複数のシンボル長を使用する多重キャリア送信
【課題】複数のシンボル長を使用する多重キャリア送信。
【解決手段】システム・トラフィックは、異なるカテゴリーに分類される。各カテゴリーに対して、適切なサイズのOFDMシンボルが、そのカテゴリーのトラフィックに対して予想されるペイロード・サイズに基づいて選択される。例えば、制御データは、第1のサイズのOFDMシンボルを使用して送信され、ユーザ・データは、第1のサイズ及び第2のサイズのOFDMシンボルで送信され、パイロット・データは、第3のサイズ又は第1のサイズのOFDMシンボルを使用して送信される。あるイグゼンプラリな設計では、小さなOFDMシンボルが、パイロットに対して及び制御データを送るために使用されるトランスポート・チャネルに対して利用され、そして大きなOFDMシンボル及び小さなOFDMシンボルが、ユーザ・データを送るために使用されるトランスポート・チャネルに対して利用される。
【解決手段】システム・トラフィックは、異なるカテゴリーに分類される。各カテゴリーに対して、適切なサイズのOFDMシンボルが、そのカテゴリーのトラフィックに対して予想されるペイロード・サイズに基づいて選択される。例えば、制御データは、第1のサイズのOFDMシンボルを使用して送信され、ユーザ・データは、第1のサイズ及び第2のサイズのOFDMシンボルで送信され、パイロット・データは、第3のサイズ又は第1のサイズのOFDMシンボルを使用して送信される。あるイグゼンプラリな設計では、小さなOFDMシンボルが、パイロットに対して及び制御データを送るために使用されるトランスポート・チャネルに対して利用され、そして大きなOFDMシンボル及び小さなOFDMシンボルが、ユーザ・データを送るために使用されるトランスポート・チャネルに対して利用される。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、米国仮出願番号第60/421,309号、名称“MIMO WLANシステム”、2002年10月25日提出、及び米国仮出願番号第60/430,601号、名称“ワイアレス多重キャリア通信システムのためのパイロット送信スキーム”、2003年1月7日提出、に基づいて優先権を主張し、両者とも本出願の譲受人に譲渡され、全ての目的のためにその全体が引用文献としてここに組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般にデータ通信に係り、特に、直交周波数分割マルチプレクシング(orthogonal frequency division multiplexing)(OFDM)通信システム及び無線効率を増加させるOFDMシンボル・サイズを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイアレス通信システムは、音声、パケット・データ、及びその他のような種々のタイプの通信サービス提供するために広く展開されている。これらのシステムは、OFDMを利用することができる。OFDMは、ある種のワイアレス環境に対して高い性能を提供することができる変調技術である。OFDMは、全体のシステム・バンド幅を複数の(NS個の)直交サブバンドに区分する。直交サブバンドは、トーン、ビン、及び周波数サブチャネルとしても一般に呼ばれる。OFDMを用いて、各サブバンドは、データで変調されるそれぞれのキャリアと関係付けられる。
【0004】
OFDMにおいて、情報ビンのストリームは、一連の周波数ドメイン変調シンボルに変換される。1つの変調シンボルは、各OFDMシンボル期間(下記に規定される)に各NS個のサブバンド上に送信されることができる。各OFDMシンボル期間に各NS個のサブバンド上に送信されるべき変調シンボルは、NS個のサンプルを含む“変換された”シンボルを取得するために逆高速フーリエ変換(inverse fast Fourier Transform)(IFFT)を使用して時間ドメインに変換される。NS−点IFFTへの入力は、NS個の周波数ドメイン値であり、IFFTからの出力は、NS個の時間ドメイン・サンプルである。サブバンドの数は、IFFTの大きさによって決定される。IFFTの大きさの増加は、サブバンドの数を増加させ、しかも、各変換されたシンボルに対するサンプルの数を増加させる。これは、したがって、シンボルを送信するために必要な時間を増加させる。
【0005】
データ送信のために使用されるワイアレス・チャネルにおける周波数選択的フェーディングと戦うために(下記に説明される)、各変換されたシンボルの一部分は、一般に送信に先立って繰り返される。繰り返された部分は、周期的プリフィックス(cyclic prefix:周期的な識別コード)としてしばしば呼ばれ、Ncpサンプルの長さを有する。周期的プリフィックスの長さは、下記に説明されるように、一般にシステムの遅延拡散に基づいて選択され、変換されたシンボルの長さに無関係である。OFDMシンボルは、変換されたシンボル及びその周期的プリフィックスからなる。各OFDMシンボルは、NS+Ncpサンプルを含み、そして、NS+Ncpサンプル期間、これは1OFDMシンボル期間である、の長さを有する。
【0006】
OFDMシンボルの大きさと関係する周期的プリフィックスの大きさは、OFDMシステムの効率に大きな影響を有する可能性がある。周期的プリフィックスは、マルチパス環境における受信機の処理を簡略化するために、各OFDMシンボルとともに送信されなければならないが、追加の情報を搬送しない。周期的プリフィックスは、マルチパス環境において動作する代償として浪費されるはずのバンド幅としてみなされることができる。このようにして浪費されたバンド幅の割合は、式Ncp/(NS+Ncp)を使用して算出されることができる。例えば、Ncpが16サンプルであり、NSが64サンプルであるならば、20%のバンド幅が、周期的プリフィックスのオーバーヘッドに対して失われる。この割合は、比較的大きなNSの値を使用することによって減少させることができる。特に、送信されるべき情報ユニットの大きさ又はパケットの大きさが、OFDMシンボルの容量よりかなり小さい場合に、不幸にして、NSの大きな値を使用することは、非効率に導く可能性もある。例えば、各OFDMシンボルが480情報ビットを搬送できるが、大部分の一般的なパケットが96ビットを含むのであれば、パッキング効率は悪く、この一般的なパケットが送信される場合に、OFDMシンボルの容量の多くは、浪費される。
【0007】
直交周波数分割多元アクセス(orthogonal frequency division multiple-access)(OFDMA)は、大きなOFDMシンボルの使用の結果としての過剰な容量に起因する非効率性を改善する。OFDMAに関して、複数のユーザは、周波数ドメイン・マルチプレクシングを使用して大きなOFDMシンボルを共有する。これは、シグナリングに対してサブバンドのセットを確保することによって及び異なるユーザに対してサブバンドの異なるばらばらのセットを割り当てることによって達成される。しかしながら、OFDMAを使用するデータ送信は、各種の要因によって複雑になる可能性がある。例えば、異なる出力要求、伝播遅延、ドップラ周波数シフト、及び/若しくは大きなOFDMシンボルを共有している異なるユーザに対するタイミングのようなものである。
【0008】
既存のOFDMシステムは、種々の目的の折衷案である1つのOFDMシンボル・サイズを一般に選択する。種々の目的は、周期的プリフィックス・オーバーヘッドを最小にすること、及びパッキング効率を最大にすることを含むことができる。この1つのOFDMシンボル・サイズの使用は、異なるサイズのパケットを送信する場合に過剰な容量に起因する非効率性に帰結する。それゆえ、異なるサイズのパケットを送信する場合に効率よく動作するOFDMシステムに対してこの分野におけるニーズがある。
【発明の概要】
【0009】
複数の技術は、OFDMシステムに関するより大きな効率を達成するために、異なるサイズのOFDMシンボルを使用することがここに提供される。これらの技術は、周期的プリフィックス・オーバーヘッドを最小にすること及びパッケージング効率を最大にすることの両方の目的に向けられる。OFDMシンボル・サイズは、OFDMシステムにおいて送信されるようとしている異なるタイプのペイロードの予想されるサイズに基づいて選択されることができる。システム・トラフィックは、異なるカテゴリーに分類されることができる。各カテゴリーに対して、適切なサイズの1又はそれより多くのOFDMシンボルは、そのカテゴリーにおいてトラフィックに対して予想されるペイロード・サイズに基づいた使用のための選択されることができる。
【0010】
例えば、システム・トラフィックは、制御データ、ユーザ・データ、及びパイロット・データに分類されることができる。制御データは、第1のサイズのOFDMシンボルを使用して送信されることができ、ユーザ・データは、第2のサイズのOFDMシンボル及び第1のサイズのOFDMシンボルを使用して送信されることができ、そして、パイロット・データは、第3のサイズ(又は第1のサイズ)のOFDMシンボルを使用して送信されることができる。ユーザ・データは、さらにサブ−カテゴリーに分類されることができ、例えば、音声データ、パケット・データ、メッセージング・データ、及びその他のようなものである。特定のOFDMシンボル・サイズが、その後、ユーザ・データの各サブ−カテゴリーに対して選択されることができる。代案として、又は追加として、各ユーザに対するデータは、そのユーザに対して選択された特定のサイズのOFDMシンボルを使用して送信されることができる。改善されたパッキング効率のために、異なるサイズのOFDMシンボルが、パケット・ペイロードに対するOFDMシンボルの容量をより良く適合させるために所定のユーザ・データ・パケットに対して使用されることができる。
【0011】
一般に、任意の数のOFDMシンボル・サイズが、1つのOFDMシステムに対して使用されることができ、そして、いずれかの特定のOFDMシンボル・サイズが、使用のために選択されることができる。ある例示の設計では、2つのOFDMシンボル・サイズの組み合わせが、パッキング効率を最大にするために使用される。例示の設計では、(例えば、64のサブバンドを有する)小さな又は短いOFDMシンボル・サイズが、パイロット・データ及び制御データに対して使用される。ユーザ・データは、ペイロード・サイズに依存して、(例えば、256サブバンドを有する)大きな又は長いOFDMシンボル・サイズを有するゼロ又はそれより多くのOFDMシンボル及び小さなOFDMシンボル・サイズを有するゼロ又はそれより多くのOFDMシンボル内で送られることができる。
【0012】
送信機及び受信機における処理(例えば、エンコーディング、インターリービング、シンボル・マッピング、及び空間処理)は、下記に説明されるように、異なるサイズのOFDMシンボルの使用を説明する方法で実行されることができる。本発明の種々の態様及び実施形態も、下記にさらに詳細に説明される。
【0013】
本発明の特徴、本質、及び利点は、図面を使用して以下に述べる詳細な説明から、さらに明確になるであろう。図面では、一貫して対応するものは同じ参照符号で識別する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、OFDMモジュレータのブロック図を示す。
【図2】図2は、異なるサイズのOFDMシンボル及び周期的プリフィックスに与えられるオーバーヘッドを示す。
【図3A】図3Aは、異なるタイプのデータを送信するために、異なるサイズのOFDMシンボルの使用を示す。
【図3B】図3Bは、異なるタイプのデータを送信するために、異なるサイズのOFDMシンボルの使用を示す。
【図4】図4は、異なるサイズのOFDMシンボルを発生させるためにS個のステージを有するIFFTユニットを示す。
【図5】図5は、例示のMIMO−OFDMシステムを示す。
【図6】図6は、TDD MIMO−OFDMシステムに関するフレーム構造を示す。
【図7】図7は、データ・パケット及びPHYフレームに関する構造を示す。
【図8】図8は、アクセス・ポイント及び2つのユーザ端末のブロック図を示す。
【図9A】図9Aは、アクセス・ポイント及びユーザ端末に対して使用されることができる送信機ユニットのブロック図を示す。
【図9B】図9Bは、送信機ユニット内部のモジュレータのブロック図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0015】
用語“イグゼンプラリ(exemplary)”は、“例、事例、又は実例として働くこと”を意味する。“イグゼンプラリ”としてここで開示されたいずれの実施形態又は設計が、他の実施形態又は設計に対して好ましい又は優位であるとして解釈される必要性はない。
【0016】
図1は、OFDMシステムにおいて使用されることができるOFDMモジュレータ100のブロック図を示す。送信されるべきデータ(すなわち、情報ビット)は、典型的に、固有のコーディング・スキームを使用してエンコーダ(図示せず)において初めにエンコードされて、コード・ビットを発生させる。例えば、エンコーダ(図示せず)は、ブロック・コード、コンボルーション・コード、又はターボ・コードのような、順方向エラー訂正(forward error correction)(FEC)コードを利用できる。コード・ビットは、それから、B−ビット・バイナリ値にグループ化される。ここで、B≧1である。各B−ビット値は、それから、固有の変調スキーム(例えば、M−PSK又はM−QAM、ここで、M=2Bである)に基づいて特定の変調シンボルにマップされる。各変調シンボルは、その変調シンボルに対して使用された変調スキームに対応する信号コンステレーション(signal constellation)中の複素値である。
【0017】
各OFDMシンボル期間の間に、1つの変調シンボルが、データ送信に対して使用される各サブバンド上で送信されることができ、そして、ゼロの信号値が、各使用されないサブバンドに対して与えられる。逆高速フーリエ変換(IFFT)ユニット110は、各OFDMシンボル期間中の全てのNS個のサブバンドに対してNS個の変調シンボル及びゼロを逆高速フーリエ変換(IFFT)を使用して時間ドメインへ変換して、NS個のサンプルを具備する変換されたシンボルを取得する。
【0018】
周期的プリフィックス発生器120は、その後、各変換されたシンボルの一部分を繰り返して、NS+Ncp個のサンプルを具備する対応するOFDMシンボルを取得する。周期的プリフィックスは、周波数選択的フェーディング(すなわち、全体のシステム・バンド幅にわたり変化する周波数応答)と戦うために使用される。周波数選択的フェーディングは、システム中の遅延拡散によって引き起こされる。送信機に対する遅延拡散は、その送信機によって送信された信号に関して受信機において最も早く到着する信号事象と最も遅く到着する信号事象との間の差である。システムの遅延拡散は、システム中の全ての送信機及び受信機に対して予想される最悪ケースの遅延拡散である。周波数選択的フェーディングは、シンボル間干渉(inter-symbol interference)(ISI)を引き起こす。ISIは、それによって受信された信号中の各シンボルが受信された信号中の引き続くシンボルに対する歪みとして働く現象である。ISI歪みは、受信されたシンボルを正確に検出するための能力に影響を与えることによって性能を劣化させる。ISIに効果的に戦うために、周期的プリフィックスの長さは、一般的にシステムの遅延拡散に基づいて選択され、その結果、周期的プリフィックスは、全てのマルチパス・エネルギーの重要な部分を含む。周期的プリフィックスは、各OFDMシンボルに対するNcpサンプルの固定オーバーヘッドを表す。
【0019】
図2は、周期的プリフィックスに与えられる固定オーバーヘッドを含む異なるサイズのOFDMシンボルを図示する。所定のW MHzのシステム・バンド幅に対して、OFDMシンボルのサイズ又は期間は、サブバンドの数に依存する。システム・バンド幅がN点のIFFTの使用でN個のサブバンドに分割されるのであれば、結果としての変換されたシンボルは、N個のサンプルを具備し、Nサンプル期間又はN/Wμsecに広がる。図2に示されたように、システム・バンド幅は、しかも、2N点のIFFTの使用で2N個のサブバンドに分割されることができる。この場合には、結果としての変換されたシンボルは、2N個のサンプルを具備するはずであり、2Nサンプル期間に広がるはずであり、そしてNサンプルを用いて変換されたシンボルのほぼ2倍のデータ搬送容量を有するはずである。同様に、図2は、しかも、システム・バンド幅が4N点のIFFTの使用で4N個のサブバンドにどのようにして分割されることができるかを示す。結果としての変換されたシンボルは、そのようにして、4Nサンプルを具備するはずであり、Nサンプルを用いて変換されたシンボルのほぼ4倍のデータ搬送容量を有するはずである。
【0020】
図2に説明されたように、周期的プリフィックスが固定オーバーヘッドであるので、シンボル・サイズが増加するにつれて、OFDMシンボルの割合が小さくなる。他の側面から見ると、サイズ4Nの変換されたシンボルに対して、1つの周期的プリフィックスだけが必要である。これに対して、同等のサイズNの4つの変換されたシンボルに対して、4つの周期的プリフィックスが必要である。周期的プリフィックスに対するオーバーヘッドの量は、そのようにして、サイズ4Nの大きなOFDMシンボルの使用によって75%削減されることができる。(用語“大きな”と“長い”は、OFDMシンボルに対してここでは互換的に使用され、用語“小さな”と“短い”も、互換的に使用される。)図2は、(周期的プリフィックスの観点から)改善された効率が、可能な最大のサイズを有するOFDMシンボルを使用することによって達成できることを示す。使用されることができる最大のOFDMシンボルは、一般的にワイアレス・チャネルのコヒーレンス時間(coherence time)によって制約される。ワイアレス・チャネルのコヒーレンス時間は、それを超えるとワイアレス・チャネルが基本的に一定になる時間である。
【0021】
最大の可能なOFDMシンボルの使用は、その他の観点から効率的ではないことがある。特に、OFDMシンボルのデータ搬送容量が、送られるべきペイロードのサイズよりはるかに大きければ、OFDMシンボルの残りの過剰な容量は、使用されない。このOFDMシンボルの過剰な容量は、非効率性を表す。OFDMシンボルが大きすぎるのであれば、過剰容量に起因する非効率性は、周期的プリフィックスに起因する非効率性よりも大きい可能性がある。
【0022】
実例のOFDMシステムにおいて、両方のタイプの非効率性が、異なるサイズのOFDMシンボルを使用することによって最小化される。データのユニットを送信するために使用されるOFDMシンボル・サイズは、利用可能なOFDMシンボル・サイズのセットから選択されることができる。これは、順に、OFDMシステム中に送信されようとしている異なるタイプのペイロードの予想されるサイズに基づいて選択されることができる。システム・トラフィックは、異なるカテゴリーに分類されることができる。各カテゴリーに対して、適切なサイズの1又はそれより多くのOFDMシンボルは、そのカテゴリー中のトラフィックに対して予想されるペイロード・サイズ及び可能であればその他の考慮(例えば、実行の複雑性)に基づいて使用に対して選択されることができる。OFDMシンボルは、データを送るために使用されるボックスカー(boxcar)として見られることができる。適切なサイズの1又はそれより多くのボックスカーは、そのカテゴリーに対して送られるべきであると予想されるデータの量に依存するデータの各カテゴリーに対して選択されることができる。データのユニットは、同一のサイズを有する複数のボックスカー又は異なるサイズを有する複数のボックスカーを使用して送られることができる。例えば、データのユニットが、“大きな”ボックスカーの容量の2.1倍を消費するのであれば、データのユニットは、2つの“大きな”ボックスカーと1つの“小さな”ボックスカーを使用して送られることができる。
【0023】
一例として、システム・トラフィックは、3つの基本カテゴリー−制御データ、ユーザ・データ、及びパイロット・データ−に分割されることができる。制御データは、一般的に、全システム・トラフィックの小さな部分(例えば、10%以下)を構成し、小さなブロックで通常送られる。ユーザ・データは、システム・トラフィックの大部分を構成する。周期的プリフィックスのオーバーヘッドを最小にし、パッキング効率を最大にするために、短いOFDMシンボルが、制御データ及びパイロットを送るために使用されることができ、長いOFDMシンボルと短いOFDMシンボルとの組み合わせが、ユーザ・データを送るために使用されることができる。
【0024】
図3Aは、OFDMシステムにおいて異なるタイプのデータを送信するために異なるサイズのOFDMシンボルの使用を示す。単純化のために、1つのOFDMシンボル・サイズだけが、図3Aの各カテゴリー及びデータのタイプに対して使用される。一般に、任意の数のOFDMシンボル・サイズが、各カテゴリー及びデータのタイプに対して使用されることができる。
【0025】
図3Aに示されたように、パイロット・データは、サイズNSaのOFDMシンボルを使用して送信されることができ、制御データは、サイズNSbのOFDMシンボルを使用して送信されることができ、そして、異なるタイプのユーザ・データ(又は、異なるユーザに対するデータ)は、サイズNScからNSqのOFDMシンボルを使用して送信されることができる。ユーザ・データは、さらに、例えば、音声データ、パケット・データ、メッセージング・データ、及びその他のような、サブ−カテゴリーに分類されることができる。適切なOFDMシンボル・サイズは、その後、ユーザ・データの各サブ−カテゴリーに対して選択されることができる。あるいは、各ユーザに対するデータは、そのユーザに対して適切なサイズのOFDMシンボルを使用して送信されることができる。特定のユーザに対するOFDMシンボル・サイズは、例えば、送信するデータの量、ユーザに対するワイアレス・チャネルのコヒーレンス時間(coherence time)、及びその他のような、各種の考慮すべき事柄に基づいて選択されることができる。
【0026】
一般に、いずれかの数のOFDMシンボル・サイズが、OFDMシステムに対して使用されることができ、いずれかの特定のOFDMシンボル・サイズが、使用のために選択されることができる。一般的に、最小OFDMシンボル・サイズは、周期的プリフィックス・オーバーヘッドによって決定され、最大OFDMシンボル・サイズは、ワイアレス・チャネルのコヒーレンス時間によって決定される。実際的に考慮すべき事柄は、2のべき乗(例えば、32,64,128,256,512、及びその他)であるOFDMシンボル・サイズが、通常は使用のために選択される。その理由は、IFFT及び高速フーリエ変換(fast Fourier Transform)(FFT)演算を用いて時間ドメインと周波数ドメインとの間の変換が容易であるためである。
【0027】
図3Aは、時分割マルチプレックス(time division multiplexed)(TDM)方式における異なる時間セグメント中の異なるタイプのデータの送信を示す。各フレーム(これは、固有の時間の期間である)は、複数の時間セグメントに区分される。各時間セグメントは、データの固有のタイプを送信するために使用されることができる。異なるタイプのデータも、その他の方式で送信されることができ、これは本発明の範囲内である。例えば、パイロット・データ及び制御データは、同一の時間セグメント中の異なるサブバンドのセット上で送信されることができる。他の1つの例として、全てのユーザ・データは、各フレームに対して1つの時間セグメント中で送信されることができる。
【0028】
図3Aに示されたもののような、TDMフレーム構造に関して、各時間セグメントに対して使用するための固有のOFDMシンボル・サイズは、種々の方式によって決定されることができる。1つの実施形態では、各時間セグメントに対して使用するためのOFDMシンボル・サイズは、固定であり、OFDMシステム中の送信機及び受信機の両者によりアプリオリ(a priori:前もって)知られる。他の1つの実施形態では、各時間セグメントに対するOFDMシンボル・サイズは、設定可能であることがあり、例えば、各フレームに対して送られたシグナリングによって指示されることができる。しかも他の1つの実施形態では、(例えば、パイロット・データ及び制御データに対して)いくつかの時間セグメントに対するOFDMシンボル・サイズは、固定であることができ、(例えば、ユーザ・データに対して)他の時間セグメントに対するOFDMシンボル・サイズは、設定可能であることができる。後者の構成において、送信機は、後続のユーザ・データOFDMシンボルにおいて使用されるべきOFDMシンボル・サイズを送信するために固定シンボル・サイズ制御データ・チャネルを使用することができる。
