説明

複合部材の製造方法

本発明は、耐熱性の複合部材を製造する方法であって、耐熱性の金属製又は非金属製の部品の少なくとも一部と、耐熱性の非金属製部品の少なくとも一部とを、高温ろう付けにより互いに接合する方法に関する。本発明によれば、ろう付け工程の前に、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Ti、Zr、Hf及びこれらの合金からなる群から選択した1つ以上の元素からなり、溶融ろうに侵されない金属障壁層が、ろう付けすべき各非金属製部品の表面に付着される。ろう材、障壁層及びろう付け条件は、ろう付け工程中に、該金属障壁層が少なくとも部分的に固体状態で残り、その結果、該ろう付け工程後にも、該障壁層が、少なくとも該ろう付け面の大部分にわたって、少なくとも10μmの厚さで残存するよう相互に調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性の金属又は非金属製部品の少なくとも一部と、耐熱性の非金属製部品の少なくとも一部とを、高温ろう付けにより互いに接合する方法であって、高熱に耐え得る複合部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の耐熱性の非金属製部品、例えばセラミック又は炭素含有材料の組合せおよび状況に応じ耐熱性の金属材料を含む複合部材は、高温工学で幅広く用いられている。この種の複合体は、特に航空宇宙産業、電力工学、照明工学、高温炉の構築及びX線診断において用いられている。この種材料の組合せを互いにろう付けする際は、非金属製材料は、製造上の都合により、多くの場合、15%迄の開放気孔率を有する多孔体であることを考慮せねばならない。
【0003】
上記複合部材の製造時に用いる高いろう付け温度で、ろう材は、一般に、特にろう付けされる部品の材料が、比較的短時間に溶融したろうにより部分的に融解し、そしてかなりの長時間にわたり、ろう付け温度への加熱、ろう付け温度での保持及びろう付け温度からの冷却によって生ずる拡散のため、部品の材料と反応する。ある場合には、このことは、例えば使用に関する最大温度の尺度としての再溶融温度(温度上昇時の液相線の突破)として知られているものの増加に対して、プラスの副作用につながる。しかし、一般にこのことは、形成された合金ろう層および/又は該ろうとの反応によって影響を受ける部品の特性に関して不利な効果も有する。具体的には、ろうと、非金属製の接合相手との間に不所望の反応、例えばTi又はZrろうの場合、炭化物が形成される可能性があり、或いは例えばCO等のガス状化合物が放出される可能性がある。
【0004】
ろう付けした複合部材を高温で使用する場合、拡散により混合が一層進展し、特に接合相手からろう中へ拡散する、又は逆の、影響を受ける材料の急速エージング(脆化、気孔形成)につながる可能性がある高拡散比を有する成分(C、N、Si、B、Ti等)と共に進化に貢献する。
【0005】
例証として、Ti(融点約1670℃)を用いたろう付けの場合、一般に1700〜1750℃のろう付け温度を設定する。またMoを金属製部品として用いた場合には、MO/Ti固溶体を含むろう層を形成し、ろう付け温度と略等しい再溶融温度を用いる。ろう付け温度に依存して、溶融したTi中のMo含有量は5〜10原子%である。チタンろうを用いてMo合金をろう付けする場合、溶融したTiも、合金化する相手(例えばMo合金MHCの場合はZr、Hf、C及びO)を部分的に融解させる。グラファイトを非金属製部品として用いる場合、溶融したTiは、グラファイトからかなりの量のC(約1.5原子%)を融解させ、このCは、ろう中に炭化物の形態で、又は炭化物層(ろう付け後のグラファイトとのTiC界面層の典型的な厚さ30〜40μm)として、グラファイトとの界面に堆積する。この炭化物層は、熱輸送をかなり妨げ、かつ材料特性(高弾性率、非常に低い切欠き衝撃力)のため、該複合体の強度を低下させる。
【0006】
様々なろう材、特にZr及びTiの場合、多孔性グラファイトの浸透が起き、その結果金属骨格、そして程なく炭化物骨格が、該グラファイト中に生ずる。特に熱サイクル後、この浸透域は、上記複合部材の耐熱性における弱点を形成する。
【0007】
ろう付けで製造し複合部材の場合、ろう域における細孔の無制御の形成は、未だ解決されていない問題を生じ得る。それら細孔は、多くの場合、構成するろう域の厚さ(典型的には50〜150μm)迄の径を有する球状微小孔であり、場合によっては数mm程度のより大きく平坦な気泡である。その結果、使用のために一般に必要な、金属とグラファイトとの間の良好な熱伝達が妨げられ、接合の強度も低下する。そのため微小孔又は比較的大きな個々の細孔の集積は、スクラップをもたらす。
【0008】
