説明

複数のアンテナ構造を有する改変型糖タンパク質の生成

本発明は、改変型オリゴ糖を有する真核生物宿主細胞に関し、この細胞は、一組のグリコシルトランスフェラーゼ、糖および糖ヌクレオチドトランスポーターの異種発現によって、哺乳動物の例えばヒト治療糖タンパク質の生成のための宿主株になるようにさらに改変され得る。このプロセスは、グリコシル化に関与する任意の望ましい遺伝子を発現して標的とするために使用され得る、操作された宿主細胞を提供する。改変型脂質結合型オリゴ糖を有する宿主細胞が、生成または選択される。その操作された宿主細胞において生成されるN−グリカンは、GnTIII活性、GnTIV活性、GnTV活性、GnT VI活性、またはGnTIX活性を示す。このN−グリカンは、二分されかつ/または複数のアンテナを有するN−グリカン構造を生じ、1つ以上の酵素、糖、糖ヌクレオチドトランスポーターの異種発現によって、ヒト様糖タンパク質を生じるようにさらに改変され得る。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下等真核生物宿主細胞中で糖タンパク質を生成するためのプロセスであって、
該細胞中に、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIV活性、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV活性、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼVI活性、およびN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIX活性からなる群より選択されるN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性を導入する工程、
を包含し、該糖タンパク質は、トリマンノースコア上に少なくとも3つのアンテナを含む、プロセス。
【請求項2】
下等真核生物宿主細胞中で糖タンパク質を生成するためのプロセスであって、
該細胞において、GlcNAcβ1,2−Manα1,6(GlcNAcβ1,4GlcNAcβ1,2Manα1,3)Manβ1,4−GlcNAcβ1,4−GlcNAcβ1,4−Asn構造、GlcNAcβ1,4GlcNAcβ1,2−Manα1,6(GlcNAcβ1,4GlcNAcβ1,2Manα1,3)Manβ1,4−GlcNacβ1,4−GlcNAcβ1,4−Asn構造;およびGlcNAcβ1,6GlcNAcβ1,4GlcNAcβ1,2−Manα1,6(GlcNAcβ1,4GlcNAcβ1,2Manα1,3)Manβ1,4−GlcNAcβ1,4−GlcNAcβ1,4−Asn構造を含む、複数のアンテナを有するN−グリカンを生成する1つ以上の酵素活性を発現させる工程、
を包含する、プロセス。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロセスであって、前記活性は、実質的に細胞内活性である、プロセス。
【請求項4】
請求項1または2に記載のプロセスであって、前記宿主細胞から前記糖タンパク質を単離する工程をさらに包含する、プロセス。
【請求項5】
請求項1または2に記載のプロセスであって、前記宿主細胞は、Pichia pastoris、Pichia finlandica、Pichia trehalophila、Pichia koclamae、Pichia membranaefaciens、Pichia minutia、Ogataea minuta、Pichia lindneri、Pichia opuntiae、Pichia thermotolerans、Pichia salictaria、Pichia guercuum、Pichia pijperi、Pichia stiptis、Pichia methanolica、Pichia sp.、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces sp.、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces sp.、Kluyveromyces lactis、Candida albicans、Aspergillus nidulans、Aspergillus niger、Aspergillus oryzae、Trichoderma reesei、Chrysosporium lucknowense、Fusarium sp.、Fusarium gramineum、Fusarium venenatum、およびNeurospora crassaからなる群より選択される、プロセス。
【請求項6】
請求項5に記載のプロセスであって、前記宿主細胞は、Pichia pastoris、Pichia finlandica、Pichia trehalophila、Pichia koclamae、Pichia membranaefaciens、Pichia minutia、Ogataea minuta、Pichia lindneri、Pichia opuntiae、Pichia thermotolerans、Pichia salictaria、Pichia guercuum、Pichia pijperi、Pichia stiptis、Pichia methanolica、およびPichia sp.からなる群より選択される、プロセス。
【請求項7】
請求項6に記載のプロセスであって、前記宿主細胞は、Pichia pastorisである、プロセス。
【請求項8】
請求項1または2に記載のプロセスであって、前記糖タンパク質は、治療タンパク質である、プロセス。
【請求項9】
請求項8に記載のプロセスであって、前記治療タンパク質は、ヒトプラミノゲンのクリングルドメイン、エリスロポエチン、サイトカイン、凝固因子、可溶性IgEレセプターα鎖、IgG、IgGフラグメント、IgM、インターロイキン、ウロキナーゼ、カイメース、尿素トリプシンインヒビター、IGF結合タンパク質、上皮増殖因子、成長ホルモン放出因子、アネキシンV融合タンパク質、アンギオスタチン、脈管内皮増殖因子2、骨髄前駆体阻害因子1、オステオプロテゲリン、α1アンチトリプシン、DNアーゼII、α−フェトタンパク質、FSH、およびペプチドホルモンからなる群より選択される、プロセス。
【請求項10】
下等真核生物宿主細胞であって、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIV活性、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV活性、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼVI活性、またはN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIX活性を含む、宿主細胞。