【0029】
図3Bは、異なるタイプのデータに対してN及び4Nの2つの異なるOFDMシンボル・サイズの使用を示す。この実施形態において、各フレームは、パイロット・データ、制御データ、及びユーザ・データに対して3つの時間セグメントに区分される。パイロット・データ及び制御データは、サイズNのOFDMシンボルを使用して送信され、ユーザ・データは、サイズ4NのOFDMシンボル及びサイズNのOFDMシンボルを使用して送信される。1又は複数のサイズNのOFDMシンボルは、パイロット・データ及び制御データのための時間セグメントの各々に対して送信されることができる。ゼロ又は複数のサイズ4NのOFDMシンボル及びゼロ又は複数のサイズNのOFDMシンボルは、ユーザ・データのための時間セグメントに対して送信されることができる。
【0030】
図4は、異なるサイズのOFDMシンボルを発生させることができる可変サイズIFFTユニット400の実施形態を示す。IFFTユニット400は、S個のステージを含む。ここで、S=log2Nmaxであり、Nmaxは、発生されるべき最大のOFDMシンボルのサイズである。各OFDMシンボル期間に対する変調シンボルは、ゼロ挿入及びソーティング・ユニット410に与えられる。ユニット410は、変調シンボルを、例えばビットの逆順序で、ソートし、小さなOFDMシンボルが発生されようとしている場合には、適切な数のゼロを挿入する。ユニット410は、Nmax個のソートされた変調シンボル及びゼロを第1のバタフライ・ステージ420aへ与える。第1のバタフライ・ステージ420aは、2点逆離散フーリエ変換(discrete Fourier transform)(DFT)に対するバタフライ計算のセットを実施する。第1のバタフライ・ステージ420aからの出力は、その後、後続のバタフライ・ステージ420bから420sの各々によって処理される。各バタフライ・ステージ420は、この分野において知られるように、そのステージに対して適用できる係数のセットを用いてバタフライ操作のセットを実行する。
【0031】
最後のバタフライ・ステージ420sからの出力は、セレクタ・ユニット430へ与えられる。セレクタ・ユニット430は、各OFDMシンボルに対して時間ドメイン・サンプルを与える。Nmax点IFFTを実行するために、全てのバタフライ・ステージがイネーブルされ、Nmax個のサンプルがセレクタ・ユニット430によって与えられる。Nmax/2点IFFTを実行するために、最後のバタフライ・ステージ420sを除く全てがイネーブルされ、Nmax/2個のサンプルがセレクタ・ユニット430によって与えられる。Nmax/4点IFFTを実行するために、最後の2つのバタフライ・ステージ420r及び420sを除く全てがイネーブルされ、Nmax/4個のサンプルがセレクタ・ユニット430によって与えられる。制御ユニット440は、現在のOFDMシンボル期間に対して使用するために固有のOFDMシンボル・サイズの指示を受信し、ユニット410と430及びバタフライ・ステージ420に対して制御信号を与える。
【0032】
IFFTユニット400は、時間削減(decimation-in-time)IFFTアルゴリズム又は周波数削減(decimation-in-frequency)IFFTアルゴリズムを実行できる。さらに、基数(radix)4のIFFTがより効率的であるが、IFFTユニット400は、基数4又は基数2のIFFTを実行できる。IFFTユニット400は、1又は複数のバタフライ計算ユニットを含むように設計されることができる。極端な場合には、1個のバタフライ計算ユニットは、時間分割されたIFFTインプリメンテーションに対して使用されることができ、Nmax/基数のバタフライ計算ユニットは、完全に並列のIFFTインプリメンテーションに対して使用されることができる。一般的に、必要とされるバタフライ計算ユニットの数は、これらのユニットに対するクロック速度、OFDMシンボル・レート、及び最大IFFTサイズにより決定される。メモリ管理とともにこれらのバタフライ計算ユニットの適切な制御は、1個のIFFTユニットを使用して実行されようとしている異なるサイズのIFFTを可能にする。
【0033】
図1において上記に説明されたように、周期的プリフィックス発生器120は、セレクタ・ユニット430によって出力された各変換されたシンボルの一部分を繰り返して、各OFDMシンボルに対する周期的プリフィックスを与える。同じ周期的プリフィックス長は、異なるサイズのOFDMシンボルに対して使用されることができ、上記に説明されたようにシステムの遅延拡散に基づいて選択されることができる。周期的プリフィックス長も、設定可能である可能性がある。例えば、各受信機に対して使用される周期的プリフィックス長は、受信機の遅延拡散に基づいて選択されることができる。これは、システムの遅延拡散より短いことがある。設定された周期的プリフィックス長は、受信機へ信号として送られることができる、若しくは、何らかの他の手段によって受信機に知らせられることができる。
【0034】
異なるサイズのOFDMシンボルは、各種のタイプのOFDMシステムにおいて有利に使用されることができる。例えば、複数のOFDMシンボル・サイズは、下記に対して使用されることができる。(1)送信及び受信に対して1個のアンテナを使用する単一入力単一出力OFDMシステム、(2)送信に対して複数のアンテナ及び受信に対して1個のアンテナを使用する多元入力単一出力OFDMシステム、(3)送信に対して1個のアンテナ及び受信に対して複数のアンテナを使用する単一入力多元出力OFDMシステム、及び(4)送信及び受信に対して複数のアンテナを使用する多元入力多元出力OFDMシステム(すなわち、MIMO−OFDMシステム)である。複数のOFDMシンボル・サイズは、しかも、下記に対しても使用されることができる。(1)ダウンリンク及びアップリンクに対して異なる周波数バンドを使用する周波数分割デュプレックス(frequency division duplexed)(FDD)OFDMシステム、及び(2)時間シェア方式でダウンリンク及びアップリンクの両者に対して1つの周波数バンドを使用する時分割デュプレックス(time division duplexed)(TDD)OFDMシステムである。
【0035】
イグゼンプラリなTDD MIMO−OFDMシステムにおける異なるサイズのOFDMシンボルの使用が、下記に説明される。
【0036】
I. TDD MIMO−OFDMシステム
図5は、複数のアクセス・ポイント(access point)(AP)510を有するイグゼンプラリなMIMO−OFDMシステム500を示す。アクセス・ポイント510は、複数のユーザ端末(user terminal)(UT)520に対する通信をサポートする。単純化のために、2つのアクセス・ポイント510a及び510bだけが、図5に示される。アクセス・ポイントは、ユーザ端末と通信するために使用される固定局であり、しかも、基地局又はある種の他の用語で呼ばれることができる。ユーザ端末も、アクセス端末、移動局、ユーザ装置(user equipment)(UE)、ワイアレス装置、又はある種の他の用語で呼ばれることができる。ユーザ端末520は、システム全体にわたって分散される可能性がある。各ユーザ端末は、固定又は移動端末である可能性があり、任意の所定の瞬間においてダウンリンク及び/又はアップリンク上で1個の又は可能であれば複数のアクセス・ポイントと通信できる。ダウンリンク(すなわち、順方向リンク)は、アクセス・ポイントからユーザ端末への通信リンクを呼び、アップリンク(すなわち、逆方向リンク)は、ユーザ端末からアクセス・ポイントへの通信リンクを呼ぶ。
【0037】
図5において、アクセス・ポイント510aは、ユーザ端末520aから520fと通信し、アクセス・ポイント510bは、ユーザ端末520fから502kと通信する。システム・コントローラ530は、アクセス・ポイント510に接続し、下記のような複数の機能を実行するために設計されることができる。例えば、(1)自身に接続されたアクセス・ポイントに関する調整及び制御、(2)これらのアクセス・ポイント間のデータの転送、及び(3)これらのアクセス・ポイントによってサービスされるユーザ端末との通信のアクセス及び制御、である。
【0038】
図6は、MIMO−OFDMシステム500に対して使用されることができるイグゼンプラリなフレーム構造600を示す。データ送信は、各々が固有の時間の期間(例えば、2msec)に及ぶ、TDDフレームの単位で生じる。各TDDフレームは、1個のダウンリンク段階及び1個のアップリンク段階に区分され、各ダウンリンク段階又はアップリンク段階は、複数のトランスポート・チャネルのための複数のセグメントにさらに区分される。図6に示された実施形態では、ダウンリンク・トランスポート・チャネルは、同報通信チャネル(broadcast channel)(BCH)、順方向制御チャネル(forward control channel)(FCCH)、及び順方向チャネル(forward channel)(FCH)を含み、及びアップリンク・トランスポート・チャネルは、逆方向チャネル(reverse channel)(RCH)及びランダム・アクセス・チャネル(random access channel)(RACH)を含む。
【0039】
ダウンリンク上で、BCHセグメント610は、1つのBCHプロトコル・データ・ユニット(protocol data unit)(PDU)612を送信するために使用される。PDU612は、ビーコン・パイロットのための部分618、MIMOパイロットのための部分616、及びBCHメッセージのための部分618を含む。BCHメッセージは、システム中のユーザ端末に関するシステム・パラメータを搬送する。FCCHセグメント620は、1つのFCCH PDUを送信するために使用される。FCCH PDUは、ダウンリンク及びアップリンク・リソース割り当て及びユーザ端末に対するその他のシグナリングを搬送する。FCHセグメント630は、ダウンリンク上で1又はそれより多くのFCH PDU632を送信するために使用される。異なるタイプのFCH PDUが、規定されることができる。例えば、1つのFCH PDU632aは、パイロットのための部分634a(例えば、ステアド基準(steered reference))及びデータ・パケットのための部分636aを含む。パイロット部分は、“プリアンブル(preamble)”としても呼ばれる。FCH PDU632bは、データ・パケットのための1個の部分636bを含む。異なるタイプのパイロット(ビーコン・パイロット、MIMOパイロット、及びステアド基準)は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に説明されている。
【0040】
アップリンク上で、RCHセグメント640は、アップリンク上に1又はそれより多くのRCH PDU642を送信するために使用される。異なるタイプのRCH PDUも、規定されることができる。例えば、RCH PDU642aは、データ・パケットのための部分646aを含む。RCH PDU642bは、パイロット(例えば、ステアド基準)のための部分644b及びデータ・パケットのための部分646bを含む。RACHセグメント650は、システムへのアクセスを得るために及びアップリンク上でショート・メッセージを送るためにユーザ端末によって使用される。RACH PDU652は、RACHセグメント650中で送られることができ、パイロット(例えば、ステアド基準)のための部分654及びメッセージのための部分656を含む。
【0041】
部分及びセグメントの期間は、図6に一定の縮尺で描かれていない。図6に示されたフレーム構造及びトランスポート・チャネルは、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に詳細に説明されている。
【0042】
異なるトランスポート・チャネルが、異なるタイプのデータに関連付けられることができるので、適切なOFDMシンボル・サイズは、各トランスポート・チャネルに対する使用のために選択されることができる。大量のデータが所定のトランスポート・チャネル上で送信されることが予想されるのであれば、大きなOFDMシンボルがそのトランスポート・チャネルに対して使用されることができる。周期的プリフィックスは、大きなOFDMシンボルのより小さな割合になるはずであり、より大きな効率が達成されることができる。逆に言えば、小さな量のデータが所定のトランスポート・チャネル上で送信されることが予想されるのであれば、小さなOFDMシンボルがそのトランスポート・チャネルに対して使用されることができる。周期的プリフィックスが小さなOFDMシンボルの大きな割合になるけれども、より大きな効率が過剰な容量の量を削減することによってまだ達成されることができる。
【0043】
そのようにして、より高い効率を得るために、各トランスポート・チャネルに対するOFDMシンボル・サイズは、そのトランスポート・チャネル上に送信されようとしているデータのタイプに対して予想されるペイロード・サイズに適合するように選択されることができる。異なるOFDMシンボル・サイズは、異なるトランスポート・チャネルに対して使用されることができる。さらに、複数のOFDMシンボル・サイズが、所定のトランスポート・チャネルに対して使用されることができる。例えば、FCH及びRCHに対する各PDUタイプは、そのPDUタイプに対して適切なOFDMシンボル・サイズに関係付けられる可能性がある。大きなOFDMシンボルは、大きなサイズのFCH/RCH PDUタイプに対して使用されることができ、そして、小さなOFDMシンボルは、小さなサイズのFCH/RCH PDUタイプに対して使用されることができる。
【0044】
単純化のために、イグゼンプラリな設計が小さなOFDMシンボル・サイズNS1=64及び大きなOFDMシンボル・サイズNS2=256を使用して下記に説明される。このイグゼンプラリな設計では、BCH,FCCH,及びRACHは、小さなOFDMシンボルを利用し、そしてFCH及びRCHは、適宜、小さなOFDMシンボルと大きなOFDMシンボルの両方を利用する。その他のOFDMシンボル・サイズも、トランスポート・チャネルに対して使用されることができ、これは本発明の範囲内である。例えば、サイズNS3=128の大きなOFDMシンボルが、FCH及びRCHに対して代わりに又は追加として使用されることができる。
【0045】
このイグゼンプラリな設計のために、小さなOFDMシンボルに対する64のサブバンドは、−32から+32のインデックスを割り当てられる。これらの64のサブバンドの中で、(例えば、±{1,...,6,8,...,20,22,...,26}のインデックスを有する)48のサブバンドがデータに対して使用され、データ・サブバンドとしてよばれ、(例えば、±{7,21}のインデックスを有する)4つのサブバンドがパイロット及び可能であればシグナリングに対して使用され、(0のインデックスを有する)DCサブバンドは使用されず、そして、残りのサブバンドも、使用されず、ガード・サブバンドとして働く。このOFDMサブバンド構造は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に説明されている。
【0046】
大きなOFDMシンボルに対する256のサブバンドは、−128から+127のインデックスを割り当てられる。小さなOFDMシンボルに対するサブバンドは、下記に基づいて大きなOFDMシンボルに対するサブバンドにマップされることができる:
l=4k+i 式(1)
ここで、kは、短いOFDMシンボル(k=−32,...+31)中のサブバンドに対するインデックスであり;
iは、i=0,1,2,3の範囲を有するインデックス・オフセットであり;及び
lは、長いOFDMシンボル(l=−128,...+127)中のサブバンドに対するインデックスであるである。
【0047】
このイグゼンプラリな設計に関して、システム・バンド幅は、W=20MHzであり、周期的プリフィックスは、BCH,FCCH,及びRACHに対してNcp1=16サンプルであり、そして、周期的プリフィックスは、FCH及びRCHに対してNcp2=8又は16として設定可能である。BCH,FCCH,及びRACHに対して使用される小さなOFDMシンボルは、そこで、Nos1=80サンプルすなわち4.0μsecのサイズを有するはずである。Ncp2=16が使用のために選択されるのであれば、FCH及びRCHに対して使用される大きなOFDMシンボルは、そこで、Nos2=272サンプルすなわち13.6μsecのサイズを有するはずである。
【0048】
このイグゼンプラリな設計に関して、BCHセグメントは、80μsecの固定期間を有し、残りのセグメントのそれぞれは、可変期間を有する。各TDDフレームに関して、FCH及びRCHセグメントの開始に関連するFCH及びRCH上に送られる各PDUの開始及びTDDフレームの開始に関連するRACHセグメントの開始は、FCCHセグメント中で送られるFCCHメッセージ中に与えられる。異なるOFDMシンボル・サイズが、異なるシンボル期間に関係付けられる。異なるOFDMシンボル・サイズが異なるトランスポート・チャネルに対して使用される(そして、異なるOFDMシンボル・サイズが、しかも同じトランスポート・チャネルに対しても使用される)ので、FCH及びRCH PDUに対するオフセットは、適切な時間分解能で指定される。上記に説明されたイグゼンプラリな設計に関して、時間分解能は、800nsecの周期的プリフィックス長であることができる。2msecのTDDフレームに関して、12ビット値が、各FCH/RCH PDUの開始を指示するために使用されることができる。
【0049】
図7は、FCH又はRCH上のFCH又はRCH PDU中で送られることができる データ・パケット636xに関するイグゼンプラリな構造を説明する。データ・パケットは、整数の数のPHYフレーム710を使用して送られる。各PHYフレーム710は、PHYフレームに対するデータを搬送するペイロード・フィールド722、PHYフレームに対するCRC値のためのCRCフィールド724、及びエンコーダを洗い流すために使用されるゼロのセットのためのテール・ビット・フィールド726を含む。データ・パケットに対する第1のPHYフレーム710aは、メッセージ・タイプ及び期間を示すヘッダ・フィールド720をさらに含む。データ・パケットに対する最後のPHYフレーム710mは、パッド・ビット・フィールド728をさらに含む。パッド・ビット・フィールド728は、最後のPHYフレームを埋めるためにペイロードの終わりにゼロのパッディング・ビットを含む。このPHYフレーム構造は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号にさらに詳細に説明されている。1個のアンテナがデータ送信に対して使用されるのであれば、各PHYフレーム710は、1つのOFDMシンボル750を取得するために処理されることができる。
【0050】
同じPHYフレーム構造は、BCH又はFCCH上に送られたメッセージに対して使用されることができる。特に、BCH/FCCHメッセージは、整数の数のPHYフレームを使用して送られることができ、その各々は、1つのOFDMシンボルを取得するために処理されることができる。複数のOFDMシンボルは、BCH/FCCHメッセージに対して送信されることができる。
【0051】
図7に示された実施形態に関して、データの1つのPHYフレームは、各OFDMシンボル中で送られる。異なるPHYフレーム・サイズは、異なるOFDMシンボル・サイズに対して使用されることができる。データの各PHYフレームは、特定のコーディング・スキームに基づいてコード化されることができ、そして個々のPHYフレームがチェックされ、必要であるならば再送信されることを可能にするCRC値をさらに含むことができる。各PHYフレーム中で送られる可能性がある情報ビットの数は、そのPHYフレームに対して選択されたコーディング・スキーム及び変調スキームに依存する。表1は、MIMO−OFDMシステムに対して使用されることができるレートのセット、及び各レートに対して、NS1=64及びNS2=256の2つのOFDMシンボル・サイズに対する2つのPHYフレーム・サイズに関する種々のパラメータを記載する。
【表1】
【0052】
上記に説明されたイグゼンプラリな設計に対して、小さなPHYフレーム及び小さなOFDMシンボルが、BCH及びFCCHに対して使用される。小さな及び大きなPHYフレーム並びに小さな及び大きなOFDMシンボルの両者は、FCH及びRCHに対して使用されることができる。一般に、データ・パケットは、任意の数の大きなOFDMシンボル及び若干の数の小さなOFDMシンボルを使用して送られることができる。大きなOFDMシンボルが、小さなOFDMシンボルの大きさの4倍であるならば、データ・パケットは、NL個の大きなOFDMシンボル及びNSM個の小さなOFDMシンボルを使用して送信されることができる(ここで、NL≧0そして3≧NSM≧0である)。NL個の大きなOFDMシンボルの終わりのNSM個の小さなOFDMシンボルは、使用されない容量の量を削減する。異なるサイズのOFDMシンボルは、このようにして、パッキング効率を最大にするためにパケット・ペイロードに対してOFDMシンボルの容量をよりよく適合させるために使用されることができる。
【0053】
データ送信のために使用されたOFDMシンボル・サイズは、種々の方式で受信機へ与えられることができる。1つの実施形態では、FCCHは、FCH及びRCH上に送信された各データ・パケットの開始、及びパケットのレートを与える。ある種のその他の同等の情報は、しかも、受信機へ信号で送られることができる。受信機は、それから送られようとしている各データ・パケットのサイズ、そのデータ・パケットに対して使用される長いOFDMシンボル及び短いOFDMシンボルの数、及び各OFDMシンボルの開始、を決定できる。この情報は、その後、受信機によって使用されて、各受信されたOFDMシンボルに対して実行されるべきFFTのサイズを決定し、そして、FFTのタイミングを適切に合わせる。他の1つの実施形態では、各データ・パケットの開始及びそのレートは、受信機へ信号で送られない。この場合には、“ブラインド(blind:手探り)”検出が使用されることができ、受信機は、16サンプル(すなわち、周期的プリフィックス長)毎に1回FFTを実行でき、そして、PHYフレーム中に含まれるCRC値をチェックすることによって、PHYフレームが送られたかどうかを決定できる。
【0054】
MIMO−OFDMシステム500中のアクセス・ポイントとユーザ端末の所定の組み合わせに対して、MIMOチャネルは、アクセス・ポイントにおけるNap個のアンテナとユーザ端末におけるNut個のアンテナによって形成される。MIMOチャネルは、Nc≦min{Nap,Nut}である、Nc個の独立したチャネルに分解されることができる。Nc個の独立したチャネルの各々も、MIMOチャネルの固有モードとして呼ばれる。ここで、“固有モード”は、通常、理論的な構成を呼ぶ。最大Nc個までの独立したデータ・ストリームは、MIMOチャネルのNc個の固有モード上に同時に送られることができる。MIMOチャネルは、しかも、データ送信に対して使用されることができるNc個の空間チャネルを含んでいるように見られることができる。送信機における空間処理がデータ・ストリームを良好に直交化したかどうかに依存して、各空間チャネルは、固有モードに対応することがある、若しくは対応しないことがある。
【0055】
MIMO−OFDMシステムは、複数の送信モードをサポートするために設計されることができる。表2は、複数のアンテナを装備したユーザ端末のためにダウンリンク及びアップリンクに対して使用されることができる送信モードを記載する。
【表2】
【0056】
ビーム−ステアリング・モードに関して、選択されたモードの1つのPHYフレームは、最高の空間チャネル上での送信のために各OFDMシンボル期間にわたり発生されることができる。このPHYフレームは、変調シンボルのセットを取得するために、初めに処理される。この変調シンボルは、それから空間的に処理されて、NT個の送信アンテナに対する送信シンボルのNT個のセットを取得する。各アンテナに対する送信シンボルのセットは、そのアンテナに対するOFDMシンボルを取得するためにさらに処理される。
【0057】
空間マルチプレキシング・モードに対して、同じレート又は異なるレートのNc個までのPHYフレームは、Nc個の空間チャネル上での送信のために各OFDMシンボル期間にわたって発生されることができる。Nc個までのPHYフレームは、変調シンボルのNc個までのセットを取得するために初めに処理される。変調シンボルのセットは、その後、NT個の送信アンテナに対する送信シンボルのNT個のセットを取得するために空間的に処理される。各アンテナに対する送信シンボルのセットは、そのアンテナに対するOFDMシンボルを取得するためにさらに処理される。