現在の解釈では、細孔の発生に2つの原因がある。一方で微小孔は、凝固溶解物中への気泡の包含に伴い生ずる。高真空下では、気体は、(CO又はCHXとしての)グラファイトの内部からの脱離の結果としてばかりか、Cおよび/又はOの、金属又はグラファイトから、COの形態での後の展開を伴うろう金属中への溶解の結果としても生じ得る。この問題は、かなり高いO及びC含有量を伴い、例えばMHC等の金属性部品としての比較的最近の分散強化Mo合金の場合に発生し易い。他方では、微小孔細孔は、変化する気孔率のグラファイト中に浸透するろうにより引き起こされるろう不足に大きく起因する。
【0009】
独国特許出願公開第2118425号明細書は、X線管用回転陽極の形態で、高温で応力を加え得る複合部材を開示する。グラファイトで形成した1つ以上の部品が、ろう材として使用される、例えばハフニウム又はジルコニウムと共に、主にモリブデンからなる丸い金属製ベースにろう付けされる。この場合、該金属製ベース部材の表面に、ろう付け工程の前、金属製ベース部材とろう材との共晶溶融反応を避けるべく、0.1〜1mm厚のタンタル又はタングステンからなる層を設ける。この方法の1つの欠点は、グラファイトからの気体の脱離によって生ずるろう中の細孔と、グラファイトからのCの溶解により引き起こされる、ろう付けした接合部の脆化を防ぎ得ない点にある。
【0010】
欧州特許第0399621号明細書は、グラファイトと炭化物形成高融点金属部品からなり、グラファイトと金属部品との間に少なくとも5つの個別の層を配置した中間層を備える複合部材を開示する。グラファイトに隣接して、中間層は、炭化物を形成しない金属から形成された第1の個別層を備える。この層に少なくとも2つの二重層が続き、該二重層は、1つ以上の炭化物形成金属か炭化物或いはそれらの混合炭化物からなる個別層と、炭化物又はその合金を形成しない金属からなる個別層とを備える。中間層は、典型的には2〜5μmの個別層厚さを有する9〜13の個別層を用いて形成され、また、主にグラファイトと高融点金属部品との間の拡散障壁層として作用し、該障壁層は、好ましくはコーティング方法を用いて施される。この構成の1つの欠点は、この種の中間層が、多数の個別層及び関連する薄い層の厚さのため、高温ろう付けにより製造される複合部材の製造中に溶融するろうにより、多数の個別層にわたって溶解し、その結果該グラファイトからの炭素の拡散に対するこの中間層の障壁作用が大幅に低減されることである。これも又、ろう中の細孔の形成の可能性を高める。またRe、Ir、Ru又はPt等の高価な非炭化物形成金属からなる個別層が、溶融ろう中に溶解し、その機能を失う結果として犠牲になることは非経済的である。
【0011】
オーストラリア実用新案第5.079号明細書は、非金属及び金属製高温材料から形成した個々の部品を接合することで、部品複合材料を製造する方法を開示する。個々の部品の接合前に、10〜2000μmの厚さを持つ気密金属箔を、後に金型プレス成形又は静水圧プレス成形が続くキャンニング方法により、該非金属製部品の表面に施す。該方法は主として金属箔により冷却剤流路を流れる冷却媒体に対して密封される該冷却材流路を有する複合部品を製造すべく使用される。該非金属製部品のキャンニングが続く、該複合部品の個別の部品は、ホットプレス又は熱間等静圧圧縮成形により、共通の缶内で、互いに溶接又は接合される。ろう付けも、個々の部品を接合するのに可能な方法として挙げられているが、該接合方法の限定された有用性が、溶融ろうにより溶解される該金属箔の可能性のため指摘される。複合部品を製造するこの方法の基本的な欠点は、該金属箔が、該非金属製部品の表面ばかりか、他の全表面にも存在し、かつ該複合部品の使用により、特定の状況下では、それら表面から再び除去せねばならない可能性がある点にある。
【発明の開示】
【0012】
従って本発明の目的は、高温ろう付けにより高温に曝される可能性があり、かつ非金属又は金属製および非金属製部品から形成した複合部材を製造する経済的な方法の提供であり、該複合体のエージングに対する強度と抵抗性を、従来技術に比べて向上させ、かつ特にろう付け域での細孔の形成を含む、ろう付けした接合部における欠陥の発生の可能性を可能な限り接合相手の性質に関係なく、大幅に低減させようとする点にある。同時にろう付け法を単純化し、かつ使用する材料の特定の組合せとは実質的に無関係なろう付けした接合部を伴って、市販のろう材を用いて複数の耐熱性の非金属製部品と、状況に応じて、高融点金属部品と共に構成される多数の材料の組合せを接合するのに適している。
【0013】
本発明はこの目的を達成すべく、ろう付け工程前に、溶融ろうに侵されない、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Ti、Zr、Hf及びそれらの合金からなる群から選択した1つ以上の元素からなる金属障壁層を、ろう付けすべき各非金属製部品の表面に付与し、かつろう材、障壁層及びろう付け条件を、ろう付け工程中に、該金障壁層が、少なくとも部分的に固体状態で残り、その結果ろう付け工程後に、障壁層が、少なくともろう付け面上の大部分で少なくとも10μmの厚さでなお存在するよう互いに適合させる。
【0014】
