複層ガラスパネル、障子、及び開口部装置
【課題】グレージングチャンネルを強固に連結するとともに、これにより生じる水抜きの問題も解決することが可能となる複層ガラスパネルを提供する。
【解決手段】所定の間隔を有して対向する2枚以上の板ガラス11、12と、間隔のうち板ガラスの外周端部に充填されるシール材14と、板ガラスの外周端部及びシール材を覆うグレージングチャンネル15と、を備え、グレージングチャンネルは、板ガラスの外周端部及びシール材のうち、端面を覆う底片16と、底片の両端から立設して板ガラスの面の端部を覆う立設片17、18とを有し、底片又は立設片の少なくとも一部が、板ガラス又はシール材に結合されるとともに、底板又は立設片には、板ガラス又はシール材に結合されていない部位に、その厚さ方向に貫通する孔17d、18dが設けられている。
【解決手段】所定の間隔を有して対向する2枚以上の板ガラス11、12と、間隔のうち板ガラスの外周端部に充填されるシール材14と、板ガラスの外周端部及びシール材を覆うグレージングチャンネル15と、を備え、グレージングチャンネルは、板ガラスの外周端部及びシール材のうち、端面を覆う底片16と、底片の両端から立設して板ガラスの面の端部を覆う立設片17、18とを有し、底片又は立設片の少なくとも一部が、板ガラス又はシール材に結合されるとともに、底板又は立設片には、板ガラス又はシール材に結合されていない部位に、その厚さ方向に貫通する孔17d、18dが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は住宅や公共施設等の建物開口部に用いられる開口部装置に具備される複層ガラスパネル、及び該複層ガラスパネルを備える障子、及び開口部装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物開口部に備えられるいわゆるサッシ窓は、その開閉により室外との連通・遮断が自在であり、人や物の出入り、及び換気等をすることができる。また、開閉する障子はガラスパネル等のような透光性を有するパネルを具備している。これにより、その閉鎖の姿勢においても室内に光を取り入れることができ、室内を明るくし、暖をとる等、室内環境の向上が図られる。
【0003】
しかし一方で、サッシ窓には、ガラスパネル以外の多くの部分に金属が用いられること等から、通常の壁に比べて断熱性が低下する傾向にある。断熱性は、建物に求められる重要な性能の1つであり、特に寒冷地ではその重要度も高くなる。
【0004】
これに対して、断熱性を向上させたサッシが特許文献1に開示されている。この開口部装置では、枠、及び障子の框のそれぞれを室内側の部材、室外側の部材に分け、これを樹脂材により連結して形成している。これによれば、室内外の熱の移動が樹脂材により遮断され、開口部装置の断熱性を向上させることができる。
【0005】
また、特許文献2には、グレージングチャンネルの内側底面に突起部を設けて、これを複層ガラスパネルのパネル間に充填されたシール材に埋め込むようにして取り付ける構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3248053号公報
【特許文献2】特開平10‐299351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の手段等により、開口部装置の断熱性は向上する。しかしながら一方で、部材の構成が複雑になり、枠及び框の見込み、見付方向の寸法が大きくなってしまう傾向があった。また、さらなる断熱性の向上を必要とする環境に開口部装置の提供をしたい場面もある。
【0008】
框の構造をできるだけ複雑にしないように開口部装置の断熱性を向上させる手法として、例えば框自体の見付方向を小さく形成し、金属部分を少なくすることを考える。これにより框に関する熱貫流率を小さくすることができ、断熱性を向上させることが可能である。しかしながらこのようなときには、框が細くなるため、框が変形しやすくなることがあった。框が変形しやすくなると、戸先框を引いたときや障子に風圧がかかったときに框が変形し、複層ガラスパネルとグレージングチャンネルとの間に間隙が生じて水密気密がとれなくなる問題が生じてきた。また、框を細くしないときであっても、風圧等によっては同様の問題が生じることもあった。
【0009】
これに対して、複層ガラスパネルとグレージングチャンネルとを強固に固定させることが必要であった。これについて例えば、特許文献2に記載のグレージングチャンネルを適用すると、複層ガラスパネルとグレージングチャンネルとを強固に固定することが可能となる。しかしながらそれ以前とは異なる態様の板ガラスとグレージングチャンネルとの関係により、従来において採用していた水抜きを従来と同様の態様とすることができなくなる。例えば特許文献1には、水抜きのための孔を断面略コ字状本体部の中央底部に設けることが記載されているが、当該部分は突起が配置され、シール材に固着される部位であるから、ここに孔を設けることによる水抜きの効率は低くならざるを得なかった。
【0010】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、グレージングチャンネルを強固に連結するとともに、これにより生じる水抜きの問題も解決することが可能となる複層ガラスパネル、これを備える障子、及び開口部装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、本発明について説明する。ここでは、わかり易さのために図面に付した符号を合わせて記載するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0012】
請求項1に記載の発明は、所定の間隔を有して対向する2枚以上の板ガラス(11、12)と、間隔のうち板ガラスの外周端部に充填されるシール材(14)と、板ガラスの外周端部及びシール材を覆うように設けられるグレージングチャンネル(15)と、を備え、グレージングチャンネルは、板ガラスの外周端部及びシール材のうち、端面を覆う底片(16)と、底片の両端から立設して板ガラスの面の端部を覆う立設片(17、18)とを有し、底片又は立設片の少なくとも一部が、板ガラス又はシール材に結合されるとともに、底板又は立設片には、板ガラス又はシール材に結合されていない部位に、その厚さ方向に貫通する孔(17d、18d)が設けられている、複層ガラスパネル(10)である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の複層ガラスパネル(10)において、グレージングチャンネル(15)は底片(16)に突出部(19)を有し、該突出部がシール材(14)と結合していることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の複層ガラスパネル(50)において、グレージングチャンネル(55)の底片(56)とシール材(14)との間には外周テープ(60)が配置され、底板の突出部(59)は外周テープを貫通してシール材と結合していることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複層ガラスパネル(10)と、該複層ガラスパネルの外周端部を覆うように配置される框(141)と、を有する障子(140)である。
【0016】
請求項5に記載の発明は、矩形枠状に形成された枠体(110)と、該枠体の区画された枠内に配置される請求項4に記載の障子(140)と、を備える開口部装置(100)である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、グレージングチャンネルを強固に連結し、これを障子や開口部装置に装着したときに、気密性や水密性の向上を図ることができる。さらには、このような構成においても適切な水抜き性能を確保することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第一実施形態にかかる複層ガラスパネルの正面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図2のうちその一端側に注目した図である。
【図5】変形例のうちグレージングチャンネルの形態を示した図である。
【図6】グレージングチャンネルの機械的な結合を説明する図である。
【図7】第二実施形態にかかる複層ガラスパネルのうち、図4に相当する図である。
【図8】第二実施形態に係る複層ガラスパネルの変形例を説明する図である。
【図9】図1の複層ガラスパネルを備える開口部装置の正面図である。
【図10】図9のVIII-VIII断面図である。
【図11】図9のIX-IX断面図である。
【図12】図10のうち縦枠115側に注目した図である。
【図13】図10のうち障子140の戸先框141側に注目した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
【0020】
図1は、第一実施形態に係る複層ガラスパネル10の正面図である。図2は、図1にII−IIで示した線に沿った断面図、図3は、図1にIII−IIIで示した線に沿った断面図である。また、図4には、図2のうち左側端部のみを拡大した図(図4(a))及びこれを分解して示した図(図4(b))を示した。
【0021】
複層ガラスパネル10は、板ガラス11、12、スペーサー13、シール材14、及びグレージングチャンネル15を備えている。
【0022】
板ガラス11、12は、いずれも矩形板状のガラスパネルであり、その板面が対向するように所定の間隔を有して並列されている。板ガラス11と板ガラス12との間隙により形成される空間のうち、その外周端部よりやや内側に、板ガラス11、12の辺に沿ってスペーサ13が配置されている。従って、スペーサ13は、板ガラス11、12間に矩形枠状に形成されている。
【0023】
ここで、スペーサ13は板ガラス11と板ガラス12との間隙を所定の大きさに維持することを主要な機能とするが、スペーサ13に乾燥剤を含ませることもできる。これによれば、スペーサ13と板ガラス11、12とに囲まれる空間内側を適切な湿度に保つことが可能となる。
【0024】
板ガラス11と板ガラス12との間隙のうち、スペーサ13よりも外側で、当該間隙の外周端部にはシール材14が充填されている。シール材14は、板ガラス11と板ガラス12とを接着しつつ、水密性(密封性)を保持することを主要な機能とする。また、後述するようにシール材14内にグレージングチャンネル15の突出部19が挿入されるので、シール材14は少なくとも充填時には流動性を有する材料であることを要する。かかる観点から、シリコン系、ポリサルフィド系の接着材であることが好ましい。
【0025】
本実施形態では、複層ガラスパネル10として2枚の板ガラス11、12を有する例を示したが、これに限定されることはなく、3枚以上のガラス板を備えるものであってもよい。
【0026】
グレージングチャンネル15は、並列された板ガラス11、12、及び板ガラス11、12による間隙の端部を覆うとともに、板ガラス11、12の周囲を囲むように設けられる(図1参照)長尺の部材で、長手方向に直交する断面が図2〜4に表れている。ここで、「板ガラス11、12及び板ガラス11、12による間隙の端部」とは、板ガラス11、12の端面を含み、さらに板ガラス11、12の外側面(板ガラス11、12が対向しない面)の外周端部を含む概念である。
【0027】
図2〜図4からわかるように、グレージングチャンネル15は断面略コ字状であり、底片16と、この底片16の両端から同じ方向に立設される2つの立設片17、18と、を備えている。従って、立設片17、18間に間隙ができ、底片16が配置されない側には断面コ字状の内側に通じる開口部が形成される。
【0028】
また、立設片17、18の開口部側端部には、開口部を狭めるように対向して設けられるシール片17a、18aが配置されている。また、立設片17、18の面のうち互いに対向する面には、ひれ状部17b、17c、18b、18cが形成されている。
これに加えて、立設片17、18には、その厚さ方向に貫通する孔17d、18dを具備している。孔17d、18dは、立設片17、18の長手方向に断続的に複数設けられている。
【0029】
本実施形態では、板ガラスの4周各辺に配置されるグレージングチャンネルの全てに孔を断続的に設ける態様を説明した。しかし、これに限定されることはなく、板ガラスの下辺に配置されるグレージングチャンネルに孔を多く設け、他の3つの辺に配置されるグレージングチャンネルには、そのいずれかに少なくとも1つの孔が設けられる態様であっても良い。これによれば、孔の数を減らすことができる。このときには、下辺に配置されたグレージングチャンネルに設けられた孔が水抜き孔、他の3つの辺に配置されたグレージングチャンネルのいずれかに設けられた孔が外気導入孔となる。
【0030】