【0058】
ビーム−ステアリング・モード及び空間マルチプレキシング・モードのための送信機及び受信機における処理は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に詳細に説明される。ビーム−ステアリング・モード及び空間マルチプレキシング・モードのための空間処理は、長いOFDMシンボルに対してより多くのサブバンドを有するにも拘らず、短いOFDMシンボル及び長いOFDMシンボルの両者に対して基本的に同じである。ダイバーシティ・モードは、下記に説明される。
【0059】
ある実施形態では、ダイバーシティ・モードは、サブバンド当りの基準でデュアル送信ダイバーシティに対して空間−時間送信ダイバーシティ(space-time transmit diversity)(STTD)を利用する。STTDは、受信機における直交性を維持する一方で、2つの送信アンテナ上で独立したシンボル・ストリームの同時の送信をサポートする。
【0060】
STTDスキームは、下記のように動作する。s1及びs2として表される2つの変調シンボルは、所定のサブバンド上で送信されようとしていると仮定する。送信機は、2つのベクトル、すなわちSTTDシンボル、x1=[s1 s*2]T及びx2=[s2 −s*1]Tを発生する。ここで、各STTDシンボルは、2つの要素を含み、“*”は、共役複素数を表し、そして、“T”は、転置を表す。あるいは、送信機は、2つのSTTDシンボル、x1=[s1 s2]T及びx2=[−s*2 s*1]Tを発生することができる。いずれの場合でも、各STTDシンボル中の2つの要素は、一般に、それぞれの送信アンテナから2つのOFDMシンボル期間に連続して送信される(すなわち、STTDシンボルx1は、2つのOFDMシンボル期間にアンテナ1から送信され、そしてSTTDシンボルx2は、同じ2つのOFDMシンボル期間にアンテナ2から送信される)。各STTDシンボルの期間は、このように2つのOFDMシンボル期間である。
【0061】
大きなOFDMシンボルに対するSTTD処理に関係付けられたバッファリング及び処理遅延を最小にすることが望ましい。ある実施形態では、2つのSTTDシンボルx1及びx2は、2つのアンテナから1対のサブバンド上に同時に送信される。2つのSTTDシンボルx1=[s1 s2]T及びx2=[−s*2 s*1]Tに対して、STTDシンボルx1に対する2つの要素s1及びs2は、2つのアンテナからサブバンドk上に送信されることができ、STTDシンボルx2に対する2つの要素−s*2及びs*1は、同じ2つのアンテナからサブバンドk+1上に送信されることができる。
【0062】
送信機が複数のアンテナを含むのであれば、異なる対のアンテナが、ダイバーシティ・モードにおける各データ・サブバンドに対する使用のために選択されることができる。表3は、4つの送信アンテナを使用するSTTDスキームのためのイグゼンプラリなサブバンド−アンテナ割り当てスキームを記載する。
【表3】
【0063】
表3に示された実施形態に関して、送信アンテナ1及び2は、インデックス−26を有する短いOFDMサブバンドに対して使用され、送信アンテナ3及び4は、インデックス−25を有する短いOFDMサブバンドに対して使用される、等である。サブバンド−アンテナ割り当ては、下記のようである。(1)4つの送信アンテナを用いた6つの可能なアンテナの対のそれぞれは、8つのデータ・サブバンドに対して使用される、これは、48のデータ・サブバンドにわたり一様に分布される、及び(2)サブバンド割り当てに対するアンテナ組み合わせは、異なるアンテナが隣接するサブバンドに対して使用されるようにされ、これは、より大きな周波数ダイバーシティ及び空間ダイバーシティを提供できる。表3に示されたサブバンド−アンテナ割り当てスキームは、しかも、短いOFDMサブバンド・インデックスと長いOFDMサブバンド・インデックスとの間の式(1)に示されたマッピングに基づいて長いOFDMシンボルに対して使用される。例えば、送信アンテナ1及び2は、インデックス{−104,−103,−102,−101}を有する長いOFDMサブバンドに対して使用されることができ、これらは、インデックス−26を有する短いOFDMサブバンドに関係付けられている。
【0064】
ダイバーシティ・モードに対する送信機及び受信機における処理は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に詳細に説明されている。
1.物理レイヤ処理
図8は、MIMO−OFDMシステム500内部の1つのアクセス・ポイント510x及び2つのユーザ端末520x及び520yの実施形態のブロック図を示す。
【0065】
ダウンリンク上で、アクセス・ポイント510xにおいて、送信(TX)データ・プロセッサ810は、データ・ソース808からのユーザ・データ(すなわち、情報ビット)を受信し、コントローラ830及びおそらくスケジューラ834からの制御データ及びその他のデータを受信する。コントローラ830及びスケジューラ834の機能は、1個のプロセッサ又は複数のプロセッサによって実行されることができる。これらの種々のタイプのデータは、異なるトランスポート・チャネル上に送られることができる。TXデータ・プロセッサ810は、1又はそれより多くのコーディング・スキーム及び変調スキームに基づいて異なるタイプのデータを処理し、データ送信に使用されようとしている各空間チャネルに対して変調シンボルのストリームを与える。TX空間プロセッサ820は、TXデータ・プロセッサ810から1又はそれより多くの変調シンボル・ストリームを受信し、各送信アンテナに対して1つの“送信”シンボルのストリームを与えるために変調シンボルに空間処理を実施する。プロセッサ810及び820による処理は、下記に説明される。
【0066】
各モジュレータ(MOD)822は、それぞれの送信シンボル・ストリームを受信し、処理して、OFDMシンボルの対応するストリームを与える。OFDMシンボルは、さらに処理されて、対応するダウンリンク信号を与える。Nap個のモジュレータ822aから822apからのダウンリンク信号は、それから、それぞれNap個のアンテナ824aから824apから送信される。
【0067】
各ユーザ端末520において、1又は複数のアンテナ852は、送信されたダウンリンク信号を受信する、そして、各アンテナは、それぞれのデモジュレータ(DEMOD)854へ受信機入力信号を与える。各デモジュレータ854は、モジュレータ822において実行された処理に対して相補的な処理を実行し、そして“受信された”シンボルを与える。受信(RX)空間プロセッサ860は、その後、全てのデモジュレータ854から受信されたシンボルに空間処理を実行して、“再生された”シンボルを与える。再生されたシンボルは、アクセス・ポイントによって送られた変調シンボルの推定値である。
【0068】
RXデータ・プロセッサ870は、受信し、再生されたシンボルを自身のそれぞれのトランスポート・チャネルへデマルチプレックスする。各トランスポート・チャネルに対する再生されたシンボルは、そのトランスポート・チャネルに対するデコードされたデータを与えるために処理されることができる。各トランスポート・チャネルに対するデコードされたデータは、再生されたユーザ・データ、制御データ、及びその他を含むことができる。これは、記憶のためにデータ・シンク872へ与えられることができ、及び/又はさらに処理するためにコントローラ880へ与えられることができる。
【0069】
ダウンリンクに関するアクセス・ポイント510及びユーザ端末520による処理は、下記に、及び前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号にさらに詳細に説明される。アップリンクに関する処理は、ダウンリンクに関する処理と同じである可能性があり、又は異なる可能性がある。
【0070】
ダウンリンクに関して、各アクティブなユーザ端末520において、RX空間プロセッサ860は、ダウンリンク・チャネルをさらに推定し、チャネル状態情報(channel state information)(CSI)を与える。CSIは、チャネル応答推定値、受信されたSNR、及びその他を含むことができる。RXデータ・プロセッサ870は、しかも、ダウンリンク上で受信された各パケット/フレームの状態を与えることができる。コントローラ880は、チャネル状態情報及びパケット/フレーム状態を受信し、アクセス・ポイントへ送り返されるべきフィードバック情報を決定する。コントローラ880は、ステアリング・ベクトルを取得するためにダウンリンク・チャネル推定値をさらに処理することができる。ステアリング・ベクトルは、アクセス・ポイントへステアド基準を送信するために使用され、そしてダウンリンク・データの受信及びアップリンク・データの送信の空間処理のために使用される。フィードバック情報及びアップリンク・データは、TXデータ・プロセッサ890によって処理され、パイロット・データを用いてマルチプレックスされかつ(もし、存在するならば)TX空間プロセッサ892によって空間的に処理され、1又はそれより多くのデモジュレータ854によって調整されて、1又はそれより多くのアンテナ852を介してアクセス・ポイントへ送り返される。
【0071】
アクセス・ポイント510において、送信されたアップリンク信号は、ユーザ端末において実行された方式に対して相補的な方式で、アンテナ824によって受信され、デモジュレータ822によって復調され、そしてRX空間プロセッサ840及びRXデータ・プロセッサ842によって処理される。再生されたフィードバック情報は、その後、コントローラ830及びスケジューラ834へ与えられる。スケジューラ834は、下記のような複数の機能を実行するために、フィードバック情報を使用することができる。(1)ダウンリンク及びアップリンク上でのデータ送信のためにユーザ端末のセットを選択すること、(2)選択されたユーザ端末に対するレートを選択すること、及び(3)選択された端末への利用可能なFCH/RCHリソースを割り当てること、である。コントローラ830は、下記に説明されるように、ダウンリンク送信の処理のためにアップリンク送信から取得された情報(例えば、ステアリング・ベクトル)をさらに使用できる。
【0072】
コントローラ830及び880は、それぞれ、アクセス・ポイント及びユーザ端末における各種の処理ユニットの動作を制御する。例えば、コントローラ830は、ダウンリンク上に送られた各データ・パケットのペイロード・サイズを決定でき、そして各ダウンリンク・データ・パケットに対する適切なサイズのOFDMシンボルを選択できる。対応して、コントローラ880は、アップリンク上に送られた各データ・パケットのペイロード・サイズを決定でき、そして各アップリンク・データ・パケットに対する適切なサイズのOFDMシンボルを選択できる。
【0073】
OFDMシンボル・サイズ選択は、ダウンリンク及びアップリンクに対して異なる方式で実行されることができる。1つの実施形態では、コントローラ830及び/又はスケジューラ834は、ダウンリンク及びアップリンクの両者に対して使用するために特定のOFDMシンボル・サイズを決定する。他の1つの実施形態では、送信機におけるコントローラは、送信に対して使用するために特定のOFDMシンボル・サイズを決定する。OFDMシンボル・サイズ選択は、それから、受信機へ(例えば、オーバーヘッド・チャネル上のシグナリング若しくは送信自身の内部のシグナリングを介して)与えられることができる。さらに他の1つの実施形態では、受信機におけるコントローラは、送信に対して使用するために特定のOFDMシンボル・サイズを決定し、そしてOFDMシンボル・サイズ選択は、それから、送信機へ与えられる。OFDMシンボル・サイズ選択は、各種の様式で与えられることができる。例えば、所定の送信に対して使用するための特定のOFDMシンボル・サイズは、その送信に関するスケジューリング情報から導き出されることができる。これは、例えば、送信に対して使用するための送信モード、空間チャネル、レート、及び時間間隔を含むことができる。スケジューリング情報は、コントローラ830及び/又はスケジューラ834、送信機におけるコントローラ、又は受信機におけるコントローラによって発生されることができる。
【0074】
ダウンリンク及びアップリンクの両者に関して、各データ・パケットに対して使用するために大きなOFDMシンボル及び小さなOFDMシンボルの特定の組み合わせは、パケット・ペイロード・サイズ及び利用可能なOFDMシンボル・サイズの各々に対するOFDMシンボル容量に依存する。各データ・パケットに対して、コントローラは、必要とされるできるだけ多くの大きなOFDMシンボルを選択でき、そしてそこで、データ・パケットに対して1又はそれより多くの追加の小さなOFDMシンボルを適切に選択する。この選択は、下記のように実行されることができる。2つのOFDMシンボル・サイズが(例えば、64のサブバンド及び256のサブバンドを用いて)使用されると仮定すると、小さなOFDMシンボルのデータ搬送容量は、TSM=48変調シンボルであり、そして大きなOFDMシンボルのデータ搬送容量は、TL=192変調シンボルである。変調及びコーディング・スキームは、変調シンボル当りMの情報ビットが送られることを可能にする。小さなOFDMシンボルの容量は、そこでCSM=48・M情報ビットであり、そして、大きなOFDMシンボルの容量は、CL=192・M情報ビットである。データ・パケットが長さでNFビットであるとする。コントローラは、2つの中間値、l及びm、を下記のように算出する:
l=int[Np/CL] ,そして 式(2)
m=ceiling[(Np−l・CL)/CSM] 式(3)
ここで、aに対する“int”演算は、aの整数値を与え、bに対する“ceiling”演算は、bに関する2番目に大きい整数値を与える。もし、m<4であれば、データ・パケットに対して使用する大きなOFDMシンボルの数は、NL=lであり、使用する小さなOFDMシンボルの数は、NSM=mである。それ以外は、もし、m=4であれば、データ・パケットに対して使用する大きなOFDMシンボルの数は、NL=l+1であり、使用する小さなOFDMシンボルの数は、NSM=0である。
【0075】
コントローラ830及び880は、それぞれモジュレータ/デモジュレータ822及び854へOFDMシンボル・サイズ制御信号を与える。アクセス・ポイントにおいて、OFDMシンボル・サイズ制御信号は、ダウンリンク送信のためのIFFT演算のサイズを決定するためにモジュレータによって使用され、そして、しかもアップリンク送信のためのFFT演算のサイズを決定するためにデモジュレータによって使用される。ユーザ端末において、OFDMシンボル・サイズ制御信号は、ダウンリンク送信のためのFFT演算のサイズを決定するために(複数の)デモジュレータによって使用され、そして、しかもアップリンク送信のためのIFFT演算のサイズを決定するために(複数の)モジュレータによって使用される。メモリ・ユニット832及び882は、それぞれコントローラ830及び880によって使用されるデータ及びプログラム・コードを記憶する。
【0076】
図9Aは、アクセス・ポイント及びユーザ端末の送信機部分に対して使用されることができる送信機ユニット900の1つの実施形態のブロック図を示す。TXデータ・プロセッサ810の内部で、フレーミング・ユニット910は、FCH又はRCH上に送信されるべき各パケットのためにデータを“フレーミング”する。フレーミングは、図7に説明されたように実行されることができて、各ユーザ・データ・パケットに対して1又はそれより多くのPHYフレームを与える。フレーミングは、その他のトランスポート・チャネルに対して省略されることがある。スクランブラ912は、その後、データをランダムにするために、各トランスポート・チャネルに対するフレーミングされたデータ/フレーミングされていないデータをスクランブルする。
【0077】
エンコーダ914は、選択されたコーディング・スキームにしたがってスクランブルされたデータをコード化して、コード・ビットを与える。エンコーディングは、データ送信の信頼性を高める。繰り返し/パンクチャ・ユニット916は、それから、各PHYフレームに対する所望のコード・レートを取得するために、コード・ビットのいくつかを繰り返す又はパンクチャする(すなわち、削除する)のどちらかを行う。あるイグゼンプラリな実施形態では、エンコーダ914は、レート1/2、コンストレイント長(constraint length)7、バイナリ・コンボルーショナル・エンコーダである。1/4のコード・レートは、各コード・ビットを1回繰り返すことによって取得されることができる。1/2より大きなコード・レートは、エンコーダ914からのコード・ビットのいくつかを削除することによって取得されることができる。
【0078】
インターリーバ918は、それから、特定のインターリービング・スキームに基づいてユニット916からコード・ビットをインターリーブする(すなわち、再び順番に並べる)。インターリービングは、コード・ビットに対する時間、周波数、及び/又は空間ダイバーシティを与える。ある実施形態では、所定の空間チャネル上に送信されるべき48の連続したコード・ビットの各グループは、短いOFDMシンボルに対する48のデータ・サブバンドにわたってインターリーブされて、周波数ダイバーシティを与える。インターリービングのために、各グループ中の48のコード・ビットは、0から47のインデックスを割り当てられることができる。各コード・ビット・インデックスは、それぞれの短いOFDMサブバンドに関係付けられる。表3は、インターリービングのために使用されることができるイグゼンプラリなコード・ビット−サブバンド割り当てを示す。固有のインデックスを有する全てのコード・ビットは、関係付けられたサブバンド上で送信される。例えば、各グループ中の(インデックス0を有する)第1のコード・ビットは、短いOFDMサブバンド−26上で送信され、(インデックス1を有する)第2のコード・ビットは、サブバンド1上で送信される、等である。
【0079】
長いOFDMシンボルに対して、所定の空間チャネル上に送信されるべき192の連続したコード・ビットの各グループは、長いOFDMシンボルに対する192のデータ・サブバンドにわたってインターリーブされる。特に、インデックス0から47を有する48のコード・ビットの第1のサブグループは、l=4kのインデックスを有する48のデータ・サブバンド上で送信されることができる。ここで、k=±{1..6,8..20,22..26}である。インデックス48から95を有する48のコード・ビットの第2のサブグループは、l=4k+1のインデックスを有する48のデータ・サブバンド上で送信されることができ、インデックス96から143を有する48のコード・ビットの第3のサブグループは、l=4k+2のインデックスを有する48のデータ・サブバンド上で送信されることができ、そしてインデックス144から191を有する48のコード・ビットの最後のサブグループは、l=4k+3のインデックスを有する48のデータ・サブバンド上で送信されることができる。同じインターリービング・スキームが、そのようにして短いOFDMシンボル及び長いOFDMシンボルの両者に対して基本的に使用される。
【0080】
シンボル・マッピング・ユニット920は、その後、1又はそれより多くの変調スキームにしたがってインターリーブされたデータをマッピングして、変調シンボルを与える。表1に示されたように、使用するための特定の変調スキームは、選択されたレートに依存する。同じ変調スキームが、ダイバーシティ・モードにおいて全てのデータ・サブバンドに対して使用される。異なる変調スキームは、空間マルチプレキシング・モードにおいて各空間チャネルに対して使用されることができる。シンボル・マッピングは、下記により達成されることができる。(1)Bビットのセットをグループ化してBビットのバイナリ値を生成する、ここで、B≧1である、及び(2)各Bビットのバイナリ値を選択された変調スキームに対応する信号コンステレーション中の1点にマッピングする。シンボル・マッピング・ユニット920は、TX空間プロセッサ820へ変調シンボルのストリームを与える。
【0081】
フレーミング・ユニット910、スクランブラ912、エンコーダ914、繰り返し/パンクチャ・ユニット916、インターリーバ918、及びシンボル・マッピング・ユニット920に対するイグゼンプラリな設計が、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に説明されている。スクランブリング、コーディング、及び変調は、コントローラ830によって与えられる制御信号に基づいて実行されることができる。
【0082】
TX空間プロセッサ820は、TXデータ・プロセッサ810から変調シンボルを受信して、空間マルチプレクシング、ビーム・ステアリング、又はダイバーシティ・モードに関する空間処理を実行する。空間処理は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に説明されている。TX空間プロセッサ820は、Nap個のモジュレータ822aから822apのそれぞれへ送信シンボルの1つのストリームを与える。
【0083】
図9Bは、図9Aのモジュレータ822aから822apのそれぞれに対して使用されることができる、モジュレータ822xの1実施形態のブロック図を示す。モジュレータ822xは、送信機ユニット(TMTR)940に接続されたOFDMモジュレータ930を含む。OFDMモジュレータ930は、周期的プリフィックス発生器934に接続された可変サイズIFFTユニット932を含む。IFFTユニット932は、図4に示されたIFFTユニット400を用いて実行されることができる。IFFTユニット932は、モジュレータ822xへ与えられた送信シンボルのストリームにN点のIFFTを実行する。ここで、Nは、変数であり、コントローラ830によって与えられたOFDMシンボル・サイズ制御信号によって決定される。例えば、コントローラ830は、(図6に示されたように)BCHセグメント及びFCCHセグメントに対して小さなOFDMシンボル・サイズを選択でき、上記に説明されたように、FCHセグメントに対して小さなOFDMシンボル・サイズ及び大きなOFDMシンボル・サイズの組み合わせを選択できる。周期的プリフィックス発生器934は、IFFTユニット932からの各変換されたシンボルへ周期的プリフィックスを添付する。周期的プリフィックス発生器934の出力は、コントローラ830によって決定されるように、可変サイズを有するOFDMシンボルのストリームである。送信機ユニット940は、OFDMシンボルのストリームを1又はそれより多くのアナログ信号に変換し、関係するアンテナ824からの送信に対して適したダウンリンク信号を発生させるためにアナログ信号をさらに増幅し、フィルタし、そして周波数アップコンバートする。
【0084】
2.パイロット
種々のタイプのパイロットは、タイミング及び周波数捕捉、チャネル推定、キャリブレーション、及びその他のような、各種の機能をサポートするために送信されることができる。表4は、4種類のパイロット及びそれらの短い説明を記載する。
【表4】
【0085】
MIMOパイロットは、短いOFDMシンボルを用いて送信機(例えば、アクセス・ポイント)によって送られることができ、そして、サブバンド・インデックスk∈Kに対して、チャネル応答行列H(k)を推定するために受信機(例えば、ユーザ端末)によって使用される。ここで、K=±{1...26}である。受信機は、それから、下記のように、各サブバンドに対してチャネル応答行列H(k)の特異値分解を実行する:
H(k)=U(k)Σ(k)VH(k)、 k∈Kに対して 式(4)
ここで、U(k)は、H(k)の左固有ベクトルの(NT×NR)のユニタリ行列であり;
Σ(k)は、H(k)の特異値の(NR×NT)の対角行列であり;
V(k)は、H(k)の右固有ベクトルの(NT×NT)のユニタリ行列であり;そして
“H”は、複素転置を表し、NTは、送信アンテナの数を表し、そして、NRは、受信アンテナの数を表す。
【0086】
ユニタリ行列Mは、特性MHM=Iによって特徴付けられる。ここで、Iは、単位行列である。各対角行列Σ(k)中の特異値は、最大のものから最小のものへ順番に並べられ、行列U(k)及びV(k)の列は、対応して順番に並べられる。
【0087】
“ワイドバンド”固有モードは、順番に並べた後ですべてのサブバンドの同じ順番の固有モードのセットとして規定されることができる。そのようにして、ワイドバンド固有モードmは、全てのサブバンドの固有モードmを含む。各ワイドバンド固有モードは、サブバンドの全てに対する固有ベクトルのそれぞれのセットに関係付けられる。“主”ワイドバンド固有モードは、順番に並べた後で、各行列Σ(k)中の最大の特異値に関係付けられたものである。
