説明

複数のチャネルを受信するためのシステム及び方法

【課題】通信受信器で複数のチャネルを受信するシステム等を提供する。
【解決手段】システム200は第1及び第2のモジュール206、256を有する。第1のモジュールは、入力信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器210と、デジタル信号を同調させる第1のチューナ220と、第1のチューナ220の出力を処理する第1の複数の復調器230a,bとを有し、第2のモジュールは、デジタル信号を同調させる第2のチューナ260と、第2のチューナ260の出力を処理する第2の複数の復調器270a,bとを有する。第1のモジュールは、デジタル信号を第1のフォーマットで第1のチューナへ供給する第1のインターフェース212と、デジタル信号を第2のフォーマットで第2のチューナへ供給する第2のインターフェース214とを更に有する。第2のインターフェースは少なくとも1つの同期信号を第2のチューナへ更に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、通信受信器に関する。本発明は、より具体的には、アナログ−デジタル変換の後に実行される信号分割を用いて複数のチャネルを同調させるためのシステム及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
当該項目は、様々な技術的態様を読者に紹介することを目的とする。かかる技術的態様は、以下で記載及び/又は請求される本発明の様々な態様に関連する。本論は、本発明の様々な態様のより良い理解を容易にするよう、背景となる情報を読者に与える助けとなると考えられる。従って、当然、かかる記述はこの観点から読まれるべきであり、先行技術を認めるものとして読まれるべきではない。
【0003】
近年、家庭へのメディア配信は急速に変化しつつある。今日、消費者は、衛星システム、ケーブルシステム、及びインターネットを含む多数のソースから、家庭で同時に、100を越える異なる番組マテリアルを受信することができる。明らかなように、消費者は、現在、これまでよりも多くの番組選択肢から選択することができる。
【0004】
消費者製品は、また、多数の利用可能な番組選択肢に基づき、消費者の新しい要求に即応するよう変化している。新しい消費者機器は、しばしば、ピクチャ・イン・ピクチャにより、1度に少なくとも2つの番組を観賞することを可能にし、更に、後の観賞のために1よりも多い番組の録画を可能にする。幾つかの機器は、家族全員に番組を再配信する能力を有しうる。
【0005】
しかし、実際に信号を受信する機器は、この期間全体を通して、ほんの僅かしか変化していない。従来のチューナは、通常、情報の単一の物理的なチャネル周波数にしか同調することができない。1よりも多い情報チャネルが望まれる場合、従来のアプローチは、無線周波数(RF)信号の電力を分割し、分割信号の夫々を別個のチューナへ供給することができる。RF信号が分割されると、信号エネルギー及び全体的な信号性能の損失が夫々の別個のチューナで生ずる。幾つかの場合に、1よりも多いRF分割が必要とされるが、これは、各チューナが利用可能な信号を更に劣化させる。これは、例えば、4つのチューナがアプリケーションに必要とされる場合に、必要とされうる。信号エネルギーの損失を解決するために、信号は、RF分割の前又は後に、能動的に増幅されうるが、かかる増幅は、付加的な雑音及び歪みを信号に導入することがある。従って、分割信号は、最初の信号分割の前に受信された信号よりも低い信号品質を有しうる。
【0006】
現在複数のチューナ受信器を利用するシステムは、デジタル衛星テレビジョンサービスである。実際に、目下より一般的には、含まれる少なくとも2つのチューナを備えた衛星受信器が見うけられる。将来的に、衛星受信器は、5個程度のチューナを有しうる。更に、システム仕様の変更は、余分のチューナが、常に、例えば番組ガイド又は他のダウンロード可能な特性などの制御情報を受信することができることを必要としうる。
【0007】
受信器フロント及び技術における近年の進歩は、ますます回路をデジタル信号処理分野にシフトすることによって、衛星受信器設計の展望を変え始めている。チューナに見うけられる従来のアナログ機能の多くは、現在、デジタル回路へと移行しつつある。回路をデジタル分野へ移動させる利点は、例えばRFスプリッタのようなアナログデバイスに関連する潜在的な信号劣化を軽減することが可能である点である。
【0008】
しかし、複数のチャネルを受信可能な受信器に関する更なる複雑な要素は、各チャネルに対するデータが、例えば映像及び音声の復号化などの更なる処理において使用され得るデータを供給するよう、個々に復調されるべき点である。通常、復調処理は、符号化された信号の復調と、転送の間に生じた如何なるエラーも修復又は特定するためのエラー補正の実行とを含む。復調処理は、また、現在のチャネル欠陥を与えられる受信を支援するようイコライゼーションを含んでも良い。例えばシリコン集積回路のような回路の設計及び実施における物理的な制限のために、単一のシリコンダイ上に少数の復調システムよりも多くを有することは可能ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