さらに、底片16の面のうち、その幅方向(図2の紙面上下方向)略中央には、立設片17、18と同じ側に立設する突出部19が具備されている。突出部19の先端には膨らむように抜け止め部19aが設けられている。
【0031】
突出部19はグレージングチャンネル15の長手方向全長に亘って形成されていてもよいが、必ずしもこれに限定される必要はなく、一部でもよいし、断続的に複数形成されていてもよい。
例えば、板ガラスの4辺各辺に配置されて矩形枠状に形成されるグレージングチャンネルのうち、板ガラスの縦辺に配置されるグレージングチャンネルにのみ突出部を設けてもよい。また、逆に板ガラスの横辺に配置されるグレージングチャンネルにのみ突出部を設けてもよい。
【0032】
グレージングチャンネル15の材質は、例えば塩化ビニル系、シリコン系の材料を挙げることができる。また、これらについて硬質と軟質の材料を組み合わせたり、又は軟質のみにより構成することも可能である。
【0033】
図2〜図4からわかるように、板ガラス11、12、該板ガラス11、12の間隙の端部、及びシール材14が、グレージングチャンネル15のコ字状の内側に挿入され、囲まれるように配置される。このとき、グレージングチャンネル15の突出部19がシール材14の内側に包含されるように具備される。これによりグレージングチャンネル15が、シール材14を介して板ガラス11、12に固定される。また、突出部19の先端に具備された抜け止め部19aによってその固定がより確実で強固なものとなる。このとき、底片16の少なくとも一部もシール材14に接着されてもよい。これにより、さらに強く固定されることになる。
【0034】
立設片17、18に備えられたシール部17a、18a、及びひれ状部17b、17c、18b、18cは、板ガラス11、12の面に接触して水密気密の向上を図る。また、立設片17、18に設けられた孔17d、18dにより、板ガラス11、12と立設片17、18との間に侵入した水を排出することができる。具体的には、建物に取り付けられたときに、上部に配置されるグレージングチャンネルの孔は外気導入孔として機能し、下部に配置されるグレージングチャンネルの孔は排水孔として機能する。
【0035】
かかる複層ガラスパネル10によれば、これを框に嵌合したときに、従来よりも水密気密に優れたものとすることができる。すなわち、従来は、障子の開閉時や室内外の圧力差により框が変形し、グレージングチャンネルと板ガラスとの水密気密に問題が生じることがあった。しかしながら、複層ガラスパネル10によれば、グレージングチャンネル15がシール材14を介して板ガラス17、18に強固に固定されているので、この固定が障子全体に対する強度を向上させ、上記変形及びこれによる水密気密の問題を解消することができる。
【0036】
複層ガラスパネル10は例えば次のように製造することができる。すなわち、2枚の板ガラス11、12間にスペーサ13を挟持するように配置し、板ガラス11、12、スペーサ13で囲まれた空間にシール材14となる材料を充填する。次に、充填したシール材14が流動性を有しているうちにグレージングチャンネル15を、板ガラス11、12の端部に取り付ける。このとき、グレージングチャンネル15の突出部19をシール材14内に挿入する。その後、シール材14が固まることにより、グレージングチャンネル15が板ガラス11、12の端部に固定される。
【0037】
次に、複層ガラスパネル10の変形例のうち、グレージングチャンネル15とは異なる形態のグレージングチャンネルについて説明する。図5に2つのグレージングチャンネル25、35を示した。他の部位については上記した複層ガラスパネル10と共通するので、説明を省略する。
図5(a)は、1つの変形例の複層ガラスパネルに用いられるグレージングチャンネル25の断面図を示す図である。グレージングチャンネル25では、突出部が第一突出部29a、第二突出部29bの2本を有している点がグレージングチャンネル15と異なる。これによりさらにシール材とグレージングチェンネルとの固定が強固なものとなる。
【0038】
図5(b)は、他の変形例の複層ガラスパネルに用いられるグレージングチャンネル35の断面図を示す図である。グレージングチャンネル35では、突出部39が別体に設けられていることが特徴である。グレージングチャンネル35の底片36には、スリット36aが設けられ、ここを貫通するように突出部39をコ字状の内側に突出させることができる。これによれば、強度が必要な部分に、必要な分を過不足なく取り付けることができる。
【0039】
以上で説明した実施形態では、シール材の内部に突出部を挿入することによりグレージングチャンネルと板ガラスとを一体とした。しかしながら、板ガラスとグレージングチャンネルとを一体にするには上記のような態様に限定されるものではない。
例えば、突出部によらずグレージングチャンネルのうち底片の少なくとも一部がシール材に接着されて一体化されてもよい。
また、グレージングチャンネルと板ガラスとが直接接着する態様、又は機械的結合により一体となることにより板ガラスとグレージングチャンネルとが一体となってもよい。接着の場合には、グレージングチャンネルと板ガラスとの間に接着剤や粘着テープが具備される。機械的結合の場合は、例えば板ガラスに突起を形成し、グレージングチャンネルのひれ状部を突起に係合することを挙げることができる。図6に具体的に示した。
【0040】
図6は、このような機械的結合の例を具体的に説明する図で、図4に相当する図である。この例では、グレージングチャンネル45は、突出部を有しておらず、ガラス板11、12の外表面(ガラス板の面のうち互いに対向しない面)に係合突起46、46を設けたことが特徴である。図6(a)からわかるように、グレージングチャンネル45のひれ状部17c、18cを係合突起46、46に引っ掛けることができる。これによれば、グレージングチャンネル45を機械的に板ガラス11、12に結合することが可能となる。
このような係合突起はガラス板の面上に形成される突起であればよく、例えば突起物を両面テープ、接着剤等によりガラス板の面に接着したものであってもよい。また、係合突起はガラス板の面に沿って連続して設ける必要はなく、断続的に具備されていてもよい。
なお、このような連結の場合には、図6に示したように孔17d、18dを立設片17、18に設ける他、底辺16とシール部材14との間に間隙を設けることもできるので、孔を底板16に設けることも可能である。
グレージングチャンネルの板ガラスへの取り付け強度、寸法のばらつきに対する許容範囲、及び生産性(グレージングチャンネルを固定させる際のグレージングチャンネルの変形の程度。)の観点からは上記したグレージングチャンネル15の形態の方が好ましいが、ここで説明した機械的な結合によっても、グレージングチャンネル45と板ガラス11、12との結合は可能である。
【0041】
図7は、第二実施形態にかかる複層ガラスパネル50のうち、図4に相当する図である。複層ガラスパネル50は、板ガラス11、12、スペーサー13、シール材14、グレージングチャンネル55、及び外周テープ60を備えている。板ガラス11、12、スペーサ−13、及びシール材14については、上記した複層ガラスパネル10と共通するのでここでは説明を省略する。
【0042】
グレージングチャンネル55は、並列された板ガラス11、12、及び板ガラス11、12による間隙の端部を覆うとともに、図1のように板ガラス11、12の周囲を囲むように設けられる長尺の部材で、長手方向に直交する断面が図7に表れている。
【0043】
図7からわかるように、グレージングチャンネル55は断面略コ字状であり、底片56と、この底片56の両端から同じ方向に立設される2つの立設片57、58と、を備えている。従って、立設片57、58間に間隙ができ、底片56が配置されない側には断面コ字状の内側に通じる開口部が形成される。
【0044】
また、立設片57、58の開口部側端部には、開口部を狭めるように対向して設けられるシール片57a、58aが配置されている。また、立設片57、58の面のうち互いに対向する面には、ひれ状部57b、57c、58b、58cが形成されている。
これに加えて、立設片57、58には、その厚さ方向に貫通する孔57d、58dを具備している。孔57d、58dは、立設片57、58の長手方向に断続的に複数設けられている。
【0045】
本実施形態では、板ガラスの4周各辺に配置されるグレージングチャンネルの全てに孔を断続的に設ける態様を説明した。しかし、これに限定されることはなく、板ガラスの下辺に配置されるグレージングチャンネルに孔を多く設け、他の3つの辺に配置されるグレージングチャンネルには、そのいずれかに少なくとも1つの孔が設けられる態様であっても良い。これによれば、孔の数を減らすことができる。このときには、下辺に配置されたグレージングチャンネルに設けられた孔が水抜き孔、他の3つの辺に配置されたグレージングチャンネルのいずれかに設けられた孔が外気導入孔となる。
【0046】
さらに、底片56の面のうち、その幅方向(図7の紙面上下方向)略中央には、立設片57、58と同じ側に立設する突出部59が具備されている。突出部59にはその先端には膨らむように抜け止め部59aが設けられている。
【0047】
突出部59はグレージングチャンネル55の長手方向全長に亘って形成されていてもよいが、必ずしもこれに限定される必要はなく、一部でもよいし、断続的に複数形成されていてもよい。
例えば、板ガラスの4辺各辺に配置されて矩形枠状に形成されるグレージングチャンネルのうち、板ガラスの縦辺に配置されるグレージングチャンネルにのみ突出部を設けてもよい。また、逆に板ガラスの横辺に配置されるグレージングチャンネルにのみ突出部を設けてもよい。
【0048】
グレージングチャンネル55の材質は、例えば塩化ビニル系、シリコン系の材料を挙げることができる。また、これらについて硬質と軟質の材料を組み合わせたり、又は軟質のみにより構成することも可能である。
【0049】
外周テープ60は、シール材14の上から、板ガラス11、12の端面及びシール材14の端面を覆うように、板ガラス11、12外周の周方向に沿ってに巻かれた帯状のテープ材である。これにより、後述するように、流動性のあるシール材14にグレージングチャンネル55を取り付けるに際に、シール材14によるグレージングチャンネル55の汚損を防止することができる。
【0050】
外周テープ60には後述するようにグレージングチャンネル55の突出部59が貫通するスリット60aを具備している。
【0051】
外周テープ60の材質は、ポリエステル、ポリプロピレン、塩化ビニル、セロハンテープ又はアルミニウムを基材として片面に粘着剤が具備される粘着テープであることが好ましい。
【0052】
外周テープ60は、本実施形態のように必ずしも複層ガラスパネル50の端面全周にわたって配置されている必要はなく、周方向に存する4つの角部のうち少なくとも2つの角部を含むように配置されていればよい。これは、シール材によるグレージングチャンネルの汚損が最も生じ易いのが角部であることによる。本実施形態では、より確実に汚損を防止する観点から全周にわたって外周テープを配置することとした。
【0053】
このような各構成は次のように組み合わせられて複層ガラスパネル50とされている。板ガラス11、12、及びシール材14の端面は、図7からわかるように、外周テープ60により覆われている。また、板ガラス11、12、及びシール材14の端部は、外周テープ60を含めてグレージングチャンネル55のコ字状の内側に挿入され、囲まれるように配置される。このとき、グレージングチャンネル55の突出部59は外周テープ60のスリット60aを貫通してシール材14の内側に包含されるように具備される。これによりグレージングチャンネル55がシール材14を介して板ガラス11、12に固定される。また、突出部59の先端に具備された抜け止め部59aにより、その固定がさらに確実で強固なものとなる。
【0054】
一方、立設片57、58に備えられたシール部57a、58a、及びひれ状部57b、57c、58b、58cは板ガラス11、12の面に接触して水密気密を向上させる。また、立設片57、58に設けられた孔57d、58dにより、板ガラス11、12と立設片57、58との間に侵入した水を排出することができる。具体的には、建物に取り付けられたときに、上部に配置されるグレージングチャンネルの孔は外気導入孔として機能し、下部に配置されるグレージングチャンネルの孔は排水孔として機能する。
【0055】
外周テープ60のスリット60aは、最終的にいずれかの手段により形成される。そのための手段は特に限定されるものではない。これには例えば、外周テープ60を巻く前に予めカッター等によりスリット状の切り込みを入れておくことや、ミシン目状の切れ目を設けておくこと等の貫通手段を施しておくことを挙げることができる。
または、外周テープ60を板ガラス11、12の端部に巻いた後に、外周テープ60にカッター等によりスリット状の切り込みを入れたり、ミシン目状の切れ目を設ける等の貫通手段を施してもよい。