【0088】
同じ周波数バンドがダウンリンク及びアップリンクの両者に対して使用されるのであれば、1つのリンクに対するチャネル応答行列は、他のリンクに対するチャネル応答行列の転置である。キャリブレーションは、アクセス・ポイント及びユーザ端末における送信機/受信機チェーンの周波数応答の違いを考慮して実行されることができる。ステアド基準は、送信機によって送られることができ、固有ベクトルを推定するために受信機によって使用されることができる。固有ベクトルは、データ受信及び送信に関する空間処理のために使用されることができる。
【0089】
ステアド基準は、下記のように、送信機(例えば、ユーザ端末)によってワイドバンド固有モードmに対して送信されることができる:
xm(k)=vm(k)・p(k)、 k∈Kに対して 式(5)
ここで、xm(k)は、ワイドバンド固有モードmのサブバンドkに対する(NT×1)の送信ベクトルであり;
vm(k)は、ワイドバンド固有モードmのサブバンドkに対するステアリング・ベクトル(すなわち、行列V(k)のm番目の列)であり;そして
p(k)は、サブバンドkに対するパイロット・シンボルである。
【0090】
ベクトルxm(k)は、サブバンドkに対してNT個の送信アンテナから送られるべきNT個の送信シンボルを含む。
【0091】
受信機(例えば、アクセス・ポイント)において受信されたステアド基準は、下記のように表されることができる:
rm(k)=H(k)xm(k)+n(k)、 k∈Kに対して 式(6)
=um(k)σm(k)p(k)+n(k)
ここで、rm(k)は、ワイドバンド固有モードmのサブバンドkに対する受信されたベクトルであり;
um(k)は、ワイドバンド固有モードmのサブバンドkに対するステアリング・ベクトル(すなわち、行列U(k)のm番目の列)であり;
σm(k)は、ワイドバンド固有モードmのサブバンドkに対する特異値であり;そして
n(k)は、ノイズである。
【0092】
式(6)に示されたように、受信機において、(ノイズのない)受信されたステアド基準は、ほぼum(k)σm(k)p(k)である。前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に説明されたように、受信機は、そのサブバンド上で受信されたステアド基準に基づいてサブバンドkに対するum(k)及びσm(k)の推定値をこのようにして取得できる。
【0093】
ステアド基準は、(サブバンド・マルチプキシングなしで)各OFDMシンボル期間中の1つのワイドバンド固有モードに対して送られ、そして、そのワイドバンド固有モードの各サブバンドに対して1つの固有ベクトルum(k)の推定値を取得するために順番に使用されることができる。ユニタリ行列U(k)に対する複数の固有ベクトルの推定値が、異なるOFDMシンボル期間にわたり取得され、そしてワイアレス・チャネルにおけるノイズ及びその他のソースの劣化に起因して取得されるので、ユニタリ行列に対して推定された固有ベクトル(これは個別に導出される)は、互いに直交する可能性がない。性能を改善するために、前述の米国特許仮出願番号第60/438,601号に説明されたように、各ユニタリ行列U(k)のNc個の推定された固有ベクトルum(k)は、QR因数分解若しくはある種のその他の直交化技術を使用して互いに直交化されることを強いられる。
【0094】
ステアド基準は、短いOFDMシンボルを使用して送られることができる。受信機は、受信されたステアド基準を処理することができ、ステアド基準送信に使用された各々の短いOFDMサブバンドに対するステアリング・ベクトルを取得することができる。上記のイグゼンプラリな設計に対して、各々の短いOFDMサブバンドは、4つの長いOFDMサブバンドに関係付けられる。ステアド基準が短いOFDMシンボルを使用して送られるのであれば、長いOFDMサブバンドに対するステアリング・ベクトルは、種々の方式で取得されることができる。
【0095】
1つの実施形態では、短いOFDMサブバンドkに対して取得されたステアリング・ベクトルは、長いOFDMサブバンドl=4kからl=4k+3までに対して使用される。この実施形態は、低から中間のSNRに対して良い性能を与える。高いSNRに対して、チャネルのコヒーレントなバンド幅(coherency bandwidth)が小さい場合に、ある種の劣化が、観測される。コヒーレントなバンド幅は、そのバンド幅にわたってチャネルが本質的に一定である又は平坦なバンド幅である。
【0096】
他の1つの実施形態では、短いOFDMサブバンドに対して取得されたステアリング・ベクトルum(k)は、長いOFDMサブバンドに対するステアリング・ベクトルum(l)を取得するために補間される。補間は、ステアリング・ベクトルum(l)が基礎となるチャネル応答行列H(k)よりもサブバンド間で実質的に大きな変動可能性を示さないような方式で実行されることができる。変動可能性の1つのソースは、H(k)の左及び右固有ベクトルにおける位相不明確性である。これは、H(k)の左及び右固有ベクトルが、単位長複素定数までただ1つであるという事実からの結果である。特に、下記の方程式を満足させる単位長ベクトルvm(k)及びum(k)のいずれかの対に対して:
H(k)vm(k)=um(k)σm(k) 式(7)
単位長ベクトルejψvm(k)及びejψum(k)の任意のその他の対も、方程式を満足する。
【0097】
この位相不明確性は、H(k)の特異値分解の演算においてある種の予防措置を取ることによって回避できる。これは、特異値分解の解を制約することによって達成されることができ、その結果V(k)の各列の第1の要素は負ではない。固有ベクトル中の変動がそれ以外はスムーズであり、固有ベクトルの先頭の要素の強度がゼロに近くない場合には、この制約は、サブバンド間の任意の位相回転を除去する。この制約は、対角行列R(k)をユニタリ行列U(k)及びV(k)のそれぞれを用いて後で掛け算することによって実施されることができる。これは、通常の方式で取得されることができ、任意の位相回転を含むことができる。行列R(k)の対角線要素ρi(k)は、下記のように表される:
【数1】
【0098】
ここで、ν1,i(k)は、V(k)のi番目の列の第1番目の要素であり、そして
【数2】
【0099】
R(k)V(k)中の制約された固有ベクトルは、それから、式(5)に示されたように、ステアド基準に対して使用されることができる。受信機において、受信されたベクトルrm(k)は、um(k)及びσm(k)の推定値を取得するために処理されることができる。これらは、それぞれum(l)及びσm(l)の推定値を取得するために補間されることができる。
【0100】
MIMOパイロットに対する短いOFDMシンボル及びステアド基準の使用は、チャネル応答行列H(k)の特異値分解に関係する処理負荷を削減する。さらに、サブバンド間の任意の位相回転を回避するために上に説明された制約を用いる補間は、データ送信に対して使用された全てのサブバンドより少ないステアド基準送信に基づいたステアリング・ベクトルの補間に起因する性能の劣化の量を減少できることを、示すことができる。
【0101】
キャリア・パイロットは、アクセス・ポイントによって送信されることができ、そしてキャリア信号の位相トラッキングのためにユーザ端末によって使用されることができる。短いOFDMシンボルに対して、キャリア・パイロットは、表3に示されたように、インデックス±{7,21}を有する4つの短いOFDMサブバンド上で送信されることができる。長いOFDMシンボルに対して、キャリア・パイロットは、インデックス±{28+i,84+i}、i=0,1,2,3に対して、を有する16の対応する長いOFDMサブバンド上で送信されることができる。あるいは、キャリア・パイロットは、インデックス±{28,84}を有する4つの長いOFDMサブバンド上で送信されることができる。この場合には、その他の12の長いOFDMサブバンドは、データ送信又はある種のその他の目的のために使用されることができる。
【0102】
各種のタイプのパイロット及び送信機及び受信機におけるこれらの処理は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に詳細に説明されている。
【0103】
単純化のために、異なるサイズのOFDMシンボルを使用するための技術が、ダウンリンクに対して説明されてきた。これらの技術は、アップリンクに対しても使用されることができる。固定OFDMシンボル・サイズは、ある種のアップリンク送信(例えば、RACH上に送られたメッセージ)に対して使用されることができ、そして異なるサイズのOFDMシンボルは、その他のアップリンク送信(例えば、RCH上に送られたデータ・パケット)に対して使用されることができる。各アップリンク・データ・パケットに対して使用するために、大きなOFDMシンボル及び小さなOFDMシンボルの特定の組み合わせは、パケット・ペイロード・サイズに依存する可能性があり、(例えば、上記に説明されたように、コントローラ880によって発生された若しくはコントローラ830及び/又はスケジューラ834によって与えられたスケジューリング情報に基づいて)コントローラ880により決定されることができる。
【0104】
OFDMシステムにおいて異なるサイズのOFDMシンボルを使用するここで説明された技術は、種々の手段によって実行されることができる。例えば、これらの技術は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実行されることができる。ハードウェア実行に関して、いずれか1つの技術又は技術の組み合わせを実行するために使用される素子は、1又はそれより多くのアプリケーション・スペシフィック集積回路(ASIC)、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、デジタル・シグナル・プロセシング・デバイス(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロ−コントローラ、マイクロプロセッサ、ここに説明した機能を実行するために設計された他の電子ユニット、若しくはこれらの組み合わせの内部で、実行されることができる。
【0105】
ソフトウェア実行に関して、ここに説明された技術は、ここで説明された機能を実施するモジュール(例えば、手順、機能、及びその他)を用いて実行されることができる。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニット(例えば、図8のメモリ・ユニット832及び882)中に記憶されることができ、そしてプロセッサ(例えば、コントローラ830及び880)によって実行されることができる。メモリ・ユニットは、プロセッサの内部で又はプロセッサの外部で実行される可能性がある。この場合には、この分野で知られた種々の手段を介してプロセッサに通信的に接続されることができる。
【0106】
見出しは、参考のため及びある節の位置を見つけることを手助けするためにここに含まれる。これらの見出しは、その場所でその下に説明された概念の範囲を制限することを目的にするのではない、そしてこれらの概念は、全体の明細書を通して他の節において適用可能性を有する可能性がある。
【0107】
開示された実施形態のこれまでの説明は、本技術分野に知識のあるいかなる者でも、本発明を作成し、使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する種々の変形は、本技術分野に知識のある者に容易に実現されるであろう。そして、ここで規定された一般的な原理は、発明の精神若しくは範囲から逸脱しないで、他の実施形態に適用されることができる。それゆえ、本発明は、ここに示された実施形態に制限することを意図したものではなく、ここに開示された原理及び新規な特性と整合する広い範囲に適用されるものである。
【関連出願】
【0001】
本出願は、米国仮出願番号第60/421,309号、名称“MIMO WLANシステム”、2002年10月25日提出、及び米国仮出願番号第60/430,601号、名称“ワイアレス多重キャリア通信システムのためのパイロット送信スキーム”、2003年1月7日提出、に基づいて優先権を主張し、両者とも本出願の譲受人に譲渡され、全ての目的のためにその全体が引用文献としてここに組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般にデータ通信に係り、特に、直交周波数分割マルチプレクシング(orthogonal frequency division multiplexing)(OFDM)通信システム及び無線効率を増加させるOFDMシンボル・サイズを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイアレス通信システムは、音声、パケット・データ、及びその他のような種々のタイプの通信サービス提供するために広く展開されている。これらのシステムは、OFDMを利用することができる。OFDMは、ある種のワイアレス環境に対して高い性能を提供することができる変調技術である。OFDMは、全体のシステム・バンド幅を複数の(NS個の)直交サブバンドに区分する。直交サブバンドは、トーン、ビン、及び周波数サブチャネルとしても一般に呼ばれる。OFDMを用いて、各サブバンドは、データで変調されるそれぞれのキャリアと関係付けられる。
【0004】
OFDMにおいて、情報ビンのストリームは、一連の周波数ドメイン変調シンボルに変換される。1つの変調シンボルは、各OFDMシンボル期間(下記に規定される)に各NS個のサブバンド上に送信されることができる。各OFDMシンボル期間に各NS個のサブバンド上に送信されるべき変調シンボルは、NS個のサンプルを含む“変換された”シンボルを取得するために逆高速フーリエ変換(inverse fast Fourier Transform)(IFFT)を使用して時間ドメインに変換される。NS−点IFFTへの入力は、NS個の周波数ドメイン値であり、IFFTからの出力は、NS個の時間ドメイン・サンプルである。サブバンドの数は、IFFTの大きさによって決定される。IFFTの大きさの増加は、サブバンドの数を増加させ、しかも、各変換されたシンボルに対するサンプルの数を増加させる。これは、したがって、シンボルを送信するために必要な時間を増加させる。
【0005】
データ送信のために使用されるワイアレス・チャネルにおける周波数選択的フェーディングと戦うために(下記に説明される)、各変換されたシンボルの一部分は、一般に送信に先立って繰り返される。繰り返された部分は、周期的プリフィックス(cyclic prefix:周期的な識別コード)としてしばしば呼ばれ、Ncpサンプルの長さを有する。周期的プリフィックスの長さは、下記に説明されるように、一般にシステムの遅延拡散に基づいて選択され、変換されたシンボルの長さに無関係である。OFDMシンボルは、変換されたシンボル及びその周期的プリフィックスからなる。各OFDMシンボルは、NS+Ncpサンプルを含み、そして、NS+Ncpサンプル期間、これは1OFDMシンボル期間である、の長さを有する。
【0006】
OFDMシンボルの大きさと関係する周期的プリフィックスの大きさは、OFDMシステムの効率に大きな影響を有する可能性がある。周期的プリフィックスは、マルチパス環境における受信機の処理を簡略化するために、各OFDMシンボルとともに送信されなければならないが、追加の情報を搬送しない。周期的プリフィックスは、マルチパス環境において動作する代償として浪費されるはずのバンド幅としてみなされることができる。このようにして浪費されたバンド幅の割合は、式Ncp/(NS+Ncp)を使用して算出されることができる。例えば、Ncpが16サンプルであり、NSが64サンプルであるならば、20%のバンド幅が、周期的プリフィックスのオーバーヘッドに対して失われる。この割合は、比較的大きなNSの値を使用することによって減少させることができる。特に、送信されるべき情報ユニットの大きさ又はパケットの大きさが、OFDMシンボルの容量よりかなり小さい場合に、不幸にして、NSの大きな値を使用することは、非効率に導く可能性もある。例えば、各OFDMシンボルが480情報ビットを搬送できるが、大部分の一般的なパケットが96ビットを含むのであれば、パッキング効率は悪く、この一般的なパケットが送信される場合に、OFDMシンボルの容量の多くは、浪費される。
【0007】
直交周波数分割多元アクセス(orthogonal frequency division multiple-access)(OFDMA)は、大きなOFDMシンボルの使用の結果としての過剰な容量に起因する非効率性を改善する。OFDMAに関して、複数のユーザは、周波数ドメイン・マルチプレクシングを使用して大きなOFDMシンボルを共有する。これは、シグナリングに対してサブバンドのセットを確保することによって及び異なるユーザに対してサブバンドの異なるばらばらのセットを割り当てることによって達成される。しかしながら、OFDMAを使用するデータ送信は、各種の要因によって複雑になる可能性がある。例えば、異なる出力要求、伝播遅延、ドップラ周波数シフト、及び/若しくは大きなOFDMシンボルを共有している異なるユーザに対するタイミングのようなものである。
【0008】
既存のOFDMシステムは、種々の目的の折衷案である1つのOFDMシンボル・サイズを一般に選択する。種々の目的は、周期的プリフィックス・オーバーヘッドを最小にすること、及びパッキング効率を最大にすることを含むことができる。この1つのOFDMシンボル・サイズの使用は、異なるサイズのパケットを送信する場合に過剰な容量に起因する非効率性に帰結する。それゆえ、異なるサイズのパケットを送信する場合に効率よく動作するOFDMシステムに対してこの分野におけるニーズがある。
【発明の概要】
【0009】
複数の技術は、OFDMシステムに関するより大きな効率を達成するために、異なるサイズのOFDMシンボルを使用することがここに提供される。これらの技術は、周期的プリフィックス・オーバーヘッドを最小にすること及びパッケージング効率を最大にすることの両方の目的に向けられる。OFDMシンボル・サイズは、OFDMシステムにおいて送信されるようとしている異なるタイプのペイロードの予想されるサイズに基づいて選択されることができる。システム・トラフィックは、異なるカテゴリーに分類されることができる。各カテゴリーに対して、適切なサイズの1又はそれより多くのOFDMシンボルは、そのカテゴリーにおいてトラフィックに対して予想されるペイロード・サイズに基づいた使用のための選択されることができる。
【0010】
例えば、システム・トラフィックは、制御データ、ユーザ・データ、及びパイロット・データに分類されることができる。制御データは、第1のサイズのOFDMシンボルを使用して送信されることができ、ユーザ・データは、第2のサイズのOFDMシンボル及び第1のサイズのOFDMシンボルを使用して送信されることができ、そして、パイロット・データは、第3のサイズ(又は第1のサイズ)のOFDMシンボルを使用して送信されることができる。ユーザ・データは、さらにサブ−カテゴリーに分類されることができ、例えば、音声データ、パケット・データ、メッセージング・データ、及びその他のようなものである。特定のOFDMシンボル・サイズが、その後、ユーザ・データの各サブ−カテゴリーに対して選択されることができる。代案として、又は追加として、各ユーザに対するデータは、そのユーザに対して選択された特定のサイズのOFDMシンボルを使用して送信されることができる。改善されたパッキング効率のために、異なるサイズのOFDMシンボルが、パケット・ペイロードに対するOFDMシンボルの容量をより良く適合させるために所定のユーザ・データ・パケットに対して使用されることができる。
【0011】
一般に、任意の数のOFDMシンボル・サイズが、1つのOFDMシステムに対して使用されることができ、そして、いずれかの特定のOFDMシンボル・サイズが、使用のために選択されることができる。ある例示の設計では、2つのOFDMシンボル・サイズの組み合わせが、パッキング効率を最大にするために使用される。例示の設計では、(例えば、64のサブバンドを有する)小さな又は短いOFDMシンボル・サイズが、パイロット・データ及び制御データに対して使用される。ユーザ・データは、ペイロード・サイズに依存して、(例えば、256サブバンドを有する)大きな又は長いOFDMシンボル・サイズを有するゼロ又はそれより多くのOFDMシンボル及び小さなOFDMシンボル・サイズを有するゼロ又はそれより多くのOFDMシンボル内で送られることができる。
【0012】
送信機及び受信機における処理(例えば、エンコーディング、インターリービング、シンボル・マッピング、及び空間処理)は、下記に説明されるように、異なるサイズのOFDMシンボルの使用を説明する方法で実行されることができる。本発明の種々の態様及び実施形態も、下記にさらに詳細に説明される。
【0013】
本発明の特徴、本質、及び利点は、図面を使用して以下に述べる詳細な説明から、さらに明確になるであろう。図面では、一貫して対応するものは同じ参照符号で識別する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、OFDMモジュレータのブロック図を示す。
【図2】図2は、異なるサイズのOFDMシンボル及び周期的プリフィックスに与えられるオーバーヘッドを示す。
【図3A】図3Aは、異なるタイプのデータを送信するために、異なるサイズのOFDMシンボルの使用を示す。
【図3B】図3Bは、異なるタイプのデータを送信するために、異なるサイズのOFDMシンボルの使用を示す。
【図4】図4は、異なるサイズのOFDMシンボルを発生させるためにS個のステージを有するIFFTユニットを示す。
【図5】図5は、例示のMIMO−OFDMシステムを示す。
【図6】図6は、TDD MIMO−OFDMシステムに関するフレーム構造を示す。
【図7】図7は、データ・パケット及びPHYフレームに関する構造を示す。
【図8】図8は、アクセス・ポイント及び2つのユーザ端末のブロック図を示す。
【図9A】図9Aは、アクセス・ポイント及びユーザ端末に対して使用されることができる送信機ユニットのブロック図を示す。
【図9B】図9Bは、送信機ユニット内部のモジュレータのブロック図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0015】
用語“イグゼンプラリ(exemplary)”は、“例、事例、又は実例として働くこと”を意味する。“イグゼンプラリ”としてここで開示されたいずれの実施形態又は設計が、他の実施形態又は設計に対して好ましい又は優位であるとして解釈される必要性はない。
【0016】
図1は、OFDMシステムにおいて使用されることができるOFDMモジュレータ100のブロック図を示す。送信されるべきデータ(すなわち、情報ビット)は、典型的に、固有のコーディング・スキームを使用してエンコーダ(図示せず)において初めにエンコードされて、コード・ビットを発生させる。例えば、エンコーダ(図示せず)は、ブロック・コード、コンボルーション・コード、又はターボ・コードのような、順方向エラー訂正(forward error correction)(FEC)コードを利用できる。コード・ビットは、それから、B−ビット・バイナリ値にグループ化される。ここで、B≧1である。各B−ビット値は、それから、固有の変調スキーム(例えば、M−PSK又はM−QAM、ここで、M=2Bである)に基づいて特定の変調シンボルにマップされる。各変調シンボルは、その変調シンボルに対して使用された変調スキームに対応する信号コンステレーション(signal constellation)中の複素値である。
【0017】
各OFDMシンボル期間の間に、1つの変調シンボルが、データ送信に対して使用される各サブバンド上で送信されることができ、そして、ゼロの信号値が、各使用されないサブバンドに対して与えられる。逆高速フーリエ変換(IFFT)ユニット110は、各OFDMシンボル期間中の全てのNS個のサブバンドに対してNS個の変調シンボル及びゼロを逆高速フーリエ変換(IFFT)を使用して時間ドメインへ変換して、NS個のサンプルを具備する変換されたシンボルを取得する。
【0018】