この際該金属障壁層は、気体及び溶融ろうに実質的に侵されないよう、それ自体公知の被着法を用いて付着させる。該障壁層とその厚さは、既知の2つの部品又は複数の部品の状態図を参照し、ろう付け条件下で、該層が、溶融ろうによる溶解および各非金属製部品との反応に対し、十分に安定するよう選定する。十分に安定するという表現は、ろう付け終了後、該金属障壁層が、明らかに、該非金属製部品の表面とろう層との間のろう付け面の大部分で少なくとも10μmの残余厚さで、なお引き続き残存することを意味する。
【0015】
本発明による方法は、特に、例えばろう付けした接合部の領域における炭化物等の脆弱な状態を排除又は低減することで、個々の非金属製および/又は金属製部品間の熱伝達を改善し、かつろう付けした接合部が、複合部材の耐用年数を通じて熱サイクルに耐えられるようにする。経済的観点から、本発明による方法は、製造技術に関連し、気孔率の変動及び非金属製部品中への気体の侵入によって生じ、完全にろう付けされた接合部の製造を不可能にする現象をなくす。
【0016】
高温での使用に適する全ての金属、特に高融点金属であるTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びReとその合金並びに化合物は、ろう付けすべき金属製部品のためのベース材料として適する。
【0017】
非金属製部品は、放熱体、蓄熱器および/又は放熱器として使用可能な、当分野の現況の全非金属材料、特に材料に対する上記の制約を伴うことなく、グラファイト、ダイアモンド、炭素繊維強化炭素、SiC、C−SiC、B4C、AlN及びSi34を含む。
【0018】
上記障壁層のための材料は、被覆すべき非金属製部品及びろう材に従い、ろう付け温度で非金属製部品に対し溶融反応が起きないよう、又は該層の厚さのごく一部に限定される溶融反応のみが起きるように選定する。更に該障壁層は、溶融ろうで全面的に濡らし得るが、該溶融ろうとの限定的な溶融反応のみが起きるようにする。該選定の実行時に、材料特性に不利な拡散反応を、使用時に可能な限り回避すべきである。
【0019】
従って、上記非金属製部品の被覆に用いる材料は、融点又は融解範囲を考慮し、かつろう付け条件下で、ろう材と金属障壁層との間に製造される2つの部品又は複数の部品システムの微細構造特性を考慮して選択する。該障壁層の融点がろう付け温度より高い場合、該障壁層の所望の機能を単に与え得るため、障壁層とろう材料に対し同じ材料の使用が除外されることは明白である。
【0020】
本発明では、ろう付け工程中に、上記金属障壁層により形成され、上記固体障壁層と溶融ろうとの界面及び障壁層と非金属製部品との界面が極めて重要である。このことは、異なる材料でも、可能な限り一定の方法条件下でろう付けすることと、それら全ての場合に、実質的に同じろうの組成と同じろう構造を実現することとを可能にする。
【0021】
驚くべきことに、上記部品内の温度勾配のため、ろうの溶融は同時には起きず、かつ材料が、溶融ろう中の対流により移動するにも係らず、溶融ろうによる上記障壁層の溶解が、被覆された部品の表面に正確に並行に、数%迄低減し、その結果として約15〜30%の範囲のろう厚さを持つ比較的薄い障壁層で、該溶融ろうに対する信頼性のある障壁作用を確実になし得ることが証明された。かくした、本発明を経済的で再生産可能なろう付け方法に変換する前提条件が満たされた。
【0022】
次の表1は、本発明によるグラファイトのモリブデンをベースとする合金へのろう付けに適することが証明された、上記障壁層の材料と、ろう材との例示的な組合せのリストである。該表に示すろうの厚さは、平坦な部材のろう付けに対する一般的な範囲を表す。例えば部品の形状等の特定の理由のため、より大きいろう厚さが必要な場合や、より薄いろう厚さが可能な場合には、該障壁層の厚さは、相変わらず溶融ろうに侵されないという条件に従い適合させ得る。表1の全てのパラメータ(層の厚さ、ろう温度)は、関連する気孔率、表面品質及び反応性を有する市販の高性能グラファイトおよび市販のろう付け炉の温度制御に関し、例証として示す。そのため、これらパラメータは、単に本発明を実施する非常に多くの数の可能な方法の実施例を構成する。当業者は、本発明の説明から容易に、材料の他の組合せに対し、パラメータ選択のためのガイドラインを確立できよう。
【0023】
【表1】

【0024】
予想以上に、上記金属障壁層の有利な効果が相乗的に組み合わさる。協働する有利な効果に関する以下の事項は、この相乗効果を説明するものである。
密な金属障壁層により、ろうの非金属製部品への浸透を防止できる。従って50〜150μm厚のろう箔を、例えば200〜300μm厚のろう箔の代わりに使用できる。
改良されたろうの量の管理は、流出するろうによってろう付けされる部品の制御されていない濡れを、多くの場合に、ろう付けされた複合部材の如何なる再加工も必要ない程度に迄抑えることを可能にする。
一般的なろう付けに伴うろうの量の2倍以上を用いるのにも係らず、ろう中に発生する細孔を有効に抑制できる。細孔により生じるスクラップは、実質的になくなる。
