説明

複数のプロトコルを使用可能ないくつかの非接触式カードをエミュレートするNFC装置の検出方法

本発明は、2つのホストとリーダ装置との間のNFCトランザクションを管理する方法である。2つのホストはNFC装置に埋め込まれ、それぞれ第1の識別子および第2の識別子によって衝突防止フェーズの間にリーダ装置により識別されることが意図されている。第1の識別子は可変部を含む。この方法は、第1の識別子を生成するステップであって、第1の識別子の可変部および第2の識別子が共通パターンを含むステップと、リーダ装置側で、第1および第2の識別子内の共通パターンを検索するステップと、共通パターンが見つかった場合、および第1の識別子の可変部が共通パターンを含む場合、第1および第2のホストが唯一のNFC装置に埋め込まれていると結論付けるステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信プロトコルを使用可能ないくつかの非接触式カードをエミュレートするNFC装置を検出する方法に係り、特に、NFCリーダの近くに存在する物理NFC装置の数を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)技術は、磁界を介したデータ交換に基づいている。NFCリーダはアンテナを有し、これが磁界を変調してエネルギをNFC装置に供給することができる。NFCリーダは通常、PCD(近接型結合装置)と呼ばれる。NFC装置は、PICC(近接型ICカード又は近接型カード)とすることができ、または、論理PICCとして作用するコンポーネントを埋め込むことができる。PICCおよびPCDは、13.56MHzに等しいフィールド周波数で誘導結合によって通信を行う。具体的には、ISO14443およびISO18092規格が、NFCドメインで使用可能な変調技術および通信プロトコルを規定する。
【0003】
PCDの磁界に、いくつかの物理PICCが存在することがある。このため、PCDがPICCをエミュレートすることができる特定のプロセスが定義されている。これらのプロセスは衝突防止機構と呼ばれる。通常は2つの主な衝突防止策が実行される。第1のものはビット指向の決定論的方法であり、第2のものはフレーム指向の統計的方法である。
決定論的方法は、ISO14443規格のパート3に定義されており、ISO14443−Aタイプに準拠する製品に主に用いられる。統計的方法は、ISO14443規格のパート3に定義されており、ISO14443−BタイプまたはISO18092に準拠する製品に主に用いられる。
【0004】
双方の衝突防止方法において、各PICCは、UID(Unique Identifier:一意識別子)またはPUPI(Pseudo Unique Proxcard Identifier:擬似固有近接カード識別子)と呼ばれることがあるそれ自身の識別子を送信する。PCDは、対象とするアプリケーションに従ったPICCを選択するために受信した識別子を用いる。どの衝突防止策を用いるとしても、各識別子は、トランザクションごとに変動し得る一意の値を有する。どの規格を用いるとしても、PICCが送信する全ての識別子は、規格に記述された原理に従って異なるものであることが想定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
NFC装置は、いくつかの通信プロトコルを使用可能である複数のPICCをエミュレートすることができる。PCDは、検出されたPICCがいくつかの異なる物理装置であるのか、または固有のアンテナを有する単一のNFC装置によってエミュレートされたPICCであるのかを検出することができない。
NFCリーダが、1組の物理PICCと論理PICCであるエミュレートされた1組のPICCとを区別することを可能とすることが必要とされている。
本発明の目的は、上述の技術的な問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、第1および第2のホストならびにNFCコントローラを含む装置である。各ホストは論理PICCに対応する。第1のホストは、第1の非接触通信プロトコルによってリーダ装置と通信を行うことが意図されている。第2のホストは、第2の非接触式通信プロトコルによってリーダ装置と通信を行うことが意図されている。第1のホストは、第1の識別子によって衝突防止フェーズの間にリーダ装置により識別されることが意図されている。第2のホストは、第2の識別子によって衝突防止フェーズの間にリーダ装置により識別されることが意図されている。第1の識別子は可変部を含む。携帯型装置は、第1の識別子の可変部および第2の識別子が共通パターンを含むように第1の識別子を生成することができる手段を含む。
【0007】
一実施形態において、第1のホストは第2のホストとすることができ、第1および第2の通信プロトコルは異なるものとすることができる。
前記第1および第2の識別子は同一とすることができ、第1および第2の通信プロトコルは異なるものとすることができる。
あるいは、前記第1および第2の通信プロトコルは同一とすることができ、第1および第2のホストは異なるものとすることができる。
【0008】
好適な実施形態において、第2の識別子は可変部を含むことができ、手段は第2の識別子を生成することができる。
有利には、手段は第2の識別子から第1の識別子を生成することができる。