周期的プリフィックス発生器120は、その後、各変換されたシンボルの一部分を繰り返して、NS+Ncp個のサンプルを具備する対応するOFDMシンボルを取得する。周期的プリフィックスは、周波数選択的フェーディング(すなわち、全体のシステム・バンド幅にわたり変化する周波数応答)と戦うために使用される。周波数選択的フェーディングは、システム中の遅延拡散によって引き起こされる。送信機に対する遅延拡散は、その送信機によって送信された信号に関して受信機において最も早く到着する信号事象と最も遅く到着する信号事象との間の差である。システムの遅延拡散は、システム中の全ての送信機及び受信機に対して予想される最悪ケースの遅延拡散である。周波数選択的フェーディングは、シンボル間干渉(inter-symbol interference)(ISI)を引き起こす。ISIは、それによって受信された信号中の各シンボルが受信された信号中の引き続くシンボルに対する歪みとして働く現象である。ISI歪みは、受信されたシンボルを正確に検出するための能力に影響を与えることによって性能を劣化させる。ISIに効果的に戦うために、周期的プリフィックスの長さは、一般的にシステムの遅延拡散に基づいて選択され、その結果、周期的プリフィックスは、全てのマルチパス・エネルギーの重要な部分を含む。周期的プリフィックスは、各OFDMシンボルに対するNcpサンプルの固定オーバーヘッドを表す。
【0019】
図2は、周期的プリフィックスに与えられる固定オーバーヘッドを含む異なるサイズのOFDMシンボルを図示する。所定のW MHzのシステム・バンド幅に対して、OFDMシンボルのサイズ又は期間は、サブバンドの数に依存する。システム・バンド幅がN点のIFFTの使用でN個のサブバンドに分割されるのであれば、結果としての変換されたシンボルは、N個のサンプルを具備し、Nサンプル期間又はN/Wμsecに広がる。図2に示されたように、システム・バンド幅は、しかも、2N点のIFFTの使用で2N個のサブバンドに分割されることができる。この場合には、結果としての変換されたシンボルは、2N個のサンプルを具備するはずであり、2Nサンプル期間に広がるはずであり、そしてNサンプルを用いて変換されたシンボルのほぼ2倍のデータ搬送容量を有するはずである。同様に、図2は、しかも、システム・バンド幅が4N点のIFFTの使用で4N個のサブバンドにどのようにして分割されることができるかを示す。結果としての変換されたシンボルは、そのようにして、4Nサンプルを具備するはずであり、Nサンプルを用いて変換されたシンボルのほぼ4倍のデータ搬送容量を有するはずである。
【0020】
図2に説明されたように、周期的プリフィックスが固定オーバーヘッドであるので、シンボル・サイズが増加するにつれて、OFDMシンボルの割合が小さくなる。他の側面から見ると、サイズ4Nの変換されたシンボルに対して、1つの周期的プリフィックスだけが必要である。これに対して、同等のサイズNの4つの変換されたシンボルに対して、4つの周期的プリフィックスが必要である。周期的プリフィックスに対するオーバーヘッドの量は、そのようにして、サイズ4Nの大きなOFDMシンボルの使用によって75%削減されることができる。(用語“大きな”と“長い”は、OFDMシンボルに対してここでは互換的に使用され、用語“小さな”と“短い”も、互換的に使用される。)図2は、(周期的プリフィックスの観点から)改善された効率が、可能な最大のサイズを有するOFDMシンボルを使用することによって達成できることを示す。使用されることができる最大のOFDMシンボルは、一般的にワイアレス・チャネルのコヒーレンス時間(coherence time)によって制約される。ワイアレス・チャネルのコヒーレンス時間は、それを超えるとワイアレス・チャネルが基本的に一定になる時間である。
【0021】
最大の可能なOFDMシンボルの使用は、その他の観点から効率的ではないことがある。特に、OFDMシンボルのデータ搬送容量が、送られるべきペイロードのサイズよりはるかに大きければ、OFDMシンボルの残りの過剰な容量は、使用されない。このOFDMシンボルの過剰な容量は、非効率性を表す。OFDMシンボルが大きすぎるのであれば、過剰容量に起因する非効率性は、周期的プリフィックスに起因する非効率性よりも大きい可能性がある。
【0022】
実例のOFDMシステムにおいて、両方のタイプの非効率性が、異なるサイズのOFDMシンボルを使用することによって最小化される。データのユニットを送信するために使用されるOFDMシンボル・サイズは、利用可能なOFDMシンボル・サイズのセットから選択されることができる。これは、順に、OFDMシステム中に送信されようとしている異なるタイプのペイロードの予想されるサイズに基づいて選択されることができる。システム・トラフィックは、異なるカテゴリーに分類されることができる。各カテゴリーに対して、適切なサイズの1又はそれより多くのOFDMシンボルは、そのカテゴリー中のトラフィックに対して予想されるペイロード・サイズ及び可能であればその他の考慮(例えば、実行の複雑性)に基づいて使用に対して選択されることができる。OFDMシンボルは、データを送るために使用されるボックスカー(boxcar)として見られることができる。適切なサイズの1又はそれより多くのボックスカーは、そのカテゴリーに対して送られるべきであると予想されるデータの量に依存するデータの各カテゴリーに対して選択されることができる。データのユニットは、同一のサイズを有する複数のボックスカー又は異なるサイズを有する複数のボックスカーを使用して送られることができる。例えば、データのユニットが、“大きな”ボックスカーの容量の2.1倍を消費するのであれば、データのユニットは、2つの“大きな”ボックスカーと1つの“小さな”ボックスカーを使用して送られることができる。
【0023】
一例として、システム・トラフィックは、3つの基本カテゴリー−制御データ、ユーザ・データ、及びパイロット・データ−に分割されることができる。制御データは、一般的に、全システム・トラフィックの小さな部分(例えば、10%以下)を構成し、小さなブロックで通常送られる。ユーザ・データは、システム・トラフィックの大部分を構成する。周期的プリフィックスのオーバーヘッドを最小にし、パッキング効率を最大にするために、短いOFDMシンボルが、制御データ及びパイロットを送るために使用されることができ、長いOFDMシンボルと短いOFDMシンボルとの組み合わせが、ユーザ・データを送るために使用されることができる。
【0024】
図3Aは、OFDMシステムにおいて異なるタイプのデータを送信するために異なるサイズのOFDMシンボルの使用を示す。単純化のために、1つのOFDMシンボル・サイズだけが、図3Aの各カテゴリー及びデータのタイプに対して使用される。一般に、任意の数のOFDMシンボル・サイズが、各カテゴリー及びデータのタイプに対して使用されることができる。
【0025】
図3Aに示されたように、パイロット・データは、サイズNSaのOFDMシンボルを使用して送信されることができ、制御データは、サイズNSbのOFDMシンボルを使用して送信されることができ、そして、異なるタイプのユーザ・データ(又は、異なるユーザに対するデータ)は、サイズNScからNSqのOFDMシンボルを使用して送信されることができる。ユーザ・データは、さらに、例えば、音声データ、パケット・データ、メッセージング・データ、及びその他のような、サブ−カテゴリーに分類されることができる。適切なOFDMシンボル・サイズは、その後、ユーザ・データの各サブ−カテゴリーに対して選択されることができる。あるいは、各ユーザに対するデータは、そのユーザに対して適切なサイズのOFDMシンボルを使用して送信されることができる。特定のユーザに対するOFDMシンボル・サイズは、例えば、送信するデータの量、ユーザに対するワイアレス・チャネルのコヒーレンス時間(coherence time)、及びその他のような、各種の考慮すべき事柄に基づいて選択されることができる。
【0026】
一般に、いずれかの数のOFDMシンボル・サイズが、OFDMシステムに対して使用されることができ、いずれかの特定のOFDMシンボル・サイズが、使用のために選択されることができる。一般的に、最小OFDMシンボル・サイズは、周期的プリフィックス・オーバーヘッドによって決定され、最大OFDMシンボル・サイズは、ワイアレス・チャネルのコヒーレンス時間によって決定される。実際的に考慮すべき事柄は、2のべき乗(例えば、32,64,128,256,512、及びその他)であるOFDMシンボル・サイズが、通常は使用のために選択される。その理由は、IFFT及び高速フーリエ変換(fast Fourier Transform)(FFT)演算を用いて時間ドメインと周波数ドメインとの間の変換が容易であるためである。
【0027】
図3Aは、時分割マルチプレックス(time division multiplexed)(TDM)方式における異なる時間セグメント中の異なるタイプのデータの送信を示す。各フレーム(これは、固有の時間の期間である)は、複数の時間セグメントに区分される。各時間セグメントは、データの固有のタイプを送信するために使用されることができる。異なるタイプのデータも、その他の方式で送信されることができ、これは本発明の範囲内である。例えば、パイロット・データ及び制御データは、同一の時間セグメント中の異なるサブバンドのセット上で送信されることができる。他の1つの例として、全てのユーザ・データは、各フレームに対して1つの時間セグメント中で送信されることができる。
【0028】
図3Aに示されたもののような、TDMフレーム構造に関して、各時間セグメントに対して使用するための固有のOFDMシンボル・サイズは、種々の方式によって決定されることができる。1つの実施形態では、各時間セグメントに対して使用するためのOFDMシンボル・サイズは、固定であり、OFDMシステム中の送信機及び受信機の両者によりアプリオリ(a priori:前もって)知られる。他の1つの実施形態では、各時間セグメントに対するOFDMシンボル・サイズは、設定可能であることがあり、例えば、各フレームに対して送られたシグナリングによって指示されることができる。しかも他の1つの実施形態では、(例えば、パイロット・データ及び制御データに対して)いくつかの時間セグメントに対するOFDMシンボル・サイズは、固定であることができ、(例えば、ユーザ・データに対して)他の時間セグメントに対するOFDMシンボル・サイズは、設定可能であることができる。後者の構成において、送信機は、後続のユーザ・データOFDMシンボルにおいて使用されるべきOFDMシンボル・サイズを送信するために固定シンボル・サイズ制御データ・チャネルを使用することができる。
【0029】
図3Bは、異なるタイプのデータに対してN及び4Nの2つの異なるOFDMシンボル・サイズの使用を示す。この実施形態において、各フレームは、パイロット・データ、制御データ、及びユーザ・データに対して3つの時間セグメントに区分される。パイロット・データ及び制御データは、サイズNのOFDMシンボルを使用して送信され、ユーザ・データは、サイズ4NのOFDMシンボル及びサイズNのOFDMシンボルを使用して送信される。1又は複数のサイズNのOFDMシンボルは、パイロット・データ及び制御データのための時間セグメントの各々に対して送信されることができる。ゼロ又は複数のサイズ4NのOFDMシンボル及びゼロ又は複数のサイズNのOFDMシンボルは、ユーザ・データのための時間セグメントに対して送信されることができる。
【0030】
図4は、異なるサイズのOFDMシンボルを発生させることができる可変サイズIFFTユニット400の実施形態を示す。IFFTユニット400は、S個のステージを含む。ここで、S=log2Nmaxであり、Nmaxは、発生されるべき最大のOFDMシンボルのサイズである。各OFDMシンボル期間に対する変調シンボルは、ゼロ挿入及びソーティング・ユニット410に与えられる。ユニット410は、変調シンボルを、例えばビットの逆順序で、ソートし、小さなOFDMシンボルが発生されようとしている場合には、適切な数のゼロを挿入する。ユニット410は、Nmax個のソートされた変調シンボル及びゼロを第1のバタフライ・ステージ420aへ与える。第1のバタフライ・ステージ420aは、2点逆離散フーリエ変換(discrete Fourier transform)(DFT)に対するバタフライ計算のセットを実施する。第1のバタフライ・ステージ420aからの出力は、その後、後続のバタフライ・ステージ420bから420sの各々によって処理される。各バタフライ・ステージ420は、この分野において知られるように、そのステージに対して適用できる係数のセットを用いてバタフライ操作のセットを実行する。
【0031】
最後のバタフライ・ステージ420sからの出力は、セレクタ・ユニット430へ与えられる。セレクタ・ユニット430は、各OFDMシンボルに対して時間ドメイン・サンプルを与える。Nmax点IFFTを実行するために、全てのバタフライ・ステージがイネーブルされ、Nmax個のサンプルがセレクタ・ユニット430によって与えられる。Nmax/2点IFFTを実行するために、最後のバタフライ・ステージ420sを除く全てがイネーブルされ、Nmax/2個のサンプルがセレクタ・ユニット430によって与えられる。Nmax/4点IFFTを実行するために、最後の2つのバタフライ・ステージ420r及び420sを除く全てがイネーブルされ、Nmax/4個のサンプルがセレクタ・ユニット430によって与えられる。制御ユニット440は、現在のOFDMシンボル期間に対して使用するために固有のOFDMシンボル・サイズの指示を受信し、ユニット410と430及びバタフライ・ステージ420に対して制御信号を与える。
【0032】
IFFTユニット400は、時間削減(decimation-in-time)IFFTアルゴリズム又は周波数削減(decimation-in-frequency)IFFTアルゴリズムを実行できる。さらに、基数(radix)4のIFFTがより効率的であるが、IFFTユニット400は、基数4又は基数2のIFFTを実行できる。IFFTユニット400は、1又は複数のバタフライ計算ユニットを含むように設計されることができる。極端な場合には、1個のバタフライ計算ユニットは、時間分割されたIFFTインプリメンテーションに対して使用されることができ、Nmax/基数のバタフライ計算ユニットは、完全に並列のIFFTインプリメンテーションに対して使用されることができる。一般的に、必要とされるバタフライ計算ユニットの数は、これらのユニットに対するクロック速度、OFDMシンボル・レート、及び最大IFFTサイズにより決定される。メモリ管理とともにこれらのバタフライ計算ユニットの適切な制御は、1個のIFFTユニットを使用して実行されようとしている異なるサイズのIFFTを可能にする。
【0033】
図1において上記に説明されたように、周期的プリフィックス発生器120は、セレクタ・ユニット430によって出力された各変換されたシンボルの一部分を繰り返して、各OFDMシンボルに対する周期的プリフィックスを与える。同じ周期的プリフィックス長は、異なるサイズのOFDMシンボルに対して使用されることができ、上記に説明されたようにシステムの遅延拡散に基づいて選択されることができる。周期的プリフィックス長も、設定可能である可能性がある。例えば、各受信機に対して使用される周期的プリフィックス長は、受信機の遅延拡散に基づいて選択されることができる。これは、システムの遅延拡散より短いことがある。設定された周期的プリフィックス長は、受信機へ信号として送られることができる、若しくは、何らかの他の手段によって受信機に知らせられることができる。
【0034】
異なるサイズのOFDMシンボルは、各種のタイプのOFDMシステムにおいて有利に使用されることができる。例えば、複数のOFDMシンボル・サイズは、下記に対して使用されることができる。(1)送信及び受信に対して1個のアンテナを使用する単一入力単一出力OFDMシステム、(2)送信に対して複数のアンテナ及び受信に対して1個のアンテナを使用する多元入力単一出力OFDMシステム、(3)送信に対して1個のアンテナ及び受信に対して複数のアンテナを使用する単一入力多元出力OFDMシステム、及び(4)送信及び受信に対して複数のアンテナを使用する多元入力多元出力OFDMシステム(すなわち、MIMO−OFDMシステム)である。複数のOFDMシンボル・サイズは、しかも、下記に対しても使用されることができる。(1)ダウンリンク及びアップリンクに対して異なる周波数バンドを使用する周波数分割デュプレックス(frequency division duplexed)(FDD)OFDMシステム、及び(2)時間シェア方式でダウンリンク及びアップリンクの両者に対して1つの周波数バンドを使用する時分割デュプレックス(time division duplexed)(TDD)OFDMシステムである。
【0035】
イグゼンプラリなTDD MIMO−OFDMシステムにおける異なるサイズのOFDMシンボルの使用が、下記に説明される。
【0036】
I. TDD MIMO−OFDMシステム
図5は、複数のアクセス・ポイント(access point)(AP)510を有するイグゼンプラリなMIMO−OFDMシステム500を示す。アクセス・ポイント510は、複数のユーザ端末(user terminal)(UT)520に対する通信をサポートする。単純化のために、2つのアクセス・ポイント510a及び510bだけが、図5に示される。アクセス・ポイントは、ユーザ端末と通信するために使用される固定局であり、しかも、基地局又はある種の他の用語で呼ばれることができる。ユーザ端末も、アクセス端末、移動局、ユーザ装置(user equipment)(UE)、ワイアレス装置、又はある種の他の用語で呼ばれることができる。ユーザ端末520は、システム全体にわたって分散される可能性がある。各ユーザ端末は、固定又は移動端末である可能性があり、任意の所定の瞬間においてダウンリンク及び/又はアップリンク上で1個の又は可能であれば複数のアクセス・ポイントと通信できる。ダウンリンク(すなわち、順方向リンク)は、アクセス・ポイントからユーザ端末への通信リンクを呼び、アップリンク(すなわち、逆方向リンク)は、ユーザ端末からアクセス・ポイントへの通信リンクを呼ぶ。
【0037】
図5において、アクセス・ポイント510aは、ユーザ端末520aから520fと通信し、アクセス・ポイント510bは、ユーザ端末520fから502kと通信する。システム・コントローラ530は、アクセス・ポイント510に接続し、下記のような複数の機能を実行するために設計されることができる。例えば、(1)自身に接続されたアクセス・ポイントに関する調整及び制御、(2)これらのアクセス・ポイント間のデータの転送、及び(3)これらのアクセス・ポイントによってサービスされるユーザ端末との通信のアクセス及び制御、である。
【0038】
図6は、MIMO−OFDMシステム500に対して使用されることができるイグゼンプラリなフレーム構造600を示す。データ送信は、各々が固有の時間の期間(例えば、2msec)に及ぶ、TDDフレームの単位で生じる。各TDDフレームは、1個のダウンリンク段階及び1個のアップリンク段階に区分され、各ダウンリンク段階又はアップリンク段階は、複数のトランスポート・チャネルのための複数のセグメントにさらに区分される。図6に示された実施形態では、ダウンリンク・トランスポート・チャネルは、同報通信チャネル(broadcast channel)(BCH)、順方向制御チャネル(forward control channel)(FCCH)、及び順方向チャネル(forward channel)(FCH)を含み、及びアップリンク・トランスポート・チャネルは、逆方向チャネル(reverse channel)(RCH)及びランダム・アクセス・チャネル(random access channel)(RACH)を含む。
【0039】
ダウンリンク上で、BCHセグメント610は、1つのBCHプロトコル・データ・ユニット(protocol data unit)(PDU)612を送信するために使用される。PDU612は、ビーコン・パイロットのための部分618、MIMOパイロットのための部分616、及びBCHメッセージのための部分618を含む。BCHメッセージは、システム中のユーザ端末に関するシステム・パラメータを搬送する。FCCHセグメント620は、1つのFCCH PDUを送信するために使用される。FCCH PDUは、ダウンリンク及びアップリンク・リソース割り当て及びユーザ端末に対するその他のシグナリングを搬送する。FCHセグメント630は、ダウンリンク上で1又はそれより多くのFCH PDU632を送信するために使用される。異なるタイプのFCH PDUが、規定されることができる。例えば、1つのFCH PDU632aは、パイロットのための部分634a(例えば、ステアド基準(steered reference))及びデータ・パケットのための部分636aを含む。パイロット部分は、“プリアンブル(preamble)”としても呼ばれる。FCH PDU632bは、データ・パケットのための1個の部分636bを含む。異なるタイプのパイロット(ビーコン・パイロット、MIMOパイロット、及びステアド基準)は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に説明されている。
【0040】
アップリンク上で、RCHセグメント640は、アップリンク上に1又はそれより多くのRCH PDU642を送信するために使用される。異なるタイプのRCH PDUも、規定されることができる。例えば、RCH PDU642aは、データ・パケットのための部分646aを含む。RCH PDU642bは、パイロット(例えば、ステアド基準)のための部分644b及びデータ・パケットのための部分646bを含む。RACHセグメント650は、システムへのアクセスを得るために及びアップリンク上でショート・メッセージを送るためにユーザ端末によって使用される。RACH PDU652は、RACHセグメント650中で送られることができ、パイロット(例えば、ステアド基準)のための部分654及びメッセージのための部分656を含む。
【0041】
部分及びセグメントの期間は、図6に一定の縮尺で描かれていない。図6に示されたフレーム構造及びトランスポート・チャネルは、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に詳細に説明されている。
【0042】
異なるトランスポート・チャネルが、異なるタイプのデータに関連付けられることができるので、適切なOFDMシンボル・サイズは、各トランスポート・チャネルに対する使用のために選択されることができる。大量のデータが所定のトランスポート・チャネル上で送信されることが予想されるのであれば、大きなOFDMシンボルがそのトランスポート・チャネルに対して使用されることができる。周期的プリフィックスは、大きなOFDMシンボルのより小さな割合になるはずであり、より大きな効率が達成されることができる。逆に言えば、小さな量のデータが所定のトランスポート・チャネル上で送信されることが予想されるのであれば、小さなOFDMシンボルがそのトランスポート・チャネルに対して使用されることができる。周期的プリフィックスが小さなOFDMシンボルの大きな割合になるけれども、より大きな効率が過剰な容量の量を削減することによってまだ達成されることができる。
【0043】
そのようにして、より高い効率を得るために、各トランスポート・チャネルに対するOFDMシンボル・サイズは、そのトランスポート・チャネル上に送信されようとしているデータのタイプに対して予想されるペイロード・サイズに適合するように選択されることができる。異なるOFDMシンボル・サイズは、異なるトランスポート・チャネルに対して使用されることができる。さらに、複数のOFDMシンボル・サイズが、所定のトランスポート・チャネルに対して使用されることができる。例えば、FCH及びRCHに対する各PDUタイプは、そのPDUタイプに対して適切なOFDMシンボル・サイズに関係付けられる可能性がある。大きなOFDMシンボルは、大きなサイズのFCH/RCH PDUタイプに対して使用されることができ、そして、小さなOFDMシンボルは、小さなサイズのFCH/RCH PDUタイプに対して使用されることができる。
【0044】
単純化のために、イグゼンプラリな設計が小さなOFDMシンボル・サイズNS1=64及び大きなOFDMシンボル・サイズNS2=256を使用して下記に説明される。このイグゼンプラリな設計では、BCH,FCCH,及びRACHは、小さなOFDMシンボルを利用し、そしてFCH及びRCHは、適宜、小さなOFDMシンボルと大きなOFDMシンボルの両方を利用する。その他のOFDMシンボル・サイズも、トランスポート・チャネルに対して使用されることができ、これは本発明の範囲内である。例えば、サイズNS3=128の大きなOFDMシンボルが、FCH及びRCHに対して代わりに又は追加として使用されることができる。
【0045】