上記非金属製部品からの気体により生じる微小気孔率は、約1/10になる。
【0025】
次の有利な効果は、上記非金属製部品に対しC含有材料を用いたときに生じる。
炭素含有部品との界面における炭化物の形成を、約1/10に抑制又は低減できる。
上記ろう付け域の熱伝導率は、炭化物層がないため又は気孔率の低減のため上昇する。
ろう付け方法中の炭化物の形成に伴い引き起こされるろう付け接合部の強度の低下は、100倍以上遅れる。
ろう/炭素共晶を伴うろうの場合、本発明に従い、再溶融温度は、Tiろうで約30℃だけ増加し、Zrろうで約50℃だけ増加する。
【0026】
上記金属障壁層の厚さは、特にろうの量、ろうの配分の均一性、障壁層中に存在する残余気孔率及び溶融ろうにより引き起こされる障壁層の何らかの溶解に依存する。これに関連し、特に一般的なろう付け条件下で、ある非金属製部品が障壁層の物質と接触するときでも、低融点共晶を形成する可能性があり、その結果、該障壁層をかなりの程度迄溶解させることに留意すべきである。
【0027】
最も単純な構成では、本発明の方法は、単一成分の金属層を、溶融ろうに対する障壁層として上記非金属製部品に施すことを含む。グラファイトを非金属製部品として用い、かつモリブデンを金属製部品として用いる場合、WとTaが適している。100μmの厚さを持つTiろう箔を使用するなら、グラファイト中へのろうの浸透を防ぐべく、又は20〜30μmの厚さを持つ残留障壁層のため、溶融ろうによる障壁層の約10μmの深さ迄の、溶解後の該ろう中の炭化物の形成を防ぐため、約1710℃のろう付け温度で30〜40μm厚のW層で十分である。Ta障壁層を用いる場合には、固体拡散の結果として形成されたタンタル炭化物層の厚さは、一般的なろう付けの場合に、溶融反応及び拡散のため、金属障壁層を要することなく形成する約40μm厚のTiC層と比べ、一般的なろう付け条件下で約5μmである。高温使用時のTaC層の更なる成長も、TiCと比較してかなり遅れる。モリブデンとグラファイトとを、チタンろうを用いてろう付けする際、ろう組成Ti−Mo−W(又はTi−Mo−Ta)であり、かつ形成する合金ろうが、ろう付け温度の直下で固溶体として凝固する。金属障壁層なしの対応したろう付け時、約40μm厚のTi(Mo)C層の上に、ろう付け温度より約30℃低温で共晶凝固を起こすTi−Mo−Cのろう組成が生じた。
【0028】
本発明の好ましい実施形態では、上記障壁層で被覆した非金属製部品に加えて、非金属及び金属製部品を備える複合材料の場合、該部品も、ろう材に対し分割層で被覆する。該分割層は、該障壁層と同じ材料で構成することが好ましい。その都度、唯一の金属からなる単一の層を形成する場合および単一成分のろうを同時に使用する場合、該ろう付け方法は、2つの化学元素を含むろうの生成をもたらし、この場合、所与のろう付け温度で該ろう中に溶解している該層の材料物質の濃度は、2成分状態図から読み取れる。
【0029】
例えばモリブデンで形成した金属製部品及びWを含むグラファイトから形成した非金属製部品の両方のコーティングの場合や、Zrからなるろう付け箔を使用する場合、形成されるろうシステムは、2成分系Zr−Wへ低減され、該系は、ろう付け時約1800℃で溶融し、約1735℃で共晶として凝固する。一方、モリブデン合金TZM(合金成分Mo、Ti、Zr、C、O)とグラファイトとが、本発明に従ってコーティングを伴うことなく、かつZrろうを用いてろう付けする場合、約1700℃での両部品の溶解は、その後、約1520℃で共晶形態で単に凝固する、Zr−Mo−Ti−C−Oを含むろう系の形成につながる。
【0030】
本発明に従い、最小限の厚さの上記障壁層で間に合わせるべく、ろうにおける、本発明による障壁層の溶解度は、一般に50原子%未満、好適には10原子%未満にすべきである。後者の制限は、部品の構成のため、該層の局所的溶解が増加し、ろう材の局所的合流を回避できない場合に、ますます重要になる。
【0031】
一般にろう材は、単に元素形態のみならず、むしろ合金の形態で、特に箔、ワイヤ等の形態で、共晶成分を有する合金として使用できる。例えばベース材料としてTi、Cu、Ni又はAgを含む多くのろう成分がある。この際ある状況下では、特にろう合金が、ろう付け条件下で、障壁層の材料で実質的に飽和する場合、ろうのベース材中で高い溶解度を有する合金成分を、障壁層の材料として用いることもできる。
【0032】
本発明の方法によれば、ろう材、ろうの量、上記金属障壁層の材料は、上記分割層の適切な材料が、該障壁層の層厚となるように相互に適合せ、かつ100μmの分割層に対し適切ならば、上記ろう付け工程前に十分である。
【0033】
原則として、良好な接合特性、十分に均質な層厚分布および数〜数百μmの範囲の厚さを有する濃密な層を直接的に、又は後の熱処理と共に製造するのに適する全ての公知の被着方法を、ろう付けすべき表面に障壁層および/又は分割層を付着させるのに使える。該被着法は、一般的な条件下で、被覆すべき部品が、それらの微小構造及び寸法に対しいかなる不利な変化も受けないように適合させるべきである。