その他、外周テープにグレージングチャンネルの突出部を押し当てることにより、外周テープが破れる等して裂けて貫通するような材質のものを外周テープに適用してもよい。
【0056】
このような複層ガラスパネル50によっても複層ガラスパネル10と同様の効果を奏するものとすることができる。また、複層ガラスパネル50でも、上記したと同様に板ガラス11、12とグレージングチャンネル55とを直接接着したり、機械的な結合をすることが可能である。
【0057】
次に、複層ガラスパネル50の変形例のうち、グレージングチャンネル55とは異なる形態のグレージングチャンネルについて説明する。図8に2つのグレージングチャンネル65、75を示した。他の部位については上記した複層ガラスパネル50と共通するので、説明を省略する。
図8(a)は、複層ガラスパネル50の1つの変形例の複層ガラスパネルの1つの端部断面を示す図である。グレージングチャンネル65では、立設片57、58には孔が設けられておらず、底片56のうち、突出部59の両側部となる部位に孔56a、56bが設けられている。外周テープを用いる複層ガラスパネルでは、底片とシール材とが接着されないので、ここに水を流通させることが可能であり、底片に孔を設けてここから排水することができる。
【0058】
図8(b)は、複層ガラスパネル50の他の変形例の複層ガラスパネルの1つの端部断面を示す図である。グレージングチャンネル75も、立設片57、58には孔が設けられておらず、突出部59が切り欠かれた部位の底片56に孔75aが設けられている。これによってもグレージングチャンネル65と同様に孔75aから排水することができる。
【0059】
以上各実施形態、及び変形例からわかるように、本発明の複層ガラスパネルでは、グレージングチャンネルの少なくとも一部が板ガラス又はシール材と結合されている。そして、該結合された部分以外のいずれかの部位にグレージングチャンネルの厚さ方向に貫通する孔が設けられる。これにより、グレージングチャンネルを強固に連結し、これを障子や開口部装置に装着したときに、気密性や水密性の向上を図ることができる。さらには、このような構成においても適切な水抜き性能を確保することが可能である。
【0060】
ここで、複層ガラスパネルにおいては、水を抜くという観点からは、複層ガラスパネルが建物に設置されたときに該複層ガラスパネルの下辺の部位に配置されるグレージングチャンネルに注意を払う必要がある。
下辺に配置されるグレージングチャンネルにおいて、上記したようなグレージングチャンネルと板ガラスとを結合する形態としたときでも、本発明によれば水抜きを適切におこなうことができる。
一方、下辺以外の3つの辺に配置されるグレージングチャンネルの少なくとも1つに上記説明した結合の形態を適用し、下辺に配置されるグレージングチャンネルついては従来のグレージングチャンネルを適用することも可能である。これによれば、板ガラスとグレージングチャンネルとの連結は他の辺において確保され、水抜きについては従来の孔の形態を用いることが可能となる。
【0061】
次に、複層ガラスパネル10を備える障子、及び開口部装置について説明する。図9は、複層ガラスパネル10を備える開口部装置100が建物の開口部に取り付けられた姿勢における該開口部装置100の室内視正面図である。図9(a)は障子140、150が閉鎖された姿勢、図9(b)は障子140、150が少し開かれた姿勢をそれぞれ示している。
図10は、図9(a)にVIII−VIIIで示した線(水平方向)に沿った断面図、図11は図9(b)にIX−IXで示した線(垂直方向)に沿った断面図である。図10では、紙面上が室外側、紙面下が室内側を示している。また、図11では紙面左が室外側、紙面右が室内側を表している。
本実施形態において開口部装置100は、いわゆる引戸式のサッシ窓である。
【0062】
開口部装置100は、建物開口部の4辺の縁に沿って配置される枠体110、及び該枠体110の内側に具備されて引戸式に開閉する室外側障子である外障子140、室内側障子である内障子150を備えている。また、施錠装置101が設けられ、外障子140及び内障子150の施錠開錠を可能としている。図9〜図11及び適宜示す図を参照しつつ開口部装置100について説明する。
【0063】
枠体110は、左右に所定の間隔を有して立設される縦枠115、120、及び、縦枠115、120の端部間を渡して、上下のそれぞれに水平に配置される長尺部材である上横枠125、下横枠130を備え、これらが枠状に組み合わされている。
【0064】
縦枠115は、枠体110の2つの縦枠のうち一方を構成する枠材で、開口部装置100が閉鎖されている姿勢で、外障子140の戸先框141が配置される側の縦枠である。図12(a)には、図10のうち縦枠115の部位に注目した図を示し、図12(b)には、縦枠115の分解断面図を表した。
【0065】
縦枠115は、縦枠本体116とカバー部としてのカバー部材117、118とを備え、固定手段119によりカバー部材118が縦枠本体116に固定されている。
縦枠本体116は、図10、図12に表わされる断面において、見込み方向に延在する片116aを有している。片116aの室内側端部、及び室外側端部のそれぞれには、見付方向に延びる片116b、116eが設けられている。また、片116aの見付方向内側面には、片116c、片116dが立設されている(図12参照)。ここで、片116cの先端は、見込み方向外側に向けて折り曲げられるように形成されている。また、片116dは外障子140の閉鎖の姿勢でその戸先框141の内側に差し込まれる位置に設けられている。
さらに、片116aの見付方向外側面には片116fが立設されている。当該片116fが建物躯体に固定されることにより、縦枠115が建物に取り付けられる。
【0066】
縦枠本体116の材質は特に限定されることはないが、強度及び生産性の観点から金属が好ましく、通常のサッシに用いられるアルミニウムであることが最も好ましい。
また、本実施形態では縦枠本体116は、一体に形成されているが、これに限定されることはなく、いくつかの金属部材が組み合わされて一体とされていてもよい。また、縦枠本体を室外側部材と室内側部材とに分け、これを断熱性の部材で連結する、いわゆるブリッジ構造としてもよい。これによりさらに断熱性を向上させることができる。
【0067】
カバー部材117は、縦枠本体116の長手方向に沿って配置される長尺の部材である。カバー部材117は図10、図12に表わされる断面において略矩形中空である矩形部117aを有している(図12参照)。矩形部117aのうちの1つの角部である見込み方向室外側では、見付方向外側の角部が切り欠かれており、ここにコ字状部117bが形成されている。コ字状部117bは、見付方向外側に開口している。そして、この開口部分には、開口部を狭めるように若干位置をずらされて対向する突起117c、117dが設けられている。
【0068】
また、矩形部117aの角部のうち上記コ字状部117bに対して対角の位置の角からは、見込み方向室内側に向けて片117eが延在する。片117eの先端からは、見付方向外側に向けて延びる片117fが具備されている。
【0069】
カバー部材118も、縦枠本体116の長手方向(図10、図12の紙面奥/手前方向)に沿って配置される長尺の部材である。カバー部材118は、図10、図12に表わされる断面において、見付方向に延びる片118a、及びその両端のそれぞれから見込み方向に延在する片118b、118cによりクランク状が形成されている。
【0070】
ここで、本実施形態では、カバー部材117とカバー部材118とは片117fと片118aとにより係合されている。カバー部材は、必ずしも2つの部材を係合させることにより一体とする必要はなく、1つの部材により形成されていてもよい。本実施形態では、カバー部材118をもう一方の縦枠である縦枠120にもそのままの形状で用いることができるため、部品種類の抑制の観点からこのような構成とした。
【0071】
カバー部材117、118の材質は、熱伝導率の低い材料により形成されていることが好ましい。これにより断熱性を高めることができる。熱伝導率が低いほど断熱性を高めることができるが、熱伝導率が10W/m・K以下であることが好ましい。そのため、具体的には樹脂材料を用いてカバー部材を形成することが好ましい。熱伝導率が低いことに加えて、成型性にも優れるからである。これには例えばPVCを用いることができ、その熱伝導率は0.17W/m・K程度である。
【0072】
このような縦枠本体116、カバー部材117、118は次のように組み合わせられる。
縦枠本体116の見込み方向室内側において、片116aにカバー部材118の片118bが重ねられるとともに、片116bにカバー部材18の片118aが重ねられるように配置する。そして固定部材119により片118bと片116aとが固定される。本実施形態では、片116bの先端が片118aに係合することによりさらに確実に固定される。
カバー部材117は、そのコ字状部117bの内側に縦枠本体116の片116cを差し込むように配置する。上記したように片116cはL字状に形成されており、一方、コ字状部117bの開口部にはその開口を狭めるように突起117c、117dが設けられている。これにより、カバー部材117が縦枠本体116から抜け難いとともに、ここを中心にカバー部材117を回動させることもできる。そして当該回動をさせて、カバー部材117の片117fとカバー部材118の片118aとを係合させる。
これにより、カバー部材117、118は、縦枠本体116の見付方向内側面のうち見込方向室内側の一部を覆うことができる。
【0073】
カバー部材117、118の図12(b)にEで示した大きさは、後で説明する他の部材との関係により決めることができる。従って、これらについては、他の部材を説明した後にまとめて詳しく説明する。
【0074】
ここでは一つの好ましい実施形態として、上記態様を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、縦枠、及びカバー部を金属、又は樹脂で一体に形成してもよいし、室外側の半分を金属の枠とし、室内側の半分を樹脂で枠とカバー部とを一体に形成し、これらを室内外方向に並列させて連結してもよい。
【0075】
引き続き、枠体110について説明する。縦枠120は枠体110の2つの縦枠のうち一方を構成する枠材で、開口部装置100が閉鎖されている姿勢で、内障子150の戸先框151が配置される側の縦枠である。図10を参照しつつ説明する。
【0076】
縦枠120は、縦枠本体121とカバー部としてのカバー部材122とを備え、固定手段123によりカバー部材122が縦枠本体121に固定されている。
縦枠本体121は、図10に表わされる断面において、見込み方向に延在する片121aを有している。片121aの室内側端部、及び室外側端部のそれぞれには、見付方向に延びる片121b、121eが設けられている。また、片121aの見付け方向内側面には、片121dが立設されている。ここで、片121dは、室内側障子150の閉鎖の姿勢でその戸先框151の内側に差し込まれる位置に設けられている。
さらに、片121aの見付方向外側面には片121fが立設されている。当該片121fが建物躯体に固定されることにより、縦枠120が建物に取り付けられる。
【0077】
縦枠本体121の材質は特に限定されることはないが、強度及び生産性の観点から金属が好ましく、通常のサッシに用いられるアルミニウムであることが最も好ましい。
また、本実施形態では縦枠本体121は、一体に形成されているが、これに限定されることはなく、いくつかの金属部材が組み合わされて一体とされていてもよい。また、縦枠本体を室外側部材と室内側部材とに分け、これを断熱性の部材で連結する、いわゆるブリッジ構造としてもよい。これによりさらに断熱性を向上させることができる。
【0078】
カバー部材122はカバー部材118と同様の形状を有している。すなわち、カバー部材122は、縦枠本体121の長手方向に沿って配置される長尺の部材である。そして、カバー部材122は、図10に表わされる断面において、見付方向に延びる片122a、及びその両端のそれぞれから見込み方向に延在する片122b、122cによりクランク状が形成されている。
【0079】
カバー部材122の材質は、熱伝導率の低い材料により形成されていることが好ましい。これにより断熱性を高めることができる。熱伝導率が低いほど断熱性を高めることができるが、熱伝導率が10W/m・K以下であることが好ましい。そのためには具体的には樹脂材料を用いてカバー部材を形成することが好ましい。熱伝導率が低いことに加えて、成型性にも優れるからである。これには例えばPVCを用いることができ、その熱伝導率は0.17W/m・K程度である。
【0080】
このような縦枠本体121、カバー部材122は次のように組み合わせられる。
縦枠本体121の見込み方向室内側において、片121aにカバー部材122の片122bが重ねられるように配置される。そして固定部材123により片122bと片121aとが固定される。本実施形態では、片121bの先端が片122aに係合することによりさらに確実に固定される。