このイグゼンプラリな設計のために、小さなOFDMシンボルに対する64のサブバンドは、−32から+32のインデックスを割り当てられる。これらの64のサブバンドの中で、(例えば、±{1,...,6,8,...,20,22,...,26}のインデックスを有する)48のサブバンドがデータに対して使用され、データ・サブバンドとしてよばれ、(例えば、±{7,21}のインデックスを有する)4つのサブバンドがパイロット及び可能であればシグナリングに対して使用され、(0のインデックスを有する)DCサブバンドは使用されず、そして、残りのサブバンドも、使用されず、ガード・サブバンドとして働く。このOFDMサブバンド構造は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に説明されている。
【0046】
大きなOFDMシンボルに対する256のサブバンドは、−128から+127のインデックスを割り当てられる。小さなOFDMシンボルに対するサブバンドは、下記に基づいて大きなOFDMシンボルに対するサブバンドにマップされることができる:
l=4k+i 式(1)
ここで、kは、短いOFDMシンボル(k=−32,...+31)中のサブバンドに対するインデックスであり;
iは、i=0,1,2,3の範囲を有するインデックス・オフセットであり;及び
lは、長いOFDMシンボル(l=−128,...+127)中のサブバンドに対するインデックスであるである。
【0047】
このイグゼンプラリな設計に関して、システム・バンド幅は、W=20MHzであり、周期的プリフィックスは、BCH,FCCH,及びRACHに対してNcp1=16サンプルであり、そして、周期的プリフィックスは、FCH及びRCHに対してNcp2=8又は16として設定可能である。BCH,FCCH,及びRACHに対して使用される小さなOFDMシンボルは、そこで、Nos1=80サンプルすなわち4.0μsecのサイズを有するはずである。Ncp2=16が使用のために選択されるのであれば、FCH及びRCHに対して使用される大きなOFDMシンボルは、そこで、Nos2=272サンプルすなわち13.6μsecのサイズを有するはずである。
【0048】
このイグゼンプラリな設計に関して、BCHセグメントは、80μsecの固定期間を有し、残りのセグメントのそれぞれは、可変期間を有する。各TDDフレームに関して、FCH及びRCHセグメントの開始に関連するFCH及びRCH上に送られる各PDUの開始及びTDDフレームの開始に関連するRACHセグメントの開始は、FCCHセグメント中で送られるFCCHメッセージ中に与えられる。異なるOFDMシンボル・サイズが、異なるシンボル期間に関係付けられる。異なるOFDMシンボル・サイズが異なるトランスポート・チャネルに対して使用される(そして、異なるOFDMシンボル・サイズが、しかも同じトランスポート・チャネルに対しても使用される)ので、FCH及びRCH PDUに対するオフセットは、適切な時間分解能で指定される。上記に説明されたイグゼンプラリな設計に関して、時間分解能は、800nsecの周期的プリフィックス長であることができる。2msecのTDDフレームに関して、12ビット値が、各FCH/RCH PDUの開始を指示するために使用されることができる。
【0049】
図7は、FCH又はRCH上のFCH又はRCH PDU中で送られることができる データ・パケット636xに関するイグゼンプラリな構造を説明する。データ・パケットは、整数の数のPHYフレーム710を使用して送られる。各PHYフレーム710は、PHYフレームに対するデータを搬送するペイロード・フィールド722、PHYフレームに対するCRC値のためのCRCフィールド724、及びエンコーダを洗い流すために使用されるゼロのセットのためのテール・ビット・フィールド726を含む。データ・パケットに対する第1のPHYフレーム710aは、メッセージ・タイプ及び期間を示すヘッダ・フィールド720をさらに含む。データ・パケットに対する最後のPHYフレーム710mは、パッド・ビット・フィールド728をさらに含む。パッド・ビット・フィールド728は、最後のPHYフレームを埋めるためにペイロードの終わりにゼロのパッディング・ビットを含む。このPHYフレーム構造は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号にさらに詳細に説明されている。1個のアンテナがデータ送信に対して使用されるのであれば、各PHYフレーム710は、1つのOFDMシンボル750を取得するために処理されることができる。
【0050】
同じPHYフレーム構造は、BCH又はFCCH上に送られたメッセージに対して使用されることができる。特に、BCH/FCCHメッセージは、整数の数のPHYフレームを使用して送られることができ、その各々は、1つのOFDMシンボルを取得するために処理されることができる。複数のOFDMシンボルは、BCH/FCCHメッセージに対して送信されることができる。
【0051】
図7に示された実施形態に関して、データの1つのPHYフレームは、各OFDMシンボル中で送られる。異なるPHYフレーム・サイズは、異なるOFDMシンボル・サイズに対して使用されることができる。データの各PHYフレームは、特定のコーディング・スキームに基づいてコード化されることができ、そして個々のPHYフレームがチェックされ、必要であるならば再送信されることを可能にするCRC値をさらに含むことができる。各PHYフレーム中で送られる可能性がある情報ビットの数は、そのPHYフレームに対して選択されたコーディング・スキーム及び変調スキームに依存する。表1は、MIMO−OFDMシステムに対して使用されることができるレートのセット、及び各レートに対して、NS1=64及びNS2=256の2つのOFDMシンボル・サイズに対する2つのPHYフレーム・サイズに関する種々のパラメータを記載する。
【表1】
【0052】
上記に説明されたイグゼンプラリな設計に対して、小さなPHYフレーム及び小さなOFDMシンボルが、BCH及びFCCHに対して使用される。小さな及び大きなPHYフレーム並びに小さな及び大きなOFDMシンボルの両者は、FCH及びRCHに対して使用されることができる。一般に、データ・パケットは、任意の数の大きなOFDMシンボル及び若干の数の小さなOFDMシンボルを使用して送られることができる。大きなOFDMシンボルが、小さなOFDMシンボルの大きさの4倍であるならば、データ・パケットは、NL個の大きなOFDMシンボル及びNSM個の小さなOFDMシンボルを使用して送信されることができる(ここで、NL≧0そして3≧NSM≧0である)。NL個の大きなOFDMシンボルの終わりのNSM個の小さなOFDMシンボルは、使用されない容量の量を削減する。異なるサイズのOFDMシンボルは、このようにして、パッキング効率を最大にするためにパケット・ペイロードに対してOFDMシンボルの容量をよりよく適合させるために使用されることができる。
【0053】
データ送信のために使用されたOFDMシンボル・サイズは、種々の方式で受信機へ与えられることができる。1つの実施形態では、FCCHは、FCH及びRCH上に送信された各データ・パケットの開始、及びパケットのレートを与える。ある種のその他の同等の情報は、しかも、受信機へ信号で送られることができる。受信機は、それから送られようとしている各データ・パケットのサイズ、そのデータ・パケットに対して使用される長いOFDMシンボル及び短いOFDMシンボルの数、及び各OFDMシンボルの開始、を決定できる。この情報は、その後、受信機によって使用されて、各受信されたOFDMシンボルに対して実行されるべきFFTのサイズを決定し、そして、FFTのタイミングを適切に合わせる。他の1つの実施形態では、各データ・パケットの開始及びそのレートは、受信機へ信号で送られない。この場合には、“ブラインド(blind:手探り)”検出が使用されることができ、受信機は、16サンプル(すなわち、周期的プリフィックス長)毎に1回FFTを実行でき、そして、PHYフレーム中に含まれるCRC値をチェックすることによって、PHYフレームが送られたかどうかを決定できる。
【0054】
MIMO−OFDMシステム500中のアクセス・ポイントとユーザ端末の所定の組み合わせに対して、MIMOチャネルは、アクセス・ポイントにおけるNap個のアンテナとユーザ端末におけるNut個のアンテナによって形成される。MIMOチャネルは、Nc≦min{Nap,Nut}である、Nc個の独立したチャネルに分解されることができる。Nc個の独立したチャネルの各々も、MIMOチャネルの固有モードとして呼ばれる。ここで、“固有モード”は、通常、理論的な構成を呼ぶ。最大Nc個までの独立したデータ・ストリームは、MIMOチャネルのNc個の固有モード上に同時に送られることができる。MIMOチャネルは、しかも、データ送信に対して使用されることができるNc個の空間チャネルを含んでいるように見られることができる。送信機における空間処理がデータ・ストリームを良好に直交化したかどうかに依存して、各空間チャネルは、固有モードに対応することがある、若しくは対応しないことがある。
【0055】
MIMO−OFDMシステムは、複数の送信モードをサポートするために設計されることができる。表2は、複数のアンテナを装備したユーザ端末のためにダウンリンク及びアップリンクに対して使用されることができる送信モードを記載する。
【表2】
【0056】
ビーム−ステアリング・モードに関して、選択されたモードの1つのPHYフレームは、最高の空間チャネル上での送信のために各OFDMシンボル期間にわたり発生されることができる。このPHYフレームは、変調シンボルのセットを取得するために、初めに処理される。この変調シンボルは、それから空間的に処理されて、NT個の送信アンテナに対する送信シンボルのNT個のセットを取得する。各アンテナに対する送信シンボルのセットは、そのアンテナに対するOFDMシンボルを取得するためにさらに処理される。
【0057】
空間マルチプレキシング・モードに対して、同じレート又は異なるレートのNc個までのPHYフレームは、Nc個の空間チャネル上での送信のために各OFDMシンボル期間にわたって発生されることができる。Nc個までのPHYフレームは、変調シンボルのNc個までのセットを取得するために初めに処理される。変調シンボルのセットは、その後、NT個の送信アンテナに対する送信シンボルのNT個のセットを取得するために空間的に処理される。各アンテナに対する送信シンボルのセットは、そのアンテナに対するOFDMシンボルを取得するためにさらに処理される。
【0058】
ビーム−ステアリング・モード及び空間マルチプレキシング・モードのための送信機及び受信機における処理は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に詳細に説明される。ビーム−ステアリング・モード及び空間マルチプレキシング・モードのための空間処理は、長いOFDMシンボルに対してより多くのサブバンドを有するにも拘らず、短いOFDMシンボル及び長いOFDMシンボルの両者に対して基本的に同じである。ダイバーシティ・モードは、下記に説明される。
【0059】
ある実施形態では、ダイバーシティ・モードは、サブバンド当りの基準でデュアル送信ダイバーシティに対して空間−時間送信ダイバーシティ(space-time transmit diversity)(STTD)を利用する。STTDは、受信機における直交性を維持する一方で、2つの送信アンテナ上で独立したシンボル・ストリームの同時の送信をサポートする。
【0060】
STTDスキームは、下記のように動作する。s1及びs2として表される2つの変調シンボルは、所定のサブバンド上で送信されようとしていると仮定する。送信機は、2つのベクトル、すなわちSTTDシンボル、x1=[s1 s*2]T及びx2=[s2 −s*1]Tを発生する。ここで、各STTDシンボルは、2つの要素を含み、“*”は、共役複素数を表し、そして、“T”は、転置を表す。あるいは、送信機は、2つのSTTDシンボル、x1=[s1 s2]T及びx2=[−s*2 s*1]Tを発生することができる。いずれの場合でも、各STTDシンボル中の2つの要素は、一般に、それぞれの送信アンテナから2つのOFDMシンボル期間に連続して送信される(すなわち、STTDシンボルx1は、2つのOFDMシンボル期間にアンテナ1から送信され、そしてSTTDシンボルx2は、同じ2つのOFDMシンボル期間にアンテナ2から送信される)。各STTDシンボルの期間は、このように2つのOFDMシンボル期間である。
【0061】
大きなOFDMシンボルに対するSTTD処理に関係付けられたバッファリング及び処理遅延を最小にすることが望ましい。ある実施形態では、2つのSTTDシンボルx1及びx2は、2つのアンテナから1対のサブバンド上に同時に送信される。2つのSTTDシンボルx1=[s1 s2]T及びx2=[−s*2 s*1]Tに対して、STTDシンボルx1に対する2つの要素s1及びs2は、2つのアンテナからサブバンドk上に送信されることができ、STTDシンボルx2に対する2つの要素−s*2及びs*1は、同じ2つのアンテナからサブバンドk+1上に送信されることができる。
【0062】
送信機が複数のアンテナを含むのであれば、異なる対のアンテナが、ダイバーシティ・モードにおける各データ・サブバンドに対する使用のために選択されることができる。表3は、4つの送信アンテナを使用するSTTDスキームのためのイグゼンプラリなサブバンド−アンテナ割り当てスキームを記載する。
【表3】
【0063】
表3に示された実施形態に関して、送信アンテナ1及び2は、インデックス−26を有する短いOFDMサブバンドに対して使用され、送信アンテナ3及び4は、インデックス−25を有する短いOFDMサブバンドに対して使用される、等である。サブバンド−アンテナ割り当ては、下記のようである。(1)4つの送信アンテナを用いた6つの可能なアンテナの対のそれぞれは、8つのデータ・サブバンドに対して使用される、これは、48のデータ・サブバンドにわたり一様に分布される、及び(2)サブバンド割り当てに対するアンテナ組み合わせは、異なるアンテナが隣接するサブバンドに対して使用されるようにされ、これは、より大きな周波数ダイバーシティ及び空間ダイバーシティを提供できる。表3に示されたサブバンド−アンテナ割り当てスキームは、しかも、短いOFDMサブバンド・インデックスと長いOFDMサブバンド・インデックスとの間の式(1)に示されたマッピングに基づいて長いOFDMシンボルに対して使用される。例えば、送信アンテナ1及び2は、インデックス{−104,−103,−102,−101}を有する長いOFDMサブバンドに対して使用されることができ、これらは、インデックス−26を有する短いOFDMサブバンドに関係付けられている。
【0064】
ダイバーシティ・モードに対する送信機及び受信機における処理は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に詳細に説明されている。
1.物理レイヤ処理
図8は、MIMO−OFDMシステム500内部の1つのアクセス・ポイント510x及び2つのユーザ端末520x及び520yの実施形態のブロック図を示す。
【0065】
ダウンリンク上で、アクセス・ポイント510xにおいて、送信(TX)データ・プロセッサ810は、データ・ソース808からのユーザ・データ(すなわち、情報ビット)を受信し、コントローラ830及びおそらくスケジューラ834からの制御データ及びその他のデータを受信する。コントローラ830及びスケジューラ834の機能は、1個のプロセッサ又は複数のプロセッサによって実行されることができる。これらの種々のタイプのデータは、異なるトランスポート・チャネル上に送られることができる。TXデータ・プロセッサ810は、1又はそれより多くのコーディング・スキーム及び変調スキームに基づいて異なるタイプのデータを処理し、データ送信に使用されようとしている各空間チャネルに対して変調シンボルのストリームを与える。TX空間プロセッサ820は、TXデータ・プロセッサ810から1又はそれより多くの変調シンボル・ストリームを受信し、各送信アンテナに対して1つの“送信”シンボルのストリームを与えるために変調シンボルに空間処理を実施する。プロセッサ810及び820による処理は、下記に説明される。
【0066】
各モジュレータ(MOD)822は、それぞれの送信シンボル・ストリームを受信し、処理して、OFDMシンボルの対応するストリームを与える。OFDMシンボルは、さらに処理されて、対応するダウンリンク信号を与える。Nap個のモジュレータ822aから822apからのダウンリンク信号は、それから、それぞれNap個のアンテナ824aから824apから送信される。
【0067】
各ユーザ端末520において、1又は複数のアンテナ852は、送信されたダウンリンク信号を受信する、そして、各アンテナは、それぞれのデモジュレータ(DEMOD)854へ受信機入力信号を与える。各デモジュレータ854は、モジュレータ822において実行された処理に対して相補的な処理を実行し、そして“受信された”シンボルを与える。受信(RX)空間プロセッサ860は、その後、全てのデモジュレータ854から受信されたシンボルに空間処理を実行して、“再生された”シンボルを与える。再生されたシンボルは、アクセス・ポイントによって送られた変調シンボルの推定値である。
【0068】
RXデータ・プロセッサ870は、受信し、再生されたシンボルを自身のそれぞれのトランスポート・チャネルへデマルチプレックスする。各トランスポート・チャネルに対する再生されたシンボルは、そのトランスポート・チャネルに対するデコードされたデータを与えるために処理されることができる。各トランスポート・チャネルに対するデコードされたデータは、再生されたユーザ・データ、制御データ、及びその他を含むことができる。これは、記憶のためにデータ・シンク872へ与えられることができ、及び/又はさらに処理するためにコントローラ880へ与えられることができる。
【0069】
ダウンリンクに関するアクセス・ポイント510及びユーザ端末520による処理は、下記に、及び前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号にさらに詳細に説明される。アップリンクに関する処理は、ダウンリンクに関する処理と同じである可能性があり、又は異なる可能性がある。
【0070】
ダウンリンクに関して、各アクティブなユーザ端末520において、RX空間プロセッサ860は、ダウンリンク・チャネルをさらに推定し、チャネル状態情報(channel state information)(CSI)を与える。CSIは、チャネル応答推定値、受信されたSNR、及びその他を含むことができる。RXデータ・プロセッサ870は、しかも、ダウンリンク上で受信された各パケット/フレームの状態を与えることができる。コントローラ880は、チャネル状態情報及びパケット/フレーム状態を受信し、アクセス・ポイントへ送り返されるべきフィードバック情報を決定する。コントローラ880は、ステアリング・ベクトルを取得するためにダウンリンク・チャネル推定値をさらに処理することができる。ステアリング・ベクトルは、アクセス・ポイントへステアド基準を送信するために使用され、そしてダウンリンク・データの受信及びアップリンク・データの送信の空間処理のために使用される。フィードバック情報及びアップリンク・データは、TXデータ・プロセッサ890によって処理され、パイロット・データを用いてマルチプレックスされかつ(もし、存在するならば)TX空間プロセッサ892によって空間的に処理され、1又はそれより多くのデモジュレータ854によって調整されて、1又はそれより多くのアンテナ852を介してアクセス・ポイントへ送り返される。
【0071】
アクセス・ポイント510において、送信されたアップリンク信号は、ユーザ端末において実行された方式に対して相補的な方式で、アンテナ824によって受信され、デモジュレータ822によって復調され、そしてRX空間プロセッサ840及びRXデータ・プロセッサ842によって処理される。再生されたフィードバック情報は、その後、コントローラ830及びスケジューラ834へ与えられる。スケジューラ834は、下記のような複数の機能を実行するために、フィードバック情報を使用することができる。(1)ダウンリンク及びアップリンク上でのデータ送信のためにユーザ端末のセットを選択すること、(2)選択されたユーザ端末に対するレートを選択すること、及び(3)選択された端末への利用可能なFCH/RCHリソースを割り当てること、である。コントローラ830は、下記に説明されるように、ダウンリンク送信の処理のためにアップリンク送信から取得された情報(例えば、ステアリング・ベクトル)をさらに使用できる。
【0072】
コントローラ830及び880は、それぞれ、アクセス・ポイント及びユーザ端末における各種の処理ユニットの動作を制御する。例えば、コントローラ830は、ダウンリンク上に送られた各データ・パケットのペイロード・サイズを決定でき、そして各ダウンリンク・データ・パケットに対する適切なサイズのOFDMシンボルを選択できる。対応して、コントローラ880は、アップリンク上に送られた各データ・パケットのペイロード・サイズを決定でき、そして各アップリンク・データ・パケットに対する適切なサイズのOFDMシンボルを選択できる。
【0073】
OFDMシンボル・サイズ選択は、ダウンリンク及びアップリンクに対して異なる方式で実行されることができる。1つの実施形態では、コントローラ830及び/又はスケジューラ834は、ダウンリンク及びアップリンクの両者に対して使用するために特定のOFDMシンボル・サイズを決定する。他の1つの実施形態では、送信機におけるコントローラは、送信に対して使用するために特定のOFDMシンボル・サイズを決定する。OFDMシンボル・サイズ選択は、それから、受信機へ(例えば、オーバーヘッド・チャネル上のシグナリング若しくは送信自身の内部のシグナリングを介して)与えられることができる。さらに他の1つの実施形態では、受信機におけるコントローラは、送信に対して使用するために特定のOFDMシンボル・サイズを決定し、そしてOFDMシンボル・サイズ選択は、それから、送信機へ与えられる。OFDMシンボル・サイズ選択は、各種の様式で与えられることができる。例えば、所定の送信に対して使用するための特定のOFDMシンボル・サイズは、その送信に関するスケジューリング情報から導き出されることができる。これは、例えば、送信に対して使用するための送信モード、空間チャネル、レート、及び時間間隔を含むことができる。スケジューリング情報は、コントローラ830及び/又はスケジューラ834、送信機におけるコントローラ、又は受信機におけるコントローラによって発生されることができる。
【0074】
ダウンリンク及びアップリンクの両者に関して、各データ・パケットに対して使用するために大きなOFDMシンボル及び小さなOFDMシンボルの特定の組み合わせは、パケット・ペイロード・サイズ及び利用可能なOFDMシンボル・サイズの各々に対するOFDMシンボル容量に依存する。各データ・パケットに対して、コントローラは、必要とされるできるだけ多くの大きなOFDMシンボルを選択でき、そしてそこで、データ・パケットに対して1又はそれより多くの追加の小さなOFDMシンボルを適切に選択する。この選択は、下記のように実行されることができる。2つのOFDMシンボル・サイズが(例えば、64のサブバンド及び256のサブバンドを用いて)使用されると仮定すると、小さなOFDMシンボルのデータ搬送容量は、TSM=48変調シンボルであり、そして大きなOFDMシンボルのデータ搬送容量は、TL=192変調シンボルである。変調及びコーディング・スキームは、変調シンボル当りMの情報ビットが送られることを可能にする。小さなOFDMシンボルの容量は、そこでCSM=48・M情報ビットであり、そして、大きなOFDMシンボルの容量は、CL=192・M情報ビットである。データ・パケットが長さでNFビットであるとする。コントローラは、2つの中間値、l及びm、を下記のように算出する:
l=int[Np/CL] ,そして 式(2)
m=ceiling[(Np−l・CL)/CSM] 式(3)
ここで、aに対する“int”演算は、aの整数値を与え、bに対する“ceiling”演算は、bに関する2番目に大きい整数値を与える。もし、m<4であれば、データ・パケットに対して使用する大きなOFDMシンボルの数は、NL=lであり、使用する小さなOFDMシンボルの数は、NSM=mである。それ以外は、もし、m=4であれば、データ・パケットに対して使用する大きなOFDMシンボルの数は、NL=l+1であり、使用する小さなOFDMシンボルの数は、NSM=0である。
【0075】