前記第1および第2のホストのいずれか1つはセキュアなホストとすることができる。
有利には、手段は第1の識別子を第1のホストに送信することができる。
有利には、手段はNFCコントローラとすることができる。
【0009】
好適な実施形態において、前記装置は移動電話等の携帯型装置とすることができる。
前記第1および第2の通信プロトコルの各々は、ISO14443−A、ISO14443−B、ISO15693、ISO18092−F、またはJISX6319−F規格に準拠することができる。
【0010】
本発明の別の目的は、少なくとも第1および第2のホストとNFC技術によって通信を行うための装置である。この装置はNFCリーダとして作用する。前記第1および第2のホストはNFCコントローラに接続されている。第1のホストは、可変部を含む第1の識別子によって衝突防止フェーズの間に前記装置により識別されることが意図されている。第2のホストは、第2の識別子によって衝突防止フェーズの間に前記装置により識別されることが意図されている。前記装置は、前記第1および第2の識別子内で共通パターンを検索することができる第1の手段を含む。前記装置は、共通パターンが見つかった場合、および前記第1の識別子の可変部が共通パターンを含む場合、第1および第2のホストが唯一のNFC装置に埋め込まれていると結論付けることができる第2の手段を含む。
【0011】
本発明の別の目的は、第1および第2のホストとNFCリーダ装置との間のNFCトランザクションを管理するための方法である。第1のホストは第1のNFC装置に埋め込まれ、第1の識別子によって衝突防止フェーズの間にリーダ装置により識別されることが意図されている。第1の識別子は可変部を含む。第2のホストはNFC装置に埋め込まれ、第2の識別子によって衝突防止フェーズの間にリーダ装置により識別されることが意図されている。この方法は、第1の識別子の可変部および第2の識別子が共通パターンを含むように第1の識別子を生成するステップと、リーダ装置側で、第1および第2の識別子内の共通パターンを検索するステップと、共通パターンが見つかった場合、および第1の識別子の可変部が見つかった共通パターンを含む場合、第1および第2のホストが唯一のNFC装置に埋め込まれていると結論付けるステップと、を含む。
【0012】
有利には、この方法は、共通パターンの検索に成功した場合、リーダ装置側で、第1および第2のホストと通信を行うためにリーダ装置が用いる通信パラメータを更新するステップを更に含むことができる。
有利には、この方法は、生成ステップの後に第1の識別子を第1のホストに送信するステップを含むことができる。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、対応する添付図面を参照して、本発明の多数の好適な実施形態の以下の説明を読むことからいっそう明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に従った移動電話タイプのNFC装置のアーキテクチャの一例を概略的に示す。
【図2】本発明に従ったNFC装置においてエミュレートされたPICCの識別子の構造の一例である。
【図3】NFCリーダが、本発明に従った単一のNFC装置に埋め込まれた2つのエミュレートしたPICCと通信を行うシステムの一例である。
【図4】NFCリーダが2つの物理PICCと通信を行うシステムの一例である。
【図5】NFCリーダが、本発明に従った単一のNFC装置に埋め込まれた2つのPICCと通信を行うシステムの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、NFCコントローラ、アンテナを含み、複数の論理PICCを管理することができるいかなるタイプの装置にも適用可能である。これらの装置は、移動電話または支払い用の電子式資金移動端末のような携帯用装置とすることができる。また、これらの装置は、タグとしても知られるスマートポスターのような固定装置とすることも可能である。
本発明は、NFCドメインに適した規格ではPICCごとに異なるPICC識別子が生成されるという事実に依拠する。識別子の生成は、主としてランダム値を用いることによって達成される。
【0016】
本発明の利点は、PCDがその磁界内にいくつのアンテナが物理的に存在するかを検出可能とすることである。従ってNFCリーダは、非接触通信を最適化するために、物理的パラメータおよびプロトコル・パラメータを適合させることができる。この最適化は重要である。なぜなら、アンテナの結合はPCDアンテナの挙動を変更させ、通信帯域幅およびノイズ耐性に影響を与えるからである。
【0017】
更に、いくつかのNFCアンテナ間で磁界を共有すると、NFCアンテナごとに利用可能なエネルギが低下することになる。通信パラメータの更新によって、完全非接触式トランザクションの成功を強化することができる。本発明では、あまりに多くのPICCが同時に検出された場合にPCDが非接触式トランザクションをアボートすることを回避する。
本発明によって、PCDは、検出したPICCの性質すなわち物理的PICCまたは論理的PICCのいずれかを判定することができる。
【0018】
本発明の別の利点は、PCD側で動作しているアプリケーションに、磁界内に存在する物理NFC装置の数を通知することである。単一のNFC装置が検出された場合、アプリケーションはこの単一のNFC装置自体と通信を行おうと試みるか、または、全ての検出されるPICCは多数のPICCの使用に関連した共通の物理リソースおよび一貫したユーザ管理を共有するという事実を利用することができる。