これにより、カバー部材122は、縦枠本体121の見付方向内側面のうち見込方向室内側の一部を覆うことができる。
【0081】
ここでは一つの好ましい実施形態として、上記態様を説明したが、カバー部が形成されるものであればこれに限定されるものではない。例えば、縦枠、及びカバー部を金属、又は樹脂で一体に形成してもよいし、室外側の半分を金属の枠とし、室内側の半分を樹脂で枠とカバー部とを一体に形成し、これらを室内外に並列させて連結してもよい。
【0082】
図11を参照しつつ、上横枠125について説明する。上横枠125は、枠体110のうち、上側横枠を構成する枠材であり、上横枠本体126と被覆材127とを備えている。
上横枠本体126は、図11に表われる断面において、見込み方向に延在する片126aを有している。片126aの見付方向内側面には、片126b、126c、126d、126eが立設されている。片126bは網戸105の上レールとなる片、片126cは外障子140の上レールとなる片、及び片126dは内障子150の上レールとなる片である。また、片126aの見付方向外側面には、片126fが立設されている。当該片126fを建物躯体に取り付けることにより上横枠125が建物躯体に固定される。
【0083】
上横枠本体126の材質は特に限定されることはないが、強度及び生産性の観点から金属が好ましく、通常のサッシに用いられるアルミニウムであることが最も好ましい。
また、本実施形態では上横枠本体126は、一体に形成されているが、これに限定されることはなく、いくつかの金属部材が組み合わされて一体とされていてもよい。
【0084】
被覆材127は、上横枠本体126の片126d、片126a、及び片126eで囲まれるコ字状の内側に沿って配置される略コ字状の部材である。当該被覆材の材質は、熱伝導率の低い材料により形成されていることが好ましい。これにより断熱性を高めることができる。熱伝導率が低いほど断熱性を高めることができるが、熱伝導率が10W/m・K以下であることがよい。そのためには具体的には樹脂材料を用いて形成することが好ましい。熱伝導率が低いことに加えて、成型性にも優れるからである。これには例えばPVCを用いることができ、その熱伝導率は0.17W/m・K程度である。
【0085】
下横枠130は、枠体110の下側横枠を構成する枠材である。下横枠130は、下横枠本体131、被覆材132、及び排水弁133を備えている。
下横枠本体131は、図11に表わされる断面において、矩形中空に形成された中空部131aが設けられ、該矩形部131aの見込み方向室内側からは、室内側に延びる片131bが配置されている。
矩形部131a、及び片131bの見付方向内側面には、片131c、131d、131e、131fが立設されている。片131cは網戸105の下レールとなる片であり、該網戸105の戸車が載置される。片131dは外障子140の下レールとなる片、及び片131eは内障子150の上レールとなる片であり、それぞれの障子の戸車が載置される。また、中空部131aの見付方向外側面には、片131gが立設されている。当該片131gを建物躯体に取り付けることにより下横枠130が建物躯体に固定される。
【0086】
下横枠本体131の材質は特に限定されることはないが、強度及び生産性の観点から金属が好ましく、通常のサッシに用いられるアルミニウムであることが最も好ましい。
また、本実施形態では下横枠本体131は、一体に形成されているが、これに限定されることはなく、いくつかの金属部材が組み合わされて一体とされていてもよい。
【0087】
被覆材132は、下横枠本体131の片131b、及び片131fの内側に沿って配置される部材である。当該被覆材132の材質は、熱伝導率の低い材料により形成されていることが好ましい。これにより断熱性を高めることができる。熱伝導率が低いほど断熱性を高めることができるが、熱伝導率が10W/m・K以下であることがよい。そのためには具体的には樹脂材料を用いて形成することが好ましい。熱伝導率が低いことに加えて、成型性にも優れるからである。これには例えばPVCを用いることができ、その熱伝導率は0.17W/m・K程度である。
【0088】
排水弁133は、中空部131aを形成する片のうち、室外側に面する片に設けられた排水口に具備される。このとき、中空部131aを形成する片のうち見付方向内側を形成する片の所定の位置には不図示の貫通孔が設けられている。これにより、片131cと片131dとの間、又は片131dと片131eとの間に侵入した水を中空部131a内に導入して、排水弁133から排出することが可能となる。
【0089】
外障子140は、図9〜図11からわかるように、戸先框141、外召し合わせ框142、横框143、144、及び複層ガラスパネル10を備えている。
戸先框141は戸先側に配置される縦框材である。図13には、図10のうち障子140の戸先部分に注目した図を示した。
【0090】
戸先框141は、図10、図13に表われる断面において、見込み方向に延在する見込み片としての片141aを有している。そして該片141aの見込み方向両端部のそれぞれには見付方向に延在する室外側片としての片141b、及び室内側片である片141cが設けられている。片141b、141cの見付方向両端部では、該片141b、141cで挟まれる部分が開口部を形成している。ここで、片141bの見付方向外側端部には片141c側にシール部材141dが配置され、縦枠115の片116dに接触して水密気密がとれるように構成されている(図12(a)参照)。
【0091】
外召し合わせ框142は、外召し合わせ部に用いられる縦框材である。外召し合わせ框142は、図10に表われる断面において、矩形中空状である中空部142aを有している。該中空部142aの見付方向内側面のうち、その見込み方向両端部のそれぞれからは見付方向内側に片142b、142cが延在する。
また、中空部142aの室内側からは、内召し合わせ框152に係合する係合片142hも設けられている。
【0092】
横框143は上横框に相当する框材である。横框143は、図11に表われる断面において、見込み方向に延在する片143aを有している。さらに該片143aの見込み方向両端部のそれぞれには見付方向に延在する片143b、143cが設けられている。片143b、143cの見付方向両端部では、該片143b、143cで挟まれる部分が開口部を形成している。ここで、片143bの見付方向外側端部には片143c側に向けてシール部材が配置され、上横枠125の片126cに接触して水密気密がとれるように構成されている。
【0093】
横框144は下横框に相当する框材である。横框144は、図11に表われる断面において、見込み方向に延在する片144aを有している。さらに該片144aの見込み方向両端部のそれぞれには見付方向に延在する片144b、144cが設けられている。片144b、144cの見付方向両端部では、該片144b、144cで挟まれる部分が開口部を形成している。ここで、片144bの見付方向外側端部には片144c側に向けてシール部材が配置され、下横枠130の片131dに接触して水密気密がとれるように構成されている。
【0094】
ここで、片144b、144cの間のうち、片144aより障子見付方向外側には、戸車が配置され、上記した片131dに載置される。
【0095】
複層ガラスパネル10は、上記した複層パネル10である。図12、図13からわかるように、複層ガラスパネル10の外周端部を框(図12、図13では戸先框141)に差し込むようにして、框を複層ガラスパネル10に取り付ける。
【0096】
引き続き開口部装置100について説明を続ける。内障子150は、図9〜図11からわかるように、戸先框151、内召し合わせ框152、横框153、154、及び複層ガラスパネル10を備えている。内障子150については、上記外障子140に対して、外障子と内障子とに起因する形状の相違はあるものの、他の部位については上記した内障子140と共通するのでここでは説明を省略する。
【0097】
以上説明した開口部装置100は、さらに次のような特徴を備えている。図10、図12を参照しつつ説明する。
開口部装置100の閉鎖の姿勢で図10、図12にBで示した位置と、Aで示した位置とを対比する。Bで示した位置は、障子140、150が閉鎖した姿勢において、戸先框141、151の見付方向内側端部が配置される位置である。一方、Aで示した位置は、縦枠115、120において、カバー部材118、122の見付方向内側端部が配置される位置である。
【0098】
開口部装置100では、Bで示した位置が、Aで示した位置よりも見付方向外側に配置される。これにより、開口部装置100の閉鎖の姿勢で戸先框141、142が室内側正面視から隠蔽される。ここでは、Bの位置がAの位置よりも見付方向外側となるようにしたが、これが面一(同じ位置)、または、Bの位置は、若干であればAの位置よりも見付方向内側に配置されていてもよい。具体的には戸先框の見付方向大きさのうち、90%以上が隠蔽されていることが好ましい。
【0099】
開口部装置100では、上記したように、框が細く形成されている。従って、框を通じての熱移動を抑制することができる。複層ガラスパネル10によれば、框を細くすることも可能である。すなわち、従来は、框の開閉時や室内外の圧力差により框が変形し、グレージングチャンネルと板ガラスとの水密気密に問題が生じることから、框を細くすることができなかった。しかしながら、複層ガラスパネル10によれば、グレージングチャンネル15がシール材14を介して板ガラス11、12に強固に固定されているので、この固定が障子全体に対する強度を向上させ、上記変形及びこれによる水密気密の問題を解消することができる。そして、係る形態であっても、グレージングチャンネル15の立設部17、18に設けられた孔17d、18により水抜きも可能である。
【0100】
これに加えて、このように熱移動が抑制された框141、151がカバー部材により室内視から隠蔽されている。これにより框と室内との熱伝達を抑制することができ、断熱性能をさらに向上させることが可能となる。
【0101】
かかる構成により、枠、及び框ともに、従来における断熱サッシのようなブリッジ材方式(枠や框を室内側部材と室外側部材とに分け、これを樹脂等により連結する方式)を用いなくても、断熱性能を向上させることが可能となる。すなわち、簡易な構成により断熱性能を向上させることができる。ただし、ブリッジ方式を適用することを妨げるものではなく、ブリッジ構造を用いてもよい。さらなる断熱性向上を期待できるからである。
このような構成により、ある大きさの開口部に従来の開口部装置を設置したときに、H−3等級(JIS A 4706、JIS A 4702、熱貫流抵抗0.287m2・K/W以上)の断熱性能を得ることができなかった場合であっても、開口部装置100によれば、H−3等級の断熱性能を得ることが可能となる。
【0102】
また、上記した複層ガラスパネル10により框を細く形成することができ、該框が室内視で隠蔽されるので、外観にも優れたものとなる。ここで、カバー材118、122も、細い框を隠蔽する程度に形成されれば良いので、図12(b)にEで示したカバー材117、118の寸法も小さく抑えることができる。
【0103】
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う複層ガラスパネル、障子、及び開口部装置もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【符号の説明】
【0104】
10 複層ガラスパネル
11、12 板ガラス
13 スペーサー
14 シール材
15 グレージングチャンネル
16 底片
17、18 立設片
19 突出部
60 外周テープ
100 開口部装置
140、150 障子
【技術分野】
【0001】
本発明は住宅や公共施設等の建物開口部に用いられる開口部装置に具備される複層ガラスパネル、及び該複層ガラスパネルを備える障子、及び開口部装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物開口部に備えられるいわゆるサッシ窓は、その開閉により室外との連通・遮断が自在であり、人や物の出入り、及び換気等をすることができる。また、開閉する障子はガラスパネル等のような透光性を有するパネルを具備している。これにより、その閉鎖の姿勢においても室内に光を取り入れることができ、室内を明るくし、暖をとる等、室内環境の向上が図られる。
【0003】
しかし一方で、サッシ窓には、ガラスパネル以外の多くの部分に金属が用いられること等から、通常の壁に比べて断熱性が低下する傾向にある。断熱性は、建物に求められる重要な性能の1つであり、特に寒冷地ではその重要度も高くなる。
【0004】
これに対して、断熱性を向上させたサッシが特許文献1に開示されている。この開口部装置では、枠、及び障子の框のそれぞれを室内側の部材、室外側の部材に分け、これを樹脂材により連結して形成している。これによれば、室内外の熱の移動が樹脂材により遮断され、開口部装置の断熱性を向上させることができる。
