能である。充填剤は、被膜に耐久性および剛性を付与する場合がある。逆に、適切な充填剤および量に関わる幾つかの実例において、充填剤は研磨剤被膜の磨滅性を高めうる。充填剤は粒子状材料であり、一般には0.1〜50マイクロメートルの間、典型的には1〜30マイクロメートルの間の平均粒子サイズ範囲を有する。充填剤は研磨剤物品と合わせて用いられる研磨液に可溶性、不溶性または膨潤性であってもよい。一般に、充填剤は、こうした研磨液に不溶性である。本発明のために有用な充填剤の例には、金属炭酸塩(炭酸カルシウム(チョーク、方解石、泥灰岩、トラバーチン、大理石および石灰石)、炭酸カルシウムマグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウムなど)、シリカ(石英、ガラスビーズ、カラスバブルおよびガラス繊維など)、シリケート(タルク、白土、(モンモリロナイト)長石、マイカ、珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸ナトリウムなど)、金属硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウムなど)、石膏、ヒル石、木粉、アルミニウム三水和物、カーボンブラック、金属酸化物(酸化カルシウム(石灰)、酸化アルミニウム、酸化錫(例えば、酸化第二錫)、二酸化チタンなど)および金属硫化物(硫化カルシウムなど)、熱可塑性粒子(ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、ポリプロピレン、アセタールポリマー、ポリウレタン、ナイロン粒子)および熱硬化性粒子(フェノール樹脂バブル、フェノール樹脂ビーズおよびポリウレタン発泡粒子など)が挙げられる。充填剤はハロゲン化物塩などの塩であってもよい。金属充填剤の例には、錫、鉛、ビスマス、コバルト、アンチモン、カドミウム、鉄、チタンが挙げられる。他の副次的充填剤には、硫黄、有機硫黄化合物、グラファイトおよび金属硫化物が挙げられる。充填剤の上述した例は、充填剤の代表的な提示であり、すべての充填剤を包含するものではない。
【0069】
3.帯電防止剤
帯電防止剤の例には、グラファイト、カーボンブラック、酸化バナジウム、導電性ポリマーおよび保湿剤などが挙げられる。これらの帯電防止剤は、米国特許第5,061,294号、第5,137,542号および第5,203,884号で開示されている。これらの特許出願は本明細書に後で引用して援用する。
【0070】
4.硬化剤
結合剤前駆物質は硬化剤をさらに含んでもよい。硬化剤は、結合剤前駆物質を結合剤に転化するように重合プロセスまたは架橋プロセスを開始し完了させるのを助ける材料である。硬化剤という用語は、開始剤、光開始剤、触媒および活性剤を包含する。硬化剤の量と種類は結合剤前駆物質の化学的性質に非常に依存する。
【0071】
5.表面添加剤
場合によって、研磨剤粒子または凝集物の表面を改質する添加剤が含まれる。これらの添加剤は、結合剤前駆物質中の研磨剤粒子または凝集物の分散性を改善したり、および/または結合剤前駆物質および/または結合剤への接着性を改善したりする場合がある。表面処理は、得られた研磨剤粒子または凝集物の切削特性を変えたり、改善したりする場合もある。表面処理は、研磨剤物品を調製するために用いられるスラリーの粘度を実質的に下げる場合もあり、よって、より容易な製造プロセスをもたらす。より低い粘度は、より高い百分率の研磨剤粒子または凝集物をスラリーに組み込むことも可能にする。
【0072】
適する表面改質添加剤の例には、湿潤剤(時によっては界面活性剤とも呼ばれる)およびカップリング剤が挙げられる。カップリング剤は、結合剤と研磨剤粒子または凝集物との間の結合(association)ブリッジを提供することが可能である。カップリング剤は、結合剤と充填剤粒子(存在する程度に)との間の結合ブリッジを提供することも可能である。適するカップリング剤の例には、シラン、チタネートおよびジルコアルミネートが挙げられる。
【0073】
界面活性剤を添加剤として用いてもよい。界面活性剤の例には、金属アルコキシド、ポリアルキレンオキシドおよび長鎖脂肪酸の塩などが挙げられる。界面活性剤は、界面活性剤が研磨剤粒子または凝集物と結合剤前駆物質の両方と適合性であるかぎり、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤または非イオン界面活性剤であってもよい。
【0074】