【請求項11】
下等真核生物宿主細胞であって、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIV活性およびN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV活性を含む、宿主細胞。
【請求項12】
請求項10または11に記載の宿主細胞であって、前記活性は、実質的に細胞内活性である、宿主細胞。
【請求項13】
請求項10または11に記載の宿主細胞であって、該細胞は、GnT IV活性、GnT V活性、またはGnT VI活性と反応可能であるGlcNAcManGlcNAc構造を含むN−グリカンを生成する、宿主細胞。
【請求項14】
下等真核生物宿主細胞であって、ManGlcNAcオリゴ糖上に少なくとも3つのGlcNAcを含むN−グリカンを含む、宿主細胞。
【請求項15】
請求項14に記載の宿主細胞であって、前記N−グリカンは、少なくとも50モル%、60モル%、70モル%、80モル%、90モル%以上のトリアンテナグリカンを含む、宿主細胞。
【請求項16】
請求項14に記載の宿主細胞であって、前記N−グリカンは、少なくとも70モル%、80モル%、90モル%以上のトリアンテナグリカンを含む、宿主細胞。
【請求項17】
下等真核生物宿主細胞であって、GlcNAcβ1,2−Manα1,6(GlcNAcβ1,4GlcNAcβ1,2Manα1,3)Manβ1,4−GlcNAcβ1,4−GlcNAcβ1,4−Asn構造、GlcNAcβ1,4GlcNAcβ1,2−Manα1,6(GlcNAcβ1,4GlcNAcβ1,2Manα1,3)Manβ1,4−GlcNacβ1,4−GlcNAcβ1,4−Asn構造;およびGlcNAcβ1,6GlcNAcβ1,4GlcNAcβ1,2−Manα1,6(GlcNAcβ1,4GlcNAcβ1,2Manα1,3)Manβ1,4−GlcNAcβ1,4−GlcNAcβ1,4−Asn構造を含む、複数のアンテナを有するN−グリカンを含む、宿主細胞。
【請求項18】
請求項10、11、14、または17に記載の宿主細胞であって、該宿主細胞は、Pichia pastoris、Pichia finlandica、Pichia trehalophila、Pichia koclamae、Pichia membranaefaciens、Pichia minutia、Ogataea minuta、Pichia lindneri、Pichia opuntiae、Pichia thermotolerans、Pichia salictaria、Pichia guercuum、Pichia pijperi、Pichia stiptis、Pichia methanolica、Pichia sp.、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces sp.、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces sp.、Candida albicans、Aspergillus nidulans、Aspergillus niger、Aspergillus oryzae、Trichoderma reesei、Chrysosporium lucknowense、Fusarium sp.、Fusarium gramineum、Fusarium venenatum、およびNeurospora crassaからなる群より選択される、宿主細胞。
【請求項19】
請求項18に記載の宿主細胞であって、該宿主細胞は、Pichia pastoris、Pichia finlandica、Pichia trehalophila、Pichia koclamae、Pichia membranaefaciens、Pichia minutia、Ogataea minuta、Pichia lindneri、Pichia opuntiae、Pichia thermotolerans、Pichia salictaria、Pichia guercuum、Pichia pijperi、Pichia stiptis、Pichia methanolica、およびPichia sp.からなる群より選択される、宿主細胞。
【請求項20】
請求項19に記載の宿主細胞であって、該宿主細胞は、Pichia pastorisである、宿主細胞。
【請求項21】
下等真核生物宿主細胞であって、GlcNAcβ1,4トランスフェラーゼもしくはGlcNAcβ1,6トランスフェラーゼによって改変された、トリマンノースコア(GlcNAcManGlcNAc)構造もしくはMan5コア構造(GlcNacManGlcNAc)を含む、宿主細胞。
【請求項22】
請求項21に記載の宿主細胞であって、該細胞は、70モル%を超える前記改変型構造を生成する、宿主細胞。
【請求項23】
請求項21に記載の宿主細胞であって、該細胞は、90モル%を超える前記改変型構造を生成する、宿主細胞。
【請求項24】
下等真核生物宿主細胞であって、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼI活性およびN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIV活性を含む、宿主細胞。
【請求項25】
請求項24に記載の宿主細胞であって、前記活性は、実質的に細胞内活性である、宿主細胞。
【請求項26】
請求項24に記載の宿主細胞であって、該細胞は、GnT V活性、GnT VI活性、またはGnT IX活性と反応可能であるGlcNAcManGlcNAcを含むN−グリカンを生成する、宿主細胞。
【請求項27】
請求項24に記載の宿主細胞であって、前記N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性は、複数のアンテナを有するグリカンを生成する、宿主細胞。
【請求項28】
下等真核生物宿主細胞であって、GnT IV活性、GnT V活性、GnT VI活性またはGnT IX活性と、マンノシダーゼII活性とを含む、宿主細胞。
【請求項29】
請求項28に記載の宿主細胞であって、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼI活性をさらに含む、宿主細胞。
【請求項30】
請求項29に記載の宿主細胞であって、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼII活性をさらに含む、宿主細胞。
【請求項31】
請求項28に記載の宿主細胞であって、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼI活性およびN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼII活性をさらに含む、宿主細胞。
【請求項32】