【0005】
また、特許文献2には、グレージングチャンネルの内側底面に突起部を設けて、これを複層ガラスパネルのパネル間に充填されたシール材に埋め込むようにして取り付ける構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3248053号公報
【特許文献2】特開平10‐299351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の手段等により、開口部装置の断熱性は向上する。しかしながら一方で、部材の構成が複雑になり、枠及び框の見込み、見付方向の寸法が大きくなってしまう傾向があった。また、さらなる断熱性の向上を必要とする環境に開口部装置の提供をしたい場面もある。
【0008】
框の構造をできるだけ複雑にしないように開口部装置の断熱性を向上させる手法として、例えば框自体の見付方向を小さく形成し、金属部分を少なくすることを考える。これにより框に関する熱貫流率を小さくすることができ、断熱性を向上させることが可能である。しかしながらこのようなときには、框が細くなるため、框が変形しやすくなることがあった。框が変形しやすくなると、戸先框を引いたときや障子に風圧がかかったときに框が変形し、複層ガラスパネルとグレージングチャンネルとの間に間隙が生じて水密気密がとれなくなる問題が生じてきた。また、框を細くしないときであっても、風圧等によっては同様の問題が生じることもあった。
【0009】
これに対して、複層ガラスパネルとグレージングチャンネルとを強固に固定させることが必要であった。これについて例えば、特許文献2に記載のグレージングチャンネルを適用すると、複層ガラスパネルとグレージングチャンネルとを強固に固定することが可能となる。しかしながらそれ以前とは異なる態様の板ガラスとグレージングチャンネルとの関係により、従来において採用していた水抜きを従来と同様の態様とすることができなくなる。例えば特許文献1には、水抜きのための孔を断面略コ字状本体部の中央底部に設けることが記載されているが、当該部分は突起が配置され、シール材に固着される部位であるから、ここに孔を設けることによる水抜きの効率は低くならざるを得なかった。
【0010】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、グレージングチャンネルを強固に連結するとともに、これにより生じる水抜きの問題も解決することが可能となる複層ガラスパネル、これを備える障子、及び開口部装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、本発明について説明する。ここでは、わかり易さのために図面に付した符号を合わせて記載するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0012】
請求項1に記載の発明は、所定の間隔を有して対向する2枚以上の板ガラス(11、12)と、間隔のうち板ガラスの外周端部に充填されるシール材(14)と、板ガラスの外周端部及びシール材を覆うように設けられるグレージングチャンネル(15)と、を備え、グレージングチャンネルは、板ガラスの外周端部及びシール材のうち、端面を覆う底片(16)と、底片の両端から立設して板ガラスの面の端部を覆う立設片(17、18)とを有し、底片又は立設片の少なくとも一部が、板ガラス又はシール材に結合されるとともに、底板又は立設片には、板ガラス又はシール材に結合されていない部位に、その厚さ方向に貫通する孔(17d、18d)が設けられている、複層ガラスパネル(10)である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の複層ガラスパネル(10)において、グレージングチャンネル(15)は底片(16)に突出部(19)を有し、該突出部がシール材(14)と結合していることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の複層ガラスパネル(50)において、グレージングチャンネル(55)の底片(56)とシール材(14)との間には外周テープ(60)が配置され、底板の突出部(59)は外周テープを貫通してシール材と結合していることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複層ガラスパネル(10)と、該複層ガラスパネルの外周端部を覆うように配置される框(141)と、を有する障子(140)である。
【0016】
請求項5に記載の発明は、矩形枠状に形成された枠体(110)と、該枠体の区画された枠内に配置される請求項4に記載の障子(140)と、を備える開口部装置(100)である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、グレージングチャンネルを強固に連結し、これを障子や開口部装置に装着したときに、気密性や水密性の向上を図ることができる。さらには、このような構成においても適切な水抜き性能を確保することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第一実施形態にかかる複層ガラスパネルの正面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図2のうちその一端側に注目した図である。
【図5】変形例のうちグレージングチャンネルの形態を示した図である。
【図6】グレージングチャンネルの機械的な結合を説明する図である。
【図7】第二実施形態にかかる複層ガラスパネルのうち、図4に相当する図である。
【図8】第二実施形態に係る複層ガラスパネルの変形例を説明する図である。
【図9】図1の複層ガラスパネルを備える開口部装置の正面図である。
【図10】図9のVIII-VIII断面図である。
【図11】図9のIX-IX断面図である。
【図12】図10のうち縦枠115側に注目した図である。
【図13】図10のうち障子140の戸先框141側に注目した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
【0020】
図1は、第一実施形態に係る複層ガラスパネル10の正面図である。図2は、図1にII−IIで示した線に沿った断面図、図3は、図1にIII−IIIで示した線に沿った断面図である。また、図4には、図2のうち左側端部のみを拡大した図(図4(a))及びこれを分解して示した図(図4(b))を示した。
【0021】
複層ガラスパネル10は、板ガラス11、12、スペーサー13、シール材14、及びグレージングチャンネル15を備えている。
【0022】
板ガラス11、12は、いずれも矩形板状のガラスパネルであり、その板面が対向するように所定の間隔を有して並列されている。板ガラス11と板ガラス12との間隙により形成される空間のうち、その外周端部よりやや内側に、板ガラス11、12の辺に沿ってスペーサ13が配置されている。従って、スペーサ13は、板ガラス11、12間に矩形枠状に形成されている。
【0023】
ここで、スペーサ13は板ガラス11と板ガラス12との間隙を所定の大きさに維持することを主要な機能とするが、スペーサ13に乾燥剤を含ませることもできる。これによれば、スペーサ13と板ガラス11、12とに囲まれる空間内側を適切な湿度に保つことが可能となる。
【0024】
板ガラス11と板ガラス12との間隙のうち、スペーサ13よりも外側で、当該間隙の外周端部にはシール材14が充填されている。シール材14は、板ガラス11と板ガラス12とを接着しつつ、水密性(密封性)を保持することを主要な機能とする。また、後述するようにシール材14内にグレージングチャンネル15の突出部19が挿入されるので、シール材14は少なくとも充填時には流動性を有する材料であることを要する。かかる観点から、シリコン系、ポリサルフィド系の接着材であることが好ましい。
【0025】
本実施形態では、複層ガラスパネル10として2枚の板ガラス11、12を有する例を示したが、これに限定されることはなく、3枚以上のガラス板を備えるものであってもよい。
【0026】
グレージングチャンネル15は、並列された板ガラス11、12、及び板ガラス11、12による間隙の端部を覆うとともに、板ガラス11、12の周囲を囲むように設けられる(図1参照)長尺の部材で、長手方向に直交する断面が図2〜4に表れている。ここで、「板ガラス11、12及び板ガラス11、12による間隙の端部」とは、板ガラス11、12の端面を含み、さらに板ガラス11、12の外側面(板ガラス11、12が対向しない面)の外周端部を含む概念である。
【0027】
図2〜図4からわかるように、グレージングチャンネル15は断面略コ字状であり、底片16と、この底片16の両端から同じ方向に立設される2つの立設片17、18と、を備えている。従って、立設片17、18間に間隙ができ、底片16が配置されない側には断面コ字状の内側に通じる開口部が形成される。
【0028】
また、立設片17、18の開口部側端部には、開口部を狭めるように対向して設けられるシール片17a、18aが配置されている。また、立設片17、18の面のうち互いに対向する面には、ひれ状部17b、17c、18b、18cが形成されている。
これに加えて、立設片17、18には、その厚さ方向に貫通する孔17d、18dを具備している。孔17d、18dは、立設片17、18の長手方向に断続的に複数設けられている。
【0029】
本実施形態では、板ガラスの4周各辺に配置されるグレージングチャンネルの全てに孔を断続的に設ける態様を説明した。しかし、これに限定されることはなく、板ガラスの下辺に配置されるグレージングチャンネルに孔を多く設け、他の3つの辺に配置されるグレージングチャンネルには、そのいずれかに少なくとも1つの孔が設けられる態様であっても良い。これによれば、孔の数を減らすことができる。このときには、下辺に配置されたグレージングチャンネルに設けられた孔が水抜き孔、他の3つの辺に配置されたグレージングチャンネルのいずれかに設けられた孔が外気導入孔となる。
【0030】
さらに、底片16の面のうち、その幅方向(図2の紙面上下方向)略中央には、立設片17、18と同じ側に立設する突出部19が具備されている。突出部19の先端には膨らむように抜け止め部19aが設けられている。
【0031】
突出部19はグレージングチャンネル15の長手方向全長に亘って形成されていてもよいが、必ずしもこれに限定される必要はなく、一部でもよいし、断続的に複数形成されていてもよい。
例えば、板ガラスの4辺各辺に配置されて矩形枠状に形成されるグレージングチャンネルのうち、板ガラスの縦辺に配置されるグレージングチャンネルにのみ突出部を設けてもよい。また、逆に板ガラスの横辺に配置されるグレージングチャンネルにのみ突出部を設けてもよい。
【0032】
グレージングチャンネル15の材質は、例えば塩化ビニル系、シリコン系の材料を挙げることができる。また、これらについて硬質と軟質の材料を組み合わせたり、又は軟質のみにより構成することも可能である。
【0033】
図2〜図4からわかるように、板ガラス11、12、該板ガラス11、12の間隙の端部、及びシール材14が、グレージングチャンネル15のコ字状の内側に挿入され、囲まれるように配置される。このとき、グレージングチャンネル15の突出部19がシール材14の内側に包含されるように具備される。これによりグレージングチャンネル15が、シール材14を介して板ガラス11、12に固定される。また、突出部19の先端に具備された抜け止め部19aによってその固定がより確実で強固なものとなる。このとき、底片16の少なくとも一部もシール材14に接着されてもよい。これにより、さらに強く固定されることになる。
【0034】
立設片17、18に備えられたシール部17a、18a、及びひれ状部17b、17c、18b、18cは、板ガラス11、12の面に接触して水密気密の向上を図る。また、立設片17、18に設けられた孔17d、18dにより、板ガラス11、12と立設片17、18との間に侵入した水を排出することができる。具体的には、建物に取り付けられたときに、上部に配置されるグレージングチャンネルの孔は外気導入孔として機能し、下部に配置されるグレージングチャンネルの孔は排水孔として機能する。
【0035】
かかる複層ガラスパネル10によれば、これを框に嵌合したときに、従来よりも水密気密に優れたものとすることができる。すなわち、従来は、障子の開閉時や室内外の圧力差により框が変形し、グレージングチャンネルと板ガラスとの水密気密に問題が生じることがあった。しかしながら、複層ガラスパネル10によれば、グレージングチャンネル15がシール材14を介して板ガラス17、18に強固に固定されているので、この固定が障子全体に対する強度を向上させ、上記変形及びこれによる水密気密の問題を解消することができる。
【0036】