研磨剤粒子または凝集物は、得られた研磨剤の研磨特性を変えるために表面被膜を含んでもよい。こうした表面被膜の適する例は、例えば、米国特許第5,011,508号(Waldら)、第1,910,444号(Nicholson)、第3,041,156号(Rowseら)、第5,009,675号(Kunzら)、第4,997,461号(Markhoff−Mathenyら)、第5,213,591号(Celikkayaら)、第5,085,671号(Martinら)および第5,042,991号(Kunzら)に記載されている。これらの特許の開示は本明細書に引用して援用する。研磨剤粒子は多被膜を含んでもよい。
【0075】
D.バッキング
研磨剤物品は研磨剤被膜を設けられるバッキングを有してもよい。一般に、研磨剤物品のバッキングは非常に均一な厚さである。可撓性バッキングと、より硬いバッキングの両方を含む様々なバッキング材料のいずれもが、この目的に適する。
【0076】
典型的な可撓性研磨剤バッキングの例には、高分子フィルム、下塗高分子フィルム、金属フォイル、布地、紙、硫化ファイバー、不織布、処理不織布およびそれらの組合わせが挙げられる。バッキングの一種は高分子フィルムである。こうしたフィルムの例には、ポリエステルフィルム、ポリエステルおよびコポリエステルフィルム、微小空隙入りポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムおよびポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。高分子フィルムバッキングの厚さは、一般には約20〜1000マイクロメートルの間、例えば、50〜500マイクロメートルの間および60〜200マイクロメートルの間の範囲である。
【0077】
高分子フィルムバッキングと研磨剤被膜との間に良好な接着性も存在するのがよい。多くの場合、高分子フィルムバッキングの被覆面は下塗して接着性を改善する。下塗剤は、表面変性または化学型下塗剤の被着を含むことが可能である。表面変性の例には、コロナ処理、UV処理、電子ビーム処理、火炎処理および表面積を増すスカフィングが挙げられる。化学型下塗剤の例には、米国特許第3,188,265号で開示されたようなエチレンアクリル酸コポリマー、米国特許第4,906,523号で教示されたようなコロイド分散液、米国特許第4,749,617号で開示されたようなアジリジン型材料ならびに米国特許第4,563,388号および第4,933,234号で教示されたような放射線グラフト下塗剤が挙げられる。これらの特許は本明細書に引用して援用する。
【0078】
より硬いバッキングの例には、金属プレートおよびセラミックプレートなどが挙げられる。適するバッキングのもう一つの例は、米国特許第5,417,726号(Stoutら)に記載されている。この特許は本明細書に引用して援用する。バッキングは、互いに貼合わせた二種以上のバッキング、およびPCT公報WO93/12911(Benedictら)で開示されたような高分子材料に包み込まれた強化繊維からなってもよい。
【0079】
エンボス高分子フィルム(例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレンまたはポリエチレンフィルム)の形を取ったバッキングまたはエンボスセルロース系バッキング(例えば、紙または他の不織セルロース材料)も適する。エンボス材料は非エンボス材料に貼合わせて、バッキングを形成することも可能である。
【0080】
バッキングは、その物理的特性を改良するために処理を含んでもよい。これらの処理コートは研磨技術上周知されており、処理コートには、アクリル系処理コート、フェノール系処理コートおよびフェノール/ラテックス処理コートが挙げられる。
【0081】
バッキングは、発泡バッキング、例えば、ポリウレタン発泡体などの高分子発泡体であってもよい。
【0082】
感圧接着剤をバッキングの非研磨剤側に貼合わせることが可能である。同様に、発泡基板をバッキングに貼合わせることが可能である。機械的取付けシステムの一部をバッキングに張り付けてもよい。
【0083】
場合によって、バッキングの裏側または裏面は摩擦被膜を含んでもよい。この摩擦被膜は、摩擦被膜結合剤によってバッキングに接着した複数の摩擦粒子を含んでもよい。摩擦粒子は、所望の摩擦係数をもたらす適するいかなる材料であってもよい。適する摩擦粒子の例には、無機粒子と有機粒子の両方、例えば、研磨剤粒子および/または充填剤粒子が挙げられる。あるいは、摩擦被膜は、ウレタン被膜または粗い有機被膜などの被膜を含んでもよい。