先に述べたように、従来のアプローチは、全体的設計においてあらゆる復調システムのために別個のチューナシステムを含むことができる。しかし、このアプローチは、上述したような性能劣化を欠点とする。従って、信号の性能劣化を最小限とし、デジタル回路設計を促進することによって得られる拡大を利用する、複数のチャネルを受信可能なシステムを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示される実施形態は、通信受信器において複数のチャネルを受信するシステム及び方法に関する。当該システムは、入力信号を第1のデジタル信号及び第2のデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、前記第1のデジタル信号を処理する第1の処理装置とを有する第1のモジュール、並びに、前記第2のデジタル信号を処理する第2の処理装置を有する第2のモジュールを有する。
【0011】
当該方法は、アナログ信号を受信するステップと、前記アナログ信号を第1のデジタル信号及び第2のデジタル信号に変換するステップと、前記第1のデジタル信号を第1のインターフェースに通すステップと、第1の複数の出力信号を生成するよう前記第1のインターフェースを通った前記第1のデジタル信号を処理するステップと、前記第2のデジタル信号を第2のインターフェースに通すステップと、第2の複数の出力信号を生成するよう前記第2のインターフェースを通った前記第2のデジタル信号を処理するステップとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の好ましい実施形態のブロック図である。
【図2】本発明を利用するシステムの好ましい実施形態のブロック図である。
【図3】本発明を利用するシステムの他の好ましい実施形態のブロック図である。
【図4】本発明の例となる方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の特徴及び効果について、一例として与えられる以下の記載から、より明らかとする。
【0014】
本発明の1又はそれ以上の特定の実施形態が以下に記載される。かかる実施形態の簡潔な説明を与えるために、実際の実施の全ての特徴事項が明細書において記載されるわけではない。当然、いずれかのエンジニアリング又は設計プロジェクトなどにあるような、いずれかのかかる実施の開発において、多数の実施時特有の決定が、システム関連及びビジネス関連の制約の順守のように、開発者の特定の目的を達成するよう為されなければならない。開発者の特定の目的は実施ごとに異なる。更に、当然、かかる開発努力は複雑であり、且つ、時間がかかるが、とは言っても、本開示の利益を享受する所謂当業者にとって、設計、製作、及び製造の通常の取り組みである。
【0015】
以下は、衛星信号を受信するために使用される回路について記載する。信号入力がその他の手段によって供給され得るところの、他の形式の信号を受信するために使用される他のシステムは、極めて類似する構造を有しうる。ここで記載される回路の実施形態が単に1つの可能性のある実施形態にすぎないことは、当業者には明らかである。そのようなものとして、代替の実施形態において、回路の構成要素は再配置又は削除されても良く、あるいは、追加の構成要素が加えられても良い。例えば、軽微な変更により、記載される回路は、ケーブルネットワークから配信されるものように、衛星でない映像及び音声サービスにおいて使用されるよう構成され得る。
【0016】
ここで図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態のブロック図が示されている。図1は、衛星信号受信システムにおいて受信器で使用されるチューナ復調器回路100を示す。チューナ復調器回路100は、概して、例えば集積回路(IC)のような、単一の電気的に動作可能なモジュール内に組み込まれても良い。アナログRF入力信号は、チューナ復調器回路100へ供給される。RF入力信号は、1〜2ギガヘルツ(GHz)の間のLバンド周波数範囲にある中間周波数(IF)へダウンコンバートされる送信された衛星信号を表す。Lバンド信号は、全てのスペクトルと、システム内の特定の衛星からの特定の偏光信号(polarized signal)に対応する関連する信号とを含む。例えば、Lバンド信号は、全てまとめて周波数分割多重化された、約950から1450MHzの間の周波数範囲を占める情報の16個の特定の物理チャネルを含みうる。各チャネルは、帯域幅が約20MHzであり、多数の個々のプログラムストリームを搬送することができる。
【0017】