コントローラ830及び880は、それぞれモジュレータ/デモジュレータ822及び854へOFDMシンボル・サイズ制御信号を与える。アクセス・ポイントにおいて、OFDMシンボル・サイズ制御信号は、ダウンリンク送信のためのIFFT演算のサイズを決定するためにモジュレータによって使用され、そして、しかもアップリンク送信のためのFFT演算のサイズを決定するためにデモジュレータによって使用される。ユーザ端末において、OFDMシンボル・サイズ制御信号は、ダウンリンク送信のためのFFT演算のサイズを決定するために(複数の)デモジュレータによって使用され、そして、しかもアップリンク送信のためのIFFT演算のサイズを決定するために(複数の)モジュレータによって使用される。メモリ・ユニット832及び882は、それぞれコントローラ830及び880によって使用されるデータ及びプログラム・コードを記憶する。
【0076】
図9Aは、アクセス・ポイント及びユーザ端末の送信機部分に対して使用されることができる送信機ユニット900の1つの実施形態のブロック図を示す。TXデータ・プロセッサ810の内部で、フレーミング・ユニット910は、FCH又はRCH上に送信されるべき各パケットのためにデータを“フレーミング”する。フレーミングは、図7に説明されたように実行されることができて、各ユーザ・データ・パケットに対して1又はそれより多くのPHYフレームを与える。フレーミングは、その他のトランスポート・チャネルに対して省略されることがある。スクランブラ912は、その後、データをランダムにするために、各トランスポート・チャネルに対するフレーミングされたデータ/フレーミングされていないデータをスクランブルする。
【0077】
エンコーダ914は、選択されたコーディング・スキームにしたがってスクランブルされたデータをコード化して、コード・ビットを与える。エンコーディングは、データ送信の信頼性を高める。繰り返し/パンクチャ・ユニット916は、それから、各PHYフレームに対する所望のコード・レートを取得するために、コード・ビットのいくつかを繰り返す又はパンクチャする(すなわち、削除する)のどちらかを行う。あるイグゼンプラリな実施形態では、エンコーダ914は、レート1/2、コンストレイント長(constraint length)7、バイナリ・コンボルーショナル・エンコーダである。1/4のコード・レートは、各コード・ビットを1回繰り返すことによって取得されることができる。1/2より大きなコード・レートは、エンコーダ914からのコード・ビットのいくつかを削除することによって取得されることができる。
【0078】
インターリーバ918は、それから、特定のインターリービング・スキームに基づいてユニット916からコード・ビットをインターリーブする(すなわち、再び順番に並べる)。インターリービングは、コード・ビットに対する時間、周波数、及び/又は空間ダイバーシティを与える。ある実施形態では、所定の空間チャネル上に送信されるべき48の連続したコード・ビットの各グループは、短いOFDMシンボルに対する48のデータ・サブバンドにわたってインターリーブされて、周波数ダイバーシティを与える。インターリービングのために、各グループ中の48のコード・ビットは、0から47のインデックスを割り当てられることができる。各コード・ビット・インデックスは、それぞれの短いOFDMサブバンドに関係付けられる。表3は、インターリービングのために使用されることができるイグゼンプラリなコード・ビット−サブバンド割り当てを示す。固有のインデックスを有する全てのコード・ビットは、関係付けられたサブバンド上で送信される。例えば、各グループ中の(インデックス0を有する)第1のコード・ビットは、短いOFDMサブバンド−26上で送信され、(インデックス1を有する)第2のコード・ビットは、サブバンド1上で送信される、等である。
【0079】
長いOFDMシンボルに対して、所定の空間チャネル上に送信されるべき192の連続したコード・ビットの各グループは、長いOFDMシンボルに対する192のデータ・サブバンドにわたってインターリーブされる。特に、インデックス0から47を有する48のコード・ビットの第1のサブグループは、l=4kのインデックスを有する48のデータ・サブバンド上で送信されることができる。ここで、k=±{1..6,8..20,22..26}である。インデックス48から95を有する48のコード・ビットの第2のサブグループは、l=4k+1のインデックスを有する48のデータ・サブバンド上で送信されることができ、インデックス96から143を有する48のコード・ビットの第3のサブグループは、l=4k+2のインデックスを有する48のデータ・サブバンド上で送信されることができ、そしてインデックス144から191を有する48のコード・ビットの最後のサブグループは、l=4k+3のインデックスを有する48のデータ・サブバンド上で送信されることができる。同じインターリービング・スキームが、そのようにして短いOFDMシンボル及び長いOFDMシンボルの両者に対して基本的に使用される。
【0080】
シンボル・マッピング・ユニット920は、その後、1又はそれより多くの変調スキームにしたがってインターリーブされたデータをマッピングして、変調シンボルを与える。表1に示されたように、使用するための特定の変調スキームは、選択されたレートに依存する。同じ変調スキームが、ダイバーシティ・モードにおいて全てのデータ・サブバンドに対して使用される。異なる変調スキームは、空間マルチプレキシング・モードにおいて各空間チャネルに対して使用されることができる。シンボル・マッピングは、下記により達成されることができる。(1)Bビットのセットをグループ化してBビットのバイナリ値を生成する、ここで、B≧1である、及び(2)各Bビットのバイナリ値を選択された変調スキームに対応する信号コンステレーション中の1点にマッピングする。シンボル・マッピング・ユニット920は、TX空間プロセッサ820へ変調シンボルのストリームを与える。
【0081】
フレーミング・ユニット910、スクランブラ912、エンコーダ914、繰り返し/パンクチャ・ユニット916、インターリーバ918、及びシンボル・マッピング・ユニット920に対するイグゼンプラリな設計が、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に説明されている。スクランブリング、コーディング、及び変調は、コントローラ830によって与えられる制御信号に基づいて実行されることができる。
【0082】
TX空間プロセッサ820は、TXデータ・プロセッサ810から変調シンボルを受信して、空間マルチプレクシング、ビーム・ステアリング、又はダイバーシティ・モードに関する空間処理を実行する。空間処理は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に説明されている。TX空間プロセッサ820は、Nap個のモジュレータ822aから822apのそれぞれへ送信シンボルの1つのストリームを与える。
【0083】
図9Bは、図9Aのモジュレータ822aから822apのそれぞれに対して使用されることができる、モジュレータ822xの1実施形態のブロック図を示す。モジュレータ822xは、送信機ユニット(TMTR)940に接続されたOFDMモジュレータ930を含む。OFDMモジュレータ930は、周期的プリフィックス発生器934に接続された可変サイズIFFTユニット932を含む。IFFTユニット932は、図4に示されたIFFTユニット400を用いて実行されることができる。IFFTユニット932は、モジュレータ822xへ与えられた送信シンボルのストリームにN点のIFFTを実行する。ここで、Nは、変数であり、コントローラ830によって与えられたOFDMシンボル・サイズ制御信号によって決定される。例えば、コントローラ830は、(図6に示されたように)BCHセグメント及びFCCHセグメントに対して小さなOFDMシンボル・サイズを選択でき、上記に説明されたように、FCHセグメントに対して小さなOFDMシンボル・サイズ及び大きなOFDMシンボル・サイズの組み合わせを選択できる。周期的プリフィックス発生器934は、IFFTユニット932からの各変換されたシンボルへ周期的プリフィックスを添付する。周期的プリフィックス発生器934の出力は、コントローラ830によって決定されるように、可変サイズを有するOFDMシンボルのストリームである。送信機ユニット940は、OFDMシンボルのストリームを1又はそれより多くのアナログ信号に変換し、関係するアンテナ824からの送信に対して適したダウンリンク信号を発生させるためにアナログ信号をさらに増幅し、フィルタし、そして周波数アップコンバートする。
【0084】
2.パイロット
種々のタイプのパイロットは、タイミング及び周波数捕捉、チャネル推定、キャリブレーション、及びその他のような、各種の機能をサポートするために送信されることができる。表4は、4種類のパイロット及びそれらの短い説明を記載する。
【表4】
【0085】
MIMOパイロットは、短いOFDMシンボルを用いて送信機(例えば、アクセス・ポイント)によって送られることができ、そして、サブバンド・インデックスk∈Kに対して、チャネル応答行列H(k)を推定するために受信機(例えば、ユーザ端末)によって使用される。ここで、K=±{1...26}である。受信機は、それから、下記のように、各サブバンドに対してチャネル応答行列H(k)の特異値分解を実行する:
H(k)=U(k)Σ(k)VH(k)、 k∈Kに対して 式(4)
ここで、U(k)は、H(k)の左固有ベクトルの(NT×NR)のユニタリ行列であり;
Σ(k)は、H(k)の特異値の(NR×NT)の対角行列であり;
V(k)は、H(k)の右固有ベクトルの(NT×NT)のユニタリ行列であり;そして
“H”は、複素転置を表し、NTは、送信アンテナの数を表し、そして、NRは、受信アンテナの数を表す。
【0086】
ユニタリ行列Mは、特性MHM=Iによって特徴付けられる。ここで、Iは、単位行列である。各対角行列Σ(k)中の特異値は、最大のものから最小のものへ順番に並べられ、行列U(k)及びV(k)の列は、対応して順番に並べられる。
【0087】
“ワイドバンド”固有モードは、順番に並べた後ですべてのサブバンドの同じ順番の固有モードのセットとして規定されることができる。そのようにして、ワイドバンド固有モードmは、全てのサブバンドの固有モードmを含む。各ワイドバンド固有モードは、サブバンドの全てに対する固有ベクトルのそれぞれのセットに関係付けられる。“主”ワイドバンド固有モードは、順番に並べた後で、各行列Σ(k)中の最大の特異値に関係付けられたものである。
【0088】
同じ周波数バンドがダウンリンク及びアップリンクの両者に対して使用されるのであれば、1つのリンクに対するチャネル応答行列は、他のリンクに対するチャネル応答行列の転置である。キャリブレーションは、アクセス・ポイント及びユーザ端末における送信機/受信機チェーンの周波数応答の違いを考慮して実行されることができる。ステアド基準は、送信機によって送られることができ、固有ベクトルを推定するために受信機によって使用されることができる。固有ベクトルは、データ受信及び送信に関する空間処理のために使用されることができる。
【0089】
ステアド基準は、下記のように、送信機(例えば、ユーザ端末)によってワイドバンド固有モードmに対して送信されることができる:
xm(k)=vm(k)・p(k)、 k∈Kに対して 式(5)
ここで、xm(k)は、ワイドバンド固有モードmのサブバンドkに対する(NT×1)の送信ベクトルであり;
vm(k)は、ワイドバンド固有モードmのサブバンドkに対するステアリング・ベクトル(すなわち、行列V(k)のm番目の列)であり;そして
p(k)は、サブバンドkに対するパイロット・シンボルである。
【0090】
ベクトルxm(k)は、サブバンドkに対してNT個の送信アンテナから送られるべきNT個の送信シンボルを含む。
【0091】
受信機(例えば、アクセス・ポイント)において受信されたステアド基準は、下記のように表されることができる:
rm(k)=H(k)xm(k)+n(k)、 k∈Kに対して 式(6)
=um(k)σm(k)p(k)+n(k)
ここで、rm(k)は、ワイドバンド固有モードmのサブバンドkに対する受信されたベクトルであり;
um(k)は、ワイドバンド固有モードmのサブバンドkに対するステアリング・ベクトル(すなわち、行列U(k)のm番目の列)であり;
σm(k)は、ワイドバンド固有モードmのサブバンドkに対する特異値であり;そして
n(k)は、ノイズである。
【0092】
式(6)に示されたように、受信機において、(ノイズのない)受信されたステアド基準は、ほぼum(k)σm(k)p(k)である。前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に説明されたように、受信機は、そのサブバンド上で受信されたステアド基準に基づいてサブバンドkに対するum(k)及びσm(k)の推定値をこのようにして取得できる。
【0093】
ステアド基準は、(サブバンド・マルチプキシングなしで)各OFDMシンボル期間中の1つのワイドバンド固有モードに対して送られ、そして、そのワイドバンド固有モードの各サブバンドに対して1つの固有ベクトルum(k)の推定値を取得するために順番に使用されることができる。ユニタリ行列U(k)に対する複数の固有ベクトルの推定値が、異なるOFDMシンボル期間にわたり取得され、そしてワイアレス・チャネルにおけるノイズ及びその他のソースの劣化に起因して取得されるので、ユニタリ行列に対して推定された固有ベクトル(これは個別に導出される)は、互いに直交する可能性がない。性能を改善するために、前述の米国特許仮出願番号第60/438,601号に説明されたように、各ユニタリ行列U(k)のNc個の推定された固有ベクトルum(k)は、QR因数分解若しくはある種のその他の直交化技術を使用して互いに直交化されることを強いられる。
【0094】
ステアド基準は、短いOFDMシンボルを使用して送られることができる。受信機は、受信されたステアド基準を処理することができ、ステアド基準送信に使用された各々の短いOFDMサブバンドに対するステアリング・ベクトルを取得することができる。上記のイグゼンプラリな設計に対して、各々の短いOFDMサブバンドは、4つの長いOFDMサブバンドに関係付けられる。ステアド基準が短いOFDMシンボルを使用して送られるのであれば、長いOFDMサブバンドに対するステアリング・ベクトルは、種々の方式で取得されることができる。
【0095】
1つの実施形態では、短いOFDMサブバンドkに対して取得されたステアリング・ベクトルは、長いOFDMサブバンドl=4kからl=4k+3までに対して使用される。この実施形態は、低から中間のSNRに対して良い性能を与える。高いSNRに対して、チャネルのコヒーレントなバンド幅(coherency bandwidth)が小さい場合に、ある種の劣化が、観測される。コヒーレントなバンド幅は、そのバンド幅にわたってチャネルが本質的に一定である又は平坦なバンド幅である。
【0096】
他の1つの実施形態では、短いOFDMサブバンドに対して取得されたステアリング・ベクトルum(k)は、長いOFDMサブバンドに対するステアリング・ベクトルum(l)を取得するために補間される。補間は、ステアリング・ベクトルum(l)が基礎となるチャネル応答行列H(k)よりもサブバンド間で実質的に大きな変動可能性を示さないような方式で実行されることができる。変動可能性の1つのソースは、H(k)の左及び右固有ベクトルにおける位相不明確性である。これは、H(k)の左及び右固有ベクトルが、単位長複素定数までただ1つであるという事実からの結果である。特に、下記の方程式を満足させる単位長ベクトルvm(k)及びum(k)のいずれかの対に対して:
H(k)vm(k)=um(k)σm(k) 式(7)
単位長ベクトルejψvm(k)及びejψum(k)の任意のその他の対も、方程式を満足する。
【0097】
この位相不明確性は、H(k)の特異値分解の演算においてある種の予防措置を取ることによって回避できる。これは、特異値分解の解を制約することによって達成されることができ、その結果V(k)の各列の第1の要素は負ではない。固有ベクトル中の変動がそれ以外はスムーズであり、固有ベクトルの先頭の要素の強度がゼロに近くない場合には、この制約は、サブバンド間の任意の位相回転を除去する。この制約は、対角行列R(k)をユニタリ行列U(k)及びV(k)のそれぞれを用いて後で掛け算することによって実施されることができる。これは、通常の方式で取得されることができ、任意の位相回転を含むことができる。行列R(k)の対角線要素ρi(k)は、下記のように表される:
【数1】
【0098】
ここで、ν1,i(k)は、V(k)のi番目の列の第1番目の要素であり、そして
【数2】
【0099】
R(k)V(k)中の制約された固有ベクトルは、それから、式(5)に示されたように、ステアド基準に対して使用されることができる。受信機において、受信されたベクトルrm(k)は、um(k)及びσm(k)の推定値を取得するために処理されることができる。これらは、それぞれum(l)及びσm(l)の推定値を取得するために補間されることができる。
【0100】
MIMOパイロットに対する短いOFDMシンボル及びステアド基準の使用は、チャネル応答行列H(k)の特異値分解に関係する処理負荷を削減する。さらに、サブバンド間の任意の位相回転を回避するために上に説明された制約を用いる補間は、データ送信に対して使用された全てのサブバンドより少ないステアド基準送信に基づいたステアリング・ベクトルの補間に起因する性能の劣化の量を減少できることを、示すことができる。
【0101】
キャリア・パイロットは、アクセス・ポイントによって送信されることができ、そしてキャリア信号の位相トラッキングのためにユーザ端末によって使用されることができる。短いOFDMシンボルに対して、キャリア・パイロットは、表3に示されたように、インデックス±{7,21}を有する4つの短いOFDMサブバンド上で送信されることができる。長いOFDMシンボルに対して、キャリア・パイロットは、インデックス±{28+i,84+i}、i=0,1,2,3に対して、を有する16の対応する長いOFDMサブバンド上で送信されることができる。あるいは、キャリア・パイロットは、インデックス±{28,84}を有する4つの長いOFDMサブバンド上で送信されることができる。この場合には、その他の12の長いOFDMサブバンドは、データ送信又はある種のその他の目的のために使用されることができる。
【0102】
各種のタイプのパイロット及び送信機及び受信機におけるこれらの処理は、前述の米国特許仮出願番号第60/421,309号に詳細に説明されている。
【0103】
単純化のために、異なるサイズのOFDMシンボルを使用するための技術が、ダウンリンクに対して説明されてきた。これらの技術は、アップリンクに対しても使用されることができる。固定OFDMシンボル・サイズは、ある種のアップリンク送信(例えば、RACH上に送られたメッセージ)に対して使用されることができ、そして異なるサイズのOFDMシンボルは、その他のアップリンク送信(例えば、RCH上に送られたデータ・パケット)に対して使用されることができる。各アップリンク・データ・パケットに対して使用するために、大きなOFDMシンボル及び小さなOFDMシンボルの特定の組み合わせは、パケット・ペイロード・サイズに依存する可能性があり、(例えば、上記に説明されたように、コントローラ880によって発生された若しくはコントローラ830及び/又はスケジューラ834によって与えられたスケジューリング情報に基づいて)コントローラ880により決定されることができる。
【0104】
OFDMシステムにおいて異なるサイズのOFDMシンボルを使用するここで説明された技術は、種々の手段によって実行されることができる。例えば、これらの技術は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実行されることができる。ハードウェア実行に関して、いずれか1つの技術又は技術の組み合わせを実行するために使用される素子は、1又はそれより多くのアプリケーション・スペシフィック集積回路(ASIC)、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、デジタル・シグナル・プロセシング・デバイス(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロ−コントローラ、マイクロプロセッサ、ここに説明した機能を実行するために設計された他の電子ユニット、若しくはこれらの組み合わせの内部で、実行されることができる。
【0105】
ソフトウェア実行に関して、ここに説明された技術は、ここで説明された機能を実施するモジュール(例えば、手順、機能、及びその他)を用いて実行されることができる。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニット(例えば、図8のメモリ・ユニット832及び882)中に記憶されることができ、そしてプロセッサ(例えば、コントローラ830及び880)によって実行されることができる。メモリ・ユニットは、プロセッサの内部で又はプロセッサの外部で実行される可能性がある。この場合には、この分野で知られた種々の手段を介してプロセッサに通信的に接続されることができる。
【0106】
見出しは、参考のため及びある節の位置を見つけることを手助けするためにここに含まれる。これらの見出しは、その場所でその下に説明された概念の範囲を制限することを目的にするのではない、そしてこれらの概念は、全体の明細書を通して他の節において適用可能性を有する可能性がある。
【0107】
開示された実施形態のこれまでの説明は、本技術分野に知識のあるいかなる者でも、本発明を作成し、使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する種々の変形は、本技術分野に知識のある者に容易に実現されるであろう。そして、ここで規定された一般的な原理は、発明の精神若しくは範囲から逸脱しないで、他の実施形態に適用されることができる。それゆえ、本発明は、ここに示された実施形態に制限することを意図したものではなく、ここに開示された原理及び新規な特性と整合する広い範囲に適用されるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のサイズの第1のOFDMシンボルで第1のデータのブロックを送信すること;及び
第1のサイズとは異なる第2のサイズの第2のOFDMシンボルで第2のデータのブロックを送信すること、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてデータを送信する方法。
【請求項2】
第1のデータのブロックは、制御データを具備し、及び第2のデータのブロックは、ユーザ・データを具備する、請求項1の方法。
【請求項3】
第1のサイズは、制御データに対して予想されるペイロード・サイズに基づいて選択され、及び第2のサイズは、ユーザ・データに対して予想されるペイロード・サイズに基づいて選択される、請求項2の方法。
【請求項4】
第1及び第2のデータのブロックは、データ・パケットに対してである、請求項1の方法。
【請求項5】
第1のデータのブロックは、複数の受信機に対して向けられ、第2のデータのブロックは、1個の受信機に対して向けられる、請求項1の方法。
【請求項6】
第3のOFDMシンボル中のパイロットを送信すること、
をさらに具備する請求項1の方法。
【請求項7】
パイロットは、ステアド基準である、請求項6の方法。
【請求項8】
各対の第2のOFDMシンボルに対する変調シンボルは、2つのアンテナから1対のサブバンド上に同時に送信される、請求項1の方法。
【請求項9】
第1及び第2のOFDMシンボルに対する周期的プリフィックスは、同じ長さを有する、請求項1の方法。
【請求項10】
第1及び第2のOFDMシンボルに対する周期的プリフィックスは、異なる長さを有する、請求項1の方法。
【請求項11】
第2のデータのブロックは、第2のOFDMシンボル中で送信されるエラー検出値を取得するためにコード化される、請求項1の方法。
【請求項12】
第1及び第2のデータのブロックは、同じインターリービング・スキームを用いてインターリーブされる、請求項1の方法。
【請求項13】
第1及び第2のサイズは、2のべき乗によって関係付けられる、請求項1の方法。
【請求項14】
第1のサイズの第1のOFDMシンボル中の第1のデータのブロックを送信するための手段;及び
第1のサイズとは異なる第2のサイズの第2のOFDMシンボル中の第2のデータのブロックを送信するための手段、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける装置。
【請求項15】
第1のサイズの第3のOFDMシンボル中のパイロットを送信するための手段、
をさらに具備する、請求項14の装置。
【請求項16】