【0019】
図1は、本発明に従った移動電話タイプの装置のアーキテクチャを示す。
装置NDは、アンテナAN、NFCコントローラNC、ならびに3つのホストEPA、EPB、およびEPCを含む。各ホストは論理PICCに対応する。各ホストはセキュアである場合もそうでない場合もある。例えばホストは、デジタル・ベース・バンドまたはアプリケーション・プロセッサとすることができる。好適な実施形態において、EPAはセキュアなホストであるSIMカードであり、EPBはアクセス・アプリケーションに専用のホストであり、EPCはバンキング・アプリケーションに専用のホストである。3つのホストは、3つのデジタル・リンクLK1、LK2、およびLK3を介してNFCコントローラNCにリンクされている。具体的には、3つのリンクは、SWP(TS102.613)、I2C、またはNFC WI(ECMA 373)規格によって実装することができる。
【0020】
好適な実施形態において、NFCコントローラNCは、NFCリーダとホストEPA、EPB、およびEPCとの間の非接触プロトコルを完全に管理する。非接触プロトコルは、ISO14443、ISO18092、またはISO15693規格に準拠することができる。また、非接触プロトコルは自社開発の規格に準拠することも可能である。各ホストは、他のホストと異なる通信プロトコルを用いることができる。
【0021】
あるいは、衝突防止フェーズをホスト自体によって管理することも可能である。かかる場合、NFCコントローラNCは、磁界の変調/復調を担当し、NFCリーダからホストへ、およびその逆へプロトコル・フレームを転送する。
好適な実施形態において、NFCコントローラNCはホストの識別子の生成を担当する。
【0022】
図2は、本発明に従ったNFC装置においてエミュレートされたPICCの識別子の構造の一例を示す。識別子IAは、固定部FVおよび可変部IAVを含む。固定部FVは固定値を含む。固定値は、用いる通信プロトコル規格によってまたはアプリケーション要件によって定義することができる。
可変部IAVは、2つの識別子が異なることを保証するためのものである。
【0023】
本発明によれば、可変部IAVは、1つのNFC装置においてエミュレートされたPICCの全ての識別子に共通したパターンCPPを含む。共通パターンCPPによって、NFCリーダは、検出されたPICCが同一かつ他と重複しないNFC装置に属することを検出することができる。換言すると、共通パターンCPPはNFC装置ND自体の一意の識別子として作用し、この識別子が異なる場合にはリーダはその磁界内の全てのPICCを数えなければならない。
【0024】
また、可変部IAVは、同一かつ他と重複しないNFC装置に属するPICCの識別子を区別するためのものであるインデクスISAも含む。インデクスISAは、対応するエミュレートされたPICCに対して特定的な小さい識別子である。好適な実施形態において、インデクスISAのサイズはできる限り小さくして、パターンができる限り長くなるようになっている。具体的には、2つのエミュレートされたPICCではインデクスのサイズは1ビットに等しく、4つのエミュレートされたPICCではインデクスのサイズは2ビットに等しく、8つのエミュレートされたPICCではインデクスのサイズは3ビットに等しい等である。
【0025】
通常、識別子は32ビット長である。例えば、2つの識別子が値0101010101010101に設定された固定部を有する場合、共通パターンは110110110110110に設定することができ、インデクスは、第1の識別子では0に設定し、第2の識別子では1に設定することができる。この結果、第1の識別子は01010101010101011101101101101100であり、第2の識別子は01010101010101011101101101101101である。
あるいは、識別子IAは可変部のみを含むことも可能である。
【0026】
別の実施形態においては、異なるRF技術で搬送された場合、本発明に従って生成された2つの識別子は同一の値を有することができる。すなわち、エミュレートされた各PICCに対して特定的なインデクスは存在しない。かかる例を図3に示す。
【0027】
図3に示すように、NFCリーダRDは、2つのホストEPAおよびEPBを管理することができる要素ELと通信を行う。エミュレートされたホストEPAは、第1の通信プロトコルP1によって通信を行うことが意図されており、エミュレートされたホストEPBは、P1とは異なる第2の通信プロトコルP2によって通信を行うことが意図されている。例えば、第1のプロトコルP1はISO14443−Aに準拠することができ、第2のプロトコルP2はISO14443−Bに準拠することができる。要素ELは、本発明に従った単一のNFC装置NDに埋め込まれている。リーダRDはアンテナAN3を有し、これによって、NFC装置NDのアンテナAN4との結合による非接触通信が可能となる。NFC装置NDは、要素ELに接続されたNFCコントローラNCを含む。2つのホストEPAおよびEPBは同一の値を共有する識別子を有することができる。同一の識別子値は2つの異なる通信プロトコルによって受信されるので、NFCリーダRDは2つのホストEPAおよびEPBを識別することができる。