複層ガラスパネル10は例えば次のように製造することができる。すなわち、2枚の板ガラス11、12間にスペーサ13を挟持するように配置し、板ガラス11、12、スペーサ13で囲まれた空間にシール材14となる材料を充填する。次に、充填したシール材14が流動性を有しているうちにグレージングチャンネル15を、板ガラス11、12の端部に取り付ける。このとき、グレージングチャンネル15の突出部19をシール材14内に挿入する。その後、シール材14が固まることにより、グレージングチャンネル15が板ガラス11、12の端部に固定される。
【0037】
次に、複層ガラスパネル10の変形例のうち、グレージングチャンネル15とは異なる形態のグレージングチャンネルについて説明する。図5に2つのグレージングチャンネル25、35を示した。他の部位については上記した複層ガラスパネル10と共通するので、説明を省略する。
図5(a)は、1つの変形例の複層ガラスパネルに用いられるグレージングチャンネル25の断面図を示す図である。グレージングチャンネル25では、突出部が第一突出部29a、第二突出部29bの2本を有している点がグレージングチャンネル15と異なる。これによりさらにシール材とグレージングチェンネルとの固定が強固なものとなる。
【0038】
図5(b)は、他の変形例の複層ガラスパネルに用いられるグレージングチャンネル35の断面図を示す図である。グレージングチャンネル35では、突出部39が別体に設けられていることが特徴である。グレージングチャンネル35の底片36には、スリット36aが設けられ、ここを貫通するように突出部39をコ字状の内側に突出させることができる。これによれば、強度が必要な部分に、必要な分を過不足なく取り付けることができる。
【0039】
以上で説明した実施形態では、シール材の内部に突出部を挿入することによりグレージングチャンネルと板ガラスとを一体とした。しかしながら、板ガラスとグレージングチャンネルとを一体にするには上記のような態様に限定されるものではない。
例えば、突出部によらずグレージングチャンネルのうち底片の少なくとも一部がシール材に接着されて一体化されてもよい。
また、グレージングチャンネルと板ガラスとが直接接着する態様、又は機械的結合により一体となることにより板ガラスとグレージングチャンネルとが一体となってもよい。接着の場合には、グレージングチャンネルと板ガラスとの間に接着剤や粘着テープが具備される。機械的結合の場合は、例えば板ガラスに突起を形成し、グレージングチャンネルのひれ状部を突起に係合することを挙げることができる。図6に具体的に示した。
【0040】
図6は、このような機械的結合の例を具体的に説明する図で、図4に相当する図である。この例では、グレージングチャンネル45は、突出部を有しておらず、ガラス板11、12の外表面(ガラス板の面のうち互いに対向しない面)に係合突起46、46を設けたことが特徴である。図6(a)からわかるように、グレージングチャンネル45のひれ状部17c、18cを係合突起46、46に引っ掛けることができる。これによれば、グレージングチャンネル45を機械的に板ガラス11、12に結合することが可能となる。
このような係合突起はガラス板の面上に形成される突起であればよく、例えば突起物を両面テープ、接着剤等によりガラス板の面に接着したものであってもよい。また、係合突起はガラス板の面に沿って連続して設ける必要はなく、断続的に具備されていてもよい。
なお、このような連結の場合には、図6に示したように孔17d、18dを立設片17、18に設ける他、底辺16とシール部材14との間に間隙を設けることもできるので、孔を底板16に設けることも可能である。
グレージングチャンネルの板ガラスへの取り付け強度、寸法のばらつきに対する許容範囲、及び生産性(グレージングチャンネルを固定させる際のグレージングチャンネルの変形の程度。)の観点からは上記したグレージングチャンネル15の形態の方が好ましいが、ここで説明した機械的な結合によっても、グレージングチャンネル45と板ガラス11、12との結合は可能である。
【0041】
図7は、第二実施形態にかかる複層ガラスパネル50のうち、図4に相当する図である。複層ガラスパネル50は、板ガラス11、12、スペーサー13、シール材14、グレージングチャンネル55、及び外周テープ60を備えている。板ガラス11、12、スペーサ−13、及びシール材14については、上記した複層ガラスパネル10と共通するのでここでは説明を省略する。
【0042】
グレージングチャンネル55は、並列された板ガラス11、12、及び板ガラス11、12による間隙の端部を覆うとともに、図1のように板ガラス11、12の周囲を囲むように設けられる長尺の部材で、長手方向に直交する断面が図7に表れている。
【0043】
図7からわかるように、グレージングチャンネル55は断面略コ字状であり、底片56と、この底片56の両端から同じ方向に立設される2つの立設片57、58と、を備えている。従って、立設片57、58間に間隙ができ、底片56が配置されない側には断面コ字状の内側に通じる開口部が形成される。
【0044】
また、立設片57、58の開口部側端部には、開口部を狭めるように対向して設けられるシール片57a、58aが配置されている。また、立設片57、58の面のうち互いに対向する面には、ひれ状部57b、57c、58b、58cが形成されている。
これに加えて、立設片57、58には、その厚さ方向に貫通する孔57d、58dを具備している。孔57d、58dは、立設片57、58の長手方向に断続的に複数設けられている。
【0045】
本実施形態では、板ガラスの4周各辺に配置されるグレージングチャンネルの全てに孔を断続的に設ける態様を説明した。しかし、これに限定されることはなく、板ガラスの下辺に配置されるグレージングチャンネルに孔を多く設け、他の3つの辺に配置されるグレージングチャンネルには、そのいずれかに少なくとも1つの孔が設けられる態様であっても良い。これによれば、孔の数を減らすことができる。このときには、下辺に配置されたグレージングチャンネルに設けられた孔が水抜き孔、他の3つの辺に配置されたグレージングチャンネルのいずれかに設けられた孔が外気導入孔となる。
【0046】
さらに、底片56の面のうち、その幅方向(図7の紙面上下方向)略中央には、立設片57、58と同じ側に立設する突出部59が具備されている。突出部59にはその先端には膨らむように抜け止め部59aが設けられている。
【0047】
突出部59はグレージングチャンネル55の長手方向全長に亘って形成されていてもよいが、必ずしもこれに限定される必要はなく、一部でもよいし、断続的に複数形成されていてもよい。
例えば、板ガラスの4辺各辺に配置されて矩形枠状に形成されるグレージングチャンネルのうち、板ガラスの縦辺に配置されるグレージングチャンネルにのみ突出部を設けてもよい。また、逆に板ガラスの横辺に配置されるグレージングチャンネルにのみ突出部を設けてもよい。
【0048】
グレージングチャンネル55の材質は、例えば塩化ビニル系、シリコン系の材料を挙げることができる。また、これらについて硬質と軟質の材料を組み合わせたり、又は軟質のみにより構成することも可能である。
【0049】
外周テープ60は、シール材14の上から、板ガラス11、12の端面及びシール材14の端面を覆うように、板ガラス11、12外周の周方向に沿ってに巻かれた帯状のテープ材である。これにより、後述するように、流動性のあるシール材14にグレージングチャンネル55を取り付けるに際に、シール材14によるグレージングチャンネル55の汚損を防止することができる。
【0050】
外周テープ60には後述するようにグレージングチャンネル55の突出部59が貫通するスリット60aを具備している。
【0051】
外周テープ60の材質は、ポリエステル、ポリプロピレン、塩化ビニル、セロハンテープ又はアルミニウムを基材として片面に粘着剤が具備される粘着テープであることが好ましい。
【0052】
外周テープ60は、本実施形態のように必ずしも複層ガラスパネル50の端面全周にわたって配置されている必要はなく、周方向に存する4つの角部のうち少なくとも2つの角部を含むように配置されていればよい。これは、シール材によるグレージングチャンネルの汚損が最も生じ易いのが角部であることによる。本実施形態では、より確実に汚損を防止する観点から全周にわたって外周テープを配置することとした。
【0053】
このような各構成は次のように組み合わせられて複層ガラスパネル50とされている。板ガラス11、12、及びシール材14の端面は、図7からわかるように、外周テープ60により覆われている。また、板ガラス11、12、及びシール材14の端部は、外周テープ60を含めてグレージングチャンネル55のコ字状の内側に挿入され、囲まれるように配置される。このとき、グレージングチャンネル55の突出部59は外周テープ60のスリット60aを貫通してシール材14の内側に包含されるように具備される。これによりグレージングチャンネル55がシール材14を介して板ガラス11、12に固定される。また、突出部59の先端に具備された抜け止め部59aにより、その固定がさらに確実で強固なものとなる。
【0054】
一方、立設片57、58に備えられたシール部57a、58a、及びひれ状部57b、57c、58b、58cは板ガラス11、12の面に接触して水密気密を向上させる。また、立設片57、58に設けられた孔57d、58dにより、板ガラス11、12と立設片57、58との間に侵入した水を排出することができる。具体的には、建物に取り付けられたときに、上部に配置されるグレージングチャンネルの孔は外気導入孔として機能し、下部に配置されるグレージングチャンネルの孔は排水孔として機能する。
【0055】
外周テープ60のスリット60aは、最終的にいずれかの手段により形成される。そのための手段は特に限定されるものではない。これには例えば、外周テープ60を巻く前に予めカッター等によりスリット状の切り込みを入れておくことや、ミシン目状の切れ目を設けておくこと等の貫通手段を施しておくことを挙げることができる。
または、外周テープ60を板ガラス11、12の端部に巻いた後に、外周テープ60にカッター等によりスリット状の切り込みを入れたり、ミシン目状の切れ目を設ける等の貫通手段を施してもよい。
その他、外周テープにグレージングチャンネルの突出部を押し当てることにより、外周テープが破れる等して裂けて貫通するような材質のものを外周テープに適用してもよい。
【0056】
このような複層ガラスパネル50によっても複層ガラスパネル10と同様の効果を奏するものとすることができる。また、複層ガラスパネル50でも、上記したと同様に板ガラス11、12とグレージングチャンネル55とを直接接着したり、機械的な結合をすることが可能である。
【0057】
次に、複層ガラスパネル50の変形例のうち、グレージングチャンネル55とは異なる形態のグレージングチャンネルについて説明する。図8に2つのグレージングチャンネル65、75を示した。他の部位については上記した複層ガラスパネル50と共通するので、説明を省略する。
図8(a)は、複層ガラスパネル50の1つの変形例の複層ガラスパネルの1つの端部断面を示す図である。グレージングチャンネル65では、立設片57、58には孔が設けられておらず、底片56のうち、突出部59の両側部となる部位に孔56a、56bが設けられている。外周テープを用いる複層ガラスパネルでは、底片とシール材とが接着されないので、ここに水を流通させることが可能であり、底片に孔を設けてここから排水することができる。
【0058】
図8(b)は、複層ガラスパネル50の他の変形例の複層ガラスパネルの1つの端部断面を示す図である。グレージングチャンネル75も、立設片57、58には孔が設けられておらず、突出部59が切り欠かれた部位の底片56に孔75aが設けられている。これによってもグレージングチャンネル65と同様に孔75aから排水することができる。
【0059】
以上各実施形態、及び変形例からわかるように、本発明の複層ガラスパネルでは、グレージングチャンネルの少なくとも一部が板ガラス又はシール材と結合されている。そして、該結合された部分以外のいずれかの部位にグレージングチャンネルの厚さ方向に貫通する孔が設けられる。これにより、グレージングチャンネルを強固に連結し、これを障子や開口部装置に装着したときに、気密性や水密性の向上を図ることができる。さらには、このような構成においても適切な水抜き性能を確保することが可能である。
【0060】
ここで、複層ガラスパネルにおいては、水を抜くという観点からは、複層ガラスパネルが建物に設置されたときに該複層ガラスパネルの下辺の部位に配置されるグレージングチャンネルに注意を払う必要がある。
下辺に配置されるグレージングチャンネルにおいて、上記したようなグレージングチャンネルと板ガラスとを結合する形態としたときでも、本発明によれば水抜きを適切におこなうことができる。