【0084】
E.他の添加剤
スラリーは、研磨剤粒子表面改質添加剤、カップリング剤、充填剤、発泡剤、繊維、帯電防止剤、開始剤、懸濁剤、潤滑剤、湿潤剤、界面活性剤、顔料、染料、UV安定剤、錯化剤、連鎖移動剤、促進剤、触媒および活性剤などの添加剤をさらに含むことが可能である。これらの材料の量は、所望の特性をもたらすように選択される。
【0085】
研磨剤物品の磨滅性を増すために発泡剤を含めてもよい。発泡剤は、研磨剤被膜の体積を増加させるいかなる材料であることも可能である。発泡剤が用いられる時、研磨剤粒子の平均粒子サイズは、一般に30マイクロメートル未満である。
【0086】
適する発泡剤の例には、蒸気、膨潤性溶媒、窒素ガス、二酸化炭素ガス、気体としての空気、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ブテン、CFCl、CCl、ヒル石、トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、または水と反応して二酸化炭素ガスを発生させたポリウレタンプレポリマーが挙げられる。他の適する発泡剤には、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、ジニトロペンタメチレンテトラミン、アゾジカーボンアミド、アゾビスイソブチロニトリルなどの分解型発泡剤、マレイン酸ヒドラジド、シュウ酸ヒドラジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−ヒドロキシビス(ベンゼン−スルホニルヒドラジド)およびt−アルキルヒドラゾニウム塩などのヒドラジン化合物が挙げられる。二種以上の発泡剤を互いに組み合わせて用いてもよい。その他は、米国特許第5,203,884号に記載されている。この特許は本明細書に引用して援用する。
【0087】
適する潤滑剤の例には、脂肪酸の金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸リチウム)、グラファイト、ワックス、グリコールエーテル、グリセリン、シリコーン化合物およびそれらの組合わせなどが挙げられる。例えば、米国特許第3,502,453号(Baratto)に記載されたようなカプセル化潤滑剤も使用してよい。この特許は本明細書に引用して援用する。
【0088】
連鎖移動剤の例には、四臭化炭素および他の連鎖移動剤が挙げられる。
【0089】
錯化剤の例には、NHHCOなどのアンモニウム塩、タンニン酸、カテコール、Ce(OH)(NO);Ce(SO、フタル酸およびサリチル酸などが挙げられる。これらの錯化剤は、スラリーに添加されうる微粒子の形をとってもよい。
【0090】
水および/または有機溶媒をスラリーに組み込むことが可能である。水および/または有機溶媒の量は所望の塗料粘度を達成するように選択される。一般に、水および/または有機溶媒は、結合剤前駆物質と適合性であるのがよい。水および/または有機溶媒は、前駆物質の重合後に除去してもよく、あるいは結合剤と共に残ってもよい。研磨剤表面の磨滅性を増すために、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルおよびセルロース系粒子などの水溶性および/または水感受性添加剤も含めてよい。
【0091】
使用方法
本発明は、広範囲のワークピース表面を研磨したり、および/または磨いたりするために使用することができる。これらのワークピース表面には、金属、金属合金、異種(exotic)金属合金、セラミック、ガラス、木材、木材様材料、複合材、塗装面、プラスチック(熱可塑性および強化熱可塑性を含む)、石、ガラステレビ画面を含むガラス表面、光ファイバーコネクタなどの光学部品、窓、ガラス陳列棚および鏡が挙げられる。研磨剤物品は、家庭用品、家具、壁、シンク、バスタブ、シャワーおよび床などの表面を清浄化するために用いてもよい。特定の実例において、ワークピース表面には、炭化物、セラミック、窒化物およびフェライトを挙げることが可能である。より詳しくは、ワークピースには、米国特許第6,171,224号に記載されたような炭化アルミニウムチタニウム表面および炭化タングステン表面が挙げられる。特定の実施形態において、ワークピースは、スライダーとも呼ばれるコンピュータハードディスクドライブヘッドである。こうした方法は、Ohishiによる米国特許第5,733,178号で開示されている。この特許は本明細書に全体的に引用して援用する。
【0092】