1よりも多い個々のチャネルを表す入力信号は、チューナ復調器回路100へ入力され、高速アナログ−デジタル(A/D)変換器110へ送られる。入力信号は、チューナ復調器回路100に入力される前に、例えば増幅器及びフィルタのような回路(図示せず。)によって処理されても良い。高速A/D変換器110は、デジタル出力を生成するようLバンド信号をサンプリングする。サンプリングクロック(図示せず。)は、また、高速A/D変換器110に入力される。サンプリングクロックは、水晶からの一定のクロック発生源であっても良く、あるいは、位相ロックループ(PLL)発振器を用いる他の発生源から生成されても良い。サンプリングクロック周波数は、Lバンド信号全体の適切なサンプリングを可能にするよう選択され得る。一実施形態で、933メガヘルツ(MHz)のサンプリング周波数が、960MHzから1440MHzの周波数範囲でLバンド信号をサンプリングするよう選択される。A/D変換器110の出力は、各サンプルが多数のビットによって表されるデジタルワードである場合に、Lバンド信号の時間サンプルの組を表す。好ましい実施形態で、A/D変換器110の出力部でのサンプルは、8ビットによって表されるデジタルワードである。用いられるサンプリング処理により、A/D変換器110の出力部のサンプリングされたデジタル出力の周波数スペクトルは、周波数シフトされても良く、且つ/あるいは、入力部でのアナログ信号としての周波数におけるその元の位置に対して転置されても良い。
【0018】
A/D変換器110の出力部からの信号は、デジタルチューナブロック120へ接続する。A/D変換器110の出力部での信号は、例えば、毎秒933メガサンプルで8ビットのデータを表す超高速デジタル信号である。問題は、モジュール内の他の機能部へそのような高速で信号を供給することにある。超高速デジタル信号は、例えば、466.5MHzで8ビット信号の2つの組を表す、2又はそれ以上の信号に逆多重化され得る。逆多重化及び他のタイミング機能は、A/D変換器110内に見つけられ得る。次いで、信号は第1のインターフェース112を介して供給され得る。超高速デジタル信号はモジュール内に含まれるので、非標準の信号フォーマット及びインターフェース方式が、デジタルチューナブロック120へ超高速デジタル信号を接続する際に使用され得る。第1のインターフェース112は、A/D変換器110とデジタルチューナブロック120との間の電気的な接続を容易に提供することができる。一実施形態で、超高速信号は、接地面のみを基準とするひと組の信号として、制御された電気的長さの制御されたインピーダンスインターフェースを介して、第1のインターフェース112上に供給される。
【0019】
デジタルチューナブロック120は、更なる個々のチャネル復調及び処理に必要なベースバンドデジタルデータの1又はそれ以上の特定のチャネルをダウンコンバート及び生成するよう、スペクトル全体のデジタル信号処理を提供する。ここで使用される語「ベースバンド」は、ベースバンドにある、又は、ベースバンドの近くの周波数範囲にある信号を表すために使用される。一実施形態で、3つの異なったデジタルベースバンド信号が、デジタルチューナブロック120からの出力として供給される。実際には、供給されるデジタルベースバンド信号の数は、元のLバンド信号入力で与えられるチャネルの数、デジタルチューナブロック120がダウンコンバート及び生成することができる同時チャネルの数、及び/又は、次に続くことができる復調器の数によって制限される。
【0020】
1又はそれ以上のベースバンドデジタル信号は、送信のために更に符号化され、従って、実際のプログラム情報が利用可能となる前に、更に、復調され、送信エラーを補正されるべきである。復調及び復号化は、個々のチャネル信号が用いてきた送信基準に依存して、高度変調及び圧縮(AMC)復調器130a、b又はレガシー(legacy)復調器140のいずれか一方で実行される。使用される復調器の形式及び数は設計選択事項であり、好ましい実施形態では、2つのAMC復調器及び1つのレガシー復調器が含まれている。
【0021】
AMC復調器130a、b及びレガシー復調器140は、必要とされる送信基準に従って信号の復調、送信イコライゼーション(equalization)、及びエラー補正のためのデジタル信号処理を含む。特に、レガシー復調器は、四位相偏位変調(Quaternary Phase Shift Keying;QPSK)フォーマットを伴う動画エンターテイメントグループ標準MPEG(Motion Picture Entertainment Group)−2フォーマットで送信されるトランスポートストリームを復調及び復号化するために必要とされる処理を含む。AMC復調器は、レガシー復調器に含まれる処理に加えて、8−PSK変調及び低密度パリティ検査(Low Density Parity Check;LDPC)エラー補正を伴うMPEGジョイントビデオチーム(Joint Video Team;JVT)フォーマットで送信される信号を復調するために必要とされる処理を含む。AMC復調器は、また、更により複雑なフォーマットの信号回復を増進するよう、イコライゼーションシステムを有することができる。復調器のこれらの形式のいずれか一方の個々の詳細な動作に関する更なる詳細は、本明細書の範囲を越える。