一方、下辺以外の3つの辺に配置されるグレージングチャンネルの少なくとも1つに上記説明した結合の形態を適用し、下辺に配置されるグレージングチャンネルついては従来のグレージングチャンネルを適用することも可能である。これによれば、板ガラスとグレージングチャンネルとの連結は他の辺において確保され、水抜きについては従来の孔の形態を用いることが可能となる。
【0061】
次に、複層ガラスパネル10を備える障子、及び開口部装置について説明する。図9は、複層ガラスパネル10を備える開口部装置100が建物の開口部に取り付けられた姿勢における該開口部装置100の室内視正面図である。図9(a)は障子140、150が閉鎖された姿勢、図9(b)は障子140、150が少し開かれた姿勢をそれぞれ示している。
図10は、図9(a)にVIII−VIIIで示した線(水平方向)に沿った断面図、図11は図9(b)にIX−IXで示した線(垂直方向)に沿った断面図である。図10では、紙面上が室外側、紙面下が室内側を示している。また、図11では紙面左が室外側、紙面右が室内側を表している。
本実施形態において開口部装置100は、いわゆる引戸式のサッシ窓である。
【0062】
開口部装置100は、建物開口部の4辺の縁に沿って配置される枠体110、及び該枠体110の内側に具備されて引戸式に開閉する室外側障子である外障子140、室内側障子である内障子150を備えている。また、施錠装置101が設けられ、外障子140及び内障子150の施錠開錠を可能としている。図9〜図11及び適宜示す図を参照しつつ開口部装置100について説明する。
【0063】
枠体110は、左右に所定の間隔を有して立設される縦枠115、120、及び、縦枠115、120の端部間を渡して、上下のそれぞれに水平に配置される長尺部材である上横枠125、下横枠130を備え、これらが枠状に組み合わされている。
【0064】
縦枠115は、枠体110の2つの縦枠のうち一方を構成する枠材で、開口部装置100が閉鎖されている姿勢で、外障子140の戸先框141が配置される側の縦枠である。図12(a)には、図10のうち縦枠115の部位に注目した図を示し、図12(b)には、縦枠115の分解断面図を表した。
【0065】
縦枠115は、縦枠本体116とカバー部としてのカバー部材117、118とを備え、固定手段119によりカバー部材118が縦枠本体116に固定されている。
縦枠本体116は、図10、図12に表わされる断面において、見込み方向に延在する片116aを有している。片116aの室内側端部、及び室外側端部のそれぞれには、見付方向に延びる片116b、116eが設けられている。また、片116aの見付方向内側面には、片116c、片116dが立設されている(図12参照)。ここで、片116cの先端は、見込み方向外側に向けて折り曲げられるように形成されている。また、片116dは外障子140の閉鎖の姿勢でその戸先框141の内側に差し込まれる位置に設けられている。
さらに、片116aの見付方向外側面には片116fが立設されている。当該片116fが建物躯体に固定されることにより、縦枠115が建物に取り付けられる。
【0066】
縦枠本体116の材質は特に限定されることはないが、強度及び生産性の観点から金属が好ましく、通常のサッシに用いられるアルミニウムであることが最も好ましい。
また、本実施形態では縦枠本体116は、一体に形成されているが、これに限定されることはなく、いくつかの金属部材が組み合わされて一体とされていてもよい。また、縦枠本体を室外側部材と室内側部材とに分け、これを断熱性の部材で連結する、いわゆるブリッジ構造としてもよい。これによりさらに断熱性を向上させることができる。
【0067】
カバー部材117は、縦枠本体116の長手方向に沿って配置される長尺の部材である。カバー部材117は図10、図12に表わされる断面において略矩形中空である矩形部117aを有している(図12参照)。矩形部117aのうちの1つの角部である見込み方向室外側では、見付方向外側の角部が切り欠かれており、ここにコ字状部117bが形成されている。コ字状部117bは、見付方向外側に開口している。そして、この開口部分には、開口部を狭めるように若干位置をずらされて対向する突起117c、117dが設けられている。
【0068】
また、矩形部117aの角部のうち上記コ字状部117bに対して対角の位置の角からは、見込み方向室内側に向けて片117eが延在する。片117eの先端からは、見付方向外側に向けて延びる片117fが具備されている。
【0069】
カバー部材118も、縦枠本体116の長手方向(図10、図12の紙面奥/手前方向)に沿って配置される長尺の部材である。カバー部材118は、図10、図12に表わされる断面において、見付方向に延びる片118a、及びその両端のそれぞれから見込み方向に延在する片118b、118cによりクランク状が形成されている。
【0070】
ここで、本実施形態では、カバー部材117とカバー部材118とは片117fと片118aとにより係合されている。カバー部材は、必ずしも2つの部材を係合させることにより一体とする必要はなく、1つの部材により形成されていてもよい。本実施形態では、カバー部材118をもう一方の縦枠である縦枠120にもそのままの形状で用いることができるため、部品種類の抑制の観点からこのような構成とした。
【0071】
カバー部材117、118の材質は、熱伝導率の低い材料により形成されていることが好ましい。これにより断熱性を高めることができる。熱伝導率が低いほど断熱性を高めることができるが、熱伝導率が10W/m・K以下であることが好ましい。そのため、具体的には樹脂材料を用いてカバー部材を形成することが好ましい。熱伝導率が低いことに加えて、成型性にも優れるからである。これには例えばPVCを用いることができ、その熱伝導率は0.17W/m・K程度である。
【0072】
このような縦枠本体116、カバー部材117、118は次のように組み合わせられる。
縦枠本体116の見込み方向室内側において、片116aにカバー部材118の片118bが重ねられるとともに、片116bにカバー部材18の片118aが重ねられるように配置する。そして固定部材119により片118bと片116aとが固定される。本実施形態では、片116bの先端が片118aに係合することによりさらに確実に固定される。
カバー部材117は、そのコ字状部117bの内側に縦枠本体116の片116cを差し込むように配置する。上記したように片116cはL字状に形成されており、一方、コ字状部117bの開口部にはその開口を狭めるように突起117c、117dが設けられている。これにより、カバー部材117が縦枠本体116から抜け難いとともに、ここを中心にカバー部材117を回動させることもできる。そして当該回動をさせて、カバー部材117の片117fとカバー部材118の片118aとを係合させる。
これにより、カバー部材117、118は、縦枠本体116の見付方向内側面のうち見込方向室内側の一部を覆うことができる。
【0073】
カバー部材117、118の図12(b)にEで示した大きさは、後で説明する他の部材との関係により決めることができる。従って、これらについては、他の部材を説明した後にまとめて詳しく説明する。
【0074】
ここでは一つの好ましい実施形態として、上記態様を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、縦枠、及びカバー部を金属、又は樹脂で一体に形成してもよいし、室外側の半分を金属の枠とし、室内側の半分を樹脂で枠とカバー部とを一体に形成し、これらを室内外方向に並列させて連結してもよい。
【0075】
引き続き、枠体110について説明する。縦枠120は枠体110の2つの縦枠のうち一方を構成する枠材で、開口部装置100が閉鎖されている姿勢で、内障子150の戸先框151が配置される側の縦枠である。図10を参照しつつ説明する。
【0076】
縦枠120は、縦枠本体121とカバー部としてのカバー部材122とを備え、固定手段123によりカバー部材122が縦枠本体121に固定されている。
縦枠本体121は、図10に表わされる断面において、見込み方向に延在する片121aを有している。片121aの室内側端部、及び室外側端部のそれぞれには、見付方向に延びる片121b、121eが設けられている。また、片121aの見付け方向内側面には、片121dが立設されている。ここで、片121dは、室内側障子150の閉鎖の姿勢でその戸先框151の内側に差し込まれる位置に設けられている。
さらに、片121aの見付方向外側面には片121fが立設されている。当該片121fが建物躯体に固定されることにより、縦枠120が建物に取り付けられる。
【0077】
縦枠本体121の材質は特に限定されることはないが、強度及び生産性の観点から金属が好ましく、通常のサッシに用いられるアルミニウムであることが最も好ましい。
また、本実施形態では縦枠本体121は、一体に形成されているが、これに限定されることはなく、いくつかの金属部材が組み合わされて一体とされていてもよい。また、縦枠本体を室外側部材と室内側部材とに分け、これを断熱性の部材で連結する、いわゆるブリッジ構造としてもよい。これによりさらに断熱性を向上させることができる。
【0078】
カバー部材122はカバー部材118と同様の形状を有している。すなわち、カバー部材122は、縦枠本体121の長手方向に沿って配置される長尺の部材である。そして、カバー部材122は、図10に表わされる断面において、見付方向に延びる片122a、及びその両端のそれぞれから見込み方向に延在する片122b、122cによりクランク状が形成されている。
【0079】
カバー部材122の材質は、熱伝導率の低い材料により形成されていることが好ましい。これにより断熱性を高めることができる。熱伝導率が低いほど断熱性を高めることができるが、熱伝導率が10W/m・K以下であることが好ましい。そのためには具体的には樹脂材料を用いてカバー部材を形成することが好ましい。熱伝導率が低いことに加えて、成型性にも優れるからである。これには例えばPVCを用いることができ、その熱伝導率は0.17W/m・K程度である。
【0080】
このような縦枠本体121、カバー部材122は次のように組み合わせられる。
縦枠本体121の見込み方向室内側において、片121aにカバー部材122の片122bが重ねられるように配置される。そして固定部材123により片122bと片121aとが固定される。本実施形態では、片121bの先端が片122aに係合することによりさらに確実に固定される。
これにより、カバー部材122は、縦枠本体121の見付方向内側面のうち見込方向室内側の一部を覆うことができる。
【0081】
ここでは一つの好ましい実施形態として、上記態様を説明したが、カバー部が形成されるものであればこれに限定されるものではない。例えば、縦枠、及びカバー部を金属、又は樹脂で一体に形成してもよいし、室外側の半分を金属の枠とし、室内側の半分を樹脂で枠とカバー部とを一体に形成し、これらを室内外に並列させて連結してもよい。
【0082】
図11を参照しつつ、上横枠125について説明する。上横枠125は、枠体110のうち、上側横枠を構成する枠材であり、上横枠本体126と被覆材127とを備えている。
上横枠本体126は、図11に表われる断面において、見込み方向に延在する片126aを有している。片126aの見付方向内側面には、片126b、126c、126d、126eが立設されている。片126bは網戸105の上レールとなる片、片126cは外障子140の上レールとなる片、及び片126dは内障子150の上レールとなる片である。また、片126aの見付方向外側面には、片126fが立設されている。当該片126fを建物躯体に取り付けることにより上横枠125が建物躯体に固定される。
【0083】
上横枠本体126の材質は特に限定されることはないが、強度及び生産性の観点から金属が好ましく、通常のサッシに用いられるアルミニウムであることが最も好ましい。
また、本実施形態では上横枠本体126は、一体に形成されているが、これに限定されることはなく、いくつかの金属部材が組み合わされて一体とされていてもよい。
【0084】
被覆材127は、上横枠本体126の片126d、片126a、及び片126eで囲まれるコ字状の内側に沿って配置される略コ字状の部材である。当該被覆材の材質は、熱伝導率の低い材料により形成されていることが好ましい。これにより断熱性を高めることができる。熱伝導率が低いほど断熱性を高めることができるが、熱伝導率が10W/m・K以下であることがよい。そのためには具体的には樹脂材料を用いて形成することが好ましい。熱伝導率が低いことに加えて、成型性にも優れるからである。これには例えばPVCを用いることができ、その熱伝導率は0.17W/m・K程度である。
【0085】
下横枠130は、枠体110の下側横枠を構成する枠材である。下横枠130は、下横枠本体131、被覆材132、及び排水弁133を備えている。
下横枠本体131は、図11に表わされる断面において、矩形中空に形成された中空部131aが設けられ、該矩形部131aの見込み方向室内側からは、室内側に延びる片131bが配置されている。