当業者によって知られているように、ディスクドライブヘッドは、層状構造でセラミックウェハ上に製造される。層状構造は、のこぎりで切られるか、または切削され、のこぎり切断面はリード/ライトエレメントを含む。リード/ライトエレメントは磨いて空隙形状およびポールチップ後退を設定する。運転中に用いられる物品である各ラップは、異なる直径、典型的には概略約16インチの直径であってもよい。ヘッドの列は、ヘッド形状を確立するために固定装置を典型的に用いてラップ仕上げフィルムに与えられる。その後、リード/ライトエレメントは所定の形状および仕上げに磨く。本発明の物品は、前述したハードディスクドライブヘッドを研磨する多工程プロセスの少なくとも第1の工程で用いてもよい。本発明の物品を多工程仕上げプロセス中の多くの工程のどの工程でも使用できることも考慮されている。
【0093】
ワークピースは平坦であってもよく、形状または形状に付随した輪郭を有してもよい。特定のワークピースの例には、眼鏡レンズ、ガラステレビ画面、金属エンジン部品(カムシャフト、クランクシャフトおよびエンジンブロックなどを含む)、ハンドツール金属鍛造品、光ファイバー部品、キャスケット、家具、木製キャビネット、タービン羽根、塗装自動車部品、バスタブ、シャワーおよびシンクなどが挙げられる。
【0094】
特定の例において、研磨剤物品は、光学部品研磨において有用である場合がある。光学部品は、入り光学信号の特性を変えるか、または信号を向け直すか、あるいは信号を伝達する光学装置のあらゆる部品として定義される。光学部品の例には、レンズ、コリメータ、グラディエントインデックスレンズ、光ファイバー、一連の光ファイバー、カップラー、ウェーブガイド、偏光子、ファラデーロテーター、ファイバーグレーチング、偏光結晶、ガーネット結晶、クロスコネクトおよびスプリッターが挙げられるが、それらに限定されない。光学装置は、光学信号の特性を変えるか、または信号を向け直すか、あるいは信号を伝達する一個以上の光学部品を組み合わせるあらゆる装置である。例えば、光ファイバーコネクター、エミッター、トランスミッター、レピーター、レシーバー、モジュレータ、アテニュエータ、カップラー、アイソレータ、アンプリファイア、ウェーブガイド、マルチプレキサー、デマルチプレキサー、ルーターおよびスイッチはすべてこの基準に基づいて光学装置である。他の光学部品および光学装置の例は、The Photonics Buyers’Guide,Book2,2001Edition,Laurin Publishing,Pittsfield,(マサツセッチュ州)において見られる。
【0095】
光学部品は多くの異なる材料から形成されうる。例えば、光学部品は、シリコン、シリカドープ材料またはシリカガラスであってもよい。光学部品は、ドープシリカ、例えば、希土類ドープシリカ、エルビウムドープシリカ、ゲルマニウムドープシリカまたはエルビウムイッテルビウムドープシリカであってもよい。他の例には、砒化ガリウム、砒化インジウムガリウム、ゲルマニウム、砒化燐化インジウムガリウム、フルオロジルコネート、燐化インジウム;、ニオブ酸リチウムおよび二水素燐酸カリウムなどの電子−光学スイッチング材料、ルビーおよびアレクサンドライトなどのソリッドステートレーザー媒体、カルサイト、ガーネット、希土類ドープガーネットが挙げられる。幾つかの光学装置は、チタン酸カルシウム、セリア−ジルコニアまたはアルミニウムオキシ−窒化物を含むセラミック表面から形成される。
【0096】
研磨剤物品は支持体とワークピース表面との間に配置され、研磨部材とワークピース表面との間で接触が起きるように支持体によって圧力が加えられる。支持体は、既知のあらゆるラップ磨き盤、シングルサイドフラットラップ磨き盤または研磨機械であってもよい。支持体は、約40〜約90のショアAのデュロメータを有するソフトバックアップパッドを含んでもよい。他の実施形態において、支持体は、100を超えるショアAのデュロメータを有する材料、例えば、ガラス、プラスチックまたは金属などの硬いバッキングを含んでもよい。加えられる圧力は、一般には約2〜約250グラム/mmである。研磨剤物品とワークピース表面は互いに相対的に移動して表面を仕上げる。研磨剤は、ワークピース表面上で回転するか、またはワークピース表面上で前後に往復するか、あるいはその両方である。一般に、研磨剤は所望の表面を達成するために約20〜約300回/分の間の回数でワークピース上を移動する。所望の表面は、平坦表面または曲率半径などの特定の所望の形状であってもよい。所望の表面は所望の表面仕上げであってもよい。ニオブ酸リチウムの研磨の一例において、所望の表面仕上げは、100倍の倍率で人間の目に掻き傷がないように見える。