【0022】
AMC復調器130a、b及びレガシー復調器140は、夫々、トランスポート出力1、2及び3とラベルを付された出力を供給する。トランスポート出力は、音声、映像又はデータ情報の個々の又は複数のプログラムストリームを含み、プログラム及び情報の実際の表示のためにデジタル音声/映像復号化処理へと送られる。
【0023】
集合的に、デジタルチューナブロック120、AMC復調器130a、b及びレガシー復調器140は、第1のインターフェース112を介して供給される第1の信号に対する処理を構成する。他の処理は、当該技術で知られるように含まれても良い。他の機能及びブロックが、また、同調及び信号処理機能を制御する制御装置を含め、チューナ復調器回路100において、図示されないが、存在しても良い。また、制御回路は、しばしば室外ユニットと称される、衛星システムの外部処理モジュールを制御するために、チューナ復調器に存在しても良い。室外ユニットは、異なる衛星又は偏光(polarization)の間を切り替えるための回路及び処理を含みうる。チューナ復調器回路100は、また、予め選択されたチャネルの組が、記載されるように、受信器へ、更にはチューナ復調器へ1つのケーブルで伝送されることを可能にするために、チャネルのある事前選択を提供することが可能な外部回路に対する制御を含みうる。
【0024】
先に論じられた物理的なシリコン加工の制限のために、例えばAMC復調器130a、b又はレガシー復調器140のような少数の復調器しか、如何なる単一モジュール又は集積回路にも存在し得ない。例えば、3つのかかる回路は存在することができる。しかし、例えば、1つのシステム内で同時に利用可能な信号チャネルの全てを復調することが必要とされる又は望まれることがある。追加の復調器を設けるために、同調が行われる前に信号を分けることが望ましい。
【0025】
信号の分割に対応するために、高速データ出力及び第2のインターフェース114がA/D変換器110へ接続される。第2のインターフェース114を介する高速データ出力は、デジタル同調及び復調の前のデジタルデータ信号を表す。高速データ出力は、ある高速シリアル又はパラレルバスシステムを用いてチューナ復調器100から外部に与えられ得る。例えば、一実施形態で、第2のインターフェース114は、パラレル8ビットバスで低電圧差動信号伝達(Low Voltage Differential Signaling;LVDS)プロトコルを利用することができる。当業者によく知られているように、他のインターフェース形式及びフォーマットが可能である。更に、第1のインターフェース112に関して記載されたように、高速データ出力は、動作データ速度を減じるために多重化され得る。高速データ出力信号は、第2のインターフェース114においてLVDSを用いる配信に適した方法で逆多重化され得、第1のインターフェース112の方式とは異なりうる。一実施形態で、信号は4倍だけ逆多重化され、結果として、233.25MHzのバス速度で並行して動作する8ビット信号の4つの組が得られる。
【0026】
更に、インターフェースの未知の外部特性により、少なくとも1つの同期信号を供給することが望ましいことがある。同期信号は、元の高速クロック及び逆多重化クロック、又は当該技術で知られる他の同期信号でありうる。逆多重化及び同期の全ては、A/D変換器110内で更に発生し、第2のインターフェース114を介して供給される。このようにして、A/D変換器110は、2つの別個の同調及び復調機能へ2つの別個のインターフェースを介して2つの別個のフォーマットで2つの別個の信号を供給する。A/D変換器110は、本質的に元の信号からのチャネルの全てを含む信号を第1のインターフェース112を介してデジタルチューナ120へ供給し、且つ、実質的にこれと同じ信号をチューナ復調器100の外部にある追加の回路へ第2のフォーマットで第2のインターフェース114を介して供給する。インターフェースは、以下で更に詳細に記載されるように、例えばAMC復調器若しくはレガシー復調器のような追加の復調器を含む第2のモジュール又はICへの入力部としての機能を果たす。
【0027】
図2を参照すると、例えば図1に示されたような2つのチューナ復調器回路を用いる本発明を組み込むシステム200の好ましい実施形態が示されている。室外ユニット(図示せず。)から伝送される複数の衛星チャネルを含むLバンドアナログ信号は、チューナ復調器206の前に処理される。好ましい実施形態で、Lバンド信号は、最初に、Lバンドフィルタ202でフィルタ処理されて、所望のLバンド周波数範囲の外にある不必要な信号を除去する。Lバンドフィルタの出力は、ゲイン制御可能増幅器(AMP)204へ接続される。ゲイン制御可能増幅器204は、チューナ復調器206のA/D変換器210へ入力するための信号を最も良く最適化するよう、制御信号を用いてLバンド信号レベルを調整する。ゲイン制御可能増幅器204に対する制御信号は、チューナ復調器回路206にある回路によって生成され得る。好ましい実施形態で、制御信号は、A/D変換器210の出力部からのデジタルデータ信号における信号電力を決定することによって、生成され得る。他の処理は、信号がチューナ復調器206に入る前に可能であることに留意することが重要である。