変調シンボルの第1のセットを取得するために第1のデータのブロックを処理するように機能し、かつ変調シンボルの第2のセットを取得するために第2のデータのブロックを処理するように機能する送信(TX)データ・プロセッサ;及び
第1のサイズの第1のOFDMシンボルを取得するために変調シンボルの第1のセットを処理するように機能し、かつ第1のサイズとは異なる第2のサイズの第2のOFDMシンボルを取得するために変調シンボルの第2のセットを処理するように機能するモジュレータ、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける送信機ユニット。
【請求項17】
モジュレータは、パイロットに対する第3のOFDMシンボルを取得するためにパイロットに対する変調シンボルの第3のセットをさらに処理するように機能する、請求項16の送信機ユニット。
【請求項18】
第1のサイズの第1のOFDMシンボルを有する第1の時間セグメント中の制御データを送信すること;及び
第1のサイズとは異なる第2のサイズの第2のOFDMシンボルを有する第2の時間セグメント中のユーザ・データを送信すること、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてデータを送信する方法。
【請求項19】
第2のサイズとは異なる第3のサイズの第3のOFDMシンボルを有する第2の時間セグメント中のユーザ・データを送信すること、
をさらに具備する請求項18の方法。
【請求項20】
第3のOFDMシンボルを有する第3の時間セグメント中のパイロットを送信すること、
をさらに具備する請求項18の方法。
【請求項21】
第1及び第2のサイズは、固定である、請求項18の方法。
【請求項22】
第1及び第2のサイズは、設定可能である、請求項18の方法。
【請求項23】
第1のデータのブロックに対する第1のサイズの第1のOFDMシンボルを受信すること;及び
第2のサイズは第1のサイズとは異なり、第2のデータのブロックに対する第2のサイズの第2のOFDMシンボルを受信すること、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてデータを受信する方法。
【請求項24】
第1のデータのブロックは、制御データを具備し、及び第2のデータのブロックは、ユーザ・データを具備する、請求項23の方法。
【請求項25】
第1及び第2のデータのブロックは、データ・パケットに対してである、請求項23の方法。
【請求項26】
パイロットに対する第3のOFDMシンボルを送信すること、
をさらに具備する請求項23の方法。
【請求項27】
複数のサブバンドのそれぞれに対するチャネル推定値を取得するために第3のOFDMシンボルを処理すること、
をさらに具備する請求項26の方法。
【請求項28】
複数のサブバンドの中にない付加的なサブバンドに対するチャネル推定値を取得するために複数のサブバンドに対するチャネル推定値を補間すること、
をさらに具備する請求項27の方法。
【請求項29】
第1のデータのブロックに対する第1のサイズの第1のOFDMシンボルを受信するための手段;及び
第2のサイズは第1のサイズとは異なり、第2のデータのブロックに対する第2のサイズの第2のOFDMシンボルを受信するための手段、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける装置。
【請求項30】
パイロットに対する第3のOFDMシンボルを受信するための手段;及び
複数のサブバンドのそれぞれに対するチャネル推定値を取得するために第3のOFDMシンボルを処理するための手段、
をさらに具備する請求項29の装置。
【請求項31】
複数のサブバンドの中にない付加的なサブバンドに対するチャネル推定値を取得するために複数のサブバンドに対するチャネル推定値を補間するための手段、
を具備する、請求項30の装置。
【請求項32】
受信された変調シンボルの第1のセットを取得するために第1のサイズの第1のOFDMシンボルを処理するように機能し、かつ受信された変調シンボルの第2のセットを取得するために第2のサイズの第2のOFDMシンボルを処理するように機能するデモジュレータ、ここで、第2のサイズは第1のサイズとは異なる;及び
第1のデータのブロックを取得するために受信された変調シンボルの第1のセットを適切に処理し、及び第2のデータのブロックを取得するために受信された変調シンボルの第2のセットを処理するように機能する受信(RX)データ・プロセッサ、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける受信機ユニット。
【請求項33】
デモジュレータは、複数のサブバンドのそれぞれに対するチャネル推定値を与えるためにパイロットに対する第3のOFDMシンボルをさらに適切に処理する、請求項32の受信機ユニット。
【請求項34】
複数のサブバンドの中にない付加的なサブバンドに対するチャネル推定値を取得するために複数のサブバンドに対するチャネル推定値を補間するように機能するコントローラ、
をさらに具備する請求項33の受信機ユニット。
【請求項35】
パイロットに対するアンテナのセットからOFDMシンボルの第1のセットを受信すること;
複数のサブバンドのそれぞれに対するチャネル応答行列を取得するためにOFDMシンボルの第1のセットを処理すること;及び
チャネル応答行列に対する固有ベクトルのユニタリ行列を取得するために複数のサブバンドのそれぞれに対するチャネル応答行列を分解すること、ここで、分解は、サブバンド間の任意の位相回転を回避する方法で実行される、
を具備する、多元入力多元出力(MIMO)直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてパイロットを処理する方法。
【請求項36】
サブバンド間の任意の位相回転は、ユニタリ行列の各列の第1の要素を負でない値になるように制約することによって回避される、請求項35の方法。
【請求項37】
複数のサブバンドのそれぞれに対するユニタリ行列の特定の列に基づいてステアド基準を発生させること;及び
ステアド基準のためにアンテナのセットからOFDMシンボルの第2のセットを送信すること、
をさらに具備する請求項36の方法。
【請求項38】
ステアド基準のためにアンテナのセットからのOFDMシンボルのセットを受信すること;
複数のサブバンドのそれぞれに対するステアリング・ベクトルを取得するためにOFDMシンボルのセットを処理すること;及び
複数のサブバンドの中にない付加的なサブバンドに対するステアリング・ベクトルを取得するために複数のサブバンドに対するステアリング・ベクトルを補間すること、
を具備する、多元入力多元出力(MIMO)直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてステアド基準を処理する方法。
【請求項39】
OFDMシンボル・サイズのセットから第1のOFDMシンボル・サイズを選択すること、ここで、OFDMシンボル・サイズのセットは、大きなOFDMシンボル・サイズと大きなOFDMシンボル・サイズより小さい小さなOFDMシンボル・サイズとを具備する;及び
第1のOFDMシンボル・サイズを有するOFDMシンボル中のデータ・ユニットの第1の部分を送信すること、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてデータ・ユニット・サイズを有するデータ・ユニットを送信する方法。
【請求項40】
第1のOFDMシンボル・サイズを選択することは、データ・ユニット・サイズに基づいている、請求項39の方法。
【請求項41】
データ・ユニットは、データ・ユニット・タイプを有する、そしてここで、第1のOFDMシンボル・サイズを選択することは、データ・ユニット・タイプに基づいている、請求項39の方法。
【請求項42】
OFDMシンボル・サイズのセットから第2のOFDMシンボル・サイズを選択すること;及び
第2のOFDMシンボル・サイズを有する第2のOFDMシンボル中のデータ・ユニットの第2の部分を送信すること、
をさらに具備する請求項39の方法。
【請求項43】
第1のOFDMシンボル・サイズは、第2のOFDMシンボル・サイズに等しい、請求項42の方法。
【請求項44】
第1のOFDMシンボル・サイズは、第2のOFDMシンボル・サイズより大きい、請求項42の方法。
【請求項45】
OFDMシンボル・サイズのセットから第1のOFDMシンボル・サイズを選択するための手段、ここで、OFDMシンボル・サイズのセットは、大きなOFDMシンボル・サイズと大きなOFDMシンボル・サイズより小さい小さなOFDMシンボル・サイズとを具備する;及び
第1のOFDMシンボル・サイズを有するOFDMシンボル中のデータ・ユニットの第1の部分を送信するための手段、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける装置。
【請求項46】
OFDMシンボル・サイズのセットから第2のOFDMシンボル・サイズを選択するための手段;及び
第2のOFDMシンボル・サイズを有する第2のOFDMシンボル中のデータ・ユニットの第2の部分を送信するための手段、
をさらに具備する請求項45の装置。
【請求項47】
第1のOFDMシンボル・サイズは、データ・ユニットのデータ・ユニット・サイズに基づいて選択される、請求項45の装置。
【請求項48】
第1のOFDMシンボル・サイズは、データ・ユニットのデータ・ユニット・タイプに基づいて選択される、請求項45の装置。
【請求項49】
OFDMシンボル・サイズのセットから第1のOFDMシンボル・サイズを選択するように機能するコントローラ、ここで、OFDMシンボル・サイズのセットは、大きなOFDMシンボル・サイズと大きなOFDMシンボル・サイズより小さい小さなOFDMシンボル・サイズとを具備する;及び
第1のOFDMシンボル・サイズを有するOFDMシンボルを取得するためにデータ・ユニットの第1の部分を処理するように機能するモジュレータ、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける送信機ユニット。
【請求項50】
コントローラは、OFDMシンボル・サイズのセットから第2のOFDMシンボル・サイズをさらに選択するように機能し、及びここで、モジュレータは、第2のOFDMシンボル・サイズを有する第2のOFDMシンボルを取得するためにデータ・ユニットの第2の部分をさらに処理するように機能する、請求項49の送信機。
【請求項1】
第1のサイズの第1のOFDMシンボルで第1のデータのブロックを送信すること;及び
第1のサイズとは異なる第2のサイズの第2のOFDMシンボルで第2のデータのブロックを送信すること、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてデータを送信する方法。
【請求項2】
第1のデータのブロックは、制御データを具備し、及び第2のデータのブロックは、ユーザ・データを具備する、請求項1の方法。
【請求項3】
第1のサイズは、制御データに対して予想されるペイロード・サイズに基づいて選択され、及び第2のサイズは、ユーザ・データに対して予想されるペイロード・サイズに基づいて選択される、請求項2の方法。
【請求項4】
第1及び第2のデータのブロックは、データ・パケットに対してである、請求項1の方法。
【請求項5】
第1のデータのブロックは、複数の受信機に対して向けられ、第2のデータのブロックは、1個の受信機に対して向けられる、請求項1の方法。
【請求項6】
第3のOFDMシンボル中のパイロットを送信すること、
をさらに具備する請求項1の方法。
【請求項7】
パイロットは、ステアド基準である、請求項6の方法。
【請求項8】
各対の第2のOFDMシンボルに対する変調シンボルは、2つのアンテナから1対のサブバンド上に同時に送信される、請求項1の方法。
【請求項9】
第1及び第2のOFDMシンボルに対する周期的プリフィックスは、同じ長さを有する、請求項1の方法。
【請求項10】
第1及び第2のOFDMシンボルに対する周期的プリフィックスは、異なる長さを有する、請求項1の方法。
【請求項11】
第2のデータのブロックは、第2のOFDMシンボル中で送信されるエラー検出値を取得するためにコード化される、請求項1の方法。
【請求項12】
第1及び第2のデータのブロックは、同じインターリービング・スキームを用いてインターリーブされる、請求項1の方法。
【請求項13】
第1及び第2のサイズは、2のべき乗によって関係付けられる、請求項1の方法。
【請求項14】
第1のサイズの第1のOFDMシンボル中の第1のデータのブロックを送信するための手段;及び
第1のサイズとは異なる第2のサイズの第2のOFDMシンボル中の第2のデータのブロックを送信するための手段、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける装置。
【請求項15】
第1のサイズの第3のOFDMシンボル中のパイロットを送信するための手段、
をさらに具備する、請求項14の装置。
【請求項16】
変調シンボルの第1のセットを取得するために第1のデータのブロックを処理するように機能し、かつ変調シンボルの第2のセットを取得するために第2のデータのブロックを処理するように機能する送信(TX)データ・プロセッサ;及び
第1のサイズの第1のOFDMシンボルを取得するために変調シンボルの第1のセットを処理するように機能し、かつ第1のサイズとは異なる第2のサイズの第2のOFDMシンボルを取得するために変調シンボルの第2のセットを処理するように機能するモジュレータ、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける送信機ユニット。
【請求項17】
モジュレータは、パイロットに対する第3のOFDMシンボルを取得するためにパイロットに対する変調シンボルの第3のセットをさらに処理するように機能する、請求項16の送信機ユニット。
【請求項18】
第1のサイズの第1のOFDMシンボルを有する第1の時間セグメント中の制御データを送信すること;及び
第1のサイズとは異なる第2のサイズの第2のOFDMシンボルを有する第2の時間セグメント中のユーザ・データを送信すること、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてデータを送信する方法。
【請求項19】
第2のサイズとは異なる第3のサイズの第3のOFDMシンボルを有する第2の時間セグメント中のユーザ・データを送信すること、
をさらに具備する請求項18の方法。
【請求項20】
第3のOFDMシンボルを有する第3の時間セグメント中のパイロットを送信すること、
をさらに具備する請求項18の方法。
【請求項21】
第1及び第2のサイズは、固定である、請求項18の方法。
【請求項22】
第1及び第2のサイズは、設定可能である、請求項18の方法。
【請求項23】
第1のデータのブロックに対する第1のサイズの第1のOFDMシンボルを受信すること;及び
第2のサイズは第1のサイズとは異なり、第2のデータのブロックに対する第2のサイズの第2のOFDMシンボルを受信すること、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてデータを受信する方法。
【請求項24】
第1のデータのブロックは、制御データを具備し、及び第2のデータのブロックは、ユーザ・データを具備する、請求項23の方法。
【請求項25】
第1及び第2のデータのブロックは、データ・パケットに対してである、請求項23の方法。
【請求項26】
パイロットに対する第3のOFDMシンボルを送信すること、
をさらに具備する請求項23の方法。
【請求項27】
複数のサブバンドのそれぞれに対するチャネル推定値を取得するために第3のOFDMシンボルを処理すること、
をさらに具備する請求項26の方法。
【請求項28】
複数のサブバンドの中にない付加的なサブバンドに対するチャネル推定値を取得するために複数のサブバンドに対するチャネル推定値を補間すること、
をさらに具備する請求項27の方法。
【請求項29】
第1のデータのブロックに対する第1のサイズの第1のOFDMシンボルを受信するための手段;及び
第2のサイズは第1のサイズとは異なり、第2のデータのブロックに対する第2のサイズの第2のOFDMシンボルを受信するための手段、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける装置。
【請求項30】
パイロットに対する第3のOFDMシンボルを受信するための手段;及び
複数のサブバンドのそれぞれに対するチャネル推定値を取得するために第3のOFDMシンボルを処理するための手段、
をさらに具備する請求項29の装置。
【請求項31】
複数のサブバンドの中にない付加的なサブバンドに対するチャネル推定値を取得するために複数のサブバンドに対するチャネル推定値を補間するための手段、
を具備する、請求項30の装置。
【請求項32】
受信された変調シンボルの第1のセットを取得するために第1のサイズの第1のOFDMシンボルを処理するように機能し、かつ受信された変調シンボルの第2のセットを取得するために第2のサイズの第2のOFDMシンボルを処理するように機能するデモジュレータ、ここで、第2のサイズは第1のサイズとは異なる;及び
第1のデータのブロックを取得するために受信された変調シンボルの第1のセットを適切に処理し、及び第2のデータのブロックを取得するために受信された変調シンボルの第2のセットを処理するように機能する受信(RX)データ・プロセッサ、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける受信機ユニット。
【請求項33】
デモジュレータは、複数のサブバンドのそれぞれに対するチャネル推定値を与えるためにパイロットに対する第3のOFDMシンボルをさらに適切に処理する、請求項32の受信機ユニット。
【請求項34】
複数のサブバンドの中にない付加的なサブバンドに対するチャネル推定値を取得するために複数のサブバンドに対するチャネル推定値を補間するように機能するコントローラ、
をさらに具備する請求項33の受信機ユニット。
【請求項35】
パイロットに対するアンテナのセットからOFDMシンボルの第1のセットを受信すること;
複数のサブバンドのそれぞれに対するチャネル応答行列を取得するためにOFDMシンボルの第1のセットを処理すること;及び
チャネル応答行列に対する固有ベクトルのユニタリ行列を取得するために複数のサブバンドのそれぞれに対するチャネル応答行列を分解すること、ここで、分解は、サブバンド間の任意の位相回転を回避する方法で実行される、
を具備する、多元入力多元出力(MIMO)直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてパイロットを処理する方法。
【請求項36】
サブバンド間の任意の位相回転は、ユニタリ行列の各列の第1の要素を負でない値になるように制約することによって回避される、請求項35の方法。
【請求項37】
複数のサブバンドのそれぞれに対するユニタリ行列の特定の列に基づいてステアド基準を発生させること;及び
ステアド基準のためにアンテナのセットからOFDMシンボルの第2のセットを送信すること、
をさらに具備する請求項36の方法。
【請求項38】
ステアド基準のためにアンテナのセットからのOFDMシンボルのセットを受信すること;
複数のサブバンドのそれぞれに対するステアリング・ベクトルを取得するためにOFDMシンボルのセットを処理すること;及び
複数のサブバンドの中にない付加的なサブバンドに対するステアリング・ベクトルを取得するために複数のサブバンドに対するステアリング・ベクトルを補間すること、
を具備する、多元入力多元出力(MIMO)直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてステアド基準を処理する方法。
【請求項39】
OFDMシンボル・サイズのセットから第1のOFDMシンボル・サイズを選択すること、ここで、OFDMシンボル・サイズのセットは、大きなOFDMシンボル・サイズと大きなOFDMシンボル・サイズより小さい小さなOFDMシンボル・サイズとを具備する;及び
第1のOFDMシンボル・サイズを有するOFDMシンボル中のデータ・ユニットの第1の部分を送信すること、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおいてデータ・ユニット・サイズを有するデータ・ユニットを送信する方法。
【請求項40】
第1のOFDMシンボル・サイズを選択することは、データ・ユニット・サイズに基づいている、請求項39の方法。
【請求項41】
データ・ユニットは、データ・ユニット・タイプを有する、そしてここで、第1のOFDMシンボル・サイズを選択することは、データ・ユニット・タイプに基づいている、請求項39の方法。
【請求項42】
OFDMシンボル・サイズのセットから第2のOFDMシンボル・サイズを選択すること;及び
第2のOFDMシンボル・サイズを有する第2のOFDMシンボル中のデータ・ユニットの第2の部分を送信すること、
をさらに具備する請求項39の方法。
【請求項43】
第1のOFDMシンボル・サイズは、第2のOFDMシンボル・サイズに等しい、請求項42の方法。
【請求項44】
第1のOFDMシンボル・サイズは、第2のOFDMシンボル・サイズより大きい、請求項42の方法。
【請求項45】
OFDMシンボル・サイズのセットから第1のOFDMシンボル・サイズを選択するための手段、ここで、OFDMシンボル・サイズのセットは、大きなOFDMシンボル・サイズと大きなOFDMシンボル・サイズより小さい小さなOFDMシンボル・サイズとを具備する;及び
第1のOFDMシンボル・サイズを有するOFDMシンボル中のデータ・ユニットの第1の部分を送信するための手段、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける装置。
【請求項46】
OFDMシンボル・サイズのセットから第2のOFDMシンボル・サイズを選択するための手段;及び
第2のOFDMシンボル・サイズを有する第2のOFDMシンボル中のデータ・ユニットの第2の部分を送信するための手段、
をさらに具備する請求項45の装置。
【請求項47】
第1のOFDMシンボル・サイズは、データ・ユニットのデータ・ユニット・サイズに基づいて選択される、請求項45の装置。
【請求項48】
第1のOFDMシンボル・サイズは、データ・ユニットのデータ・ユニット・タイプに基づいて選択される、請求項45の装置。
【請求項49】
OFDMシンボル・サイズのセットから第1のOFDMシンボル・サイズを選択するように機能するコントローラ、ここで、OFDMシンボル・サイズのセットは、大きなOFDMシンボル・サイズと大きなOFDMシンボル・サイズより小さい小さなOFDMシンボル・サイズとを具備する;及び
第1のOFDMシンボル・サイズを有するOFDMシンボルを取得するためにデータ・ユニットの第1の部分を処理するように機能するモジュレータ、
を具備する、直交周波数分割マルチプレクシング(OFDM)通信システムにおける送信機ユニット。
【請求項50】
コントローラは、OFDMシンボル・サイズのセットから第2のOFDMシンボル・サイズをさらに選択するように機能し、及びここで、モジュレータは、第2のOFDMシンボル・サイズを有する第2のOFDMシンボルを取得するためにデータ・ユニットの第2の部分をさらに処理するように機能する、請求項49の送信機。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2010−183580(P2010−183580A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−30077(P2010−30077)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【分割の表示】特願2005−501686(P2005−501686)の分割
【原出願日】平成15年10月27日(2003.10.27)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30077(P2010−30077)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【分割の表示】特願2005−501686(P2005−501686)の分割
【原出願日】平成15年10月27日(2003.10.27)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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