【0097】
幾つかの実施形態において、研磨剤を使用前に状態調節してもよい。状態調節工程において、研磨剤物品の最上層、すなわち一般には結合剤は除去される。この目的を達成するために、研磨剤は、研磨剤に抗して移動し表面上で層を除去する、別の研磨剤物品などの状態調節パッドと接触して置かれなければならない。状態調節工程は、研磨剤物品がワークピースと接触すると直ぐに研磨が始まるように研磨剤粒子を露出させる。
【0098】
用途に応じて、研磨液は研磨剤物品とワークピースとの間の界面に存在してもよい。この液体は、水および/または有機溶媒であることが可能である。研磨液は、潤滑剤、油、乳化有機化合物、切削剤および石鹸などの添加剤をさらに含んでもよい。研磨剤粒子は、使用中に研磨界面で振動してもよい。
【0099】
本発明の研磨剤物品は手で使用できるか、または機械と組み合わせて使用できる。例えば、研磨剤物品をランダム軌道ツールまたは回転ツールに固定してもよい。研磨剤物品とワークピースの少なくとも一方または両方は互いに対して相対的に移動する。
【実施例】
【0100】
実施例
材料
Ludox LS
ミズーリ州St.LouisのSigma−Aldrich Corporationによって販売されている水中に懸濁した30重量%シリカを含有するコロイドシリカゾル。
【0101】
Diamond
フロリダ州Boca RatonのAmerican Boarts Crushing Co.から得られる1マイクロメートルのダイヤモンド粉末。
【0102】
SDS
ニュージャージー州West PatersonのCytec Industriesから商品名CYANSOL AYで入手できるジアミルスルホコハク酸ナトリウム。
【0103】
MEK
メチルエチルケトン。
【0104】
実施例1
1200gのLudox LS(ミズーリ州St.LouisのSigma−Aldrich Corporationから得たもの)を平均サイズ1マイクロメートルの180gのダイヤモンド(フロリダ州Boca RatonのAmerican Boarts Crushing Co.から得たもの)と混合することにより、研磨剤物品を調製した。混合物を超音波浴内で30分にわたり完全に混合した。デンマークのSoeborgのNiro Corporationから得られるMobil Miner2000遠心アトマイザーに得られた原料をポンプで送る。アトマイザーホイールを公称回転速度37,500rpmで駆動した。200℃の温度の高温空気を用いて粒子を乾燥した。噴霧チャンバの出口で測定した出口温度を95℃に維持した。温度を制御するために原料流量を用いた。粒子を500℃の温度で焼成した。得られた凝集物の公称かさ密度およびタップ密度を表2で報告している。
【0105】
実施例2
1200gのLudox LS、公称サイズ1マイクロメートルの180gのダイヤモンド、ニュージャージー州West PatersonのCytec Industriesから得られた1.8gのジアミルスルホコハク酸ナトリウムおよび1.8gのメチルエチルケトンをスラリーが含んでいたことを除き、研磨剤物品を実施例1の場合のように調製した。得られた凝集物の公称かさ密度およびタップ密度を表2で報告している。
【0106】
実施例3
1200gのLudox LS、公称サイズ1マイクロメートルの180gのダイヤモンド、ニュージャージー州West PatersonのCytec Industriesから得られた3.6gのジアミルスルホコハク酸ナトリウムおよび3.6gのメチルエチルケトンをスラリーが含んでいたことを除き、研磨剤物品を実施例1の場合のように調製した。得られた凝集物の公称かさ密度およびタップ密度を表2で報告している。
【0107】
実施例4
1200gのLudox LS、公称サイズ1マイクロメートルの180gのダイヤモンド、ニュージャージー州West PatersonのCytec Industriesから得られた5.4gのジアミルスルホコハク酸ナトリウムおよび5.4gのメチルエチルケトンをスラリーが含んでいたことを除き、研磨剤物品を実施例1の場合のように調製した。得られた凝集物の公称かさ密度およびタップ密度を表2で報告している。
【0108】
表1

【0109】