【0028】
チューナ復調器206は、上述されたように、A/D変換器210と、第1及び第2のインターフェース212及び214と、デジタルチューナ220と、復調器230a、b及び240とを有する。チューナ復調器206は、上述されたような更なる情報処理のためのトランスポート出力1、2、及び3を供給する。制御装置250は、デジタルチューナ220並びに復調器230a、b及び240の動作に対する制御を与える。制御装置250は、チューナ復調器206にある既存のブロックの全てへ接続する。制御装置250は、例えば、受信及び同調すべきチャネルに関するユーザからの要求を表す、外部回路(図示せず。)からの入力を動作上受信する。制御装置250は、存在するチャネルのグループから特定のチャネルを選択及び同調するために、制御情報を生成するようかかる入力を処理し、この制御情報をデジタルチューナ220へ供給する。制御装置250は、また、特定のチャネルに伴って使用され得る変調又はエラー補正の形式のように、特定のチャネル復調特性を選択するために、復調器230a、b及び240によって使用される制御情報を生成することができる。
【0029】
チューナ復調器206は、また、A/D変換器210の出力部でのデジタル信号を表す出力信号を供給する第2のインターフェース214を介する高速データ出力を有する。高速データ出力はチューナ復調器256へ接続する。チューナ復調器256は、A/D変換器を有さず、チューナ復調器256内のデジタルチューナ260への入力信号として高速データ出力によって供給される信号を用いる。集合的に、デジタルチューナブロック260、AMC復調器270a、b及びレガシー復調器280は、第2のインターフェース214により供給される第2の信号に対する処理を構成する。更なる処理は、また、当該技術において知られるように含まれうる。チューナ復調器256は、チューナ復調器206で合わせられるチャネルとは異なりうる1又はそれ以上のチャネルを復調するために必要な信号に関する特定の情報を選択することができる。
【0030】
チューナ復調器256は、上述されたような更なる情報処理のためのトランスポート出力4、5及び6を供給する。制御装置290は、チューナ復調器256にある既存のブロックの全てへ接続する。制御装置290は、例えば、受信及び同調すべきチャネルに関するユーザからの要求を表す、外部回路(図示せず。)からの入力を動作上受信する。制御装置290は、存在するチャネルのグループから特定のチャネルを選択及び同調するために、制御情報を生成するようかかる入力を処理し、この制御情報をデジタルチューナ260へ供給する。制御装置290は、また、特定のチャネルに伴って使用され得る変調又はエラー補正の形式のように、特定のチャネル復調特性を選択するために、復調器270a、b及び280によって使用される制御情報を生成することができる。
【0031】
チューナ復調器256は、また、チューナ復調器206と同様の高速データ出力部を有することができる。それは、また、第2のインターフェース214と同様のインターフェース(図示せず。)を有することができる。高速データ出力ストリームは、やはり、外部へ送られ、他のチューナ復調器へ供給される。信号分割及び分配動作は、必要な限り多数の情報チャネルが処理及び復調され得るまで続く。
【0032】
一実施形態で、アナログ−デジタル変換器210は、マルチチップモジュール集積回路内にパッケージ化された別個の集積回路ダイ(die)上に設けられ得る。チューナ復調器206及びチューナ復調器256で使用されるデジタルチューナ及び復調器を含む集積回路ダイは同一であっても良い。高速A/D変換器は、唯1つの集積回路に存在し、システムで使用される後の集積回路には存在しなくても良い。結果として、チューナ及び復調器のための単一回路が設計され得、システム設計は、同時の復調を望まれるチャネルの数に対応して外部から拡大され、特定のシステムで使用されるその唯1つのA/D変換器を必要としうる。A/D変換器回路を減少又は削除する能力は、実施全体における費用を節約し、信号分割のための有効な方法を提供し、更に、単一回路設計の利便性を提供する。
【0033】
図3を参照すると、2つのチューナ復調器回路を用いる本発明を組み込むシステム300の好ましい実施形態が示されている。Lバンドアナログ信号は、上述されたように、Lバンドフィルタ302及びゲイン制御可能増幅器(AMP)304により処理される。他の処理は、信号がチューナ復調器306に入る前に可能であることに留意することが重要である。