【0028】
図4は、NFCリーダが2つの物理NFC装置ND1およびND2と通信を行うシステムの一例を示す。この例では、2つのNFC装置は2つの非接触式スマート・カードである。ND1はアンテナAN1を含み、これによってリーダRDのアンテナAN3との結合により通信を行うことができる。また、ND2は、AN3と通信することができるアンテナAN2を含む。第1のカードND1は、識別子IAを用いることが意図されたホストEPAを含む。第2のカードND2は、識別子IBを用いることが意図されたホストEPBを含む。NFCリーダRDは2つの手段M2およびM3を含む。第1の手段M2は、衝突防止フェーズの間に受信した識別子内で共通パターンを検索することができる。第2の手段M3は、見つけた共通パターンを含む識別子が、単一のNFC装置に埋め込まれたエミュレートされたPICCに対応すると結論付けることができる。具体的には、共通パターンは少なくとも1つの識別子の可変部において見つけなければならない。
【0029】
図4の例において、2つの識別子IAおよびIBは、非接触式トランザクションごとにランダムに生成される。2つのカードND1およびND2をリーダRDの磁界に配置すると、2つの識別子IAおよびIBがリーダRDによって受信される。第1の手段M2は、2つの受信した識別子内で共通パターンを検索する。共通パターンが見つかったと考えられるのは、2つの識別子IAおよびIBの可変部において少なくとも3つの連続ビットが同一位置で同一値を有する場合である。IAおよびIBはランダム値を含むので、共通パターンが見つかる確率は極めて低い。このため、共通パターンは見つからず、リーダRDは磁界に2つの物理NFC装置があると結論付ける。換言すると、リーダRDは磁界に2つのアンテナがあると結論付けることができる。なぜなら、物理的に離れたPICCはそれらの識別子の共通パターンをネゴシエートする手段を有しないからである。
【0030】
図5は、リーダRDが単一のNFC装置NDに埋め込まれた2つのエミュレートされたPICCと通信を行うシステムの一例を示す。
この実施形態においては、2つのエミュレートされたPICCは、NFC装置NDに含まれる2つのホストEPAおよびEPBである。例えば、NFC装置NDは移動電話とすることができ、第1のホストEPAはSIMカードとすることができ、第2のホストEPBはトランスポート・アプリケーションに専用のものとすることができる。衝突防止フェーズの間、第1のホストEPAは識別子IAを用いることが意図され、第2のホストEPBは識別子IBを用いることが意図される。この実施形態では、双方の識別子IAおよびIBは可変部を含む。
【0031】
NFC装置NDは、NFCコントローラNCおよび手段M1を含み、これらは2つのエミュレートされたPICCに接続されている。装置NDをリーダRDの磁界に配置すると、手段M1は、共通パターンCCPおよび前記可変部の各々に割り当てた2つの特定的なインデクスを生成することによって、識別子IAおよびIBを生成する。有利には、生成された識別子IAおよびIBはそれぞれEPAおよびEPBに送信される。次いで2つの識別子はリーダRDに送信される。リーダRDは、アンテナAN3ならびに2つの手段M2およびM3を含む。衝突防止ステップの間、手段M2は、受信した識別子IAおよびIB内で共通パターンの存在を検索し、少なくとも1つの識別子の可変部が、見つけた共通パターンCCPを含むことをチェックする。共通パターンが見つかると、手段M3は、2つの識別子IAおよびIBが、1つだけのアンテナを有する唯一のNFC装置に埋め込まれた2つのホストEPAおよびEPBに対応すると結論付ける。
【0032】
好適な実施形態では、本発明に従って、単一のNFC装置に属する全てのホストの識別子を生成する。
あるいは、1つの識別子の値を完全に固定することも可能である。具体的には、識別子の値を特定の規格に従って構築することができる。かかる場合、手段M1は、対応するホストから固定識別子を検索する。次いで、固定値を有する識別子に基づいて、NFC装置に属する他のホストの識別子を生成する。換言すると、固定識別子から共通パターンCPPが抽出される。
【0033】
多様化の目的のため(例えば暗号)、または選択(例えばJIS−X6319−4)に用いるために、ホストで動作しているアプリケーションが識別子を知る必要がある場合は、手段M1によって生成した識別子を対応するホストに送信することができる。
有利には、手段M1およびNFCコントローラNCは1つのエンティティに統合されている。あるいは、手段M1はマイクロプロセッサに実装可能である。
【0034】
本発明によって、NFCリーダRDは、その磁界内に物理的に存在するアンテナの数を検出することができる。従ってリーダRDは、非接触セッションを最適化するためにその通信パラメータを設定することができる。
更に、本発明は、いくつかのアンテナが磁界にある場合にNFCリーダが適用可能な挙動を変更する際に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2のホスト(EPA、EPB)ならびにNFCコントローラ(NC)を含む装置(ND)であって、前記第1および第2のホスト(EPA、EPB)がそれぞれ第1の通信プロトコル(P1)および第2の通信プロトコル(P2)によってリーダ装置(RD)と通信を行うことが意図され、前記第1および第2のホスト(EPA、EPB)がそれぞれ第1の識別子(IA)および第2の識別子(IB)によって衝突防止フェーズの間に前記リーダ装置(RD)により識別されることが意図され、前記第1の識別子(IA)が可変部(IAV)を含み、前記可変部(IAV)および前記第2の識別子(IB)が共通パターン(CPP)を含み、