実施例のかさ密度を試験した。かさ密度は、凝集物の所定体積の重量を測定することにより決定する。実施例のタップ密度も試験した。他方、タップ密度は、凝集物の所定重量を最小体積に圧縮することにより測定する。ペンシルバニア州HomercityのFMC Corporationから得られたSyntron Jogger(モデルJ−1B)を用いて10mlのメスシリンダ内で圧縮を行った。すべてのサンプルは、4分の振動後に体積の変化を示さなかった。重量を体積で除すことによりかさ密度測定値とタップ密度測定値の両方を得る。かさ密度とタップ密度を表2で報告している。
【0110】
355gのMEK、4.0gのSDS(MEKで50%固形物に希釈したもの)、6.0gのPylam Liquid Purple Oil LX11096(アリゾナ州TempeのPylam Products Co,Inc.から市販されているもの)および3.0gのPylam Automate Blue(アリゾナ州TempeのPylam Products Co,Inc.から市販されているもの)をステンレススチール製ポット内でブレンドした。そのブレンドを超音波条件下で10分にわたり混合した。上で詳述したような500gの凝集物をブレンドに添加し、攪拌した。その後、818gのPhenoxy YP−50S(MEKで28%固形物に希釈したもの。日本のTohto Kasai Co.から市販されている)、47gのトルエン、ネオペンチルグリコール、ポリ−イプシロン−カプロラクトンおよび4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含む280gのポリウレタン樹脂(MEKで35%固形物に希釈したもの)、Chernegaらによる米国特許第5,028,483号に記載されたような40gの燐酸化ポリアルコキシポリオール(「POCA」)分散剤(MEKで75%固形物に希釈したもの)および142gのポリイソシアネートプレポリマーMRS(ペンシルバニア州ピッツバーグのBayer Corp.から市販されているもの)を順にブレンドに添加し、各添加の間に10分混合してスラリーを生じさせた。
【0111】
Cantyらによる米国特許第5,057,371号に記載されたようにアジリジン含有層が下塗された5ミル(127マイクロメートル)のポリエチレンテレフタレートフィルム上にスラリーを被覆した。この特許は本明細書に引用して援用する。乾燥溶液の最終塗布量は、12〜15mg/平方インチまたは乾燥溶液の約25.4〜約30.4マイクロメートル厚さの範囲である。その後、被覆した研磨剤を炉内で約24時間にわたり約118℃で硬化させた。その後、研磨剤シートを研磨剤物品正方形(10cm×10cm)に二次加工した。
【0112】
ラップ仕上げフィルムで炭化タングステンワークピースを研磨することにより、被覆した研磨剤の試験を行った。内部で設計した回転平坦ラップ盤をこの試験手順のために用いた。4インチ4インチの研磨剤片を盤の土台上に固定し、炭化タングステンのワークピースを研磨剤と接触させて固定した。38lb/in(262kPa)の圧力をワークピースに加え、試験サイクルを300rpmの速度で5000回転にわたり行う。水は研磨プロセスのための潤滑剤であった。ワークピース上の全素材除去を表2で開示している。
【0113】
比較例C1
比較例C1のダイヤモンドが1マイクロメートルのダイヤモンドであったことを除き、Howardによる米国特許第3,916,584号の実施例8の場合のように凝集物を製造した。その後、これらの凝集物のかさ密度およびタップ密度を試験した。凝集物を実施例1〜4の場合のように研磨剤物品にした。素材0除去を多被覆研磨剤ついて測定し、範囲を報告した。結果を表2に示している。
【0114】
正規化かさ密度
かさ密度測定値を理論密度で除すことにより正規化かさ密度を計算した。理論密度を混合物の法則によって計算した。

式中、ρは成分iの密度であり、vは成分Iの体積であり、Vは凝集物の全体積である。
【0115】
用いたダイヤモンドの密度は3.5g/ccであった。用いたシリカの密度は2.5g/ccであった。最終凝集物中に他の材料は存在しなかった。すべての実施例粒子に関する理論かさ密度は2.75g/ccであると決定される。
【0116】
表2

【0117】
本発明の実施例のより低い正規化かさ密度が同等またはより良好な素材除去をもたらすことを見出したことは驚くべきことであるとともに意外であった。さらに、所定のプロセスの素材除去要件に合わせるために本発明の物品を調整できることを発見したことは驚くべきことであった。
【0118】
実施例5