【0034】
チューナ復調器306は、上述されたように、A/D変換器310と、第1及び第2のインターフェース312及び314と、デジタルチューナ320と、復調器330a、b及び340と、制御装置350とを有する。チューナ復調器306は、上述されたような更なる情報処理のためのトランスポート出力1、2、及び3を供給する。チューナ復調器306は、また、チューナ復調器356の入力部へ出力信号を供給する高速データ出力を有する。
【0035】
チューナ復調器356は、A/D変換器を有さず、チューナ復調器356内のデジタルチューナ360への入力信号として高速データ出力によって供給される信号を用いる。高速データ出力は、デジタルチューナブロック320へ内部接続される。このようにして、A/D変換器310からの分割信号は、チューナ復調器356へ信号を分割及び転送する前に、デジタルチューナブロック320での処理の一部を利用することによって変調され得る。チューナ復調器356は、1又はそれ以上のチャネルを復調するために必要な信号に関する特定の情報を選択することができる。かかる1又はそれ以上のチャネルは、チューナ復調器306で合わせられるチャネルとは異なりうる。チューナ復調器356内の制御装置390は、どの情報がチューナ復調器306からチューナ復調器356へ供給されるかを制御する制御信号を供給する。例えば、示されるように別個の接続によって供給される制御信号は、デジタルチューナブロック320で必要とされる特定の処理を制御するために、チューナ復調器356からチューナ復調器306へ供給され得る。制御装置390は、また、上述されたように、チューナ復調器356にある既存のブロックの全てへ接続し、且つ、制御を供給する。
【0036】
デジタルチューナブロック320から出力される処理された信号は、高速データ出力として第2のインターフェース314を介して送られ、チューナ復調器356の入力として供給され得る。かかるアプローチを利用する利点は、元の信号の特定部分のみが、全てのチャネルを含む全体の信号よりむしろ、チューナ復調器356へ転送されうるので、高速データ出力がより遅い動作速度で動作することを可能にすることである。一実施形態で、デジタルチューナ320は、制御信号に基づいて、チューナ復調器356へ配信される1よりも多い信号を生成することができる。かかる信号の夫々は、チューナ復調器356の動作に必要とされる1又はそれ以上の個々のチャネルを表すことができる。チューナ復調器306とチューナ復調器356との間で転送される各信号は、その場合、別個の物理的な接続を利用しても良い。チューナ復調器356は、また、上述されたような更なる情報処理のためのトランスポート出力4、5及び6を供給する。本実施形態で、制御装置350及び制御装置390は、例えば、チャネルを同調させるよう制御するためのユーザ入力のような、外部発生源からの入力を受信するマスタ制御装置として機能することができる。
【0037】
他の実施形態で、チューナ復調器356は、また、チューナ復調器306と同様の高速データ出力部を有することができる。高速データ出力ストリームは、やはり、外部へ送られ、他のチューナ復調器へ供給される。信号分割及び分配動作は、必要な限り多数の情報チャネルが処理及び復調され得るまで続く。
【0038】
他の実施形態で、高速データ出力は、デジタルチューナブロック320によって処理される1よりも多い信号が同じインターフェース接続に多重化されることを可能にすることによって変調され得る。転送されるべき信号を多重化することは、デジタルチューナブロック320によって処理され、且つ、チューナ復調器356へ供給される信号の全てを1つのバス接続に結合させることによって、チューナ復調器306とチューナ復調器356との間の別個の接続の数を低減する。
【0039】
ここで図4を参照すると、本発明を利用する例となる方法400が示されている。ステップ402で、アナログ入力信号が受信される。アナログ入力信号は、例えば、衛星システムから配信された異なった周波数にある複数のチャネルを表しうる。
【0040】
次に、ステップ404で、アナログ入力信号は、例えば図2に記載されるA/D変換器210のような回路において、そのアナログ形式からデジタル形式へと変換される。変換された信号は、目下、複数のチャネルを表すデジタル信号である。
【0041】
次に、ステップ406で、デジタル信号は、第1のインターフェース212を介して送られる。この第1のインターフェースは、主として、モジュール内部にあるインターフェースでありうる。第1のインターフェースを介して送られた後、ステップ408で、信号はデジタルチューナ220で同調し、次いで、選択された同調チャネルは、1又はそれ以上のトランスポート出力を生成するよう、復調器230a、b及び240で夫々復調される。
【0042】