前記装置(ND)が、前記第1の識別子(IA)を生成することができる手段(M1)を含むことを特徴とする、装置(ND)。
【請求項2】
前記第1のホスト(EPA)および前記第2のホスト(EPB)が1つの構成要素に統合され、前記第1および第2の通信プロトコル(P1、P2)が異なることを特徴とする、請求項1に記載の装置(ND)。
【請求項3】
前記第1および第2の識別子(IA、IB)が同一であり、前記第1および第2の通信プロトコル(P1、P2)が異なることを特徴とする、請求項1に記載の装置(ND)。
【請求項4】
前記第1および第2の通信プロトコル(P1、P2)が同一であり、前記第1および第2のホスト(EPA、EPB)が異なることを特徴とする、請求項1に記載の装置(ND)。
【請求項5】
前記第2の識別子(IB)が可変部(IBV)を含み、前記手段(M1)が前記第2の識別子(IB)を生成することができることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置(ND)。
【請求項6】
前記手段(M1)が前記第2の識別子(IB)から前記第1の識別子(IA)を生成することができることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置(ND)。
【請求項7】
前記第1および/または前記第2のホスト(EPA、EPB)がセキュアなホストであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置(ND)。
【請求項8】
前記手段(M1)が前記第1の識別子(IA)を前記第1のホスト(EPA)に送信することができることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置(ND)。
【請求項9】
前記手段(M1)が前記NFCコントローラ(NC)であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置(ND)。
【請求項10】
前記装置(ND)が移動電話等の携帯型装置であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置(ND)。
【請求項11】
前記第1および第2の通信プロトコル(P1、P2)の各々が、ISO14443−A、ISO14443−B、ISO15693、ISO18092−F、またはJISX6319−F規格に準拠することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の装置(ND)。
【請求項12】
第1および第2のホスト(EPA、EPB)とリーダ装置(RD)との間のNFCトランザクションを管理するための方法であって、前記第1および第2のホスト(EPA、EPB)がNFC装置(ND)に埋め込まれ、前記第1および第2のホスト(EPA、EPB)がそれぞれ第1の識別子(IA)および第2の識別子(IB)によって衝突防止フェーズの間に前記リーダ装置(RD)により識別されることが意図され、前記第1の識別子(IA)が可変部(IAV)を含み、
前記方法が、
前記NFC装置(ND)内で前記第1の識別子(IA)を生成するステップであって、前記第1の識別子(IA)の前記可変部(IAV)および前記第2の識別子(IB)が共通パターン(CPP)を含むステップと、
前記リーダ装置(RD)側で、前記第1および第2の識別子(IA、IB)内の共通パターンを検索するステップと、
共通パターンが見つかった場合、および前記第1の識別子(IA)の前記可変部(IAV)が前記共通パターンを含む場合、前記第1および第2のホスト(EPA、EPB)が唯一のNFC装置(ND)に埋め込まれていると結論付けるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記第1および第2のホスト(EPA、EPB)と通信を行うために前記リーダ装置(RD)によって通信パラメータが用いられ、前記方法が、共通パターンの検索に成功した場合、
前記リーダ装置(RD)側で前記通信パラメータを更新するステップ
を更に含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、前記生成ステップの後に前記第1の識別子(IA)を前記第1のホスト(EPA)に送信するステップを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−523729(P2012−523729A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503996(P2012−503996)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054530
【国際公開番号】WO2010/115889
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(309014746)ジェムアルト エスアー (23)
【Fターム(参考)】