凝集物を実施例1の場合のように製造した。355gのMEK、4.0グラムのSDS(MEKで50%固形物に希釈したもの)、6.0gのPylam Liquid Purple Oil LX11096(アリゾナ州TempeのPylam Products Co,Inc.から市販されているもの)および3.0gのPylam Automate Blue(アリゾナ州TempeのPylam Products Co,Inc.から市販されているもの)をステンレススチール製ポット内でブレンドした。そのブレンドを超音波条件下で10分にわたり混合した。500gの凝集物をブレンドに添加し、攪拌した。その後、818gのPhenoxy YP−50S(MEKで28%固形物に希釈したもの。日本のTohto Kasai Co.から市販されている)、47gのトルエン、ネオペンチルグリコール、ポリ−イプシロン−カプロラクトンおよび4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含む280gのポリウレタン樹脂(MEKで35%固形物に希釈したもの)、Chernegaらによる米国特許第5,028,483号に記載されたような40gの燐酸化ポリアルコキシポリオール(「POCA」)分散剤(MEKで75%固形物に希釈したもの)および142gのポリイソシアネートプレポリマーMRS(ペンシルバニア州ピッツバーグのBayer Corp.から市販されているもの)を順にブレンドに添加し、各添加の間に10分混合してスラリーを生じさせた。
【0119】
Cantyらによる米国特許第5,057,371号に記載されたようにアジリジン含有層が下塗された5ミル(127マイクロメートル)のポリエチレンテレフタレートフィルム上にスラリーを被覆した。この特許は本明細書に引用して援用する。スラリーを40フィート/分(12メートル/分)で1.7ミル(43マイクロメートル)で被覆し、合計で4分にわたり180°F(82℃)〜最高245°F(118℃)の間で傾斜硬化によって強制空気炉内で硬化させた。その後、得られた研磨剤シートを24時間にわたり165°F(74℃)でポスト硬化させる。その後、研磨剤シートを直径11cmの研磨剤物品ディスクに二次加工した。
【0120】
60デュロメータバックアップパッドおよび1の圧力設定を備えたSeiko OFL12(カリフォルニア州TorranceのSeiko Instruments USA,Inc.から市販されているもの)を用いて46分にわたり研磨剤物品ディスクで、前もって秤量した光ファイバーコネクタ(STモデル)(ミネソタ州Saint Paulの3M Companyから商品名3M ST CONNECTOR TYPE OFNER、2.5mmフェルールで市販されているもの)を研磨した。脱イオン水を潤滑剤として用いた。表3に詳述したような研磨中の特定の時間で研磨を止めた。乾くまで光ファイバーコネクタをイソプロピルアルコールで拭き、低糸屑布地で乾燥させ、再秤量した。除去された材料の全量を表3に示している。
【0121】
比較例C2〜C4
以下の市販ラップ仕上げフィルムについてプロセスを繰り返した。比較例2は、3M1マイクロメートル662XW TH IMPERIAL Diamond Lapping Film(ミネソタ州Saint Paulの3M Companyから市販されているもの)である。比較例3は、Myco1マイクロメートルULTRALAP Diamond Lapping Film(ペンシルバニア州MontgomeryvilleのMYCO Precision Abrasive,Inc.から市販されているもの)である。比較例4は、ANGSTROMLAP1マイクロメートルD1 Diamond Lapping Film(マサツセッチュ州New BedfordのFiber Optic Centerから市販されているもの)である。除去された材料の全量を表3に示している。
【0122】
表3

【0123】
表3は、本発明の研磨剤物品が市販の研磨剤物品より長い時間にわたって一定した切削速度を有することを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)研磨剤粒子および(ii)ゾルを含む混合物を形成する工程と、
前記混合物を噴霧乾燥機に導入する工程と、
粉状の未焼成凝集物を形成するために前記混合物を前記噴霧乾燥機内で乾燥させる工程と、
前記未焼成凝集物を焼成する工程と
を含む研磨剤凝集物を製造する方法であって、