矩形部131a、及び片131bの見付方向内側面には、片131c、131d、131e、131fが立設されている。片131cは網戸105の下レールとなる片であり、該網戸105の戸車が載置される。片131dは外障子140の下レールとなる片、及び片131eは内障子150の上レールとなる片であり、それぞれの障子の戸車が載置される。また、中空部131aの見付方向外側面には、片131gが立設されている。当該片131gを建物躯体に取り付けることにより下横枠130が建物躯体に固定される。
【0086】
下横枠本体131の材質は特に限定されることはないが、強度及び生産性の観点から金属が好ましく、通常のサッシに用いられるアルミニウムであることが最も好ましい。
また、本実施形態では下横枠本体131は、一体に形成されているが、これに限定されることはなく、いくつかの金属部材が組み合わされて一体とされていてもよい。
【0087】
被覆材132は、下横枠本体131の片131b、及び片131fの内側に沿って配置される部材である。当該被覆材132の材質は、熱伝導率の低い材料により形成されていることが好ましい。これにより断熱性を高めることができる。熱伝導率が低いほど断熱性を高めることができるが、熱伝導率が10W/m・K以下であることがよい。そのためには具体的には樹脂材料を用いて形成することが好ましい。熱伝導率が低いことに加えて、成型性にも優れるからである。これには例えばPVCを用いることができ、その熱伝導率は0.17W/m・K程度である。
【0088】
排水弁133は、中空部131aを形成する片のうち、室外側に面する片に設けられた排水口に具備される。このとき、中空部131aを形成する片のうち見付方向内側を形成する片の所定の位置には不図示の貫通孔が設けられている。これにより、片131cと片131dとの間、又は片131dと片131eとの間に侵入した水を中空部131a内に導入して、排水弁133から排出することが可能となる。
【0089】
外障子140は、図9〜図11からわかるように、戸先框141、外召し合わせ框142、横框143、144、及び複層ガラスパネル10を備えている。
戸先框141は戸先側に配置される縦框材である。図13には、図10のうち障子140の戸先部分に注目した図を示した。
【0090】
戸先框141は、図10、図13に表われる断面において、見込み方向に延在する見込み片としての片141aを有している。そして該片141aの見込み方向両端部のそれぞれには見付方向に延在する室外側片としての片141b、及び室内側片である片141cが設けられている。片141b、141cの見付方向両端部では、該片141b、141cで挟まれる部分が開口部を形成している。ここで、片141bの見付方向外側端部には片141c側にシール部材141dが配置され、縦枠115の片116dに接触して水密気密がとれるように構成されている(図12(a)参照)。
【0091】
外召し合わせ框142は、外召し合わせ部に用いられる縦框材である。外召し合わせ框142は、図10に表われる断面において、矩形中空状である中空部142aを有している。該中空部142aの見付方向内側面のうち、その見込み方向両端部のそれぞれからは見付方向内側に片142b、142cが延在する。
また、中空部142aの室内側からは、内召し合わせ框152に係合する係合片142hも設けられている。
【0092】
横框143は上横框に相当する框材である。横框143は、図11に表われる断面において、見込み方向に延在する片143aを有している。さらに該片143aの見込み方向両端部のそれぞれには見付方向に延在する片143b、143cが設けられている。片143b、143cの見付方向両端部では、該片143b、143cで挟まれる部分が開口部を形成している。ここで、片143bの見付方向外側端部には片143c側に向けてシール部材が配置され、上横枠125の片126cに接触して水密気密がとれるように構成されている。
【0093】
横框144は下横框に相当する框材である。横框144は、図11に表われる断面において、見込み方向に延在する片144aを有している。さらに該片144aの見込み方向両端部のそれぞれには見付方向に延在する片144b、144cが設けられている。片144b、144cの見付方向両端部では、該片144b、144cで挟まれる部分が開口部を形成している。ここで、片144bの見付方向外側端部には片144c側に向けてシール部材が配置され、下横枠130の片131dに接触して水密気密がとれるように構成されている。
【0094】
ここで、片144b、144cの間のうち、片144aより障子見付方向外側には、戸車が配置され、上記した片131dに載置される。
【0095】
複層ガラスパネル10は、上記した複層パネル10である。図12、図13からわかるように、複層ガラスパネル10の外周端部を框(図12、図13では戸先框141)に差し込むようにして、框を複層ガラスパネル10に取り付ける。
【0096】
引き続き開口部装置100について説明を続ける。内障子150は、図9〜図11からわかるように、戸先框151、内召し合わせ框152、横框153、154、及び複層ガラスパネル10を備えている。内障子150については、上記外障子140に対して、外障子と内障子とに起因する形状の相違はあるものの、他の部位については上記した内障子140と共通するのでここでは説明を省略する。
【0097】
以上説明した開口部装置100は、さらに次のような特徴を備えている。図10、図12を参照しつつ説明する。
開口部装置100の閉鎖の姿勢で図10、図12にBで示した位置と、Aで示した位置とを対比する。Bで示した位置は、障子140、150が閉鎖した姿勢において、戸先框141、151の見付方向内側端部が配置される位置である。一方、Aで示した位置は、縦枠115、120において、カバー部材118、122の見付方向内側端部が配置される位置である。
【0098】
開口部装置100では、Bで示した位置が、Aで示した位置よりも見付方向外側に配置される。これにより、開口部装置100の閉鎖の姿勢で戸先框141、142が室内側正面視から隠蔽される。ここでは、Bの位置がAの位置よりも見付方向外側となるようにしたが、これが面一(同じ位置)、または、Bの位置は、若干であればAの位置よりも見付方向内側に配置されていてもよい。具体的には戸先框の見付方向大きさのうち、90%以上が隠蔽されていることが好ましい。
【0099】
開口部装置100では、上記したように、框が細く形成されている。従って、框を通じての熱移動を抑制することができる。複層ガラスパネル10によれば、框を細くすることも可能である。すなわち、従来は、框の開閉時や室内外の圧力差により框が変形し、グレージングチャンネルと板ガラスとの水密気密に問題が生じることから、框を細くすることができなかった。しかしながら、複層ガラスパネル10によれば、グレージングチャンネル15がシール材14を介して板ガラス11、12に強固に固定されているので、この固定が障子全体に対する強度を向上させ、上記変形及びこれによる水密気密の問題を解消することができる。そして、係る形態であっても、グレージングチャンネル15の立設部17、18に設けられた孔17d、18により水抜きも可能である。
【0100】
これに加えて、このように熱移動が抑制された框141、151がカバー部材により室内視から隠蔽されている。これにより框と室内との熱伝達を抑制することができ、断熱性能をさらに向上させることが可能となる。
【0101】
かかる構成により、枠、及び框ともに、従来における断熱サッシのようなブリッジ材方式(枠や框を室内側部材と室外側部材とに分け、これを樹脂等により連結する方式)を用いなくても、断熱性能を向上させることが可能となる。すなわち、簡易な構成により断熱性能を向上させることができる。ただし、ブリッジ方式を適用することを妨げるものではなく、ブリッジ構造を用いてもよい。さらなる断熱性向上を期待できるからである。
このような構成により、ある大きさの開口部に従来の開口部装置を設置したときに、H−3等級(JIS A 4706、JIS A 4702、熱貫流抵抗0.287m2・K/W以上)の断熱性能を得ることができなかった場合であっても、開口部装置100によれば、H−3等級の断熱性能を得ることが可能となる。
【0102】
また、上記した複層ガラスパネル10により框を細く形成することができ、該框が室内視で隠蔽されるので、外観にも優れたものとなる。ここで、カバー材118、122も、細い框を隠蔽する程度に形成されれば良いので、図12(b)にEで示したカバー材117、118の寸法も小さく抑えることができる。
【0103】
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う複層ガラスパネル、障子、及び開口部装置もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【符号の説明】
【0104】
10 複層ガラスパネル
11、12 板ガラス
13 スペーサー
14 シール材
15 グレージングチャンネル
16 底片
17、18 立設片
19 突出部
60 外周テープ
100 開口部装置
140、150 障子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔を有して対向する2枚以上の板ガラスと、
前記間隔のうち前記板ガラスの外周端部に充填されるシール材と、
前記板ガラスの外周端部及び前記シール材を覆うように設けられるグレージングチャンネルと、を備え、
前記グレージングチャンネルは、前記板ガラスの外周端部及び前記シール材のうち、端面を覆う底片と、前記底片の両端から立設して前記板ガラスの面の端部を覆う立設片とを有し、
前記底片又は前記立設片の少なくとも一部が、前記板ガラス又は前記シール材に結合されるとともに、前記底板又は前記立設片には、前記板ガラス又は前記シール材に結合されていない部位に、その厚さ方向に貫通する孔が設けられている、複層ガラスパネル。
【請求項2】
前記グレージングチャンネルは前記底片に突出部を有し、該突出部が前記シール材と結合していることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラスパネル。
【請求項3】
前記グレージングチャンネルの前記底片と前記シール材との間には外周テープが配置され、前記底板の突出部は前記外周テープを貫通して前記シール材と結合していることを特徴とする請求項2に記載の複層ガラスパネル。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の複層ガラスパネルと、該複層ガラスパネルの外周端部を覆うように配置される框と、を有する障子。
【請求項5】
矩形枠状に形成された枠体と、該枠体の区画された枠内に配置される請求項4に記載の障子と、を備える開口部装置。
【請求項1】
所定の間隔を有して対向する2枚以上の板ガラスと、
前記間隔のうち前記板ガラスの外周端部に充填されるシール材と、
前記板ガラスの外周端部及び前記シール材を覆うように設けられるグレージングチャンネルと、を備え、
前記グレージングチャンネルは、前記板ガラスの外周端部及び前記シール材のうち、端面を覆う底片と、前記底片の両端から立設して前記板ガラスの面の端部を覆う立設片とを有し、
前記底片又は前記立設片の少なくとも一部が、前記板ガラス又は前記シール材に結合されるとともに、前記底板又は前記立設片には、前記板ガラス又は前記シール材に結合されていない部位に、その厚さ方向に貫通する孔が設けられている、複層ガラスパネル。
【請求項2】
前記グレージングチャンネルは前記底片に突出部を有し、該突出部が前記シール材と結合していることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラスパネル。
【請求項3】
前記グレージングチャンネルの前記底片と前記シール材との間には外周テープが配置され、前記底板の突出部は前記外周テープを貫通して前記シール材と結合していることを特徴とする請求項2に記載の複層ガラスパネル。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の複層ガラスパネルと、該複層ガラスパネルの外周端部を覆うように配置される框と、を有する障子。
【請求項5】
矩形枠状に形成された枠体と、該枠体の区画された枠内に配置される請求項4に記載の障子と、を備える開口部装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−246900(P2011−246900A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118971(P2010−118971)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】
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