【0034】
上記非金属製および/又は金属製部品上にろう付けする部分表面の方向性の被覆を可能にする方法が得られた。気体透過及び溶融浸透に全く侵されず、かつ溶融により非常に一様に、即ち該層材料とベース材料との界面に実質的に平行に溶解される障壁層および/又は分割層は、マグネトロンスパッタリング等の物理気相成長法(PVD)を用いて、実質的に理論的な密度で付着させ得る。約50μm迄の厚さの、W、Ta等からなる層は、この方法で、経済的に付着させ得る。より大きな層厚に対しては、真空プラズマ溶射(Vacuum plasma spraying;VPS)を有効に利用できる。この場合の生産技術態様から実現できる密度は、理論密度の98%以上に達し得る。化学気相成長(CVD)も、例えば高融点金属の、良好な接合特性を有し、侵されない層の経済的製造に適する。
【0035】
使用上の観点から必要なら、上記被覆は、マスクによってろう付け面に制限でき、或いはろう付け工程前又は後に加工することで、上記ろう付け域から再び除去できる。
【0036】
接合部特性(層/ベース材料接合)と層特性(粒形状及び粒径、開気孔率、純度)は、上記コーディング工程の後に実行する真空又はシールドガス下での熱処理によって最適化し得る。しかし、(例えばVPS層の場合のように)約5%迄の範囲で残る任意の残留気孔率も、開孔に浸透する溶融は、溶解方法のため、少し後にその平衡濃度に達し、それにより、該溶解方法を停止させるので、概して許容することができる。
【0037】
本発明による方法は、X線管用回転陽極の製造に特に有利に使用できる。タングステン及びタンタルは、上記金属障壁層に対し、そして適切な場合には、ろう付けにより、例えば陽極円板としてのTZM等のMoをベースとする材料からなるこの種の回転陽極の個別の部品と、グラファイト裏地とを接合するのに用いた際、上記分割層に対しても、特に有利な材料であることが解った。Tiろうには一般的な1700°〜1750℃のろう付け温度において、タングステンは、3〜6原子%の非常に低いW含有量を伴って、ろう材としてチタンを有するTi/W溶融を形成し、約5〜10原子%のWを含む(上記2成分システムの固相線に相当する)高いW含有量を有する固溶体域が、Wとの界面に形成される。50〜100μmの範囲のTiろう付け箔厚さ及び1700〜1750℃のろう付け温度の場合、該グラファイト裏地上の約30〜60μmのW層の厚さは、Ti溶融による該障壁層の完全な溶解を抑えるのに十分であることを確認した。上記TZM陽極円板上でのW分割層の同時使用の場合、各W層の必要な層厚は低減できる。
【0038】
Zrを、この種回転陽極のためのろうとして使用する場合、タングステンは、該障壁層および/又は分割層に対し特に有効な材料であることが解った。該W層は、1735℃の融点で、Zrろうと共晶を形成する。この場合、1780〜1800℃が、適切なろう付け温度である。約10〜12原子%のWは、Zrの溶融中に溶解する。該障壁層に対しては、50〜70μm程度の層厚で十分である。該障壁層により形成されるZr−Wろう微小構造は、障壁層を使用しない従来技術によるろう付け方法で形成したMo−Zr微細構造と比べて、かなり細かいきめを示し、このことは、他の方法で形成されるMo2Zr結晶と比べて、特に、W2Zr結晶に当てはまる。
【0039】
本発明による方法の別の有利な実施形態は、中間層に特別な機能を加えることにある。例えば実際の金属障壁層の前に、中間層を上記非金属製部品に施すことができ、またこの中間層は同様に、該ろう付け工程時固体状態で残り、その役割は、中間層の化学的、物理的及び機械的特性のため、金属障壁層の非金属製部品への接合および/又はその安定性を改善することである。例えば炭素含有材料を非金属製部品として使用することに基づき、炭化物(例えばNbC又はTaC)、炭化物生成金属(例えばNb又はTa)又は非炭化物生成金属(例えばRu又はIr)からなる薄い中間層は、まず炭素の拡散を防ぐ拡散障壁層として付着させ得る。そして、本発明による、溶融ろうに対する障壁として作用する該金属障壁層を、上述の中間層に施す。中間層と障壁層の材料は、ろう付け工程中、これら層が、少なくとも大部分、固体状態で残るように互いに、および該層が接触する材料に対し適合させておく。
【0040】
従って好ましい実施形態では、Taを10〜20μmの厚さで、炭素含有非金属製部品上に付着させ、その後30〜60μm厚のタングステンからなる層を設ける。上記ろう付け工程中、約3〜5μm厚のタンタル炭化物層が、炭素含有基板との界面に生じ、かつ上記複合部材の長期の使用中にも、このタンタル炭化物層は非常にゆっくりと成長し、その結果炭素の該ろう材中への拡散に対し、該ろう付け工程中に、Ta中間層を要することなく形成し、かつ長期間の使用中に成長し続けるであろうWC/W2C反応層よりも一層有効な障壁を形成できる。
【0041】