ステップ406と並行して、ステップ410で、デジタル信号は第2のインターフェース214を通る。第2のインターフェースは、A/D変換器210が置かれているモジュールの外へ更に信号を供給することができる高速出力を利用することができる。最後に、ステップ412で、第2のインターフェース214を通り、デジタルチューナ260で同調された変換信号、及び選択された同調チャネルは、次いで、1又はそれ以上のトランスポート出力を生成するよう、復調器270a、b及び280で夫々復調される。
【0043】
図3において先に記載されたように、第1のインターフェース312を介して供給される信号及び第2のインターフェース314を介して供給される信号は、実質的に同じであっても、あるいは同じでなくとも良い。例えば、第2のインターフェース314を介して供給される信号は、第1のインターフェース312へ接続されるデジタルチューナ320内で実行されるある付加的な処理を含んでも良い。
【0044】
本発明は様々な変形及び代替の形態を受け入れることが可能であるが、特定の実施形態は図面において一例として示されており、ここで詳細に記載される。しかし、当然、本発明は、開示されている特定の形態に限定されるものではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び技術的範囲にある全ての変形例、均等の範囲及び代替案を包含することができる。
【0045】
本願は、2005年5月4日に米国で出願された仮出願60/677,501に関して、アメリカ合衆国特許法合衆国法典第35巻119条に基づく利益を請求する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信受信器において複数のチャネルを処理するシステムであって、
入力信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、前記デジタル信号を処理する第1の処理装置とを有し、前記第1の処理装置は、前記デジタル信号を同調させる第1のチューナと、該第1のチューナの出力を処理する第1の複数の復調器とを有する第1のモジュールと、
前記デジタル信号を処理する第2の処理装置を有し、前記第2の処理装置は、前記デジタル信号を同調させる第2のチューナと、該第2のチューナの出力を処理する第2の複数の復調器とを有する第2のモジュールとを有し、
前記第1のモジュールは、第1のフォーマットで前記デジタル信号を前記第1のチューナへ供給するよう前記アナログ−デジタル変換器と前記第1のチューナとの間にある第1のインターフェースと、第2のフォーマットで前記デジタル信号を前記第2のチューナへ供給するよう前記アナログ−デジタル変換器へ接続された第2のインターフェースとを更に有し、前記第2のインターフェースは、前記第1のインターフェースとは異なるものであり、少なくとも1つの同期信号を前記第2のチューナへ更に供給する、
システム。
【請求項2】
前記第2のインターフェースは、前記第1のモジュールの外に前記第2のデジタル信号を供給する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のチューナは、同時に複数のチャネルを同調及び出力可能なデジタルチューナである、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のチューナは、同時に複数のチャネルを同調及び出力可能なデジタルチューナである、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の複数の復調器及び前記第2の複数の復調器のうち少なくとも1つは、少なくとも2つの異なったタイプの復調を実行するよう動作する、
請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも2つの異なったタイプの復調は、QPSK変調を含む、
請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記デジタル信号は複数のチャネルを表す、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のモジュールは複数の第1の出力信号を出力する、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記第2のモジュールは複数の第2の出力信号を出力する、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の第1の出力信号及び前記複数の第2の出力信号はトランスポート信号である、請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の入力信号は複数のアナログチャネルを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記アナログ−デジタル変換器は、同時に前記複数のアナログチャネルを処理する、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記複数のアナログチャネルは周波数分割多重化される、請求項11記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のモジュールは、前記デジタル信号を制御する制御装置を更に有する、請求項1記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のモジュール及び前記第2のモジュールは集積回路である、請求項1記載のシステム。