請求項10、11、24、または28のうちのいずれか1項に記載の宿主細胞であって、1,6マンノシルトランスフェラーゼ活性が欠損している、宿主細胞。
【請求項33】
請求項10、11、24、または28のうちのいずれか1項に記載の宿主細胞であって、Dol−P−Man:ManGlcNac−PP−Dolマンノシルトランスフェラーゼ活性が欠損している、宿主細胞。
【請求項34】
請求項10、11、24、または28のうちのいずれか1項に記載の宿主細胞であって、α−1,2−マンノシダーゼI活性をさらに含む、宿主細胞。
【請求項35】
請求項10、11、24、または28のうちのいずれか1項に記載の宿主細胞であって、UDP−GlcNAcトランスポーターをさらに含む、宿主細胞。
【請求項36】
請求項1に記載のプロセスによって生成される糖タンパク質。
【請求項37】
請求項2に記載のプロセスによって生成される糖タンパク質。
【請求項38】
請求項5に記載のプロセスによって生成される糖タンパク質。
【請求項39】
請求項6に記載のプロセスによって生成される糖タンパク質。
【請求項40】
請求項7に記載のプロセスによって生成される糖タンパク質。
【請求項41】
請求項8に記載のプロセスによって生成される糖タンパク質。
【請求項42】
請求項9に記載のプロセスによって生成される糖タンパク質。
【請求項43】
糖タンパク質であって、下等真核生物宿主細胞において生成されたGlcNAcManGlcNAcコア構造上に、少なくとも3つのGlcNAcβ1,4残基または少なくとも3つのGlcNAcβ1,6残基を含む、糖タンパク質。
【請求項44】
糖タンパク質であって、下等真核生物宿主細胞において生成された基質GlcNAcManGlcNAcコア構造、基質GlcNAcManGlcNAcコア構造、基質GlcNAcManGlcNAcコア構造、基質ManGlcNAcコア構造、基質GlcNAcManGlcNAcコア構造、または基質ManGlcNAcコア構造のManα1,3アームもしくはManα1,6アームのうちのいずれかに結合している、GlcNAcβ1,4残基を含む、糖タンパク質。
【請求項45】
請求項44に記載の糖タンパク質であって、前記コア構造のうちの70モル%より多くが、GnT IVによって改変されている、糖タンパク質。
【請求項46】
請求項44に記載の糖タンパク質であって、前記コア構造のうちの50モル%より多くが、GnT Vによって改変されている、糖タンパク質。
【請求項47】
請求項36〜46のうちのいずれか1項に記載の糖タンパク質を含む、薬学的組成物。
【請求項48】
下等真核生物宿主においてGnT IV活性、GnT V活性、GnT VI活性、GnT IX活性を発現可能である、ベクター。
【請求項49】
下等真核生物宿主細胞であって、トリマンノースコアオリゴ糖中間体のManα1,3アームまたはMan1,6アームのいずれかにて少なくとも2つのGlcNAc残基を有するN−グリカンを含む、宿主細胞。
【請求項50】
請求項49に記載の下等真核生物宿主細胞であって、前記トリマンノースコアオリゴ糖中間体のManα1,3アームおよびMan1,6アームにて2つのGlcNAcβ1,4残基をさらに含む、宿主細胞。
【請求項51】
請求項49に記載の下等真核生物宿主細胞であって、前記トリマンノースコアオリゴ糖中間体のManα1,3アームおよびMan1,6アームにて2つのGlcNAcβ1,6残基をさらに含む、宿主細胞。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図16−3】
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【図16−4】
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【図17】
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【図18】
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【図19−1】
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【図19−2】
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【図19−3】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図41−1】
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【図41−2】
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【図42−1】
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【図42−2】
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【図43−1】
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【図43−2】
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【図44−1】
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【図44−2】
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【図45−1】
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【図45−2】
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【図46−1】
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【図46−2】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公表番号】特表2006−518600(P2006−518600A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503776(P2006−503776)
【出願日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/005191
【国際公開番号】WO2004/074461
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(505310079)
【出願人】(505310002)
【出願人】(505310024)
【出願人】(505310035)
【出願人】(505310080)
【出願人】(505310013)
【出願人】(505309992)
【Fターム(参考)】