本発明による上記ろう構造の更に有利な実施形態では、ろう成分の少なくとも1つを含む別の層を、上記金属障壁層および/又は分割層上に付着させる。ろう付け工程中の該別の層の溶融により、遅れのない濡れをもたらし、かつ溶融ろうにより引き起こされる溶解反応を、ろう付け面全体にわたり一層均一化できる。その結果、ろうメニスカスで観察される局所的な溶解もかなり低減でき、結果として、金属障壁層の厚さと、適切なら該金属部品に対する該分割層の厚さも低減できる。ろう付け時に共晶を形成するろう系の場合には、該ろうと同様の層を追加的に施すため、溶融ろうが、共晶融点の直上で遅滞なく始まるので、追加的な効果が生じ、その結果、例えばW−Zrの場合、該ろう付け温度を約30℃低下でき、かつろう付け温度に達した際の更なる保持時間は不要である。
【0042】
ろう付けすべき接合部が適切な構造形成を有する場合、全てのろう材が、必要な厚さの層の形態で上記金属障壁層上に付着すること、或いは適切ならろう材が、障壁層及び分割層上に略等しい割合で付着することが望ましい場合がある。特にこれは、例えばろう付けすべきねじ山面等の複雑なろう付け面に当てはまる。
【0043】
X線管用回転陽極に加えて、本発明に従って製造する上記複合部材は、電力工学、特に核融合技術の分野に、更に有効な用途を有する。研究炉に用いるプラズマ容器は、高融点金属及び非金属材料(特に炭素含有材料)で形成した複合体の形態で設計される、多数の部品(ダイバータ、第1壁タイル等)を備える。
【0044】
本発明による方法が、別の同様の材料の複合体及び使用条件に対して、例えば航空産業及び航空宇宙産業の部品(熱シールド、燃焼チャンバ等)および高温プラントエンジニアリングで有用なことは、明らかであろう。
【0045】
以下、本発明の方法を、製造実施例及び図面に基づき、より詳細に説明する。
【実施例1】
【0046】
W5Re(5重量%のレニウムを含むタングステン合金)からなる焦点経路層を背面に有し、TZM(0.5重量%のTi、0.76重量%のZr及び0.03重量%のCを含むモリブデン合金)から形成した回転陽極のため、粉末冶金で製造した陽極円板を高性能グラファイトから形成した環状部分にろう付けし、X線回転陽極を作製した。円形ブランクの径は160mm、厚さは10mmであった。グラファイトリングは156mmの外径と80mmの内径及び45mmの厚さを持つ。該リングのろう付け面を、本発明の方法に従い、イオン支援マグネトロンスパッタリング(スパッタイオンプレーティング)によって、Wからなる50μm厚の層で被覆した。ろう付けは、該グラファイトリングと同面積の100μm厚のTi箔を挿入した後に実行した。ろう付けは、高真空下、昇温速度15℃/分、保持時間2分で1725℃迄加熱し、温度制御なしの冷却により行った。
【0047】
顕微切片の解析によれば、ろう付け工程後でも、タングステン障壁層は依然連続する35±5μmの厚さで存在した。ろうメニスカスの領域でのW層の残留厚さは、少なくとも15μmであった。ろう付け工程中に、炭素の拡散に伴い、W層とグラファイトの間の界面に沿って、約8μm厚の連続するタングステン炭化物層が生じた。顕微切片は、グラファイトのTiろうに対するいかなる浸透も、ろう中の如何なる炭化物の沈殿も示さなかった。走査型電子顕微鏡での微量分析によれば、ろうはTi−Mo−W固溶体からなり、MoとWの含有量は、何れの場合も3〜5原子%であった。微小孔で占められたろう付け域における表面積の割合は、約0.4%であった。細孔は見当たらなかった。
【0048】
冷却段階中にろう付けした回転陽極での音響的な放射を測定することで、上記ろう付け域で、ろう付け後の冷却中に蓄積する接合応力の影響について検査した。この方法は、高周波域で生じる音響信号によって、ろう付けした接合部での微小クラック又は微小せん断の発生の検知に使用できる。検知した微小損傷の発生数は、300〜500であった。
【実施例2】
【0049】
MHC(1重量%のHf、0.7重量%のZr、0.1重量%のC及び0.05重量%のOを含むモリブデン合金)からなり、W5Reの被覆を備えた回転陽極のための、粉末冶金法で製造した陽極上に、高性能グラファイトの環状下地をろう付けし、X線回転陽極を形成した。種々の寸法は、実施例1で示したものと同じであった。本発明による上記方法の特に有利な実施形態によれば、ろう付け工程前に、該グラファイト部品は、真空アークイオンプレーティングにより、拡散障壁層として20μm厚のTa層を被着し、その後30μm厚のW障壁層も被着した。又ろう付けすべき丸いMHCブランクも、ろう付け面を、Wからなる30μmの分割層で被覆した。このろう付けは、実施例1で説明したように、100μmの厚さを有するTiろう箔を用いて実行した。
【0050】
ろう付け直後の顕微切片分析は、グラファイトとタンタル層との間の固体拡散で生じたグラファイト円板上の約5μm厚のタンタル炭化物層を明らかにした。これは、約15μmの残留厚さを持つ残存金属Ta層と、約20μmの残留厚さを持つW層の近傍に隣接している。ろう層自体は、実質的にWの含有量が約5%のTi/W固溶体を備える。炭化物状態は、該ろう中には観察されなかった。微小孔により形成された表面積の割合は、この実施形態において、0.2%であった。マクロ孔の発生はなかった。