【請求項16】
信号入力から複数の出力を供給する方法であって、
アナログ信号を受信するステップと、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換するステップと、
前記デジタル信号を第1のインターフェースに通すステップと、
第1の複数の出力信号を生成するよう前記第1のインターフェースを通った前記デジタル信号を第1のチューナ及び第1の複数の復調器により処理するステップと、
前記デジタル信号を、前記第1のインターフェースとは異なるものであり且つ少なくとも1つの同期信号を更に含む第2のインターフェースに通すステップと、
第2の複数の出力信号を生成するよう前記第2のインターフェースを通った前記デジタル信号を第2のチューナ及び第2の複数の復調器により処理するステップとを有する方法。
【請求項17】
前記第1のインターフェースを通った前記デジタル信号を処理する前記ステップは、複数のトランスポートストリームを生成するよう少なくとも2つの異なったタイプの復調を実行するステップを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記第2のインターフェースを通った前記デジタル信号を処理する前記ステップは、複数のトランスポートストリームを生成するよう少なくとも2つの異なったタイプの復調を実行するステップを含む、請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記第1のインターフェースは、第1のモジュール内部で前記デジタル信号を送る、請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記第2のインターフェースは、前記第1のモジュールから第2のモジュールへ前記デジタル信号を送る、請求項19記載の方法。
【請求項21】
複数のチャネルを受信するシステムであって、
アナログ信号を受信する手段と、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換する手段と、
前記デジタル信号を第1のインターフェースに通す手段と、
第1の複数の出力信号を生成するよう前記第1のインターフェースを通った前記デジタル信号を第1の同調及び復調手段により処理する手段と、
前記デジタル信号を、前記第1のインターフェースとは異なるものであり且つ少なくとも1つの同期信号を更に含む第2のインターフェースに通す手段と、
第2の複数の出力信号を生成するよう前記第2のインターフェースを通った前記デジタル信号を第2の同調及び復調手段により処理する手段とを有するシステム。
【請求項22】
通信受信器において複数のチャネルを処理するシステムであって、
複数のアナログ信号を含む入力信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、該アナログ−デジタル変換器へ接続され、内部で第1のフォーマットで前記デジタル信号を供給する第1のインターフェースと、第1のチューナ及び第1の複数の復調器を有し、前記第1のインターフェースへ接続され、該第1のインターフェースによって供給される前記デジタル信号を同調させ且つ復調する第1の処理装置と、前記アナログ−デジタル変換器へ接続され、外部へ第2のフォーマットで前記デジタル信号を供給する第2のインターフェースとを有し、前記第2のインターフェースは前記第1のインターフェースとは異なるものであり、前記第2のインターフェースは、少なくとも1つの同期信号を前記第2のチューナへ更に供給する第1のモジュールと、
第2のチューナ及び第2の複数の復調器を有して前記デジタル信号を同調させ且つ復調させる第2の処理装置を有し、前記第2のインターフェースへ接続される第2のモジュールとを有するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−239195(P2012−239195A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156508(P2012−156508)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2008−510007(P2008−510007)の分割
【原出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】