前記研磨剤粒子が、第1の体積(v)および第1のかさ密度(ρ)を有し、炭化珪素、酸化アルミニウム、炭化硼素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ゾルが、水および酸化物粒子を含み、前記酸化物粒子が、第2の体積(v)および第2のかさ密度(ρ)を有し、シリカ、アルミナ、ジルコニア、クロミア、五酸化アンチモン、バナジア、セリア、チタニア、酸化亜鉛およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記焼成する工程によって、全体積(V)および第3のかさ密度(ρ)を有する焼成凝集物が得られ、
前記焼成凝集物が、前記酸化物の結晶質マトリックス内に保持された研磨剤粒子を含み、0.38未満の正規化かさ密度(ρ/[(ρ+ρ)/V])を有する、方法。
【請求項2】
(i)研磨剤粒子および(ii)ゾルを含む混合物を形成する工程と、
前記混合物を噴霧乾燥機に導入する工程と、
粉状の未焼成凝集物を形成するために前記混合物を前記噴霧乾燥機内で乾燥させる工程と、
記未焼成凝集物を焼成する工程と
スラリーを形成するために前記凝集物を結合剤前駆物質と混合する工程と、
バッキングの主面上に前記スラリーを被覆する工程と、
前記結合剤前駆物質を硬化させる工程と
を含む被覆研磨剤物品を製造する方法であって、
前記研磨剤粒子が、第1の体積(v)および第1のかさ密度(ρ)を有し、炭化珪素、酸化アルミニウム、炭化硼素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ゾルが、水および酸化物粒子を含み、前記酸化物粒子が、第2の体積(v)および第2のかさ密度(ρ)を有し、シリカ、アルミナ、ジルコニア、クロミア、五酸化アンチモン、バナジア、セリア、チタニア、酸化亜鉛およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記焼成する工程によって、全体積(V)および第3のかさ密度(ρ)を有する焼成凝集物が得られ、
前記焼成凝集物が、前記酸化物の結晶質マトリックス内に保持された研磨剤粒子を含み、0.38未満の正規化かさ密度(ρ/[(ρ+ρ)/V])を有する、
被覆研磨剤物品を製造する方法。
【請求項3】
(i)研磨剤粒子および(ii)ゾルを含む混合物を形成する工程と、
前記混合物を噴霧乾燥機に導入する工程と、
粉状の未焼成凝集物を形成するために前記混合物を前記噴霧乾燥機内で乾燥させる工程と、
記未焼成凝集物を焼成する工程と
スラリーを形成するために前記凝集物を結合剤前駆物質と混合する工程と、
キャビティを含む生産ツールに前記スラリーを被着させる工程と、
前記結合剤前駆物質を硬化させる工程と
を含む三次元固定研磨剤物品を製造する方法であって、
前記研磨剤粒子が、第1の体積(v)および第1のかさ密度(ρ)を有し、炭化珪素、酸化アルミニウム、炭化硼素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ゾルが、水および酸化物粒子を含み、前記酸化物粒子が、第2の体積(v)および第2のかさ密度(ρ)を有し、シリカ、アルミナ、ジルコニア、クロミア、五酸化アンチモン、バナジア、セリア、チタニア、酸化亜鉛およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記焼成する工程によって、全体積(V)および第3のかさ密度(ρ)を有する焼成凝集物が得られ、
前記焼成凝集物が、前記酸化物の結晶質マトリックス内に保持された研磨剤粒子を含み、0.38未満の正規化かさ密度(ρ/[(ρ+ρ)/V])を有する、
三次元固定研磨剤物品を製造する方法。
【請求項4】
ワークピースを提供する工程と、
請求項1に記載の方法によって製造される研磨剤凝集物を含む被覆研磨剤物品と前記ワークピースとを接触させるようにする工程と、
前記ワークピースと前記被覆研磨剤物品を相対的に移動させる工程と
を含むワークピースを研磨する方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法によって製造される研磨剤凝集物

【公開番号】特開2008−274293(P2008−274293A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152531(P2008−152531)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【分割の表示】特願2002−540905(P2002−540905)の分割
【原出願日】平成13年11月8日(2001.11.8)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】