【0051】
音響的放射の測定は、50〜100の多数の微小損傷の発生を明らかにした。
【実施例3】
【0052】
比較のため、従来技術に従い回転陽極用陽極円板を製造した。該陽極円板は、実施例1及び実施例2と同様の構造である。グラファイト部分と丸いTZMブランクは共に、従来技術のように、被覆なしの形態で用いた。ろう付けは、実施例1における条件と同じろう付け条件であるが、チタンからなる250μm厚のろう箔を用いて行い、この経験から得た知識は、グラファイトの浸透により生じるろうの損失を補償するために必要である。
【0053】
ろう付け直後の顕微切片分析は、チタンろう/グラファイト界面における35μm厚のチタン炭化物層を明らかにした。炭化物の含有物は、ろう断面中にも認められた。該ろう付け域で微小孔により形成された表面積の割合は、3.4%であった。音響的放射の評価は、3000〜5000の微小損傷の発生を示した。本発明に従い製造した回転陽極と比較してかなり多いこの数は、チタン炭化物層と、グラファイト及びグラファイトマトリクスに対する、浸透したTiC含有物との間の界面での、複合体の微小損傷に起因する。
【0054】
実施例1〜実施例3で説明したように製造した回転陽極を、高真空(1500℃/20時間)下で長時間熱エージングし、その後、該ろう付け域の顕微切片を作製した。
【0055】
図1は、ろう付け後(図1a)と、1500℃で20時間のエージング後(図1b)の、どちらも160倍に拡大した、本発明の実施例2に従って製造した回転陽極のろう付け域の顕微切片を示す。図2は、同様に、ろう付け後(図2a)及び1500℃で20時間のエージング後(図2b)の、どちらも160倍に拡大した、従来技術による実施例3に従って製造した参照回転陽極のろう付け域の顕微切片を示す。
【0056】
図1から、本発明に従って製造した回転陽極のW/Tiからなるろう付け域が、隔離した層間炭化物のみを伴い、実質的に孔を有さないことは、明白である。対照的に、従来技術に従って製造した回転陽極のろう付け域(図2)は、該ろう層における顕著な気孔率及び炭化物状態の高い割合をはっきりと示している。
【0057】
図3は、本発明の実施例2および従来技術による実施例3に従って製造した回転陽極に対し、様々なエージング状態で引張試験を行った結果を示す。
【0058】
曲線1は、実施例2および実施例3の両方に従って製造した回転陽極のろう付け直後の評価を示す。曲線2は、本発明による実施例2に従って製造した回転陽極の1500℃で20時間のエージング後の評価を示す。曲線3は、従来技術による実施例3に従い製造した回転陽極の、1500℃で20時間のエージング後の評価を示す。従来技術による実施例3に従って製造した試験品の大部分は、1500℃で20時間のエージング後に脆くなっていた為、引張試験品を製造するのに必要な加工後に破砕した。残ったものの中で、引張強度は、0〜15MPaであった。本発明の実施例2に従って製造した試験品の場合、引張強度は24±2MPaであった。
【0059】
この結果は、本発明に従い製造した複合回転陽極は、使用中の熱応力に耐える能力が、従来技術に従い製造した回転陽極より著しく大きく、かつ接合部の強度に関し、経年変化が、該従来技術に従って製造した回転陽極よりも著しく小さいことを示している。
【0060】
本明細書で説明した実施例は、単に、本発明を説明するのに役立つものである。当業者には、本発明による方法を、非常に多くの他の非金属製部品を、互いに、又は、金属製高温材料に、多成分ろうを含む多数のろうとの組合せにより接合する、本特許の教示の範囲内で活用できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1a】ろう付け後の、160倍に拡大した、本発明による実施例2に従って製造した回転陽極のろう付け域の顕微切片を示す。
【図1b】1500℃で20時間のエージング後の、160倍に拡大した、本発明による実施例2に従って製造した回転陽極のろう付け域の顕微切片を示す。
【図2a】ろう付け後の、160倍に拡大した、従来技術による実施例3に従って製造した参照回転陽極のろう付け域の顕微切片を示す。
【図2b】1500℃で20時間のエージング後の、160倍に拡大した、従来技術による実施例3に従って製造した参照回転陽極のろう付け域の顕微切片を示す。
【図3】本発明による実施例2および、従来技術による実施例3に従って製造した回転陽極の、様々なエージング状態における引張試験の評価を示す。
【符号の説明】
【0062】
1 実施例2と3に従い製造した回転陽極の、ろう付け直後の評価を示す曲線
2 実施例2に従い製造した回転陽極の、1500℃で20時間のエージング後の評価を示す曲線
3 従来技術に従い製造した回転陽極の、1500℃で20時間のエージング後の評価を示す曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱性の複合部材を製造する方法であって、耐熱性の金属製又は非金属製の部品の少なくとも一部と、耐熱性の非金属製部品の少なくとも一部とを、高温ろう付けにより互いに接合する方法において、
ろう付け工程の前に、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Ti、Zr、Hf及びこれらの合金からなる群から選択した1つ以上の元素からなり、溶融ろうに侵されない金属障壁層を、ろう付けすべき各非金属製部品の表面に付着させ、
ろう材、障壁層及びろう付け条件を、ろう付け工程中に、前記金属障壁層が少なくとも部分的に固体状態で残り、その結果、前記ろう付け工程後にも、前記障壁層が、少なくともろう付け面の大部分にわたって、少なくとも10μmの厚さで残存するように互いに適合させることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記金属障壁層が、前記ろう付け工程の後に、25μm〜90μmの層厚を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ろうが、Ti、Zr、Hf及びそれらの合金からなる群から選択した1つ以上の元素からなることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記非金属製部品がグラファイト又は炭素含有材料からなり、前記金属障壁層を施す前の第1の工程で、非炭化物形成金属からなる中間層又はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Wの内の1つ以上の金属の炭化物又は窒化物からなる中間層をろう付け表面に施すことを特徴とする請求項1から3の1つに記載の方法。
【請求項5】
前記中間層が5〜30μmの層厚を有することを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
耐熱性の金属製部品の少なくとも一部を、非金属製部品の少なくとも一部に接合し、前記金属製部品に、後のろう付け工程中に、ろう材及びろう付け条件の適切な選択の結果として、少なくとも10μmの厚さで残る分割層を、前記ろう付け工程の前に設けることを特徴とする請求項1から5の1つに記載の方法。
【請求項7】
前記分割層が、前記非金属製部品上の前記金属障壁層と同じ構造からなることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記ろう材を、前記金属障壁層および/又は前記分割層上に被覆として少なくとも部分的に施すことを特徴とする請求項1から7の1つに記載の方法。
【請求項9】
Tiを含むろう材を用いて、W、Mo又はこれら金属の合金を含む金属製部品の少なくとも一部を、グラファイト又は炭素含有材料を含む非金属製部品の少なくとも一部に接合し、前記ろう付け工程の前に、Wからなる30〜80μm厚の障壁層を前記非金属製部品に施すことを特徴とする請求項1から請求項8の1つに記載の方法。
【請求項10】
Tiを含むろう材を用いて、W、Mo又はこれらの金属の合金を含む金属製部品の少なくとも一部を、グラファイト又は炭素含有材料を含む非金属製部品の少なくとも一部に接合し、前記ろう付け工程前に、Taからなる30〜80μm厚の障壁層を前記非金属製部品に施すことを特徴とする請求項1から8の1つに記載の方法。
【請求項11】
Zrを含むろう材を用いて、W、Mo又はこれらの金属の合金を含む金属製部品の少なくとも一部を、グラファイト又は炭素含有材料を含む非金属製部品の少なくとも一部に接合し、前記ろう付け工程前に、W又はTaからなる30〜80μm厚の障壁層を前記非金属製部品に施すことを特徴とする請求項1から8の1つに記載の方法。
【請求項12】
前記ろう付け工程の前に、前記金属製部品に、前記障壁層と同じ組成を有する分割層を設けることを特徴とする請求項9から11の1つに記載の複合部材を製造する方法。
【請求項13】
前記複合部材が、X線管の回転陽極であることを特徴とする請求項9から12の1つに記載の方法。

【図3】
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【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【公表番号】特表2007−512959(P2007−512959A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529429(P2006−529429)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【国際出願番号】PCT/AT2004/000332
【国際公開番号】WO2005/034168
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(390040486)プランゼー エスエー (25)